(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073388
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】エピタキシャル成長装置及びそれに使用されるガス供給調節モジュール
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240522BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240522BHJP
C30B 25/14 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/205
C30B25/14
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023193909
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0154126
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523431213
【氏名又は名称】ピージェイピーテク インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PJPTECH Inc.
【住所又は居所原語表記】36-2, Hagal-ro 86, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do 17096, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ バムホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ギョンシン
(72)【発明者】
【氏名】クォン ヒョンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イム ソクホ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ゾンウク
(72)【発明者】
【氏名】イ スンス
【テーマコード(参考)】
4G077
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4G077EG23
4G077EG24
4K030EA05
4K030EA06
4K030GA02
5F045DP04
5F045EE04
5F045EF07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エピタキシャル成長装置及びそれに使用されるガス供給調節モジュールを提供する。
【解決手段】エピタキシャル成長装置は反応チャンバ;前記反応チャンバに位置し、ウエハが安着するサセプタ;及び前記反応チャンバ内に流入されるガスの流動を調節するガス供給調節モジュールを含み、前記ガス供給調節モジュールは、前記ウエハの中央領域に対応するセンターポート(211)と、前記ウエハの両側の縁部領域に対応する一対のエッジポート(213)と、前記センターポート(211)と前記一対のエッジポート(213)の間にそれぞれ配置される一対のミドルポート(215)とを備えるインジェクタ(210);及びソースモジュールから入力されたガスの流量を前記ポート(211,213,215)に対して独立的に配分するように構成される流量配分ユニット(230)を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバ;
前記反応チャンバ内に位置し、ウエハが安着するように形成されるサセプタ;及び
前記反応チャンバ内に流入されるガスの流動を調節するように形成されるガス供給調節モジュール;
を含み、
前記ガス供給調節モジュールは、
前記ウエハの中央領域に対応するセンターポートと、前記ウエハの両側の縁部領域に対応する一対のエッジポートと、前記センターポートと前記一対のエッジポートの間にそれぞれ配置される一対のミドルポートとを備えるインジェクタ;
ソースモジュールからガスが入力される単一流入ラインと、前記単一流入ラインから分岐されて前記センターポート、前記エッジポート及び前記ミドルポートのポートのそれぞれに連結される5つの分岐ラインと、前記ポートのそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller)とを備えて、前記ガスを前記ポートに対して独立的に配分するように形成される流量配分ユニット;及び
前記ポートを介して入力されたガスが通過する通過ホールを備えるバッフル;
を含み、
前記通過ホールは、
前記センターポートに対応する第1通過ホールと、前記ミドルポートに対応する第2通過ホールと、前記エッジポートに対応する第3通過ホールとを備え、
前記第1通過ホール、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、
互いに異なる形態を有する、
エピタキシャル成長装置。
【請求項2】
前記流量配分ユニットは、
前記一対のエッジポートと前記一対のミドルポートにおいての流量が前記センターポートを基準に互いに対称的になるように配分する、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項3】
前記第1通過ホールの入力端は、
前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、
前記第1通過ホールの出力端は、
前記第2通過ホールの出力端より大きい断面積を有する、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項4】
前記第3通過ホールの入力端は、
前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、
前記第3通過ホールの出力端は、
