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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007344
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】無線周波数送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20240111BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20240111BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20240111BHJP
   H03F 3/72 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H04B1/40
H03F3/24
H03F3/68 220
H03F3/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023090728
(22)【出願日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】22183057
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22186485
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】593198670
【氏名又は名称】セー エス ウー エム・サントル・スイス・デレクトロニク・エ・ドゥ・ミクロテクニク・エス アー・ルシェルシュ・エ・デヴェロプマン
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティノス・マネタキス
(72)【発明者】
【氏名】アンジャナ・ディサーナーヤカ
【テーマコード(参考)】
5J500
5K011
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA12
5J500AA13
5J500AA21
5J500AA41
5J500AA51
5J500AC36
5J500AC74
5J500AF10
5J500AF15
5J500AF18
5J500AH16
5J500AH29
5J500AH35
5J500AH38
5J500AK02
5J500AK29
5J500AK34
5J500AK49
5J500AM17
5J500AS14
5J500AT01
5K011CA01
5K011DA01
5K011DA12
5K011DA21
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA04
5K011KA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高出力パワーだけでなく、より低い出力パワーに対しても改善された効率を持つRF送受信装置を提供する。
【解決手段】無線周波数送受信装置100は、受信経路と、第1送信パスと、第2送信パス用の単一RFアンテナポート20と、1次巻線11と2次巻線12とを有し、2次巻線12の第1端子1が、RFアンテナポート20に結合されているバラン10と、を備える。受信経路は、バラン10の2次巻線12の第2端子2に結合された入力端子を備える低雑音増幅器LNAを備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信経路と、第1送信経路と、第2送信経路用の、単一RFアンテナポート(20)と、
1次巻線(11)と2次巻線(12)とを備えるバラン(10)であって、前記2次巻線(12)の第1端子は、RFアンテナポート(20)に結合されている、バラン(10)と、を備える無線周波数送受信装置(100)であって、
前記受信経路が、
- 前記2次巻線(12)の第2端子に結合された入力端子を備える低ノイズ増幅器(LNA)を備え、
前記第1送信経路が、
- 前記1次巻線(11)に結合された差動出力端子(3、4)を備える高出力増幅器(HPA)と、
- 前記高出力増幅器(HPA)の各差動出力端子(3、4)と接地電位との間の第1スイッチ(S1)及び第2スイッチ(S2)と、
- 前記第1スイッチ(S1)と接地電位の間、又は第1スイッチ(S1)と高出力増幅器(HPA)の第1差動出力端子(4)との間の第3のコンデンサ(C1)と、
- 前記第2スイッチ(S2)と前記接地電位との間、又は前記第2スイッチ(S2)と前記高出力増幅器(HPA)の第2差動出力端子(3)との間の第4のコンデンサ(C2)とを備え、
前記第2送信経路が、
- 前記RFアンテナポート(20)に結合された出力端子を有する低電力増幅器(LPA)と、
- 前記低電力増幅器(LPA)の出力端子と接地電位との間の第3スイッチ(S3)と
を備え、
前記無線周波数送受信装置(100)において、
