(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073547
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039134
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2022116350の分割
【原出願日】2022-07-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.SWIFT
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】茶谷 昂
(72)【発明者】
【氏名】伊佐 隆志
(72)【発明者】
【氏名】岡野 大介
(72)【発明者】
【氏名】稲澤 宏典
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ワーカーの自発的な行動をさらに誘発するための仕組みに関する情報処理装置等を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶する記憶部と、ワーカーの、ビルでの行動に関する行動情報を取得する取得部と、行動情報に基づき、ワーカーがとった貢献行動の種類を判定する判定部と、貢献行動の種類に応じたポイントをワーカーに付与し、記憶部に記憶された付与状況を更新するポイント管理部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、前記ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶する記憶部と、
前記ワーカーの、前記ビルでの行動に関する行動情報を取得する取得部と、
前記行動情報に基づき、前記ワーカーがとった前記貢献行動の種類を判定する判定部と、
前記貢献行動の種類に応じたポイントを前記ワーカーに付与し、前記記憶部に記憶された前記付与状況を更新するポイント管理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記行動情報として、前記ワーカーが用いる読取機能を有する通信端末から、当該通信端末において読み取られた第1種識別情報を取得し、
前記判定部は、前記第1種識別情報の種類に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記行動情報として、前記ビルに備えられた情報取得装置から、前記ワーカーを識別するための第2種識別情報と、当該第2種識別情報が関連付けられた前記情報取得装置による制御の内容に関する情報を取得し、
前記判定部は、前記第2種識別情報が関連付けられた前記情報取得装置による制御の内容に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記行動情報として、前記ワーカーが用いる通信端末から、前記ビル内の環境の設定に関する情報を取得し、
前記判定部は、前記環境の設定に関する情報の内容に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ワーカーへの前記ポイントの付与状況に関する情報が更新された場合、前記ワーカーが用いる通信端末に、前記ワーカーへの前記ポイントの付与状況に関する情報に関する情報を通知する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記ワーカーが用いる通知端末に、前記貢献行動に関する情報を通知する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ポイント管理部は、前記ワーカーが用いる通信端末から送信された、前記ワーカーとは異なる他のワーカーへのポイントの移動要求に応じて、前記ワーカーに付与されたポイントを減算し、前記他のワーカーに付与されたポイントを増加させるように、前記付与状況を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記ワーカーの行動情報が、前記ポイントを減算させる所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記ポイント管理部は、前記ワーカーの行動情報が前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記ワーカーに付与されたポイントを減算するように、前記付与状況を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、前記ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶部に記憶するステップと、
前記ワーカーの、前記ビルでの行動に関する行動情報を取得するステップと、
前記行動情報に基づき、前記ワーカーがとった前記貢献行動の種類を判定するステップと、
前記貢献行動の種類に応じたポイントを前記ワーカーに付与し、前記記憶部に記憶された前記付与状況を更新するステップと、
を含む、情報処理装置が実行する制御方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、前記ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶部に記憶する機能と、
前記ワーカーの、前記ビルでの行動に関する行動情報を取得する機能と、
前記行動情報に基づき、前記ワーカーがとった前記貢献行動の種類を判定する機能と、
前記貢献行動の種類に応じたポイントを前記ワーカーに付与し、前記記憶部に記憶された前記付与状況を更新する機能と、
を実現させる、情報処理装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスやワーキングスペースにおいて、ワーカーの健康増進のための健康増進施策、エコロジーを考慮した省エネルギー・環境負荷低減のための施策、感染症リスク低減のための感染症対策などの種々の施策が実行されている。ここで、例えば、ワーカーの健康増進を促すために、健康増進に有効な情報を提供する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ワーカーに対し、上述したような施策に関する参考情報を提供するに留まり、実際に行動に移すか否かはワーカーの裁量に委ねられていた。そのため、ワーカーの自発的な行動をさらに誘発するための仕組みが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶する記憶部と、ワーカーの、ビルでの行動に関する行動情報を取得する取得部と、行動情報に基づき、ワーカーがとった貢献行動の種類を判定する判定部と、貢献行動の種類に応じたポイントをワーカーに付与し、記憶部に記憶された付与状況を更新するポイント管理部とを備える。
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、取得部は、行動情報として、ワーカーが用いる読取機能を有する通信端末から、当該通信端末において読み取られた第1種識別情報を取得し、判定部は、第1種識別情報の種類に基づき、貢献行動の種類を判定してよい。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、取得部は、行動情報として、ビルに備えられた情報取得装置から、ワーカーを識別するための第2種識別情報と、当該第2種識別情報が関連付けられた情報取得装置による制御の内容に関する情報を取得し、判定部は、第2種識別情報が関連付けられた情報取得装置による制御の内容に基づき、貢献行動の種類を判定してよい。