(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073545
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】検体の向上された検出および量子化のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240522BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20240522BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20240522BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/08 A
G01N37/00 101
G01N1/10 V
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039091
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2022117086の分割
【原出願日】2016-07-16
(31)【優先権主張番号】62/194,101
(32)【優先日】2015-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.SOLARIS
3.MAC OS
4.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】518213938
【氏名又は名称】キュー ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アユブ カッタク
(72)【発明者】
【氏名】クリントン シーバー
(72)【発明者】
【氏名】ポール ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン クーパー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス コングドン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン デマルティノ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル シャピロ
(72)【発明者】
【氏名】マーク ダンカン
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AA30
2G052AA32
2G052AA33
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052BA14
2G052BA19
2G052DA08
2G052DA09
2G052DA22
2G052GA23
2G058CC08
2G058CE01
2G058DA07
2G058FA01
2G058GA12
(57)【要約】
【課題】検体の向上された検出および量子化のための好適なシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】収集されたサンプル中の着目分子を検出するためのデバイス、システム、および方法が、本明細書に説明される。ある実施形態では、自給式サンプル分析システムが、開示され、これは、再使用可能読取機構成要素と、使い捨てカートリッジ構成要素と、使い捨てサンプル収集構成要素とを含む。前記読取機構成要素は、試験プロトコルおよび試験結果のデジタル伝送のために、遠隔コンピューティングデバイスと通信してもよい。種々の開示される実施形態では、本システム、構成要素、および方法は、例えば、サンプル中の1つまたはそれを上回る病原または汚染物質の存在を試験するために、特定の核酸、タンパク質、または他の着目検体の存在、非存在、および/または量を同定するように構成される。
【選択図】
図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル分析カートリッジであって、
筐体と、
前記筐体内の開口から延在する入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
前記入力トンネルに隣接して前記筐体内に配置されるリザーバであって、前記リザーバは、流体を保持するように構成され、前記リザーバはさらに、前記サンプル収集デバイスによって収集された前記サンプルを受容するように構成される、リザーバと、
前記リザーバ内の前記流体を流体的にシールするように構成されるシール材料と、
係合器、スロット、および穿刺器を備えるシール穿刺器であって、前記シール穿刺器は、前記穿刺器が前記リザーバに隣接し、前記係合器が前記入力トンネル内にあるように、前記筐体内に配置されており、前記係合器は、前記入力トンネル内の前記サンプル収集デバイスによって接触され、前記サンプル収集デバイスによって印加される力に応答して、前記入力トンネル内の前記サンプル収集デバイスの挿入中に前記スロットを介して前記シール穿刺器を摺動させることにより、前記穿刺器が第1の方向および前記第1の方向と異なる第2の方向に移動して前記シール材料を穿刺して前記リザーバ内の前記流体に通気させるようにするように構成される、シール穿刺器と
を備える、サンプル分析カートリッジ。
【請求項2】
前記リザーバに隣接して前記筐体内に配置される第2のリザーバをさらに備え、前記第2のリザーバは、第2の流体を保持するように構成され、
前記シール穿刺器はさらに、前記第2のリザーバに隣接して配置される第2の穿刺器を備え、前記第2の穿刺器は、前記入力トンネル内の前記サンプル収集デバイスの挿入中に前記第2のリザーバにわたって前記シール材料を穿刺して前記第2のリザーバ内の前記第2の流体に通気させるように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項3】
前記第1の方向は、前記入力トンネルの縦軸と略平行であり、前記第2の方向は、前記第1の方向と略垂直である、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項4】
前記シール穿刺器はさらに、1つまたは複数の付加的穿刺器を備える、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項5】
1つまたは複数のランプをさらに備え、前記1つまたは複数のランプは、前記穿刺器を前記シール材料に向かって前記第2の方向に偏向させて、前記シール材料を穿刺するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項6】
前記シール穿刺器はさらに、スライダを備え、前記スライダは、前記第1の方向に移動することにより、前記穿刺器を前記第2の方向に移動させて前記シール材料を穿刺するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項7】
前記リザーバは、サンプル調製リザーバであり、
洗浄剤リザーバおよび基質リザーバをさらに備え、前記洗浄剤リザーバは、前記筐体内に配置され、かつ、洗浄流体を保持するように構成され、前記基質リザーバは、前記筐体内に配置され、かつ、基質流体を保持するように構成され、
前記シール材料はさらに、前記洗浄剤リザーバ内の前記洗浄流体および前記基質リザーバ内の前記基質流体を流体的にシールするように構成され、
前記シール穿刺器は、前記シール材料を穿刺させて、前記サンプル調製リザーバ内の前記流体、前記洗浄剤リザーバの前記洗浄流体、および前記基質リザーバ内の前記基質流体に通気させるように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項8】
前記シール穿刺器は、任意の順序において、前記サンプル調製リザーバ、前記洗浄剤リザーバ、および前記基質リザーバにわたって前記シール材料を連続して穿刺するように構成される、請求項7に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項9】
前記サンプル調製リザーバに隣接して位置付けられる第1のランプと、前記洗浄剤リザーバに隣接して位置付けられる第2のランプと、前記基質リザーバに隣接して位置付けられる第3のランプとをさらに備え、
前記シール穿刺器はさらに、第2の穿刺器および第3の穿刺器を備え、
前記第1のランプは、前記穿刺器を前記シール材料に向かって偏向させて、前記サンプル調製リザーバにわたって前記シール材料を穿刺するように構成され、
前記第2のランプは、前記第2の穿刺器を前記シール材料に向かって偏向させて、前記洗浄剤リザーバにわたって前記シール材料を穿刺するように構成され、
前記第3のランプは、前記第3の穿刺器を前記シール材料に向かって偏向させて、前記基質リザーバにわたって前記シール材料を穿刺するように構成される、請求項7に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項10】
各ランプと各穿刺器との間の各距離は、前記シール穿刺器が、任意の順序において、前記サンプル調製リザーバ、前記洗浄剤リザーバ、および前記基質リザーバにわたって前記シール材料を連続して穿刺するように構成されるように、通気前位置において異なる、請求項9に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項11】
前記係合器は、前記サンプル収集デバイスが前記入力トンネル内にあるときに、前記サンプル収集デバイスの係合ゾーンに係合するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項12】
前記係合器は、U形状である、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項13】
前記入力トンネル内の前記サンプル収集デバイスの挿入中にアクティブ化されるように前記入力トンネル内に位置付けられる接触スイッチをさらに備える、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項14】
前記シール穿刺器は、穿刺して前記リザーバ内の前記流体に通気した後に、前記シール材料内に穿刺される1つまたは複数の孔から移動するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項15】
第1の位置において前記リザーバと前記開口との間で前記入力トンネル内に配置されるシャトルをさらに備え、前記シャトルは、第1の端部および第2の端部を有する本体を備え、前記シャトルは、前記第1の位置において前記第1の端部において前記入力トンネルから前記リザーバをシールするように構成され、前記シャトルは、前記第2の端部において前記サンプル収集デバイスを介して前記サンプルを受容するように構成され、前記シャトルは、第2の位置へと前記入力トンネル内を移動するように構成され、前記サンプルが前記リザーバの中に移動させられる、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項16】
前記第2の位置において前記サンプル収集デバイスを前記入力トンネル内に不可逆的に係止するように前記サンプル収集デバイスに結合するように構成される1つまたは複数の係止部材をさらに備える、請求項15に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項17】
前記シール穿刺器は、前記シャトルが前記第2の位置に移動する前に、前記シール材料を穿刺して前記リザーバ内の前記流体に通気させるように構成される、請求項15に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項18】
前記シャトルは、試薬を含む成分から形成される試薬ボールを前記第1の端部と前記第2の端部との間のコンパートメント内に格納して、前記第1の位置において前記試薬ボールが前記リザーバ内の前記流体に暴露されず、前記第2の位置において前記試薬ボールが前記リザーバ内の前記流体に暴露されるようにするように構成される、請求項15に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項19】
前記第1の位置において前記シャトルに結合されかつ前記入力トンネル内に配置されるコレットをさらに備え、前記コレットは、前記入力トンネル内の前記サンプル収集デバイスの挿入の間において、前記シャトルから分断されるように構成され、
前記シャトルは、前記コレットが前記入力トンネル内の定位置に留まる一方で前記第1の位置から前記第2の位置へと前記入力トンネル内を移動するように構成される、請求項15に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項20】
前記コレットは、コレットスロットを備え、前記コレットスロットは、それを通して前記シール穿刺器の一部を受容して前記入力トンネル内の前記サンプル収集デバイスと前記シール穿刺器との間の接触を可能にするように定寸される、請求項19に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項21】
前記リザーバは、その中の前記流体が前記リザーバ内の前記サンプルおよび試薬と混合されるように構成され、
前記サンプル分析カートリッジは、前記リザーバからの前記サンプルおよび前記試薬と混合された前記流体に暴露されるように前記筐体内に位置付けられるセンサをさらに備え、前記センサは、前記サンプル中の1つまたは複数の検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項22】
前記リザーバは、その中の前記流体が、複数の固体粒子、複数の親和性分子、および複数のシグナル伝達物質を備える前記試薬ならびに前記サンプルと混合されるように構成される、請求項21に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項23】
前記リザーバは、その中の前記流体が、前記センサの作業電極にわたって磁気的に保持されるように構成される複数の磁気粒子を備える前記試薬および前記サンプルと混合されるように構成される、請求項21に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項24】
前記筐体内に配置される分析チャネルをさらに備え、前記分析チャネルは、前記リザーバからの前記サンプルおよび前記試薬と混合された前記流体を受容するように構成され、前記センサの少なくとも一部は、前記分析チャネル内に配置され、前記サンプルおよび前記試薬と混合された前記流体は、前記分析チャネルを介して前記センサの少なくとも前記一部に進行する、請求項21に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項25】
前記リザーバは、前記サンプル内の1つまたは複数の核酸の増幅を可能にするように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項26】
前記リザーバは、その中の前記流体が前記リザーバ内の前記サンプルおよび試薬と混合されるように構成され、
前記サンプル分析カートリッジはさらに、圧電変換器を備え、前記圧電変換器は、前記リザーバ内にエネルギーを放出して、前記流体、前記試薬、および前記サンプルを混合するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【請求項27】
前記サンプル分析カートリッジは、読取機に電気的に結合されかつ少なくとも部分的に前記読取機内に配置されるように定寸され、前記読取機は、電気信号を前記サンプル分析カートリッジから受信し処理するように構成される、請求項1に記載のサンプル分析カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2015年7月17日に出願された米国仮出願第62/194,101号に対する優先権を主張するものであり、該米国仮出願の全体の内容は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本技術は、概して、分子検出の分野に関する。具体的には、本技術は、収集されたサンプル内の1つまたはそれを上回る特定の検体の存在、非存在、および/または量を検出するためのマイクロ流体デバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
サンプル内の核酸、タンパク質、および/または他の着目分子の存在、非存在、ならびに/もしくは量を同定するための従来の技術は、多くの場合、高価な研究室機器および高度な訓練を受けた医療専門家の専門知識を必要とする。その結果として、そのような分析は、典型的には、研究室または医療施設内で行われる。そのような分子検出は、例えば、個人または他の動物内、もしくは環境内の病原体、疾患、汚染、過剰摂取、および中毒の存在を検出するために重要であり得る。残念ながら、現在、個人は、適正な試験を行うことができるようになる前および結果を生成して分析することができるようになる前に、長い待ち時間に直面し得る。長い待ち時間および研究室または医療施設への移動の不便さにより、疾患および汚染は、多くの場合、拡散し、該疾患または汚染の存在が同定される前でさえ、重大な害を引き起こし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
改良型分子検出および定量化技術の有意な必要性がある。本明細書に説明されるのは、現在使用されている従来のデバイスより少ない時間で、かつ少ない技術的専門知識を用いて、着目分子を検出し得る、デバイスである。本デバイスは、非臨床設定で、例えば、学校、勤務先、および家庭内で、消費者によって利用されてもよい。加えて、本デバイスは、薬局または医療施設に来院した消費者によって使用することができ、消費者が薬剤師または医療関係者と話す時間までに結果が入手可能であるように、迅速に結果を生成し得る。本明細書のデバイスはまた、生体有害リスクを最小限化するように構成されてもよい。
【0005】
本開示の一側面は、分子を検出するためのシステムを対象とする。種々の実施形態では、本システムは、カートリッジデバイスと、カートリッジデバイスに取り外し可能に結合される読取機デバイスと、サンプル収集デバイスとを含む。
【0006】
サンプル調製試薬が、本システム内で使用されてもよく、それぞれ表面結合親和性分子を有する、複数の磁気粒子、それぞれシグナル伝達物質を含み得る、複数の検出剤、複数の増幅試薬、および/または標的検体へのアクセスならびに標的検体と表面結合親和性分子と検出剤との間の結合を促進するための複数の作用物質を含んでもよい。
【0007】
一側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、試薬シャトル、および/またはセンサを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、リザーバ内に事前に充填され得る、または充填され得ない、流体を保持するように構成されてもよい。試薬シャトルは、第1の位置では、リザーバと開口との間に配置されてもよく、試薬シャトルは、第1の端部および第2の端部を有してもよい。試薬シャトルは、試薬を備える試薬ボール(例えば、サンプル調製試薬)を第1の端部と第2の端部との間に格納するように構成されてもよい。第1の端部は、第1の位置では、リザーバを入力トンネルからシールするように構成されてもよい。試薬シャトルは、閾値力を上回る力を受けると、第2の位置に入力トンネル内を移動し、したがって、試薬ボールおよびサンプルは、リザーバの中に移動するように設計されてもよい。リザーバは、第1の位置から第2の位置への移動の間、試薬シャトルの近位の入力トンネルから持続的にシールされてもよい。センサは、試薬ボールおよびサンプルと混合された流体を分析するように構成され、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するようにさらに構成されてもよい。
【0008】
シャトルの第2の端部は、過剰サンプルをサンプル収集デバイスの先端から払拭するように定寸される開口部を有し、したがって、最大で、サンプルの所定の体積が、リザーバ内の流体中に混合されてもよい。リザーバは、第1の位置から第2の位置への移動の間、シャトルの第2の端部内に部分的に挿入されるサンプル収集デバイスを介してシールされてもよい。カートリッジは、第2の位置では、サンプル収集デバイスを入力トンネル内に不可逆的に係止するように構成される、1つまたはそれを上回る係止部材を有してもよい。
【0009】
シャトルは、最大で、サンプルの所定の体積を格納するように構成される、1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントと、試薬ボールおよび随意に付加的試薬ボールを格納するように構成される、1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントおよび1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントは、第1の位置では、リザーバ内の流体に暴露されない。1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントおよび1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントは、第2の位置では、リザーバ内の流体に暴露されてもよい。シャトルは、少なくとも1つのサンプルコンパートメントを少なくとも1つの試薬ボールコンパートメントから分割するように構成される、コンパートメント分割器を有してもよい。コンパートメント分割器は、第2の位置でサンプル調製リザーバ内に配置されると、混合を促進するように構成される、スロットを有してもよい。
【0010】
試薬は、複数の固体粒子、複数の親和性分子、および/または複数のシグナル伝達物質のうちの1つもしくはそれを上回るものを含んでもよい。試薬は、センサの作業電極にわたって磁気的に保持されるように構成される、複数の磁気粒子を含んでもよい。複数の磁気粒子の少なくとも1つの磁気粒子は、シグナル伝達物質に間接的に結合されるように構成されてもよい。
【0011】
カートリッジは、例えば、カートリッジ筐体内に分析チャネルを含んでもよい。センサの少なくとも一部は、分析チャネル内に配置されてもよく、試薬ボールおよびサンプルと混合された流体は、分析チャネルを介して、センサの少なくとも一部に進行してもよい。
【0012】
カートリッジは、接触スイッチ、リザーバ内の流体を流体的にシールするように構成されるシール材料、および/またはシール穿刺器を含んでもよく、それらの構成要素はそれぞれ、カートリッジ筐体内にあってもよい。サンプル収集デバイスの入力トンネル内への挿入は、(i)シャトルを第1の位置から第2の位置に移動させ、(ii)シール穿刺器にシール材料を穿刺させ、リザーバ内の流体に通気させ、および/または(iii)接触スイッチのアクティブ化を生じさせてもよい。
【0013】
別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、シール材料、および/またはシール穿刺器を含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、事前に充填され得る、または充填され得ない、流体を保持するように構成されてもよい。シール材料は、リザーバ内の流体を流体的にシールするように構成されてもよい。シール穿刺器は、入力トンネル内に部分的に配置されてもよく、シール穿刺器は、入力トンネル内のサンプル収集デバイスによって接触され、サンプル収集デバイスによって印加される力に応答して移動し、シール材料を穿刺させ、リザーバ内の流体に通気させるように構成されてもよい。
【0014】
シール穿刺器は、第1の方向および第1の方向と異なる第2の方向に移動し、シール材料を穿刺するように構成されてもよい。第1の方向は、入力トンネル内のサンプル収集デバイスの移動と略平行であってもよく、第2の方向は、第1の方向と略垂直であってもよい。シール穿刺器は、1つまたはそれを上回る穿刺器を含んでもよい。シール穿刺器は、第1の方向に移動するように構成される、スライダを含んでもよく、1つまたはそれを上回る穿刺器は、第1の方向と異なる第2の方向に移動し、シール材料を穿刺するように構成されてもよい。
【0015】
リザーバは、サンプル調製リザーバであってもよく、流体中にあり得る、および/または例えば、試薬ボールの導入を介して導入され得る、サンプル調製試薬を保持するように構成されてもよい。カートリッジはまた、洗浄剤リザーバおよび/または基質リザーバを含んでもよい。シール穿刺器は、シール材料を穿刺させ、サンプル調製リザーバ、洗浄剤リザーバ、および基質リザーバ内の個別の流体に通気させるように構成されてもよい。シール穿刺器は、入力トンネル内に配置される係合器を含んでもよく、係合器は、サンプル収集デバイスが入力トンネル内にあるとき、サンプル収集デバイスの係合ゾーンに係合するように構成されてもよい。
【0016】
カートリッジは、筐体内の回路基板上に配置され得る、接触スイッチを含んでもよい。接触スイッチは、サンプル収集デバイスの入力トンネル内への挿入に応じて、アクティブ化されるように構成されてもよい。シール穿刺器の移動は、接触スイッチのアクティブ化を生じさせてもよい。シール穿刺器は、任意の順序において、サンプル収集リザーバ、洗浄剤リザーバ、および基質リザーバにわたるシール材料を連続して穿刺するように構成されてもよい。シール穿刺器は、穿刺し、リザーバ内の流体に通気後、シール材料内に穿刺される1つまたはそれを上回る孔から移動するように構成されてもよい。
【0017】
カートリッジは、第1の位置では、リザーバと開口との間に配置される、接触スイッチおよびシャトルを含んでもよい。シャトルは、第1の端部および第2の端部を有してもよく、第1の端部は、第1の位置では、リザーバを入力トンネルからシールするように構成されてもよい。試薬シャトルは、第2の位置に入力トンネル内を移動するように構成されてもよく、そこでサンプルは、リザーバの中に移動される。サンプル収集デバイスの入力トンネル内への挿入は、(i)シャトルを第1の位置から第2の位置に移動させ、(ii)シール穿刺器にシール材料を穿刺させ、リザーバ内の流体に通気させ、および/または(iii)接触スイッチのアクティブ化を生じさせてもよい。カートリッジは、第2の位置では、サンプル収集デバイスを入力トンネル内に不可逆的に係止するように構成される、1つまたはそれを上回る係止部材を含んでもよい。1つまたはそれを上回る係止部材は、サンプル収集デバイスの入力トンネル内への部分的および/または完全挿入の間、入力トンネル内のサンプル収集デバイスを不可逆的に係止してもよい。
【0018】
サンプル収集デバイスの入力トンネル内への挿入は、シャトルが第1の位置から第2の位置に移動する前に、シール穿刺器にシール材料を穿刺させ、リザーバ内の流体に通気させてもよい。代替として、または加えて、サンプル収集デバイスの入力トンネル内への挿入は、第1の位置から第2の位置へのシャトルの移動の間、シール穿刺器にシール材料を穿刺させ、リザーバ内の流体に通気させてもよい。
【0019】
さらに別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、分析チャネル、および/または回路基板を含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、流体を保持するように構成されてもよく、サンプル収集デバイスの遠位部分上のサンプルを受容するように構成されてもよい。分析チャネルは、リザーバから、その中に混合された複数の磁気粒子を備える、サンプルおよび試薬を有する流体を受容するように構成されてもよい。回路基板は、作業電極を有する、センサを含んでもよく、センサは、分析チャネル内の混合された流体に暴露され、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成されてもよい。作業電極は、作業電極にわたる複数の磁気粒子の均質分布を助長し、作業電極からの複数の磁気粒子の移動に対する抵抗を助長するように構成される、複数の細溝でマスクされてもよい。
【0020】
さらに別の側面によると、キットが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。キットは、サンプル収集デバイス、サンプル分析カートリッジ、および/またはサンプル分析読取機を含んでもよい。サンプル収集デバイスは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有してもよい。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、分析チャネル、および/または回路基板を含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、流体を保持するように構成され、サンプル収集デバイスの遠位部分上のサンプルを受容するように構成されてもよい。分析チャネルは、リザーバから、その中に混合された複数の磁気粒子を備える、サンプルおよび試薬を有する流体を受容するように構成されてもよい。回路基板は、分析チャネル内の混合された流体に暴露され、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成される、センサを含んでもよい。サンプル分析読取機は、サンプル分析カートリッジを受容するように構成されてもよい。サンプル分析読取機は、サンプル分析カートリッジがサンプル分析読取機内に挿入されると、センサの単一作業電極に隣接して配置されるように構成される、第1および第2の磁気発生器を有してもよい。第1および第2の磁気発生器は、単一作業電極の長さにわたって磁場を生成し、単一作業電極の長さにわたる複数の磁気粒子の均質分布を助長するように構成されてもよい。
【0021】
サンプル分析読取機によるサンプル分析カートリッジの受容は、サンプル分析カートリッジとサンプル分析読取機との間の電気結合を生じさせてもよい。サンプル分析カートリッジは、処理のために、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す信号をサンプル分析読取機に伝送するように構成されてもよい。サンプル分析読取機は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す処理された信号をコンピュータに伝送するように構成されてもよい。キットは、コンピュータのプロセッサによって実行されると、コンピュータのディスプレイに、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す情報を表示させる、命令を伴うコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0022】
サンプル分析カートリッジの筐体は、磁気発生器凹部を有する、底部表面を含んでもよい。サンプル分析読取機内へのサンプル分析カートリッジの受容は、第1および第2の磁気発生器を磁気発生器凹部内で部分的に移動させてもよい。磁気発生器凹部は、単一作業電極に隣接して配置されてもよい。
【0023】
別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、加熱器、分析チャネル、および/またはセンサを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、流体を保持するように構成され、サンプル収集デバイスの遠位部分上のサンプルを受容するように構成されてもよい。リザーバは、その中にその断面全体を閉塞するための相変化材料を有する、出口を含んでもよい。加熱器は、相変化材料が出口の断面全体を閉塞しないように、相変化材料を加熱するように構成されてもよい。分析チャネルは、リザーバから出口を通して、その中に混合された複数の磁気粒子を備える、サンプルおよび試薬を有する流体を受容するように構成されてもよい。センサは、分析チャネル内の混合された流体に暴露され、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成されてもよい。加熱器は、加熱器をセンサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされてもよい。マスキング材料は、はんだマスクであってもよい。
【0024】
カートリッジは、洗浄剤リザーバおよび洗浄剤リザーバ加熱器を含んでもよい。洗浄剤リザーバは、洗浄流体を保持するように構成されてもよく、その中に洗浄剤リザーバ出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有する、洗浄剤リザーバ出口を含んでもよい。洗浄剤リザーバ加熱器は、相変化材料が洗浄剤リザーバ出口の断面全体を閉塞しないように、洗浄剤リザーバ出口内の相変化材料を加熱し、したがって、洗浄流体は、分析チャネルに進入し、センサに進行するように構成されてもよい。洗浄剤リザーバ加熱器は、洗浄剤リザーバ加熱器をセンサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされてもよい。
【0025】
カートリッジは、基質リザーバおよび基質リザーバ加熱器を含んでもよい。基質リザーバは、基質流体を保持するように構成されてもよく、その中に基質リザーバ出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有する、基質リザーバ出口を含んでもよい。基質リザーバ加熱器は、相変化材料が基質リザーバ出口の断面全体を閉塞しないように、基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱し、したがって、基質流体は、分析チャネルに進入し、センサに進行するように構成されてもよい。基質リザーバ加熱器は、基質リザーバ加熱器をセンサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされてもよい。
【0026】
さらに別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、サンプル調製リザーバ、基質リザーバ、分析チャネル、流体断路器、および/または1つもしくはそれを上回る加熱器を含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。サンプル調製リザーバは、流体を保持するように構成されてもよく、サンプルをサンプル収集デバイスから受容するように構成されてもよい。サンプル調製リザーバは、その中にサンプル調製リザーバ出口をシールするための相変化材料を有する、サンプル調製リザーバ出口を含んでもよい。基質リザーバは、化学基質を備える流体を保持するように構成されてもよい。基質リザーバは、その中に基質リザーバ出口をシールするための相変化材料を有する、基質リザーバ出口を含んでもよい。サンプル調製および基質リザーバはそれぞれ、少なくとも随時、分析チャネルと流体連通してもよい。流体断路器は、相変化材料であってもよい。1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、サンプル調製リザーバ出口内の相変化材料を加熱し、したがって、相変化材料は、サンプル調製リザーバ出口をシール解除し、流体がサンプルをその中に混合させ、分析チャネルの中に流動することを可能にするように構成されてもよい。1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、サンプル調製リザーバ出口のシール解除後、流体断路器の相変化材料を加熱し、したがって、流体断路器の相変化材料は、分析チャネルの中に流動し、サンプル調製リザーバを基質リザーバから流体隔離するように構成されてもよい。1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、流体断路器がサンプル調製リザーバを基質リザーバから流体隔離した後、基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱し、したがって、相変化材料は、基質リザーバ出口をシール解除し、化学基質を備える流体が分析チャネルの中に流動することを可能にするが、サンプル調製リザーバの中に流動することを可能にしないように構成されてもよい。
【0027】
1つまたはそれを上回る加熱器は、サンプル調製リザーバ加熱器、流体断路器加熱器、および/または基質リザーバ加熱器を含んでもよい。サンプル調製リザーバ加熱器は、サンプル調製リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成されてもよい。流体断路器の流体断路器加熱器は、相変化材料を加熱するように構成されてもよい。基質リザーバ加熱器は、基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成されてもよい。サンプル調製リザーバ加熱器、流体断路器加熱器、および基質リザーバ加熱器はそれぞれ、個別の加熱器を分析チャネル内のセンサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされてもよい。
【0028】
カートリッジは、洗浄流体を保持するように構成される、洗浄剤リザーバを含んでもよい。洗浄剤リザーバは、その中に洗浄剤リザーバ出口をシールするための相変化材料を有する、洗浄剤リザーバ出口を含んでもよい。1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、流体断路器がサンプル調製リザーバを基質リザーバから流体隔離した後、但し、1つまたはそれを上回る加熱器が基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱する前に、洗浄剤リザーバ出口内の相変化材料を加熱し、したがって、相変化材料は、洗浄剤リザーバ出口をシール解除し、洗浄流体が分析チャネルの中に流動することを可能にし、サンプル調製リザーバからの磁気粒子に結合されなかったシグナル伝達物質を分析チャネル内のセンサから洗い流すように構成されてもよい。化学基質を有する流体は、サンプル調製リザーバからの磁気粒子に結合されなかったシグナル伝達物質を分析チャネル内のセンサから洗い流すように構成されてもよい。
【0029】
別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、シャトル、および/またはセンサを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、入力トンネルは、サンプル流体に暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、事前に充填され得る、または充填され得ない、流体を保持するように構成されてもよい。シャトルは、第1の位置では、リザーバと開口との間に配置されてもよい。シャトルは、第1の端部および第2の端部を有してもよく、サンプルコンパートメントを第1の端部と第2の端部との間に画定してもよい。サンプルコンパートメントは、サンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮されるサンプル流体を受容するように構成されてもよい。シャトルは、閾値力を上回る力を受けると、第2の位置に入力トンネル内を移動し、したがって、サンプル流体を有するサンプルコンパートメントは、リザーバの中に移動されるように構成されてもよい。センサは、サンプル流体と混合された流体に暴露されるように構成されてもよく、センサはさらに、サンプル流体中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成されてもよい。
【0030】
シャトルはさらに、試薬ボールコンパートメントを第1の端部と第2の端部との間に画定してもよい。試薬ボールコンパートメントは、試薬を備える1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するように構成されてもよい。試薬ボールコンパートメントは、第1の位置では、リザーバの外側にあって、第2の位置では、リザーバ内にあってもよい。サンプルコンパートメントは、最大で、サンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮されるサンプル流体の所定の体積を受容するように構成されてもよい。カートリッジは、サンプルコンパートメントからの所定の体積を上回るサンプル流体の体積を受容するように構成される、溢流コンパートメントを含んでもよい。
【0031】
試薬ボールは、標的検体の増幅を実施するために必要な試薬を備える。試薬ボールは、任意の適切なおよび形状であることができ、その非限定的実施例は、約1mm~約7mm、または代替として、約2mm~約5mm、または代替として、約3mm、または代替として、約7mm未満、または代替として、約5mm未満、または代替として、約4mm未満の直径を含む。試薬ボールは、任意の適切な形状、例えば、球状、円筒形、円錐形、または楕円形であることができる。
【0032】
試薬ボールの成分は、検体ならびに増幅および後続検出および/または定量化のためのその方法のために事前に選択される。一側面では、試薬ボールの成分は、ホルモン、他の小分子、またはタンパク質もしくはフラグメントの検出もしくは定量化のための試薬を備える。別の側面では、試薬ボールの成分は、核酸を増幅させるステップを含む方法による、核酸の検出および/または定量化のための試薬を備える。
【0033】
キットが、サンプル分析カートリッジおよびサンプル収集デバイスを含むように提供されてもよい。サンプル収集デバイスは、吸上作用部分を遠位部分に含んでもよい。吸上作用部分は、サンプル流体を吸い上げ、吸収するように構成されてもよい。吸上作用部分は、サンプル流体をサンプルコンパートメントの中に排出するように圧縮されてもよい。サンプルコンパートメントは、最大で、サンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮されるサンプル流体の所定の体積を受容するように構成されてもよい。サンプル分析カートリッジはさらに、サンプルコンパートメントからの所定の体積を上回るサンプル流体の体積を受容するように構成される、溢流コンパートメントを含んでもよい。サンプル収集デバイスの吸上作用部分は、所定の体積を上回るサンプル流体を吸い上げ、吸収し、ユーザが、サンプルコンパートメントおよび溢流コンパートメントの中に圧縮されるサンプル流体の量を計量することを可能にするように構成されてもよい。吸上作用部分の少なくとも一部は、サンプル収集デバイスのシュラウド内に摺動可能に配置されてもよい。
【0034】
サンプル分析カートリッジはさらに、サンプル収集デバイスが入力トンネル内に完全に挿入されると、入力トンネル内のサンプル収集デバイスを不可逆的に係止するように構成される、1つまたはそれを上回る係止部材を含んでもよい。サンプル収集デバイスはさらに、収集されたサンプル流体の体積に基づいて、収集者に視覚的にアラートするように構成される、サンプル収集インジケータを含んでもよい。サンプル収集インジケータは、収集されたサンプルの体積が増加するにつれてますます視覚的に暴露される、吸上作用部分内に埋設される色糸であってもよい。
【0035】
別の側面によると、組成物および方法が、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出および/または定量化するために提供される。本方法は、カートリッジのリザーバ内の流体中に、複数の親和性分子、複数の結合解除剤、複数のシグナル伝達物質、競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子であって、それぞれ、標識を保有する、複数の競合分子、およびサンプル結合分子に事前に結合された複数のサンプル標的検体を有する、サンプルを混合させるステップ、複数の結合解除剤のうちの少なくとも1つの結合解除剤を使用して、少なくとも1つの競合分子を事前に結合された競合結合分子から結合解除するステップ、複数の結合解除剤のうちの少なくとも1つの結合解除剤を使用して、少なくとも1つのサンプル標的検体を事前に結合されたサンプル結合分子から結合解除するステップ、結合解除された競合分子の標識を複数のシグナル伝達物質のうちのあるシグナル伝達物質に結合するステップ、結合解除された競合分子を複数の親和性分子のうちのある親和性分子に結合するステップ、および/またはカートリッジ内のサンプル標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するステップを含んでもよい。試薬ボールは、多くのサイズであることができ、その非限定的実施例は、約1mm~約7mm、または代替として、約2mm~約5mm、または代替として、約3mm、または代替として、約7mm未満、または代替として、約5mm未満、または代替として、約4mm未満の直径を有することを含む。試薬ボールは、球形として図示されるが、本開示は、それに限定されず、多くの形状が、使用されてもよく、それぞれ同一または異なる試薬を含有する、複数の試薬ボールもまた、使用されてもよい。
【0036】
別の側面によると、組成物および方法が、カートリッジ内のサンプル中の標的検体、例えば、標的核酸(デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA))の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを増幅ならびに検出および/または定量化するために提供される。本方法は、カートリッジのリザーバ内の流体中に、増幅反応を促進する複数の酵素、例えば、ポリメラーゼと、逆転写酵素と、そこに結合される親和性分子を有する複数の磁気ビーズと、標識され得る、または標識され得ない、複数のフォワードおよびリバースプライマーとを混合させることによって、複数の捕捉要素を備える複数のアンプリコンを調製するステップを含む、または代替として、それから本質的に成る。
【0037】
さらなる側面では、本明細書に提供されるのは、組成物およびその使用方法であって、試薬ボールはさらに、標的核酸を増幅させるように選択され、それぞれそこに結合されるスペーサ要素および捕捉要素を有する、複数のフォワードプライマーと、標的核酸を増幅させるように選択され、それぞれそこに結合されたスペーサ要素およびシグナル伝達物質またはシグナル伝達捕捉要素を有する、複数のリバースプライマーと、増幅反応のための複数のヌクレオチドまたはその類似体(dNTP)とを含有する。
【0038】
さらなる側面では、試薬ボールはさらに、標的核酸に結合するように選択されたリバースプライマーを含有し、リバースプライマーは、レポータ捕捉要素に直接または間接的に共役されたスペーサ要素を備える。さらなる側面では、試薬ボールはさらに、増幅反応を促進するために有効な有効量の逆転写酵素を含有する。
【0039】
なおもさらなる側面では、試薬ボールはまた、レポータ要素に共役された複数のレポータ親和性要素を含有する。
【0040】
さらなる側面では、試薬ボールはまた、限定ではないが、大腸菌からのSSBまたはファージからのGP32等、当業者に公知の1本鎖結合タンパク質、例えば、約9個~約18個のアミノ酸を含有する。
【0041】
一側面では、試薬ボールはさらに、複数のDNA鋳型対照核酸を含有する。別の側面では、試薬ボールは、代替として、またはまた、複数のRNA鋳型対照核酸を含有する。
【0042】
さらなる側面では、試薬ボールは、複数の逆転写酵素特異的プライマーを含有し、RNAからcDNAへの逆転写を促進し得る。なおもさらなる側面では、試薬ボールはまた、それぞれそこに結合されたスペーサ要素およびシグナル伝達物質を有する内部対照としての役割を果たすように選択される、複数のリバースプライマーと、それぞれそこに結合されたスペーサ要素および捕捉要素を有する内部対照としての役割を果たすように選択される、複数のフォワードプライマーとを含有してもよい。
【0043】
標識プライマーに加え、試薬ボールは、少なくとも同一標的領域、随意に、標的配列の隣接配列を増幅させるように設計される、有効量の複数の非標識プライマーを含有することができる。非標識プライマーの存在は、標識プライマーが、他の要素、例えば、固体粒子またはシグナル伝達物質に結合するにつれて、より立体的に障害され得るため、増幅をより効率的にすることができる。
【0044】
試薬ボールはさらに、有効量の1つまたはそれを上回る溶解剤を含有し、標的核酸、鋳型、および/または対照をサンプル中の細胞、微生物、またはウイルスから遊離させることができる。
【0045】
さらなる側面では、試薬ボールは、有効量のヘリカーゼを含有し、プライマーまたはRecAもしくはUvsXまたはRAD51等のその類似体を装填するために、dsDNAを巻き戻す。さらに、試薬ボールは、mutL、RecFOR酵素、UvsYを含有してもよい。
【0046】
一側面では、増幅試薬は、任意の1つまたはそれを上回る他の増幅反応、例えば、PCR法または等温増幅のために選択される。レポータ要素および/または捕捉要素は、核酸の5’末端または核酸配列に沿って、すなわち、5’末端の内部に位置する。レポータおよび/または捕捉要素は、核酸に共有または非共有付着される。
【0047】
一側面では、要素は、サンプル試薬ボール内に提供され、リザーバ内のサンプルと混合される。分解に応じて、試薬は、標的核酸と接触し、プライマーと標的核酸のハイブリダイゼーションならびにDNAまたは標的RNAの場合は相補的DNA(cDNA)分子の一連の酵素駆動溶融および再構成を通した標的の増幅が、最初に、標的配列を含有するRNA標的核酸および2本鎖cDNAから生成され、次いで、さらなる増幅のための鋳型としての役割を果たす。試薬ボールは、多くのサイズであることができ、その非限定的実施例は、約1mm~約7mm、または代替として、約2mm~約5mm、または代替として、約3mm、または代替として、約7mm未満、または代替として、約5mm未満、または代替として、約4mm未満の直径を有することを含む。試薬ボールは、球形として図示されるが、本開示は、それに限定されず、多くの形状が、使用されてもよく、それぞれ、同一または異なる試薬を含有する、複数の試薬ボールもまた、使用されてもよい。プライマーを標識から分離するスペーサ要素は、ポリマー、例えば、ヘキサエチレングリコールまたはトリエチレングリコールを備える。代替として、約1個~約18個の炭素原子またはそれを上回って含有する、直線炭素ポリマー、例えば、ヘキサン、ペンタンであることができる。
【0048】
当業者に明白であるように、標的核酸の特異的増幅を助長するために必要な前述の実施形態の組み合わせも、本開示の範囲内であることが意図される。
【0049】
試薬およびその量は、標的核酸の特異的増幅を促進するように事前に選択される。例証目的のために、逆転写酵素の非限定的実施例は、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)もしくはその誘導体またはトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)もしくはその誘導体である。好ましい逆転写酵素は、標的に依存し、異なる標的のための丸薬間で同一ではない場合があり、理解され得るように、試薬ボールは、プライマー配列および捕捉要素、プライマー濃度、粒子濃度、親和性作用物質、溶解剤、ポリメラーゼ、逆転写酵素、および標的のタイプ毎の最適条件に最良に合致する他の酵素(例えば、HIV定量化対インフルエンザ検出は、異なる反応条件を有し得る)を修正することによって、種々の異なる試験用途のために使用されることができる。
【0050】
ポリメラーゼは、鎖置換ポリメラーゼカテゴリ内のいくつかの異なるタイプを含むことができ、オプションとして、例えば、BsuDNAポリメラーゼまたはBsuDNAポリメラーゼラージフラグメント等のそのフラグメント、BstDNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼラージフラグメント等のそのフラグメント、phi29DNAポリメラーゼを含む。ポリメラーゼおよび逆転写酵素に関して、多くの場合、エキソヌクレアーゼ活性を欠いたポリメラーゼ、または逆転写酵素に関して、RNase H活性を欠いたポリメラーゼ等のある変異体を有することが所望の特性であることを理解されたい。
【0051】
等温反応のための好ましい反応温度は、方法および反応条件に依存し得、多くの場合、LAMPに該当するような摂氏約65度およびニッキング酵素増幅反応に該当するような摂氏55度を含むことができる。好ましいが、限定ではない、反応温度範囲は、標的核酸がRNAである場合、増幅反応の逆転写酵素部分に対して約37~42度である。ヘリカーゼ依存増幅、鎖置換増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅は全て、摂氏約37度または摂氏37度~摂氏42度で生じることができる。
図20は、摂氏約40度でリザーバ内で生じる、等温反応の温度プロファイルを示す。
【0052】
いくつかの等温増幅技法を促進するために、1本鎖結合タンパク質(SSB)を含むことが所望され得、これらのタンパク質は、増幅の間、相補鎖の巻き戻しおよび鎖置換重合を安定化させることに役立つ。実施例は、限定ではないが、RB49 GP32、RB69 GP32、T4 GP32、大腸菌のSSBタンパク質、およびその他を含む。
【0053】
いくつかの側面では、試薬ボールおよび方法はさらに、ヘリカーゼを使用して、プライマーを装填するためにdsDNAを巻き戻す。非限定的実施例は、大腸菌からのuvrDヘリカーゼ、T4 Gene41ヘリカーゼ、およびその他多くのもの等の酵素を含む。プライマーアニーリングのために2本鎖DNAの酵素溶融のためのdsDNAの中へのプライマー装填を促進する、リコンビナーゼは、大腸菌からのRecA、RAD51ヒトリコンビナーゼ、DMC1ヒト減数分裂リコンビナーゼ、またはT4 UvsX、RB49
UvsX、RB69 UvsX、およびその他多くのもの等のファージからの類似体を含むことができる。当業者に公知のように、ヘリカーゼおよびSSBの組み合わせは、等温増幅を促進するために有用である。MutL等の補助因子が、ヘリカーゼ依存増幅を促進するために添加されることができる。リコンビナーゼおよびSSBの組み合わせは、RPAにおいて有用であり得、時として、大腸菌からのRecFORおよび/または種々のファージからのUvsY等の補助因子も同様に、それぞれ、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅およびヘリカーゼ依存増幅における一次酵素(RecA)または(uvrD)を支援することによって反応を促進するために採用される。当業者によって理解されるように、試薬ボールおよび/またはリザーバはさらに、必要に応じて、標的核酸の特異的増幅を促進するために、前述の試薬のうちの任意の1つまたはそれを上回るものを含有することができる。
【0054】
SDA、HDA、およびRPA等の等温増幅反応のためのプライマー濃度は0.01~10マイクロモル、好ましくは、0.5マイクロモルにより近くあることができる。LAMPプライマー混合物は、全4または6つの(ループを伴う)プライマーを用いて調製されることができる。10倍のプライマー混合物は、16μM FIP、16μM BIP、2μM F3、2μM BE、4μM LoopF、4μM LoopBを含有し得る。dNTPは、1マイクロモル~500マイクロモル、好ましくは、約200マイクロモルの濃度で提供されることができる。SDA、HDA、RPAは、酵素溶融およびdsDNAの中へのプライマーの装填を可能にする酵素のいくつかが、ATPが官能化することを要求するため、大量のATPを要求し得、したがって、100マイクロモル~4ミリモルもの多くのATPが、反応において使用され得る。
【0055】
ポリメラーゼの量は、標的に応じて変動し得るが、1単位~1000単位/反応の範囲内であることができる。逆転写酵素もまた、正常な反応のために、そのような範囲で提供されることができる。マグネシウムは、ポリメラーゼ活性のための不可欠な共同因子であって、5~50ミリモル、典型的には、約10ミリモル等の当技術分野において周知である量で試薬ボールまたはリザーバ内に提供されることができる。
【0056】
検出のための標識またはシグナルもまた提供することができる、分子の非共有結合のための方法および組成物が、当技術分野において公知である。その非限定的実施例は、アビジンまたはストレプトアビジン-ビオチン共役を含む。ビオチンの修飾は、当技術分野において公知であって、本開示の範囲内であるものと意図される。その非限定的実施例は、Integrated DNA Technologiesから市販のビオチンdT、ビオチン-TEG、デュアルビオチン、PCビオチンおよびデスチオビオチン-TEGを含む(idtdna.com/pages/decoded/decoded-articles/core-concepts/decoded/2012/09/20/which-biotin-modification-to-use-(最新アクセス2016年7月16日)参照)。本開示はまた、プライマーが直接シグナル伝達物質に共役されるとき等、核酸とタンパク質の結合のための付加的共役化学物質の使用を含み、一側面では、シグナル伝達物質は、HRP等の酵素である。タンパク質またはポリペプチドと別の部分の共有結合の非限定的実施例は、部分と架橋結合反応基、例えば、カルボジイミド、イミドエステル、およびマレイミドの結合を含む。例えば、Bioconjugate Techniques, 3rd Ed, Hermanson, G.T.(2013)を参照されたい。
【0057】
当業者に明白であるように、試薬ボールの成分は、標的核酸および/または標的の増幅ならびに/もしくは適切な方法による制御を促進するように選択される。一側面では、試薬は、ローリングサークル増幅(RCA)またはループ介在等温増幅のために選択される。別の側面では(LAMP)法による増幅のために選択される。別の側面では、鎖置換増幅(SDA)のために選択される。別の側面では、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)のために選択される。別の側面では、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)のために選択される。別の側面では、ポリメラーゼ渦巻反応(PSR)のために選択される。別の側面では、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)のために選択される。前述のように、各特定の反応タイプは、標的および/または複数の標的ならびに/もしくは内部対照核酸の効率的および選択的増幅を可能にし、当業者に公知である、酵素および成分のその独自の好ましい組み合わせを有する。
【0058】
