(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073357
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240522BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K3/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133076
(22)【出願日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0154745
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0044272
(32)【優先日】2023-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 秉佑
(72)【発明者】
【氏名】李 春根
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH22
5E316HH24
5E316HH25
5E316HH26
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、微細な回路を含む領域を実現することができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100を形成する段階、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成する段階、第1基板部100の中間絶縁層250が形成された側の反対側上に臨時層400を形成する段階、臨時層400を平坦化する段階、中間絶縁層250上に第2基板部200を形成する段階及び臨時層400を除去する段階を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板部を形成する段階と、
前記第1基板部上に中間絶縁層を形成する段階と、
前記第1基板部の前記中間絶縁層が形成された側の反対側上に臨時層を形成する段階と、
前記臨時層を平坦化する段階と、
前記中間絶縁層上に第2基板部を形成する段階と、
前記臨時層を除去する段階と、を含む、プリント回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記臨時層を平坦化する段階は、
前記臨時層が前記第1基板部の上部に配置されるように前記第1基板部を反転する段階と、
前記臨時層の一部を除去して前記臨時層を平坦化する段階と、
前記臨時層が前記第1基板部の下部に配置されるように前記第1基板部を再び反転する段階と、を含む、請求項1に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1基板部の第1側面の厚さは、前記第1基板部の前記第1側面に対向する第2側面の厚さより厚い、請求項1に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1基板部は、前記第1側面における厚さが最も厚く、前記第2側面における厚さが最も薄くなるように傾斜している、請求項3に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記臨時層は金属を含む、請求項1に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記臨時層を形成する段階はめっきにより行われる、請求項5に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記臨時層を除去する段階は、化学機械研磨(CMP)及びエッチングのうち少なくとも一つを用いて行われる、請求項6に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1基板部を形成する段階は、複数の第1配線層、前記複数の第1配線層をそれぞれ埋め込む複数の第1絶縁層、及び前記複数の第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層を形成する段階を含む、請求項1に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記臨時層を除去する段階において、前記複数の第1配線層のうち最下側に配置された第1配線層の少なくとも一部が除去され、前記複数の第1ビア層のうち最下側に配置された第1ビア層の少なくとも一部が外部に露出する、請求項8に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記臨時層を除去する段階において、前記最下側に配置された第1ビア層の外周面の少なくとも一部がさらに除去され、前記最下側に配置された第1ビア層の少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層のうち最下側に配置された第1絶縁層とを互いに離隔させるギャップ領域が形成される、請求項9に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記臨時層を除去する段階の後に、
前記最下側に配置された第1絶縁層の少なくとも一部上に第1金属層を形成する段階と、
前記第1金属層上に第2金属層を形成する段階と、をさらに含む、請求項10に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1金属層は、前記最下側に配置された第1絶縁層上から前記最下側に配置された第1ビア層上に延びて前記ギャップ領域を充填する、請求項11に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1金属層を形成する段階は無電解めっきにより行われ、
前記第2金属層を形成する段階は電解めっきにより行われる、請求項11に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第2金属層を形成する段階の後に、
前記最下側に配置された第1絶縁層上に半田レジスト層を形成する段階をさらに含む、請求項11に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第2基板部を形成する段階は、複数の第2配線層、前記複数の第2配線層をそれぞれ埋め込む複数の第2絶縁層、及び前記複数の第2絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を貫通する第2ビア層を形成する段階を含み、
前記第2基板部は、前記第1基板部の配線よりも微細な配線を含む、請求項8に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記中間絶縁層上に第2基板部を形成する段階の前に、
前記中間絶縁層を平坦化する段階をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記臨時層を除去する段階の後に、
前記第1基板部の前記第2基板部が形成された側の反対側上に第3基板部を形成する段階をさらに含み、
前記第3基板部を形成する段階は、第3絶縁層、第3絶縁層上に形成される第3配線層、及び前記第3配線層と連結されるように前記第3絶縁層の少なくとも一部を貫通する第3ビア層を形成する段階を含む、請求項1に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項18】
複数の第1絶縁層、前記複数の第1絶縁層の上又は内にそれぞれ配置される複数の第1配線層、及び前記複数の第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層を含む第1基板部と、
前記第1基板部上に配置される第2基板部と、
前記第1及び第2基板部の間に配置される中間絶縁層と、を含み、
前記複数の第1配線層のうち最下側に配置された第1配線層の少なくとも一つの第1配線は、前記第1ビア上に配置され、
前記第1基板部は、前記複数の第1ビア層のうち最下側に配置された第1ビア層の少なくとも一つの第1ビアの少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層のうち最下側に配置された第1絶縁層とを互いに離隔させるギャップ領域を含む、プリント回路基板。
【請求項19】
前記第1配線は、前記第1ビア上に配置された第1金属層及び前記第1金属層上に形成される第2金属層を含む、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項20】
前記第1金属層は、前記複数の第1絶縁層のうち最下側に配置された第1絶縁層上に延びて前記ギャップ領域を充填する、請求項19に記載のプリント回路基板。
【請求項21】
前記第1ビアと前記第1金属層の境界面は、前記最下側に配置された第1絶縁層の内部に位置し、
前記第1ビアと前記第1金属層の境界面と前記最下側に配置された第1絶縁層の下面とは段差を有する、請求項20に記載のプリント回路基板。
【請求項22】
前記第1基板部の第1側面の厚さは、前記第1基板部の前記第1側面に対向する第2側面の厚さより厚い、請求項19に記載のプリント回路基板。
【請求項23】
前記第1基板部は、前記第1側面における厚さが最も厚く、前記第2側面における厚さが最も薄くなるように傾斜している、請求項22に記載のプリント回路基板。
【請求項24】
前記第2基板部の第1側面の厚さは、前記第2基板部の前記第1側面に対向する第2側面の厚さと同一である、請求項23に記載のプリント回路基板。
【請求項25】
第2基板部は、複数の第2絶縁層、前記複数の第2絶縁層の上又は内にそれぞれ配置される複数の第2配線層、及び前記複数の第2絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第2ビア層を含み、
前記第2基板部は、前記第1基板部の配線よりも微細な配線を含む、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項26】
前記複数の第2絶縁層のうち最下側に配置された絶縁層の上面の粗さは、前記第2絶縁層のうち最下側に配置された絶縁層を除く残りの絶縁層の上面の粗さより大きい、請求項25に記載のプリント回路基板。
【請求項27】
前記第1基板部の前記第2基板部が配置された側の反対側上に配置された第3基板部をさらに含み、
前記第3基板部は、第3絶縁層、前記第3絶縁層上に形成された第3配線層、及び前記第3絶縁層の少なくとも一部を貫通する第3ビア層を含む、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項28】
複数の第1絶縁層、前記複数の第1絶縁層の上又は内にそれぞれ配置される複数の第1配線層、及び前記複数の第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層を含む第1基板部と、
前記第1基板部上に配置される第2基板部と、を含み、
前記第1基板部は、前記複数の第1配線層のうち最下側に配置された第1配線層の少なくとも一つの第1配線の少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層のうち最下側に配置された第1絶縁層とを互いに離隔させるギャップ領域を含み、
前記第1配線の側面の少なくとも一部は、前記複数の第1絶縁層のうち最下側に配置された第1絶縁層によって埋め込まれている、プリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の軽量化及び小型化の傾向に対応するために、これに実装されるプリント回路基板においても、軽薄短小化を実現する必要性がますます増加している。また、高性能のサーバ向けプリント回路基板の需要が増加するにつれて、ロジック半導体とメモリ半導体、あるいはロジック半導体とロジック半導体を連結する高密度回路の需要も急激に増加している。このとき、高密度回路を実現する過程で絶縁層の底面が平坦化されていないと、高密度回路の不良を引き起こす可能性がある。これに対する技術的要求に応えるべく、高密度の微細回路を実現しながらも信頼性を向上させるための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の様々な目的のうち一つは、微細な回路を含む領域を実現することができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【0004】
本発明の様々な目的のうち他の一つは、微細な回路を含む領域を形成する前に基板の平坦化を行うプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【0005】
本発明の様々な目的のうち他の一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち一つは、第1基板部を形成する段階、第1基板部上に中間絶縁層を形成する段階、第1基板部の中間絶縁層が形成された側の反対側上に臨時層を形成する段階、臨時層を平坦化する段階、中間絶縁層上に第2基板部を形成する段階、及び臨時層を除去する段階を含む、プリント回路基板の製造方法に関する。
【0007】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち他の一つは、複数の第1絶縁層、複数の第1絶縁層の上又は内にそれぞれ配置される複数の第1配線層、及び複数の第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層を含む第1基板部、第1基板部上に配置される第2基板部、並びに第1基板と第2基板部との間に配置される中間絶縁層を含み、複数の第1配線層のうち最下側に配置された第1配線層の少なくとも一つの第1配線は第1ビア上に配置され、第1基板部は、複数の第1ビア層のうち最下側に配置された第1ビア層の少なくとも一つの第1ビアの少なくとも一部と、複数の第1絶縁層のうち最下側に配置された第1絶縁層とを互いに離隔させるギャップ領域を含む、プリント回路基板に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち一効果として、微細な回路を含む領域を実現することができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【0009】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、微細な回路を含む領域を形成する前に基板の平坦化を行うプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【0010】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】一例によるプリント回路基板の製造方法を示すフローチャートである。