前記第2通過ホールの出力端より小さい断面積を有する、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項5】
前記第1通過ホールは、
その入力端から出力端まで同一のサイズの断面積を有する、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項6】
前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、
それぞれの入力端から出力端にいくほど小さくなる断面積を有する、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項7】
エピタキシャル成長装置の反応チャンバ内に投入されるガスの流動を調節するガス供給調節モジュールであって、
前記反応チャンバ内に配置されるウエハの中央領域に対応するセンターポートと、前記ウエハの両側の縁部領域に対応する一対のエッジポートと、前記センターポートと前記一対のエッジポートの間にそれぞれ配置される一対のミドルポートとを備えるインジェクタ;
前記ガスを生成するソースモジュールからガスが入力される単一流入ラインと、前記単一流入ラインから分岐されて前記センターポート、前記エッジポート及び前記ミドルポートのポートのそれぞれに連結される5つの分岐ラインと、前記ポートのそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller)とを備えて、前記ガスを前記ポートに対して独立的に配分するように構成される流量配分ユニット;及び
前記ポートを介して入力されたガスが通過する通過ホールを備えるバッフル;
を含み、
前記通過ホールは、
前記センターポートに対応する第1通過ホールと、前記ミドルポートに対応する第2通過ホールと、前記エッジポートに対応する第3通過ホールとを備え、
前記第1通過ホール、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、
互いに異なる形態を有する、
エピタキシャル成長装置用ガス供給調節モジュール。
【請求項8】
前記第1通過ホールの入力端は、
前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、
前記第1通過ホールの出力端は、
前記第2通過ホールの出力端より大きい断面積を有する、請求項7に記載のエピタキシャル成長装置用ガス供給調節モジュール。
【請求項9】
前記第3通過ホールの入力端は、
前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、
前記第3通過ホールの出力端は、
前記第2通過ホールの出力端より小さい断面積を有する、請求項7に記載のエピタキシャル成長装置用ガス供給調節モジュール。
【請求項10】
反応チャンバ;
前記反応チャンバ内に位置し、ウエハが安着するように形成されるサセプタ;及び
前記反応チャンバ内に流入されるガスの流動を調節するように形成されるガス供給調節モジュール;
を含み、
前記ガス供給調節モジュールは、
前記ウエハの中央領域に対応するセンターポートと、前記ウエハの両側の縁部領域に対応する一対のエッジポートと、前記センターポートと前記一対のエッジポートの間にそれぞれ配置される一対のミドルポートとを備えるインジェクタ;及び
ソースモジュールから入力されたガスの流量を前記センターポート、前記エッジポート及び前記ミドルポートのポートに対して独立的に配分するように構成される流量配分ユニット;
を含む、
エピタキシャル成長装置。
【請求項11】
前記流量配分ユニットは、
前記ポートのそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller)を備えて、前記一対のエッジポートと前記一対のミドルポートでの流量が前記センターポートを基準に互いに対称的になるように配分する、請求項10に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項12】
前記ガス供給調節モジュールは、
前記ポートを介して入力されたガスが通過する通過ホールを備えるバッフルをさらに含み、
前記通過ホールは、
前記センターポートに対応する第1通過ホールと、前記ミドルポートに対応する第2通過ホールと、前記エッジポートに対応する第3通過ホールとを備え、
前記第1通過ホール、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、
互いに異なる形態を有する、請求項10に記載のエピタキシャル成長装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャル成長装置の技術分野に関し、特にエピタキシャル成長装置及びそれに使用されるガス供給調節モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、エピタキシャル成長(Epitaxial growth)は、シード(Seed)ウエハに対して格子方向を維持しながら単結晶成長方式で新しい層を積み重ねることである。エピタキシャル成長のためにはウエハにガスを作用させる成長装置が必要である。
【0003】
エピタキシャル成長装置のガス供給系統は、ガスタンクからチャンバ内にガスが注入される手順に従って、インジェクタ(Injector)、バッフル(Baffle)、インサート(Insert)、及びライナー(Liner)から構成される。
【0004】
ガス供給において重要な事項はチャンバ内に均一なガス分布を形成することである。これにより、大面積基板(6インチ以上のサイズを有する基板)において均一なエピタキシャル層の厚さを実現することができる。エピタキシャル層の均一度は1%以下であることが好ましい。エピタキシャル成長速度も分当たり10μm以上であることが好ましい。
【0005】