複数の親和性分子のうちの親和性分子はそれぞれ、固体粒子に結合されてもよい。固体粒子は、磁気応答性材料から形成されてもよい、および/または非磁気応答性材料から形成されてもよい。非磁気応答性材料は、金ナノ粒子であってもよい。
【0059】
サンプル結合分子に事前に結合された複数のサンプル標的検体は、ビタミンD結合タンパク質分子に事前に結合された25-ヒドロキシビタミンD2または25-ヒドロキシビタミンD3分子を含んでもよい。サンプル結合分子に事前に結合された複数の競合分子は、ビオチンで標識され、ビタミンD結合タンパク質分子に事前に結合された25-ヒドロキシビタミンD2または25-ヒドロキシビタミンD3分子を含んでもよい。複数の親和性分子、複数の結合解除剤、複数のシグナル伝達物質、および競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子のうちの少なくとも1つは、試薬ボール内に貯蔵されてもよい。
【0060】
前述のように、プライマー(標的核酸および対照鋳型のためのフォワードならびにリバース)は、存在する場合、増幅および検出されるべき標的核酸のヌクレオチド配列に基づいて設計される。標的配列に基づいて最適プライマーを設計する方法は、当技術分野において公知であって(例えば、simgene.com/Primer3;quill.com、molbiol-tools.caPCR、およびncbi.nlm.nih.gov/tools/primer-blast/(それぞれ最新アクセス2016年7月15日)参照)、利用される増幅方法、例えば、ローリングサークル増幅(RCA)、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)、ポリメラーゼ渦巻反応(PSR)、およびニッキング酵素増幅反応(NEAR)に伴って変動する。
【0061】
さらに別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを検出するために提供される。サンプル分析カートリッジは、試薬ボール、リザーバ、および/またはセンサを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。試薬ボールは、競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子を含んでもよく、複数の競合分子はそれぞれ、標識を保有する、またはシグナル伝達物質に結合されてもよい。別の側面では、試薬ボールは、標的核酸の増幅および検出のために必要な試薬を備える、または代替として、それから本質的に成る。リザーバは、リザーバ内に事前に充填され得る、または充填され得ない、リザーバ流体を保持するように構成されてもよい。リザーバは、リザーバ内の流体、複数の親和性分子、複数の結合解除剤、複数のシグナル伝達物質、競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子、およびサンプル収集デバイスからのサンプルであって、サンプル結合分子に事前に結合された複数のサンプル標的検体を有する、サンプルの混合を可能にするように構成されてもよい。複数の結合解除剤のうちのある結合解除剤は、競合分子を事前に結合された競合結合分子から、またはサンプル標的検体を事前に結合されたサンプル結合分子から結合解除するように構成されてもよい。結合解除された競合分子の標識は、シグナル伝達物質に結合するように構成されてもよく、結合解除された競合分子は、複数の親和性分子のうちのある親和性分子に結合するように構成されてもよい。別の側面では、リザーバは、リザーバ内に事前に充填され得る、または充填され得ない、リザーバ流体を保持するように構成される。リザーバは、リザーバ内の流体、増幅反応を促進するための複数の酵素、例えば、ポリメラーゼ、逆転写酵素、そこに結合された親和性分子を有する複数の磁気ビーズ、標的核酸を増幅させるように選択され、それぞれそこに結合されたスペーサ要素を有する、複数のフォワードプライマー、標的核酸を増幅させるように選択され、それぞれそこに結合されたスペーサ要素およびシグナル伝達物質またはシグナル伝達捕捉要素を有する、複数のリバースプライマー、増幅反応のための複数のヌクレオチドまたはその類似体(dNTP)、複数のDNA鋳型対照核酸、それぞれそこに結合されたスペーサ要素およびシグナル伝達物質を有する内部対照としての役割を果たすように選択された複数のリバースプライマー、およびそれぞれそこに結合されたスペーサ要素および捕捉要素を有する内部対照としての役割を果たすように選択された複数のフォワードプライマーの混合を可能にするように構成される。一側面では、増幅試薬は、任意の1つまたはそれを上回る他のPCR法もしくは等温増幅のために選択される。
【0062】
さらなる側面では、試薬ボールおよび/またはリザーバは、有効量の溶解剤を含有し、細胞を備えるサンプル、例えば、細菌サンプルを溶解させ、検体としての役割を果たす、細胞内DNA、RNAおよび/またはタンパク質を放出する。溶解剤の非限定的実施例は、NP-40、CHAPS、デオキシコール酸、TritonX-100、NP40、およびTween20を含む。
【0063】
さらなる側面では、試薬ボールおよび/またはリザーバは、分析のために添加されるサンプルにネイティブまたは内因性のRNAse、DNAse、もしくはプロテアーゼ活性を阻害する量でRNAse阻害剤および/またはDNAse阻害剤ならびに/もしくはプロテアーゼ阻害剤を含有する。
【0064】
スペーサ要素は、プライマーの核酸部分が標識からより離れており、粒子に結合される、またはシグナル伝達物質に結合される(両方とも、扱いにくくなり得る)等の他の立体障害事象が生じ得る、またはすでに生じている場合、ある場合には、プライマーが、増幅反応により良好に関与し得るため、有利であり得る。プライマーを標識から分離するスペーサ要素は、ポリマー、例えば、ヘキサエチレングリコール、トリエチレングリコール、C3スペーサホスホラミダイト、PCスペーサ、ヘキサンジオールを備え、Integrated DNA Technologiesから市販されている(idtdna.com/site/Catalog/Modifications/Category/6(最新アクセス2016年7月16日)参照)。
【0065】
センサは、混合されたリザーバ流体に暴露されるように構成されてもよく、センサはさらに、サンプル中のサンプル標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成されてもよい。例えば、シグナル伝達物質を備える混合されたリザーバ流体からの粒子は、センサにわたって分析チャネル内に局在化し得、局在化されたシグナル伝達物質は、基質溶液からの基質と反応し、センサによって感知される電気信号を生成してもよい。センサは、反応からの電気信号を使用して、サンプル中のサンプル標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を送信してもよい。
【0066】
リザーバはさらに、リザーバ流体中への複数の固体粒子の混合を可能にするように構成されてもよい。各固体粒子は、複数の親和性分子のうちのある親和性分子に事前に結合されてもよい。複数の固体粒子は、磁気応答性材料から形成される、および/または非磁気応答性材料から形成されてもよい。非磁気応答性材料は、金ナノ粒子であってもよい。サンプル結合分子に事前に結合された複数のサンプル標的検体は、結合タンパク質分子に事前に結合された25-ヒドロキシビタミンD3および/または25-ヒドロキシビタミンD2分子を含んでもよい。磁気応答性材料は、センサにわたって磁気的に保持されてもよい。
【0067】
さらに別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、シャトル、および/またはコレットを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在し、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成されてもよい。リザーバは、流体を保持するように構成されてもよい。シャトルは、第1の位置では、リザーバと開口との間の入力トンネル内に配置されてもよい。コレットは、第1の位置では、入力トンネル内に配置され、シャトルに結合されてもよい。コレットは、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、シャトルから分断してもよい。シャトルは、コレットがシャトルから分断された後、第1の位置から第2の位置に入力トンネル内を移動し、したがって、シャトルは、第2の位置では、少なくとも部分的に、リザーバ内に配置されてもよい。
【0068】
サンプル分析カートリッジは、サンプルと混合された流体に暴露されるように構成される、センサを含んでもよい。センサは、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成してもよい。シャトルは、第1の端部および入力トンネル内で第1の端部の近位に配置される第2の端部を有してもよい。シャトルの第2の端部は、第1の位置では、コレットの管腔内に配置されるように構成されてもよい。シャトルの第1の端部は、第1の位置では、リザーバの壁を形成してもよい。
【0069】
コレットは、第1の位置では、コレットをシャトルに結合するように構成される、1つまたはそれを上回る係止アームを有してもよい。1つまたはそれを上回る係止アームは、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、サンプル収集デバイスによって1つまたはそれを上回る係止アーム上に印加される力に応答して、1つまたはそれを上回る係止アームをシャトルから分断するように偏向されるように構成されてもよい。
【0070】
サンプル分析カートリッジは、リザーバ内の流体を流体的にシールするように構成されるシール材料と、入力トンネル内に部分的に配置される、シール穿刺器とを含んでもよい。シール穿刺器は、入力トンネル内のサンプル収集デバイスによって接触され、サンプル収集デバイスによって印加される力に応答して移動し、シール材料を穿刺し、リザーバ内の流体に通気するように構成されてもよい。コレットは、スロットを有してもよく、シール穿刺器の一部は、スロットを通して入力トンネルの中に延在し、シール穿刺器とサンプル収集デバイスとの間の接触を可能にしてもよい。
【0071】
サンプル分析カートリッジは、接触スイッチを含んでもよい。コレットは、接触スイッチに隣接して配置され、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、サンプル収集デバイスによって偏向器部分上に印加される力に応答して、接触スイッチをアクティブ化するように偏向するように構成される、偏向器部分を有してもよい。コレットの偏向器部分は、下向きに偏向し、接触スイッチをアクティブ化するように構成される、アームを含んでもよい。接触スイッチは、接触スイッチのアクティブ化が入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの完全挿入を示すように、入力トンネル内に位置付けられてもよい。
【0072】
シャトルは、試薬を備える試薬ボールをシャトルの第1の端部と第2の端部との間に格納するように構成されてもよい。好ましくは、試薬ボールは、第1の位置では、リザーバ内の流体に暴露されず、第2の位置では、リザーバ内の流体に暴露される。
【0073】
さらに別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、コレット、および/または接触スイッチを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にしてもよい。リザーバは、流体を保持するように構成されてもよい。コレットは、リザーバと開口との間の入力トンネル内に配置されてもよい。コレットは、偏向器部分およびサンプル収集デバイスの遠位部分をその中に受容するように定寸される管腔を有してもよい。接触スイッチは、コレットの偏向器部分に隣接して配置されてもよい。偏向器部分は、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、サンプル収集デバイスによって偏向器部分上に印加される力に応答して、接触スイッチをアクティブ化するように偏向するように構成されてもよい。
【0074】
サンプル分析カートリッジは、入力トンネル内に配置され、試薬を備える試薬ボールをシャトルの第1の端部と第2の端部との間に格納するように構成される、シャトルを含んでもよい。コレットの偏向器部分は、下向きに偏向し、接触スイッチをアクティブ化するように構成される、アームであってもよい。接触スイッチは、接触スイッチのアクティブ化が入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの完全挿入を示すように位置付けられてもよい。
【0075】
サンプル分析カートリッジは、サンプルと混合された流体に暴露されるように構成される、センサを含んでもよい。センサは、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成してもよい。
【0076】
別の側面によると、サンプル分析カートリッジが、提供される。サンプル分析カートリッジは、入力トンネル、リザーバ、シャトル、および/または超音波発生器を含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよい。入力トンネルは、開口から延在してもよく、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有する、サンプル収集デバイスの挿入を可能にしてもよい。リザーバは、流体を保持するように構成されてもよい。シャトルは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを画定してもよい。第1および第2のコンパートメントは、混合位置では、リザーバ内に配置されるように構成されてもよい。超音波発生器は、音響波を放出し、リザーバ内の流体をある波パターンで第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間で移動させ、リザーバ内の流体を混合するように構成されてもよい。
【0077】
シャトルは、第1のコンパートメントを第2のコンパートメントから分割するように構成される、コンパートメント分割器を含んでもよい。コンパートメント分割器は、フランジであってもよい。コンパートメント分割器の周囲を流動する流体は、波パターンの形成を促進し得る。コンパートメント分割器は、混合の間、スロットを介して、流体がコンパートメント分割器を通して流動することを可能にするように構成される、スロットを有してもよい。第1のコンパートメントは、試薬を含む試薬ボールを格納するように構成される、試薬ボールコンパートメントであってもよく、第2のコンパートメントは、例えば、サンプル収集デバイスから、および/またはサンプル収集デバイスの遠位部分上に排出される、サンプル収集デバイスからのサンプルを受容するように構成される、サンプルコンパートメントであってもよい。試薬ボールは、前述のように、標的核酸の増幅のための試薬、例えば、ポリメラーゼ、プライマー、およびシグナル伝達物質を含んでもよい。第1および第2のコンパートメントは、好ましくは、混合前位置では、リザーバ内に配置されない。
【0078】
超音波発生器は、圧電セラミックディスク等の圧電変換器であってもよい。超音波発生器は、リザーバの壁、例えば、リザーバの底壁の一部を形成してもよい。リザーバは、対称であってもよい。リザーバの壁はそれぞれ、60°等の所定の角度を上回る角度で衝合し、リザーバの出口を通した流体の空化を促進し得る。超音波発生器は、リザーバの中心からずれて位置付けられ、リザーバ内の流体の混合を促進し得る。
【0079】
サンプル分析カートリッジは、1つまたはそれを上回るばね接触を介して超音波発生器に結合される、印刷回路基板を含んでもよい。超音波発生器は、1つまたはそれを上回るばね接触のみを介して、印刷回路基板に電気的に結合されてもよい。超音波発生器は、プロセッサ、例えば、読取機のプロセッサからの信号に応答して、アクティブ化されてもよい。
【0080】
サンプル分析カートリッジは、リザーバ内の流体の温度を示す温度を感知するように構成される、温度センサを含んでもよい。温度センサは、超音波発生器に隣接して位置付けられる、印刷回路基板上に配置されてもよい。
【0081】
サンプル分析カートリッジは、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入を示すように構成される、接触スイッチを含んでもよい。超音波発生器は、接触スイッチの作動後、音響波を放出するように構成されてもよい。例えば、読取機は、読取機が接触スイッチがアクティブ化されたことを示す電気信号を受信後、超音波発生器に、音響波を放出するように命令してもよい。
【0082】
超音波発生器によって放出される音響波は、リザーバ内で混合された流体の反応を等温的に増幅させるように構成されてもよい。
【0083】
別の側面によると、サンプル分析カートリッジ内に存在する場合の標的核酸の等温増幅のための方法が、提供される。本方法は、リザーバ内において、前述のように、標的核酸の増幅および検出のために事前に選択された複数の試薬を含有する、試薬ボールと、固体粒子に結合されるアンプリコン-シグナル伝達物質錯体を酸性するためのサンプルを接触させるステップを含む、または代替として、それから成る。アンプリコンは、スペーサ要素に結合され、ひいては、シグナル伝達物質に結合される、標的核酸を備える核酸を備える、リバースプライマー錯体と、一端において捕捉要素に結合される、標的配列を備える核酸を備える、フォワードプライマー錯体とを備える、核酸2本鎖を備える。さらなる側面では、リバースプライマー錯体はさらに、シグナル伝達物質およびスペーサ要素に共役されたシグナル伝達親和性要素を備える。アンプリコン-シグナル伝達物質錯体は、ひいては、固体粒子上の親和性要素に共役され、ひいては、磁場にわたってセンサ表面に結合または保持されることができる。アンプリコン-シグナル伝達物質錯体は、ひいては、固体粒子上の親和性要素に共役され、ひいては、磁場にわたってセンサ表面に保持されることができる。検体が存在する場合、センサは、シグナル伝達物質標識アンプリコンを検出および/または定量化する。
【0084】
超音波発生器は、リザーバに向かって音響波を放出し、リザーバ内での標的核酸の増幅を助長してもよい。前述のように、アンプリコン-シグナル伝達物質錯体は、基質リザーバからの基質と反応させてもよい。例えば、反応は、分析チャネル内のセンサにわたって生じてもよい。増幅された核酸の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号が、生成されてもよい。信号は、カートリッジから読取機等の別のデバイスに伝送されてもよい。
【0085】
試薬ボールは、シャトル内に保持されてもよい。シャトルは、カートリッジの入力トンネル内に配置されてもよい。試薬ボールは、前述のように、等温反応による標的核酸の増幅のための試薬を備えてもよい。試薬は、ポリメラーゼ、標的核酸の増幅のためのプライマー、および標的核酸の増幅の検出のためのシグナル伝達物質を備えてもよい。1つまたはそれを上回る親和性分子は、標的核酸の検出のために、固体粒子に共有または非共有結合されてもよい。
【0086】
別の側面によると、キットが、提供される。キットは、リザーバ、超音波発生器、温度センサ、および/またはプロセッサを含んでもよい。リザーバは、流体を保持し、サンプル収集デバイスによって収集されたサンプルを受容するように構成されてもよい。超音波発生器は、音響波を放出し、流体およびサンプルをリザーバ内で混合するように構成されてもよい。温度センサは、リザーバ内の流体の温度を示す信号を生成するように構成されてもよい。プロセッサは、超音波発生器をアクティブ化し、音響波を放出し、温度センサからの信号を監視するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、信号が閾値外のリザーバ内の流体の温度を示す場合、超音波発生器からの音響波の放出を修正するように構成されてもよい。サンプル分析カートリッジは、リザーバ、超音波発生器、および/または温度センサを含んでもよく、それぞれ、カートリッジの筐体内にあってもよく、読取機は、プロセッサを含んでもよい。読取機は、サンプル分析カートリッジに電気的に結合されるように構成されてもよい。
【0087】
サンプル分析カートリッジは、印刷回路基板を含んでもよく、温度センサは、超音波発生器に隣接して位置付けられる、印刷回路基板上に配置されてもよい。サンプル分析カートリッジは、サンプル分析カートリッジの入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入を示す信号を生成するように構成される、接触スイッチを含んでもよい。読取機のプロセッサは、信号を接触スイッチから受信し、接触スイッチからの信号の受信後、超音波発生器をアクティブ化するように構成されてもよい。プロセッサは、信号が、リザーバ内の流体の温度が閾値を上回ることを示す場合、超音波発生器のデューティサイクルを減少させることによって、超音波発生器からの音響波の放出を修正してもよい。プロセッサは、信号が、リザーバ内の流体の温度が閾値を下回ることを示す場合、超音波発生器のデューティサイクルを増加させることによって、超音波発生器からの音響波の放出を修正してもよい。プロセッサは、信号が、リザーバ内の流体の温度が閾値を上回ることを示す場合、超音波発生器を非アクティブ化することによって、超音波発生器からの音響波の放出を修正してもよい。
【0088】
超音波発生器によって放出される音響波は、リザーバ内で混合された流体の反応を等温的に増幅させるように構成されてもよい。サンプル分析カートリッジは、サンプル分析カートリッジ内に配置される、試薬ボールを含んでもよい。超音波発生器は、音響波を放出し、流体、試薬ボール、およびサンプルをリザーバ内で混合するように構成されてもよい。試薬ボールは、ポリメラーゼ、プライマー、およびシグナル伝達物質を含んでもよい。サンプル分析カートリッジは、試薬ボールを格納するように構成される、シャトルを含んでもよい。
【0089】
別の側面によると、マイクロ流体カートリッジにおいて使用するためのセンサが、提供される。センサは、正の対照作業電極、作業電極、および/または負の対照作業電極を含んでもよい。正の対照作業電極は、正の対照作業電極に事前に結合された親和性分子を含んでもよい。例えば、親和性分子は、カートリッジの分析チャネル内に配置される正の対照作業電極の表面に事前に結合されてもよい。正の対照作業電極は、親和性分子に直接または間接的に結合されるシグナル伝達物質と化学基質との間の反応に基づいて、第1の信号を生成するように構成されてもよい。シグナル伝達物質は、試薬ボールからのものであってもよい。化学基質は、基質リザーバ内に貯蔵される流体からのものであってもよい。作業電極は、作業電極に局在化されたシグナル伝達物質と化学基質との間の反応に基づいて、第2の信号を生成するように構成されてもよい。負の対照作業電極は、自己組織化単分子膜を含んでもよい。例えば、自己組織化単分子膜は、カートリッジの分析チャネル内に配置される負の対照作業電極の表面にあってもよい。負の対照作業電極は、負の作業電極に局在化されたシグナル伝達物質と化学基質との間の反応に基づいて、第3の信号を生成するように構成されてもよい。理解されるはずであるように、「第1」、「第2」、および「第3」は、用語を区別し、必ずしも順番を意味するものではない。
【0090】
第2の信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは数のうちの少なくとも1つを示してもよい。第1の信号は、試験の信頼性を示してもよい。例えば、試験は、第1の信号が所定の範囲内にある反応の量を示す場合、信頼性があると判定されてもよい。第3の信号は、試験の信頼性を示す。例えば、試験は、第3の信号が反応の量が閾値を下回ることを示す場合、信頼性があると判定されてもよい。
【0091】
カートリッジは、センサを含んでもよい。カートリッジは、分析チャネルを有してもよく、正の対照作業電極、作業電極、および負の対照作業電極は、分析チャネル内に配置されてもよい。
【0092】
カートリッジを含む、キットもまた、提供される。キットは、第2の信号を処理し、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、もしくは数のうちの少なくとも1つを示す情報を生成するように構成される、プロセッサを含んでもよい。プロセッサは、第1の信号を処理し、第1の信号が所定の範囲内の反応の量を示すかどうかを判定してもよい。プロセッサは、量が所定の範囲外である場合、アラートを生成してもよい。プロセッサは、第3の信号を処理し、第3の信号が反応の量が閾値を下回ることを示すかどうかを判定してもよい。プロセッサは、量が閾値を上回る場合、アラートを生成してもよい。プロセッサは、読取機の構成要素であってもよい。
【0093】
作業電極は、作業電極にわたって局在化されたシグナル伝達物質に直接または間接的に結合される複数の磁気粒子の均質分布を助長し、作業電極からの複数の磁気粒子の移動に対する抵抗を助長するように構成される、複数の細溝でマスクされてもよい。
【0094】
作業電極は、自己組織化単分子膜を含んでもよい。例えば、自己組織化単分子膜は、カートリッジの分析チャネル内に配置される作業電極の表面にあってもよい。
【0095】
作業電極は、作業電極に事前に結合された親和性分子を含んでもよい。例えば、親和性分子は、カートリッジの分析チャネル内に配置される作業電極の表面に事前に結合されてもよい。
【0096】
そのような方法およびデバイスは、例えば、とりわけ、人が罹患している病気、とりわけ、人が有害に反応している薬物もしくは毒物、またはとりわけ、水を汚染している化学物質を判定するために使用されてもよい。他の実施例は、限定ではないが、体内のビタミン、ホルモン、タンパク質、または他の着目検体、水媒介および食品媒介病原、医療機器の微生物成長および/または汚染、ならびにペットおよび家畜からの他の潜在的疾患発生汚染物質を含む、種々の作用物質の濃度を定量化することを含む。汚染物質の実施例として、限定ではないが、ウイルス、細菌、および真菌病原、血流感染症(BSI)、肺炎(例えば、人工呼吸器関連肺炎[VAP])、尿路感染症(UTI)、および手術部位感染症(SSI)、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、カンジダ/アルビカンス、緑膿菌、アシネトバクター/バウマニ、ステノトロホモナス/マルトフィリア、ディフィシル菌、結核、胃腸炎、バンコマイシン耐性腸球菌、レジオネラ症、産褥熱、MRSA、および大腸菌が挙げられる。食品媒介病原の実施例として、限定ではないが、赤痢菌、サルモネラ、ビブリオ属、エルシニア属、リステリア、大腸菌、およびカンピロバクタが挙げられる。本技術の用途は、ヒト患者の健康に重要な病原または検体に限定されず、また、ペットおよび家畜の健康ならびに保全、例えば、獣医学用途も含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成される、リザーバと、
第1の位置において、前記リザーバと前記開口との間に配置される、試薬シャトルであって、前記試薬シャトルは、第1の端部および第2の端部を有し、前記試薬シャトルは、試薬を前記第1の端部と第2の端部との間に備える試薬ボールを格納するように構成され、前記第1の端部は、前記第1の位置において、前記リザーバを前記入力トンネルからシールするように構成され、前記試薬シャトルは、閾値力を上回る力を受けると、第2の位置に前記入力トンネル内を移動するように構成され、したがって、前記試薬ボールおよび前記サンプルは、前記リザーバの中に移動し、前記リザーバが、前記第1の位置から前記第2の位置への移動の間、前記試薬シャトルの近位の前記入力トンネルから持続的にシールされる、試薬シャトルと、
前記試薬ボールおよび前記サンプルと混合された流体を分析するように構成される、センサであって、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するようにさらに構成される、センサと、
を備える、サンプル分析カートリッジ。
(項目2)
前記シャトルの第2の端部は、過剰サンプルを前記サンプル収集デバイスの先端から払拭するように定寸される開口部を有し、したがって、最大で、前記サンプルの所定の体積が、前記リザーバ内の流体中に混合される、項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目3)
前記リザーバは、前記第1の位置から前記第2の位置への移動の間、前記シャトルの第2の端部内に部分的に挿入される前記サンプル収集デバイスを介してシールされる、項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目4)
前記第2の位置において、前記サンプル収集デバイスを前記入力トンネル内に不可逆的に係止するように構成される、1つまたはそれを上回る係止部材をさらに備える、項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目5)
前記シャトルは、最大で、前記サンプルの所定の体積を格納するように構成される、1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントと、前記試薬ボールおよび随意に付加的試薬ボールを格納するように構成される、1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントとを備え、
前記1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントおよび前記1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントは、前記第1の位置において、前記リザーバ内の流体に暴露されず、
前記1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントおよび前記1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントは、前記第2の位置において、前記リザーバ内の流体に暴露される、
項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目6)
前記シャトルは、少なくとも1つのサンプルコンパートメントを少なくとも1つの試薬ボールコンパートメントから分割するように構成される、コンパートメント分割器を備える、項目5に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目7)
前記コンパートメント分割器は、前記第2の位置で前記サンプル調製リザーバ内に配置されると、混合を促進するように構成される、スロットを備える、項目6に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目8)
前記試薬は、複数の固体粒子、複数の親和性分子、または複数のシグナル伝達物質のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目9)
前記試薬は、前記センサの作業電極にわたって磁気的に保持されるように構成される、複数の磁気粒子を備える、項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目10)
前記複数の磁気粒子の少なくとも1つの磁気粒子は、シグナル伝達物質に間接的に結合されるように構成される、項目9に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目11)
分析チャネルをさらに備え、前記センサの少なくとも一部は、前記分析チャネル内に配置され、前記試薬ボールおよび前記サンプルと混合された流体は、前記分析チャネルを介して、前記センサの少なくとも一部に進行する、項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目12)
接触スイッチ、前記リザーバ内の流体を流体的にシールするように構成されるシール材料、およびシール穿刺器をさらに備え、
前記サンプル収集デバイスの前記入力トンネル内への挿入は、(i)前記シャトルを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ、(ii)前記シール穿刺器に前記シール材料を穿刺させ、前記リザーバ内の流体に通気させ、(iii)前記接触スイッチのアクティブ化を生じさせる、
項目1に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目13)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成される、リザーバと、
前記リザーバ内の流体を流体的にシールするように構成される、シール材料と、
前記入力トンネル内に部分的に配置される、シール穿刺器であって、前記シール穿刺器は、前記入力トンネル内のサンプル収集デバイスによって接触され、サンプル収集デバイスによって印加される力に応答して移動し、前記シール材料を穿刺させ、前記リザーバ内の流体に通気させるように構成される、シール穿刺器と、
を備える、サンプル分析カートリッジ。
(項目14)
前記シール穿刺器は、第1の方向および前記第1の方向と異なる第2の方向に移動し、前記シール材料を穿刺するように構成される、項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目15)
前記第1の方向は、前記入力トンネル内のサンプル収集デバイスの移動と略平行であり、前記第2の方向は、前記第1の方向と略垂直である、項目14に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目16)
前記シール穿刺器は、1つまたはそれを上回る穿刺器を備える、項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目17)
前記シール穿刺器はさらに、第1の方向に移動するように構成される、スライダを備え、前記1つまたはそれを上回る穿刺器は、前記第1の方向と異なる第2の方向に移動し、前記シール材料を穿刺するように構成される、項目16に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目18)
前記リザーバは、サンプル調製リザーバであり、
洗浄剤リザーバおよび基質リザーバをさらに備え、
前記シール穿刺器は、前記シール材料を穿刺させ、前記サンプル調製リザーバ、前記洗浄剤リザーバ、および前記基質リザーバ内の個別の流体に通気させるように構成される、
項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目19)
前記シール穿刺器は、前記入力トンネル内に配置される係合器を備え、前記係合器は、前記サンプル収集デバイスが前記入力トンネル内にあるとき、前記サンプル収集デバイスの係合ゾーンに係合するように構成される、項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目20)
接触スイッチをさらに備え、前記接触スイッチは、前記サンプル収集デバイスの前記入力トンネル内への挿入に応じて、アクティブ化されるように構成される、項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目21)
前記シール穿刺器の移動は、前記接触スイッチのアクティブ化を生じさせる、項目20に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目22)
前記シール穿刺器は、任意の順序において、前記サンプル収集リザーバ、前記洗浄剤リザーバ、および前記基質リザーバにわたる前記シール材料を連続して穿刺するように構成される、項目18に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目23)
前記シール穿刺器は、穿刺し、前記リザーバ内の流体に通気後、前記シール材料内に穿刺される1つまたはそれを上回る孔から移動するように構成される、項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目24)
第1の位置において、前記リザーバと前記開口との間に配置される、接触スイッチおよびシャトルをさらに備え、前記シャトルは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記第1の位置において、前記リザーバを前記入力トンネルからシールするように構成され、前記試薬シャトルは、第2の位置に前記入力トンネル内を移動するように構成され、そこで前記サンプルは、前記リザーバの中に移動され、
前記サンプル収集デバイスの前記入力トンネル内への挿入は、(i)前記シャトルを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ、(ii)前記シール穿刺器に前記シール材料を穿刺させ、前記リザーバ内の流体に通気させ、(iii)前記接触スイッチのアクティブ化を生じさせる、
項目13に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目25)
前記第2の位置において、前記サンプル収集デバイスを前記入力トンネル内に不可逆的に係止するように構成される、1つまたはそれを上回る係止部材をさらに備える、項目24に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目26)
前記サンプル収集デバイスの前記入力トンネル内への挿入は、前記シャトルが前記第1の位置から前記第2の位置に移動する前に、前記シール穿刺器に前記シール材料を穿刺させ、前記リザーバ内の流体に通気させる、項目24に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目27)
前記サンプル収集デバイスの前記入力トンネル内への挿入は、前記第1の位置から前記第2の位置への前記シャトルの移動の間、前記シール穿刺器に前記シール材料を穿刺させ、前記リザーバ内の流体に通気させる、項目24に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目28)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成され、かつ前記サンプル収集デバイスの遠位部分上のサンプルを受容するように構成される、リザーバと、
前記リザーバから、その中に混合された複数の磁気粒子を備える、前記サンプルおよび試薬を有する流体を受容するように構成される、分析チャネルと、
作業電極を有するセンサを備える、回路基板であって、前記センサは、前記分析チャネル内の混合された流体に暴露され、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成される、回路基板と、
を備え、
前記作業電極は、前記作業電極にわたる前記複数の磁気粒子の均質分布を助長し、前記作業電極からの前記複数の磁気粒子の移動に対する抵抗を助長するように構成される、複数の細溝でマスクされる、
サンプル分析カートリッジ。
(項目29)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのキットであって、
サンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成され、かつ前記サンプル収集デバイスの遠位部分上のサンプルを受容するように構成される、リザーバと、
前記リザーバから、その中に混合された複数の磁気粒子を備える、前記サンプルおよび試薬を有する流体を受容するように構成される、分析チャネルと、
前記分析チャネル内の混合された流体に暴露され、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成される、センサを備える、回路基板と、
を備える、サンプル分析カートリッジと、
前記サンプル分析カートリッジを受容するように構成される、サンプル分析読取機であって、前記サンプル分析読取機は、前記サンプル分析カートリッジが前記サンプル分析読取機内に挿入されると、前記センサの単一作業電極に隣接して配置されるように構成される、第1および第2の磁気発生器を有し、前記第1および第2の磁気発生器はさらに、前記単一作業電極の長さにわたって磁場を生成し、前記単一作業電極の長さにわたる前記複数の磁気粒子の均質分布を助長するように構成される、サンプル分析読取機と、
を備える、キット。
(項目30)
前記サンプル分析読取機による前記サンプル分析カートリッジの受容は、前記サンプル分析カートリッジと前記サンプル分析読取機との間の電気結合を生じさせる、項目29に記載のキット。
(項目31)
前記サンプル分析カートリッジは、処理のために、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を前記サンプル分析読取機に伝送するように構成される、項目30に記載のキット。
(項目32)
前記サンプル分析読取機は、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す処理された信号をコンピュータに伝送するように構成される、項目31に記載のキット。
(項目33)
前記コンピュータのプロセッサによって実行されると、前記コンピュータのディスプレイに、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す情報を表示させる、命令を伴うコンピュータ可読媒体をさらに備える、項目32に記載のキット。
(項目34)
前記サンプル分析カートリッジの筐体は、磁気発生器凹部を有する、底部表面を有し、
サンプル分析読取機内への前記サンプル分析カートリッジの受容は、前記第1および第2の磁気発生器を前記磁気発生器凹部内で部分的に移動させる、
項目29に記載のキット。
(項目35)
前記磁気発生器凹部は、前記単一作業電極に隣接して配置される、項目34に記載のキット。
(項目36)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成され、かつ前記サンプル収集デバイスの遠位部分上のサンプルを受容するように構成される、リザーバであって、前記リザーバは、その中にその断面全体を閉塞するための相変化材料を有する、出口を含む、リザーバと、
前記相変化材料が前記出口の断面全体を閉塞しないように、前記相変化材料を加熱するように構成される、加熱器と、
前記リザーバから前記出口を通して、その中に混合された複数の磁気粒子を備える、前記サンプルおよび試薬を有する流体を受容するように構成される、分析チャネルと、
前記分析チャネル内の混合された流体に暴露され、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するように構成される、センサと、
を備え、
前記加熱器は、前記加熱器を前記センサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされる、
サンプル分析カートリッジ。
(項目37)
前記マスキング材料は、はんだマスクを備える、項目36に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目38)
洗浄剤リザーバおよび洗浄剤リザーバ加熱器をさらに備え、前記洗浄剤リザーバは、洗浄流体を保持するように構成され、その中に洗浄剤リザーバ出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有する、洗浄剤リザーバ出口を含み、
前記洗浄剤リザーバ加熱器は、前記相変化材料が前記洗浄剤リザーバ出口の断面全体を閉塞しないように、前記洗浄剤リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成され、したがって、前記洗浄流体は、前記分析チャネルに進入し、前記センサに進行する、
項目36に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目39)
前記洗浄剤リザーバ加熱器は、前記洗浄剤リザーバ加熱器を前記センサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされる、項目38に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目40)
基質リザーバおよび基質リザーバ加熱器をさらに備え、前記基質リザーバは、基質流体を保持するように構成され、その中に基質リザーバ出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有する、基質リザーバ出口を含み、
前記基質リザーバ加熱器は、前記相変化材料が前記基質リザーバ出口の断面全体を閉塞しないように、前記基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成され、したがって、前記基質流体は、前記分析チャネルに進入し、前記センサに進行する、
項目36に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目41)
前記基質リザーバ加熱器は、前記基質リザーバ加熱器を前記センサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされる、項目40に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目42)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
流体を保持するように構成され、サンプルをサンプル収集デバイスから受容するように構成される、サンプル調製リザーバであって、前記サンプル調製リザーバは、その中にサンプル調製リザーバ出口をシールするための相変化材料を有する、サンプル調製リザーバ出口を含む、サンプル調製リザーバと、
化学基質を備える流体を保持するように構成される、基質リザーバであって、前記基質リザーバは、その中に基質リザーバ出口をシールするための相変化材料を有する、基質リザーバ出口を含む、基質リザーバと、
分析チャネルであって、前記サンプルおよび基質リザーバはそれぞれ、少なくとも随時、前記分析チャネルと流体連通する、分析チャネルと、
相変化材料を備える、流体断路器と、
1つまたはそれを上回る加熱器であって、前記1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、前記サンプル調製リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成され、したがって、前記相変化材料は、前記サンプル調製リザーバ出口をシール解除し、前記流体が前記サンプルをその中に混合させ、前記分析チャネルの中に流動することを可能にする、1つまたはそれを上回る加熱器と、
を備え、
前記1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、前記サンプル調製リザーバ出口のシール解除後、前記流体断路器の相変化材料を加熱するように構成され、したがって、前記流体断路器の相変化材料は、前記分析チャネルの中に流動し、前記サンプル調製リザーバを前記基質リザーバから流体隔離し、
前記1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、前記流体断路器が前記サンプル調製リザーバを前記基質リザーバから流体隔離した後、前記基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成され、したがって、前記相変化材料は、前記基質リザーバ出口をシール解除し、前記化学基質を備える流体が前記分析チャネルの中に流動することを可能にするが、前記サンプル調製リザーバの中に流動することを可能にしない、
サンプル分析カートリッジ。
(項目43)
前記1つまたはそれを上回る加熱器は、サンプル調製リザーバ加熱器、流体断路器加熱器、および基質リザーバ加熱器を備え、
前記サンプル調製リザーバ加熱器は、前記サンプル調製リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成され、
前記流体断路器加熱器は、前記流体断路器の相変化材料を加熱するように構成され、
前記基質リザーバ加熱器は、前記基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成される、
項目42に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目44)
前記サンプル調製リザーバ加熱器、前記流体断路器加熱器、および前記基質リザーバ加熱器はそれぞれ、個別の加熱器を前記分析チャネル内のセンサから電気的に絶縁するように構成される、マスキング材料でマスクされる、項目43に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目45)
洗浄流体を保持するように構成される、洗浄剤リザーバをさらに備え、前記洗浄剤リザーバは、その中に洗浄剤リザーバ出口をシールするための相変化材料を有する、洗浄剤リザーバ出口を含む、項目42に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目46)
前記1つまたはそれを上回る加熱器のうちの少なくとも1つは、前記流体断路器が前記サンプル調製リザーバを前記基質リザーバから流体隔離した後であるが、前記1つまたはそれを上回る加熱器が前記基質リザーバ出口内の相変化材料を加熱する前に、前記洗浄剤リザーバ出口内の相変化材料を加熱するように構成され、したがって、前記相変化材料は、前記洗浄剤リザーバ出口をシール解除し、前記洗浄流体が前記分析チャネルの中に流動することを可能にし、前記サンプル調製リザーバからの磁気粒子に結合されなかったシグナル伝達物質を前記分析チャネル内のセンサから洗い流す、項目45に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目47)
前記化学基質を備える流体は、前記サンプル調製リザーバからの磁気粒子に結合されなかったシグナル伝達物質を前記分析チャネル内のセンサから洗い流すように構成される、項目42に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目48)
1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプル流体に暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成される、リザーバと、
第1の位置において、前記リザーバと前記開口との間に配置される、シャトルであって、前記シャトルは、第1の端部および第2の端部を有し、サンプルコンパートメントを前記第1の端部と第2の端部との間に画定し、前記サンプルコンパートメントは、前記サンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮されるサンプル流体を受容するように構成され、前記シャトルは、閾値力を上回る力を受けると、第2の位置に前記入力トンネル内を移動するように構成され、したがって、前記サンプル流体を有するサンプルコンパートメントは、前記リザーバの中に移動される、シャトルと、
前記サンプル流体と混合された流体に暴露されるように構成される、センサであって、前記センサは、前記サンプル流体中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するようにさらに構成される、センサと、
を備える、サンプル分析カートリッジ。
(項目49)
前記シャトルはさらに、試薬ボールコンパートメントを前記第1の端部と第2の端部との間に画定し、前記試薬ボールコンパートメントは、試薬を備える1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するように構成され、
前記試薬ボールコンパートメントは、前記第1の位置において、前記リザーバの外側にあり、前記第2の位置において、前記リザーバ内にある、
項目48に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目50)
前記サンプルコンパートメントは、最大で、前記サンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮される前記サンプル流体の所定の体積を受容するように構成される、項目48に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目51)
前記サンプルコンパートメントからの前記所定の体積を上回る前記サンプル流体の体積を受容するように構成される、溢流コンパートメントをさらに備える、項目50に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目52)
キットであって、
項目48に記載のサンプル分析カートリッジと、
前記サンプル収集デバイスであって、前記サンプル収集デバイスは、吸上作用部分を前記遠位部分に備え、前記吸上作用部分は、前記サンプル流体を吸い上げ、吸収するように構成される、前記サンプル収集デバイスと、
を備える、キット。
(項目53)
前記吸上作用部分は、前記サンプル流体を前記サンプルコンパートメントの中に排出するように圧縮される、項目52に記載のキット。
(項目54)
前記サンプルコンパートメントは、最大で、前記サンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮される前記サンプル流体の所定の体積を受容するように構成され、
前記サンプル分析カートリッジはさらに、前記サンプルコンパートメントからの前記所定の体積を上回る前記サンプル流体の体積を受容するように構成される、溢流コンパートメントを備え、
前記サンプル収集デバイスの吸上作用部分は、前記所定の体積を上回るサンプル流体を吸い上げ、吸収し、ユーザが、前記サンプルコンパートメントおよび前記溢流コンパートメントの中に圧縮されるサンプル流体の量を計量することを可能にするように構成される、
項目52に記載のキット。
(項目55)
前記吸上作用部分の少なくとも一部は、前記サンプル収集デバイスのシュラウド内に摺動可能に配置される、項目52に記載のキット。
(項目56)
前記サンプル分析カートリッジはさらに、前記サンプル収集デバイスが前記入力トンネル内に完全に挿入されると、前記入力トンネル内のサンプル収集デバイスを不可逆的に係止するように構成される、1つまたはそれを上回る係止部材を備える、項目52に記載のキット。
(項目57)
前記サンプル収集デバイスはさらに、収集されたサンプル流体の体積に基づいて、収集者に視覚的にアラートするように構成される、サンプル収集インジケータを備える、項目52に記載のキット。
(項目58)
前記サンプル収集インジケータは、前記収集されたサンプルの体積が増加するにつれてますます視覚的に暴露される、前記吸上作用部分内に埋設される色糸である、項目57に記載のキット。
(項目59)
カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するための方法であって、
前記カートリッジのリザーバ内の流体中に、複数の親和性分子、複数の結合解除剤、複数のシグナル伝達物質、競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子であって、それぞれ、標識を保有する、複数の競合分子、およびサンプル結合分子に事前に結合された複数のサンプル標的検体を有する、サンプルを混合させるステップと、
前記複数の結合解除剤のうちの少なくとも1つの結合解除剤を使用して、少なくとも1つの競合分子を前記事前に結合された競合結合分子から結合解除するステップと、
前記複数の結合解除剤のうちの少なくとも1つの結合解除剤を使用して、少なくとも1つのサンプル標的検体を前記事前に結合されたサンプル結合分子から結合解除するステップと、
前記結合解除された競合分子の標識を前記複数のシグナル伝達物質のうちのあるシグナル伝達物質に結合するステップと、
前記結合解除された競合分子を前記複数の親和性分子のうちのある親和性分子に結合するステップと、
前記カートリッジ内のサンプル標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するステップと、
を含む、方法。
(項目60)
前記複数の親和性分子のうちの親和性分子はそれぞれ、固体粒子に結合される、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記固体粒子は、磁気応答性材料を備える、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記固体粒子は、非磁気応答性材料を備える、項目60に記載の方法。
(項目63)
前記非磁気応答性材料は、金ナノ粒子を備える、項目62に記載の方法。
(項目64)
サンプル結合分子に事前に結合された前記複数のサンプル標的検体は、ビタミンD結合タンパク質分子に事前に結合された25-ヒドロキシビタミンD2または25-ヒドロキシビタミンD3分子を備える、項目59に記載の方法。
(項目65)
サンプル結合分子に事前に結合された前記複数の競合分子は、ビオチンで標識され、ビタミンD結合タンパク質分子に事前に結合された25-ヒドロキシビタミンD2または25-ヒドロキシビタミンD3分子を備える、項目59に記載の方法。
(項目66)
前記複数の親和性分子、前記複数の結合解除剤、前記複数のシグナル伝達物質、および競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子のうちの少なくとも1つは、試薬ボール内に貯蔵される、項目59に記載の方法。
(項目67)
標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを検出するためのサンプル分析カートリッジであって、
競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子を備える試薬ボールであって、前記複数の競合分子のそれぞれは、標識を保有する、またはシグナル伝達物質に結合される、試薬ボールと、
リザーバ流体を保持するように構成される、リザーバであって、前記リザーバは、前記リザーバ流体内で、複数の親和性分子、複数の結合解除剤、複数のシグナル伝達物質、競合結合分子に事前に結合された複数の競合分子、およびサンプル収集デバイスからのサンプルであって、サンプル結合分子に事前に結合された複数のサンプル標的検体を有する、サンプルの混合を可能にするようにさらに構成され、
前記複数の結合解除剤のうちのある結合解除剤は、競合分子を前記事前に結合された競合結合分子から、またはサンプル標的検体を前記事前に結合されたサンプル結合分子から結合解除するように構成され、