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、取得部は、行動情報として、ワーカーが用いる通信端末から、ビル内の環境の設定に関する情報を取得し、判定部は、環境の設定に関する情報の内容に基づき、貢献行動の種類を判定してよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報が更新された場合、ワーカーが用いる通信端末に、ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報に関する情報を通知する通知部をさらに備えてよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、通知部は、ワーカーが用いる通知端末に、貢献行動に関する情報を通知してよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、ポイント管理部は、ワーカーが用いる通信端末から送信された、ワーカーとは異なる他のワーカーへのポイントの移動要求に応じて、ワーカーに付与されたポイントを減算し、他のワーカーに付与されたポイントを増加させるように、付与状況を更新してよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置において、判定部は、ワーカーの行動情報が、ポイントを減算させる所定の条件を満たすか否かを判定し、ポイント管理部は、ワーカーの行動情報が所定の条件を満たすと判定された場合、ワーカーに付与されたポイントを減算するように、付与状況を更新してよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る、情報処理装置の制御方法は、ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶部に記憶するステップと、ワーカーの、ビルでの行動に関する行動情報を取得するステップと、行動情報に基づき、ワーカーがとった貢献行動の種類を判定するステップと、貢献行動の種類に応じたポイントをワーカーに付与し、記憶部に記憶された付与状況を更新するステップとを含む。
【0014】
本発明の一実施形態に係る、情報処理装置の制御プログラムは、情報処理装置に、ビルの各ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報と、ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを記憶部に記憶する機能と、ワーカーの、ビルでの行動に関する行動情報を取得する機能と、行動情報に基づき、ワーカーがとった貢献行動の種類を判定する機能と、貢献行動の種類に応じたポイントをワーカーに付与し、記憶部に記憶された付与状況を更新する機能とを実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム構成の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る、サーバ(情報処理装置)、及びユーザ端末(通信端末)の機能ブロック図の一例である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る、ユーザ情報テーブルの一例である。
【
図4】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る、貢献行動テーブルの一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るサーバ及びユーザ端末間のシーケンス図である。
【
図6】(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、サーバ、情報取得装置及びユーザ端末間のシーケンス図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図10】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図11】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る、ユーザのポイント履歴情報テーブルの一例である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以降、図を用いて、本開示に係る発明(本発明ともいう)の一実施形態を説明する。なお、図は一例であって、本発明は図に示すものに限定されない。例えば、図示したサーバ、ユーザ端末、情報取得装置、記憶装置、他アプリケーションサーバ等の数、データセット(テーブル)、シーケンス図、表示画面は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
<システム概要>
まず、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて、概要を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム600は、ビル内のオフィス(シェアオフィス、コワーキングスペース等を含む)に勤務するワーカーに、働く上で利用可能な様々なサービスを提供可能なシステムであってよい。なお、情報処理システム600によってワーカーに提供されるサービスを、これ以降、「スマートビルサービス」とも称する。また、ワーカーとは、ビル内の企業(テナント)の社員(正社員、嘱託社員、契約社員等を含む)、シェアオフィス等の登録ユーザ等を指し、これ以降、まとめて「ユーザ」と称する場合がある。なお、本開示において、情報処理システム600のユーザには、法人及び自然人が含まれてよい。例えば、本開示において、ユーザには、ワーカーの所属企業のほか、企業における部署・グループ等の組織が含まれてよい。
【0018】
情報処理システム600は、スマートビルサービスの一例として、ユーザが所有する通信端末に、ビル内の設備や環境に関する情報を提供したり、ユーザの通信端末による、ビル内の設備や環境の制御を可能としたりするシステムであってよい。例えば、スマートビルサービスでは、ビルの空調やエレベーターの制御、会議室やフロアの施錠・解錠、会議室やワークスペースの予約等を、ユーザの通信端末で実行可能であってよい。なお、情報処理システム600によって実行可能なビル内の設備や環境の制御は上述の例に限定されない。
【0019】
また、情報処理システム600は、スマートビルサービスの一例として、所定のポイントによるポイントサービスを実現するシステムであってよい。ここで、ポイントは、電子ポイント(電子データ)であってよく、当該ポイントを利用して、ユーザは、商品の購入やビル内の各種設備の使用など、ビルにおいて提供される各種サービスを利用可能であってよい。例えば、本発明の一実施形態において、ユーザは、会議室やデスクスペースをビル内の企業(テナント)間で貸出すシェアリングサービスを利用する際に、ポイントを用いて対価の支払いが可能であってもよい。また、ユーザは、ビルにおける販売サービス(店舗、売店、自動販売機等)を利用して商品を購入する際の決済に、ポイントを用いてもよい。なお、ポイントが利用可能な場面は上述の例に限定されない。
【0020】
本発明の一実施形態において、情報処理装置100は、上述のポイントサービスに利用可能なポイントを、ビル内での行動に応じてユーザに付与可能であってよい。例えば、本発明の一実施形態に係る情報処理システムによれば、ユーザが上述の健康増進施策、省エネルギー施策、感染症対策に対する施策等(これ以降、単に「施策等」とも称する)に関する行動をとった場合に、ユーザに、当該行動に応じたポイントが付与されてよい。すなわち、ワーカーの行動に応じてインセンティブが付与されるため、ワーカーの自発的な行動を誘発し、ビルにおいて実施される種々の施策を成功に導くことが可能となる。
【0021】
<システム構成>
情報処理システム600は、サーバ(情報処理装置)100と、ユーザの通信端末(ユーザ端末)200(200A,200B)と、情報取得装置300(300A,300B)と、記憶装置400とを含んでよい。
【0022】
サーバ100は、スマートビルサービスを提供する管理者側の情報処理装置であってよい。サーバ100は、ユーザ端末200A,200B、情報取得装置300A,300B及び記憶装置400と、ネットワーク500を介して接続されてよい。ネットワーク500は、無線ネットワークや有線ネットワークを含んでよい。具体的には、例えば、ネットワーク500は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、CDMA(code division multiple access)、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代通信(4G)、第5世代通信(5G)、及び第6世代通信(6G)以降の移動体通信システム等であってよい。なお、ネットワーク500は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber LINE)回線、衛星通信網等であってもよい。また、ネットワーク500は、これらの組み合わせであってもよい。
【0023】
なお、