【
図4】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図5】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図6】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図7】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図8】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図9】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図10】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図11】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図12】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図13】一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図14】他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図15】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図16】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図17】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図18】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図19】他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図20】さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図21】さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図22】さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図23】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を示すフローチャートである。
【
図24】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図25】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図26】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図27】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図28】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図29】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図30】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図31】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図32】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【
図33】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図34】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図35】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図36】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図37】さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【
図38】さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【
図39】さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小され得る。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ・デジタルコンバータ、ASIC(application‐specific IC、特定用途向け集積回路)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi‐Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev‐DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co‐Firing Ceramics、低温同時焼成セラミックス)、EMI(Electro Magnetic Interference、電磁干渉)フィルタ、MLCC(Multi‐Layer Ceramic Capacitor、多層セラミックキャパシタ)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されても又はされなくてもよい他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)コンピュータ、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)機器などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されても又はされなくてもよい他の部品が内部に収容されている。部品1120のうち一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
プリント回路基板の製造方法
図3は、一例によるプリント回路基板の製造方法を示すフローチャートであり、
図4~
図14は、一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0023】
図3を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100を形成する段階、中間絶縁層250を形成する段階、臨時層400を形成する段階、臨時層400を平坦化する段階、中間絶縁層250を平坦化する段階、第2基板部200を形成する段階、臨時層を除去する段階、第1金属層141を形成する段階、第2金属層142を形成する段階、第3基板部を形成する段階、及び半田レジスト層SRを形成する段階を含むことができる。
【0024】
臨時層400を平坦化する段階は、第1基板部100を反転する段階、臨時層400の一部を除去する段階、第1基板部100を再び反転する段階を含むことができる。
【0025】
図4を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100を形成する段階及び中間絶縁層250を形成する段階を含むことができる。
【0026】
第1基板部100を形成する段階は、複数の第1配線層120、複数の第1配線層120をそれぞれ埋め込む複数の第1絶縁層110、及び複数の第1絶縁層110のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層130を形成する段階を含むことができる。
【0027】
第1基板部100は、コアタイプの多層基板であってもよい。すなわち、複数の第1絶縁層110は、コア絶縁層及び複数のビルドアップ絶縁層を含むことができ、コア絶縁層の上下に複数のビルドアップ絶縁層が形成され、複数の第1絶縁層110をなすことができる。複数の第1配線層120は、コア絶縁層の上面及び下面上にそれぞれ配置されるコア配線層及び複数のビルドアップ配線層を含むことができる。また、複数の第1ビア層130は、コア配線層を互いに連結するようにコア絶縁層を貫通する貫通ビア層及び複数のビルドアップ配線層を互いに連結するように複数のビルドアップ絶縁層をそれぞれ貫通する接続ビア層を含むことができる。
【0028】
第1絶縁層110のコア絶縁層は絶縁物質を含むことができる。絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの絶縁樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、又は無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)等の芯材に含浸された樹脂、例えば、CCL(Copper Clad Laminate、銅張積層板)の絶縁材等が使用されてもよいが、これらに限定されるものではない。コア絶縁層は、複数のビルドアップ絶縁層のそれぞれより厚さがさらに厚くてもよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
第1絶縁層110のビルドアップ絶縁層は、それぞれ絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/又は非感光性材料であってもよい。例えば、複数のビルドアップ絶縁層の絶縁材料としては、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper、樹脂被覆銅)の絶縁材などであってもよいが、これらに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build‐up Film、味の素ビルドアップフィルム)、PID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)、FR‐4、BT(Bismaleimide Triazine、ビスマレイミドトリアジン)などであってもよい。しかし、これらに限定されるものではなく、必要に応じて、それら以外にも他の剛性に優れたその他の高分子素材が用いられてもよい。
【0030】
第1配線層120はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。第1配線層120は、それぞれシード層として無電解めっき層(又は化学銅)及びめっき層として電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。第1配線層120は、それぞれ当該層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含むことができる。
【0031】
第1ビア層130の貫通ビア層は、貫通孔の壁面に形成された金属層と金属層を充填するプラグとを含むことができる。金属層は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの金属物質を含むことができる。プラグは絶縁材質のインクを含むことができる。金属層は、無電解めっき層(又は化学めっき銅)及び電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。貫通ビアは設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。ここで、信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを伝達するためのビアを含むことができる。
【0032】
第1ビア層130の接続ビア層はマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィルドビア(filled via)であってもよく、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)であってもよい。マイクロビアはスタック型(stacked type)及び/又はスタガード型(staggered type)で配置されることができる。第1ビア層130はそれぞれ金属物質を含むことができ、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの金属物質を含むことができる。接続ビア層は、それぞれシード層として無電解めっき層(又は化学めっき銅)、及びめっき層として電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。接続ビア層は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。ここで、信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを伝達するためのビアを含むことができる。
【0033】
それぞれの第1配線層120及びそれぞれの第1ビア層130は、互いに一体に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。第1配線層120及び第1ビア層130は、SAP(Semi Additive Process、セミアディティブプロセス)、MSAP(Modified Semi Additive Process、モディファイドセミアディティブプロセス)、TT(Tenting、テンティング)法、又はサブトラクティブ(Subtractive)法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路を構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。
