(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007345
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】1つ以上の燃焼缶を取り付ける又は取り外すためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F23R 3/60 20060101AFI20240110BHJP
F02C 7/20 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
F23R3/60
F02C7/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023090729
(22)【出願日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】17/852,580
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス モレノ、ウンベルト
(72)【発明者】
【氏名】アギラール クエラール、アルテミオ ホスエ
(72)【発明者】
【氏名】メンデス ロドリゲス、ホアン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】スキピオ、アルストン イルフォード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つ以上の燃焼缶を取り付ける又は取り外すためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ターボ機械から燃焼缶125を取り付ける及び取り外すためのリフトシステム100である。リフトシステム100は、レール104、伸縮部材110に結合された燃焼缶クレードルアセンブリ108を含む可搬型カートアセンブリ106を含む。燃焼缶クレードルアセンブリ108は、ターボ機械の燃焼缶125に取外し可能に結合するように構成されている。リフトシステム100は、前記可搬型カートアセンブリ106及びレール104に取外し可能に結合可能なスライドアセンブリ102を更に含む。スライドアセンブリ102は、燃焼缶クレードルアセンブリ108の位置が調整されるように、レール104に沿って可搬型カートアセンブリ106とともに移動可能である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械から燃焼缶(125)を取り付ける及び取り外すためのリフトシステム(100)であって、
レール(104)、
伸縮部材(110)に結合された燃焼缶クレードルアセンブリ(108)を含む可搬型カートアセンブリ(106)であって、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、前記ターボ機械の燃焼缶(125)に取外し可能に結合するように構成されている、可搬型カートアセンブリ(106)、及び
前記可搬型カートアセンブリ(106)及び前記レール(104)に取外し可能に結合可能なスライドアセンブリ(102)であって、前記スライドアセンブリ(102)は、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)の位置が調整されるように、前記レール(104)に沿って前記可搬型カートアセンブリ(106)とともに移動可能である、スライドアセンブリ(102)、
を含む、リフトシステム(100)。
【請求項2】
前記レール(104)に結合された駆動アセンブリ(220)を更に含み、前記駆動アセンブリ(220)は、モータ(222)と、ギアボックス(236)と、1つ以上のスプロケット(232)と、前記スライドアセンブリ(102)と前記モータ(222)とに結合された駆動チェーン(216)とを含み、前記モータ(222)が作動すると、前記レール(104)に沿って前記スライドアセンブリ(102)が移動する、請求項1に記載のリフトシステム(100)。
【請求項3】
前記スライドアセンブリ(102)は、第1の端部と第2の端部との間に延在するメインプレート(126)を備える、請求項1に記載のリフトシステム(100)。
【請求項4】
前記スライドアセンブリ(102)は、前記メインプレート(126)から延在する1つ以上のスライド可能なカップリング(132)を更に含み、前記1つ以上のスライド可能なカップリング(132)は前記レール(104)を囲む、請求項3に記載のリフトシステム(100)。
【請求項5】
前記スライドアセンブリ(102)は、前記メインプレート(126)の第1の端部(128)から延在する1つ以上の接続部材(148)を更に含み、ピンが前記1つ以上の接続部材(148)及び前記伸縮部材(110)を貫通して、前記可搬型カートアセンブリ(106)を前記スライドアセンブリ(102)に回転可能に結合する、請求項3に記載のリフトシステム(100)。
【請求項6】
前記伸縮部材(110)は第1の伸縮部材であり、前記スライドアセンブリ(102)は、前記メインプレート(126)に枢動可能に結合された第2の伸縮部材であって、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に枢動可能に結合された第2の伸縮部材を更に含む、請求項3に記載のリフトシステム(100)。
【請求項7】
前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、軸方向、半径方向、及び周方向を有する円筒座標系を画定し、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、前記軸方向、前記半径方向、及び前記周方向のいずれかの方向に沿って動くように構成される、請求項1に記載のリフトシステム(100)。
【請求項8】
前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、環状リング(251)と、上部アセンブリ(252)と、下部アセンブリと、前記上部アセンブリ(252)と前記下部アセンブリとの間に延在する1つ以上のねじ部付きロッド(260)とを含む、請求項1に記載のリフトシステム(100)。
【請求項9】
前記上部アセンブリ(252)は、上部圧力プレート(256)及び上部接続部材(265)を含み、前記下部アセンブリは、下部圧力プレート(258)及び下部接続部材を含み、前記1つ以上のねじ部付きロッド(260)は前記上部接続部材(265)と前記下部接続部材との間に延在する、請求項8に記載のリフトシステム(100)。
【請求項10】
前記下部アセンブリは、前記下部圧力プレート(258)から延在する1つ以上のハンドルバー(262)を含む、請求項8に記載のリフトシステム(100)。
【請求項11】
前記伸縮部材(110)を前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に結合する微動アセンブリ(300)を更に含む、請求項8に記載のリフトシステム(100)。
【請求項12】
前記微動アセンブリ(300)は、トラック(302)と、ソケット(306)を画定するクランピングアセンブリ(304)であって、ねじ部付きトラック(302)ロッド(336、358)を介して前記トラック(302)に結合されたクランピングアセンブリ(304)と、前記下部アセンブリに結合されたボール部材(264)であって、前記ソケット(306)まで延在して前記クランピングアセンブリ(304)とジョイント(310)を形成するボール部材(264)とを含む、請求項11に記載のリフトシステム(100)。
【請求項13】
前記クランピングアセンブリ(304)は、ベースプレート(322)と、第1のクランピング部材(324)と、第2のクランピング部材とを更に含み、前記第1のクランピング部材(324)及び前記第2のクランピング部材は、舌部(328)及び溝部(330)を介して前記ベースプレート(322)にスライド可能に結合されている、請求項12記載のリフトシステム(100)。
【請求項14】
燃焼缶(125)をターボ機械の燃焼部(16)に取り付ける方法であって、
前記燃焼缶(125)を燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に固定することであって、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に結合された伸縮部材(110)を含む可搬型カートアセンブリ(106)の一部を形成する、燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に固定すること、
前記可搬型カートアセンブリ(106)をスライドアセンブリ(102)に結合することであって、前記スライドアセンブリ(102)は、レール(104)に移動可能に結合され、駆動アセンブリ(220)に接続される、スライドアセンブリ(102)に結合すること、
前記スライドアセンブリ(102)及び前記可搬型カートアセンブリ(106)が前記レール(104)に沿って移動するように、駆動アセンブリ(220)を作動させること、及び
前記伸縮部材(110)を伸長させて、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)及び前記燃焼缶(125)を前記ターボ機械の燃焼部(16)のそれぞれの開口部(401)に位置合わせすること
を含む、方法。
【請求項15】
前記伸縮部材(110)は第1の伸縮部材であり、前記スライドアセンブリ(102)は、前記スライドアセンブリ(102)のメインプレート(126)から前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)まで延在する第2の伸縮部材を更に含み、
前記方法は、前記第2の伸縮部材を伸長させて、前記伸縮部材(110)を前記ピボット点(152)を中心に回転させ、前記燃焼缶(125)を前記ターボ機械の前記燃焼部(16)のそれぞれの開口部(401)に位置合わせすること
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、燃焼缶を取り付ける及び/又はターボ機械から燃焼缶を取り外すためのアセンブリ及び方法に関する。特に、本開示は、燃焼缶を取り付ける及び/又はターボ機械の燃焼部全体から燃焼缶を取り外すためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達を目的として様々な産業や用途に利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機部、燃焼部、タービン部、及び排気部を含む。圧縮機部は、ガスタービンエンジンに流入する作動流体の圧力を徐々に上昇させ、この圧縮された作動流体を燃焼部へ供給する。圧縮された作動流体と燃料(例えば、天然ガス)は燃焼部内で混合され、燃焼室内で燃焼して高圧・高温の燃焼ガスが発生する。燃焼ガスは燃焼部からタービン部に流入し、タービン部で膨張して仕事を発生する。例えば、タービン部で燃焼ガスが膨張すると、例えば発電機に接続されたローターシャフトが回転し、電気を発生させることができる。燃焼ガスは、その後、排気部を経由してガスタービンから排出される。
【0003】
より具体的には、燃焼部では大量の燃料と圧縮空気が混合され、得られた混合物を燃焼させる。ガスタービンの燃焼部は、空気と燃料が混合され燃焼が行われる円筒形の燃焼「缶」の環状アレイを含むことができる。軸流圧縮機からの圧縮空気は、燃焼器に流入する。燃料は燃料ノズルアセンブリを通じて噴射され、燃料ノズルアセンブリは、各缶の中にまで延在することができる。燃料と空気の混合物は、各缶の燃焼室内で燃焼する。燃焼ガスは、各缶からタービンにつながるダクトに排出される。