しかしながら、従来のガス供給系統は、基板の中心部と縁部においてガス分布が均一ではない。これにより、成長されたエピ層の厚さの不均一度が5%以上に悪化する結果を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、大面積基板において均一なエピタキシャル層を速いスピードで成長させるために基板の全体領域において均一なガス分布を形成できる、ガス注入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を実現するための本発明の一側面によるエピタキシャル成長装置は、反応チャンバ;前記反応チャンバ内に位置し、ウエハが安着するように形成されるサセプタ;及び前記反応チャンバ内に流入されるガスの流動を調節するように形成されるガス供給調節モジュール;を含み、前記ガス供給調節モジュールは、前記ウエハの中央領域に対応するセンターポートと、前記ウエハの両側縁部領域に対応する一対のエッジポートと、前記センターポートと前記一対のエッジポートの間にそれぞれ配置される一対のミドルポートとを備えるインジェクタ;ソースモジュールからガスが入力される単一流入ラインと、前記単一流入ラインから分岐して前記センターポート、前記エッジポート及び前記ミドルポートのポートのそれぞれに連結される5つの分岐ラインと、前記ポートのそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller)とを備えて、前記ガスを前記ポートに対して独立的に配分するように形成される流量配分ユニット;及び前記ポートを介して入力されたガスが通過する通過ホールを備えるバッフルを含み、前記通過ホールは、前記センターポートに対応する第1通過ホールと、前記ミドルポートに対応する第2通過ホールと、前記エッジポートに対応する第3通過ホールとを備え、前記第1通過ホール、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、互いに異なる形態を有してもよい。
【0008】
ここで、前記流量配分ユニットは、前記一対のエッジポートと前記一対のミドルポートでの流量が前記センターポートを基準に互いに対称的になるように配分してもよい。
【0009】
ここで、前記第1通過ホールの入力端は、前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、前記第1通過ホールの出力端は、前記第2通過ホールの出力端より大きい断面積を有してもよい。
【0010】
ここで、前記第3通過ホールの入力端は、前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、前記第3通過ホールの出力端は、前記第2通過ホールの出力端より小さい断面積を有してもよい。
【0011】
ここで、前記第1通過ホールは、その入力端から出力端まで同一のサイズの断面積を有してもよい。
【0012】
ここで、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、それぞれの入力端から出力端にいくほど小さくなる断面積を有してもよい。
【0013】
本発明の他の一側面によるエピタキシャル成長装置用の供給調節モジュールは、エピタキシャル成長装置の反応チャンバ内に投入されるガスの流動を調節するガス供給調節モジュールであって、前記反応チャンバ内に配置されるウエハの中央領域に対応するセンターポートと、前記ウエハの両側の縁部領域に対応する一対のエッジポートと、前記センターポートと前記一対のエッジポートの間にそれぞれ配置される一対のミドルポートを備えるインジェクタ;前記ガスを生成するソースモジュールからガスがを入力される単一流入ラインと、前記単一流入ラインから分岐して前記センターポート、前記エッジポート及び前記ミドルポートのポートのそれぞれに連結される5つの分岐ラインと、前記ポートのそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller)とを備えて、前記ガスを前記ポートに対して独立的に配分するように構成される流量配分ユニット;及び前記ポートを介して入力されたガスが通過する通過ホールを備えるバッフルを含み、前記通過ホールは、前記センターポートに対応する第1通過ホールと、前記ミドルポートに対応する第2通過ホールと、前記エッジポートに対応する第3通過ホールとを備え、前記第1通過ホール、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、互いに異なる形態を有してもよい。
【0014】
ここで、前記第1通過ホールの入力端は、前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、前記第1通過ホールの出力端は、前記第2通過ホールの出力端より大きい断面積を有してもよい。
【0015】
ここで、前記第3通過ホールの入力端は、前記第2通過ホールの入力端より小さい断面積を有し、前記第3通過ホールの出力端は、前記第2通過ホールの出力端より小さい断面積を有してもよい。
【0016】
本発明のまた他の一側面によるエピタキシャル成長装置は、反応チャンバ;前記反応チャンバ内に位置し、ウエハが安着するように形成されるサセプタ;及び前記反応チャンバ内に流入されるガスの流動を調節するように形成されるガス供給調節モジュール;を含み、前記ガス供給調節モジュールは、前記ウエハの中央領域に対応するセンターポートと、前記ウエハの両側の縁部領域に対応する一対のエッジポートと、前記センターポートと前記一対のエッジポートの間にそれぞれ配置される一対のミドルポートとを備えるインジェクタ;及びソースモジュールから入力されたガスの流量を前記ポートに対して独立的に配分するように構成される流量配分ユニット;を含んでもよい。
【0017】
ここで、前記流量配分ユニットは、前記ポートのそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller)を備えて、前記一対のエッジポートと前記一対のミドルポートにおいての流量が前記センターポートを基準に互いに対称的になるように配分してもよい。
