(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073373
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】カバーアセンブリ、バッテリー、および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20240522BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240522BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/15
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188967
(22)【出願日】2023-11-03
(31)【優先権主張番号】202223061223.8
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】呉 昌軍
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 朱晨
(72)【発明者】
【氏名】陳 卓烈
(72)【発明者】
【氏名】何 亞飛
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA13
5H011CC05
5H011CC10
5H011KK01
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD01
5H012DD05
5H012EE05
5H012FF01
5H012GG01
5H012JJ10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】耐熱シートが落下しにくく、同時に、バッテリーの安全性を確保することのできるカバーアセンブリ、バッテリー、および電子デバイスを提供する。
【解決手段】カバーアセンブリは、カバー体、ボス、および耐熱シート13を含む。カバー体上に圧力解放孔111が提供される。ボスは、カバー体の上面に配置され、圧力解放孔の外周を囲む。ボスは、圧力解放孔と連通する第1領域121を取り囲み、圧力解放孔とともに収容空間を構成する。耐熱シートは、収容空間内に配置され、圧力解放孔を少なくとも部分的に覆う。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力解放孔が配置されたカバー体と、
前記カバー体の上面に配置され、前記圧力解放孔の外周を囲み、前記圧力解放孔と連通して前記圧力解放孔とともに収容空間を構成する第1領域を取り囲むボスと、
前記収容空間内に配置され、前記圧力解放孔を少なくとも部分的に覆う耐熱シートと、
を含むカバーアセンブリ。
【請求項2】
前記耐熱シートが、前記第1領域内に配置された請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記ボスの内側壁の底縁が、前記圧力解放孔の内側壁の上縁と同一平面である請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記ボスが、前記圧力解放孔の辺縁から間隔を空けて配置され、前記耐熱シートが、前記ボスによって囲まれた前記カバー体の一部に固定された請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項5】
前記圧力解放孔の前記辺縁と前記ボスの間の距離が、1mm~5mmである請求項4に記載のカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記ボスが、前記圧力解放孔の前記外周を囲む内側壁を有し、前記耐熱シートが、前記ボスの前記内側壁から間隔を空けて配置された請求項4に記載のカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記耐熱シートが、前記ボスの内側壁に固定された請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記ボスの内側壁が、さらに、前記第1領域に向かって延伸する位置制限部を有し、前記カバー体の厚さ方向に沿った前記位置制限部の正射影の面積が、前記圧力解放孔の面積よりも小さく、前記耐熱シートが、前記位置制限部の下方に位置する請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記耐熱シートの少なくとも一部が、前記圧力解放孔内に位置する請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項10】
前記カバーアセンブリが、さらに、前記カバー体上に配置された防爆シートを含み、前記防爆シートが、前記圧力解放孔を覆い、前記耐熱シートが、前記防爆シートの上面と接続した請求項9に記載のカバーアセンブリ。
【請求項11】
前記防爆シートが、前記カバー体の底面に配置され、前記耐熱シートが、前記圧力解放孔内に配置された請求項10に記載のカバーアセンブリ。