【0004】
燃焼缶は、ガスタービンの初期の製造段階の時に取り付ける必要があり、その後の保守作業時に取り外すこともある。しかし、1つ以上の燃焼缶を取り付ける、取り外す、又は再び取り付けるには、ガスタービンに対して各燃焼缶を適切に持ち上げ、位置決めし、及び/又は並べるために、かなりの力を必要とすることがある。従って、燃焼缶を取り付ける及び取り外すための代替システム及び方法は、当技術分野で受け入れられると考えられる。
【発明の概要】
【0005】
本開示によるリフトシステム及び方法の態様及び利点は、以下の発明を実施するための形態で部分的に説明される、発明を実施するための形態から明らかである、又は本技術の実施を通じて知ることができる。
【0006】
一実施形態によれば、ターボ機械から燃焼缶を取り付ける及び取り外すためのリフトシステムが提供される。リフトシステムは、レールと、可搬型カートアセンブリと、スライドアセンブリとを含む。可搬型カートアセンブリは、伸縮部材に結合された燃焼缶クレードルアセンブリを含む。前記燃焼缶クレードルアセンブリは、前記ターボ機械の燃焼缶に取外し可能に結合するように構成されている。スライドアセンブリは、前記可搬型カートアセンブリ及び前記レールに取外し可能に結合可能である。前記スライドアセンブリは、前記燃焼缶クレードルアセンブリの位置が調整されるように、前記レールに沿って前記可搬型カートアセンブリとともに移動可能である。
【0007】
別の実施形態は、燃焼缶をターボ機械の燃焼部に取り付けるための方法である。本方法は、前記燃焼缶を燃焼缶クレードルアセンブリに固定することを含む。前記燃焼缶クレードルアセンブリは、前記燃焼缶クレードルアセンブリに結合された伸縮部材を含む可搬型カートアセンブリの一部を形成する。本方法は、前記可搬型カートアセンブリをスライドアセンブリに結合することを更に含む。前記スライドアセンブリは、レールに移動可能に結合され、駆動アセンブリに接続される。本方法は、前記スライドアセンブリ及び前記可搬型カートアセンブリが前記レールに沿って移動するように、駆動アセンブリを作動させることを更に含む。本方法は、前記伸縮部材を伸長させて、前記燃焼缶クレードルアセンブリ及び前記燃焼缶を前記ターボ機械の燃焼部のそれぞれの開口部に位置合わせすることを更に含む。
【0008】
リフトシステム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を参照することにより、更に理解される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本技術の実施形態を示し、発明を実施するための形態とともに、本技術の原理を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本リフトシステム及び方法の完全かつ可能な開示(当業者に対して説明される本システム及び方法を製造し使用するための最良の態様を含む)は、明細書に記載されており、明細書では、添付図面が参照される。
【0010】
【
図1】本開示の実施形態によるターボ機械の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態によるガスタービンの側面図である。
【
図3】本開示の実施形態によるガスタービンの燃焼部の側面図である。
【
図4】本開示の実施形態による燃焼器アセンブリの側面断面図である。
【
図5】本開示の態様による設置されたガスタービンを示す図である。
【
図6】本開示の実施形態によるリフトシステムのスライドアセンブリ及びレールを示す図である。
【
図7】本開示の実施形態による、レールに結合されたスライドアセンブリと、リフトシステムの可搬型カートアセンブリを示す図である。
【
図8】本開示の実施形態による完全に組み立てられたリフトシステムを示す。
【
図9】本開示の実施形態によるリフトシステムの斜視図である。
【
図10】本開示の実施形態によるリフトシステムの斜視図である。
【
図11】本開示の実施形態によるリフトシステムの斜視図である。
【
図12】本開示の実施形態による
図9に示されたリフトシステムを切断線12-12から見た断面図である。
【
図13】本開示の実施形態による格納位置にあるリフトシステムの拡大斜視図を示す。
【
図14】本開示の実施形態による、ある程度伸長した位置にあるリフトシステムの拡大斜視図を示す。
【
図15】本開示の実施形態による燃焼缶を支える燃焼缶クレードルアセンブリの拡大斜視図である。
【
図16】本開示の実施形態による燃焼缶クレードルアセンブリの分解図を示す。
【
図17】本開示の実施形態による燃焼缶クレードルアセンブリの拡大斜視図である。
【
図18】本開示の実施形態による微動アセンブリの斜視図を示す。
【
図19】本開示の実施形態による微動アセンブリの斜視図を示す。
【
図20】本開示の実施形態による微動アセンブリの斜視図を示す。
【
図21】本開示の実施形態による、ターボ機械及び格納位置にあるリフトシステムを示す図である。
【
図22】本開示の実施形態による、ターボ機械と、ある程度伸長した位置にあるリフトシステムを示す図である。
【
図23】本開示の実施形態によるターボ機械の燃焼部に燃焼缶を取り付ける方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本リフトシステム及び本方法の実施形態について詳細に言及するが、実施形態の1つ以上の例が図面に示されている。各例は、技術を限定するのではなく、説明のために提供されるものである。実際、本技術において、請求された技術の範囲又は趣旨から逸脱することなく、修正及び変形できることは当業者にとって明らかである。例えば、ある実施形態の一部として図示又は記載された特徴を、別の実施形態と共に使用して、更に別の実施形態を生成することができる。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るような修正及び変形を含むことが意図される。
【0012】
本明細書において、用語「例示的」は、「例、実例、又は例証として示される」という意味で使用されている。本明細書において「例示的」として説明される任意の実装形態は、必ずしも他の実装形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。更に、特に他の方法で特定されない限り、本明細書で説明されるすべての実施形態は、例示的であると見なされるべきである。
【0013】
発明を実施するための形態では、数値及び文字の表記を使用して、図面中の特徴を表している。図面及び発明を実施するための形態における同種又は類似の符号は、本発明の同種又は類似の部分を表すために使用されている。本明細書において、用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用することができ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図するものではない。
【0014】
用語「流体」は、気体であってもよいし、液体であってもよい。用語「流体連通」は、流体が指定された領域間を接続できることを意味する。
【0015】
本明細書において、用語「上流に」(又は「前方に」)及び「下流に」(又は「後方に」)は、流体経路における流体の流れに対する相対的な方向を表す。例えば、「上流に」は、流体が流れて来る方向を表し、「下流に」は、流体が流れて行く方向を表す。ただし、本明細書で使用する用語「上流に」及び「下流に」は、電気の流れを表す場合もある。用語「半径方向に」は、特定の構成要素の軸方向中心線に対して実質的に垂直である相対的な方向を表し、用語「軸方向に」は、特定の構成要素の軸方向中心線に対して実質的に平行及び/又は同軸に並ぶ相対的な方向を表し、用語「周方向に」は、特定の構成要素の軸方向中心線の周りの相対的な方向を表す。
【0016】
「およそ」、「約」、「概ね」、及び「実質的に」などの近似の用語は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくとも一部の例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合や、構成要素及び/又はシステムを構築又は製造するための方法又は機械の精度に対応する場合がある。例えば、近似を表す文言は、個々の値、値の範囲、及び/又は値の範囲を画定する端の値のいずれかにおいて、1%、2%、4%、5%、10%、15%、又は20%のマージン内にあることを表す場合がある。角度又は方向の文脈で使用される場合、このような用語は、言及された角度又は方向より10度大きい又は小さい範囲内の値を含む。例えば、「概ね垂直」は、垂直から任意の方向(例えば、時計回りの方向又は反時計回りの方向)に対して10度以内の方向を含む。
【0017】
用語「結合された」、「固定された」、「に取り付けられた」などは、本明細書で特段の記載が無い限り、直接的に結合されている、直接的に固定されている、又は直接的に取り付けられていることと、1つ以上の構成要素又は特徴部分が介在することによって間接的に結合されている、間接的に固定されている、又は間接的に取り付けられていることの両方を表す。本明細書において、用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、又はそれらの用語の他の変形は、非排他的に包含することを意図している。例えば、特徴部分のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴部分のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない他の特徴部分又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有ではない他の特徴部分を含むことができる。更に、明示的に反対のことを定めていない限り、「又は」は「包括的な又は」を意味し、「排他的な又は」を意味するものではない。例えば、条件A又はBは、「Aが真(又は存在する)でBが偽(又は存在しない)」、「Aが偽(又は存在しない)でBが真(又は存在する)」、及び「A及びBの両方が真(又は存在する)」、のいずれかを満たすものである。
【0018】
ここで、並びに本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、範囲を限定する部分は、組み合わされ、交換され、そのような範囲は特定され、文脈又は文言が他のことを示していない限り、その範囲に含まれる全てのサブ範囲を含む。例えば、本明細書に開示される全ての範囲は、その範囲の端の値を含み、その端の値を独立して互いに組み合わせることが可能である。
【0019】
ここで図面を参照すると、
図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示しており、図示の実施形態では、ガスタービン10である。産業用又は陸上用のガスタービンが本明細書に示され、説明されているが、本開示は、特許請求の範囲に別段の定めがない限り、陸上用及び/又は産業用のガスタービンに限定されることはない。例えば、本明細書に記載された本発明は、任意の種類のターボ機械(例えば、蒸気タービン、航空機用ガスタービン、又は船舶用ガスタービンであるが、これらに限定されることはない)で使用することができる。
【0020】
