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特開2024-7350基板処理モジュール及びレーザ提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007350
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】基板処理モジュール及びレーザ提供方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240110BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240110BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C23C16/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091742
(22)【出願日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0080848
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、カン リュル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユンサン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030FA03
4K030KA23
5F004AA06
5F004BA04
5F004BB03
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BB29
5F004BD04
5F004CA04
5F004EA28
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045DQ17
5F045EB03
5F045EB08
5F045EC03
5F045EC05
5F045EF05
5F045EH14
5F045EJ03
5F045EJ04
5F045EJ09
5F045EK07
5F045EK12
5F045EK17
5F045EK29
5F045EM05
5F045EM07
5F045EM09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レーザを用いて基板を加熱する過程でレーザ装備を効率的に使用して基板を加熱する基板処理モジュール及びレーザ提供方法を提供する。
【解決手段】複数の基板処理装置50を含む基板処理モジュールであって、各基板処理装置は、内部に処理空間を有する工程チャンバ100と、処理空間内で基板Wを支持する支持ユニット200と、処理空間内に処理ガスを供給するガス供給ユニット300と、処理空間内に供給された処理ガスからプラズマを発生させるプラズマソース400と、基板にレーザLを照射して前記基板を加熱するレーザユニット600と、を含む。基板処理モジュールは、レーザを生成するレーザ生成部と、レーザ生成部からレーザの伝達を受け、複数の基板処理装置のレーザユニットに時間差を置いてレーザを分配するレーザ分配ユニットと、をさらに含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板処理装置を含む基板処理モジュールであって、
それぞれの前記基板処理装置は、
内部に処理空間を有する工程チャンバと、
前記処理空間内で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間内に処理ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記処理空間内に供給された処理ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、
前記基板にレーザを照射して前記基板を加熱するレーザユニットと、を含み、
前記基板処理モジュールは、
レーザを生成するレーザ生成部と、
前記レーザ生成部からレーザの伝達を受け、前記複数の基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配するレーザ分配ユニットと、をさらに含む、基板処理モジュール。
【請求項2】
前記レーザ分配ユニットは、前記複数の基板処理装置のうちの少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配する、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項3】
前記レーザ分配ユニットを複数個含み、
それぞれのレーザ分配ユニットは、前記複数の基板処理装置のうちの少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配する、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項4】
前記レーザ生成部を複数個含み、
それぞれのレーザ分配ユニットは、同一または異なる個数の前記少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配する、請求項3に記載の基板処理モジュール。
【請求項5】
前記レーザ生成部内に前記レーザ分配ユニットが含まれる、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項6】
前記レーザはパルス(pulse)レーザである、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項7】
前記レーザ分配ユニットで前記複数の基板処理装置の前記レーザユニットにレーザをそれぞれ分配する時間は1ナノ秒~100ミリ秒である、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項8】
前記プラズマソースの少なくとも1つの電極は透明電極であり、
前記レーザは、前記透明電極を通過して前記基板上に照射される、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項9】
前記基板処理装置は、熱を用いたALE(Thermal atomic layer etching)またはALD(Thermal atomic layer deposition)工程で用いられる、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項10】
前記熱を用いたALEまたはALD工程の1サイクルは5秒~60秒であり、
前記1サイクルの間に、前記レーザ分配ユニットで前記基板処理装置の前記レーザユニットにレーザを分配する、請求項9に記載の基板処理モジュール。
【請求項11】
それぞれの前記基板処理装置で前記1サイクルの開始時間がシフト(shifting)されて進行される、請求項10に記載の基板処理モジュール。
【請求項12】
前記1サイクルの時間は、一つの前記基板処理装置にレーザが分配される時間と前記基板処理装置の数の積よりも長い、請求項10に記載の基板処理モジュール。
【請求項13】
前記レーザ分配ユニットは、
モジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの内側に配置され、入射した入射レーザを第1経路または第2経路に分配する分配部材と、を含む、請求項1に記載の基板処理モジュール。
【請求項14】
前記分配部材は、入射レーザを第1経路または第2経路に全部反射するミラーとして提供される、請求項13に記載の基板処理モジュール。
【請求項15】
複数の分配部材を含み、
前記入射レーザは、前記分配部材の数よりも少なくとも1つ多い経路にレーザを分配する、請求項14に記載の基板処理モジュール。
【請求項16】
前記レーザ生成部を複数個含み、それぞれの前記レーザ生成部が生成するレーザを一つの前記基板処理装置に照射し、
第1レーザ生成部で生成された第1パルスレーザの第1パルス領域と第2パルス領域との間に、第2レーザ生成部が生成する第1パルスレーザの第1パルス領域が位置するように前記パルスレーザを照射する、請求項6に記載の基板処理モジュール。
【請求項17】
熱を用いたALE(Thermal atomic layer etching)またはALD(Thermal atomic layer deposition)工程で用いられる複数の基板処理装置にレーザを提供する方法であって、
パルスレーザを生成するレーザ生成部からレーザの伝達を受け、パルスレーザを前記複数の基板処理装置に分配するレーザ分配ユニットを提供し、