【0018】
ここで、前記ガス供給調節モジュールは、前記ポートを介して入力されたガスが通過する通過ホールを備えるバッフルをさらに含み、前記通過ホールは、前記センターポートに対応する第1通過ホールと、前記ミドルポートに対応する第2通過ホールと、前記エッジポートに対応する第3通過ホールとを備え、前記第1通過ホール、前記第2通過ホール及び前記第3通過ホールは、互いに異なる形態を有してもよい。
【発明の効果】
【0019】
前記のように構成される本発明によるエピタキシャル成長装置及びそれに使用されるガス供給調節モジュールによれば、反応チャンバ内のサセプタに安着したウエハに対してガスを供給するガス供給調節モジュールは、センターポートとそれを基準に左右に配置される一対のエッジポート及びミドルポートを備えるインジェクタを介して各ポート別に独立的にガスの流量を配分するので、大面積基板の全体領域において均一なガス分布を形成してエピタキシャル層が速いスピードで均一に成長できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施例によるエピタキシャル成長装置に対する概念図である。
【
図2】
図1のエピタキシャル成長装置の一部構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2のインジェクタ関連の構成を示す横断面図である。
【
図4】
図2のバッフルとインジェクタに対する正面図である。
【
図5】
図4の第1通過ホールないし第3通過ホールの形状を示す断面図である。
【
図6】
図1のエピタキシャル成長装置により実現された均一なガスの流動の様子を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施例によるエピタキシャル成長装置及びそれに使用されるガス供給調節モジュールについて添付の図面を参照して詳しく説明する。本明細書では、相異なる実施例であっても同一・類似した構成に対しては同一・類似した参照番号を付与し、その説明は最初の説明に代えられる。
【0022】
図1は、本発明の一実施例によるエピタキシャル成長装置に対する概念図であり、
図2は、
図1のエピタキシャル成長装置の一部構成を示す斜視図である。
【0023】
本図を参照すると、エピタキシャル成長装置100は、反応チャンバ110、サセプタ150、ガス供給調節モジュール200、及びソースモジュール300を含む。
【0024】
反応チャンバ110は、エピタキシャル反応が起こる反応空間を有する。反応空間は、図面上に簡単に四角ボックスで表示されているが、具体的には下部ハウジング(図示せず)と上部ハウジング(図示せず)が積層されたものである。上部ハウジングと下部ハウジングは石英ガラスのような透明な材質で形成されてもよい。反応空間の左側ではガス供給調節モジュール200によりガス供給が行われ、反応空間の右側ではガスの排出が行われてもよい。
【0025】
サセプタ150は反応空間に位置し、ウエハWが定着する対象である。サセプタ150は、平らな円盤の形状を有してもよい。サセプタ150は、カーボングラファイト(Carbon graphite)またはカーボングラファイトに炭化ケイ素がコーティングされた材料で製作されてもよい。ウエハWは6インチまたは8インチ以上のサイズを有するものであるため、大面積に分類される。
【0026】
ガス供給調節モジュール200は反応チャンバ110内にガスを提供し、該当ガスの流動を調節する構成である。ガス供給調節モジュール200は、インジェクタ210、流量配分ユニット230、バッフル250、インサート270、及びライナー290を含んでもよい。
【0027】
インジェクタ210は、ソースモジュール300から入力されたガスを反応チャンバ110に向かう方向に吐出する構成を有する。インジェクタ210は、ウエハWの領域に応じてガス量を異なるように吐出するように形成されてもよい。そのための具体的な構成は、
図3を参照して説明する。
【0028】
流量配分ユニット230は、インジェクタ210に入力されるガス流量をインジェクタ210の領域別に配分する構成を有する。前記領域別のガス流量は異なってもよい。これも
図3を参照して具体的に説明する。
【0029】
バッフル250はインジェクタ210を介して入力されたガスが通過する通過ホール251、253、255を備える構成を有する。通過ホール251、253、255の形状はインジェクタ210の領域別にそれぞれ異なるように形成されてもよい。これは、
図4及び
図5においてより具体的に説明する。
【0030】
インサート270は、バッフル250とライナー290の間に配置され、バッフル250を通過したガスをライナー290に案内する構成を有する。インサート270はガスを通過させる複数の区域を有してもよい。
【0031】
ライナー290は、サセプタ150を囲んでガスがウエハWで流動するよう誘導する構成を有する。そのために、ライナー290は概ねリング状を有してもよい。ライナー290の一側にはウエハWに向かってガスを吐出する部分が、そして、他側にはウエハWから離れたガスを排出する部分が形成されてもよい。
【0032】
ソースモジュール300は、反応チャンバ110に供給されなければならないガスを保存するガスタンクであってもよく、それと連結された中間分配器であってもよい。
【0033】
以下で、インジェクタ210及び流量配分ユニット230については
図3を参照して説明する。
図3は、
図2のインジェクタ関連の構成を示す横断面図である。
【0034】
本図を追加で参照すると、インジェクタ210は、ガスが流動する領域として、センターポート211、エッジポート213、及びミドルポート215を有する。
【0035】