前記結合解除された競合分子の標識は、シグナル伝達物質に結合するように構成され、前記結合解除された競合分子は、前記複数の親和性分子のうちのある親和性分子に結合するように構成される、
リザーバと、
前記混合されたリザーバ流体に暴露されるように構成される、センサであって、前記センサは、前記サンプル中のサンプル標的検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するようにさらに構成される、センサと、
を備える、サンプル分析カートリッジ。
(項目68)
前記リザーバはさらに、前記リザーバ流体中への複数の固体粒子の混合を可能にするように構成される、項目67に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目69)
各固体粒子は、前記複数の親和性分子のうちのある親和性分子に事前に結合される、項目68に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目70)
前記複数の固体粒子は、磁気応答性材料を備える、項目68に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目71)
前記複数の固体粒子は、非磁気応答性材料を備える、項目68に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目72)
前記非磁気応答性材料は、金ナノ粒子を備える、項目71に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目73)
サンプル結合分子に事前に結合された前記複数のサンプル標的検体は、結合タンパク質分子に事前に結合された25-ヒドロキシビタミンD3および/または25-ヒドロキシビタミンD2分子を備える、項目67に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目74)
前記磁気応答性材料は、前記センサにわたって磁気的に保持される、項目70に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目75)
サンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成される、リザーバと、
第1の位置において、前記リザーバと前記開口との間の前記入力トンネル内に配置される、シャトルと、
前記第1の位置において、前記入力トンネル内に配置され、前記シャトルに結合される、コレットであって、前記コレットは、前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの挿入の間、前記シャトルから分断するように構成される、コレットと、
を備え、
前記シャトルは、前記コレットが前記シャトルから分断された後、前記第1の位置から第2の位置に前記入力トンネル内を移動するように構成され、したがって、前記シャトルは、前記第2の位置において、少なくとも部分的に、前記リザーバ内に配置される、
サンプル分析カートリッジ。
(項目76)
前記サンプルと混合された流体に暴露されるように構成される、センサをさらに備え、前記センサは、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するようにさらに構成される、項目75に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目77)
前記シャトルは、第1の端部および前記入力トンネル内で前記第1の端部の近位に配置される第2の端部を備え、前記シャトルの第2の端部は、前記第1の位置において、前記コレットの管腔内に配置されるように構成される、項目75に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目78)
前記シャトルの第1の端部は、前記第1の位置において、前記リザーバの壁を形成する、項目77に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目79)
前記コレットは、前記第1の位置において、前記コレットを前記シャトルに結合するように構成される、1つまたはそれを上回る係止アームを備える、項目77に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目80)
前記1つまたはそれを上回る係止アームは、前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの挿入の間、前記サンプル収集デバイスによって1つまたはそれを上回る係止アーム上に印加される力に応答して、前記1つまたはそれを上回る係止アームを前記シャトルから分断するよう偏向されるように構成される、項目79に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目81)
前記リザーバ内の流体を流体的にシールするように構成されるシール材料と、前記入力トンネル内に部分的に配置される、シール穿刺器をさらに備え、前記シール穿刺器は、前記入力トンネル内のサンプル収集デバイスによって接触され、前記サンプル収集デバイスによって印加される力に応答して移動し、前記シール材料を穿刺し、前記リザーバ内の流体に通気するように構成される、項目75に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目82)
前記コレットは、スロットを備え、前記シール穿刺器の一部は、前記スロットを通して前記入力トンネルの中に延在し、前記シール穿刺器と前記サンプル収集デバイスとの間の接触を可能にする、項目81に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目83)
接触スイッチをさらに備え、
前記コレットは、前記接触スイッチに隣接して配置される、偏向器部分を備え、前記偏向器部分は、前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの挿入の間、前記サンプル収集デバイスによって前記偏向器部分上に印加される力に応答して、前記接触スイッチをアクティブ化するように偏向するように構成される、
項目75に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目84)
前記コレットの偏向器部分は、下向きに偏向し、前記接触スイッチをアクティブ化するように構成される、アームを備える、項目83に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目85)
前記接触スイッチは、前記接触スイッチのアクティブ化が前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの完全挿入を示すように位置付けられる、項目83に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目86)
前記シャトルは、試薬を備える試薬ボールを前記シャトルの第1の端部と第2の端部との間に格納するように構成され、
前記試薬ボールは、前記第1の位置において、前記リザーバ内の流体に暴露されず、前記第2の位置において、前記リザーバ内の流体に暴露される、
項目75に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目87)
サンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成される、リザーバと、
前記リザーバと前記開口との間の前記入力トンネル内に配置される、コレットであって、前記コレットは、偏向器部分および前記サンプル収集デバイスの遠位部分をその中に受容するように定寸される管腔を備える、コレットと、
前記コレットの偏向器部分に隣接して配置される、接触スイッチと、
を備え、
前記偏向器部分は、前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの挿入の間、前記サンプル収集デバイスによって前記偏向器部分上に印加される力に応答して、前記接触スイッチをアクティブ化するように偏向するように構成される、
サンプル分析カートリッジ。
(項目88)
前記入力トンネル内に配置される、シャトルをさらに備え、前記シャトルは、試薬を備える試薬ボールを前記シャトルの第1の端部と第2の端部との間に格納するように構成される、項目87に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目89)
前記コレットの偏向器部分は、下向きに偏向し、前記接触スイッチをアクティブ化するように構成される、アームを備える、項目87に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目90)
前記接触スイッチは、前記接触スイッチのアクティブ化が前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの完全挿入を示すように位置付けられる、項目87に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目91)
前記サンプルと混合された流体に暴露されるように構成される、センサをさらに備え、前記センサは、前記サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するようにさらに構成される、項目87に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目92)
サンプル分析カートリッジであって、
開口から延在する、入力トンネルであって、前記入力トンネルは、サンプルに暴露されるように適合される遠位部分を有するサンプル収集デバイスの挿入を可能にするように構成される、入力トンネルと、
流体を保持するように構成される、リザーバと、
第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを画定する、シャトルであって、前記第1および第2のコンパートメントは、混合位置において、前記リザーバ内に配置されるように構成される、シャトルと、
音響波を放出し、前記リザーバ内の流体をある波パターンで前記第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間で移動させ、前記リザーバ内の流体を混合するように構成される、超音波発生器と、
を備える、サンプル分析カートリッジ。
(項目93)
前記シャトルは、前記第1のコンパートメントを前記第2のコンパートメントから分割するように構成される、コンパートメント分割器を備える、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目94)
前記コンパートメント分割器の周囲を流動する流体は、前記波パターンの形成を促進する、項目93に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目95)
前記コンパートメント分割器は、混合の間、スロットを介して、前記流体が前記コンパートメント分割器を通して流動することを可能にするように構成される、スロットを備える、項目93に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目96)
前記コンパートメント分割器は、フランジである、項目93に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目97)
前記第1のコンパートメントは、試薬を備える試薬ボールを格納するように構成される、試薬ボールコンパートメントを備え、前記第2のコンパートメントは、前記サンプル収集デバイスからのサンプルを受容するように構成される、サンプルコンパートメントを備える、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目98)
前記試薬ボールは、ポリメラーゼ、プライマー、およびシグナル伝達物質を備える、項目97に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目99)
前記第1および第2のコンパートメントは、混合前位置において、前記リザーバ内に配置されない、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目100)
前記超音波発生器は、圧電セラミックディスクを備える、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目101)
前記超音波発生器は、前記リザーバの壁を形成する、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目102)
前記リザーバは、対称である、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目103)
前記リザーバの壁はそれぞれ、60°を上回る角度で衝合し、前記リザーバの出口を通した流体の空化を促進する、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目104)
前記超音波発生器は、前記リザーバの中心からずれて位置付けられ、前記リザーバ内の流体の混合を促進する、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目105)
1つまたはそれを上回るばね接触を介して前記超音波発生器に結合される、印刷回路基板をさらに備える、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目106)
前記超音波発生器は、前記1つまたはそれを上回るばね接触のみを介して、前記印刷回路基板に電気的に結合される、項目105に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目107)
前記超音波発生器は、プロセッサからの信号に応答して、アクティブ化される、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目108)
前記リザーバ内の流体の温度を示す温度を感知するように構成される、温度センサをさらに備える、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目109)
前記温度センサは、前記超音波発生器に隣接して位置付けられる、印刷回路基板上に配置される、項目108に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目110)
前記入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの挿入を示すように構成される、接触スイッチをさらに備え、
前記超音波発生器は、前記接触スイッチの作動後、前記音響波を放出するように構成される、
項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目111)
前記超音波発生器によって放出される音響波は、前記リザーバ内で混合された流体の反応を等温的に増幅させるように構成される、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目112)
キットであって、
サンプル分析カートリッジであって、
流体を保持し、サンプル収集デバイスによって収集されたサンプルを受容するように構成される、リザーバと、
音響波を放出し、前記流体および前記サンプルを前記リザーバ内で混合するように構成される、超音波発生器と、
前記リザーバ内の流体の温度を示す信号を生成するように構成される、温度センサと、
を備える、サンプル分析カートリッジと、
前記サンプル分析カートリッジに電気的に結合されるように構成される、読取機であって、
前記超音波発生器をアクティブ化し、前記音響波を放出し、前記温度センサからの信号を監視するように構成される、プロセッサであって、前記プロセッサは、前記信号が閾値外の前記リザーバ内の流体の温度を示す場合、前記超音波発生器からの前記音響波の放出を修正するようにさらに構成される、プロセッサ、
を備える、読取機と、
を備える、キット。
(項目113)
前記サンプル分析カートリッジはさらに、印刷回路基板を備え、前記温度センサは、前記超音波発生器に隣接して位置付けられる、前記印刷回路基板上に配置される、項目112に記載のキット。
(項目114)
前記サンプル分析カートリッジはさらに、前記サンプル分析カートリッジの入力トンネル内への前記サンプル収集デバイスの挿入を示す信号を生成するように構成される、接触スイッチを備え、
前記読取機のプロセッサは、前記信号を前記接触スイッチから受信し、前記接触スイッチからの信号の受信後、前記超音波発生器をアクティブ化するように構成される、
項目112に記載のキット。
(項目115)
前記プロセッサは、前記信号が、前記リザーバ内の流体の温度が前記閾値を上回ることを示す場合、前記超音波発生器のデューティサイクルを減少させることによって、前記超音波発生器からの前記音響波の放出を修正する、項目112に記載のキット。
(項目116)
前記プロセッサは、前記信号が、前記リザーバ内の流体の温度が前記閾値を下回ることを示す場合、前記超音波発生器のデューティサイクルを増加させることによって、前記超音波発生器からの前記音響波の放出を修正する、項目112に記載のキット。
(項目117)
前記プロセッサは、前記信号が、前記リザーバ内の流体の温度が前記閾値を上回ることを示す場合、前記超音波発生器を非アクティブ化することによって、前記超音波発生器からの前記音響波の放出を修正する、項目112に記載のキット。
(項目118)
前記超音波発生器によって放出される音響波は、前記リザーバ内で混合された流体の反応を等温的に増幅させるように構成される、項目112に記載のキット。
(項目119)
前記サンプル分析カートリッジ内に配置される、試薬ボールをさらに備え、前記超音波発生器は、前記音響波を放出し、前記流体、前記試薬ボール、および前記サンプルを前記リザーバ内で混合するように構成される、項目112に記載のキット。
(項目120)
前記試薬ボールは、ポリメラーゼ、プライマー、およびシグナル伝達物質を備える、項目119に記載のキット。
(項目121)
前記サンプル分析カートリッジはさらに、前記試薬ボールを格納するように構成される、シャトルを備える、項目119に記載のキット。
(項目122)
マイクロ流体カートリッジにおいて使用するためのセンサであって、
正の対照作業電極に事前に結合された親和性分子を備える、正の対照作業電極であって、前記正の対照作業電極は、前記親和性分子に直接または間接的に結合されるシグナル伝達物質と化学基質との間の反応に基づいて、第1の信号を生成するように構成される、正の対照作業電極と、
前記作業電極に局在化されたシグナル伝達物質と前記化学基質との間の反応に基づいて、第2の信号を生成するように構成される、作業電極と、
自己組織化単分子膜を備える、負の対照作業電極であって、前記負の対照作業電極は、前記負の作業電極に局在化されたシグナル伝達物質と前記化学基質との間の反応に基づいて、第3の信号を生成するように構成される、負の対照作業電極と、
を備える、センサ。
(項目123)
前記第2の信号は、サンプル中の前記1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または数のうちの少なくとも1つを示す、項目122に記載のセンサ。
(項目124)
前記第1の信号は、試験の信頼性を示す、項目122に記載のセンサ。
(項目125)
前記試験は、前記第1の信号が所定の範囲内にある反応の量を示す場合、信頼性があると判定される、項目124に記載のセンサ。
(項目126)
前記第3の信号は、試験の信頼性を示す、項目122に記載のセンサ。
(項目127)
前記試験は、前記第3の信号が前記反応の量が閾値を下回ることを示す場合、信頼性があると判定される、項目126に記載のセンサ。
(項目128)
項目122に記載のセンサを備える、カートリッジであって、前記カートリッジは、分析チャネルをさらに備え、
前記正の対照作業電極、前記作業電極、および前記負の対照作業電極は、前記分析チャネル内に配置される、
カートリッジ。
(項目129)
項目128に記載のカートリッジを備える、キットであって、前記キットは、前記第2の信号を処理し、サンプル中の前記1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、または数のうちの少なくとも1つを示す情報を生成するように構成される、プロセッサをさらに備える、キット。
(項目130)
前記プロセッサはさらに、前記第1の信号を処理し、前記第1の信号が所定の範囲内の前記反応の量を示すかどうかを判定するように構成される、項目129に記載のキット。
(項目131)
前記プロセッサは、前記量が前記所定の範囲外である場合、アラートを生成するように構成される、項目130に記載のキット。
(項目132)
前記プロセッサはさらに、前記第3の信号を処理し、前記第3の信号が前記反応の量が閾値を下回ることを示すかどうかを判定するように構成される、項目129に記載のキット。
(項目133)
前記プロセッサは、前記量が前記閾値を上回る場合、アラートを生成するように構成される、項目132に記載のキット。
(項目134)
前記プロセッサは、読取機の構成要素である、項目129に記載のキット。
(項目135)
前記作業電極は、前記作業電極にわたって局在化された前記シグナル伝達物質に直接または間接的に結合される複数の磁気粒子の均質分布を助長し、前記作業電極からの前記複数の磁気粒子の移動に対する抵抗を助長するように構成される、複数の細溝でマスクされる、項目122に記載のセンサ。
(項目136)
前記作業電極は、自己組織化単分子膜を備える、項目122に記載のセンサ。
(項目137)
前記作業電極は、前記作業電極に事前に結合された親和性分子を備える、項目122に記載のセンサ。
(項目138)
項目92に記載のサンプル分析カートリッジにおける標的核酸の等温増幅のための方法であって、
前記リザーバ内で、直接または間接的に、アンプリコンとシグナル伝達物質を接触させ、アンプリコン-シグナル伝達物質錯体を形成するステップであって、前記超音波発生器は、前記音響波を前記リザーバに向かって放出し、前記リザーバ内での前記標的核酸の増幅を助長するように構成される、ステップと、
前記アンプリコン-シグナル伝達物質錯体と基質リザーバから基質を反応させるステップと、
増幅された核酸の存在、非存在、または量のうちの少なくとも1つを示す信号を生成するステップと、
を含む、方法。
(項目139)
前記シャトル内に保持される試薬ボールをさらに備え、前記試薬ボールは、等温反応による標的核酸の増幅のための試薬を備える、項目92に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目140)
前記試薬は、ポリメラーゼ、前記標的核酸の増幅のためのプライマー、および前記標的核酸の増幅の検出のためのシグナル伝達物質を備える、項目139に記載のサンプル分析カートリッジ。
(項目141)
前記標的核酸の検出のために、固体粒子に共有または非共有結合される、1つまたはそれを上回る親和性分子をさらに備える、項目140に記載のサンプル分析カートリッジ。
【図面の簡単な説明】
【0097】
例示的実施形態は、付随の図面を参照して以下に説明され、同様の数字は、同様の要素を示す。
【0098】
【
図1A】
図1A-1Bは、収集されたサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を分析し、分析結果を閲覧するための例示的検体検出システムの概略描写を提供し、
図1Aは、結合されていない構成要素を示し、
図1Bは、分析および充電のために結合されている構成要素を示す。
【
図1B】
図1A-1Bは、収集されたサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を分析し、分析結果を閲覧するための例示的検体検出システムの概略描写を提供し、
図1Aは、結合されていない構成要素を示し、
図1Bは、分析および充電のために結合されている構成要素を示す。
【0099】
【
図1C】
図1Cは、収集されたサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を分析し、分析結果を閲覧するための別の例示的検体検出システムの概略描写を提供し、充電器は、提供されていない。
【0100】
【
図2】
図2Aおよび2Bは、検出システムにおいて使用するための例示的サンプル収集デバイスの斜視図を図示する。
【0101】
【
図3】
図3は、検出システムにおいて使用するための例示的カートリッジデバイスの斜視図を図示する。
【0102】
【
図4】
図4Aおよび4Bは、収集されたサンプルの分析のためにその中に係止されたサンプル収集デバイスを伴う、カートリッジデバイスの斜視図を図示し、
図4Aは、カートリッジデバイスの上部表面を示し、
図4Bは、カートリッジデバイスの底部表面を示す。
【0103】
【
図5】
図5は、カートリッジ筐体内にあり得る内部構成要素を示す、例示的カートリッジデバイスの分解図を図示する。
【0104】
【
図6】
図6A、6B、および6Cは、カートリッジデバイスの筐体内で使用され得る、例示的回路基板および例示的層を図示し、
図6Aは、回路基板を描写し、
図6Bは、層を描写し、
図6Cは、回路基板上に配置され、そこに結合される、層を描写する。
【0105】
【
図7-1】
図7A、7B、および7Cは、カートリッジデバイスの筐体内で使用され得る、別の例示的回路基板および別の例示的層を図示し、
図7Aは、回路基板を描写し、
図7Bは、層を描写し、
図7Cは、回路基板上に配置され、そこに結合される、層と、吸収パッドとを描写する。
【0106】
【
図7-2】
図7D-7Fは、カートリッジデバイスの筐体内で使用され得る、代替の例示的センサを図示する。
【0107】
【
図8A】
図8Aは、その間に位置付けられる層を介して例示的回路基板に結合される、例示的内部構成要素を図示し、全て、カートリッジデバイスの筐体内に配置されてもよい。
【0108】
【
図8B】
図8Bおよび8Cは、カートリッジデバイスの筐体内で使用するための回路基板のある構成要素および弁の拡大図を示す。
【
図8C】
図8Bおよび8Cは、カートリッジデバイスの筐体内で使用するための回路基板のある構成要素および弁の拡大図を示す。
【0109】
【
図8D】
図8Dは、カートリッジデバイスの筐体内で使用するための回路基板の代替構成要素および弁の拡大図を示す。
【0110】
【
図9】
図9Aおよび9Bは、カートリッジデバイスの筐体内に配置され得る、例示的シャトルを図示し、シャトルはそれぞれ、試薬ボールを格納して示されている。
【0111】
【
図10A】
図10Aは、カートリッジデバイスの入力トンネル内に部分的に挿入されるサンプル収集デバイスを示す、断面斜視図である。
【0112】
【
図10B】
図10Bは、カートリッジデバイスの入力トンネル内に配置されるシャトルに進入するサンプル収集デバイスの先端を示す、断面斜視図である。
【0113】
【
図10C】
図10Cは、カートリッジデバイスの筐体内のリザーバにわたる穿刺要素の例示的配向を示す、上面図である。
【0114】
【
図10D】
図10Dは、サンプル収集デバイスとカートリッジデバイスの入力トンネル内のシール穿刺器のスライダとの間の係合を示す、断面斜視図であって、カートリッジデバイスの一部は、除去されている。
【0115】
【
図10E】
図10Eは、サンプル収集デバイスとシール穿刺器との間の係合およびサンプル収集デバイスとシャトルとの間のシールを示す、断面側面図であって、サンプル調製リザーバは、シャトルによってシールされたままである。
【0116】
【
図10F】
図10Fは、通気前位置における、サンプル収集デバイスとシール穿刺器との間の係合を示す、上面図である。
【0117】
【
図10G】
図10Gは、通気前位置における穿刺要素およびシール穿刺器のスライダを示す、断面斜視図であって、カートリッジデバイス内のサンプル調製リザーバにわたるシール材料は、まだ穿刺されていない。
【0118】
【
図10H】
図10Hは、カートリッジデバイスの入力トンネル内の混合前および通気前位置から混合および通気位置に向かっての遷移を図示する、断面側面図である。
【0119】
【
図10I】
図10Iは、通気位置へのシール穿刺器の移動を生じさせるサンプル収集デバイスの移動を示す、上面図である。
【0120】
【
図10J】
図10Jは、穿刺要素がカートリッジデバイス内のサンプル調製リザーバにわたるシール材料を穿刺している状態を示す、断面斜視図である。
【0121】
【
図10K】
図10Kは、通気および混合位置におけるサンプル収集デバイスを示す、断面側面図であって、サンプル調製リザーバにわたるシール材料は、通気され、収集されたサンプルおよび試薬ボールは、シャトルによって再シールされているサンプル調製リザーバ内の流体中で混合される。
【0122】
【
図10L】
図10Lは、カートリッジデバイス内の通気および混合位置におけるサンプル収集デバイスを示す、断面斜視図である。
【0123】
【
図10M】
図10Mは、カートリッジデバイスの内部構成要素のサンプル調製リザーバ内の通気および混合位置におけるサンプル収集デバイスを示す、断面斜視図である。
【0124】
【
図10N】
図10N、10O、および10Pは、超音波発生器要素を介したサンプル調製リザーバ内の流体と収集されたサンプルおよび試薬ボールの向上された混合を示す、断面側面図である。
【
図10O】
図10N、10O、および10Pは、超音波発生器要素を介したサンプル調製リザーバ内の流体と収集されたサンプルおよび試薬ボールの向上された混合を示す、断面側面図である。
【
図10P】
図10N、10O、および10Pは、超音波発生器要素を介したサンプル調製リザーバ内の流体と収集されたサンプルおよび試薬ボールの向上された混合を示す、断面側面図である。
【0125】
【
図11】
図11A-11Eは、代替シール穿刺器を図示し、カートリッジデバイスの入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入はまた、適切なサンプル収集デバイス挿入を表すためのスイッチをアクティブ化する。
【0126】
【
図12】
図12A-12Eは、流体サンプルを収集および分析するための代替サンプル収集デバイスならびに代替カートリッジデバイスの断面側面図を図示する。
【0127】
【
図13A】
図13Aは、カートリッジ筐体内にあり得る内部構成要素を示す、別の例示的カートリッジデバイスの分解図を図示する。
【0128】
【
図13-1】
図13B-13SSは、検出システム内で使用され得る、例示的サンプル収集デバイスの種々の図を図示する。
【
図13-2】
図13B-13SSは、検出システム内で使用され得る、例示的サンプル収集デバイスの種々の図を図示する。
【
図13-3】
図13B-13SSは、検出システム内で使用され得る、例示的サンプル収集デバイスの種々の図を図示する。
【
図13-4】
図13B-13SSは、検出システム内で使用され得る、例示的サンプル収集デバイスの種々の図を図示する。
【
図13-5】
図13B-13SSは、検出システム内で使用され得る、例示的サンプル収集デバイスの種々の図を図示する。
【
図13-6】
図13B-13SSは、検出システム内で使用され得る、例示的サンプル収集デバイスの種々の図を図示する。
【0129】
【
図14】
図14A-14Dは、カートリッジデバイスの筐体内に配置され得る、例示的コレットを図示し、
図14Aおよび14Cは、それぞれ、斜視図を示し、
図14Bおよび14Dは、
図14Aおよび14Cにおけるコレットの断面図を示す。
【0130】
【
図15A】
図15Aは、混合前、通気前、貯蔵位置における、例示的カートリッジの入力トンネルの中心を通る断面図を図示する。
【0131】
【
図15B】
図15Bは、混合、通気、分析位置における、入力トンネル内に完全に挿入された例示的カートリッジおよび例示的サンプル収集デバイスの断面図を図示する。
【0132】
【
図15C】
図15Cおよび15Dは、通気前位置(
図15C)および通気位置(
図15D)における、その中に挿入された例示的サンプル収集デバイスを有する、例示的カートリッジの斜視図を図示する。
【
図15D】
図15Cおよび15Dは、通気前位置(
図15C)および通気位置(
図15D)における、その中に挿入された例示的サンプル収集デバイスを有する、例示的カートリッジの斜視図を図示する。
【0133】
【
図16-1】
図16A-16Eは、カートリッジ内へのサンプル収集デバイスの挿入を示す、断面側面図を図示する。
【0134】
【
図16-2】
図16Fおよび16Gは、カートリッジ内へのサンプル収集デバイスのさらなる遠位挿入を示す、断面上面図を図示する。
【0135】
【
図16-3】
図16H-16Jは、カートリッジ内へのサンプル収集デバイスのさらなる遠位挿入を示す、断面側面図を図示し、サンプル収集デバイスは、
図16Jにおける混合、通気、分析位置では、入力トンネル内に完全に挿入されている。
【0136】
【
図17】
図17A-17Dは、例示的カートリッジ筐体内で使用するためにばね接触を介して回路基板に電気的に結合される、例示的超音波発生器の種々の図を図示する。
【0137】
【
図18】
図18Aおよび18Bは、それぞれ、別の例示的カートリッジデバイスの断面側面図および上面図である。
【0138】
【
図19】
図19は、超音波発生器を介した向上された混合の間、温度を監視するための例示的プロセスを図示する。
【0139】
【
図20】
図20は、超音波発生器を介した向上された混合の間に経時的に測定された温度を示す、グラフである。
【0140】
【
図21A】
図21Aは、検出システムにおいて使用するための例示的読取機デバイスの斜視図を図示する。
【0141】
【0142】
【0143】
【
図22B】
図22Bは、例示的読取機デバイス内に部分的に挿入されたカートリッジデバイス(その中に部分的に挿入されたサンプル収集デバイスを有する)を示す、断面側面図である。
【0144】
【
図22C】
図22Cおよび22Dは、それぞれ、分析位置における、例示的読取機デバイス内に挿入されたカートリッジデバイスを示す、断面斜視および側面図である。
【
図22D】
図22Cおよび22Dは、それぞれ、分析位置における、例示的読取機デバイス内に挿入されたカートリッジデバイスを示す、断面斜視および側面図である。
【0145】
【0146】
【
図24】
図24は、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための方法の一実施形態のフローチャートを提供する。
【0147】
【
図25A】
図25Aは、検出システム内で使用され得る、例示的充電器の斜視図を図示する。
【0148】
【0149】
【
図26-1】
図26Aおよび26Bは、本開示の検体検出システムの一実施形態において見出される、分子および反応の概略描写を提供する。
【0150】
【
図26-2】
図26Cおよび26Dは、本開示の検体検出システムの別の実施形態において見出される、分子および反応の概略描写を提供する。
【0151】
【
図27】
図27Aおよび27Bは、本開示の検体検出システムのさらに別の実施形態において見出される、分子および反応の概略描写を提供する。
【0152】
【
図28A】
図28Aは、サンプル収集デバイス上のサンプル中の分子の概略描写である。
【0153】
【
図28B】
図28Bは、収集されたサンプル中の分子と反応させるための2つの試薬ボール内の分子の概略描写である。
【0154】
【
図28C】
図28Cは、収集されたサンプル中の分子と反応させるための単一試薬ボール内の分子の概略描写である。
【0155】
【
図28D】
図28Dは、サンプル調製リザーバに導入されている収集されたサンプルを示す、分子の概略描写である。
【0156】
【
図28E】
図28Eは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子の混合を示す、分子の概略描写である。
【0157】
【
図28F】
図28F、28G、および28Hは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子との間の反応を示す、分子の概略描写である。
【
図28G】
図28F、28G、および28Hは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子との間の反応を示す、分子の概略描写である。
【
図28H】
図28F、28G、および28Hは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子との間の反応を示す、分子の概略描写である。
【0158】
【
図29】
図29Aは、事前に結合された競合結合分子を使用した標的検体の電気化学センサ読取値対濃度を示す、グラフであって、
図29Bは、競合結合分子が事前に結合されていないときの電気化学センサ読取値対濃度を比較するグラフを示す。
【0159】
【
図30A】
図30Aは、サンプル収集デバイス上のサンプル中の分子の別の概略描写である。
【0160】
【
図30B】
図30Bは、収集されたサンプル中の分子と反応させるための2つの試薬ボール内の分子の別の概略描写である。
【0161】
【
図30C】
図30Cは、収集されたサンプル中の分子と反応させるための単一試薬ボール内の分子の別の概略描写である。
【0162】
【
図30D】
図30Dは、サンプル調製リザーバに導入されている収集されたサンプルを示す、分子の別の概略描写である。
【0163】
【
図30E】
図30Eは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子の混合を示す、分子の別の概略描写である。
【0164】
【
図30F】
図30F、30G、および30Hは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子との間の反応を示す、分子の概略描写である。
【
図30G】
図30F、30G、および30Hは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子との間の反応を示す、分子の概略描写である。
【
図30H】
図30F、30G、および30Hは、収集されたサンプルの分子とサンプル調製リザーバの流体中のサンプル調製試薬分子との間の反応を示す、分子の概略描写である。
【0165】
【
図31-1】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【
図31-2】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【
図32-1】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【
図32-2】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【
図32-3】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【
図32-4】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【
図32-5】
図31A-32Hは、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
図32A-32Kは、等温増幅を使用してカートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための例示的プロセスを示す。
【0166】
【
図33】
図33は、ネットワークを介して1つまたはそれを上回るサーバに通信可能に結合される、例示的検体検出システム
図1A-1Bの概略描写を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0167】
以下の発明を実施するための形態では、本開示の一部を形成する、付随の図面を参照する。図面および説明に説明される実施形態は、例示的であって、限定を意図するものではない。本明細書で使用されるように、用語「例示的」は、「実施例または例証としての役割を果たす」ことを意味し、必ずしも、他の実施形態より好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。他の実施形態が、利用されてもよく、修正が、本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく行われてもよい。本明細書に説明および図示される、本開示の側面は、種々の異なる構成で配列される、組み合わせられる、かつ設計されることができ、全て、明示的に検討され、本開示の一部を形成する。
【0168】
本明細書に開示される種々のデバイス、システム、キット、および方法は、試料から採取されたサンプル中の標的検体を単離する、タグ付けする、および検出するように意図される。ある実施形態では、化学反応が、そのような検出を可能にするために採用される。
【0169】
本明細書に説明されるシステムの種々の実施形態は、例えば、本発明の譲受人に譲渡されたKhattakの米国特許公開第2014/0336083号、Khattakの米国特許第9,034,168号、Khattakの米国特許第9,052,275号、Khattakの米国特許第9,086,417号、Khattakの米国特許第9,207,244号、Khattakの米国特許第9,207,245号、およびSeverの米国特許第9,360,491号(そのそれぞれの内容全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、化学反応のいずれかが、完全または実質的にヒト介入を伴わずに、自動化された様式で生じる、自給式環境を生成するように設計される。本明細書に説明されるいくつかの設計では、1つまたはそれを上回る化学反応は、オペレータが試薬をシステムに添加またはそこから除去するいかなる必要もなく進められる。ある実施形態では、本システムは、試料から収集されたサンプルを溢流させるリスク等の生体有害リスクが最小限にされるように閉鎖される。種々の実施形態では、そのようなシステムは、少なくとも、サンプル収集デバイスと、カートリッジデバイスと、読取機デバイスとを含む。そのようなデバイスのいくつかの例示的実施形態は、以下に詳細に説明される。
【0170】
図1Aおよび1Bは、本開示の原理に従って構築される例示的検体検出システムを図示する。検出システム100は、サンプル収集デバイス200、カートリッジデバイス300、読取機デバイス400、充電器500、および/またはソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600を含んでもよい。検出システム100は、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するために使用されてもよい。
【0171】
サンプル収集デバイス200は、分析のためにサンプルに暴露されるように構成される。例えば、サンプル収集デバイス200は、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を判定するために、限定ではないが、血液、血漿、尿、唾液、粘膜、細胞材料、および/または他の生物学的材料等の生物学的サンプルに暴露されてもよい。加えて、または代替として、サンプル収集デバイスは、標的検体を保有することが疑われる固体または他の表面に暴露される、例えば、食品媒介病原および表面は、調理または食品調製表面である。
【0172】
カートリッジデバイス300は、サンプル収集デバイス200を用いて収集されたサンプルを分析するように構成される。カートリッジデバイス300は、開口302からカートリッジ筐体の中に延在する、入力トンネル301を含んでもよい。入力トンネル301は、収集されたサンプルがカートリッジデバイス300内で分析され得るように、
図1Bに示されるように、サンプル収集デバイス200の挿入を可能にするように構成される。分析に基づいて、カートリッジデバイス300は、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す電気信号を生成するように構成される。
【0173】
読取機400は、カートリッジデバイス300によって生成されるサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す電気信号の伝送を可能にするために、カートリッジデバイス300との電気結合のために構成される。カートリッジデバイス300は、カートリッジデバイス300および読取機400の個別の電気コネクタが相互に接触するように、
図1Bに示されるように、カートリッジデバイス300を読取機400の読取機開口部401内に挿入することによって、読取機400に電気的に結合されてもよい。読取機400は、読取機400のプロセッサによって実行されると、カートリッジ300の電気構成要素に、サンプル収集デバイス200上のサンプルを分析するためのステップを行わせる命令を伴う、コンピュータ可読媒体を備えてもよい。好ましくは、命令は、例えば、
図1Bまたは4Aに示されるように、カートリッジデバイス300が読取機400に電気的に結合され、サンプル収集デバイス200がカートリッジデバイス300内に好適に配置されるまで実行されない。
【0174】
一実施形態では、サンプル収集デバイス200およびカートリッジデバイス300はそれぞれ、使い捨てであって、単回使用のために設計される一方、読取機400は、複数回使用のために、かつ多くのサンプルが、個別のサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を判定するために、読取機400によって分析されるように、読取機400の寿命全体を通して多くの異なるカートリッジデバイスを受容するために設計される。そのような構成は、サンプルに暴露される構成要素が使い捨てであるため、システムの衛生的使用を助長することが予期される一方、より高価な電子機器を伴う構成要素、例えば、読取機400が繰り返し使用され得るため、コストを削減する。
【0175】
充電器500は、例えば、充電器500および読取機400の筐体内に配置される個別の誘導コイルを介して、読取機400内の1つまたはそれを上回るバッテリを充電するように構成される。充電器500は、充電器500内の構成要素を充電し、読取機400の充電を可能にするために、例えば、コードまたはAC/DC電力コンバータを伴うコードを介して、従来のコンセントの中に差し込まれてもよい。
【0176】
当業者に容易に明白となるであろうように、検出システムは、充電器を要求することを必要としない。例えば、
図1Cを参照すると、検出システム100'は、
図1Aおよび1Bの検出システム100と同様に構築され、同様の構成要素は、同様のプライム付き参照番号によって識別される。したがって、例えば、
図1Cにおけるカートリッジデバイス300'は、
図1Aおよび1Bのカートリッジデバイス300に対応する等となる。
図1Cおよび1Bを比較することによって観察されるであろうように、検出システム100'は、充電器500を含まない。そのような実施形態では、読取機400'は、読取機400'に給電するために、例えば、コードまたはAC/DC電力コンバータを伴うコードを介して、従来のコンセントの中に差し込まれてもよい、および/または読取機400'の構成要素は、交換可能バッテリまたは再充電可能バッテリ等の好適なバッテリを含んでもよく、読取機400'は、再充電可能バッテリを充電するための回路および取外可能電力コードを含んでもよい。
【0177】
図1Aおよび1Bでは、ソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600が、コンピューティングデバイス601上でインストールおよび起動され、ユーザが、例えば、コンピューティングデバイス601のディスプレイ602上で検体検出試験結果を精査することを可能にする。コンピューティングデバイス601は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ウェアラブルデバイス、ラップトップ、または他のコンピュータであってもよい。
図1Aおよび1Bに示されるように、読取機400は、コンピューティングデバイス601と無線で通信し、カートリッジデバイス300内で生成される電気信号に基づいて、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示すデータを伝送してもよい。加えて、または代替として、ケーブル接続等の可撤性有線接続が、読取機400とコンピューティングデバイス601との間に提供されてもよい。ソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600は、コンピューティングデバイス601のプロセッサによって実行されると、ディスプレイ602に、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す情報を表示させる命令を伴う、コンピュータ可読媒体を備えてもよい。
サンプル収集デバイスおよびカートリッジ
【0178】
種々の実施形態のサンプル収集デバイスは、試料からサンプルを収集するように構成される。サンプル収集デバイスは、任意の所望の領域または場所、例えば、内頬、喉、鼻腔、耳、尿から、血液から、血漿から、唾液から、または別の身体部分から、細胞および他の生物学的物質を収集するように構成されてもよい。1つの例示的なサンプル収集デバイスは、血液または尿の小液滴を小型毛管チャネルの中へ吸い上げるユニットを含む。他の実施形態では、サンプル収集デバイスは、例えば、空気または水から、もしくは物理的表面または他の構造から等、環境から生物学的物質、粒子状物質、または他の化学物質を収集するように構成されてもよい。
【0179】
種々の実施形態のサンプル収集デバイスは、以下で説明される他のデバイスを使用して、試料中および/または上の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出することが可能であるように、試料の適切な場所から十分に大きいサンプルを収集するように定寸および成形される。例えば、ウイルスが原因となる風邪またはインフルエンザ様症状と関連付けられるもの等のいくつかの標的検体に関して、サンプル収集デバイスは、鼻挿入綿棒であってもよく、綿棒は、個人に存在する場合、ウイルスが原因となる風邪またはインフルエンザ様症状と関連付けられる標的検体の検出を可能にするように、個人の鼻腔から十分な量のサンプルを収集するように定寸および成形される。例えば、連鎖球菌性咽頭炎と関連付けられるもの等の他の標的検体に関して、サンプル収集デバイスは、個人の喉または口から十分な細胞を擦り取るように成形される、咽喉綿棒であってもよい。別の実施例として、HIVと関連付けられる標的検体を収集するために適切なサンプル収集デバイスは、血液ランセットを備えてもよい。別の実施例では、尿を収集するように構成されるサンプル収集デバイスは、例えば、テストステロンレベル、薬剤レベル、ビタミンレベル、および/または生殖能力を追跡するための検査を含む、種々の検査のために標的検体を収集するために適切であり得る。尿、血液、血漿、または唾液等の流体を収集するためのサンプル収集デバイスは、デバイスの吸上作用部分を圧縮し、排出されたサンプルを分析するために、吸上作用部分上に吸収されたサンプルを排出するための特徴を含んでもよい。なおもさらなる側面では、サンプル収集デバイスは、固体表面から、例えば、医療デバイス上、医療機器上、またはまな板もしくは平坦表面等の食品調製表面の表面からサンプルを収集するように成形される。
【0180】
図2Aおよび2Bを参照すると、サンプル収集デバイス200が、図示される。サンプル収集デバイス200は、分析されるべき少量のサンプルを収集するように構成され、サンプル収集後、カートリッジデバイス300内への完全または部分的挿入のために構成される。サンプル収集デバイス200は、遠位部分201と、近位部分202と、その間に延在するシャフト203とを含んでもよい。遠位部分201は、その中に管205を有する、先端204を含んでもよい。サンプル収集デバイス200はまた、ハンドル206、近位シールゾーン207、遠位シールゾーン208、および/または係合ゾーン209を含んでもよい。
【0181】
先端204を含む、遠位部分201は、最大で、サンプルの所定の体積が分析のために管205内に配置されるように、サンプルに暴露されるように構成される。サンプルの所定の体積の収集は、実質的に既知の量のサンプルが分析されるであろうため、検体分析の正確度を助長することが予期される。先端204は、透明であって、収集者がサンプルが管205内に配置されていることを検証することを可能にしてもよい。先端204は、図示されるように、丸みを帯びた端部を有してもよいが、任意の鈍的または実質的に鈍的先端形状を含む、種々の形状が、使用されてもよい。先端204は、任意の所望の領域または場所から、例えば、内頬、喉、口、鼻腔、耳、尿から、血液から、血漿から、唾液から、または別の身体部分から、サンプルを収集するように構成されてもよい。
【0182】
近位部分202は、収集者の手によって保持されるように定寸および成形される、ハンドル206を含んでもよい。ハンドル206は、図示されるように、把持突出部を含んでもよい。ハンドル206はさらに、サンプル収集デバイス200をカートリッジデバイス300の入力トンネル内に係止してもよい。サンプル収集デバイス200はまた、サンプル収集デバイス200が入力トンネル内に挿入されると、カートリッジデバイス300の入力トンネルをシールするために構成される、近位シールゾーン207を含んでもよい。近位シールゾーン207は、シャフト203の周囲に延在し、入力トンネルをシールするように、入力トンネル開口部を上回って定寸される、突出部を含んでもよい。したがって、突出部はさらに、サンプル収集デバイスをカートリッジデバイス300の入力トンネル内に係止してもよい。ハンドル206は、サンプル収集デバイス200の残りのカートリッジデバイス300の中への挿入に続いて、破壊可能または別様にサンプル収集デバイス200の残りから可撤性であってもよい。
【0183】
シャフト203は、収集者の手が収集部位から除去された状態で、容易かつ衛生的な収集を促進するように伸長である。例えば、シャフト203は、先端204が、内頬、喉、口、鼻腔、耳内、尿から、血液から、血漿から、唾液から等、サンプルに暴露され、流体、細胞、および他の生物学的物質を収集し得る一方、ハンドル206が、サンプルに暴露されないように、伸長であってもよい。シャフト203、先端204、およびハンドル206は、同一の材料または異なる材料から形成されてもよい。シャフト203、先端204、およびハンドル206は、プラスチックから形成されてもよい。サンプル収集デバイス200は、滅菌包装内に事前包装されてもよく、好ましくは、1回限りの使用のために構成される。
【0184】
サンプル収集デバイス200は、サンプル収集デバイス200のカートリッジデバイス300の中への挿入後、サンプル収集デバイス200とカートリッジデバイス300との間の液密シールの形成を促進するために、遠位シールゾーン208を有してもよい。例えば、遠位シールゾーン208は、先端204上の収集されたサンプルおよびカートリッジデバイス300内のカートリッジデバイス300のサンプル調製リザーバ内の流体をシールするように定寸および成形されてもよい。遠位シールゾーン208は、先端204を上回る半径方向サイズであってもよい。例えば、遠位シールゾーン208は、肩部が、カートリッジデバイス300の一部、例えば、シャトルに対して当接し、液密シールを形成するように、先端204よりサンプル収集デバイス200の縦軸からさらに延在する肩部を含んでもよい。このように、サンプルは、カートリッジデバイス300内にシールされ、カートリッジの外側のサンプルの漏出および暴露を低減させてもよい。加えて、肩部は、液密シールの形成前、間、または後、シール穿刺器を移動させ、カートリッジデバイス300内の1つまたはそれを上回るリザーバに通気するために使用されてもよい。
【0185】
サンプル収集デバイス200は、カートリッジデバイス300の1つまたはそれを上回る構成要素との係合のために構成される、係合ゾーン209を含んでもよい。例えば、係合ゾーン209は、恒久的または一時的に、カートリッジデバイスのシール穿刺器に結合され、サンプル収集デバイス200の移動に応答して、カートリッジデバイス内のシール穿刺器を移動させるように構成されてもよい。係合ゾーン209はまた、サンプル収集デバイス200がカートリッジの入力トンネル内で所定の距離まで挿入されると、サンプル収集デバイス200がカートリッジと不可逆的かつ移動不可能に噛合するように、サンプル収集デバイス200とカートリッジデバイスとの間の固定係合を促進し得る。係合ゾーン209は、図示されるように、シャフト203の周囲の溝であってもよい、もしくは通常のシャフト表面より縦軸から短い距離だけ延在する複数の溝であってもよい、および/またはサンプル収集デバイス200の縦軸からより大きな距離に延在する、1つまたはそれを上回る突出部であってもよい。
【0186】
種々の実施形態では、カートリッジは、筐体で形成され、これは、封入空間を画定し、カートリッジが、サンプル収集デバイスから標的検体を伴うサンプルを受容すること、サンプル調製試薬とともにサンプルを貯蔵すること、標的検体をサンプル調製試薬と混合して結合させるための空間を提供すること、結合された標的検体が検出のためのセンサにわたって局在化する、分析ゾーンを提供すること、結合された標的検体を分析ゾーンに輸送するための流体媒体を提供すること、結合された標的検体に導入されたときに検出可能な反応を受けることができる、基質を貯蔵して提供すること、基質を分析ゾーン内の結合された標的検体に輸送するための液体媒体を提供すること、および廃棄物が貯蔵される廃棄物収集ゾーンを提供することのうちの1つまたはそれを上回るものを行うことを可能にする、種々の特徴を有する。
【0187】
種々の実施形態では、カートリッジは、カートリッジ内の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するために必要とされる反応が生じる、実質的に閉鎖型のシステムである。そのような実施形態のカートリッジは、カートリッジシステムの中へ必要とされる唯一の入力が、試料からのサンプル、混合および結合を促進するエネルギー、ならびに分析ゾーン内の結合された標的検体の局在化を促進する磁力のうちの1つまたはそれを上回るものであり、カートリッジからの唯一の出力が電気信号であるため、「実質的に閉鎖型」と言われる。種々の実施形態では、カートリッジは、1つまたはそれを上回る特定の標的検体を検出するように選択される、包含されたサンプル調製試薬を伴って、標的検体特異的である。異なるカートリッジの種類は、異なる標的検体を同定することを目的としている、異なる試薬を含む。例えば、異なるカートリッジタイプは、炎症、インフルエンザ、テストステロン、受胎能、HIV、およびビタミンDを含んでもよく、それぞれ、異なる標的検体を同定するために意図される、用途特異的試薬を含む。