前記レーザ分配ユニットは、前記複数の基板処理装置のレーザユニットに時間差を置いてパルスレーザを分配する、レーザ提供方法。
【請求項18】
複数の前記レーザ分配ユニットを提供し、
それぞれのレーザ分配ユニットは、同一または異なる少なくとも2つの前記基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いて前記パルスレーザを分配する、請求項17に記載のレーザ提供方法。
【請求項19】
前記ALEまたはALD工程の1サイクルは5秒~60秒であり、
それぞれの前記基板処理装置で前記1サイクルの開始時間がシフト(shifting)されて進行され、前記1サイクルの間に、前記レーザ分配ユニットで前記基板処理装置の前記レーザユニットに前記パルスレーザを分配する、請求項17に記載のレーザ提供方法。
【請求項20】
熱を用いたALE(Thermal atomic layer etching)またはALD(Thermal atomic layer deposition)工程で用いられる複数の基板処理装置を含む基板処理モジュールであって、
それぞれの前記基板処理装置は、
内部に処理空間を有する工程チャンバと、
前記処理空間内で基板を支持する支持ユニットと、
前記処理空間内に処理ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記処理空間内に供給された処理ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、
前記基板にパルス(pulse)レーザを照射して前記基板を加熱するレーザユニットと、を含み、
前記基板処理モジュールは、
パルスレーザを生成するレーザ生成部と、
前記レーザ生成部からパルスレーザの伝達を受け、前記複数の基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてパルスレーザを分配するレーザ分配ユニットと、をさらに含み、
前記熱を用いたALEまたはALD工程の1サイクルは5秒~60秒であり、
それぞれの前記基板処理装置で前記1サイクルの開始時間がシフト(shifting)されて進行され、前記1サイクルの間に、前記レーザ分配ユニットで前記基板処理装置の前記レーザユニットに前記パルスレーザを分配する、基板処理モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、より詳細には、プラズマエッチングに用いられる基板処理モジュール及びレーザ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、イオンや電子、ラジカル(Radical)などからなるイオン化されたガス状態であり、プラズマは、非常に高い温度、強い電界または高周波電磁場(RF electromagnetic fields)によって生成され得る。プラズマ処理装置に適用されるプラズマは、蓄電容量性プラズマ(Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma、ICP)、マイクロ波プラズマ(Microwave Plasma)などがある。
【0003】
例えば、半導体工程において、プラズマはエッチング工程に活用できる。エッチング工程は、基板上にプラズマを発生させた後、プラズマ中のイオンを基板に加速させることによって基板上の薄膜を除去することによって行われ得る。
【0004】
Thermal ALE(Thermal atomic layer etching)を行うプラズマ処理装置において、工程チャンバ内に供給された反応ガスは、誘導電場からイオン化に必要なエネルギーを得てプラズマを生成する。基板の表面は、反応ガスと反応が行われ得るように加熱される。加熱された基板の表面は、反応物質との結合エネルギーが減少するようになり、この状態で基板の表面にプラズマイオンで物理的な衝撃を加えると、基板の表面の原子層が除去される。このようなThermal ALE工程は、工程時間の短縮及び基板のダメージが最小化されるという利点がある。但し、数kW~数十kW級のパワーを有するレーザを生成するレーザ装備が非常に高価であるため、レーザ装備を最大限効率的に使用できる技術が求められているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した問題点を解決するためのもので、レーザを用いて基板を加熱する過程でレーザ装備を効率的に使用して基板を加熱することができる基板処理モジュール及びレーザ提供方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、一つまたは少ない数のレーザ装備を用いて複数の基板処理装置にレーザを提供することができる基板処理モジュール及びレーザ提供方法を提供することを目的とする。
【0007】
しかし、このような課題は例示的なもので、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る基板処理モジュールは、複数の基板処理装置を含む基板処理モジュールであって、それぞれの前記基板処理装置は、内部に処理空間を有する工程チャンバと;前記処理空間内で基板を支持する支持ユニットと;前記処理空間内に処理ガスを供給するガス供給ユニットと;前記処理空間内に供給された処理ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと;前記基板にレーザを照射して前記基板を加熱するレーザユニットと;を含み、前記基板処理モジュールは、レーザを生成するレーザ生成部と;前記レーザ生成部からレーザの伝達を受け、前記複数の基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配するレーザ分配ユニットと;をさらに含むことができる。
【0009】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ分配ユニットは、前記複数の基板処理装置のうちの少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配することができる。
【0010】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ分配ユニットを複数個含み、それぞれのレーザ分配ユニットは、前記複数の基板処理装置のうちの少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配することができる。
【0011】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ生成部を複数個含み、それぞれのレーザ分配ユニットは、同一または異なる個数の前記少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてレーザを分配することができる。
【0012】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ生成部内に前記レーザ分配ユニットが含まれ得る。
【0013】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザはパルス(pulse)レーザであり得る。
【0014】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ分配ユニットで前記複数の基板処理装置の前記レーザユニットにレーザをそれぞれ分配する時間は1ナノ秒~100ミリ秒であり得る。
【0015】
前記基板処理モジュールによれば、前記プラズマソースの少なくとも1つの電極は透明電極であり、前記レーザは、前記透明電極を通過して前記基板上に照射され得る。
【0016】
前記基板処理モジュールによれば、前記基板処理装置は、熱を用いたALE(Thermal atomic layer etching)またはALD(Thermal atomic layer deposition)工程で用いられ得る。
【0017】
前記基板処理モジュールによれば、前記熱を用いたALEまたはALD工程の1サイクルは5秒~60秒であり、前記1サイクルの間に、前記レーザ分配ユニットで前記基板処理装置の前記レーザユニットにレーザを分配することができる。
【0018】
前記基板処理モジュールによれば、それぞれの前記基板処理装置で前記1サイクルの開始時間がシフト(shifting)されて進行され得る。
【0019】
前記基板処理モジュールによれば、前記1サイクルの時間は、一つの前記基板処理装置にレーザが分配される時間と前記基板処理装置の数の積よりも長くなり得る。
【0020】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ分配ユニットは、モジュールハウジングと;前記モジュールハウジングの内側に配置され、入射した入射レーザを第1経路または第2経路に分配する分配部材と;を含むことができる。
【0021】
前記基板処理モジュールによれば、前記分配部材は、入射レーザを第1経路または第2経路に全部反射するミラーとして提供され得る。
【0022】
前記基板処理モジュールによれば、複数の分配部材を含み、前記入射レーザは、前記分配部材の数よりも少なくとも1つ多い経路にレーザを分配することができる。
【0023】
前記基板処理モジュールによれば、前記レーザ生成部を複数個含み、それぞれの前記レーザ生成部が生成するレーザを一つの前記基板処理装置に照射し、第1レーザ生成部で生成された第1パルスレーザの第1パルス領域と第2パルス領域との間に、第2レーザ生成部が生成する第1パルスレーザの第1パルス領域が位置するように前記パルスレーザを照射することができる。
【0024】
本発明の他の態様に係るレーザ提供方法は、熱を用いたALE(Thermal atomic layer etching)またはALD(Thermal atomic layer deposition)工程で用いられる複数の基板処理装置にレーザを提供する方法であって、パルスレーザを生成するレーザ生成部からレーザの伝達を受け、パルスレーザを前記複数の基板処理装置に分配するレーザ分配ユニットを提供し、前記レーザ分配ユニットは、前記複数の基板処理装置のレーザユニットに時間差を置いてパルスレーザを分配することができる。
【0025】
前記レーザ提供方法によれば、複数の前記レーザ分配ユニットを提供し、それぞれのレーザ分配ユニットは、同一または異なる個数の前記少なくとも2つの基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いて前記パルスレーザを分配することができる。
【0026】
前記レーザ提供方法によれば、前記ALEまたはALD工程の1サイクルは5秒~60秒であり、それぞれの前記基板処理装置で前記1サイクルの開始時間がシフト(shifting)されて進行され、前記1サイクルの間に、前記レーザ分配ユニットで前記基板処理装置の前記レーザユニットに前記パルスレーザを分配することができる。
【0027】
本発明の更に他の態様に係る基板処理モジュールは、熱を用いたALE(Thermal atomic layer etching)またはALD(Thermal atomic layer deposition)工程で用いられる複数の基板処理装置を含む基板処理モジュールであって、それぞれの前記基板処理装置は、内部に処理空間を有する工程チャンバと;前記処理空間内で基板を支持する支持ユニットと;前記処理空間内に処理ガスを供給するガス供給ユニットと;前記処理空間内に供給された処理ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと;前記基板にパルス(pulse)レーザを照射して前記基板を加熱するレーザユニットと;を含み、前記基板処理モジュールは、パルスレーザを生成するレーザ生成部と;前記レーザ生成部からパルスレーザの伝達を受け、前記複数の基板処理装置の前記レーザユニットに時間差を置いてパルスレーザを分配するレーザ分配ユニットと;をさらに含み、前記熱を用いたALEまたはALD工程の1サイクルは5秒~60秒であり、それぞれの前記基板処理装置で前記1サイクルの開始時間がシフト(shifting)されて進行され、前記1サイクルの間に、前記レーザ分配ユニットで前記基板処理装置の前記レーザユニットに前記パルスレーザを分配することができる。
【発明の効果】
【0028】
前記のようになされた本発明の一実施例によれば、レーザを用いて基板を加熱する過程でレーザ装備を効率的に使用して基板を加熱することができる効果がある。
【0029】
また、本発明の一実施例によれば、一つまたは少ない数のレーザ装備を用いて複数の基板処理装置にレーザを提供することができる効果がある。
【0030】
もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例に係る基板処理設備を示す概略的な平面図である。
図2】本発明の一実施例に係る基板処理装置を示す概略的な断面図である。
図3】本発明の一実施例に係るパルスレーザを用いて基板が加熱される状態を示す概略的なグラフである。
図4】IRランプ及びレーザを用いた場合に、基板が加熱される状態を示す概略的な図である。
図5】本発明の一実施例に係る複数の基板処理装置にレーザを分配することを示す概略的な図である。
図6】本発明の様々な実施例に係る複数の基板処理装置にレーザを分配する形態を示す概略的な図である。
図7】本発明の様々な実施例に係る複数の基板処理装置にレーザを分配する形態を示す概略的な図である。
図8】本発明の様々な実施例に係る複数の基板処理装置にレーザを分配する形態を示す概略的な図である。
図9】本発明の様々な実施例に係るレーザ分配ユニットの内部構成を示す概略的な図である。
図10】本発明の様々な実施例に係るレーザ分配ユニットの内部構成を示す概略的な図である。
図11】本発明の他の実施例に係る複数のパルスレーザを用いて基板を加熱できるようにレーザを分配する形態を示す概略的な図である。
図12】本発明の他の実施例に係る複数のパルスレーザを用いて基板を加熱することを示す概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい様々な実施例を詳細に説明する。
【0033】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0034】
以下、本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/又は公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の思想の実施例は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されたものと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まなければならない。
【0035】
図1は、本発明の一実施例に係る基板処理設備10を示す概略的な平面図である。
【0036】
図1を参照すると、基板処理設備10は、インデックスモジュール20及び工程処理モジュール30を含む。また、レーザ生成部40をさらに含む。インデックスモジュール20は、ロードポート22及び移送フレーム24を含む。ロードポート22、移送フレーム24、及び工程処理モジュール30は順次配列され得る。本明細書において、ロードポート22、移送フレーム24及び工程処理モジュール30が配列された方向を第1方向12(又は、x軸方向)、上部から見たときに第1方向12と垂直な方向を第2方向14(又は、y軸方向)、第1及び第2方向12,14を含む平面(xy平面)と垂直な方向を第3方向16(又は、z軸方向)と称する。
【0037】
ロードポート22には、基板Wが収納されたキャリア23が載置される。複数のロードポート22は、第2方向14に沿って配置され得る。ロードポート22の個数は、工程処理モジュール30の工程効率、生産効率などに応じて増減することができる。キャリア23は、FOUP(Front Opening Unified Pod)が使用され得、キャリア23の内部には、複数の基板Wを水平に収納するためのスロットが形成され得る。
【0038】
工程処理モジュール30は、バッファユニット32、移送チャンバ34、及び工程チャンバ38を含む。移送チャンバ34は、第1方向12と平行に延長形成され、長手方向の両側に工程チャンバ38が配置され得る。また、工程チャンバ38のうちの一部は、積層されるように配置され得る。一方、工程チャンバ38は、移送チャンバ34の一側にのみ配置されてもよい。
【0039】
バッファユニット32は、移送フレーム24と移送チャンバ34との間に配置され、移送フレーム24と移送チャンバ34との間に基板Wが搬送される前に留まる空間を提供する。バッファユニット32の内部には、基板Wが配置されるスロットが形成される。バッファユニット32は、移送フレーム24及び移送チャンバ34と開放されるか、または開閉可能なように形成されてもよい。
【0040】
移送フレーム24は、キャリア23とバッファユニット32との間で基板Wを搬送することができる。移送フレーム24には、インデックスレール25及びインデックスロボット26が提供される。インデックスレール25は、第2方向14と平行に延長形成され、インデックスロボット26が設置されて第2方向14に沿って移動することができる。インデックスロボット26は、ベース26a、ボディー26b、及びインデックスアーム26cを含む。ベース26aは、インデックスレール25に沿って移動可能に設置される。ボディー26bは、ベース26aに結合され、ベース26a上で第3方向16に沿って移動可能であり、かつ回転可能に設置される。インデックスアーム26cは、ボディー26bに結合され、ボディー26bに対して前進及び後進可能に提供される。インデックスアーム26cは、複数提供され、それぞれ個別に駆動され得る。それぞれのインデックスアーム26cは、キャリア23から工程処理モジュール30、または工程処理モジュール30からキャリア23に基板Wを搬送する際に使用され得る。
【0041】
移送チャンバ34は、バッファユニット32と工程チャンバ38との間で、または工程チャンバ38同士の間で基板Wを搬送する。移送チャンバ34には、ガイドレール35及びメインロボット36が提供される。ガイドレール35は、第1方向12と平行に延長形成され、メインロボット36が設置されて第1方向12に沿って移動することができる。メインロボット36は、ベース36a、ボディー36b、及びメインアーム36cを含む。ベース36aは、ガイドレール35に沿って移動可能に設置される。ボディー36bは、ベース36aに結合され、ベース36a上で第3方向16に沿って移動可能であり、かつ回転可能に設置される。メインアーム36cは、ボディー36bに結合され、ボディー36bに対して前進及び後進可能に提供される。メインアーム36cは、複数提供され、それぞれ個別に駆動され得る。
【0042】
工程チャンバ38には、基板Wに対して工程を行う基板処理装置50が提供される。基板処理装置50は、行う工程に応じて異なる構造を有することができる。一方、それぞれの工程チャンバ38内の基板処理装置50は同じ構造を有することができ、同じグループに属する工程チャンバ38内の基板処理装置50は同じ構造を有することもできる。基板処理装置50は、基板上でエッチングまたは蒸着工程を行う。本発明の一実施例では、基板処理装置50が6個又は12個であることを例示するが、基板処理装置50の個数は変更可能である。
【0043】
レーザ生成部40は、レーザLを生成するように提供される。レーザ生成部40は、基板処理設備10(又は基板処理モジュール10)内に配置されてもよいが、外部に配置され、光ファイバーを介してレーザLを伝送するように提供されてもよい。レーザ生成部40は、光ファイバーを介してそれぞれの工程チャンバ38(又は基板処理装置50のレーザユニット600)に接続される。レーザ生成部40は、基板Wを加熱するためのレーザLを生成する。レーザは、パルス(pulse)レーザとして提供される。
【0044】
図2は、本発明の一実施例に係る基板処理装置50を示す概略的な断面図である。
【0045】
図2を参照すると、基板処理装置50は、プラズマを用いて基板Wを処理する。例えば、基板処理装置50は、基板Wに対してエッチング工程を行うことができる。基板処理装置50は、工程チャンバ100、支持ユニット200、ガス供給ユニット300、プラズマソース400、バッフルユニット500、及びレーザユニット600を含む。
【0046】
工程チャンバ100は、内部に基板処理工程が行われる処理空間を提供する。工程チャンバ100は、内部に処理空間を有し、密閉された形状で提供される。工程チャンバ100は、金属材質で提供される。工程チャンバ100は、アルミニウム材質で提供されてもよい。工程チャンバ100は接地され得る。工程チャンバ100の底面には排気孔102が形成される。排気孔102は排気ライン151と連結される。工程過程で発生した反応副産物、及び工程チャンバの内部空間に留まるガスは、排気ライン151を介して外部に排出され得る。排気過程によって、工程チャンバ100の内部は所定の圧力に減圧される。
【0047】
一例によれば、工程チャンバ100は、上面が開放されたハウジング110、及びウィンドウ部120を含むことができる。ハウジング110は、上面が開放された空間を有する。ウィンドウ部120は、ハウジング110の開放された上面を覆う。ウィンドウ部120は、板状で提供され、ハウジング110の内部空間を密閉させる。ウィンドウ部120は、誘電体(dielectric substance)窓を含むことができる。ウィンドウ部120は、レーザLが通過するように透明な材質であり得る。
【0048】
一例によれば、工程チャンバ100の内部にはライナー130が提供され得る。ライナー130は、上面及び下面が開放された円筒形状を有する。ライナー130は、工程チャンバ100の内側面と接触するように提供され得る。ライナー130は、工程チャンバ100の内側壁を保護して、工程チャンバ100の内側壁がアーク放電で損傷することを防止する。また、基板処理工程中に発生した不純物が工程チャンバ100の内側壁に蒸着されることを防止する。選択的に、ライナー130は提供されなくてもよい。
【0049】
支持ユニット200は、工程チャンバ100の内部に提供される。支持ユニット200は、処理空間内で基板Wを支持する。支持ユニット200は、静電気力を用いて基板Wを吸着する静電チャック210を含むことができる。
【0050】
支持ユニット200は、静電チャック210、下部カバー250、及びプレート270を含む。支持ユニット200は、工程チャンバ100の内部で工程チャンバ100の底面から上部に離隔して位置する。
【0051】
静電チャック210は、誘電板220、ボディー230、及びフォーカスリング240を含む。静電チャック210は、基板Wを支持する。
【0052】
誘電板220は、静電チャック210の上端に位置する。誘電板220は、円板形状の誘電体(dielectric substance)として提供される。誘電板220の上面には基板Wが載置される。誘電板220の上面は、基板Wよりも小さい半径を有する。そのため、基板Wの縁領域は、誘電板220の外側に位置する。
【0053】
誘電板220は、内部に第1電極223、ヒーター225、及び第1供給流路221を含む。第1供給流路221は、誘電板220の上面から底面にわたって形成される。第1供給流路221は、互いに離隔して複数個形成され、基板Wの底面に熱伝達媒体が供給される通路として提供される。
【0054】
第1電極223は、第1電源223aと電気的に接続される。第1電源223aは直流電源を含む。第1電極223と第1電源223aとの間にはスイッチ223bが設置される。第1電極223は、スイッチ223bのオン/オフ(ON/OFF)によって第1電源223aと電気的に接続され得る。スイッチ223bがオン(ON)されると、第1電極223には直流電流が印加される。第1電極223に印加された電流によって第1電極223と基板Wとの間には静電気力が作用し、静電気力によって基板Wは誘電板220に吸着される。
【0055】
ヒーター225は、第1電極223の下部に位置する。ヒーター225は、第2電源225aと電気的に接続される。ヒーター225は、第2電源225aから印加された電流に抵抗することによって熱を発生させる。発生した熱は、誘電板220を介して基板Wに伝達される。ヒーター225で発生した熱によって、基板Wは所定の温度に維持される。ヒーター225は螺旋状のコイルを含む。
【0056】
誘電板220の下部にはボディー230が位置する。誘電板220の底面とボディー230の上面は接着剤236によって接着され得る。ボディー230はアルミニウム材質で提供され得る。ボディー230の上面は、中心領域が縁領域よりも高く位置するように段差を有することができる。ボディー230の上面の中心領域は、誘電板220の底面に相応する面積を有し、誘電板220の底面と接着される。ボディー230は、内部に第1循環流路231、第2循環流路232、及び第2供給流路233が形成される。
【0057】
第1循環流路231は、熱伝達媒体が循環する通路として提供される。第1循環流路231は、ボディー230の内部に螺旋状に形成されてもよい。または、第1循環流路231は、互いに異なる半径を有するリング状の流路が同じ中心を有するように配置されてもよい。それぞれの第1循環流路231は互いに連通することができる。第1循環流路231は、同じ高さに形成される。
【0058】
第2循環流路232は、冷却流体が循環する通路として提供される。第2循環流路232は、ボディー230の内部に螺旋状に形成されてもよい。または、第2循環流路232は、互いに異なる半径を有するリング状の流路が同じ中心を有するように配置されてもよい。それぞれの第2循環流路232は互いに連通することができる。第2循環流路232は、第1循環流路231よりも大きい断面積を有することができる。第2循環流路232は、同じ高さに形成される。第2循環流路232は、第1循環流路231の下部に位置することができる。
【0059】
第2供給流路233は、第1循環流路231から上部に延長され、ボディー230の上面に提供される。第2供給流路233は、第1供給流路221に対応する個数で提供され、第1循環流路231と第1供給流路221とを連結する。
【0060】
第1循環流路231は、熱伝達媒体供給ライン231bを介して熱伝達媒体貯蔵部231aと連結される。熱伝達媒体貯蔵部231aには熱伝達媒体が貯蔵される。熱伝達媒体は不活性ガスを含む。一実施例によれば、熱伝達媒体はヘリウム(He)ガスを含む。ヘリウムガスは、供給ライン231bを介して第1循環流路231に供給され、第2供給流路233と第1供給流路221を順次に経て基板Wの底面に供給される。基板Wの底面は、誘電板220を介して熱が伝達され得るが、基板Wの底面が誘電板220に完壁に接触していない部分が存在し得る。ヘリウムガスのような熱伝達媒体は、基板Wの底面と誘電板220との間の微細な隙間に供給されて、基板Wの底面全体に均一に熱が伝達されるようにする。
【0061】
第2循環流路232は、冷却流体供給ライン232cを介して冷却流体貯蔵部232aと連結される。冷却流体貯蔵部232aには冷却流体が貯蔵される。冷却流体貯蔵部232a内には冷却器232bが提供され得る。冷却器232bは、冷却流体を所定の温度に冷却させる。これとは異なって、冷却器232bは、冷却流体供給ライン232c上に設置されてもよい。冷却流体供給ライン232cを介して第2循環流路232に供給された冷却流体は、第2循環流路232に沿って循環しながらボディー230を冷却させる。ボディー230は、冷却されながら、誘電板220と基板Wを共に冷却させて、基板Wを所定の温度に維持させる。
【0062】
ボディー230は金属板を含むことができる。一例によれば、ボディー230全体が金属板として提供されてもよい。ボディー230は、下部電源420と電気的に接続され得る。下部電源420は、高周波電力を発生させる高周波電源として提供され得る。高周波電源は、RF電源として提供され得る。ボディー230は、下部電源420から高周波電力が印加される。これによって、ボディー230は電極として機能することができる。
【0063】
フォーカスリング240は、静電チャック210の縁領域に配置される。フォーカスリング240は、リング形状を有し、誘電板220の周りに沿って配置される。フォーカスリング240の上面は、外側部240aが内側部240bよりも高くなるように段差を有することができる。フォーカスリング240の上面の内側部240bは、誘電板220の上面と同じ高さに位置する。フォーカスリング240の上面の内側部240bは、誘電板220の外側に位置した基板Wの縁領域を支持する。フォーカスリング240の外側部240aは、基板Wの縁領域を取り囲むように提供される。
【0064】
下部カバー250は、支持ユニット200の下端部に位置する。下部カバー250は、工程チャンバ100の底面から上部に離隔して位置する。下部カバー250は、上面が開放された空間255が内部に形成される。下部カバー250の外部半径は、ボディー230の外部半径と同じ長さで提供され得る。下部カバー250の内部空間255には、搬送される基板Wを外部の搬送部材から静電チャック210に移動させるリフトピンモジュール(図示せず)などが位置することができる。リフトピンモジュール(図示せず)は、下部カバー250から一定間隔離隔して位置する。下部カバー250の底面は金属材質で提供され得る。
【0065】
下部カバー250は連結部材253を有する。連結部材253は、下部カバー250の外側面と工程チャンバ100の内側壁とを連結する。連結部材253は、下部カバー250の外側面に一定の間隔で複数個提供され得る。連結部材253は、支持ユニット200を工程チャンバ100の内部で支持する。また、連結部材253は、工程チャンバ100の内側壁と連結されることによって、下部カバー250が電気的に接地(grounding)されるようにする。第1電源223aと接続される第1電源ライン223c、第2電源225aと接続される第2電源ライン225c、下部電源420と接続される第3電源ライン420c、熱伝達媒体貯蔵部231aと接続された熱伝達媒体供給ライン231b、及び冷却流体貯蔵部232aと接続された冷却流体供給ライン232cなどは、連結部材253の内部空間を介して下部カバー250の内部に延長される。
【0066】
静電チャック210と下部カバー250との間にはプレート270が位置する。プレート270は、下部カバー250の上面を覆う。プレート270は、ボディー230に相応する断面積で提供される。プレート270は絶縁体を含むことができる。
【0067】
ガス供給ユニット300は、工程チャンバ100の内部に工程ガスを供給する。ガス供給ユニット300は、ガス供給ノズル310、ガス供給ライン320、ガス貯蔵部330、シャワーヘッド340、電極プレート350、及び支持部360を含む。
【0068】
ガス供給ノズル310は、工程チャンバ100の上面中央部に設置される。ガス供給ノズル310の底面には噴射口が形成される。噴射口は、工程チャンバ100の内部に工程ガスを供給する。ガス供給ライン320は、ガス供給ノズル310とガス貯蔵部330を連結する。ガス供給ライン320は、ガス貯蔵部330に貯蔵された工程ガスをガス供給ノズル310に供給する。ガス供給ライン320には弁321が設置される。弁321は、ガス供給ライン320を開閉し、ガス供給ライン320を介して供給される工程ガスの流量を調節する。
【0069】
シャワーヘッド340は、工程チャンバ100の内部で支持ユニット200の上部に位置する。シャワーヘッド340は、支持ユニット200と対向するように位置する。シャワーヘッド340には噴射孔341が形成される。噴射孔341は、シャワーヘッド340の上面と下面を垂直方向に貫通する。噴射孔341を介して工程ガスが通過することができる。シャワーヘッド340はシリコン(Si)材質からなってもよい。または、シャワーヘッド340は絶縁体からなってもよい。
【0070】
電極プレート350は、シャワーヘッド340の上部に提供される。シャワーヘッド340は、工程チャンバ100の上面から下部に一定距離離隔して位置する。電極プレート350と工程チャンバ100の上面は、それらの間に一定の空間が形成される。
【0071】
電極プレート350は、工程チャンバ100の内部の電場の密度を制御する。電極プレート350の底面は、プラズマによるアークの発生を防止するために、その表面が陽極化処理され得る。電極プレート350の断面は、支持ユニット200と同じ形状及び断面積を有するように提供され得る。電極プレート350は、複数個の噴射孔355を含む。噴射孔355を介して工程ガスが通過することができる。電極プレート350の噴射孔355は、シャワーヘッド340の噴射孔341と連通するように形成され得る。電極プレート350は金属材質を含む。電極プレート350は、上部電源410と電気的に接続され得る。上部電源410は、高周波電源として提供され得る。これとは異なって、電極プレート350は電気的に接地されてもよい。電極プレート350は、上部電源410と電気的に接続されるか、または接地されて電極として機能することができる。
【0072】
支持部360は、シャワーヘッド340及び電極プレート350の側部を支持する。支持部360は、上端は工程チャンバ100の上面と連結され、下端はシャワーヘッド340及び電極プレート350の側部と連結される。支持部360は非金属材質を含むことができる。
【0073】
プラズマソース400は、工程チャンバ100内の工程ガスをプラズマ状態に励起させる。本発明の実施例では、プラズマソースとして容量結合型プラズマ(CCP:capacitively coupled plasma)が用いられる。容量結合型プラズマは、上部電極及び下部電極を含むことができる。上部電極及び下部電極は、チャンバ100の内部で互いに平行に上下に配置され得る。プラズマソース400は、上部電源410及び下部電源420を含み、上部電源410が上部電極、下部電源420が下部電極に対応することができる。上部電源410は上部電極に高周波電力を印加し、下部電源420は下部電極に高周波電力を印加することができる。一例によれば、上部電極は電極プレート350として提供され、下部電極はボディー230として提供されてもよい。発生した電磁場は、工程チャンバ100の内部に提供された工程ガスをプラズマ状態に励起させる。
【0074】
バッフルユニット500は、工程チャンバ100の内側壁と支持ユニット200との間に位置する。バッフル510は、環状のリング形状で提供される。バッフル510には複数の貫通孔511が形成される。工程チャンバ100内に提供された工程ガスは、バッフル510の貫通孔511を通過して排気孔102に排気される。バッフル510の形状及び貫通孔511の形状によって工程ガスの流れが制御され得る。