図示のように、ガスタービン10は、一般に、入口部12と、入口部12の下流側に配置された圧縮機部14と、圧縮機部14の下流側に配置された燃焼器(又は燃焼)部16内の複数の燃焼器(図示せず)と、燃焼部16の下流側に配置されたタービン部18と、タービン部18の下流側に配置された排気部20とを含む。更に、ガスタービン10は、圧縮機部14とタービン部18との間に結合された1つ以上のシャフト22を含むことができる。
【0021】
圧縮機部14は、一般に、複数のロータディスク24(複数のロータディスクのうちの1つのロータディスクが図示されている)と、各ロータディスク24から半径方向外側に延在し、各ロータディスク24に接続された複数のロータブレード26とを含むことができる。各ロータディスク24は、圧縮機部14を貫通するシャフト22の一部に結合されていてもよいし、シャフト22の一部を形成していてもよい。
【0022】
タービン部18は、一般に、複数のロータディスク28(複数のロータディスクのうちの1つのロータディスクが図示されている)と、各ロータディスク28から半径方向外側に延在し、各ロータディスク28に相互接続されている複数のロータブレード30とを含むことができる。各ロータディスク28は、タービン部18を貫通するシャフト22の一部に結合されていてもよいし、シャフト22の一部を形成していてもよい。タービン部18は、シャフト22の一部及びロータブレード30を周方向に取り囲む外側ケーシング31を更に含み、それにより、タービン部18の高温ガス経路32を少なくとも部分的に画定する。
【0023】
動作中、空気などの作動流体は、入口部12を流れて圧縮機部14に流入し、圧縮機部で空気が徐々に圧縮され、したがって、加圧された空気が燃焼部16の燃焼器に供給される。加圧された空気は、燃料と混合されて各燃焼器内で燃焼し、燃焼ガス34が生成される。燃焼ガス34は、燃焼部16から高温ガス経路32を流れてタービン部18に流入し、燃焼ガス34から回転ブレード30にエネルギー(運動エネルギー及び/又は熱エネルギー)が伝達されてシャフト22を回転させる。機械的な回転エネルギーを使用して、圧縮機部14に動力を供給すること及び/又は電気を発生することができる。タービン部18を出た燃焼ガス34は、排気部20を通じてガスタービン10から排気することができる。
【0024】
ここで
図2を参照すると、ターボ機械(ガスタービン、航空転用など)は、燃焼プロセス中に燃料と空気の混合物を燃焼してエネルギーを生成する。
図2は、ガスタービン10の一例を示している。図示されるように、ガスタービン10は、軸方向中心線21に沿って延在する軸方向A
gtと、軸方向中心線21に垂直な半径方向R
gtと、軸方向中心線21の周りに延在する周方向C
gtとを有する円柱座標系を画定することができる。
【0025】
一般に、ガスタービン10は、圧縮機ケーシング15に収容された圧縮機部14に向けて気流を導く入口部12を含んでいる。気流は圧縮され、燃焼部16に流入し、燃焼部16で燃料(天然ガスなど)が燃焼されて高エネルギーの燃焼ガスが発生し、タービン部18を駆動する。タービン部18では、高温ガスのエネルギーが仕事に変換され、仕事の一部は圧縮機の駆動に使用され、残りは、発電機や機械駆動装置(いずれも図示されていない)などの負荷を駆動するための有用な仕事に利用できる。
【0026】
ここで更に
図3を参照すると、燃焼部16の一実施形態は、少なくとも1つの燃焼器アセンブリ40を含むことができる。
図3に示されるような一部のガスタービン10は、軸方向中心線21の周りに環状に配列された複数の燃焼器アセンブリ40を含むことができる。一般に、各燃焼器アセンブリ40内(より具体的には、燃焼器アセンブリ40の燃焼缶125)において、燃焼プロセスが発生する。一部の実施形態では、燃焼器アセンブリ40は、複数の燃焼器アセンブリ40のうちの一部の燃焼器アセンブリにおける火炎燃焼を監視するための火炎検出システムなどの1つ以上の補助システムを含むことができる。そのような火炎検出システムは、火炎スキャナの形式とすることができ、火炎検出システムの一部は、燃焼器アセンブリ40内に挿入することができる。追加の又は代替の補助システム17は、同様に、燃焼器アセンブリ40に組み込まれて、燃焼器アセンブリの複数のプロセスのうちの1つ以上のプロセスを監視する、制御する及び/又は1つ以上のプロセスに影響を与えることができる。
【0027】
更に
図4を参照すると、ガスタービン10の燃焼器アセンブリ40の一実施形態の側面断面図が示されている。燃焼器アセンブリ40は、一般に、少なくとも、燃焼缶125と、可能性として、ガスタービンケーシング44の一部(圧縮機排出ケーシング又は燃焼ラッパーケーシングなど)に固定された実質的に円筒形の燃焼ケーシング42とを含むことができる。図示のように、フランジ46は、燃焼ケーシング42の上流端から外向きに広がることができる。フランジ46は、一般に、燃焼器アセンブリ40のエンドカバーアセンブリ41が燃焼ケーシング42に固定されるように構成することができる。例えば、フランジ46は、エンドカバーアセンブリ41を燃焼ケーシング42に取り付けるための複数のフランジ孔73を画定することができる。
【0028】
一部の実施形態では、燃焼器アセンブリ40は、内部フロースリーブ48及び/又はフロースリーブ48内に実質的に同心状に配置された燃焼ライナ50を含むこともできる。燃焼器アセンブリ40は、燃焼缶125と、燃焼缶125に接続されたフロースリーブ48及び燃焼ライナ50のうちの少なくとも1つとを、予め組み立てられた単一構造として含むユニボディ燃焼器アセンブリ40を構成してもよく、又は燃焼器アセンブリ40は、燃焼缶125、フロースリーブ48、及び燃焼ライナ50が全てガスタービン10に(ガスタービンケージング44(燃焼排出ケージング又は「CDC」と呼ばれることがある)などに)直接的に接続するアセンブリを含んでいてもよい。例えば、フロースリーブ48及び燃焼ライナ50は、フロースリーブ48及び燃焼ライナ50の下流端において、衝突スリーブ52と衝突スリーブ52内に配置された移行部品54とを含む二重壁移行ダクトまで延在することができる。一部の実施形態では、衝突スリーブ52及びフロースリーブ48は、衝突スリーブ52及びフロースリーブ48の表面の一部に複数の空気供給孔56を備えてもよく、それによって、圧縮機部14からの加圧空気が燃焼ライナ50とフロースリーブ48との間の半径方向の空間に入ることができることを理解されたい。
【0029】
燃焼器アセンブリ40の燃焼ライナ50は、一般に、実質的に円筒形の燃焼室58を画定することができ、燃焼室58では、燃料及び空気が噴射されて燃焼し、高温の燃焼ガスが生成される。更に、燃焼ライナ50は、燃焼ライナ50の下流端で移行部品54に結合され、燃焼ライナ50及び移行部品54が、各燃焼器アセンブリ40からガスタービン10のタービン部18に流れる高温の燃焼ガスの流路を概ね画定することができる。
【0030】
図4に示されるような一部の実施形態では、移行部品54は、シール60(例えば、圧縮シール)を用いて燃焼ライナ50の下流端に結合することができる。例えば、シール60は、移行部品54と燃焼ライナ50の重なり合う端部に配置され、2つの構成要素の間の境界部分をシールすることができる。例えば、シール60は、嵌め合い部品の内径と外径との間にばね荷重/圧縮荷重を受けるように構成された周方向金属シールを含むことができる。しかしながら、燃焼ライナ50と移行部品54との間の境界部分は、圧縮シール60でシールされる必要はなく、一般に、当該技術分野で既知の適切なシールによってシールされてもよいことを理解されたい。
【0031】
一部の実施形態では、燃焼ライナ50は、フロースリーブ48(又は、フロースリーブ48を有しない燃焼器アセンブリ40では燃焼ケーシング42)に固定された1つ以上の雌ライナストップ64に係合する1つ以上の雄ライナストップ62を含むこともできる。特に、燃焼ライナ50を燃焼器アセンブリ40内に取り付ける場合に、燃焼ライナ50が適切な深さに取り付けられ、ガスタービン10の運転中に燃焼ライナ50の回転が防止されるようにするため、雄ライナストップ62は、雌ライナストップ64にスライドするように適合することができる。更に、一部の実施形態では、雄ライナストップ62をフロースリーブ48又は燃焼ケーシングに追加的に又は代替的に配置し、雌ライナストップ64を燃焼ライナ50に配置できることを理解されたい。
【0032】
一部の実施形態では、先ず、燃焼ライナ50が、燃焼器アセンブリ40に押し込まれることによって、燃焼ライナ50を燃焼器アセンブリ40内に取り付けることができる。例えば、燃焼ライナ50は、移行部品54に対して更に深い位置に取り付けられることを制限する力が作用するまで、燃焼器アセンブリ40に押し込むことができる。
図3を引き続き参照する。次に、燃焼缶125を、対応する燃焼器アセンブリ40に取り付けることができる。具体的には、燃焼缶125は、燃焼缶125の端部カバーアセンブリ41が燃焼器アセンブリ40のフランジ46に当接するように配置され、位置合わせされ、挿入することができる。
【0033】
本明細書では特定の実施形態を示したが、燃焼器アセンブリ40は、ガスタービン10で行われる個別の接続に関して、様々な順序で組み立てられる様々な構成要素を含んでもよいことを理解されたい。例えば、燃焼器アセンブリ40は、ガスタービン10に取り付けられる前に完全に組み立てられてもよく(例えば、ユニボディ燃焼器アセンブリ40)、ガスタービン10に取り付けられる前に部分的に組み立てられてもよく、ガスタービン10に接続されている間に完全に組み立てられてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0034】
図5は設置されたガスタービン70を示す。このガスタービン70は、例えば、発電所、テストスタンドに設置され、又はその他の運用環境において装備される。図示のように、設置されたガスタービン70は、設置されたガスタービン70を床74から持ち上げる(又は床74から離して支持する)ために、床74(例えば、設置されたガスタービン70を支持する地面又は基礎)及び設置されたガスタービン70に結合された1つ以上のレール支持体75を含むことができる。1つ以上のレール支持体75は、ガスタービンの周りに(例えば、ガスタービンの第1の側で床74に結合された第1の端部から、ガスタービンの上部を越えて、ガスタービンの第2の側で床74に結合された第2の端部まで)延在することができる。更に、設置されたガスタービン70は、複数の導管76(運転に必要な流体を設置されたガスタービン70に供給する流体供給導管又は他の配管など)を含むことができる。複数の導管76を、1つ以上のレール支持体75に結合することもできる。
図5に示すように、複数の導管76及びレール支持体75や、(燃焼部16を含む)設置されたガスタービン70を取り囲むことができる他の設備によって、込み合った環境での物理的空間が不足し、燃焼部16から燃焼缶125を交換する、取り付ける、及び/又は取り外すことが困難になる。以下に説明されるように、本明細書に記載されたリフトシステムは、有利なことに、込み合った環境にもかかわらず、1つ以上の燃焼缶125を取り付ける及び/又は取り付けられた環境から1つ以上の燃焼缶125を除去することができる。
【0035】
ここで
図6~
図8を参照すると、燃焼缶125をガスタービン10の燃焼部16に取り付ける及び/又は(燃焼部16から)取り外すためのリフトシステム100の様々な態様が図示されている。例えば、
図6は、リフトシステム100のスライドアセンブリ102及びレール104を示し、
図7は、レール104に結合されたスライドアセンブリ102と、リフトシステム100の可搬型カートアセンブリ106とを図示し、