センターポート211はウエハWの中央領域に対応して位置する。エッジポート213はウエハWの両側の縁部領域に対応して一対で備えられてもよい。ミドルポート215は、センターポート211とエッジポート213の間に配置されてもよい。ミドルポート215もセンターポート211を基準に左右両側に配置される一対で備えられてもよい。センターポート211の中心を通る仮想の線Lに対して、センターポート211の左右部分、一対のエッジポート213及び一対のミドルポート215は、互いに対称的であってもよい。ポート211、213、215は互いに同一の体積を有してもよい。具体的に、ポート211、213、215は互いに同一の幅、深さ、及び高さを有してもよい。
【0036】
流量配分ユニット230は流入ライン231と分岐ライン235を有する。流入ライン231はソースモジュール300に連通してガスが入力されるラインである。それに対して、分岐ライン235は1つの(単一)流入ライン231から分岐して、各ポート211、213、215に連結される。従って、分岐ライン235は5つが備えられてもよい。
【0037】
流量配分ユニット230は、ポート211、213、215のそれぞれに連結された流量制御器(Mass Flow Controller、図示せず)を有する。流量制御器は5つが備えられて、各分岐ライン235に設置される。流量制御器のそれぞれに対する設定により、各ポート211、213、215に対するガスの投入量が独立的に配分されることができる。例えば、センターポート211に対するガスの投入量を最も低くし、一対のエッジポート213に対するガスの投入量を最も高くすることができる。一対のミドルポート215に対するガスの投入量はそれらの中間水準であってもよい。流量配分ユニット230はまた、一対のエッジポート213と一対のミドルポート215での投入量がセンターポート211を基準として互いに対称するようにガスを配分してもよい。
【0038】
次に、インジェクタ210を介して5つの領域に区分されて流動するガスを反応チャンバ110側に向かって通過させるバッフル250について、
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、
図2のバッフルとインジェクタに対する正面図であり、
図5は、
図4の第1通過ホールないし第3通過ホールの形状を示す断面図である。
【0039】
本図を参照すると、各ポート211、213、215を介してバッフル250に入力されるガスは通過ホール251、253、255を通過する。
【0040】
通過ホール251、253、255は、第1通過ホール251、第2通過ホール253、及び第3通過ホール255を有する。
【0041】
第1通過ホール251は、センターポート211に対応して形成される。第2通過ホール253はミドルポート215に対応して形成される。第3通過ホール255はエッジポート213に対応して形成される。
【0042】
第1通過ホール251ないし第3通過ホール255は相異なる形態を有してもよい。具体的に、第1通過ホール251は、入力端251aから出力端251bまで同一の断面を有するシリンダー形状の断面を有するに対して、第2通過ホール253及び第3通過ホール255はコーン(cone)形状の断面を有してもよい。第2通過ホール253と第3通過ホール255の断面はインジェクタ210からインサート270方向に行くほどサイズが小さくなるように形成される。
【0043】
第1通過ホール251と第2通過ホール253を対比すると、第1通過ホール251の入力端251aは、第2通過ホール253の入力端253aより小さい断面積を有してもよい。それに対して、第1通過ホール251の出力端251bは、第2通過ホール253の出力端253bより大きい断面積を有してもよい。このような構成は第2通過ホール253を通過するガスの速度を第1通過ホール251を通過するガスの速度より高くすることができる。
【0044】
第3通過ホール255の入力端255aは、第2通過ホール253の入力端253aより小さいか同一の断面積を有するが、出力端255bは第2通過ホール253の出力端253bより小さい断面積を有してもよい。このような構成は第3通過ホール255を通過するガスの速度を第2通過ホール253を通過するガスの速度より高くすることができる。
【0045】
以上の構成による反応チャンバ110内でのガスの流れは
図6のようである。
図6は、
図1のエピタキシャル成長装置により実現された均一なガスの流動の様子を示すイメージ図である。
【0046】
本図を追加して参照すると、コンピュータシミュレーションにおいてウエハWに対するガスの流れはウエハWの全領域で均一であることが分かる。具体的に、ウエハWの中心領域、縁部領域、及びそれらの間の領域においてガスの流れが均一になる。
【0047】
このような効果は、大面積ウエハWに対するガス供給時に、そのウエハWに対応してインジェクタ210からポート211、213、215を5つに分けてガスを互いに異なるように注入する点、そしてバッフル250においてガスの通過流量をポート211、213、215に異なるように制御する点などによって達成される。また、ガスの流れをウエハWの表面に集中させることにより、ウエハWに作用するガスの濃度が最大になることができる。
【0048】
以上のガス流量配分は、ウエハWの中心領域から縁部領域に行くほどガスの量が微細に減り、また、ガスの速度も低下する問題を解消できるようにする。これは、特に、8インチ以上の基板においてガス分布の均一化のために重要である。
【0049】
また、通過ホール251、253、255の形態に応じて、ガスの速度は100ないし250cm/secに維持することができる。これは大面積ウエハW上において均一なガスの流れを得られるようにする。
【0050】
前記のようなエピタキシャル成長装置及びそれに使用されるガス供給調節モジュールは、前述の実施例の構成と作動方式に限定されるものではない。前記実施例は各実施例の全部又は一部が選択的に組み合わされて多様な変形が行われるように構成されることもできる。
【符号の説明】
【0051】
100 エピタキシャル成長装置
110 反応チャンバ
150 サセプタ
200 ガス供給調節モジュール
210 インジェクタ
230 流量配分ユニット
250 バッフル
270 インサート
290 ライナー