- 前記第1スイッチと(S1)、前記第2スイッチ(S2)と、前記第3スイッチ(S3)とが閉位置にあるときの高電力送信モードであって、前記高出力送信モードでは、前記第1送信経路は前記RFアンテナポート(20)に高出力RF信号を提供するように構成されている、高出力送信モードと、
- 前記第1スイッチと(S1)、前記第2スイッチ(S2)と、前記第3スイッチ(S3)とが開位置にあるときの低電力送信モードであって、前記低電力送信モードでは、前記第2送信経路は、前記RFアンテナポート(20)に低電力RF信号を提供するように構成されている、低出力送信モードと、
- 前記第1スイッチと(S1)、前記第2スイッチ(S2)と、前記第3スイッチ(S3)とが開位置にあるときの受信モードであって、前記受信モードでは、前記受信経路は、前記RFアンテナポート(20)から第3のRF信号を受信するように配置されている受信モードと
の状態になるように構成されている、無線周波数送受信装置(100)。
【請求項2】
- 前記2次巻線(12)の第2端子と接地電位との間の第4スイッチ(S4)と、
- 前記2次巻線(12)の第1端子と前記低出力増幅器(LPA)の出力端子との間の第1整合コンデンサ(Cm1)と、
を備え、
- 前記第1送信経路が、前記第4スイッチ(S4)が閉位置にあるときに前記RFアンテナポート(20)に第1RF信号を提供するように構成されていて、
- 前記第2送信経路が、前記第4スイッチ(S4)が閉位置にあるときに第2RF信号を前記RFアンテナポート(20)に供給するように構成されていて、
- 前記受信経路が、前記第4スイッチ(S4)が開位置にあるときに前記RFアンテナポート(20)から第3RF信号を受信するように構成されている、請求項1に記載の無線周波数送受信装置(100)。
【請求項3】
- 前記2次巻線(12)の第1端子と前記RFアンテナポート(20)との間の第1整合コンデンサ(Cm1)
を備え、
前記低出力増幅器(LPA)の出力端子が前記2次巻線の第2端子に結合されている、請求項1に記載の無線周波数送受信装置(100)。
【請求項4】
- 前記低ノイズ増幅器(LNA)の入力端子と前記2次巻線の第2端子との間の第2整合コンデンサ(Cm2)
を備える、請求項1に記載の無線周波数送受信装置(100)。
【請求項5】
前記高出力増幅器(HPA)及び前記低出力増幅器(LPA)の少なくとも一方は、前記高出力増幅器(HPA)及び前記低出力増幅器(LPA)の少なくとも一方の最終段のDC電源を制御する、例えば下げる、DC-DC変換器モジュールを備える、請求項1に記載の無線周波数送受信装置(100)。
【請求項6】
前記高出力増幅器(HPA)及び前記低出力増幅器(LPA)の少なくとも一方は、前記高出力増幅器(HPA)及び前記低出力増幅器(LPA)の少なくとも1つの最終段における位相経路のデューティサイクルを制御するデューティサイクル制御モジュールを備える、請求項1に記載の無線周波数送受信装置(100)。
【請求項7】
前記無線周波数送受信装置の効率の最適化のため、前記高出力増幅器(HPA)の一部のみを駆動するモジュールを備える請求項1に記載の無線周波数送受信装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF)送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この文脈において、「RF」という用語又は「無線周波数」という表現は、3kHzから300GHzの間、特に300MHzから100GHzの間の周波数の範囲を示すものとする。
【0003】
RF送受信装置は、通信機器(例えば、携帯装置やウェアラブル装置)で、通信規格に従って1つ又は複数の周波数帯域にわたる信号の送受信の実施に、周知であり広く使用されている。その通信規格とは、例えば、Bluetooth(BT)(登録商標)、Bluetooth低エネルギー(BLE)、WCDMA、CDMA、GSM、セルラーテレフォニーのLTE標準、無線LAN用のIEEE 802.11プロトコルなどである。
【0004】
RF送受信装置は、一般に、受信経路と送信経路用の単一のRFアンテナポートで構成されている。
【0005】
送信経路は、一般に高出力増幅器を備える。この文脈において、「高出力増幅器」は、+15dBm+30dBmの範囲の出力パワーを持つ出力増幅器を示す。
【0006】
高出力増幅器は差動出力端子(複数)を持ってよい。この場合、RF送受信装置は一般にバランを備え、バランは1次巻線と2次巻線とを備える。一般に、高出力増幅器の差動出力端子は1次巻線に結合され、2次巻線はRFポートに結合されている。
【0007】
受信経路は、一般に低ノイズ増幅器で構成されている。
【0008】
高出力増幅器は、所望に応じて高出力パワーに最適化される。必然的に、効率(すなわち、出力パワーと供給パワーの比)は、特に出力パワーが減少すると、大きなバックオフ(例えば、6dBのバックオフ)のために低下する。
【0009】
言い換えると、現在の最先端の高出力アンプの実装は、限られた出力範囲(通常は6dBのバックオフ以内)で効率を最適化することに重点を置いている。
【0010】
最新技術では、+15dBmから+30dBmの範囲の最大出力パワーだけでなく、例えば-5dBmから+5dBmの範囲など、0dBm付近の低出力パワーについても効率を改善する必要がある。