【0034】
一方、第1基板部100は、コア絶縁層及び4つの層で構成されるビルドアップ絶縁層を有するものとして描写されており、第1配線層120及び第1ビア層130もこれに対応する数で描写されているが、これに限定されるものではなく、第1基板部100の層数は、プリント回路基板の設計に応じて変更可能である。
【0035】
また、
図4には描写されていないが、第1基板部100の内部には、受動素子及び/又は能動素子で構成される電子部品が埋め込まれることができ、プリント回路基板の一般的な構成をさらに含むように第1基板部100を形成することができる。すなわち、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば利用可能な製造方法をさらに含むように、第1基板部100を形成することができる。
【0036】
一例によるプリント回路基板の製造方法の第1絶縁層110、第1配線層120、及び第1ビア層130を形成する段階において、第1基板部100の総厚さ偏差(Total Thickness Variation、TTV)が発生することがある。これは、第1配線層120の設計により第1配線層120を埋め込むように形成される第1絶縁層110の厚さ偏差が発生し得るためである。すなわち、第1配線層120の密度が高い領域では、第1絶縁層110の厚さが厚いことがあり、逆に、第1配線層120の密度が低い領域では、第1絶縁層110の厚さが薄く形成されることがあるため、一層の第1絶縁層110内で厚さの偏差が発生することがある。総厚さ偏差は、それぞれの第1絶縁層110で発生した厚さ偏差が累積して発生し得るものである。
【0037】
第1基板部100に総厚さ偏差が発生する場合、第1基板部100の第1側面の厚さt1は、第1基板部100の第2側面の厚さt2より厚い可能性がある。第1基板部100の第2側面は、第1基板部100の第1側面と対向する側面である。第1基板部100は、第1側面における厚さが最も厚く、第2側面における厚さが最も薄くなるように傾斜した構造を有することができる。このとき、第1基板部100は、第1側面における厚さが第2側面における厚さより厚い傾向を有することができる。第1側面及び第2側面は、必ずしも第1基板部100の外部を意味するものではなく、第1側面方向で測定された厚さが第2側面方向で測定された厚さより厚くてもよいことを含む。これは、第1基板部100の上面及び/又は下面が一方向に傾いて傾斜した構造を有してもよいことを意味することもできる。
【0038】
図4では、第1絶縁層110のコア絶縁層を基準として、上下に配置されるビルドアップ絶縁層のそれぞれに対称するように厚さ偏差が発生したことを表現しているが、これに限定されるものではなく、コア絶縁層を基準として、上下に配置されるビルドアップ絶縁層の厚さ偏差が異なってもよい。また、コア絶縁層を基準として、上面に配置されるビルドアップ絶縁層のみに厚さ偏差が発生してもよいなど、このような構造は設計によって変更されてもよく、第1絶縁層110の形成段階の過程によっても変更されることができる。
【0039】
本発明において、第1基板部100の厚さは、第1基板部100の上面及び下面を縦断する距離を意味することができる。第1配線層120のうち最外側に配置される第1配線層120により、第1基板部100の上面及び下面が一定の平面をなさないことがあるため、本発明では便宜上、第1基板部100の厚さを、第1絶縁層110のうち最外側に配置される第1絶縁層110のそれぞれの上面及び下面を基準として測定することができ、以下では、このような解析を適用することができる。
【0040】
総厚さ偏差が発生した第1基板部100の厚さは、測定位置に応じて異なる厚さが測定されることがあるため、第1基板部100の上面のいずれか一地点からこれに対向する第1基板部100の下面の地点までの垂直距離を意味することができる。
【0041】
総厚さ偏差は、第1基板部100の各地点における厚さを測定して分析することができる。一例として、第1基板部100を上面から見た平面図において、横方向に10個の区間及び縦方向に8個の区間に等分して合計80個の領域に分割することができる。それぞれの区間は、再び等間隔の9個の地点に分割することができる。すなわち、第1基板部100を合計720個の地点に均等に分割することができる。このとき、第1基板部100を分割できるというのは、任意の仮想線又は仮想面を用いて第1基板部100の厚さ測定領域を分けるものとして理解できるが、これに限定されず、物理的な切断を行うことを含むこともできる。
【0042】
第1基板部100のそれぞれの地点で測定された厚さを用いて第1基板部100の厚さ分布図を描くことができ、第1側面及び第2側面に該当する地点における厚さ偏差が中間値に対して10μm程度の偏差の値を有する場合、総厚さ偏差が発生したと解釈することができる。すなわち、第1側面で測定された厚さの最大値と第2側面で測定された厚さの最小値との差が20μm程度である場合、総厚さ偏差が発生したと解釈することができる。
【0043】
一方、上述した測定方法は例示的なものに過ぎず、地点を分割する方法は多様であり、厚さ偏差が発生したことを判断する偏差の絶対値の数値も多様であり得る。さらに他の一例としては、一つの区間領域が9個の地点ではなく、他の任意の個数の地点を有するように分割されてもよく、一つの地点が横1cm、縦1cmからなる四角形になるように分割することもできる。また、偏差の発生範囲を特定の数値に限定するのではなく、中間値に対する割合として決定することもできる。すなわち、測定方法において特許請求の範囲が限定されるものではなく、第1基板部100の厚さ偏差が発生したことを確認可能な如何なる測定方法でも制限なく利用できる。
【0044】
中間絶縁層250は、第1基板部100を形成した後に、第1基板部100上に形成されることができる。すなわち、中間絶縁層250は、複数の第1絶縁層110のうち最上側に配置された第1絶縁層110の上面に配置されてもよい。中間絶縁層250は、複数の第1配線層120のうち最上側に配置された第1配線層120を埋め込むように形成されることができる。
【0045】
中間絶縁層250は絶縁物質を含むことができる。絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの絶縁樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、又は無機フィラーと共にガラス繊維などの芯材に含浸された樹脂、例えば、PPG(Prepreg、プリプレグ)、RCC(Resin Coated Copper、樹脂被覆銅)の絶縁材などであってもよいが、これらに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build‐up Film、味の素ビルドアップフィルム)、PID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)、FR‐4、BT(Bismaleimide Triazine、ビスマレイミドトリアジン)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。中間絶縁層250は、後述する段階において、第2基板部200の第2絶縁層210と同じ絶縁物質を含むように設計することができ、第2絶縁層210と同じ構造を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0046】
図5を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成する段階の後に、第1基板部100の中間絶縁層250が形成された側の反対側上に臨時層400を形成する段階を含むことができる。
【0047】
臨時層400は、第1基板部100及び中間絶縁層250の平坦度を調整する構成に該当し、金属物質を含むことができるが、これに限定されるものではなく、絶縁材料を含むこともできる。
【0048】
金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができるが、好ましくは、銅(Cu)を含むことができる。臨時層400が金属物質である場合には、臨時層400は、第1基板部100の中間絶縁層250が形成された側の反対側上にめっきによって形成されることができる。臨時層400は電解めっきで形成されることができ、必要に応じて、臨時層は無電解めっき後に電解めっきを行うこともできる。しかし、これに限定されるものではなく、臨時層400は金属ブロックの形態で第1基板部100に付着されてもよい。このとき、第1基板部100に臨時層400を結合するために接着層などの接着手段が用いられてもよい。
【0049】
絶縁材料としては、PPG(Prepreg、プリプレグ)、RCC(Resin Coated Copper、樹脂被覆銅)の絶縁材などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build‐up Film、味の素ビルドアップフィルム)、PID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)、FR‐4、BT(Bismaleimide Triazine、ビスマレイミドトリアジン)などであってもよい。臨時層400が絶縁材料を含む場合には、接着層などの接着手段を用いて第1基板部100に結合されてもよい。
【0050】
図6を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、臨時層400を平坦化する段階を含むことができる。臨時層400を平坦化する段階は、臨時層400が第1基板部100の上部に配置されるように第1基板部100を反転する段階を含むことができる。
【0051】
第1基板部100を反転するとは、床Fを基準として第1基板部100の上下が変更されるように配置することを意味することができる。すなわち、一例によるプリント回路基板の製造方法の段階のうち、一時的に第1基板部100の上下方向を変更することを意味し、第1基板部100の構造が変更されるものではない。すなわち、第1基板部100上に配置された中間絶縁層250が床Fに向かうように下部に配置されることができ、中間絶縁層250の反対側上に配置された臨時層400が上部に配置されることができる。
【0052】
本発明において、床Fは、第1基板部100の上下方向の基準となる面であって、仮想の面であってもよいが、実存する面であってもよい。床Fは、第1基板部100の重力下方向に位置し、重力下方向と垂直である平坦な面を意味し、一般用語としての床(floor)と理解することができる。しかし、これに限定されるものではなく、プリント回路基板の工程のために、一般的に使用する基板装置等における基板据置台、又は基板支持台等の構成の一面に該当することもできる。
【0053】
図6では、第1基板部100を反転するために、断面図を基準として第1基板部100が180度回転するものとして表現したが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板の断面図が上下反転するように回転するものであって、第1基板部100を反転することもできる。前者の場合は、
図6のように断面図において垂直な方向を基準軸として180度回転するものであり、後者の場合には、断面図における横方向を基準軸として180度回転するものである。
【0054】
第1基板部100を反転することにより、中間絶縁層250は床Fと実質的に平行に配置されることができる。実質的に平行であるとは、大まかなものを含む概念であり、例えば、製造工程上で発生する段階誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。すなわち、中間絶縁層250の上面が床と実質的に平行に配置されるとは、第1基板部100の総厚さ偏差にもかかわらず、第1基板部100上に配置される中間絶縁層250が床Fと実質的に平行に配置されることを意味するなど、第1基板部100の一面に発生した傾斜を克服し、床Fと実質的に平行になるように配置されることを意味する。しかし、これに限定されるものではなく、中間絶縁層250が床Fと実質的に平行であるとは、中間絶縁層250が床Fの上に載置されることを含む概念であることができる。中間絶縁層250が床Fの上に載置されるとは、中間絶縁層250の一面が床Fと同じ面をなすように配置されることを意味することができる。
【0055】
図7を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、臨時層400を平坦化する段階を含むことができる。臨時層400を平坦化する段階は、臨時層400の一部を除去して臨時層400を平坦化する段階を含むことができる。
【0056】
臨時層400を平坦化するとは、臨時層400の一面が床Fと実質的に平行になるように臨時層400の一部が除去されることを意味することができる。臨時層400の一部を除去する段階は、カッティング(cutting)、グラインディング(grinding)等の工程を用いることができるが、これに限定されるものではなく、臨時層400の一面が一定の面をなすように除去されることができる方法であれば、制限なく利用できる。すなわち、臨時層400の下面が床と実質的に平行になるように除去されることができる方法であれば、利用できるものである。一方、臨時層400の材料に応じて、異なる方法で行われてもよい。
【0057】
臨時層400の一部を除去して臨時層400を平坦化することにより、後述する第2基板部200を形成する段階において、第1基板部100の総厚さ偏差にもかかわらず、第2基板部200は中間絶縁層250の平坦化された一面上に形成されることができる。
【0058】
図8を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、臨時層400を平坦化する段階を含むことができる。臨時層400を平坦化する段階は、臨時層400が第1基板部100の下部に配置されるように第1基板部100を再び反転する段階を含むことができる。