【請求項12】
前記ボスの内側壁が、さらに、前記第1領域に向かって延伸する位置制限部を有し、前記カバー体の厚さ方向に沿った前記位置制限部の正射影の面積が、前記圧力解放孔の面積よりも小さく、前記耐熱シートが、前記位置制限部と前記防爆シートの間に挟持された請求項10に記載のカバーアセンブリ。
【請求項13】
前記カバーアセンブリが、さらに、保護フィルムを含み、前記保護フィルムが、前記耐熱シートの上方に配置され、前記保護フィルムが、前記ボスによって囲まれた領域を覆う請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項14】
前記保護フィルムが、前記ボスの上面に固定された請求項13に記載のカバーアセンブリ。
【請求項15】
前記耐熱シートが前記圧力解放孔を覆う領域に、さらに、通気部が設置された請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項16】
前記耐熱シートが、ガラス繊維、雲母、セラミック、およびセラミックゴムのうちの1つである請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のカバーアセンブリと、
前記カバーアセンブリによって閉じられた開口部を有する筐体と、
前記筐体内に配置されたバッテリーセルと、
を含むバッテリー。
【請求項18】
請求項17に記載の前記バッテリーを含む電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの技術分野に関連するものであり、特に、カバーアセンブリ、バッテリー、および電子デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、新エネルギー車の急速な進歩により、社会の持続可能な開発および人と環境の調和的共存が大きく促進している。様々な概念的な新エネルギー車の中で、電気自動車は、既に技術的に大量生産が可能になっており、政府のサポートによってますます注目を集め、好評を得ている。エネルギー問題と環境問題への解決策として、電気自動車のキーテクノロジーは、電源としてガソリン燃料エンジンに取って代わる充電可能なバッテリーアセンブリである。
【0003】
使用中は、複数のバッテリーを直列または並列に接続して、バッテリーパックの一部を形成する。各バッテリーのカバーアセンブリに圧力解放孔を設置して、圧力解放孔の外周にボスを設置する。バッテリーが熱暴走を起こすと、バッテリーが高温ガスと高温物質を放出し、隣接するバッテリーの圧力解放孔に高温ガスと高温物質が送り返される。このような事故を防ぐために、現在、耐熱シートを配置してバッテリーのカバーアセンブリの圧力解放孔を覆い、ボスの上部に接続している。しかし、ボスの上部は、面積が小さいため、耐熱シートとボスの間の接触面積が小さく、接続が不安定である。側面を通過する高圧空気流がある場合は、耐熱シートが落下しやすくなるため、バッテリーの安全性能に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、耐熱シートが落下しにくく、同時に、バッテリーの安全性を確保することのできるカバーアセンブリ、バッテリー、および電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術課題を解決するために、本発明の実施形態は、カバー体、ボス、および耐熱シートを含むカバーアセンブリを提供する。カバー体に圧力解放孔を設置する。カバー体の上面にボスを配置して、圧力解放孔の外周を囲む。ボスは、第1領域を囲み、第1領域は、圧力解放孔と連通して、圧力解放孔とともに収容空間を構成する。収容空間内に耐熱シートを配置して、圧力解放孔を少なくとも部分的に覆う。
【0006】
先行文献と比較して、本発明の実施形態は、収容空間内に耐熱シートを提供し、圧力解放孔を覆う。耐熱シートは、適切な面積を覆い、カバー体との接続面積が大き過ぎないため、バッテリーは、圧力をスムーズに解放することができる。つまり、熱暴走を起こしたバッテリーのバルブをスムーズに開ける要求を満たし、同時に、高温ガスおよび高温物質が他のバッテリーから落下するのを阻止することができる。さらに、収容空間内に耐熱シートを配置することにより、側面からの空気流によって落下することがない。このようにして、耐熱シートが常に圧力解放孔を覆っていることにより、バッテリーの安全性能を確保する。
【0007】
1つの実施形態において、耐熱シートは、第1領域内に配置される。
【0008】
1つの実施形態において、ボスの内側壁の底縁は、圧力解放孔の内側壁の上縁と同一平面である。
【0009】
1つの実施形態において、ボスは、圧力解放孔の辺縁から間隔を空けて配置され、耐熱シートは、ボスによって囲まれたカバー体の一部に固定される。
【0010】
1つの実施形態において、圧力解放孔の辺縁とボスの間の距離は、1mm~5mmである。
【0011】
1つの実施形態において、ボスは、圧力解放孔の外周を囲む内側壁を有し、耐熱シートは、ボスの内側壁から間隔を空けて配置される。
【0012】