【0011】
最新技術では、例えば20dBのバックオフ範囲にわたって、大きなバックオフについても効率を改善する必要がある。
【0012】
特許文献1は、受信経路用と、第1送信経路用と、第2送信経路用の単一のRFアンテナポートを備えるRF送受信装置を開示している。記載されたRF送受信装置は、第1送信経路における高出力増幅器、第2送信経路中に低出力増幅器及びスイッチネットワークを備える。記載のRF送受信装置は、異なる作動モードで作動する。
低出力送信モード(この特許文献1では、+7dBmモードのようなBLE送信モードは低出力送信モードの例。)では、スイッチが開閉され、第2送信経路が(低)出力信号の送信に使用される。
高出力送信モード(この特許文献1では、+13dBmモードのようなBluetooth送信モードは高出力送信モードの例。)では、第1送信経路が(高)出力信号の送信に使用されるようにスイッチが開閉される。受信モードでは、受信経路が信号の受信に使用されるように、スイッチが開閉の少なくとも一方がなされる。
【0013】
しかしながら、記載されたRF送受信装置にはいくつかの欠点がある。まず、受信経路は、低出力増幅器の出力にあるスイッチと、低出力増幅器と直列に構成されている。このスイッチは、特に高電圧と電流の振幅に対して高応力にさらされ、そして摩耗し、それにより低出力増幅器と低ノイズ増幅器も破損するおそれがある。さらに、直列経路が閉位置にあるときにオーム抵抗が導入され、それによって出力が消費され、出力増幅器の効率が低下する。
【0014】
第2に、低ノイズ増幅器は、入力が直接接地されていないため、出力増幅器による負荷から保護されていない。それゆえ、RF送受信装置は、低ノイズアンプを保護する追加の整合ネットワークを備えることになるので、RF送受信装置の部品数を増やす。
【0015】
最後に、しかし特に、スイッチネットワークは、作動経路と非作動経路の間に結合が作られるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第11171683号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、当技術の欠点及び限界を克服する無線周波数(RF)送受信装置の提供である。
【0018】
本発明の別の目的は、+15dBmから+30dBmの範囲の出力パワーだけでなく、0dBm付近のより低い出力パワー、例えば-5dBmから+5dBmの範囲に対しても改善された効率を持つRF送受信装置を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、例えば20dBのバックオフ範囲にわたって、同様に大きなバックオフに対しても改善された効率を持つRF送受信装置を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、それらの経路の1つが使われている場合に、経路間の結合を最小化するRF送受信装置を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、出力増幅器の出力と直列のスイッチを持たないRF送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によると、これらの目的が、添付の特許請求の範囲の対象によって、特に請求項1に記載の無線周波数送受信装置によって達成される。
【0023】
本発明による無線周波数送受信装置は、
- 受信経路用と、第1送信経路用と、第2送信経路用との単一のRFアンテナポートと、
- 1次巻線と2次巻線とを備えるバランであって、前記2次巻線の第1端子は、前記RFアンテナポートに結合されるバランと
を備える。
【0024】
この文脈において、「結合されている」という用語は、必ずしも「直接結合されている」ことを意味するわけではない。例えば、1つ又はそれより多くの構成部品が2次巻線とRFアンテナポートとの間に配置されている場合、2次巻線とRFアンテナポートとの間にRF信号経路がある限り、2次巻線は依然としてRFアンテナポートに結合される。
【0025】
本発明によれば、受信経路は、低ノイズ増幅器を備え、2次巻線の第2端子に結合された入力端子を備える。
【0026】
本発明によると第1送信経路は、
- 1次巻線に結合された差動出力端子を備える高出力増幅器と、
- 高出力増幅器の各差動出力端子と前記高出力増幅器の接地電位又は前記第1差動出力端子との間の第1スイッチ及び第2スイッチと、
- 第1スイッチと前記接地電位との間、又は前記第1スイッチと前記高出力増幅器の第1差動出力端子との間の第3コンデンサと、
- 第2スイッチと接地電位の間、又は第2スイッチと高出力増幅器の第2差動出力端子との間の第4コンデンサと
とを備える。
【0027】
本発明によると、第2送信経路は、
- RFアンテナポートに結合された出力端子を持つ低出力増幅器と、
- 低出力増幅器の出力端子と接地電位の間の第3スイッチと
を備える。
【0028】
本発明では、「低出力増幅器」は、0dBm付近の出力パワーを持つ出力増幅器を意味するものとする。