【0059】
第1基板部100を反転するとは、上述した内容と同じ意味で解釈することができ、第1基板部100を再び反転するとは、第1基板部100が元の方向に戻ることを意味することができる。すなわち、臨時層400が第1基板部100の下部に配置されてもよく、中間絶縁層250は第1基板部の上部に配置されてもよいことを意味する。
【0060】
第1基板部100を再び反転することにより、臨時層400の下面は、床Fと実質的に平行に配置されることができる。実質的に平行であるとは、上述の内容の通りである。すなわち、臨時層400の下面が床の上に載置されるという意味を含むことができる。臨時層400の下面が平坦化された後、臨時層400の下面が床に載置されることができるため、中間絶縁層250の上面は床と実質的に平行でありながらも、第1基板部100の上部に配置されることができる。これは、後述する段階において第2基板部200を形成する際に、信頼性を向上させることができる。
【0061】
図9を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、中間絶縁層250上に第2基板部200を形成する段階を含むことができる。第2基板部200を形成する段階は、複数の第2配線層220、複数の第2配線層220をそれぞれ埋め込む複数の第2絶縁層210、及び複数の第2絶縁層210のそれぞれの少なくとも一部を貫通する第2ビア層230を形成する段階を含むことができる。
【0062】
第2絶縁層210は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができ、感光性材料及び/又は非感光性材料であってもよい。例えば、PPG(Prepreg、プリプレグ)、RCC(Resin Coated Copper、樹脂被覆銅)の絶縁材などであってもよいが、これに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build‐up Film、味の素ビルドアップフィルム)、PID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)、FR‐4、BT(Bismaleimide Triazine、ビスマレイミドトリアジン)、RCC(Resin Coated Copper、樹脂被覆銅)、CCL(Copper Clad Laminate、銅張積層板)の絶縁材又はPID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)のような感光性絶縁材料等が用いられてもよいが、これらに限定されず、その他の高分子素材が含まれてもよい。一方、第2絶縁層210としてPID材料を用いる場合、第2配線層220を微細に実現することが容易であり得る。
【0063】
第2絶縁層210は、第1絶縁層110の絶縁材料と同じ絶縁材料を含むことができるが、これに限定されるものではなく、互いに異なる材料を含むこともできる。第2基板部200は第1基板部100より微細な配線を実現するため、第2絶縁層210は第1絶縁層110の絶縁材料よりも微細加工にさらに有利な絶縁材料を含むことができる。好ましくは、第2絶縁層210は、中間絶縁層250の絶縁材料と同じ絶縁材料を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、互いに異なる材料を含んでもよい。
【0064】
第2配線層220は金属物質を含む。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。第2配線層220は、それぞれ無電解めっき層(又は化学めっき銅)及び電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。第2配線層220は、それぞれ当該層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含むことができる。
【0065】
第2ビア層230はマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィルドビア(filled via)であってもよく、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)であってもよい。マイクロビアはスタック型(stacked type)及び/又はスタガード型(staggered type)で配置されることができる。第2ビア層230のそれぞれは金属物質を含むことができ、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの金属物質を含むことができる。第2ビア層230は、それぞれ無電解めっき層(又は化学めっき銅)及び電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。接続ビア層は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。ここで、信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを伝達するためのビアを含むことができる。
【0066】
それぞれの第2配線層220及び第2ビア層230は互いに一体に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。第2配線層220及び第2ビア層230は、SAP(Semi Additive Process、セミアディティブプロセス)、MSAP(Modified Semi Additive Process、モディファイドセミアディティブプロセス)、TT(Tenting、テンティング)法、又はサブトラクティブ(Subtractive)法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路を構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。
【0067】
一方、第2基板部200の配線密度は、第1基板部100の配線密度よりも高くてもよい。配線密度がさらに高いとは、相対的な概念であり、同じ面積内にさらに多くの回路パターンが含まれてもよいことを意味することができるが、これに限定されるものではなく、より微細な配線が含まれることを意味することができる。例えば、第2基板部200の第2配線層220は、第1基板部100の第1配線層120よりも配線の厚さ、ライン/スペース、ピッチなどが相対的にさらに小さくてもよい。また、第2基板部200の配線間の絶縁距離も第1基板部100の配線間の絶縁距離より小さくてもよい。一方、厚さ、ライン、スペース、ピッチ等は、プリント回路基板の研磨又は切断断面を基準として走査顕微鏡又は光学顕微鏡を用いて測定することができ、これらの数値が一定でない場合には、任意の5地点で測定した値の平均値で比較することができる。
【0068】
このとき、第2基板部200は、第1基板部100に比べて相対的に微細な配線を実現するため、第2基板部200の総厚さ偏差は最小化できる。すなわち、第2絶縁層210の第1側面の厚さt3は、第2絶縁層210の第2側面の厚さt4と実質的に同一であり得る。第2絶縁層210の第2側面は、第2絶縁層210の第1側面に対向する側面である。すなわち、第2基板部200は、実質的に均一な厚さを有するように形成されることができる。実質的に同一であるとは、大まかなものを含む概念であり、例えば、製造工程上で発生する段階誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。第2絶縁層210の厚さは、研磨又は切断断面を基準として走査顕微鏡又は光学顕微鏡を用いて測定することができ、これらの数値が一定でない場合には、任意の5地点で測定した値の平均値で比較することができる。
【0069】
第2基板部200を形成する前に、臨時層400を用いて第1基板部100の傾斜及び中間絶縁層250の傾斜を調節して平坦化するため、第1基板部100及び中間絶縁層250が床と実質的に平行に配置された状態で第2基板部200を形成することができる。したがって、第1絶縁層110で発生した総厚さ偏差にもかかわらず、微細回路を含む第2基板部200を安定的に形成することができる。
【0070】
一方、
図9では、第2基板部200を形成する段階の後に、第2基板部200上に半田レジスト層SRを形成する段階をさらに含むものとして描写しているが、これに限定されるものではなく、第1基板部100において、第2基板部200が形成された側の反対側を全て完成した後、それぞれの側において半田レジスト層SRを形成することもできる。
【0071】
半田レジスト層SRは外部からプリント回路基板を保護することができる。半田レジスト層SRは、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散された無機フィラーとを含むが、ガラス繊維は含まなくてもよい。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であってもよく、フィラーは無機フィラー及び/又は有機フィラーであってもよいが、これに限定されるものではない。但し、半田レジスト層SRの材料はこれに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外にその他の高分子素材が用いられてもよい。半田レジスト層SRは開口を含むことができ、開口を介して最外側に配置された第2配線層220の一部が外部に露出することができる。半田レジスト層SRの開口を介して外部に露出する第2配線層220は、プリント回路基板上において電子部品などが実装されるためのパッドとしての機能を果たすことができる。
【0072】
図10を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2基板部200を形成した後、臨時層400を除去する段階を含むことができる。
【0073】
臨時層400を除去する段階は、化学機械研磨(Chemical‐Mechanical Polishing;CMP)工程及びエッチング(etching)工程のうち少なくとも一つの工程を用いて行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0074】
臨時層400を除去する段階として、化学機械研磨(CMP)工程を用いる場合には、最下側に配置された第1配線層120の一部が除去され、最下側に配置された第1ビア層130の一部が外部に露出することができる。化学機械研磨(CMP)工程は、化学組成物を用いた化学的研磨とともに、ポリシングパッド等を用いた機械的研磨が同時に進行できるため、化学機械研磨(CMP)工程で臨時層400を除去する場合には、最下側に配置された第1配線層120が除去されると同時に、最下側に配置された第1ビア層130の一部がさらに除去されることができる。
【0075】
特に、化学機械研磨(CMP)工程は化学組成物を利用するため、最下側に配置された第1ビア層130の外周面の少なくとも一部がさらに除去され、最下側に配置された第1ビア層130と最下側に配置された第1絶縁層110との間を離隔させるギャップ領域Gが形成されることができる。すなわち、ギャップ領域Gは、最下側に配置された第1ビア層130の一部が除去された痕跡に該当することができる。特に、上述したように、化学機械研磨(CMP)工程は、化学組成物を用いた化学的研磨が行われることができるため、ギャップ領域Gは最下側に配置された第1ビア層130の下面の外周面に沿って形成されることができる。
【0076】
なお、
図10には示されていないが、ギャップ領域Gに限定されず、最下側に配置された第1ビア層130の下面は、一部が窪んだ溝部を有することができる。溝部も、ギャップ領域Gと同様に、最下側に配置された第1ビア層130の一部が除去された痕跡に該当することができる。最下側に配置された第1ビア層130の下面に溝部が発生することによって、最下側に配置された第1ビア層130の下面は平坦でなく凹凸のある表面を有することもできる。
【0077】
一方、
図10には示されていないが、臨時層400を除去する段階において、化学機械研磨(CMP)工程を用いる場合には、最下側に配置された第1絶縁層110の一部も共に除去されることができる。最下側に配置された第1絶縁層110の一部が除去される場合、第1基板部100の下面は平坦な面を有することができるが、これに限定されるものではない。第1基板部100は、第2基板部200部の配線よりも密度の低い配線を含むため、第1基板部100の下面は平坦な面を有していなくても、プリント回路基板の信頼性に与える効果は少ない可能性がある。これについては、より詳細に後述する。
【0078】
図11を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、臨時層400を除去する段階の後、最下側に配置された第1絶縁層の少なくとも一部上に第1金属層141を形成する段階をさらに含むことができる。第1金属層141は、後述する第2金属層142を形成する段階におけるシード層としての機能を果たすことができる。
【0079】
第1金属層141は金属物質を含むことができ、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。第1金属層141は、後述する第2金属層142のめっきのためのシード層としての機能を果たすことができ、無電解めっき工程を行って形成されてもよいが、これに限定されず、スパッタリング工程を行って形成されてもよい。
【0080】
第1金属層141は、第1基板部100の下部に形成され、最下側に配置された第1絶縁層110の下面及び最下側に配置された第1ビア層130の下面に沿って形成されることができる。第1金属層は、最下側に配置された第1絶縁層110上から最下側に配置された第1ビア層130上に延びるように形成されることができる。このとき、第1金属層141は、最下側に配置された第1絶縁層110と最下側に配置された第1ビア層130との間を離隔させるギャップ領域Gを充填するように形成されてもよい。
【0081】
第1金属層141は、最下側に配置された第1絶縁層110に沿って形成されることができるため、第1基板部100に発生した総厚さ偏差を適用することができる。すなわち、第1基板部100の総厚さ偏差によって最下側に配置された第1絶縁層110の下面は傾斜を有することができ、第1金属層141も、最下側に配置された第1絶縁層110の下面が有する傾斜と同じ傾斜を有することができる。