図1において、サーバ100は1つのみ示してあるが、これに限られるものではない。すなわち、サーバ100が備えるとして説明する各機能は、複数のサーバによって実現されてもよい。また、サーバ100は、例えば、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムでもよく、いわゆるクラウドサーバでもよい。すなわち、サーバ100は、物理的なサーバに限らず、ソフトウェアによる仮想的なサーバも含まれてよい。
【0024】
ユーザ端末200A,200Bは、スマートビルサービスを利用するユーザの通信端末であってよい。なお、
図1において、ユーザ端末は、ユーザA,Bに関するものをそれぞれユーザ端末200A,200Bとして2台のみ示してある。しかしながら、ユーザ端末は、スマートビルサービスを利用するユーザの数だけ存在してよく、また、特に区別する必要のない場合、単に通信端末200と記す。
【0025】
ユーザ端末200には、スマートビルサービスを利用するためのアプリケーションがインストールされ、サーバ100との間で各種情報の送受信が可能であってよい。あるいは、ユーザ端末200へのアプリケーションのインストールは必須ではなく、ユーザは、ユーザ端末200から、webブラウザ等を介して、サーバ100において提供されるスマートビルサービスを利用するためのwebページにアクセスし、各種情報をサーバ100へ送信してもよい。
【0026】
なお、
図1では、ユーザ端末200としてスマートフォンを示してあるが、ユーザ端末200としては、これ以降に説明する各実施形態において記載する機能を実現できる端末であればどのような端末であってもよい。例えば、ユーザ端末200は、携帯電話(フィーチャーフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)であってよい。
【0027】
情報取得装置300A,300Bは、ビル内に設置されて、ビルにおけるユーザの行動に関する行動情報を取得してよい。詳細は後述するが、情報取得装置300A,300Bとしては、ビルの入退館ゲート、空調設備、エレベーター、及び、デスクや会議室に設置されたユーザ情報の識別装置等であってよい。また、情報取得装置300A,300Bとしては、各種のセンサ、例えば、ICリーダ、カードリーダ、アクセスポイント、イメージセンサ(カメラ)等を含んでよい。また、
図1では、情報取得装置300A,300Bの2つのみ示してあるが、情報取得装置はこれ以上あってもよく、複数の情報取得装置について特に区別する必要のない場合、単に情報取得装置300と記す。なお、情報取得装置300がネットワーク500に接続するための形態はどのようなものであってもよい。例えば、情報取得装置300は、図示しないゲートウェイを介してネットワーク500に接続され、サーバ100やユーザ端末200との間で各種情報を送受信してよい。
【0028】
記憶装置400は、情報処理システム600で利用する各種情報(データ)を記憶(格納)してよい。なお、
図1において、記憶装置400はサーバ100とは別に1つのみ示してあるが、サーバ100に一体化されていてもよい。すなわち、記憶装置400は、サーバ100の揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよい。また、記憶装置400は、複数の記憶装置から構成されてもよい。なお、記憶装置400は、ネットワーク500とは異なる専用の内部ネットワークにて、サーバ100と接続されてもよいし、ネットワーク500を介してサーバ100と接続されてもよい。
【0029】
ここで、記憶装置400に記憶される情報を説明する。
図3は、情報処理システム600を利用するユーザに関するユーザ情報テーブルの一例である。
図3の例では、ユーザ情報テーブルTB10は、ユーザ名と、現在ユーザが所有する保有ポイントとを、ユーザを一意に識別するためのユーザID(Identifier)(識別子の一例)に関連付けて記憶してよい。すなわち、ユーザ情報テーブルは、ビルの各ユーザへのポイントの付与状況に関する情報を記憶するテーブルであってよい。ここで、ユーザIDは、例えばサーバ100によって各ユーザに付与される識別子であって、英数字、記号等で構成されてよい。また、ユーザ名は、スマートビルサービスの利用に際し、ユーザが属する企業の管理者から予めサーバ100に送信されてもよい。なお、ユーザ情報テーブルTB10に記憶される情報は図示したものに限定されず、記憶される情報は、これ以上でもこれ以下であってもよい。例えば、ユーザ情報テーブルTB10には、以下に限定されるものではないが、ユーザが所属する企業、部署、メールアドレス、電話番号といった、勤務先に関する情報や、ユーザ端末を一意に識別する端末ID等がさらに記憶されてもよい。また、ユーザ情報テーブルは、例えば、企業ごとに作成されてもよい。さらに、前述のようにユーザには企業が含まれてもよく、ユーザ情報として、企業を一意に識別する企業ID、企業名等が記憶されてもよい。
【0030】
記憶装置400は、さらに、ユーザにポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報を記憶してよい。「所定の目標」とは、ビル内で講じられる各種施策が掲げる目標であってよい。例えば、「所定の目標」とは、上述した健康増進施策であればユーザの健康増進、省エネルギー・環境負荷低減のための施策であれば省エネルギー・環境負荷の低減、感染症対策であれば感染症の予防等であってよい。また、「所定の目標」とは、ビルにおける利便性・快適性の向上に関する目標であってもよい。また、「所定の目標」とは、ビル内のコミュニティ活性化に関する目標であってもよい。したがって、「貢献行動」のうち、例えば健康増進施策に関する貢献行動は、エレベーターではなく階段を使う、健康的な食事を摂取する、ビル内の運動施設を利用する、通勤に自転車を利用する、といった行動であってよい。また、省エネルギー・環境負荷低減のための施策に関する貢献行動は、例えば、空調を適正温度に設定する、電気自動車を使う、賞味期限の近い食品を購入する、紙資源を利用しない、といった行動であってよい。さらに、感染症対策に関する貢献行動は、例えば、オフィス内を換気する、共有施設の清掃・消毒を行う、入館ゲートやエレベーターが混雑する時間帯を避けて通勤する、混雑する時間帯を避けて食事をとる、といった行動であってよい。また、利便性・快適性の向上に関する貢献行動は、例えば、会議室等の空予約をしない、混雑する時間をさけて出勤する、といった行動であってよい。また、ビル内のコミュニティ活性化に関する貢献行動は、例えば、企業間の交流イベントの主催・参加、他企業の商品のモニター体験、といった行動であってよい。貢献行動は、ビルの管理者側によって設定されてもいいし、ユーザの提案によって設定されてもよい。なお、貢献行動の詳細、他アプリケーションサーバ700については後述する。
【0031】
<ユーザ端末>
図2を用いて、本発明の一実施形態に係るユーザ端末200のハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0032】
(1)ユーザ端末のハードウェア構成
ユーザ端末200は、制御部210、通信部220、表示部230、操作入力部240、読取部250、位置情報取得部260、及び記憶部290を備えてよい。
【0033】
制御部210は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現されてよい。制御部210は、記憶部290に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。
【0034】
記憶部290は、ユーザ端末200が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。すなわち、記憶部290は、スマートビルサービスのアプリケーションに係るプログラムを記憶してよい。記憶部290は、例えば、フラッシュメモリ、制御部210に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。
【0035】
通信部220は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部220は、ネットワーク500を介し、任意の通信プロトコルを用いて、サーバ100との間で各種データの送受信を行ってよい。なお、通信部220が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0036】
表示部230は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、データを表示するモニタであって、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ等であってよい。