【0188】
ここで
図3を参照すると、例示的カートリッジが、図示される。カートリッジデバイス300は、正面表面303上の開口302からカートリッジ筐体304の中に延在する、入力トンネル301を含んでもよい。カートリッジ筐体304は、図示されるように、略長方形角柱形状を有してもよいが、本開示は、それに限定されない。カートリッジ筐体304は、正面表面303と、上部表面305と、右側表面306と、左側表面307(
図4Aに示される)と、底部表面308(
図4Bに示される)と、背面表面309(
図4Bに示される)とを有する。カートリッジ筐体304は、単一構成要素または複数の構成要素から形成されてもよい。例えば、カートリッジ筐体304は、カートリッジデバイス300の内部構成要素がその中に格納されるように、第2のカバー構成要素311に側方に結合されるように構成される、第1のカバー構成要素310を含んでもよい。
【0189】
図4Aおよび4Bは、混合位置における、カートリッジデバイス300の入力トンネル301内に挿入される、サンプル収集デバイス200を図示する。混合位置では、サンプル収集デバイス200の近位シールゾーン207は、開口302において入力トンネル301をシールし、入力トンネル301からの漏出を低減または排除してもよい。入力トンネル301は、カートリッジデバイス300の筐体304と一体的に形成されてもよい、またはカートリッジ筐体304に取外可能に結合されてもよい。
図4Bに示されるように、カートリッジデバイス300は、例えば、読取機の電気コネクタを介した読取機との電気結合のために構成される、電気コネクタ312を含んでもよい。故に、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号が、カートリッジデバイス300から、電気コネクタ312を介して、読取機に伝送されてもよい。電気コネクタ312は、底部表面308および背面表面309上に位置付けられ、読取機の開口部内の電気コネクタとの結合を促進し得る。
【0190】
カートリッジデバイス300の底部表面308は、第1のランプ部分313と、第2のランプ部分314と、磁気発生器凹部315とを含んでもよい。第1のランプ部分313は、読取機の開口部内へのカートリッジデバイス300の挿入の間、読取機の1つまたはそれを上回る磁気発生器を徐々に押下するように構成される。第1のランプ部分313は、電気コネクタ312が位置付けられる、カートリッジ筐体304の凹部から開始し、底部表面308に下降してもよい。カートリッジデバイス300が第1のランプ部分313を越えて挿入されるにつれて、磁気発生器は、磁気発生器凹部315の中に乗り上げ、第2のランプ部分314に接触するまで、押下された位置に留まる。第2のランプ部分314は、読取機の1つまたはそれを上回る磁気発生器を磁気発生器凹部315の中に徐々に誘導するように構成される。磁気発生器凹部315は、カートリッジデバイス300が読取機内に完全に挿入されると、読取機の1つまたはそれを上回る磁気発生器が、磁気発生器凹部315の中に上方に移動し、1つまたはそれを上回る作業電極に隣接して配置されるように、カートリッジデバイス300の1つまたはそれを上回る作業電極の真下に配置される。第2のランプ部分314はまた、カートリッジ除去の間、読取機の1つまたはそれを上回る磁気発生器を徐々に押下することによって、読取機からのカートリッジデバイス300の除去を促進する。
【0191】
ここで
図5を参照すると、カートリッジデバイス300の分解図が、示される。カートリッジデバイス300は、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および基質リザーバ319を含み得る、内部構成要素316と、シール材料320と、スライダ322および穿刺器323を含み得る、シール穿刺器321と、シャトル324と、乾燥剤325と、入力トンネル構成要素326と、超音波発生器要素327と、吸収パッド328と、層329と、分析チャネル330と、メモリ332に電気的に結合される回路基板331とを含んでもよい。内部構成要素は、筐体304内に、例えば、第1および第2のカバー構成要素310と311との間に配置されてもよい。代替として、1つまたはそれを上回る内部構成要素は、1つの筐体内に配置されてもよい一方、他の内部構成要素は、別の筐体内に配置されてもよい。複数の筐体の場合、そのような別個の筐体は、相互に結合するように構成されてもよい。
【0192】
内部構成要素316は、1つまたはそれを上回るリザーバ、例証として、サンプル調製リザーバ317と、洗浄剤リザーバ318と、基質リザーバ319とを画定するように構成される。内部構成要素316はさらに、カートリッジデバイス300が組み立てられたとき、分析チャネル330の上側境界を生成すること等によって、分析チャネル330の一部を画定してもよい。内部構成要素316は、吸収パッド328等の他の内部構成要素を格納してもよい。さらに、内部構成要素316は、プラスチック等の好適な材料から形成されてもよく、回路基板331にわたって着座するように略長方形形状に定寸される、基部を有してもよい。
【0193】
サンプル調製リザーバ317は、流体、好ましくは、サンプル調製試薬を有する液体を保持するように構成される。例えば、流体は、以下にさらに詳細に説明されるように、水、生理食塩水溶液、磁気粒子、親和性分子、接続分子、シグナル伝達物質、競合結合分子、競合分子、標識、および/またはシグナル伝達物質のうちの1つもしくはそれを上回るものと混合された水/生理食塩水溶液であってもよい。サンプル調製リザーバ317は、入力トンネル301がサンプル調製リザーバ317につながるように、入力トンネル301の遠位端に隣接して位置付けられる。以下にさらに説明されるように、サンプル調製リザーバ317は、部分的に、例えば、底部表面の一部または全部として、超音波発生器要素327と形成されてもよく、これは、流体と流体中の付加的粒子との混合を促進する。加えて、サンプル調製リザーバ317は、混合前状態の間、部分的に、シャトル324の端部と形成され、1つまたはそれを上回る試薬ボールおよびサンプルがサンプル調製リザーバ317内に配置されるときの混合状態の間、部分的に、シャトル324の別の部分と形成されてもよい。このように、サンプル調製リザーバ317は、混合前状態においてもシャトル324によって、かつ混合状態においてもシャトル324によって流体的にシールされ、流体がシャトル324を越えて近位に漏出しないように、混合前状態から混合状態への移動全体を通して持続的に流体的にシールされたままである。サンプル調製リザーバ317は、サンプル収集デバイス200の入力トンネル301の中への挿入に応じて、例えば、先端204および/または管205にサンプルを有する遠位部分201がサンプル調製リザーバ317に進入するように、位置付けられる。サンプル収集デバイス200がサンプル調製リザーバ317に進入すると、サンプル調製リザーバ317は、存在する場合、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体を含む、サンプル粒子でさらに充填された状態となる。流体は、例えば、超音波発生器要素327を介して、1つまたはそれを上回る試薬ボールおよびサンプルと優しく混合され、粒子をサンプル調製リザーバ317内で懸濁およびハイブリダイズさせてもよい。サンプル中の標的検体は、少なくとも、サンプル調製試薬間に存在する磁気粒子および/または親和性分子にハイブリダイズならびに/もしくは結合し、磁気粒子結合錯体および/または親和性分子標的錯体を形成し得る。サンプル調製リザーバ317は、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を分析するために、例えば、出口を介して、その中に混合されたサンプルおよびサンプル調製試薬を有する流体を分析チャネル330の中に放出することを可能にするように構成される。サンプル調製リザーバ317の出口は、熱作動式弁でシールされてもよい。弁が開放すると、サンプル調製リザーバ317からの流体は、輸送媒体として作用し、磁気粒子結合錯体および/または親和性分子標的錯体ならびに他の粒子をサンプル調製リザーバ317から分析チャネル330の中に流動させる。有利には、サンプル調製リザーバ317内の混合媒体および貯蔵媒体としての役割を果たす流体はまた、ポンプの必要なく、サンプル調製リザーバ317の内容物を分析チャネル330内の分析ゾーンに輸送するための流動媒体として作用する。
【0194】
洗浄剤リザーバ318は、流体、好ましくは、洗浄溶液として構成される液体を保持するように構成される。洗浄剤リザーバ318はさらに、例えば、出口を介して、洗浄溶液を分析チャネル330の中に放出し、磁気粒子に結合されていないサンプル調製リザーバ317から以前に放出された混合された流体中の粒子もしくは事前に結合された表面親和性分子を分析チャネル内の作業電極および/または正の対照作業電極から移動させることを可能にするように構成される。洗浄剤リザーバ318の出口は、熱作動式弁でシールされてもよい。弁が開放すると、洗浄溶液は、洗浄剤リザーバ318から分析チャネル330の中に流動し、それによって、全てまたは実質的に全ての結合されなかった検出剤および/または結合されなかった競合結合作用物質を分析チャネル330から除去する。一側面では、サンプル調製リザーバ317からの大部分または全ての浮動性の結合されなかった分子が、分析チャネル330から洗浄され、有意性のある任意の非特異的結合および/または浮動性シグナル伝達物質、例えば、HRPによって生成される有意性のある非特異的信号が分析チャネル330の分析ゾーン内で生じる可能性を低減させる。
【0195】
基質リザーバ319は、流体、好ましくは、化学基質等の基質を備える基質溶液を保持するように構成される。基質リザーバ319の流体は、サンプル調製リザーバ317からのシグナル伝達物質の存在下で反応を受ける、基質を含んでもよい。例えば、基質リザーバ319の基質は、サンプル調製リザーバ317からの酸化酵素の存在下、酸化反応を受けてもよい。流体は、過酸化水素等の受容体分子と、テトラメチルベンジジン(TMB)および/またはo-フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)分子等の酵素基質であり得る、基質とを含む、基質溶液であってもよい。実施例として、基質は、市販の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)基質であってもよい。好ましくは、基質は、酸化可能および/または還元可能である。受容体分子は、基質とシグナル伝達物質との間の反応の間、シグナル伝達物質によって基質から奪われた電子を受容する(それによって、基質を酸化させる)ように構成されてもよい。例えば、受容体分子が過酸化水素であるとき、基質、例えば、TMB、OPDとシグナル伝達物質、例えば、HRP、SBPとの間の酸化酵素反応は、受容体分子が別の分子(例えば、水)に変換するように、酸化酵素反応の間、電子を基質から奪わせ、受容体分子(例えば、過酸化水素)に供与させる。いくつかの実施形態では、ヘキサシアノ鉄酸塩が、基質として使用される(かつサンプル調製リザーバ317からのメチレンブルー等の酸化染料であり得る、シグナル伝達物質と反応される)。基質リザーバ319はさらに、例えば、出口を介して、基質を伴う流体を分析チャネル330の中に放出することを可能にするように構成される。基質リザーバ319の出口は、熱作動式弁でシールされてもよい。弁が開放すると、基質リザーバ319からの流体は、輸送媒体として作用し、化学基質を基質リザーバ319から分析チャネル330の中に流動させる。
【0196】
当業者は、3つのリザーバが描写されるが、種々の実施形態では、複数のリザーバは、2つのリザーバまたは4つもしくはそれを上回るリザーバを含んでもよく、代替空間構成を採用してもよいことを理解されるであろう。例えば、洗浄剤リザーバ318および基質リザーバ319は、洗浄溶液として作用し、化学基質を有する、流体を保持するように構成されるリザーバの中に組み合わせられ得る。加えて、リザーバは、好ましくは、前述の個別の流体で事前に充填されるが、本開示は、それに限定されず、1つまたはそれを上回るリザーバは、非使用状態では、空であって、混合状態の間、個別の流体で充填されてもよい。
【0197】
シール材料320が、1つまたはそれを上回るリザーバ内の流体を流体的にシールするように構成される。例えば、シール材料320は、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および基質リザーバ319内の個別の流体を流体的にシールしてもよい。シール材料320は、図示されるように、全リザーバを被覆するように構成される、材料の単一部品であってもよい、またはそれぞれ、カートリッジデバイス300内の1つまたはそれを上回るリザーバを被覆するように構成される、別個の部品であってもよい。シール材料320は、箔等の流体を流体的にシールし得る、任意の材料であってもよい。好ましくは、シール材料320は、液体不浸透性膜である。
【0198】
シール穿刺器321は、シール材料320を穿刺し、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および/または基質リザーバ319内の流体に通気するように構成される。シール穿刺器321は、例えば、入力トンネル301内のサンプル収集デバイス200の肩部または係合ゾーン209において、遠位部分201によって接触され、サンプル収集デバイス200によって印加される力に応答して、筐体304内を移動し、シール材料320を穿刺させ、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および/または基質リザーバ319内の流体に通気するように構成されてもよい。シール穿刺器321は、筐体304内に配置され、部分的に、入力トンネル301内に配置されてもよい。一実施形態では、シール穿刺器321は、サンプル収集デバイス200の入力トンネル301内への挿入に応答して、第1の方向、例えば、側方に、および第2の方向、例えば、垂直に移動し、シール材料320の中に穿刺するように構成される。
【0199】
シール穿刺器321は、単一部品であってもよい、または複数の部品を含んでもよい。例証として、シール穿刺器321は、スライダ322と、穿刺器323とを含む。スライダ322は、筐体304内に配置され、部分的に、入力トンネル301内に配置されてもよい。例えば、スライダ322は、入力トンネル301内に配置されるように適合される係合器を有してもよい。係合器は、一時的または恒久的に、例えば、肩部もしくは係合ゾーン209において、サンプル収集デバイス200に結合され、サンプル収集デバイス200の入力トンネル301の中への挿入に応答して、スライダ322の移動を可能にするように構成されてもよい。係合器は、図示されるように、例えば、U形状の係合ゾーン209の溝内に嵌合する、または係合ゾーン209の突出部を受容するように定寸されてもよい。スライダ322は、サンプル収集デバイス200によって印加される力に応答して、筐体304内を移動し、収集者がサンプル収集デバイスを入力トンネル301の中に遠位に押動し、シール材料320を穿刺器323によって穿刺させ、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および/または基質リザーバ319内の流体に通気させる結果をもたらすように構成されてもよい。穿刺器323は、シール材料320を切断して開放するために十分に鋭的である端部を伴う、1つまたはそれを上回る穿刺要素であってもよい。以下に詳細に説明されるように、穿刺器323は、3つの異なる穿刺器を含んでもよく、それぞれ、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、または基質リザーバ319のうちの1つの上方において筐体304内に配置される。スライダ322が、サンプル収集デバイス200の挿入によって生じるように、入力トンネル301内を移動するにつれて、スライダ322は、穿刺器323に接触し、穿刺器323をシール材料320を穿刺する方向に移動させる。一実施形態では、スライダ322は、サンプル収集デバイス200の入力トンネル301内への挿入に応答して、第1の方向、例えば、サンプル収集デバイス200の移動に対して側方/略平行に移動し、穿刺器323を第2の方向、例えば、垂直に移動させ、シール材料320の中に穿刺させるように構成される。
【0200】
シャトル324は、筐体304内、好ましくは、サンプル調製リザーバ317と開口302との間に配置されるように構成される。例えば、シャトル324は、カートリッジが非使用状態にあるとき、シャトル324の遠位端が、サンプル調製リザーバ317の壁を形成し、流体をその中にシールするように、入力トンネル301内に配置されてもよい。シャトル324は、入力トンネル301内に挿入されると、サンプル収集デバイス200からの収集されたサンプルを受容するように構成される、1つまたはそれを上回るコンパートメントを画定してもよい。シャトル324はまた、1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するように構成される、1つまたはそれを上回る付加的コンパートメントを画定してもよい。シャトル324は、サンプルを有する1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントおよび/または1つもしくはそれを上回る試薬ボールをその中に有する1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメントが、サンプル調製リザーバ317内の流体中に配置されるように、例えば、サンプル収集デバイス200をシャトル324に接触させることによって生じる、閾値力を受けると、第2の位置に筐体304内を移動するように構成されてもよい。シャトル324の近位端は、サンプルおよび/または1つもしくはそれを上回る試薬ボールがサンプル調製リザーバ317内にあるとき、サンプル収集デバイス200と併せて、サンプル調製リザーバ317の壁を再形成し、流体をその中にシールしてもよい。このように、サンプル調製リザーバ317は、非使用状態においてもシャトル324によって、混合状態においてもシャトル324によって、流体的にシールされたままである。加えて、試薬を格納する破壊可能膜と異なり、シャトル324は、サンプルが分析のためにサンプル調製リザーバ317の中に移動されるにつれて、無傷のままであってもよい。
【0201】
乾燥剤325は、筐体304内に配置され、シャトル324内に格納される1つまたはそれを上回る試薬ボールと流体連通してもよい。乾燥剤325は、筐体304の中に進入する湿気を吸収し、非使用状態における1つまたはそれを上回る試薬ボールへの湿気暴露を低減させるように構成される。乾燥剤325は、パッドであってもよく、少なくとも部分的に、入力トンネル301内に配置されてもよい。乾燥剤325は、サンプル収集デバイスがそれを通して挿入されることを可能にするように定寸される、管腔を有してもよい。
【0202】
入力トンネル構成要素326は、入力トンネル301の一部を形成し、シャトル324を入力トンネル301内に固着させるように定寸および成形される。例えば、入力トンネル構成要素326は、U形状を有し、略円筒形シャトルを格納してもよい。
【0203】
超音波発生器要素327が、筐体304内に、好ましくは、サンプル調製リザーバ317に隣接して配置され、またはそれと一体型であって、その中での流体の混合を可能にする。超音波発生器要素327は、制御された量のエネルギーをサンプル調製リザーバの中に伝送するように構成され、圧電構成要素を含んでもよい。超音波発生器要素327は、サンプル調製リザーバ317の底部壁上に配置される、またはそれを形成してもよい。超音波発生器要素327は、例えば、リレーを介して、センサおよび加熱器を含む、回路基板331上の構成要素等、筐体304内の他の電気構成要素から電気的に絶縁されてもよい。超音波エネルギーは、脆弱なDNAプローブまたは抗体および酵素等の他の分子に生じる損傷を限定しながら、サンプル調製リザーバ317内の成分の混合および結合を達成するように制御されてもよい。超音波発生器要素327は、感圧式圧電ディスクを含んでもよい。超音波発生器要素327はまた、サンプル調製リザーバ317と圧電ディスクとの間に配置される、高水分含有ブリスタを含んでもよい。そのような高水分含有ブリスタは、カートリッジ生産プロセスにおいてサンプル調製リザーバ317下に添着されてもよい。高水分含有ブリスタは、最小限の減衰を伴って、超音波発生器要素327からサンプル調製リザーバ317への超音波エネルギーの送達を促進し得る。ブリスタは、別の適切に伝導性の超音波媒体と置換されてもよく、超音波媒体としての役割を果たす構成要素は、外側では乾燥しており、液体残留物が存在しない状態であってもよい。
【0204】
吸収パッド328が、分析チャネル330の最下流端において筐体304内に配置される。吸収パッド328は、分析チャネル330からの流体を吸い上げ、それによって、流体が吸収パッド328の下流に流動するように促す。吸収パッド328は、廃棄物受口として作用し、分析チャネル330を通して流動した後、全廃棄物流体および廃棄物粒子を収集してもよい。吸収パッド328のサイズおよび吸収性の程度は、分析チャネル330内の流体および粒子の流量を計量するように選択されてもよい。例えば、吸収パッド328が吸い上げ得る流体の体積は、サンプル調製リザーバ317および洗浄剤リザーバ318からの全流体を排出し、化学基質を担持する流体を基質リザーバ319から引き込むために十分大きくなければならない。そのような条件は、吸収性の下限としての機能を果たしてもよい。
【0205】
層329は、内部構成要素316と回路基板331との間に配置され、分析チャネル330の一部を形成する。層329は、内部構成要素316を回路基板331に結合するように構成される、接着剤層であってもよい。例えば、層329は、流体の毛細管流動を支持するように親水性であり得る、両面接着剤テープであってもよい。
【0206】
分析チャネル330は、内部構成要素316の壁、層329の壁、および/または回路基板構成要素331の壁によって画定されてもよい。例えば、分析チャネル330の上部壁は、内部構成要素315によって画定されてもよく、分析チャネル330の側壁は、層329によって画定されてもよく、分析チャネル330の底部壁は、回路基板331によって画定されてもよい。加えて、各リザーバ317、318、319は、リザーバを分析チャネル330に接続する、出口を含む。このように、リザーバのそれぞれ内の流体は、その個別の出口を通して分析チャネル330の中に流動することができる。分析チャネル330は、リザーバから吸収パッド328まで延在してもよい。好ましくは、回路基板331上の1つまたはそれを上回るセンサは、少なくとも部分的に、分析チャネル330内に位置付けられる。
【0207】
回路基板331は、筐体304内に配置され、例えば、層329を介して、内部構成要素316に結合されてもよい。回路基板331は、電気構成要素、例えば、抵抗器、電気導線、ビア、および標的検体の検出のために必要とされるセンサのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。別々に説明されているが、回路基板331の電気構成要素は、別個の構造要素である必要はないことを理解されたい。1つまたはそれを上回る電気構成要素および/もしくは回路は、本明細書で説明される種々の構成要素の役割のうちのいくつかまたは全てを果たしてもよい。
【0208】
メモリ332は、筐体304内に配置され、回路基板331に電気的に結合される。メモリ332は、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または同等物等、カートリッジデバイス300に関連するデータを記憶するために好適な任意のタイプのメモリであってもよい。メモリ332は、カートリッジタイプ(例えば、炎症、インフルエンザ、テストステロン、受胎能、ビタミンD)、カートリッジ識別情報(例えば、製造番号)、および/または較正情報に関する情報等のデータを記憶してもよい。カートリッジデバイス300が読取機デバイス400に電気的に結合されると、読取機デバイス400は、メモリ332から伝送されるデータを受信し、そのようなデータを使用して、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量の判定を促進してもよい。一実施形態では、選択群のカートリッジ(例えば、生産カートリッジの共通ロット)の1つまたはそれを上回るカートリッジデバイスは、既知の量の標的検体を使用して試験され、試験されるデバイスのセンサによって感知される1つまたはそれを上回る標的検体と関連付けられた電気特性を判定してもよい。試験結果に基づく較正情報が、選択群のカートリッジ内のメモリ332の中に記憶され、カートリッジのセンサによって生成される電気信号および較正情報を使用して、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を精密かつ一貫して判定してもよい。メモリ332はまた、以下に説明されるように、正の対照作業電極によって生成される電気信号と比較され、パラメータが所定の範囲内にあるかどうかを判定し得る、所定の範囲のパラメータ、例えば、電圧、電流等の試験結果信頼性情報を記憶してもよい。
【0209】
ここで
図6A、6B、および6Cを参照すると、例示的回路基板および層が、図示され、
図6Aは、回路基板331を描写し、
図6Bは、層329を描写し、
図6Cは、回路基板331上に配置され、そこに結合される、層329を描写する。
【0210】
図6Aに示されるように、回路基板331は、加熱要素333、334、335、336、および/または337と、基準電極339、作業電極340、対側電極341、背景作業電極342、および/または基準電極343を含み得る、センサ338とを含んでもよい。作業電極340は、1つまたはそれを上回る細溝344でマスクされてもよく、背景作業電極342は、1つまたはそれを上回る細溝345でマスクされてもよい。回路基板331はさらに、ワイヤを介して、回路基板331を超音波発生器要素327に電気的に結合するための接点346および347を含んでもよいが、超音波発生器要素327はまた、以下に説明されるように、ばね接触を用いて、回路基板331に電気的に結合されてもよい。
【0211】
加熱要素333、334、335、336、および337は、例えば、読取機400のメモリ内に記憶されたプロトコルに規定された時間において読取機400から伝送される電気信号に基づいて、熱を筐体304内に生成するように構成される。加熱要素333、334、335、336、および337はそれぞれ、回路基板331の一部を形成してもよい。例えば、加熱要素333、334、335、336、および337は、ビアを囲繞する回路基板331の底部側上に位置する蛇行トレースとして現れる、抵抗加熱要素であってもよい。他の実施形態では、加熱要素は、例えば、読取機上で、カートリッジの外部に位置する。熱を生成するために抵抗加熱要素が使用される、種々の実施形態では、例えば、トランジスタの作動を通して、電流が抵抗加熱要素を通って流動することを可能にさせられる。抵抗加熱要素を通過する電流は、ジュール加熱を通して熱を生成する。熱は、抵抗加熱要素とビアとの間の物理的接触により、ビアに伝導させられる。加熱要素333、334、335、336、および337は、例えば、はんだマスクでマスクされ、センサ338からの電気絶縁を助長し、センサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、熱伝達を維持してもよい。
【0212】
加熱要素333は、サンプル調製リザーバ317の出口に隣接して位置付けられてもよい。出口は、その中に出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有し、それによって、出口を流体的にシールしてもよい。加熱要素333は、相変化材料が、サンプル調製リザーバ317の出口をシール解除し、流体がサンプル調製リザーバ317内に保持されるサンプルをその中に混合させ、分析チャネル330の中に流動することを可能にするように、サンプル調製リザーバ317の出口内の相変化材料を加熱するように構成されてもよい。加熱要素333は、読取機400のメモリ内に記憶されるプロトコルによって規定された時間に、例えば、読取機400がそこに電気的に結合されるカートリッジデバイス300を検出した後、および読取機400がサンプル収集デバイス200のカートリッジデバイス300の中への適切な挿入を検出した後、相変化材料を加熱させられてもよい。
【0213】
加熱要素334は、洗浄剤リザーバ318の出口に隣接して位置付けられてもよい。出口は、その中に出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有し、それによって、出口を流体的にシールしてもよい。加熱要素334は、相変化材料が洗浄剤リザーバ318の出口をシール解除し、洗浄剤リザーバ318内に保持される洗浄溶液が分析チャネル330の中に流動することを可能にするように、洗浄剤リザーバ318の出口内の相変化材料を加熱するように構成されてもよい。加熱要素334は、読取機400のメモリ内に記憶されるプロトコルによって規定された時間に、例えば、読取機400が加熱要素333を加熱させてから所定の時間後、および/または読取機400が加熱要素336を加熱させてから所定の時間後、相変化材料を加熱させてもよい。
【0214】
加熱要素335は、基質リザーバ319の出口に隣接して位置付けられてもよい。出口は、その中に出口の断面全体を閉塞するための相変化材料を有し、それによって、出口を流体的にシールしてもよい。加熱要素335は、相変化材料が基質リザーバ319の出口をシール解除し、基質リザーバ319内の基質内に保持される流体が分析チャネル330の中に流動することを可能にするように、基質リザーバ319の出口内の相変化材料を加熱するように構成されてもよい。加熱要素335は、読取機400のメモリ内に記憶されるプロトコルによって規定された時間に、例えば、読取機400が加熱要素334を加熱させてから所定の時間後、相変化材料を加熱させてもよい。
【0215】
加熱要素336は、相変化材料を備え得る、流体断路器に隣接して位置付けられてもよい。加熱要素336は、流体断路器の相変化材料が分析チャネル330の中に流動し、サンプル調製リザーバ317を基質リザーバ319から流体隔離するように、サンプル調製リザーバ317の出口がシール解除された後、流体断路器の相変化材料を加熱するように構成されてもよい。加熱要素336は、読取機400のメモリ内に記憶されるプロトコルによって規定された時間に、例えば、読取機400が加熱要素333を加熱させてから所定の時間後、相変化材料を加熱させてもよい。
【0216】
加熱要素337は、分析チャネル330内のガス、例えば、空気のポケットに隣接して位置付けられてもよい。加熱要素337は、空気のポケットを加熱し、空気を拡張させ、圧力を相変化材料にかけさせ、それによって、分析チャネル330内の相変化材料の移動を促進するように構成されてもよい。加熱要素336は、読取機400のメモリ内に記憶されるプロトコルによって規定された時間に、例えば、読取機400が加熱要素333を加熱させてから所定の時間後、相変化材料を加熱させてもよい。加熱要素333、334、および335の下流方向における加熱要素337の設置は、分析チャネル330内の気泡形成を低減させることが予期される。
【0217】
回路基板331の電気導線(
図8に示される)は、読取機デバイスとの電気接続および連続性を確立するために提供されてもよい。電気導線は、加熱要素333、334、335、336、337、それぞれ、基準電極339、作業電極340、対側電極341、背景作業電極342、および基準電極343、接点346、347を含む、センサ338に、ならびにメモリ332に電気的に結合されてもよい。このように、そのような構成要素は、読取機デバイスによってアクティブ化されると、電流を受容してもよい。有利には、電気導線は、回路基板331(
図4Bに示される)の底部表面上の電気コネクタ部分において暴露されるが、コネクタを構成要素に電気的に結合する電気導線は、
図6Aに示されるように、回路基板331の上部表面上でトレースレスであってもよい。電気コネクタ部分とこれらの構成要素との間の回路基板331のトレースレス構成は、回路基板331の平滑上部表面を生成し、接合干渉を低減させ、それによって、層329との固着接着を助長する。接合干渉は、そのような干渉によって生じる層329の変形に起因して、流体が分析チャネル330に進入するとき、漏出を生じさせ得る。
【0218】
加熱要素333、334、335、336、337は、導体から形成されてもよく、それぞれ、ビアを含んでもよい。ビアは、印刷回路基板上の標準的生成物であって、典型的には、回路基板の1つの層上の信号トレースが別の層と電気的に連続することを可能にするために使用される。ビアは、複数の層を通して電気連続性を提供する。そのようなビアは、熱の優れた導体であって、大部分の回路基板を構成する周囲材料が優れた断熱体であるため、周囲面積に影響を及ぼさずに、非常に精密な場所への熱の伝達を可能にする。したがって、種々の実施形態では、複数のビアが、回路基板331内に加熱要素として提供され、各ビアは、リザーバ出口内に配置される相変化熱作動式弁の下、上、またはそれに隣接して配置され、弁作動要素を生成する。ビアと関連付けられた熱伝達の精度は、相互に近接して位置する弁間の最小限のクロストークを可能にし、したがって、弁作動のタイミングは、弁毎に慎重に制御されることができる。弁は、ろう、例えば、親水性ろう等の相変化材料から形成されてもよく、ビアは、熱の導体として作用し、読取機デバイスによって制御されるように、ろうを精密な時点において溶融させる。相遷移、例えば、リザーバの出口内に配置されるろう弁の溶融に応じて、出口は、もはや閉塞されず、リザーバは、開口部を有し、それを通してその流体内容物は、分析チャネルの中に排出することができる。ビア内の孔は、充填材料、例えば、はんだで充填されてもよく、ビアは、例えば、はんだマスクでマスクされ、センサ338からの電気絶縁を助長し、センサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、熱伝達を維持してもよい。
【0219】
精密なタイミングでろうの完全融解を確実にするために、種々の実施形態では、ろう弁がリザーバの出口内で慎重に構築される。例えば、いくつかの実施形態では、ろう弁が、リザーバの出口を閉塞するために必要な最小高度を有することが好ましく、最小高度は、熱がろうを融解させるために移動しなければならない距離を最小限化する。そのような特性を有するろう障壁を実現するための1つの例示的方法は、融解したろうを予熱したビアに適用することを伴う。有利なこととして、ビアが予熱されるとき、ろう弁が室温のビアに対して凝固するためにより長くかかり、したがって、ろうは、硬化する前に平坦化して外向きに拡張するために、より多くの時間を有する。ろうの「パンケーキ化」が、高度を最小限化するために望ましく、これは、弁の適正な融解作動の機会を最大限化するであろう。加えて、ビアの加熱は、ろうの大部分が熱を受け、また、適正な弁作動の機会を最大限化するように、ろうとビアとの間のより大きいレベルの接触面積を促進する。ろうの堆積に先立ってビアを加熱する方法は、以下の方法でさらに増進される。ろうが硬化するときに、ろうがリザーバの複数の内壁およびビア自体に同時に付着するように、溶解したろうが予熱したビアに適用されるとき、リザーバの底部における開口部がビアに空間的に近いように、リザーバの開口部がビアを覆って整合させられる。これは、リザーバからの不注意の流体流が発生しないように、分析チャネルへの開口部を完全に閉塞する、無傷の弁の製造収率を増進するために有利である。
【0220】
センサ338は、分析チャネル330内の流体に暴露され、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するように構成されてもよい。センサ338は、センサ338にわたる化学反応から生じる電気信号を検出してもよい。例えば、サンプル調製リザーバ317からの混合された流体は、分析チャネル330の中に導入されてもよく、混合された流体中のシグナル伝達物質は、センサ338にわたって局在化し得る(例えば、シグナル伝達物質に直接または間接的に結合される磁気粒子を保持する磁場に応答して(存在する場合))。化学反応は、基質リザーバ319からの流体がセンサ338にわたって局在化されたサンプル調製リザーバ317からの混合された流体の粒子と反応するときに生じ得る。例えば、基質を有する基質溶液が、基質リザーバ319から導入されてもよく、センサ338は、センサ338にわたって局在化された基質(例えば、TMB、OPD)とシグナル伝達物質(例えば、HRP、SBP)との間の反応から生じる電気信号を検出してもよい。反応は、電子をシグナル伝達物質によって基質から奪わせ(電子は、基質溶液からの受容体分子に供与され得る)、それによって、センサ338によって検出可能な電気信号を生成してもよい。そのような検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。信号は、例えば、カートリッジデバイス300および読取機デバイス400の個別の電気コネクタを介して、読取機デバイス400に伝送されてもよい。
【0221】
センサ338は、基準電極339、作業電極340、対側電極341、背景作業電極342、および/または基準電極343を含んでもよい。センサ338は、分析チャネル330内に配置され、センサ338の上方の分析チャネル330の面積は、「分析ゾーン」と称され得る。センサ338は、回路基板331が組み立てられたカートリッジ300内に含まれ、回路基板331の表面が分析チャネル330の1つの壁を形成すると、センサ338が、少なくとも部分的に、分析チャネル330内に配置されるように、方略的に位置する。1つのセンサが図示されるが、複数のセンサが、提供されてもよく、それぞれ、その他に対して離間され、好ましくは、全て、分析チャネル330内に整合される。加えて、作業電極340および背景作業電極342は、相互の上流および下流またはその逆に配置されてもよく、センサ338は、作業電極340および背景作業電極342以外の付加的作業電極を含んでもよい。
【0222】
センサ338は、電気化学セルを分析チャネル330内に形成する、電気化学センサであってもよい。基準電極339は、電圧差をそれ自体と作業電極340との間に生成するように構成されてもよい。対側電極341は、基準電極339および作業電極340によって生成された電気環境が作業電極340にわたって正の電荷をもたらすとき、作業電極340上に集合する、電子(例えば、シグナル伝達物質によって基質から奪われる)を提供してもよい。上記で説明されるように、酸化反応が、粒子(例えば、サンプル調製リザーバ317から分析チャネル330の中に導入され得る、磁気粒子)に間接的に結合される酸化酵素(例えば、サンプル調製リザーバ317から分析チャネル330の中に導入され得る、HRP、SBP等の本明細書に説明されるシグナル伝達物質)が、センサ338に存在し、適切な化学基質(例えば、TMB、OPD)が、分析チャネル330の中に導入される場合(例えば、基質リザーバ319から)、センサ338において生じ得る。そのような実施形態では、作業電極340は、電子を放出し、存在する酸化酵素の量に比例する量で、酸化酵素によって基質から奪われた電子を補充する。作業電極340からの電子の放出(例えば、作業電極340にわたってシグナル伝達物質と反応する基質から)は、センサ338に接続された回路内で信号として検出可能であり得る、電流である。センサ338は、それによって、分析ゾーンの中で局在化される、酸化酵素の存在、非存在、および/または量を間接的に検出することができる。例えば、以下に説明される読取機デバイス内のプロセッサは、次いで、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を酸化酵素の存在、非存在、ならびに/もしくは量と相関させることができる。そのようなプロセッサの機能が、以下でさらに詳細に説明される。1つまたはそれを上回る磁場が、分析ゾーン内の酵素もしくは他のシグナル伝達作用物質の局在化を促進するために使用されてもよい。有利なこととして、そのような実施形態では、いかなる親和性分子も、局在化を達成するようにセンサ338に事前に結合される必要がなく、これはそうでなければ、拡散ベースのハイブリダイゼーション反応速度の限界により、検体定量化プロセスを有意に減速させるであろう。磁場の詳細も以下で提供される。
【0223】
センサ338は、ENIGプロセスを通して作製される金表面を含んでもよい。他の実施形態では、ENIGプロセスを通して作製されていない金または金めっきセンサが使用される。当業者は、印刷回路基板産業において電気的に活性パッドを生成するために利用される金の触媒および自己触媒堆積のための多くのめっきプロセスが存在することを理解し得る。作業電極340は、付加的安定性のために、チオール化エチレングリコールおよび/またはヘキサエチレングリコールジチオール等のジチオール等の自己組織化単分子膜から形成される表面化学性質を有してもよい。そのような表面化学物質の頭部基の親水性質は、流動およびタンパク質抵抗を促進する。加えて、または代替として、電極のうちの1つまたはそれを上回る表面は、メルカプトウンデカン酸、メルカプトヘキサノール、または任意の他の裏込剤で裏込されてもよい。センサ338内の電極のうちの1つまたはそれを上回る表面は、非高温で、エチレングリコールジチオールおよび裏込剤の連続的添加ならびにインキュベーションを通して形成されてもよい。
【0224】
背景作業電極342は、磁気粒子局在化の部位から離れた分析チャネル330内で離間される周囲電気化学雑音センサであってもよい。背景作業電極342は、分析チャネル330内の作業電極340および背景作業電極342の選択された順序に応じて、作業電極340の下流または上流の背景雑音を定量化するために使用されてもよい。そのような雑音は、例えば、非特異的に結合される酵素の存在に起因し得る。検出結果の処理の間、読取機400におけるプロセッサは、アルゴリズムを適用し、(背景作業電極342からの)背景作業電極信号を(作業電極340からの)検出センサ信号から除去し、システム雑音に対処し、および/またはそれを排除し、それによって、1つまたはそれを上回る標的検体の適正な定量化もしくは検出を可能にしてもよい。背景作業電極342からの信号は、例えば、所定の範囲外の電気値を有する背景作業電極342からの信号によって明白であるように、不適切に機能するカートリッジのエラー検出および診断のために使用されてもよい。
【0225】
基準電極343は、電圧差をそれ自体と背景作業電極342との間に生成するように構成されてもよい。対側電極341はまた、基準電極343および背景作業電極342によって生成される電気環境が背景作業電極342にわたって正の電荷をもたらすとき、背景作業電極342上に集合する、電子を提供してもよい。
【0226】
いくつかの実施形態では、検出は、酸化/還元反応が進むために、背景作業電極342で生成されるバイアス電位を利用する、標準電気化学回路を使用して実行される。電位は、作業電極340に電気的に接続された読取機デバイス400内の演算増幅器ベースの電流/電圧(演算増幅器)回路トポロジを使用して、酸化分子への電流の流動を定量化することができるように、化学基質の還元電位(溶液中の還元可能種のわずかな非特異的還元があるように十分に低い)で保たれる。
【0227】
一般的な基質分子、すなわち、テトラメチルベンジジンが、HRPのために使用されてもよい。存在するとき、HRPは、TMB分子を酸化させ、これらの分子は、ひいては、作業電極340によって還元させられる。この事象は、存在するHRPの量に比例して生じ、ひいては、存在する標的検体の量に比例するため、電流/電圧演算増幅器測定の変化が、結果として生じる。アナログ/デジタル変換器を使用して、実際の信号を処理するためにプロセッサに送達することができる。以下でさらに詳細に説明されるように、種々の実施形態では、プロセッサおよび信号処理構成要素は、読取機デバイス内で提供される。
【0228】
作業電極340は、作業電極340にわたってサンプル調製リザーバ317から放出された複数の磁気粒子の均質分布および保定を助長するように構成される、複数の細溝344でマスクされる、例えば、はんだマスクされてもよい。検体検出の正確度は、例えば、洗浄剤リザーバ318からの洗浄溶液の放出によって生じる分析チャネル流動方向における粒子および/または基質リザーバ319からの化学基質を有する流体にかかる力が、分析の間の作業電極340の真下に配置される読取機400の磁気発生器に向かう磁力を上回ることに起因する、分析の間の磁気粒子の早期洗浄によって悪影響を受け得る。そのような細溝344は、作業電極340からの複数の磁気粒子の移動に対する抵抗を助長する。加えて、背景作業電極342は、複数の細溝345でマスクされる、例えば、はんだマスクされてもよいが、そのような細溝は、背景作業電極342上では必要なく、代替実施形態の例示にすぎない。
【0229】
代替実施形態では、センサ338は、分析チャネル330内の流体を分析し、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するように構成されてもよく、信号は、可視である。例えば、カートリッジデバイスの筐体は、ユーザが視認することを可能にする窓を含み、例えば、カメラ、蛍光を用いて、その蛍光を定量化し、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を判定してもよい。
【0230】
ここで
図6Cを参照すると、層329は、センサ338が少なくとも部分的に、分析チャネル330内に配置されるように、回路基板331の上部表面上に配置される。加熱要素333、334、335、336、および337は、部分的または完全に、それぞれ、マスク348、349、350、351、および352で被覆されてもよい。マスク348、349、350、351、および352は、はんだマスクであってもよい。マスク348は、加熱要素333とセンサ338との間の電気絶縁を助長し、加熱要素333によるセンサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、加熱要素333からサンプル調製リザーバ317の出口内の相変化材料への熱伝達を材料の相変化を生じさせるために十分なエネルギーレベルに維持するように構成される。マスク349は、加熱要素334とセンサ338との間の電気絶縁を助長し、加熱要素334によるセンサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、加熱要素334から洗浄剤リザーバ318の出口内の相変化材料への熱伝達を材料の相変化を生じさせるために十分なエネルギーレベルに維持するように構成される。マスク350は、加熱要素335とセンサ338との間の電気絶縁を助長し、加熱要素335によるセンサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、加熱要素335から基質リザーバ319の出口内の相変化材料への熱伝達を材料の相変化を生じさせるために十分なエネルギーレベルに維持するように構成される。マスク351は、加熱要素336とセンサ338との間の電気絶縁を助長し、加熱要素336によるセンサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、加熱要素336から流体断路器の相変化材料への熱伝達を材料の相変化を生じさせるために十分なエネルギーレベルに維持するように構成される。マスク352は、加熱要素337とセンサ338との間の電気絶縁を助長し、加熱要素337によるセンサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、加熱要素337から加熱要素337の上方の分析チャネル330内のガスのポケットへの熱伝達を相変化材料の分析チャネル330内の下流への移動を生じさせるために十分なエネルギーレベルに維持するように構成される。
【0231】
ここで
図7A、7B、および7Cを参照すると、回路基板331'および層329'が、
図6A、6B、ならびに6Cの回路基板331および層329と同様に構築されるが、加熱要素333'、334'、335'、336'、および337'は、回路基板331'上に異なる構成で位置付けられ、分析チャネル330'は、適宜、再成形される。加えて、
図7Cは、分析チャネル330'の下流端において層329'に結合される、吸収パッド328を描写する。
【0232】
ここで
図7Dおよび7Eを参照すると、本明細書に説明されるカートリッジ内で使用され得る、代替の例示的センサが、提供される。センサ338''は、基準電極339''、作業電極340''、対側電極341''、負の対照作業電極342''(本明細書では、背景作業電極とも称される)、および/または正の対照作業電極376を含んでもよい。センサ338''は、センサ338に関して前述のように、センサ338''における化学反応によって生成される電気信号を検出してもよい。センサ338''は、前述のセンサ338と同一様式で分析チャネル内に配置される。1つのセンサが図示されるが、複数のセンサが、提供されてもよく、それぞれ、その他に対して離間され、好ましくは、全て、分析チャネル内に整合される。好ましくは、流体は、分析チャネル内のリザーバから流動し、正の対照作業電極376、基準電極339''、対側電極341''、作業電極340''、および負の対照作業電極342''の順序で電極にわたって進行する。
【0233】
センサ338''は、電気化学セルを分析チャネル内に形成する、電気化学センサであってもよい。正の対照作業電極376は、正の対照作業電極376の表面に事前に結合された親和性分子を有し、正の対照作業電極376にわたる酸化酵素または他のシグナル伝達物質の局在化を達成してもよい。親和性分子は、表面結合抗体であってもよい。正の対照作業電極376は、親和性分子に間接的に結合される酸化酵素または他のシグナル伝達物質と、分析チャネルの中に、例えば、基質リザーバから導入される適切な化学基質との間の反応によって生成される電流を検出するように構成されてもよい。そのような実施形態では、正の対照作業電極376は、電子を放出し、存在する酸化酵素の量で比例した量で、酸化酵素によって基質から奪われた電子を補充する。正の対照作業電極376からの電子の放出は、センサ338''に接続される回路内の信号として検出可能であり得る、電流である。例えば、以下に説明される読取機デバイス内のプロセッサは、信号が酸化酵素または他のシグナル伝達物質の量がカートリッジおよび/または読取機デバイスのメモリ内に記憶され得る所定の範囲内にあることを示すかどうかを判定するために信号を処理してもよい。検出された量が範囲内にある場合、プロセッサは、カートリッジを検証し、信号処理を継続し、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を判定してもよい。正の対照作業電極376からの信号は、例えば、所定の範囲外の電気値を有する正の対照作業電極376からの信号によって明白であるように、不適切に機能するカートリッジのエラー検出および診断のために使用されてもよい。例えば、読取機のプロセッサは、正の作業制御電極376からの信号が所定の範囲外である場合、エラーアラートを生成してもよい、および/または所定の範囲内である場合、作業電極340''からの読取値を容認可能と見なしてもよい。
【0234】
基準電極339''は、電圧差をそれ自体と作業電極340''との間に生成するように構成されてもよい。対側電極341''は、基準電極339''および作業電極340''によって生成される電気環境が作業電極340''にわたって正の電荷をもたらすとき、作業電極340''上に集合する、電子を提供してもよい。基準電極339および/または対側電極341''は、付加的安定性のために、チオール化エチレングリコールおよび/またはヘキサエチレングリコールジチオール等のジチオール等の自己組織化単分子膜から形成される、表面化学性質を有してもよい。そのような表面化学物質の頭部基の親水性質は、流動およびタンパク質抵抗を促進する。加えて、または代替として、基準電極339および/または対側電極341''の表面は、メルカプトウンデカン酸、メルカプトヘキサノール、または任意の他の裏込剤で裏込されてもよい。
【0235】
センサ338''は、磁気粒子がカートリッジ内に存在しないときに使用されてもよい。例えば、作業電極340''は、作業電極340''の表面に事前に結合された親和性分子を有し、作業電極340''にわたる酸化酵素または他のシグナル伝達物質の局在化を達成してもよい。親和性分子は、表面結合抗体であってもよい。作業電極340''は、親和性分子に間接的に結合される酸化酵素または他のシグナル伝達物質と、分析チャネルの中に、例えば、基質リザーバから導入される適切な化学基質との間の反応によって生成される電流を検出するように構成されてもよい。そのような実施形態では、作業電極340''は、電子を放出し、存在する酸化酵素の量で比例した量で、酸化酵素によって基質から奪われた電子を補充する。作業電極340''からの電子の放出は、センサ338''に接続される回路内の信号として検出可能であり得る、電流である。センサ338は、それによって、間接的に、分析ゾーン内で局在化された酸化酵素の存在、非存在、および/または量を検出することができる。例えば、以下に説明される読取機デバイス内のプロセッサは、次いで、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量と酸化酵素の存在、非存在、ならびに/もしくは量を相関させることができる。そのようなプロセッサの機能は、以下により詳細に説明される。
【0236】
作業電極340''は、例証として、センサ338''が、磁気粒子を使用せずに、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するために使用され得るため、複数の細溝を含まない。
【0237】
負の対照作業電極342''は、局在化の部位から離れた分析チャネル内で離間される周囲電気化学雑音センサであってもよい。負の対照作業電極342''は、作業電極340''の下流の背景雑音を定量化するために使用されてもよい。そのような雑音は、例えば、非特異的に結合された酵素の存在に起因し得る。検出結果の処理の間、読取機400におけるプロセッサは、アルゴリズムを適用し、(負の対照作業電極342''からの)負の対照作業電極信号を(作業電極340''からの)検出センサ信号から除去し、システム雑音に対処し、および/またはそれを排除し、それによって、1つまたはそれを上回る標的検体の適正な定量化もしくは検出を可能にしてもよい。負の対照作業電極342''からの信号は、例えば、所定の範囲外の電気値を有する負の対照作業電極342''からの信号によって明白であるように、不適切に機能するカートリッジのエラー検出および診断のために使用されてもよい。例えば、読取機のプロセッサは、負の作業制御電極342''からの信号が閾値を上回る場合、エラーアラートを生成してもよい、および/または閾値を下回る場合、作業電極340''からの読取値を容認可能と見なしてもよい。
【0238】
負の対照作業電極342''は、付加的安定性のために、チオール化エチレングリコールおよび/またはヘキサエチレングリコールジチオール等のジチオール等の自己組織化単分子膜から形成される、表面化学性質を有してもよい。そのような表面化学物質の頭部基の親水性質は、流動およびタンパク質抵抗を促進する。加えて、または代替として、負の対照作業電極342''の表面は、メルカプトウンデカン酸、メルカプトヘキサノール、または任意の他の裏込剤で裏込されてもよい。
【0239】
ここで
図7Eを参照すると、センサ338'''は、磁気粒子がカートリッジ内に存在するときに使用されてもよい。センサ338''と同様に、前述の
図7Dの同様のプライム付き構成要素と同様に構築される、センサ338'''は、正の対照作業電極376'と、基準電極339'''と、対側電極341'''と、負の対照作業電極342'''とを含む。作業電極340'''は、
図6Aに関して前述の作業電極340に構造的に類似してもよい。このように、センサ338'''は、特に、1つまたはそれを上回る磁場を使用して、分析ゾーン内の酵素または他のシグナル伝達物質の局在化を促進する、標的検体検出に非常に好適である。
【0240】
ここで
図7Fを参照すると、本明細書に説明されるカートリッジ内で使用され得る、代替の例示的センサが、提供される。センサ338''''は、センサ338'''と同一様式で構築されてもよいが、負の対照作業電極342''''は、正の対照作業電極376''と基準電極339''''との間に位置付けられ得る。好ましくは、流体は、分析チャネル内のリザーバから流動し、正の対照作業電極376''、負の対照作業電極342''''、基準電極339''''、対側電極341''''、および作業電極340''''の順序で電極にわたって進行する。
【0241】
図8Aを参照すると、内部構成要素316は、例えば、その間に位置付けられる層329を介して、回路基板331に結合される。内部構成要素316は、加熱要素333に隣接して位置付けられる弁354を伴う出口353を有する、サンプル調製リザーバ317と、加熱要素334に隣接して位置付けられる弁356を伴う出口355を有する、洗浄剤リザーバ318と、加熱要素335に隣接して位置付けられる弁358を伴う出口357を有する、基質リザーバ319とを含んでもよい。リザーバ317、318、および319はそれぞれ、少なくとも随時、個別の弁が開放されると、例えば、その個別の出口を介して、リザーバから退出する流体が、分析チャネル330の中に流動するように、分析チャネル330と流体連通する。加えて、流体断路器359は、加熱要素336に隣接して、かつ分析チャネル330と流体連通して位置付けられてもよい。
【0242】