【0082】
図12を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1金属層141を形成する段階の後、第1金属層141上に第2金属層142を形成する段階を含むことができる。
【0083】
第2金属層142は金属物質を含むことができ、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。第2金属層142は、第1金属層141と同じ金属物質を含むことができるが、これに限定されるものではなく、異なる金属物質を含むこともできる。
【0084】
第2金属層142を形成する段階は、第1金属層141をシード層として用いるめっき工程で行われることができる。具体的に、第2金属層142を形成する段階は、第1金属層141上に第2金属層142を形成する段階と第2金属層142をパターニングする段階、第1金属層141の一部を除去する段階を含むことができるが、必要に応じて、一部の工程が省略又はさらに追加されてもよい。第2金属層142は、SAM(Semi Additive Process、セミアディティブプロセス)、MSAP(Modified Semi Additive Process、モディファイドセミアディティブプロセス)、TT(Tenting、テンティング)法、又はサブトラクティブ(Subtractive)法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路を構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。第2金属層142を形成した後には、第1金属層141の一部を除去して電気的信号経路を完成することができる。
【0085】
第1金属層141は傾斜を有し得るため、第2金属層も第1金属層141の傾斜と同じ傾斜を有し得る。すなわち、第1基板部100に発生した総厚さ偏差が、第2金属層142にも影響を与え得る。しかし、第1配線層120、第1金属層141及び第2金属層142は、第2基板部200の第2配線層220よりは相対的に微細ではない配線に該当するため、第1配線層120、第1金属層141及び第2金属層142が傾斜を有していても、第2基板部200の第2配線層220が傾斜を有する構造よりも信頼性の確保に有利であり得る。
【0086】
微細配線を実現する第2基板部200は、第1基板部100の総厚さ偏差に対してより脆弱であるため、第2配線層220が傾斜を有する構造が、第1配線層120、第1金属層141及び第2金属層142が傾斜を有する構造よりもさらに不利な構造に該当する。したがって、第1金属層141及び第2金属層142が傾斜を有していても、これは僅かなレベルに該当する可能性があり、一例によるプリント回路基板の信頼性に及ぼす効果が僅かである可能性がある。したがって、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100で発生した総厚さ偏差のうち、第2基板部200が形成される面の厚さ偏差を最小限にするために臨時層400を導入して平坦化する段階を行うものであり、これにより、微細配線が実現された第2基板部200を、第1基板部100の総厚さ偏差にもかかわらず平坦な面上に形成することができる。
【0087】
図13を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2金属層142を形成する段階の後に、半田レジスト層SRを形成する段階をさらに含むことができる。
【0088】
半田レジスト層SRは外部からプリント回路基板を保護することができる。半田レジスト層SRは、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散された無機フィラーとを含むが、ガラス繊維は含まなくてもよい。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であってもよく、フィラーは無機フィラー及び/又は有機フィラーであってもよいが、これに限定されるものではない。但し、半田レジスト層SRの材料はこれに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外に他の高分子素材が用いられてもよい。半田レジスト層SRは開口を含むことができ、開口を介して第2金属層142の一部が外部に露出することができる。半田レジスト層SRの開口を介して外部に露出する第2金属層142は、プリント回路基板がメインボード等に実装されるためのパッドとしての機能を果たすことができ、プリント回路基板上に電子部品等が実装されるためのパッドとしての機能を果たすこともできる。
【0089】
図14は、他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【0090】
図14を参照すると、他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2基板部200を形成する段階の前に、中間絶縁層250を平坦化する段階をさらに含むことができる。
【0091】
中間絶縁層250を平坦化する段階は、中間絶縁層250の上面の一部を除去する段階を含むことができ、カッティング(cutting)、グラインディング(grinding)等の工程を用いることができるが、これに限定されるものではなく、中間絶縁層250の上面が一定の平面をなすことができるように除去されることができる方法であれば、制限なく利用できる。
【0092】
中間絶縁層250を平坦化する段階において、中間絶縁層250の上面に粗さの大きい粗面が発生することがある。すなわち、中間絶縁層250の上面は、複数の第1絶縁層110のうち少なくとも一つの第1絶縁層110の上面よりも粗さが大きく形成されることがあり得て、中間絶縁層250の上面は、複数の第2絶縁層のうち少なくとも一つの第2絶縁層210の上面よりも粗さが大きく形成されることがあり得る。
【0093】
総厚さ偏差が発生した第1基板部100上に直ちに微細配線を含む第2基板部200を形成する場合には、第2基板部200の第2配線層220がずれて連結されるなどの問題が発生する恐れが大きいのは上述した通りである。したがって、第2基板部200を形成する前に中間絶縁層250を形成して中間絶縁層250を平坦化することで、第2基板部200の信頼性を確保することができる。
【0094】
しかし、総厚さ偏差が発生した第1基板部100上に配置された中間絶縁層250を平坦化する場合には、中間絶縁層250の一部を除去する方法で中間絶縁層250の上面を平坦化する際に、中間絶縁層250と当接した最上側に配置された第1配線層120が損傷するという問題が発生することがある。すなわち、第1基板部100で総厚さ偏差が発生した程度が大きく、第1基板部100のいずれか一側面の厚さが、いずれか他側面の厚さと中間絶縁層250の厚さとを合わせた厚さよりも大きく形成される場合には、中間絶縁層250を平坦化する際に、最外側に配置された第1配線層120の一部が除去されるという問題が発生する恐れがある。
【0095】
したがって、臨時層400を用いて総厚さ偏差が発生した第1基板部100の第1絶縁層110の上面を平坦になるように配置した後、中間絶縁層250を平坦化する場合には、第1配線層120が損傷する恐れがなく、臨時層400を用いて中間絶縁層250が優先的に平坦面を備えた後に平坦化過程が行われるため、さらに微細に中間絶縁層250に平坦面を実現することができる。したがって、第1基板部100のいずれか一側面の厚さが、いずれか他側面の厚さと中間絶縁層250の厚さとを合わせた厚さよりも大きくなるように第1基板部100に総厚さ偏差が発生しても、中間絶縁層250を平坦化することができる。
【0096】
その他の段階のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ段階は、他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0097】
図15は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【0098】
図15を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2金属層を形成する段階の後に、第3基板部300を形成する段階をさらに含むことができる。第3基板部300を形成する段階は、第3絶縁層310、第3絶縁層310上に形成される第3配線層320、及び第3配線層320と連結されるように第3絶縁層310の少なくとも一部を貫通する第3ビア層を形成する段階を含むことができる。第3基板部300は、第1基板部100の第2基板部200が形成された側の反対側上に形成されることができ、第3基板部300の第3絶縁層310は第2金属層142を埋め込むことができる。
【0099】
第3絶縁層310は絶縁材料を含むことができ、第1絶縁層110及び/又は第2絶縁層210と同じ絶縁材料を含むこともできるが、これに限定されるものではなく、第1絶縁層110及び第2絶縁層の絶縁材料とは異なる絶縁材料を含むこともできる。絶縁材料としては、PPG(Prepreg、プリプレグ)、RCC(Resin Coated Copper、樹脂被覆銅)の絶縁材などであってもよいが、これに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build‐up Film、味の素ビルドアップフィルム)、PID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)、FR‐4、BT(Bismaleimide Triazine、ビスマレイミドトリアジン)などであってもよい。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外にも、他に剛性に優れたその他の高分子素材が用いられてもよい。
【0100】
第3配線層320は金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを使用することができる。第3配線層320は、それぞれシード層として無電解めっき層(又は化学めっき銅)及びめっき層として電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。第3配線層320は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン、及び/又はパッド(Pad)パターンを含むことができる。
【0101】
第3ビア層330はマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィルドビア(filled via)であってもよく、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)であってもよい。マイクロビアはスタック型(stacked type)及び/又はスタガード型(staggered type)で配置されることができる。接続ビア層はそれぞれ金属物質を含むことができ、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの金属物質を含むことができる。第3ビア層330は、それぞれシード層として無電解めっき層(又は化学めっき銅)及びめっき層として電解めっき層(又は電気めっき銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層としての化学めっき銅の代わりにスパッタリング層が形成されてもよい。第3ビア層330は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。ここで、信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除く各種の信号、例えば、データ信号などを伝達するためのビアを含むことができる。
【0102】
第3配線層320及び第3ビア層330は一体に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。第3配線層320及び第3ビア層330は、SAP(Semi Additive Process、セミアディティブプロセス)、MSAP(Modified Semi Additive Process、モディファイドセミアディティブプロセス)、TT(Tenting、テンティング)法、又はサブトラクティブ(Subtractive)法のうちいずれか一つで形成されてもよいが、これに限定されるものではなく、プリント回路基板において回路を構成できる工法であれば、制限なく利用可能である。
【0103】
第3基板部300は、第2基板部200に対応するように第1基板部100に形成されてもよい。これは、第3基板部300が第2基板部200に対称になるように同一に形成されることを意味するものではなく、第3基板部300が第2基板部200の反対方向に形成されてもよいことを意味することができる。第3基板部300が第2基板部200の反対方向に形成されることにより、プリント回路基板の曲げ剛性を補完できるなど、信頼性を確保することができる。
【0104】
第3基板部300は第1基板部100の下部に形成されるため、第3基板部300は、第1基板部100で発生した総厚さ偏差による傾斜を有し得る。一方、第3基板部300の第3配線層320は、第2基板部200の第2配線層220よりは相対的に微細ではない配線に該当する。したがって、第3基板部300の第3配線層320が傾斜を有していても、第2基板部200の第2配線層220が傾斜を有する構造よりも信頼性の確保に有利であり得る。
【0105】
一方、
図15には示していないが、第3基板部300の第3絶縁層310を形成した後、第3絶縁層310の下面を平坦化する段階をさらに含むことができる。すなわち、第3絶縁層310を平坦化した後に第3配線層320を形成することができる。第3絶縁層310の下面を平坦化する段階は、中間絶縁層250を平坦化する段階と同じ工程を用いることができる。第1基板部100の下部に第3絶縁層310を形成した後、第3絶縁層310を平坦化すると、第3配線層320は第2基板部200の第2配線層220と実質的に平行になるように配置されることができる。