1つの実施形態において、耐熱シートは、ボスの内側壁に固定される。
【0013】
1つの実施形態において、ボスの内側壁は、さらに、第1領域に向かって延伸する位置制限部を有し、カバー体の厚さ方向に沿った位置制限部の正射影の面積は、圧力解放孔の面積よりも小さく、耐熱シートは、位置制限部の下方に位置する。
【0014】
1つの実施形態において、耐熱シートの少なくとも一部は、圧力解放孔内に位置する。
【0015】
1つの実施形態において、カバーアセンブリは、さらに、カバー体上に配置された防爆シートを含み、防爆シートは、圧力解放孔を覆い、耐熱シートは、防爆シートの上面と接続する。
【0016】
1つの実施形態において、防爆シートは、カバー体の底面に配置され、耐熱シートは、圧力解放孔内に配置される。
【0017】
1つの実施形態において、ボスの内側壁は、さらに、第1領域に向かって延伸する位置制限部を有し、カバー体の厚さ方向に沿った位置制限部の正射影の面積は、圧力解放孔の面積よりも小さく、耐熱シートは、位置制限部と防爆シートの間に挟持される。
【0018】
1つの実施形態において、カバーアセンブリは、さらに、保護フィルムを含み、保護フィルムは、耐熱シートの上方に配置され、ボスによって囲まれた領域を覆う。
【0019】
1つの実施形態において、保護フィルムは、ボスの上面に固定される。
【0020】
1つの実施形態において、耐熱シートが圧力解放孔を覆う領域に、さらに、通気部を設置する。
【0021】
1つの実施形態において、耐熱シートは、ガラス繊維、雲母、セラミック、およびセラミックゴムのうちの1つである。
【0022】
本発明の1つの実施形態は、さらに、上述した実施形態のうちのいずれか1つに記載のカバーアセンブリ、カバーアセンブリによって閉じられた開口部を有する筐体、および筐体内に配置されたバッテリーセルを含むバッテリーを提供する。
【0023】
本発明の1つの実施形態は、また、上述したバッテリーを含む電子デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の1つの実施形態におけるバッテリーの概略的構造図である。
【
図2】本発明の1つの実施形態における筐体の概略的構造図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態におけるカバーアセンブリの拡大図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態におけるカバー体の概略的構造図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態におけるバッテリーの概略的構造図である。
【
図6】
図5における断面線「A-A」に沿った断面図である。
【
図8】本発明の別の実施形態におけるバッテリーの断面図である。
【
図10】本発明の別の実施形態におけるカバーアセンブリの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の目的、技術方案、および利点をより明確にするために、添付の図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態について詳しく説明する。しかしながら、当業者は、本発明の様々な実施形態において、読者が本発明をよりよく理解するために多くの技術的詳細が提案されていることを理解できるであろう。しかしながら、これらの技術的詳細および以下の実施形態に基づく様々な変更および修正がなくても、本発明の各請求の範囲によって請求される技術方案を実現することができる。
【0026】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「含む」という用語とそのバリエーション、例えば、「含んでいる」や「有する」などは、開放的で包括的な意味、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0027】
以下、本発明の目的、特徴、および利点をよりよく理解するために、図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態について詳しく説明する。図面に示される実施形態は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明するものであることを理解するべきである。
【0028】
本明細書全体にわたる「1つの実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態と関連付けて記述された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、本明細書全体の各箇所における「1つの実施形態において」または「実施形態において」という表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたはそれ以上の実施形態において任意の方法で組み合わせることができる。
【0029】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一(a)」および「前記(the)