弁354、356、および358は、それぞれ、カートリッジ300のリザーバ317、318、および319の底部において、それぞれ、出口353、355、および357内に位置してもよい。出口353、355、および357はそれぞれ、分析チャネル330の上方の内部構成要素316の底部壁内の孔から形成されてもよい。弁354、356、および358はそれぞれ、例えば、親水性ろう等の感熱相変化材料から形成されてもよい。作動に先立って、弁のろうまたは他の感熱材料は、固体または半固体状態であって、流体が個別のリザーバから分析チャネル330の中に逃散し得ないように、出口の断面全体を充填するように定寸および成形される。弁354、356、および358は、直接、1つまたはそれを上回る加熱要素(その間にはんだマスクを伴って)もしくは他の局在化された熱伝導性要素の上方に整合されてもよい。そのような整合は、熱の局在化された印加を可能にし、任意の近隣弁の相変化を生じさせずに、弁の相変化を誘発する。種々の実施形態では、相変化は、もはや出口の完全閉塞を生じさせず、代わりに、個別のリザーバ内の流体が分析チャネル330の中に流動することを可能にするように、感熱材料を溶融または別様に変換させる。
【0243】
加えて、流体断路器359も、例えば、親水性ろう等の感熱相変化材料から形成されてもよい。作動に先立って、ろうまたは他の感熱材料は、固体または半固体状態であって、個別のリザーバの出口と分析チャネル330内のセンサ338との間の流路外に配置される。流体断路器359は、流体断路器が、例えば、加熱要素336を加熱するによってアクティブ化されると、1つのリザーバ、例えば、サンプル調製リザーバ317の出口と、別のリザーバ、例えば、基質リザーバ319の出口との間の分析チャネル330上の流路を遮断するように定寸および成形されてもよい。流体断路器359は、直接、加熱要素336(その間にはんだマスクを伴って)もしくは他の局在化された熱伝導性要素の上方に整合されてもよい。そのような整合は、熱の局在化された印加を可能にし、任意の近隣弁の相変化を生じさせずに、流体断路器359内の相変化を誘発する。種々の実施形態では、相変化は、分析チャネルの中に流動するように感熱材料を溶融または別様に変換させ、サンプル調製リザーバ317の出口353を分析チャネル330から遮断する。このように、基質リザーバ319からの流体は、分析チャネル330の中に放出されると、サンプル調製リザーバ317の中に進入することができず、サンプル調製リザーバ317からの残っているシグナル伝達物質と相互作用することができない。
【0244】
ビアまたはビアにわたるはんだマスク上に配置され、個別のリザーバの開口部を閉塞する、または分析チャネルを隔離する、ろう材料は、ヘキサデカノールまたはオクタデカノール等の親水性材料であってもよい。これは、有利には、作動後、流体の流動を妨害するのではなく、分析チャネルの任意の面積内で固化する任意のろう片を越えて流動するように助長する。これらの材料はまた、好ましくは、摂氏50~100度の溶融温度を有し、これは、バッテリ動作式デバイスのための合理的電力消費を伴って、作動することを可能にするが、一般取扱および貯蔵環境では、ならびに/または超音波プロトコルの間は、作動されないままである。弁あたりのろうの量は、その液体状態で1マイクロリットルを下回ってもよく、量は、0.5マイクロリットル未満またはそれと等しくてもよく、量は、2ナノリットルを上回ってもよい。最小限の量のろうを弁内で使用することは、分析チャネルの任意の閉塞を低減させ、熱が印加されると、完全弁作動を最大限にするための方法の1つである。弁はまた、一貫した弁作動のために、一貫した熱プロファイルがビアにおいて達成されることを可能にする、フィードバックおよび制御システムを有してもよい。さらに、本フィードバックおよび制御システムは、感知要素を組み込み、システムが、各弁が適切に作動していることを確認することを可能にしてもよい。
【0245】
図8Aに示されるように、回路基板331は、暴露される導線360を電気コネクタ312に有してもよい。一実施形態では、導線360は、回路基板331の底部表面上においてのみ暴露されるが、導線360は、回路基板331の上部表面上でも暴露されてもよく、好ましくは、示されるように、トレースレスである。前述のように、電気コネクタ312は、カートリッジデバイス300が、カートリッジデバイス300のセンサによって感知される収集されたサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を伝送し得るように、読取機デバイス400の対応する電気コネクタとの電気接続を可能にする。
【0246】
内部構成要素316は、吸収材パッド328を保持するように定寸および成形される、吸収材パッド筐体361を含んでもよい。吸収材パッド筐体361は、複数の通気孔362を含み、カートリッジデバイス300の筐体304内の環境への吸収材パッド筐体361内の吸収材パッド328の暴露を可能にしてもよい。
【0247】
カートリッジデバイス300の入力トンネル301は、シール穿刺器321が、少なくとも部分的に、入力トンネル301内に配置されることを可能にするように構成される、スロット363を含んでもよい。スロット363は、図示されるように、入力トンネル構成要素326の近位端にあってもよい。スロット363は、スライダ321の係合器324が入力トンネル301内に配置されることを可能にするように定寸および成形されてもよい。加えて、スロット363は、スライダ322が、係合器324が入力トンネル301内のサンプル収集デバイスに接触すると、通気前位置から通気位置に遠位に摺動することを可能にするために十分な長さを有してもよい。
【0248】
ここで
図8Bおよび8Cを参照すると、回路基板331および弁のある構成要素の拡大図が、示される。
図8Bは、加熱要素333に結合される、抵抗器365、例えば、アルミニウム抵抗器に結合される、導体364を描写し、
図8Cはさらに、加熱要素333と弁354との間に配置される、マスク348を示す。当業者に明確となるであろうように、加熱要素333、マスク348、および弁354の詳細が、図示されるが、そのような構成は、その個別のマスクおよび弁、流体断路器、または空気ポケットを伴う、加熱要素334、335、336、および337に関して利用されてもよい。読取機デバイス400からの電流は、導体364から抵抗器365を通して通過し、ジュール熱を通して熱を生成してもよい。熱は、抵抗器365と加熱要素333との間の物理的接触に起因して、加熱要素333に伝導される。加熱要素333は、センサ338からの電気絶縁を助長し、加熱要素333によるセンサ338によって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、マスク348を通して熱を生成し、弁354の相変化材料の相変化を生じさせる。
【0249】
ここで
図8Dを参照すると、回路基板331'および弁の代替構成要素の拡大図が、示される。
図8Dは、抵抗器365'、例えば、アルミニウム抵抗器に結合される、導体364'、例えば、はんだパッドを描写する。
図8Bおよび8Cに示される構成と異なり、導体364'は、加熱要素333'と弁354'との間に配置されるマスクが必要とされないように、加熱要素333'(ビアを回路基板331'内に含む)に結合されない。当業者に明確となるであろうように、加熱要素333'および弁354'の詳細が、図示されるが、そのような構成は、その個別の弁、流体断路器、または空気ポケットを伴う、加熱要素334、335、336、および337に関して利用されてもよい。読取機デバイス400からの電流は、導体364'から抵抗器365'を通して通過し、ジュール熱を通して熱を生成してもよい。加熱要素333'のビアは、抵抗器365'に結合される導体364'間に配置され、そこから電気的に絶縁される。熱は、抵抗器365'と加熱要素333'との間の間接接触を通して加熱要素333'に伝導される。加熱要素333'は、センサからの電気絶縁を助長し、加熱要素333'によるセンサによって感知される電気信号への干渉を最小限にしながら、熱を生成し、弁354'の相変化材料の相変化を生じさせる。
【0250】
図9Aおよび9Bは、カートリッジデバイスの入力トンネル内に配置され得る、種々のシャトルを図示する。
図9Aを参照すると、シャトル324は、第1の端部366、試薬ボールコンパートメント367、スロット369を有するコンパートメント分割器368、サンプルコンパートメント370、それを通して開口部372を有する第2の端部371、および/またはビーム373、374を含んでもよい。
【0251】
シャトル324は、混合前状態では、カートリッジ筐体内、好ましくは、サンプル調製リザーバと入力トンネルの開口部を画定する開口との間の入力トンネル内に配置されるように構成される。そのような混合前状態では、第1の端部366は、サンプル調製リザーバの壁を形成し、流体をリザーバ内にシールしてもよい。第1の端部366は、部分的に、クロロブチルから成り得る、1つまたはそれを上回るシール部材、例えば、Oリングを含み、液密シールを向上させてもよい。第1の端部366とコンパートメント分割器368との間の面積は、試薬ボールコンパートメント367と称され得る。試薬ボールコンパートメント367は、1つまたはそれを上回る試薬ボール、例えば、試薬ボール375を格納するように構成される。混合前状態では、試薬ボールコンパートメント367は、好ましくは、サンプル調製リザーバ内の流体からシールされる。コンパートメント分割器368は、シャトル324内のコンパートメントを、例えば、試薬ボールコンパートメント367およびサンプルコンパートメント370に分割するために使用されてもよい。コンパートメント分割器368は、コンパートメント分割器368が、混合状態において、サンプル調製リザーバの流体中に配置されると、流体がコンパートメント分割器368を通して流動することを可能にする、スロット369を含んでもよい。流体がスロット369を通して流動することを可能にすることは、サンプル調製リザーバ内のサンプル、試薬ボール、および流体の混合を向上させ得る。加えて、スロット369は、混合前状態では、カートリッジ筐体内に配置される試薬ボール375と乾燥剤325との間の向上された流体連通を可能にする。明示的に述べられないが、コンパートメントは、相互に同一または異なる試薬ボールを含有してもよく、標的検体の検出および/または定量化のために事前に選択されることができることを理解されたい。
【0252】
混合前状態では、第2の端部371は、第1の端部366と入力トンネルの開口部を画定する開口との間に配置されてもよい。第2の端部371は、収集されたサンプルがそれを通してサンプルコンパートメント370の中に挿入されることを可能にするように構成される、開口部372を含んでもよい。例えば、開口部372は、先端が開口部372を通して進行し得る一方、開口部372が過剰サンプルを先端から払拭するように、サンプル収集デバイスの先端より若干大きく定寸されてもよい。このように、最大で、サンプルの所定の体積が、サンプルコンパートメント370内に挿入される。第2の端部371とコンパートメント分割器368との間の面積は、サンプルコンパートメント370と称され得る。シャトル324は、第1の端部366を第2の端部371に結合するように構成され、コンパートメント分割器368に結合される、1つまたはそれを上回るビーム373、374を含んでもよい。ビーム373、374は、好ましくは、入力トンネル内にあるとき、混合状態における流体混合への干渉を回避するために、カートリッジ筐体の上部表面により近接して位置付けられる。
【0253】
シャトル324は、例えば、サンプル収集デバイスによってシャトル324上に付与される閾値力を超える力の印加に応答して、混合前状態における第1の位置から混合状態における第2の位置に移動してもよい。混合状態では、第1の端部366、試薬ボールコンパートメント367、およびサンプルコンパートメント370は、サンプル調製リザーバ内に配置されてもよい。故に、サンプルおよび試薬ボールは、サンプル調製リザーバ内の流体中で混合されてもよい。シャトル324の第2の端部371は、サンプルおよび/または1つもしくはそれを上回る試薬ボールがサンプル調製リザーバ内にあるとき、サンプル調製リザーバの壁を再形成し、流体をその中にシールしてもよい。好ましくは、サンプル収集デバイスの遠位部分は、混合状態では、流体がサンプル調製リザーバから入力トンネルの中に逃散し得ないように、開口部372を流体的にシールする。第2の端部371は、1つまたはそれを上回るシール部材、例えば、Oリングを含み、液密シールを向上させてもよい。このように、サンプル調製リザーバは、混合前状態から混合状態の移動への間、混合前状態では第1の端部366によって、混合状態では第2の端部371およびサンプル収集デバイスによって、流体的にシールされたままである。加えて、破壊可能膜筐体試薬と異なり、シャトル324は、サンプルが分析のためにサンプル調製リザーバ317の中に移動されるにつれて、無傷のままであってもよい。
【0254】
試薬ボール375は、磁気粒子、親和性分子、接続分子、シグナル伝達物質、競合結合分子、競合分子、標識、シグナル伝達物質、プライマー、核酸プローブ、および/またはポリメラーゼ、ならびに本明細書にさらに詳細に説明されるような他の酵素または成分のうちの1つもしくはそれを上回るものを含んでもよく、構成要素、カプセル化材料、および寸法は、相互に同一または異なってもよい。一側面では、試薬ボール375は、相変化を液体中で誘発する温度までの凍結(すなわち、ある体積の液体(5マイクロリットル~30マイクロリットル等)の温度を低下させる)によって形成される。温度は、液体の成分に応じて変動し得る。さらなる側面では、液体は、加えて、凍結および乾燥のプロセスを受けて、試薬ボール375になるにつれて、液体体積中の温度に敏感であり得る試薬、例えば、核酸および/またはタンパク質成分の機能的保存のための凍結乾燥防止剤等、凍結乾燥の当業者に公知の賦形剤を備える。スクロースおよびトレハロースのような二糖類等の安定化剤または種々の分子量のポリエチレングリコール等の他の凍結乾燥防止剤ならびにマンニトール、グリシン、ポビドン、および当技術分野において公知のその他等の増量剤または固化剤は、本明細書に記載の試薬に加え、試薬ボール375の最終成分のうちのいくつかを構成することができる。試薬ボール375を形成するためにフリーズドライされるべき液体の体積中の賦形剤の(w/v)パーセンテージは、約0.1%~約30%まで広く変動し、多くの場合、凍結乾燥防止剤等の二糖類と構造を追加するための固化剤または増量剤の組み合わせを用いて、種々の方法で組み合わせられ得る。試薬ボール375は、多くのサイズであることができ、その非限定的実施例は、約1mm~約7mm、または代替として、約2mm~約5mm、または代替として、約3mm、または代替として、約7mm未満、または代替として、約5mm未満、または代替として、約4mm未満の直径を有することを含む。試薬ボール375は、球形として図示されるが、本開示は、それに限定されず、多くの形状が、使用されてもよく、それぞれ、同一または異なる試薬を含有する、複数の試薬ボールもまた、使用されてもよい。当技術分野において通常であるように、そのような液体は、成分および賦形剤を含有するように形成されるとき、液体窒素中における瞬間冷凍を通して、または凍結乾燥機内での棚凍結を通して凍結されることができる。凍結後、該凍結された体積は、潜在的に、固化剤の結晶化のためのアニーリング処理、一次乾燥、および二次乾燥を受け、水は、十分に小パーセンテージ(例えば、<8%、好ましくは、<5%、好ましくは、約1%)が、試薬ボール375である、最終フリーズドライ製品内に残るまで除去される。
【0255】
ここで
図9Bを参照すると、シャトル324'が、
図9Aのシャトル324と同様に構築されるが、コンパートメント分割器368'は、スロットを伴わない中実であって、ビーム377、378、および379は、シャトル324'上に異なる配向で位置付けられる。
【0256】
当業者に容易に明白となるであろうように、
図9Aおよび9Bは、1つのサンプルコンパートメントならびに1つの試薬ボールコンパートメントを有する、シャトルを図示するが、本開示は、それに限定されず、シャトルは、入力トンネル301内に挿入されると、サンプル収集デバイスからの収集されたサンプルを受容するように構成される、1つまたはそれを上回るコンパートメントと、1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するように構成される、1つまたはそれを上回る付加的コンパートメントとを画定してもよい。
【0257】
ここで
図10A-10Pを参照すると、サンプル収集デバイスによって収集されたサンプルのカートリッジデバイスの中への挿入が、説明される。カートリッジデバイス300の入力トンネル301内への挿入に先立って、サンプル収集デバイス200は、例えば、内頬、喉、口、鼻腔、耳内、尿から、血液から、血漿から、唾液から等のサンプルに暴露される。サンプル収集デバイス200の先端204は、サンプルの一部を留保し、カートリッジデバイス300および読取機デバイス400を使用して、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量の分析を可能にするように設計される。カートリッジデバイス300は、サンプル収集デバイス200がカートリッジデバイス300内に挿入される前または後に、読取機デバイス400に電気的に結合されてもよい。
【0258】
図10Aを参照すると、サンプル収集デバイス200の遠位端が、最初に、入力トンネル301の開口部を画定する開口の中に挿入される。シャトル324は、混合前位置では、入力トンネル301内に配置され、シャトル324の第1の端部366は、サンプル調製リザーバ317の壁を形成し、サンプル調製リザーバ317内の流体を流体的にシールする。本混合前位置では、シャトル324によって格納される試薬ボール375は、入力トンネル301内にあって、サンプル調製リザーバ317内の流体に暴露されない。サンプル収集デバイス200の遠位端が入力トンネル301の中に遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200は、スライダ322の係合器380に接触してもよい。例えば、遠位シールゾーン208は、図示されるように、係合器380に接触してもよい。遠位シールゾーン208は、サンプル収集デバイス200がより遠位に移動されるにつれて、遠位シールゾーン208を越えて係合器380の移動を促進するように角度付けられてもよい、または遠位シールゾーン208は、スライダ322の移動を生じさせるように定寸される、肩部であってもよい。
【0259】
図10Bに示されるように、先端204(サンプルをその上および/または管205内に有する)は、第2の端部371の開口部372を通して、シャトル324のサンプルコンパートメント370に進入する。好ましくは、先端204がサンプルコンパートメント370に進入するにつれて、シャトル324は、入力トンネル301内で実質的に定位置のままであって、シャトル324の第1の端部366は、サンプル調製リザーバ317の壁を形成し、流体をサンプル調製リザーバ317内にシールし続ける。加えて、シャトル324の第1の端部366は、遠位シール部分208が第2の端部371に接触し、開口部372を流体的にシールするまで、サンプル調製リザーバ317の壁を形成し、流体をサンプル調製リザーバ317内にシールし続けてもよい(およびシャトル324は、実質的に混合前位置に留まってもよい)。(遠位シール部分208における)サンプル収集デバイス200による(例えば、第2の端部371における)シャトル324への閾値力を上回る力の印加は、シャトル324を混合前位置から混合位置に移動させ得、そこでサンプル収集デバイス200上のサンプルおよび試薬ボール375は、サンプル調製リザーバ317の流体中で混合される。
【0260】
加えて、サンプル収集デバイス200(例えば、先端204)がシャトル324の中に挿入される(例えば、開口部372を介して)につれて、シャトル324は、過剰サンプルをサンプル収集デバイス200から払拭し、それによって、払拭されたサンプルがシャトル324に進入しないように防止してもよい。例えば、開口部372を画定する、第2の端部371の壁は、先端204が開口部372を通して挿入されるにつれて、過剰サンプルを先端204から払拭してもよい。先端204の外側表面上のサンプルの全部または実質的に全部が、払拭され、サンプルのみが管205内に配置されてもよい。管205は、最大で、所定の体積のサンプル、例えば、約2μlを保持してもよい。サンプル収集デバイス200からの過剰サンプルの払拭は、混合位置では、最大で、所定の体積のサンプルがサンプル調製リザーバ317内に挿入されるため、分析の精度、正確度、および/または一貫性を向上させ得る。
【0261】
ここで
図10C-10Kを参照すると、サンプル収集デバイスとカートリッジデバイス内のシール穿刺器との間の相互作用を介して、カートリッジデバイス内の1つまたはそれを上回るリザーバにわたって配置されるシール材料を穿刺するための例示的プロセスが、説明される。前述のように、シール穿刺器321は、スライダ322と、穿刺器323とを含んでもよい。
【0262】
図10Cは、カートリッジデバイス300の一部の上面図であって、リザーバにわたる穿刺要素の可能性として考えられる配向を図示する。穿刺器323は、サンプル調製リザーバ317にわたって配置される穿刺端部を有する、第1の穿刺要素381、洗浄剤リザーバ318にわたって配置される穿刺端部を有する、第2の穿刺要素382、および/または基質リザーバ319にわたって配置される穿刺端部を有する、第3の穿刺要素383を有してもよい。混合前状態では、穿刺要素381、382、および383は、その個別のリザーバにわたって配置され、シール材料を穿刺せず、流体を個別のリザーバ内にシールしている。穿刺要素381、382、および383は、カートリッジデバイスの筐体に結合されてもよい(例えば、穿刺端部の反対端において)。
【0263】
図10Dは、カートリッジデバイス300の入力トンネル内のサンプル収集デバイス200の斜視図であって、カートリッジ筐体の半分が、明確にするために、スライダ322を示すように除去されている。スライダ322は、第1の穿刺器381に係合し、それを穿刺位置に移動させるように構成される、第1のトラック384、第2の穿刺器382に係合し、それを穿刺位置に移動させるように構成される、第2のトラック385、および/または第3の穿刺器383に係合し、それを穿刺位置に移動させるように構成される、第3のトラック386を含んでもよい。サンプル収集デバイス200が入力トンネル301を通して遠位に移動されるにつれて、好ましくは、スライダ322は、サンプル収集デバイス200がスライダ322に固着係合するまで、カートリッジ筐体内を移動せず、通気前位置に留まる。スライダ322は、一時的または恒久的に、スライダ322の係合器380をサンプル収集デバイス200の係合ゾーン209に結合することによって、サンプル収集デバイス200に固着係合してもよい。係合器380は、入力トンネル301内に配置される(例えば、少なくとも随時、
図8Aのスロット363の下方に吊架している)。係合器380は、例えば、突出部および/またはU形状の係合ゾーン209の溝内に嵌合する、もしくは係合ゾーン209の突出部を受容するように定寸されてもよい。
【0264】
図10Eは、穿刺前位置におけるシール穿刺器および混合前位置におけるシャトルを描写する、断面側面図である。示されるように、サンプル収集デバイス200は、スライダの係合器380が、サンプル収集デバイス200の係合ゾーン209に係合しており、サンプル収集デバイス200の遠位シールゾーン208が、シャトル324の第2の端部371の開口部を流体的にシールしているように、入力トンネル301内で遠位に移動されている。好ましくは、第1の端部366は、少なくとも、サンプル収集デバイス200がシャトル324の第2の端部371を流体的にシールするまで、流体をサンプル調製リザーバ317内に流体的にシールし続ける。したがって、シャトル324によって格納される1つまたはそれを上回る試薬ボールおよびシャトル324内の収集されたサンプルは、サンプル調製リザーバ317内の流体と流体接触しないままである。スライダ322およびシャトル324は、サンプル収集デバイスの遠位シールゾーン208が、シャトル324の第2の端部371に接触し、それを流体的にシールするのと同時またはほぼ同時に、スライダ322の係合器380がサンプル収集デバイス200の係合ゾーン209に係合するように、カートリッジ筐体内に位置付けられてもよい。そのような実施形態では、スライダ322および/またはシャトル324は、本時点において、まだ、カートリッジデバイス300内を移動させられ得ない。
【0265】
図10Fおよび10Gはさらに、
図10Eに示される通気前位置におけるスライダおよび穿刺器の位置付けを図示する。
図10Fに示されるように、スライダ322の係合器380が通気前位置においてサンプル収集デバイス200の係合ゾーン209に係合すると、穿刺要素381、382、および383は、まだ、スライダ322によってその個別のリザーバに向かって下向きに偏向されていない。そのような通気前位置では、トラック384、385、および386は、それぞれ、まだ、接触穿刺要素381、382、および383に接触し得ない。
図10Gに示されるように、通気前位置では、穿刺要素381は、上方に配置されるが、まだ、流体をサンプル調製リザーバ317内にシールする、シール材料320を穿刺していない。
図10Gでは、スライダ322のトラック384は、まだ、穿刺器323の穿刺要素381に接触していない。
【0266】
ここで
図10Hを参照すると、サンプル収集デバイス200は、混合前および通気前位置から混合および通気位置に向かって、入力トンネル301内でさらに遠位に移動される。収集者がサンプル収集デバイス200を遠位に押動させるにつれて、シャトル324は、部分的に、サンプル調製リザーバ317内を移動される。シャトル324は、例えば、(例えば、第2の端部371における)シャトル324上への(例えば、遠位シールゾーン208における)サンプル収集デバイス200による閾値力を上回る力の印加によって、カートリッジ内を移動させられてもよい。シャトル324が遠位に移動するにつれて、第1の端部366は、シャトル324内の1つまたはそれを上回る試薬ボールおよびシャトル324内の収集されたサンプルがサンプル調製リザーバ317内の流体に暴露されるように、シール解除してもよい。有利には、シャトル324の第1の端部366がシール解除される前に、シャトル324の第2の端部371は、サンプル調製リザーバ317からの流体が第2の端部371を越えて入力トンネル301の中に漏出しないように、サンプル収集デバイス200によって流体的にシールされる。加えて、サンプル収集リザーバ200の遠位移動が混合前位置から混合位置への遷移を生じさせるにつれて、シャトルの第2の端部371は、サンプル調製リザーバ317内の流体を入力トンネル301から持続的に流体的にシールする。
【0267】
収集者がサンプル収集デバイス200を遠位に押動させるにつれて、シール穿刺器321はまた、通気前位置から通気位置に向かって移動されてもよい。シール穿刺器321は、例えば、(例えば、スライダ322の係合器380における)シール穿刺器321上への(例えば、係合ゾーン209における)サンプル収集デバイス200による閾値力を上回る力の印加によって、カートリッジ内で移動させられてもよい。サンプル収集デバイス200が遠位に移動されるにつれて、シール穿刺器321は、サンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および/または基質リザーバ319にわたるシール材料を穿刺させ、リザーバ内の流体に通気させる。シール穿刺器321は、サンプル収集デバイス200の入力トンネル301内への挿入に応答して、入力トンネル301内で、第1の方向、例えば、サンプル収集デバイス200の移動と略平行方向において略側方に、および第2の(異なる)方向、例えば、個別のリザーバに向かって略垂直様式に下向きに移動させられ、シール材料320の中に穿刺してもよい。例えば、スライダ322は、第1の方向に移動してもよく、穿刺器323は、第2の方向に移動してもよい。
【0268】
図10Iに示されるように、サンプル収集デバイス200が、サンプル収集デバイス200の移動と略平行方向にスライダ322を遠位に移動させるにつれて、スライダ322は、接触穿刺器323に接触し、異なる方向、例えば、スライダ322の移動と略垂直に穿刺器323を移動させてもよい。スライダ322が遠位に移動するにつれて、スライダ322のトラック384、385、および386は、それぞれ、穿刺器323の穿刺要素381、382、および383に接触してもよい。スライダ322の遠位移動は、穿刺器323にシール材料を穿刺させ、リザーバに通気させてもよい。
【0269】
図10Jは、穿刺要素381がサンプル調製リザーバ317にわたるシール材料320を穿刺し、サンプル調製リザーバ317に通気する状態を図示する。示されるように、トラック384は、穿刺要素381に接触し、それを穿刺位置に下向きに移動させる。
【0270】
図10Kは、混合位置におけるシャトル324および通気位置におけるシール穿刺器を示す。混合位置では、シャトル324の第1の端部366、1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するシャトルの1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメント、および/または分析されるべきサンプルを格納する1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントが、サンプル調製リザーバ317内に配置されてもよい。上記で説明されるように、(例えば、第2の端部371における)シャトル324およびサンプル収集デバイス200(例えば、開口部372内に挿入される先端204および遠位シールゾーン208を介して)はまた、混合位置でも、収集されたサンプル、試薬ボール、およびサンプル調製リザーバ317内の流体がリザーバ内にシールされるように、サンプル調製リザーバ317を流体的にシールしてもよい。このように、収集されたサンプル、試薬ボール、および流体は、サンプル調製リザーバ317内で混合されてもよい。
【0271】
有利には、サンプル収集デバイス200の挿入がサンプル調製リザーバ317、洗浄剤リザーバ318、および/または基質リザーバ319を通気させる、構成は、サンプル収集デバイス200挿入に先立って、リザーバが流体的にシールされたままであることを確実にし、個別のリザーバの出口が流体がそれを通して流動することを可能にするとき、分析チャネルの中へのリザーバの排出を促進する。
【0272】
混合位置では、シール穿刺器321は、穿刺された孔から移動し、穿刺された孔を開放し、通気を促進してもよい。
図10Kに示されるように、サンプル収集デバイス200の係合ゾーン209は、係合器380が、通気位置において、サンプル収集デバイス200の係合ゾーン209から係脱するように、係合器380を越えて遠位に移動されてもよい。加えて、混合位置では、サンプル収集デバイス200の近位シールゾーン207は、開口302において入力トンネル301をシールするように構成される。このように、近位シールゾーン207は、例えば、開口302におけるカートリッジデバイス300からの液体漏出を最小限にする、または排除するための付加的構造を提供する。
【0273】
カートリッジデバイス300はさらに、サンプル収集デバイス200をカートリッジデバイス300内に不可逆的に係止するように構成される、係止部材387を含んでもよい。係止部材387は、混合位置では、係止部材387の係止端部がサンプル収集デバイス200に係合するように、入力トンネル301内で内向きに付勢されてもよい。係止端部は、係合ゾーン209に係止してもよい。係止端部は、図示されるように、係合ゾーン209の溝内に嵌合するように定寸される、突出部であってもよい。係止部材387はまた、図示されるように、入力チャネル301の一部を画定してもよく、係止端部のその反対端においてカートリッジ筐体に結合されてもよい。有利には、サンプル収集デバイス200を入力トンネル301内に(例えば、縦方向および/または軸方向に)係止することは、いったん試験が開始すると、ユーザがサンプル収集デバイス200をカートリッジデバイス300から不注意に引き出すことができないため、サンプル収集デバイス200が、いったん係止されると、後退されることができないように、サンプル調製リザーバ317の経時的シールを助長し、安全な廃棄性および試験の一貫性を促進する。
【0274】
図10Lおよび10Mはさらに、明確にするために、カートリッジデバイス300内の混合位置におけるサンプル収集デバイス200(
図10L)および内部構成要素316(
図10M)を描写する。
【0275】
ここで
図10N、10O、および10Pを参照すると、サンプル調製リザーバ317内における内容物の向上された混合のためのプロセスが、説明される。混合位置では、サンプル調製リザーバ317内の流体は、収集されたサンプルおよび1つまたはそれを上回る試薬ボール(提供される場合)と混合される。混合は、圧電セラミックディスク等の圧電変換器であり得る、超音波発生器要素327を介して向上されてもよい。超音波発生器要素327は、電気信号(例えば、読取機デバイスから伝送される)に応答して振動し、サンプル調製リザーバ317内の内容物をさらに混合するように構成される。例えば、超音波発生器要素327は、試薬ボール375および収集されたサンプルで事前に充填される、および/または混合プロセスの間に充填され得る、サンプル調製リザーバ317内に保持される流体の混合を促進し得る。超音波発生器要素327は、
図10Oおよび10Pに示されるように、流体をある波パターンで流動させてもよい。そのような波パターンは、シャトルによって画定されたコンパートメント間、例えば、試薬ボールコンパートメント367とサンプルコンパートメント370との間にあってもよい。例えば、超音波発生器要素327は、波サイクルの一部の間、流体を試薬ボールコンパートメント367内で1つまたはそれを上回る方向(例えば、概して、
図10Oに示されるように、上下)に流動させてもよい。そのような流動は、サンプル調製リザーバ317内の混合を加速および向上させることが予期される。サンプル調製リザーバ317内の流体の波運動はまた、サンプル収集デバイス200の遠位部分からのサンプルの除去を促進し、混合および均質化を向上させ得る。
【0276】
超音波発生器要素327は、音響波を放出し、サンプル調製リザーバ317内の流体を試薬ボールコンパートメント367とサンプルコンパートメント370との間を波パターンで移動させ、サンプル調製リザーバ317内の流体を混合するように構成されてもよい。そのような混合は、サンプル、リザーバからの流体、および溶解された試薬ボールの流体混合を生成し得る。超音波発生器要素327からの音響放出は、等温増幅等の増幅のためのマクロおよびマイクロレベルにおいて、サンプル調製リザーバ317内の流体を加熱し、かつサンプル調製リザーバ317の内容物を混合させ得る。試薬ボールは、例えば、等温増幅のためのポリメラーゼ、プライマー、およびシグナル伝達物質を含んでもよい。シャトル324は、試薬ボールコンパートメント367およびサンプルコンパートメント370を分割するように構成されるフランジであり得る、コンパートメント分割器368を有してもよい。コンパートメント分割器368の周囲を流動する流体は、波パターンの形成を促進し得る。コンパートメント分割器368は、流体が、混合の間、スロットを介して、コンパートメント分割器368を通して流動することを可能にするように構成される、スロットを有してもよい。超音波発生器要素327は、壁、例えば、サンプル調製リザーバ317の底部壁の一部を形成してもよく、サンプル調製リザーバ317の中心からずれて位置付けられ、サンプル調製リザーバ317内の流体の混合を促進してもよい。例えば、超音波発生器要素327は、カートリッジの入力トンネルの中心を通して延びる縦軸と垂直に延びるサンプル調製リザーバ317の中心軸に対して中心からずれて位置付けられてもよい。超音波発生器要素327のそのような中心からずれた位置付けもまた、向上された混合を促進する。超音波発生器要素327は、以下に詳細に説明されるように、1つまたはそれを上回るばね接点を介して、印刷回路基板に電気的に結合されてもよい。
【0277】
ここで
図11A-11Eを参照すると、代替シール穿刺器が、示される。
図11Aおよび11Bは、通気前ならびに接触前位置におけるシール穿刺器321'を示す。シール穿刺器321'は、穿刺プロセス全体を通して穿刺器323'に摺動可能に結合される、スライダ322'を含む。シール穿刺器321'はさらに、回路基板331'の接触スイッチ389に圧接するように構成される、支柱388を含んでもよい。接触スイッチ389の凹部は、電気信号が、例えば、読取機デバイスおよび/またはコンピューティングデバイスに伝送され、ソフトウェアベースのユーザインターフェースシステムを起動させ得るように、回路を完成してもよい。このように、入力トンネル内へのサンプル収集デバイス200'の適切な挿入は、読取機デバイスおよび/またはコンピューティングデバイスに伝送され、読取機デバイスおよび/またはコンピューティングデバイスにそのような適切な挿入を通知し得る、電気信号を生成する。支柱388は、穿刺器323'に結合されてもよい、または穿刺器323'と一体型であってもよい。サンプル収集デバイス200'が、スライダ322'をサンプル収集デバイス200'の移動と略平行方向に遠位に移動させるにつれて(例えば、係合ゾーン209'および/または係合ゾーン210によって係合器380'に印加される力によって)、スライダ322'は、異なる方向、例えば、スライダ322'の移動と略垂直に穿刺器323/支柱388を移動させてもよい。スライダ322'は、サンプル収集デバイス200'の遠位移動がスライダ322'の遠位移動を生じさせるにつれて、穿刺器323'の角度付けられた面391に接触するように構成される、角度付けられた面390を有してもよい。サンプル収集デバイス200'の遠位移動が継続すると、それによって、スライダ322'の遠位移動は、接触位置における
図11Dおよび11Eに示されるように、穿刺器323'が個別のリザーバ上のシール材料を穿刺し、支柱388が接触スイッチ389をアクティブ化するように、穿刺器323'および支柱388を下向きに移動させる。
【0278】
接触スイッチ389との接触およびシール材料の穿刺後、シール穿刺器321'は、支柱388がもはや接触スイッチ389を押下しておらず、穿刺器323'が個別のリザーバに通気するためのシール材料内に穿刺される孔から移動するように、移動してもよい。サンプル収集デバイスの入力トンネル内への挿入は、シャトルが混合前位置から混合位置に移動を開始する前、または混合前位置から混合位置への移動の間、シール穿刺器にシール材料を穿刺させてもよい。
【0279】
図11A-11Eは、ばね接点392に結合される、超音波発生器要素327'を図示する。ばね接点392は、回路基板331'に結合され、超音波発生器要素327'がばね接点392を介して回路基板331'に電気的に結合されるような導体である。有益なこととして、ばね接点392は、超音波発生器要素327'が、例えば、読取機デバイスによって伝送される信号に応答して、アクティブ化されると、回路基板331'が好適な様式で最小限に振動するように、超音波発生器要素327'の運動を吸収し、ばね接点392は、超音波発生器要素327'に悪影響を及ぼし得る、はんだと比較して、組立の容易性および再現性を可能にする。
【0280】
当業者によって容易に理解されるであろうように、
図11Aおよび11Dは、入力トンネル内のシャトルおよび/または試薬ボールを描写しないが、そのような特徴は、これらの実施形態に含まれてもよい。
【0281】
ここで
図12A-12Eを参照すると、流体サンプルを収集および分析するための代替構成が、説明される。カートリッジデバイス300''は、前述のカートリッジデバイス300と同様に構築されてもよいが、カートリッジデバイス300''は、比較的に大量の流体の向上された収集のために修正されてもよい。加えて、サンプル収集デバイス200''は、前述のサンプル収集デバイス200と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200''は、比較的に大量の流体の向上された収集のための修正された収集面積を有してもよい。例えば、サンプル収集デバイス200''およびカートリッジデバイス300''は、特に、唾液、血液、血漿、尿、または同等物を収集および分析するために有用であり得る。
【0282】
サンプル収集デバイス200''は、遠位シールゾーン208''と、吸上作用部分211と、中間シールゾーン212と、シュラウド213とを含み得る、比較的に大量の流体(例えば、約10~100マイクロリットル)の向上された収集のために修正された遠位部分201''を含んでもよい。サンプル収集デバイス200''の遠位部分201''は、サンプル、好ましくは、液体サンプルに暴露され、サンプルの少なくとも一部を吸収し、排出されたサンプルの分析のために、収集されたサンプルを遠位部分201''からカートリッジデバイス300''の中に排出するように圧縮されるように適合される。吸上作用部分211が、サンプルを吸い上げ、吸収するように構成され、吸上作用材料から形成されてもよい。吸上作用部分211は、中間シールゾーン212に結合されてもよい。中間シールゾーン212は、シュラウド213内に摺動可能に配置されてもよく、吸上作用部分211上に吸収された流体がシュラウド213内から近位に中間シールゾーン212を越えて移動することを低減または防止する、液密シールを生成するように構成される、1つまたはそれを上回るシール部材、例えば、Oリングを含んでもよい。吸上作用部分211は、少なくとも部分的に、シュラウド213内に配置され、シュラウド213の管腔内を摺動してもよい。吸上作用部分211は、増加量のサンプル流体が収集されるにつれて、増加量の吸上作用部分211が透明となるように、流体に暴露されると透明となるように構成されてもよい。サンプル収集デバイス200''は、収集されたサンプル流体の体積に基づいて収集者に視覚的にアラートするように構成される、サンプル収集インジケータ214を含んでもよい。一実施形態では、サンプル収集インジケータ214は、収集されたサンプルの体積が増加するにつれて、随意に、少なくとも所定の体積のサンプル流体が収集されたことを収集者に視覚的にアラートする。例えば、サンプル収集インジケータ214は、所定の体積のサンプルまたはそれを上回って収集されたとき、色を変化させてもよい。別の実施例として、増加量のサンプル収集インジケータ214が、収集されたサンプルの堆積が増加するにつれて可視となってもよい。例えば、サンプル収集インジケータ214は、収集者が、流体収集の進捗度を監視し、十分な体積のサンプルが収集されると、それを判定し得るように、収集された流体サンプルの増加体積が周囲吸上作用材料をより透明に代わらせる、徐々に視覚的に暴露されるようになる、吸上作用部分211内に埋設された色糸であってもよい。一実施形態では、サンプル収集インジケータ214は、透明面積をシュラウド213上に含む。加えて、または代替として、サンプル収集インジケータ214は、収集されたサンプルの体積が増加するにつれて、色を変化させてもよい。
【0283】
シャトル324''は、前述のそれらの個別の構成要素と同様に構築される、第1の端部366''と、試薬ボールコンパートメント367''と、コンパートメント分割器368''と、サンプルコンパートメント370''とを含んでもよい。好ましくは、コンパートメント分割器368''は、コンパートメント分割器368''が混合前位置において試薬ボールコンパートメント367''をサンプルコンパートメント370''から流体的にシールするように、コンパートメント分割器368'と同様に、スロットを有していない。シャトル324''の第2の端部371''は、遠位フランジ393および近位フランジ394を含み、空洞395を有するように修正されてもよい。加えて、シャトル324の開口部372と異なり、開口部372''は、排出されたサンプルの流動が、サンプル収集デバイス200''の一部ではなく、サンプル収集デバイス200''からサンプルコンパートメント370''に圧縮されることを可能にするように構成される。(例えば、遠位フランジ393における)第2の端部371''は、混合前位置および混合位置の両方において、かつその間の遷移の間も持続的に、サンプルコンパートメント370''を流体的にシールするように構成されてもよい。遠位フランジ393は、流体がサンプルコンパートメント370''から近位に流動することを低減または防止する、液密シールを生成するように構成される、1つまたはそれを上回るシール部材、例えば、Oリングを含んでもよい。加えて、コンパートメント分割器368''は、混合前位置では、サンプルコンパートメント370''を流体的にシールするように構成されてもよい。コンパートメント分割器368''は、流体がサンプルコンパートメント370''から遠位に流動することを低減または防止する液密シールを生成するように構成される、1つまたはそれを上回るシール部材、例えば、Oリングを含んでもよい。
【0284】
カートリッジデバイス300''の入力トンネル301''内への挿入に先立って、サンプル収集デバイス200''は、例えば、内頬、喉、口、鼻腔、耳内、尿から、血液から、血漿から、唾液から等のサンプルに暴露される。サンプル収集デバイス200''の吸上作用部分211は、サンプルの一部を留保し、カートリッジデバイス300''および読取機デバイスを使用して、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量の分析を可能にするように設計される。カートリッジデバイス300''は、サンプル収集デバイス200''がカートリッジデバイス300''内に挿入される前または後に、読取機デバイスに電気的に結合されてもよい。
【0285】
図12Aを参照すると、サンプル収集デバイス200''の遠位端が、最初に、入力トンネル301''の開口部を画定する開口302''の中に挿入される。シャトル324''は、混合前位置では、入力トンネル301''内に配置され、シャトル324''の第1の端部366''は、サンプル調製リザーバ317''の壁を形成し、流体をサンプル調製リザーバ317''内に流体的にシールする。本混合前位置では、シャトル324''によって格納される試薬ボール375''は、入力トンネル301''内にあって、サンプル調製リザーバ317''内の流体に暴露されない。
【0286】
図12Bを参照すると、サンプル収集デバイス200''が入力トンネル301''内を遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200''は、シャトル324''に接触してもよい。例えば、遠位端および/または遠位シールゾーン208''は、図示されるように、第2の端部371''に接触してもよい(例えば、空洞395および/または近位フランジ394において)。空洞395は、吸上作用部分211の遠位端が空洞395内にぴったりと嵌合するように、吸上作用部分211の外側表面より若干大きく定寸されてもよい。遠位シールゾーン208''は、サンプル収集デバイス200''から排出された流体がサンプルコンパートメント370''の中に進行するように、サンプル収集デバイス200''をシャトル324''に流体的にシールするように構成されてもよい。本混合前位置では、サンプルコンパートメント370''は、入力トンネル301''内にあって、サンプル調製リザーバ317''内の流体に暴露されない。
【0287】
図12Cに示されるように、サンプル収集デバイス200''が入力トンネル301''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200''は、例えば、第2の端部371''の開口部372''を通して、収集された流体サンプルをシャトル324''のサンプルコンパートメント370''の中に排出してもよい。サンプル収集デバイス200''が遠位に移動されるにつれて、吸上作用部分211は、収集されたサンプルを排出するように圧縮されてもよく、吸上作用部分211の遠位端は、圧縮の間、実質的に定位置に留まってもよい。中間シールゾーン212および/またはシュラウド213は、そのような圧縮の間、サンプル収集デバイス200''のハンドルの移動に比例して、遠位に移動してもよい。好ましくは、吸上作用部分211が圧縮され、サンプルがそこから排出されるにつれて、排出されたサンプルは、開口部372''を通してサンプルコンパートメント370''の中に進行する。圧縮の間、シャトル324''は、入力トンネル301''内に実質的に定位置に留まってもよく、シャトル324''の第1の端部366''は、サンプル調製リザーバ317''の壁を形成し続け、流体をサンプル調製リザーバ317''内にシールしてもよい。カートリッジデバイス300''は、吸上作用部分211の圧縮の間、シャトル324''を混合前位置に保持するように構成される、近位段部396を含んでもよい。近位段部396は、近位フランジ394に係合し、シャトル324''を定位置に保持してもよい。
【0288】
所定の体積のサンプルが、最大で、サンプルコンパートメント370''内に保持されるように構成されてもよい。カートリッジデバイス300''は、溢流コンパートメント397と、溢流管腔398とを含んでもよい。溢流コンパートメント397および溢流管腔398は、カートリッジ筐体またはカートリッジ内の内部構成要素の一部であってもよい。サンプルコンパートメント370''の中に導入されるサンプルの量が所定の体積を超える、例えば、約20μlを超える場合、過剰サンプルは、例えば、溢流管腔398を介してサンプルコンパートメント370''に流体的に接続される、溢流コンパートメント397に進行してもよい。サンプルコンパートメント370''内のサンプルの体積を限定することは、混合位置では、最大で、所定の体積のサンプルがサンプル調製リザーバ317内に挿入されるため、分析の精度、正確度、および/または一貫性を向上させ得る。溢流コンパートメント397は、そうでなければシールされ、溢流コンパートメント397内の過剰サンプルの漏出を防止または低減させてもよい。
【0289】
図12Dは、混合位置におけるサンプル収集デバイス200''およびカートリッジデバイス300''を示し、
図12Eは、明確にするために、
図12Dの一部の拡大図を示す。収集者がサンプル収集デバイス200''を混合前位置から混合位置に遠位に押動させるにつれて、シャトル324''は、部分的に、サンプル調製リザーバ317''内を移動される。(遠位シール部分208''および/または吸上作用材料211の遠位端における)サンプル収集デバイス200''による(例えば、好ましくは、空洞395内の第2の端部371''における)シャトル324''への閾値力を上回る力の印加は、シャトル324''を混合前位置から混合位置に移動させてもよく、そこでサンプルコンパートメント370''内の排出されたサンプルおよび試薬ボール375''は、サンプル調製リザーバ317''の流体中で混合される。例えば、閾値力は、シャトル324''を近位段部396を越えて遠位に押動させるために要求される力であってもよい。シャトル324''が遠位に移動するにつれて、第1の端部366''は、シャトル324''内の1つまたはそれを上回る試薬ボールおよびシャトル324''内に収集されたサンプルがサンプル調製リザーバ317''内の流体に暴露されるように、シール解除してもよい。有利には、シャトル324''の第1の端部366''がシール解除される前に、シャトル324''の第2の端部371''は、サンプル調製リザーバ317''からの流体が第2の端部371''および/または中間シールゾーン212を越えて入力トンネル301''の中に漏出しないように、サンプル収集デバイス200''によって流体的にシールされる。加えて、サンプル収集デバイス200''の遠位移動が、混合前位置から混合位置への遷移を生じさせるにつれて、シャトル324''の遠位フランジ393は、サンプル調製リザーバ317''内の流体を入力トンネル301''から持続的に流体的にシールする。カートリッジデバイス300''は、シャトル324''を混合位置に保持し、さらなる遠位移動を防止するように構成される、遠位段部399を含んでもよい。遠位段部399は、近位フランジ394に係合し、シャトル324''を定位置に保持してもよい。
【0290】
混合位置では、シャトル324''の第1の端部366''、1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するシャトルの1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメント、および/または分析されるべきサンプルを格納する1つもしくはそれを上回るサンプルコンパートメントは、サンプル調製リザーバ317''内に配置されてもよい。上記で説明されるように、(例えば、第2の端部371''における)シャトル324''およびサンプル収集デバイス200''(例えば、空洞395内に挿入される遠位シールゾーン208''を介して)はまた、混合位置では、収集されたサンプル、試薬ボール、およびサンプル調製リザーバ317''内の流体がリザーバ内にシールされるように、サンプル調製リザーバ317''を流体的にシールしてもよい。このように、収集されたサンプル、試薬ボール、および流体は、サンプル調製リザーバ317''内で混合されてもよい。
【0291】
カートリッジデバイス300''はさらに、サンプル収集デバイス200''をカートリッジデバイス300''内に不可逆的に係止するように構成される、係止部材387''を含んでもよい。係止部材387''は、混合位置では、係止部材387''の係止端部がサンプル収集デバイス200''に係合するように、入力トンネル301''内で内向きに付勢されてもよい。係止端部は、サンプル収集デバイス200''の係合ゾーンに係止してもよい。係止端部は、図示されるように、サンプル収集デバイス200''のシャフト上の溝またはシュラウド213上の溝内に嵌合するように定寸される、突出部であってもよい。係止部材387''はまた、図示されるように、入力チャネル301''の一部を画定してもよく、その係止端部の反対端においてカートリッジ筐体に結合されてもよい。有利には、サンプル収集デバイス200''を入力トンネル301''内に(例えば、縦方向および/または軸方向に)係止することは、いったん試験が開始すると、ユーザがサンプル収集デバイス200''をカートリッジデバイス300''から不注意に引き出すことができないため、いったん係止されると、サンプル収集デバイス200''が後退されることができないように、サンプル調製リザーバ317''の経時的シールを助長し、安全な廃棄性および試験の一貫性を促進する。
【0292】
当業者に容易に理解されるであろうように、
図12A-12Eは、シール穿刺器をカートリッジデバイス内に描写しないが、シール穿刺器は、これらの実施形態に含まれてもよい。例えば、(例えば、遠位シールゾーン208''における)サンプル収集デバイス200''は、
図10A-10Jおよび/または
図11A-11Eに関して前述の様式において、シール穿刺器に接触し、シール穿刺器通気前位置から通気位置に移動させてもよい。サンプル収集デバイス200''は、シャトル324''に接触し、シャトル324''を混合前位置から混合位置に移動させる前、間、および/または後に、シール穿刺器に接触し、それを通気前位置から通気位置に移動させてもよい。加えて、サンプル収集デバイス200''の挿入は、
図11A-11Eに関して前述のように、接触スイッチのアクティブ化を生じさせてもよい。例えば、サンプル収集デバイス200''は、シール穿刺器の移動を生じさせてもよく、これは、ひいては、接触スイッチのアクティブ化を生じさせる。
【0293】
ここで
図13Aを参照すると、サンプルを分析するための代替カートリッジが、説明される。カートリッジデバイス300'''は、前述のカートリッジデバイス300および/またはカートリッジデバイス300''と同様に構築されてもよく、同様の構成要素は、同様のプライム付き参照番号によって識別される。カートリッジデバイス300'''は、異なるタイプのサンプルのために使用され得る構成要素を含む、汎用構成である。例えば、カートリッジデバイス300'''内の多くの構成要素は、修正を伴わずに、種々のタイプのサンプルのために使用されてもよく、いくつかの実施形態では、シャトル、コレット、および試薬ボールのみが、異なるインジケーションの分析のために変動されてもよい。このように、カートリッジデバイス300'''は、汎用であってもよく、シャトル、コレット、および/または試薬ボールは、分析されるべき標的検体に基づいて、カートリッジデバイス300'''において使用するために選択されてもよい。例えば、カートリッジデバイス300'''は、
図9Aおよび9Bに関して前述のシャトル324または324'等、比較的に小サンプル収集、例えば、鼻腔、耳、血液のために設計されるシャトルと、同様に比較的に小サンプル収集のための設計されるコレットと嵌合されてもよい、またはカートリッジデバイス300'''は、
図12A-12Eに関して前述のシャトル324''等の比較的に大流体サンプル収集、例えば、唾液、血液、血漿、尿のために設計されるシャトルと、同様に比較的に大流体サンプル収集のために設計されるコレットと嵌合されてもよい。カートリッジデバイス300'''はさらに、例えば、炎症、インフルエンザ、テストステロン、受胎能、HIV、またはビタミンDを示し得る、異なる標的検体を同定するように意図される試薬ボールと嵌合されてもよい。故に、カートリッジデバイス300'''は、異なるタイプのサンプルおよびインジケーションのために非常に互換性があり、これは、コストおよび製造負担を低減させる。
【0294】
図13Aでは、カートリッジデバイス300'''の分解図が、示される。カートリッジデバイス300'''は、サンプル調製リザーバ317'''、洗浄剤リザーバ318'''、基質リザーバ319'''、入力トンネル構成要素326'''、溢流コンパートメント397'''、および/または支柱610ならびに612を含み得る、内部構成要素316'''、シール材料320'''、シール穿刺器321'''、第1の端部366'''およびシール部材614を有するシャトル324'''、乾燥剤325'''、超音波発生器要素327'''、吸収パッド328'''、層329'''、分析チャネル330'''、回路基板331'''、メモリ332'''、センサ338'''、加熱要素、接触スイッチ389'''、ばね接点392'''、試薬ボール375'''、温度センサ616、および/またはコレット618を含んでもよい。内部構成要素は、筐体304'''内、例えば、第1および第2のカバー構成要素310'''と311'''との間に配置されてもよい。代替として、1つまたはそれを上回る内部構成要素は、1つの筐体内に配置されてもよい一方、他の内部構成要素は、別の筐体内に配置されてもよい。複数の筐体の場合、そのような別個の筐体は、相互に結合するように構成されてもよい。
【0295】
図13Aでは、シャトル324'''は、
図12A-12Eのシャトル324''に実質的に類似するように図示されるが、
図9Aにおけるシャトル324また