【0106】
また、
図15では、第3基板部300の第3絶縁層310が1つの第3絶縁層310であるものとして描写しているが、これに限定されるものではなく、第3基板部300の層数は、プリント回路基板の設計に応じて変更可能である。
【0107】
一方、第3基板部300を形成した後、第3基板部300の下部に半田レジスト層SRを形成する段階をさらに含むことができる。半田レジスト層SRを形成する段階は、一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述した内容を同様に適用することができる。
【0108】
その他の段階のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法及び他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ段階は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0109】
図16~
図18は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【0110】
図16を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を除去する段階は、エッチング(etching)工程を用いて行うことができる。
【0111】
臨時層400を除去する段階としてエッチング(etching)工程を用いる場合には、第1配線層120のうち最下側に配置された第1配線層120の少なくとも一部が除去され、最下側に配置された第1ビア層130の下面の少なくとも一部が外部に露出することができる。エッチング(etching)としては湿式エッチング(wet etching)を用いることができるが、これに限定されるものではなく、乾式エッチング(dry etching)を用いることもできる。
【0112】
一方、臨時層400を除去する段階において、化学機械研磨(CMP)工程を用いるのとは異なり、エッチング(etching)工程を用いる場合には、最下側に配置された第1ビア層130の一部がより多く削除されることができる。すなわち、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの下面が最下側に配置された第1絶縁層110の内部に配置されるように最下側に配置された第1ビア層130の一部が除去されることができ、最下側に配置された第1ビア層130の下面と最下側に配置された第1絶縁層110の下面とが互いに段差を有することもできる。一方、
図16には示されていないが、臨時層400をエッチング(etching)により除去する場合には、エッチング条件及びビアの位置に応じてビアがエッチングされる程度が異なることがあるため、最下側に配置された第1ビア層130のビアはそれぞれ異なる深さを有することができる。その理由は、臨時層400が薄く形成された部分と隣接したビアの場合には、臨時層400が厚く形成された部分と隣接したビアよりもさらに多く除去されることができるためである。
【0113】
臨時層400をエッチングによって除去しても、最下側に配置された第1ビア層130の外周面の少なくとも一部が除去され、最下側に配置された第1絶縁層110と最下側に配置された第1ビア層130の間を離隔させるギャップ領域Gが形成されることができる。すなわち、ギャップ領域Gは、最下側に配置された第1ビア層130が除去された痕跡に該当することができ、特に湿式エッチング(wet etching)が行われる場合には、ギャップ領域Gは最下側に配置された第1ビア層130の下面の外周面に沿って形成されることができる。
【0114】
図17を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、臨時層400を除去する段階の後、最下側に配置された第1絶縁層の少なくとも一部上に第1金属層141を形成する段階をさらに含むことができる。第1金属層141は、後述する第2金属層142を形成する段階におけるシード層としての機能を果たすことができる。
【0115】
第1金属層141を形成する段階は、一例によるプリント回路基板の製造方法と同一であってもよい。但し、臨時層400を除去する段階において、エッチング(etching)工程を用いて最下側に配置された第1ビア層130の下面と最下側に配置された第1絶縁層110の下面とが互いに段差を有することができるため、最下側に配置された第1ビア層130及び最下側に配置された第1絶縁層110の境界に沿って形成される第1金属層141は段差を有することができる。
【0116】
第1金属層141が最下側に配置された第1絶縁層110及び最下側に配置された第1ビア層130の境界に沿って延びるように形成されてもよいことは、一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様であり、第1金属層141がギャップ領域Gを充填するように形成されてもよいことも同様である。
【0117】
図18を参照すると、一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1金属層141を形成する段階の後、第1金属層141上に第2金属層142を形成する段階を含むことができる。
【0118】
第2金属層142を形成する段階は、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ方法で行われることができる。第2金属層142は、最下側に配置された第1ビア層130及び最下側に配置された第1配線層120が存在していた領域を全て充填し、最下側に配置された第1絶縁層110の下面に延びるため、臨時層400を除去する段階で第1ビアが相対的に多く除去された場合、第2金属層142が相対的にさらに多く形成されることができる。
【0119】
その他の段階のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法及び他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ段階は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0120】
プリント回路基板
図19は、一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0121】
図19を参照すると、一例によるプリント回路基板は、複数の第1絶縁層110、複数の第1絶縁層110の上又は内にそれぞれ配置される複数の第1配線層120、及び複数の第1絶縁層110のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層130を含む第1基板部100、第1基板部100上に配置される第2基板部200、第1基板部100と第2基板部200との間に配置される中間絶縁層250を含み、第1基板部100は、複数の第1ビア層130のうち最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの少なくとも一部と、複数の第1絶縁層110のうち最下側に配置された第1絶縁層110とを互いに離隔させるギャップ領域Gを含むことができる。
【0122】
一例によるプリント回路基板は、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの一部を最下側に配置された第1絶縁層110と離隔させるギャップ領域Gを含むことができる。ギャップ領域Gは、一例によるプリント回路基板の製造方法において、第1ビアの一部が除去された痕跡に該当することができる。一例によるプリント回路基板の製造方法は、上述したように臨時層400を除去する段階で化学機械研磨(CMP)工程を用いることができるため、最下側に配置された第1ビア層130の第1ビアの一部が除去されてギャップ領域Gが発生することができる。
【0123】
一例によるプリント回路基板の最下側に配置された第1配線層120は、第1金属層141及び第2金属層142を含むことができる。第1金属層141は、第2金属層142をめっきするためのシード層としての機能を果たすことができるが、これに限定されるものではない。第1金属層141は、第1ビアの下面及び最下側に配置された第1絶縁層110の下面に沿って延びるように配置されてもよく、ギャップ領域Gを充填するように配置されてもよい。
【0124】
一例によるプリント回路基板の第1基板部100に、総厚さ偏差が発生し得るというのは、一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述した通りである。すなわち、第1基板部100には、総厚さ偏差が発生し得て、第1基板部100の第1側面の厚さt1は、第1側面に対向する第2側面の厚さt2よりも厚いことができ、第1基板部100は、第1側面の厚さt1が最も厚く、第2側面の厚さt2が最も薄くなるように傾斜した構造を有することができる。これに対し、第2基板部200の第1側面の厚さt3は、第1側面に対向する第2側面の厚さt4と実質的に同一であり得る。第1基板部100の総厚さ偏差にもかかわらず、第2基板部200は平坦化された中間絶縁層250上に配置されることができる。第2基板部200は、第1基板部100の配線よりも微細な配線を含むことができるため、第2基板部200には総厚さ偏差がほとんど発生しないようにすることができる。
【0125】
なお、一例によるプリント回路基板の構成のうち、その他の説明は、一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様に適用することができるため、同じ構成に関して重複する説明は省略する。
【0126】
図20は、さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0127】
図20を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板は、第3絶縁層310、第3絶縁層上に配置される第3配線層320、及び第3配線層と連結されるように上記第3絶縁層の少なくとも一部を貫通する第3ビア層330をさらに含むことができる。第3基板部300は、第1基板部100の下面に配置されることができる。具体的には、第3基板部300は、第1基板部100の第2基板部200が形成された側の反対側上に配置されることができる。第3基板部300の第3絶縁層310は第1絶縁層110の下面に配置されてもよく、第3配線層320は第3絶縁層310の下面に配置されてもよい。第3ビア層330は、第3配線層320と最下側に配置された第1配線層である第2金属層142とを連結するように第3絶縁層310を貫通することができる。
【0128】
さらに他の一例によるプリント回路基板は、第2基板部200に対称な位置に第3基板部300がさらに配置されることにより、プリント回路基板の曲げ剛性を確保するなど、物理的特性に有利な効果を有することができる。
【0129】
特に、さらに他の一例によるプリント回路基板は、臨時層400を除去した後、第1金属層141及び第2金属層142を形成した後に第3基板部300が配置されるため、第3基板部300の第3絶縁層310は、第1金属層141及び第2金属層142を埋め込む構造を有することができる。すなわち、第1基板部100の最外側に配置された第1金属層141及び第2金属層142は、プリント回路基板の最外側に配置されるものに限定されず、第1基板部100の下部にさらに配置される第3基板部300により、第1基板部100の第1金属層141及び第2金属層142は、さらに他のビルドアップ配線層としての機能を果たすこともできる。
【0130】
なお、さらに他の一例によるプリント回路基板の構成のうち、その他の説明は、一例によるプリント回路基板、一例によるプリント回路基板の製造方法、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様に適用することができるため、同じ構成に関して重複する説明は省略する。
【0131】
図21は、さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0132】
図21を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板は、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアと第1金属層141の境界面は、最下側に配置された第1絶縁層110の内部に位置することができ、第1ビアと第1金属層141の境界面と最下側に配置された第1絶縁層110の下面は段差を有することができる。
【0133】
これは、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を除去する段階でエッチング(etching)工程を用いた結果に該当する。すなわち、一例によるプリント回路基板の場合よりも、最下側に配置された第1ビア層130が相対的にさらに多く除去され、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビア層の下面が最下側に配置された第1絶縁層110内に配置されることができる。臨時層400を除去する段階でエッチング(etching)工程を用いると、化学機械研磨(CMP)工程を用いる場合よりも最下側に配置された第1ビア層130の一部がより多く除去されることができる。最下側に配置された第1ビア層130の一部がより多く除去されたため、さらに他の一例によるプリント回路基板のギャップ領域Gは、一例によるプリント回路基板のギャップ領域よりもさらに深く発生することができる。
【0134】
また、最下側に配置された第1ビア層130がより多く除去されることによって、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの下面は、最下側に配置された第1絶縁層110の下面と段差を有することができる。さらに他の一例によるプリント回路基板も、第1金属層141及び第2金属層142がさらに配置され、第1ビアが除去された部分が充填されてもよいことは、一例によるプリント回路基板と同様である。
【0135】