図8は、完全に組み立てられたリフトシステム100(スライドアセンブリ102はレール104に結合され、可搬型カートアセンブリ106はスライドアセンブリ102に結合される)を示す。
図6から
図8は、リフトシステムの組立順序を例示する。例えば、先ず、スライドアセンブリ102は、スライドアセンブリ102がレール104に沿って移動できるように、レール104に結合することができる(スライドアセンブリ102がレール104から分離されている
図6と、スライドアセンブリ102がレール104に結合されている
図7とを比較することによりわかる)。その後、
図7及び
図8に示すように、可搬型カートアセンブリ106は燃焼缶125を運搬し、スライドアセンブリ102に隣接する位置に移動することができる。
図8に示すように、可搬型カートアセンブリ106は、スライドアセンブリ102に(例えば、以下に説明するようなピン接続によって)結合することができ、スライドアセンブリ102及び可搬型カートアセンブリ106をレール104に沿って一緒に移動させて、燃焼缶125を取付け位置に持ち上げることができる。
【0036】
リフトシステム100は、レール104と、スライドアセンブリ102と、可搬型カートアセンブリ106とを含むことができる。可搬型カートアセンブリ106は、伸縮部材110に結合された燃焼缶クレードルアセンブリ108を含むことができる。燃焼缶クレードルアセンブリ108は、ガスタービン10の燃焼部16の燃焼缶125に取外し可能に結合することができる。可搬型カートアセンブリ106は、プラットフォーム112と、プラットフォーム112から(例えば、概ね垂直に)延在する取外し可能な背面板又は背面壁114とを更に含むことができる。一部の実施形態では、伸縮部材110は、プラットフォーム112に直接結合することができ、そのような実施形態では、伸縮部材110の基部は、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に結合するために、スライドアセンブリ102のピン150が貫通するピンホール120を画定することができる。あるいは、他の実施形態では、プラットフォーム112と伸縮部材110との間にベース支持体を配置することができ、そのような実施形態では、ベース支持体は、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に結合するために、スライドアセンブリ102のピン150が貫通するピンホール120を画定することができる。
【0037】
一つ以上の車輪116(キャスター車輪など)をプラットフォーム112に結合することができ、また、取外し可能な背面板114はハンドル118を含むことができ、ユーザ124は、可搬型カートアセンブリ106を床74に沿って押すことができる。例えば、ユーザ124は、まず、燃焼缶125が可搬型カートアセンブリ106の燃焼缶クレードルアセンブリ108に取り付けられるように、燃焼缶125を固定することができる。その後、可搬型カートアセンブリ106を床74に沿ってスライドアセンブリ102まで押し、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に固定して、燃焼缶125をガスタービン10の燃焼部16の燃焼器アセンブリ40に取り付けることができる。
【0038】
図9~
図12は、本開示の実施形態によるリフトシステム100の様々な図を示している。特に、
図9~
図11は、リフトシステム100の斜視図を示し、
図12は、
図9に示す断面12-12から見たリフトシステム100の断面図を示している。
図9~
図12に示すように、スライドアセンブリ102は、可搬型カートアセンブリ106とレール104とに取外し可能に結合することができる。更に、スライドアセンブリ102は、燃焼缶クレードルアセンブリ108の位置を調整するように、レール104に沿って可搬型カートアセンブリ106と共に移動することができる。
【0039】
例示的な実施形態では、
図9~
図14に示すように、スライドアセンブリ102は、第1の端部128と第2の端部130との間に延在するメインプレート126を含むことができる。スライドアセンブリ102をレール104に結合する場合、メインプレート126が第1の端部128から第2の端部130まで垂直に延在するように、第1の端部128は床の近くに位置する。メインプレート126は、垂直方向(すなわち、重力方向)に概ね平行な最も長い辺を有する長方形として概ね形成することができ、メインプレート126は垂直方向に細長い形状である。
【0040】
様々な実施形態において、
図9及び
図10に示すように、リフトシステム100のスライドアセンブリ102は、メインプレート126から延在する1つ以上のスライド可能なカップリング132を更に含むことができる。スライド可能なカップリング132は、それぞれ、レール104を取り囲むことができる。スライド可能なカップリング132は、スライドアセンブリ102がレール104に沿って移動できるようにすると同時に、スライドアセンブリ102をレール104に固定することができる点で有利である。特に、スライド可能なカップリング132及びメインプレート126は、全体として、レール104を取り囲むことができる。多くの実施形態では、スライド可能なカップリング132はそれぞれ、2つの側壁134と1つの端壁136とを含むことができる。2つの側壁134は、レール104の両側においてメインプレート126から延在し、2つの側壁134はメインプレート126に対して概ね垂直に向くようにすることができる。端壁136は、2つの側壁134の間を延在することができ、端壁136は、メインプレート126に対して概ね平行とすることができる。各スライド可能なカップリング132のメインプレート126、2つの側壁134、及び端部壁136は、全体として、レール104を囲む(すなわち、レール104が延在する矩形状の領域を規定する)ことができる。スライド可能なカップリング132の少なくとも1つは、メインプレート126の第2の端部130から延在することができる。特に、少なくとも1つのスライド可能なカップリング132の2つの側壁134は、メインプレート126の第2の端部130から延在することができる。更に、少なくとも1つのスライド可能なカップリング132は、メインプレート126の第1の端部128と第2の端部130との間において、メインプレート126から延在することができる(例えば、少なくとも1つのスライド可能なカップリング132はメインプレート126の中央に配置することができる)。具体的には、少なくとも1つのスライド可能なカップリング132の2つの側壁134は、メインプレート126の第1の端部128と第2の端部130との間において、メインプレート126から延在することができる。
【0041】
様々な実施形態において、
図12に示すように、レール104は、ウェブ138と、第1のフランジ140と、第2のフランジ142とを有するアイビームとすることができる。レール104のアイビーム構造によって、リフトシステム100全体の構造的な統合性を有利に向上させることができる。第1のフランジ140と第2のフランジ142は、互いに間隔を空けて配置することができ、ウェブ138は、第1のフランジ140と第2のフランジ142との間に延在することができる。例示的な実施形態では、スライドアセンブリ102は、レール104と回転可能に係合する複数の車輪144を含むことができる。特に、ブラケット146が、メインプレート126、2つの側壁134、及び端壁136の各々から延在することができ、車輪144が各ブラケット146に結合することができる(例えば、ブラケット146は、車輪144の両側に延在する2つの壁と、ブラケットの2つの壁の間において車輪の中心を貫通するピンとを含むことができる)。各車輪144は、各車輪144がレール104の別の表面(例えば、アイビームのレールの別の表面)と転がり接触するように、レール104の別の側面のそれぞれのブラケット146に回転可能に結合することができる。
【0042】
一部の実施形態では、
図7~
図14に示すように、伸縮部材110は、プラットフォーム112に直接結合することができ、かかる実施形態では、伸縮部材110のベースは、可搬型カートアセンブリ106がスライドアセンブリ102に結合するように、スライドアセンブリ102のピン150が貫通するピンホール120を画定することができる。あるいは、他の実施形態では、プラットフォーム112と伸縮部材110との間にベース支持体を配置することができ、そのような実施形態では、ベース支持体は、可搬型カートアセンブリ106がスライドアセンブリ102に結合するように、スライドアセンブリ102のピン150が貫通するピンホール120を画定することができる。
【0043】
多くの実施形態では、スライドアセンブリ102は、メインプレート126の第1の端部128から延在する1つ以上の接続部材148を更に含む。例えば、接続部材148は、互いに間隔を空けて配置された第1の接続部材及び第2の接続部材を含むことができ、第1の接続部材と第2の接続部材との間にギャップが画定されている。これらの接続部材148は、互いに概ね平行であって、メインプレート126に対して概ね垂直とすることができる。多くの実施形態では、接続部材148は、メインプレート126に対して概ね垂直に延在し、端部がスライド可能なカップリング132を越えるようにすることができる。ピン150が、1つ以上の接続部材148及び伸縮部材110を貫通し、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に回転可能に結合することができる。具体的には、ピン150は、第1の接続部材、伸縮部材110、及び第2の接続部材を貫通することができる。ピン150は、メインプレート126よりも接続部材148の終端部に近い位置に配置することができる。可搬型カートアセンブリ106は、ピン150を軸に回転することができ、可搬型カートアセンブリ106とスライドアセンブリ102との間において、ピン150にピボット点152が画定され、ピン150を中心に可搬型カートアセンブリ106が回転して燃焼缶クレードルアセンブリ108及び燃焼缶125の位置を調整することができる。
【0044】
図13は、格納位置にあるリフトシステム100の拡大斜視図であり、
図14は、ガスタービン10の燃焼部16に燃焼缶125を取り付ける(又は燃焼缶125を取り外す)ために、伸長位置にあるリフトシステム100の拡大斜視図である。
【0045】
例示的な実施形態では、伸縮部材110は、リフトシステムの第1の伸縮部材とすることができる。このような実施形態では、スライドアセンブリ102は、メインプレート126に枢動可能に結合された第2の伸縮部材154であって、燃焼缶クレードルアセンブリ108に枢動可能に結合された第2の伸縮部材154を含むことができる。一部の実施形態では、スライドアセンブリ102は、メインプレート126に枢動可能に結合されるとともに、燃焼缶クレードルアセンブリ108に枢動可能に結合された第3の伸縮部材156を更に含むことができる。第2及び第3の伸縮部材154、156は、レール104の両側で互いに概ね平行に延在することができる。第1のピン158は、第2の伸縮部材154、メインプレート126を貫通する(例えば、メインプレート126を直接に貫通する又はメインプレート126から延在するブラケットを貫通する)とともに、第3の伸縮部材156を貫通して、第2及び第3の伸縮部材154、156をメインプレート126に枢動可能に結合することができる。同様に、第2のピン160は、第2の伸縮部材154、燃焼缶クレードルアセンブリ108を貫通する(例えば、燃焼缶クレードルアセンブリ108を直接に貫通する又は燃焼缶クレードルアセンブリ108から延在するブラケットを貫通する)とともに、第3の伸縮部材156を貫通して、第2及び第3の伸縮部材154、156を燃焼缶クレードルアセンブリ108に枢動可能に結合することができる。