【0029】
本発明によると、無線周波数送受信装置は、
- 第1、第2及び第3スイッチが閉位置にあるときの高出力送信モードであって、前記高出力送信モードにおいて、前記第1送信経路は、前記RFアンテナポートに高出力RF信号を提供するように構成されている、高出力送信モードと、
- 第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチとが開位置にあるときの低出力送信モードであって、前記低出力送信モードでは、前記第2送信経路は、前記RFアンテナポートに低出力RF信号を提供するように構成されている、低出力送信モードと、
- 第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチとが開位置にあるときの受信モードであって、前記受信モードでは、前記受信経路は、RFアンテナポートから第3RF信号を受信するように構成されている、受信モードと
の状態になるように構成されている。
【0030】
本発明では、同時に作動する2つの経路はない。言い換えると、本発明によれば、一度に作動する経路が常に1つである。
【0031】
本発明によるRF送受信装置の特定の構成は、+15dBmから+30dBmの範囲の出力パワーだけでなく、0dBm付近のより低い出力パワー、例えば-5dBmから+5dBmの範囲についても、その効率の改善を可能にする。
【0032】
本発明によるRF送受信装置の特定の構成は、例えば20dBのバックオフ範囲にわたって、同様に大きなバックオフに対するその効率を改善することを可能にする。
【0033】
本発明によるRF送受信装置、特に、
第1スイッチと接地電位との間(又は、第1スイッチと高出力増幅器の第1差動出力端子との間)の第3コンデンサと、
第2スイッチと接地電位の間(又は第2スイッチと高出力増幅器の第2差動出力端子の間)の第4コンデンサとの、
高出力増幅器の各差動出力端子と接地電位との間の第1スイッチ及び第2スイッチにより、使われていない経路と現在使われている経路との間の結合を最小限に抑えられる。
【0034】
有利には、本発明によるRF送受信装置は、出力増幅器の出力と直列のスイッチを持たない。それにより、この直列スイッチに関連する上記の全ての欠点を持たない。本発明によるRF送受信装置は、受信経路中に直列スイッチも持たない。
【0035】
さらに、本発明によるRF送受信装置の具体的な構成は、受信経路及び高出力送信経路のみを備える既存のRF送受信装置から出発することによって得られる。低消費出力の送信経路は、この既存のRF送受信装置に容易に追加でき、高出力増幅作動と低ノイズ増幅作動の両方の中断を最小限に抑えられる。
【0036】
1実施形態では、無線周波数送受信装置は、
- 2次巻線の第2端子と接地電位との間の第4スイッチと、
- 2次巻線の第1端子と前記低出力増幅器の出力端子との間の第1整合コンデンサと、
を備え、ここでは
- 第1送信経路は、第4スイッチが閉位置にあるときにRFアンテナポートに第1RF信号を提供するように構成されていて、
- 第2送信経路は、前記第4スイッチが閉位置にあるときに第2RF信号をRFアンテナポートに供給するように構成されていて、
- 受信経路は、第4スイッチが開位置にあるときにRFアンテナポートから第3RF信号を受信するように構成されている。
【0037】
1実施形態では、無線周波数送受信装置は、
- 2次巻線の第1端子とRFアンテナポートとの間の第1整合コンデンサ
を備え、ここでは、低出力増幅器の出力端子は、2次巻線の第2端子に結合されている。
【0038】
1実施形態では、無線周波数送受信装置は、
- 低ノイズ増幅器の入力端子と2次巻線の第2端子との間の第2整合コンデンサ
を備える。
【0039】
1実施形態では、高出力増幅器及び低出力増幅器の少なくとも一方は、非線形級出力増幅器である。
【0040】
D級、D-1級、E級、F級、F-1級の出力増幅器は、非線形級の出力増幅器の非限定的な例である。
【0041】
1実施形態では、高出力増幅器及び低出力増幅器の少なくとも一方はD級増幅器である。
【0042】
1実施形態では、高出力増幅器は逆D級増幅器である。
【0043】
1実施形態では、低出力増幅器は、シングルエンドの低消費出力増幅器である。
【0044】
1実施形態では、高出力増幅器及び低出力増幅器のうちの少なくとも1つは、FDSOI(完全空乏シリコンオンインシュレータ)プロセスで実現されるトランジスタを備え、RF送受信装置は、高出力増幅器及び低出力増幅器のうちの少なくとも1つの最終段にバックゲート制御モジュールを備え、トランジスタのバックゲート電圧を制御する。本実施形態は、本発明によるRF送受信装置の最適化が可能である。
【0045】
1実施形態では、高出力増幅器及び低出力増幅器の少なくとも一方は、高出力増幅器及び低出力増幅器のうちの少なくとも1つの最終段のDC電源を制御する(例えば下げる)DC-DC変換器モジュールを備える。この実施形態は、本発明による無線周波数送受信装置ーの別の最適化である。
【0046】