【0037】
操作入力部240は、ユーザ端末200に対する各種操作を入力する入力装置であってよい。入力装置は、ユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部210に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現され、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイを含んでよい。例えば、操作入力部240は、ユーザによる空調温度や照明設備の明るさの設定を受け付けたり、会議室の予約に係る情報の入力を受け付けたりしてよい。
【0038】
読取部250は、後述する識別情報を読み取る読取装置であって、例えば、カメラであってよい。
【0039】
位置情報取得部260は、ビル内における自端末の現在位置に関する位置情報を取得してよい。位置情報取得部260は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて、ユーザ端末200の現在位置の位置情報として、ユーザ端末200の緯度及び経度の情報を取得してよい。なお、位置情報取得部260は、任意の手法により位置情報を取得してよく、例えば、無線LAN、IMES(Indoor MEssaging System)やRFID(Radio Frequency Identifier)、BLE(Bluetooth Low Energy)、地磁気等を用いて位置情報を取得してもよい。
【0040】
(2)ユーザ端末の機能構成
ユーザ端末200は、制御部210によって実現される機能として、通信制御部211、表示制御部212、入出力制御部213、及び要求情報生成部214を備えてよい。なお、
図2に記載の各機能部は必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。なお、ユーザ端末200が実行するとしてこれ以降に説明する各種処理の一部を、サーバ100が実行してもよい。
【0041】
通信制御部211は、通信部220による、ネットワーク500を介したサーバ100との間の通信を制御し、各種情報の送受信を実行させてよい。
【0042】
表示制御部212は、表示部230へのデータの表示を制御してよい。例えば、表示制御部212は、サーバ100から送信された通知や、空調・照明設備の設定画面、商品購入時の決済画面、貢献行動に関する情報を表示部230に表示させてよい。
【0043】
入出力制御部213は、操作入力部240、読取部250等との間の各種情報の伝達を制御してよい。例えば、入出力制御部213は、操作入力部240で受け付けたユーザの入力操作に応じて、各種情報を各機能部へ情報を伝達したり、表示部230に対し、各機能部からの情報を伝達したりしてよい。また、入出力制御部213は、読取部250が読み取った識別情報を解析し、サーバ100へ送信する情報を抽出してよい。
【0044】
要求情報生成部214は、ユーザから受け付けた、空調の温度や照明の明るさを設定する入力操作に基づき、それらを設定させるための要求情報を生成してよい。また、要求情報生成部214は、ユーザから受け付けた、決済を要求する入力操作に基づき、決済を要求する要求情報を生成してよい。
【0045】
<サーバ>
次に、本発明の一実施形態に係るサーバ100のハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0046】
(1)サーバのハードウェア構成
サーバ100は、制御部110、通信部120、記憶部170を備えてよい。
【0047】
制御部110は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU)、MPU、GPU、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGA等を含み、集積回路(ICチップ、LSI)等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現されてよい。なお、サーバ100は、上述の大量のデータを処理するための演算能力の高いプロセッサを有することが好ましい。
【0048】
記憶部170は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部170は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部170は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリを含んでよい。
【0049】
通信部120は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部120は、ネットワーク500を介して、ユーザ端末200、情報取得装置300との間でそれぞれ各種データの送受信を行ってよい。通信部120は、制御部110からの指示に従って、各種データを、ユーザ端末200や情報取得装置300に送信してよい。また、通信部120は、ユーザ端末200や情報取得装置300から送信された各種データを受信し、制御部110に伝達してよい。
【0050】
(2)サーバの機能構成
サーバ100は、制御部110によって実現される機能として、通信制御部111、ポイント管理部112、取得部113、判定部114、及び生成部115を備えてよい。なお、
図2に記載の各機能部は必須ではなく、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAIにより実現されてもよい。
【0051】
通信制御部111は、通信部120を介したユーザ端末200や情報取得装置300との間の通信を制御してよい。
【0052】
ポイント管理部112は、貢献行動の種類に応じたポイントをユーザに付与し、記憶装置400に記憶された付与状況に関する情報を更新してよい。すなわち、ポイント管理部112は、ユーザ情報テーブルTB10に含まれる「保有ポイント」を更新してよい。なお、詳細は後述するが、ポイントの更新とは、記憶装置400に記憶されたポイント数を、加算または減算することであってよい。
【0053】
取得部113は、ユーザのビルでの行動に関する行動情報を取得してよい。行動情報は、ユーザが所定の行動をとった場合に、ユーザ端末200または情報取得装置300から送信されてよい。また、判定部114は、取得部113が取得した行動情報に基づき、ユーザがとった貢献行動の種類を判定してよい。さらに、生成部115は、ユーザへの通知をユーザ端末200から発信させるための通知情報や、ユーザ端末200の表示部230に所定の情報を表示させるための表示情報を生成してよい。
【0054】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、
図4(a)、
図5、
図6を用いて説明する。第1実施形態では、貢献行動の判定に用いる、ユーザの行動に関する情報である行動情報が、ユーザ端末200から送信されてよい。
【0055】
図5は、第1実施形態に係る、サーバ100とユーザ端末200との間の処理シーケンスの一例である。まず、サーバ100は、ビルの各ユーザへのポイントの付与状況に関する情報と、ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを、記憶装置400に記憶してよい(ステップS10)。ポイントの付与状況に関する情報は、
図3に示すユーザ情報テーブルTB10に含まれてよい。
【0056】
図4(a)は、貢献行動に関する情報を記憶する貢献行動情報テーブルの一例である。なお、
図4(a)は一例であって、貢献行動に関する情報を記憶するテーブルは、図示したものに限定されない。貢献行動情報テーブルTB21は、各貢献行動を一意に識別する貢献行動IDに、識別情報ID、付与ポイント、付与上限を関連付けて記憶してよい。付与ポイントは、ユーザがとった貢献行動に応じてユーザに対して付与されるポイントの情報である。付与ポイントは、管理者によって任意に設定されてよい。例えば、付与ポイントは、貢献の度合や種類によって数値が異なってよく、プラスであってもマイナスであってもよい。これによれば、管理者が利用者に促したい行動について、利用者を誘導しやすくし得る。また、付与上限は、ポイントを付与する機会の上限に関する情報であってよい。これによれば、ポイント付与の乱発が防止され、ユーザによる不正なポイントの獲得を抑止し得る。また、貢献行動情報テーブルTB21には、必要に応じ、貢献行動として判定されるための条件がさらに関連付けられてよい。また、ポイントが付与される期間が設定されている場合、付与期間についての情報がさらに関連付けられてもよい。なお、図における「説明」は、本発明の一実施形態に係る貢献行動の説明に用いるためのカラムであって、テーブルに記憶されなくてもよい。