【0046】
第1の伸縮部材110、第2の伸縮部材154、及び第3の伸縮部材156は、それぞれ、格納位置と伸長位置との間で独立して移動可能とすることができる。第1の伸縮部材110、第2の伸縮部材154、及び第3の伸縮部材156は、作動可能な油圧シリンダ、空気圧シリンダ、又は電気リフトを含むことができる。第1の伸縮部材110は1つ以上の同心シリンダを含むことができ、1つ以上の同心シリンダは、第1の伸縮部材110の長さを延長するために、各同心シリンダの内側に収まって、互いの同心シリンダに対して相対的にスライド可能である。1つ以上の同心シリンダは中空とすることができ、1つ以上の同心シリンダは、第1の伸縮部材110の1つ以上の同心シリンダを伸縮させるためにその中空に配置された油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、又は電気アクチュエータを有している。あるいは、第1の伸縮部材110自体が、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、又は電気アクチュエータであってもよい。例えば、第1の伸縮部材110は、ベースシリンダ162(同心シリンダのうち最大の直径を有するシリンダ)、1つ以上の中間シリンダ163、及びトップシリンダ164(同心シリンダのうち最小の直径を有するシリンダ)を含むことができる。トップシリンダ164は、プラットフォーム166を画定することができ、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、第1の伸縮部材110のトップシリンダ164のプラットフォーム166に結合することができる。同様に、第2及び第3の伸縮部材154、156は複数の同心状の矩形立方体を含むことができ、複数の同心状の矩形立方体は、各立方体の内側に収まって、第2及び第3の伸縮部材154、156の長さを延長するために互いに相対的にスライド可能に構成される。1つ以上の同心状の矩形立方体は中空であってもよく、第1及び第2の伸縮部材154、156の1つ以上を伸縮させるための油圧、空気圧、又は電気アクチュエータがそこに配置されている。あるいは、第2及び第3の伸縮部材154、156は、それぞれそれ自体が油圧、空気圧、又は電気のアクチュエータであってもよい。
【0047】
格納位置にあるとき、第1の伸縮部材110は、第2及び第3の伸縮部材154、156に対して概ね垂直とすることができる。更に、第1の伸縮部材110は、第2及び第3の伸縮部材154、156が燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合する箇所から(燃焼缶クレードルアセンブリの軸方向中心線に対して)概ね90度離れた位置で燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合することができる。
【0048】
多くの実施形態では、リフトシステム100は、レール104に結合される駆動アセンブリ220を更に含むことができる。駆動アセンブリ220は、モータ222と、ギアボックス236と、1つ以上のスプロケット232と、駆動チェーン216とを含むことができ、駆動チェーン216は、モータ222が作動するとスライドアセンブリ102がレール104に沿って動くように、スライドアセンブリ102及びモータ222に結合されている。例えば、駆動アセンブリ220は、駆動チェーン216に結合されたモータ222を含むことができ、モータ222が作動すると、レール104に対するスライドアセンブリ102の位置が調整される(例えば、モータ222が作動すると、スライドアセンブリ102がレール104に沿って並進することができる)。スライドアセンブリ102が所望の高さに達するとモータ222の動作を停止することができる。
【0049】
例示的な実施形態では、駆動チェーン216は、複数の内側リンク、外側リンク、及びローラを有する金属ローラチェーン(スチールブッシュローラチェーンなど)とすることができる。様々な実装形態において、駆動アセンブリ220は、駆動チェーン216に回転可能に結合された1つ以上のスプロケット232を含むことができる。特に、1つ以上のスプロケット232は、駆動チェーン216に結合することができ、スプロケット232が回転すると駆動チェーン216の並進運動が生じるようにすることができる。
【0050】
多くの実施形態において、駆動アセンブリ220は、モータ222(電気モータ、油圧モータ、ガスモータ、又は駆動アセンブリ220に動力を供給するための他の適切なモータなど)を含むことができる。モータ222は、ギアボックス236に接続することができる。ギアボックス236は、モータ222に接続するとともに、1つ以上のスプロケット232に接続することができる。例えば、ギアボックス236は、モータ222の出力シャフトに接続された入力シャフトを含むことができる。更に、ギアボックス236は、スプロケット232に結合された出力シャフトを含むことができ、スプロケット232は、モータ222が作動するとレール104に対するスライドアセンブリ102(及び/又は可搬型カートアセンブリ106)の位置が変化するように駆動チェーン216に結合することができる。
【0051】
ギアボックス236は、モータ222によって提供される回転入力(例えば、入力速度及び入力トルク)を、所望の回転出力(例えば、出力速度及び出力トルク)に変換するように機能することができる。あるいは、駆動アセンブリ220は、モータ222の出力シャフトが1つ以上のスプロケット232に直接結合される(例えば、ギアボックスを有していない)直接駆動システムであってもよい。1つ以上のスプロケット232は、駆動チェーン216に結合することができる。
【0052】
図15は、本開示の実施形態による、燃焼缶125を支える燃焼缶クレードルアセンブリ108の拡大斜視図を示す。図示されるように、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、燃焼缶クレードルアセンブリ108の軸方向中心線207に沿って延在する軸方向A
CAと、燃焼缶クレードルアセンブリ108の軸方向中心線207に垂直に延在する半径方向R
CAと、燃焼缶クレードルアセンブリ108の軸方向中心線207の周りに延在する周方向C
CAとを有する円筒座標系205を画定することができる。燃焼缶クレードルアセンブリ108を燃焼缶125に結合する場合、燃焼缶クレードルアセンブリ108の軸方向中心線207は、燃焼缶125の軸方向中心線と一致させることができる(燃焼缶クレードルアセンブリ108及び燃焼缶125は、共通の軸方向中心線を共有する)。燃焼缶クレードルアセンブリ108は、軸方向A
CA、半径方向R
CA、及び/又は周方向C
CAのいずれかの方向に沿って移動し、(例えば、スライドアセンブリ102、レール104、及び/又はガスタービン10に対する)燃焼缶125の位置を調整するように構成することができる。
【0053】
図15に示すように、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、環状リング251と、上部アセンブリ252と、下部アセンブリ254と、上部アセンブリ252と下部アセンブリ254との間に延在する1以上のねじ部付きロッド260とを含む。環状リング251は、軸方向中心線207の周りに環状に延在し、燃焼缶125を取り囲むような大きさとすることができる。例えば、環状リング251の寸法を、環状リング251の内径又は内面が燃焼缶125の外面と摩擦嵌めを形成できるような寸法にして、燃焼缶125が環状リング251に挿入され摩擦嵌めによって環状リング251に確実に結合できるようにすることができる。
【0054】
図16は、見やすくするために環状リング251が取り除かれた、本開示の実施形態による燃焼缶クレードルアセンブリ108の分解図を示す。
図15及び
図16に示されるように、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、上部アセンブリ252と、下部アセンブリ254と、1つ以上のねじ部付きロッド260とを含むことができる。上部アセンブリ252は、上部圧力プレート256と上部接続部材265とを含むことができ、下部アセンブリ254は、下部圧力プレート258と下部接続部材267とを含むことができる。図示のように、上部圧力プレート256と下部圧力プレート258の両方が、燃焼缶クレードルアセンブリ108の周方向C
CAに沿って部分的に延在することができる。例えば、上部圧力プレート256と下部圧力プレート258と環状リング251との間で接触できるようにするため、上部圧力プレート256と下部圧力プレート258の両方の輪郭を、燃焼缶125に対応する輪郭にすることができる。
【0055】
多くの実施形態では、
図16に示すように、上部アセンブリ252及び下部アセンブリ254は、互いに間隔を空けて配置する(例えば、半径方向R
CAに間隔を空けて配置する)ことができる。多くの実施形態において、1つ以上のねじ部付きロッド260は、上部アセンブリ252と下部アセンブリ254との間に延在し、更に上部アセンブリ252と下部アセンブリ254に結合することができる。特定の実施形態では、1つ以上のねじ部付きロッド260は、上部接続部材265と下部接続部材267との間に延在する。
図16に示すように、上部接続部材265及び下部接続部材267は、燃焼缶クレードルアセンブリ108の軸方向中心線207に対して概ね軸方向に延在することができる。
【0056】
特定の実施形態では、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、上部アセンブリ252と下部アセンブリ254との間に延在する4本のねじ部付きロッド260(例えば、燃焼缶の両側で2本のねじ部付きロッド260)を含むことができる。他の実施形態(図示せず)では、クレードルアセンブリ108は、4本より多い又は少ないねじ部付きロッド260(例えば、2本、5本、6本、又は最大で10本)を含んでいてもよく、特許請求の範囲に特に記載されていない限り、特定の数のねじ部付きロッド260に限定されるべきではない。ねじ部付きロッド260の各々は、ねじ部付きロッド260が回転すると上部アセンブリと下部アセンブリと間の距離(例えば、半径方向RCAの距離)が変更されるように、両端を結合する(例えば、第1の端部を上部接続部材265に結合し、第2の端部を下部接続部材267に結合する)ことができる。このようにして、ねじ部付きロッド260を第1の方向に回転させると、上部圧力プレート256と下部圧力プレート258との間の半径方向の距離を増加させることができる(これによって、燃焼缶125を燃焼缶クレードルアセンブリ108から取り外すことができる)。同様に、ねじ部付きロッド260を第2の方向に回転させると、上部圧力プレート256と下部圧力プレート258との間の半径方向の距離を減少させることができる(これによって、燃焼缶125を燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合することができる)。
【0057】
多くの実施形態では、
図15及び
図16に示すように、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、1つ以上のハンドルバー262(例示的な実施形態では、少なくとも2つのハンドルバー262など)を含むことができる。特に、下部アセンブリ254は、下部圧力プレート258から延在する1つ以上のハンドルバー262を含むことができる。更に、