図9Bにおけるはシャトル324'のもののようなシャトルが、収集されるべきサンプルのタイプに応じて使用されてもよい。コレット618はまた、収集されるべきサンプルのタイプに基づいて、以下に説明されるコレット618'に代用されてもよい。種々の試薬ボール375'''も同様に、カートリッジデバイス300'''内で代用されてもよい。
【0296】
支柱610および612は、シール穿刺器321'''に結合されシール穿刺器321'''が通気前位置から通気位置に移動されることを可能にするように構成される。支柱610および612は、内部構成要素316'''と一体的に形成されてもよい、または別個の部品であってもよい。
【0297】
温度センサ616は、リザーバ、例えば、サンプル調製リザーバ317'''内の流体の温度を示す温度を感知するように構成されてもよい。例えば、温度センサ616は、リザーバ内の温度を示す、リザーバに隣接する温度変化を感知してもよい。温度センサ616は、サーミスタであってもよく、回路基板331'''上に配置され、回路基板331'''内の1つまたはそれを上回る導線を介して、読取機デバイスとの電気結合を可能にしてもよい。好ましくは、温度センサ616は、温度センサ616が、混合の間、超音波発生器要素327'''を介して、サンプル調製リザーバ317'''内の温度を感知するように、回路基板331'''上の超音波発生器要素327'''に隣接して位置付けられる。有利には、サンプル調製リザーバ317'''内の温度を示す温度は、リザーバ内の流体と試薬ボールからの試薬およびサンプルの混合の間、監視され、サンプル調製リザーバ317'''内の温度が所定の範囲内であることを確実にしてもよい。所定の範囲外である場合、超音波発生器要素327'''を介したサンプル調製リザーバ317'''の中への音響波の放出は、例えば、読取機によって超音波発生器要素327'''に送信される電気信号に応答して、修正されてもよい。温度センサ616は、処理のために、回路基板331'''内の導線を介して、読取機に伝送され得る、リザーバ内の流体の温度を示す信号を生成してもよい。温度センサ616は、回路基板331'''上の超音波発生器要素327'''の真下に、かつ1つまたはそれを上回るばね接点に隣接して、例えば、第1および第2のばね接点392'''間に位置付けられてもよい。
【0298】
コレット618は、好ましくは、開口302'''とサンプル調製リザーバ317'''との間の入力トンネル301'''内に配置される。コレット618はまた、少なくとも部分的に、入力トンネル301'''内のシャトル324'''の近位に配置されてもよい。例えば、混合前位置では、端部、例えば、シャトルの第2の端部は、コレット618内に配置されてもよい。コレット618はまた、入力トンネル301'''内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、シャトル324'''を混合前位置に保持し、シャトル324'''から分断するように構成されてもよい。このように、コレット618は、シャトル324'''が混合前位置から混合位置に移動する一方、コレット618が入力トンネル301'''内の定位置に留まるように、サンプル収集デバイスから印加される力がコレット618をシャトル324'''から分断するまで、シャトル324'''を混合前状態に保持してもよい。コレット618は、それを通してサンプル収集デバイスの遠位部分の挿入を可能にするように定寸される、管腔を有する。コレット618は、
図13Aに図示されるように、略管状形状を有してもよい。コレット618はまた、接触スイッチ389'''をアクティブ化するように構成されてもよい。例えば、コレット618は、入力トンネル301'''内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、サンプル収集デバイスによってコレット618上に印加される力に応答して、接触スイッチ389'''をアクティブ化してもよい。
【0299】
ここで
図13B-13SSを参照すると、検出システム100内で使用され得る、種々の例示的サンプル収集デバイスが、図示される。
【0300】
図13Bを参照すると、サンプル収集デバイス200'''は、前述のサンプル収集デバイス200''と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200'''は、サンプル収集デバイス200'''の部分的および完全挿入の間、サンプル収集デバイス200'''をカートリッジ内に係止するための修正されたシャフトを有してもよい。例えば、サンプル収集デバイス200'''は、例証として、近位シールゾーン207'''の遠位にあって、かつそこから離間される、複数の溝および突出部を有する、係合ゾーン209'''を含む。複数の溝および突出部は、カートリッジ内へのサンプル収集デバイス200'''の部分的および完全挿入の間、サンプル収集デバイス200'''の後退不能性のために、カートリッジデバイスの1つまたはそれを上回る構成要素との係合のために構成される。例えば、カートリッジは、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル内を遠位に移動されるにつれて、遠位から近位方向に係合ゾーン209'''内の複数の溝の溝に連続して係合してもよい。係合ゾーン209'''は、恒久的または一時的に、カートリッジデバイスのシール穿刺器に結合され、サンプル収集デバイス200'''の移動に応答して、カートリッジデバイス内のシール穿刺器を移動させるように構成されてもよい。加えて、または代替として、係合ゾーン209'''は、サンプル収集デバイス挿入の間、接触スイッチをアクティブ化するように構成されてもよい。例えば、係合ゾーン209'''の遠位端における肩部220は、シール穿刺器に結合され、および/または接触スイッチをアクティブ化するように構成されてもよい。
【0301】
サンプル収集デバイス200''と同様に、サンプル収集デバイス200'''は、遠位シールゾーン208'''、吸上作用部分211'''、中間シールゾーン、および/またはシュラウド213'''を含み得る、比較的に大量の流体(例えば、約10~100マイクロリットル、好ましくは、約20マイクロリットル)の向上された収集のために修正された遠位部分201'''を含んでもよい。サンプル収集デバイス200'''はまた、前述の同様のプライム付き参照番号と同様に、近位部分202'''、遠位部分201'''と近位部分202'''との間に延在するシャフト203'''、ハンドル206'''、近位シールゾーン207'''、および/または肩部220を有する係合ゾーン209'''を含んでもよい。サンプル収集デバイス200'''は、サンプル収集後、カートリッジデバイス300'''内への完全または部分的挿入のために構成される。サンプル収集デバイス200'''およびカートリッジデバイス300'''は、特に、唾液、血液、血漿、尿、または同等物を収集および分析するために有用であり得る。係合ゾーン209'''の肩部220は、好ましくは、肩部220が、シール穿刺器に接触し、それを移動させ、カートリッジデバイス300'''内の1つまたはそれを上回るリザーバに通気し、および/またはコレットに接触し、接触スイッチをアクティブ化するように、遠位シールゾーン208'''の肩部よりサンプル収集デバイス200'''の縦軸からさらに延在する一方、遠位シールゾーン208'''の肩部は、シール穿刺器を移動させずに、および/または接触スイッチをアクティブ化せずに、入力トンネルを通して遠位に移動するように定寸されてもよい。
【0302】
図13C、13D、13E、13F、13G、および13Hは、それぞれ、サンプル収集デバイス200'''の背面、側面、正面、背面、側面、および正面図である。
【0303】
図13Iを参照すると、サンプル収集デバイス200''''は、前述のサンプル収集デバイス200と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200''''は、
図13Bの係合ゾーン209'''に類似する係合ゾーン209''''を有してもよく、先端204''''は、管を含まない。先端204''''は、図示されるように、丸みを帯びた端部を有してもよく、サンプルを任意の所望の領域または場所から収集するように構成されてもよいが、先端204''''は、特に、サンプルを鼻腔面積から収集するときに有用であり得る。
図13J、13K、13L、13M、13N、および13Oは、それぞれ、サンプル収集デバイス200''''の背面、側面、正面、背面、側面、および正面図である。
【0304】
図13Pを参照すると、サンプル収集デバイス200'''''は、
図13Iに示されるサンプル収集デバイス200''''と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200'''''の先端204'''''は、管205'''''を含む(
図2Aおよび2Bに示される管のように)。先端204'''''を含む、遠位部分201'''''は、最大で、サンプルの所定の体積(例えば、10マイクロリットル、好ましくは、約2マイクロリットル未満)が分析のために管205'''''内に配置されるように、サンプルに暴露されるように構成される。サンプルの所定の体積の収集は、実質的に既知の量のサンプルが分析されるであろうため、検体分析の正確度を助長することが予期される。先端204'''''は、図示されるように、丸みを帯びた端部を有してもよく、サンプルを任意の所望の領域または場所から収集するように構成されてもよいが、先端204'''''は、特に、血液のサンプルを収集するときに有用であり得る。
図13Q、13R、13S、13T、13U、13V、および13Wは、それぞれ、サンプル収集デバイス200'''''の側面、背面、側面、正面、背面、側面、および正面図である。
【0305】
図13Xを参照すると、サンプル収集デバイス200''''''は、
図13Pに示されるサンプル収集デバイス200'''''と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200''''''の先端204''''''は、管ではなく、スロット222を含む。先端204''''''を含む、遠位部分201''''''は、最大で、サンプルの所定の体積(例えば、10マイクロリットル、好ましくは、約5マイクロリットル未満)が分析のためにスロット222内に配置されるように、サンプルに暴露されるように構成される。サンプルの所定の体積の収集は、実質的に既知の量のサンプルが分析されるであろうため、検体分析の正確度を助長することが予期される。先端204''''''は、図示されるように、丸みを帯びた端部を有してもよく、サンプルを任意の所望の領域または場所から収集するように構成されてもよいが、先端204''''''は、特に、血液のサンプルを収集するときに有用であり得る。
図13Y、13Z、13AA、13BB、13CC、13DD、および13EEは、それぞれ、サンプル収集デバイス200''''''の側面、背面、側面、正面、背面、側面、および正面図である。
【0306】
図13FFを参照すると、サンプル収集デバイス200'''''''は、
図13Pに示されるサンプル収集デバイス200'''''と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200'''''''の先端204'''''''は、管ではなく、リング224を含む。先端204'''''''を含む、遠位部分201'''''''は、最大で、サンプルの所定の体積(例えば、10マイクロリットル、好ましくは、約2マイクロリットル未満)が分析のためにリング224によって形成される溝内に配置されるように、サンプルに暴露されるように構成される。サンプルの所定の体積の収集は、実質的に既知の量のサンプルが分析されるであろうため、検体分析の正確度を助長することが予期される。先端204'''''''は、図示されるように、丸みを帯びた端部を有してもよく、サンプルを任意の所望の領域または場所から収集するように構成されてもよいが、先端204'''''''は、特に、血液のサンプルを収集するときに有用であり得る。
図13GG、13HH、13II、13JJ、13KK、および13LLは、それぞれ、サンプル収集デバイス200'''''''の背面、側面、正面、背面、側面、および正面図である。
【0307】
図13MMを参照すると、サンプル収集デバイス200''''''''は、
図13Pに示されるサンプル収集デバイス200'''''と同様に構築されてもよいが、サンプル収集デバイス200''''''''の先端204''''''''は、管ではなく、第1のリング226および第2のリング228を含む。先端204''''''''を含む、遠位部分201''''''''は、最大で、サンプルの所定の体積(例えば、10マイクロリットル、好ましくは、約5マイクロリットル未満)が分析のために第1のリング226によって形成される溝および第2のリング228によって形成される溝内に配置されるように、サンプルに暴露されるように構成される。サンプルの所定の体積の収集は、実質的に既知の量のサンプルが分析されるであろうため、検体分析の正確度を助長することが予期される。先端204''''''''は、図示されるように、丸みを帯びた端部を有してもよく、サンプルを任意の所望の領域または場所から収集するように構成されてもよいが、先端204''''''''は、特に、血液のサンプルを収集するときに有用であり得る。
図13NN、13OO、13PP、13QQ、13RR、および13SSは、それぞれ、サンプル収集デバイス200''''''''の背面、側面、正面、背面、側面、および正面図である。
【0308】
ここで
図14Aおよび14Bを参照すると、カートリッジにおいて使用するための例示的コレットが、説明される。コレット618は、
図12A-12E、
図13Bに関して前述および後述のように、サンプルがサンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮されるとき等、比較的に大量の流体サンプル収集、例えば、唾液、血液、血漿、尿のために専用に設計されてもよい。コレット618は、近位端620と、遠位端622と、端部620と622との間に延在する管腔624とを含んでもよい。管腔624は、サンプル収集デバイスの遠位部分の管腔624の中への挿入を可能にするように定寸されてもよい。コレット618は、サンプル収集デバイスの遠位部分が、最初に、近位端620において管腔624に進入するように、入力トンネル内に位置付けられる。コレット618はまた、スロット626を、例えば、コレット618の上側表面に含んでもよい。スロット626は、それを通してシール穿刺器の一部を受容するように定寸される。例えば、シール穿刺器の係合器は、スロットを通して入力トンネルの中に延在し、シール穿刺器とサンプル収集デバイスとの間の接触を可能にしてもよい。
【0309】
コレット618の管腔624はまた、その中にシャトルの一部を受容するように定寸されてもよい。例えば、シャトルの近位端は、コレット618の遠位端622を通して管腔624内に配置されてもよい。コレット618はまた、混合前位置では、シャトルを入力トンネル内に保持するように構成されてもよい。例えば、コレット618は、混合前位置では、コレット618をシャトルに結合するように構成される、1つまたはそれを上回る係止アームを含んでもよい。例証として、コレット618は、コレット618の対向する側方側に第1の係止アーム628と、第2の係止アーム630とを含む。有利には、流体サンプルを収集するための圧縮性遠位部分を有するサンプル収集デバイスを使用するとき、コレット618は、遠位部分の圧縮の間、シャトルを入力トンネル内の定位置に保持し、サンプル流体をシャトルの中に排出してもよい。各係止アームは、
図14Bでは、係止アーム630のためのランプ632および突出部634として示される、ランプおよび突出部を含んでもよい。突出部634は、混合前位置では、シャトルに結合され、シャトルを定位置に保持してもよい。例えば、突出部は、サンプル収集デバイスの遠位部分の圧縮の間、シャトルの近位フランジを保持してもよい。第1および第2の係止アーム628および630はまた、入力トンネル301内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、シャトルから分断してもよい。第1および第2の係止アーム628ならびに630は、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、サンプル収集デバイスによって第1および第2の係止アーム628ならびに630上に印加される力に応答して、偏向され、第1および第2の係止アーム628ならびに630をシャトルから分断してもよい。例えば、サンプル収集デバイスの肩部は、サンプル収集デバイスがランプに沿って入力トンネル内で遠位に移動するにつれて、係止アームのランプに接触し、突出部を外向きに偏向させてもよい。ランプは、突出部がシャトルの近位フランジから分断し、シャトルを係止解除し、シャトルが混合前位置から混合位置に移動することを可能にし、そこでシャトルが部分的にサンプル調製リザーバ内に配置されるように成形される。
【0310】
コレット618は、カートリッジ内で偏向し、接触スイッチをアクティブ化するように構成される、偏向器部分636を含んでもよい。好ましくは、偏向器部分636は、コレット618の底部面上に配置され、入力トンネル内の接触スイッチの上方に位置付けられる。偏向器部分636は、入力トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入の間、サンプル収集デバイスによって偏向器部分636上に印加される力に応答して、偏向し、接触スイッチをアクティブ化してもよい。例えば、サンプル収集デバイスの肩部は、サンプル収集デバイスが入力トンネル内を遠位に移動するにつれて、偏向器部分636に接触し、偏向器部分636を下向きに押進させ、接触スイッチをアクティブ化してもよい。例証として、偏向器部分636は、下向きに偏向するように構成される、アームである。
【0311】
ここで
図14Cおよび14Dを参照すると、カートリッジにおいて使用するための代替コレットが、説明される。コレット618'は、サンプルがサンプル収集デバイスの遠位部分から圧縮される必要がないとき、比較的に少量のサンプル収集、例えば、鼻腔、耳、血液のために専用に設計されてもよい。
図14Cおよび14Dと
図14Aおよび14Bを比較すると理解されるであろうように、コレット618'は、コレット618に類似するが、コレット618'は、係止アームを有していない。コレット618'は、混合前位置では、遠位端622'に配置され、シャトルの近位端に接触するように構成される、1つまたはそれを上回る突出部637を有する。例えば、1つまたはそれを上回る突出部637は、シャトル324、324'の第2の端部371、371'において、シール部材、例えば、Oリングに接触し、シール部材を定位置に保定してもよい。1つまたはそれを上回る突出部は、サンプル収集デバイスの遠位部分をシャトルの第2の端部における開口部の中に誘導するように構成される、引込角度を有してもよい。
【0312】
ここで
図15A-15Dを参照すると、明確にするために筐体の上側表面が除去されている、カートリッジ300'''が、種々の位置に示される。
図15Aおよび15Bは、さらに明確にするために、入力トンネルの中心を通した断面図である。
図15Aでは、カートリッジ300'''は、混合前、通気前、貯蔵位置に示され、サンプル収集デバイスは、まだ、入力トンネル301'''内に挿入されていない。示されるように、シール穿刺器321'''は、通気前位置にあって、まだ、リザーバにわたるシール材料320'''を穿刺しておらず、シャトル324'''の近位端は、コレット618の遠位端内に配置されている一方、シャトル324'''の遠位端は、サンプル調製リザーバ317'''の壁を形成し、コレット618の偏向器部分636は、偏向前位置にあって、そこで偏向器部分636は、接触スイッチ389'''をアクティブ化していない。
図15Bでは、カートリッジ300'''は、混合、通気、分析位置に示され、そこでサンプル収集デバイスは、入力トンネル301'''内に完全に挿入される。示されるように、シール穿刺器321'''は、通気位置にあって、リザーバのそれぞれにわたるシール材料320'''を穿刺しており、シャトル324'''は、サンプルおよび試薬ボール375'''がサンプル調製リザーバ317'''内の流体と混合されるように、コレット618から遠位に移動されており、コレット618の偏向器部分636は、偏向位置にあって、そこで偏向器部分636は、接触スイッチ389'''をアクティブ化しており、係止部材387'''は、サンプル収集デバイスを入力トンネル301'''内に係止している。
図15Cでは、カートリッジ300'''は、サンプル収集デバイスが部分的にのみ入力トンネル301'''内に挿入されているため、依然として、混合前、通気前位置にある。
図15Dは、通気位置におけるカートリッジ300'''を示す。
【0313】
図15Aに戻って参照すると、サンプル収集デバイスとカートリッジデバイス内のシール穿刺器との間の相互作用を介して、カートリッジデバイス内の1つまたはそれを上回るリザーバにわって配置されるシール材料を穿刺するための例示的プロセスが、説明される。
【0314】
シール穿刺器321'''は、シール材料320'''を穿刺し、サンプル調製リザーバ317'''、洗浄剤リザーバ318'''、および/または基質リザーバ319'''内の流体に通気するように構成される。好ましくは、シール穿刺器321'''は、穿刺の間、リザーバにわたるシール材料320'''を連続して穿刺し、サンプル収集デバイス上への抵抗を低減させるように構成される。シール穿刺器321'''は、サンプル収集デバイスによって印加される力に応答して、入力トンネル301'''内のサンプル収集デバイスの、例えば、肩部における、遠位部分によって接触され、筐体304'''内を移動し、シール材料320'''を穿刺させ、サンプル調製リザーバ317'''、洗浄剤リザーバ318'''、および/または基質リザーバ319'''内の流体に通気させるように構成されてもよい。例証として、シール穿刺器321'''は、単一部品である。シール穿刺器321'''は、筐体304'''内に配置され、部分的に、入力トンネル301'''内に配置されてもよい。例えば、シール穿刺器321'''の係合器380'''は、例えば、コレット618のスロット626を通して、入力トンネル301'''内に配置されてもよい。シール穿刺器321'''は、シール材料320'''を切断して開放するために十分に鋭的な端部を伴う、1つまたはそれを上回る穿刺要素を有する。例証として、シール穿刺器321'''は、サンプル調製リザーバ317'''に隣接して配置される穿刺端部を有する、第1の穿刺要素381'''と、洗浄剤リザーバ318'''に隣接して配置される穿刺端部を有する、第2の穿刺要素382'''と、基質リザーバ319'''に隣接して配置される穿刺端部を有する、第3の穿刺要素383'''とを有する。
【0315】
シール穿刺器321'''はまた、それぞれ、支柱610および612の一部を受容するように構成される、スロット638および640を含んでもよい。故に、シール穿刺器321'''は、筐体304'''内を移動してもよい一方、支柱610および612の一部は、スロット638および640内に留まる。カートリッジ300'''はまた、1つまたはそれを上回る穿刺要素をシール材料320'''に向かって偏向させ、シール材料320'''を穿刺するように構成される、1つまたはそれを上回るランプを含んでもよい。1つまたはそれを上回るランプは、直接、カートリッジ300'''の筐体304'''に結合されてもよい。1つまたはそれを上回るランプのピークは、サンプル収集デバイスが入力トンネル301'''内に完全に挿入されるとき、1つまたはそれを上回る穿刺要素がピークを越えて進行し、リザーバの通気を促進するように位置付けられてもよい。例証として、カートリッジ300'''は、サンプル調製リザーバ317'''に隣接して配置される、第1のランプ642と、洗浄剤リザーバ318'''に隣接して配置される、第2のランプ644と、基質リザーバ319'''に隣接して配置される、第3のランプ646とを有する。通気前位置における各ランプと各穿刺要素との間の距離は、リザーバが連続して穿刺されるように異なってもよい。各ランプは、
図15Bに示されるように、通気および混合位置では、穿刺要素に隣接するシール穿刺器321'''の一部に嵌合するための切れ目を中央に有してもよい。
【0316】
サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''を通して遠位に移動されるにつれて、好ましくは、シール穿刺器321'''は、カートリッジ筐体内を移動せず、サンプル収集デバイス200'''がシール穿刺器321'''に固着係合するまで、通気前位置に留まる。シール穿刺器321'''は、いったんサンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内に十分に挿入されると、例えば、肩部220において、一時的または恒久的に、シール穿刺器321'''の係合器380'''をサンプル収集デバイス200'''に結合することによって、サンプル収集デバイス200'''に固着係合してもよい。
【0317】
収集者がサンプル収集デバイス200'''を遠位に押動させるにつれて、シール穿刺器321'''は、通気前位置から通気位置に向かって移動される。シール穿刺器321'''は、例えば、(例えば、シュラウド213'''の遠位端にあり得る肩部220および/または係合ゾーン209'''の遠位端における)サンプル収集デバイスによって200'''(例えば、係合器380'''における)シール穿刺器321'''上への閾値力を上回る力の印加によって、カートリッジ内を移動してもよい。サンプル収集デバイス200'''が遠位に移動されるにつれて、穿刺要素は、そのランプからの最短距離において、最初に、そのリザーバの上方のシール材料を穿刺する。例えば、サンプル収集デバイス200'''が遠位に移動されるにつれて、シール穿刺器321'''は、第2の穿刺要素382'''が第2のランプ644に接触し、第2のランプ644が第2の穿刺要素382'''を下向きに偏向させ、洗浄剤リザーバ318'''にわたるシール材料320'''を穿刺するまで、サンプル収集デバイス200'''の移動と略平行に移動する。シール穿刺器321'''が遠位に移動し続けるにつれて、第2の穿刺要素382'''は、第2のランプ644のピークを越えて移動し、洗浄剤リザーバ318'''の上方で穿刺された孔から上向きに移動し、第3の穿刺要素383'''は、第3のランプ646に接触し、第3のランプ646は、第3の穿刺要素383'''を下向きに偏向させ、基質リザーバ319'''にわたるシール材料320'''を穿刺する。シール穿刺器321'''が遠位に移動し続けるにつれて、第3の穿刺要素383'''は、第3のランプ646のピークを越えて移動し、基質リザーバ319'''の上方で穿刺された孔から上向きに移動し、第1の穿刺要素381'''は、第1のランプ642に接触し、第1のランプ642は、第1の穿刺要素381'''を下向きに偏向させ、サンプル調製リザーバ317'''にわたるシール材料320'''を穿刺する。シール穿刺器321'''が遠位に移動し続けるにつれて、第1の穿刺要素381'''は、第1のランプ642のピークを越えて移動し、サンプル調製リザーバ317'''の上方で穿刺された孔から上向きに移動する。当業者によって理解されるであろうように、穿刺の順序は、順次穿刺のために変動されてもよい。
【0318】
有利には、サンプル収集デバイス200'''の挿入が、サンプル調製リザーバ317'''、洗浄剤リザーバ318'''、および/または基質リザーバ319'''を連続して通気させる構成は、サンプル収集デバイス200挿入に先立って、リザーバが流体的にシールされたままであることを確実にし、サンプル収集デバイスの挿入の間、抵抗力を軽減し、個別のリザーバの出口が流体がそれを通して流動することを可能にするとき、分析チャネルの中へのリザーバの排出を促進する。
【0319】
ここで
図16A-16Jを参照すると、カートリッジ300'''を使用してサンプルを収集および分析するための構成が、説明される。例証として、サンプル収集デバイス200'''は、カートリッジ300'''内に挿入されるが、カートリッジ300'''が異なるタイプのサンプルおよび異なるタイプのインジケーションのための汎用用途のために設計されるため、本明細書に説明される任意のサンプル収集デバイスが、使用されてもよく、ある内部構成要素は、用途に基づいて、シャトル、試薬ボール、および/またはコレット等で代用されてもよいことを理解されたい。サンプル収集デバイス200'''は、
図13Bに関して前述された通りである。サンプル収集デバイス200'''は、例証として、サンプル収集デバイス200'''の近位部分におけるシールゾーンの遠位かつそこから離間された複数の溝および突出部を有する、係合ゾーン209'''を含む。複数の溝および突出部は、カートリッジ300'''内へのサンプル収集デバイス200'''の部分的および完全挿入の間、サンプル収集デバイス200'''の後退不能性のために、カートリッジデバイス300'''の1つまたはそれを上回る構成要素との係合のために構成される。係合ゾーン209'''は、サンプル収集デバイス200'''が部分的にカートリッジの入力トンネル内に所定の距離だけ挿入されると、例えば、係合ゾーン209'''の最遠位溝が係止部材387'''に係合すると、サンプル収集デバイス200'''がカートリッジと不可逆的に噛合されるように、例えば、係止部材387'''を介して、サンプル収集デバイス200'''とカートリッジデバイスとの間の固定係合を促進し得る。サンプル収集デバイス200'''は、挿入が完全挿入位置に向かって継続するにつれて、カートリッジと不可逆的に噛合され続ける。例えば、係止部材387'''は、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内で遠位に移動されるにつれて、遠位から近位方向に連続して係合ゾーン209'''内の複数の溝の溝に係合してもよい。係止部材387'''は、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内に完全に挿入されると、係合ゾーン209'''内の複数の溝の最近位溝に係合してもよい。好ましくは、サンプル収集デバイス200'''は、部分的および完全挿入の両方の後、後退されることができず、それによって、汚染のリスクを低減させる。係合ゾーン209'''は、恒久的または一時的に、カートリッジデバイスのシール穿刺器に結合され、サンプル収集デバイス200'''の移動に応答して、シール穿刺器をカートリッジデバイス内を移動させるように構成されてもよい。加えて、または代替として、係合ゾーン209'''は、サンプル収集デバイス挿入の間、接触スイッチをアクティブ化するように構成されてもよい。例えば、係合ゾーン209'''の遠位端における肩部220は、シール穿刺器に結合され、および/または接触スイッチをアクティブ化するように構成されてもよい。
【0320】
カートリッジデバイス300'''の入力トンネル301'''内への挿入に先立って、サンプル収集デバイス200'''は、例えば、内頬、喉、口、鼻腔、耳内、尿から、血液から、血漿から、唾液から等のサンプルに暴露される。サンプル収集デバイス200'''の吸上作用部分211'''は、サンプルの一部を留保し、カートリッジデバイス300'''および読取機デバイスを使用して、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量の分析を可能にするように設計される。カートリッジデバイス300'''は、サンプル収集デバイス200'''がカートリッジデバイス300'''内に挿入される前または後に、読取機デバイスに電気的に結合されてもよい。
【0321】
図16Aを参照すると、サンプル収集デバイス200'''の遠位端が、最初に、入力トンネル301'''の開口部を画定する開口302'''の中に挿入される。示されるように、シール穿刺器321'''は、通気前位置にあって、まだ、リザーバにわたるシール材料320'''を穿刺しておらず、シャトル324'''の近位端は、コレット618の遠位端内に配置される一方、シャトル324'''の遠位端は、サンプル調製リザーバ317'''の壁を形成し、コレット618の偏向器部分636は、偏向前位置にあって、そこで偏向器部分636は、接触スイッチ389'''をアクティブ化しない。本混合前位置では、シャトル324'''によって格納される試薬ボール375'''は、入力トンネル301'''内にあって、サンプル調製リザーバ317'''内の流体に暴露されない。
【0322】
図16Bを参照すると、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内を遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''の遠位端は、コレット618の管腔624を通して進行し、シャトル324'''に接触する。例えば、遠位端および/または遠位シールゾーン208'''は、図示されるように、第2の端部371'''に接触してもよい(例えば、空洞395'''および/または近位フランジ394'''において)。
図12A-12Eに関して上記で説明されるように、空洞395'''は、吸上作用部分211の遠位端'''が空洞395'''内にぴったりと嵌合するように、吸上作用部分211'''の外側表面より若干大きく定寸されてもよく、遠位シールゾーン208'''は、サンプル収集デバイス200'''から排出された流体がサンプルコンパートメント370'''の中に進行するように、サンプル収集デバイス200'''をシャトル324'''に流体的にシールするように構成されてもよい。本混合前位置では、サンプルコンパートメント370'''は、入力トンネル301'''内にあって、サンプル調製リザーバ317'''内の流体に暴露されない。
【0323】
図16Cに示されるように、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、例えば、肩部220を介して、カートリッジデバイス300'''の1つまたはそれを上回る係止部材387'''を偏向させてもよく、サンプル収集デバイス200'''は、例えば、第2の端部371'''の開口部372'''を通して、収集された流体サンプルをシャトル324'''のサンプルコンパートメント370'''の中に排出してもよい。上記で説明されるように、サンプル収集デバイス200'''が遠位に移動されるにつれて、吸上作用部分211'''は、収集されたサンプルを排出するように圧縮されてもよく、吸上作用部分211の遠位端'''は、圧縮の間、実質的に定位置に留まってもよい。中間シールゾーン212'''および/またはシュラウド213'''は、そのような圧縮の間、サンプル収集デバイス200'''のハンドルの移動に比例して、遠位に移動してもよい。好ましくは、吸上作用部分211'''が圧縮され、サンプルがそこから排出されるにつれて、排出されたサンプルは、開口部372'''を通してサンプルコンパートメント370'''の中に進行する。圧縮の間、シャトル324'''は、入力トンネル301'''内に実質的に定位置に留まってもよく、シャトル324'''の第1の端部366'''は、サンプル調製リザーバ317'''の壁を形成し続け、流体をサンプル調製リザーバ317'''内にシールしてもよい。コレット618は、吸上作用部分211'''の圧縮の間、シャトル324'''を混合前位置に保持してもよい。例えば、コレット618の第1および第2の係止アームは、シャトル324'''を混合前位置に保持してもよい。
【0324】
カートリッジデバイス300'''は、上記で説明されるように、サンプルコンパートメント370'''の中に導入されるサンプルの量が所定の体積を超える、例えば、約20μlを超える場合、過剰サンプルを受容するように構成される、溢流コンパートメント397'''と、溢流管腔398'''とを含んでもよい。溢流コンパートメント397'''は、例証として、内部構成要素の一部として形成され、カートリッジ筐体によって、上部表面上にシールされる。
【0325】
図16Dに示されるように、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、部分的サンプル収集デバイス200'''挿入の間、1つまたはそれを上回る係止部材387'''が係合ゾーン209'''に係止するように、カートリッジデバイス300'''の1つまたはそれを上回る係止部材387'''を肩部220を越えて偏向させてもよい。例証として、係止部材387'''は、挿入の間、係合ゾーン209'''の最遠位溝に係合し、最初に、係止を遂行する。例えば、肩部220におけるシュラウド213'''の遠位端が、乾燥剤325'''を通過するにつれて、液体安全性障壁が、シュラウド213'''および乾燥剤325'''によって、入力トンネル301'''内に形成される。
図16Dに示される吸上作用部分211'''圧縮の間、
図16Cのように、シールゾーン212'''および/またはシュラウド213'''は、遠位に移動し、サンプルをサンプルコンパートメント370'''の中にさらに排出してもよい一方、シャトル324'''は、入力トンネル301'''内に実質的に定位置に留まってもよい。
【0326】
図16Eを参照すると、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、1つまたはそれを上回る係止部材387'''が部分的サンプル収集デバイス200'''挿入全体を通して係合ゾーン209'''に係止し続けるように、遠位から近位方向に、カートリッジデバイス300'''の1つまたはそれを上回る係止部材387'''を突出部を越えて係合ゾーン209'''の溝の中に偏向させ続ける。
図16Eに示される吸上作用部分211'''圧縮の間、
図16Cおよび16Dのように、シールゾーン212'''および/またはシュラウド213'''は、遠位に移動し、サンプルをサンプルコンパートメント370'''の中にさらに排出してもよい一方、シャトル324'''は、入力トンネル301'''内に実質的に定位置に留まってもよい。いったんサンプル収集デバイス200'''がコレット618をシャトル324'''から分断させると、シャトル324'''は、入力トンネル301'''内で混合前位置から混合位置に移動してもよい。例えば、サンプル収集デバイス200'''は、入力トンネル301'''内へのサンプル収集デバイス200'''の挿入の間、力をコレット618に印加し、コレット618をシャトル324'''から分断してもよい。
図16Eでは、例えば、肩部220における係合ゾーン209'''は、例えば、第1および第2の係止アームにおけるコレット618に接触する。
【0327】
図16Fは、
図16Eの上面図であって、カートリッジ300'''内へのサンプル収集デバイス200'''の部分的挿入を示す。コレット618は、混合前位置では、入力トンネル301'''内に配置され、シャトル324'''に結合されるように構成される。コレット618はまた、サンプル収集デバイス200'''の圧縮の間、シャトル324'''に結合され、サンプル収集デバイス200'''の遠位部分が圧縮することを可能にするように構成されてもよい一方、シャトル324'''は、定位置に留まる。例証として、シャトル324'''の第2の端部371'''は、コレット618の管腔内に配置される。本実施例では、コレット618は、コレット618の対向する側方側に第1の係止アーム628と、第2の係止アーム630と含む。第1の係止アーム628の突出部および第2の係止アーム630の突出部634は、サンプル収集デバイス200'''の遠位部分の圧縮の間、シャトル324'''の近位フランジ394'''を保持する。第1および第2の係止アーム628ならびに630はまた、入力トンネル301'''内へのサンプル収集デバイス200'''の挿入の間、シャトル324'''から分断してもよい。第1および第2の係止アーム628ならびに630は、入力トンネル301'''内へのサンプル収集デバイス200'''の挿入の間、サンプル収集デバイス200'''によって第1および第2の係止アーム628ならびに630上に印加される力に応答して、偏向し、第1および第2の係止アーム628ならびに630をシャトル324'''から分断してもよい。
図16Fでは、サンプル収集デバイス200'''の肩部220は、部分的サンプル収集デバイス200'''挿入の間、第1の係止アーム628のランプおよび第2の係止アーム630のランプ632に接触する。
【0328】
図16Gを参照すると、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、例えば、肩部220において、力を第1および第2の係止アーム628ならびに630のランプに印加し、第1の係止アーム628の突出部および第2の係止アーム630の突出部634を外向きに偏向させる。ランプは、突出部がシャトル324'''の近位フランジ394'''から分断し、シャトル324'''をコレット618から係止解除し、シャトル324'''が混合前位置から混合位置に向かって移動することを可能にするように成形される。
【0329】
図16Fおよび16Gに描写されるように、サンプル調製リザーバ317'''、洗浄剤リザーバ318'''、および/または基質リザーバ319'''はそれぞれ、対称形状を有してもよい。例えば、サンプル調製リザーバ317'''の壁はそれぞれ、対称形状を形成してもよく、サンプル調製リザーバ317'''の壁はそれぞれ、所定の角度を上回る角度、例えば、60°、90°で衝合し、サンプル調製リザーバ317'''の出口を通した流体の空化を促進する。超音波発生器要素327'''は、図示されるように、サンプル調製リザーバ317'''の中心からずれて位置付けられ、サンプル調製リザーバ317'''内の流体の混合を促進し得る。同様に、洗浄剤リザーバ318'''および/または基質リザーバ319'''の壁もそれぞれ、対称形状を形成してもよく、洗浄剤リザーバ318'''および/または基質リザーバ319'''の壁はそれぞれ、所定の角度を上回る角度、例えば、60°、90°で衝合し、洗浄剤リザーバ318'''および/または基質リザーバ319'''の個別の出口を通した流体の空化を促進する。
【0330】
図16Hを参照すると、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、シール穿刺器321'''に接触する。例えば、サンプル収集デバイス200'''の肩部220は、入力トンネル301'''内のシール穿刺器321'''の係合器380'''に接触してもよい。収集者がサンプル収集デバイス200'''を混合前位置から混合位置に向かって遠位に押動させるにつれて、シャトル324'''は、
図16Hに示されるように、部分的に、サンプル調製リザーバ317'''内を移動されてもよい。シャトル324'''が遠位に移動するにつれて、第1の端部366'''は、シャトル324'''内の1つまたはそれを上回る試薬ボール375'''およびシャトル324'''内で収集されたサンプルがサンプル調製リザーバ317'''内の流体に暴露されるように、シール解除してもよい。有利には、シャトル324'''の第1の端部366'''がシール解除される前に、シャトル324'''の第2の端部371'''は、サンプル調製リザーバ317'''からの流体が第2の端部371'''および/または中間シールゾーン212'''を越えて入力トンネル301'''の中に漏出しないように、サンプル収集デバイス200'''によって流体的にシールされる。加えて、サンプル収集デバイス200'''の遠位移動が混合前位置から混合位置に向かって遷移を生じさせるにつれて、シャトル324'''のシール部材614は、サンプル調製リザーバ317'''内の流体を入力トンネル301'''から持続的に流体的にシールする。
【0331】
図16Iを参照すると、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、シール穿刺器を通気前位置から通気位置に向かって移動させる。収集者がサンプル収集デバイス200'''を遠位に押動させるにつれて、サンプル収集デバイス200'''は、
図15A-15Dに関して前述のように、力をシール穿刺器321'''に印加し(例えば、肩部220と係合器380'''との間の接触を介して)、穿刺要素を移動させ、リザーバにわたるシール材料320'''を連続して穿刺する。加えて、収集者が、サンプル収集デバイス200'''を混合前位置から混合位置に向かってより遠位に押動させるにつれて、シャトル324'''は、サンプル調製リザーバ317'''内をより遠位に移動する。サンプル収集デバイス200'''はまた、コレット618に接触し、接触スイッチ389'''のアクティブ化を促進し得る。例えば、サンプル収集デバイス200'''の肩部220は、コレット618の偏向部分636に接触してもよい。
【0332】
サンプル収集デバイス200'''が、入力トンネル301'''内をさらに遠位に移動するにつれて、サンプル収集デバイス200'''およびカートリッジデバイス300'''は、
図16Jに示される混合、通気、分析位置に移動され、そこでサンプルコンパートメント370'''内の排出されたサンプルおよび試薬ボール375'''は、サンプル調製リザーバ317'''の流体中で混合される。
図16Jでは、サンプル収集デバイス200'''は、入力トンネル301'''内に完全に挿入される。示されるように、シール穿刺器321'''は、通気位置にあって、リザーバのそれぞれにわたるシール材料320'''を穿刺しており、シャトル324'''は、サンプルおよび試薬ボール375'''がサンプル調製リザーバ317'''内の流体と混合されるように、コレット618から遠位に移動しており、コレット618の偏向器部分636は、偏向位置にあって、そこで偏向器部分636は、接触スイッチ389'''をアクティブ化しており、係止部材387'''は、サンプル収集デバイス200'''を入力トンネル301'''内に係止している。
【0333】
本混合位置では、シャトル324'''の第1の端部366'''、1つまたはそれを上回る試薬ボールを格納するシャトルの1つまたはそれを上回る試薬ボールコンパートメント、および/または分析されるべきサンプルを格納する1つまたはそれを上回るサンプルコンパートメントは、サンプル調製リザーバ317'''内に配置されてもよい。上記で説明されるように、構成要素は、混合位置では、収集されたサンプル、試薬ボール、およびサンプル調製リザーバ317'''内の流体がリザーバ内にシールされ、サンプル調製リザーバ317'''内で混合され得るように、サンプル調製リザーバ317'''を流体的にシールする。
【0334】
サンプル収集デバイス200'''は、回路基板331'''の接触スイッチ389'''をアクティブ化するように構成されてもよい。例えば、サンプル収集デバイス200'''の挿入は、コレット618に接触スイッチ389'''をアクティブ化させてもよい。例証として、コレット618の偏向器部分636は、入力トンネル301'''内へのサンプル収集デバイス200'''の挿入の間、サンプル収集デバイス200'''によって偏向器部分636上に印加される力に応答して、偏向し、接触スイッチ389'''をアクティブ化する。サンプル収集デバイス200'''の肩部220は、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内を遠位に移動するにつれて、偏向器部分636に接触し、偏向器部分636を下向きに押進させ、接触スイッチ389'''をアクティブ化してもよい。接触スイッチ389'''の凹部は、電気信号が、例えば、読取機デバイスおよび/またはコンピューティングデバイスに伝送され、ソフトウェアベースのユーザインターフェースシステムを起動させ得るように、回路を完成してもよい。このように、入力トンネル内へのサンプル収集デバイス200'''の適切な挿入は、読取機デバイスおよび/またはコンピューティングデバイスに伝送され、読取機デバイスおよび/またはコンピューティングデバイスにそのような適切な挿入を通知し得る、電気信号を生成する。接触スイッチ389'''は、接触スイッチ389'''の凹部が混合位置におけるサンプル収集デバイス200'''の完全挿入を示すように、入力トンネル301'''内に位置付けられるが、接触スイッチ389'''もまた、入力トンネル301'''内に位置付けられ、サンプル収集デバイス200'''の部分的挿入を示し得る。加えて、または代替として、1つを上回る接触スイッチは、トンネル内へのサンプル収集デバイスの挿入が入力トンネルに沿って整合される接触スイッチの順次押下によって追跡され得るように、入力トンネル内に配置されてもよい。
【0335】
混合位置では、係止部材387'''は、サンプル収集デバイス200'''をカートリッジデバイス300'''内に不可逆的に係止するように構成される。係止部材387'''は、
図16Jに示されるように、サンプル収集デバイス200'''が入力トンネル301'''内に完全に挿入されると、係合ゾーン209'''内の複数の溝の最近位溝に係合してもよい。係止部材387'''は、混合位置では、係止部材387'''の係止端部がサンプル収集デバイス200'''に係合するように、入力トンネル301'''内で内向きに付勢されてもよい。有利には、部分的挿入および完全挿入の間、サンプル収集デバイス200'''を入力トンネル301'''内に(例えば、縦方向および/または軸方向に)係止することは、部分的または完全挿入後、ユーザがサンプル収集デバイス200'''をカートリッジデバイス300'''から不注意に引き出すことができないため、サンプル収集デバイス200'''が、いったん係止されると、後退されることができないように、サンプル調製リザーバ317'''の経時的シールを助長し、安全な廃棄性および試験の一貫性を促進する。加えて、混合位置では、サンプル収集デバイス200'''の近位シールゾーン207'''は、入力トンネル301'''を開口302'''においてシールするように構成される。このように、近位シールゾーン207'''は、付加的構造を提供し、カートリッジデバイス300'''から、例えば、開口302'''における流体漏出を最小限にする、または排除する。サンプル収集デバイス200'''の近位シールゾーン207'''はまた、いったんサンプル収集デバイス200'''およびカートリッジデバイス300'''が適切に混合位置に来ると、カートリッジ筐体に接触し、収集者による挿入力に抵抗するように構成される。
【0336】
混合位置では、超音波発生器要素327'''が、
図10N-10Pに関して前述のように、サンプル調製リザーバ317'''内の流体とサンプルおよび試薬ボールの混合を向上させるために使用されてもよい。
【0337】
ここで
図17A-17Dを参照すると、超音波発生器要素327'''は、示されるように、第1のばね接点392'''および第2のばね接点392'''を介して、回路基板331'''に電気的に結合されてもよい。好ましくは、超音波発生器要素327'''は、第1および第2のばね接点392'''のみを介して、例えば、超音波発生器要素327'''と回路基板331'''との間の有線接続を伴わずに、回路基板331'''に電気的に結合される。有益なこととして、ばね接点392'''は、例えば、読取機デバイスによって伝送される信号に応答して、超音波発生器要素327'''がアクティブ化されると、回路基板331'''が好適な様式で最小限に振動するように、超音波発生器要素327'''の運動を吸収し、ばね接点392'''は、超音波発生器要素327'''に悪影響を及ぼし得る、はんだと比較して、組立の容易性および再現性を可能にする。超音波発生器要素327'''は、サンプル調製リザーバ317'''の壁、例えば、底部壁の一部を形成してもよい。超音波発生器要素327'''は、内部構成要素316'''に接着され、壁を形成してもよい。例えば、接着剤、例えば、エポキシの環状体が、超音波発生器要素327'''の上部表面上に塗布され、サンプル調製リザーバ327'''の底部において内部構成要素316'''にUV硬化されてもよい。そのような接着剤の環状体は、超音波発生器要素327'''とサンプル調製リザーバ317'''との間の流体シールを可能にする一方、アクティブ化の間、超音波発生器要素327'''が振動することを可能にする。上記で説明されるように、超音波発生器要素327'''は、サンプル調製リザーバ317'''の中心からずれて位置付けられ、サンプル調製リザーバ317'''内における流体とサンプルおよび試薬ボールの混合を促進し得る。
【0338】
ここで
図18Aおよび18Bを参照すると、サンプルを分析するための代替カートリッジが、説明される。カートリッジデバイス300''''は、カートリッジデバイス300'''と同様に構築されてもよく、同様の構成要素は、同様のプライム付き参照番号によって識別されるが、カートリッジデバイス300''''は、コレット618'と、
図9Aのシャトル324と同様に構築され得る、シャトル324''''とを含む。本実施形態では、カートリッジデバイス300''''は、例えば、鼻腔から、耳から、血液からのサンプルの比較的に少量のサンプル収集、例えば、10マイクロリットル、好ましくは、2~5マイクロリットル未満のために設計される。カートリッジデバイス300''''はさらに、例えば、炎症、インフルエンザ、テストステロン、受胎能、HIV、またはビタミンDを示し得る、異なる標的検体を同定するように意図される試薬ボールと嵌合されてもよい。
図18Aおよび18Bは、カートリッジデバイス300'''とカートリッジデバイス300''''との間の互換性の容易性を図示する。
【0339】
図18Aに示されるように、コレット618'は、混合前位置では、シャトル324''''の第2の端部371''''に接触するように構成される、コレット618'の遠位端に配置される1つまたはそれを上回る突出部637を有する。1つまたはそれを上回る突出部637は、シャトル324''''の第2の端部371''''において、シール部材、例えば、Oリングに接触し、シール部材を定位置に保定してもよい。1つまたはそれを上回る突出部は、サンプル収集デバイスの遠位部分をシャトル324''''の第2の端部371''''における開口部の中に誘導するように構成される、引込角度を有してもよい。前述のものと同様に、コレット618'は、入力トンネル内へのサンプル収集デバイス挿入の間、例えば、シャトル324''''の第2の端部371''''上の遠位シールゾーンの肩部を介して、シャトル324''''上にサンプル収集デバイスによって印加される力に応答して、シャトル324''''から分断するように構成される。このように、シャトル324''''は、前述のように、混合前位置から混合位置に移動する。
【0340】
ここで
図19を参照すると、超音波要素を介して向上された混合の間の温度を監視するためのプロセスが、説明される。以下に説明されるように、コンピュータ化読取機が、概して、検出システムの動作を制御してもよい。読取機は、メモリを伴うプロセッサを含み、メモリは、その上に記憶される、収集されたサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を正常に検出するために必要とされる種々の方法を実装するための命令を有する。例えば、コンピュータ化読取機は、自動化された様式で
図19のプロセスを行わせてもよい。
【0341】
前述のように、カートリッジの超音波発生器要素(例えば、超音波発生器要素327、327'等)が、サンプル収集デバイスおよびカートリッジが混合位置にあるとき、サンプル調製リザーバ内の内容物の向上された混合のためにアクティブ化されてもよい。702では、プロセスが開始する。プロセスは、ある事象に応答して開始してもよい。例えば、プロセスは、読取機のプロセッサデバイスが、接触スイッチがカートリッジデバイス内へのサンプル収集デバイスの完全挿入に応答してカートリッジデバイス内でアクティブ化されたことを示す、信号を受信すると開始してもよい。
【0342】
704では、超音波発生器要素、例えば、圧電変換器が、アクティブ化される。アクティブ化に応じて、超音波発生器要素は、音響波をサンプル調製リザーバに向かって放出し、リザーバ内の流体を移動させる。超音波発生器要素は、所定の周波数、例えば、4MHzで音響波を放出してもよく、これは、読取機によって修正されてもよい。前述のように、音響波は、リザーバ内の流体をある波パターンで移動させ、リザーバ内の流体を混合してもよい。読取機のプロセッサデバイスは、例えば、カートリッジ内の印刷回路基板の1つまたはそれを上回る電気導線を介して、超音波発生器要素への電気信号の伝送を生じさせることによって、超音波発生器要素をアクティブ化してもよい。
【0343】
706では、温度が、サンプリングされる。温度は、サンプル調製リザーバ内の流体の温度を示し得る。例えば、カートリッジは、回路基板上に配置され、サンプル調製リザーバ内の流体の温度を示す信号を生成するように構成される、温度センサ、例えば、温度センサ616を含んでもよい。信号は、カートリッジおよび読取機が電気的に結合されると、例えば、カートリッジの印刷回路基板上の1つまたはそれを上回る電気導線を介して、カートリッジから読取機に伝送されてもよい。信号は、読取機デバイスのプロセッサによって処理され、信号が閾値外のリザーバ内の流体の温度を示すかどうかを判定してもよい。
【0344】
708では、サンプリングされた温度が高すぎるかどうかが判定される。例えば、読取機デバイスのプロセッサは、温度センサによって生成される信号からの温度情報と読取機デバイスのメモリ内に記憶される温度閾値を比較してもよい。例えば、メモリは、プロセッサが、感知される温度と記憶される情報を比較し、感知される温度が高すぎるかどうかを判定し得るように、例えば42℃を上回る閾値高温および/またはカートリッジ特有パラメータに基づく閾値高温を伴うルックアップテーブルを記憶してもよい。温度が、閾値外、例えば、高すぎる、低すぎる、範囲内ではないと判定される場合、超音波発生器要素からの音響波の放出は、修正されてもよい。
【0345】
710では、温度が高すぎると判定される場合、超音波発生器要素からの音響波の放出は、超音波発生器のデューティサイクル要素を低下させることによって修正されてもよい。例えば、読取機デバイスのプロセッサは、電気信号を超音波発生器要素に伝送し、超音波発生器要素にデューティサイクルを低下させることによって、超音波発生器要素からの音響波の放出を修正してもよい。プロセッサは、信号がリザーバ内の流体の温度が閾値を上回ることを示す場合、超音波発生器を非アクティブ化することによって、超音波発生器からの音響波の放出を修正してもよい。
【0346】
712では、サンプリングされた温度が低すぎるかどうかが判定される。例えば、読取機デバイスのプロセッサは、温度センサによって生成される信号からの温度情報と読取機デバイスのメモリ内に記憶される温度閾値を比較してもよい。例えば、メモリは、プロセッサが、感知される温度と記憶された情報を比較し、感知される温度が低すぎるかどうかを判定し得るように、例えば37℃を下回る閾値低温および/またはカートリッジ特有パラメータに基づく閾値低温を伴うルックアップテーブルを記憶してもよい。