1実施形態では、高出力増幅器及び低出力増幅器の少なくとも一方は、高出力増幅器及び低出力増幅器のうちの少なくとも1つの最終段における位相経路のデューティサイクルを制御するデューティサイクル制御モジュールを備える。この実施形態は、本発明による無線周波数送受信装置ーの別の最適化である。
【0047】
1実施形態では、無線周波数送受信装置は、無線周波数送受信装置の効率の最適化のため、高出力増幅器の一部のみを駆動するモジュールを備える。この実施形態は、本発明による無線周波数送受信装置ーの別の最適化である。
【0048】
本発明の例示的な複数の実施形態が、説明の中で開示され、次の図面によって図示される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1A図1Aは、本発明の一実施形態による無線周波数(RF)送受信装置を概略的に示す。
図1B図1Bは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。
図2A図2Aは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。
図2B図2Bは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。
図3図3は、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置の一部を概略的に示す。
図4A図4Aは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。
図4B図4Bは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。
図5図5は、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置の一部を概略的に示す。
図6図6は、本発明の別の実施形態によるプレ出力増幅モジュールprePAを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1Aは、本発明の一実施形態による無線周波数(RF)送受信装置100を概略的に示す。
【0051】
図1AのRF送受信装置100は、受信経路用の単一のRFアンテナポート20と、第1送信経路と第2送信経路と、1次巻線11と2次巻線12とを備えるバラン10(均衡不均衡変換器)とを備える。ここでは、2次巻線12の第1端子1は、RFアンテナポート20に結合されている。
【0052】
特に、図1AのRF送受信装置100の受信経路は、RFアンテナポート20と、バラン10の2次巻線12と、低ノイズ増幅器LNAの入力端子と2次巻線12の第2端子2との間に第2整合コンデンサCm2と、とを備える。
【0053】
図1AのRF送受信部100の第1送信経路は、高出力を伝送するように構成されている。第1送信経路は、
- バラン10の1次巻線11に結合された差動出力端子3,4を備える高出力増幅器HPAと、
- 高出力増幅器HPAの各差動出力端子3,4と接地電位との間の、第1スイッチS1及び第2スイッチS2と
- 第1スイッチS1と接地電位との間のコンデンサC1と、
- 第2スイッチS2と接地電位との間の別のコンデンサC2と、
を備える。
【0054】
図1AのRF送受信装置100の第2送信経路は、低出力を送信するように構成されている。第2送信経路は、
- 第1整合コンデンサCm1を介してRFアンテナポート20に結合された出力端子5を持つ低出力増幅器LPAと、
- 低出力増幅器LPAの出力端子5と接地電位との間の第3スイッチS3と
を備える。
【0055】
図1Aに示す低消費出力アンプLPAはシングルエンド出力を備えているが、差動出力を持ってもよいだろう。その場合、RF信号をバラン10に結合するのに追加のバランが必要になるかもしれない。
【0056】
図1Aに図示される低出力増幅器LPAはインバータであるが、この実施形態が限定的であると考えるべきではなく、他のタイプの低出力増幅器LPAを使ってよい。さらに、RF出力制御の提供のため、単一のインバータに替えて、個別のイネーブル機能を備えたインバータの配列を使用してもよいだろう。
【0057】
図1AのRF送受信装置100は、また、低出力増幅器LPAの出力端子5と接地電位との間の第3スイッチS3と、バラン10の第2端子2と接地電位との間の第4スイッチS4とを備える。
【0058】
図1Aの実施形態では、第2送信経路は、第1整合コンデンサCm1を介し、それにより第1送信経路を迂回して、アンテナポート20に給電する。
【0059】
図1Aの実施形態では、第1送信経路の作動中に全てのスイッチS1からS4が閉じられている。スイッチS1からS4全てが、受信経路の作動中に開いている。第2送信経路の作動中はスイッチS4のみが閉じられ、他のスイッチS1からS3は開いている。
【0060】
図1Aの実施形態では、第1送信経路及び第2送信経路は、不使用時に高い出力インピーダンスを示す。これは負荷が最小限であり、それにより作動中の送信経路に干渉しない。
【0061】
図1Aの実施形態では、デューティサイクルと、スライシング(分割)技術との少なくとも一方を、第1送信経路と第2送信経路の少なくとも一方の出力増幅器に使用できる。
【0062】