図16に最もよく示されているように、下部アセンブリ254は、下部圧力プレート258に結合されたボール部材264を更に含むことができる。ボール部材264は、下部圧力プレート258に結合されたプレート部266と、ボール部268と、プレート部266とボール部268との間に延在するネック部269とを含むことができる。ボール部268は球体とすることができる。例示的な実施形態では、1つ以上のねじ部付き締結具272(ボルト、ナット、ねじ、又は他の適切なねじ部付き締結具など)が、ボール部材264のプレート部266を下部圧力プレート258に結合することができる。例えば、
図17は、本開示の実施形態による燃焼缶クレードルアセンブリ108の拡大斜視図を示す。図示されているように、2つのねじ部付き締結具272は、ボール部材264のプレート部266を貫通して、下部圧力プレート258に到達する。
図16に示されるように、2つのねじ部付き締結具272は、ボール部材264のネック部269(及び/又はボール部268)の両側でボール部材264のプレート部266を貫通することができる。例示的な実施形態では、1つ以上のハンドルバー262は、下部圧力プレート258からそれぞれのハンドルバーの末端部まで概ね軸方向に(例えば、軸方向A
CAに)延在することができる。1つ以上のハンドルバー262の各々は、概ね円筒形とすることができる。
【0058】
図15に戻ると、リフトシステム100は、伸縮部材110を燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合する微動アセンブリ300を更に含むことができる。具体的には、微動アセンブリ300は、ボール部材264と、第1の伸縮部材110の上部シリンダ164のプラットフォーム166との間に延在することができる。微動アセンブリ300の有利な点は、燃焼缶125を、燃焼部16において燃焼缶125が挿入されるべき開口部に位置合わせするために、軸方向A
CA、半径方向R
CA、及び/又は周方向C
CAのいずれかの方向に燃焼缶125を微細に動かせることである。
【0059】
多くの実施形態において、微動アセンブリ300は、トラック302と、受け部306を画定するクランピングアセンブリ304であって、ねじ部付きトラックロッド308を介してトラック302に結合されたクランピングアセンブリ304とを含むことができる。ボール部材264は、下部アセンブリ254に結合され、受け部306内に延在して、クランピングアセンブリ304とともにジョイント310を形成する。様々な実施形態において、トラック302は、脚部312及びトラック部材314を含むことができる。脚部312は、互いに間隔をあけて配置され、プラットフォーム166とトラック部材314との間に延在することができる。トラック部材314は、脚部312と脚部312との間に延在することができる。多くの実施形態において、脚部312は、概ね半径方向に(半径方向RCAに)延在することができ、脚部312は、半径方向RCAに伸縮可能とすることができる。例えば、脚部312は、燃焼缶125の半径方向の位置を調整するために、はめ込み式であってもよいし、半径方向RCAに他の方法で伸縮することができるようにしてもよい。例えば、多くの実施形態において、微動アセンブリ300は、プラットフォーム166とトラック部材314との間で伸長するジャッキアセンブリ316を更に含むことができる。一部の実装形態では、ジャッキアセンブリ316は、ねじと、ねじ部付きチューブとを採用する機械式ジャッキとすることができる。そのような実施形態では、ねじは、トラック部材314の高さと、それによって燃焼缶125の半径方向の位置とを調整するために、手作業で回すことができる。他の実施形態では、ジャッキアセンブリ316は、油圧ジャッキとすることができる。そのような実施形態では、ジャッキアセンブリは、ポンプが作動するとトラック部材314が昇降するように、油圧ジャッキに接続された油圧ポンプを含むことができる。
【0060】
図18~
図20は、本開示の実施形態による微動アセンブリ300の異なる図を示している。図示のように、微動アセンブリ300は、燃焼缶クレードルアセンブリ108を第1の方向318及び/又は第2の方向320に動かす(例えば、並進させる)ように(それによって、燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合された燃焼缶125を動かすように)構成することができる。第1の方向318及び第2の方向320は、互いに直交していてもよい。更に、燃焼缶クレードルアセンブリ108は、燃焼缶125の位置を調整するために、ボール部材264のボール部268とクランピングアセンブリ304の受け部306との間に形成されたジョイント310(すなわち、ボールソケット形軸継手)を中心として回転可能とすることができる。
【0061】
例示的な実施形態では、クランピングアセンブリは、ベースプレート322と、第1のクランピング部材324と、第2のクランピング部材326とを更に含んでいる。例えば、
図20に示すように、第1のクランピング部材324及び第2のクランピング部材326は、舌部328及び溝部330を介してベースプレート322にスライド可能に結合することができる。例えば、第1のクランピング部材324及び第2のクランピング部材326は、舌部328及び対応する溝部330の向きから、ベースプレート322に対して第2の方向320にスライド可能とすることができる。例えば、舌部328と溝部330の両方は、細長く、第2の方向320に沿って概ね直線的に延在することができ、第1及び第2のクランピング部材324、326をベースプレート322に対してスライド可能とすることができる。例示的な実装形態では、図示のように、第1及び第2のクランピング部材324、326の両方が、ベースプレート322に接触する内面を画定し、舌部328が、各内面から、ベースプレート322に画定された対応する溝部330内に広がることができる。代替の実施形態では、クランピング部材324、326が溝部を画定し、ベースプレート322が舌部を画定してもよい。
【0062】
様々な実施形態では、1つ以上のピン332が、第1のクランピング部材324及び第2のクランピング部材326を互いに固定することができる。例えば、
図18に示すように、2つのフランジ334が、第1のクランピング部材324及び第2のクランピング部材326のそれぞれのクランピング部材から延在し、ピン332は、第1の方向318に沿って、第1のクランピング部材324の2つのフランジ334の間から第2のクランピング部材326の2つのフランジ334の間まで延在することができる。ロッド336は、第1のクランピング部材324及び第2のクランピング部材326において、2つのフランジ334及びピン332を貫通することができる。更に、又は代替的に、
図20に示すように、フランジ又はヒンジ338が、第1及び第2のクランピング部材324、326の間に延在し、ピン340がヒンジ338を(例えば、概ね半径方向に)貫通するようにしてもよい。
【0063】
多くの実施形態では、
図18及び
図19に示すように、トラック302のトラック部材314は、第1の方向318に沿って延在するトレンチ342を画定することができる。例えば、トラック部材314は底部344を含むことができ、側壁346は底部344から延在することができる。これらの側壁346は、トレンチ342が側壁346の間に画定されるように、互いに間隔を空けて配置することができる。1つ以上のフランジ348は、側壁346の間のトレンチ342内で、底部344の上に広がるように配置されている(例えば、フランジ348は、クランピングアセンブリ304の両側に配置することができる)。ねじ部付きトラックロッド308は、トレンチ342内に配置することができ、ねじ部付きトラックロッド308は、1つ以上のフランジ348及びクランピングアセンブリ304のベースプレート322を貫通する(及び螺合する)ことができる。このようにして、ねじ部付きトラックロッド308が、例えば、ハンドル309によって回転すると、クランピングアセンブリ304を第1の方向318に動かし、それにより燃焼缶クレードルアセンブリ108及び燃焼缶125の位置を調整することができる。
【0064】
図19に示すように、微動アセンブリ300は、ラックアンドピニオン・アセンブリ350を更に含むことができる。ラックアンドピニオン・アセンブリ350は、ラック352と、ラック352に係合するギア354と、ギア354に係合するピニオン356とを含むことができる。本明細書において、「係合されている」は、ラック352の歯がギア354の歯に接続し、ギア354の歯がピニオン356の歯に接続し、ピニオン356が回転すると、ギア354が回転し、それによってラック352が第2の方向320に沿って並進することを意味する。ギア354及びピニオンは、第1のクランピング部材324及び第2のクランピング部材326のうちの一方のクランピング部材に(例えば、回転可能に)結合することができ、ラックは、ベースプレート322に(例えば、溶接によって固定されるように)結合することができる。ピニオン356からロッド358が延在し、ロッド358はピニオン356に結合されており、ロッド358が回転するとピニオン356も回転し、その結果ギア354が回転し、これによってラック352及びクランピングアセンブリ304が第2の方向320に沿って並進することができる。例えば、ラックアンドピニオン・アセンブリ350が作動すると、第1及び第2のクランピング部材324、326がベースプレート322に対して(例えば、舌部及び溝部に沿って)スライドし、それによって燃焼缶クレードルアセンブリ108及び/又は燃焼缶125の第2の方向320における位置を調整することができる。
【0065】
図21及び
図22の各々は、本開示の実施形態による、リフトシステム100及びガスタービン10の燃焼部16を示す図である。例えば、
図21は、格納位置にあるリフトシステム100を示し、
図22は、ある程度伸長した位置にあるリフトシステム100を示す。
【0066】
多くの実施形態では、図示のように、レール104は、少なくとも部分的にガスタービン10の周囲に延在し、床74及びレール104は全体としてガスタービン10を囲むことができる。レール104は、第1の柱360と、第2の柱362と、第1の柱360と第2の柱362との間に延在する横ビーム364とを含むことができる。第1の柱360及び第2の柱362は、概ね垂直に(例えば、床74に垂直で重力方向に一致するように)延在し、横ビーム364は、第1の柱360及び第2の柱362に対して概ね垂直に(例えば、床74に対して水平に又は少なくとも部分的に平行に)延在することができる。このようにして、レール104及び床74は、全体としてターボ機械を囲むことができる。
【0067】
第1の柱360及び第2の柱362の各々は、第1の部分366及び第2の部分368を含むことができる。第1の部分366は、床74から第2の部分368まで延在することができ、第2の部分368は、第1の部分366と横ビーム364との間に延在することができる。第1の部分366は、第2の部分368より太くすることができる。駆動アセンブリ220のモータ222(及び/又は駆動アセンブリ220全体)は、駆動アセンブリ220をレール104の太い部分に結合して構造的に十分に支えることができるように、第1の柱360及び第2の柱362のどちらかの柱の第1の部分366に(例えば、第1の部分366と第2の部分368との接合部の近くに)取外し可能に固定することができる。
【0068】