一方、さらに他の一例によるプリント回路基板の構成のうち、その他の説明は、一例によるプリント回路基板、一例によるプリント回路基板の製造方法、さらに他の一例によるプリント回路基板、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様に適用することができるため、同じ構成に関して重複する説明は省略する。
【0136】
図22は、さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0137】
図22を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板は、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの下面が最下側に配置された第1絶縁層110の下面に配置されることができ、第1基板部100の第2基板部200が形成された側の反対側に第3基板部300をさらに含むことができる。これは、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を除去する段階においてエッチング(etching)工程を用いた結果に該当し、第2金属層142を形成する段階の後に第3基板部300を形成する段階をさらに含む結果に該当する。
【0138】
一方、さらに他の一例によるプリント回路基板の構成のうち、その他の説明は、一例によるプリント回路基板、一例によるプリント回路基板の製造方法、さらに他の一例によるプリント回路基板、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様に適用することができるため、同じ構成に関して重複する説明は省略する。
【0139】
プリント回路基板の製造方法
図23は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を示すフローチャートである。
【0140】
図23を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100を形成する段階、中間絶縁層250を形成する段階、臨時層400を形成する段階、臨時層400を平坦化する段階、中間絶縁層250を平坦化する段階、第2基板部200を形成する段階、臨時層を除去する段階、第1金属層141を形成する段階、第2金属層142を形成する段階、及び半田レジスト層SRを形成する段階を含むことができる。
【0141】
第1基板部100を形成する段階は、キャリア基板C上に第1基板部を形成する段階、及びキャリア基板Cを除去する段階を含むことができる。また、臨時層400を平坦化する段階は、第1基板部100を反転する段階、臨時層400の一部を除去する段階、第1基板部100を再び反転する段階を含むことができる。
【0142】
図24~
図32は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
【0143】
図24を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法において、第1基板部100を形成する段階を含むことができ、第1基板部100を形成する段階は、キャリア基板C上に第1絶縁層110、第1配線層120、及び第1ビア層130を形成する段階を含むことができる。
【0144】
すなわち、第1基板部100の第1絶縁層110は、コア絶縁層を含まずにキャリア基板C上に形成される複数のビルドアップ絶縁層で構成されることができ、第1基板部100は、いわゆるコアレス(coreless)基板の構造を有することができる。キャリア基板C上に第1配線層120と第1絶縁層110とを繰り返し積層し、第1配線層120を互いに連結する第1ビア層130を形成することにより第1基板部100を形成することができる。
【0145】
さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法において、第1基板部100はコアレス(coreless)基板構造を有することができるため、最下側に配置された第1配線層120は最下側に配置された第1絶縁層110によって埋め込まれる構造を有することができる。最下側に配置された第1配線層120が最下側に配置された第1絶縁層110によって埋め込まれるとは、最下側に配置された第1配線層120の一面が最下側に配置された第1絶縁層110の一面に露出し、最下側に配置された第1配線層120の残りの面が最下側に配置された第1絶縁層110によってカバーされてもよいことを意味することができる。
【0146】
図24では、キャリア基板Cの上下に対称になるように第1基板部が形成されるものとして描写しているが、これに必ずしも限定されるものではなく、キャリア基板Cの一面上のみに第1基板部100を形成することもできる。
【0147】
キャリア基板Cは、コアとコアの上下に配置されるシードで構成されてもよいが、これに限定されるものではなく、キャリア基板Cのシードは2段で構成されてもよい。コアは、第1絶縁層110及び/又は第1配線層120などを形成する際に、これを支持するためのものであり、絶縁材質又は金属材質で形成されることができる。シードは銅で形成されてもよいが、特にこれに限定されるものではない。但し、キャリア基板Cは、一つの場合を例示したものであって、当該技術分野において通常の知識を有する者が利用できるものであれば、制限なく利用することができ、プリント回路基板の臨時的な支持手段として使用され、今後のデタッチ(detach)又は除去できるものであれば、本発明において特に制限なく使用可能である。
【0148】
コアレス構造を有する第1基板部100も総厚さ偏差を有し得る。すなわち、第1基板部100の第1側面における厚さt1は、第1側面に対向する第2側面における厚さt2より厚くてもよい。しかし、コアレス構造を有する第1基板部100は、キャリア基板C上に第1絶縁層110を積層するため、第1基板部100の下面には厚さ偏差が発生しない可能性がある。
【0149】
一方、
図24では、第1基板部100を形成した後、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成するものとして描写しているが、これに限定されるものではなく、第1基板部100をキャリア基板Cから除去した後、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成することもできる。すなわち、第1基板部100上に中間絶縁層250が形成される順序は、キャリア基板Cを除去する前であってもよく、キャリア基板Cを除去した後であってもよい。
【0150】
図25を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法において、第1基板部100を形成する段階は、第1基板部100とキャリア基板Cとを分離する段階を含むことができる。第1基板部100からキャリア基板Cを分離して除去することができ、キャリア基板Cの除去はコア及びシードを順次除去することもでき、一括して除去することもできる。キャリア基板Cを分離する段階は、当該技術分野において公知のキャリア基板Cのデタッチ(detach)に用いられる工程で行うことができる。
【0151】
また、
図25では、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成した後、キャリア基板Cを除去する段階を行うものとして示しているが、第1基板部100を除去した後、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成してもよいことは上述した通りである。
【0152】
図26を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100上に中間絶縁層250を形成する段階の後に、第1基板部100の中間絶縁層250が形成された側の反対側上に臨時層400を形成する段階を含むことができる。
【0153】
さらに他の一例によるプリント回路基板は、第1基板部100の上部方向に総厚さ偏差が発生し得るため、第1基板部100の最下側に配置された第1絶縁層110は平坦面を有することができる。したがって、臨時層400は、第1基板部100の最下側に配置された第1絶縁層110の下面と平行に配置されることができるが、これに必ずしも限定されるものではない。
【0154】
臨時層400に関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0155】
図27を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を平坦化する段階は、臨時層400が第1基板部100の下部に配置されるように第1基板部100を再び反転する段階を含むことができる。第1基板部100を反転する段階に関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0156】
図28を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を平坦化する段階は、臨時層400の一部を除去して臨時層400を平坦化する段階を含むことができる。臨時層400の一部を除去して臨時層400を平坦化する段階に関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0157】
図29を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を平坦化する段階は、臨時層400が第1基板部100の下部に配置されるように第1基板部100を再び反転する段階を含むことができる。第1基板部100を再び反転する段階に関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0158】
図30を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、中間絶縁層250上に第2基板部200を形成する段階を含むことができる。第2基板部200を形成する段階は、複数の第2配線層220、複数の第2配線層220をそれぞれ埋め込む複数の第2絶縁層210、及び複数の第2絶縁層210のそれぞれの少なくとも一部を貫通する第2ビア層230を形成する段階を含むことができる。第2基板部200を形成する段階に関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0159】
図31を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2基板部200を形成した後、臨時層400を除去する段階を含むことができる。
【0160】
臨時層400を除去する段階は、化学機械研磨(Chemical-Mechanical Polishing;CMP)工程及びエッチング(etching)工程のうち少なくとも一つの工程を用いて行われることができるが、これに限定されるものではない。
【0161】
臨時層400を除去する段階として化学機械研磨(CMP)工程を用いる場合には、最下側に配置された第1配線層120の一部が除去されることができる。化学機械研磨(CMP)工程は化学組成物を用いるため、最下側に配置された第1配線層120の外周面の少なくとも一部が除去され、最下側に配置された第1配線層120と最下側に配置された第1絶縁層110との間を離隔させるギャップ領域Gが形成されることができる。すなわち、ギャップ領域Gは、最下側に配置された第1配線層120の一部が除去された痕跡に該当することができる。ギャップ領域Gは、最下側に配置された第1配線層120の下面の外周面に沿って形成されることができる。
【0162】
臨時層400を除去する段階に関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0163】
図32を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1基板部100の下部に半田レジスト層SRを形成する段階をさらに含むことができる。
【0164】
さらに他の一例によるプリント回路基板は、コアレス(coreless)基板の構造を有するため、最下側に配置された第1配線層120が最下側に配置された第1絶縁層110によって埋め込まれた構成を有することができる。最下側に配置された第1配線層120が最下側に配置された第1絶縁層110によって埋め込まれているため、臨時層400を除去する段階において最下側に配置された第1配線層の損傷を最小化することができる。したがって、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、一例によるプリント回路基板の製造方法とは異なり、第1金属層141及び第2金属層142を形成する段階を必要としないことができる。よって、第1基板部100の下部に半田レジスト層SRを形成してプリント回路基板を完成することができる。
【0165】
なお、半田レジスト層SRに関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0166】
その他の段階のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法、他の一例によるプリント回路基板の製造方法、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ段階は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0167】
図33~
図36は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【0168】
図33を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を除去する段階は、エッチング(etching)工程を用いて行われることができる。
【0169】
臨時層400を除去する段階としてエッチング(etching)工程を用いる場合には、最下側に配置された第1配線層120の少なくとも一部が除去され、最下側に配置された第1ビア層130の下面の少なくとも一部が外部に露出することができる。エッチング(etching)としては湿式エッチング(wet etching)を用いることができるが、これに限定されるものではなく、乾式エッチング(dry etching)を用いることもできる。