図1Aの実施形態では、第2整合コンデンサCm2は、低ノイズ増幅器LNAの整合を容易にする。
【0063】
本発明によるRF送受信装置の特定の構成は、+15dBmから+30dBmの範囲の出力パワーを改善できるだけでなく、0dBm付近のより低い出力パワー、例えば-5dBmから+5dBmの範囲についても、その効率の改善を可能にする。
【0064】
本発明によるRF送受信装置の特定の構成は、例えば20dBのバックオフ範囲にわたって同様に、大きなバックオフに対するその効率の改善を可能にする。
【0065】
本発明によるRF送受信機、特に高出力増幅器の各差動出力端子と接地電位との間の第1スイッチS1及び第2スイッチS2、第1スイッチS1と接地電位との間の第3コンデンサC1、そして第2スイッチS2と接地電位との間の第4コンデンサC2とは、使用していない経路と現在使用されている経路の間の結合を最小限に抑えられるようにする。
【0066】
有利には、本発明によるRF送受信装置は、出力増幅器の出力と直列のスイッチを持っていない。それにより、直列スイッチに関連する先に述べた欠点の全てを持っていない。
【0067】
さらに、本発明によるRF送受信装置の具体的な構成は、受信経路及び高出力送信経路のみを備える既存のRF送受信装置から出発することで、得られる。低消費出力の送信経路は、この既存のRF送受信装置に容易に追加できて、高出力増幅動作と低ノイズ増幅動作の両方の中断を最小限に抑えられる。
【0068】
本出願人によって実施された模擬試験は、第2送信経路を持たない図1Aの同じRF送受信装置100と比較して、図1AのRF送受信装置100は、改善された効率を持ち、電流ドレインの低減を示している。例えば、0dBmの出力パワーでは10mAではなく3.7mAしか消費されないが、4dBmの出力では17mAではなく6mAの消費出力になる。よって、効率はそれぞれ10%と15%から27%と47%に向上する。
【0069】
図1Bは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。本実施形態は、図1Aのものと異なり、第3コンデンサC1は、第1スイッチS1と高出力増幅器HPAの差動出力端子4との間にあり、第4コンデンサC2は、第2スイッチS2と高出力増幅器HPAの差動出力端子3との間にある。
【0070】
図2Aは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置100を概略的に示す。
【0071】
図2AのRF送受信装置100は、受信経路用に、単一のRFアンテナポート20と、第1送信経路と第2送信経路と、1次巻線11と2次巻線12とを備えるバラン10とを備える。ここでは、2次巻線12の第1端子1は、RFアンテナポート20に結合されている。
【0072】
特に、図2AのRF送受信装置100の受信経路は、RFアンテナポート20と、バラン10の2次巻線12と、第2整合コンデンサCm2を、低ノイズ増幅器LNAの入力端子と2次巻線12の第2端子2との間に、備える。
【0073】
図2AのRF送受信装置100の第1送信経路は、高出力を送信するように構成されている。第1送信経路は、
- バラン10の1次巻線11に結合された差動出力端子3,4を備える高出力増幅器HPAと、
- 高出力増幅器HPAの各差動出力端子3、4のそれぞれと接地電位との間の第1スイッチS1及び第2スイッチS2と、
- 第1スイッチS1と前記接地電位との間のコンデンサC1と、
- 第2スイッチS2と接地電位との間の別のコンデンサC2と
を備える。
【0074】
図2AのRF送受信装置100の第2送信経路は、低出力を送信するように構成されている。第2送信経路は
- 第1整合コンデンサCm1を介してRFアンテナポート20に結合されたバラン10の2次巻線の第2端子2に対応する出力端子を持つ低出力増幅器LPAと
- 低出力増幅器LPAの出力端子2と接地電位との間の第3スイッチS3
を備える。
【0075】
ここでも、図2Aに示す低消費出力アンプLPAはシングルエンド出力だが、差動出力を備えてよい。その場合、追加のバランが必要になるかもしれない。
【0076】
ここでも、図2Aに図示される低出力増幅器LPAはインバータであるが、この実施形態が限定的と考えるべきではなく、他のタイプの低出力増幅器LPAを使用できる。さらに、RF出力制御を可能にするために、単一のインバータに替えてインバータのアレイ(配列したもの)を使用してもよい。
【0077】
図2AのRF送受信機100は、図1Aの実施形態の第4スイッチS4を持たないものとなっている。
【0078】
図2Aの実施形態では、第2送信経路は、低ノイズ増幅器LNA入力と並列に、バラン10の2次巻線12の下部にあるアンテナポート20に給電する。
【0079】
図2Aの実施形態では、第1送信経路の作動中にスイッチS1からS3が全て閉じられる。受信経路の作動中にスイッチS1からS3が全て開いている。第2送信経路の作動中にもスイッチS1からS3が全て開いている。
【0080】
図2Aの実施形態では、第1送信経路及び第2送信経路は、不使用時に高い出力インピーダンスを示す。それは最小負荷であり、それにより作動中の送信経路に干渉しない。