多くの実施形態では、レール104は、1つ以上のIビームから形成することができる(例えば、第1の柱360及び第2の柱362の各々は、床又は地面と横ビーム364との間に延在する1つ以上のIビームから形成することができる)。例示的な実施形態では、リフトシステム100のレール104は、リフトシステム100が既存のガスタービンのハードウェアと共に使用することができるように、
図5を参照して説明された1つ以上のレール支持体75とすることができる。例えば、レール支持体75は、1つ以上の配管の流体導管を支持する、及び/又はガスタービン10を構造的に支持することができる。
【0069】
図21及び
図22を参照すると、コントローラ400がブロック図として示されており、コントローラ400内に含まれる適切な構成要素が図示されている。図示されるように、コントローラ400は、コンピュータで実行される様々な機能(例えば、本明細書に開示された方法、ステップ、計算などを実行すること、及び本明細書に開示された関連データを記憶すること)を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ402及び関連するメモリ装置404を含むことができる。更に、コントローラ400は、コントローラ400とリフトシステム100の様々な構成要素との間の通信を円滑に実行するための通信モジュール406を含むこともできる。例えば、通信モジュール406は、駆動アセンブリ220(駆動アセンブリ220のモータ222など)と動作可能に通信することができ、コントローラ400はモータ222を始動する、停止する、及びモータ222の回転を制御することができる。更に、通信モジュール406は、第1の伸縮部材110、第2の伸縮部材154、及び/又は第3の伸縮部材156と通信することができ、コントローラ400は、第1の伸縮部材110、第2の伸縮部材154、及び/又は第3の伸縮部材156を独立して作動させて、燃焼缶125の位置を調整し、燃焼缶125を燃焼部16のそれぞれの開口部401に位置合わせして開口部に取り付けることができる。
【0070】
本明細書において、用語「プロセッサ」は、コンピュータに含まれるものとして当該技術分野で言及される集積回路を表すだけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラム可能なロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、及び他のプログラム可能な回路を表す。更に、メモリ装置404は、一般に、記憶素子を含むことができ、記憶素子としては、コンピュータ可読媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク-読取り専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)及び/又は他の適切なメモリ素子があるが、これらに限定されることはない。そのようなメモリ装置404は、一般に、適切なコンピュータ読取り可能命令を記憶するように構成することができ、コンピュータ読取り可能命令は、プロセッサ402によって実行されると、コントローラ400が、様々な機能及び/又は動作(伸縮部材を動作させること及び/又は駆動アセンブリを動作させることを含むが、これらに限定されることはない)を実行するように構成される。
【0071】
ここで
図23を参照すると、燃焼缶125をターボ機械の燃焼部16に取り付けるための方法2300の一実施形態のフロー図が本対象の態様に従って示されている。一般に、方法2300は、
図1~
図22を参照して上述したガスタービン10及びリフトシステム100を参照しながら本明細書で説明される。しかしながら、当業者は、開示された方法2300が、一般に、任意の適切なガスタービンで利用することができる、及び/又は任意の他の適切なシステム構成を有するシステムで利用できることを理解する。更に、
図23は、例を示す目的及び説明する目的で、特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書で説明される方法は、特許請求の範囲に特に明記されていない限り、特定の順序又は組合せに限定されるものではない。当業者は、本明細書で提供された開示を使用して、本明細書に開示された方法の様々なステップを、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法で、省略すること、各ステップの位置又は順序を変更すること、結合すること、及び/又は適合させることが可能であることを理解する。
【0072】
多くの実装形態では、方法2300は、(2302)において、燃焼缶125を燃焼缶クレードルアセンブリ108に固定することを含む。燃焼缶クレードルアセンブリ108は、燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合された伸縮部材110を含む可搬型カートアセンブリ106の一部を形成することができる。(2302)において固定することには、燃焼缶125を燃焼缶クレードルアセンブリ106に挿入することを含んでいてもよい。例えば、燃焼缶125を、環状リング251に挿入することができる。その後、ねじ部付きロッド260を回転させて上部圧力プレート256と下部圧力プレート258との間の距離を短くすることによって、上部圧力プレート256及び下部圧力プレート258を環状リング251の周囲で締めることができる。
【0073】
一部の実装形態では、可搬型カートアセンブリ106は、スライドアセンブリ102の隣に移動させてからスライドアセンブリ102に結合するために、床74に沿って移動させる必要がある。そのような実施形態では、ユーザ124は、ハンドル118を使って可搬型カートアセンブリ106を押すことができる。すなわち、可搬型カートアセンブリ106が車輪116で移動することにより、可搬型カートアセンブリ106を床74に沿って並進させることができる。可搬型カートアセンブリ106がスライドアセンブリ102及びレール104の隣に配置されると、方法2300は、更に、(2304)において、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に結合することを含むことができる。スライドアセンブリ102は、レール104に移動可能に結合することができ、更に、駆動アセンブリ220に接続することができる。(2304)において結合することには、1つ以上の接続部材148及び伸縮部材110にピン150を挿入して、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に回転可能に結合することが含まれていてもよい。具体的には、ピン150は、第1の接続部材、伸縮部材110、及び第2の接続部材に挿入することができる。一部の実装形態では、スライドアセンブリ102をレール104に結合(又は接続)した後で、可搬型カートアセンブリ106をスライドアセンブリ102に結合する必要がある。
【0074】
多くの実装形態では、方法2300は、更に、(2306)において、駆動アセンブリ220を作動させて、スライドアセンブリ102及び可搬型カートアセンブリ106をレール104に沿って移動させることを含むことができる。例えば、駆動アセンブリ220は、駆動チェーン216に結合されたモータ222を含むことができ(駆動チェーン216はスライドアセンブリ102に結合することができる)、モータ222が作動すると、スライドアセンブリ102のレール104に対する位置が調整される(例えば、モータ222が作動すると、スライドアセンブリ102をレール104に沿って並進させることができる)。スライドアセンブリ102がレール104に対して所望の高さに到達すると、モータ222の動作を停止することができる。
【0075】
様々な実装形態において、方法2300は、更に、(2308)において、伸縮部材110を伸長して、燃焼缶クレードルアセンブリ108及び燃焼缶125をターボ機械の燃焼部16のそれぞれの開口部401に位置合わせすることを含むことができる。例えば、燃焼缶125がそれぞれの開口部401と位置合わせされるまで伸縮部材110を伸長し、燃焼ケーシング42のフランジ46のボルト穴を燃焼缶125のフランジのボルト穴に位置合わせすることができる。(2308)において伸縮部材110を伸長することには、伸縮部材110を作動させること(これは、油圧又は空気圧のアクチュエータとすることができる)を更に含んでいてもよい。
【0076】
様々な実施形態において、伸縮部材は第1の伸縮部材110とすることができ、スライドアセンブリ102は、スライドアセンブリ102のメインプレート126から燃焼缶クレードルアセンブリ106まで延在する第2の伸縮部材154を更に含むことができる。そのような実施形態では、方法2300は、更に、(2310)において、第2の伸縮部材154を伸長し、ピボット点152を中心に第1の伸縮部材110を回転させて、燃焼缶125をターボ機械の燃焼部16のそれぞれの開口部401と位置合わせするステップを含んでいてもよい。
【0077】
例示的な実施形態では、微動アセンブリ300が、伸縮部材110を燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合する。そのような実施形態では、方法2300は、更に、(2312)において、微動アセンブリで燃焼缶125の位置を調整するステップを含むことができる。(2312)において調整することには、(2314)において、クランピングアセンブリ304に結合されたねじ部付きトラックロッド308を回すことによって、燃焼缶クレードルアセンブリ108を伸縮部材110に対して第1の方向318に並進させることを含むことができる。ねじ部付きトラックロッド308は、トラック302内に配置することができる。クランピングアセンブリ304は、燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合されてもよい。(2312)において調整することには、(2316)において、ボール部材264とクランピングアセンブリ304によって画定されたソケット306との間に形成されたボールソケット形軸継手310を介して燃焼缶クレードルアセンブリ108を回転させることを含むことができる。ボール部材264は、燃焼缶クレードルアセンブリ108に結合することができる。(2312)において調整することには、(2318)で、ラックアンドピニオン・アセンブリ350を作動することによって、燃焼缶クレードルアセンブリ108を第1の方向318に垂直な第2の方向320に並進させることが含まれる。
【0078】
本明細書の説明は、実施例を使用して、ベストモードを含む本発明を開示し、また、当業者が本発明を実施できるようにする(任意の装置又はシステムを製造及び使用すること、並びに組み込まれた任意の方法を実行することなど)ものである。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲で画定されており、当業者が思い浮かぶ他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の字義通りの文言と異ならない構造要素を含む場合、又は特許請求の範囲の字義通りの文言と実質的な差異がない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されるものである。
【0079】
本発明のさらなる態様は、以下の実施形態によって提供される。
[実施形態1]