【0347】
714では、温度が低すぎると判定される場合、超音波発生器要素からの音響波の放出は、超音波発生器要素のデューティサイクルを上昇させることによって修正されてもよい。例えば、読取機デバイスのプロセッサは、電気信号を超音波発生器要素に伝送し、超音波発生器要素にデューティサイクルを増加させることによって、超音波発生器要素からの音響波の放出を修正してもよい。
【0348】
716では、超音波発生器要素がタイムアウトされ得るように、累積または連続であり得る、所定の時間量(例えば、3分~15分、3分~10分、3分~5分、約10分)にわたって、サンプル調製リザーバ内の流体の温度を示す温度が閾値範囲内にある、例えば、閾値高温を下回り、閾値低温を上回るかどうかが判定される。例えば、読取機のメモリは、サンプル調製リザーバ内の流体温度を示す温度が閾値温度範囲内にあるべき所定の時間量を記憶してもよい。所定の時間量は、分析のために等温増幅のためのサンプル調製リザーバ内の流体とサンプルおよび試薬ボールの好適な混合のために要求される時間であってもよい。超音波発生器要素からの音響放出は、等温増幅のために、サンプル調製リザーバ内の流体を加熱し、かつマクロおよびマイクロレベルにおいてサンプル調製リザーバの内容物を混合してもよい。例えば、超音波発生器要素は、等温DNAまたはRNA増幅等の増幅反応が生じ、それによって、下流検出のための核酸アンプリコンを生成し得るように、サンプル調製リザーバ内の温度を増加させるために十分なエネルギーをサンプル調製リザーバの中に通過させてもよい。そのような下流検出は、部分的に、その上またはその中における核酸または検出可能部分と磁気粒子上の親和性分子(抗体、DNAプローブ、検出可能部分、および/または酵素の組み合わせであり得る)の結合に基づいてもよい、またはそれぞれ親和性分子のその独自の集団を伴う、1つまたはそれを上回る作業電極上の表面結合親和性分子への特異的結合に基づき得る。代替として、または加えて、そのような反応は、サンプル調製リザーバ内で生じ、そこで観察されてもよい。読取機のプロセッサが、サンプリングされた温度が所定の時間量にわたって閾値範囲内にないと判定する場合、プロセスは、706に戻る。
【0349】
718では、超音波発生器要素は、非アクティブ化される。例えば、超音波発生器要素は、サンプリングされた温度が所定の時間量にわたって閾値範囲内にある場合、非アクティブ化されてもよい。読取機のプロセッサは、サンプリングされた温度が所定の時間量にわたって閾値範囲内にあることを判定してもよい。
【0350】
720では、プロセスは、超音波発生器要素が非アクティブ化された後に終了する。
【0351】
ここで
図20を参照すると、摂氏単位の温度対秒単位の時間を示す、グラフが、示される。グラフは、線730において、混合サンプル調製リザーバ内における流体混合の測定された温度、線732において、サーミスタ、例えば、温度センサ616における測定された温度、線734において、測定された周囲温度、および線736において、圧電変換器、例えば、超音波発生器要素327、327'等における測定された温度を示す。観察されるであろうように、超音波発生器のデューティサイクルは、グラフ上の約40秒のマークにおいて低減され、サンプル調製リザーバ内で混合された流体の温度を低下させる。超音波発生器のデューティサイクルは、再び、グラフ上の520秒のマークにおいて低減され、再び、サンプル調製リザーバ内で混合された流体の温度を低下させる。
読取機デバイス
【0352】
種々の実施形態の読取機デバイスまたは読取機は、特殊コンピュータを備える、またはそれから成る。コンピュータは、その上に記憶される、1つまたはそれを上回るサンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するための1つまたはそれを上回る方法を実行するための命令を有するメモリを伴う、プロセッサを含む。種々の実施形態では、読取機のコンピュータは、検出システムの動作を制御し、システムの種々の機能が、例えば、カートリッジのサンプル調製リザーバ内の流体の混合、弁の開放、および/またはセンサにわたる磁気粒子の局在化等を生じさせる時間ならびに方法を制御する。そのような動作を制御するために、コンピュータ化読取機は、読取機またはカートリッジ内に存在する物理的構成要素から情報を受信し、情報をそこに送信するように構成される。
【0353】
図21Aは、例示的読取機デバイスの斜視図を図示し、
図21Bは、
図21Aの読取機デバイスの内部構成要素を図示する、分解図である。読取機デバイス400は、カートリッジドック402内の開口部401、筐体403、ユーザインターフェース404、電力供給源405、第1の磁気発生器406、第2の磁気発生器407、磁気発生器筐体408、弾性部材409、光パイプ410、回路基板411、プロセッサ412、通信回路413、電気コネクタ414、誘導コイル415、整合磁石416、および/または基部417を含んでもよい。
【0354】
読取機デバイス400の開口部401は、カートリッジデバイスがカートリッジドック402内にドッキングされることを可能にする。カートリッジは、読取機デバイス400によって受容されると、読取機デバイス400上もしくは内に、部分的もしくは完全に配置される、または別様にそこに結合されてもよい。読取機構成要素のうちのいくつかは、カートリッジドック402に対して特定の場所に方略的に位置付けられ、カートリッジとの所望の相互作用を達成してもよい。例えば、電気コネクタ414は、カートリッジデバイスがカートリッジドック402内に挿入されると、カートリッジデバイスの電気コネクタが電気コネクタ414に電気的に結合されるように、カートリッジドック402に対して位置付けられてもよい。加えて、磁場発生器406および407は、カートリッジデバイスがカートリッジドック402内に挿入されると、磁場発生器406および407がカートリッジデバイスの作業電極下に配置されるように、カートリッジドック402に対して位置付けられてもよい。
【0355】
筐体403は、読取機デバイス400の内部構成要素を格納するように構成され、カートリッジドック402および基部417と協働し、内部構成要素を格納してもよい。
【0356】
ユーザインターフェース404は、入力をユーザから受信し、出力をそこに提供するために使用されてもよい。例証として、ユーザインターフェース404は、カートリッジデバイスが読取機デバイス400の中に適切に挿入されると、および/またはサンプル収集デバイスがカートリッジデバイス内に適切に挿入されると、ユーザに通知するように構成される、LEDを含む。ユーザインターフェース404は、プロセッサ412に結合されてもよい。ユーザインターフェース404は、入力をユーザから受信し、出力をそこに提供するために、タッチスクリーン、LEDマトリクス、他のLEDインジケータ、または他の入力/出力デバイスを含んでもよい。他の実施形態では、ユーザインターフェース404は、読取機400上に存在しないが、代わりに、通信回路413を介して読取機400に通信可能に接続される、遠隔コンピューティングデバイス上に提供される。ユーザインターフェースはまた、読取機および遠隔コンピューティングデバイス上の要素の組み合わせであってもよい。
【0357】
電力供給源405は、交換可能バッテリまたは再充電可能バッテリ等の好適なバッテリであってもよく、装置は、再充電可能バッテリを充電するための回路と、取外可能電力コードとを含んでもよい。電力供給源405は、充電器内の誘導コイルおよび誘導コイル415を介して、充電器500によって充電されてもよい。代替として、電力供給源は、筐体内の構成要素に給電するために、例えば、AC/DC電力コンバータを伴うコードを介して、読取機デバイス400が従来の壁コンセントの中に差し込まれることを可能にする、ポートであってもよい。
【0358】
磁場発生器406および407は、読取機400内に移動可能に添着される、インダクタまたは他の電磁構成要素であってもよい。磁場発生器406および407は、永久磁石であってもよい。磁場発生器406および407は、カートリッジが読取機デバイス400に電気的に結合されると、作業電極が磁場発生器406および407によって生成される磁場内に直接配置されるように位置付けられる。種々の実施形態では、磁場は、局在化の原因である。すなわち、磁場は、磁気粒子および付随のハイブリダイズされた分子が分析ゾーン内に局在化するように誘発するものである。第1および第2の磁気発生器406ならびに407は、単一作業電極の長さにわたって磁場を生成し、単一作業電極の長さにわたる複数の磁気粒子の均質分布を助長するように構成されてもよい。
【0359】
磁場発生器406および407は、洗浄溶液ならびに/または化学基質を搬送する流体がカートリッジ内の分析チャネル中の磁気粒子にわたって流動するにつれて、サンプル調製リザーバから分析チャネルの中に放出された磁気粒子を磁場発生器406および407にわたって、それによって、作業電極にわたって局在化されたままにさせるために十分に強力な磁場を放出する。
【0360】
磁気発生器筐体408は、磁場発生器406および407を格納するように構成される。磁気発生器筐体408は、例えば、カートリッジデバイスのカートリッジドック402への挿入およびそこからの除去に応じて、磁場発生器406および407の移動を可能にする、弾性部材409に結合されてもよい。
【0361】
読取機デバイス400は、読取機デバイス400内のLEDからの光をユーザインターフェース404に誘導するように設計される、光パイプ410を含んでもよい。
【0362】
回路基板411は、電気構成要素を含み、プロセッサ412、通信回路413、および/または電気コネクタ414間の電気的結合を可能にする。1つまたはそれを上回る電気構成要素および/または回路は、本明細書に説明される種々の構成要素の役割のうちの一部または全部を行ってもよい。別個に説明されるが、電気構成要素は、別個の構造要素である必要はないことを理解されたい。例えば、プロセッサ412および通信回路413は、単一チップ内に具現化されてもよい。加えて、プロセッサ412は、メモリを有するように説明されるが、メモリチップは、別個に提供されてもよい。
【0363】
プロセッサ412は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、もしくは本明細書に説明される機能を行うように設計される、任意の好適なそれらの組み合わせであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つまたはそれを上回るマイクロプロセッサ、もしくは任意の他のそのような構成として実装されてもよい。
【0364】
プロセッサ412は、メモリを含有し、および/または1つもしくはそれを上回るバスを介して結合され、情報をメモリから読み出す、もしくは情報をそこに書き込んでもよい。メモリは、異なるレベルが異なる能力およびアクセス速度を有する、マルチレベル階層キャッシュを含む、プロセッサキャッシュを含んでもよい。メモリはまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性記憶デバイス、または不揮発性記憶デバイスを含んでもよい。記憶デバイスは、例えば、ハードドライブ、光学ディスク、フラッシュメモリ、およびZipドライブを含むことができる。
【0365】
プロセッサ412は、メモリ内に記憶されるファームウェア/ソフトウェアと併せて、例えば、Windows(登録商標)、Mac OS、Unix(登録商標)、またはSolaris 5.10等のオペレーティングシステムを実行してもよい。プロセッサ412はまた、メモリ内に記憶されるソフトウェアアプリケーションを実行する。一非限定的実施形態では、ソフトウェアは、例えば、Unix(登録商標) Kornシェルスクリプトを備える。他の実施形態では、ソフトウェアは、例えば、C++、PHP、またはJava(登録商標)を含む、当業者に公知の任意の好適なプログラミング言語におけるプログラムであってもよい。
【0366】
通信回路413は、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号等の情報を、ローカルで、ならびに/もしくはサーバ等の遠隔場所に伝送するように構成される。通信回路413は、当技術分野において公知の技法を使用して、インターネット、電話回線、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、および/またはWiFiネットワーク等のネットワークを経由して、有線および/または無線通信のために構成される。通信回路413は、Bluetooth(登録商標)チップおよび/またはWiFiチップ等の当技術分野において公知の通信チップであってもよい。通信回路413は、無線でデータを遠隔コンピューティングデバイスから受信し、データをそこに伝送するために、受容機および送信機または送受容機を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、遠隔コンピューティングデバイスは、システムにユーザインターフェースを提供する、モバイルコンピュータデバイスであってもよい。加えて、または代替として、遠隔コンピューティングデバイスは、サーバである。他のデバイスとの無線通信のために構成される実施形態では、通信回路413は、1つまたはそれを上回るネットワーク規格に従って、通信ネットワークを経由した伝送のために、プロセッサ412によって生成されるデータを準備し、および/または1つもしくはそれを上回るネットワーク規格に従って、通信ネットワークを経由して受信されたデータを復調してもよい。
【0367】
プロセッサ412はまた、EDGEカードまたは他の電気コネクタを含み得る、電気コネクタ414に結合され、電気信号を、カートリッジの回路基板構成要素に送信し、電気信号をそこから受信する(例えば、電気コネクタ312を介して)。電気コネクタ414は、カートリッジドック402の上、下、内、またはそれに隣接して位置付けられてもよく、電気コネクタ414のピンが、ドッキングされたカートリッジデバイスの電気導線と接触し、それと電気接続を確立するように位置付けられる。電気コネクタ414は、それによって、カートリッジの回路基板上のセンサと読取機内の電気化学回路との間の電気連続性を確立する。読取機の電気コネクタ414はまた、存在する場合、カートリッジの回路基板上の1つまたはそれを上回る加熱要素と電気連続性を確立してもよい。読取機デバイス400は、電気コネクタ414とカートリッジの電気導線との間の電気連続性に基づいて、カートリッジの追加に伴って完了される、電気化学回路の一部を含んでもよい。カートリッジの追加は、回路を完成または閉鎖させてもよい。カートリッジを読取機400に結合することは、読取機デバイス400をアクティブ化し、それを「ウェークアップ」させてもよい。いったんウェークアップされると、電気コネクタ414は、カートリッジの一部から受信されている信号を識別し、そのドックに結合されているカートリッジのタイプを識別してもよい。電気コネクタ414は、カートリッジタイプ(例えば、炎症、インフルエンザ、テストステロン、受胎能、ビタミンD)、カートリッジ識別情報(例えば、製造番号)、および/または較正情報に関する情報を示す信号をカートリッジ内のメモリから受信し、そのような情報を処理のためにプロセッサ412に伝送してもよい。
【0368】
いったんウェークアップされると、読取機デバイス400はまた、識別されたカートリッジのために起動すべき試験プロトコルを判定し、および/または近傍のモバイルコンピュータデバイスを検索し、それに接続してもよい。
【0369】
読取機デバイス400は、充電器内の1つまたはそれを上回る磁石と整合し、充電器内の誘導コイル415と誘導コイルとの間の効率的エネルギー伝達を促進するように構成される、1つまたはそれを上回る磁石416を含んでもよい。例証として、4つの磁石が、使用される。磁石416は、充電器内の対応する楔付き磁石と整合するように楔付きであってもよい。
【0370】
ここで
図22A-22Dを参照すると、読取機デバイス内へのカートリッジデバイスの挿入が、説明される。
図22Aにおける読取機デバイス400の裁断図に示されるように、第1および第2の磁気発生器406ならびに407は、カートリッジドック402を通して部分的に開口部401の中に延在してもよい。
図22Aでは、第1および第2の磁気発生器406ならびに407は、上昇位置に示される。弾性部材409が、第1および第2の磁気発生器406ならびに407を上昇位置に静置させるように付勢されてもよい。
【0371】
図22Bは、サンプル収集デバイス200がその中に部分的に挿入され、読取機デバイス400の中に挿入されている、カートリッジデバイス300を示す。具体的には、カートリッジデバイス300は、カートリッジドック402における開口部401内に挿入される。カートリッジデバイス300が、カートリッジドック402の中に遠位に移動するにつれて、第1および第2の磁気発生器406ならびに407の上部表面は、好ましくは、電気コネクタ312に接触せず、最初に、第1のランプ部分313に接触する。第1のランプ部分313は、さらなる遠位挿入の間、例えば、下向き力を第1および/または第2の磁気発生器406、407上に生じさせ、弾性部材409を押下させることによって、第1および第2の磁気発生器406ならびに407を徐々に押下させる。カートリッジデバイス300が第1のランプ部分313を越えて挿入されるにつれて、第1および/または第2の磁気発生器406、407は、カートリッジデバイス300の底部表面308に接触し、
図22Bに示されるように、押下位置に移動する。
【0372】
カートリッジデバイス300がカートリッジドック402の中にさらに遠位に移動するにつれて、第1および/または第2の磁気発生器406、407は、第2のランプ部分314に接触し、磁気発生器凹部315の中に乗り上げる。第2のランプ部分314は、
図22Cおよび22Dに示されるように、第1および/または第2の磁気発生器406、407を磁気発生器凹部315の中に徐々に誘導する。
図22Cおよび22Dは、分析位置において読取機デバイス400内に挿入される、カートリッジデバイス300を描写し、そこで第1および第2の磁気発生器406ならびに407は、磁気発生器凹部315内に配置され、カートリッジデバイス300の電気コネクタ312は、読取機デバイス400の電気コネクタ414に電気的に結合される。磁気発生器凹部315は、カートリッジデバイス300が読取機内に完全に挿入されると、第1および第2の磁気発生器406ならびに407が磁気発生器凹部315の中に乗り上げ、上昇位置に移動し、1つまたはそれを上回る作業電極に隣接して配置されるように、カートリッジデバイス300の1つまたはそれを上回る作業電極の真下に配置される。弾性部材409の付勢は、第1および第2の磁気発生器406ならびに407を磁気発生器凹部315の中に乗り上げさせ得る。第2のランプ部分314はまた、カートリッジデバイス300の除去の間、第1および第2の磁気発生器406ならびに407を徐々に押下することによって、読取機デバイス400からのカートリッジデバイス300の除去を促進する。
【0373】
弾性部材409の付勢および磁気発生器凹部315の相互作用は、第1および第2の磁気発生器406ならびに407が可能な限り作業電極に近接して位置付けられることを可能にし得る。第1および第2の磁気発生器406ならびに407が、作業電極に近いほど、より多くの力を磁場が付与することが可能となり、より小さい磁石またはインダクタが、より大きく、よりコストがかかる磁石またはインダクタと同等の磁場強度を付与可能であることを意味する。小磁石またはインダクタの使用は、より磁石またはインダクタが小さいほど、重複する磁場が少ないため、特に、複数の磁場および複数の分析ゾーンを有する実施形態(例えば、複数の異なる標的検体を検出するように構成される実施形態)において有利である。より小さい磁場は、異なる検出センサ下における磁石またはインダクタ間のクロストークの量を限定することができる。
【0374】
図23Aおよび23Bを参照すると、1つの磁気発生器が1つの作業電極のための磁場を生成する設計(
図23A)と、2つの磁気発生器が1つの作業電極のための磁場を生成する設計(
図23B)とに関して、分析チャネルからの変動する距離における磁場の測定された強度を描写する、グラフが、示される。絶対ピーク強度またはその近傍における磁場は、好適な磁気粒子を作業電極にわたって分析チャネル内に留保するであろうが、磁気粒子は、磁場強度がピークからゼロに向かって低下するにつれて、作業電極から洗い流され、不感帯ゾーン750および751を生成する傾向にあることが発見された。2つの磁場発生器の使用は、1つの磁場発生器の使用と比較して、はるかにより均一な絶対磁場を作業電極にわたって生成する。故に、二重磁石設計に関する不感帯ゾーン751は、単一磁石設計に関する不感帯ゾーン750より有意に小さい。故に、前述のように、第1および第2の磁気発生器406ならびに407が、読取機デバイス400内で使用され、単一作業電極の長さにわたって磁場を生成し、単一作業電極の長さにわたる複数の磁気粒子の均質分布を助長し得る。
検出のコンピュータ化方法
【0375】
カートリッジデバイス内の熱伝達および弁開放のタイミングは、読取機デバイスによって精密に時間決定および制御されてもよい。例えば、読取機は、発熱電流が加熱要素を通って流動するときを制御するときを制御してもよい。電流は、読取機からカートリッジに流動し、(1)サンプル調製リザーバのための弁作動、(2)存在する場合、流体断路器作動、(3)存在する場合、洗浄剤リザーバのための弁作動、次いで、(4)化学基質リザーバのための弁作動のシーケンスにおいて作動を生じさせてもよい。各弁の作動は、それぞれの弁が完全に作動し、関連リザーバが、その内容物を分析チャネルの中へ放出する時間を有し、次のリザーバの内容物が放出される前に、リザーバの内容物のうちの少なくともいくつかが、センサの下流に位置付けられる吸収パッドまで移動する時間を有するように、時間決定されてもよい。いくつかの実施形態では、弁作動間の時間は、吸収パッドが分析チャネル内に存在する流体を完全または実質的に吸収するために十分長く選択される。有利なこととして、そのような実施形態では、非常に少ない混合が、連続リザーバの内容物の間で生じる。加えて、または代替として、各弁の作動は、弁が、例えば、各リザーバに隣接して配置される流量センサによって感知される信号に基づいて、事象の進捗度の「状態」に関してオンおよびオフにされ得るように、カートリッジおよび/または読取機が、例えば、個別のリザーバに隣接して分析チャネル内に配置され、カートリッジのメモリおよび/または読取機のプロセッサに電気的に結合される、流量センサを使用して、流動が個別のリザーバから開始および/または停止されたときを認識する、フィードバック制御システムに基づいてもよい。
【0376】
上記のように、コンピュータ化読取機は、主に、検出システムの動作を制御する。読取機は、プロセッサと、メモリとを含み、メモリは、収集されたサンプル内の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を正常に検出するために必要とされる、種々の方法を実装するためのその上に記憶された命令を有する。例えば、自動的にコンピュータ化読取機によって行われる1つの方法の実施形態が、
図24で提供される。
【0377】
ブロック802では、コンピュータ化読取機が、読取機の中または上に装填されたカートリッジの存在を検出する。例えば、カートリッジ上の導線が、読取機上の電気ピンと物理的に接触して、読取機をオンにし、カートリッジの存在を読取機に信号伝達する回路を完成させるように、カートリッジが読取機に結合され得る。
【0378】
ブロック804では、読取機が、カートリッジと関連付けられる識別情報を検出する。例えば、カートリッジは、特定のタイプのカートリッジに一意の信号を生成し、読取機がカートリッジおよびタイプ間の区別を可能にする、そのメモリ内に記憶されるカートリッジタイプ情報を含んでもよい。カートリッジはまた、そのメモリ内に記憶される較正情報を含んでもよい。
【0379】
読取機のプロセッサは、カートリッジタイプ情報信号を受信し、ブロック806に示されるように、カートリッジタイプ情報に基づいて、カートリッジのための適正な試験プロトコルを識別してもよい。読取機のプロセッサは、カートリッジタイプ情報信号とメモリ内に記憶されるカートリッジタイプに基づくプロトコルのデータベースを比較してもよい。プロセッサが、カートリッジタイプ情報を認識しない場合、プロセッサは、識別不能なカートリッジが検出されたことを信号伝達するように、モバイルコンピュータデバイスおよび/またはサーバ等の遠隔コンピュータデバイスと通信してもよい。いくつかの実施形態では、読取機は、サーバから直接、または中間物の役割を果たすモバイルコンピュータデバイスを用いて間接的に、更新をダウンロードする。いくつかの実施形態では、未知のカートリッジの種類が検出されるとき、ユーザは、モバイルコンピュータデバイスのユーザインターフェースを介して、更新をダウンロードするように指示され、他の実施形態では、更新は、自動的にダウンロードされる。種々の実施形態では、更新は、新たに開発されたカートリッジタイプおよび試験プロトコルを含む。いったん新しいタイプおよび試験プロトコルがダウンロードされると、それらは、遠隔コンピュータデバイスと通信する必要なく、このカートリッジの種類を用いた将来の試験が自動的に認識されて実装されるように、読取機のサポートされた試験のデータベースに添加されるであろう。読取機のプロセッサはまた、較正情報信号を受信してもよく、試験プロトコルの間、較正情報を考慮してもよい。
【0380】
ブロック808に示されるように、コンピュータ化読取機は、カートリッジの中へのサンプル収集デバイスの挿入を検出する。例えば、読取機は、入力トンネルの中へのサンプル収集デバイスの挿入(これはまた、実質的に、サンプルがサンプル調製リザーバに進入したことに対応し得る)に応答してカートリッジデバイス内の接触スイッチがアクティブ化されたことを示す、電気信号を受信してもよい。サンプル(および存在する場合、試薬ボール)は、次いで、サンプル(および存在する場合、試薬ボール)をサンプル調製リザーバの中に導入することによって、サンプル調製リザーバの流体中で混合される。
【0381】
ブロック810では、読取機のプロセッサが、信号を超音波発生器要素に送信して、超音波処理プロトコルを開始し、サンプル調製リザーバ内に配置された流体内で複数の試薬、親和性分子、およびサンプル粒子を混合するようにそれに命令する。種々の実施形態では、結果として生じる混合物は、標的検体、標的検体および検出剤、ならびに/または競合結合剤に結合した磁気粒子を含む。本明細書で使用されるように、サンドイッチ錯体とは、標的検体および検出剤に直接または間接的に結合した磁気粒子を指し、競合結合錯体とは、競合結合剤に結合した磁気粒子を指す。各サンドイッチ錯体および競合結合錯体は、錯体内で結合した検出剤を含む。ここで説明される一実施形態では、検出剤は、酸化酵素である。超音波発生器はまた、等温DNAまたはRNA増幅等の増幅反応が生じ、それによって、下流検出のための核酸アンプリコンを生成し得るように、サンプル調製リザーバ内の温度を上昇させるために十分なエネルギーをサンプル調製リザーバの中に通過させてもよい。そのような下流検出は、部分的に、その上またはその中における核酸または検出可能部分と磁気粒子上の親和性分子(抗体、DNAプローブ、検出可能部分、および/または酵素の組み合わせであり得る)の結合に基づいてもよい、またはそれぞれ親和性分子のその独自の集団を伴う、1つまたはそれを上回る作業電極上の表面結合親和性分子への特異的結合に基づき得る。代替として、または加えて、そのような反応は、サンプル調製リザーバ内で生じ、そこで観察されてもよい。
【0382】
ブロック812に示されるように、読取機は、超音波発生器要素による混合および等温増幅の間、サンプル調製リザーバ内の流体の温度を監視してもよい。例えば、カートリッジ内の温度センサは、
図19に関して前述のように、サンプル調製リザーバ内の流体の温度を示す信号を伝送してもよい。
【0383】
ブロック814に示されるように、読取機は、第1の加熱要素を加熱するか、または別様に刺激する、電流を生成し、それによって、カートリッジ内のサンプル調製リザーバの出口をシールする熱作動式弁に熱を伝達させてもよい。そのような加熱は、弁を融解させるか、または別の相変化を受けさせ、これは、流体が、毛管作用を介して、サンプル調製リザーバから分析チャネルの中に流動することを可能にする。流体が流動するにつれて、それとともに混合物を輸送し、サンドイッチ錯体および/または競合結合錯体内の磁気粒子を含む、混合物内の磁気粒子は、分析チャネル内の1つまたはそれを上回る磁場にわたって局在化し、1つまたはそれを上回る局在化性サンプルを形成する。
【0384】
随意に、ブロック816では、読取機は、第2の加熱要素を加熱するか、または別様に刺激し、流体断路器にサンプル調製リザーバの出口を分析チャネルの残りから遮断させる、電流を生成する。このように、他のリザーバから放出された流体は、サンプル調製リザーバの中に流動し、および/または残りの試薬と望ましくない反応を生じさせることができない。
【0385】
随意に、ブロック818では、読取機は、カートリッジ内の第2の弁が相変化を受け、洗浄液が洗浄剤リザーバから分析チャネルの中に流動するように、第3の加熱要素を加熱するか、または別様に刺激する、電流を生成する。種々の実施形態では、洗浄液は、1つまたはそれを上回る局在化性サンプルから、磁気粒子に間接的に結合されていない酸化酵素(または他の検出剤)を除去する。
【0386】
ブロック820では、読取機は、カートリッジ内の第3の弁が相変化を受け、基質の溶液が基質リザーバから流出して分析チャネルに流入するように、第4の加熱要素を加熱するか、または別様に刺激する、電流を生成する。種々の実施形態では、検出剤が酸化酵素であるとき、各局在化性サンプルのサンドイッチ錯体および/または競合結合錯体内の酸化酵素は、該基質分子を輸送するために使用される水性媒体中に存在する、該基質分子を酸化させる。サンドイッチ錯体が存在する実施形態では、酸化が電気化学センサによって形成される電気化学電池で生じ、実質的にそれにわたる流体の体積および電子が、局在化性サンプル内に存在する標的検体の量に比例する量で、電気化学センサの作業電極から、センサの実質的に上方の体積まで流動する(例えば、磁気粒子結合錯体および/または表面結合錯体)。競合結合錯体が存在する実施形態では、酸化が電気化学センサによって形成される電気化学電池で生じ、実質的にセンサにわたる流体の体積および電子が、局在化性サンプル内に存在する標的検体の量に反比例する量で、電気化学センサの作業電極から流動する。
【0387】
ブロック822では、読取機のプロセッサは、読取機の電気コネクタから、カートリッジ内の分析チャネルの中の正の対照作業電極において検出される、第1の信号を受信する。種々の実施形態では、信号は、電圧または電流もしくは抵抗率信号である。信号の少なくとも一部は、正の対照作業電極における表面結合抗体に結合される基質の酸化によって生じ得る。ブロック824では、読取機のプロセッサは、読取機の電気コネクタから、カートリッジ内の分析チャネルの中の作業電極において検出される第2の信号を受信する。種々の実施形態では、信号は、電圧または電流もしくは抵抗率信号である。信号の少なくとも一部は、作業電極にわたる基質、例えば、作業電極にわたって磁気的に保持される磁気粒子に磁気的に結合される基質の酸化によって生じる。ブロック826では、読取機のプロセッサは、読取機の電気コネクタから、カートリッジ内の分析チャネルの中の負の対照作業電極によって検出された第3の信号を受信する。ブロック828では、読取機のプロセッサは、作業電極(随意に、正の対照作業電極からの信号および/または負の対照作業電極からの信号)からの信号を処理および分析し、1つまたはそれを上回る標的検体の存在および/または量を同定する。読取機のプロセッサは、第1の信号のパラメータ、例えば、電流、電圧が読取機のメモリ、例えば、ルックアップテーブル内に記憶される所定の範囲内にあるかどうかを判定してもよい。代替として、所定の範囲は、カートリッジのメモリ内に記憶される、ソフトウェアアプリケーションを起動するデバイスのためのメモリ内に記憶される、またはシステムのネットワーク内のサーバの中に記憶されてもよい。第1の信号は、故障カートリッジのエラー検出および診断のために使用されてもよい。第3の信号は、システム内に存在する雑音を示してもよい。読取機のプロセッサは、第3の信号を第2の信号から減算する、またはそれを除去するための別のアルゴリズムを適用し、システム内に存在し得る雑音に対処し、および/または雑音を排除してもよい。代替として、第3の信号は、故障カートリッジのエラー検出および診断のために使用されてもよい。随意に、ブロック830に示されるように、読取機は、さらなる処理、記憶、サーバへの伝送、および/またはユーザへの結果の表示のために、試験結果を示す信号をモバイルコンピュータデバイスに伝送してもよい。
充電器
【0388】
図25Aは、例示的充電器の斜視図を図示し、
図25Bは、
図25Aの充電器の内部構成要素を図示する、分解図である。充電器500は、読取機デバイス400を充電するために使用され得る、随意の特徴である。充電器500は、整合磁石501と、誘導コイル502と、バッテリ503とを含んでもよい。充電器500は、読取機デバイス内の1つまたはそれを上回る整合磁石と整合し、誘導コイル502と読取機内の誘導コイルとの間の効率的エネルギー伝達を促進するように構成される、1つまたはそれを上回る整合磁石501を含んでもよい。例証として、4つの磁石が、使用される。磁石501は、読取機内の対応する楔付き磁石と整合するように楔付きであってもよい。充電器500は、読取機400の充電を可能にするためのバッテリ503等の充電器500内の構成要素を充電するために、例えば、コードまたはAC/DC電力コンバータを伴うコードを介して、従来のコンセントの中に差し込まれてもよい。
反応物および反応
【0389】
本明細書に開示される種々のデバイス、システム、キット、および方法は、試料から採取された1つまたはそれを上回るサンプル中の標的検体を単離する、タグ付けする、および検出するように意図される。化学反応が、そのような検出を可能にするために採用されてもよい。化学反応は、前述のサンプル調製リザーバ等のリザーバ内で生じてもよい。例えば、サンプル調製リザーバは、水、生理食塩水溶液、磁気粒子、親和性分子、接続分子、シグナル伝達物質、競合結合分子、競合分子、標識、および/またはシグナル伝達物質のうちの1つもしくはそれを上回るものと混合された水/生理食塩水溶液等の流体を保持してもよい。1つまたはそれを上回る試薬ボールもまた、磁気粒子、親和性分子、接続分子、シグナル伝達物質、競合結合分子、競合分子、標識、および/またはシグナル伝達物質のうちの1つもしくはそれを上回るものをサンプル調製リザーバ内の流体の外側に保持してもよい。反応は、例えば、サンプル収集デバイスがカートリッジの入力トンネルの中に完全に挿入されると、サンプル収集デバイスの遠位部分上に収集されたサンプルをサンプル調製リザーバの中に導入することによって、1つまたはそれを上回る標的検体を潜在的に有するサンプル(随意に、1つまたはそれを上回る試薬ボール)が、サンプル調製リザーバ内の流体と混合されると開始してもよい。例示的化学反応は、以下に議論され、
図26A-28Hに描写される。
【0390】
図26Aおよび26Cを参照すると、標的検体910a、910bが、例えば、サンプル調製リザーバ内のサンプル調製試薬の溶液に添加される。標的検体910a、910bは、核酸、タンパク質、小分子、もしくは重金属等の任意の分子であってもよい、または生物学的または大分子の場合、標的検体は、例えば、細胞の表面上に存在する標的バイオマーカを検出するための特定の条件もしくは可能性として考えられる汚染もしくは特定の細胞タイプの存在と関連付けられたそのフラグメントである。非限定的実施例は、具体的病原、例えば、細菌、ウイルス、寄生生物、毒素、ホルモン、免疫調整分子、またはその検出可能フラグメントを含む。
【0391】
標的検体910a、910bは、炎症を示す分子レベル、インフルエンザ、テストステロン、受胎能、および/またはビタミンD等の条件を研究するために、本明細書に説明されるシステムおよび方法を使用して検出されてもよい。サンプル調製試薬は、磁気マイクロビーズまたはナノ粒子920a、920b(本明細書では、「磁気粒子」と称される)を含んでもよい。磁気粒子920a、920bは、1つまたはそれを上回る磁気発生器から放出される磁場に誘引されるであろうように、磁気応答性である。このように、サンプル調製リザーバから放出された磁気粒子920a、920bは、読取機の1つまたはそれを上回る磁気発生器によって生成される磁場に応答して、カートリッジの分析チャネル内のセンサの1つまたはそれを上回る作業電極にわたって局在化されるまで、分析チャネル内を下流に進行する。各磁気粒子920a、920bは、その表面に結合される、親和性分子930a、930bを有してもよい。磁気粒子は、異なるサイズであってもよく、50ナノメートル~5000ナノメートル、100ナノメートル~4000ナノメートル、100ナノメートル~3000ナノメートル、100ナノメートル~2000ナノメートル、100ナノメートル~1000ナノメートル、500ナノメートル~4000ナノメートル、1000ナノメートル~4000ナノメートル、または1500ナノメートル~3000ナノメートルの直径を有してもよい。
【0392】
親和性分子は、標的分子に結合する、またはそれを捕捉し得る、任意の好適な分子または部分であってもよい。親和性分子の非限定的実施例は、抗体(単鎖、多鎖抗体、二特異性抗体、ヒト化抗体等を含む)、親和性を伴う抗体フラグメント、リガンド、基質のための結合親和性を伴うポリペプチドまたはタンパク質分子および部分、核酸分子(例えば、アプタマー)、結合親和性を伴う他の分子、ならびに同等物を含む。親和性分子は、化学的に修飾された自然発生分子を含む。特定の標的検体のための親和性分子は、一般に理解される方法に従って選択されてもよい。例えば、抗体およびそのフラグメントを生成する方法は、文献において周知であって、Antibodies:A Laboratory Manual(1988)Eds. Harlow and Lane, Cold Spring Harbor Laboratories Press、ならびに米国特許第4,381,292号、第4,451,570号、および第4,618,577号によって例示されている。さらに、親和性分子は、特異的標的検体のために市販されている。そのような源の一覧は、Linscott’s Directory of Immunological and Biological Reagentsに見出され得る。
【0393】
本明細書で使用されるように、用語「~をハイブリダイズする」および「ハイブリダイゼーション」は、特異的結合(共有または非共有)が生じ得るような抗原および抗体または2つの相補的核酸等の2つの実体間の特異的相互作用を意図する。
【0394】
図26Aおよび26Bは、抗体930aを描写し、
図26Cおよび26Dは、核酸プローブ930bを描写するが、核酸アプタマーまたは他の結合タンパク質もしくは分子を含む、任意の好適な親和性分子が、使用され得る。サンプル調製試薬はまた、例えば、シグナル伝達物質950aに共役された抗体960a(
図26A)またはシグナル伝達物質950bに結合される標識核酸プローブ960b(
図26C)等の検出剤940a、940bを含んでもよい。検出剤940はそれぞれ、例えば、酸化酵素もしくは他のシグナル伝達酵素、アルカリホスファターゼ(AP)、メチレンブルー、もしくは他の電気化学的に応答性タグ、または臭化エチジウム、フルオレセイン、緑色蛍光タンパク質、もしくは他の蛍光色素等の蛍光タグ等のシグナル伝達物質950を含んでもよい。
【0395】
検出剤940を含む、実施形態では、上記に列挙された種々の試薬は、ともにハイブリダイズし、サンドイッチ錯体を形成してもよい。例示的サンドイッチ錯体900a、900bは、
図26Bおよび26Dに図示される。各サンドイッチ錯体は、(1)表面結合親和性分子930a、930bを有する、磁気粒子920a、920bと、(2)標的検体910a、910bと、(3)検出剤940a、940bとから形成されてもよい。したがって、磁気粒子920a、920bと読取機の磁場発生器との間の磁気引力に起因してカートリッジの分析チャネル内のセンサの作業電極にわたって保持される、サンドイッチ錯体900a、900bは、標的検体910a、910bと、検出剤940a、940bとを含むであろう。
図26Bの例示的サンドイッチ錯体900aは、抗体を親和性分子として使用し、標的検体は、着目タンパク質または小分子である。
図26Dの例示的サンドイッチ錯体900bは、核酸の特定の配列を捕捉するように設計される、核酸プローブを使用する。また、競合分子が、使用されてもよく、競合分子はそれぞれ、テストステロン-HRP等のHRPに事前に結合される。
【0396】
種々の実施形態では、シグナル伝達物質950a、950bは、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)または大豆ペルオキシダーゼ(SBP)等の酸化酵素である。そのような実施形態では、酵素は、例えば、過酸化水素等の受容体分子を含む、基質溶液中にあり得る、TMBおよび/またはOPD等の基質リザーバから放出される、特定の化学基質の存在下にあるとき、酸化反応が電気化学セルにおいて生じるように誘発する。したがって、特定の基質が、標的検体に結合される酸化酵素および電気化学セルにおける磁気粒子にわたって流動する、または別様にそれと遭遇する場合、酸化反応が生じる。そのような実施形態では、電子が、それに応じて、電気化学セルの作業電極から放出され、存在する標的検体の量に比例する量で酸化酵素によって基質から奪われた電子を補充する。電子の放出または流動は、電流をもたらし、これは、例えば、電流の変化または電圧の変化として、分析チャネル内のセンサによって(例えば、作業電極において)検出可能である。有利には、磁気粒子に結合されないシグナル伝達物質は、作業電極にわたって磁気的に保持されず、代わりに、センサ読取値に干渉しないように、さらに下流に洗い流される(例えば、サンプル調製、洗浄、および/または基質リザーバからの流体の放出によって生じる)。故に、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号が、カートリッジ内のセンサにおいて生成され、さらなる処理のために読取機に伝送されてもよい。加えて、または代替として、HRPを伴う表面結合標的検体もまた、センサによって感知され、さらなる処理のために読取機に伝送され得る、信号を生成してもよい。
【0397】
ここで
図27Aおよび27Bを参照すると、サンプル調製試薬は、磁気粒子1020の集団を含んでもよく、それぞれ、その表面に結合される親和性分子1030を有する。競合結合剤1040および標的検体1010を含有するサンプルは、例えば、収集されたサンプル(随意に、1つまたはそれを上回る試薬ボール)とサンプル調製リザーバ内の流体を混合することによって、サンプル調製試薬に添加されてもよい。競合結合剤1040は、シグナル伝達物質1050、例えば、前述のシグナル伝達物質のいずれかに事前に結合された状態で現れる、事前結合標的検体1070を含んでもよい。事前結合標的検体1070は、例えば、抗体、核酸プローブ、核酸アプタマー、または他の親和性分子1060を介して、シグナル伝達物質1050に間接的に結合されてもよい。サンプルからの結合されなかった標的検体1010および競合結合剤1040は、相互に競合し、磁気粒子1020上の親和性分子1030に結合してもよい。磁気粒子1020に正常に結合する、競合結合剤1040およびシグナル伝達物質1050の量は、サンプル中に存在する標的検体1010の量に反比例する。競合結合剤1040のシグナル伝達物質1050が酸化酵素である実施形態では、酸化反応は、特定の基質(例えば、基質リザーバから)が、カートリッジの分析チャネル内のセンサにおける競合結合剤1040に結合される磁気粒子1020にわたって流動する、または別様にそれに遭遇する場合に生じる。電子は、それに応じて、センサの作業電極から放出され、サンプル中に存在する標的検体の量に反比例する量で、酸化酵素によって基質から奪われた電子を補充する。電子の放出または流動は、電流をもたらし、これは、電流/電圧トポロジを伴う電気回路に結合される電極によって検出可能である。故に、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号が、カートリッジ内のセンサで生成され、さらなる処理のために読取機に伝送されてもよい。
【0398】
ここで
図28A-28Hを参照すると、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するためのプロセスが、説明される。
図28Aに示されるように、複数のサンプル標的検体1110を有する、サンプルが、サンプル収集デバイス1100を用いて収集されてもよい。サンプル収集デバイス1100は、サンプル収集デバイスのいずれかに関して前述の様式で構築されてもよい。各サンプル標的検体1110は、サンプル結合分子1115に結合されてもよい。サンプル標的検体1110は、25-ヒドロキシビタミンD3または25-ヒドロキシビタミンD2もしくは1α,25-ジヒドロキシビタミンD2または1α,25-ジヒドロキシビタミンD等の本明細書に説明される任意のタイプの検体であってもよい。複数のサンプル結合分子のサンプル結合分子1115は、gc-成分(群特異的成分)としても知られる、自然発生ビタミンD結合タンパク質等の任意のタイプの結合分子であってもよい。
【0399】
1つまたはそれを上回る試薬ボールが、収集されたサンプルとの混合のために提供されてもよい。試薬ボールは、カートリッジ内に貯蔵される、例えば、前述のように、カートリッジ内のシャトル内に貯蔵されてもよい。
図28Bを参照すると、試薬ボール1116は、複数の競合分子1170と、複数の標識1175と、複数の競合結合分子1180とを含んでもよい。各競合分子1170は、複数の競合結合分子の競合結合分子1180に事前に結合されてもよい。各競合分子1170は、複数の標識の標識1175を保有してもよい。競合分子1170は、標識を保有する、25-ヒドロキシビタミンD2または25-ヒドロキシビタミンD3等の任意のタイプの競合分子であってもよい。標識1175は、ビオチン等の任意のタイプの標識であってもよく、競合結合分子1180は、ビタミンD結合タンパク質等の任意のタイプの競合結合分子であってもよい。各標識1175は、例えば、付着または親和性分子1160を介して、シグナル伝達物質1150に結合するように構成される。加えて、または代替として、標識1175は、シグナル伝達物質1150として作用する。試薬ボール1117は、複数の固体粒子1120と、複数の親和性分子1130と、それぞれシグナル伝達物質1150および他の親和性分子1160を有し得る、複数の検出剤1140と、複数の結合解除剤1190とを含んでもよい。試薬ボール1116、1117は、試薬ボール375、375'、375''、375'''を含む、本明細書に説明される任意の試薬ボールに関して前述の様式で構築され、カートリッジ内で使用されてもよい。
【0400】
複数の固体粒子1120は、本明細書に説明されるような磁気粒子等の磁気応答性材料または金ナノ粒子等の非磁気応答性材料を備えてもよい。好ましくは、各固体粒子1120は、本明細書に説明されるように、親和性分子1130に結合される。親和性分子1130は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、サンプル標的検体1110および/または競合分子1170に結合する親和性を有する。シグナル伝達物質1150および親和性分子1160を有する、検出剤1140は、本明細書に説明される個別の作用物質/分子に類似してもよい。例えば、シグナル伝達物質1150は、HRPであってもよく、親和性分子1160は、ストレプトアビジンであってもよい。複数の依存性作用物質の各結合解除剤1190は、競合分子1170を競合結合分子1180から結合解除し、いくつかの実施形態では、次いで、競合結合分子1180に結合し、および/またはサンプル標的検体1110をサンプル結合分子1115から結合解除し、いくつかの実施形態では、次いで、サンプル結合分子1115に結合するように構成される。
【0401】
分子は、単一カートリッジと併用されるように構成される、複数の試薬ボール、または単一カートリッジと併用されるように構成される、1つの試薬ボール内で凍結乾燥されてもよい。分子のタイプは、所望の様式で、例えば、
図28Bに示されるように、またはランダムに、試薬ボール間に分散されてもよい。加えて、あるタイプの分子は、サンプル調製リザーバ内の流体中に貯蔵されてもよい一方、他のタイプは、試薬ボール内に貯蔵される。
【0402】
図28Cに示されるように、
図28Bの試薬ボール1116および試薬ボール1117の全分子は、単一試薬ボール内で凍結乾燥されてもよい。試薬ボール1118は、複数の固体粒子1120'、複数の親和性分子1130'、複数の検出剤1140'(複数のシグナル伝達物質1150'および複数の親和性分子1160'を有する)、複数の競合分子1170'、複数の標識1175'、複数の競合結合分子1180'、および/または複数の結合解除剤1190'を含んでもよい。試薬ボール1118は、試薬ボール375、375'、375''、375'''を含む、本明細書に説明される任意の試薬ボールに関して前述の様式で構築され、カートリッジ内で使用されてもよい。
【0403】
ここで
図28Dを参照すると、複数の固体粒子、複数の親和性分子、複数の検出剤(複数のシグナル伝達物質および複数の親和性分子を有する)、複数の競合分子、複数の標識、複数の競合結合分子、および/または複数の結合解除剤が、サンプル調製リザーバ1119内に保持される流体中でサンプル収集デバイス1100を用いて収集されたサンプルと混合されてもよい。サンプルは、サンプル収集デバイス1100の遠位部分上にある間、またはサンプル収集デバイス1100の遠位部分から放出された後(両方とも、前述の通りである)、サンプル調製リザーバ1119の中に導入されてもよい。サンプルは、それぞれ、サンプル結合分子に事前に結合され得る、複数のサンプル標的検体を有してもよい。複数の固体粒子、複数の親和性分子、複数の検出剤(複数のシグナル伝達物質および複数の親和性分子を有する)、複数の競合分子、複数の標識、複数の競合結合分子、および/または複数の結合解除剤が、サンプル調製リザーバ1119内の流体中に事前に貯蔵されてもよい、またはそれらの分子の一部もしくは全部は、試薬ボール1116、1117、1118等の試薬ボールから流体の中に導入されてもよい。サンプル調製リザーバ1119は、サンプル調製リザーバ317、317'、317''、317'''を含む、本明細書に説明される任意のサンプル調製リザーバと同一様式で構築されてもよい。
【0404】
ここで
図28Eを参照すると、そこに事前に結合されたサンプル結合分子1115を有する、サンプル標的検体1110がさらに、サンプル調製リザーバ1119内に混合されてもよい。必要ではないが、サンプル調製リザーバ1119内の混合は、前述のように、サンプル調製リザーバ1119に隣接して配置される超音波発生器要素の作動によって向上され得る。
【0405】
図28Fに示されるように、結合解除剤1190が、競合分子1170を事前に結合競合結合分子1180から結合解除してもよく、次いで、結合解除剤1190は、競合結合分子1180に結合し、標識1175を有する競合分子1170を結合されないままにしてもよい。別の結合解除剤1190は、サンプル標的検体1110をサンプル結合分子1115から結合解除してもよく、次いで、他の結合解除剤1190は、サンプル結合分子1190に結合し、サンプル標的検体1110を結合されないままにしてもよい。
【0406】
図28Gを参照すると、結合解除された競合分子1170の標識1175は、シグナル伝達物質1150に結合するように構成されてもよい(例えば、親和性分子1160との結合を介して)。
【0407】
結合解除された競合分子1170は、
図28Hに示されるように、固体粒子1120に事前に結合され得る、複数の親和性分子の親和性分子1130に結合するように構成されてもよい。このように、固体粒子1120は、シグナル伝達物質1150に間接的に結合される競合分子1170に間接的に結合されてもよい。サンドイッチ錯体が、固体粒子1120、親和性分子1130、競合分子1170、標識1175、親和性分子1160、および/またはシグナル伝達物質1150から形成されてもよい。例証として、固体粒子1120は、親和性分子1130に結合され、これは、競合分子1170に結合され、これは、標識1175に結合され、これは、親和性分子1160に結合され、これは、シグナル伝達物質1150に結合される。
【0408】
サンプル標的検体1110および競合分子1170は、相互に競合し、固体粒子1120上の親和性分子1130に結合してもよい。固体粒子1120に正常に結合する、競合分子1170およびシグナル伝達物質1150の量は、サンプル中に存在する結合されなかった標的検体1110の量に反比例する。競合結合剤1140のシグナル伝達物質1150が酸化酵素である実施形態では、酸化反応が、特定の基質(例えば、基質リザーバから)が、カートリッジの分析チャネル内のセンサにおける競合分子1140に結合される固体粒子1120にわたって流動する、または別様にそれに遭遇する場合に生じる。電子が、それに応じて、サンプル中に存在する標的検体の量に反比例する量で、センサの作業電極から放出され、酸化酵素によって基質から奪われた電子を補充する。例えば、電気化学読取値(マイクロアンペア)対濃度(ng/mL)を比較する、
図29Aのグラフに示されるように、電気化学読取値が高いほど、サンプル標的検体の濃度は低くなる。電子の放出または流動は、電流をもたらし、これは、回路に結合される電極によって、例えば、電流の変化または電圧の変化として検出可能である。故に、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号が、カートリッジ内のセンサにおいて生成され、さらなる処理のために読取機に伝送されてもよい。
図29Bは、ビタミンD定量化分析のために競合結合分子が事前に結合されないときの電気化学読取値(マイクロアンペア)対濃度(ng/mL)を比較するグラフを示す。
図29Bが図示するように、電気化学読取値は、ビタミンDの濃度との関係を示さない。
【0409】
当業者に容易に明白となるであろうように、1つのタイプの分子、例えば
図28D-28Hでは、1つのサンプル標的検体1110が、図示される反応において存在するように示され得るが、複数のタイプの分子が、存在してもよい。加えて、
図28A-28Hに示される全タイプの分子が、反応中に含まれる必要はない。例えば、
図30A-30Hを参照すると、反応は、
図28A-28Hに類似するが、親和性分子1130''は、固体粒子に結合されず、複数の固体粒子は、必要とされない。
【0410】
ここで
図31A-31Hを参照すると、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するためのプロセスが、説明される。
図31Aに示されるように、複数のサンプル標的検体1210を有する、サンプルが、サンプル収集デバイス1200を用いて収集されてもよい。サンプル収集デバイス1200は、サンプル収集デバイスのいずれかに関して前述の様式で構築されてもよい。サンプル標的検体1210は、本明細書に説明される任意のタイプの検体であってもよい。
【0411】
1つまたはそれを上回る試薬ボールが、収集されたサンプルとの混合のために提供されてもよい。試薬ボールは、カートリッジ内に貯蔵される、例えば、前述のように、カートリッジ内のシャトル内に貯蔵されてもよい。
図31Bを参照すると、試薬ボール1215は、複数の固体粒子1120、複数の親和性分子1230、それぞれシグナル伝達物質1250および親和性分子1260を含み得る、複数の検出剤1240、複数の対照標的1270、および/またはそれぞれ対照シグナル伝達物質1285ならびに対照親和性分子1280を含み得る、複数の対照検出剤1275を含んでもよい。試薬ボール1215は、試薬ボール375、375'、375''、375'''を含む、本明細書に説明される任意の試薬ボールに関して前述の様式で構築され、カートリッジ内で使用されてもよい。
【0412】
複数の固体粒子1220は、本明細書に説明されるような磁気粒子等の磁気応答性材料または金ナノ粒子等の非磁気応答性材料を備えてもよい。複数の固体粒子1220は、前述の磁気粒子に類似してもよい。好ましくは、各固体粒子1220は、本明細書に説明されるように、親和性分子1230に事前に結合される。親和性分子1230は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、サンプル標的検体1210に結合する親和性を有する。シグナル伝達物質1250および親和性分子1260を有する、検出剤1240は、本明細書に説明される個別の作用物質/分子に類似してもよい。例えば、シグナル伝達物質1250は、HRPであってもよく、親和性分子1260は、ストレプトアビジンであってもよい。複数の対照標的1270は、カートリッジのセンサの表面に事前に結合された親和性分子、例えば、センサの正の対照作業電極(例えば、
図7D、7E、7F参照)および/またはセンサの作業電極(例えば、
図7D参照)に事前に結合された親和性分子に結合するように構成されてもよい。対照標的1270は、タンパク質であってもよい。対照親和性分子1280は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、対照標的1270に結合する親和性を有する。対照シグナル伝達物質1285は、シグナル伝達物質1250を含む、本明細書に説明されるシグナル伝達物質に類似してもよい。
【0413】
分子は、単一カートリッジと併用されるように構成される、複数の試薬ボール、または単一カートリッジと併用されるように構成される、1つの試薬ボール内で凍結乾燥されてもよい。分子のタイプは、所望の様式で、またはランダムに、試薬ボール間に分散されてもよい。加えて、あるタイプの分子は、サンプル調製リザーバ内の流体中に貯蔵されてもよい一方、他のタイプは、試薬ボール内に貯蔵される。
【0414】
材料をカプセル化する方法は、当技術分野において公知であるが、本出願人の知る限り、本明細書に説明されるようなデバイス、カートリッジ、またはシステムにおいて使用するための反応試薬をカプセル化するために利用されていない。前述のように、試薬ボールは、磁気粒子、親和性分子、接続分子、シグナル伝達物質、競合結合分子、競合分子、標識、シグナル伝達物質、プライマー、核酸プローブ、および/またはポリメラーゼ、ならびに本明細書にさらに詳細に説明されるような他の酵素または成分のうちの1つもしくはそれを上回るものを含んでもよく、成分、カプセル化材料、および寸法は、相互に同一または異なってもよい。