【0081】
図2Aの実施例でも、デューティサイクルとスライシング技術の少なくとも一方を、第1送信経路と第2送信経路の少なくとも一方の出力増幅器に使用できる。
【0082】
図2Aの実施形態では、整合コンデンサCm1及びCm2は、低ノイズ増幅器LNAの整合を容易にする。整合コンデンサCm1は、出力増幅器LPAの整合も容易にする。
【0083】
図2Bは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。本実施形態は、図2Aのものと異なり、第3コンデンサC1は、第1スイッチS1と高出力増幅器HPAの差動出力端子4との間にあり、第4コンデンサC2は、第2スイッチS2と高出力増幅器HPAの差動出力端子3との間にある。
【0084】
好ましい1実施形態では、例えば図1A、1B、2A又は2Bの実施形態のうちの1つと組み合わせ可能な、高出力増幅器HPA及び低出力増幅器LPAのうちの少なくとも1つは、非線形級の出力増幅器である。
【0085】
D級、D-1級、E級、F級、F-1級出力増幅器は、非線形級の出力増幅器の非限定的な例である。
【0086】
好ましい1実施形態では、例えば図1A図1B図2A又は図2Bの実施形態のうちの1つと組み合わせてよく、高出力増幅器HPA及び低出力増幅器LPAのうちの少なくとも1つはD級増幅器である。
【0087】
例えば図1A図1B図2A又は図2Bの実施形態の1つと組み合わせ可能である、好ましい1実施形態では、高出力増幅器HPAは、逆D級増幅器である。
【0088】
図3は、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置の一部を概略的に示す。この実施形態では、高出力増幅器及び低出力増幅器PAの少なくとも一方は、FDSOIプロセスで実現されるトランジスタを備え、バックゲート制御モジュール30を備えるRF送受信装置(最終段)における高出力増幅器及び低出力増幅器PAの少なくとも一方において、トランジスタのバックゲート電圧を制御する。
【0089】
この実施形態は、本発明によるRF送受信装置100を最適化できるようにする。例えば3dBまでのバックオフに対する小さなバックオフに対する効率の最適化を可能にする。これは特に非線形出力増幅器PAに適用される。実際、高いバックゲート電圧、つまり最大2ボルトのバックゲート電圧により、PAのトランジスタの抵抗性が低くなる。
【0090】
図3に図示される実施形態では、バックゲート制御モジュール30は、デジタル-アナログ変換器DACを備える。
【0091】
図3に図示の実施形態では、(低又は高)出力増幅器PAはカスコード40を備えるが、これは本実施形態にとって必須ではない。
【0092】
図3の実施形態では、(低又は高)出力増幅器PAは差動クロック(又は位相)入力を備えるが、これはこの実施の形態では必須ではなく、差動位相入力とは異なるシングルエンド入力と差動入力との少なくとも一方を持つ出力増幅器にも適用される。
【0093】
図4Aは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置100を概略的に示す。この実施形態は、本発明によるRF送受信装置100の最適化の可能性を備える。これは、全ての(線形又は非線形)(高と低の少なくとも一方)出力増幅器PAに適用される。
【0094】
図4Aに示す(低又は高)出力増幅器PAは、差動(クロック)入力と、入力clkp及びclkmごとに1つずつ、2つのメイン分岐6,7で構成されている。好ましい一実施形態では、主分岐6、7それぞれが、RF出力の制御のため、ANDモジュール60を介してマルチビットアンプ信号によって個々にイネーブル(有効又は無効を決定)できるいくつかの(例えば非限定的な方法で256個の)スライス70を並列に備える。図4Aに図示される(低又は高)出力増幅器PAは、ANDモジュール60,70それぞれにて振幅データampの入力も備える。
【0095】
図4Aの実施形態では、(低又は高)パワー増幅器PAは差動位相入力及び振幅データ入力を備えるが、これはこの実施形態では必須ではなく、シングルエンド入力、差動位相入力とは異なる差動入力と、振幅データ入力との少なくとも一方を持たない出力増幅器にも適用される。
【0096】
図4Aの実施形態では、(低又は高)出力増幅器PAは(C-PA及びVDDPA電源電圧で供給される)カスコード40を備えるが、これもこの実施形態では必須ではない。
【0097】
出力増幅器PAには電圧VDDPAが供給される。
【0098】
図示のコンデンサC及び抵抗器Rは、出力増幅器PAをバイアスすることを可能にする。それらの構成が限定的と見なされるべきではない。
【0099】
静電気放電保護ESDの存在も、限定的と考慮されるべきではない。
【0100】
1実施形態では、VL1pと名付けられたバラン10の2次巻線12の両端の負荷電圧VLの第1高調波(1)のピーク値(p)は、次の式で与えられる。
【数1】
ここで
τはRF信号デューティサイクル
TはRF信号周期
VDDはPA電源電圧VDDPA
L1はバラン10の1次巻線11のインダクタンス
L2はバラン10の2次巻線12のインダクタンス
RLは負荷の抵抗
ω0はRF周波数信号(ラジアン/秒)
【0101】
負荷の出力PLは、次の式に従って記述できる。
【数2】
【0102】
ここでの2つの式の組み合わせは、例えばDC-DC変換器(DC入力電源)を用いてPA電源電圧VDDを変更することによって(低又は高)出力増幅器PAの出力パワーの制御が可能であることを示している。
【0103】
例えば、出力増幅器PAの最終段の直流電源を下げてもよい。例えば、電源を半分にすると、10dBのバックオフと15%の効率損失が発生する。バラン10が必然的に最大出力に最適化されるため、効率は低下する。
【0104】
補完的又は代替的に、ここでの2つの式の組み合わせは、RF信号デューティサイクルτ上で変更することによっても、(低又は高)出力増幅器PAの出力パワーの制御が可能であることを示している。
【0105】
それにより、位相経路clkpとclkmとの少なくとも一方のデューティサイクル制御を使用できる。例えば、出力を6dB削減すると(例えば最終段で、パルスを狭めることによって)、定電源時に効率が10%低下する。
【0106】
デューティサイクル制御は、用途に応じて、DC電源制御に替えて使用してもよく、同時使用でもよい。
【0107】
図4Bは、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置を概略的に示す。本実施形態は、図4Aの実施形態と異なり、第3コンデンサC1は、第1スイッチS1と高出力増幅器HPAの第1差動出力端子との間にあり、第4コンデンサC2は、第2スイッチS2と高出力増幅器HPAの第2差動出力端子との間にある。
【0108】
図5は、本発明の別の実施形態によるRF送受信装置の一部を概略的に示す。バックオフ時の効率最適化のためのデューティサイクル制御とDC電源制御の使用を示している。
【0109】
特に、外部電源VDDPAは、DC-DC変換器によって制御され、1つ以上の電圧レギュレータRegを介して、カスコードがある場合にはカスコード供給電圧も制御可能にする。
【0110】
周波数f(例えばf=5GHz)は、プレ出力増幅器モジュールprePA用の入力周波数fin(例えばfin=2.5GHz)を生成する分周器DIVによって分周できる。図5のプレ出力増幅器モジュールprePAは、振幅データamp’とクロック信号(例えば400MHzのクロック周波数を持つ)も受信する。プレ出力増幅器モジュールprePAは、(低又は高)出力増幅器PAの位相差動入力clkp及びclkmのデューティサイクルの制御を可能にする。
【0111】
図6は、本発明の別の実施形態によるprプレ出力増幅モジュールprePAを概略的に示す。これは、デューティサイクル制御モジュール80を備え、高出力増幅器及び低出力増幅器の少なくとも一方の最終段における位相経路のデューティサイクルを制御する。この実施形態は、本発明によるRF送受信装置ーの別の最適化である。
【0112】
図6のプレ出力増幅器モジュールprePAは、クロック位相を制御することと、送信されたRF信号を合成する内蔵発振器のプルを最小限に抑えることとの少なくとも一方を行う、遅延モジュール90も備える。
【0113】
図6のプレ出力増幅器モジュールprePAは、イネーブル信号enによって作動可能なデータフリップフロップ50も備える。データフリップフロップ50は、振幅データamp’とクロック信号clkを受信し、かつANDモジュール60の出力信号を生成する。
【0114】
1実施形態では(図示せず)、RF送受信装置100は、RF送受信装置の効率の最適化のため、高出力増幅器の一部のみを駆動するモジュールを備える。この実施形態は、本発明によるRF送受信装置の全体効率の別の最適化である。
【符号の説明】
【0115】
1 バルンの2次巻き線の第1端子
2 バルンの2次巻き線の第2端子
3 高出力増幅器の第1端子
4 高出力増幅器の第2端子
5 高出力増幅器の出力端子
10 バルン(均衡不均衡変換器)
11 バルンの1次巻線
12 バルンの2次巻線
20 アンテナポート
30 バックゲート制御モジュール
40 カスコード
50 データフリップフロップ
60 ANDモジュール
70 ANDモジュール
80 デューティサイクル制御モジュール
90 遅延モジュール
100 無線周波数送受信機
amp,amp’ 振幅データ
C コンデンサ
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
Clk クロック
Clkm クロックマイナス
Clkp クロックプラス
Cm1 第1整合コンデンサ
Cm2 第2整合コンデンサ
C-PA カスコード供給電圧
en イネーブル信号
ESD 静電気放電保護
DIV 周波数分割器
F 周波数
Fin 入力周波数
HPA 高出力増幅器
LNA 低ノイズ増幅器
LPA 低出力増幅器
PA (低又は高)出力増幅器
PrePA プレ出力増幅器モジュール
R 抵抗器
Reg 電圧レギュレータ
Rfio RF入力出力
RFvss RF供給電圧
VDDPA PA供給電圧
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
【外国語明細書】