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特開2024-73543資産を監査するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073543
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】資産を監査するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/04 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
B61L23/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024038841
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2022520790の分割
【原出願日】2020-09-14
(31)【優先権主張番号】16/654,682
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505220284
【氏名又は名称】ビーエヌエスエフ レイルウェイ カンパニー
【住所又は居所原語表記】2500 Lou Menk Drive, Fort Worth, Texas 76131 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ディビス、 フィリップ、 ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】スプリンガー、 ロス、 アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー、 デビン、 スコット
(72)【発明者】
【氏名】フォード、 ヤコブ、 スコット
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鉄道上又はその近くで手動測定を行うことなく、空間モデルの資産154を検証し、資産検証の安全性と効率性を向上させるシステムを提供する。
【解決手段】鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータから資産154を抽出するステップと、資産を空間モデル156aに重ね合わせるステップとを含む。また、鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示158を受信するステップと、鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップに応答して空間モデル156bを修正するステップとを含む。鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータ152bを受信するステップと、第2のLiDARデータを修正された空間モデル156cとを比較するステップとをさらに含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた前記第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、
前記資産を空間モデルに重ね合わせるステップと、
前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、
前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答してレポートを生成するステップをさらに含み、
前記レポートは、
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置と前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置との間の異常、及び
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置が前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置と一致することの確認、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示は、
前記資産を表す物理的オブジェクトが前記鉄道環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したこと、
前記資産を表す前記物理的オブジェクトが前記鉄道環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたこと、及び
新しい物理的オブジェクトが前記鉄道環境に追加される又は追加されたこと、
のうちの1つを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のLiDARデータ及び前記第2のLiDARデータは、LiDAR車両を使用してキャプチャされ、前記LiDAR車両は、1つ以上の走査及び画像センサを含み、
前記第1のLiDARデータは、第1の360度の画像を示し、
前記第2のLiDARデータは、第2の360度の画像を示し、
前記第1の360度の画像及び前記第2の360度の画像は、各々前記鉄道環境内の鉄道線路の中心線の各側の約600フィートを示す範囲を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記資産は、ポジティブトレインコントロール(PTC)の重要資産であり、
前記資産は、
列車制御信号、
スイッチポイント、
平面交差、
距離標識、
速度標識、及び
車両接触限界、
の物理的オブジェクトのうちの1つを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記空間モデルは、地理情報システム(GIS)データベースに格納され、
前記空間モデルは、
ベクタデータ、及び
ラスタデータ、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答して、PTCコンプライアンスのための前記鉄道環境を監査するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサと命令を格納するメモリとを含むシステムであって、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサが、
鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、
鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、
前記資産を空間モデルに重ね合わせるステップと、
前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、
前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップと、
を含む動作を行うシステム。
【請求項9】
前記動作は、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答してレポートを生成するステップをさらに含み、
前記レポートは、
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置と前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置との間の異常、及び
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置が前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置と一致することの確認、
のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられたフィールド表示は、
前記資産を表す物理的オブジェクトが前記鉄道環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したこと、
前記資産を表す前記物理的オブジェクトが前記鉄道環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたこと、及び
新しい物理的オブジェクトが前記鉄道環境に追加される又は追加されたこと、
のうちの1つを示す、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のLiDARデータ及び前記第2のLiDARデータは、1つ以上の走査及び画像センサを含むLiDAR車両を使用してキャプチャされ、
前記第1のLiDARデータは、第1の360度の画像を示し、
前記第2のLiDARデータは、第2の360度の画像を示し、
前記第1の360度の画像及び前記第2の360度の画像は、各々前記鉄道環境内の鉄道線路の中心線の各側の約600フィートを表す範囲を有する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記資産は、ポジティブトレインコントロール(PTC)の重要資産であり、
前記資産は、
列車制御信号、
スイッチポイント、
平面交差、
距離標識、
速度標識、及び
車両接触限界、
の物理的オブジェクトのうちの1つを示す、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記空間モデルは、地理情報システム(GIS)データベースに格納され、
前記空間モデルは、
ベクタデータ、及び
ラスタデータ、
のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作は、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデル、PTCコンプライアンスのための前記鉄道環境と比較するステップに対する応答で監査するステップをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
命令を具体化する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記命令は、プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサが、
鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた前記第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、
前記資産を空間モデルに重ね合わせるステップと、
前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、
前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップと、
を含む動作を行うようにする、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記動作は、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答してレポートを生成するステップをさらに含み、
前記レポートは、
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置と前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置との間の異常、及び
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置が前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置と一致することの確認、
のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示は、
前記資産を表す物理的オブジェクトが前記鉄道環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したこと、
前記資産を表す前記物理的オブジェクトが前記鉄道環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたこと、及び
新しい物理的オブジェクトが前記鉄道環境に追加される又は追加されたこと、
のうちの1つを表す、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第1のLiDARデータ及び前記第2のLiDARデータは、1つ以上の走査及び画像センサを含むLiDAR車両を使用してキャプチャされ、
前記第1のLiDARデータは、第1の360度の画像を示し、
前記第2のLiDARデータは、第2の360度の画像を示し、
前記第1の360度の画像及び前記第2の360度の画像は、各々前記鉄道環境内の鉄道線路の中心線の各側の約600フィートを示す範囲を有する、
請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記資産は、ポジティブトレインコントロール(PTC)重要資産であり、
前記資産は、
列車制御信号、
スイッチポイント、
平面交差、
距離標識、
速度標識、及び
車両接触限界、
の物理的オブジェクトのうちの1つを示す、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記空間モデルは、地理情報システム(GIS)データベースに格納され、
前記空間モデルは、
ベクタデータ、及び
ラスタデータ、
のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に資産の監査に関し、より具体的には資産を監査するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポジティブトレインコントロール(PTC;Positive train control)は、列車関連事故を予防するために使用される通信ベースの列車制御システムである。PTCは、鉄道線路データを監査することにより、鉄道交通の安全を向上させる。しかし、PTCシステムで使用されるトラックデータは、鉄道に関連付けられた資産の実際の位置を誤って表示する可能性があり、PTCシステムの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、方法は、鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(Light Detection and Ranging)データを受信するステップと、前記鉄道環境に関連付けられた前記第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、前記資産を空間モデルに重ね合わせるステップとを含む。前記方法はまた、前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップとを含む。前記方法は、前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップとをさらに含む。
【0004】
別の実施形態によれば、システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ以上のプロセッサに鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータを受信するステップ、鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータから資産を抽出するステップ、及び資産を空間モデルに重ね合わせるステップを含む動作を行わせる命令を格納するメモリとを含む。動作はまた、鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップに応答して空間モデルを修正するステップとを含む。動作は、鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップとをさらに含む。
【0005】
また別の実施形態によれば、命令を具体化する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサが、鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータを受信するステップと、鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータで資産を抽出するステップと、資産を空間モデルに重ね合わせるステップとを含む動作を行うようにする。
【0006】
動作はまた、鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップに応答して空間モデルを修正するステップとを含む。動作は、鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップとをさらに含む。
【0007】
本開示内容の特定の実施形態の技術的利点は、以下のうちの1つ以上を含み得る。本明細書に記載された特定のシステム及び方法は、鉄道上又はその近くで手動によって測定をすることなく、PTCの重要資産(critical asset)を識別及び検証し、これにより、資産を識別及び検証の安全性と効率性を向上させる。本明細書に記載された特定システム及び方法は、PTCの重要資産を識別及び検証するためにLiDARを活用し、これにより、資産の識別及び検証の精度が向上する。
【0008】
他の技術的利点は、以下の図、説明、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、特定の利点が上に列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点の全部又は一部を含んでもよく、全く含まないこともあり得る。
【0009】
本開示内容の理解を助けるために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】資産を監査するための例示的なシステムを示す。
図2】資産を監査するための別の例示的なシステムを示す。
図3】資産を監査するための例示的な方法を示す。
図4】監査モジュールによって生成された出力の例を示す。
図5】本明細書に記載のシステム及び方法によって使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の特定の実施形態は、異なる時間にキャプチャされたデータ(例えば、LiDARデータ及びフィールドデータ)を比較することによって資産を監査するためのシステム及び方法を含む。資産は、PTCコンプライアンスについて監査される、鉄道環境に関連付けられたPTCの重要資産であり得る。
【0012】
図1図5は、資産を監査するための例示的なシステム及び方法を示す。図1は、資産を監査するための例示的なシステムを示し、図2は、資産を監査するための別の例示的なシステムを示す。図3は、資産を監査するための例示的な方法を示す。図4は、監査モジュールによって生成された出力の例を示す。図5は、本明細書に記載のシステム及び方法によって使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す。