ターボ機械から燃焼缶(125)を取り付ける及び取り外すためのリフトシステム(100)であって、レール(104)、伸縮部材(110)に結合された燃焼缶クレードルアセンブリ(108)を含む可搬型カートアセンブリ(106)であって、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、前記ターボ機械の燃焼缶(125)に取外し可能に結合するように構成されている、可搬型カートアセンブリ(106)、及び前記可搬型カートアセンブリ(106)及び前記レール(104)に取外し可能に結合可能なスライドアセンブリ(102)であって、前記スライドアセンブリ(102)は、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)の位置が調整されるように、前記レール(104)に沿って前記可搬型カートアセンブリ(106)とともに移動可能である、スライドアセンブリ(102)、を含む、リフトシステム(100)。
[実施形態2]
前記レール(104)に結合された駆動アセンブリ(220)を更に含み、前記駆動アセンブリ(220)は、モータ(222)と、ギアボックス(236)と、1つ以上のスプロケット(232)と、前記スライドアセンブリ(102)と前記モータ(222)とに結合された駆動チェーン(216)とを含み、前記モータ(222)が作動すると、前記レール(104)に沿って前記スライドアセンブリ(102)が移動する、実施形態1に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態3]
前記スライドアセンブリ(102)は、第1の端部と第2の端部との間に延在するメインプレート(126)を備える、実施形態1又は2に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態4]
前記スライドアセンブリ(102)は、前記メインプレート(126)から延在する1つ以上のスライド可能なカップリング(132)を更に含み、前記1つ以上のスライド可能なカップリング(132)は前記レール(104)を囲む、実施形態1~3のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態5]
前記スライドアセンブリ(102)は、前記メインプレート(126)の第1の端部(128)から延在する1つ以上の接続部材(148)を更に含み、ピンが前記1つ以上の接続部材(148)及び前記伸縮部材(110)を貫通して、前記可搬型カートアセンブリ(106)を前記スライドアセンブリ(102)に回転可能に結合する、実施形態1~4のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態6]
前記伸縮部材(110)は第1の伸縮部材であり、前記スライドアセンブリ(102)は、前記メインプレート(126)に枢動可能に結合された第2の伸縮部材であって、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に枢動可能に結合された第2の伸縮部材を更に含む、実施形態1~5のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態7]
前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、軸方向、半径方向、及び周方向を有する円筒座標系を画定し、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、前記軸方向、前記半径方向、及び前記周方向のいずれかの方向に沿って動くように構成される、実施形態1~6のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態8]
前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、環状リング(251)と、上部アセンブリ(252)と、下部アセンブリと、前記上部アセンブリ(252)と前記下部アセンブリとの間に延在する1つ以上のねじ部付きロッド(260)とを含む、実施形態1~7のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態9]
前記上部アセンブリ(252)は、上部圧力プレート(256)及び上部接続部材(265)を含み、前記下部アセンブリは、下部圧力プレート(258)及び下部接続部材を含み、前記1つ以上のねじ部付きロッド(260)は前記上部接続部材(265)と前記下部接続部材との間に延在する、実施形態1~8のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態10]
前記下部アセンブリは、前記下部圧力プレート(258)から延在する1つ以上のハンドルバー(262)を含む、実施形態1~9のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態11]
前記伸縮部材(110)を前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に結合する微動アセンブリ(300)を更に含む、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態12]
前記微動アセンブリ(300)は、トラック(302)と、ソケット(306)を画定するクランピングアセンブリ(304)であって、ねじ部付きトラック(302)ロッド(336、358)を介して前記トラック(302)に結合されたクランピングアセンブリ(304)と、前記下部アセンブリに結合されたボール部材(264)であって、前記ソケット(306)まで延在して前記クランピングアセンブリ(304)とジョイント(310)を形成するボール部材(264)とを含む、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態13]
前記クランピングアセンブリ(304)は、ベースプレート(322)と、第1のクランピング部材(324)と、第2のクランピング部材とを更に含み、前記第1のクランピング部材(324)及び前記第2のクランピング部材は、舌部(328)及び溝部(330)を介して前記ベースプレート(322)にスライド可能に結合されている、実施形態1~12のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態14]
ラックアンドピニオン・アセンブリを更に含み、前記ラックアンドピニオン・アセンブリは、ベースプレートに結合されたラックと、前記ラックに係合するギアであって、前記第1のクランピング部材及び前記第2のクランピング部材のうちの一方のクランピング部材に結合されたギアと、前記ギアに係合するピニオンであって、前記第1のクランピング部材及び前記第2のクランピング部材のうちの前記一方のクランピング部材に回転可能に結合されたピニオンとを含む、実施形態1~13のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態15]
前記1つ以上のピンが、前記第1のクランピング部材及び前記第2のクランピング部材を互いに固定する、実施形態1~14のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態16]
前記レールは、少なくとも部分的に前記ターボ機械の周りに延在し、前記レールは、第1の柱と、第2の柱と、前記第1の柱と前記第2の柱との間に延在する横ビームとを含む、実施形態1~15のうちのいずれかの実施形態に記載のリフトシステム(100)。
[実施形態17]
燃焼缶(125)をターボ機械の燃焼部(16)に取り付ける方法であって、前記燃焼缶(125)を燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に固定することであって、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)は、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に結合された伸縮部材(110)を含む可搬型カートアセンブリ(106)の一部を形成する、燃焼缶クレードルアセンブリ(108)に固定すること、前記可搬型カートアセンブリ(106)をスライドアセンブリ(102)に結合することであって、前記スライドアセンブリ(102)は、レール(104)に移動可能に結合され、駆動アセンブリ(220)に接続される、スライドアセンブリ(102)に結合すること、前記スライドアセンブリ(102)及び前記可搬型カートアセンブリ(106)が前記レール(104)に沿って移動するように、駆動アセンブリ(220)を作動させること、及び前記伸縮部材(110)を伸長させて、前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)及び前記燃焼缶(125)を前記ターボ機械の燃焼部(16)のそれぞれの開口部(401)に位置合わせすることを含む、方法。
[実施形態18]
前記伸縮部材(110)は第1の伸縮部材であり、前記スライドアセンブリ(102)は、前記スライドアセンブリ(102)のメインプレート(126)から前記燃焼缶クレードルアセンブリ(108)まで延在する第2の伸縮部材を更に含み、
前記方法は、前記第2の伸縮部材を伸長させて、前記伸縮部材(110)を前記ピボット点(152)を中心に回転させ、前記燃焼缶(125)を前記ターボ機械の前記燃焼部(16)のそれぞれの開口部(401)に位置合わせすること
を更に含む、実施形態17に記載の方法。
[実施形態19]
微動アセンブリが、伸縮部材を燃焼缶クレードルアセンブリに結合し、前記方法は、以下の複数のステップ
クランピングアセンブリに結合されたねじ部付きトラックロッドを回すことによって、前記燃焼缶クレードルアセンブリを前記伸縮部材に対して第1の方向に並進させるステップであって、前記ねじ部付きトラックロッドはトラックに配置され、前記クランピングアセンブリは前記燃焼缶クレードルアセンブリに結合される、ステップ、
ボール部材と前記クランプアセンブリによって画定されたソケットとの間に形成されたボールソケット形軸継手を介して前記燃焼缶クレードルアセンブリを回転するステップであって、前記ボール部材は前記燃焼缶クレードルアセンブリに結合される、ステップ、及び
ラックアンドピニオンアセンブリを作動することによって前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記燃焼缶クレードルアセンブリを並進させるステップ
のうちの少なくとも1つのステップを実行することによって、前記微動アセンブリで前記燃焼缶の位置を調整することを更に含む、実施形態17又は18に記載の方法。
【符号の説明】
【0080】
16 燃焼部
100 リフトシステム
102 スライドアセンブリ
104 レール
106 可搬型カートアセンブリ
108 燃焼缶クレードルアセンブリ
110 伸縮部材
125 燃焼缶
126 メインプレート
128 第1の端部
132 カップリング
148 接続部材
152 ピボット点
216 駆動チェーン
220 駆動アセンブリ
222 モータ
232 スプロケット
236 ギアボックス
251 環状リング
252 上部アセンブリ
256 上部圧力プレート
258 下部圧力プレート
260 ねじ山付きロッド
262 ハンドルバー
264 ボール部材
265 上部接続部材
300 微動アセンブリ
302 トラック
304 クランピングアセンブリ
306 受け部
310 ジョイント
322 ベースプレート
324 クランピング部材
328 舌部
336、358 ロッド
401 開口部
【外国語明細書】