【0057】
識別情報IDは、ユーザが貢献行動をとったときに、ユーザ端末200によって読み取られる識別コードを一意に識別するための識別子であってよい。識別コード(第1識別情報)としては、例えば、一次元コード(バーコード)、二次元コード(QR(Quick Response)コード(登録商標)、ベリコード(Veri Code)等)であってよく、貢献行動に関連する場所に設置されたり、貢献行動をとったことによりユーザ端末200で読取可能となったりしてよい。
【0058】
例えば、貢献行動情報テーブルTB21において貢献行動ID「cont_001」に関連付けられた識別情報ID「shop_01」、「shop_02」等は、ビル内の店舗に備えられてよい。環境負荷低減の目標に関する貢献行動として、ゴミの低減につながる行動が挙げられる。上述した識別コードは、食品を販売する店舗に、所定の素材上に印字して設置され、ユーザが消費期限間近の食品を購入した場合に、店舗の販売員によってユーザに提示されてよい。あるいは、識別コードは、食品を購入した場合に、レジの画面上に表示されてもよい。ユーザは、ユーザ端末200で識別コードを読み取り、読み取った識別コードに関する情報をサーバ100へ送信できてよい。すなわち、識別情報ID「shop_01」、「shop_02」等は、各店舗におけるユーザの貢献行動に応じてユーザに提示される識別コードの識別子であってよい。なお、店舗におけるユーザの貢献行動としては、マイバックの利用、箸・スプーン等を受け取らない等の、環境負荷の低減につなげるために店舗で実行可能な行動を含んでよい。また、店舗としては、食品を扱う店舗に限定されない。例えば、リサイクル・リユース品を取り扱う店舗で商品を購入したり、ユーザの所有する製品を、リサイクル品を取り扱う店舗へ提供したりする行動が可能な店舗を含んでよい。なお、貢献行動ID「cont_001」に関して付与されるポイントは、「付与上限」で設定されているように、「1ユーザあたり1日1回」であってよい。なお、ここでのユーザには、前述のように企業やテナントが含まれてよく、貢献行動IDによっては、付与されるユーザが「ワーカー」でるか、「テナント」であるかの制限が設定されてもよい。
【0059】
貢献行動情報テーブルTB21の説明を続ける。貢献行動ID「cont_002」に関連付けられた識別情報ID「dst_01」、「dst_02」等で識別される識別コードは、ビル内のごみを集約するスペースに設置されてよい。ビルにおける利便性・快適性の向上に関する目標として、ビルの管理に協力する行動が挙げられる。このビル管理への協力としてごみを集約したユーザが、ユーザ端末200で読取可能なように、識別コードが、ビル内のごみの集約エリアに設置されてよい。また、同じくビル管理への協力として、エリアの清掃・消毒、荷物の集配、備品の補充等が含まれてよく、それら貢献行動に関連するエリアに、識別コードが設置されてよい。なお、ユーザによる虚偽の申告(貢献行動をとっていないのにも関わらず、識別コードを読み取ること)を防ぐための制御が行われてもよい。例えば、ごみを集約するスペースに計量装置とディスプレイを設置し、所定の重量以上のごみが計量された場合にのみ、ディスプレイに識別コードが表示されるようにしてもよい。また、貢献行動ID「cont_002」に関して付与されるポイントは、「1ユーザあたり1週間に1回」と設定されてよい。
【0060】
また、貢献行動ID「cont_003」に関連付けられた識別情報ID「area_01」、「area_02」等で識別される識別コードは、駐輪場や運動施設、食事スペース等に設置されてよい。ユーザの健康増進のための目標として、ユーザに運動させることが挙げられる。例えば、ユーザが自転車で通勤したり、運動施設を利用したり、食事においてヘルシーなメニューを選択したりした場合に、ユーザ端末200で読取可能なように、識別コードが、上述の場所に設置されてよい。なお、ユーザによる虚偽の申告を防ぐため、駐輪場に設置された鍵が施錠された場合や、駐輪場にカメラを設置し、画像認識によりユーザが駐輪したことが検出された場合にのみ、駐輪場に設置したディスプレイに識別コードが表示されるようにしてもよい。また、運動施設を利用した場合、ユーザの心拍数等をセンサで取得し心拍数が所定の値以上であるか否かが判定されたり、運動施設に所定の時間以上滞在したりしたか否かが判定され、運動施設を利用したと判定される条件が満たされた場合にのみ、運動施設に設置したディスプレイに識別コードが表示されるようにしてもよい。なお、貢献行動ID「cont_003」に関して付与されるポイントには、上限が設定されていない。このように、ポイントの付与に関し上限が必ずしも設定されなくてよい。
【0061】
図6は、ユーザ端末200の表示画面の一例である。
図6(a)の画面10は、上述した識別コード11がユーザ端末200によって読み取られている際の画面例であってよい。ユーザ端末200によって読み取られた識別コードは、行動情報として、ユーザ端末200からサーバ100へ送信されてよい(
図5のステップS11)。なお、
図6(b)、(c)については後述する。
【0062】
サーバ100の判定部114は、行動情報に基づき、ユーザがとった貢献行動の種類を判定してよい(
図5のステップS13)。すなわち、判定部114は、行動情報としてユーザ端末200から送信された識別情報ID(第1種識別情報の一例)が、どの貢献行動IDに対応するかを判定してよい。ポイント管理部112は、貢献行動の種類に応じたポイントをユーザに付与し、記憶された付与状況を更新してよい(
図5のステップS14)。すなわち、ポイント管理部112は、貢献行動情報テーブルTB21を参照して、貢献行動IDに関連付けられたポイントをユーザに付与するように、ユーザ情報テーブルTB10を更新してよい。
【0063】
このように、本発明の一実施形態によれば、ユーザが貢献行動をとった場合に、貢献行動に関連付けられた識別情報がサーバ100に送信され、貢献行動の種類や内容に応じて、ユーザにポイントが付与される。したがって、ユーザに、ビルの環境負荷低減、利便性・快適性の向上につながる行動を自発的にとらせることができる。
【0064】
なお、ユーザ端末200において、識別コードを送信した際に、ユーザに貢献行動をとったか否かを確認させる画面が表示されてもよい。
図6(b)に示す画面20は、識別コード11を読み取った際にユーザ端末200に表示される確認画面の一例であってよい。図の例では、識別コード11が会議室に設置されており、識別コード11を読み取ることによって、表示部230に、「会議終了後、部屋内の清掃にご協力いただけましたか?」といったメッセージを含む確認画面が表示されてよい。
図6(b)において、「はい」とのボタンが選択された場合、ユーザ端末200の表示画面は
図6(c)に示す画面30に遷移し、ポイントが付与されたことがユーザに通知されてよい。また、
図6(b)において「いいえ」のボタンが選択された場合、ユーザ端末200の表示画面は、例えば識別コードの送信画面に戻ってもよい。なお、上述のメッセージは、確認画面を表示させるための情報が識別コード11自体に含まれ、読取部250が読み取った情報を解析することで表示されてもよい。あるいは、ユーザ端末から送信された識別コード11を受信したサーバ100において、識別コードに関連付けられた貢献行動が判定され、貢献行動に応じた確認画面を表示させる表示情報が、生成部115によって生成されてもよい。このとき、メッセージは、識別コードに関連付けられて、予め記憶装置400に記憶されていてよい。
【0065】
このように、本発明の一実施形態によれば、ユーザへのポイントの付与は、
図6(a)の識別コード11を読み込むだけでは行われず、
図6(b)のように、ユーザに対しセルフチェックが促され、その結果に応じて行われる。これにより、管理者にとって、悪意をもってポイントを獲得するユーザを低減し得るというメリットがある。
【0066】
また、
図5のステップS14において、ユーザに付与されたポイントが更新された場合、ユーザ端末200に、ユーザへのポイントの付与状況に関する情報が通知されてもよい(
図5のステップS15)。ユーザ端末200の表示部230には、ポイントの付与状況をユーザに通知する情報が出力されてよい(ステップS16)。