【0013】
図1は、資産を監査するための例示的なシステム100を示す。図1のシステム100は、ネットワーク110、監査モジュール(auditing module)120、LiDAR車両(Lidar vehicle)170、及び観察者(observer)180を含む。システム100又はその一部は、企業、会社(例えば、鉄道会社、運送会社など)のような任意のエンティティ、又は資産を監査する政府機関(例えば、運輸局、公安局など)を含んでもよく、エンティティと関連付けてもよい。システム100の要素は、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの任意の適切な組み合わせを使用して実装され得る。
【0014】
ネットワーク110は、システム100の構成要素間の通信を容易にする任意の類型のネットワークであり得る。ネットワーク110は、監査モジュール120をシステム100のLiDAR車両170に接続し得る。本開示は、ネットワーク110が特定の種類のネットワークであることを示しているが、本開示は、任意の適切なネットワークを企図する。ネットワーク110の1つ以上の部分は、アドホックネットワーク、イントラネット、エクストラネット、仮想私設通信網(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、広域ネットワーク(WAN)、無線WAN(WWAN)、大都市圏ネットワーク(MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(PSTN)の一部、携帯電話網、3Gネットワーク、4Gネットワーク、5Gネットワーク、LTE(Long Term Evolution)セルラ通信網、これらの2つ以上の組み合わせ、又はその他の適切なタイプのネットワークを含み得る。ネットワーク110の1つ以上の部分は、1つ以上のアクセス(例えば、モバイルアクセス)、コア、及び/又はエッジネットワークを含み得る。ネットワーク110は、プライベートネットワーク、パブリックネットワーク、インターネットを介した接続、モバイルネットワーク、WI-FIネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワークなどの任意の通信ネットワークであり得る。ネットワーク110は、クラウドコンピューティング機能を含み得る。システム100の1つ以上の構成要素は、ネットワーク110を介して通信してもよい。例えば、監査モジュール120は、LiDAR車両170から情報を受信するステップを含み、ネットワーク110を介して通信してもよい。
【0015】
システム100の監査モジュール120は、資産154を監査するために使用され得る任意の適切なコンピューティング構成要素を表す。監査モジュール120は、ネットワーク110を介してLiDAR車両170に通信可能に結合され得る。監査モジュール120は、インタフェース122、メモリ124、及びプロセッサ126を含む。
【0016】
監査モジュール120のインタフェース122は、ネットワーク110から情報を受信し、ネットワーク110を介して情報を送信し、情報の適切な処理を実行して、図1のシステム100の他の構成要素(例えば、LiDAR車両170の構成要素)又は上述した任意の組み合わせと通信することができる任意の適切なコンピュータ要素を表す。インタフェース122は、プロトコル変換及びデータ処理能力を含むハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含む実際の又は仮想の任意のポート又は接続を示し、これは、図1のシステム100がシステム100の構成要素で情報の交換を可能にするLAN、WAN、又は他の通信システムを介して通信する。
【0017】
監査モジュール120のメモリ124は、システムソフトウェア、制御ソフトウェア、監査モジュール120のための他のソフトウェア、及び様々なその他の情報だけでなく、受信及び送信された情報を永久的及び/又は一時的に格納する。メモリ124は、プロセッサ126による実行のための情報を格納し得る。メモリ124は、情報を格納するのに適した揮発性又は不揮発性ローカル又はリモートデバイスのいずれか1つ又はこれらの組み合わせを含む。メモリ124は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気記憶装置、光学記憶装置、又は、任意の他の適切な情報記憶装置、若しくはこれらの装置の組み合わせを含み得る。メモリ124は、監査モジュール120の動作で使用するための任意の適切な情報を含み得る。さらに、メモリ124は、監査モジュール120の外部(又は部分的に外部)の構成要素であり得る。メモリ124は、メモリ124が監査モジュール120と通信するのに適した任意の位置に配置され得る。図1の示した実施形態では、監査モジュール120のメモリ124は、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン(model modification engine)132、比較エンジン134、レポートエンジン(reporting engine)136、及びデータベース150を格納する。特定の実施形態では、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、レポートエンジン136、及び/又はデータベース150は、メモリ124及び/又は監査モジュール120の外部であってもよい。
【0018】
監査モジュール120のデータ収集エンジン130は、システム100の1つ以上の構成要素からデータを収集するアプリケーションである。データ収集エンジン130は、LiDAR車両170からデータを収集してもよい。例えば、データ収集エンジン130は、ネットワーク110を介してLiDAR車両170の1つ以上の構成要素からLiDARデータ152(例えば、デジタル画像)及び/又はGPSデータを収集してもよい。データ収集エンジン130は、観察者180からデータを収集してもよい。例えば、データ収集エンジン130は、観察者180に関連付けられたユーザ装置(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなど)から1つ以上のフィールド表示158を収集してもよい。
【0019】
データ収集エンジン130は、空間モデル156を生成するために、1つ以上のプログラムを使用し得る。例えば、データ収集エンジン130は、空間モデル156を生成するために、地理情報システム(GIS)及び/又はLiDAR可視化ソフトウェアを使用してもよい。
【0020】
GISは、様々な類型のデータを統合する。例えば、GISは、空間位置を分析し、マップ、二次元(2D)シーン、及び/又は三次元(3D)シーンを使用して、情報のレイヤーを空間モデル156に編成してもよい。2Dシーンは、LiDAR点群データ(point cloud data)から生成された正射画像を含んでもよい。LiDAR可視化ソフトウェア(LiDAR visualization software)は、LiDARデータ152を読み取って解釈するために、データ収集エンジン130によって使用され得る。データ収集エンジン130は、LiDARデータ152、GPSデータ、1つ以上のフィールド表示158、1つ以上の画像(例えば、LiDAR画像)、1つ以上の点群、任意の他の適切なデータ、又は以前の任意の適切な組み合わせを使用して空間モデル156を生成し得る。データ収集エンジン130は、LiDARデータ152から1つ以上の資産154を抽出し得る。データ収集エンジン130は、資産154を空間モデル156に重ね合わせることができる。
【0021】
データ収集エンジン130は、機械学習を使用して、資産154を知能的かつ自動的に識別し得る。特定の実施形態では、データ収集エンジン130は、LiDARデータ152から資産154を抽出するために、機械学習を使用してもよい。1つ以上の機械学習アルゴリズムは、LiDARデータ152によってキャプチャされた環境内の資産154の存在、位置、及び/又は他の特性を監査するために資産154を識別して資産154をデータベースと比較してもよい。
【0022】
監査モジュール120のモデル修正エンジン132は、空間モデル156を修正するアプリケーションである。モデル修正エンジン132は、1つ以上の条件に応答して空間モデル156を修正し得る。例えば、モデル修正エンジン132は、LiDARデータ152によってキャプチャされた環境が修正される又は修正されたというフィールド表示158を受信するステップに応答して空間モデル156をモデル化してもよい。フィールド表示158は、資産154がLiDARデータ152によってキャプチャされた環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したことを示してもよい。フィールド表示158は、資産154がLiDARデータ152によってキャプチャされた環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたことを示してもよい。フィールド表示158は、資産154がLiDARデータ152によってキャプチャされた環境に追加される又は追加されたことを示してもよい。
【0023】