【0170】
臨時層400を除去する段階において、化学機械研磨(CMP)工程を用いるのとは異なり、エッチング(etching)工程を用いる場合には、最下側に配置された第1配線層120が除去されることができ、最下側に配置された第1ビア層130が除去されることができる。すなわち、最下側に配置された第1ビア層130が露出することができ、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの下面が最下側に配置された第1絶縁層110の内部に配置されることができる。最下側に配置された第1ビア層130の下面と最下側に配置された第1絶縁層110の下面とが互いに段差を有することもできる。
【0171】
最下側に配置された第1ビア層130の外周面の少なくとも一部が除去され、最下側に配置された第1絶縁層110と最下側に配置された第1ビア層130との間を離隔させるギャップ領域Gが形成されることができる。すなわち、ギャップ領域Gは、最下側に配置された第1ビア層130が除去された痕跡に該当することができ、特に湿式エッチング(wet etching)が行われる場合には、ギャップ領域Gは最下側に配置された第1ビア層130の下面の外周面に沿って形成されることができる。
【0172】
図34を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、臨時層400を除去する段階の後、最下側に配置された第1絶縁層の少なくとも一部上に第1金属層141を形成する段階をさらに含むことができる。第1金属層141は、後述する第2金属層142を形成する段階におけるシード層としての機能を果たすことができる。
【0173】
第1金属層141を形成する段階は無電解めっきで行うことができるため、第1金属層141は最下側に配置された第1絶縁層110の外部及び最下側に配置された第1ビア層130の外部に沿って形成されることができる。特に、さらに他の一例によるプリント回路基板は、臨時層400を除去する段階でエッチング工程を用いることにより、最下側に配置された第1配線層が除去されることができ、最下側に配置された第1絶縁層110の側面の一部が露出することができる。第1金属層141は、最下側に配置された第1絶縁層110の露出した一部をカバーするように形成されることができる。第1金属層141は、最下側に配置された第1絶縁層110及び最下側に配置された第1ビア層130の境界に沿って延びるように形成されてもよく、第1金属層141がギャップ領域Gを充填するように形成されてもよい。
【0174】
図35を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第1金属層141を形成する段階の後、第1金属層141上に第2金属層142を形成する段階を含むことができる。
【0175】
第2金属層142は、第1金属層141をシード層として形成されることができる。第2金属層142は、最下側の第1配線層120が除去された領域に合わせて形成されてもよく、最下側の第1配線層120が除去された領域及び最下側の第1ビア層130が除去された領域を充填するように形成されてもよい。第1配線層120が除去された領域の内部に第1金属層141を形成した後、第2金属層142を形成するため、第1金属層141は第2配線層220の側面にも位置することができる。一方、第2金属層142を形成する段階の後、第1金属層141の一部を除去する段階をさらに含んでもよいことは、一例によるプリント回路基板と同様である。
【0176】
図36を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2金属層142を形成する段階の後に、第1基板部100の下部に半田レジスト層SRを形成する段階をさらに含むことができる。
【0177】
なお、半田レジスト層SRに関する説明のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0178】
その他の段階のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法、他の一例によるプリント回路基板の製造方法、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ段階は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0179】
図37は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示す断面図である。
【0180】
図37を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法は、第2基板部200を形成する段階の前に、中間絶縁層250を平坦化する段階をさらに含むことができる。中間絶縁層250を平坦化する段階に関する説明のうち、他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ内容は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同様に適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0181】
その他の段階のうち、一例によるプリント回路基板の製造方法、他の一例によるプリント回路基板の製造方法、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法と同じ段階は、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にも適用することができるため、これに関して重複する説明は省略する。
【0182】
プリント回路基板
図38は、さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0183】
図38を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板は、複数の第1絶縁層110、複数の第1絶縁層110の上又は内にそれぞれ配置される複数の第1配線層120、及び複数の第1絶縁層110のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層130を含む第1基板部100、第1基板部100上に配置される第2基板部、第1基板部100と第2基板部200との間に配置される中間絶縁層250を含み、第1基板部100は、複数の第1配線層120のうち最下側に配置された第1配線層120の少なくとも一つの第1配線の少なくとも一部と、複数の第1絶縁層110のうち最下側に配置された第1絶縁層110とを互いに離隔させるギャップ領域Gを含み、最下側に配置された第1配線層120の少なくとも一つの第1配線の側面の少なくとも一部は、複数の第1絶縁層110のうち最下側に配置された第1絶縁層110によって埋め込まれることができる。
【0184】
さらに他の一例によるプリント回路基板は、最下側に配置された第1配線層120の少なくとも一つの第1配線の一部を最下側に配置された第1絶縁層110と離隔させるギャップ領域Gを含むことができる。ギャップ領域Gは、一例によるプリント回路基板の製造方法において、第1配線の一部が除去された痕跡に該当することができる。一例によるプリント回路基板の製造方法は、上述したように、臨時層400を除去する段階で化学機械研磨(CMP)工程を用いることができるため、最下側に配置された第1配線層120の第 1配線の一部が除去されてギャップ領域Gが発生することができる。
【0185】
さらに他の一例によるプリント回路基板の第1基板部100に、総厚さ偏差が発生し得るというのは、一例によるプリント回路基板の製造方法及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述した通りである。すなわち、第1基板部100には、総厚さ偏差が発生し得て、第1基板部100の第1側面の厚さt1は、第1側面に対向する第2側面の厚さt2よりも厚いことができ、第1基板部100は、第1側面の厚さt1が最も厚く、第2側面の厚さt2が最も薄くなるように傾斜した構造を有することができる。これに対し、第2基板部200の第1側面の厚さt3は、第1側面に対向する第2側面の厚さt4と実質的に同一であり得る。第1基板部100の総厚さ偏差にもかかわらず、第2基板部200は平坦化された中間絶縁層250上に配置されることができる。第2基板部200は、第1基板部100の配線よりも微細な配線を含むことができるため、第2基板部200には総厚さ偏差がほとんど発生しないようにすることができる。
【0186】
一方、さらに他の一例によるプリント回路基板の構成のうち、その他の説明は、一例によるプリント回路基板の製造方法、他の一例によるプリント回路基板の製造方法、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様に適用することができるため、同じ構成に関して重複する説明は省略する。
【0187】
図39は、さらに他の一例によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0188】
図39を参照すると、さらに他のプリント回路基板の最下側に配置された第1配線層120は、第1金属層141及び第2金属層142を含むことができ、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアと第1金属層141の境界面は、最下側に配置された第1絶縁層110の内部に位置することができる。また、複数の第1絶縁層110、複数の第1絶縁層110の上又は内にそれぞれ配置される複数の第1配線層120、及び複数の第1絶縁層110のそれぞれの少なくとも一部を貫通する複数の第1ビア層130を含む第1基板部100、第1基板部100上に配置される第2基板部200、第1基板部100と第2基板部200との間に配置される中間絶縁層250を含み、第1基板部100は、複数の第1ビア層130のうち最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの少なくとも一部と、複数の第1絶縁層110のうち最下側に配置された第1絶縁層110とを互いに離隔させるギャップ領域Gを含むことができる。
【0189】
これは、さらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法の臨時層400を除去する段階において、エッチング(etching)工程を用いた結果に該当する。すなわち、さらに他の一例によるプリント回路基板の場合とは異なり、最下側に配置された第1配線層120が除去され、最下側に配置された第1ビア層130の一部が共に除去されて、最下側に配置された第1ビア層130の少なくとも一つの第1ビアの下面が最下側に配置された第1絶縁層110内に配置されることができる。臨時層400を除去する段階でエッチング(etching)工程を用いると、化学機械研磨(CMP)工程を用いる場合よりも、最下側に配置された第1配線層120及び最下側に配置された第1ビア層130の一部がより多く除去されることができる。最下側に配置された第1配線層120及び最下側に配置された第1ビア層130の一部が除去されたため、さらに他の一例によるプリント回路基板の最下側に配置された第1配線層は第1金属層141及び第2金属層を含むことができる。また、第1金属層141は、最下側に配置された第1絶縁層110と第2金属層142の境界に沿って配置されてもよく、最下側に配置された第1配線層120は最下側に配置された第1ビア層130の一部が除去された領域を充填するように配置されてもよい。
【0190】
一方、さらに他の一例によるプリント回路基板の構成のうち、その他の説明は、一例によるプリント回路基板の製造方法、他の一例によるプリント回路基板の製造方法、及びさらに他の一例によるプリント回路基板の製造方法にて上述したものと同様に適用することができるため、同じ構成に関して重複する説明は省略する。
【0191】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物を上面図(トップビュー)又は底面図(ボトムビュー)で見たときの平面形状を意味することができる。
【0192】
本発明において、上側、上部、上面などは、便宜上、図面の断面を基準として電子部品が実装可能な面に向かう方向を意味するものとして使用し、下側、下部、下面などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは、説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論である。
【0193】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0194】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例に説明されている事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0195】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0196】
100:第1基板部
110:第1絶縁層
120:第1配線層
130:第1ビア層
141:第1金属層
142:第2金属層
G:ギャップ領域
SR:半田レジスト層
200:第2基板部
210:第2絶縁層
220:第2配線層
230:第2ビア層
250:中間絶縁層
300:第3基板部
310:第3絶縁層
320:第3配線層
330:第3ビア層
400:臨時層
F:床
C:キャリア基板
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラモジュール
1060:アンテナモジュール
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:スマートフォン内部のメインボード
1120:スマートフォン内部の電子部品
1121:スマートフォン内部のアンテナモジュール
1130:スマートフォン内部のカメラモジュール
1140:スマートフォン内部のスピーカ