【0075】
レーザユニット600は、基板Wを加熱するためのレーザLを提供する。レーザ生成部40から伝達されたレーザLを基板W上に照射することができる。レーザユニット600は、光ファイバーを含むように提供され得る。レーザユニット600は、工程チャンバ100の外部又は内部に配置され、伝達されたレーザLを工程チャンバ100の内部に照射することができる。レーザLは、ウィンドウ部120、上部電極(電極プレート350)などを通過して基板Wに照射され得る。レーザLの通過のために、上部電極及び/又は下部電極は透明電極(transparent electrode)として提供され得る。
【0076】
上述した基板処理装置50を用いて基板を処理する過程は、以下の通りである。Thermal ALE((Thermal atomic layer etching)工程を例に挙げて説明するが、基板処理装置50は、Thermal ALD((Thermal atomic layer deposition)工程にも適用可能である。
【0077】
支持ユニット200に基板Wが載置されると、第1電源223aから第1電極223に直流電流が印加される。第1電極223に印加された直流電流によって、第1電極223と基板Wとの間には静電気力が作用し、静電気力によって、基板Wは静電チャック210に吸着される。
【0078】
基板Wが静電チャック210に吸着されると、ガス供給ノズル310を介して工程チャンバ100の内部に工程ガスが供給される。基板Wを速やかに加熱するために、レーザ生成部40からレーザユニット600にパルスレーザLが伝達されて基板W上に照射される。加熱された基板Wの表面と工程ガスが反応することができる。例えば、塩素(Cl2)工程ガスの塩素分子がシリコン表面にくっついて反応することができる。工程ガスと基板Wが全て反応すると、工程ガスはバッフルユニット500を介して排気される。
【0079】
次いで、下部電源420で生成された高周波電力は、下部電極として提供されるボディー230に印加される。上部電極として提供される電極プレート350には、上部電源410によって高周波電力が印加される。ボディー230と電極プレート350との間に電場が発生し、ガスからプラズマが形成される。プラズマは、基板Wに提供されて基板Wを処理する。プラズマはエッチング工程を行うことができる。基板Wの表面は、工程ガスと反応して結合力が弱くなった状態であるため、結合が弱くなった表面の原子層がエッチングで除去され得る。前記の過程を繰り返して原子層単位でエッチングを行うことで、所望のパターンを正確に形成できるようになる。
【0080】
本明細書では、工程チャンバ100の内部に工程ガスが供給されるステップと、レーザLによって基板Wが加熱されるステップと、工程ガスと基板Wの表面が反応し、工程ガスが排気されるステップと、プラズマが形成され、エッチング工程が行われるステップとを含む一連の過程を、thermal ALE工程の1サイクル(cycle)と称する。この1サイクルは、thermal ALD工程でも適用可能であり、ALD工程では、ALE工程のエッチングの代わりに、原子層単位で蒸着するステップを含むものに代替することができる。
【0081】
図3は、本発明の一実施例に係るパルスレーザを用いて基板が加熱される状態を示す概略的なグラフである。図4は、IRランプ及びレーザを用いた場合に、基板が加熱される状態を示す概略的な図である。
【0082】
工程ガスが基板Wの表面で反応できるように、基板Wは、約300~400℃に加熱することができる。レーザユニット600では、パルスレーザLを基板W上に照射することができる。パルスレーザLは、数kW~数十kW級のパワーを有するので、パルスのたびに基板Wの表面全体が加熱され得る。
【0083】
図3を参照すると、約10msのパルス幅を有するパルスレーザLが基板Wを加熱する状態が示されている。基板Wは、パルスレーザLが照射される間に急激に温度が上昇する。レーザLが照射される1パルスの間には急激に温度が上昇するが、次のパルスまでの空き時間にはクーリングが発生し、急激に温度が下降する。パルスを繰り返しながらレーザLが照射され、基板Wは、急激に温度上昇、急激に温度下降を繰り返しながら、次第に全体的な温度が上昇することができる。
【0084】
図4を参照すると、IRランプを用いて基板を加熱する場合、熱エネルギーが連続的に伝達されるため、基板はゆっくり昇温する。また、基板はゆっくりクーリングされ得る。基板の温度上昇及び下降時間が長くなるため、ALE、ALD工程を行う際に、全体的な工程時間が長くなるという欠点が生じる。そのため、本発明は、パルスレーザLを用いて基板を加熱する。パルスレーザLを用いると、短時間内に基板の温度を上昇させて、工程時間を短縮させ、装置の熱による損傷を最小化することができる利点がある。
【0085】
図5は、本発明の一実施例に係る複数の基板処理装置50にレーザを分配することを示す概略的な図である。図6乃至図8は、本発明の様々な実施例に係る複数の基板処理装置にレーザを分配する形態を示す概略的な図である。
【0086】
図5及び図6を参照すると、それぞれの基板処理装置50(50a~50f)のレーザユニット600は、パルスレーザL1~L6を基板W上に照射することができる。一例として、6個の基板処理装置50において、1番目の基板処理装置50aにはパルスレーザL1、2番目の基板処理装置50bにはパルスレーザL2、3番目の基板処理装置50cにはパルスレーザL3などを基板W上に照射することができる。このとき、一つのレーザ生成部40から複数の基板処理装置50a~50fにレーザL1~L6をそれぞれ照射することができる。
【0087】
数kW~数十kW級のパワーを有するレーザを生成するレーザ生成部40は、装備が非常に高価であるため、それぞれの基板処理装置50a~50f毎にレーザ生成部40を一対一で設置することは費用上不利であるという問題がある。したがって、本発明は、一つまたは少ない数のレーザ生成部40を用いて、レーザ生成部40の個数よりも多い個数の複数の基板処理装置50にレーザを提供することを特徴とする。レーザ生成部40から生成されたレーザは、レーザ分配ユニット45(45a,45b,45c)によって分配され、時間差を置いてそれぞれの基板処理装置50a~50fに伝達され得る。
【0088】
レーザ生成部40から生成されて基板Wに照射されるパルスレーザは、thermal ALE工程またはthermal ALD工程の1サイクルの間の時間tcよりも非常に短い。一実施例によれば、thermal ALE工程またはthermal ALD工程の1サイクルの間の時間tcは、約5秒~60秒である。また、パルスレーザのパルス周期は、約1ナノ秒(nanosecond)~100ミリ秒(millisecond)に該当する。図5のグラフにおいて、パルスレーザL1~L6の棒と棒との間が約1ns~100msに該当する。結局、一つの基板処理装置50にパルスレーザが照射される時間が、全工程の1サイクルの間の時間tcに比べて非常に短いので、レーザ生成部40から生成されるパルスレーザを時間的に共有することができる。
【0089】
他の観点において、(一つの基板処理装置50aにパルスレーザL1が照射される時間)×(基板処理装置50a~50fの数)よりも1サイクルの間の時間tcがさらに長くなり得る。
【0090】
レーザ生成部40から生成されたパルスレーザL1は、まず、第1基板処理装置50aに提供され得る。そして、所定時間後にレーザ生成部40から生成されたパルスレーザL2は、第2基板処理装置50bに提供され得る。この過程を繰り返して6個の基板処理装置50a~50fに順次にパルスレーザL1~L6が提供され得る。パルスレーザL1~L6の照射時間及び周期は非常に短いので、工程の1サイクルにはほとんど影響を与えなくなる。
【0091】
一実施例によれば、それぞれのパルスレーザL1~L6のパルス幅(pulse width)は同一であることが好ましい。または、それぞれのパルスレーザL1~L6のパルス周期は同一であることが好ましい。そうしてこそ、それぞれのパルスレーザL1~L6がレーザ生成部40から順次に生成されて、重ならずにそれぞれの基板処理装置50a~50fに照射され得る。但し、それぞれの基板処理装置50a~50fに時間差を置いて順次にパルスレーザL1~L6が照射され得る範囲内であれば、必ずしもパルス幅、パルス周期が同一でなくてもよい。また、図5には、それぞれの基板処理装置50a~50f毎に1パルスずつのレーザを照射することが例示されるが、1サイクルの間の時間tc内に全ての基板処理装置50a~50fにレーザを分配することができれば、一つの基板処理装置当たり複数パルスずつ順次に照射することも可能である。
【0092】
好ましくは、それぞれのパルスレーザL1~L6は、同一のパルス幅及びパルス周期を有することができる。また、好ましくは、それぞれの基板処理装置50a~50fで行われるALE、ALD工程の1サイクルの開始時間はシフト(shifting)されて進行され得る。例えば、第1基板処理装置50aの1サイクルの開始時間よりも第2基板処理装置50bの1サイクルの開始時間が、第1パルスレーザL1と第2パルスレーザL2の照射時間の差に対応することができる。レーザ生成部40が生成する第1パルスレーザL1と第2パルスレーザL2の照射時間の差、すなわち、パルス間の時間は、第1及び第2パルスレーザL1,L2の予め設定されたパワー内で最短周期であり得る。
【0093】
再び図6を参照すると、一つのレーザ生成部40からレーザ分配ユニット45(45a~45c)によって6個の基板処理装置50a~50fにそれぞれパルスレーザL1~L6が分配されることが例示される。レーザ分配ユニット45は、一つまたは複数個であってもよい。
【0094】
レーザ生成部40に光ファイバーで接続された第1レーザ分配ユニット45aは、伝達されたレーザを第2レーザ分配ユニット45bまたは第3レーザ分配ユニット45cに伝送することができる。第2レーザ分配ユニット45bに先にレーザを伝送する場合、第2レーザ分配ユニット45bは、再び第1基板処理装置50a、第2基板処理装置50b、第3基板処理装置50cの順にパルスレーザL1,L2,L3を1パルスずつ(又は複数パルスずつ)伝送することができる。次いで、第1レーザ分配ユニット45aは、第3レーザ分配ユニット45cにレーザを伝送し、第3レーザ分配ユニット45cは、再び第4基板処理装置50d、第5基板処理装置50e、第6基板処理装置50fの順にパルスレーザL4,L5,L6を1パルスずつ(又は複数パルスずつ)伝送することができる。それぞれの基板処理装置50a~50f内では、パルスレーザL1~L6を時間差を置いて伝送を受け、ALE、ALD工程のサイクルが行われ得る。
【0095】
図7を参照すると、他の実施例として、レーザ生成部40内にレーザ分配ユニット41が含まれてもよい。レーザ生成部40で生成されたレーザは、直ぐにレーザ分配ユニット41によって時間差を置いて第1レーザ分配ユニット45aと第2レーザ分配ユニット45bに分配され得る。第1レーザ分配ユニット45a、第2レーザ分配ユニット45bに分配されたレーザがそれぞれの基板処理装置50a~50fに分配される過程は、図6で詳述したものと同一である。
【0096】
レーザ生成部40は、全ての基板処理装置50に対してレーザを分配せずに、複数の基板処理装置50のうちの少なくとも2つの基板処理装置50にレーザを分配することもできる。一部の基板処理装置50にメンテナンスが行われたり、別個の工程が行われる必要があれば、レーザ生成部40は、残りの基板処理装置50にのみレーザを分配することができる。
【0097】
図8を参照すると、更に他の実施例として、2つのレーザ生成部40(40a,40b)を含み、12個の基板処理装置50a~50lを含む基板処理設備10が例示される。2つのレーザ生成部40(40a,40b)は、レーザを分配する対象となる基板処理装置50(50a~50l)が互いに異なってもよく、または重複してもよい。図8は、レーザ生成部40(40a,40b)がそれぞれ6個の基板処理装置50にレーザを分配することを例示する。2つ以上のレーザ生成部40(40a,40b)が備えられた場合、いずれか1つのレーザ生成部40に異常が発生しても、残りのレーザ生成部40を用いてALE、ALD工程を進行できるので、工程の安定性が向上するという利点がある。
【0098】
一例として、第1レーザ生成部40aは、第1レーザ分配ユニット45aを用いて第1~第6基板処理装置50a~50fにパルスレーザL1~L6を時間差を置いて分配することができる。他の例として、第2レーザ生成部40bは、第2~第4レーザ分配ユニット45b~45dを用いて第7~第12基板処理装置50g~50lにパルスレーザL7~L12を時間差を置いて分配することができる。
【0099】
図9及び図10は、本発明の様々な実施例に係るレーザ分配ユニット45の内部構成を示す概略的な図である。
【0100】
図9を参照すると、レーザ分配ユニット45は、モジュールハウジング46及び分配部材47(47a)を含むことができる。これに加えて、遮蔽部材48(48a,48b)をさらに含むことができる。
【0101】
モジュールハウジング46は、レーザ分配ユニット45のボディーであって、他の構成要素が収容される空間を提供する。モジュールハウジング46は、入射部42及び供給部601,602と連結され得る。
【0102】
入射部42は、レーザ生成部40で生成された入射レーザLAがレーザ分配ユニット45に伝達されるように経路を提供する。入射部42は、光ファイバーを含むように提供され得る。供給部601,602は、レーザ分配ユニット45で分配されたパルスレーザL1,L2が、各基板処理装置50(50a,50b)のレーザユニット600を介して工程チャンバ100内に照射されるようにすることができる。供給部601,602は、レーザ分配ユニット45に連結される基板処理装置50(50a,50b)の数と同一に提供され得る。供給部601,602も、入射部42と同様に光ファイバーを含むように提供され得る。
【0103】
分配部材47(47a)は、分配部材47(47a)に向かって入射したレーザLAが第1経路または第2経路に進行するようにすることができる。第1経路は供給部601に対応し、第2経路は供給部602に対応することができる。レーザ分配ユニット45にN個の供給部601,602が連結されるとき、分配部材47(47a)はN-1個が提供され得る。分配部材47(47a)は、入射部42を介してレーザ分配ユニット45に供給された入射レーザLAの移動経路上に位置することができる。分配部材47(47a)は、入射レーザLAを、第1供給部601に向かう第1経路、または第2供給部602に向かう第2経路に進行するように分配することができる。
【0104】
分配部材47(47a)は、入射レーザLAを第1経路または第2経路に全部反射するミラーとして提供され得る。基板Wの加熱のために、レーザ生成部40は、数kW~数十kW級のパワーを有する入射レーザLAを生成しなければならない。これによって、入射レーザLAは、全部が反射されて一つの基板処理装置50に供給されることが好ましい。入射レーザLAは、第1経路に分配されて第1パルスレーザL1として第1基板処理装置50aに伝達されるか、または第2経路に分配されて第2パルスレーザL2として第2基板処理装置50bに伝達され得る。
【0105】
一方、レーザ生成部40が数百kW級のパワーを有するレーザまで生成可能であれば、分配部材47は、入射レーザLAを一定の比率で分けて第1供給部601、第2供給部602に提供することもできる。
【0106】
分配部材47(47a)で反射された第1パルスレーザL1は第1供給部601に進行するように提供される。第1パルスレーザL1の進行方向には、分配部材47(47a)と第1供給部601との間に位置するように第1遮蔽部材48(48a)が提供され得る。第1遮蔽部材48(48a)は、第1パルスレーザL1の移動方向の外側に移動可能に提供されることで、第1パルスレーザL1が第1供給部601を介して基板処理装置50aに進行または遮断されるようにすることができる。一例として、第1遮蔽部材48(48a)は、第1パルスレーザL1を反射または屈折させる形態で第1パルスレーザL1の移動方向を変更するレンズの形態で提供され、第1遮蔽部材48(48a)によって移動方向が変更された第1パルスレーザL1の移動方向には第1ダンプD1が位置して、第1パルスレーザL1を吸収する形態で提供され得る。
【0107】
選択的に、第1パルスレーザL1の移動経路上には第1減衰器49(49a)が位置してもよい。第1減衰器49(49a)は、第1パルスレーザL1を設定の割合で減衰させた後、第1供給部601に進行するようにすることができる。
【0108】
分配部材47(47a)が入射レーザLAを反射しないで第1供給部601に分配しない場合、入射レーザLAは第2供給部602に進行するように提供される。第2パルスレーザL2の進行方向には、分配部材47(47a)と第2供給部602との間に位置するように第2遮蔽部材48(48b)が提供され得る。第2遮蔽部材48(48b)は、第2パルスレーザL2の移動方向の外側に移動可能に提供されることで、第2パルスレーザL2が第2供給部602を介して基板処理装置50bに進行または遮断されるようにすることができる。一例として、第2遮蔽部材48(48b)は、第2パルスレーザL2を反射または屈折させる形態で第2パルスレーザL2の移動方向を変更するレンズの形態で提供され、第2遮蔽部材48(48b)によって移動方向が変更された第2パルスレーザL2の移動方向には第2ダンプD2が位置して、第2パルスレーザL2を吸収する形態で提供され得る。