図6(c)の画面30は、ユーザ端末200においてポイントの付与を通知する通知画面の一例であってよい。なお、図では、「100pt追加されました」とのメッセージが表示された例を示してあるが、通知の態様はこれに限定されず、異なるメッセージでもよいし、ポップアップ表示、メール、音声にて通知されてもよい。
【0067】
このように、本発明の一実施形態によれば、ユーザへのポイントの付与状況がユーザに通知されてよい。したがって、ユーザは、自身の行動によってポイントが得られたことを認識でき、貢献行動へのモチベーションをさらに高めることができる。
【0068】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、
図4(b)、
図7、
図8を用いて説明する。第2実施形態では、貢献行動の判定に用いる、ユーザの行動に関する情報である行動情報が、情報取得装置300から送信されてよい。
【0069】
図7は、第2実施形態に係る、サーバ100、ユーザ端末200、情報取得装置300間の処理シーケンスの一例である。まず、サーバ100は、ビルの各ユーザへのポイントの付与状況に関する情報と、ポイントを付与する対象となる、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動に関する情報とを、記憶装置400に記憶してよい(ステップS20)。ポイントの付与状況に関する情報は、
図3に示すユーザ情報テーブルTB10であってよい。
【0070】
図4(b)は、貢献行動に関する情報を記憶する貢献行動情報テーブルの一例である。なお、
図4(b)は一例であって、貢献行動に関する情報を記憶するテーブルは、図示したものに限定されない。貢献行動情報テーブルTB22は、各貢献行動を一意に識別する貢献行動IDに、情報取得装置ID、付与ポイントを関連付けて記憶してよい。なお、貢献行動情報テーブルTB22には、
図4(a)で説明した貢献行動情報テーブルTB21と同様に、ポイントを付与する際の上限に関する情報である付与上限がさらに関連付けて記憶されてよい。また、貢献行動情報テーブルTB22には、必要に応じ、貢献行動として判定されるための条件がさらに関連付けられてよい。なお、図における「説明」は、本発明の一実施形態の説明に用いるためのカラムであって、テーブルに記憶されなくてもよい。貢献行動情報テーブル22は、行動情報として、情報取得装置300から送信された、ユーザを識別するためのユーザID(第2種識別情報の一例)と、当該ユーザIDが関連付けられた、情報取得装置300による制御の内容に関する情報とに基づいて、ユーザがとった貢献行動の種類を判定する場合に用いられてよい。
【0071】
情報取得装置IDは、情報取得装置300を一意に識別するための識別子であってよい。例えば、貢献行動情報テーブルTB22において貢献行動ID「cont_101」に関連付けられた情報取得装置ID「gate_01」、「gate_02」等は、ビルの入退館ゲートを識別するための識別子であってよい。ビルにおける利便性・快適性の向上との目標に関する貢献行動として、ビルの入退館口やエレベーターホールの混雑を回避する行動が挙げられる。第2実施形態は、混雑回避のための行動を一例に説明する。
【0072】
まず、ユーザ端末200は、情報取得装置300へ、ユーザ情報を送信してよい(
図7のステップS21)。ユーザ情報の送信は、例えば、ユーザが入退館ゲートにユーザ端末200をかざし、入退館ゲートでユーザ情報(ユーザID)が読み取られることで行われてよい。情報取得装置300は、読み取ったユーザ情報と、自装置における制御内容として、ユーザが入館(または退館)した時間とをサーバ100へ送信してよい(
図7のステップS22)。すなわち、サーバ100の取得部113は、情報取得装置300としての入退館ゲートから、制御の内容に関する情報として、例えば「ユーザが7時20分に入館した」ことを示す情報を取得してよい。サーバ100は、ユーザIDに基づきユーザを識別し、ユーザの行動が貢献行動か否かを判定してよい(ステップS23)。なお、入退館ゲートにおけるユーザの認証は、上述したものに限定されず、例えば、顔認証や、ユーザIDが記録されたICカードによる認証等であってもよい。すなわち、判定部114は、貢献行動情報テーブルTB22を参照し、「7時20分の入館」が、貢献行動に相当するか否かを判定してよい。
図4(b)の例では、8時30分以前の入館は、貢献行動ID「cont_101」の貢献行動に相当する。したがって、ポイント管理部112は、ユーザに、貢献行動ID「cont_101」に関連付けられた付与ポイントである「100pt」を付与するように、ユーザ情報テーブルTB100を更新してよい(ステップS24)。
【0073】
なお、情報取得装置300としては、入退館ゲートのほか、ユーザIDを読み取った上で制御が行われる任意の装置であってよく、例えば、ワークスペースや会議室の施錠・解錠装置が含まれてよい。貢献行動情報テーブルTB22における情報取得装置ID「desk_01」等は、上述の施錠・解錠装置を識別する識別子であってよい。
【0074】
このように、本発明の一実施形態によれば、ユーザの行動が貢献行動であった場合に、ユーザに自動的にポイントが付与されてよい。したがって、ユーザに対し、積極的に貢献行動となる行動をとるモチベーションを与えることができる。
【0075】
なお、
図7のステップS24において、ユーザに付与されたポイントが更新された場合、ユーザ端末200に、ユーザへのポイントの付与状況に関する情報が通知されてもよい(
図7のステップS25)。そして、ユーザ端末200の表示部230には、ポイントの付与状況をユーザに通知する情報が出力されてよい(ステップS26)。
図8の画面40は、ユーザ端末200においてポイントの付与状況を通知する通知画面の一例であってよい。なお、図では、ポイントの付与がどの行動に起因するものかを示す通知であって、「8時半以前に入館」したことにより、「100pt」が付与されたことを示すメッセージが表示された例を示してある。しかしながら、通知の態様はこれに限定されず、異なるメッセージでもよいし、メール、音声にて通知されてもよい。
【0076】
なお、情報取得装置300は、利用にあたりユーザ認証を必要とする複合機であってもよい。複合機は、認証したユーザのユーザ情報と、複合機で行われた制御内容をサーバ100に送信してよい。ここで、複合機による制御内容としては、例えば、コピーした枚数等であってよい。コピーによる紙の消費は、省エネルギーの観点からは好ましくない。このように、所定の目標の達成に反する行動がユーザによってとられた場合に、ユーザに付与されたポイントが減算されてもよい。すなわち、貢献行動情報テーブルTB22において、ポイントを減算させる貢献行動が記憶されてもよい。
【0077】
このように、本発明の一実施形態によれば、ユーザの行動情報が、ポイントを減算させる所定の条件を満たす場合、ポイント管理部122は、ユーザに付与されたポイントを減算するように、ユーザ情報テーブルTB10を更新してよい。ポイントを減算させる所定の条件としては、上述した複合機の利用のほか、公共交通機関を利用せずに環境負荷の高い種類の車で通勤することや、数フロアの移動にエレベーターを利用すること、高カロリーの食事をとること等が含まれてよい。これらの判定には、例えば、駐車場に設置したセンサによって車種を特定したり、ユーザ端末200の位置情報の変化から検出したり、ユーザ端末200を介した食事のオーダー履歴から食事内容が判定されたりしてよい。
【0078】
このように、所定の目標の達成に反する行動によるペナルティがユーザに与えられるため、所定の目標の達成に反する行動をユーザが避けるようにすることができる。
【0079】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について、
図9を用いて説明する。第3実施形態では、行動情報として、ユーザ端末200から、ビル内の環境の設定に関する情報が送信され、環境の設定に関する情報の内容に基づき、貢献行動の種類が判定されてよい。ビル内の環境の設定とは、例えば、空調設備の温度や風量、照明設備のオン・オフや明るさ、窓の開閉等の設定であってよい。ここでは、ビル内の環境の設定の一例として、空調設備の設定について説明する。
【0080】
ユーザ端末200の要求情報生成部214は、ユーザの入力操作に応じて、空調設備の設定を要求する要求情報を、サーバ100に送信してよい。