」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。注意すべきこととして、「または(or)」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/または(and/or)」を含む意味で一般的に使用される。
【0030】
下記の説明において、本発明の構造および動作方法を明確に示すために、多くの方向性の用語が説明に使用される。しかしながら、「前」、「後」、「左」、「右」、「外」、「内」、「外側に」、「内側に」、「上」、「下」などの用語は、限定的な用語ではなく、説明の便宜上理解されるべきである。
【0031】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0032】
本発明の1つの実施形態は、
図1に示したバッテリー1を含む電子デバイスを提供する。バッテリー1は、カバーアセンブリ10、筐体20、およびバッテリーセルを含む。
図2に示すように、筐体20は、開口部21を有し、開口部21は、カバーアセンブリ10によって閉じられる。バッテリーセルは、筐体20内に配置される。本実施形態において、筐体20は、長方形の箱の形状であり、カバーアセンブリ10は、ストリップ形状に適応的に設置されるように示されている。当業者であれば理解できるように、筐体20が他の形状を有するとき、カバーアセンブリ10が筐体20の開口部21を密封できさえすれば、カバーアセンブリ10もそれに応じて他の形状を有することができる。注意すべきこととして、筐体20が長方形の箱の形状であるとき、長さ方向の両端に開口部21を設置してもよく、カバーアセンブリ10は、両端の開口部21を覆ってもよい。電子デバイスは、電気自動車または電動オートバイなどであってもよい。
【0033】
具体的に説明すると、
図3に示すように、カバーアセンブリ10は、カバー体11、ボス12、および耐熱シート13を含む。
図4に示すように、カバー体11上に圧力解放孔111が設置され、バッテリーは、さらに、圧力解放孔111に配置された防爆シート14を含む。
図6は、
図5に示したバッテリー1の断面線「A-A」に沿った断面図であり、
図7は、
図6における圧力解放孔111の部分拡大図を示す。
図7に示すように、ボス12は、カバー体11の上面に配置され、圧力解放孔111の外周を囲む。ボス12は、第1領域121を取り囲む。つまり、第1領域121は、カバー体11の上面とボス12の上面の間でボス12によって取り囲まれた空間である。第1領域121は、圧力解放孔111に連通し、圧力解放孔111とともに収容空間を構成する。耐熱シート13は、収容空間内に配置され、圧力解放孔111を部分的に覆う。
【0034】
上記の内容からわかるように、収容空間内に耐熱シートが配置され、圧力解放孔を覆う。耐熱シートは、適切な面積を覆い、カバー体との接続面積が大き過ぎないため、圧力を解放するときに、バッテリーは、圧力をスムーズに解放することができる。つまり、熱暴走を起こしたバッテリーのバルブをスムーズに開ける要求を満たし、同時に、高温ガスおよび高温物質が他のバッテリーから落下するのを阻止することができる。さらに、収容空間内に耐熱シートを配置することにより、側面からの空気流によって落下することがない。このようにして、耐熱シートが常に圧力解放孔を覆っていることにより、バッテリーの安全性能を確保する。
【0035】
本発明の1つの実施形態におけるバッテリー1は、カバーアセンブリ10、筐体20、およびバッテリーセルを含む。
図2に示すように、筐体20は、開口部21を有し、開口部21は、カバーアセンブリ10によって閉じられる。バッテリーセルは、筐体20内に配置される。本実施形態において、筐体20は、長方形の箱の形状であり、カバーアセンブリ10は、ストリップ形状に適応的に設置されるように示されている。当業者であれば理解できるように、筐体20が他の形状を有するとき、カバーアセンブリ10が筐体20の開口部21を密封できさえすれば、カバーアセンブリ10もそれに応じて他の形状を有することができる。注意すべきこととして、筐体20が長方形の箱の形状であるとき、長さ方向の両端に開口部21を設置してもよく、カバーアセンブリ10は、両端の開口部21を覆ってもよい。
【0036】
具体的に説明すると、
図3に示すように、カバーアセンブリ10は、カバー体11、ボス12、および耐熱シート13を含む。
図4に示すように、カバー体11上に圧力解放孔111が設置される。
図6は、
図5に示したバッテリー1の断面線「A-A」に沿った断面図であり、
図7は、
図6における圧力解放孔111の部分拡大図を示す。
図7に示すように、ボス12は、カバー体11の上面に配置され、圧力解放孔111の外周を囲む。ボス12は、第1領域121を取り囲む。つまり、第1領域121は、カバー体11の上面とボス12の上面の間でボス12によって取り囲まれた空間である。本実施形態において、ボス12の高さは、第1領域121の高さと等しい。第1領域121は、圧力解放孔111に連通し、圧力解放孔111とともに収容空間を構成する。耐熱シート13は、収容空間内に配置され、圧力解放孔111を部分的に覆う。