【0109】
選択的に、第2パルスレーザL2の移動経路上には第2減衰器49(49b)が位置してもよい。第2減衰器49(49b)は、第2パルスレーザL2を設定の割合で減衰させた後、第2供給部602に進行するようにすることができる。
【0110】
図10を参照すると、他の実施例のレーザ分配ユニット45は、複数の分配部材47(47a,47b)を含むことができる。複数の分配部材47(47a,47b)によって、入射したレーザLAが第1経路、第2経路または第3経路に進行するようにすることができる。第1経路は第1供給部601に対応し、第2経路は第2供給部602に対応し、第3経路は第3供給部603に対応することができる。
【0111】
第1分配部材47aは、入射レーザLAを、第1供給部601に向かう第1経路、または第3供給部603に向かう第2経路に進行するように分配することができる。第1分配部材47aが入射レーザLAを反射しないで第1供給部601に分配しない場合、入射レーザLAは第2分配部材47bに進行する。第2分配部材47bは、入射レーザLAを、第2供給部602に向かう第3経路、または第3供給部603に向かう第2経路に進行するように分配することができる。
【0112】
選択的に、第1、第2、第3パルスレーザL1,L2,L3の移動経路上には第1、第2、第3遮蔽部材48(48a,48b,48c)、第1、第2、第3ダンプD1,D2,D3、第1、第2、第3減衰器49(49a,49b,49c)が位置してもよい。これは、図9で詳述した内容と同一である。
【0113】
図11は、本発明の他の実施例に係る複数のパルスレーザを用いて基板を加熱できるようにレーザを分配する形態を示す概略的な図である。図12は、本発明の他の実施例に係る複数のパルスレーザを用いて基板を加熱することを示す概略的な図である。
【0114】
図4で詳述したように、本発明は、パルスレーザLを用いて基板を加熱する。パルスレーザLを用いると、短時間内に基板の温度を上昇させて、工程時間を短縮させ、装置の熱による損傷を最小化することができる利点がある。反面、図3のように、パルス間の空き時間の間に基板の温度が急激に下降するため、加熱効率が高くないという欠点がある。
【0115】
レーザ生成部40は、数kW~数十kW級の高エネルギーを有するパルスレーザLを生成するため、そのパルスの周期を短くするのに限界があるしかない。一例として、レーザ生成部40は、パルス幅(pulse width)10ms、パルス周期10Hz、60Jエネルギーを有するパルスレーザLを生成する。パルスとパルスとの間の空き時間が約0.1秒程度と長いため、その間に基板がクーリングされ得る。
【0116】
したがって、本発明の他の実施例によれば、パルスレーザLのパルスとパルスとの間の空き時間を減らし、基板がクーリングされる時間を短縮することによって、基板の加熱の効率性を高めることができる。
【0117】
基板処理設備は、複数のレーザ生成部40(40-1,40-2)を含むことができる。図11及び図12は、一つの基板処理装置50当たり2つのパルスレーザL1-1,L1-2を用いて基板を加熱することを示す。図11を参照すると、基板処理設備10は2つのレーザ生成部40-1,40-2を含み、6個の基板処理装置50a~50fは、2つのレーザ生成部40-1,40-2から、それぞれパルスレーザL1-1,L1-2,L2-1,L2-2,...,L6-1,L6-2が提供され得る。レーザ生成部40-1,40-2は、それぞれレーザ分配ユニット(45a-1,45b-1,45c-1)(45a-2,45b-2,45c-2)を含むことができる。
【0118】
図12を参照すると、2つのレーザ生成部40-1,40-2は、一つの基板処理装置50aにそれぞれ一つずつのパルスレーザL1-1,L1-2を照射することができる。基板Wは、計2つのパルスレーザL1-1,L1-2を受けて加熱され得る。それぞれのレーザ生成部40-1,40-2が生成するパルスレーザ(L1-1,L2-1,L3-1)(L1-2,L2-2,L3-2)は、1パルスの間に高エネルギー(又は最大エネルギー)のレーザを照射した後、次のパルスまでの時間間隔t1,t2を有する。本明細書では、それぞれのレーザ生成部40-1,40-2で生成される第1パルスレーザ(L1-1)(L1-2)が最初に照射するパルスを第1パルス領域、次に照射するパルスを第2パルス領域、第1パルス領域の開始から第2パルス領域の開始までの間隔をt1,t2と称する。
【0119】
一つのレーザ生成部40-1で生成する一つのパルスレーザL1-1,L2-1は、数kW~数十kW級の高エネルギーを有するため、パルスの周期を短くするのに限界が発生する。パルスレーザL1-1,L2-1の第1パルス領域と第2パルス領域との間の時間は、パルスレーザL1-1,L2-1の設定されたパワー内では最も短い周期に対応することができる。パルスレーザL1-2,L2-2の第1パルス領域と第2パルス領域との間の時間は、パルスレーザL1-2,L2-2の設定されたパワー内では最も短い周期に対応することができる。すなわち、t1,t2は、これ以上短縮することが難しくなり得る。
【0120】
したがって、本発明は、少なくとも2つのパルスレーザL1-1,L1-2を基板W上に照射するが、それぞれのパルスレーザL1-1,L1-2が交互にパルス領域の間に照射することを特徴とする。言い換えると、一つの基板処理装置50aを基準として、第1レーザ生成部40-1で生成された第1パルスレーザL1-1が最初にパルスを照射した後、2番目のパルスを照射する前に、第2レーザ生成部40-2で生成された第1パルスレーザL1-2が最初にパルスを照射することができる。
【0121】
一例として、第1基板処理装置50aに第1レーザ生成部40-1で生成された第1パルスレーザL1-1の第1パルス領域→第2レーザ生成部40-2で生成された第1パルスレーザL1-2の第1パルス領域→第1レーザ生成部40-1で生成された第1パルスレーザL1-1の第2パルス領域→第2レーザ生成部40-2で生成された第1パルスレーザL1-2の第2パルス領域などの順にパルスレーザL1-1,L1-2を照射することができる。追加例として、第2基板処理装置50bに第1レーザ生成部40-1で生成された第1パルスレーザL2-1の第1パルス領域→第2レーザ生成部40-2で生成された第1パルスレーザL2-2の第1パルス領域→第1レーザ生成部40-1で生成された第1パルスレーザL2-1の第2パルス領域→第2レーザ生成部40-2で生成された第1パルスレーザL2-2の第2パルス領域などの順にパルスレーザL2-1,L2-2を照射することができる。
【0122】
前記のように、2つのレーザソースを介した2つのパルスレーザL1-1,L1-2が一つの基板処理装置50を対象としてシリアル(serial)にパルスを照射するので、基板Wが第1レーザ生成部40-1のパルスレーザL1-1によって加熱された後、クーリングされる前に再び第2レーザ生成部40-2のパルスレーザL1-2によって加熱され得る。これによって、パルスレーザL1-1,L1-2を介した効率的な加熱が可能であるという利点がある。また、2つ以上のレーザ生成部40(40-1,40-2)が備えられた場合、いずれか1つのレーザ生成部40に異常が発生しても、残りのレーザ生成部40を用いてALE、ALD工程を進行できるので、工程の安定性が向上するという利点がある。図11及び図12には、2つのレーザ生成部40-1,40-2を例示したが、2つよりも多い数のレーザ生成部40を用いて、基板処理装置50毎にシリアルにパルスを照射することもできる。
【0123】
このように、本発明の基板処理モジュール10は、レーザ生成部40で生成したレーザを複数の基板処理装置50に時間差を置いて分配することによって、高価のレーザ装備を効率的に使用することができる効果がある。また、複数のパルスレーザをシリアルに照射することによって、基板を加熱する過程でクーリングを減少させ、効率的に基板を加熱することができる効果がある。
【0124】
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0125】
10 基板処理設備
40 レーザ生成部
45 レーザ分配ユニット
50 基板処理装置
100 工程チャンバ
200 支持ユニット
300 ガス供給ユニット
400 プラズマソース
500 バッフルユニット
600 レーザユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12