図9の画面50は、ユーザ端末200における設定画面の一例である。情報処理システム600によれば、ユーザ端末200から、空調設備の温度、風量、運転モード等が設定可能であってよい。サーバ100の取得部113は、ユーザの行動情報として上記要求情報を取得し、判定部114は、設定内容に基づき、ユーザが貢献行動をとったか否かを判定してよい。なお、記憶装置400の貢献行動情報テーブルには、貢献行動に相当する環境設定の内容について、予め記憶されていてもよい。例えば、貢献行動として、記憶装置400に、「5~8月○~○℃、11月~2月○~○℃」といった、空調の設定温度に関する条件と、条件を満たす場合に付与されるポイント数とが記憶されていてもよい。ポイント管理部112は、要求情報に含まれる設定内容が貢献行動に相当する場合に、ユーザのポイント付与状況を更新してよい。
【0081】
なお、ビル内の環境の設定に関する貢献情報としては、上記に限定されない。貢献情報としては、例えば、照明設備の明度を下げる、指定時間帯の消灯等が含まれてよい。また、設定操作によりポイントが付与されたことが、サーバ100からユーザ端末200に通知されてもよい。
【0082】
このように、本発明の一実施形態によれば、ユーザ端末200におけるビル内の環境の設定操作に基づいて、ユーザにポイントが付与されてよい。したがって、環境負荷の低減や省エネルギー推進といった目標に対するユーザのモチベーションを高めることが可能となる。
【0083】
<その他の実施形態>
本発明の一実施形態によれば、ユーザに、どのような行動が貢献行動であるかの情報が提供されてもよい。サーバ100の生成部115は、貢献行動情報テーブルを参照して、ユーザ端末200において、貢献行動に関する情報を通知する情報を生成してよい。
図10に、貢献行動に関する情報が表示されたユーザ端末200の表示画面例を示す。
図10(a)の画面60は、ユーザがポイントを受領できる貢献行動(タスク)の表示画面例である。図に示すように、ユーザ端末200には、貢献行動と、それにより付与されるポイント数が、リスト61として表示されてよい。そして、ユーザが各貢献行動を選択することにより、
図10(b)のような詳細の説明画面に遷移してよい。
図10(b)の画面62は、ユーザが「8時半以前の入館」との貢献行動61aを選択したことによって表示される画面例である。これにより、ユーザは、「8時半以前の入館」との貢献行動は、「8時半よりも前に入館ゲートを通過すると100pt加算される」こと、ポイントが付与される期間(対象期間)が「2022/3/1~2022/5/31」に設定されていること、ポイントの付与に関し、「1日1回」との上限が設定されていることを確認することができる。なお、
図10(a)に示すように、ポイントを付与する対象として新しく設定された貢献行動には、「new」のような目印が表示されてもよい。また、リストは、新着順、未達成順、対象期間が終了に近い順など、並び替えが可能であってもよい。なお、図は一例であって、表示態様は図示したものに限定されない。
【0084】
このように、本発明の一実施形態によれば、ポイントが付与される貢献行動に関する情報がユーザに提供されてよい。これにより、ユーザはどのような行動でポイントが付与されるかを確認することができ、ユーザの意識を貢献行動へ向けさせることができる。
【0085】
また、本発明の一実施形態によれば、ユーザ間や、ユーザが所属する企業間で、ポイントの授受が可能であってもよい。上述したように、所定の目標であるビル内のコミュニティ活性化に関する貢献行動は、企業間の交流イベントの主催・参加、他企業の商品のモニター依頼・体験、ユーザ間でのギグワークの依頼・請負等が含まれてよい。そして、ポイントによって、対価の支払いが可能であってよい。例えば、イベントへ参加するユーザは付与されたポイントが減算され、イベントを主催するユーザには、ポイントが付与されてよい。なお、これ以降、イベントに参加する等してポイントを利用するユーザを「ユーザA」、イベントを主催する等してポイントを受領するユーザを「ユーザB」として説明する。
【0086】
サーバ100は、ユーザ端末200Bから、ビル内のコミュニティ活性化につながる貢献行動についての情報を取得し、記憶装置400に記憶してよい。サーバ100は、記憶装置400に記憶された情報を参照して、ユーザ端末200Aにおいて、ポイントを利用するタイプの貢献行動を通知させてよい。
図11に、ポイントを利用するタイプの貢献行動が表示されたユーザ端末200Aの表示画面例を示す。
図11(a)の画面70は、ユーザがポイントを利用する貢献行動(タスク)の表示画面例である。図に示すように、ユーザ端末200Aには、ポイントを利用するタイプの貢献行動と、必要なポイント数とが、リスト71として表示されてよい。そして、ユーザAが各貢献行動を選択することにより、
図11(b)のような詳細の説明画面に遷移してよい。
図11(b)の画面72は、ユーザAが「ゴルフレッスン」との貢献行動71aを選択したことによって表示される画面例である。これにより、ユーザAは、「ゴルフレッスン」のイベントについての詳細を確認することができる。なお、図は一例であって、表示態様は図示したものに限定されない。
【0087】
図10(b)においてユーザAが「参加する」とのボタンを選択することにより、ユーザAが参加する旨の情報がサーバ100へ送信されてよい。これにより、ユーザAに付与されたポイントが減算され、イベントの主催側のユーザBにポイントが付与されてよい。すなわち、ポイント管理部112は、ユーザ端末200Aから送信された、ユーザBへのポイントの移動要求に応じて、ユーザAに付与されたポイントを減算し、ユーザBに付与されたポイントを増加させるように、ポイント情報テーブルにおけるポイントの付与状況を更新してよい。
【0088】
なお、上述では、イベントを主催する側の「ユーザB」に対し、イベントに参加する側の「ユーザA」からポイントが移動する態様について説明した。しかしながら、ユーザBに対し、スマートビルサービスを提供するビルの管理者側からポイントが付与されてもよい。
【0089】
このように、本発明の一実施形態によれば、所定の目標を達成するための行動によって、ユーザや企業間でポイントの授受が行われる。したがって、ポイントを受領するための行動を促進させることができる。
【0090】
なお、本発明の一実施形態によれば、ユーザのポイントについて、付与履歴及び利用履歴についての情報(ポイント履歴)が記憶されてもよい。
図12は、記憶装置400に記憶されるポイント履歴テーブルの一例である。ポイント履歴テーブルTB30は、ユーザごとに、ポイントに変動があった日時におけるポイントの増減、ポイント総数、ポイントが変動する起因となった貢献行動IDが記憶されてよい。例えば、ユーザID「user_A」のユーザは、日時「2022/3/1」に、貢献行動ID「con_12」によって「10pt」が付与され、ポイント総数が「10pt」である。そして、日時「2022/3/2」に、貢献行動ID「con_301」によって「5pt」が減算され、ポイント総数が「35pt」となっている。なお、ここでのユーザには、前述のように企業やテナントが含まれてよく、企業(テナント)のポイント履歴テーブルが記憶されてもよい。なお、図は一例であって、ポイント履歴テーブルの態様は図示したものに限定されない。例えば、図ではユーザごとにポイント履歴テーブルが作成された例を示してあるが、すべてのユーザについてまとめて記憶されてもよい。
【0091】
サーバ100の生成部115は、ポイント履歴テーブルTB30を参照して、ユーザのポイント履歴に関する情報をユーザ端末200に表示させる表示情報を生成してよい。
図13に示す画面80は、ユーザ端末200に表示されたポイント履歴の表示画面の一例である。図のように、ユーザ端末200において、ポイント履歴として、ユーザがポイントを付与された貢献行動についてのリスト81が表示されてよい。なお、ユーザが各貢献行動を選択することにより、貢献行動の詳細が表示されてもよい。
【0092】
なお、本発明の一実施形態によれば、行動情報としてのユーザの位置情報に基づいて、ユーザの行動が貢献行動であるか否かが判定されてよい。例えば、ユーザ端末200は、ビル内に設置されたビーコン発信器から発信されたビーコン信号を受信し、サーバ100へ送信してよい。サーバ100は、ビーコン信号に含まれるビーコン発信器の識別情報によって、ユーザ端末200の移動経路を検出し、ユーザがエレベーターを利用せずに階段で移動したか否か等を判定してよい。
【0093】
エレベーターを用いずに階段を利用することは、所定の目標である健康増進につながる。本発明の一実施形態によれば、貢献行動として、ユーザが階段を利用したかを判定可能な条件を記憶装置400に予め記憶し、ユーザ端末200から送信された位置情報に基づき、ユーザの行動が貢献行動に相当するかが判定されてよい。
【0094】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、サーバ100が備えるとして説明した各構成部は、複数のサーバによって分散されて実現されてもよい。
【0095】
また、上述でサーバ100が行うとして説明した処理は、ユーザ端末200が実行してもよいし、ユーザ端末200が行うとして説明した処理を、サーバ100が実行してもよい。さらに、サーバ100が情報取得装置300から取得するとして説明した行動情報が、ユーザ端末200から取得されてもよい。
【0096】
なお、ポイントが付与されたことを示す通知は、ポイントが付与される度に通知されてもいいし、例えば1日分、3日分のように、所定の期間分まとめて通知されてもよい。さらに、ユーザが通知するタイミングを設定できてもよい。
【0097】
また、ポイントの増減につながる貢献行動は、上述したものに限定されない。例えば、業務を進める上で利用される一般的なワークフローシステムにおいて、所定の条件が成立した場合に、ユーザにポイントが付与されてもよい。例えば、ワークフロー上でビル内の設備の破損や汚損を知らせる、ワークフロー上でユーザに荷物が届いたことが通知されると、直ちに受け取りに行くといった、ビル管理に協力するような行動がとられた場合に、ビルの管理者側から、ユーザに対しポイントが付与されてもよい。
【0098】
また、ユーザの所属する企業ごとに、ポイントの付与履歴や利用履歴についての情報が提供されてよい。例えば、ひと月ごとのポイントの推移を貢献行動ごと、または目標ごとにまとめて閲覧可能であったり、役職の高いユーザに対しては、所属するユーザのポイント履歴を閲覧可能であったりしてよい。また、ビルの管理者は、ビル全体でのポイント履歴を閲覧可能であってもよい。これにより、ポイントサービスの施策が有効であるか否かを検討するための資料を、ビルの管理者や各企業に提供することができる。
【0099】
本開示の各実施形態のプログラムは、情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや制御プログラムを含む。サーバ100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ100は、プロセッサがメモリ上にロードされたプログラムを実行することにより、通信制御部111、ポイント管理部112、取得部113、判定部114、及び生成部115として機能する。
【0100】
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0101】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ100に提供されてもよい。
【0102】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等を用いて実装されてよい。
【0103】
以上説明した本開示の各態様によれば、環境負荷の低減、省資源化、ワーカーの健康状態の向上を進めるサービスが可能となることにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0104】
100 サーバ(情報処理装置)
110 制御部
111 通信制御部
112 ポイント管理部
113 取得部
114 判定部
115 生成部
120 通信部
170 記憶装置
200 ユーザ端末(通信端ます)
210 制御部
211 通信制御部
212 表示制御部
213 入出力制御部
214 要求情報生成部
220 通信部
230 表示部
240 操作入力部
250 読取部
260 位置情報取得部
290 記憶部
300 情報取得装置
400 記憶装置
500 ネットワーク
600 情報処理システム
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報を記憶する記憶部と、
前記ワーカーの行動に関する行動情報を取得する取得部と、
前記行動情報に基づき、前記ワーカーの前記行動が、施策ごとに複数種類設定された、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動のうちいずれの種類であるかを判定する判定部と、
前記貢献行動の種類に応じたポイントを前記ワーカーに付与し、前記付与状況を更新するポイント管理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記行動情報として、前記ワーカーが用いる読取機能を有する通信端末から、当該通信端末において読み取られた第1種識別情報を取得し、
前記判定部は、前記第1種識別情報の種類に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記行動情報として、情報取得装置から、前記ワーカーを識別するための第2種識別情報と、当該第2種識別情報が関連付けられた前記情報取得装置による制御の内容に関する情報を取得し、
前記判定部は、前記第2種識別情報が関連付けられた前記情報取得装置による制御の内容に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記行動情報として、前記ワーカーが用いる通信端末から、環境の設定に関する情報を取得し、
前記判定部は、前記環境の設定に関する情報の内容に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記ワーカーの行動情報が、前記ポイントを減算させる所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記ポイント管理部は、前記ワーカーの行動情報が前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記ワーカーに付与されたポイントを減算するように、前記付与状況を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記行動情報として、ビーコン発信器から発信されたビーコン信号に基づいて、前記ワーカーの位置情報を取得し、
前記判定部は、前記位置情報の変化から検出される移動経路に基づき、前記貢献行動の種類を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記行動情報として、前記ワーカーによる各種設備の使用に関する情報を取得し、
前記判定部は、前記設備が前記ワーカーの予約通りに使用された行動を、前記貢献行動として判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ワーカーへの前記ポイントの付与状況に関する情報が更新された場合、前記ワーカーが用いる通信端末に、前記ワーカーへの前記ポイントの付与状況に関する情報に関する情報を通知する通知部をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通知部は、前記ワーカーが用いる通信端末に、前記貢献行動に関する情報を通知する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ポイント管理部は、前記ワーカーが用いる通信端末から送信された、前記ワーカーとは異なる他のワーカーへのポイントの移動要求に応じて、前記ワーカーに付与されたポイントを減算し、前記他のワーカーに付与されたポイントを増加させるように、前記付与状況を更新する、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報を記憶部に記憶するステップと、
前記ワーカーの行動に関する行動情報を取得するステップと、
前記行動情報に基づき、前記ワーカーの前記行動が、施策ごとに複数種類設定された、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動のうちいずれの種類であるかを判定するステップと、
前記貢献行動の種類に応じたポイントを前記ワーカーに付与し、前記付与状況を更新するステップと、を含む、
情報処理装置が実行する制御方法。
【請求項12】
情報処理装置に、
ワーカーへのポイントの付与状況に関する情報を記憶部に記憶する機能と、
前記ワーカーの行動に関する行動情報を取得する機能と、
前記行動情報に基づき、前記ワーカーの前記行動が、施策ごとに複数種類設定された、所定の目標の達成に貢献する行動である貢献行動のうちいずれの種類であるかを判定する機能と、
前記貢献行動の種類に応じたポイントを前記ワーカーに付与し、前記付与状況を更新する機能と、を実現させる、
情報処理装置の制御プログラム。