監査モジュール120の比較エンジン134は、データを比較するアプリケーションである。例えば、空間モデル156は、空間モデル156a-n(ここで、nは、任意の適切な整数を表す)を含んでもよく、比較エンジン134は、時間T1で生成された第1空間モデル156a内のデータを、時間T2で生成された第2空間モデル156b内のデータと比較することができ、ここで時間T2は、時間T1の後の任意の時間である。比較エンジン134は、2つ以上の空間モデル156の比較に基づいて、2つ以上の空間モデル156の間に異常が存在するか否かを判定し得る。例えば、比較エンジン134は、第1空間モデル156a内の資産154の位置が第2空間モデル156b内の資産154の位置と異なると判定してもよい。別の例として、比較エンジン134は、第1空間モデル156a内の資産154が第2空間モデル156b内に存在しないことを判定してもよい。
【0024】
比較エンジン134は、2つ以上の空間モデル156の比較に基づいて、比較された2つ以上の空間モデル156内の情報が同一であることを確認し得る。例えば、比較エンジン134は、第1空間モデル156a内の資産154の位置が第2空間モデル156b内の資産154の位置と一致することを確認してもよい。第1空間モデル156a内の資産154の位置が第2空間モデル156b内の資産154の位置と一致するという比較エンジン134による確認は、所定の公差に基づき得る。例えば、比較エンジン134は、位置が互いに2.2メートル内にあると判定される場合、第1空間モデル156a内の位置が第2空間モデル156b内の資産154の位置と一致することを確認してもよい。
【0025】
監査モジュール120のレポートエンジン136は、1つ以上のレポート160を生成するアプリケーションである。レポートエンジン136は、1つ以上の判定を行う比較エンジン134に応答してレポート160を生成し得る。例えば、レポートエンジン136は、2つ以上の空間モデル156の間に異常が存在すると判定する比較エンジン134に応答してレポート160を生成してもよい。別の例として、レポートエンジン136は、2つ以上のデータセット(例えば、2つ以上の空間モデル156)間の情報が同一であると判定する比較エンジン134に応答してレポート160を生成してもよい。
【0026】
監査モジュール120のデータベース150は、監査モジュール120に対する特定類型の情報を格納し得る。例えば、データベース150は、LiDARデータ152、1つ以上の資産154、1つ以上の空間モデル156、1つ以上のフィールド表示158、及び1つ以上のレポート160を格納してもよい。LiDARデータ152は、LiDARを使用して生成された任意のデータである。LiDARデータ152は、1つ以上のデジタル画像を含み得る。特定の実施形態では、LiDARデータ152のデジタル画像は、鉄道環境内の鉄道線路の中心線(centerline)の各側の約600フィートの範囲を有する360度の画像であってもよい。図1に示した実施形態では、LiDARデータ152は、LiDAR車両170からネットワーク110を介してシステム100の監査モジュール120に通信される。
【0027】
資産154は、環境の物理的オブジェクトを表すLiDARデータ152から抽出されたデータである。例えば、資産154は、鉄道環境内の物理的オブジェクトを表すLiDARデータ152から抽出された画像であってもよい。特定の実施形態では、資産154は、PTCの重要資産であってもよい。PTCは、列車の動きを監視及び制御するための機能要求のシステムである。各資産154は、鉄道環境内の以下の物理的オブジェクトのうちの1つ以上を表すことができる。列車制御信号(例えば、列車の動きを制御する信号)、スイッチポイント、平面交差(crossing at grade)、距離標識(mile post sign)、速度標識(speed sign)、車両接触限界(clearance point)など。
【0028】
空間モデル156は、1つ以上の環境を表す2D及び3Dモデルである。各空間モデル156は、ベクタデータ及び/又はラスタデータを含み得る。空間モデル156のベクタデータは、1つ以上の資産154を離散的な点、線、及び/又は多角形で表すことができる。空間モデル156のラスタデータは、正方形セルの長方行列として1つ以上の資産154を表すことができる。空間モデル156は、GISデータベースに格納され得る。1つ以上の空間モデル156は、LiDARベクタデータ及び/又はLiDARラスタデータを含み得る。1つ以上の空間モデル156は、LiDAR点群データ(LiDAR point cloud data)を含み得る。LiDAR点群データは、ベクタ及び/又はラスタ形式に変換され得る。1つ以上の空間モデル156は、1つ以上の資産154を含み得る。各資産154は、空間モデル156内の位置を有する。空間モデル156内の各資産154は、1つ以上の属性を含み得る。資産属性(Asset attribute)は、資産154に適用できる特性(例えば、品質、状態、バージョンなど)を指定する。
【0029】
フィールド表示158は、環境内の物理的オブジェクトに対する変化の表示である。フィールド表示158は、環境内の物理的オブジェクトに対する予想変化の表示を含み得る。フィールド表示158は、資産154がLiDARデータ152によってキャプチャされた環境内で位置を変更する又は位置を変更したことを示し得る。
【0030】
例えば、フィールド表示158は、速度標識が鉄道環境内で20フィート移動するように予定されていることを示してもよい。別の例として、フィールド表示158は、速度標識が鉄道環境内で20フィート移動したことを示してもよい。フィールド表示158は、資産154がLiDARデータ152によってキャプチャされた環境から除去される又は除去されたことを示し得る。例えば、フィールド表示158は、平面交差が鉄道環境から除去される予定であることを示してもよい。別の例として、フィールド表示158は、平面交差が鉄道環境から除去されたことを示してもよい。フィールド表示158は、資産154がLiDARデータ152によってキャプチャされた環境に追加される又は追加されたことを示し得る。例えば、フィールド表示158は、距離標識が鉄道環境に追加されるように予定されていることを示してもよい。別の例として、フィールド表示158は、距離標識が鉄道環境に追加されたことを示してもよい。
【0031】
レポート160は、監査モジュール120(例えば、比較エンジン134)によって行われた判定に応答して生成された通信である。1つ以上のレポート160は、口頭及び/又は書面による通信であり得る。1つ以上のレポート160は、機械によって電子的に及び/又は人間によって物理的に生成され得る。レポート160は、2つ以上の空間モデル156の間に異常が存在することを示す情報を含み得る。レポート160は、2つ以上の空間モデル156の間の情報が同一であることを確認する情報を含み得る。レポート160は、リスト、チャート、表、図などを含み得る。例えば、レポート160は、監査モジュール120によって生成された監査結果の例を示す図4の表410を含んでもよい。
【0032】
データベース150は、情報を格納するのに適した揮発性又は不揮発性ローカル又はリモートデバイスのいずれか1つ又は組み合わせであり得る。データベース150は、RAM、ROM、磁気記憶装置、光学記憶装置、又は他の任意の適切な情報記憶装置、若しくはこれらの装置の組み合わせを含んでもよい。データベース150は、監査モジュール120外部の構成要素であってもよい。データベース150は、データベース150が監査モジュール120に関する情報を格納するのに適した任意の位置に配置され得る。例えば、データベース150は、クラウド環境に配置されてもよい。
【0033】
監査モジュール120のプロセッサ126は、インタフェース122及びメモリ124から受信するか、又はプロセッサ126によってアクセスされる情報を処理することによって、監査モジュール120の特定の動作を制御する。プロセッサ126は、インタフェース122及びメモリ124に通信可能に結合される。プロセッサ126は、情報を制御及び処理するように動作する任意のハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。プロセッサ126は、プログラマブルロジック装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、任意の適切な制御装置、又はこれらの任意の適切な組み合わせであってもよい。さらに、プロセッサ126は、監査モジュール120の外部の構成要素であってもよい。プロセッサ126は、プロセッサ126が監査モジュール120と通信するのに適した任意の位置に配置されてもよい。監査モジュール120のプロセッサ126は、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、及びレポートエンジン136を制御する。
【0034】
システム100のLiDAR車両170は、LiDARデータ152(例えば、デジタル画像)を収集する車両(例えば、バン、トラック、自動車、鉄道車両など)を示す。LiDAR車両170は、1つ以上の走査及び/又は画像センサを含み得る。センサは、資産154を検出する際の監査モジュール120を容易にする1つ以上の画像(例えば、3D点群)を生成し得る。LiDAR車両170は、GPSデータを収集し得る。LiDAR及びGPSデータは、鉄道環境に対する360度の実世界のビューを生成するのに使用され得る。特定の実施形態では、LiDAR車両は、データ(例えば、LiDARデータ152及び/又はGPSデータ)を監査モジュール120に通信する。
【0035】
システム100の観察者180は、LiDARデータ152によってキャプチャされた環境を観察する任意の人間又は機械である。観察者180は、検査官(例えば、鉄道検査官)、技術者(例えば、鉄道現場技術者又は安全技術者)、通行人(例えば、歩行者、運転者など)、法執行官(例えば、警察官)、カメラ(例えば、ビデオカメラ)などであり得る。観察者180は、WEBアプリケーション(例えば、作業指示アプリケーション)、電話通話、テキストメッセージ、Eメール、レポートなどを介して、監査モジュール120に情報(例えば、フィールド表示158)を通信してもよい。観察者180は、電話(例えば、スマートフォン)、タブレット、ラップトップコンピュータ、又は任意の他の適切な装置を使用して、監査モジュール120に情報を通信してもよい。
【0036】
図1は、ネットワーク110、監査モジュール120、インタフェース122、メモリ124、プロセッサ126、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、レポートエンジン136、データベース150、LiDARデータ152、資産154、空間モデル156、フィールド表示158、レポート160、LiDAR車両170、及び観察者180の特定の配置を示しているが、本開示は、ネットワーク110、監査モジュール120、インタフェース122、メモリ124、プロセッサ126、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、レポートエンジン136、データベース150、LiDARデータ152、資産154、空間モデル156、フィールド表示158、レポート160、LiDAR車両170、及び観察者180の任意の適切な配置を企図する。ネットワーク110、監査モジュール120、インタフェース122、メモリ124、プロセッサ126、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、レポートエンジン136、データベース150、及びLiDAR車両170は、全体的又は部分的に、互いに物理的又は論理的に同じ位置に配置されてもよい。
【0037】
図1は、特定の数のネットワーク110、監査モジュール120、インタフェース122、メモリ124、プロセッサ126、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、レポートエンジン136、データベース150、LiDARデータ152、資産154、空間モデル156、フィールド表示158、レポート160、LiDAR車両170、及び観察者180を示しているが、本開示は、任意の適切な数のネットワーク110、監査モジュール120、インタフェース122、メモリ124、プロセッサ126、データ収集エンジン130、モデル修正エンジン132、比較エンジン134、レポートエンジン136、データベース150、LiDARデータ152、資産154、空間モデル156、フィールド表示158、レポート160、LiDAR車両170、及び観察者180を企図する。監査モジュール120及び/又はLiDAR車両170の1つ以上の構成要素は、図5のコンピュータシステムの1つ以上の構成要素を使用して実装され得る。
【0038】
図1は、資産154を監査するためのシステム100を説明しているが、システム100の1つ以上の構成要素は、他の実装に適用されてもよい。例えば、監査モジュール120の1つ以上の構成要素は、資産の識別及び/又は目録のために使用してもよい。
【0039】
動作中、システム100の監査モジュール120のデータ収集エンジン130は、ネットワーク110を介して時間T1でLiDAR車両170からLiDARデータ152を受信する。LiDARデータ152は、鉄道環境に関連付けられている。データ収集エンジン130は、鉄道環境に関連付けられたLiDARデータ152から資産154を抽出し、資産154を空間モデル156に重ね合わせる。データ収集エンジン130は、時間T2で観察者180(例えば、鉄道現場技術者)から、鉄道環境が修正される又は修正されたというフィールド表示158を受信する。モデル修正エンジン132は、鉄道環境が修正される又は修正されたというフィールド表示158を受信するステップに応答して空間モデル156を修正する。データ収集エンジン130は、時間T3でLiDARデータ152を受信する。時間T3で受信されたLiDARデータ152は、鉄道環境に関連付けられている。比較エンジン134は、時間T3で受信されたLiDARデータ152を修正された空間モデル156と比較する。比較エンジン134は、修正された空間モデル146内の資産154の位置が、時間T3で受信されたLiDARデータ152内の資産154の位置と同一であると判定する。レポートエンジン136は、修正された空間モデル146で資産154の位置が正確であることを確認するレポートを生成する。
【0040】
従って、図1のシステム100は、鉄道上又はその近くで手動測定を行うことなく、空間モデル156の資産154を検証し、資産検証の安全性と効率性を向上させる。
【0041】
図2は、図1の監査モジュール120を使用する資産を監査するための例示的なシステム200を示す。図2のシステム200は、鉄道環境210及び監査モジュール120を含む。鉄道環境210は、1つ以上の鉄道線路220を含む領域である。鉄道環境210は、区域(division)及び/又は小区域(subdivision)に関連付けられてもよい。区域は、監督者の監督下にある鉄道の一部である。小区域は、区域のより小さい部分である。小区域は、乗務区間及び/又は支線であってもよい。図2に示した実施形態では、鉄道環境210は、物理的オブジェクト230を含む。物理的オブジェクト230は、鉄道環境210内の任意の有形の構成要素、例えば、列車制御信号、スイッチポイント、平面交差、距離標識、速度標識、車両接触限界などであり得る。図2に示した実施形態では、物理的オブジェクト230は表示板である。
【0042】
図2のシステム200には、T1、T2、及びT3の3つの時点での鉄道環境210の図が含まれる。図2に示した実施形態の時間T1において、鉄道環境210は、LiDAR車両170を含む。LiDAR車両170は、時間T1でLiDARデータ152aをキャプチャする。時間T1は、LiDAR車両170がLiDARデータ152aをキャプチャするのに必要な時間を表す。LiDAR車両170はLiDARデータ152aをキャプチャするため、時間T1はLiDAR車両170の移動速度によって変わり得る。LiDARデータ152aは、物理的オブジェクト230が時間T1で物理的オブジェクト位置Xにあることを示す。特定の実施形態では、LiDAR車両170は、LiDARデータ152aをシステム200の監査モジュール120に通信する。
【0043】
システム200の監査モジュール120は、LiDARデータ152aから資産154を抽出する。資産154は、時間T1における鉄道環境210の物理的オブジェクト230を表す。次に、監査モジュール120は、空間モデル156aが時間T1における鉄道環境210を表すように、資産154を空間モデル156aに重ね合わせる。特定の実施形態では、監査モジュール120は、空間モデル156aにおいて鉄道線路の中心線222を生成する。監査モジュール120は、LiDARデータ152aから鉄道線路220に対応する1つ以上の資産を抽出し、鉄道線路220に対応する1つ以上の資産を空間モデル156aに重ね合わせて、鉄道線路220に対応する資産に基づいて鉄道線路の中心線222を判定し、及び空間モデル156aに対する鉄道線路の中心線222を生成し得る。特定の実施形態では、鉄道線路の中心線222は、鉄道線路220の2つの外側レールの間の中心にある線である。監査モジュール120は、資産154の位置の基準線として鉄道線路の中心線222を使用し得る。空間モデル156aでは、監査モジュール120は、資産154の位置を、実際の位置から資産位置Xで示すように鉄道線路の中心線222に沿った対応する位置に変換する。
【0044】
図2に示す実施形態の時間T2において、鉄道環境210は、観察者180を含む。観察者180は、時間T2における鉄道環境210の修正を認知する。時間T2は、観察者180が鉄道環境210で修正をキャプチャするのに必要な時間を表す。修正は、鉄道環境210内の物理的オブジェクト230の再配置、鉄道環境210からの物理的オブジェクト230の除去、鉄道環境210への第2物理的オブジェクト230の追加などであり得る。観察者180は、鉄道環境180が監査モジュール120に修正される又は修正されたというフィールド表示158を通信し得る。
【0045】
図2に示す実施形態では、フィールド表示158は、物理的オブジェクト230が物理的オブジェクト位置Xから物理的オブジェクト位置Yに物理的に移動したという観察者180による観察を表す。
【0046】
システム200の監査モジュール120は、観察者180からフィールド表示158を受信する。例えば、システム200の監査モジュール120は、WEBアプリケーション(例えば、作業指示アプリケーション)、Eメール、電話通話、テキストメッセージ、ファックス、レポートなどを介して観察者180からフィールド表示158を受信してもよい。フィールド表示158を受信するステップに応答して、監査モジュール120は空間モデル156bを生成するために空間モデル156aを修正する。例えば、ユーザ(例えば、管理者)は、空間モデル156bに示すように、資産154を資産位置Xから資産位置Yに移動させるために空間モデル156aを編集してもよい。空間モデル156bでは、監査モジュール120は、資産154の位置を、資産位置Yによって示されるように、実際の位置から鉄道線路の中心線222に沿った対応する位置に変換する。
【0047】
図2に示す実施形態の時間T3で、LiDAR車両170は、LiDARデータ152bをキャプチャする。時間T3は、LiDAR車両170がLiDARデータ152bをキャプチャするのに必要な時間を表す。LiDAR車両170がLiDARデータ152bをキャプチャするため、時間T3は、LiDAR車両170の移動速度によって変わり得る。LiDARデータ152bは、物理的オブジェクト230が時間T3で物理的オブジェクト位置Yにあることを示す。特定の実施形態では、LiDAR車両170は、LiDARデータ152bをシステム200の監査モジュール120に通信する。
【0048】
システム200の監査モジュール120は、LiDARデータ152bから資産154を抽出する。資産154は、時間T3における鉄道環境210の物理的オブジェクト230を表す。次に、監査モジュール120は、空間モデル156cが時間T3における鉄道環境210を表すように、資産154を空間モデル156cに重ね合わせる。空間モデル156cでは、監査モジュール120は、資産154の実際の位置を、資産位置Yによって示されるように鉄道線路の中心線222に沿った対応する位置に変換する。次に、監査モジュール120は、空間モデル156cと空間モデル156bとを比較して、鉄道環境210への変化が正確にキャプチャされたことを確認し得る。
【0049】
図2は、システム200の構成要素の特定の配置を説明しているが、本開示は、システム200の構成要素の任意の適切な配置を企図する。図2は、特定の数の監査モジュール120、空間モデル156a,156b,156c、資産154、資産位置X及びY、LiDAR車両170、期間T1、T2、及びT3、物理的オブジェクト230、物理的オブジェクト位置X及びY、鉄道線路220、鉄道線路の中心線222を示しているが、本開示は、任意の適切な数の監査モジュール120、空間モデル156a,156b,156c、資産154、資産位置X及びY、LiDAR車両170、期間T1、T2、及びT3、物理的オブジェクト230、物理的オブジェクト位置X及びY、鉄道線路220、鉄道線路の中心線222を企図する。例えば、図2のシステム200は、複数の物理的オブジェクト230a-n及び多重の資産154a-nを含んでもよく、ここで、nは任意の適切な整数を表す。
【0050】
図3は、資産を監査するための例示的な方法300を示す。方法300は、ステップ305で開始する。ステップ310で、監査モジュール(例えば、図2の監査モジュール120は、LiDAR車両(例えば、図2のLiDAR車両170から鉄道環境(例えば、図2の鉄道環境210)に関連付けられた第1のLiDARデータ(例えば、図2のLiDARデータ152a)を受信する。鉄道環境は、鉄道線路(例えば、図2の鉄道線路220を含む。次に、方法300は、ステップ310からステップ320に移動する。ステップ320で、監査モジュールは、LiDARデータから資産(例えば、図2の資産154)を抽出する。資産は、列車制御信号、スイッチポイント、平面交差、距離標識、速度標識、車両接触限界などの物理的オブジェクト(例えば、図2の物理的オブジェクト230)を示し得る。次に、方法300は、ステップ320からステップ330に移動する。
【0051】
ステップ330において、監査モジュールは、資産を空間モデル(例えば、図2の空間モデル156a)に重ね合わせる。空間モデルにおける資産の位置は、実際の位置から鉄道環境から、鉄道線路の中心線に沿った位置(例えば、図2の鉄道線路の中心線222)に変換され得る。次に、方法300は、ステップ330からステップ340に移動する。
【0052】
ステップ340で、監査モジュールは、鉄道環境が修正される又は修正されたことを示すフィールド表示(例えば、図2のフィールド表示158)が受信された否かを判定する。例えば、監査モジュールは、物理的オブジェクトが第1のLiDARデータによってキャプチャされた鉄道環境内で移動する又は移動したこと、物理的オブジェクトが最初のLiDARデータによってキャプチャされた鉄道環境で除去される又は除去されたこと、又は新しい物理的オブジェクトが第1のLiDARデータによってキャプチャされた鉄道環境に追加される又は追加されたことを示すフィールド表示を受信し得る。監査モジュールが、鉄道環境が修正される又は修正されたことを示すフィールド表示が受信されていないと判定した場合、方法300は、ステップ340からステップ360に進む。監査モジュールが、鉄道環境が修正される又は修正されたことを示すフィールド表示が受信されたと判定した場合、方法300は、ステップ340からステップ350に移動する。
【0053】
ステップ350において、監査モジュールは、フィールド表示に従って空間モデルを修正する。例えば、監査モジュールは、資産の位置を鉄道線路の中心線に沿った位置Xから鉄道線路の中心線に沿った位置Yに移動してもよい。別の例として、監査モジュールは、空間モデルから資産を除去してもよい。また別の例として、監査モジュールは、空間モデルに資産を追加してもよい。空間モデルを修正すると、修正された空間モデル(例えば、図2の空間モデル156b)が生成される。次に、方法300は、ステップ350からステップ360に移動する。
【0054】
ステップ360で、監査モジュールは、鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータ(例えば、図2のLiDARデータ152b)を受信する。第2のLiDARデータは、第1のLiDARデータよりも後にキャプチャされる。例えば、第2のLiDARデータは、第1のLiDARデータがLiDAR車両によってキャプチャされてから、1ヶ月、1年、又は5年後にLiDAR車両によってキャプチャされてもよい。次に、方法300は、ステップ360からステップ370に移動する。ステップ370で、監査モジュールは、第2のLiDARデータを空間モデルと比較する。例えば、監査モジュールは、修正された空間モデル内の資産154の位置を、第2のLiDARデータによって示される資産154の位置と比較してもよい。次に、方法300は、ステップ370からステップ380に移動する。
【0055】
ステップ380で、監査モジュールは、第2のLiDARデータと空間モデルとの間に異常が存在するか否かを判定する。例えば、監査モジュールは、修正された空間モデル内の資産の位置が第2のLiDARデータ内の資産の位置と異なると判定し得る。監査モジュールが第2のLiDARデータと空間モデルとの間に異常が存在すると判定した場合、方法300は、ステップ380からステップ385に移動し、ここで監査モジュールは異常を示すレポートを生成する。監査モジュールが第2のLiDARデータと空間モデルとの間に異常が存在しないと判定した場合、方法300は、ステップ380からステップ390に移動し、そこで監査モジュールは、空間モデル内の資産データを検証する。次に、方法300は、ステップ385とステップ390とがステップ395に移動し、ここで方法300は終了する。
【0056】
図3に示される方法300に対して、修正、追加、又は省略を行うことができる。方法300は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含み得る。例えば、方法300は、ステップ390で資産データを検証することに応答してレポートを生成するステップを含み得る。ステップは、並行して、又は任意の適切な順序で実行し得る。方法300のステップを完了する特定の構成要素として議論されているが、任意の適切な構成要素は、方法300の任意のステップを実行し得る。例えば、監査モジュールは、第1のLiDAR車両から第1のLiDARデータを受信し、第1のLiDAR車両とは異なる第2のLiDAR車両から第2のLiDARデータを受信してもよい。
【0057】
図4は、図1の監査モジュール120によって生成され得る出力400の例を示す。図4の出力400は、表、チャート、リストなどの任意の形態であり得る。図4に示す実施形態では、出力400はチャート410である。チャート410は、図1の監査モジュール120を使用した監査資産154からの監査結果420を示す。監査プロセスは、LiDARデータにより判定された資産154を以前に判定された資産154と比較するステップを含む。例えば、監査プロセスは、LiDARデータ152bを統合する図2の空間モデル156c内の資産154を、LiDARデータ152a及び1つ以上のフィールド表示158を統合する図2の空間モデル156b内の資産154と比較するステップを含んでもよい。
【0058】
チャート410は、430から448のラベルが付いた10個の列を含む。列430は、図1の監査モジュール120によって分析された資産154を示す。資産154は、鉄道環境に関連付けられた次のような物理的オブジェクトを示す。車両接触限界、平面交差、距離標識、信号、速度標識、及びスイッチ。表410の列432は、図1の監査モジュール120によって分析された資産154の総数を示す。図4に示す実施形態では、監査モジュール120は、117個の車両接触限界、269個の交差点、27個の距離標識、199個の信号、98個の速度標識、及び84個のスイッチを分析し、これらは合計で974個の資産154である。
【0059】
表410の列434は、図1の監査モジュール120によって判定されたパス(pass)を示す。パスは、所定の公差内のデータ間の一致を表す。例えば、第1モデル(例えば、図2の空間モデル156c)で分析された117個の車両接触限界のうち、117個の車両接触限界の位置は、所定の公差(例えば、2.2メートル)内で、第2モデル(例えば、図2の空間モデル156b)内の117個の車両接触限界の位置と一致する。表410の列436は、図1の監査モジュール120によって判定された例外を示す。例外は、データ間の異常を示す。例えば、第1モデル(例えば、図2の空間モデル156c)で分析された207の距離標識のうち4つの距離標識が欠落しているか、又は第2モデル(例えば、図2の空間モデル156b)の別の位置にある。
【0060】
表410の列438は、パスした資産154の割合が示され、これは、列434に示された資産154のパス数を列432に示された資産154の総数で割った値であり、パーセンテージで示される。列440には、変更管理プロセス(CMP)なしで発見された例外が示される。CMPは、監査モジュール120に示された変更(例えば、フィールド表示)を表す。列442は、誤ったCMPで発見された例外を示す。誤ったCMPは、空間モデルに誤って実装されたCMPを示す。例えば、誤ったCMPは、空間モデルで20フィート再配置された距離標識を示し得るが、CMPは、距離標識を空間モデルで10フィート再配置する必要があることを示す。
【0061】
表410の列444は、CMPが発見されたが地理情報システム(GIS)の編集がないことを示し、これは、監査モジュール120に表示されているが(例えば、フィールド表示)、空間モデルにまだ実装されていない変更を示す。表410の列446は、オフィスエラーによって発見された例外が示され、表410の列448は、検証できなかった資産154を示す。
【0062】
図4に示される出力400に対して、修正、追加、又は省略を行うことができる。例えば、出力400は、リストやグラフなどのチャート410以外のフォーマットで表してもよい。表410は、より多くの、より少ない、又は他の列及び/又は行を含み得る。例えば、表410は、10個の列及び6つの資産より多く又は少く含み得る。特定の実施形態では、出力400は、1つ以上のレポート(例えば、図1のレポート160)に含まれ得る。
【0063】
図5は、本明細書に記載のシステム及び方法によって使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す。例えば、図1のネットワーク110、監査モジュール120、及びLiDAR車両170は、1つ以上のインタフェース510、処理回路520、メモリ530、及び/又は他の適切な要素を含んでもよい。インタフェース510(例えば、図1のインタフェース122)は、入力を受信し、出力を送信し、入力及び/又は出力を処理し、及び/又は他の適切な動作を実行する。インタフェース510は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。
【0064】
処理回路520(例えば、図1のプロセッサ126)は、構成要素の動作を実行又は管理する。処理回路520は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。処理回路の例には、1つ以上のコンピュータ、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のアプリケーションなどが含まれる。特定の実施形態では、処理回路520は、入力から出力を生成するようなアクション(例えば、動作)を行うためにロジック(例えば、命令)を実行する。処理回路520によって実行されるロジックは、1つ以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ530)に符号化され得る。例えば、ロジックは、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータ実行可能命令、及び/又はコンピュータによって実行され得る命令を含んでもよい。特定の実施形態では、実施形態の動作は、コンピュータプログラムを格納した1つ以上のコンピュータ可媒体、コンピュータプログラムと共に実装された1つ以上のコンピュータ可読媒体、及び/又はコンピュータプログラムと共に符号化された1つ以上のコンピュータ可読媒体、及び/又は、格納及び/又は符号化されたコンピュータプログラムを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体によって実行されてもよい。
【0065】
メモリ530(又はメモリユニット)は、情報を格納する。メモリ530(例えば、図1のメモリ124)は、1つ以上の非一時的、有形、コンピュータ可読、及び/又はコンピュータ実行可能な記憶媒体を含み得る。メモリ530の例には、コンピュータメモリ(例えば、RAM又はROM)、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD))、データベース、及び/又はネットワークストレージ(例えば、サーバ)、及び/又はその他のコンピュータ可読媒体が含まれる。
【0066】
本明細書では、コンピュータ可読非一時的記憶媒体(storage medium or media)は、1つ以上の半導体ベース又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC))、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスク、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、安全なデジタルカード又はドライブ、その他の適切なコンピュータ可読の非一時的記憶媒体、又は必要に応じて、これらの2つ以上の適切な組み合せを含んでもよい。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性及び不揮発性の組み合わせであり得る。
【0067】
本明細書において、「又は」は、明示的に特別な指示がない限り、又は文脈において特別な方法で示されない限り、包括的であり、排他的ではない。さらに、「及び」は、明示的に特別な指示がない限り、又は文脈において特別な方法で指示がない限り、共同及び別々のものである。従って、本明細書において、「A及びB」は、明示的に特別な指示がない限り、又は文脈において特別な指示がない限り、「A及びB、共同又は個別」を意味する。
【0068】
本開示の範囲は、当業者が理解できる本明細書に記載又は図示された例示的な実施形態に対する全ての変化、置換、変形、変更、及び修正を含む。本開示の範囲は、本明細書に記載又は図示された例示的な実施形態に限定されない。さらに、本開示は、特定の構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップを含むものとして本明細書のそれぞれの実施形態を説明及び例示するが、これらの実施形態のいずれも、当業者が理解できる本明細書に記載又は図示された任意の構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップのいずれかの任意の組み合せ又は順列を含み得る。さらに、特定の機能を実行するように適切に構成して配置され、作動又は作動可能な装置、又はシステム、又はその構成要素に関する添付の特許請求の範囲への言及は、その装置、システム、又は構成要素が適切に構成して配置され、作動又は作動可能、又は特定の機能が活性化又は解除されたかに関わらず、その装置のシステム又は構成要素を含む。さらに、本開示は、特定の利点を提供するものとして特定の実施形態を説明又は例示しているが、特定の実施形態では、これらの利点を提供しないか、一部又は全てを提供してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
コンピュータシステムが、鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、
コンピュータシステムが、前記鉄道環境に関連付けられた前記第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、
コンピュータシステムが、前記資産を、空間モデル内の鉄道線路の中心線に沿った位置に重ね合わせるステップであって、前記資産が重ね合わされる、前記空間モデル内の前記鉄道線路の中心線に沿った位置は、前記空間モデル内の前記鉄道線路の中心線に沿った位置とは異なる前記資産の実際の位置から変換される、ステップと、
コンピュータシステムが、前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、
コンピュータシステムが、前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップと、
コンピュータシステムが、前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、
コンピュータシステムが、前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
コンピュータシステムが、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答してレポートを生成するステップをさらに含み、
前記レポートは、
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置と前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置との間の異常、及び
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置が前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置と一致することの確認、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示は、
前記資産を表す物理的オブジェクトが前記鉄道環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したこと、
前記資産を表す前記物理的オブジェクトが前記鉄道環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたこと、及び
新しい物理的オブジェクトが前記鉄道環境に追加される又は追加されたこと、
のうちの1つを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のLiDARデータ及び前記第2のLiDARデータは、LiDAR車両を使用してキャプチャされ、前記LiDAR車両は、1つ以上の走査及び画像センサを含み、
前記第1のLiDARデータは、第1の360度の画像を示し、
前記第2のLiDARデータは、第2の360度の画像を示し、
前記第1の360度の画像及び前記第2の360度の画像は、各々前記鉄道環境内の前記鉄道線路の中心線の各側の約600フィートを示す範囲を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記資産は、ポジティブトレインコントロール(PTC)の重要資産であり、
前記資産は、
列車制御信号、
スイッチポイント、
平面交差、
距離標識、
速度標識、及び
車両接触限界、
の物理的オブジェクトのうちの1つを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記空間モデルは、地理情報システム(GIS)データベースに格納され、
前記空間モデルは、
ベクタデータ、及び
ラスタデータ、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答して、コンピュータシステムが、PTCコンプライアンスのための前記鉄道環境を監査するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサと命令を格納するメモリとを含むシステムであって、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサが、
鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、
鉄道環境に関連付けられた第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、
前記資産を、空間モデル内の鉄道線路の中心線に沿った位置に重ね合わせるステップであって、前記資産が重ね合わされる、前記空間モデル内の前記鉄道線路の中心線に沿った位置は、前記空間モデル内の前記鉄道線路の中心線に沿った位置とは異なる前記資産の実際の位置から変換される、ステップと、
前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、
前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップと、
を含む動作を行うシステム。
【請求項9】
前記動作は、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答してレポートを生成するステップをさらに含み、
前記レポートは、
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置と前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置との間の異常、及び
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置が前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置と一致することの確認、
のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられたフィールド表示は、
前記資産を表す物理的オブジェクトが前記鉄道環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したこと、
前記資産を表す前記物理的オブジェクトが前記鉄道環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたこと、及び
新しい物理的オブジェクトが前記鉄道環境に追加される又は追加されたこと、
のうちの1つを示す、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のLiDARデータ及び前記第2のLiDARデータは、1つ以上の走査及び画像センサを含むLiDAR車両を使用してキャプチャされ、
前記第1のLiDARデータは、第1の360度の画像を示し、
前記第2のLiDARデータは、第2の360度の画像を示し、
前記第1の360度の画像及び前記第2の360度の画像は、各々前記鉄道環境内の前記鉄道線路の中心線の各側の約600フィートを表す範囲を有する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記資産は、ポジティブトレインコントロール(PTC)の重要資産であり、
前記資産は、
列車制御信号、
スイッチポイント、
平面交差、
距離標識、
速度標識、及び
車両接触限界、
の物理的オブジェクトのうちの1つを示す、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記空間モデルは、地理情報システム(GIS)データベースに格納され、
前記空間モデルは、
ベクタデータ、及び
ラスタデータ、
のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作は、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデル、PTCコンプライアンスのための前記鉄道環境と比較するステップに対する応答で監査するステップをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
命令を具体化する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記命令は、プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサが、
鉄道環境に関連付けられた第1の光検出及び測距(LiDAR)データを受信するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた前記第1のLiDARデータから資産を抽出するステップと、
前記資産を、空間モデル内の鉄道線路の中心線に沿った位置に重ね合わせるステップであって、前記資産が重ね合わされる、前記空間モデル内の前記鉄道線路の中心線に沿った位置は、前記空間モデル内の前記鉄道線路の中心線に沿った位置とは異なる前記資産の実際の位置から変換される、ステップと、
前記鉄道環境に対する修正に関連付けられたフィールド表示を受信するステップと、
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示を受信するステップに応答して前記空間モデルを修正するステップと、
前記鉄道環境に関連付けられた第2のLiDARデータを受信するステップと、
前記第2のLiDARデータを修正された空間モデルと比較するステップと、
を含む動作を行うようにする、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記動作は、前記第2のLiDARデータを前記修正された空間モデルと比較するステップに応答してレポートを生成するステップをさらに含み、
前記レポートは、
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置と前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置との間の異常、及び
前記修正された空間モデルにより判定された前記資産の位置が前記第2のLiDARデータにより判定された前記資産の位置と一致することの確認、
のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記鉄道環境に対する前記修正に関連付けられた前記フィールド表示は、
前記資産を表す物理的オブジェクトが前記鉄道環境内の第1の位置から第2の位置に物理的に移動する又は物理的に移動したこと、
前記資産を表す前記物理的オブジェクトが前記鉄道環境から物理的に除去される又は物理的に除去されたこと、及び
新しい物理的オブジェクトが前記鉄道環境に追加される又は追加されたこと、
のうちの1つを表す、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記第1のLiDARデータ及び前記第2のLiDARデータは、1つ以上の走査及び画像センサを含むLiDAR車両を使用してキャプチャされ、
前記第1のLiDARデータは、第1の360度の画像を示し、
前記第2のLiDARデータは、第2の360度の画像を示し、
前記第1の360度の画像及び前記第2の360度の画像は、各々前記鉄道環境内の前記鉄道線路の中心線の各側の約600フィートを示す範囲を有する、
請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記資産は、ポジティブトレインコントロール(PTC)重要資産であり、
前記資産は、
列車制御信号、
スイッチポイント、
平面交差、
距離標識、
速度標識、及び
車両接触限界、
の物理的オブジェクトのうちの1つを示す、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記空間モデルは、地理情報システム(GIS)データベースに格納され、
前記空間モデルは、
ベクタデータ、及び
ラスタデータ、
のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【外国語明細書】