【0037】
好ましくは、
図7に示すように、耐熱シート13は、第1領域121内に配置される。さらに、ボス12は、圧力解放孔111の辺縁から間隔を空けて配置され、耐熱シート13は、ボス12によって囲まれたカバー体11の一部に固定される。つまり、圧力解放孔111の内径は、ボス12の内径よりも小さく、カバー体11は、内側壁122に向かって突出し、その内側壁122を越えた部分が内縁112を形成して、内縁112上に耐熱シート13が配置される。つまり、耐熱シート13は、カバー体11の上方およびボス12の内側に配置される。当業者は、実際の必要に応じて構成することができる。耐熱シート13は、カバー体11上に貼り付けられ、固定される。
【0038】
さらに、
図7において、圧力解放孔111の辺縁とボス12の間の距離aは、1mm~5mmの範囲内である。例えば、圧力解放孔111の辺縁とボス12の間の距離aは、1mm、2mm、2.5mm、3mm、4mm、または5mmに設定することができる。圧力解放孔111の辺縁とボス12の間の距離aが大きくなり過ぎないように配置することによって、圧力解放孔111の開口部が小さ過ぎて高温ガスの噴出を妨げることがないようにすることができる。また、耐熱シート13を第1領域121に置くことを不便にならないように距離aが小さくなり過ぎないように配置される。カバー体11と十分な接触面積が得られるように耐熱シート13を設置して、耐熱シート13をより適切な位置に配置する。
【0039】
さらに、
図7に示すように、ボス12は、圧力解放孔111の外周を囲む内側壁122を有し、耐熱シート13は、ボス12の内側壁122から間隔を空けて配置される。当業者は、実際の必要に応じて構成することができる。本発明の範囲を逸脱することなく、ボス12の内側壁122に耐熱シート13を固定してもよい。
【0040】
さらに、
図7に示すように、ボス12の内側壁122は、さらに、第1領域121に向かって延伸する位置制限部123を有し、カバー体11の厚さ方向に沿った位置制限部123の正射影の面積は、圧力解放孔111の面積よりも小さく、耐熱シート13は、位置制限部123の下方に位置する。このように設置された耐熱シート13は、収容空間内で安定して固定され、落下しにくくなるため、耐熱シート13がボス12から突出するのを防ぐことができ、位置制限部123は、耐熱シート13を押圧し続けてもよく、当業者は、実際の必要に応じて設置することができる。理解すべきこととして、位置制限部123と耐熱シート13の間に隙間があってもよく、または本発明の範囲を逸脱することなく、間隔を空けて複数の位置制限部123を提供し、耐熱シート13を押圧し続けてもよい。構成プロセスの間、まず、耐熱シート13を第1領域121内に配置する。耐熱シート13を貼り付けた後、ボス12の上部を打ち抜いて、位置制限部123を形成することができる。当然のことながら、位置制限部を設置しなくてもよい。
【0041】
図3および
図7に示すように、カバーアセンブリ10は、さらに、耐熱シート13の上方に配置された保護フィルム15を含み、保護フィルム15は、ボス12によって囲まれた領域を覆う。保護フィルム15は、ボス12の上部に貼り付けられてもよく、または保護フィルム15は、ボス12によって囲まれた第1領域内に設置されてもよく、当業者は、実際の必要に応じて配置することができる。
【0042】
好ましくは、
図7に示すように、保護フィルム15は、ボス12の上面に固定される。
【0043】
図3に示すように、カバーアセンブリ10は、さらに、カバー体11上に配置された防爆シート14を含むことができ、防爆シート14は、圧力解放孔111を覆う。防爆シート14は、バッテリー1の電気安全性を確保することができ、当業者は、実際の必要に応じて設置することができる。理解すべきこととして、防爆シート14を設置しなくてもよい。
【0044】
さらに、
図3に示すように、耐熱シート13が圧力解放孔111を覆う領域に通気部131を提供する。通気部131は、穴またはスリットとして設置されてもよく、図に示すように、十字形、円形、または正方形の形状であってもよく、通気部131は、本発明の範囲を逸脱することなく、換気を実現するだけでよい。
【0045】
さらに、耐熱シート13は、ガラス繊維、雲母、セラミック、セラミックゴムのうちの1つとして設置することができる。当業者は、実際の必要に応じて構成することができる。耐熱シート13は、0.2mm~1mmの厚さであってもよく、最大1000℃までの温度に耐えることができる。
【0046】
図8は、本発明の別の実施形態におけるカバーアセンブリ10の概略的構造図を示し、
図9は、
図8における圧力解放孔111の部分拡大図を示し、
図10は、本発明の別の実施形態におけるカバーアセンブリ10の拡大図である。
図9および
図10に示すように、ボス12の内側壁122の底縁は、圧力解放孔111の内側壁122の上縁と同一平面である。つまり、カバー体11は、上から下まで貫通し、ボス12および圧力解放孔111によって囲まれた第1領域は、互いに貫通する。第1領域と圧力解放孔111は、全体として接続されており、第1領域および圧力解放孔111の開口部は、同じである。図に示すように、収容空間の圧力解放孔111内に耐熱シート13が配置され、圧力解放孔111を覆う。
【0047】
図9および
図10に示すように、カバーアセンブリ10は、さらに、カバー体11上に配置された防爆シート14を含むことができ、防爆シート14は、圧力解放孔111を覆い、耐熱シート13は、防爆シート14の上面と接続する。つまり、耐熱シート13が防爆シート14に固定されて防爆シート上に貼り付けられ、防爆シート14がカバー体11に固定されるため、耐熱シート13は、収容空間内に配置される。この配置では、耐熱シート13は、防爆シート14が位置する領域を覆うだけでよいため、耐熱シートの使用面積を減らし、コストを節約することができる。本実施形態において、耐熱シート13は、圧力解放孔111内にのみ位置する。理解すべきこととして、耐熱シート13の厚さを比較的厚く構成してもよい。その場合、耐熱シート13は、収容空間内に設置された圧力解放孔111および第1領域121内に配置される。耐熱シート13は、圧力解放孔111の内側壁122から間隔を空けて配置されてもよく、または本発明の範囲を逸脱することなく、圧力解放孔111の内側壁122に接続されてもよい。
【0048】
別の実施形態において、カバーアセンブリ10は、防爆シート14を含まなくてもよい。その場合、耐熱シート13は、圧力解放孔111内に配置され、耐熱シート13は、圧力解放孔111の孔壁に接続されてもよく、または部分的に第1領域121内で、ボス12の内側壁に接続されてもよい。
【0049】
好ましくは、
図9に示すように、防爆シート14は、カバー体11の底面に配置され、耐熱シート13は、圧力解放孔111内に配置される。防爆シート14は、本発明の範囲を逸脱することなく、圧力解放孔111内に配置されてもよい。
【0050】
さらに、
図9に示すように、ボス12の内側壁122は、さらに、第1領域121に向かって延伸する位置制限部123を有し、カバー体11の厚さ方向に沿った位置制限部123の正射影の面積は、圧力解放孔111の面積よりも小さく、耐熱シート13は、位置制限部123と防爆シート14の間に挟持される。このように設置された耐熱シート13は、収容空間内で安定して固定され、落下しにくくなるため、当業者は、実際の必要に応じて配置することができる。構成プロセスの間、まず、耐熱シート13を圧力解放孔111内に配置してもよい。耐熱シート13を貼り付けた後、ボス12の上部を打ち抜いて、位置制限部123を形成することができる。当然のことながら、位置制限部123を設置しなくてもよい。
【0051】
図9および
図10に示すように、カバーアセンブリ10は、さらに、耐熱シート13の上方に配置された保護フィルム15を含み、保護フィルム15は、ボス12によって囲まれた領域を覆う。保護フィルム15は、ボス12の上部に貼り付けられてもよく、または保護フィルム15は、ボス12の内孔に配置されてもよく、当業者は、実際の必要に応じて配置することができる。
【0052】
さらに、
図10に示すように、耐熱シート13は、圧力解放孔111を覆う領域に通気部131を提供する。通気部131は、穴またはスリットとして設置されてもよく、図に示すように、十字形、円形、または正方形の形状であってもよく、通気部131は、本発明の範囲を逸脱することなく、換気を実現するだけでよい。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、理解すべきこととして、必要に応じて、様々な特許、出願、および出版物の態様、特徴、および概念を使用して追加の実施形態を提供するために、実施形態の態様を修正することができる。
【0054】
上記の詳細な説明を考慮して、実施形態に対してこれらおよび他の変更を行うことができる。一般的に、請求の範囲では、使用される用語が説明および請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受する全ての同等範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むものとして理解されるべきである。
【0055】
当業者であれば理解できるように、これらの実施形態は、本発明を実現するための具体的な例であり、実際の応用において、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、その形状および詳細に対して様々な変更を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のカバーアセンブリ、バッテリー、および電子デバイスは、バッテリーの技術分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 バッテリー
10 カバーアセンブリ
11 カバー体
12 ボス
13 耐熱シート
14 防爆シート
15 保護フィルム
20 筐体
21 開口部
111 圧力解放孔
112 内縁
121 第1領域
122 内側壁
123 位置制限部
131 通気部
【外国語明細書】