【0415】
ここで
図31Cを参照すると、複数の固体粒子、複数の親和性分子、複数の検出剤(複数のシグナル伝達物質および複数の親和性分子を有する)、複数の対照標的、および/または複数の対照検出剤(複数の対照シグナル伝達物質および複数の対照親和性分子を有する)が、サンプル調製リザーバ1290内に保持される流体中でサンプル収集デバイス1200を用いて収集されたサンプルと混合されてもよい。サンプルは、サンプル収集デバイス1200の遠位部分上にある間、またはサンプル収集デバイス1200の遠位部分から放出された後(両方とも、前述の通りである)、サンプル調製リザーバ1290の中に導入されてもよい。サンプルは、複数のサンプル標的検体を有してもよい。複数の固体粒子、複数の親和性分子、複数の検出剤(複数のシグナル伝達物質および複数の親和性分子を有する)、複数の対照標的、および/または複数の対照検出剤(複数の対照シグナル伝達物質および複数の対照親和性分子を有する)は、サンプル調製リザーバ1290内の流体中に事前に貯蔵されてもよい、またはそれらの分子の一部もしく全部は、試薬ボール1215等の試薬ボールから流体の中に導入されてもよい。サンプル調製リザーバ1290は、サンプル調製リザーバ317、317'、317''、317'''を含む、本明細書に説明される任意のサンプル調製リザーバと同一様式で構築されてもよい。
【0416】
ここで
図31Dを参照すると、サンプル標的検体1210がさらに、サンプル調製リザーバ1290内に混合されてもよい。必要ではないが、サンプル調製リザーバ1290内の混合は、前述のように、サンプル調製リザーバ1290に隣接して配置される超音波発生器要素の作動によって向上され得る。親和性分子1230(固体粒子1220に事前に結合される)は、サンプル標的検体1210と結合してもよく、検出剤1240は、サンプル標的検体1210に結合してもよい。例えば、親和性分子1260(シグナル伝達物質1250に事前に結合される)は、サンプル標的検体1210に結合してもよい。サンドイッチ錯体は、固体粒子1220、親和性分子1230、標的検体1210、親和性分子1260、および/またはシグナル伝達物質1250から形成されてもよい。例証として、固体粒子1220は、親和性分子1230に結合され、これは、標的検体1210に結合され、これは、親和性分子1260に結合され、これは、シグナル伝達物質1250に結合される。対照検出剤1275は、対照標的1270に結合してもよい。例えば、対照親和性分子1280(シグナル伝達物質1285に事前に結合される)は、対照標的1270に結合してもよい。部分サンドイッチ錯体が、標的制御1270、対照親和性分子1280、および/または対照シグナル伝達物質1285から形成されてもよい。例証として、対照標的1270は、対照親和性分子1280に結合され、これは、対照シグナル伝達物質1285に結合される。
【0417】
ここで
図31Eを参照すると、本明細書に説明されるカートリッジデバイスにおいて使用するためのセンサの表面が、示される。センサ表面1292は、カートリッジ内のセンサ表面1292に事前に結合された複数の親和性分子1294を含んでもよい。表面親和性分子1294は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、対照標的1270に結合する親和性を有する。センサ表面1292は、好ましくは、サンプル調製リザーバから放出された流体および/または基質リザーバから放出された流体への暴露のために、カートリッジの分析チャネル内に位置付けられる。
図31Eは、リザーバからの流体への暴露に先立ったセンサ表面1292を示す。センサ表面1292は、センサ338、338'、338''、338'''、338''''を含む、前述のセンサのいずれか上で使用されてもよい。センサ表面1292は、作業電極340''等のセンサの作業電極のために使用されてもよい、および/または正の対照作業電極376、376'、376''等のセンサの正の対照作業電極のために使用されてもよい。
【0418】
ここで
図31Fを参照すると、本明細書に説明されるカートリッジデバイスにおいて使用するためのセンサの別の表面が、示される。センサ表面1296は、付加的安定性のために、チオール化エチレングリコールおよび/またはヘキサエチレングリコールジチオール等のジチオール等の自己組織化単分子膜を有してもよい。センサ表面1296は、好ましくは、サンプル調製リザーバから放出された流体および/または基質リザーバから放出された流体への暴露のために、カートリッジの分析チャネル内に位置付けられる。
図31Fは、リザーバからの流体への暴露に先立ったセンサ表面1296を示す。センサ表面1296は、センサ338、338'、338''、338'''、338''''を含む、前述のセンサのいずれか上で使用されてもよい。センサ表面1296は、作業電極340、340'、340'''、340''''等のセンサの作業電極のために使用されてもよい。センサ表面1296は、例えば、カートリッジが読取機内に挿入されると、磁場発生器1298からの磁場に暴露されるように構成される。例えば、磁場発生器1298は、前述の読取機400の第1の磁気発生器406および第2の磁気発生器407に類似してもよい。
【0419】
ここで
図31Gを参照すると、例えば、サンプル調製リザーバから分析チャネルの中に流動する流体からの試薬への暴露後のセンサ表面1292が、示される。
図31Gに示されるように、対照分子の部分サンドイッチ錯体は、表面親和性分子1294に結合し、サンドイッチ錯体を完成してもよい。例えば、表面親和性分子1294は、対照標的1270に結合してもよく、これは、対照親和性分子1280に結合され、これは、対照シグナル伝達物質1285に結合される。化学反応が、センサがセンサにわたる化学反応から生じる電気信号を検出し得るように、サンドイッチ錯体が、例えば、基質リザーバからの基質に暴露されると生じ得る。例えば、サンプル調製リザーバからの混合された流体が、対照シグナル伝達物質1285が、事前に結合された表面親和性分子1294と結合することによって、センサ表面1292にわたって局在化するサンプル調製リザーバからの混合された流体からの対照標的1270に直接または間接的に結合されるように、分析チャネルの中に導入されてもよい。化学反応が、基質リザーバからの流体が、センサにわたって局在化されたサンプル調製リザーバからの混合された流体からの粒子と反応するときに生じ得る。例えば、基質を有する、基質溶液が、基質リザーバから導入されてもよく、センサ表面1292を有するセンサは、基質(例えば、TMB、OPD)とセンサにわたって局在化されたシグナル伝達物質(例えば、HRP、SBP)との間の反応から生じる電気信号を検出してもよい。反応は、電子をシグナル伝達物質によって基質から奪わせ(電子は、基質溶液の受容体分子に供与され得る)それによって、センサによって検出可能な電気信号を生成し得る。センサ表面1292が作業電極上にある場合、そのような検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。センサ表面1292が正の対照作業電極上にある場合、そのような検出された電気信号は、エラー検出のために使用されてもよい。例えば、検出された電気信号のパラメータ、例えば、電圧、電流が、所定の範囲内にない場合、エラーが存在し得、試験が、否認されてもよい。パラメータが所定の範囲内にある場合、センサの作業電極によって検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。正の対照作業電極および/または作業電極からの信号は、例えば、カートリッジデバイス300および読取機デバイス400の個別の電気コネクタを介して、読取機デバイス400に伝送されてもよい。
【0420】
ここで
図31Hを参照すると、例えば、サンプル調製リザーバから分析チャネルの中に流動する流体からの試薬への暴露後のセンサ表面1296が、示される。センサ表面1296およびセンサ表面1292は、実質的に同時に、例えば、センサ表面1296が、作業電極340'''または作業電極340''''に対応し、センサ表面1292が、センサ338'''の正の対照作業電極376'、またはセンサ338''''の正の対照作業電極376''に対応するとき、サンプル調製リザーバ流体に暴露されてもよいことを理解されたい。同様に、センサ表面1296およびセンサ表面1292は、実質的に同時に、基質リザーバ流体に暴露され、それによって、実質的に同時に、基質と試薬(例えば、シグナル伝達物質)との間に生じさせてもよい。化学反応が、センサがセンサにわたる化学反応から生じる電気信号を検出し得るように、サンドイッチ錯体が、例えば、基質リザーバからの基質に暴露されるときに生じ得る。例えば、サンプル調製リザーバからの混合された流体は、シグナル伝達物質が、シグナル伝達物質1250に直接または間接的に結合される固体粒子1220を保持する磁場発生器1298からの磁場に応答して、センサ表面1296にわたって局在化するサンプル調製リザーバからの混合された流体からの標的検体に直接または間接的に結合されるように、分析チャネルの中に導入されてもよい。化学反応が、基質リザーバからの流体がセンサにわたって局在化されたサンプル調製リザーバからの混合された流体からの粒子と反応するときに生じ得る。例えば、基質を有する基質溶液が、基質リザーバから導入されてもよく、センサ表面1296を有するセンサが、基質(例えば、TMB、OPD)とセンサにわたって局在化されたシグナル伝達物質(例えば、HRP、SBP)との間の反応から生じる電気信号を検出してもよい。反応は、電子をシグナル伝達物質によって基質から奪わせ(電子は、基質溶液中の受容体分子に供与され得る)、それによって、センサによって検出可能な電気信号を生成し得る。センサ表面1296が作業電極上にある場合、そのような検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。作業電極からの信号は、例えば、カートリッジデバイス300および読取機デバイス400の個別の電気コネクタを介して、読取機デバイス400に伝送されてもよい。
【0421】
当業者に容易に明白となるであろうように、1つのタイプの分子、例えば、
図31Cおよび31Dでは1つのサンプル標的検体1210が、図示される反応において存在するように示され得るが、複数のタイプの分子は、存在してもよい。加えて、
図31A-31Hに示される全タイプの分子が、反応中に含まれる必要はない。
【0422】
ここで
図32A-32Iを参照すると、カートリッジ内のサンプル中の標的検体の存在、非存在、および/または量を検出するためのプロセスが、概して、説明される。プロセスは、
図32Dに一般に示されるように、等温増幅等の増幅を伴ってもよい。本明細書で使用されるように、用語「等温増幅」は、核酸、例えば、DNAまたはRNAを増幅させる方法を指し、温度は、一定のままである。一側面では、反応システムは、温度差を有する外部源と接触するが、温度変化が、該当する場合、システムが温度を持続的に調節することを可能にするために十分にゆっくりと生じる。等温増幅の非限定的実施例は、ローリングサークル増幅(RCA)、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)、ポリメラーゼ渦巻反応(PSR)、およびニッキング酵素増幅反応(NEAR)を含む。これらおよびさらなる非限定的例示的方法は、Zhao et al.(2015)Chem. Rev.115(22):12491-12545、Dong et al.(2015)Scientific Reports 5:12723、およびYan et al.(2014)Mol. BioSyst.10:970-1003に開示されている。
【0423】
選択された等温増幅法に応じて、試薬ボールは、1つまたはそれを上回る増幅酵素、例えば、逆転写酵素、エンドヌクレアーゼ(例えば、ニッキングエンドヌクレアーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、フラップエンドヌクレアーゼ、またはエンドヌクレアーゼIII)、ポリメラーゼ(例えば、鎖置換ポリメラーゼ)、方法特異的プライマーまたはプローブ(例えば、パドロックプローブ、連結プローブ、またはLAMPプライマー)、ヘリカーゼ、リコンビナーゼ、および/または1本鎖DNA結合タンパク質を含んでもよい。等温増幅の各方法を実施するために要求される試薬の必要な組み合わせは、当業者によって理解される。等温増幅の種々の方法を行うために要求される試薬の非限定的例示的組み合わせは、中国特許出願第104232622号、米国特許第5,223,414号、米国特許第6,410,278号、米国特許第5,455,166号、米国特許第5,470,723号、米国特許第5,714,320号、米国特許第6,235,502号、および米国特許第7,282,328号に説明されている。
【0424】
本明細書で使用されるように、用語「dNTP」は、DNAのための構築ブロックである、ヌクレオチドを意図する。それらは、主に、(d)ATP、(d)GTP、(d)CTP、(d)TTP、および(d)UTPを含み、核酸増幅反応のために必要である。
【0425】
RT特異的プライマーは、標的領域を含有するRNA分子とハイブリダイズするように設計され、逆転写酵素がプライマーの3’末端からcDNA鎖を重合させることを可能にする、典型的には、非標識のプライマーを意図する。cDNA鎖は、次いで、等温増幅のための鋳型として使用されるであろう。RT特異的プライマーは、続いて標的RNAの逆転写が続く等温増幅反応内でDNAの増幅のために最適化されたプライマーと異なる、設計特性を有してもよい。本出願人は、RT特異的プライマーの使用が増幅効率を増加させるであろうと判定した。
【0426】
図32Aに示されるように、複数のサンプル標的検体1310および/または1312を有するサンプルが、サンプル収集デバイス1300を用いて収集されてもよい。サンプル収集デバイス1300は、サンプル収集デバイスのいずれかに関して前述の様式で構築されてもよい。サンプル標的検体1310は、本明細書に説明される任意のタイプの検体であってもよく、例証として、RNAである。サンプル標的検体1312は、本明細書に説明される任意のタイプの検体であってもよく、例証として、DNAである。サンプル標的検体1310および/または1312は、標的領域の上流ならびに下流配列領域を含有し得るが、少なくとも増幅および検出されるべき標的領域を含有すると理解されたい。サンプル標的検体1310および/または1312は、細胞、微生物、もしくはウイルスとともに含有され得る、または細胞がない可能性もある。サンプル調製リザーバおよび/または試薬ボールは、標的検体を細胞、微生物、またはウイルスから遊離させるための溶解剤を含んでもよい。
【0427】
1つまたはそれを上回る試薬ボールが、収集されたサンプルとの混合のために提供されてもよい。試薬ボールは、カートリッジ内に貯蔵される、例えば、前述のように、カートリッジ内のシャトル内に貯蔵されてもよい。
図32Bを参照すると、試薬ボール1315は、複数の固体粒子1320、複数の親和性分子1322、それぞれシグナル伝達物質1326および親和性分子1328を含み得る、複数の検出剤1324、複数の対照標的1330、それぞれ対照シグナル伝達物質1334および対照親和性分子1336を含み得る、複数の対照検出剤1332、プライマー1340に事前に共役された複数の固体粒子1338(例えば、プライマー1340に事前に結合されたスペーサ1346に事前に結合された捕捉要素1344に事前に結合された親和性分子1342を介して、または直接共有結合を通して)、それぞれシグナル伝達物質1350および親和性分子1352を含み得る、複数の検出剤1348、例えば、それぞれ随意にスペーサ1358を介して、それぞれシグナル伝達物質1356に事前に結合され得る、複数の内部対照リバースプライマー1354、例えば、スペーサ1364を介して、それぞれ標識1362に事前に結合され得る、複数のリバースプライマー1360、例えば、スペーサ1370を介して、それぞれ捕捉要素1368に事前に結合され得る、複数の内部対照フォワードプライマー1366、複数のポリメラーゼ1372、複数の逆転写酵素(RT)1374、複数のdNTPs1376、複数のRT特異的プライマー1378、複数のRNA鋳型対照1380、複数のDNA鋳型対照1382、例えば、スペーサ1388を介して、それぞれシグナル伝達物質1386に事前に結合され得る、複数のリバースプライマー1384、例えば、スペーサ1394を介して、それぞれ捕捉要素1392に事前に結合され得る、複数のフォワードプライマー1390、および/または例えば、内部対照スペーサ1400を介して、それぞれ内部対照標識1394に事前に結合され得る、複数の内部対照リバースプライマー1396を含んでもよい。試薬ボール1315は、試薬ボール375、375'、375''、375'''を含む、本明細書に説明される任意の試薬ボールに関して前述の様式で構築され、カートリッジ内で使用されてもよい。
【0428】
複数の固体粒子1320は、本明細書に説明されるような磁気粒子等の磁気応答性材料または金ナノ粒子等の非磁気応答性材料を備えてもよい。複数の固体粒子1320は、前述の磁気粒子に類似してもよい。好ましくは、各固体粒子1320は、本明細書に説明されるように、親和性分子1322に事前に結合される。親和性分子1322は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、サンプル標的検体に結合する親和性を有する。検出剤1324を有する、シグナル伝達物質1326および親和性分子1328は、本明細書に説明される個別の作用物質/分子に類似してもよい。例えば、シグナル伝達物質1326は、HRPであってもよく、親和性分子1328は、ストレプトアビジンであってもよい。複数の対照標的1330は、カートリッジのセンサの表面に事前に結合された親和性分子、例えば、センサの正の対照作業電極(例えば、
図7D、7E、7F参照)および/またはセンサの作業電極(例えば、
図7D参照)に事前に結合された親和性分子に結合するように構成されてもよい。対照標的1330は、タンパク質であってもよい。対照親和性分子1336は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、対照標的1330に結合する親和性を有する。対照シグナル伝達物質1334は、シグナル伝達物質1326を含む、本明細書に説明されるシグナル伝達物質に類似してもよい。複数の固体粒子1338は、本明細書に説明されるような磁気粒子等の磁気応答性材料または金ナノ粒子等の非磁気応答性材料を備えてもよい。複数の固体粒子1338は、前述の磁気粒子に類似してもよい。好ましくは、各固体粒子1338は、本明細書に説明されるように、親和性分子1342に事前に結合される。親和性分子1342は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、捕捉要素1344に結合する親和性を有する。例えば、親和性分子1342は、捕捉要素1344に事前に結合されてもよい。捕捉要素1344は、スペーサ1346と、プライマー1340とを含有する。シグナル伝達物質1350および親和性分子1352を有する、検出剤1348は、本明細書に説明される個別の作用物質/分子に類似してもよい。例えば、シグナル伝達物質1350は、HRPであってもよく、親和性分子1352は、ストレプトアビジンであってもよい。親和性分子1352は、標識1362および/または内部対照標識1398等の標識に結合する親和性を有してもよい。内部対照リバースプライマー1354は、カートリッジのセンサの表面に事前に結合された親和性分子、例えば、センサの正の対照作業電極(例えば、
図7D、7E、7F参照)および/またはセンサの作業電極(例えば、
図7D参照)に事前に結合された親和性分子に結合するように構成されてもよい。内部対照リバースプライマー1354は、内部対照フォワードプライマー1366に結合される(例えば、スペーサ1370を介して)捕捉要素1368を介して、センサの表面に事前に結合された親和性分子に結合してもよい。シグナル伝達物質1356は、HRP等の本明細書に説明される任意のシグナル伝達物質であってもよい。リバースプライマー1360は、標的検体に結合し、直接または間接的に、固体粒子に結合し、例えば、センサの作業電極における磁場を介して、カートリッジのセンサの表面に局在化するように構成されてもよい。標識1362は、ビオチン等の任意のタイプの標識であって、親和性分子、例えば、シグナル伝達物質1350に結合される親和性分子1352と結合するように構成されてもよい。内部対照フォワードプライマー1366は、例えば、捕捉要素1368を介して、カートリッジのセンサの表面に事前に結合された親和性分子、例えば、センサの正の対照作業電極(例えば、
図7D、7E、7F参照)および/またはセンサの作業電極(例えば、
図7D参照)に事前に結合された親和性分子に結合するように構成されてもよい。複数のポリメラーゼ1372、複数の逆転写酵素(RT)1374、複数のdNTP1376、複数のRT特異的プライマー1378、複数のRNA鋳型対照1380、および/または複数のDNA鋳型対照1382が、例えば、等温増幅を介して、核酸、例えば、RNAおよび/またはDNAを増幅させるために使用されてもよい。複数のRNA鋳型対照1380、および/または複数のDNA鋳型対照1382は、細胞、微生物、もしくはウイルスとともに含有されてもよい、または浮動性である可能性がある。サンプル調製リザーバおよび/または試薬ボールは、鋳型対照を細胞、微生物、またはウイルスを遊離させるための溶解剤を含んでもよい。リバースプライマー1384は、標的検体に結合し、直接または間接的に、固体粒子に結合し、例えば、センサの作業電極における磁場を介して、カートリッジのセンサの表面に局在化するように構成されてもよい。シグナル伝達物質1386は、HRP等の本明細書に説明される任意のシグナル伝達物質であってもよい。フォワードプライマー1390は、標的検体に結合し、直接または間接的に、固体粒子に結合し、例えば、センサの作業電極における磁場を介して、例えば、捕捉要素1392を介して、カートリッジのセンサの表面に局在化するように構成されてもよい。内部対照リバースプライマー1396は、カートリッジのセンサの表面に事前に結合された親和性分子、例えば、センサの正の対照作業電極(例えば、
図7D、7E、7F参照)および/またはセンサの作業電極(例えば、
図7D参照)に事前に結合された親和性分子に結合するように構成されてもよい。内部対照リバースプライマー1396は、内部対照フォワードプライマー1366に結合される(例えば、スペーサ1370を介して)捕捉要素1368を介して、センサの表面に事前に結合された親和性分子に結合してもよい。標識1398は、ビオチン等の任意のタイプの標識であってもよく、親和性分子、例えば、シグナル伝達物質1350に結合される親和性分子135と結合するように構成されてもよい。
【0429】
分子は、単一カートリッジと併用されるように構成される、複数の試薬ボール、または単一カートリッジと併用されるように構成される、1つの試薬ボール内で凍結乾燥されてもよい。分子のタイプは、所望の様式で、またはランダムに、試薬ボール間に分散されてもよい。加えて、あるタイプの分子は、サンプル調製リザーバ内の流体中に貯蔵されてもよい一方、他のタイプは、試薬ボール内に貯蔵される。
【0430】
ここで
図32Cを参照すると、試薬ボール1315に示される粒子のタイプの任意の組み合わせが、サンプル調製リザーバ1290内に保持される流体中でサンプル収集デバイス1200を用いて収集されたサンプルと混合されてもよい。サンプルは、サンプル収集デバイス1300の遠位部分上にある間、またはサンプル収集デバイス1300の遠位部分から放出された後(両方とも、前述の通りである)、サンプル調製リザーバ1410の中に導入されてもよい。サンプルは、複数のサンプル標的検体を有してもよい。試薬ボール1315に示される粒子のタイプは、サンプル調製リザーバ1410内の流体中に事前に貯蔵されてもよい、またはそれらの分子の一部もしく全部は、試薬ボール1315等の試薬ボールから流体の中に導入されてもよい。サンプル調製リザーバ1410は、サンプル調製リザーバ317、317'、317''、317'''を含む、本明細書に説明される任意のサンプル調製リザーバと同一様式で構築されてもよい。
【0431】
サンプル標的検体1310および/または1312がさらに、サンプル調製リザーバ1410内に混合されてもよい。必要ではないが、サンプル調製リザーバ1410内の混合は、前述のように、サンプル調製リザーバ1410に隣接して配置される超音波発生器要素の作動によって向上され得る。サンプル調製リザーバ1410内の混合は、サンプルと、随意に、試薬ボールとを含む、サンプル調製リザーバ内の流体の混合物中で核酸、例えば、DNAおよび/またはRNAを増幅させてもよい。サンプル標的検体は、標的核酸、例えば、インフルエンザもしくはHIV感染症の検出および/または診断のためのRNAならびにDNAウイルスもしくは細菌のためのDNAまたは細菌のための16srRNAの検出のためのRNAであってもよい。増幅は、結合されたプライマー(フォワードまたはリバース)の3’末端において開始するポリメラーゼの作用によって生じ、ポリメラーゼは、標的核酸を備える鋳型鎖に沿って移動し、ヌクレオチド(dNTP)を組み込み、相補鎖を合成する。プライマーは、標識末端を有し得るため、これらの標識末端は、結果として生じるアンプリコンの中に組み込まれる。捕捉要素が標識末端である場合、これは、アンプリコンが固体粒子に結合された親和性分子またはセンサ表面上に事前に結合された表面親和性分子に結合することを可能にする一方、アンプリコンの他端上のシグナル伝達物質は、直接または間接的に、シグナル伝達物質に共役されることができる。本明細書で使用されるように、「共役された」とは、共有または非共有結合、例えば、ビオチン-ストレプトアビジン結合錯体を意図する。また、これらの結合事象は、増幅と同時に発生することができる。さらなる側面では、別個の増幅反応は、同時に生じており、ウイルス粒子、細菌、他の微生物、および細胞の溶解も、生じ、細胞内容物、例えば、核酸を遊離させてもよい。標識プライマーに加え、少なくとも同一標的領域、可能性として、標的配列に隣接する一部の配列も増幅させるように設計される、非標識プライマーが、標識プライマーと同時に増幅反応を促進するために提供されてもよい。非標識プライマーの存在は、標識プライマーが、他の要素、例えば、固体粒子またはシグナル伝達物質に結合するように、立体的に障害され得るため、増幅をより効率的にすることができる。
【0432】
増幅における相補鎖の本重合は、限定ではないが、大腸菌からのSSB等の当業者に公知の1本鎖結合タンパク質の存在によって促進されることができる。鎖置換ポリメラーゼは、相補鎖の合成に先立って2本鎖を熱的に変性させずに、相補鎖の重合が生じることを可能にするために使用されることができる。プライマーは、標識末端を有し得るため、これらの標識末端は、結果として生じるアンプリコンの中に組み込まれる。捕捉要素が標識末端である場合、これは、アンプリコンが固体粒子に結合された親和性分子またはセンサ表面上に事前に結合された表面親和性分子に結合することを可能にする一方、アンプリコンの他端上のシグナル伝達物質は、直接または間接的に、シグナル伝達物質に共役されることができる。本明細書で使用されるように、「共役された」とは、共有または非共有結合、例えば、ビオチン-ストレプトアビジン結合錯体を意図する。また、これらの結合事象は、増幅と同時に発生することができる。
【0433】
増幅は、等温増幅等の等温反応であってもよい。
図32Dは、核酸の等温増幅のための例示的プロセスを示す。サンプル調製リザーバ1410内の核酸の増幅は、
図32Eに示されるように、アンプリコンを生成する。サンプル調製リザーバの内容物を混合するための超音波要素の作動は、増幅を助長し得る。アンプリコンは、捕捉標識およびシグナル伝達標識を備える、標識アンプリコン錯体1422、または標識アンプリコン錯体1434である、サンドイッチ錯体を形成し得る。例えば、フォワードプライマーおよびリバースプライマーアンプリコンは、混合の結果、シグナル伝達物質に結合される、および/または固体粒子に結合され得る。アンプリコン錯体1422および1434はそれぞれ、錯体のシグナル伝達物質が基質溶液からの基質と反応し得るように、センサ内の作業電極にわたって磁気的に保持されるように構成される、固体粒子を含んでもよい。アンプリコンは、非標識部分アンプリコン錯体1420または標識部分アンプリコン錯体1426であり得る、部分サンドイッチ錯体を形成してもよい。例えば、内部対照フォワードプライマーおよび内部対照リバースプライマーアンプリコンは、混合の結果、シグナル伝達物質に結合され得る。部分アンプリコン錯体1420および1426は、センサの電極(例えば、作業電極および/または正の対照作業電極)にわたって事前に結合された表面親和性分子に結合するように構成されてもよい。
【0434】
事前に共役されたプライマー(共有またはビオチン-ストレプトアビジン等の結合のいずれかを通して)が、使用されてもよく、フォワードまたはリバースのいずれかが、粒子に共役され、他側(リバースが粒子に共役された場合フォワードおよびフォワードが粒子に共役された場合リバース)は、直接または間接的のいずれかにおいて、シグナル伝達物質に共役され、反応がより効率的に生じることを促進する、非標識および非共役プライマーの集団が存在してもよい。
【0435】
ここで
図32Fを参照すると、本明細書に説明されるカートリッジデバイスにおいて使用するためのセンサの表面が、示される。センサ表面1412は、カートリッジ内のセンサ表面1412に事前に結合された複数の親和性分子1414を含んでもよい。表面親和性分子1414は、本明細書に説明される任意の親和性分子であってもよく、好ましくは、部分アンプリコン錯体に結合する親和性を有する。例えば、表面親和性分子1414は、内部対照フォワードプライマーに結合される内部対照捕捉要素およびシグナル伝達物質に結合される内部対照リバースプライマーアンプリコンに結合する親和性を有してもよい。内部対照リバースプライマーアンプリコンは、例えば、スペーサを介して、シグナル伝達物質に結合されてもよい、または、例えば、シグナル伝達物質に結合される親和性分子に結合される、スペーサを介して、標識に結合されてもよい。センサ表面1412は、好ましくは、サンプル調製リザーバから放出された流体および/または基質リザーバから放出された流体への暴露のために、カートリッジの分析チャネル内に位置付けられる。
図32Fは、リザーバからの流体への暴露に先立ったセンサ表面1412を示す。センサ表面1412は、センサ338、338'、338''、338'''、338''''を含む、前述のセンサのいずれか上で使用されてもよい。センサ表面1412は、作業電極340''等のセンサの作業電極のために使用されてもよい、および/または正の対照作業電極376、376'、376''等のセンサの正の対照作業電極のために使用されてもよい。
【0436】
ここで
図32Gを参照すると、本明細書に説明されるカートリッジデバイスにおいて使用するためのセンサの別の表面が、示される。センサ表面1416は、付加的安定性のために、チオール化エチレングリコールおよび/またはヘキサエチレングリコールジチオール等のジチオール等の自己組織化単分子膜を有してもよい。センサ表面1416は、好ましくは、サンプル調製リザーバから放出された流体および/または基質リザーバから放出された流体への暴露のためにカートリッジの分析チャネル内に位置付けられる。
図32Gは、リザーバからの流体の暴露に先立ったセンサ表面1416を示す。センサ表面1416は、センサ338、338'、338''、338'''、338''''を含む、前述のセンサのいずれか上で使用されてもよい。センサ表面1416は、作業電極340、340'、340'''、340''''等のセンサの作業電極のために使用されてもよい。センサ表面1416は、例えば、カートリッジが読取機内に挿入されると、磁場発生器1418からの磁場に暴露されるように構成される。例えば、磁場発生器1418は、前述の読取機400の第1の磁気発生器406および第2の磁気発生器407に類似してもよい。
【0437】
ここで
図32Hを参照すると、例えば、サンプル調製リザーバから分析チャネルの中に流動する流体からの試薬への暴露後のセンサ表面1414が、示される。
図32Hに示されるように、対照アンプリコン分子の部分アンプリコン錯体1420は、表面親和性分子1414に結合し、アンプリコン錯体を完成させてもよい。例えば、表面親和性分子1414は、
図32Hに示されるように、内部対照フォワードプライマーアンプリコンに結合される内部対照捕捉要素およびシグナル伝達物質に結合される内部対照リバースプライマーアンプリコンに結合してもよい。化学反応が、センサがセンサにわたる化学反応から生じる電気信号を検出し得るように、アンプリコン錯体が、例えば、基質リザーバからの基質に暴露されると生じ得る。例えば、サンプル調製リザーバからの混合された流体は、例えば、捕捉要素を介して、事前に結合された表面親和性分子1414と結合することによって、サンプル調製リザーバからの混合された流体からのアンプリコンプライマーに直接または間接的に結合されたシグナル伝達物質が、センサ表面1412にわたって局在化するように、分析チャネルの中に導入されてもよい。化学反応が、基質リザーバからの流体がセンサにわたって局在化されたサンプル調製リザーバからの混合された流体からの粒子と反応するときに生じ得る。例えば、基質を有する基質溶液が、基質リザーバから導入されてもよく、センサ表面1412を有するセンサが、基質(例えば、TMB、OPD)とセンサにわたって局在化されたシグナル伝達物質(例えば、HRP、SBP)との間の反応から生じる電気信号を検出してもよい。反応は、電子をシグナル伝達物質によって基質から奪わせ(電子は、基質溶液からの受容体分子に供与され得る)、それによって、センサによって検出可能な電気信号を生成し得る。センサ表面1412が、作業電極上にある場合、そのような検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。センサ表面1412が正の対照作業電極上にある場合、そのような検出された電気信号は、エラー検出のために使用されてもよい。例えば、検出された電気信号のパラメータ、例えば、電圧、電流が所定の範囲内にない場合、エラーが存在し得、試験は、否認されてもよい。パラメーが所定の範囲内にある場合、センサの作業電極によって検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。正の対照作業電極および/または作業電極からの信号は、例えば、カートリッジデバイス300および読取機デバイス400の個別の電気コネクタを介して、読取機デバイス400に伝送されてもよい。
【0438】
ここで
図32Iを参照すると、例えば、サンプル調製リザーバから分析チャネルの中に流動する流体からの試薬への暴露後のセンサ表面1416が、示される。センサ表面1416およびセンサ表面1412またはセンサ表面1424は、実質的に同時に、例えば、センサ表面1416が、作業電極340'''または作業電極340''''に対応し、センサ表面1412は、センサ338'''の正の対照作業電極376'またはセンサ338''''の正の対照作業電極376''に対応するとき、サンプル調製リザーバ流体に暴露されてもよいことを理解されたい。同様に、センサ表面1416およびセンサ表面1412またはセンサ表面1424は、実質的に同時に、基質リザーバ流体に暴露され、それによって、基質と試薬(例えば、シグナル伝達物質)との間の反応を実質的に同時に生じさせてもよい。
【0439】
図32Iに示されるように、標的アンプリコン分子のアンプリコン錯体1422は、センサ表面1416にわたって局在化し得る。標的アンプリコン錯体1422は、信号作用物質に結合される標的アンプリコンプライマーに結合される固体粒子から形成されてもよい。例えば、固体粒子は、
図32Iに示されるように、標的フォワードプライマーアンプリコンに結合される捕捉要素およびシグナル伝達物質に結合される標的リバースプライマーアンプリコンに結合される親和性分子に結合されてもよい。化学反応が、センサがセンサにわたる化学反応から生じる電気信号を検出し得るように、標的アンプリコン錯体が、例えば、基質リザーバからの基質に暴露されるときに生じ得る。例えば、サンプル調製リザーバからの混合された流体は、サンプル調製リザーバからの混合された流体からの標的アンプリコンに直接または間接的に結合されるシグナル伝達物質が、シグナル伝達物質に直接または間接的に結合される固体粒子を保持する磁場発生器1418からの磁場に応答して、センサ表面1416にわたって局在化するように分析チャネルの中に導入されてもよい。化学反応が、基質リザーバからの流体がセンサにわたって局在化されたサンプル調製リザーバからの混合された流体からの粒子と反応するときに生じ得る。例えば、基質を有する基質溶液が、基質リザーバから導入されてもよく、センサセンサ表面1416が、基質(例えば、TMB、OPD)とセンサにわたって局在化されたシグナル伝達物質(例えば、HRP、SBP)との間の反応から生じる電気信号を検出してもよい。反応は、電子をシグナル伝達物質によって基質から奪わせ(電子は、基質溶液からの受容体分子に供与され得る)、それによって、センサによって検出可能な電気信号を生成し得る。センサ表面1416が作業電極上にある場合、そのような検出された電気信号は、サンプル中の1つまたはそれを上回る検体の存在、非存在、および/または量を示す信号を生成するために使用されてもよい。作業電極からの信号は、例えば、カートリッジデバイス300および読取機デバイス400の個別の電気コネクタを介して、読取機デバイス400に伝送されてもよい。
【0440】
ここで
図32Jを参照すると、センサ表面1424は、
図32Hのセンサ表面1412に類似し、対照アンプリコン錯体は、
図32Hの対照アンプリコン錯体に類似するが、対照アンプリコン錯体1426は、内部対照リバースプライマーアンプリコンに結合される標識を含み、これは、シグナル伝達物質に結合される親和性分子に結合される。例えば、表面親和性分子1428は、
図32Jに示されるように、内部対照フォワードプライマーアンプリコンに結合される内部対照捕捉要素およびシグナル伝達物質に結合される親和性分子に結合される標識に結合される内部対照リバースプライマーアンプリコンに結合してもよい。反応および信号処理は、
図32Hに関して前述のように生じてもよい。
【0441】
ここで
図32Kを参照すると、センサ表面1430は、センサ表面1416に類似し、磁場発生器1432は、
図32Iの磁場発生器1418に類似し、標的アンプリコン錯体は、
図32Iの標的アンプリコン錯体に類似するが、標的アンプリコン錯体1434は、標的リバースプライマーアンプリコンに結合される標識を含み、これは、シグナル伝達物質に結合される親和性分子に結合される。例えば、固体粒子は、
図32Kに示されるように、標的フォワードプライマーアンプリコンに結合される捕捉要素に結合される親和性分子およびシグナル伝達物質に結合される親和性分子に結合される標識に結合される標的リバースプライマーアンプリコンに結合されてもよい。反応および信号処理は、
図32Iに関して前述のように生じてもよい。
【0442】
当業者に容易に明白となるであろうように、1つのタイプの分子、例えば、
図32Bでは、1つの固体粒子1320が、図示される反応において存在するように示され得るが、複数のタイプの分子は、存在してもよい。加えて、
図32A-32Kに示される全タイプの分子が、反応中に含まれる必要はない。
【0443】
サンプル試薬は、磁気粒子の1つのみの集団と、検出剤または競合結合剤の1つのみの集団とを含んでもよい。そのような実施形態は、単一着目標的検体の検出のために調整されてもよい。
【0444】
他の実施形態では、磁気粒子および検出剤ならびに/または競合結合剤の複数の集団および/または明確に異なる親和性分子の複数の集団が、提供され、各集団は、その独自の親和性を有するように構築される。例えば、磁気粒子の各集団は、その表面に結合される一意の親和性分子を有し、磁気粒子の各集団は、それによって、異なる標的検体と結合するように設計される。同様に、検出剤の各集団は、一意の親和性分子を含み、それによって、異なる標的検体と結合するように設計される。多重化スキームが、第1のサイズの磁気粒子が第1の作業電極により磁気的に応答し、第2のサイズの磁気粒子が第2の作業電極により磁気的に応答する等となるように使用されてもよい(第3、第4、第5の等のサイズおよび作業電極が、使用されてもよい)。代替として、または加えて、異なる表面結合スキームが、第1の標的検体集団を対象とする第1の親和性分子のセットが電気化学セルの第1の作業電極の表面に不動態化され、第2の標的検体集団を対象とする第2の親和性分子のセットが第2の作業電極の表面に不動態化される等となるように、異なる作業電極のために使用されてもよい(第3、第4、第5の等の親和性および作業電極が、使用されてもよい)。このように、個別の標的検体集団は、個別の親和性分子(およびシグナル伝達物質)に結合し、個別の作業電極の表面上の表面結合親和性分子に結合する。故に、複数の親和性分子およびアドレス指定可能作業電極のセットが、多重化スキームを実行するために使用されてもよい。前述のように、一意の磁気特性および/またはそこに結合される一意の親和性分子を有する、磁気粒子の1つまたはそれを上回る集団が、1つまたはそれを上回る異なる表面結合スキームで多重化されてもよい。例えば、
図31A-31Hのプロセスは、同一または異なるサンプル調製リザーバおよび同一または異なるセンサを使用して、同一カートリッジ内で、
図32A-32Kのプロセスと実質的に同時に生じてもよい。競合結合アプローチを採用する実施形態では、競合結合剤の各集団は、異なる事前に結合された標的検体を含んでもよく、それによって、異なる標的検体と競合するように設計される。そのような実施形態は、複数の食品媒介病原、複数の汚染物質、および複数の病気の検出を含む、複数の標的検体の検出を可能にする。
【0445】
当業者は、磁気粒子結合錯体を形成するための可能性が多数であって、全てのそのような可能性が本明細書で検討されることを理解されるであろう。例えば、サンプル調製試薬は、標的検体の一部に結合する、ビオチン-標識抗体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、サンプル調製試薬間に存在する抗体および/または核酸は、ストレプトアビジン共役されたシグナル伝達酵素が、ビオチン化された検出剤と競合し、錯体を形成し得るように、事前にビオチン化されてもよい。1つのそのようなストレプトアビジン共役されたシグナル伝達酵素は、HRPである。タグ付け組み合わせは、ビオチン-ストレプトアビジンに限定されない。任意の好適なタグ付けスキームが、作用するであろう。別の実施例では、複数のHRP酵素が、得られたサンドイッチ錯体のシグナル生成能力を向上させるために、一般に、Poly-HRP分子として知られる分子にともに共役される。
【0446】
磁気粒子結合錯体を形成する成分に加え、種々の実施形態のサンプル調製試薬は、(a)塩等の磁気粒子結合錯体の形成を促進する作用物質、(b)細菌もしくはウイルスの溶解または大分子もしくはヌクレオチドの切断のための界面活性剤および酵素等の標的検体へのアクセスならびに特異性を促進する作用物質、(c)非特異的結合を減少させるブロッキングタンパク質、(d)サンプル調製試薬の保存期間を改良し得る、例えば、トレハロース等の安定化剤のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0447】
サンプル調製試薬に関して、塩は、結合の可能性を向上させるために必要であり得る。例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)が、サンプル調製リザーバ内に保持される流体であってもよい。電気化学検出に干渉しない任意の塩が、試薬内に提供されてもよい。
【0448】
周知のウシ血清アルブミン、カゼイン、フィブリノゲン、または他のブロッキングタンパク質等のブロッキングタンパク質が、サンプル調製試薬間に存在する抗体、酵素、および/または他のタンパク質を安定化させることに役立つために提供されてもよい。そのようなブロッキングタンパク質はまた、シグナル伝達酵素と磁気粒子ならびに本明細書のいずれかに説明されるシステムおよびデバイスの壁との非特異的結合を防止することに役立ち得る。
【0449】
加えて、着目分子または核酸にアクセスするために溶解を要求する実施形態に関して、界面活性剤が、採用されてもよい。種々の実施形態では、イオン性界面活性剤ではなく、非イオン性界面活性剤が、シグナル伝達酵素および/または抗体の変性を防止するために提供される。界面活性剤は、細菌の溶解を向上させ得るだけではなく、また、インフルエンザウイルス等の種々のウイルスを優しく溶解するためにも有用である。そのような溶解は、ウイルスの内部の核タンパク質等の標的検体へのアクセスを改良するために望ましくあり得る。加えて、サンプル調製試薬は、溶解を向上させ、溶解の間の粘度を低減させる酵素を含んでもよい。そのような試薬は、いくつかのサンプル、例えば、大腸菌等の細菌を含有するサンプルの調製のために必要であり得る。溶解を向上および促進する酵素は、磁気粒子の表面上の核酸プローブを破壊せずに、放出されたゲノムDNAを剪断する、リゾチームおよびDNAseを含んでもよい。
【0450】
より大きいヌクレオチド配列をより小さい配列に選択的に剪断する、RNAseまたはDNAse等の酵素は、好ましい結合キネティクスを有するより小さいフラグメントを生成するために有用であり得る、。そのような酵素は、サンプル調製試薬中に存在してもよい。他の成分もまた、サンプル調製試薬中に含まれてもよい。例えば、トレハロース等の安定化剤が、存在してもよい。そのような安定化剤は、タンパク質を酸化から保護し、それによって、特に、室温における試薬の保存期間を延長させることに役立つ。
【0451】
ここで
図33を参照すると、使用中の検出システム100が、示され、サンプル収集デバイス200は、カートリッジデバイス300内に挿入され、これは、読取機デバイス400内に挿入される。読取機デバイス400は、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量を示す信号をモバイルデバイスに伝送し、ユーザが、1つまたはそれを上回る標的検体の存在、非存在、および/または量に関する分析された結果を精査し、それと相互作用し得るように、ソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600を起動してもよい。そのような結果は、ネットワーク1510を介して、サーバ1500に伝送されてもよい。ソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600は、モバイルデバイス上にダウンロードされてもよい。ソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600は、専用アプリケーションまたは「アプリ」であってもよく、iTunes
TM(Apple, Inc., Cupertino, CA)、App Store(Apple, Inc.)、Google
TM Play(Google, Inc., Mountain View, CA)、Android
TM Marketplace(Google, Inc.)、Windows(登録商標) Phone Store(Microsoft Corp., Redmond, WA)、またはBlackBerry
TM World(BlackBerry, Waterloo, Ontario, Canada)等のオンラインストアからダウンロードされてもよい。好ましくは、ソフトウェアベースの検出インターフェースシステム600が、一度のみダウンロードされる必要があるが、更新が、ダウンロードされてもよい。
【0452】
サンプル収集デバイス200は、使い捨てであって、1回限りの使用のために構成されてもよい。可撤性滅菌包装内に入れられてもよい。いったんカートリッジデバイス300の入力トンネルの中に挿入されると、サンプル収集デバイス200は、恒久的固定係合に係止されてもよく、再び使用されることができない。カートリッジデバイス300もまた、使い捨てであって、1回限りの使用のために構成されてもよい。いったんサンプル収集デバイス200が、カートリッジ300の入力トンネル内の定位置に係止すると、カートリッジ300は、再び使用されることができない。しかしながら、カートリッジ300は、読取機400から除去されてもよい。カートリッジ300および読取機400は、別個に結合されてもよく、カートリッジ300は、少なくとも検出プロトコルの実装の前および後に、読取機400のドックに挿入され、そこから除去されてもよい。読取機400は、カートリッジ300を定位置に一時的に係止し、検出試験サイクルの持続時間の間の除去を限定するための係止機構を含んでもよい。種々の実施形態の読取機400は、再使用可能である。
【0453】
読取機400および検出システム100全体は、非臨床の消費者向け使用のために構成されてもよい。故に、システム100は、使用が容易であって、結果を迅速に生成する。標的検体検出プロトコルの結果は、サンプル収集デバイス200からのサンプルがシステムのカートリッジ300の中に挿入されてから30分またはそれ未満で生成されてもよい。結果は、20分未満、10分未満、および/または5分未満で生成されてもよい。加えて、消費者向けシステムは、自宅、学校、会社、または他の採用場所における目立たない提示のために小型であってもよい。カートリッジ300、サンプル収集デバイス200、および読取機400はともに、スマートフォンまたは他のモバイルコンピュータデバイス程度のサイズであってもよい。システム100は、ポータブルであるように定寸および構成されてもよい。そのような実施形態では、コンパクトなハンドヘルド設計に加え、サンプル中の全流体が、移動中のシステム構成要素の揺動に起因して漏出または早期酸化反応が生じないように、適切にシールおよび分離される。
【0454】
非臨床環境における一般人による使用を助長するために、システム100は、自己アクティブ化および自己起動検出プロトコルを含むことによって、「ダミープルーフ」であるように設計されてもよい。例えば、
図33は、カートリッジ300が読取機400のドックの中に設置され、サンプル収集デバイス200がカートリッジ300の入力トンネルの中に挿入されている、実施例を描写する。描写される実施形態では、カートリッジ300を読取機400の中に装填することは、カートリッジ300のピンと読取機400との間の電気接続を確立し、それによって、読取機400内の回路を完成し得、自動的に、読取機400をアクティブ化する。アクティブ化されることに応じて、読取機400は、例えば、カートリッジ300内の接触スイッチがアクティブ化されたことを示す電気信号の受信に応じて、サンプル収集デバイス200がカートリッジ300内に適切に挿入されているかどうかを判定してもよい。検出に応じて、読取機400は、任意のさらなるヒト介入を伴わずに、検出プロトコルを自動的に開始してもよい。自動化された開始は、サンプル調製リザーバ内の試薬およびサンプルの混合が、サンプル収集デバイス200の挿入に続いて、固定時間に一貫して生じ、一貫した試験結果につながることを確実にする。代替として、試験プロトコルは、ユーザが読取機400またはソフトウェア600を起動するコンピューティングデバイス601上の「実行」、「起動」、「開始」、または他の類似ボタンもしくはアイコンを押下すると開始してもよい。
【0455】
種々の実施形態では、コンピューティングデバイス601は、より多くの計算電力および/またはより多くのメモリを提供する、データを遠隔サーバから引き出し、データをそこに伝送するための無線送受信機を提供する、および/またはディスプレイ画面ならびにユーザインターフェースを提供するためにシステム内に含まれてもよい。コンピューティングデバイス600は、全ての実施形態内に必要とされるわけではない。
【0456】
当業者は、
図33における実施形態が、性質上、例証にすぎず、種々の構成要素は、追加、削除、または代用されてもよく、デバイス間の種々の異なる階層およびモードの通信が、採用されてもよいことを理解されるであろう。通信ネットワーク1510は、それを通して種々のデバイスの一部または全部が、相互に通信する。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)であってもよい。ネットワーク1510は、例えば、モバイルWiMAXネットワーク、LTEネットワーク、Wi-Fiネットワーク、または他の無線ネットワーク等の無線通信ネットワークであってもよい。ユーザインターフェースソフトウェア600を有するコンピューティングデバイス601とサーバ1500との間の通信は、DSLケーブル接続等の有線ネットワークを介して、インターネットを経由して生じてもよい。
【0457】
読取機400とコンピューティングデバイス601との間の通信は、無線で、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、近距離通信、または他の無線周波数技術を使用して生じてもよい。代替として、読取機400とコンピューティングデバイス601との間の信号の伝送は、コード、ケーブル、または他の有線もしくは直接接続を経由して生じてもよい。種々の実施形態では、ユーザインターフェースソフトウェア600を有するコンピューティングデバイス601または他のデバイスは、試験結果をユーザに提示するために、フロントエンドグラフィカルユーザインターフェースのためのソフトウェアアプリケーションを含む。
【0458】
読取機400は、サンプル中の1つまたはそれを上回る標的検体を検出および/または定量化するために必要とされる試験ならびにプロセスを制御するように構成されてもよい。そのために、有意な量の情報は、読取機400のメモリ内に記憶されてもよい。代替として、情報の一部または全部は、コンピューティングデバイス601および/またはサーバ1500内に記憶され、通信ネットワーク1510を介して、読取機400によってアクセス可能であってもよい。そのような情報は、例えば、カートリッジのメモリ内に記憶されるカートリッジの一意の識別子によって生成される信号によって各カートリッジタイプを識別する、カートリッジキーのデータベースを含んでもよい。情報はまた、各タイプのカートリッジと関連付けられた試験プロトコルを含んでもよい。試験プロトコルは、超音波を通してサンプル調製試薬を混合すべき時間長、超音波の周波数、種々の感熱弁を加熱すべき時間等の詳細を規定してもよい。情報はまた、カートリッジタイプ毎に、検出されたセンサ信号と標的検体の非存在、存在、および/または特異的量を相関させる、相関テーブルを含んでもよい。加えて、読取機400および/またはサーバ1500によって記憶される情報は、1つまたはそれを上回る過去の結果を含んでもよい。読取機400は、少なくとも読取機400が遠隔コンピューティングデバイスと通信するようになるまで、試験結果を記憶してもよい。そのような時間では、結果は、表示および/または長期記憶のために、遠隔コンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス601、サーバ1500)に伝送されてもよい。
【0459】
サーバ1500はまた、ユーザインターフェースソフトウェア600を有するコンピューティングデバイス601を通して、ユーザによってシステムに入力される略歴情報を含み得る、ユーザプロファイルを記憶してもよい。ユーザ毎の試験結果のログもまた、サーバ1500によって記憶され、ユーザインターフェースソフトウェア600を伴うコンピューティングデバイス601へのそのようなデータの伝送を通して、ユーザによって閲覧するためにアクセス可能であってもよい。
定義
【0460】
特に定義しない限り、ここで使用される各技術的または科学的用語は、一般に本開示が属する技術分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲およびここに提供する開示によれば、以下の用語は、以下の意味で定義されるものとする。
【0461】
数値の指定または範囲(例えば、圧力または寸法)の前に使用される用語「約」または「およそ」は、(+)または(-)5%、1%、または0.1%変化し得る近似値を示している。
【0462】
明細書および特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に指示しない限り、単数および複数の両方を含む。例えば、用語「分子」は、複数の分子を含んでもよく、かつ含むものと見なされる。随時、特許請求の範囲および開示は、「複数の」、「1つまたはそれを上回る」、もしくは「少なくとも1つ」のような用語を含んでいる場合もあるが、このような用語がない場合にも、特定の実施形態について複数であることを意図していないと解釈されるべきではない。
【0463】
明細書および特許請求の範囲において使用されるように、「~のうちの少なくとも1つ」とは、限定ではないが、以下の任意の組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、限定ではないが、AまたはBまたはCまたはAおよびBまたはAおよびCまたはBおよびCまたはAおよびBおよびCを含むことを意味する。いずれも、D、E等の他の要素を除外するものではない。
【0464】
本明細書で使用される場合、用語「備えている」または「備える」は、デバイス、システム、および方法が列挙された要素を含み、かつ他の要素も追加で含むことを意味するように意図したものである。「本質的に~から構成される」とは、デバイス、システム、および方法が、列挙された要素を含み、記載された目的のための組み合わせに必須の重要な他の要素を除外することを意味する。したがって、本質的にここで定義される要素から成るデバイスまたは方法は、特許請求された発明の基本的かつ新規の特性(単数または複数)に実質的な影響を与えない他の材料またはステップを除外しない。「~から構成される」とは、デバイス、システム、および方法が、列挙された要素を含み、取るに足らないまたは重要ではない要素もしくはステップを除外することを意味する。これらの移行句のそれぞれによって定義される実施形態も、本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0465】
先述は、例証および一例として、いくつかの実施形態の詳細な説明を含んでいるが、これらの実施形態の教示を踏まえて、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、多数の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるであろう。