(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073564
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】細胞療法のための多様な抗原結合ドメイン、新規プラットフォームおよびその他の強化
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20240522BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240522BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/867 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/861 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/86 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/863 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/869 20060101ALI20240522BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20240522BHJP
C07K 16/00 20060101ALI20240522BHJP
C12N 7/01 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240522BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240522BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240522BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240522BHJP
A61K 35/28 20150101ALI20240522BHJP
A61K 35/545 20150101ALI20240522BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240522BHJP
A61K 35/761 20150101ALI20240522BHJP
A61K 35/763 20150101ALI20240522BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240522BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240522BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N5/10
C07K19/00
C12N15/867 Z
C12N15/861 Z
C12N15/864 100Z
C12N15/86 Z
C12N15/863 Z
C12N15/869 Z
C07K14/705
C07K16/00
C12N7/01
C12N15/12
C12N15/13
A61K48/00
A61K35/17
A61K35/28
A61K35/545
A61K35/76
A61K35/761
A61K35/763
A61P35/00
A61P35/02
A61K38/16
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039934
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2020566230の分割
【原出願日】2019-06-01
(31)【優先権主張番号】62/679,741
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524099175
【氏名又は名称】アンヘレス セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャウダリ、プリート エム
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA13
4C084BA02
4C084NA14
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZB27
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA75
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】 (修正有)
【課題】がん、感染、アレルギー性、変性及び免疫障害のための養子細胞療法のためのキメラ抗原受容体の構築のための多様な抗原結合ドメイン及びプラットフォーム、並びに前記養子細胞療法のための免疫T細胞の活性化及び増幅のためのアプローチを提供する。
【解決手段】少なくとも1つの第1世代又は次世代キメラ抗原受容体をコードする少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えポリヌクレオチドが、(a)部分的又は全体的な膜貫通及び/又は細胞質ドメインをコードする第1の核酸ドメイン;(b)任意に、ポリヌクレオチドリンカー、及び(c)前記第1の核酸ドメインに作動可能に連結された第2の核酸ドメイン;(d)共刺激ドメインをコードする任意の第3の核酸ドメイン;及びアクセサリーモジュールをコードする任意の追加の核酸ドメインを含む、少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1世代または次世代キメラ抗原受容体(CAR)をコードする少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドであって、
前記少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドが、
(a) 部分的または全体的な膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1の核酸ドメインと、任意に内因性タンパク質の細胞外ドメイン(ここで、該内因性タンパク質がリンパ球の表面上で発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発する);
(b)任意に、ポリヌクレオチドリンカー、および
(c)前記第1の核酸ドメインに作動可能に連結された第2の核酸ドメイン(ここで、前記第2の核酸ドメインは、前記結合ドメインが表3に記載の結合ドメインから選択される1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインをコードする);
(d)共刺激ドメインをコードする任意の第3の核酸ドメイン;およびアクセサリーモジュールをコードする任意の追加の核酸ドメイン
を含む、少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記第1の核酸が、表13に記載の少なくとも1つのT細胞受容体(TCR)鎖を部分的または完全にコードする、請求項1に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記第1の核酸が、前記TCR型の細胞質ドメインに作動可能に連結された、表13中の少なくとも1つの膜貫通ドメインをコードする、請求項2に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド
【請求項4】
前記ポリヌクレオチドがCARをコードし、該CARが、
(i)配列番号4038~4063、12602~12638 から選択される配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する部分または全体のT細胞受容体(TCR)定数鎖、および任意の共刺激モジュール;
(ii)任意のリンカー および
(iii)表3に記載の結合ドメインから選択される(i)に連結された1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメイン;
(iv)任意のアクセサリーモジュールおよび
(v)(i)-(iii)を含むポリペプチドの二量体
を含む、請求項1に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記組換えポリヌクレオチドが、表2の配列のいずれか1つをコードする配列を含む、請求項4に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記アクセサリーモジュールが、配列番号43~4117および4090~4096から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれかに記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記コードされたCARが、(1)表1のCAR1~16および/または(2)表2の主鎖;および(3)表3の結合ドメインを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項8】
(i)がCD3zTCR定数鎖である、請求項4に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項9】
2つの第1世代または次世代キメラ抗原受容体をコードする、請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えポリヌクレオチド。
【請求項10】
CD3z定数鎖の二量体をコードする、請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えポリヌクレオチド 。
【請求項11】
少なくとも1つの次世代キメラ抗原受容体(CAR)をコードする少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドであって、前記少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドが:
(a) 部分的または全体的な膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1の核酸ドメインおよび任意に配列番号4064~4066、4070~4072、および4075~4078からなる群から選択される配列を有する内因性CD3zタンパク質の細胞外ドメイン(ここで、該内因性タンパク質がリンパ球の表面上で発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発する);
(b)任意に、ポリヌクレオチドリンカー;および
(c)前記第1の核酸ドメインに作動可能に連結された第2の核酸ドメイン(ここで、前記第2の核酸ドメインは、前記結合ドメインが表3に記載の結合ドメインから選択される1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインをコードする); および
(d)共刺激ドメインをコードする任意の第3の核酸ドメイン;およびアクセサリーモジュールをコードする任意の追加の核酸ドメイン
を含む、少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記内因性CD3zタンパク質をコードする核酸配列が、配列番号67および71からなる群から選択される、請求項11に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記少なくとも1つの次世代CARは、2つのCARを含み、各々のCARは、CD3z鎖を含む、請求項11または12に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項14】
抗体のvL断片が2つのCD3z鎖のうちの1つに作動可能に連結され、抗体のvH断片が他方のCD3z鎖に作動可能に連結されている、請求項13に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項15】
前記vL鎖およびvH鎖が、特定の抗原標的についての表3および4中の対から選択される、請求項14に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項16】
前記vL/vHおよび/または前記CD3z鎖の間にリンカーが設けられている、請求項14または15に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項17】
コード化リンカーが、IgCL(配列番号(DNA)28および配列番号(PTR)4027およびIgCHドメイン(配列番号(DNA)29および配列番号(PTR)4028からなる群から選択される、請求項16に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項18】
共刺激モジュールをコードする第3の核酸ドメインをさらに含む、請求項11に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項19】
前記共刺激モジュールが、41BBまたはCD28タンパク質を含む、請求項17に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項20】
前記共刺激モジュールが、配列番号4067および4068からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項18または19に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド
【請求項21】
前記共刺激モジュールが、CD134(OX40)、Dap10、CD27、CD2、CD5、ICAM-1、LFA-1、Lck、TNFR-I、TNFR-II、Fas、CD30、CD40およびそれらの組み合わせのいずれか1つまたは複数からのシグナル伝達ドメインを含む、請求項18に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
【請求項22】
前記アクセサリーモジュールが、配列番号4013~4117および4090~4096から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項11~21のいずれかに記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド
【請求項23】
第1世代または次世代キメラ抗原受容体(CAR)のホモまたはヘテロ二量体を発現する組換え細胞であって、前記ホモまたはヘテロ二量体が:
(a)部分的または全体的な膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1ドメインと、任意に内因性タンパク質の細胞外ドメイン(ここで、該内因性タンパク質がリンパ球の表面上で発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発する);
(b)任意に、ポリヌクレオチドリンカー、および
(c)前記第1ドメインに作動可能に連結された第2ドメイン(ここで、前記第2ドメインは、前記結合ドメインが表3に記載の結合ドメインから選択される1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインをコードする); および
(d)共刺激ドメインをコードする任意の第3ドメイン
を含み、前記細胞が任意にアクセサリーモジュールを含み、
前記ホモまたはヘテロ二量体が前記組換え細胞の表面に結合している、組換え細胞。
【請求項24】
前記細胞が、前記少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドまたは請求項1~22のいずれかで形質転換される、請求項23に記載の組換え細胞。
【請求項25】
前記細胞がTリンパ球(T細胞)である、請求項23または24に記載の組換え細胞。
【請求項26】
前記細胞が、ナイーブT細胞、中央メモリT細胞、エフェクターメモリT細胞、Treg、またはそれらの組み合わせである、請求項25に記載の組換え細胞。
【請求項27】
前記細胞がナチュラルキラー(NK)細胞、造血幹細胞(HSC)、胚性幹細胞、または多能性幹細胞である、請求項23に記載の組換え細胞。
【請求項28】
前記アクセサリーモジュールが、配列番号4103~4117および4090~4096から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項23~27のいずれかに記載の組換え細胞。
【請求項29】
(a)部分的または全体的な膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1ドメインと、任意に内因性タンパク質の細胞外ドメイン(ここで、該内因性タンパク質がリンパ球の表面上で発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発する);
(b)任意に、ポリヌクレオチドリンカー、および
(c)前記第1ドメインに作動可能に連結された第2ドメイン(ここで、前記第2ドメインは、前記結合ドメインが表3に記載の結合ドメインから選択される1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインをコードする);および
(d)共刺激ドメインをコードする任意の第3ドメイン
を含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項30】
前記内因性タンパク質が、配列番号4064~4066、4070-4072、(4075-4078)および12637からなる群から選択される配列を含む、請求項29に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項31】
前記第1核酸が、表13に記載の少なくとも1つのT細胞受容体(TCR)鎖を部分的または完全にコードする、請求項29に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項32】
前記第1核酸は、対応するTCR型の細胞質ドメインに作動可能に連結された、表13の膜貫通ドメインを含む、請求項31に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項33】
前記CARが
(i)配列番号4038~4063、12602~12638から選択される配列と少なくとも75%の配列同一性を有し、任意の共刺激モジュールを含んでいてもよいアミノ酸配列を有する部分または全体のT細胞受容体(TCR)定数鎖を含む、請求項29に記載のキメラ抗原受容体。
【請求項34】
請求項29~33のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項35】
請求項34に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項36】
請求項35に記載のポリヌクレオチドを含む、ウイルス。
【請求項37】
前記ウイルスがレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、ポックスウイルスまたはヘルペスウイルスである、請求項36に記載のウイルス。
【請求項38】
請求項1~22に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチド、請求項23~28に記載の組換え細胞、請求項29~33の記載のCAR、請求項35に記載のベクターまたは請求項36に記載のウイルスのいずれか1種又は複数種を含む、医薬組成物。
【請求項39】
がんを治療するために、請求項38に記載の組成物または請求項23に記載の組換え細胞を提供する工程と、治療有効量の組成物または細胞を被験体に投与する工程と、を含む、がんの治療方法。
【請求項40】
前記がんは、血液がんである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記血液がんは、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫、多重腫および急性リンパ性白血病のいずれか1つまたは複数である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドが、HIV-1-vifをコードする配列を含む、請求項21に記載の少なくとも1つの組換え細胞。
【請求項43】
前記細胞が、HIV-1-vifをさらに含む、請求項42に記載の組換え細胞。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2006年6月1日に出願された米国仮出願第60/679、741号の優先権を主張し、これらの開示は全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、がん、感染、アレルギー性、変性および免疫疾患のための養子細胞治療のための、従来および次世代キメラ抗原の構築のための、多様な抗原結合ドメインおよび新規なプラットフォームを提供する。がん、感染、アレルギー性、変性および免疫疾患のための養子細胞治療のための免疫T細胞の活性化および増幅のための新規なアプローチも提供される。
【配列表を参考にした取り込み】
【0003】
この出願に付随して、2001年6月1日に作成され、かつ、IBM-PC、MS-Windows(登録商標)オペレーティングシステム上でフォーマットされた、80、373、218バイトのデータを有する、"sequencesequence_ST25.txt"という名称のシーケンスリストが記載されている。この配列表は、全ての目的のためにその全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0004】
CARは、T細胞をリダイレクトして腫瘍細胞を選択的に殺すことができる合成免疫受容体である。 HLA-ペプチド複合体に結合する生理学的T細胞受容体(TCR)とは異なり、CARはペプチドプロセシングやHLA発現の認識を必要としない分子に結合する。初期の第1世代CARは、scFv(一本鎖断片変数)ベースの抗原結合ドメインを、CD3-ζまたはFc受容体γ鎖に由来する細胞質シグナル伝達ドメインにリンクした不活性CD8膜貫通ドメインに融合させることで構築された。T細胞共刺激の欠如を克服するために、第1世代のCARは、T細胞共刺激受容体の細胞質シグナル伝達ドメインを組み込むことによってさらに変更された。
【0005】
CAR-T細胞に成功しているにもかかわらず、このアプローチにはいくつかの制限があり、これには、ヒトサイトカイン放出症候群(CRS)および神経毒性などの毒性が含まれる。CAR構築物中に共刺激ドメインを含めることにより、受容体を介する非生理学的シグナル伝達がもたらされ、これは、それらの毒性および持続性の欠如に寄与することができる。
【0006】
従来の第二世代CAR設計上の制限のうちのいくつかを打開するために、Ab-TCR(参照により本明細書に組み込まれるWO2017/070608A1)、TCR受容体融合タンパク質またはTFP(参照により本明細書に組み込まれるWO2016/187349A1)、合成免疫受容体(SIR)(参照により本明細書に組み込まれるWO2018/102795A1)、三官能性T細胞抗原カップラー(Tri-TAC)(参照により本明細書に組み込まれるWO2015/117229A1)を含む、集合的に次世代CARと称されるいくつかの代替の設計について説明されている。これらの代替のCAR設計は、一般に、共刺激ドメインを欠く。
【発明の概要】
【0007】
以下の実施形態およびそれらの態様は、システム、組成物、および方法に関連付けて説明および例示するが、それらは代表的な例示であり、範囲を限定するものではないことが意図されている。
【0008】
特定の実施形態では、本開示は、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、がん、感染性、自己免疫性および変性疾患の治療のための養子細胞療法で使用することができる合成免疫受容体(SIR)などを含み、遺伝子操作されたエフェクター細胞(NK細胞およびT細胞など)を含む組成物を提供する。
【0009】
特定の実施形態では、本開示は、2つのCD3z鎖を含むzSIRsと呼ばれる、合成免疫受容体のプラットフォームを提供する。SIRの構築に用いることができるCD3z鎖のポリヌクレオチド配列は、例えば配列番号67、71に提供される。対応するアミノ酸配列は、配列番号4066、4070にそれぞれ提供される。本開示は、抗体のvL断片を2つのCD3z鎖の一方に結合させることができ、vH断片を他方のCD3z鎖に結合させることができることを提供する。2つのこのような鎖(例えば、vL-CD3zおよびvH-CD3z)が同一細胞内で共発現される場合、vLおよびvH断片は、それらの同族の抗原に結合し、T細胞信号を伝達することができる。特に、同族の標的抗原を発現する細胞株に暴露されたときにこのようなzSIRを発現するT細胞は、NFATシグナル伝達を活性化し、IL2産生を誘導し、T細胞増殖を促進し、T細胞の活性化を促進し、細胞毒性を発揮することができる。vL/vHとCD3z断片との間にリンカーを組み込むことにより、zSIRの発現および活性をさらに高めることができる。特に、抗体由来の IgCL (配列番号28、4027)およびIgCHドメイン(配列番号29、4028)は、vL/vHとCD3z断片との間の有用なリンカーとして作用する。
【0010】
本開示はさらに、養子細胞療法における用途のために、従来のCAR(例:41BB共刺激ドメインを含む第2世代CAR)ならびにSIR、zSIR、Ab-TCRーTri-TACおよびTFPなどの次世代CARの生成に使用できるいくつかの新しい抗原結合ドメインを提供する。いくつかの実施形態では、これらの抗原結合ドメインは、血液悪性腫瘍および固形腫瘍の両方において発現される抗体および標的抗原から誘導される。これらの抗原結合ドメインのvL、vHおよびscFv断片の配列番号を表3に示す。軽(vL)鎖と重(vH)鎖の相補性決定領域(CDR)の配列番号を表4に示す。例示的な従来のCAR(すなわち、41BB共刺激ドメインを含む第2世代のCAR)、およびこれらの抗原結合ドメインに基づく次世代のCAR(例えば、SIR、zSIR、Ab-TCRおよびTFP)の核酸およびアミノ酸の配列番号を表6および7に提供する。これらの抗原結合ドメインを含むCARは、標的抗原への結合親和性、サイトカイン分泌、増殖、細胞毒性、消耗、長期持続性など、さまざまなin vitroおよびin vivo特性を示す。そのため、これらの標的抗原を含むCARを使用して、多様な免疫応答を生成することができる。本開示の抗原結合ドメインを含むCARを発現するポリヌクレオチド、ポリペプチド、発現構築物、組換え操作された細胞、ならびにそのようなポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび細胞の作製方法および使用方法は、当該技術分野で公知の方法およびPCT/US2017/024843、WO2016/183749A1、PCT/US2016/058305、WO2015/117229A1およびPCT/US17/64379に記載されている方法で記載されている。これらの抗原結合ドメインを含む、従来型および次世代のCARの両方のCARを発現する免疫細胞は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる当技術分野で知られている方法およびPCT/US2017/024843、WO2014/160030A2、WO2016/187349A1、PCT/US2016/058305、WO2015/117229A1およびPCT/US17/64379に記載の方法を使用して、がん、感染性および免疫障害の養子細胞療法のために生成および使用することができる。
【0011】
本開示はまた、Vifタンパク質およびCAR(例えば、従来のCAR、SIR、Ab-TCR、トリ-Tacまたは組換えTCRなど)またはVifおよび他の任意の治療遺伝子(例えば、鎌状赤血球貧血の治療のためのβ-グロビン遺伝子)を同時発現することにより、レンチウイルスベクターを用いた遺伝子移入を改善する方法を提供する。CARをコードし、Vifを共発現する例示的なレンチウイルスベクター(pLenti-EF1a-CD8SP-hu-CD19-USC1-LH4-vH-Gly-Ser-リンカ-vL-Myc-CD8TM-BBz-2A-Vif)は、配列番号11268に提供される。いくつかの態様において、Vifタンパク質は、レンチウイルスベクターのパッケージングの際に、パッケージング細胞中のVifを共発現することによりトランスで提供される。そのような実施形態において、Vifタンパク質は、レンチウイルスベクターをコードするRNAと共にウイルス粒子にパッケージされ、そして標的細胞に移される。Vifタンパク質は、当技術分野で知られている方法によってパッケージング細胞で発現させることができる。例示的な実施形態では、Vifタンパク質は、Vifをコードする哺乳動物発現ベクター(例えば、pCDNA3-Vif;配列番号11269)を、目的の遺伝子をコードするレンチウイルストランスファーベクターおよびレンチウイルスパッケージングベクターと同時トランスフェクトすることにより、パッケージング細胞において発現される。(例えば、pLenti-EF1α-CD8SP-MYC3-WT1-Ab13-vL-V5-[hTCRb-KACIAH]-F-P2A-SP-WT1-Ab13-vH-Myc4- [hTCRa-CSDVP] -F-F2A-PACDWPRE;配列番号151)。例示的な実施形態では、Vif(例えば、pCDNA3-Vif; 配列番号11269)をコードする哺乳動物発現ベクター(pCDNA3-Vif)を、目的の遺伝子例えば、pLenti-EF1α-CD8SP-MYC3-WT1-Ab13-vL-V5-[hTCRb-KACIAH]-F-P2A-SP-WT1-Ab13-vH-Myc4-[hTCRa-CSDVP]-F-F2A-PACDWPRE; 配列番号151)およびレンチウイルスパッケージングベクター(s)をコードするレンチウイルス伝達ベクターと共トランスフェクトすることにより、Vifタンパク質をパッケージング細胞中で発現させる。例示的なレンチウイルスパッケージングベクターには、GagおよびPolをコードする第3世代レンチウイルスパッケージングプラスミドであり、効率的なパッケージングのためにpRSV-Rev(Addgene#12253)およびエンベロープ発現プラスミドpMD2.G(Addgene#12259)を必要とするpMDLg / pRRE(Addgeneプラスミド12251)が含まれる。もう1つのレンチウイルスパッケージングベクターはpsPAX2(Addgeneプラスミド#12260)である。これは、第2世代レンチウイルスパッケージングプラスミドであり、エンベロープ発現プラスミドpMD2.G(Addgene#12259)とともに使用して、第2世代または第3世代レンチウイルスベクターをパッケージ化できる。例示的な実施形態では、Vifをコードするプラスミドを、psPAX2およびpMD2.Gプラスミドと同時トランスフェクトして、第2世代または第3世代のレンチウイルスベクターをパッケージングすることができる。代替の例示的な実施形態において、Vifをコードするプラスミドは、pMDLg/pRRE、pRSV-RevおよびpMD2.Gプラスミドと同時トランスフェクトされて、第3世代レンチウイルスベクターをパッケージ化することができる。Vifは、他のレンチウイルスパッケージングタンパク質(gag、Pol、Revなど)をコードする同じベクターから共発現させることもできる。例示的な実施形態では、パッケージングプラスミドpsPAX2は、当技術分野で知られている方法によってVifも共発現するように改変される。代替の例示的な実施形態において、GagおよびPolをコードする第3世代レンチウイルスパッケージングプラスミドは、Vifをコードする核酸配列をPolをコードする核酸配列とインフレームで融合し、そしてP2A切断可能リンカー配列によってそれから分離することによって、Vifも発現するように改変される。いくつかの実施形態では、Vifは、パッケージングセルで一時的に発現されるが、他の実施形態では、Vifは、パッケージングセルで安定して発現される。いくつかの実施形態では、Vifは、標的細胞で一時的に発現されるが、他の実施形態では、Vifは、標的細胞で安定して発現される。一実施形態では、Vifは、Vifをコードする哺乳動物発現ベクター(例えば、pCDNA3-Vif;配列番号11269)のエレクトロポレーションによって、またはVifポリペプチドのエレクトロポレーションによって、標的細胞(例えば、T細胞または幹細胞)において一過性に発現される。Vifを一過性に発現するタージ細胞(例えば、T細胞または幹細胞)は、その後、CARまたは任意の目的の治療遺伝子(例えば、βグロビン)をコードするレンチウイルスベクターに感染する。
【0012】
免疫応答のポリクローナル性は、さまざまな感染症の制御に成功するための鍵である。対照的に、現在のCAR療法は、一般に、単一の抗原および/または単一の抗原の単一のエピトープの標的化に依存している。標的抗原または標的エピトープの喪失は、現在のCAR療法の失敗の頻繁な原因である。この制限を克服するために、開示は、複数の抗原および単一の抗原の複数のエピトープに対してCARを提供する。これらのCARを適切な組み合わせで使用して、がん、感染症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、変性疾患などの疾患の予防または治療のためのポリクローナルで多様な適応免疫応答を提供できる。
【0013】
本開示はまた、養子移入されたT細胞(例:CAR-T細胞、TCR-T細胞およびTIL)において発現され、それらの生存、増殖、活性化、エフェクター機能(例えば、サイトカイン分泌、細胞毒性など)、消耗およびin vivo持続性に影響を及ぼし得るアクセサリーモジュールを提供する。
【0014】
本開示は、少なくとも1つの第1世代または次世代キメラ抗原受容体(CAR)をコードする少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドは、以下を含む:(a)内因性タンパク質の部分的または全体の膜貫通および/または細胞質ドメイン、および任意選択で細胞外ドメインをコードする第1の核酸ドメイン。ここで、内因性タンパク質はリンパ球の表面に発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発し;(b)任意選択でポリヌクレオチドリンカー;そして(c)第1の核酸ドメインに作動可能に連結された第2の核酸ドメイン。ここで、第2の核酸ドメインは、1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインをコードし、結合ドメインは、表3に記載の結合ドメインから選択され;(d)共刺激ドメインをコードする任意の第3の核酸ドメイン;そして、アクセサリーモジュールをコードする任意の追加の核酸ドメイン。一実施形態では、第1の核酸は、表13に記載されるように、部分的または完全に少なくとも1つのT細胞受容体(TCR)鎖をコードする。別のまたはさらなる実施形態において、第1の核酸は、TCR型の細胞質ドメインに作動可能に連結された表13の少なくとも1つの膜貫通ドメインをコードする。別のまたはさらなる実施形態において、ポリヌクレオチドは、CARをコードし、ここで、CARは、以下を含む:(i)配列番号4038~4063、12602~12638から選択される配列に対して少なくとも75%の配列同一性を有し、任意の共刺激モジュールを含み得るアミノ酸配列を有する部分的または全体的なT細胞受容体(TCR)定常鎖;(ii)任意のリンカー;そして、(iii)表3に記載の結合ドメインから選択された(a)に連結された1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメイン;(iv)任意のアクセサリーモジュール;(v)(i)-(iv)を含むポリペプチドの二量体。別のまたはさらなる実施形態において、組換えポリヌクレオチドは、表2の配列のいずれか1つをコードする配列を含む。別のまたはさらなる実施形態では、アクセサリーモジュールは、配列番号4103~4117および4090~4096から選択されるアミノ酸配列を含む。別のまたはさらなる実施形態では、コード化されたCARは、(1)表1のCAR1~16のいずれか、および/または(2)表2のバックボーン、および(3)表3の結合ドメインを含む。別のまたはさらなる実施形態において、(i)は、CD3zTCR定常鎖である。別のまたはさらなる実施形態において、ポリヌクレオチドは、2つの第1世代または次世代のキメラ抗原受容体を提供する。別のまたはさらなる実施形態において、ポリヌクレオチドは、CD3z定常鎖の二量体をコードする。
【0015】
本開示はまた、少なくとも1つの次世代キメラ抗原受容体(CAR)をコードする少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドを提供し、少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドは、以下を含む:(a)内因性タンパク質がリンパ球の表面に発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発する、配列番号4064~4066、4070~4072、および4075~4078からなる群から選択される配列を有する部分的または全体の膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1の核酸ドメイン、および場合により内因性CD3zタンパク質の細胞外ドメイン;(b)任意選択でポリヌクレオチドリンカー;そして、(c)2番目の核酸ドメインは1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインをコードし、結合ドメインは表3に記載の結合ドメインから選択される第1の核酸ドメインに作動可能に連結された第2の核酸ドメイン;(d)共刺激モジュールをコードする任意の第3の核酸ドメイン;およびアクセサリーモジュールをコードする任意の追加の核酸。別のまたはさらなる実施形態において、内因性CD3zタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号67および71からなる群から選択される。別のまたはさらなる実施形態では、少なくとも1つの次世代CARは、2つのCARを含み、各CARは、CD3z鎖を含む。別のまたはさらなる実施形態において、抗体のvL断片は、2つのCD3z鎖のうちの1つに作動可能に連結され、抗体のvH断片は、他のCD3z鎖に作動可能に連結される。別のまたはさらなる実施形態において、vLおよびvH鎖は、特定の抗原標的について表3および4の対から選択される。別のまたはさらなる実施形態において、リンカーは、vL/vHおよび/またはCD3z鎖の間に提供される。別のまたはさらなる実施形態では、コードされたリンカーは、IgCL(配列番号(DNA):28および配列番号(PRT):4027)およびIgCHドメイン(配列番号(DNA):29および配列番号(PRT):4028)からなる群から選択される。別のまたはさらなる実施形態では、共刺激モジュールをコードする第3の核酸ドメインをさらに含む。別のまたはさらなる実施形態において、共刺激モジュールは、41BBまたはCD28タンパク質を含む。別のまたはさらなる実施形態において、共刺激モジュールは、配列番号4067および4068からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。別のまたはさらなる実施形態では、共刺激モジュールは、CD134(OX40)、Dap10、CD27、CD2、CD5、ICAM-1、LFA-1、Lck、TNFR-I、TNFR-II、Fas、CD30、CD40およびそれらの組み合わせのいずれか1つまたは複数からのシグナル伝達ドメインを含む。別のまたはさらなる実施形態では、アクセサリーモジュールをさらに含み、アクセサリーモジュールは、配列番号4103~4117および4090~4096から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0016】
本開示はまた、第1世代または次世代キメラ抗原受容体(CAR)のホモ二量体またはヘテロ二量体を発現する組換え細胞を提供し、ホモ二量体またはヘテロ二量体は、以下を含み:(a)部分的または全体の膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1のドメイン、および任意で内因性タンパク質の細胞外ドメイン、ここで、内因性タンパク質はリンパ球の表面に発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発し;(b)任意選択でペプチドリンカー;(c)第1のドメインに作動可能に連結された第2のドメインであって、第2のドメインは、1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインを含み、結合ドメインは、表3に記載の結合ドメインから選択され;そして(d)共刺激モジュールをコードする任意の第3のドメインであり、細胞は、任意選択で、組換え細胞の表面上でホモ二量体またはヘテロ二量体が会合するアクセサリーモジュールを含む。別のまたはさらなる実施形態において、細胞は、本明細書に記載されるような少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドで形質転換される。別のまたはさらなる実施形態において、細胞は、Tリンパ球(T細胞)である。別のまたはさらなる実施形態において、細胞は、ナイーブT細胞、中央記憶T細胞、エフェクター記憶T細胞、Tregまたはそれらの組み合わせである。別のまたはさらなる実施形態において、細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞、造血幹細胞(HSC)、胚性幹細胞、または多能性幹細胞である。別のまたはさらなる実施形態では、アクセサリーモジュールは、配列番号4103~4117および4090~4096から選択されるアミノ酸配列を含む。別のまたはさらなる実施形態において、組換え細胞は、HIV1-Vifを発現するか、または発現するように操作される。
【0017】
本開示は、以下を含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供し:(a)内因性タンパク質はリンパ球の表面に発現され、リンパ球の活性化および/または増殖を誘発する部分的または全体の膜貫通および/または細胞質ドメインをコードする第1のドメイン、および任意で内因性タンパク質の細胞外ドメイン;(b)任意選択でペプチドリンカー;(c)第1のドメインに作動可能に連結された第2のドメインであって、第2のドメインは、1つまたは複数の非天然TCR抗原結合ドメインを含み、結合ドメインは、表3に記載の結合ドメインから選択され;そして、(d)共刺激モジュールをエンコードする任意の第3ドメイン。別のまたはさらなる実施形態において、内因性タンパク質は、配列番号4064~4066、4070~4072、4075~4078および12637からなる群から選択される配列を含む。別のまたはさらなる実施形態において、第1の核酸は、表13に記載されるように、部分的または完全に少なくとも1つのT細胞受容体(TCR)鎖をコードする。別のまたはさらなる実施形態では、第1の実施形態は、対応するTCR型の細胞質ドメインに作動可能に連結された表13の膜貫通ドメインを含む。別のまたはさらなる実施形態では、CARは(i)配列番号4038から4063、12602-12638から選択される配列と少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する部分的または全体的なT細胞受容体(TCR)定常鎖、そして任意の共刺激モジュールを含む。
【0018】
本開示は、上記および本明細書に記載されるようなキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0019】
本開示はまた、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0020】
本開示はまた、本明細書に記載されるようなポリヌクレオチドを含むウイルスを提供する。 別のまたはさらなる実施形態において、ウイルスは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、ポックスウイルスまたはヘルペスウイルスである。
【0021】
本開示はまた、本明細書に記載の本発明のいずれか1つまたは複数および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0022】
本開示はまた、組成物、本開示の組換え細胞を提供し、がんを治療するために治療有効量の組成物または細胞を対象に投与することを含む、がんを治療するための方法を提供する。別のまたはさらなる実施形態では、がんは血液がんである。別のまたはさらなる実施形態において、血液がんは、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫、多発性骨髄腫、および急性リンパ性白血病のいずれか1つまたは複数である。別の実施形態では、がんは固形腫瘍である。
【0023】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、SIR(すなわち、次世代CAR)をコードする単離された核酸であり、SIRの抗原特異的ドメインは、CD19を標的とし、SIRは、K13-vFLIPのコドン最適化変異体(K13-op )。 例示的な実施形態では、CD19を標的とする単離された核酸断片の配列は、配列番号14056~14059および14109~14112に示されている。例示的な実施形態では、CD19を標的とし、任意選択でK13-vFLIPを共発現する単離されたポリペプチドの配列は、配列番号15800-15803および15853-15856に記載されている。いくつかの実施形態において、CD19を標的とするvLおよびvH断片は、表3に記載され、配列番号(DNA):12662、12693および12565および12687ならびに配列番号(PRT):14406、14437および14400および14431に示される。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸によってコードされるポリペプチドも本明細書で提供され、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、CD19を標的とする。本明細書でさらに提供されるのは、SIRおよびK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターであり、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、CD19を標的とする。例示的な実施形態において、CD19を標的とするSIRをコードするベクターは、配列番号12641に提供される。SIRおよびK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターを含む遺伝子操作された細胞(T細胞、NKT細胞など)も本明細書で提供され、SIRの抗原特異的ドメインはCD19を標的とする。疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞がCD19を発現する疾患の治療および予防のための方法も提供される。
【0024】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、SIRをコードする単離された核酸であり、SIRの抗原特異的ドメインはMPLを標的とし、SIRは任意選択でK13-vFLIPのコドン最適化変異体(K13-opt)を発現する。例示的な実施形態では、MPLを標的とする単離された核酸断片の配列は、配列番号13791~1792および13844~13845に示されている。例示的な実施形態では、MPLを標的とし、任意選択でK13-vFLIPを共発現する単離されたポリペプチドの配列は、配列番号15535-15536および15588~15589に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、MPLを標的とするvLおよびvH断片は、表3に記載され、配列番号(DNA):12665、12696および12658および12689ならびに配列番号(PRT):14409、14440および14402および14433に示される。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸によってコードされるポリペプチドも本明細書で提供され、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、MPLを標的とする。本明細書でさらに提供されるのは、SIRおよびK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターであり、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、MPLを標的とする。例示的な実施形態において、MPLを標的とするSIRをコードするベクターは、配列番号14384に提供される。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターを含む遺伝子操作された細胞(T細胞、NKT細胞など)も提供され、SIRの抗原特異的ドメインはMPLを標的とする。 疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞がMPLを発現する疾患の治療および予防のための方法も提供される。
【0025】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、SIRをコードする単離された核酸であり、SIRの抗原特異的ドメインはBCMAを標的とし、SIRは任意選択でK13-vFLIPのコドン最適化変異体(K13-opt)を発現する。 例示的な実施形態では、BCMAを標的とする単離された核酸断片の配列は、配列番号12890~12893、12943~12946、12996~12999、13049~13052および12837~12840に示されている。例示的な実施形態では、BCMAを標的とし、任意選択でK13-vFLIPを共発現する単離されたポリペプチドの配列は、配列番号14634~14637、1468~146990、14740~14743、14793~1479、および14581~14584に記載されている。いくつかの実施形態では、BCMAを標的とするvLおよびvH断片を表3に記載し、配列番号(DNA):12670および12701、12669および12700、12671-12702、12657および12688、12654および12685;および配列番号(PRT):14414および14445、14413および14444、14415および14446、14398および14429、ならびに14401および14432に記載する。SIRをコードし、場合によりK13-vFLIPをコードする核酸によってコードされるポリペプチドも本明細書で提供され、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、BCMAを標的とする。本明細書でさらに提供されるのは、SIRおよびK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターであり、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、BCMAを標的とする。例示的な実施形態では、BCMAを標的とするSIRをコードするベクターは、配列番号14378および14385で提供される。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターを含む遺伝子操作された細胞(T細胞、NKT細胞など)も本明細書で提供され、SIRの抗原特異的ドメインはBCMAを標的とする。 疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞がBCMAを発現する疾患の治療および予防のための方法も提供される。
【0026】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、SIRをコードする単離された核酸であり、SIRの抗原特異的ドメインはMSLNを標的とし、SIRは任意選択でK13-vFLIP(K13-op)のコドン最適化変異体を発現する。例示的な実施形態では、MSLNを標的とする単離された核酸断片の配列は、配列番号14268~14269、14321~14322、および14374~14375に示されている。例示的な実施形態では、MSLNを標的とし、任意選択でK13-vFLIPを共発現する単離されたポリペプチドの配列は、配列番号16012~16013、16065~16066および16118~16119に記載されている通りである。いくつかの実施形態では、MSLNを標的とするvLおよびvH断片は、表3に記載され、配列番号(DNA):12668および12699、12667および12698、および12666~12697;および配列番号(PRT):14412および14443、14411および14442、ならびに14410および14441に示されている。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸によってコードされるポリペプチドも本明細書で提供され、ここで、SIRの抗原特異的ドメインはMSLNを標的とする。本明細書でさらに提供されるのは、SIRおよびK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターであり、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、MSLNを標的とする。例示的な実施形態では、MSLNを標的とするSIRをコードするベクターは、配列番号14381および14383で提供される。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターを含む遺伝子操作された細胞(T細胞、NKT細胞など)も本明細書で提供され、SIRの抗原特異的ドメインはMSLNを標的とする。疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞がMSLNを発現する疾患の治療および予防のための方法も提供される。
【0027】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、SIRをコードする単離された核酸であり、SIRの抗原特異的ドメインは、CD22を標的とし、SIRは、任意で、K13-vFLIPのコドン最適化変異体(K13-opt)を発現する。 例示的な実施形態では、CD22を標的とする単離された核酸断片の配列は、配列番号13314~1317、13420~13423、13473~13476、および14215~14218に示されている。例示的な実施形態において、CD22を標的とし、場合によりK13-vFLIPを共発現する単離されたポリペプチドの配列は、配列番号15058~15061、15164-15167、15217-15220、および15959~15962に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、CD22を標的とするvLおよびvH断片は、表3に記載され、そして配列番号(DNA):12663、12694、12655、12686、12643、12674、12652および12683;および配列番号(PRT):14407、14438、14399、14430、14387、14418、14396および14427に示される。SIRをコードし、任意選択でK13-vFLIPをコードする核酸によってコードされるポリペプチドも本明細書で提供され、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、CD22を標的とする。本明細書でさらに提供されるのは、SIRおよびK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターであり、ここで、SIRの抗原特異的ドメインは、CD22を標的とする。例示的な実施形態では、CD22を標的とするSIRをコードするベクターは、配列番号12640で提供される。 SIRをコードし、場合によりK13-vFLIPをコードする核酸をコードするベクターを含む遺伝子操作された細胞(T細胞、NK細胞など)も本明細書で提供され、SIRの抗原特異的ドメインはCD22を標的とする。疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞がCD22を発現する疾患の治療および予防のための方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】は、さまざまなzSIRの概略図を示している。CD3z-ECD、CD3z-TM、CD3z-CPは、CD3zの細胞外、膜貫通、および細胞質ドメインを指す。4-1BBおよびCD28は、4-1BBおよびCD28の細胞質共刺激ドメインを指す。
【0029】
【
図2】
図2Aと
図2Bは、本開示のCAR-T細胞をRAJI細胞(
図2A)およびNalm6細胞(
図2B)と共培養したときのIFNγの誘導を示す。
【0030】
【
図3】は、生物発光イメージングを使用して測定された、RAJI細胞の異種移植モデルにおける本開示のCAR-T細胞のin vivo有効性を示している。
【0031】
【
図4】は、生物発光イメージングを使用して測定された、Nalm6細胞の異種移植モデルにおける本開示のCAR-T細胞のin vivo有効性を示す。
【発明の詳細な説明】
【0032】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ある細胞(a cell)」への言及は、複数のかかる細胞を含み、「そのポリヌクレオチド(the polynucleotide)」への言及は、1つまたは複数のポリヌクレオチドへの言及を含むといった具合である。
【0033】
また、「または」の使用は、別途明記されない限り、「および/または」を意味する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含むこと(including)」は同義であり、限定するようには意図されていない。
【0034】
様々な実施形態の記述が「含む(comprising)」という用語を使用する場合、当業者であれば、いくつかの特定の例では、実施形態が、「から本質的になる」または「からなる」という言葉を使用してその代わりに記述され得ると理解するであろうことをさらに理解されたい。
【0035】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0036】
「約」という用語は、測定可能な値、例えば、量、時間的持続時間等を指す場合、規定値から±20%、またはある場合には±10%、またはある場合には±5%、またはある場合には±1%、またはある場合には±0.1%の変動を包含するよう意図されており、したがって、変動は、開示される方法の実行または本明細書における組成物の記載に適切である。
【0037】
「Ab-TCR」または「AbTCR」という用語は、参照により本明細書に組み込まれるWO2017/070608A1に記載の次世代CARプラットフォームを指す。ある実施形態では、Ab-TCRは、少なくとも1つのTCRシグナル伝達モジュールを動員することができるTCRモジュールに融合した標的抗原に特異的に結合する抗体部分を含む。Ab-TCRの構築に使用され得る例示的なTCRモジュールは、配列番号959~964(表6D)および参照により本明細書に組み込まれるWO2017/070608A1に提供される。BCMAを標的とし、NEMO-K277Aをコードするアクセサリーモジュールを共発現する例示的なAb-TCRは、配列番号4382-4383に提供されている(表6)。しかしながら、このNEMO-K277Aをコードするアクセサリーモジュールは、任意である。本開示に記載の抗原結合ドメイン(すなわち、vLおよびvH断片、リガンド、および受容体等)を有するAb-TCRは、NEMO-K277Aなしで構築され得る。したがって、このアクセサリーモジュールは、上流フーリン-SGSG-F2A配列とともに、Ab-TCRから欠失し得る。あるいは、NEMO-K277Aをコードするアクセサリーモジュールは、他のタンパク質、例えば、hNEMO-K277A-deltaV249-K555、mNEMO-K270A、K13-opt、IKK2-S177E-S181E、またはIKK1-S176E-S180E、およびMyD88-L265P、FKBPx2-NEMO、NEMO-L600-FKBPx2等をコードするアクセサリーモジュールに置き換えられ得る。さらに、Ab-TCRに存在するTCRモジュールは、WO2017/070608 A1に記載の他のTCRモジュールに置換される。
【0038】
「アクセサリーモジュール」という用語は、CAR(SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-TAC、TFPなどの次世代CARを含む。)および/またはrTCRと共発現して、CAR/rTCRまたはCAR/rTCR発現細胞の発現または活性を増加、減少、調節、または改変する要素を指す。発現細胞。例示的なアクセサリーモジュールには、41BBL、CD40L、HIV1-Vif、vFLIP K13、MC159、cFLIP-L/MRITα、cFLIP-p22、HTLV1 Tax、HTLV2 Tax、HTLV2 Tax-RS変異体、FKBPx2-K13、FKBPx2-のいずれか1つまたは複数が含まれる。HTLV2-Tax、FKBPx2-HTLV2-Tax-RS、IL6R-304-vHH-Alb8-vHH、IL12f、PD1-4H1 scFv、PD1-5C4 scFv、PD1-4H1-Alb8-vHH、PD1-5C4-Alb8-vHH、CTLA4-Ipilimumab-scFv、CTLA4-Ipilimumab-Alb8-vHH、IL6-19A-scFv、IL6-19A-scFv-Alb8-vHH、sHVEM、sHVEM-Alb8-vHH、hTERT、Fx06、hNEMO-K277A、Brd4をターゲットとするshRNAそれらの組み合わせ。アクセサリーモジュールは、単一のベクターを使用して、または2つ以上の異なるベクターを使用して、CAR/rTCRなどと共発現させることができる。いくつかの実施形態では、アクセサリーモジュールは、CARおよび/またはTCRなどに関連する毒性を低減または防止する。いくつかの実施形態では、アクセサリーモジュールは、レンチウイルス介在遺伝子移入の効率を向上させる。いくつかの実施形態では、アクセサリーモジュールは、レンチウイルス介在遺伝子移入の効率を向上させる。
【0039】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗原に特異的に結合するタンパク質、または免疫グロブリン分子に由来するポリペプチド配列を指す。抗体は、モノクローナルもしくはポリクローナル、複数鎖もしくは一本鎖、またはインタクトな免疫グロブリンであり得、天然源または組換え源に由来し得る。抗体は、免疫グロブリン分子の四量体であり得る。抗体は、「ヒト化」、「キメラ」、または非ヒトであり得る。
【0040】
「抗体断片」という用語は、抗原のエピトープと(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布によって)特異的に相互作用する能力を保持する抗体少なくとも一部分を指す。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’h、Fv断片、scFv抗体断片、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VHおよびCHlドメインからなるFd断片、直鎖状抗体、単一ドメイン抗体(sdAb)、例えば、vLまたはvHのいずれか、ラクダ類vHHドメイン、抗体断片から形成された多重特異性抗体、例えば、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片、ならびに抗体の単離されたCDRまたは他のエピトープ結合断片が挙げられるが、これらに限定されない。抗原結合断片は、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、ナノボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v-NAR、およびビス-scFvに組み込まれる場合もある(例えば、Hollinger and Hudson,Nature Biotechnology 23:1126-1136,2005を参照のこと)。抗原結合断片は、フィブロネクチンIII型(Fn3)等のポリペプチドに基づいて足場にグラフトされる場合もある(フィブロネクチンポリペプチドミニホディについて記載している米国特許第6,703,199号を参照されたい)。
【0041】
「抗体重鎖」という用語は、天然に存在する立体構造で抗体分子に存在する2つのタイプのポリペプチド鎖の大きい方を指し、通常、その抗体が属するクラスを決定する。
【0042】
「抗体軽鎖」という用語は、天然に存在する立体構造で抗体分子に存在する2つのタイプのポリペプチド鎖の小さい方を指す。カッパ(κ)軽鎖およびラムダ(λ)軽鎖とは、2つの主要な抗体軽鎖アイソタイプを指す。
【0043】
「抗がん効果」という用語は、腫瘍体積の減少、がん細胞数の減少、転移数の減少、平均寿命の延長、がん細胞増殖の低減、がん細胞生存の低減、またはがん性状態に関連する様々な生理学的症状の改善を含むが、これらに限定されない。様々な手段によって現れ得る生物学的効果を指す。「抗がん効果」は、そもそもがんの発生を予防するためのCAR、SIR、TFP、Ab-TCRーTri-Tac、zSIRなどの能力によっても現れることができる。
【0044】
「抗がん剤」とは、異常な細胞分裂および成長を抑制するか、新生細胞の移動を抑制するか、侵襲性を抑制するか、またはがんの増殖および転移を予防する薬剤を指す。
【0045】
「抗原」または「Ag」という用語は、免疫応答を引き起こす分子を指す。
【0046】
「抗原提示細胞」または「APC」という用語は、免疫細胞または免疫細胞に結合する抗体によって認識され得る抗原をその表面上に発現する任意の細胞を指す。例えば、CD19を発現するBリンパ球は、CD19に対して向けられたCARを発現するT細胞の抗原提示細胞として機能することができます。APCは、MHC分子とは独立して、またはMHC分子との関連で抗原を提示し得る。 APCは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)と複合体を形成して抗原を提示する場合があります。T細胞は、それらのT細胞受容体(TCR)を使用して、これらのMHC-抗原複合体を認識することができる。別の実施形態では、APCは、T細胞上で発現される天然受容体例えば、CD28または(41BBまたは合成受容体例えば、CAR、SIR、zSIR、Ab-TCRーTRI-TAC、またはTFPなど)によってMHCとは独立して認識されるその表面上に抗原を提示し得る。
【0047】
抗原提示基質」または「APS」という用語は、ビーズ、マイクロビーズ、プレート、またはその表面に外来抗原を表示する任意のマトリックスなどの任意の基質を指す。一実施形態では、APSは、天然受容体(例えば、CD28または41BB)または合成受容体(例えば、従来のCAR、SIR、zSIR、Ab-TCRーT細胞に発現するTFP)。例示的な実施形態において、CD19の細胞外ドメインでそれらの表面がコーティングされたビーズは、CD19に向けられた従来のCAR、SIR、zSIR、Ab-TCRまたはTFPを発現するT細胞のAPSとして役立つことができる。
【0048】
「抗感染効果」という用語は、例えば、感染病原体の力価の減少、感染病原体のコロニー計数の減少、感染性状態に関連する様々な生理学的症状の改善を含むが、これらに限定されない、様々な手段によって現れ得る生物学的効果を指す。「抗感染効果」は、最初の段階での感染の発症の予防におけるペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、および抗体の能力によっても現れ得る。
【0049】
本明細書で使用される場合、「親和性」は、結合強度の尺度を説明するよう意図されている。親和性は、ある場合には、結合剤とその標的との間(例えば、抗体と抗原(結合ドメインに特異的なエピトープを含む)との間)の立体化学的適合の近似性、それらの間の接触面積のサイズ、および荷電基および疎水基の分布に依存する。親和性は、一般に、結合剤がその標的に結合する「能力」を指す。「親和性」を測定するための多数の方法が当該技術分野に存在する。例えば、親和性を計算するための結合実験の使用を含む、抗体の抗原に対する親和性を計算するための方法が、当該技術分野で既知である。結合親和性は、当該技術分野で既知の様々な技法、例えば、表面プラズモン共鳴、生体層干渉法、二重偏波干渉法、静的光散乱、動的光散乱、等温滴定熱量測定、ELISA、分析超遠心、およびフローサイトメトリーを使用して決定され得る。結合親和性を決定するための例示的な方法は、表面プラズモン共鳴を用いる。表面プラズモン共鳴は、例えば、BIAcore system(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)
【0050】
「抗原結合ドメイン」または「抗原結合モジュール」または「抗原結合セグメント」または「抗原特異的ドメイン 」とは、一次、二次、または三次配列、翻訳後修飾、および/または電荷のため、高度の特異性で抗原に結合するポリペプチドまたはペプチドを指す。 抗原結合ドメインは、異なる供給源、例えば、抗体、非免疫グロブリン結合タンパク質、リガンドまたは受容体に由来し得る。
【0051】
「アビディティ」は、結合剤とその標的との間の相互作用の強さ(例えば、抗体とその抗原標的、受容体とその同族体との間の相互作用の強さなど)を指す。抗体および親和性は、機能的アッセイ(例えば、フローサイトメトリーアッセイおよびTopangaアッセイ)を使用して、表現型を特徴づけ、比較する。
【0052】
「会合定数(Ka)」という用語は、受容体とリガンドまたは抗体と抗原との会合の平衡定数として定義される。
「自己抗原」という用語は、自己抗体の産生などの自己免疫応答の産生を刺激する内因性抗原を指す。自己抗原の例には、デスモグレイン1、デスモグレイン3、およびそれらの断片が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用される場合、「バックボーン」という用語は、CAR(表1)と表2に記載のアクセサリーモジュールとの特定の組み合わせを指す。例示的な実施形態では、様々なバックボーンを含むCARとアクセサリーモジュールとの特定の組み合わせが表2に記載される。一実施形態では、CARおよびアクセサリーモジュールは、単一の核酸分子によってコードされる。別の実施形態では、CARは、第1の核酸分子によってコードされ、アクセサリーモジュールは、第2の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、アクセサリーモジュールは、アクセサリーモジュール内の成分の数に応じて、1つより多くの核酸分子によってコードされる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「有益な結果」には、病状の重症度の軽減または緩和、病状の悪化の防止、病状の治癒、病状の発症の防止が含まれ得るが、これらに限定されない。患者が病状を発症する可能性を低くしたり、患者の寿命や期待寿命を延ばしたりする。
【0055】
本明細書で使用される場合、「結合ドメイン」または「抗体分子」という用語は、非特異的ドメインよりも高い親和性で標的に結合することができる少なくとも1つのドメイン、例えば免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質、例えば免疫グロブリン鎖またはその断片を指す。この用語は、抗体および抗体断片を含む。
【0056】
「同じエピトープに結合する」とは、例示される抗体、scFv、または他の抗原結合ドメインと同じエピトープを有する、標的抗原に結合する抗体、scFv、または他の抗原結合ドメインの能力を意味する。一例として、例示される抗体、scFv、または他の結合剤および他の抗体のエピトープは、標準のエピトープマッピング技法を使用して決定され得る。従来のCARまたは次世代CAR(例えば、SIR、zSIR、TFP、Tri-TacまたはAb-TCR)の抗原結合ドメインによって結合されるエピトープはまた、エピトープビニングアッセイによって決定され得る。エピトープビニングは、標的タンパク質に対するモノクローナル抗体を特徴付けた後にそのライブラリを選別するために使用される競合的免疫アッセイである。抗体が抗原のエピトープへの互いの結合を遮断するかを確認するために、同様の標的に対する抗体がそのライブラリ内の全ての他の抗体に対して対様式で試験される。各抗体がそのライブラリ内の他の抗体の全てに対して作成されたプロファイルを有した後、競合的遮断プロファイルが、そのライブラリ内の他の抗体に対して各抗体に作成される。密接に関連するビニングプロファイルは、これらの抗体が同じまたは密接に関連するエピトープを有し、一緒に「ビニング」される。同様に、立体構造エピトープは、アミノ酸の空間立体構造を決定することによって、例えば、水素/重水素交換、X線結晶学、および二次元核磁気共鳴等によって容易に特定される。例えば、Epitope Mapping Protocols(上記参照)を参照されたい。タンパク質の抗原性領域は、標準の抗原性およびヒドロパシープロット、例えば、Oxford Molecular Groupから入手可能なOmigaバージョン1.0ソフトウェアプログラムを使用して計算されたもの等を使用することによって特定される場合もある。このコンピュータプログラムは、抗原性プロファイルを決定するためのHopp/Woods法(Hopp et al,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci USA 78:3824-3828)、およびヒドロパシープロットのためのKyte-Doolittle技法(Kyte et al,(1982)J.Mol.Bioi.157:1 05-132)を用いる。標的(例えば、CD19)に対する選択されたモノクローナル抗体が特有のエピトープに結合するかを決定するために、各抗体が市販の試薬(Pierce,Rockford,Ill.)を使用してビオチン化され得る。非標識モノクローナル抗体およびビオチン化モノクローナル抗体を使用した競合研究が、CD19-細胞外ドメインコーティングELISAプレートを使用して行われ得る。ビオチン化mAb結合が、ストレプトアビジン-アルカリ性ホスファターゼプローブを用いて検出され得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内に見られる非隣接抗原結合部位を意味するよう意図されている。これらの特定の領域は、Kabat et al.,J.Bioi.Chern.252:6609-6616(1977)、Kabat et al.,U.S.Dept.of Health and Human Services,”Sequences of proteins of immunological interest”(1991)、Chothia et al.,J.Mol.Bioi.196:901-917(1987)、およびMacCallum et al.,J.Mol.Bioi.25 262:732-745(1996)によって説明されており、これらの定義は、互いに比較したときにアミノ酸残基の重複またはサブセットを含む。それにもかかわらず、抗体またはそのグラフト抗体もしくはバリアントのCDRを指すためのいずれかの定義の適用は、本明細書で定義および使用される用語の範囲内にあるよう意図されている。本明細書で使用される場合、抗体の異なるCDRは、それらの異なる定義の組み合わせによっても定義され得る。例えば、vHCDR1は、Kabatに基づいて定義され得、VHCDR2は、Chothiaに基づいて定義され得る。上記の参考文献の各々によって定義されるCDRを包含するアミノ酸残基は、以下の通りである。
CDR定義
(残基番号は、それらの特定された参照に相当する)。
【0058】
「フレームワーク領域」という用語は、より発散する(すなわち、超可変)CDRの間に存在する抗体可変領域の当技術分野で認識されている部分を指す。
【0059】
本明細書に記載の結合分子のアミノ酸配列修飾が企図される。例えば、従来のCARまたは次世代CAR(例えば、SIR、zSIRなど)のvLおよび/またはvH断片の結合親和性および/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。そのような修飾には、例えば、結合分子のアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはその挿入、および/またはその置換が含まれる。最終構築物が所望の特性を有するという条件で、削除、挿入、および置換の任意の組み合わせを行って、最終構築物に到達することができる。アミノ酸の変化はまた、グリコシル化部位の数または位置の変化など、結合分子の翻訳後プロセスを変化させる可能性がある。好ましくは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸は、CDR内で置換され得、一方、1、2、3、4、5、6、7、8、9、9 10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または25アミノ酸をフレームワーク領域(FR)内で置換することができます。置換は、本明細書に記載されるような保存的置換であることが好ましい。 さらに、またはその代わりに、1、2、3、4、5、または6個のアミノ酸を各CDR内に挿入または削除できます(もちろん、それらの長さに応じて)が、1、2、3、4、5、6 、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または25アミノ酸は、各FRI内に挿入または削除できる。
【0060】
好ましくは、アミノ酸配列挿入は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10残基の長さのアミノ-および/またはカルボキシル-末端融合物を、100個以上の残基を含むポリペプチド、ならびに単または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。結合分子の挿入変異体は、抗体のnまたはc末端への融合、または抗体の血清半減期を増加させるポリペプチドへの融合を含む。
【0061】
別のタイプの変異体は、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、好ましくは、結合分子内の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸残基が異なる残基で置き換えられている。置換突然変異誘発に最も関心のある部位には、重鎖および/または軽鎖のCDR、特に超可変領域が含まれるが、重鎖および/または軽鎖におけるFR変化もまた企図される。
【0062】
例えば、CDR配列が6個のアミノ酸を含む場合、これらのアミノ酸のうちの1つ、2つ、または3つが置換されることが想定される。同様に、CDR配列が15個のアミノ酸を含む場合、これらのアミノ酸のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つが置換されることが想定される。
【0063】
一般に、アミノ酸が重鎖および/または軽鎖のCDRの1つまたは複数またはすべてで置換されている場合、その時点で得られる「置換」配列は、「元の」CDR配列と少なくとも60%、より好ましくは65%、さらにより好ましくは70%、特に好ましくは75%、より特に好ましくは80%同一であることが好ましい。これは、それが「置換」配列とどの程度同一であるかというCDRの長さに依存することを意味する。例えば、5アミノ酸を有するCDRは、少なくとも1つを有するために、その置換配列と80%同一であることが好ましい。したがって、結合分子のCDRは、それらの置換された配列に対して異なる程度の同一性を有し得る、例えば、CDRL1は80%を有し得、CDRL3は90%を有し得る。
【0064】
好ましい置換(または置換)は、保存的置換である。しかしながら、結合分子が標的抗原に結合するその能力を保持している限り、および/またはそのCDRがその時点で置換された配列(「元の」CDRシーケンスと少なくとも60%、65%以上、70%以上、通常は75%以上、または80%以上同一)と同一である限り、任意の置換(非保存的置換または以下にリストされている「例示的置換」からの1つまたは複数を含む)が想定される。
【0065】
非保存的置換は、1つのメンバーを別のクラスに交換することを伴う。結合分子の適切な立体配座を維持するのに関与しないシステイン残基は、一般的にセリンで置換されて、分子の酸化安定性を改善し、かつ、異常な架橋を防止する。逆に、システイン結合(s)を抗体に添加して安定性を向上させることができる(特に、抗体がfv断片のような抗体断片である場合) 。
【0066】
異なる抗原を標的とする開示のCAR(例えば、第2世代CAR、SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-TacまたはTFP)の抗原結合ドメインを構成するために使用することができるvLおよびvHセグメントのCDRの配列番号を表4に提供する。
【0067】
いくつかの実施形態では、標的抗原に特異的に結合する抗原結合モジュール(Fab様またはFv様抗原結合モジュール等)への言及は、抗原結合モジュールが、(a)他の分子に対する結合親和性の少なくとも約10倍(例えば、約10、20、30、40、50、75、100、200、300、400、500、750、1000倍、もしくはそれ以上)の親和性で、または(b)他の分子への結合に対するKdの約1/10倍以下(例えば、1/10、1/20、1/30、1/40、1/50、1175、1/100、1/200、1/300、1/400、1/500、1/750、1/1000倍、もしくはそれ未満)のKdで、標的抗原に結合することを意味する。結合親和性は、ELISA、蛍光活性化細胞選別(FACS)分析、または放射性免疫沈降アッセイ(RIA)等の当該技術分野で既知の方法によって決定され得る。Kdは、例えばBiacore機器を利用する表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイ、または例えばSapidyne機器を利用する結合平衡除外アッセイ(KinExA)等の当該技術分野で既知の方法によって決定され得る。
【0068】
「がん」および「がん性」とは、典型的には未調節細胞成長を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、またはそれを説明する。 がんの例には、B細胞リンパ腫(ホジキンリンパ腫および/または非ホジキンリンパ腫)、精巣がん、肺がん、および白血病が含まれますが、これらに限定されません。他のがんおよび細胞増殖性障害は、当技術分野で容易に認識されるであろう。 「腫瘍」および「がん」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、例えば、両方の用語は、固体および液体、例えば、びまん性または循環性腫瘍を包含する。本明細書で使用される場合、「がん」または「腫瘍」という用語は、前悪性、ならびに悪性のがんおよび腫瘍を含む。
【0069】
「化学療法剤」とは、がんの化学療法に使用されることで知られている化合物である。
【0070】
「キメラ抗原受容体(CAR)」とは、養子細胞移入と呼ばれる技法を使用したがん療法としての使用に企図された人工的(天然に存在しない)免疫細胞(例えば、T細胞)受容体である。CARは、CARが結合する特異的抗原に応答してT細胞活性化および増殖を刺激するように特異的に構築されている。一般に、CARは、免疫エフェクター細胞に発現されると、免疫エフェクター細胞に、標的細胞、典型的には、がん細胞に対する特異性、および細胞内シグナル生成を提供する一組のポリペプチド、最も単純な実施形態では、典型的には2つのポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、CARは、少なくとも細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに刺激分子および/または共刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞質シグナル伝達ドメイン(本明細書で「細胞内シグナル伝達ドメイン」とも称される)を含む。いくつかの態様では、この一組のポリペプチドは、互いに隣接している。一態様では、刺激分子は、ゼータ鎖T細胞受容体複合体に関連するゼータ鎖である。 一態様では、細胞質シグナル伝達ドメインは、以下で定義される少なくとも1つの共刺激分子に由来する1つまたは複数の機能的シグナル伝達ドメインをさらに含む。一実施形態では、共刺激分子は、本明細書に記載の共刺激分子、例えば、4-lBB(すなわち、CD137)、CD27、および/またはCD28から選択される。一実施形態では、CARは、CAR融合タンパク質のアミノ末端(N末端)に任意選択的なリーダー配列を含む。一実施形態では、CARは、細胞外抗原結合ドメインのN末端にリーダー配列をさらに含み、このリーダー配列は、細胞プロセシングおよびCARの細胞膜への局在化中に、抗原結合ドメイン(例えば、scFv)から任意選択的に切断される。典型的には、キメラ抗原受容体を発現するように操作されたT細胞を指す「CAR-T細胞」が使用される。したがって、かかるCARを持つTリンパ球は、一般に、CAR-Tリンパ球と称される。 CD19を標的とし、CD8シグナルペプチド、CD19-AM1 scFvに基づく抗原結合ドメイン、CD8ヒンジおよび膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメインおよびCD3z刺激ドメインを含む第2世代CARは、配列番号799で表される。4-1BB共刺激ドメインが別の共刺激ドメイン(CD28やCD27など)に置き換えられたCARは、従来のCARとも呼ばれる。従来のCARの制限を克服するために、TCR受容体融合タンパク質またはTFP(WO 2016/187349 A1)、抗体TCRまたはAbTCR(PCT / US2016 / 058305)を含む、いくつかの代替設計または次世代CARが説明されている。Tri-TAC(WO 2015/117229 A1)および合成免疫受容体またはSIR(US 62 / 429,597およびPCT / US17 / 64379)。本明細書で使用される場合、「CAR」または「CAR」という用語はまた、細胞に抗原特異性を付与するためのより新しいアプローチ(すなわち、TFP、AbTCRーTri-Tac、SIRおよびzSIRなど)を包含する。本開示は、CARの生成に使用することができるいくつかの新規の抗原結合ドメインを提供する。明確に記載されていないが、これらの抗原結合ドメイン(例:scFv、vL、vH、vHHなど。)を使用して、従来の第1世代および第2世代のCAR、ならびに細胞に抗原特異性を付与するためのより新しいアプローチ(つまり、TFP、AbTCRーTri-Tac、SIR、zSIRなど)を生成できることが想定される。したがって、特定の抗原結合ドメインのvLおよびvH断片は、これらの断片がSIR、Ab-TCRまたはzSIRを含む2つの定常鎖(例:TCRa / bまたはTCRg / d)に融合される場合、二本鎖SIR、二本鎖Ab-TCRまたは二本鎖zSIRを生成するために使用され得る。同じ抗原結合ドメインのvLおよびvH断片は、可撓性リンカーを介して結合して、scFvを生成することができ、これを使用して、当技術分野で知られている方法を使用して、従来の第1または第2の生成CAR-TFPまたはTri-TACを生成することができる。
【0071】
「コドン最適化」または「種のコドンバイアスの制御」とは、特定の宿主細胞の好ましいコドン使用を指す。本明細書で使用される場合、「共発現」は、2つ以上の遺伝子の発現を指す。遺伝子は、例えば、単一のタンパク質または単一のポリペプチド鎖としてのキメラタンパク質をコードする核酸であり得る。いくつかの実施形態において、zSIRが2つ以上の機能的ポリペプチドユニットからなる場合、異なる機能的ユニットは、1つまたは複数のポリヌクレオチド鎖を使用して共発現される。
【0072】
別の実施形態では、異なるポリヌクレオチド鎖は、切断可能なリンカー(例えば、T2A、F2A、P2A、E2Aなど)をコードする核酸配列によって連結されている。別の実施形態では、Ser-Gly-Ser-Gly(SGSG)モチーフ(配列番号86-87および4085-86)もまた、切断可能なリンカー配列の上流に付加されて、切断の効率を高める。
【0073】
切断可能なリンカーの潜在的な欠点は、N末端タンパク質の末端に残された小さな2Aタグがタンパク質の機能に影響を与えたり、タンパク質の抗原性に寄与したりする可能性があることです。これを克服するために、いくつかの実施形態では、フューリン切断部位(RAKR)(配列番号88-90および4087-4089)がSGSGモチーフの上流に付加されて、翻訳後の残留2Aペプチドの切断を促進する。 zSIRの異なるユニットをコードするポリヌクレオチドは、IRES(内部リボソーム侵入部位)配列によって連結され得る。あるいは、zSIRの異なる機能ユニットは、リンカーを介して連結されていないが、代わりに、例えば、2つの異なるベクターによってコードされている2つの異なるポリヌクレオチドによってコードされている。切断可能なリンカーの核酸配列は、配列番号80から配列番号85に提供される。
【0074】
タンパク質が互いに同一性または相同性を有し、同様または同一の機能を保持し得ることが認識されるであろう。例えば、本開示は、生物学的活性を保持しながら、本明細書に記載の配列のいずれかに対して85%、90%、95%、97%、98%、98.5%、99%または99.9%の同一性を有するCD3z鎖を含む。
【0075】
「共刺激分子」という用語は、共刺激リガンドと特異的に結合し、それにより、増殖などであるがこれに限定されない、T細胞による共刺激応答を媒介する、T細胞上の同族結合パートナーを指す。 共刺激分子には、MHCクラスI分子、BTLAおよびTollリガンド受容体、ならびにOX40、Dap10、CD27、CD28、CD2、CD5、CD8、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、Lck、TNFR-I、TNFR-II、Fas、CD30、CD40、および4-1BB(CD137)が含まれるが、これらに限定されない。かかる共刺激分子のさらなる例としては、CD8、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD160、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CDlld、ITGAE、CD103、ITGAL、CDlla、LFA-1、ITGAM、CDllb、ITGAX、CDllc、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CDlOO(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IP0-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、およびCD83に特異的に結合するリガンドが挙げられる。共刺激受容体は、細胞、他のT細胞、例えば、NK細胞またはマクロファージに発現される。
【0076】
「疾患特異的抗原」または「疾患関連抗原」または「疾患を引き起こす抗原」という用語は、疾患の発症に寄与する細胞上に発現される抗原を指す。
【0077】
「疾患を引き起こす細胞」または「疾患関連細胞」という用語は、疾患の発症に寄与する細胞を指す。例示的な疾患を引き起こす細胞には、がん細胞およびウイルス感染細胞が含まれる。 Bリンパ球やTリンパ球などの非がん性細胞は、免疫、アレルギー、変性、感染症の病因に関連しており、疾患を引き起こす細胞と見なされている。
【0078】
「疾患支持抗原」という用語は、疾患を引き起こす細胞の生存、増殖、持続性または活性を支持する細胞上に発現される抗原を指す。いくつかの実施形態において、疾患支持抗原は、間質細胞上に存在する抗原である。理論に束縛されることを望まないが、いくつかの実施形態において、CAR発現細胞は、疾患支持細胞を破壊し、それにより、疾患を引き起こす細胞の成長または生存を間接的に遮断する。例示的な間質細胞抗原には、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)およびテネイシンが含まれる。
【0079】
「変性障害」という用語は、通常の身体の衰えによるか、運動または食習慣等の生活様式の選択によるかにかかわらず、経時的に次第に悪化するであろう組織または臓器に影響を及ぼす変性細胞変化に基づく連続過程の結果である疾患を指す。例示的な変性疾患としては、アルツハイマー病、シャルコー・マリー・ツース病、クロイツフェルト・ヤコブ病、フリードライヒ失調症、真性糖尿病(II型)、およびアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
【0080】
本明細書で使用される「に由来する」という用語は、第1の分子と第2の分子との間の関係を示す。これは、概して、第1の分子と第2の分子との間の構造的類似性を指し、第2の分子に由来する第1の分子に対する過程または源の限定を暗示するものでも含むものでもない。例えば、抗体分子に由来する抗原結合ドメインの場合、抗原結合ドメインは、それが必要な機能、すなわち、抗原に結合する能力を有するように、十分な抗体構造を保持する。
【0081】
「標的抗原の発現に関連する疾患」または「本明細書に記載の疾患関連抗原」という語句には、本明細書に記載の標的抗原の発現に関連する疾患または本明細書に記載の標的抗原を発現する細胞に関連する状態、例えば、増殖性疾患、例えば、がんもしくは悪性腫瘍もしくは前がん状態、例えば、骨髄異形成、骨髄異形成症候群、もしくは前白血病、または本明細書に記載の標的抗原を発現する細胞に関連する非がん関連適応症が含まれるが、これらに限定されない。一態様では、本明細書に記載の腫瘍抗原の発現に関連するがんは、血液がんである。一態様では、本明細書に記載の腫瘍抗原の発現に関連するがんは、固形がんである。本明細書に記載の腫瘍抗原の発現に関連するさらなる疾患には、本明細書に記載の腫瘍抗原の発現に関連する非定型および/もしくは非古典的がん、悪性腫瘍、前がん状態、または増殖性疾患が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載の標的抗原の発現に関連する非がん関連適応症には、例えば、自己免疫疾患(例えば、ループス)、炎症性障害(アレルギーおよび喘息)、ならびに移植が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的抗原発現細胞は、標的抗原をコードするmRNAを発現するか、または任意の時点で発現される。別の実施形態では、標的抗原発現細胞は、標的抗原タンパク質(例えば、野生型または突然変異体)を産生し、標的抗原タンパク質は、正常なレベルまたは低下したレベルで存在し得る。別の実施形態では、標的抗原発現細胞は、ある時点で検出可能なレベルの標的抗原タンパク質を産生し、その後、実質的に検出不能な標的抗原タンパク質を産生した。
【0082】
本明細書で使用される「遺伝子修飾された細胞によって標的とされる疾患」は、治療的に有益な結果をもたらすために遺伝子修飾された細胞が罹患細胞を標的とするか健常細胞を標的とするかにかかわらず、本発明の遺伝子修飾された細胞によるいずれかの様式で任意の疾患に関与する任意の細胞の標的を包含する。
【0083】
「解離定数(Kd)」という用語は、受容体-リガンド相互作用の解離の平衡定数と定義される。
【0084】
"コード化"という用語は、遺伝子、CDNAまたはmRNAのようなポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特定の配列の固有の性質を意味し、定義されたヌクレオチド配列例えばrRNA、tRNAおよびmRNA)、または定義されたアミノ酸配列およびそれから得られる生物学的特性のいずれかを有する生物学的プロセスにおける他のポリマーおよび巨大分子の合成のためのテンプレートとして働くる。 従って、遺伝子、CDNA、またはRNAは、その遺伝子に対応するmRNAの転写および翻訳が、細胞または他の生物学的システムにおいてタンパク質を産生する場合に、タンパク質をコードする。コード鎖は、mRNA配列と同一であり、通常、配列表に提供され、遺伝子またはCDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖は、その遺伝子またはCDNAのタンパク質または他の生成物をコードするものと称され得る。
【0085】
特に明記しない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、互いに縮重したバージョンであり、同じアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を含む。タンパク質またはRNAをコードするフレーズヌクレオチド配列はまた、タンパク質をコードするヌクレオチド配列がいくつかのバージョンでイントロンを含み得る程度までトランスに含まれ得る。
【0086】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書では互換的に使用され、特定の生物学的結果を達成するのに有効な、本明細書に記載の化合物、製剤、材料、または組成物の量を指す。
【0087】
「内因性」、「天然」または「天然に存在する」という用語は、生物、細胞、組織またはシステムから、またはそれらの内部で生成される任意の材料を指す。それはまた、細胞に固有であるか、または細胞内で自然に発現される遺伝子、タンパク質、核酸(例えば、DNA、RNAなど)またはそれらの断片を指す。
【0088】
「外因性」という用語は、生物、細胞、組織、またはシステムから導入された、またはその外部で生成された任意の材料を指す。
【0089】
「発現」という用語は、プロモーターおよび/または他の調節エレメントによって駆動される特定のヌクレオチド配列の転写および/または翻訳を指す。
【0090】
「導入ベクター」という用語は、単離された核酸を含み、その単離された核酸を細胞の内部に送達するために使用され得る物質の組成物を指す。したがって、「導入ベクター」という用語は、自律的に複製するプラスミドまたはウイルスを含む。この用語は、例えば、ポリリジン化合物およびリポソーム等の核酸の細胞への導入を容易にする非プラスミドおよび非ウイルス化合物をさらに含むとも解釈されるべきである。ウイルス導入ベクターの例としては、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
発現ベクターには、組換えポリヌクレオチドを組み込んだコスミド、プラスミド(例えば、裸またはリポソームに含まれる)およびウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)を含む、当技術分野で知られているすべてのものが含まれる。
【0092】
本明細書で使用される場合、「エピトープ」は、免疫応答を誘発することができる抗原の一部分、または抗体もしくは抗体断片に結合する抗原の一部分であると定義される。エピトープは、タンパク質配列または部分配列であり得る。
【0093】
「発現ベクター」という用語は、発現されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターには、組換えポリヌクレオチドを組み込むコスミド、プラスミド(例えば、ネイキッドプラスミドまたはリポソーム内に含有されるプラスミド)、およびウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)を含む、当該技術分野で既知のもの全てが含まれる。
【0094】
例えば、zSIRの「機能的ポリペプチドユニット(FPU)」という用語は、抗原結合ドメインおよび例えば、CD3z鎖に機能的に連結されたアミノ末端シグナル配列を含むポリペプチドを指す。例えば、抗原結合ドメインはシグナル配列とCD3z鎖の間にある。
【0095】
例えば、zSIRに関して使用される場合の「機能的部分」という用語は、ポリペプチド、例えば、zSIRの任意の部分または断片を指し、その部分または断片は、例えば、の所望の分子の生物学的活性を保持する。その一部であるzSIR(例えば、親zSIR)。例えば、機能部分は、親zSIRと同程度、同程度、またはより高い程度で、標的細胞を認識する能力、または疾患を検出、治療、または予防する能力を保持するzSIRの部分を包含する。親zSIRに関して、機能部分は、例えば、親zSIRの約10%、25%、30%、50%、68%、80%、90%、95%、またはそれ以上を含むことができる。
【0096】
本明細書で使用される「遺伝子改変細胞」、「リダイレクト細胞」、「遺伝子操作された細胞」または「改変細胞」は、CAR(例えば、従来の第2世代CAR-TFP、AbTCR、SIR、Tri-TacおよびzSIR)、または組換えTCRを発現するように改変された細胞を指す。例えば、CARまたはzSIRを発現する遺伝子組み換えTリンパ球は、遺伝子改変細胞である。
【0097】
「免疫障害」という用語は、免疫系の機能不全を特徴とする疾患を指す。自己免疫疾患は、正常な身体部分に異常な免疫応答に起因する状態である。自己免疫疾患には少なくとも80種がある。
【0098】
「免疫エフェクター細胞」は、その用語が本明細書で使用される場合、免疫応答、例えば、免疫エフェクター応答の促進に関与する細胞を指す。免疫エフェクター細胞の例には、T細胞、例えば、アルファ/ベータT細胞およびガンマ/デルタT細胞、B細胞、およびナチュラルキラーT(NKT)細胞が含まれる。
【0099】
本明細書で使用される「免疫受容体発現細胞」は、免疫応答、例えば、免疫エフェクター応答の促進に関与し、1つまたは複数の免疫受容体を発現する細胞を指す。例えば、内因性TCR、組換えTCRまたはCAR。免疫受容体発現細胞の例には、T細胞、例えば、アルファ/ベータT細胞およびガンマ/デルタT細胞およびNKT細胞が含まれる。
【0100】
「免疫エフェクター機能または免疫エフェクター応答」は、その用語が本明細書で使用される場合、標的細胞、例えば免疫の免疫攻撃を増強または促進する、例えば免疫エフェクター細胞の機能または応答を指す。エフェクターの機能または応答は、標的細胞の死滅または成長または増殖の阻害を促進するTまたはNK細胞の特性を指す。T細胞の場合、一次刺激と共刺激は免疫エフェクターの機能または応答の例である。
【0101】
本明細書で使用される用語としての「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、分子の細胞内シグナル伝達部分を指す。細胞内シグナル伝達ドメインは、例えば、CAR(例えば、第2世代CAR-TFP、AbTCR、SIR、Tri-TACおよび/またはzSIR)含有細胞の免疫エフェクター機能を促進するシグナルを生成する。免疫エフェクター機能の例には、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性およびヘルパー活性が含まれる。TCRα/β/γ/δ鎖は、それ自体の細胞内シグナル伝達ドメインを持っていませんが、シグナル伝達ドメインを持つTCRシグナル伝達複合体の他の鎖(CD3z、CD3e、CD3d、CD3gなど)と結合することによってシグナルを伝達する。 別の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激細胞内ドメインを含み得る。例示的な共刺激細胞内シグナル伝達ドメインとしては、共刺激シグナルまたは抗原非依存性刺激に関与する分子に由来するものが挙げられる。例えば、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3zの細胞質配列を含み得、共刺激細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28または41BB等の共受容体または共刺激分子由来の細胞質配列を含み得る。
【0102】
一次細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMとして既知のシグナル伝達モチーフを含み得る。ITAMを含む一次細胞質シグナル伝達配列の例としては、CD3ゼータ、一般的なFcRガンマ(FCER1G)、FcガンマRIIa、FcRベータ(FcイプシロンR1b)、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD79a、CD79b、DAPlO、およびDAP12に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書で使用される場合、「リンカー」(「リンカードメイン」または「リンカー領域」とも呼ばれる)という用語は、本明細書に開示されているCAR(例えば、第2世代CAR-TFP、AbTCR、SIRおよびzSIRCAR-TFP)の2つ以上のドメインまたは領域を一緒に結合するオリゴまたはポリペプチドを指す。リンカーの長さは1~500アミノ酸である。いくつかの実施形態では、「リンカー」は、切断可能または切断不能である。別途特定されない限り、本明細書で使用される「リンカー」という用語は、切断不能なリンカーを意味する。この切断不能なリンカーは、互いに対する隣接するタンパク質ドメインの運動の自由度を可能にする可動性残基で構成され得る。かかる残基の非限定的な例としては、グリシンおよびセリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、リンカーは、非可動性残基を含み得る。非可撓性リンカーを有するリンカーの例示的な実施形態は、EAAAK(配列番号4011)、Eコイル(配列番号4009)、Kコイル(配列番号4010)、またはPG4SP(配列番号4007)である。他の実施形態において、抗原結合ドメインを結合するリンカーおよびzSIRのCD3z鎖は、同様の長さを共有する。他の態様において、zSIRの抗原結合ドメインとCD3z鎖とを結合するリンカーは、20アミノ酸以下、典型的には10アミノ酸以下、好ましくは5アミノ酸以下、より好ましくは2アミノ酸以下の長さである。いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインを結合するリンカーおよびzSIRのCD3z鎖は、同一または類似のアミノ酸組成を有する。同一の組成を有する例示的なリンカーは、PG4SP(配列番号4007)およびPG4SP-v2(配列番号4008)である。いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインおよびzSIRのCD3z鎖を結合するリンカーは、PG4SP(DNA配列番号8;PRT配列番号4007)およびPG4SP-v2(DNA配列番号9、PRT配列番号 4008)である。
【0104】
いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインを結合するリンカーおよびzSIRのCD3z鎖は、抗体に由来する。一実施形態では、zSIRのvL領域とCD3z鎖を結合するリンカーはIgCL(DNA配列番号28、PRT配列番号4027)であり、zSIRのvH領域とCD3z鎖を結合するリンカーはIgG1-CH1(DNA配列番号29および配列番号4028)である。いくつかの実施形態において、それぞれの抗原結合ドメインおPRTよびzSIRのCD3z鎖を結合するリンカーは、IgCL(DNA配列番号28; PRT配列番号4027)およびIgG2-0C-CH1(DNA配列番号30、PRT配列番号4029)である。いくつかの実施形態では、リンカーは、エピトープタグを含み得る。いくつかの実施形態において、エピトープタグは、MYCタグ、V5タグ、AcV5タグ、StreptagII、FLAGタグ、またはHAからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、切断不可能なリンカーは、2つの隣接するドメインが互いに立体的に干渉しないことを確実にするのに十分な長さである。本開示の一実施形態では、3つのアミノ酸残基(Gly-Ser-Gly)が、抗原結合ドメインとzSIRのCD3z鎖との間に位置するリンカー(例:MycタグまたはV5タグ)のカルボキシ末端に付加される。特定の実施形態において、リンカーは、制限酵素部位などの追加の配列を保有し得る。
【0105】
本明細書で使用される「可動性ポリペプチドリンカー」という用語は、ポリペプチド鎖を一緒に(例えば、可変重鎖領域と可変軽鎖領域を一緒に)連結するための、単独でまたは組み合わせて使用されるグリシン残基および/またはセリン残基等のアミノ酸からなるペプチドリンカーを指す。一実施形態では、可動性ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカーであり、アミノ酸配列(Gly-Gly-Gly-Ser)nを含み、ここで、nは、1以上の正の整数である。例えば、n=1、n=2、n=3、n=4、n=5、n=6、n=7、n=8、n=9、およびn=10である。一実施形態では、可動性ポリペプチドリンカーには、(Gly4Ser)4または(Gly4Ser)3(配列番号5)が含まれるが、これらに限定されない。別の実施形態では、リンカーは、(Gly2Ser)、(GlySer)または(Gly3Ser)の複数の繰り返しを含む。参照により本明細書に組み込まれるW02012/138475に記載のリンカーも本開示の範囲に含まれる。
【0106】
「レンチウイルス」という用語は、Retroviridaeファミリーの属を指す。HIV、SIV、およびFIVは全て、レンチウイルスの例である。
【0107】
「レンチウイルスベクター」という用語は、Milone et al.,Mol.
Ther.17(8):1453-1464(2009)に提供される特に自己不活性化レンチウイルスベクターを含むレンチウイルスゲノムの少なくとも一部分に由来するベクターを指す。臨床で使用され得るレンチウイルスベクターの他の例としては、例えば、OxfordBioMedicaのLENTIVECTOR(登録商標)遺伝子送達技術およびLentigenのLENTIMAX(商標)ベクター系等が挙げられるが、これらに限定されない。レンチウイルスベクターの他の例は、pLENTI-EF1α(配列番号129)、pLENTI-EF1α-DWPRE(配列番号130)およびpCCLc-MNDU3(配列番号12639)である。
【0108】
本明細書で使用される場合、「天然に存在しないTCR抗原結合ドメイン」とは、自然界に存在するTCRに対してキメラであり天然に存在しないTCR定常領域に作動可能に連結された結合ドメインを指す。換言すれば、天然に存在しないTCR抗原結合ドメインは、組換え分子生物学技法を使用してTCRに作動可能に連結されるように「操作され」、さらに、抗原結合ドメインは、自然界で見られるTCRとははっきりと異なる分子から得られるか、またはそれに由来する。自然界のTCRとははっきりと異なる抗原結合ドメインには、抗体vHおよびvL断片、ヒト化抗体断片、キメラ抗体断片、受容体リガンド等が含まれる。
【0109】
「作動可能に連結された」または「機能的に連結された」という用語は、各成分が機能的になるような第1の成分と第2の成分との間の機能的連結または会合を指す。例えば、「作動可能に連結された」には、異種核酸配列の発現をもたらす調節配列と異種核酸配列との間の会合が含まれる。例えば、第1の核酸配列は、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係に置かれた場合に、第2の核酸配列に作動可能に連結される。作動可能に連結された2つのポリペプチドとの関連で、第1のポリペプチドは、それがいずれの連結とも無関係であろう様式で機能し、第2のポリペプチドは、それがそれらの2つの間の連結を欠くであろうように機能する。
【0110】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列との関連で「パーセント同一性」とは、同じである2つ以上の配列を指す。2つの配列は、これらの2つの配列が、最大一致について比較ウィンドウまたは指定された領域にわたって比較して整列させたときに、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または手動アライメントおよび目視検査によって測定される、同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチドの特定されたパーセンテージ(例えば、特定された領域にわたって、または特定されていない場合、全配列にわたって、60%の同一性、任意選択的に、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%,81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性)を有する場合、「実質的に同一」である。任意選択的に、同一性は、少なくとも約50ヌクレオチド長(または10アミノ酸長)である領域、またはより好ましくは、100~500または1000またはそれ以上のヌクレオチド長(または20、50、200、またはそれ以上のアミノ酸長)である領域にわたって存在する。
【0111】
「ポリヌクレオチド」、「核酸」、または「組換え核酸」という用語は、ヌクレオチドのポリマー、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)を指し、適切な場合、リボ核酸(RNA)も指す。
【0112】
本明細書で互換的に使用される「タンパク質」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合と呼ばれる化学結合によって互いに連結されてアミノ酸のポリマーを形成する、アミノ酸と呼ばれる化学ビルディングブロックの1つまたは複数の鎖を含む。
【0113】
本明細書で使用される「難治性」は、治療に反応しない疾患、例えば、がんを指す。実施形態において、難治性がんは、治療の前または開始時に治療に耐性であり得る。他の実施形態では、難治性がんは、治療中に耐性になる可能性がある。難治性のがんは、耐性がんとも呼ばれる。
【0114】
本明細書で使用される「再発」は、疾患(例えば、がん)の再発、または改善期間後(例えば、がんの前治療後)のがんなどの疾患の徴候および症状を指す。
【0115】
範囲:本開示全体を通して、本発明の様々な態様を範囲形式で提示することができる。範囲形式での説明は、単に便宜上および簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0116】
「レトロウイルスベクター」という用語は、レトロウイルスゲノムの少なくとも一部分に由来するベクターを指す。レトロウイルスベクターの例としては、MSCVneo、MSCV-pac(またはMSCV-puro)、MSCV-hygro(AddgeneまたはClontechから入手可能)が挙げられる。レトロウイルスベクターの他の例は、MSCV-Bgl2-AvrII-Bam-EcoR1-Xho-BstB1-Mlu-Sal-ClaI.I03(配列番号131)である。
【0117】
「Sleeping Beautyトランスポゾン」または「Sleeping Beautyトランスポゾンベクター」という用語は、Sleeping Beautyトランスポゾンゲノムの少なくとも一部分に由来するベクターを指す。Sleeping Beautyトランスポゾンベクターの例は、pSBbi-Pur(配列番号133)である。SIRをコードするSleeping Beautyトランスポゾンベクターの他の例は、配列番号134および配列番号135に提供されている。
【0118】
「scFv」という用語は、軽鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体断片および重鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体断片を含む融合タンパク質を指し、軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、例えば、合成リンカー、例えば、短い可動性ポリペプチドリンカーを介して隣接して連結されており、一本鎖ポリペプチドとして発現されることができ、scFvは、それが由来するインタクトな抗体の特異性を保持する。特定されない限り、本明細書で使用される場合、scFvは、例えば、ポリペプチドのN末端およびC末端に対して、vL可変領域およびvH可変領域をいずれかの順序で有し得、scFvは、vL-リンカー-vHを含み得るか、またはvH-リンカー-vLを含み得る。本開示では、scFvは、vL-Gly-Ser-Linker-vHとしても記載されている。例えば、FMC63-vL-Gly-Ser-リンカ-FMC63-vHは、GlyおよびSer残基からなるリンカーを介して連結されたFMC63モノクローナル抗体のvLおよびvH断片を含むscFvを指する。あるいは、scFvは、(vL+vH)または(vH+vL)とも称される。例えば、FMC6-(vL + vH)は、vL断片がN末端に位置するリンカーを介して連結されたFMC63抗体のvLおよびvH断片を含むscFvを指す。
【0119】
「シグナル伝達ドメイン」という用語は、細胞内に情報を伝達して、第2のメッセンジャーを生成することによって、またはかかるメッセンジャーに応答することによってエフェクターとして機能することによって定義されたシグナル伝達経路を介して細胞活性を調節するタンパク質の機能的領域を指す。
【0120】
「合成免疫受容体」またはあるいは「SIR」という用語は、エフェクター細胞に発現されると、細胞に、標的細胞、典型的にはがん細胞に対する特異性と、細胞内シグナル発生とを提供する一組のポリペプチド、いくつかの実施形態では、典型的には2つの組のポリペプチドを指す。典型的な実施形態では、SIRは、本明細書に記載の抗原に結合する1つまたは複数の抗原結合ドメイン(例えば、抗体もしくは抗体断片、リガンド、または受容体)を含み、任意選択的なリンカーを介して1つまたは複数のT細胞受容体定常鎖または領域に連結される。いくつかの実施形態では、この一組のポリペプチドは、互いに隣接している。いくつかの実施形態では、SIRは、2つ以上の組の2つ以上のポリペプチドを含む。各組のSIRのポリペプチドは、互い(機能的ポリペプチド単位1)に隣接しているが、他方の組のポリペプチド(機能的ポリペプチド単位2)とは隣接していない。いくつかの態様では、SIRのT細胞受容体定常鎖(または領域)は、ヒトT細胞受容体-アルファ(TCR-アルファまたはTCRαまたはTCRaまたはhTCR-アルファまたはhTCRαまたはhTCRaまたはCα)、ヒトT細胞受容体-ベータ1(TCR-ベータ1またはTCRβ1またはTCRb1またはhTCR-ベータ1またはhTCRβ1またはhTCRb1またはCβ1)、ヒトT細胞受容体-ベータ2(TCR-ベータ2またはTCRβ2またはTCRb2またはhTCR-ベータ2またはhTCRβ2またはhTCRb2またはCβ2、TCR-ベータ、TCRβまたはTCRbまたはCβとも指定される)、ヒトプレT細胞受容体アルファ((プレTCR-アルファまたはプレTCRαまたはプレTCRaまたはプレCα)、ヒトT細胞受容体-ガンマ(TCR-ガンマまたはTCRγまたはTCRgまたはhTCR-ガンマまたはhTCRγまたはhTCRgまたはhTCRγ1またはhTCRガンマ1、またはCγ)、またはヒトT細胞受容体-デルタ(TCR-デルタまたはTCRdまたはTCRδまたはhTCR-デルタまたはhTCRdまたはhTCRδまたはCδ)の定常鎖から選択される。いくつかの実施形態では、SIRのTCR定常鎖は、それらの野生型ヌクレオチド配列によってコードされ、他の態様では、SIRのTCR定常鎖は、野生型ではないヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、SIRのTCR定常鎖は、それらのコドン最適化配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、SIRのTCR定常鎖は、野生型ポリペプチド配列をコードし、他の実施形態では、SIRのTCR定常鎖は、1つまたは複数の突然変異を持つポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、SIRのTCR定常鎖は、1つまたは複数の突然変異を持つそれらのコドン最適化配列によってコードされる。本明細書に記載のもの等の特異的腫瘍マーカー「X」を標的とする抗原結合ドメイン(例えば、scFvまたはvHH)を含むSIRは、X-SIRまたはXSIRとも称される。例えば、CD19を標的とする抗原結合ドメインを含むSIRは、CD19-SIRまたはCD19SIRと称される。SIRのTCR定常鎖/ドメインは、SIRが最終的に使用されるであろう同じ種に由来し得る。例えば、ヒトに使用する場合、SIRのTCR定常鎖がヒトTCR定常鎖に由来するか、またはそれから成ることが有益であり得る。しかしながら、ある場合には、TCR定常鎖が、SIRが最終的に使用されるであろう同じ種に由来するが、TCR定常鎖の発現を増強するアミノ酸置換を持つように修飾されることが有益である。例えば、ヒトに使用する場合、SIRのTCR定常鎖がヒトTCR定常鎖に由来するか、またはそれから成るが、そこである特定のアミノ酸がマウスTCR定常鎖由来の対応するアミノ酸に置き換えられることが有益であり得る。かかるマウス化TCR定常鎖は、SIRの増加した発現を提供する。例示的なTCR定常鎖の核酸配列は、配列番号39~64(表5)に提供されている。例示的なTCR定常鎖のアミノ酸配列は、配列番号4038~4063(表5)に提供されている。SIRまたはその機能的部分は、アミノ末端もしくはカルボキシ末端に、または両方の末端に追加のアミノ酸を含み得、この追加のアミノ酸は、SIRを構成するTCRまたは抗原結合ドメインのアミノ酸配列には見られない。望ましくは、この追加のアミノ酸は、SIRまたは機能的部分の生物学的機能、例えば、標的細胞の認識、がんの検出、がんの治療または予防等を妨害しない。より望ましくは、この追加のアミノ酸は、親SIRの生物学的活性と比較して、生物学的活性を増強する。
【0121】
「刺激」という用語は、刺激分子(例えば、TCR/CD3複合体)のその同族リガンド(または標的抗原)への結合によって誘導され、それにより、TCR/CD3を介したシグナル伝達等であるが、これに限定されないシグナル伝達事象を媒介する一次応答を指す。刺激は、ある特定の分子の改変された発現を媒介し得る。
【0122】
「TCR受容体融合タンパク質またはTFP」という用語は、参照により本明細書に組み込まれるWO2016/187349 A1に記載の次世代CARプラットフォームを指す。ある実施形態では、TFPは、CD3ε、CD3γ、CD3δ、TCRα、またはTCRβ等のTCR鎖に融合した標的抗原に特異的に結合する抗体部分を含む。TFPの構築に使用することができる例示的なTCR鎖は、参照により本明細書に組み込まれるWO 2017/070608A1に提供されている。CD3ε鎖を組み込むTFPは、CD3εTFPと称される。CD3γ鎖を組み込むTFPは、CD3γTFPと称される。CD3δ鎖を組み込むTFPは、CD3δTFPと称される。CD3ε鎖、CD3γ鎖、またはCD3δ鎖を組み込むTFPは、集合的にCD3ε/γ/δTFPと称される。本開示に記載のBCMAを標的とする抗原結合ドメインBCMA-Am06-HLを組み込み、NEMO-K277Aをコードするアクセサリーモジュールを共発現する例示的なTFPは、配列番号4384-4387に提供される(表6)。本開示に記載されている異なる抗原結合ドメインを組み込み、NEMO-K277Aをコードするアクセサリーモジュールを共発現する例示的なTFPを表7に提供する。表7にリストされているさまざまな構成(つまり、CARクラス)の順序は、表6にリストされている構成(つまり、CARクラス)の順序と同じであるため、これらのTFPの配列番号、抗原結合ドメインおよび標的抗原は表6を参照することによって決定できる。NEMO-K277Aをエンコードするアクセサリーモジュールは任意である。本開示に記載の抗原結合ドメイン(すなわち、vLおよびvH断片、リガンド、および受容体等)を有するTFPは、NEMO-K277Aなしで構築され得る。したがって、このアクセサリーモジュールは、上流フーリン-SGSG-F2A配列とともに、TFPから欠失し得る。あるいは、NEMO-K277Aをコードするアクセサリーモジュールは、他のシグナル伝達タンパク質、例えば、hNEMO-K277A-deltaV249-K555、mNEMO-K270A、K13-opt、IKK2-S177E-S181E、またはIKK1-S176E-S180E、ならびにMyD88-L265P、FKBPx2-NEMO、NEMO-L600-FKBPx2、およびCMV-141等をコードするアクセサリーモジュールに置き換えられ得る。
【0123】
「刺激分子」という用語は、免疫細胞シグナル伝達経路の少なくともいくつかの態様について免疫細胞の活性化を刺激的に調節する細胞質シグナル伝達配列(複数可)を提供する免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞、B細胞)によって発現される分子を指す。
【0124】
「対象」という用語は、免疫応答が誘発され得る生きた生物(例えば、いずれの家畜哺乳動物またはヒト)を含むよう意図されている。
【0125】
「T細胞」および「Tリンパ球」という用語は同義であり、本明細書で同義に使用される。例としては、ナイーブT細胞(「リンパ球前駆体」)、中心メモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、幹メモリーT細胞(Tscm)、iPSC由来のT細胞、合成T細胞、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
「治療効果」という用語は、例えば、腫瘍体積の減少、がん細胞の数の減少、感染性病原体のコロニー数の減少、および病状に関連する様々な生理学的症状の改善、そもそも病気の発生の予防、または病気の再発の予防を含むがこれらに限定されない様々な手段によって現れることができる生物学的効果を指す。
【0127】
本明細書で使用される「治療」および「治療」は、治療的治療および予防的または予防的手段の両方を指す。治療が必要な人には、すでにその状態にある人、その状態になりやすい人、またはその状態を予防する必要がある人が含まれる。
【0128】
「ゼータ」(またはギリシャ語の記号「ζ」で定義される)またはあるいは「ゼータ鎖」、「CD3-ゼータ」または「TCR-ゼータ」という用語は、GenBan Aceとして提供されるタンパク質と定義される。非ヒト種、例えば、マウス、齧歯類、サル、類人猿等由来のBAG36664.1または等価残基、および「ゼータ刺激ドメイン」またはあるいは「CD3-ゼータ刺激ドメイン」または「TCR-ゼータ刺激ドメイン」は、T細胞活性化に必要な初期シグナルを機能的に伝達するのに十分なゼータ鎖の細胞質ドメイン由来のアミノ酸残基またはその機能的誘導体と定義される。一態様では、ゼータの細胞質ドメインは、GenBank Aceの残基52~164を含む。非ヒト種、例えば、マウス、齧歯類、サル、類人猿等由来のBAG36664.1または等価残基は、その機能的オルソログである。一態様では、「ゼータ刺激ドメイン」または「CD3ゼータ刺激ドメイン」は、DNA配列番号101およびPRT配列番号4100として提供される配列である。
【0129】
本明細書で提供されるのは、CARおよび任意選択の1つまたは複数のアクセサリーモジュール、ならびにがんを含む疾患を治療するためにそれを使用する方法を含む組成物である。ここで説明するように、CAR(表1)と表2で説明するアクセサリーモジュールの特定の組み合わせは、「バックボーン」(表2)を定義する。
【0130】
表1:CARアーキテクチャ。 第1世代のCAR(従来のCAR1またはCAR I)には、抗原特異的ドメイン(ASD)、細胞内シグナル伝達ドメイン(ISD)(CD3zなど)があり、共刺激ドメインはない。TCR融合タンパク質(TFP)は、WO 2016/187349A1に記載されているが、抗原特異的ドメイン(ASD)および細胞内シグナルドメインを有する従来のCAR1に類似している次世代CARである。第2世代CAR(従来のCAR2またはCARii)は、抗原特異的ドメイン(ASD)、(1つ)の共刺激ドメイン例えば、41BBまたはCD28)および細胞内シグナル(ISD)ドメイン例えば、CD3z)を含む。第3世代CAR(従来のCAR3またはCARiii)は、抗原特異的ドメイン(ASD)、(2つ)の共刺激ドメイン例えば、41BBおよびCD28)および細胞内シグナル(ISD)ドメイン例えばCD3z)を含む。AbTCRはデュエルチェーン受容体であり、PCT/US2016/058305に記載されている。cTCRは、TCR定常鎖に融合し、T細胞シグナル伝達の活性化をもたらすvLおよびvH断片に由来する抗原結合ドメインからなる一本鎖、1.5鎖、または二本鎖受容体である。合成免疫受容体は次世代のcTCRであり、US62/429,597およびPCT/US017/064379に記載されている。SIRは、1つまたは複数のTCR定常鎖に融合し、リガンド結合時にT細胞シグナル伝達の活性化をもたらす1つまたは複数の抗原結合ドメインからなる一本鎖、1つ半、または2本鎖受容体である可能性がある。このアプリケーションでは、zSIRについて説明する。
【0131】
zSIRは、2つのCD3-ゼータ(CD3z)鎖を含む合成免疫受容体(SIR)の新しいプラットフォームである。zSIRの構築に使用できるCD3z鎖の核酸およびアミノ酸配列は、DNA配列番号67および71ならびにPRT配列番号4066および4072に提供されている。本開示は、抗体のvL断片が2つのCD3z鎖のうちの1つに結合され得、そしてvH断片が他のCD3z鎖に結合され得ることを提供する。このような2つの鎖(vL-CD3zとvH-CD3zなど)が同じ細胞で共発現している場合、vLとvHの断片は互いに結合し、同族の抗原または結合パートナーを認識し、T細胞シグナルを伝達する。特に、標的抗原を発現する細胞株に曝露されたときにそのようなzSIRを発現するT細胞は、NFATシグナル伝達を活性化し、IL2産生を誘導し、細胞毒性を発揮する可能性がある。zSIRの発現と活性は、vL/vHとCD3z断片の間にリンカーを組み込むことでさらに高めることができる。特に、抗体に由来するIgCLおよびIgCHドメインは、vL/vH断片とCD3z断片の間の有用なリンカーとして機能する。zSIRの構築に使用できる例示的なリンカーは、配列番号4004から4037に提供されている(表5)。
図1に、本開示で検討されているzSIRの概略例を示す。
【0132】
例えば、zSIR1、scFvのvL断片は1つのCD3z-ECD-TM-CP(細胞外、膜貫通、細胞質ドメイン)に結合され、vH断片は2番目のCD3zECDTMCPに結合されまる。例示的なzSIR1は配列番号425に提供されている。zSIR2では、1つのASD(例えば、scFv断片)が1つのCD3zECDTMCP(細胞外、膜貫通および細胞質ドメイン)に結合され、2番目のASDが2番目のCD3zECDTMCPに結合される。例示的なzSIR2は、配列番号3961に提供されている。2つのASDは、同じまたは異なる抗原または同じ抗原の異なるエピトープを標的とし得る。2つのASDが2つの異なる抗原を標的とする例示的なzSIR2は、配列番号3962に提供されている。2つのASDが同じ抗原の2つのエピトープを標的とする例示的なzSIR2は、配列番号3661に提供されている。zSIR3では、scFvのvL断片は免疫グロブリンに由来するcLリンカー(配列番号28および4027)を介して1つのCD3zECDTMCP(細胞外、膜貫通および細胞質ドメイン)に結合され、vH断片はCH1リンカー(配列番号29および4028)を介して2番目のCD3zECDTMCPに結合される。例示的なzSIR3はCD8-hCD19-EUK5-13-vL-IgCL-Bam-CD3zECDTMCP-opTFP2A-Spe-SP-Bst-hCD19-EUK5-13-vH-IgG1-CH1-KPN-CD3zECDTMCP-opt2-F-F2A- Xba-PAC(配列番号3955)である。zSIRの構築に使用できるその他のリンカーを表5に示す。
【0133】
別の実施形態では、共刺激ドメインもまた、zSIRのCD3z鎖に組み込まれる。例示的な共刺激ドメインには、41BB(配列番号69および配列番号4068)およびCD28(配列番号69および配列番号4067)の共刺激ドメインが含まれる。41BB(BB)(上記の概略図「C」を参照)およびCD28(上記の概略図「D」を参照)共刺激ドメインを含むCD3z鎖は配列番号(DNA):76~79および配列番号(PRT):4075~4078に示されている。CD28刺激ドメインを含むCD3zを用いた例示的なzSIRはCD8SP-BCMA-Am06-HL-vL- [CD3zECDTM-28z-opt] -F-P2A-SP-BCMA-Am06-HL-vH- [CD3zECDTM-28z-opt2](配列番号(DNA):3971および(配列番号(PRT):7971)によって提示される。41BB刺激ドメインを含むCD3zを使用した例示的なzSIRは、CD8SP-BCMA-Am06-HL-vL- [CD3zECDTM-BBz-opt] -F-P2A-SP-BCMA-Am06-HL-vH- [CD3zECDTM-BBz-opt2](配列番号(DNA):3772および(配列番号(PRT):7972)によって提示される。zSIR 4~9は、CD3zECDTMCPをCD3zECDTM-BBzまたはCD3zECDTM-28zドメインで置換することを除いて、zSIR1~3に似ている。
【0134】
【0135】
【0136】
表3:CARの構築に使用される異なる抗原を標的とするvL、vHおよびscFv断片の配列リスト。
【0137】
表4:異なる抗原を標的とする異なる抗原結合ドメインに属するvLおよびvH領域の様々なCDRの配列表。
【0138】
【0139】
表6:BCMA-Am06-HL抗原結合ドメインに基づく異なるCARクラスの配列表。 CARタイプとアクセサリーモジュールも示されている。CARクラス16および17は、二本鎖SIRの1つの鎖を表し、それらの相補鎖(つまり、それぞれCARクラス18および19)と共発現した場合にのみ生物活性を示す。 CARクラス13~15(シングルチェーンSIR)は、弱いアクティビティのみを示す。
【0140】
表7:異なる抗原結合ドメインを含む様々なCAR構築物の配列表。BCMA-Am06-HLベースのCARの場合、さまざまなCARの構造の順序は表6に示されている。
【0141】
表8.例示的なzSIR、SIRおよびその他の構築物
【0142】
【0143】
表10.異なる抗原を標的とする例示的な二重特異性抗体。
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
いくつかの実施形態では、組成物は、CAR1~15(表1)をコードする核酸を含み、CARの抗原特異的ドメインは、参照により本明細書に組み込まれる、PCT/US2017/064379の表3または表5~6に記載されるような1つまたは複数の特異的抗原を標的とする。いくつかの実施形態において、組成物は、CAR1~15(表1)をコードする核酸を含み、ここで、CARの抗原特異的ドメインは、本明細書に組み込まれるPCT/US2017/064379の表3または表5~6に記載されるような1つまたは複数の特異的抗原を標的とする。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書およびPCT/US2017/064379の表3または表5-6に記載されるように、コードされるCARの抗原特異的ドメインが1つまたは複数の特異的抗原を標的とする、バックボーン1~60(表2)のいずれか1つまたは複数をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、バックボーン-1をコードする核酸を含み、バックボーン-1のCARの抗原特異的ドメインは、本明細書およびPCT/US2017/064379の表3または表5~6に記載されるように、1つまたは複数のがん特異的抗原を標的とする。いくつかの実施形態では、組成物は、バックボーン-8をコードする核酸を含み、バックボーン-1のCARの抗原特異的ドメインは、本明細書およびPCT/US2017/064379の表3または表5~6に記載される1つまたは複数のがん特異的抗原を標的とする。
【0148】
様々な実施形態において、本明細書に記載のバックボーンのCAR成分をコードする単離された核酸分子は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の抗原特異的ドメイン(ASD)をコードする。
【0149】
様々な実施形態において、本明細書に記載のバックボーンのCAR成分をコードする単離された核酸分子は、0、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の共刺激ドメインをコードする。
【0150】
様々な実施形態において、本明細書に記載のバックボーンのCAR成分をコードする単離された核酸分子は、0、1、2、3、またはそれ以上の細胞内シグナル伝達ドメインをコードする。
【0151】
様々な実施形態において、CARおよび本明細書に記載のバックボーンをコードする単離された核酸分子は、0、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のアクセサリーモジュールをコードする。
【0152】
本明細書に記載のCARおよびアクセサリーモジュールの所望の成分をコードする核酸配列は、当技術分野で知られている組換え方法を使用して得ることができる。あるいは、目的とする核酸は、クローン化されるのではなく、合成的に産生され得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、CARを発現する本明細書に記載の遺伝子改変細胞および本明細書に記載のアクセサリー成分はまた、CARの毒性を低減する薬剤を発現する。
【0154】
いくつかの実施形態では、CARを発現する本明細書に記載の遺伝子改変細胞および本明細書に記載のアクセサリー成分はまた、CARの活性を増強する薬剤を発現する。
【0155】
いくつかの実施形態では、CARを発現する本明細書に記載の遺伝子改変細胞および本明細書に記載のアクセサリー成分はまた、CARの持続性を増強する薬剤を発現する。
【0156】
いくつかの実施形態では、CARを発現する本明細書に記載の遺伝子改変細胞および本明細書に記載のアクセサリー成分は、CARの枯渇を防止する薬剤も発現する。
【0157】
本明細書に記載の様々なバックボーンを含む組成物は、本明細書に記載のがん関連抗原に特異的に結合する1つまたは複数のASDを含むCARを含む。ASDの配列は、CARの1つまたは複数の鎖の残りをコードする核酸配列と隣接しており、同じリーディングフレーム内にある。
【0158】
ポリペプチド、ポリペプチド、発現構築物、本開示の抗原結合ドメインを含むCARを発現する組換え操作された細胞、ならびにそのようなポリペプチド、ポリペプチドおよび細胞を作製および使用する方法は、PCT/US2017/024843、WO2014/160030A2、WO2016/187349A1、PCT/US2016/058305、WO2015/117229A1、PCT/US17/64379に記載されている、および当技術分野で知られている方法。これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0159】
本開示は、養子細胞療法における用途のためのCAR(例えば、CAR1~15およびバックボーン1~60)の生成に使用することができるいくつかの抗原結合ドメインを提供する。 いくつかの実施形態において、これらの抗原結合ドメインは、がん、非がん増殖性障害(例えば、子宮内膜症)および/または免疫障害において発現される抗体および標的抗原に由来する。 これらの抗原結合ドメインのvL、vHおよびscFv断片の標的抗原、配列番号(DNA)および配列番号(PRT)を表3に示す。異なる抗原を標的とする抗原結合ドメインのvLおよびvH断片のCDRは 表4に示す。
【0160】
いくつかの実施形態では、 特定の抗原を標的とするCARポリペプチドのコードされた抗原結合ドメインは、表3にリストされているように、9アミノ酸残基までの10アミノ酸以下がその他のアミノ酸残基または配列番号4118~4190、9631~9660、または11460~11462および14386~14415のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して80~100%の同一性を有する配列、または配列番号配列番号4118~4190、9631~9660、または11460~11462および14386~14415のいずれかの相補性決定領域(CDR)に対して85~100%の同一性を有する配列によって置き換えられる、その抗原を標的とする配列番号4118~4190、9631~9660および11460~11462、14386~14415の軽鎖可変ドメイン(vLまたはVL)アミノ酸配列のいずれか1つまたは複数を含む。配列番号4118~4190、9631~9660、または11460~11462のvL断片のCDR1、CDR2、およびCDR3は、それぞれ配列番号11961~12066、12068~12173、12175~12280で示される(表4)。
【0161】
いくつかの実施形態では、CAR(従来のCARおよび次世代CAR、例えば、SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-TacおよびTFP)ポリペプチドのコード化された1つまたは複数の抗原結合ドメインは、表3に記載されるようにその抗原を標的とする配列番号4192~4264、9662~9691、11464~11466および14417~14446の重鎖可変ドメイン(vHまたはVH)アミノ酸配列のいずれか1つまたは複数を含み、ここで、10アミノ酸以下は、その他のアミノ酸残基または配列番号4192~4264、9662~9691、11464~11466、および14417~14446のアミノ酸配列に対する80-100%の同一性を有する配列または配列番号4192~4264、9662~9691、11464~11466、および14417~14446のいずれかの相補性決定領域(CDR)に対する85-100%の同一性を有する配列によって置き換えられる。配列番号4192~4264、9662~9691、11464~11466、および14417~14446のvH断片のCDR1、CDR2、およびCDR3は、それぞれ配列番号12282~12387、12389~12494、12497~12602 、16219~16310示される(表4)。
【0162】
いくつかの実施形態では、CAR 1~15およびバックボーン1~60ポリペプチドのコード化された1つまたは複数の抗原結合ドメインは、9アミノ酸残基までであるが10アミノ酸以下が、その他のアミノ酸残基または配列番号4266~4338、9693~9722、11468~11470、および14448-14477のアミノ酸配列に対して80~100%の同一性を有する配列または配列番号4266~4338、9693~9722、11468~11470、および14448-14477の相補性決定領域(CDR)に対して85~100%の同一性を有する配列によって置換される配列番号4266~4338、9693~9722、11468~11470、および14448-14477の一本鎖可変断片(scFv)アミノ酸配列のいずれか1つまたは複数を含む。 配列番号4266~4338、9693~9722、11468~11470、および14448-14477を有するscFv断片のvL領域のCDR1、CDR2およびCDR3は、それぞれ配列番号11961~12066、12068~12173、12175~12280、16126~16217(表4)で示される。配列番号4266~4338、9693~9722、11468~11470、および14448-14477を有するscFv断片のvH領域のCDR1、CDR2およびCDR3は、それぞれ配列番号12282~12387、12389~12494、12497~12602および16219~16310(表4)で示される。
【0163】
scFv断片中のvLおよびvH断片の順序は、vL-vHまたはvH-vLのいずれかであり得ることが理解されるべきである。 したがって、表3に示される例示的なscFv断片は、vL-vHまたはvH-vL配向のいずれかを表すが、相補的配向を有するscFv断片(すなわち、vH-vLおよびvL-vH)もまた、方法または組成物において使用され得る。
【0164】
異なるCAR1~15およびバックボーン1~60の構築に使用することができる例示的な要素のDNAおよびPRT配列番号を表5に列挙する。例示的な従来のCAR(例:41BB共刺激ドメインを含む第2世代CAR)、およびBCMA-AM06-HL scFvに由来するvLおよびvH断片に基づく次世代CAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP)の核酸およびアミノ酸配列番号を表6に提供する。例示的な従来のCAR(例えば、41BB共刺激ドメインを含む第2世代のCAR)、および他のscFv断片に由来するvLおよびvH断片に基づく次世代CAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP)の核酸およびアミノ酸配列番号は、BCMA-AM06-HL scFvのvLおよびvH断片を、表3にリストされているscFv断片のvLおよびvH断片で置き換えることによって導出できる。異なる抗原結合ドメインを含むプログラム可能なCAR構築物の配列を表7に示する。表7の異なる抗原結合ドメインの順序は、BCMA-Am06-HLベースのCARについて表6に示すとおりです。 したがって、配列番号475によって表されるCAR構築物は、抗原結合ドメインBCMA-Am06-HLに対応するvLおよびvH断片がvLおよびvHで置き換えられることを除いて、配列番号377によって表されるCAR構築物に類似してい 抗原結合ドメインBCMA-Am14-HLに対応する断片。 同様に、配列番号476によって表されるCAR構築物は、抗原結合ドメインBCMA-Am06-HLに対応するvLおよびvH断片が抗原結合ドメインBCMA-Am14-HLに対応するvLおよびvH断片で置き換えられることを除いて、配列番号378によって表されるCAR構築物に類似している。
【0165】
様々な実施形態において、本開示の抗原結合ドメインは、CAR(すなわち、従来のCARおよび次世代のCAR)の構築に使用される場合、標的抗原への結合親和性、サイトカイン分泌、増殖、細胞毒性、消耗、および長期持続性などの優れたin vitroおよびin vivo特性を示す。様々な実施形態において、本開示の抗原結合ドメインは、CAR(すなわち、従来のCARおよび次世代のCAR)の構築に使用される場合、標的抗原への結合親和性、サイトカイン分泌、増殖、細胞毒性、消耗、および長期持続性などの多様なin vitroおよびin vivo特性を示す。様々な実施形態において、これらの標的抗原を含むCARは、多様な免疫応答を生成するために使用され得る。
【0166】
本開示はさらに、同じ抗原を標的とするが、異なる抗原結合ドメインを有し、それらが標的とする抗原のエピトープに部分的に依存する多様な生物学的特性を有し得るCARを企図する。したがって、配列番号2435~2483および配列番号2386~2434によって表されるCARを標的とするHer2の2つのグループ(表7の行12~13を参照)は、異なるT細胞活性化、サイトカイン分泌および細胞毒性などの生物学的特性を示している。
【0167】
いくつかの実施形態では、コードされたCAR分子の抗原特異的ドメインは、抗体、抗体断片、scFv、Fv、Fab、(Fab’)2、単一ドメイン抗体(SDAB)、VHもしくはVLドメイン、またはラクダ科VHHドメインを含む。いくつかの実施形態では、CARの抗原結合ドメインは、マウス配列のscFv(これをヒト化する)に比べて、ヒト化されているscFv抗体断片である。
【0168】
いくつかの事例では、scFvは当該技術分野において既知の方法に従って調製できる(例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423-426 and Huston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883)。scFv分子は、フレキシブルポリペプチドリンカーを用いて、VHおよびVL領域を一緒に連結することにより作製できる。scFv分子は、最適長さおよび/またはアミノ酸組成を備えたリンカー(例えば、Ser-Glyリンカー)を含む。リンカー長さは、scFvの可変領域が折り畳まれ、相互作用する方法に大きく影響し得る。例えば、短いポリペプチドリンカーが使用される場合(例えば、5~10アミノ酸の間)、鎖内折り畳みが防止される。鎖間フォールディングは、2つの可変領域をまとめて機能的なエピトープ結合部位を形成するのに役立つ場合があります。リンカーの配向およびサイズの例については、例えば、Hollinger et al、1993 Proc NatlAcadを参照されたい。科学U.S.A. 90:6444-6448、米国特許出願公開番号2005/0100543、2005/0175606、2007/0014794、およびPCT公開番号WO2006/020258およびWO2007/024715であり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
scFvは、そのVL領域とVH領域との間に、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50個、またはそれを超えるアミノ酸残基を含み得る。リンカー配列は、任意の天然アミノ酸を含んでよい。いくつかの実施形態では、リンカー配列は、アミノ酸のグリシンおよびセリンを含む。別の実施形態では、リンカー配列は、一連のグリシンおよびセリン反復、例えば、(Gly4Ser)n(配列番号252、配列番号253)を含み、nは、1以上の正の整数である。 一実施形態では、リンカーは、(Gly4Ser)3または(Gly4Ser)3またはウィットローリンカーであり得る。 リンカー長さの変動は、活性を維持または高め得、活性試験に優れた効力をもたらす。
【0170】
一実施形態では、特定の抗原を標的とするCARの抗原特異的ドメインは、本明細書に記載の抗原結合ドメインの1つ、2つ、または3つすべてのvH(重鎖)CDR(つまり、vH-CDR1、vH-CDR2、およびvH-CDR3)(表4)、および/または本明細書に記載の抗原結合ドメインの1つ、2つ、または3つすべてのvL(軽鎖)CDR(つまり、vL-CDR1、vL-CDR2、およびvL-CDR3)を含む(表4)。
【0171】
別の実施形態では、抗原特異的ドメインは、ヒト化抗体または抗体断片を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCARの抗原特異的ドメインは、scFv抗体断片である。 他の実施形態では、抗体断片は、それが由来する抗体と比較して抗原に対する結合親和性が低いが、本明細書に記載の生物学的応答を提供するという点で機能的である。一実施形態では、CAR分子は、標的抗原に対して10-4Mから10-8M、10-5Mから10-7M、10-6Mまたは10-8Mの結合親和性KDを有する抗体断片を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCARの抗原特異的ドメインは、MHC提示ペプチドに結合する。 ヒト白血球抗原(HLA)-A1またはHLA-A2との関連でウイルスまたは腫瘍抗原に由来するペプチドを標的とするTCR様抗体が記載されている。 例えば、TCR様抗体は、ヒトscFvファージディスプレイライブラリーなどのライブラリーのスクリーニングから同定することができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の機能的断片(scFv断片を含む)を含むCARが標的抗原に結合すると、熟練した職人によって理解されるように、免疫応答の活性化、サイトカイン産生、細胞毒性などの生物学的応答が誘導される。
【0175】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、単独でまたはアクセサリーモジュールと共に発現される場合に従来のCAR(例:第2世代のCAR)、次世代CAR(例:zSIR、SIR、Ab-TCRーTri-TAC、TFPなど)およびrTCRによって標的とされ得る疾患に特異的な抗原には、CD5、CD19、CD123、CD22、CD30、CD171、CS-1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319、および19A24とも呼ばれる)、BAFF-R、C型レクチン様分子-1(CLL-1またはCLECL1); CD33; MPL;上皮成長因子受容体変異体III(EGFRviii);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer); TNF受容体ファミリーメンバーB細胞成熟(BCMA); Tn抗原((Tn Ag)または(GalNAcα-Ser/ Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1); FmsLikeチロシンキナーゼ3(FLT3);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72); CD38; CD44v6;急性白血病またはリンパ腫で発現するが造血前駆細胞では発現しないグリコシル化CD43エピトープ、非造血がんで発現するグリコシル化CD43エピトープ、がん胎児性抗原(CEA);上皮細胞接着分子(EPCAM); B7H3(CD276);キット(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットアルファ-2(IL-13Ra2またはCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体アルファ(IL-llRa);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスティシンまたはPRSS21);血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2);ルイス(Y)抗原; CD24;血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFR-ベータ);病期特異的胚性抗原-4(SSEA-4); CD20;葉酸受容体アルファ;受容体型チロシンプロテインキナーゼERBB2(Her2 / neu);ムシン1、関連する細胞表面(MUC1);上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP);インスリン様成長因子1受容体(IGF-I受容体)、炭酸脱水酵素IX(CAlX);プロテアソーム(プロソーム、マクロペイン)サブユニット、ベータタイプ、9(LMP2);糖タンパク質100(gpl00);ブレークポイントクラスター領域(BCR)とアベルソンマウス白血病ウイルス腫瘍遺伝子ホモログ1(Abl)(bcr-abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質。チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);フコシルGM1;シアリルルイス接着分子(sLe);ガングリオシドGM3(aNeu5Ac(2-3)bDClalp(l-4)bDGlcp(l-1)Cer);トランスグルタミナーゼ5(TGS5); 高分子量メラノーマ関連抗原(HMWMAA); o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);腫瘍内皮マーカー1(TEM1 / CD248);腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR); Gタンパク質共役型受容体クラスCグループ5、メンバーD(GPRC5D); X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61); CD97; CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1(PLAC1); globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分。乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2); A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3);パネキシン3(PANX3); Gタンパク質共役型受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K 9(LY6K);嗅覚受容体51E2(OR51E2); TCRガンマ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);がん/精巣抗原1(NY-ES0-1);がん/精巣抗原2(LAGE-1a);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);染色体12p(ETV6-AML)にあるETS転座変異遺伝子6。精子タンパク質17(SPA17); X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie 2);黒色腫がん精巣抗原-1(MAD-CT-1);黒色腫がん精巣抗原-2(MAD-CT-2); Fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53); p53変異体;プロスタイン;生き残る;テロメラーゼ;前立腺がん腫瘍抗原-1(PCT A-1またはガレクチン8)、T細胞によって認識される黒色腫抗原1(MelanAまたはMARTI);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座ブレークポイント;アポトーシスの黒色腫阻害剤(ML-IAP); ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子); N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17);ペアボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンBl; v-mycトリ骨髄球腫症ウイルス腫瘍遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN); Ras HomologファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450lB 1(CYPlB 1); CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)のような(BORISまたは印刷された部位の調節因子の兄弟)、T細胞によって認識される扁平上皮がん抗原3(SART3);ペアボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES1);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);キナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、Xブレークポイント2(SSX2);終末糖化産物の受容体(RAGE-1);腎臓ユビキタス1(RU1);腎臓ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6);ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7);腸のカルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2); CD79a; CD79b; CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1); IgA受容体のFc断片(FCARまたはCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2); CD300分子のようなファミリーメンバーf(CD300LF); C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2); EGFのようなモジュールを含むムチンのようなホルモン受容体のような2(EMR2);リンパ球抗原75(LY75);グリピカン-3(GPC3); Fc受容体様5(FCRL5);および免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、MPL、ビオチン、c-MYCエピトープタグ、CD34、LAMP1 TROP2、GFRalpha4、CDH17、CDH6、NYBR1、CDH19、CD200R、Slea(CA19.9; Sialyl Lewis Antigen)フコシル- GM1、PTK7、gpNMB、CDH1-CD324、DLL3、CD276/B7H3、IL11Ra、IL13Ra2、CD179b-IGL11、ALK TCRgamma-delta、NKG2D、CD32(FCGR2A)、CSPG4-HMW-MAA、Tim1-/HVCR1、CSF2RA(GM -CSFR-alpha)、TGFbetaR2、VEGFR2/KDR、Lews Ag、TCR-beta1チェーン、TCR-beta2チェーン、TCR-gammaチェーン、TCR-deltaチェーン、FITC、白血球刺激ホルモン受容体(LHR)、濾胞刺激ホルモン受容体(FSHR)、絨毛性ゴナドトロピンホルモン受容体(CGHR)、CCR4、SLAMF6、SLAMF4、HIV1エンベロープ糖タンパク質、HTLV1-Tax、CMV pp65、EBV-EBNA3c、インフルエンザA血球凝集素(HA)、GAD、PDL1、グアニリルシクラーゼC(GCC)、KSHV-K8.1タンパク質、KSHV-gHタンパク質、デスモグレイン3に対する自己抗体(Dsg3)、デスモグレイン1に対する自己抗体(Dsg1)、HLA、HLA-A、HLA-A2、HLA-B、HLA-C、HLA-DP 、HLA-DM、HLA-DOA、HLA-DOB、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-G、IGE、CD99、RAS G12V、Tissue Factor 1(TF1) 、AFP、GPRC5D、claudin18.2(CLD18A2またはCLDN18A.2)、P糖タンパク質、STEAP1、LIV1、NECTIN-4、CRIPTO、MPL、GPA33、BST1 / CD157、低コンダクタンスクロライドチャネル、インテグリンB7、Muc17、C16ORF54、 VISTA、Muc5Ac、FCRH5、CLDN6、MMP16、UPK1B、BMPR1B、Ly6E、WISP1およびSLC34A2のいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
【0176】
いくつかの実施形態では、単独でまたは本明細書に記載のアクセサリーモジュールと発現された場合、天然に存在しない免疫受容体、例えば、CARによって標的とされ得る疾患に特異的な抗原には、4-1BB、5T4、腺がん抗原、アルファ-フェトプロテイン、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA-125、炭酸脱水酵素9(CA-IX)、C-MET、CCR4、CD152、CD19、CD20、CD200、CD22、CD221、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD4、CD40、CD44 v6、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CEA、CNTO888、CTLA-4、DR5、EGFR、EpCAM、CD3、FAP、フィブロネクチン細胞外ドメイン-B、葉酸受容体1、GD2、GD3ガングリオシド、糖タンパク質75、GPNMB、HER2/neu、HGF、ヒト散乱因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgG1、L1-CAM、IL-13、IL-6、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンα5β1、インテグリンαvβ3、LAMP1、MORAb-009、MS4A1、MUC1、ムチンCanAg、N-グリコリルノイラミン酸、NPC-1C、PDGF-R α、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺がん細胞、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、TAG-72、テネイシンC、TGFベータ2、TGF-β、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGFR-1、VEGFR2、ビメンチン、またはそれらの組み合わせのうちのいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。がんに特異的な他の抗原は当業者には明らかであり、本開示の代替実施形態に関連して使用され得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、単独で、または本明細書に記載のアクセサリーモジュールと共に発現される場合、CARによって標的とされ得るがんに関連するまたはがんに特異的な抗原には、BCMA、FLT3、CD19、CD20(MS4A1)、CD22、STERAP1、CD79b、インテグリンB7、Her2、Her3、Liv1、TSHR(甲状腺刺激ホルモン受容体)、PSMA、MSLN(メソセリン)、EGFRviii、ネクチン4、プロラクチン受容体(PRLR)、Muc17、Muc5Ac、CD70、CD179b、CDH19、CD16ORF54、VISTA(Vセット免疫調節受容体またはVSIR)、GPC3(グリピカン3)、DLL3(標準的なNotchリガンド3のようなデルタ)、PTK7、FCRH5(5のようなFc受容体)、LYPD1(1を含むLY6 / PLAURドメイン)、EMR2(接着Gタンパク質共役型受容体E2またはADGRE2)、gpNMB(糖タンパク質nmb)、リングフィンガータンパク質43(RNF43)、Robo4、CEA、Her3、葉酸受容体1(FOLR1)、CLDN6(クローディン6)、MMP16(マトリックスメタロプロテアーゼ16)、ウロプラキン1B(UPK1B)、骨形成タンパク質受容体タイプ1B(BMPR1B)、Ly6E、WISP1、SLC34A2、Cripto、gpA33、ROR1、CLL1、IL1RAP、BST1、CD133およびそれらの組み合わせのいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、CARの抗原特異的ドメインはBCMA、FLT3、CD19、CD20(MS4A1)、CD22、STEAP1、CD79b、インテグリンB7、Her2、Her3、Liv1、TSHR(甲状腺刺激ホルモン受容体)、PSMA、MSLN(メソセリン)、EGFRviii、ネクチン4、プロラクチン受容体(PRLR)、Muc17、Muc5Ac、CD70、CD179b、CDH19、CD16ORF54、VISTA(Vセット免疫調節受容体またはVSIR)、GPC3(グリピカン3)、DLL3(標準的なNotchリガンド3のようなデルタ)、PTK7、FCRH5(5のようなFc受容体)、LYPD1(1を含むLY6 / PLAURドメイン)、EMR2(接着Gタンパク質共役受容体E2またはADGRE2)、gpNMB(糖タンパク質nmb)、リングフィンガータンパク質43(RNF43)、Robo4、CEA、Her3、葉酸受容体1(FOLR1)、CLDN6(クローディン6)、MMP16(マトリックスメタロプロテアーゼ16)、ウロプラキン1B(UPK1B)、骨形成タンパク質受容体タイプ1B(BMPR1B)、Ly6E、WISP1、SLC34A2、Cripto、gpA33、ROR1、CLL1、IL1RAP、BST1およびCD133に特異的である。いくつかの実施形態において、CARの抗原特異的ドメインは、その配列番号が表3に示されるscFv配列を含む。いくつかの実施形態において、CARの抗原特異的ドメインは、その配列番号が表4に示されるCDR配列を含む。
【0178】
様々な実施形態において、これらの抗原結合ドメインを含む、従来型および次世代のCAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の両方のCARを発現する免疫細胞は、当技術分野で知られている方法および全体を参照によって本明細書に組み込まれるPCT/US2017/024843、WO2014/160030A2、WO2016/187349A1、PCT/US2016/058305およびPCT/US17/64379に記載の方法を使用して、がん、感染性および免疫障害の養子細胞療法のために生成および使用することができる。
【0179】
CAR(例:CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-TAC、TFPなど)は、単独でまたは本明細書に記載のアクセサリーモジュールと使用される場合、疾患支持抗原(例えば、本明細書に記載の疾患支持抗原)に結合する抗原結合ドメイン(例えば、抗体または抗体断片)を含み得る。いくつかの実施形態では、疾患支持抗原は、病原細胞の生存および増殖を支持する細胞に存在する抗原である。いくつかの実施形態では、疾患支持抗原は、間質細胞または骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)に存在する抗原である。間質細胞は、成長因子およびサイトカインを分泌して、微環境下で細胞増殖を促進することができる。MDSC細胞は、T細胞増殖および活性化を阻止することができる。理論によって束縛されることを望むことなく、いくつかの実施形態では、CAR(例:CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-TAC、TFPなど)発現細胞は、疾患支持細胞を破壊し、それにより、病原細胞の成長または生存を間接的に阻止する。
【0180】
ある特定の実施形態では、間質細胞抗原は、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、およびテネイシンのうちの1つまたは複数から選択される。ある実施形態では、FAP特異的抗体は、シブロツヅマブであるか、それと結合について競合するか、またはそれと同じCDRを有する。実施形態では、MDSC抗原は、CD33、CDllb、C14、CD15、およびCD66bのうちの1つまたは複数から選択される。したがって、いくつかの実施形態では、疾患支持抗原は、骨髄間質細胞抗原2(BST2)、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)またはテネイシン、CD33、CDllb、C14、CD15、およびCD66bのうちの1つまたは複数から選択される。
【0181】
別の実施形態では、CARの各抗原特異的領域(例えば、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、二価(または二価)の一本鎖可変断片(ジ-scFv、bi-scFv)を含み得る。 いくつかの実施形態において、少なくとも2つの抗原特異的標的化領域を含むCAR(例えば、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、2つの抗原のそれぞれに特異的な2つのscFvを発現するであろう。結果として生じるASDは、ヒンジ領域と膜貫通ドメインを介して共刺激ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインに結合される。2つの抗原を標的とする例示的なCAR(zSIR)は、配列番号3962で表され、CD19およびCD123を標的とする。
【0182】
追加の実施形態では、CARの各ASDは、ダイアボディを含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、CARのASD(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、その配列番号および標的抗原が表3に記載されているVL断片を含む。
【0184】
いくつかの実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)のASDは、その配列番号および標的抗原が表3にリストされているVH断片を含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)のASDは、その配列番号および標的抗原が表3にリストされているscFvを含む。
【0186】
一実施形態では、 標的抗原に対するCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、その配列番号が表4に記載されているこの抗原を標的とするvLおよびvH断片の抗原結合部分、例えば、CDRである。
【0187】
一実施形態では、標的抗原に対するCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、この抗原を標的とするscFvのvLおよびvH断片の抗原結合部分、例えば、CDRであり、その配列番号は表4に記載されている。
【0188】
いくつかの実施形態では、CARのASD(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、VHH断片(ナノボディ)を含む。
【0189】
一実施形態では、標的抗原に対するCARの抗原特異的ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、この抗原を標的とする非免疫グロブリン足場の抗原結合部分である。
【0190】
一実施形態では、標的抗原に対するCARの抗原特異的ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、この標的抗原に結合することが知られている受容体の抗原結合部分である。
【0191】
一実施形態では、標的抗原に対するCARの抗原結合特異的ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、この標的抗原に結合することが知られているリガンドの抗原結合部分である。
【0192】
本開示は、同じ抗原を標的とするCARが、それらが結合する抗原の特定のエピトープに応じて異なる生物学的特性を有し得ることを実証している。したがって、2つのCD19標的化CAR(例えば、配列番号916および818)は、それらが結合する異なるCD19エピトープに応じて、異なる生物学的特性(例えば、細胞毒性、増殖またはサイトカイン分泌など)を有し得る。一実施形態では、本開示は、本開示(すなわち、本開示のいずれかのCARとの異なる標的への結合について交差競合する能力を有するCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど))のいずれかのCARと同様に、表3にリストされた異なる標的上の同じエピトープに結合するCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を提供する。いくつかの実施形態において、これらのCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、抗体のvL断片、vH断片、またはscFv断片に由来し得る。いくつかの実施形態では、本開示のCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照抗体は、その抗原を標的とし、配列番号4266-4338、9693-9722および11468-11470に示されるような配列を有するscFvである(表3)。例示的な実施形態では、配列番号4266で表される参照scFvBCMA-Am14-HLは、BCMA-Am14-HLベースのCARおよび本開示のバックボーンによって認識される標的エピトープを決定するための競合研究で使用することができる。いくつかの実施形態では、異なる標的に対する交差競合研究のための参照CARは、配列番号が表7に示されているCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)である。
【0193】
例示的な実施形態では、本開示のCD19標的化CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFvは、配列番号:4269-4270、4272、4298、4299、4338、14462(表3)に示されるような配列を有するscFvである。
【0194】
例示的な実施形態では、本開示のCD19標的化CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照CARは、配列番号4830-4871、4781-4829、4872-4920、4732-4780、4683-4731、4970-5018、および4921-4969(表7)に示されるような配列を有するCARである。
【0195】
別の実施形態では、本発明のCD20標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、CD20を標的とし、かつ表3に列記される配列番号を有するscFvである。
【0196】
別の実施形態では、本発明のCD20標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CD20 を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである。
【0197】
別の実施形態では、本発明のCD22標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、CD22を標的とし、かつ表3に列記される配列番号14449~14458、14460、14469~70を有するscFvである。
【0198】
別の実施形態では、本発明のCD22標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、CD22を標的とし、かつ表3に列記される配列番号14449~14458、14460、14469~70を有するscFvである。
【0199】
別の実施形態では、本発明のCD22標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CD22を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである。
【0200】
別の実施形態において、本発明のBAFF-R標的型CARによって認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)はBAFF-Rを標的とするscFvであり、表3に記載の配列番号 14465-14467を有する。
【0201】
別の実施形態では、本発明のBAFF-R標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、BAFF-Rを標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである。
【0202】
別の実施形態では、本発明のDLL3標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、DLL3を標的とし、かつ表12に列記される配列番号を有するscFvである。
【0203】
別の実施形態では、本発明のDLL-3標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、DLL-3を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである。
【0204】
別の実施形態では、本発明のPTK7標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、PTK7を標的とし、かつ表12に列記される配列番号を有するscFvである。
【0205】
別の実施形態では、本発明のPTK7標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、PTK7を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである。
【0206】
別の実施形態では、本発明のMSLN(メソテリン)標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、MSLNを標的とし、かつ表3に列記される配列番号を有するscFvである。
【0207】
実施形態において、MSLN-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:4284-4285、4293-4295、9715および9716で表される。
【0208】
別の実施形態では、本発明の MSLN 標的CAR (例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、MSLNを標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである。
【0209】
別の実施形態では、本発明のHer2標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、Her2を標的とし、かつ表3に列記される配列番号を有するscFvである。
【0210】
実施形態において、Her2-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)はSED NO:4276-4279で表される。
【0211】
別の実施形態では、本発明のHer2標的型CARによって認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための基準CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)はHer2を標的とするCARであり、は配列番号:6244-6292、6391-6439、6342-6390、および6293-6341で表される(表7)。
【0212】
別の実施形態において、本発明のTSHR標的型CARによって認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)はTSHRを標的とするscFvであり、表3に記載の配列番号:4280を有する。
【0213】
別の実施形態では、本発明のTSHR標的型CARによって認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための基準CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)はTSHRを標的とするCARであり、配列番号:7567-7615で表される(表7)。
【0214】
別の実施形態では、本発明のEGFRviii標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、EGFRviiiを標的とし、かつ表3に列記される配列番号を有するscFvである。
【0215】
別の実施形態では、本発明のEGFR-viii標的型CARによって認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための基準CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等) はEGFR-viiiを標的とするCARであり、配列番号:5607-5655、5705-5753、5754-5802および5656-5704 で表される。
【0216】
別の実施形態では、本発明のPRLR(プロラクチン受容体)標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、PRLR(プロラクチン受容体)を標的とし、かつ表3に列記される配列番号を有するscFvである。
【0217】
実施形態において、PRLR-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:4296おいび4309で表される。
【0218】
別の実施形態において、本発明のPRLR標的型CARによって認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための参照CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)はPRLRを標的とするCARであり、表7に記載の配列番号:7077-7125および7126-7174を有する。
【0219】
別の実施形態では、本開示のPSMA標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号7273-7321、7224-7272および7175-7223)は、表3にリストされたPSMA標的化scFv(例えば、配列番号4281-4283)である。実施形態において、PSMA-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:4281-4283 で表される。
【0220】
別の実施形態では、PSMA標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照CAR本開示の中には、表7に列挙しているPSMA CARが含まれる(例えば、配列番号7273-7321、7224-7272および7175-7223)。
【0221】
別の実施形態では、本開示のDLL3標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFvは、リストされたDLL3標的化scFvである(表3参照:例えば、配列番号4209および4291)。
【0222】
別の実施形態では、本開示のFOLR1標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号5999-6047および6048-6096)は、表3にリストされたFOLR1標的化scFv(例えば、配列番号4323-4324)である。実施形態において、FOLR1-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:5999-6047および6048-6096)で表される。
【0223】
別の実施形態では、本開示のGPC3標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号6097-6145および6146-6194)は、表3にリストされたGPC3標的化scFv(例えば、配列番号4307-4308)である。実施形態において、GPC3-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:6097-6145および6146-6194)で表される。
【0224】
別の実施形態では、本開示のWISP1標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号7812-7860および7861-7909)は、表3にリストされたWISP1標的化scFv(例えば、配列番号4335-4336)である。実施形態において、WISP1-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:7812-7860および7861-7909で表される。
【0225】
別の実施形態では、本開示のEMR2標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号5803-5851、5852-5900および5901-5949)は、表3にリストされたEMR2標的化scFv(例えば、配列番号4313、4314および4315)である。実施形態において、EMR2-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等) は 配列番号:4803-5851, 585-5900, 5901-5949で表される。
【0226】
別の実施形態では、本開示のUPK1B標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号7616-7664、7665-7713)は、表3にリストされたUPK1B標的化scFv(例えば、配列番号4328-4329)である。実施形態において、UPK1B-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:7616-7664、7665-7713で表される。
【0227】
別の実施形態では、本開示のBMPR1B標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号4536-4584、4585-4633)は、表3にリストされたBMPR1B標的化scFv(例えば、配列番号4330-4331)である。実施形態において、BMPR1B-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:4536-4584、4585-4633で表される。
【0228】
別の実施形態では、本発明のBMPR1B標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、BMPR1Bを標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号4536-4584、4585-4633)。
【0229】
別の実施形態では、本開示のCDH19標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号5264-5312、5313-5361)は、表3にリストされたCDH19標的化scFv(例えば、配列番号4302-4303)である。実施形態において、CDH19-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:5264-5312、5313-5361で表される。
【0230】
別の実施形態では、本発明のCDH19標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CDH19を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号5264-5312、5313-5361)。
【0231】
別の実施形態では、本開示のVISTA標的化CAR(例えば、配列番号7763-7811、7714-7762)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFvは、表3にリストされたVISTA標的化scFv(例えば、配列番号4305および4306)である。実施形態において、VISTA-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:7763-7811,7714-7762で表される。
【0232】
別の実施形態では、本発明のVISTA標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、VISTAを標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号7763-7811、7714-7762)。
【0233】
別の実施形態では、本発明のIL13Ra2標的CARs(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照scFvは、IL13Ra2を標的とし、かつ表3に列記される配列番号を有するscFvである (例えば、配列番号14448)。
【0234】
別の実施形態では、本発明のIL13Ra2標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、IL13Ra2を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号15857-15909)。
【0235】
別の実施形態では、本開示のFLT3標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号10606-10654、10557-10605)は、表3にリストされたFLT3標的化scFv(例えば、配列番号9710および9711)である。実施形態において、FLT3-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:10557-10605、10606-10654で表される。
【0236】
別の実施形態では、本発明のFLT3標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、FLT3を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号10557-10605、10606-10654)。
【0237】
別の実施形態では、本開示のCLDN6標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号5411-5459、5460-5508)は、表3にリストされたCLDN6標的化scFv(例えば、配列番号4325および4326)である。実施形態において、CLDN6-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:5411-5459、5460-5508で表される。
【0238】
別の実施形態では、本発明のCLDN6標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CLDN6を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号5411-5459、5460-5508)。
【0239】
別の実施形態では、本開示のROBO4標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号7420-7468)は、表3にリストされたROBO4標的化scFv(例えば、配列番号4320)である。実施形態において、ROBO4-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:7420-7468で表される。
【0240】
別の実施形態では、本発明のROBO4標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、ROBO4を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号7420-7468)。
【0241】
別の実施形態では、本開示のIL1RAP標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号110802-10850、10851-10899、10900-10948)は、表3にリストされたIL1RAP標的化scFv(例えば、配列番号9712、9713および9714)である。実施形態において、IL1RAP-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:10802-10850、10851-10899、10900-10948で表される。
【0242】
別の実施形態では、本発明のIL1RAP標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、IL1RAPを標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである (例えば、配列番号10802-10850、10851-10899、10900-10948)。
【0243】
別の実施形態では、本開示のCD22標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号15068-5115, 10361-10409)は、表3にリストされたCD22標的化scFv(例えば、配列番号4271、9693、12502)である。実施形態において、CD22-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等) は 配列番号:5068-5115、10361-10409 で表される。
【0244】
別の実施形態では、本発明のCD22標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CD22を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号5068-5115、10361-10409)。
【0245】
別の実施形態では、本開示のCLL1標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号10459-10507、10410-10458)は、表3にリストされたCLL1標的化scFv(例えば、配列番号9708および9703)である。実施形態において、CLL1-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等は、配列番号:10410-10458、10459-10507で表される。
【0246】
別の実施形態では、本発明のCLL1標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CLL1を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号10410-10458、10459-10507)。
【0247】
別の実施形態では、本開示のBST1標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号10116-10164、10165-10212、10213-10262)は、表3にリストされたBST1標的化scFv(例えば、配列番号9718、9719、および9720)である。実施形態において、BST1-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:10116-10164、10165-10212、10213-10262で表される。
【0248】
別の実施形態では、本発明のBST1標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、BST1を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号10116-10164、10165-10212、10213-10262)。
【0249】
別の実施形態では、本開示のネクチン-4(NECTIN-4)標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号7028-7076、11096-11242)は、表3にリストされたNECTIN-4標的化scFv(例えば、配列番号4292、9696)である。実施形態において、NECTIN-4-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:7028-7076、11096-11242で表される。
【0250】
別の実施形態では、本発明のNECTIN-4標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、NECTIN-4を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号7028-7076、11096-11242)。
【0251】
別の実施形態では、本開示のGPA33標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号10655-10703)は、表3にリストされたGPA33標的化scFv(例えば、配列番号9698)である。実施形態において、GPA33-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:10655-10703で表される。
【0252】
別の実施形態では、本発明のGPA33標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、GPA33を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号10655-10703)。
【0253】
別の実施形態では、本開示のROR1標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号11145-11193)は、表3にリストされたROR1標的化scFv(例えば、配列番号9699)である。実施形態において、ROR1-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等) は配列番号:11145-11193で表される。
【0254】
別の実施形態では、本発明のROR1標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、ROR1を標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号11145-11193)。
【0255】
別の実施形態では、本開示のCRIPTO標的化CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究のための参照scFv(例えば、配列番号10508-10556)は、表3にリストされたCRIPTO標的化scFv(例えば、配列番号9697)である。実施形態において、CRIPTO-CARで認識される標的エピトープを決定するためのクロス競合研究のための本開示の参照scFv(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等)は配列番号:10508-10556で表される。
【0256】
別の実施形態では、本発明のCRIPTO標的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によって認識される標的エピトープを決定するための交差競合研究用の参照CARは、CRIPTOを標的とし、かつ表7に列記される配列番号を有するCARである(例えば、配列番号10508-10556)。
【0257】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCARの2つ以上の機能ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、1つまたは複数のリンカーによって分離されている。リンカーは、本開示の天然に存在しない免疫受容体、例えば、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)のドメイン/領域のうちのいずれかを一緒に連結する、約1~100アミノ酸長のオリゴペプチドまたはポリペプチド領域である。いくつかの実施形態では、リンカーは、例えば、5~12アミノ酸長、5~15アミノ酸長、または5~20アミノ酸長であり得る。リンカーは、隣接するタンパク質ドメインが互いに対して自由に動くことができるように、グリシンおよびセリン等の可動性残基で構成され得る。より長いリンカー、例えば、100アミノ酸長を超えるものが本開示の代替実施形態に関連して使用され得、例えば、2つの隣接するドメインが互いに立体的に妨害しないことを確実にするように選択され得る。 いくつかの例示的なリンカーの配列番号を表5に列挙する(例えば、配列番号4007から4012を参照のこと)。
【0258】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCAR バックボーンの一部を形成する)は、抗原特異的ドメインと膜貫通ドメインとの間にヒンジ領域またはリンカー領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、抗体、またはその機能的等価物、断片、もしくは誘導体のヒトCD8αまたはFc断片、ヒトCD8αまたは抗体、またはその機能的等価物、断片、もしくは誘導体のヒンジ領域、抗体のCH2領域、抗体のCH3領域、人工的スペーサー配列、およびそれらの組み合わせのうちのいずれか1つまたは複数を含む。例示的な実施形態では、ヒンジ領域は、(i)IgG4のヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域、(ii)IgG4のヒンジ領域、(iii)IgG4のヒンジ領域およびCH2領域、(iv)CD8αのヒンジ領域、(v)IgG1のヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域、(vi)IgG1のヒンジ領域、(vi)IgG1のヒンジ領域およびCH2領域、または(vii)それらの組み合わせのうちのいずれか1つまたは複数を含む。
【0259】
本明細書に記載されるように、本明細書に記載のCARは(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)(バックボーンの一部を形成する)、膜貫通ドメインを含む。膜貫通ドメインは、I型、II型、またはIII型膜貫通タンパク質のうちのいずれかを含む、膜貫通ドメインを有するいずれかのタンパク質由来の膜貫通配列を含み得る。膜貫通ドメインは、I型、II型、またはIII型膜貫通タンパク質のうちのいずれかを含む、膜貫通ドメインを有するいずれかのタンパク質由来の膜貫通配列を含み得る。本開示のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の膜貫通ドメインは、人工的疎水性配列も含み得る。本明細書に記載のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の膜貫通ドメインは、膜貫通ドメインが二量体化しないように選択され得る。いくつかの実施形態では、CARは (例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)、T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖、またはゼータ鎖、CD3ε、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD28、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、LFA-1(CDl la、CD18)、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRFl)、CD160、CD19、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7R a、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CDl ld、ITGAE、CD103、ITGAL、CDl la、LFA-1、ITGAM、CDl lb、ITGAX、CDl lc、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CDIOO(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、および/またはNKG2Cの膜貫通ドメインから選択される膜貫通ドメインを有する本明細書に記載のバックボーンのうちのいずれかを含む。
【0260】
膜貫通ドメインは、隣接する1つまたは複数の追加のアミノ酸から膜貫通領域、例えば、膜貫通が由来するタンパク質の細胞外領域に関連する1つまたは複数のアミノ酸(例えば、細胞外領域の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から15アミノ酸まで)および/または膜貫通タンパク質が由来するタンパク質の細胞内領域に関連する1つまたは複数の追加のアミノ酸(例えば、細胞内領域の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から15アミノ酸まで)を含み得る。態様では、膜貫通ドメインは、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の他のドメインのうちの1つと隣接している。 実施形態では、膜貫通ドメインは、シグナル伝達ドメイン、共刺激ドメイン、またはヒンジドメインが由来する同じタンパク質由来であり得る。別の態様では、膜貫通ドメインは、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の任意の他のドメインが由来する同じタンパク質に由来しない。
【0261】
本明細書に記載されるように、本明細書に記載されるCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)(バックボーンの一部を形成する)は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。このドメインは、細胞質であり得、エフェクター機能シグナルを伝達し、細胞にその特殊化された機能を果たすように指示し得る。細胞内シグナル伝達ドメインの例としては、T細胞受容体のζ鎖またはその相同体のうちのいずれか(例えば、η鎖、CD3ε、CD3γ、CD3δ、FcεR1γ、およびβ鎖、MB1(Igα)鎖、B29(Igβ)鎖等)、CD3ポリペプチド(Δ、δ、およびε)、sykファミリーチロシンキナーゼ(Syk、ZAP 70等)、srcファミリーチロシンキナーゼ(Lck、Fyn、Lyn等)、ならびにT細胞形質導入に関与する他の分子、例えば、CD2、CD5、およびCD28が挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ鎖、FcγRIII、FcεRI、Fc受容体の細胞質尾部、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を有する細胞質受容体、またはそれらの組み合わせであり得る。追加の細胞内シグナル伝達ドメインは当業者には明らかであり、本発明の代替実施形態に関連して使用され得る。いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ鎖、FcgRIII、FceRI、Fc受容体の細胞質尾部、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を有する細胞質受容体、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数のシグナル伝達ドメインを含む。
【0262】
本明細書に記載のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)(バックボーンの一部を形成する)は、共刺激ドメインを含む。例示的な実施形態では、共刺激ドメインは、CD28、CD137(4-1BB)、CD134(OX40)、Dap10、CD27、CD2、CD5、ICAM-1、LFA-1、Lck、TNFR-I、TNFR-II、Fas、CD30、CD40およびそれらの組み合わせのうちのいずれか1つまたは複数由来のシグナル伝達ドメインを含む。
【0263】
本明細書に記載の切断可能なリンカーには、2Aリンカー(例えば、T2A)、2A様リンカーまたはそれらの機能的同等物、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、リンカーには、ピコルナウイルス2A様リンカー、ブタテッショウウイルス(P2A)のCHYSEL配列、ゾセアアシグナウイルス(T2A)のCHYSEL配列、またはそれらの組み合わせ、バリアント、および機能的等価物が含まれる。他の実施形態では、リンカー配列は、Asp-Val / Ile-Glu-X-Asn-Pro-Gly(2A)-Pro(2B)モチーフを含み得、これは、2Aグリシンと2Bプロリンとの間の切断をもたらす。いくつかの例示的な切断可能なリンカーの核酸配列は、配列番号80から配列番号85で提供され、いくつかの例示的なリンカーのアミノ酸配列は、配列番号4079から配列番号4084で提供される。本明細書で使用され得る他の切断可能なリンカーは、当業者によって容易に理解される。ある実施形態では、Ser-Gly-Ser-Gly(SGSG)モチーフ((配列番号931-932および配列番号4844-4845)も、切断の効率を増強するために、切断可能なリンカー配列の上流に付加される。切断可能なリンカーの潜在的な欠点は、N末端タンパク質の終端に残存する小さい2Aタグがタンパク質機能に影響を及ぼし得るか、またはタンパク質の抗原性に寄与し得る可能性である。この制限を打開するために、いくつかの実施形態では、フーリン切断部位(RAKR)(配列番号88-90および4087-4089)がSGSGモチーフの上流に付加されて、翻訳後の残留2Aペプチドの切断を容易にする。実施形態では、切断可能なリンカーは、CARをコードするポリペプチドとアクセサリーモジュールをコードするポリペプチドとの間に配置される。切断可能なリンカーの部位での切断は、2つのポリペプチドの分離をもたらす。
【0264】
本明細書で使用される「アクセサリーモジュール」は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するT細胞の活性を増強、低減または改変するか、またはCAR例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)に関連する毒性を低減して、CARの治療応答が増強される薬剤を指す。アクセサリーモジュールはまた、標的細胞、例えば免疫エフェクター細胞におけるCARコードカセットへの遺伝子導入および/またはその発現を増強し得る。
【0265】
いくつかの実施形態では、CARをコードするポリヌクレオチドを含むベクター(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、(i)CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するT細胞の寿命を延ばし;(ii)T細胞の増殖を刺激し;および/または(iii)CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するT細胞をアポトーシスから保護し;(iv)CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)構築物のパッケージング、遺伝子導入および/または発現を増強するウイルスおよび細胞シグナル伝達タンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含み得る。例示的な実施形態では、そのようなタンパク質には、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス由来のvFLIP-K13(配列番号(DNA):108; 配列番号(PRT):4107)およびHIV-1 Vif(配列番号: 118および4117)。
【0266】
一実施形態では、CARをコードするベクター(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、vFLIP-K13をさらにコードする。 一実施形態では、vFLIP-K13ヌクレオチド配列は、コドン最適化されている。 コドン最適化されたvFLIP K13を共発現する例示的なCAR(すなわち、SIR)は、配列番号14057によって表される。一実施形態では、CARをコードするベクターは、HIV-1 Vifをさらにコードする。代替の実施形態では、CARをコードするベクターは、vFLIP K13およびHIV-1 Vifの両方をさらにコードする。
【0267】
いくつかの実施形態では、アクセサリー分子は、本明細書に記載のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によってコードされるベクターとは異なるベクターによってコードされる。 いくつかの実施形態において、CARをコードするベクター(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を含むエフェクター細胞はまた、アクセサリー分子をコードするベクターを含む。いくつかの実施形態では、アクセサリー分子は、対応する内因性タンパク質をコードするゲノム遺伝子座を改変することによってコードされる。
【0268】
いくつかの実施形態において、CARをコードするポリヌクレオチド(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を含むベクターは、サイトカインに特異的なSIRNAまたはscFvをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。例示的な実施形態において、サイトカインは、IL-10、IL-6、IFNまたはそれらの組み合わせのうちの任意の1つまたは複数である。いくつかの実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、IL6受容体αおよびヒト血清アルブミンに結合する分泌された二重特異性抗体断片と共発現される。いくつかの実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、IL6に結合する分泌されたscFv断片と共発現される。いくつかの実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、CAR療法に関連する毛細血管漏出を軽減するために、ペプチドFX06と共発現される。
【0269】
さらなる実施形態では、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードするポリヌクレオチドを含むベクターは、内因性TCR-α、TCR-β、TCR-γ、TCR-デルタ、CD3ガンマ、CD3ゼータ、CD3イプシロン、CD3-デルタを標的とするSIRNAまたはヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。さらなる実施形態において、内因性TCR-α、TCR-β、TCR-γ、TCR-デルタ、CD3ガンマ、CD3ゼータ、CD3イプシロン、CD3-デルタを標的とするSIRNAまたはヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドは、CARをコードするベクター以外のベクターによってコードされる(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど )。
【0270】
さらなる実施形態において、CARをコードするポリヌクレオチド(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を含むベクターは、選択可能なマーカーをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。例示的な実施形態では、選択可能なマーカーは、ピューロマイシンまたはカルシニューリン阻害剤(例えば、CNB30)に対する耐性を付与する遺伝子などの薬剤耐性遺伝子をコードすることができる。いくつかの実施形態において、選択可能なマーカーは、ヒトCD30、CD20、CD19(配列番号96および4095)、BCMA(配列番号97および4096)、EGFR(配列番号95および4094)、CD34、または細胞表面に発現し、その標的抗原を発現する細胞を排除するために使用できる抗体によって認識できる任意のタンパク質またはタンパク質断片の細胞外および膜貫通ドメインをコードし得る。例示的な実施形態では、抗EGFRモノクローナルであるセツキシマブを使用して、短縮型EGFRを共発現する本開示のCAR発現細胞を排除する。選択可能なマーカーを使用して、CARを発現する細胞(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を濃縮し、高レベルのCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する細胞を選択すること、および/またはCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する細胞のクローン多様性を低減することができる。さらなる実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードするポリヌクレオチドは、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の細胞外ドメイン上に発現されるエピトープタグ(例えば、Mycタグ)をコードし得る。前記コードするポリヌクレオチドを用いて、CARを発現する細胞(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど))を濃縮することができる。または高レベルのCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する細胞を選択すること、および/またはCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する細胞のクローン多様性を低減することができる。CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する同種異系T細胞のクローン多様性を低下させると、移植片対宿主病(GVHD)の発生率が低下するCAR-T細胞治療のための同種異系T細胞の使用を可能にする。
【0271】
アクセサリーモジュールは、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の活動のために任意であることに留意されたい。表6および表7のいくつかの例示的なCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)構築物(すなわち、バックボーン)のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、PAC、K13、および/またはhNEMO-K277A-フラグなどのアクセサリーモジュールを含む。開示の代替実施形態において、これらのCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFP等) の構成体は、アクセサリーモジュールおよび介在する切開性リンカー(例えば、P2AまたはF2AまたはT2A)なしで使用することができる。
【0272】
特定の実施形態では、本開示は、2つのCD3z鎖を含む、zSIRと呼ばれる合成免疫受容体の新規プラットフォームを提供する。zSIRの構築に使用できるCD3z鎖の核酸配列は、配列番号67および71に提供されている。対応するアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号4066および4070に提供されている。本開示は、抗体のvL断片が2つのCD3z鎖のうちの1つに結合され得、そしてvH断片が他のCD3z鎖に結合され得ることを提供する。このような2つの鎖(vL-CD3zとvH-CD3zなど)が同じ細胞で共発現している場合、vLとvHの断片はそれらの同族の抗原に結合してT細胞シグナルを伝達することができます。特に、同族の標的抗原を発現する細胞株に曝露されたときにそのようなzSIRを発現するT細胞は、NFATシグナル伝達を活性化し、IL2産生を誘導し、T細胞増殖を促進し、T細胞活性化を促進し、細胞毒性を発揮することができる。zSIRの発現と活性は、vL/vHとCD3z断片の間にリンカーを組み込むことでさらに高めることができる。特に、抗体に由来するIgCL(配列番号(DNA):28および配列番号(PRT):4027)およびIgCHドメイン(配列番号(DNA):29および配列番号(PRT):4028)は、vL/vH断片とCD3z断片間の有用なリンカーとされている。
【0273】
別の実施形態では、共刺激ドメインもまた、zSIRのCD3z鎖に組み込まれる。 例示的な共刺激ドメインには、41BBおよびCD28の共刺激ドメインが含まれる。 41BBおよびCD28共刺激ドメインを含むCD3z鎖は、それぞれ配列番号4076、4078および4075、4077に示されている(表5)。まとめると、上記の結果は、SIRの設計上の制限のいくつかを克服し、SIRへの補完的なアプローチを提供する養子細胞療法のための新しいプラットフォームを提供する。
【0274】
本明細書に記載のzSIRの2つの鎖は、単一のポリヌクレオチド鎖によってコードされ、単一のポリペプチド鎖に翻訳され得、これは、その後、異なるタンパク質に切断される。本明細書に記載のzSIRの2つの鎖は、2つの異なるプロモーターを使用して発現され、2つの別個のポリヌクレオチド鎖によってコードされ得る。本明細書に記載のzSIRの2つの鎖は、単一のベクトルによってコード化され得る。本明細書に記載のzSIRの2つの鎖は、2つの異なるベクトルによってコード化され得る。zSIRをコードする核酸分子は、1つまたは複数のリーダー配列(シグナルペプチドとしても知られている)を含むことができる。一実施形態では、zSIRの各機能ユニット(例えば、CD3z鎖に結合した抗原結合ドメインとFurine-SGSGで切断可能なリンカー)の前に、zSIRをI型膜貫通タンパク質として細胞表面に向けるリーダー配列を付けることができる。一実施形態では、zSIRの抗原結合ドメインは細胞外に面している。いくつかの実施形態において、リーダー配列は、配列番号1から4のいずれかの核酸配列および配列番号4000から配列番号4003のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、制限酵素部位を含む短い核酸配列(3~9個の核酸)は、zSIRの異なるサブユニットの間、例えば、シグナル配列とzSIRの抗原結合ドメインとの間、または抗原結合とCD3z鎖との間に位置する。
【0275】
本明細書に提供されるのは、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)1~15(表1)または本明細書に記載のバックボーン1~60(表2)のいずれか1つまたは複数をコードする1つまたは複数の核酸分子によってコードされる1つまたは複数のポリペプチドである。
【0276】
いくつかの実施形態では、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、がん細胞などの標的細胞上の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の抗原に特異的である。本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の各構成要素は隣接しており、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の他の構成要素と同じリーディングフレーム内にある。いくつかの実施形態では、バックボーンを含むCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)が複数の抗原特異的ドメインを含む場合、抗原特異的ドメインのそれぞれは隣接しており、同じCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)内の他の抗原特異的ドメインと同じリーディングフレーム内にある。
【0277】
本明細書には、本明細書に記載のCARIおよびK13-vFLIPを含むバックボーン-1をコードする1つまたは複数の核酸分子によってコードされる1つまたは複数のポリペプチドも提供される。いくつかの実施形態では、バックボーン-1を含むCARの抗原特異的ドメインは、がん細胞などの標的細胞上の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の抗原に特異的である。本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、CARの各構成要素は隣接しており、バックボーン-1を含むCARの他の構成要素と同じリーディングフレーム内にある。 いくつかの実施形態では、バックボーン-1を含むCARは、2つ以上の抗原特異的ドメインを含み、抗原特異的ドメインのそれぞれは隣接しており、同じCAR内の他の抗原特異的ドメインと同じリーディングフレーム内にある。
【0278】
本明細書には、本明細書に記載のCAR II(CAR2)およびHIV-1 Vifを含むバックボーン-8をコードする1つまたは複数の核酸分子によってコードされる1つまたは複数のポリペプチドも提供される。 いくつかの実施形態において、バックボーン-8を含むCARの抗原特異的ドメインは、がん細胞などの標的細胞上の1つ、2つ、3つ以上の抗原に特異的である。本明細書で説明されるように、CARの各構成要素は、隣接しており、CARの他の構成要素と同じリーディングフレーム内にある。いくつかの実施形態では、バックボーン-8を含むCARにおいて、2つ以上の抗原特異的ドメインを含み、抗原特異的ドメインのそれぞれは隣接しており、同じCAR内の他の抗原特異的ドメインと同じリーディングフレーム内にある。
【0279】
様々な実施形態において、CAR1から15の一部であるCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチド(参照、 表1)またはバックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60などの本明細書に記載のバックボーンの一部は、2つ、3つ、またはそれ以上の抗原特異的ドメインを含む。
【0280】
様々な実施形態において、CAR1から15の一部であるCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチド(参照、 表1)またはバックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60などの本明細書に記載のバックボーンの一部は、2つ、3つ、またはそれ以上の共刺激ドメインを含む。
【0281】
様々な実施形態において、 CAR1から15(表1を参照)の一部であるCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチド、またはバックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60などの本明細書に記載のバックボーンの一部は、ゼロ、1、2、3、またはそれ以上の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0282】
様々な実施形態において、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60などの本明細書に記載のバックボーンの一部である、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドは、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のウイルスおよび/または細胞シグナル伝達タンパク質を含む。
【0283】
本明細書に記載のCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の所望の成分をコードする核酸配列は、例えば、核酸分子を発現する細胞からのライブラリーのスクリーニングによって、同じものを含むことが知られているベクターから核酸分子を誘導することによって、または標準的な技術を使用して、それを含む細胞および組織から直接単離することによってなど、当技術分野で知られている組換え方法を使用して得ることができる。あるいは、目的の核酸は、クローン化されるのではなく、合成的に生成され得る。
【0284】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR 1~15の一部(表1を参照)またはここで説明されているバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)によってコードされるポリペプチド、例えばバックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60であり、CARの抗原特異的ドメイン(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は表3に記載されるように標的に特異的である。
【0285】
一実施形態では、標的抗原に対するCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、その配列番号が表3および4に示されているこの抗原を標的とするvLおよびvH断片の抗原結合部分、例えば、CDRである。
【0286】
一実施形態では、標的抗原に対するCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、この抗原を標的とするvHH断片の抗原結合部分、例えば、CDRである。
【0287】
一実施形態では、標的抗原に対するCARの抗原特異的ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、この抗原を標的とする非免疫グロブリン足場の抗原結合部分である。
【0288】
一実施形態では、標的抗原に対するCARの抗原特異的ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、この標的抗原に結合することが知られている受容体の抗原結合部分である。
【0289】
一実施形態では、標的抗原に対するCARの抗原結合特異的ドメイン(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、この標的抗原に結合することが知られているリガンドの抗原結合部分である。
【0290】
一実施形態では、標的抗原に対するCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、この抗原を標的とするscFvのvLおよびvH断片の抗原結合部分、例えば、CDRであり、その配列番号は表3に示されている。CDRの配列番号は表4に示されている。
【0291】
いくつかの実施形態では、 本明細書で提供されるのは、CAR 1~15の一部(表1などを参照してください)であるか、またはCARの抗原特異的ドメインが表3に示すターゲットに特異的である、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60などの本明細書に記載のバックボーンの一部である、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドである。
【0292】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD19に特異的である。
【0293】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD20に特異的である。
【0294】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD22に特異的である。
【0295】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、BCMAに特異的である。
【0296】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、インテグリンB7に特異的である。
【0297】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Her2に特異的である。
【0298】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、TSHRに特異的である。
【0299】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、PSMAに特異的である。
【0300】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、MSLNに特異的である。
【0301】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、EGFRviiiに特異的である。
【0302】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、DLL3に特異的である。
【0303】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Nectin-4に特異的である。
【0304】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、プロラクチン受容体(PRLR)に特異的である。
【0305】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Muc17に特異的である。
【0306】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD70に特異的である。
【0307】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CDH19に特異的である。
【0308】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD16ORF54に特異的である。
【0309】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、VISTAに特異的である。
【0310】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、GPC3に特異的である。
【0311】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Muc5Acに特異的である。
【0312】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、FCRH5に特異的である。
【0313】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、LYPDIに特異的である。
【0314】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、EMR2に特異的である。
【0315】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、gpNMBに特異的である。
【0316】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、RNF43に特異的である。
【0317】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD44v6に特異的である。
【0318】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Robo4に特異的である。
【0319】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CEAに特異的である。
【0320】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Her3に特異的である。
【0321】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、FOLR1に特異的である。
【0322】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CLDN6に特異的である。
【0323】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、MMP16に特異的である。
【0324】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、UPK1Bに特異的である。
【0325】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、BMPR1Bに特異的である。
【0326】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Ly6Eに特異的である。
【0327】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD79bに特異的である。
【0328】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、WISP1に特異的である。
【0329】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、SLC34A2に特異的である。
【0330】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Liv1に特異的である。
【0331】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、Criptoに特異的である。
【0332】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、gpA33に特異的である。
【0333】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、ROR1に特異的である。
【0334】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CLL1に特異的である。
【0335】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、FLT3に特異的である。
【0336】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、IL1RAP1に特異的である。
【0337】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、BST1に特異的である。
【0338】
いくつかの実施形態では、のCAR 1~15(例えば、表1を参照)の一部または本明細書に記載のバックボーン1、バックボーン2、バックボーン32またはバックボーン60などのバックボーンの一部であるCARをコードする核酸分子によりコードされるポリペプチドが本明細書で提供され、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインは、CD133に特異的である。
【0339】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCD200Rに特異的である。
【0340】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCD276に特異的である。
【0341】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCD324に特異的である。
【0342】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCS1に特異的である。
【0343】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインは ALK1に特異的である。
【0344】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはROR1に特異的である。
【0345】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCDH6に特異的である。
【0346】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCDH16に特異的である。
【0347】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCDH17に特異的である。
【0348】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインは 葉酸受容体ベータに特異的である。
【0349】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCLEC5Aに特異的である。
【0350】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはNY-ESO/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0351】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはWT1/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0352】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはAFP/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0353】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはHPV16-E7/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0354】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはgp100/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0355】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはhTERT/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0356】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはMART1/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0357】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはHTLV1-Tax/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0358】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはPR1/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0359】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはHIV1-gag/MHCクラスI複合体に特異的である。
【0360】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはHIV1-エンベロープgp120に特異的である。
【0361】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはPTK7に特異的である。
【0362】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTROP2に特異的である。
【0363】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはBAFF-Rに特異的である。
【0364】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはLAMP1に特異的である。
【0365】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTim1に特異的である。
【0366】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTCRガンマデルタに特異的である。
【0367】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTCRベータ1コンスタントチェーンに特異的である。
【0368】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTCRベータ2定常鎖に特異的である。
【0369】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはGCCに特異的である。
【0370】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはB7H4に特異的である。
【0371】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはLHRに特異的である。
【0372】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTn-Muc1に特異的である。
【0373】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはTSLPRに特異的である。
【0374】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインは 組織因子に特異的である。
【0375】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはSSEA-4に特異的である。
【0376】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはSLeaに特異的である。
【0377】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはMuc1 / MHCクラスI複合体に特異的である。
【0378】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはMuc16に特異的である。
【0379】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはNYBR-1に特異的である。
【0380】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはIL13Ra2に特異的である。
【0381】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはIL11Raに特異的である。
【0382】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはL1CAMに特異的である。
【0383】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはEpCAM1に特異的である。
【0384】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはgpNMBに特異的である。
【0385】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはGRP78に特異的である。
【0386】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはGPC3に特異的である。
【0387】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはGRPC5Dに特異的である。
【0388】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはGFRa4に特異的である。
【0389】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはFITCに特異的である。
【0390】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCD79bに特異的である。
【0391】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはLym1に特異的である。
【0392】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはLym2に特異的である。
【0393】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCLD18A2に特異的である。
【0394】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインは白血病細胞で発現するCD43エピトープに特異的である。
【0395】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子によってコードされるポリペプチドであり(例えば、表1を参照)、抗原特異的ドメインはCD179aに特異的である。
【0396】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される、CARs 1-6をコードする核酸分子によってコードされるポリペプチド(例えば、表1を参照)またはバックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン60のような本明細書に記載されているバックボーンの一部であり、抗原特異的ドメインが表3に記載されている。
【0397】
いくつかの実施形態において、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸分子および/または本明細書に記載のアクセサリー分子は、メッセンジャーRNA( mRNA)転写物。 別の実施形態では、本明細書に記載のCARおよび/またはアクセサリー分子をコードする核酸分子は、DNA構築物として提供される。
【0398】
本明細書に記載のポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。いくつかの実施形態では、ベクターはウイルスベクターである。ウイルスベクターの例には、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルスベクターまたは睡眠美トランスポゾンベクターが含まれるが、これらに限定されない。 様々な実施形態において、本開示は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するレトロウイルスおよびレンチウイルスベクター構築物、ならびに細胞に直接形質導入することができるアクセサリー分子を含む。
本発明はまた、細胞中に直接遺伝子導入できるRNA構築物も含む。遺伝子導入に使用するためのmRNAを生成する方法は、特別に設計したプライマーと共にテンプレートのin vitro転写(IVT)と、それに続くポリA付加により、3’および5’非翻訳配列(「UTR」)(例えば、本明細書に記載の3’および/または5’UTR)、5’キャップ(例えば、本明細書に記載の5’キャップ)および/または配列内リボソーム進入部位(IRES)(例えば、本明細書に記載のIRES)、発現される核酸、およびポリAテール、通常50~2000塩基長を含む構築物の生成を含む。このように、RNAは異なる種類の細胞に効率的に遺伝子導入できる。一実施形態では、テンプレートはCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)のための配列を含む。ある実施形態では、RNA CARベクターは、電気穿孔により、細胞、例えば、T細胞またはNK細胞に形質導入される。 別の実施形態において、RNA CARベクターまたは次世代CARベクターは、WO2013 / 059343A1(PCT / US2012 / 060646)に記載されたマイクロ流体デバイスを使用して細胞膜に一過性の摂動を引き起こすことによって、T細胞またはNK細胞に導入される。 目的の分子をコードするポリヌクレオチド配列は、当該技術分野において既知の組換え法を用いて、例えば、遺伝子を発現している細胞由来のライブラリーを選別することにより、遺伝子をそれが含まれていることが既知であるベクターから取り出すことにより、または標準的技術を用いて、それを含む細胞および組織から直接に単離することにより、得ることができる。あるいは、目的の遺伝子は、クローン化ではなく、合成的に作製できる。
【0399】
本発明はまた、本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードするDNAが挿入されているベクターを提供する。レンチウイルスなどのレトロウイルス由来のベクターは、長期遺伝子導入を達成するのに好適なツールである。理由は、それらが、長期の、安定な導入遺伝子の組み込みおよび娘細胞へのその伝播を可能とするためである。レンチウイルスベクターは、肝細胞などの非増殖細胞を形質導入できるという点で、マウス白血病ウイルスなどのオンコレトロウイルス由来のベクターに比べて、さらなる利点を有する。それらはまた、低免疫原性というさらなる利点も有する。代表的レンチウイルスベクターは、配列番号129-130および12639に与えられている。レトロウイルスベクターは、例えば、ガンマレトロウイルスベクターであってもよい。ガンマレトロウイルスベクターは、例えば、プロモーター、パッケージングシグナル(Ψ)、プライマー結合部位(PBS)、1つまたは複数(例えば、2つ)の長末端反復配列(LTR)、および目的の導入遺伝子、例えば、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする遺伝子を含み得る。レトロウイルスベクターは、gag、pol、およびenvなどのウイルス構造遺伝子を欠いていてもよい。代表的ガンマレトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MLV)、脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)、および骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、およびそれら由来のベクターが挙げられる。別の実施形態では、本発明の目的のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸を含むベクターは、アデノウイルスベクター(A5/35)である。
【0400】
CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする天然または合成核酸の発現は通常、CAR (例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)ポリペプチドまたはその一部をコードする核酸をプロモーターに操作可能なように連結し、構築物を発現ベクター中に組み込むことにより達成される。本開示のCARをコードする例示的なレンチウイルスベクターは、配列番号12640~41および14378、14380~85に提供されている。ベクターは、真核生物の複製および統合に好適なものとすることができる。典型的なクローニングベクターは、転写および翻訳ターミネーター、開始配列、および目的の核酸配列の発現の調節に有用なプロモーターを含む。ベクターは、単一のプロモーターまたは複数のプロモーターを含み得る。 いくつかの実施形態において、CARの2つ以上の機能的ユニット(例えば、SIRまたはzSIRまたはAb-TCRの2つの機能的ポリペプチドユニットをコードするヌクレオチド)は、別個のプロモーターの制御下にある。本発明の発現構築物はまた、標準的遺伝子導入プロトコルを用いて、核酸免疫化および遺伝子治療にも使用し得る。 遺伝子導入の方法は、当該技術分野で既知である。例えば、米国特許第号5,399,346号、同5,580,859号、同5,589,466号を参照されたい。これらの特許は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0401】
クローニングおよび発現方法は、当業者には明らかであろう。
【0402】
ポリヌクレオチドを宿主細胞中に導入する物理的方法、例えば、リン酸カルシウム法などは、当該技術分野において周知であり、当業者には明らかであろう。別の実施形態では、CAR (例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)ベクターは、国際公開第2013/059343A1(PCT/US2012/060646)およびDing X et al,Nat.Biomed.Eng.1,0039(2017)に記載のマイクロ流体装置を用いて、細胞膜に一時的な摂動を生じさせることにより、細胞、例えば、T細胞またはNK細胞に形質導入される。これらの文献のそれぞれの内容は、あたかも本明細書で記述されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0403】
種々の実施形態では、本明細書に記載のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)による改変のための、T細胞またはNK細胞を含む細胞は、治療を望む対象から得てよい。T細胞は、末梢血単核球、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位由来組織、腹水、胸水、脾臓組織、および腫瘍を含む多くの供給源から得ることができる。T細胞は、組織常在性ガンマ-デルタT細胞であり得、これは、CAR (例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の発現の前にin vitroで培養および増殖できる。
【0404】
態様では、本発明は、いくつかのキメラ抗原受容体(CAR)を提供し、該CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)は、疾患関連抗原、例えば、本明細書に記載の腫瘍抗原に特異的に結合するように遺伝子改変された抗原結合ドメイン(例えば、抗体または抗体断片、TCRまたはTCR断片)を含む。一態様では、本発明は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するように遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を提供し、遺伝子改変免疫エフェクター細胞は治療特性を示す。一態様では、本発明は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するように遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を提供し、遺伝子改変免疫エフェクター細胞は抗がん特性を示す。一態様では、細胞は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)で形質転換され、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)が細胞表面上に発現される。いくつかの実施形態では、細胞(例えば、T細胞、NK細胞)は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードするウイルスベクターで形質導入される。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターはレトロウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。いくつかのこのような実施形態では、細胞はCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を安定に発現し得る。別の実施形態では、細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)は、CARまたは第2世代CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸、例えば、mRNA、CDNA、DNAを遺伝子導入される。このような実施形態では、該細胞はCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を一時的に発現し得る。
【0405】
本発明は、免疫エフェクター細胞を疾患細胞または疾患関連細胞に向ける1種または複数のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を含むように遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞ままたはNK細胞)を提供する。これは、CAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-Tac、TFPなど)上のがん関連抗原に特異的な抗原結合ドメインにより実現される。本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCRーTri-Tac、TFPなど)により標的とされ得るがん関連抗原(腫瘍抗原)には次の2つの種類がある:(1)がん細胞の表面上に発現されたがん関連複合体;および(2)がん関連抗原であって、それ自体は細胞内にあるが、この抗原(ペプチド)の断片がMHC(主要組織適合遺伝子複合体)によりがん細胞の表面上に提示されているがん関連抗原である。
【0406】
本発明は、CARまたは次世代CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するように遺伝子改変された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を提供し、遺伝子改変免疫エフェクター細胞は、抗腫瘍特性などの抗疾患特性を示す。 好ましい抗原は、本明細書に記載のがん関連抗原(すなわち、腫瘍抗原)である。態様では、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原結合ドメインは、部分的にヒト化された抗体断片を含む。一態様では、CAR((例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原結合ドメインは、部分的にヒト化されたscFvを含む。したがって、本発明は、ヒト化抗原結合ドメインを含み、細胞、例えば、T細胞またはNK細胞に組み込まれたCAR((例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)、および養子療法のためのそれらの使用方法を提供する。
【0407】
本明細書に記載のポリヌクレオチドおよび/または CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を含む、遺伝子改変細胞がさらに本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、細胞はTリンパ球(T細胞)である。いくつかの実施形態では、細胞は、ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、制御性T細胞(Treg)またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞、造血幹細胞(HSC)、胚性幹細胞、または多能性幹細胞である。本発明のCARを含み、発現し得る遺伝子改変細胞には、治療的に適切な成果をもたらすことができる、T-リンパ球(T細胞)、ナイーブT細胞(TN)、メモリーT細胞(例えば、セントラルメモリーT細胞(TCM)、エフェクターメモリー細胞(TEM))、ナチュラルキラー細胞、造血幹細胞および/または多能性胚性/誘導性幹細胞が含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、遺伝子改変細胞は、自己細胞である。ある実施形態では、遺伝子改変細胞は、同種細胞である。例えば、本発明の個々のT細胞は、CD4+/CD8-、CD4-/CD8+、CD4-/CD8-、またはCD4+/CD8+であり得る。T細胞は、CD4+/CD8-およびCD4-/CD8+細胞の混合群、または単一クローン群であり得る。本発明のCD4+T細胞は、標的抗原を発現する細胞(例えば、CD20+および/またはCD19+腫瘍細胞)とin vitroで共培養された場合、IL-2、IFNγ、TNFα、および他のT細胞エフェクターサイトカインを産生し得る。本発明のCD8+T細胞は、標的細胞とin vitroで共培養された場合、抗原特異的標的細胞を溶解し得る。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD45RA+CD62L+ナイーブ細胞、CD45RO+CD62L+セントラルメモリー細胞、CD62L- エフェクターメモリー細胞、またはそれらの組み合わせ内のいずれか1種または複数であり得る(Berger et al.,Adoptive transfer of virus-specific and tumor-specific T cell immunity.Curr Opin Immunol 2009 21(2)224-232)。遺伝子改変細胞は、本明細書のCAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードするDNAを細胞に安定に遺伝子導入することによって産生され得る。
【0408】
遺伝子操作された細胞は、内因性TCR鎖、例えば、TCRα、TCRβ、TCRγ、TCRδまたはプレTCRα鎖の発現をノックアウトするように操作され得る。内因性TCRα、TCRβ、TCRγ、TCRδまたはpre-TCRα鎖のノックアウトは、CRISP/Cas9およびZnフィンガーヌクレアーゼの使用など、当技術分野で知られている多くの技術を使用して達成することができる。例示的な実施形態において、TCRαおよびTCRβ遺伝子座を標的とするgRNAは、Cas9mRNAと共にT細胞またはiPSCまたは幹細胞に導入されて、内因性TCRαおよびTCRβ鎖の発現をノックアウトすることができる。そのようなTCRα/βノックアウト細胞を使用して、本開示のCARを導入することができる。機能性内因性TCRを欠如するT細胞は、例えば、表面に機能性内因性TCRを一切発現しないように改変されてもよいし、機能性内因性TCRを有する1つまたは複数のサブユニット(例えば、TCRα、TCRβ1、TCRβ2、TCRγ、TCRδ、または前TCR)を発現しないように改変されてもよいし、表面に機能性内因性TCRを極めて僅かしか生産しないように改変されてもよい。あるいは、T細胞は、例えば、TCRの1つまたは複数のサブユニット変異型または切断型の発現により、実質的に阻害された内因性TCRを発現してもよい。「実質的に阻害されたTCR」と言う用語は、斯かるTCRは宿主で都合の悪い免疫反応を誘発しないことを意味している。実施形態では、同種異系T細胞または同種異系NKT細胞は、機能的TCRおよび/または機能的HLAの発現を欠くか、または発現が低い。
【0409】
種々の方法は、本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する安定な遺伝子導入体を生成する。一実施形態では、細胞に安定に遺伝子導入し、細胞をリダイレクトする方法は、ネイキッドDNAを使用するエレクトロポレーションによるものである。ネイキッドDNAを使用することによって、リダイレクトされた細胞を生成するために必要とされる時間は、著しく低減され得る。本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードするネイキッドDNAを使用して細胞を遺伝子改変するためのさらなる方法には、(例えば、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、および/または陽イオンポリマーを使用する)化学形質転換法、非化学形質転換法(例えば、エレクトロポレーション、光学形質転換、遺伝子エレクトロトランスファー、細胞膜中で一時的な摂動および/またはハイドロダイナミックデリバリー)、および/または粒子ベースの方法(例えば、遺伝子銃を使用するインペールフェクションおよび/またはマグネトフェクション)が含まれるが、これらに限定されない。遺伝子導入された細胞は、単一の組み込まれた非再配列ベクターおよびCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の発現の存在を示す遺伝子導入された細胞は、ex vivoで増殖され得る。一実施形態では、ex vivo増殖のために選択された細胞は、CD8+であり、抗原特異的標的細胞を特異的に認識し、その細胞を溶解する能力を示す。
【0410】
ウイルス形質導入法もまた、本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するリダイレクトされた細胞を生成するために使用され得る。本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する遺伝子改変細胞を生成するために使用され得る細胞型には、治療的に適切な成果をもたらすことができるTリンパ球(T細胞)、ナチュラルキラー細胞、造血幹細胞、および/または多能性胚性/誘導性幹細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0411】
適切な条件下での抗原によるT細胞の刺激は、細胞の増殖(proliferation)(増殖(expansion))および/またはIL-2の産生をもたらす。本発明のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を含む細胞は、1種または複数の抗原の、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的標的化領域への結合に応答して、数を増大する。本発明はまた、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する細胞を作製し、増殖させる方法を提供する。方法は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するベクターを細胞に遺伝子導入するか、または形質導入すること、およびその細胞を、受容体に対する標的抗原、組換え標的抗原、または受容体に対する抗体を発現する細胞で刺激して、T細胞を作製し、増やすようにその細胞を増殖させる。ある実施形態では、細胞は、治療的に適切な成果をもたらすことができる、Tリンパ球(T細胞)、ナチュラルキラー(NK)細胞、造血幹細胞(HSC)、または多能性胚性/誘導性幹細胞の内のいずれか1種または複数であり得る。
【0412】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変細胞は、本明細書に記載の種々のバックボーンを発現し、バックボーンのCAR成分は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の抗原特異的ドメインに基づいて標的特異性を決定する。
【0413】
一実施形態では、遺伝子操作された細胞は、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60などの本明細書に記載のバックボーンの一部であるCAR 1~15をコードする核酸分子(例えば、表1を参照)を含み、ここで、CARの抗原特異的ドメインは、表3および/または7の抗原標的に特異的であり、表3および/または7に記載の抗原結合ドメイン配列を含む。
【0414】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、MPLに特異的である。
【0415】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、MPLに特異的である。
【0416】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD19に特異的である。
【0417】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD19に特異的である。
【0418】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD20に特異的である。
【0419】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD20に特異的である。
【0420】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、BCMAに特異的である。
【0421】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、BCMAに特異的である。
【0422】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD22に特異的である。
【0423】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD22に特異的である。
【0424】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、BAFF-Rに特異的である。
【0425】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、BAFF-Rに特異的である。
【0426】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、インテグリン-7に特異的である。
【0427】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、ネクチン-4に特異的である。
【0428】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、プロラクチン受容体に特異的である。
【0429】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、Muc17に特異的である。
【0430】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD70に特異的である。
【0431】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD70に特異的である。
【0432】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、VISTAに特異的である。
【0433】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、GPC3に特異的である。
【0434】
I実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、GPC3に特異的である。
【0435】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、EMR2に特異的である。
【0436】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、EMR2に特異的である。
【0437】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、gpNMBに特異的である。
【0438】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、RNFA4に特異的である。
【0439】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、STEAP1に特異的である。
【0440】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、Robo4に特異的である。
【0441】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CLDN6に特異的である。
【0442】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD44v6に特異的である。
【0443】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、MMP16に特異的である。
【0444】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、UPK1Bに特異的である。
【0445】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、BMPR1Bに特異的である。
【0446】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、Ly6Eに特異的である。
【0447】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD79bに特異的である。
【0448】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD79bに特異的である。
【0449】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、WISP1に特異的である。
【0450】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、Criptoに特異的である。
【0451】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、gpA33に特異的である。
【0452】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、IL1RAPに特異的である。
【0453】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、BST1に特異的である。
【0454】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD133に特異的である。
【0455】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD123に特異的である。
【0456】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD123に特異的である。
【0457】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD138に特異的である。
【0458】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CD138に特異的である。
【0459】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CLL1に特異的である。
【0460】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、本明細書に記載のバックボーン、例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60の一部である、CAR1から15をコードする核酸分子を含み、ここで、抗原特異的ドメインは、CLL1に特異的である。
【0461】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、TCR-beta1定数チェーンに特異的である。
【0462】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、TCR-beta2定数チェーンに特異的である。
【0463】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、ALKに特異的である。
【0464】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、PTK7に特異的である。
【0465】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、DLL3に特異的である。
【0466】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、TROP2に特異的である。
【0467】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、Tim1に特異的である。
【0468】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、LAMP1に特異的である。
【0469】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CS1に特異的である。
【0470】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、Lym1に特異的である。
【0471】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、Lym2に特異的である。
【0472】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、TSHRに特異的である。
【0473】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、NY-ESO / MHCクラスI複合体に特異的である。
【0474】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、WT1 / MHCクラスI複合体に特異的である。
【0475】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、Ras / MHCクラスI複合 体に特異的である。
【0476】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CD179aに特異的である。
【0477】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、CLD18A2に特異的である。
【0478】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、白血病細胞に発現するCD43-エピトープに特異的である。
【0479】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、HIV1エンベロープ糖タンパク質gp120に特異的である。
【0480】
実施形態では、遺伝子操作された細胞は、CAR7~15の一部であるzSIRをコードする核酸分子を含み(例えば、表1を参照)、ここで、抗原特異的ドメインは、免疫グロブリンのFc領域に特異的である。
【0481】
一実施形態では、本明細書に記載のCAR発現エフェクター細胞は、同じまたは異なる標的に対する異なる抗原結合ドメインを含み得る第2のCARをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のCARは、第1のCARと同じまたは異なる細胞型を標的とし得る。いくつかの実施形態では、第2のCARは、第1のCARと同じクラス(すなわち、CAR1からCAR15)であり得る。いくつかの実施形態では、第2のCARは、第1のCARとは異なるクラスのものである。いくつかの実施形態では、第2のCARは、第1のCARと同じバックボーンを有する。いくつかの実施形態では、第2のCARは、第1のCARとは異なるバックボーンを有する。
【0482】
一実施形態では、本明細書に記載のCAR(例えば、CAR 7-15)発現エフェクター細胞は、同じまたは異なる抗原結合ドメイン、任意選択で同じまたは異なる標的を有する異なるクラスのCAR(例えば、CAR1またはCAR2など)をさらに含むことができる。
【0483】
いくつかの実施形態では、第2のCAR(例えば、CAR1、CAR2など)は、第1のCAR(例えば、CAR7~15)と同じまたは異なる細胞型を標的とし得る。一実施形態では、CARは、疾患関連抗原と同じ疾患細胞型(例えば、がん)で発現される標的への抗原結合ドメインを含む。一実施形態では、細胞を発現するCAR(例:CAR 7-15、例:zSIR)は、第1の抗原を標的とするCAR、および第2の異なる抗原を標的とし、一次シグナル伝達ドメインを有さないが共刺激シグナル伝達ドメインを有する細胞内シグナル伝達ドメインを含む第2の抗原特異的受容体(例えば、CAR)を含む。理論に縛られることを望まないが、共刺激シグナル伝達ドメイン、例えば4-1BB、CD28、CD27またはOX-40を抗原特異的受容体に配置すると、両方の標的が発現している細胞のCAR(例:CAR 7-15、例:zSIR)活性を調節することができる。一実施形態では、CAR(例:CAR 7-15、例:zSIR)発現細胞は、i)本明細書に記載の標的抗原に結合する1つまたは複数の抗原結合ドメインを含む第1の疾患関連抗原CAR;およびii)異なる標的抗原(例えば、最初の標的抗原と同じ疾患関連(例えば、がん)細胞型で発現される抗原)を標的とするCAR)を含み、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および一次シグナル伝達ドメイン、ならびに共刺激ドメインを含む。この構成を有する例示的な構築物の核酸およびアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号14380および配列番号16124に示されている。この構築物のSIRの抗原結合ドメインは、BCMAを標的とするBCMAAm06モノクローナル抗体に由来するvLおよびvH断片で構成され、CARの抗原結合ドメインはPD1の細胞外ドメインで構成される。 この構築物のCARの一次シグナル伝達ドメインはCD3zサイトゾルドメインで構成され、共刺激ドメインは4-1BBサイトゾルドメインで構成される。別の実施形態では、細胞を発現するCAR(例:CAR 7-15、例:zSIR)は、i)本明細書に記載の標的抗原に結合する1つまたは複数の抗原結合ドメインを含む第1の疾患関連抗原CAR、およびii)異なる標的抗原を標的とするCAR(例えば、最初の標的抗原と同じ疾患関連(例えばがん)細胞タイプで発現する抗原)を含み、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および共刺激ドメインを含むが、一次シグナル伝達または活性化ドメインを含まない。この構成を有する例示的な構築物の核酸およびアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号14379および配列番号16123に示されている。この構築物は、CARがCD3zドメインを欠いていることを除いて、配列番号14380に示される構築物に類似している。さらに別の実施形態では、細胞を発現するCAR(例えば、CAR 7~15、例えば、zSIR)は、i)本明細書に記載の標的抗原に結合する1つまたは複数の抗原結合ドメインを含む第1の疾患関連抗原CAR;およびii)異なる標的抗原(例えば、最初の標的抗原と同じ疾患関連(例えば、がん)細胞型で発現される抗原)を標的とするCAR)を含み、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および一次シグナル伝達ドメインを含むが、共刺激ドメインを含まない。
【0484】
1つの実施形態において、CARは、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内信号伝達ドメイン(例えば、限定されないが、41BB、CD27、OX40、CD28、Dap10、CD2、CD5、ICAM-1、LFA-1、Lck、TNFR-1、TNFR-II、Fas、CD30、CD40、またはそれらの組み合わせからの1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメイン)、および/または一次シグナル伝達ドメイン(例えば、限定されないが、CD3ζシグナル伝達ドメイン)を有する。CARを共発現する例示的なSIRは、配列番号3217から3219ならびに配列番号3221および3222に示されている。
【0485】
本明細書に記載のCARを含むT細胞およびNK細胞などの免疫エフェクター細胞は、例えば、米国特許第6,352,694号に記載されている方法を一般的に使用して活性化および拡大することができる(6,534,055; 6,905,680; 6,692,964; 5,858,358; 6,887,466; 6,905,681; 7,144,575; 7,067,318; 7,172,869; 7,232,566; 7,175,843; 5,883,223; 6,905,874; 6,797,514; 6,867,041; および米国特許出願公開第20060121005号)。
【0486】
疾患関連抗原またはがん関連抗原の発現に関連する疾患の治療方法が本明細書で提供される。
【0487】
一実施形態では、本明細書に記載の治療有効量の、抗原特異的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)単独を、または抗原特異的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)および補助分子を発現するように改変された遺伝子改変細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を対象に投与することにより、処置を必要としている対象の疾患を処置する方法が本明細書で提供され、該抗原は本明細書に記載の疾患特異的抗原であり、病原性細胞または疾患関連細胞は前記疾患特異的抗原を発現する。
【0488】
一実施形態では、本明細書に記載の治療有効量の、抗原特異的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Tri-Tac、Ab-TCR、TFPなど)単独を、または抗原特異的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)および補助分子を発現するように改変された遺伝子改変細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を対象に投与することにより、処置を必要としている対象のがんを処置する方法が本明細書で提供され、該抗原は本明細書に記載のがん特異的抗原であり、がん細胞は前記腫瘍抗原を発現する。
【0489】
実施形態では、がん特異的抗原は、正常細胞およびがん細胞の両方上に発現されるが、正常細胞上には、より低いレベルで発現される。一実施形態では、前記方法は、抗原特異的CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)ががん細胞に結合して、死滅されることを可能とする親和性で目的のがん特異的抗原に結合するCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗原特異的CARは、がん細胞を死滅させるが、がん抗原を発現している正常細胞の30%、25%、20%、15%、10%、5%、またはそれ未満を死滅させる。例示的な実施形態において、抗原特異的CARによって殺された細胞のパーセンテージは、本明細書に記載の細胞死アッセイ(例えば、マタドールアッセイ)を使用して決定され得る。
【0490】
いくつかの実施形態において、本開示は、従来のCARを発現するように操作された治療有効量の遺伝子改変細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを治療する方法を提供する。ここで、CARのASDは、がん細胞で発現される抗原に特異的であり(例えば、抗原は、がん細胞と比較して正常細胞でより低いレベルで発現される)、その配列番号は表3に記載されている。
【0491】
いくつかの実施形態では、本開示は、CARのASDががん細胞(例えば、抗原はがん細胞と比較して正常細胞でより低いレベルで発現される)上に発現され、その配列番号が表3に記載されている抗原に特異的である、従来のCAR IとアクセサリーモジュールK13-vFLIPを含むバックボーン-1を発現するように操作される治療有効量の遺伝子改変細胞を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを治療する方法(例:T細胞、NK細胞)を提供する。
【0492】
いくつかの実施形態では、本開示は、従来のCARIIとアクセサリーモジュールHIV1-Vifを含むバックボーン-12を含むように操作された治療有効量の遺伝子改変細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを治療する方法を提供し、ここで、CARのASDは、疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞(例えば、抗原はがん細胞と比較して正常細胞でより低いレベルで発現される)で発現される抗原に特異的である。
【0493】
いくつかの実施形態では、本開示は、従来のCAR IIおよびアクセサリーモジュールK13-vFLIPを含むバックボーン32を含むように操作された治療有効量の遺伝子改変細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を対象に投与することを含む、それを必要とする対象のがんを治療する方法を提供し、ここで、CARのASDは、がん細胞上で発現される抗原に特異的である(例えば、抗原はがん細胞と比較して正常細胞でより低いレベルで発現される)。
【0494】
例示的な実施形態では、本明細書に記載の治療方法の標的となり得る抗原には、以下のいずれか1つ、2つ、3つ、4つ以上が含まれるが、これらに限定されない: CD19; CD5、CD123; CD22; CD30; CD171; CS1(CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319、および19A24とも呼ばれる);C型レクチン様分子-1(CLL-1またはCLECL1); BAFF-R; CD33;上皮成長因子受容体変異体III(EGFRviii);ガングリオシドG2(GD2);ガングリオシドGD3(aNeu5Ac(2-8)aNeu5Ac(2-3)bDGalp(l-4)bDGlcp(l-l)Cer); TNF受容体ファミリーメンバーB細胞成熟(BCMA); Tn抗原((Tn Ag)または(GalNAcα-Ser/ Thr));前立腺特異的膜抗原(PSMA);受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1); Fms Like Tyrosine Kinase 3(FLT3);腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72); CD38; CD44v6;急性白血病またはリンパ腫で発現するが造血前駆細胞では発現しないグリコシル化CD43エピトープ、非造血がんで発現するグリコシル化CD43エピトープ、がん胎児性抗原(CEA)。上皮細胞接着分子(EPCAM); B7H3(CD276);キット(CD117);インターロイキン-13受容体サブユニットアルファ-2(IL-13Ra2またはCD213A2);メソテリン;インターロイキン11受容体アルファ(IL-llRa);前立腺幹細胞抗原(PSCA);プロテアーゼセリン21(テスティシンまたはPRSS21);血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2);ルイス(Y)抗原; CD24;血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFR-ベータ);病期特異的胚性抗原-4(SSEA-4); CD20;葉酸受容体アルファ(FRaまたはFR1);葉酸受容体ベータ(FRb);受容体型チロシンプロテインキナーゼERBB2(Her2 / neu);ムシン1、関連する細胞表面(MUC1);上皮成長因子受容体(EGFR);神経細胞接着分子(NCAM);プロスターゼ;前立腺酸性ホスファターゼ(PAP);伸長因子2変異(ELF2M);エフリンB2;線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP);インスリン様成長因子1受容体(IGF-I受容体)、炭酸脱水酵素IX(CAlX);プロテアソーム(プロソーム、マクロペイン)サブユニット、ベータタイプ、9(LMP2);糖タンパク質100(gpl00);ブレークポイントクラスター領域(BCR)とアベルソンマウス白血病ウイルス腫瘍遺伝子ホモログ1(Abl)(bcr-abl)からなるがん遺伝子融合タンパク質。チロシナーゼ;エフリンA型受容体2(EphA2);シアリルルイス接着分子(sLe);ガングリオシドGM3(aNeu5Ac(2-3)bDClalp(l-4)bDGlcp(l-1)Cer);トランスグルタミナーゼ5(TGS5);高分子量-黒色腫関連抗原(HMWMAA); o-アセチル-GD2ガングリオシド(OAcGD2);腫瘍内皮マーカー1(TEM1 / CD248);腫瘍内皮マーカー7関連(TEM7R);クローディン6(CLDN6);甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR); Gタンパク質共役型受容体クラスCグループ5、メンバーD(GPRC5D); X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61); CD97; CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1(PLAC1); globoHグリコセラミド(GloboH)の六糖部分。乳腺分化抗原(NY-BR-1);ウロプラキン2(UPK2); A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体ベータ3(ADRB3);パネキシン3(PANX3); Gタンパク質共役型受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K 9(LY6K); 嗅覚受容体51E2(OR51E2); TCRガンマ代替リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);がん/精巣抗原1(NY-ES0-1);がん/精巣抗原2(LAGE-1a);黒色腫関連抗原1(MAGE-A1);染色体12p(ETV6-AML)にあるETS転座変異遺伝子6。精子タンパク質17(SPA17); X抗原ファミリー、メンバー1A(XAGE1);アンジオポエチン結合細胞表面受容体2(Tie 2);黒色腫がん精巣抗原-1(MAD-CT-1);黒色腫がん精巣抗原-2(MAD-CT-2); Fos関連抗原1;腫瘍タンパク質p53(p53); p53変異体;プロスタイン;サバイビン;テロメラーゼ;前立腺がん腫瘍抗原-1(PCT A-1またはガレクチン8)、T細胞によって認識される黒色腫抗原1(MelanAまたはMARTI);ラット肉腫(Ras)変異体;ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);肉腫転座ブレークポイント;アポトーシスの黒色腫阻害剤(ML-IAP); ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子); N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17);ペアボックスタンパク質Pax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンBl; v-mycトリ骨髄球腫症ウイルス腫瘍遺伝子神経芽細胞腫由来ホモログ(MYCN); Ras HomologファミリーメンバーC(RhoC);チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2);シトクロムP450lB 1(CYPlB 1); CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)のような(BORISまたは印刷された部位の調節因子の兄弟)、T細胞によって認識される扁平上皮がん抗原3(SART3);ペアボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン結合タンパク質sp32(OY-TES1);リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);キナーゼアンカータンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、Xブレークポイント2(SSX2);高度な糖化最終産物の受容体(RAGE-1);腎臓ユビキタス1(RU1);腎臓ユビキタス2(RU2);レグマイン;ヒトパピローマウイルスE6(HPV E6);ヒトパピローマウイルスE7(HPV E7);腸のカルボキシルエステラーゼ;熱ショックタンパク質70-2変異(mut hsp70-2); CD79a; CD79b; CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1); IgA受容体のFc断片(FCARまたはCD89);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーAメンバー2(LILRA2); CD300分子のようなファミリーメンバーf(CD300LF); C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄間質細胞抗原2(BST2); EGFのようなモジュールを含むムチンのようなホルモン受容体のような2(EMR2);リンパ球抗原75(LY75);グリピカン-3(GPC3); Fc受容体様5(FCRL5);免疫グロブリンラムダ様ポリペプチド1(IGLL1)、MPL、ビオチン、c-MYCエピトープタグ、CD34、LAMP1 TROP2、GFRalpha4、CDH17、CDH6、NYBR1、CDH19、CD200R、Slea(CA19.9;シアリルルイス抗原);フコシル-GM1、PTK7、gpNMB、CDH1-CD324、DLL3、CD276 / B7H3、IL11Ra、IL13Ra2、CD179b-IGL11、TCRgamma-delta、NKG2D、CD32(FCGR2A)、Tn ag、Tim1- / HVCR1、CSF2RA(GM-CSFR -alpha)、TGFbetaR2 、、 Lews Ag、TCR-beta1チェーン、TCR-beta2チェーン、TCR-gammaチェーン、TCR-deltaチェーン、FITC、ロイテナイジングホルモン受容体(LHR)、濾胞刺激ホルモン受容体(FSHR)、ゴナドトロピンホルモン受容体(CGHRまたはGR)、CCR4、GD3、SLAMF6、SLAMF4、HIV1エンベロープ糖タンパク質、HTLV1-Tax、CMV pp65、EBV-EBNA3c、KSHV K8.1、KSHV-gH、インフルエンザA血球凝集素(HA)、GAD、PDL1、 グアニリルシクラーゼC(GCC)、デスモグレイン3(Dsg3)に対する自己抗体、デスモグレイン1(Dsg1)に対する自己抗体、HLA、HLA-A、HLA-A2、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DM 、HLA-DOA、HLA-DOB、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-G、IgE、CD99、Ras G12V、Tissue Factor 1(TF1)、AFP、GPRC5D、Claudin18.2(CLD18A2またはCLDN18A.2)、CLDN6、P-糖タンパク質、STEAP1、Liv1、ネクチン-4、クリプト、MPL、gpA33、BST1/CD157、低コンダクタンス塩化物チャネル、およびTNT抗体によって認識される抗原。
【0495】
いくつかの実施形態では、CARの抗原特異的ドメインは、その配列番号が表3に示されているscFv配列を含む。
【0496】
例示的な実施形態では、本明細書に記載の治療方法の標的となり得る抗原には、表3に記載の標的のいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上が含まれるが、これらに限定されない。
【0497】
本開示は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)分子、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)分子を発現する細胞、またはCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)分子をコードする核酸を有する細胞を被験者へ投与する工程を含む方法も提供する。1つの実施形態において、被験者は、本明細書記載の疾患を有する(例えば、被験者は、本明細書記載の標的抗原を発現するがん、感染症、アレルギー疾患、変性性疾患、または自己免疫疾患を患っている)。更に1つの実施形態では、被験者は本明細書記載の疾患を患う危険性が増大している(例えば、被験者は、本明細書記載の標的抗原を発現するがん、感染症、アレルギー疾患、変性性疾患、または自己免疫疾患を患う危険性が増大している)。1つの実施形態では、被験者はヒトである。1つの実施形態では、被験者は動物である。更に別の実施形態では、被験者はイヌなどのペット動物である。
【0498】
本開示は、本明細書記載の病気関連抗原の発現に関連した病気を治療または予防する方法を提供する。
【0499】
1つの実施形態において、本開示は、病気を治療または予防する方法であって、それを必要とする被験者へ、標的のX-CARを発現するように改変された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞)、または免疫エフェクター細胞を発生し得る幹細胞を提供することにより、病気を治療または予防する方法を提供し、この場合、Xは本明細書記載の病気関連抗原を示し、病気を引き起こす細胞または病気関連細胞は上記X抗原を発現する。表11は、斯かる抗原を標的とするCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現する免疫エフェクター細胞を用いて、予防、阻害、または治療し得る例示的病気の一覧を提供する。
【0500】
一実施形態では、本開示は、CARのASDが配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成される、表3に示される異なる抗原に特異的なCAR1から15(例えば、表1を参照)またはバックボーン(例えば、バックボーン1、バックボーン2、バックボーン32、またはバックボーン60)(表2などを参照してください)を発現するように操作されるそれを必要とする対象に免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を提供することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を提供する。
【0501】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCD19に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCD19を発現し、 CD19-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。実施形態において、治療するがんは、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞悪性腫瘍、非ホジキンスリンパ腫、びまん性大細胞性B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、または、多発性骨髄腫である。一実施形態において、治療される疾患は、免疫疾患(例えば、ウルプス、SLE、ITP等) またはアレルギー疾患である。
【0502】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCD20に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCD20を発現し、 CD20-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。実施形態において、治療するがんは、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞悪性腫瘍、非ホジキンスリンパ腫、びまん性大細胞性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。一実施形態では、治療される疾患は、免疫性(例えば、狼瘡、SLE、ITPなど)またはアレルギー性疾患である。
【0503】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCD22に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCD22を発現し、 CD22-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。 実施形態において、治療するがんは、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞悪性腫瘍、非ホジキンスリンパ腫、びまん性大細胞性リンパ腫、またはマントル細胞リンパ腫である。一実施形態では、治療される疾患は、免疫性(例えば、狼瘡、SLE、ITPなど)またはアレルギー性疾患である。
【0504】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはBCMAに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がBCMAを発現し、 BCMA-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患は、がんまたは免疫またはアレルギー性疾患である。 一実施形態では、治療または予防されるがんは、形質細胞悪性腫瘍または多発性骨髄腫または原発性滲出性リンパ腫またはびまん性大細胞型リンパ腫である。 一実施形態では、治療される疾患は、免疫性(例えば、狼瘡、SLE、ITPなど)またはアレルギー性疾患である。
【0505】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはMPLに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がMPLを発現し、MPL-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療されるがんは、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群である。
【0506】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはBAFF-Rに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がBAFF-Rを発現し、BAFF-R-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療されるがんは、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、および急性白血病である。
【0507】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはIL13Ra2に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がIL13Ra2を発現し、IL13Ra2-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療されるがんは脳腫瘍である。
【0508】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCD79bに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCD79bを発現し、CD79b-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。 一実施形態では、治療されるがんは、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、骨髄異形成症候群または多発性骨髄腫である。一実施形態では、治療される疾患は、免疫性(例えば、狼瘡、SLE、ITPなど)またはアレルギー性疾患である。
【0509】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはHer2に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がHer2を発現し、Her2-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療されるがんは、乳がんまたは胃がんである。
【0510】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはMSLNに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がMSLNを発現し、MSLN-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。 一実施形態では、治療されるがんは、中皮腫、肺がん、膵臓がん、胃腸がん、または卵巣がんである。
【0511】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはTSHRに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がTSHRを発現し、TSHR-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。 一実施形態では、治療されるがんは、甲状腺がんまたはT細胞白血病/リンパ腫である。
【0512】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはPRLRに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がPRLRを発現し、PRLR-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療されるがんは、乳がんまたは色素性腎細胞がんである。
【0513】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)または葉酸受容体1(FOLR1)に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がFOLR1を発現し、FOLR1-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療されるがんは、卵巣がん、肺がん、子宮内膜がん、または他の固形腫瘍である。
【0514】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはPTK7に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がPTK7を発現し、PTK7-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、黒色腫、肺がん、または卵巣がんである。
【0515】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはDLL3に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がDLL3を発現し、DLL3-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、黒色腫、肺がん、または卵巣がんである。
【0516】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはEGFRviiiに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がEGFRviiiを発現し、EGFRviii -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、脳がんまたは肺がんまたは他の固形腫瘍である。
【0517】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはPSMAに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がPSMAを発現し、PSMA -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防されるがんは前立腺がんである。
【0518】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはUPK1Bに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がUPK1Bを発現し、UPK1B -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。 一実施形態では、治療または予防されるがんは膀胱がんである。
【0519】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはWISP1に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がWISP1を発現する。一実施形態では、WISP1-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、神経膠芽細胞腫または乳がんである。
【0520】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはMMP16に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がMMP16を発現する。一実施形態では、MMP16-CARのASDは、その配列番号が表3にリストされているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、神経膠芽腫、黒色腫、小細胞肺がんまたは神経芽細胞腫である。
【0521】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはBMPR1Bに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がBMPR1Bを発現する。一実施形態では、BMPR1B-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、前立腺がん、乳がん、または卵巣がんである。
【0522】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはSLC34A2に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がSLC34A2を発現する。一実施形態では、SLC34A2-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、肺がん、卵巣がん、または子宮内膜がんである。
【0523】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはgpA33に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がgpA33を発現し、gpA33 -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、結腸直腸がん、卵巣がん、または子宮内膜がんである。
【0524】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはBST1に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がBST1を発現し、BST1 -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは血液がんである。
【0525】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCD133に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCD133を発現し、CD133 -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、肺がんまたは脳がんである。
【0526】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはEMR2に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がEMR2を発現し、EMR2-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、急性白血病、リンパ腫、乳がん、および結腸がんである
【0527】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはGPC3に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がGPC3を発現し、GPC3 -CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、肝臓がん、乳がん、および肺がんである。
【0528】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはgpNMBに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がgpNMBを発現し、gpNMB-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、黒色腫、脳がん、乳がん、肺がん、および他の固形腫瘍である。
【0529】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはIL1RAPに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がIL1RAPを発現し、IL1RAP-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患は、がんまたは子宮内膜症である。一実施形態では、治療または予防されるがんは、肝臓がん、子宮頸がん、結腸がん、卵巣がんおよび他の固形腫瘍である。
【0530】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはネクチン-4に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がネクチン-4を発現し、ネクチン-4-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患は、がんまたは子宮内膜症である。一実施形態では、治療または予防されるがんは、膀胱がん、腎がん、頭頸部がん、卵巣がん、乳がん、肺がん、および他の固形腫瘍である。
【0531】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCriptoに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCriptoを発現し、Cripto-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、結腸直腸がん、卵巣がん、子宮内膜がんおよび他の固形腫瘍である。
【0532】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはRNF43に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がRNF43を発現し、RNF43-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、結腸直腸がん、乳がん、子宮内膜がん、および他の固形腫瘍である。
【0533】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはROR1に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がROR1を発現し、ROR1-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、血液がん、CLLおよびリンパ腫である。
【0534】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはFLT3に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がFLT3を発現し、FLT3-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは血液がんである。
【0535】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCLL1に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCLL1を発現し、CLL1-CARのASDは、配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片で構成されている。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは血液がんである。
【0536】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはRobo4に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がRobo4を発現する。一実施形態では、Robo4-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、腎がん、結腸がん、乳がん、または他の固形腫瘍である。
【0537】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはCLDN6に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がCLDN6を発現する。一実施形態では、CLDN6-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、卵巣がん、肝臓がん、または他の固形腫瘍である。
【0538】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはMuc5Acに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がMuc5Acを発現する。一実施形態では、Muc5Ac-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、膵臓がん、胃がん、結腸がん、または他の固形腫瘍である。
【0539】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはMuc17に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がMuc17を発現する。一実施形態では、Muc17-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、膵臓がん、胃がん、結腸がん、または他の固形腫瘍である。
【0540】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはLy6Eに特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がLy6Eを発現する。一実施形態では、Ly6E-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、膵臓がんまたは他の固形腫瘍である。
【0541】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはインテグリンB7に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がインテグリンB7を発現する。一実施形態では、インテグリンB7-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、治療または予防されるがんは、形質細胞新生物または原発性滲出液リンパ腫である。
【0542】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはSTEAP1に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がSTEAP1を発現する。一実施形態では、STEAP1-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、胃がん、前立腺がん、またはリンパ腫を治療または予防するがん。
【0543】
別の実施形態では、CARタイプ1から15を発現するように遺伝子操作した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NKT細胞)を標的細胞に投与することによって、がん、自己免疫またはアレルギー性疾患を治療する方法を考案した(表1参照)またはLiv1に特異的なべクターバックボーン(例えば、バックボーン-1、バックボーン-2、バックボーン-32またはバックボーン-60)(例えば、表2を参照)であって、疾患に関連する細胞がLiv1を発現する。一実施形態では、Liv1-CARのASDは、その配列番号が表3に記載されているvLおよびvH断片から構成される。一実施形態では、治療または予防される疾患はがんである。一実施形態では、がんは、乳がん、前立腺がん、または固形腫瘍である。
【0544】
増殖を阻害することができる例示的がんとしては、免疫療法に通常応答性であるがんが挙げられる。治療するがんの非限定的な例としては、メラノーマ(例えば、転移性悪性メラノーマ)、腎臓がん(例えば、明細胞がん)、前立腺がん(例えば、ホルモン難治性前立腺がん)、乳がん、結腸がんおよび肺がん(例えば、非小細胞肺がん)が挙げられる。さらに、本明細書に記載される分子を用いて難治性または再発性の悪性腫瘍を治療することができる。最後に、子宮内膜症などの非悪性疾患は、本明細書に記載のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を使用して治療することができる。
【0545】
例示的実施形態では、本明細書に記載される方法により治療されるがんとしては、様々な臓器系の肉腫、腺がんおよびがん腫などの固形腫瘍、例えば肝臓、肺、乳房、リンパ系、胃腸管(例えば、結腸)、尿生殖路(例えば、腎尿路上皮細胞)、前立腺および咽頭を冒す固形腫瘍などが挙げられる。腺がんとしては、悪性腫瘍、例えばほとんどの結腸がん、直腸がん、腎細胞がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、小腸がんおよび食道がんなどが挙げられる。一実施形態では、がんはメラノーマ、例えば進行期メラノーマである。同様にがんの転移性病変もまた、本開示の方法および組成物を使用して治療または予防することができる。
【0546】
治療することができるその他のがんの例としては、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚または眼内悪性メラノーマ、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、ファロピウス管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、外陰部がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織肉腫、尿道がん、陰茎がん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含めた慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿管のがん、腎盂がん、中枢神経系(CNS)新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、T細胞リンパ腫、アスベストにより誘発されるがんを含めた環境により誘発されるがんおよび前記がんの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載される抗体分子を用いて転移性がん、例えばPD-L1を発現する転移性がん(Iwaiら(2005)Int.Immunol.17:133-144)の治療を実施することができる。さらに、本明細書に記載されるがん関連抗原の発現に関連する疾患としては、特に限定されないが、例えば、本明細書に記載されるがん関連抗原の発現に関連する非定型および/または非古典的がん、悪性腫瘍、前がん状態あるいは増殖性疾患が挙げられる。最後に、子宮内膜症などの非悪性疾患は、本明細書に記載のCARを使用して治療することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現T細胞またはNK細胞により、本明細書に記載されるがん関連抗原を発現する細胞に関連する血液がんまたは別のがんを有する対象の細胞および/またはがん細胞の量、数、量または割合が、陰性対照と比較して少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%または少なくとも99%減少する。一実施形態では、対象はヒトである。
【0547】
一態様では、本開示は、疾患(例えば、がん、自己免疫疾患、感染症またはアレルギー性疾患または変性疾患)の増殖を阻害する方法に関し、CAR-Tが抗原に応答して活性化され、疾患を引き起こすまたは疾患に関連する細胞を標的とし、疾患を引き起こすまたは疾患に関連する細胞の増殖が阻害されるように,疾患を引き起こす細胞または疾患に関連する細胞を、CAR(CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)またはアクセサリーモジュールを備えたCAR(つまり、バックボーン1~60、表2を参照)を発現する本開示の遺伝子改変細胞と接触させることを含む。一態様では、本開示は、疾患のリスクのある患者に、CAR-Tが抗原に応答して活性化され、疾患を引き起こすまたは疾患に関連する細胞を標的とし、疾患を引き起こすまたは疾患に関連する細胞の増殖が防止されるように、CARまたは次世代のCAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)発現細胞、または本開示のCAR発現細胞を生成することができる細胞を投与することを含む、疾患を予防する方法に関する。
【0548】
一態様では、疾患は、がん、感染症、免疫疾患、アレルギー性疾患、または変性疾患である。
【0549】
一態様では、この疾患は自己免疫疾患である。一実施形態では、自己免疫疾患は、後天性免疫不全症候群(AIDS)、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性アジソン病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、ベーチェット病、心筋症、セリアックスプルー-ヘペチフォルミス性皮膚炎;慢性疲労免疫機能障害症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIPD)、瘢痕性類天疱瘡、寒冷凝集素症、クレスト症候群、クローン病、デゴス病、皮膚筋炎-若年性、円板状エリテマトーデス、本質的な混合クリオグロブリン血症、線維筋痛症-線維筋痛症。バセドウ病、ギランバレー症候群、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少症(ΓΡ)、IgA腎症、インスリン依存性糖尿病、若年性慢性関節炎(スティル病)、若年性関節リウマチ、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、永続性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、多発性腺症候群、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎および皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症(進行性全身性硬化症(PSS)、全身性硬化症(SS)としても知られる)、シェーグレン症候群、スティッフパーソン症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、白斑、ウェゲナー肉芽腫症、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0550】
本開示の実施形態には、エフェクター細胞を生じさせることができるエフェクター細胞(T細胞やNK細胞など)または幹細胞が本明細書に記載のCARを発現するように遺伝子改変され、CARまたは次世代CAR(例:SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)発現T細胞またはNKT細胞がそれを必要とするレシピエントに注入される細胞療法の一種が含まれる。注入された細胞はレシピエント内で腫瘍細胞を死滅させることができる。様々な態様では、患者に投与した免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)またはその子孫は、患者にT細胞またはNK細胞を投与後、患者内に少なくとも4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間、12か月間、13か月間、14か月間、15か月間、16か月間、17か月間、18か月間、19か月間、20か月間、21か月間、22か月間、23か月間、2年間、3年間、4年間または5年間存在し続ける。
【0551】
本開示はまた、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)が、例えば、in vitro転写されたRNAによって改変されて、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)またはアクセサリーモジュールを有するCAR(例:バックボーン1~60)を一時的に発現するタイプの細胞療法を含む。T細胞またはNKT細胞は、それを必要とするレシピエントに注入される。必要とするレシピエントにT細胞またはNK細胞を注入する。注入された細胞はレシピエント内で疾患関連細胞(例えば、腫瘍細胞またはウイルス感染細胞)を死滅させることができる。したがって、様々な態様では、CAR発現免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)は、患者にT細胞またはNK細胞を投与後1か月未満、例えば、3週間、2週間、1週間存在し続ける。
【0552】
本開示はまた、免疫エフェクター細胞(例:T細胞またはNK細胞)を生じさせることができる幹細胞(例:造血幹細胞またはリンパ系幹細胞または胚性幹細胞、または人工多能性幹細胞)が、アクセサリーモジュール(例:バックボーン1~60; 表2を参照してください)と共にCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)またはCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するように改変され、それを必要とするレシピエントに投与される細胞療法の一種を含む。投与された幹細胞はレシピエント内に移植された後、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を生じさせ、それ(すなわち、免疫エフェクター細胞)は疾患関連細胞を死滅させることができる。したがって、様々な態様では、CARまたは次世代CAR発現幹細胞の投与後に患者内で産生される免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)は、患者に遺伝子改変幹細胞を投与後、患者内に少なくとも1週間、2週間、3週間、1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間、12か月間、13か月間、14か月間、15か月間、16か月間、17か月間、18か月間、19か月間、20か月間、21か月間、22か月間、23か月間、2年間、3年間、4年間、5年間、10年間または20年間存在し続ける。本開示はまた、免疫エフェクター細胞(例:T細胞またはNKT細胞)を生じさせることができる幹細胞がCAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)またはアクセサリーモジュールを備えたCAR(例: バックボーン1-60; 表2を参照してください)を発現するように改変され、そしてそれを必要とするレシピエントに注入される免疫エフェクター細胞を生成するためにin vitroで分化される細胞療法の一種を含む。注入された免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)は、レシピエント内への注入後、レシピエント内で疾患関連細胞を死滅させることができる。したがって、様々な態様では、患者に投与される免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)は、患者内に少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間、12か月間、13か月間、14か月間、15か月間、16か月間、17か月間、18か月間、19か月間、20か月間、21か月間、22か月間、23か月間、2年間、3年間、4年間、5年間、10年間または20年間存在し続ける。
【0553】
本開示はまた、特定の抗原を標的とする調節免疫エフェクター細胞(例えば、TREG、またはCD25 + T細胞)は、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するように改変される)またはアクセサリーモジュール(例えば、バックボーン1~60)を有するCARであるタイプの細胞療法を含む。このようなCAR-TREGを患者に投与して特定の抗原に対する免疫応答を抑制する。CAR-TREGを自己免疫疾患の予防および治療ならびに免疫寛容の増強に用いることができる。
【0554】
CARまたは次世代のCAR修飾免疫エフェクター細胞(例:T細胞、NKT細胞)によって誘発される抗腫瘍免疫応答は、能動的または受動的免疫応答である可能性があり、あるいは直接的対間接的免疫応答に起因する可能性がある。一態様では、CARまたは次世代のCARで伝達された免疫エフェクター細胞(T細胞、NK細胞など)は、本明細書に記載の疾患関連抗原を発現するヒト疾患細胞(例:がんまたは感染細胞)に応答して特定の炎症誘発性サイトカイン分泌および強力な細胞溶解活性を示し、本明細書に記載の可溶性疾患関連抗原に抵抗し、傍観者の殺害を媒介し、がんを含む確立されたヒト疾患の退行を媒介する。
【0555】
CARまたは次世代CAR改変免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)により引き起こされる抗腫瘍免疫応答は、能動免疫応答または受動免疫応答であり得、あるいは直接的免疫応答対間接的免疫応答によるものであり得る。一態様では、CARまたは次世代CAR形質導入免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)は、本明細書に記載される疾患関連抗原を発現するヒト疾患細胞(例えば、がん細胞または感染細胞)に応答して特異的炎症誘発性サイトカイン分泌および強力な細胞溶解活性を示し、本明細書に記載される可溶性の疾患関連抗原に抵抗し、バイスタンダー殺作用を媒介し、がんを含めた確立されたヒト疾患の消退を媒介する。
【0556】
本開示はまた、免疫エフェクター細胞(例:T細胞またはNK細胞)を生じさせることができる免疫エフェクター細胞(T細胞やNKT細胞など)または幹細胞が、CAR(例:CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)またはアクセサリーモジュール(例:バックボーン1~60)を有するCARを発現するように改変され、エクスビボで疾患関連細胞(例: がん細胞)の骨髄または末梢血造血幹細胞をパージするために使用される細胞療法の一種を含む。一例として、CD19特異的CAR(CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するT細胞と、急性リンパ球性白血病または非ホジキンリンパ腫を有する患者から採取した骨髄または末梢血の幹細胞試料とを共培養して、骨髄または末梢血の幹細胞調製物中に存在するあらゆる白血病またはリンパ腫細胞を死滅させる。6時間~数日の範囲であり得る適切なin vitro(ex vivo)培養期間の後、パージされた骨髄および末梢血の試料を患者の自家移植に用いる。
【0557】
一例として、CD19特異的CAR(CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)を発現するT細胞と、急性リンパ球性白血病または非ホジキンリンパ腫を有する患者から採取した骨髄または末梢血の幹細胞試料とを共培養して、骨髄または末梢血の幹細胞調製物中に存在するあらゆる白血病またはリンパ腫細胞を死滅させる。6時間~数日の範囲であり得る適切なin vitro(ex vivo)培養期間の後、パージされた骨髄および末梢血の試料を患者の自家移植に用いる。
【0558】
造血幹細胞および造血前駆細胞の体外増幅ついては、米国特許第5,199,942号に既に記載されているとともに、参照により本明細書に組み込まれ、本発明の細胞に適用することができる。ただし、本発明は細胞の体外増幅のいかなる特定の方法にも限定されず、当該技術分野で公知の他の適切な方法を用いることができる。簡潔に述べれば、ex vivo培養および造血幹細胞の増幅は、(1)哺乳動物由来のCD34+造血幹細胞および造血前駆細胞を末梢血採取物または骨髄外植片から収集すること;ならびに(2)このような細胞をex vivoで増幅することを含む。米国特許第5,199,942号に記載されている細胞増殖因子に加えて、flt3-L、IL-1、IL-3およびc-kitリガンドなどの他の因子も細胞の培養および増幅に用いることができる。
【0559】
ex vivo免疫感作に細胞ベースのワクチンを用いることに加えて、本発明は、患者に抗原に対する免疫応答を誘発するin vivo免疫感作のための組成物および方法も提供する。
【0560】
いくつかの実施形態において、本開示の完全ヒトCARまたは次世代CAR修飾遺伝子改変細胞(T細胞、NKT細胞など)は、哺乳動物(例えば、ヒト)のex vivo免疫感作および/またはin vivo療法のための一種のワクチンであり得る。ex vivo免疫感作に関して、細胞を哺乳動物内に投与する前に以下のうち少なくとも1つのもの、すなわち、i)細胞の増幅、ii)CARをコードする核酸の細胞への導入またはiii)細胞の凍結保存をin vitroで実施する。ex vivoの方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,199,942号に記載されているように、当該技術分野で周知である。
【0561】
ex vivo免疫感作に細胞ベースのワクチンを用いることに加えて、本発明は、患者に抗原に対する免疫応答を誘発するvivo免疫感作のための組成物および方法も提供する。
【0562】
本明細書でさらに説明するのは、患者に投与したときにCAR-T細胞の活性を制御するための方法である。いくつかの実施形態では、これらの方法を使用して、サイトカイン放出症候群、毛細血管漏出症候群、および神経学的合併症などのCAR-T細胞の副作用を制御することができる。いくつかの実施形態では、この方法は、チロシンキナーゼ、具体的にはScrファミリーキナーゼ、特にLckキナーゼの阻害剤の投与を含む。一実施形態では、この方法は、Ablファミリーチロシンキナーゼおよびp56Lck(Lck)を含めたSrcファミリーチロシンキナーゼ(SFK)の経口小分子阻害剤であるダサチニブ(Lee KC et al.,Leukemia(2010)24,896-900)の投与を含む。 一実施形態では、CAR発現細胞の投与後、患者にSrcキナーゼ阻害剤を投与して、CAR発現細胞の活性を制御する、または終結させる。一実施形態では、CAR発現細胞の投与後、患者にLck阻害剤を投与してCAR発現細胞の活性を制御する、または終結させる。一実施形態では、Lck阻害剤はA-770041である。
【0563】
一実施形態では、CAR発現細胞の投与後、患者にダサチニブを投与してCAR発現細胞の活性を制御する、または終結させる。一実施形態では、ダサチニブを少なくとも10mg/日、20mg/日、40mg/日、60mg/日、70mg/日、90mg/日、100mg/日、140mg/日、180mg/日、210mg/日、250mg/日または280mg/日の用量で経口投与する。
【0564】
一実施形態では、CAR発現細胞の投与後、患者にポナチニブを投与してCAR発現細胞の活性を制御する、または終結させる。一実施形態では、ポナチニブを少なくとも15mg/日、30mg/日、45mg/日、60mg/日の用量で経口投与する。
【0565】
この目的に適した例示的なタンパク質には、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス8としても知られる)によってコードされるウイルスFLICE阻害タンパク質(vFLIP)K13が含まれる。
【0566】
本明細書ではさらに、養子細胞療法の目的で、末梢血単核球およびT細胞の生存および増殖を促進し、その複製老化を防止して免疫細胞(例えば、リンパ球およびNK細胞)の寿命を延ばす方法が企図される。この方法は、生存および増殖を促進し活性化誘導細胞死を阻止するウイルスおよび細胞タンパク質の異所性発現を伴うものである。この目的に適した例示的なタンパク質には、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス8としても知られる)によってコードされるウイルスFLICE阻害タンパク質(vFLIP)K13が含まれる。いくつかの実施形態では、上記のウイルスおよび細胞タンパク質が免疫細胞(例えば、T細胞およびNK細胞)内にその天然の状態で、または小さいエピトープタグを有する状態で発現し、恒常的に機能的活性を示す。他の実施形態では、上記のウイルスおよび細胞タンパク質が免疫細胞(例えば、T細胞およびNK細胞)内に1コピーまたは複数コピーのスイッチドメイン(または二量体化ドメイン)、例えばFKBPおよびFKBP×2などと融合した状態で発現する。他の実施形態では、FKBPまたはFKBP×2ドメインは、融合タンパク質を細胞膜に係留するためのN末端ミリソチル化(myrisotylation)(Myr)配列をさらに有し得る。スイッチドメインを保有する融合タンパク質は、それらの基底状態では機能的に不活性であるが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/US2017/024843に記載されるAP20187などの二量体化剤の添加時に活性化される。
【0567】
本明細書でさらに企図されるのは、レンチウイルス媒介性の形質導入および/または外来遺伝子および/またはCDNAの発現を促進するための方法である。この方法は、HIV1-Vifタンパク質の発現を伴う。いくつかの実施形態において、Vifタンパク質は、外来遺伝子および/またはCDNAと同じベクター上にコードされている。いくつかの実施形態において、Vifタンパク質は、外来遺伝子/CDNAとは異なるベクター上にコードされている。HIV1 Vifタンパク質の共発現によって転移および/または発現を増強することができる例示的な外来遺伝子/CDNAには、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR)、組換えTCR、グロビン、およびアデノシンデアミナーゼなどが含まれる。いくつかの実施形態において、HIV1 Vifタンパク質の共発現は、レンチウイルス媒介性の形質導入および/または任意のコードされた遺伝子/CDNAまたは核酸断片の発現を促進するために使用され得る。いくつかの実施形態において、HIV1 Vifタンパク質は、目的の遺伝子/CDNAと同じベクター上にコードされている。CARおよびHIV1 Vifタンパク質を共発現する例示的なベクターは、配列番号11268に示されている。CARおよびHIV Vifをコードする例示的な核酸カセットは、配列番号11244~11267に示されている。いくつかの実施形態において、HIV1 Vifタンパク質は、目的の遺伝子/CDNAとして異なるベクター上にコードされている。HIV1 Vifタンパク質は、哺乳類細胞における遺伝子導入/発現を増強するために使用できる。いくつかの実施形態において、HIV1 Vifタンパク質は、末梢血単核細胞、T細胞、NK細胞、NKT細胞、B細胞、造血幹細胞、誘導多能性幹細胞、肝細胞、脳細胞または皮膚細胞への遺伝子導入/発現を増強するために使用される。
【0568】
一実施形態では、K13-vFLIP (配列番号: 4107), MC159 (配列番号:4108), cFLIP-L/MRIT-alpha (配列番号: 4109), cFLIP-p22 (配列番号: 4110), HIV1-Vif (配列番号: 4117), HTLV1-TAX (配列番号: 4113), HTLV2-TAX (配列番号: 4114), HTLV2-TAX-RS (配列番号: 4115)の群から選択される1つまたは複数のウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質、または前記のタンパク質のアミノ酸配列と70~99%の同一性を有するタンパク質を異所的に発現する、疫エフェクター細胞、例えば、T細胞を提供する。
【0569】
一実施形態では、1つまたは複数のスイッチドメイン、例えば、FKBP、FKBPx2またはMyr-FKBPを含む融合タンパク質、およびK13-vFLIP (配列番号: 4107), MC159 (配列番号:4108), cFLIP-L/MRIT-alpha (配列番号: 4109), cFLIP-p22 (配列番号: 4110), HIV1-Vif (配列番号: 4117), HTLV1-TAX (配列番号: 4113), HTLV2-TAX (配列番号: 4114), HTLV2-TAX-RS (配列番号: 4115)の群から選択される1つまたは複数のウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質を異所的に発現する、疫エフェクター細胞、例えば、T細胞を提供する。
【0570】
一実施形態では、K13-vFLIP (配列番号: 4107), MC159 (配列番号:4108), cFLIP-L/MRIT-alpha (配列番号: 4109), cFLIP-p22 (配列番号: 4110), HIV1-Vif (配列番号: 4117), HTLV1-TAX (配列番号: 4113), HTLV2-TAX (配列番号: 4114), HTLV2-TAX-RS (配列番号: 4115)の群から選択される1つまたは複数のウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質、または前記のタンパク質のアミノ酸配列と70~99%の同一性を有するタンパク質を部分的または完全にコードする核酸と細胞を接触させることを含む、養子細胞療法に適した免疫エフェクター細胞を産生する方法を提供する。
【0571】
一実施形態では、本開示は、1つまたは複数のスイッチドメイン、例えば、FKBP、FKBPx2またはMyr-FKBPを含む融合タンパク質、およびK13-vFLIP (配列番号: 4107), MC159 (配列番号:4108), cFLIP-L/MRIT-alpha (配列番号: 4109), cFLIP-p22 (配列番号: 4110), HIV1-Vif (配列番号: 4117), HTLV1-TAX (配列番号: 4113), HTLV2-TAX (配列番号: 4114), HTLV2-TAX-RS (配列番号: 4115)の群から選択される1つまたは複数のウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質、または前記のタンパク質のアミノ酸配列と70~99%の同一性を有するタンパク質をコードする核酸と細胞を接触させることを含む、養子細胞療法に適した免疫エフェクター細胞を産生する方法を提供する。
【0572】
いくつかの側面では、本開示は、1つまたは複数のスイッチドメイン(FKBP、FKBPx2、Myr-FKBPなど)を含む融合タンパク質をコードする核酸と細胞を接触させることを含む養子細胞療法に適した免疫エフェクター細胞を生産するの方法を提供し、1つまたは複数のウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質は、K13-vFLIP(配列番号4107)、MC159(配列番号4108)、cFLIP-L / MRIT-alpha(配列番号4109)、cFLIP-p22(配列番号4110)、HIV1-Vif(配列番号4117)、HTLV1-TAX(配列番号4113)、HTLV2-TAX(配列番号4114)、HTLV2-TAX-RS(配列番号4115)、または上記のタンパク質のアミノ酸配列と70~99%の同一性を持つタンパク質の群から選択される。
【0573】
一実施形態では、養子細胞療法に適した細胞は、天然または合成の免疫受容体を発現する。例示的なそのような免疫受容体には、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR)、キメラT細胞受容体(cTCR)、合成T細胞受容体、TCR融合タンパク質(TFP)、Ab-TCRおよび 合成ノッチ受容体。一実施形態では、細胞は、天然または合成免疫受容体をコードする構築物と接触する前、同時に、または接触した後に、ウイルスおよび細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸と接触させることができる。一実施形態では、細胞は、天然または合成免疫受容体をコードする構築物と接触する前、同時に、または接触した後に、スイッチまたは二量体化ドメインを含むウイルスおよび細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸と接触させることができる。
【0574】
一態様では、本開示は、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の集団を作製する方法を特徴とする。 一実施形態では、この方法は、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)の集団を提供し、免疫エフェクター細胞の集団を免疫受容体(例えば、CAR-TCR、合成TCR)をコードする核酸と接触させることを含む。免疫受容体とウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質の共発現を可能にする条件下で、免疫エフェクター細胞の集団をウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸と接触させる。
【0575】
一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸はDNAである。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸は、ウイルスおよび細胞シグナル伝達タンパク質の発現を駆動することができるプロモーターを含む。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸および免疫受容体をコードする核酸は、同じベクターから発現される。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸および免疫受容体をコードする核酸は、別々のベクターから発現される。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸(サブユニット1)および免疫受容体をコードする核酸(サブユニット2)は、2番目のサブユニットの翻訳を可能にする内部リボソーム侵入部位(IRES)を含む同じポリヌクレオチド断片から発現される。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸(サブユニット1)および免疫受容体をコードする核酸(サブユニット2)は、コードする単一のポリヌクレオチド断片から発現され、異なるサブユニットは切断可能なリンカーによって分離される。
【0576】
一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸は、in vitroで転写されたRNAである。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質(サブユニット1)および免疫受容体(サブユニット2)は、第2のサブユニットの翻訳を可能にする内部リボソーム侵入部位(IRES)を含む同じRNAから発現される。一実施形態では、ウイルスまたは細胞シグナル伝達タンパク質(サブユニット1)および免疫受容体(サブユニット2)は、単一のRNAから発現され、異なるサブユニットは、切断可能なリンカーによって分離される。
【0577】
一実施形態では、細胞シグナル伝達タンパク質をコードする核酸は、遺伝的または化学的手段によるそのプロモーターの活性化によって活性化される前記タンパク質のゲノムコピーである。
【0578】
本明細書に記載の治療方法は、本明細書に記載のCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸を含む遺伝子改変細胞を含む組成物を使用することを含む。様々な実施形態では、本明細書に記載される治療方法を既存の治療法および薬剤と組み合わせ得る。本明細書に記載されるCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)をコードする核酸を含む遺伝子改変細胞を含む本明細書に記載の治療用組成物を少なくとも1つの追加の既知の治療法または治療剤とともに対象に投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物と追加の治療法または治療剤を連続的に投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物と追加の治療法または治療剤を同時に投与する。本明細書に記載される組成物の投与と既存の治療法の実施の最適な順序は、医師などの当業者には明らかであろう。
【0579】
本明細書に記載のCARまたは次世代CAR発現細胞と少なくとも1つの追加の治療剤は、同時に、同じまたは別個の組成物として、または連続的に投与することができる。連続投与には、本明細書に記載されるCAR発現細胞を最初に投与し、次に追加の薬剤を投与することができ、あるいは投与順序を逆にすることもできる。
【0580】
疾患の持続期間にわたって対象に併用療法を実施し得る。疾患の持続期間は診断から治療の結果までを含み、治療により症状の軽減および/または症状の消失がもたらされる。様々な実施形態では、2つの治療の作用は、部分的な相加作用であるか、完全な相加作用であるか、相加作用を上回るものであり得る。送達は、2つ目の治療を実施するとき、最初に実施した治療の効果が依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0581】
CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)療法および/または他の治療薬、手順またはモダリティは、活動性障害の期間中、または寛解期または活動性の低い疾患。CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)療法は、他の治療の前に、治療と同時に、治療後、または障害の寛解中に投与することができる。
【0582】
組み合わせて実施する場合、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)治療剤および追加の薬剤(例えば、第二または第三の薬剤)または全部を、各薬剤を例えば単独療法として個別に用いる場合の量または用量より多い、少ない、またはこれと同じ量または用量で投与することができる。ある特定の実施形態では、CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)治療剤、追加の薬剤(例えば、第二または第三の薬剤)または全部を投与する量または用量は、各薬剤を例えば単独療法として個別に用いる場合の量または用量より(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%)少ない。他の実施形態では、所望の効果(例えば、がんの治療)が得られるCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)治療剤、追加の薬剤(例えば、第二または第三の薬剤)または全部の量または用量は、各薬剤を例えば単独療法として個別に用いて同じ治療効果を得るのに必要な量または用量より少ない(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%少ない)。
【0583】
さらなる方法の態様は、それぞれがCAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)分子を含む有効量の細胞、例えば免疫エフェクター細胞またはその集団を、任意選択で免疫細胞の有効性および/または安全性を増大させる薬剤と組み合わせて対象に投与することに関するものである。さらなる態様では、免疫細胞の有効性および/または安全性を増大させる薬剤は、(i)タンパク質ホスファターゼ阻害剤;(ii)キナーゼ阻害剤;(iii)サイトカイン;(iv)免疫抑制分子の阻害剤;あるいは(v)TREG細胞のレベルまたは活性を低下させる薬剤;vi)CAR改変細胞の増殖および/または持続性を増大させる薬剤;vii)ケモカイン;viii)CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の発現を増大させる薬剤;ix)CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)の発現または活性の制御を可能にする薬剤;x)CAR改変細胞の生存および/または持続の制御を可能にする薬剤;xi)CAR改変細胞による副作用を制御する薬剤;xii)Brd4阻害剤;xiii)疾患部位に治療剤(例えば、sHVEM)または予防的剤を送達する薬剤;xiv)CAR(例えば、CAR I、CAR II、SIR、zSIR、Ab-TCR、TFPなど)が対象とする標的抗原の発現を増大させる薬剤;xv)アデノシンA2a受容体アンタゴニストのうちの1つまたは複数のものであ; xvi)単球および/またはマクロファージを枯渇させる薬剤; xvii)エトポシドである。
【0584】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される遺伝子改変細胞を外科手術、化学療法、放射線照射、免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸およびFK506など、抗体またはその他の免疫除去剤、例えばCAMPATH、抗CD3抗体またはその他の抗体治療剤、サイトキシン、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、サイトカインなどならびに放射線照射、ペプチドワクチン、例えばIzumoto et al.,2008 J Neurosurg 108:963-971に記載されているものなどと併用する治療レジメンで使用し得る。一実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞を化学療法剤と併用することができる。例示的化学療法剤としては、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン(例えば、リポソームドキソルビシン))、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、デカルバジン(deCARbazine)、メルファラン、イホスファミド、テモゾロミド)、免疫細胞抗体(例えば、アレムツザマブ(alemtuzamab)、ゲムツズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸アンタゴニスト、ピリミジンアナログ、プリンアナログおよびアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、フルダラビン)を含む)、mTOR阻害剤、TNFRグルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質(GITR)アゴニスト、プロテアソーム阻害剤(例えば、アクラシノマイシンA、グリオトキシンまたはボルテゾミブ)、免疫調節剤、例えばサリドマイドまたはサリドマイド誘導体(例えば、レナリドマイド)が挙げられる。
【0585】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をシクロホスファミドおよびフルダラビンと組み合わせて対象に投与する。
【0586】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCAR発現細胞は、骨髄破壊的化学療法およびリンパ球枯渇化学療法の両方を以前に投与された対象に投与される。
【0587】
例示的な骨髄破壊的およびリンパ球除去コンディショニングレジメンには、FCE(フルダラビン25mg / m2 /日、-7~-3日;シクロホスファミド200mg / m2 /日、-7~-3日;およびエトポシド250mg / m2 /日、-4~-3日、FCIE(フルダラビン25 mg / m2 /日、-7~-3日、シクロホスファミド200 mg / m2 /日、-7~-3日;イダルビシン12 mg / m2 /日、-7~-3日-5およびエトポシド250mg / m2 /日、-4~-3日)、FluCyE(フルダラビン30 mg / m2 /日、シタラビン1.5 g / m2 /日、フルダラビンおよびエトポシド100 mg / m2 /日をそれぞれに投与-6日目から-1日目に投与される薬剤)、またはFE(-5日目から-1日目にフルダラビン30mg / m2 /日およびエトポシド100mg / m2 /日)が含まれる。いくつかの実施形態において、CAR発現細胞は、化学療法の最後の投与後1日から5日の間に対象に投与される。
【0588】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCAR発現細胞は、以前にエトポシドを投与された対象に投与される。いくつかの実施形態において、エトポシドは、50mg/m2/日から250mg/m2/日の用量で1~5日間静脈内投与される。いくつかの実施形態において、エトポシドは、1から5回の用量の間、用量あたり5mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、CAR発現細胞は、エトポシドの最後の投与後1日から5日の間に対象に投与される。
【0589】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をベンダムスチンおよびリツキシマブと組み合わせて対象に投与する。
【0590】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をリツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよび/または副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)と組み合わせて対象に投与する。諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をリツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン(R-CHOP)と組み合わせて対象に投与する。諸実施形態では、対象はびまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)を有する。
【0591】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をエトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよび/またはリツキシマブと組み合わせて対象に投与する。諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をエトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよびリツキシマブ(EPOCH-R)と組み合わせて対象に投与する。諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞を用量を調整したEPOCH-R(DA-EPOCH-R)と組み合わせて対象に投与する。諸実施形態では、対象はB細胞リンパ腫、例えばMyc再構成中悪性度B細胞リンパ腫を有する。
【0592】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をブレンツキシマブと組み合わせて対象に投与する。ブレンツキシマブは、抗CD30抗体とモノメチルアウリスタチンEの抗体薬物コンジュゲートである。諸実施形態では、対象はホジキンリンパ腫(HL)、例えば、再発性または難治性HLを有する。諸実施形態では、対象はCD30+HLを有する。諸実施形態では、対象は自家幹細胞移植(ASCT)を受けたことがある。
【0593】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をCD20阻害剤、例えば抗CD20抗体(例えば、抗CD20単一特異性または二重特異性抗体)またはその断片と組み合わせて対象に投与する。
【0594】
一実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をmTOR阻害剤、例えば本明細書に記載されるmTOR阻害剤、例えばエベロリムスなどのラパログと組み合わせて対象に投与する。一実施形態では、mTOR阻害剤をCAR発現細胞の前に投与する。例えば、一実施形態では、mTOR阻害剤を細胞のアフェレーシスの前に投与することができる。一実施形態では、対象はCLLを有する。
【0595】
一実施形態では、本明細書に記載のCAR発現細胞は、キナーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。一実施形態では、キナーゼ阻害剤は、CDK4阻害剤、例えば、本明細書に記載のCDK4阻害剤、例えば、パルボシクリブまたはPD0332991などのCD4 / 6阻害剤である。一実施形態では、キナーゼ阻害剤はBTK阻害剤、例えば本明細書に記載されるBTK阻害剤、例えばイブルチニブなどである。いくつかの実施形態では、イブルチニブを約300~600mg/日(例えば、約300~350、350~400、400~450、450~500、500~550または550~600mg/日、例えば約420mg/日または約560mg/日)の用量で、例えば経口的に投与する。諸実施形態では、イブルチニブを約250mg、300mg、350mg、400mg、420mg、440mg、460mg、480mg、500mg、520mg、540mg、560mg、580mg、600mg(例えば、250mg、420mgまたは560mg)の用量で、一定期間にわたって連日、例えば、21日のサイクルにわたって連日または28日のサイクルにわたって連日投与する。一実施形態では、イブルチニブを1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル、11サイクル、12サイクルまたはそれ以上投与する。
【0596】
一実施形態では、キナーゼ阻害剤はmTOR阻害剤、例えば本明細書に記載されるmTOR阻害剤、例えばラパマイシン、ラパマイシンアナログ、OSI-027などである。一実施形態では、キナーゼ阻害剤は、本明細書に記載されるPI3K/mTOR二重阻害剤、例えばPF-04695102などである。
【0597】
一実施形態では、キナーゼ阻害剤はSrcキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、キナーゼ阻害剤はダサチニブである。一実施形態では、CAR発現細胞の投与後、患者にSrcキナーゼ阻害剤を投与してCAR発現細胞の活性を制御する、または終結させる。一実施形態では、CAR発現細胞の投与後、患者にダサチニブを投与してCAR発現細胞の活性を制御する、または終結させる。一実施形態では、ダサチニブを少なくとも10mg/日、20mg/日、40mg/日、60mg/日、70mg/日、90mg/日、100mg/日、140mg/日、180mg/日または210mg/日の用量で経口投与する。諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞を未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤と組み合わせて対象に投与する。
【0598】
カルシウム依存性ホスファターゼであるカルシニューリン(シクロスポリンおよびFK506)阻害する薬物または増殖因子誘導性シグナル伝達に重要なp70S6キナーゼを阻害する薬物(ラパマイシン)(Liu et al.,Cell66:807-815,1991;Henderson et al.,Immun.73:316-321,1991;Bierer et al.,Curr.Opin.Immun.5:763-773,1993)も使用することができる。さらなる態様では、本発明の細胞組成物を骨髄移植、フルダラビンなどの化学療法剤を用いるT細胞除去療法、外照射療法(XRT)、シクロホスファミドおよび/またはOKT3もしくはCAMP ATHなどの抗体とともに(例えば、前、同時または後に)患者に投与し得る。一態様では、本発明の細胞組成物をCD20と反応する薬剤、例えばRituxanなどのB細胞除去療法の後に投与する。例えば、一実施形態では、対象に高用量化学療法による標準治療の後、末梢血幹細胞移植を実施し得る。ある特定の実施形態では、移植後、対象に増幅した本発明の免疫細胞の注入を実施する。さらなる実施形態では、増幅した細胞を外科手術の前または後に投与する。
【0599】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞を自家幹細胞移植、同種幹細胞移植、自家骨髄移植または同種骨髄移植と組み合わせて対象に投与する。
【0600】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞を微小移植またはHLAミスマッチ同種細胞療法(Guo M et al.,J Clin Oncol.2012 Nov 20;30(33):4084-90)と組み合わせて対象に投与する。
【0601】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤と組み合わせて対象に投与する。
【0602】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞を骨髄由来抑制細胞(MDSC)のモジュレーターと組み合わせて対象に投与する。
【0603】
諸実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をBrd4またはBET(ブロモドメインおよび特異的末端モチーフ)阻害剤と組み合わせて対象に投与する。CAR発現細胞と組み合わせて投与することができる例示的Brd4阻害剤としては、特に限定されないが、JQ1、MS417、OTXO15、LY303511および米国特許出願公開第20140256706(A1)号に記載されているBrd4阻害剤ならびにその任意のアナログが挙げられる。
【0604】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞をインターロイキン-15(IL-15)ポリペプチド、インターロイキン15受容体アルファ(IL-15Ra)ポリペプチドまたはIL-15ポリペプチドとIL-15Rポリペプチドの両方の組み合わせ、例えばhetiL-15(Admune Therapeutics社)と組み合わせて対象に投与する。諸実施形態では、het-IL-15を皮下投与する。
【0605】
一実施形態では、対象にCAR発現細胞の投与に関連する副作用を軽減または改善する薬剤を投与することができる。CAR発現細胞の投与に関連する副作用としては、特に限定されないが、CRSおよびマクロファージ活性化症候群(MAS)とも呼ばれる血球貪食性リンパ組織球症(HLH)が挙げられる。
【0606】
したがって、本明細書に記載される方法は、対象に本明細書に記載されるCAR発現細胞を投与することと、CAR発現細胞による治療に起因する可溶性因子のレベル上昇を管理するため1つまたは複数の薬剤をさらに投与することとを含み得る。一実施形態では、対象で上昇する可溶性因子は、IFN-y、TNFa、IL-2およびIL-6のうちの1つまたは複数のものである。一実施形態では、対象で上昇する可溶性因子は、IL-1、GM-CSF、IL-10、IL-8、IL-5およびフラクタルカイン(fraktalkine)のうちの1つまたは複数のものである。したがって、この副作用を治療するために投与する薬剤は、これらの可溶性因子のうちの1つまたは複数のものを中和する薬剤であり得る。一実施形態では、これらの可溶型のうちの1つまたは複数のものを中和する薬剤は、抗体またはその抗原結合断片である。このような薬剤の例としては、特に限定されないが、ステロイド(例えば、副腎皮質ステロイド)、Src阻害剤(例えば、ダサチニブ)、TNFa阻害剤およびIL-6阻害剤が挙げられる。TNFa阻害剤の例には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴルおよびゴリムマブなどの抗TNFa抗体分子がある。TNFa阻害剤のまた別の例には、エンタネルセプト(entanercept)などの融合タンパク質がある。IL-6阻害剤の例には、抗IL-6抗体分子または抗IL-6受容体抗体分子、例えばトシリズマブ(toe)、サリルマブ、エルシリモマブ、CNTO328、ALD518/BMS-945429、CNTO136、CPSI-2364、CDP6038、VX30、ARGX-109、FE301およびFM101がある。一実施形態では、抗IL-6受容体抗体分子はトシリズマブである。一実施形態では、IL-6阻害剤は、IL6Rおよびヒト血清アルブミンと結合するラクダ二重特異性抗体(例えば、IL6R-304-Alb8)である。IL-1Rベースの阻害剤の例にはアナキンラがある。一実施形態では、CAR発現細胞による副作用を治療するために投与する薬剤は、Src阻害剤(例えば、ダサチニブ)である。一実施形態では、CAR発現細胞による副作用を治療するために投与する薬剤は、Src阻害剤ダサチニブである。諸実施形態では、ダサチニブを約10mg/日~240mg/日(例えば、10mg/日、20mg/日、40mg/日、50mg/日、70mg/日、80mg/日、100mg/日、110mg/日、120mg/日、140mg/日、180mg/日、210mg/日、240mg/日または300mg/日)の用量で投与する。
【0607】
一実施形態では、対象にCAR発現細胞の活性を増強する薬剤を投与することができる。例えば、一実施形態では、阻害分子を阻害する薬剤を投与することができる。阻害分子、例えばプログラム死1(PD-1)は、いくつかの実施形態では、CAR発現細胞が免疫エフェクター応答を開始する能力を低下させ得る。阻害分子の例としては、PD-1、PDLl、CTLA-4、TIM-3、CEACAM(例えば、CEACAM-1、CEACAM-3および/またはCEACAM-5)、LAG-3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4およびTGFRベータが挙げられる。例えばDNA、RNAまたはタンパク質レベルでの阻害による阻害分子の阻害によりCAR発現細胞の性能が最大限に高まり得る。諸実施形態では、阻害核酸、例えば阻害核酸、例えばdsRNA、例えばSIRNAまたはshRNA、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)または亜鉛フィンガーエンドヌクレアーゼ(ZFN)、例えば本明細書に記載されるものを用いて、CAR発現細胞での阻害分子の発現を阻害することができる。一実施形態では、阻害剤はshRNAである。一実施形態では、阻害分子はCAR発現細胞内で阻害される。これらの実施形態では、阻害分子の発現を阻害するdsRNA分子がCARの構成要素、例えば全構成要素をコードする核酸と連結している。一実施形態では、阻害シグナルの阻害剤は、例えば、阻害分子と結合する抗体または抗体断片であり得る。例えば、薬剤は、PD-1、PD-L1、PD-L2またはCTLA4と結合する抗体または抗体断片(例えば、イピリムマブ(MDX-010およびMDX-101とも呼ばれ、Yervoy(登録商標)として市販されている;Bristol-Myers Squibb社;トレメリムマブ(以前はチシリムマブ、CP-675,206として知られ、Pfizer社から入手可能なIgG2モノクローナル抗体))であり得る。一実施形態では、薬剤は、TIM3と結合する抗体または抗体断片である。一実施形態では、薬剤は、CEACAM(CEACAM-1、CEACAM-3および/またはCEACAM-5)と結合する抗体または抗体断片である。一実施形態では、薬剤はLAG3と結合する抗体または抗体断片である。PD-1、PD-L1およびPD-L2の抗体、抗体断片およびその他の阻害剤が当該技術分野で入手可能であり、本明細書に記載される本発明のCARと併用し得る。ペムブロリズマブはPD-1と結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。他の実施形態では、CAR発現細胞の活性を増強する薬剤はCEACAM阻害剤(例えば、CEACAM-1、CEACAM-3および/またはCEACAM-5阻害剤)である。
【0608】
一実施形態では、本明細書に記載されるCARの活性を増強する薬剤は、CARが対象とする標的抗原の発現を増大させるまた別の薬剤である。本明細書に記載されるCAR発現細胞を投与する対象に投与することができる薬剤としては、亜ヒ酸、ATRA(全トランスレチノイン酸)、化合物27、40、49(Du et al.,Blood;2016年10月12日にオンラインで先行出版)、IDH2阻害剤(例えば、AG-221)またはその組み合わせが挙げられる。一実施形態では、薬剤をCAR発現細胞の投与前に、投与と同時に、または投与後に投与する。好ましい実施形態では、これらの薬剤をCAR発現細胞の投与前に投与する。好ましい実施形態では、上記の薬剤とともに投与するCAR発現細胞はB細胞抗原(例えば、CD19、CD20またはCD22など)を標的とする。
【0609】
一実施形態では、本明細書に記載されるCARの活性を増強する薬剤は可溶性受容体である。本明細書に記載されるCAR発現細胞を投与する対象に投与することができる可溶性受容体としては、sHVEM、sHVEM-Alb8-vHH融合タンパク質またはその組み合わせが挙げられる。可溶性受容体は、1日1回または1日2回以上、例えば、1日2回、1日3回または1日4回投与することができる。可溶性受容体は2日間以上投与することができ、例えば、可溶性受容体を2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間または4週間投与する。例えば、可溶性受容体を1日1回、7日間投与する。
【0610】
一実施形態では、正常組織に対するCAR発現細胞の毒性から保護する薬剤を対象に投与することができる。CAR-T細胞療法の限界の1つとして、正常組織に対する毒性が考えられる。例えば、CD19を標的とするCARは、同じくCD19抗原を発現する正常B細胞の長期間にわたる枯渇を引き起こす可能性がある。一実施形態では、CD19 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性CD19のノックアウトまたは変異と組み合わせることができる。一実施形態では、内因性CD19のノックアウトまたは変異は、CRIPS/Cas9、Talonまたは当該技術分野で公知の他の適切な遺伝子編集方法を用いて達成される。現在臨床使用されているCD19 CAR-T細胞が結合するCD19のエピトープは、エキソン2~4にマッピングされている。一実施形態では、CRISP/Cas9、Znフィンガーヌクレアーゼ、Talonまたは当該技術分野で公知の他の方法を用いて、自家または同種造血幹細胞のエキソン2(またはCAR-T細胞が標的とするCD19により認識される他の適切なエキソン/領域)にミスセンスまたはナンセンス変異を生じさせる。一実施形態では、対象の疾患を抑えるCD19CAR-T細胞注入およびCD19が枯渇/変異した造血幹細胞を用いる自家または同種幹細胞移植を実施する。改変幹細胞から生じるB細胞がCD19-CAR-T細胞の標的になることはないため、患者はCD19 CAR-T細胞による副作用としてよくみられるB細胞無形成を回避できる。別の実施形態では、MPL CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性MPLのノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、CD123 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性CD123のノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、CD33 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性CD33のノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、CD20 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性CD20のノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、CD22 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性CD22のノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、CS1 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性CS1のノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、BCMA CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞の内因性BCMAのノックアウトまたは変異と組み合わせる。別の実施形態では、CD45 CAR-T細胞療法を正常造血幹細胞または免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)の内因性CD45のノックアウトまたは変異と組み合わせる。基本的に、CARが標的とする抗原が正常造血幹細胞またはその子孫の1つにも発現する場合であれば、正常組織に対するCAR-T細胞の毒性を軽減するのに同様の方法を用いることが可能である。
【0611】
別の実施形態では、CAR-T細胞療法は、免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)または幹細胞において、CARまたは次世代CARによって標的とされる内因性遺伝子またはタンパク質のノックアウトまたは突然変異と組み合わされる。免疫エフェクター細胞に。例えば、CD45を標的とするCAR-T細胞は、CD45があらゆる造血細胞に発現するため、近接するCD45-CART細胞によって死滅させられ、生じにくくなる。しかし、T細胞のCD45 CAR発現を、CD45 CARを発現するT細胞の内因性CD45のノックダウンまたは欠失と組み合わせれば、このような細胞を生じさせることができる。基本的に、免疫エフェクター細胞に発現する他の抗原を標的とするCARを生じさせるのに同様の方法を用いることができる。例示的なこのような抗原としては、特に限定されないが、CD5、TCRα、TCRβ1、TCRβ2、TCRγ、TCRδ、プレTCRαおよびNK細胞上に発現する様々な受容体が挙げられる。
【0612】
本明細書に記載されるCAR発現細胞を投与する対象に投与することができるサイトカインとしては、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-18、LIGHTおよびIL-21またはその組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態では、投与するサイトカインは、IL-7、IL-15もしくはIL-21、IL12Fまたはその組み合わせである。サイトカインは、1日1回または1日2回以上、例えば、1日2回、1日3回または1日4回投与することができる。サイトカインは2日間以上投与することができ、例えば、サイトカインを2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間または4週間投与する。例えば、サイトカインを1日1回、7日間投与する。CAR発現細胞療法に対する応答が最適未満の対象にサイトカインを投与することにより、CAR発現細胞の効果または抗がん活性が改善される。好ましい実施形態では、CAR発現細胞の投与後に投与するサイトカインはIL-7である。
【0613】
一実施形態では、本明細書に記載されるCAR発現細胞の活性を増強する薬剤は、Brd4阻害剤またはTolani,B et al.,Oncogene,29;33(22):2928-37.PMID:23792448(Tolani,Gopalakrishnan,Punj,MattaおよびChaudhary,2014)に記載されているBRD4を標的とするSIRNAもしくはshRNAである。
【0614】
本明細書には、キメラ抗原受容体、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ベクター、ウイルスならびに/あるいは本明細書に記載される遺伝子操作細胞および/または化学物質のうちのいずれか1つあるいは複数のものと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物も提供される。このような組成物は、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液;グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン、マンニトールなどの炭水化物;タンパク質;ポリペプチドまたはグリシンなどのアミノ酸;抗酸化剤;EDTAまたはグルタチオンなどのキレート剤;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);および保存剤を含み得る。本発明の組成物は、一態様では静脈内投与用に製剤化されている。
【0615】
本発明の医薬組成物は、治療する疾患に適した方法で投与し得る。投与の量および頻度は、患者の状態ならびに患者の疾患の種類および重症度などの因子によって決まるが、臨床試験により適切な用量が決定され得る。
【0616】
「治療有効量」が示される場合、投与するべき本発明の組成物の正確な量は、医師が患者(対象)の年齢、体重、腫瘍サイズ、感染または転移の範囲および状態の個人差を考慮に入れて決定するものであり得る。一般に、本明細書に記載される遺伝子改変細胞(T細胞、NK細胞)を含む医薬組成物は、範囲内のあらゆる整数値を含めた104~109細胞/kg体重、いくつかの場合には105~106細胞/kg体重の用量で投与され得ると言える。T細胞組成物は、これらの用量で複数回投与してもよい。細胞は、免疫療法で一般に知られている注入技術を用いて投与することができる(例えば、Rosenberg et al.,New Eng.J.of Med.319:1676,1988を参照されたい)。
【0617】
いくつかの実施形態では、対象に活性化させた遺伝子改変細胞(T細胞、NK細胞)を投与し、次いで血液を再び採取し(またはアフェレーシスを実施し)、その遺伝子改変細胞を活性化させ、その活性化し増幅した遺伝子改変細胞を患者に再注入するのが望ましいものであり得る。この工程は、数週間毎に複数回実施することができる。ある特定の態様では、10cc~400ccの採取物から免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を活性化させることができる。ある特定の態様では、20cc、30cc、40cc、50cc、60cc、70cc、80cc、90ccまたは100ccの採血物から免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を活性化させる。
【0618】
「薬学的に許容される補形剤」は、医薬組成物の調製に有用であり、一般に安全で無毒性で望ましい補形剤を意味し、ヒトの製薬学的用途のみならず獣医学的使用にも許容される補形剤が含まれる。このような補形剤は、固体、液体、半固体であり得、エアゾール組成物の場合、ガス状であり得る。
【0619】
様々な実施形態では、本発明による医薬組成物を任意の投与経路による送達に合わせて製剤化し得る。「投与経路」は、特に限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、経粘膜、経皮、非経口、埋込み型ポンプ、持続注入、局所適用、カプセルおよび/または注射を含めた当該技術分野で公知の任意の投与経路を指し得る。
【0620】
本発明による医薬組成物は、任意の薬学的に許容される担体も含有し得る。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」は、目的の化合物をある組織、器官または身体の一部から別の組織、器官または身体の一部に運搬または輸送するのに関与する薬学的に許容される材料、組成物または賦形剤を指す。例えば、担体は、液体または固体の充填剤、希釈剤、補形剤、溶媒もしくは封入材料またはその組み合わせであり得る。担体の各成分は、それが製剤の他の成分と適合性があるものでなければならないという点で、「薬学的に許容される」ものでなければならない。また、それが接触し得る任意の組織または器官と接触させて使用するのに適したものでもなければならない、つまり、その治療利益を過剰に上回る中毒、刺激、アレルギー反応、免疫原性またはその他の合併症のリスクを伴うものであってはならない。
【0621】
本発明による医薬組成物は、経口投与用にカプセル化する、錠剤化する、またはエマルションもしくはシロップに製剤化することもできる。組成物を増強もしくは安定化させる、または組成物を製剤化しやすくするため、薬学的に許容される固体または液体の担体を添加し得る。液体担体としては、シロップ、ラッカセイ油、オリーブ油、グリセリン、生理食塩水、アルコールおよび水が挙げられる。固体担体としては、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム、二水和物、白土、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ペクチン、アラビアゴム、寒天またはゼラチンが挙げられる。担体としては、徐放材料、例えば単独で、またはロウとともに用いるモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなども挙げられる。
【0622】
医薬製剤は、錠剤形態には、必要に応じて粉砕、混合、造粒および圧縮;または硬ゼラチンカプセル形態には粉砕、混合および充填を含めた従来の製薬技術により作製する。液体担体を使用する場合、製剤は、シロップ剤、エリキシル剤、エマルションまたは水性もしくは非水性懸濁剤の形態になる。このような液体製剤は、経口で直接、または軟ゼラチンカプセルに充填して投与し得る。
【0623】
本発明による医薬組成物は治療有効量で送達し得る。正確な治療有効量は、所与の対象に治療効果の点で最も効果的な結果をもたらす組成物の量である。この量は、特に限定されないが、治療用化合物の特徴(活性、薬物動態、薬力学およびバイオアベイラビリティを含む)、対象の生理的状態(年齢、性別、疾患の種類および段階、全般的健康状態、所与用量に対する応答性ならびに投薬の種類を含む)、製剤中の薬学的に許容される1つまたは複数の担体の性質ならびに投与経路を含めた様々な因子によって異なり得る。臨床分野および薬理学分野の当業者であれば、慣例的な実験により、例えば、化合物投与に対する対象の応答をモニターし、それに応じて用量を調整することにより治療有効量を決定することができるであろう。さらなる指針については、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro ed.20th edition,Williams & Wilkins PA,USA)(2000)を参照されたい。
【0624】
対象組成物の投与は、エアゾール吸入、注射、輸液、埋植または移植によるものを含めた任意の好都合な方法で実施し得る。本明細書に記載される組成物は、経動脈的に、患者の皮下に、皮内に、腫瘍内に、節内に、髄内に、筋肉内に、静脈内(i.v.)注射により、または腹腔内に投与し得る。一態様では、本発明のT細胞組成物を真皮内または皮下注射により患者に投与する。一態様では、本発明のT細胞組成物をi.v.注射により投与する。免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の組成物を腫瘍、リンパ節または感染部位内に直接注射し得る。
【0625】
特定の例示的態様では、対象に白血球除去を実施してよく、ここでは、白血球を採取し、ex vivoで濃縮または枯渇させて目的の細胞、例えばT細胞を選択および/または単離する。これらのT細胞分離株は、当技術分野で知られている方法によって拡大され得、本開示の1つまたは複数のCARまたは次世代CAR構築物が導入され得、それにより本開示のCAR-T細胞を作製し得るように処理され得る。次いで、必要とする対象に高用量化学療法による標準治療、次いで末梢血幹細胞移植を実施し得る。ある特定の態様では、移植後または移植と同時に、対象に増幅した本発明のCAR-T細胞の注入を実施する。さらなる態様では、増幅した細胞を外科手術の前または後に投与する。
【0626】
一実施形態では、例えばin vitro転写を用いて、CARを免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)内に導入し、対象(例えば、ヒト)に本発明のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の最初の投与とそれに続く1回または複数回の本発明のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与を実施し、ここでは、1回または複数回の投与を前回の投与後15日未満、例えば投与から14日後、13日後、12日後、11日後、10日後、9日後、8日後、7日後、6日後、5日後、4日後、3日後または2日後に実施する。一実施形態では、1週間当たり2回以上の本発明のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与を対象(例えば、ヒト)に実施し、例えば、1週間当たり2回、3回または4回の本発明のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与を実施する。一実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)に1週間当たり2回以上のCAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与(例えば、1週間当たり2回、3回または4回の投与)(本明細書ではサイクルとも呼ぶ)を実施し、次の1週間はCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与を一切実施せず、その後、対象に追加で1回または複数回のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与(例えば、1週間当たり2回以上のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)の投与)を実施する。別の実施形態では、対象(例えば、ヒト対象)に2サイクル以上のCARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を投与し、各サイクルの間の時間は10日未満、9日未満、8日未満、7日未満、6日未満、5日未満、4日未満または3日未満である。一実施形態では、CARまたは次世代CAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を1週間当たり3回、隔日で投与する。一実施形態では、本発明のCAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)を少なくとも2週間、2週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間またはそれ以上投与する。
【0627】
一過性に発現するCAR免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞、NK細胞)(特にマウスscFvを有するCAR-T)を用いて治療を実施する患者に発生し得る問題として、複数回治療した後のアナフィラキシーが考えられる。
【0628】
この理論に束縛されるものではないが、そのようなアナフィラキシー応答は、体液性抗CAR応答、すなわち、抗IgEアイソタイプを有する抗CAR抗体を発現する患者により引き起こされるのではないかと考えられる。抗原への曝露に10~14日間の休止があると患者の抗体産生細胞に(アナフィラキシーを引き起こさない)IgGアイソタイプからIgEアイソタイプへのクラススイッチが起こるものと考えられる。
【0629】
患者にCAR療法に対するアナフィラキシー応答が発現するリスクまたはCAR療法の過程でIgE型CAR抗体応答が生じるリスクが高い場合、CAR療法の前に、またはCAR療法の過程でオマリズマブ(Xolair)を投与することができる。
【0630】
一過性CAR療法の過程で患者に抗CAR抗体応答(RNA形質導入により生じるものなど)が生じるリスクが高い場合、CART注入の休止が10~14日より長く続かないようにするべきである。
【0631】
本発明を実施するキットも提供される。例えば、対象のがんを治療するキットまたは本明細書に開示されるCARまたは次世代CARを1つまたは複数発現するCAR-T細胞を作製するキット。キットは、CARまたは次世代CARをコードする核酸分子もしくはポリペプチド分子またはCARまたは次世代CARをコードするベクターを、免疫エフェクター細胞内に核酸を導入する方法とともに含み得る。キットは、CARまたは次世代CARをコードする核酸を含むウイルスと、ウイルス形質導入を促進するポリブレンなどの化学物質とを含み得る。キットは、CARまたは次世代CARを発現させるT細胞を単離するための構成要素を含み得る。あるいは、キットは、CARまたは次世代CARを発現する免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)または幹細胞を含み得る。キットには本開示のCARが2つ以上含まれ得る。キットは、容器と、容器上にあるか、または容器に付随するラベルまたは添付文書とを含み得る。
【0632】
適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されたものであり得る。容器は、典型的には、CARまたは次世代CARを発現する核酸分子、ウイルス、ベクター、T細胞のうちの1つまたは複数を含む組成物を保持する。いくつかの実施形態では、容器は無菌接続口を有し得る(例えば、容器は、皮下注射針を突き通すことが可能な栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。ラベルまたは添付文書には、組成物が特定の状態を治療するために使用されることが示されている。ラベルまたは添付文書は、典型的には、例えば、腫瘍を治療または予防する方法、または製造する方法において、開示された核酸分子、CARまたは次世代CARまたはCARまたは次世代CARを発現するT細胞の使用に関する指示をさらに含む。CAR-T細胞。添付文書には通常、市販の治療薬のパッケージに通例記載され、適応症、用法、用量、投与、禁忌に関する情報および/またはそのような治療薬の使用に関する注意書きを含む指示が記載されている。指示資料は、電子形態(コンピュータディスケットまたはコンパクトディスクなど)の書面であってもよく、また、視覚的なもの(動画ファイルなど)であってもよい。キットは、キットが設計された特定の用途を容易にするためのほかの構成要素も含み得る。したがって、例えば、キットは、T細胞上のCARまたは次世代CARの発現を測定するための、またはCARを発現するT細胞の数またはパーセンテージを決定するための、またはCAR-T細胞の機能を決定するための手段をさらに含み得る。キットは、特定の方法の実施に慣例的に用いられる緩衝剤およびその他の試薬をさらに含み得る。このようなキットおよび適切な内容物は当業者に周知である。
【0633】
CAR活性を測定するのに動物モデルを使用してもよい。例えば、本明細書記載のヒトがん関連抗原特異的CAR+T細胞を用いる異種移植片モデルが、免疫不全マウスにおける原発性ヒト前B-ALLを治療するのに使用できる。例えば、Miloneら、Molecular Therapy 17(S):1453-1464(2009)を参照されたい。
【0634】
用量依存性のCAR治療応答が評価できる。例えば、Miloneら、Molecular Therapy 17(S):1453-1464(2009)を参照されたい。
【0635】
サイトカインの増殖および生産の評価は、以前に、例えば、Miloneら、Molecular Therapy 17(S):1453-1464(2009)に記載されている。
【0636】
細胞毒性は、マタドールアッセイによって、または標準的な51Cr放出アッセイを使用して評価することができる。 例えば、Milone et al。、Molecular Therapy 17(8):1453-1464(2009)を参照されたい。
【0637】
撮像技術が、腫瘍罹患動物モデルで、zSIRの特定の運搬および増殖の評価に使用できる。斯かるアッセイは、例えば、Barrettら、Human Gene Therapy 22:1575-1586(2011)に記載されている。
【0638】
本明細書の実施例のセクション並びに当業界で周知のアッセイを含む他のアッセイも、本明細書記載のCARの評価に使用できる。
【実施例0639】
CARの活性は、本明細書記載のいくつかのin vitroおよびin vivoアッセイによって試験可能である。適切なCARの作成、選択、および使用に関する一般スキームが以下に提供される。
【0640】
CAR 生成のための標的の同定
CARを設計するための適切な標的が、文献または遺伝子発現データベースの検索に基づいて選択される。一般的に、CARの適切な標的は、通常の健康な細胞と比べて、病気を引き起こす細胞または病気関連細胞でより多く発現される。
【0641】
CARの作成
CARの候補標的抗原が特定されたら、CARの抗原結合ドメインが文献で入手可能な情報に基づいて設計される。一般的に、SIRの抗原結合ドメインは、通常、抗体、抗体断片、scFv、またはラクダ科動物のvHHドメインに基づいている。抗体の重鎖(vH)および軽鎖(vL)の可変鎖、ラクダ科動物vHHドメイン、並びに種々の受容体およびリガンドの配列は、配列決定により、あるいは公的に利用可能なデータベースにより入手可能であり、異なる実施例で示されるように、本明細書記載の方法を用いて、CARの合成に使用可能である。SIRの抗原結合ドメインを含む配列は、公的に利用可能なソフトウェア(例えば、ThermoFisherまたはIDT)および商用ベンダー(例えば、IDT)を用いて、コドン最適化され、人工的に合成される。その結果得られる断片はPCR増幅され、標準の分子生物学の技術を用いて、異なるCARバックボーン構造を有する異なるベクターでクローン化される。一般的に、CAR構築物は、通常、レンチウイルスベクターでクローン化される。CAR構築物の配列は、自動配列決定を用いて確認される。異なるCARバックボーンは、WO 2016/187349 A1、PCT/US2016/058305、US62/429,597、PCT/US17/64379、およびPCT/US2017/024843に記載されており、これらは参照により完全に本明細書に組み込まれる。一般に、CAR構築物は通常レンチウイルスベクターにクローン化される。構築物の配列は、自動配列決定を使用して確認される。
【0642】
zSIRをコードする別の例示的な構築物は、pLenti-EF1α-CD8SP-BCMA-Am06-HL-vL-IgCL-Bam-CD3zECDTMCP-opTFP2A-Spe-SP-Bst-BCMA-Am06-HL-vH-IgG1-CH1-KPN-CD3zECDTMCP-opt2-F-F2A-Xba-PACDWPRE(配列番号154)である 。この構築物は、抗原結合ドメイン断片(例えば、vLおよびvHドメイン)を切り出し、他の抗原を標的とする抗原結合ドメイン断片で置き換えることができるように、多くの便利な制限部位を有する。このベクターは、CD8シグナルペプチド(CD8SP)の上流にNhe Iサイトを有する。これは、Xho Iサイトと一緒に使用して、5 'シグナルペプチドを運ぶ新しいvL断片にクローニングすることもできる。BstBIおよびMluIサイトを使用して、vH断片を置き換えることができる。XhoIおよびSpeIサイトを使用して、IgCL- [IgCL-Bam-CD3zECDTMCP-opTFP2Aをエンコードするモジュールを別のモジュールに置き換えることができる。同様に、MluIおよびXbaサイトを使用して、IgG1-CH1-KPN-CD3zECDTMCP-opt2-F-F2Aを含むモジュールを置き換えることができる。PACをエンコードするアクセサリーモジュールは、Xba I(またはNde I)およびSalI制限サイトを使用して置き換えることができる。したがって、当技術分野の通常のスキルを有する人は、このベクターおよび抗原結合ドメインの配列(例えば、抗体のvLおよびvHドメイン)を使用して、他の任意の新しい抗原を標的とするzSIRを生成することができる。
【0643】
分泌型抗原-NLuc融合タンパク質および抗原結合ドメイン(ABD)-NLuc融合タンパク質の生成(任意のステップ)。
【0644】
分泌型抗原-NLuc融合タンパク質および抗原結合ドメイン(ABD)-NLuc融合タンパク質は、PCT/US2017/025602に記載されているように生成および使用され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。高レベルのSIR標的を発現する(従ってSIRの活性を試験するのに使用可能な)細胞株を特定するため、ABD-NLuc融合タンパク質への結合に関して、細胞株のパネルが試験される。表Aは、本開示のCARの活性をアッセイするのに使用可能な異なる抗原標的を発現する細胞株の例示的リストを提供する。CARの標的を発現する細胞株は、代替方法、例えば、文献検索、商業的に入手可能な抗体による免疫染色、または公的に利用可能な遺伝子発現データベースを用いて特定してもよい。
【0645】
CARを発現する免疫エフェクター細胞は、機能的CARを同定するために以下のアッセイで試験される。
【0646】
(A) Topanga Assay (A)NLuc結合アッセイ
【0647】
対照ベクターおよびSIR発現Jurkat-NFAT-GFPまたはT細胞が(上述のような)標的抗原NLuc融合タンパク質で染色され、標的抗原に結合する能力がNLuc活性を測定することにより分析される。例えば、CD19を標的とするFMC63ベースSIRを発現するJurkat-NFAT-GFP細胞は、Jurkat-NFAT-GFP細胞または親Jurkat-NFAT-GFP細胞を発現する対照ベクターと比較して、CD19-NLuc融合タンパク質への結合が増大している。
【0648】
B)NFATプロモーター駆動GFP発現の誘導
上述の標的抗原を発現する細胞株と一緒に4~24時間共培養された対照ベクターおよびSIR発現Jurkat-NFAT-GFPおよび標的抗原に結合する能力が、フローサイトメトリーを用いてGFP発現の誘導を測定することにより分析される。細胞の上澄み液が回収され、サイトカイン(例えば、IL2)の誘導が分析される。
【0649】
(C)サイトカイン生成のアッセイ
対照ベクターおよびCAR発現Jurkat-NFAT-GFPまたはT細胞が、標的細胞株と一緒に4~96時間共培養され、上澄み液が、ELISAを用いて、サイトカイン(例えば、IL2、IFNγ、TNFαなど)発現の誘導に関して検査される。
【0650】
(D) in vitroおよびin vivoにおける細胞毒活性のアッセイ
非感染T細胞、または対照ベクターまたはCARを発現する細胞は、ルシフェラーゼ(GLuc、NLuc、Turboluc26など)の非分泌形態を発現する標的細胞株と4~96時間共培養され、細胞溶解の誘導が、PCT/US17/52344記載の方法でルシフェラーゼ活性を測定することにより検査される。細胞毒活性の代替測定方法(例えば、51Cr放出アッセイまたはLDH放出アッセイ)も同様に使用できる。CARを発現するT細胞の活性も、免疫不全マウスにおける適切な異種移植片を用いてin vivoで分析できる。
【0651】
上述の方法に基づいて、当業者は、任意の抗原に対して適切に機能するCARまたはCARのプールを容易に設計、構築、試験、および選択できる。CARまたはCARのプールは、種々の病状の予防及び治療のため、ヒト臨床試験及び臨床使用に用いることができる。表11は、本開示のCARを用いて治療可能なヒトの病状の例示的一覧表を提供する。
【0652】
限定されないが、病気を引き起こす細胞および病気関連細胞における標的抗原の罹患率および発現レベル、疫病負荷、および病気の進行率を含む種々の要因に基づいて、異なるCARまたはCARのサブセットを異なる病状に最適に適合させることが可能である。効用、毒性プロファイル、および患者の病状次第では、異なるCARを異なる患者の単一の病状に最適に適合させてもよい。本開示は、種々の養子免疫反応生成における重大な技術的障害および物流面での障害への解決策を提供する。
【0653】
遺伝子再配列によって通常のTCR多様性が生じる。胸腺における厳密な陽性および陰性の選択プロセスにより、低親和性範囲内で自己ププチド/MHCの認識に限定されるαβTCRを発現するT細胞だけが、確実に周縁部に存在可能となる。従って、胸腺の環境により、自己規制的であって自己反応性ではないαβT細胞のプールの生成が可能となる。
【0654】
異なる抗原結合ドメインから広範囲なCARプールを生成するのは、複数の抗原結合ドメインの生成および試験における技術的障害および財政的障害により制限される。更に重要なことは、抗原結合ドメイン(例えば、抗原のvLおよびvH断片)の各々は他の抗原に結合し、標的外の毒性を引き起こす可能性を有しているので、複数の抗原結合ドメインだけに基づくCARの広範囲なプールは、毒性のリスクを増大させる可能性を秘めている。従って、斯かるプールの潜在的多様性は、標的外の毒性を減少させるように限定されるべきである。本開示は、単一のまたは僅かな数の抗原結合ドメインをTCR鎖の異なる変異体へ結合することによりCARの種々のプールを生成しているので、斯かる問題を解決している。CARプールの多様性は、異なるリンカーの使用により更に増やすことができる。プールを発現するT細胞の多様性は、異なるアクセサリーモジュールおよび本開示記載の治療コントロールの使用により更に増やすことができる。
【0655】
CARの多様なプールは、上記抗原を発現する病気を引き起こす細胞または病気関連細胞に対する様々な免疫応答を提供するのに使用できる。あるいは、CARの多様なプールは、当業界の技術を用いて任意にDNAバーコーディングを行い(配列番号123-128)、後に、それを用いて、最適な生物および臨床特性を有する単一のCARまたはCARのサブグループを選択してもよい。斯かる特性には、限定されないが、in vitro生物アッセイ(例えば、細胞毒性、サイトカイン分泌、結合親和性、細胞表面発現、標的外効果、T細胞増殖、枯渇マーカーの発現、および末端分化など)、in vivoアッセイのパフォーマンス(例えば、生存率、腫瘍減少、T細胞持続性、T細胞増殖など)、および臨床経験(例えば、病気寛解、再発率、毒性など)が含まれる。開示のCARは、単独で、または当技術分野で知られている他の他の天然および合成免疫受容体と組み合わせて使用して、それらの標的抗原を発現する細胞によって引き起こされるまたは関連する様々な病状の予防および治療のための免疫エフェクター細胞の多様なプールを生成することができる。異なるシグナルペプチド、抗体結合ドメイン、リンカー、TCR定常鎖、切断可能リンカー、および選択マーカー(例えば、PAC、EGFP、CNB20など)は、商業用のサプライヤ(IDT)を用いて単一断片または複数断片で人工的に合成され、適切な制限酵素を含むプライマーとのPCR反応でテンプレートとして使用された。増幅された断片を適切な制限酵素で消化し、標準的な分子生物学技術を使用してpLENTI-EF1α(配列番号129)、pLENTI-EF1α-DWPRE(配列番号130)、pCCLc-MNDU3-WPRE(配列番号12639)またはMSCV-Bgl2-AvrII-Bam-EcoR1-Xho-BstB1-Mlu-Sal-ClaI.I03(配列番号131)ベクターにクローニングした。CAR断片は、pLENTI-EF1α(配列番号129)、pLENTI-EF1α-DWPRE(配列番号130)、pCCLc-MNDU3-WPRE(配列番号12639)ベクターのNheIサイトとSalIサイトの間にクローン化された。その結果得られる断片は、適切な制限酵素を含むプライマーとのPCR反応でテンプレートとして使用できる。増幅された断片は適切な制限酵素で消化され、次に、標準の分子生物学技術を用いて適切なベクター内でクローン化される。
【0656】
異なる細胞表面および細胞内抗原を標的にする異なる構築物の細胞毒性を測定するためのルシフェラーゼ(例えば、GLucまたはNLuc)を発現するように改変された細胞株が表Aに提供される。この実験で使用された細胞株、細胞株の標的抗原、およびその増殖培地が以下の表Aに示される。細胞は5%のCO2加湿型培養器で培養された。細胞株はATCC、NIH、AIDS試薬プログラムから入手された、または実験室で入手可能であった。
表A:
【0657】
NFAT依存GFPレポーター遺伝子で改変されたJurkaT細胞株(クローンE6-1)は、UCSFのDr. Arthur Weissからのギフトである。JurkaT細胞は、10%PBS、ペニシリン、およびストレプトマイシンで補充されたRPMI-1640培地で維持された。
【0658】
(レンチウイルスおよびレトロウイルスの作製)
レンチウイルスは、実質的に前出されたように(Matta, Hozayev, Tomar, Chugh & Chaudhary, 2003)、293FT細胞におけるリン酸カルシウムベースのトランスフェクションによって作製された。293FT細胞は、10%FCS4mML-グルタミン、0.1mM MEM非必須アミノ酸、および1mM MEMピルビン酸ナトリウムを含むDMEM(DMEM-10と呼ばれる)で繁殖させた。 レンチウイルスを作製するため、トランスフェクションの日に約80コンフルエントとなるように、10cm組織培養プレートのDMEM-10培地10mLで、抗生物質なしに、293FTを培養した。次の日、異なる遺伝子をコードするレンチウイルス発現プラスミド10μg、PSPAX2プラスミド7.5μg、およびPLP/VSVGプラスミド2μgを用いて、リン酸カルシウムトランスフェクション法により、細胞にトランスフェクションを行った。 いくつかの実験では、トランスフェクション混合物は、2.5~5μgのHIV1 Vifコード化プラスミド(配列番号11269)も含んでいた。トランスフェクションの約15~16時間後、培地9mLを除去し、新鮮な培地5mLで置き換えた。トランスフェクションの約48時間後、5mLの上澄み液を回収(第一回収)し、5mLの新鮮な培地で置き換えた。トランスフェクションの約72時間後、全ての培地を回収した(第二回収、通常約6mL)。回収された上澄み液はプールされ、細胞残骸物および非接着性細胞を除去するため、1000rpmで1分間遠心分離を行った。無細胞上澄み液は、0.45μmのシリンジフィルターで濾過した。ある場合には、上澄み液は、4℃で2時間、18500rpmの超遠心で更に濃縮した。ウイルスペレットを最初の容積の1/10のXVIVO培地に再懸濁した。ウイルスは新鮮なまま標的細胞を感染させるのに使用するか、あるいは-80℃でアリコート中に冷凍保存された。
【0659】
T細胞およびPBMCの感染
ロサンジェルスの小児病院の血液銀行から、健康な匿名の成人ドナー由来のバッフィーコート細胞を取得し、それを使用して、フィコールハイパック比重遠心法により、末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。PBMCはそのまま使用された、あるいはCD3磁気マイクロビーズ(Miltenyi Biotech)を用い、製造元の指示に従ってT細胞を単離するのに使用された。PBMCまたは単離されたT細胞は、10ng/mLのCD3抗体、10ng/mLのCD28抗体、および100IU組換えヒトIL-2で補充されたXVIVO培地(Lonza)に再懸濁された。細胞は、5%のCO2加湿型培養器で、37℃で培養された。細胞は、レンチウイルスベクターを感染させる前、1日間、上記培地で活性化させた。一般的に、一次細胞(例えば、T細胞)は、朝、スピン感染(8μg/mLのPolybrene(登録)(Sigma、カタログ番号H9268)の存在下でXVIVO培地に再懸濁させた濃縮ウイルス300μLを用いて、37℃で90分間、1800rpmで行われた)を用いて感染させた。培地は夕方取り替え、感染は更に2日間(合計3感染)繰り返えされた。3度目の感染後、細胞はペレット化され、10ng/mLのCD3抗体、10ng/mLのCD28抗体、および100IU組換えヒトIL-2を含む新鮮なXVIVO培地に再懸濁され、(指示されている場合は)それぞれの抗生物質で補充され、別の規定がない限り、選択用の細胞培養フラスコに配置された。細胞は、薬剤選択がない場合には上記培地で10~15日間、薬剤選択が使用された場合には20~30日間、培養された。EGFPを発現するレンチウイルスで細胞を感染させる場合、細胞は薬剤選択なしに増殖させるか、あるいは流動選別により、EGFP発現細胞の濃縮が行われた。がん細胞株の感染に関しては、約500,000の細胞を2mLの非濃縮ウイルス上澄み液(Polybrene(登録)(Sigma、カタログ番号H9268)を含む合計容積3mL)で感染させた。翌朝、細胞をペレット化し、それぞれの抗生物質を含む培地に再懸濁し、それを選択用の細胞培養フラスコに配置した。
【0660】
レンチウイルスベクター作製に関して上述された内容と実質的に同様な手順を用いて、レトロウイルスベクターの作製が行われたが、この場合、293FT細胞は、一般的に、10μgのレトロウイルス構築物、4μgのpKAT、および2μgのVSVGプラスミドを用いて、10cm組織培養プレートのDMEM-10培地10mLでトランスフェクションが行われた。ウイルス回収および標的細胞の感染は、レンチウイルスベクターに関する上記内容と実質的に同じ内容で行われた。
【0661】
抗生物質および医薬品
ジギトニンはSigma(カタログ番号D141)から購入され、100mg/mLの原液がDMSO中で調製された。1mg/mLの希釈原液がPBS中で調製された。細胞溶解に使用されたジギトニンの最終濃度は、別の規定がない限り、30μg/mLであった。
【0662】
臨床グレードのCAR-Tの製造と管理
臨床グレードのCAR-T製造の場合、CARをコードするcGMPグレードのレンチウイルスは、商用ソース(Lentigen、Lonzaなど)を使用して生成される。T細胞は、白血球アフェレーシスを使用してドナー(自家または同種)から収集される。CAR-T細胞は、CLINIMAC Prodigy(Miltenyi Biotech)自動閉鎖システムを使用して(Zhu F、Shah N et al、Cytotherapy、2017)、製造元の指示に従って製造されている。5から10の間の感染多重度(MOI)が使用される。コクーン(ロンザ)および手動オープンシステムなどの臨床グレードのCAR-T製造のための代替方法は、当技術分野で知られており、本発明の代替実施形態で使用することができる。CAR-T細胞は、リンパ球枯渇化学療法の後に、約1x106 CD3CAR-T細胞/kgから始まる漸増用量で患者に投与される。
【0663】
IL2ELISA
ヒトIL2、 IFNγ、IL6、が、R&D Systems(Minneapolis, MN)の ELISAキットを用いて、製造元の推薦に従い、24~96時間特定の標的細胞株と共培養されたCAR 発現Jurkat-NFAT-GFPエフェクター細胞またはT細胞の細胞培養上澄み液で測定された。
【0664】
FACS分析
マウス抗ヒトc-MycAPC共役モノクロナール抗体(カタログ番号IC3696A)をR&D Systems(Minneapolis, MN)から得た。ビオチニル化ProteinLは、GeneScript(Piscataway, NJ)から購入し、リン酸緩衝生理食塩水中1mg/mLで再構成され、4℃で保存された。ストレプトアビジンAPC(SA1005)はThermoFisher Scientificから購入した。
【0665】
Myc染色を用いたCARおよびSIRの検出のため、1x106細胞を回収し、4%ウシ血清アルブミン(BSA)洗浄緩衝液を含む氷冷した1xPBS3mLで三回洗浄した。洗浄後、細胞は、APC共役Myc抗体10μLを含む氷冷した洗浄緩衝液0.1mLに再懸濁し、暗所で1時間培養し、氷冷した洗浄緩衝液で二回洗浄した。
【0666】
ProteinL染色を用いたCARの検出のため、1x106細胞を回収し、4%ウシ血清アルブミン(BSA)洗浄緩衝液を含む氷冷した1xPBS3mLで三回洗浄した。洗浄後、細胞は、1μgのProteinLを含む氷冷した洗浄緩衝液0.1mLに、4℃で1時間再懸濁した。細胞は氷冷した洗浄緩衝液で三回洗浄し、洗浄緩衝液0.1mL中のAPC共役ストレプトアビジン10μLと一緒に(暗所で)培養し、洗浄緩衝液で二回洗浄した。FACSは、BD BiosciencesのFACSVerse分析器を用いて行われた。
【0667】
細胞死アッセイ
細胞死を測定するため、PCT/US17/52344に記載(「A Non-Radioactive Cytotoxity Assay」)されている、GlucまたはNLucの異所性細胞質ゾル発現に基づく新しいアッセイが用いられた。
【0668】
CARとその抗原の発現を検出するためのアッセイの開発
CARおよびそれらの標的抗原の発現を検出するために、PCT/US2017/025602「抗原検出のための高感度かつ特異的なルシフェラーゼベースのレポーターアッセイ」に記載されているように、トパンガアッセイと呼ばれるルシフェラーゼベースのレポーターアッセイを利用した。
【0669】
合成免疫受容体用のJurkat NFAT-GFPアッセイ
NFAT結合部位を有するIL-2プロモーターがGFP遺伝子の上流にクローン化されるように、Jurkat-NFAT-GFP細胞が改変される。斯かる細胞は、TCRおよびCARを通した信号伝達を研究するのに使用されている。レンチウイルス仲介の遺伝子導入、その後のピューロマイシンによる選択により、異なるCARがJurkat NFAT-GFP細胞で安定的に発現された。CARを発現するJurkat-NFAT-GFP細胞が、E対T比約1対2で4時間から18時間、標的細胞と一緒に共培養された。CARとその標的抗原との間の相互作用によりNFAT経路の活性化が行われると、GFP発現が誘発される。従って、CARを発現するJurkat-NFAT-GFP細胞は、CARの受容体を発現する標的細胞株と相互作用する場合に、増加レベルのGFP発現を示す。
【0670】
異なるCAR構築物を発現するJurkat-NFAT-GFPと異なる標的細胞との共培養によるGFPの誘発が、本質的に前出の記載(Wu, Roybal, Puchner, Onuffer & Lim, 2015)に従って研究された。GFP発現はFACS分析でモニターされた。Jurkat-NFAT-GFP(親)細胞をコントロールとして使用しました。さまざまなCARでの結果は、次の要約表14に要約されている。 異なるCARの名前、それらの配列番号、構成要素の抗原結合ドメイン、およびTCR鎖は、表14を参照することによって決定することができる。SIR発現Jurkat-NFAT-GFP細胞が、親Jurkat-NFAT-GFP細胞と比較して、標的細胞株との培養で高いGFP陽性細胞%を示した場合、SIRはアッセイで陽性であると考えられる。 したがって、配列番号495で表されるBCMA CARを発現するJurkat-NFAT-GFP細胞は、親のJurkat-NFAT-GFP細胞と比較して、L363およびU266細胞と共培養した場合にGFP発現のより大きな誘導を示した。細胞株の後ろの+/-、+、2+などの記号は、Jurkat-NFAT-GFP細胞を発現するCARとその細胞株との培養後のJurkat-NFAT-GFP細胞アッセイ(GFP陽性細胞%で測定)における相対的陽性度を示す。 結果はまた、同じ抗体に由来する結合ドメインを含む異なるCARが、CARの種類に応じて、同一の細胞株に曝露された場合に、このアッセイを使用してNFATシグナル伝達を活性化する能力に大きな多様性を示すことを示している。加えて、同じ標的細胞株に対する応答の非常に多様性は、CARが同じCARアーキテクチャを共有している場合でも(例:BBz CARまたはSIR)、同じ抗原を標的とする異なる抗原結合ドメインを含むCAR(例えば、異なるBCMA抗体から誘導された抗原結合ドメインを有するCAR)を発現するジャーカット細胞で観察される。最後に、異なる抗原(例えば、CD19対CD20)を標的にするCARを発現するJurkaT細胞は、同じ標的細胞株に接触させた場合、多様な応答を示す。従って、CARを異なるTCR鎖、リンカー、抗原結合ドメイン、および標的特異性と組み合わせることにより、単一の標的細胞に対して、多様な免疫応答を生成できる。表14は、標的細胞株と接触させた場合に、異なるCARで観察されるGLucベースT細胞細胞毒性アッセイの結果も要約している。+/-、+、2+などの記号は、標的細胞株をCAR発現T細胞と一緒に4~96時間共培養した後Gluc毒性アッセイを用いて観察された細胞毒性の程度を示し、アッセイを同様な条件下で行った場合に、対照T細胞、すなわちCARを全く発現しないCARまたは無関係なSIR(例えば、特定の標的細胞株では発現しない抗原を標的にするCAR)と比較した。Jurkat-NFAT-GFP細胞で観察された結果同様、異なるCARを発現するT細胞が、標的抗原を発現する細胞に接触した場合、TCR鎖、リンカー、抗原結合ドメイン、標的特異性、および標的細胞株次第で、細胞毒性を生じる能力に大きな多様性を示す。類似の条件下で標的細胞株に接触させた場合、TCR鎖、リンカー、抗原結合ドメイン、標的特異性、および標的細胞株次第で、サイトカイン生産(例えば、IL2、TNFα、およびIFNγ)を誘発する能力面で、同様な多様性が異なるCARを発現するT細胞間で観察された。
【0671】
この分析の結果に基づいて、さまざまな抗原結合ドメイン(scFvなど)、リンカー、CARのタイプとクラス、およびNFAT-GFPとT細胞の細胞傷害性アッセイで陽性であったTCR鎖とそれらの構成を選択した。
【0672】
【0673】
異なる抗原結合ドメインを持つCD19CARの比較分析
T細胞は、異なる抗原結合ドメインを含むが、同様のバックボーンを持つCARに感染している。それぞれhuCD19-mROO5-1(配列番号14406および14437)およびhuCD19-USC3(配列番号14400および14431)からの第2世代のCARバックボーン(例えば、配列番号16317)および二本鎖SIRバックボーン(例えば、配列番号14056および14109)上でCARを発現し、抗原結合ドメインを含むT細胞(例:vLおよびvH断片、vL-CDR1-3およびvH-CDR-1-3)は、hu-CD19-USC1-LH4(配列番号4190および4264)、CD19-9B7(配列番号4151および4225)およびhu-Bu-13(配列番号9655および9686)からの抗原結合ドメイン(vLおよびvH断片など)を含む対応するCARを発現するT細胞と比較して、優れたin vitro細胞毒性およびサイトカイン分泌を示す。したがって、hu-CD19-USC1-LH4、CD19-9B7、およびhu-Bu-13に由来する抗原結合ドメインは、CAR(例えば、第2世代CAR、SIR、Ab-TCR、TFPなど)の構築には選択されなかった。
【0674】
CD19CAR-T細胞を用いたin vitroおよびin vivo研究
【0675】
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞を、CD19を標的とするCAR構築物(配列番号16311、16317および16318)を発現するレンチウイルスに感染させた。これらのCARのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号16335、16341および16342によって表される。 配列番号で表されるCAR; 16311は、FMC63抗体に由来する抗原結合ドメインを持つ第2世代のCARであり、41BB共刺激ドメインとCD3z活性化ドメインを含みます。 配列番号16317によって表されるCARは、低親和性ヒト化抗CD19抗体から誘導された抗原結合ドメインを有する第2世代のCARであり、41BB共刺激ドメインおよびCD3z活性化ドメインを含む。対照的に、配列番号16318によって表されるCARは、ヒト化低親和性抗CD19抗体に由来する抗原結合ドメインを含む二本鎖SIRである。このSIR構築物はまた、vFLIP-K13のコドン最適化バージョン(配列番号12734)をコードするアクセサリーモジュールを発現した。すべてのCAR構築物はpCCLc-MNDU3-WPREベクター(配列番号12639)にクローン化された。CAR-T細胞は、組換えIL2およびCD3/CD28ビーズを添加したXVIVO培地で21日間in vitroで増殖させた。感染後5日目にAPC複合タンパク質Lで染色し、続いてフローサイトメトリーを行うと、細胞表面にCAR構築物の配列番号16311および配列番号16317が強く発現し、細胞の約45~50%がタンパク質L染色を示した。対照的に、配列番号16318によって表されるCARの細胞表面発現はごくわずかしか見られず、細胞の2%未満がプロテインLによる表面染色を示した。培養3週間後、GLucを安定して発現するRAJIおよびNALM細胞を、エフェクター:ターゲット(E:T)比1:1で異なるCARを発現するT細胞と48時間共培養した。上清を収集し、ELISAによるIFNγの測定に使用した。
図2Aは、すべてのCAR-T細胞を高レベルのCD19を発現するRAJI細胞と共培養すると、IFNγ産生が大幅に増加することを示している。
図2Bは、構築物配列番号16318を発現するCAR-Tが、中程度のレベルのCD19を発現するNalm6細胞と共培養した場合、構築物配列番号16311を発現するCAR-Tと比較して高いIFNγ誘導を示すことを示している。TNFα産生を測定するために実験を繰り返した場合、本質的に同様の結果が得られた。さまざまなCAR-T細胞のin vivoでの有効性をテストするために、NSGマウスにホタルルシフェラーゼ(RAJI-Luc)を安定して発現する0.5x106個のRAJI細胞を尾静脈から注射した。3日後、CAR構築物(配列番号16311、16317および16318)を発現する4×106のT細胞をマウスに注射した。D-ルシフェリンの注射後、生物発光イメージングによって動物を毎週イメージングした。
図3は、T細胞またはコントロールT細胞を与えられていない動物に有意な腫瘍増殖があり、23日目までにすべて死亡したことを示している。配列番号16311および16317を発現するT細胞を与えられた動物は、最初に疾患をクリアしたが、28日後に疾患の再発を示した。対照的に、配列番号16318でCARを発現するT細胞を与えられた動物は51日目まで無病のままであった。配列番号16318でCARを発現するT細胞を与えられたマウスは、T細胞を与えられなかったマウス、対照T細胞を与えられたマウス、または配列番号16311を発現するT細胞を与えられたマウスと比較して、生存が改善された。配列番号16317を発現するT細胞を与えられたマウスは中程度の生存を示した。
【0676】
CD19CAR-T細胞を用いたin vitroおよびin vivo研究
【0677】
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞を、CD19を標的とするCAR構築物(配列番号16311および14056)を発現するレンチウイルスに感染させた。配列番号16311によって表されるCARが記載されている。対照的に、配列番号14056によって表されるCARは、ヒト化低親和性抗体に由来する抗原結合ドメインを含む二本鎖SIRである。この構築物のアミノ酸配列は、配列番号15800によって表される。両方のCAR構築物は、pCCLc-MNDU3-WPREベクター(配列番号12639)にクローン化された。 配列番号14056のCARをコードするpCCLc-MNDU3-WPREベクターの核酸配列は、配列番号12641で表される。CAR-T細胞はin vitroで増殖されました。感染後6日目にAPC複合タンパク質Lで染色し、続いてフローサイトメトリーを行うと、細胞表面にCAR構築物配列番号16311が強く発現し、細胞の約71.07%がタンパク質L染色を示しました。対照的に、配列番号14056で表されるCARの細胞表面発現は少なく、22.04%の細胞がプロテインLで表面染色を示した。培養1週間後、GLucを安定して発現するRAJIおよびNALM細胞を、エフェクター:ターゲット(E:T)比1:1で異なるCARを発現するT細胞と48時間共培養した。上清を回収し、ELISAによるIFNγ、TNFα、IL2の測定に使用した。配列番号14056で表される次世代CAR(すなわち、二本鎖SIR)を発現するT細胞は、RAJI細胞と共培養するとIFNγ、TNFα、およびIL2の強力な産生を示し、FMC63-BBz CARを発現するT細胞(配列番号 NO:16311)は、これらのサイトカインの弱い誘導を示した。実験は、IL2およびCD3およびCD28抗体の存在下でXVIVO培地で培養したCAR-T細胞の4週間の増殖後に繰り返された。配列番号14056で表されるCARを発現するT細胞は、RAJI細胞と共培養した場合、IFNγ、TNFα、およびIL2の強力な産生を示し続けることが観察された。FMC63-BBz CAR(配列番号16311)を発現するT細胞は、これらのサイトカインの誘導が非常に低いか無視できることを示し、機能的消耗の証拠を示唆している。さまざまなCAR-T細胞のin vivoでの有効性をテストするために、NSGマウスにホタルルシフェラーゼ(NALM6-Luc)を安定して発現する0.5x106 NALM6細胞(B細胞急性リンパ性白血病)を尾静脈から注射した。3日後、マウスに、in vitroで2~3週間増殖させたCAR構築物(配列番号16311および14056)を発現する3×106のT細胞を注射した。D-ルシフェリンの注射後、生物発光イメージングによって動物を毎週イメージングした。
図4は、対照T細胞を投与した動物またはT細胞を投与しなかった動物に有意な腫瘍増殖があり、29日目までにすべて死亡したことを示している。配列番号16311を発現するT細胞を投与した動物は、最初は疾患を解消しましたが、29日後に疾患の再発を示しました。対照的に、配列番号14056のCARを発現するT細胞を与えられた動物は36日目まで無病のままであった。配列番号14056でCARを発現するT細胞を与えられたマウスは、対照T細胞を与えられたマウス、または配列番号16311を発現するT細胞を与えられたマウス、またはT細胞を与えられなかったマウスと比較して、生存が改善された。SIR(配列番号16330)を発現するT細胞を、Nalm6細胞を異種移植したNSGマウスに投与した場合、本質的に同様の結果が得られる。
【0678】
CD19を標的としたCAR、SIR、TFPによる抗原マスキングの比較
【0679】
従来の第2世代CD19CARを単一のB細胞に誤って挿入した急性リンパ性白血病細胞は、白血病細胞で発現したCARポリペプチドによる白血病細胞で発現したCD19のマスキングにより、疾患の再発を引き起こすことが最近示された(Ruella M et al、 Nat Med.2018 Oct; 24(10):1499-1503)。これにより、CAR-T細胞がCARを発現している白血病細胞を認識して殺すことができなくなり、クローンの増殖、疾患の再発、患者の死亡に繋がった。次世代のCARもこの問題の影響を受けやすいかどうかをテストするために、第2世代のCAR(配列番16311、16317)、SIR(配列番号14035、14056、14065、14109、16330)およびTFP(配列番号16328および14098)は、CD19を発現するRAJIおよびNalm6細胞で安定して発現する。続いて、CAR発現細胞をPE結合CD19抗体(FMC63-PEなど)で染色する。第2世代のCAR(配列番号16311、16317)、およびTFP(配列番号16328および14098)の発現が、RAJIおよびNalm6細胞上のCD19のマスキングをもたらすことが観察される。これは、CD19-PE抗体との結合およびフローサイトメトリーによって決定されるCD19の細胞表面染色の減少によって明らかになる。対照的に、SIR(配列番号14035、14056、14065、14109および16330)の発現は、RAJIおよびNalm6細胞におけるCD19の発現に有意な影響を及ぼさない。さらに、第2世代のCAR(配列番号16311、16317)を発現するRAJI細胞、およびTFP(配列番号16328および14098)は、対応するCARおよびTFPを発現するT細胞による殺傷の減少を示す。SIR(配列番号14035、14056、14065、14109および16330)を発現するRAJI細胞は、対応するSIRを発現するT細胞による殺傷に対する感受性を保持している。
【0680】
サイトカイン放出症候群(CRS)モデルを使用したCARの比較
さまざまなCD19CAR構築物がCRSを誘導する能力は、最近説明されたマウスモデルを使用してテストされた(Giavridis T et al、Nature Medicine、2018)。 簡単に説明すると、SCID-Biegeマウスに1日目に300万個のRaji-pLenti-Luc細胞を腹腔内(腹腔内)注射した。CAR(配列番号16315および16330)を発現する3000万のCAR-Tが21日目に注射された(腹腔内)。公開された研究(Giavridis T et al、Nature Medicine)と同様に、第2世代のCAR(配列番号16315)を与えられた動物の3分の1は、CAR-T細胞の注射後に死亡した。SIR(配列番号16330)を受けた動物はいずれも死亡しなかった。本質的に、SIR(配列番号14056)を発現するT細胞を使用して実験を繰り返すと、同様の結果が得られる。
【0681】
異なる抗原結合ドメインを有するMPLCARの比較分析
T細胞は、異なる抗原結合ドメインを含むが、同様のバックボーンを持つCARに感染している。それぞれhu-161-2(配列番号14409および14440)およびhu-161-3(配列番号14402および14433)からの異なるCARバックボーン(例えば、配列番号16315、13761-13770、13780-13794)上でMPL CARを発現し、抗原結合ドメインを含むT細胞(例:vLおよびvH断片、vL-CDR1-3およびvH-CDR-1-3)は、WO2019067805に記載されているMPL-178、MPL-12E10およびMPL-AB317由来の抗原結合ドメイン(vLおよびvH断片など)を含む対応するCARを発現するT細胞と比較して、優れたin vitro細胞毒性およびサイトカイン分泌を示す。したがって、MPL-178、MPL-12E10、およびMPL-AB317に由来する抗原結合ドメインは、MPLを標的とするCAR(例えば、第2世代CAR、SIR、Ab-TCR、TFPなど)の構築には選択されなかった。代わりに、hu-161-2(配列番号14409および14440)およびhu-161-3(配列番号14402および14433)に由来する抗原結合ドメイン、および対応するCDR領域を含むvLおよびvHをMPL標的CAR用に選択した(例:第2世代のCAR、SIR、Ab-TCR、TFPなど)。配列番号13791および13793のCARを比較し、配列番号13791のCARは、配列番号13793のCARと比較して優れたin vitro細胞毒性およびサイトカイン産生を示すことが示されている。配列番号13791のCARは、同じバックボーン上の対応するCARよりも優れているが、WO2019067805に記載されているようにマウスMPL-161に由来する抗原結合ドメインを含むこともわかっている。
【0682】
MPLCAR-T細胞を用いたin vitroおよびin vivo研究
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞を、ヒトMPL(トロンボポエチン受容体)を標的とするCAR構築物(配列番号16315および13791)を発現するレンチウイルスに感染させた。配列番号で表されるCAR(CD8SP-MPL-hu-161-2-BBz)。16315は、ヒト化MPL抗体に由来する抗原結合ドメインを持つ第2世代のCARであり、41BB共刺激ドメインとCD3z活性化ドメインを含む。対照的に、配列番号13791で表されるCARは、ヒト化MPL抗体に由来する抗原結合ドメインを含む二本鎖SIRである。両方のCAR構築物をpCCLc-MNDU3-WPREベクター(配列番号12639)にクローン化した。CAR-T細胞はin vitroで最大2~4週間増殖した。GLucを安定して発現するHEL.92.1.7細胞を、異なるCARを1:1のE:T比で発現するT細胞と48時間共培養した。マタドールアッセイを使用して細胞死を測定した。配列番号13791で表される次世代CAR(すなわち、二本鎖SIR)を発現するT細胞は、標的細胞死およびサイトカイン産生の強力な誘導を示し、MPL-hu-161-2-BBzCARを発現するT細胞(配列番号 NO:16315)は、標的細胞死およびサイトカイン産生の弱い誘導を示した。さまざまなCAR-T細胞のin vivoでの有効性をテストするために、NSGマウスにホタルルシフェラーゼ(HEL-Luc)を安定して発現する0.5 x 106 HEL.92.1.7細胞(急性骨髄性白血病)を尾静脈から注射した。3日後、マウスに、in vitroで2~3週間増殖させたCAR構築物(配列番号16315および13791)を発現する3×106のT細胞を注射した。配列番号でCARを発現するT細胞を与えられたマウス; 13791は、対照T細胞を与えられたマウスまたは配列番号16315を発現するT細胞を与えられたマウスまたはT細胞を与えられなかったマウスと比較して、改善された生存を示した。
【0683】
MPLを標的としたCAR、AIR、TFPによる抗原マスキングの比較
HEL.92.1.7細胞は、ヒトMPLを標的とするCAR構築物(配列番号16315、13780、および13791)を発現するレンチウイルスに感染している。MPLのマスキングに対するCAR発現の影響は、MPL抗体(1.6.1)による免疫蛍光染色とFACS分析によって決定される。あるいは、非結合MPLの発現は、161-scFv-Nluc融合タンパク質(WO2017173403に記載されている配列番号2245、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)と結合することによって決定される。161-scFv-Nluc融合タンパク質には、NLucに融合したMPL標的抗体(1.6.1)に由来する抗原結合ドメインが含まれている。HEL.92.1.7細胞における配列番号16315および13780のCARの発現は抗原マスキングをもたらすが、配列番号13791のCARの発現はMPLの有意なマスキングをもたらさないことが見出されている。
【0684】
異なる抗原結合ドメインを有するBCMACARの比較分析
T細胞は、異なる抗原結合ドメインを含むが、同様のバックボーンを持つCARに感染している。それぞれBCMA-huC13-F12(配列番号14413および14444)、BCMA-huC12A3-L3H3(配列番号14414および14445)、BCMA-J6M0(配列番号14415および14446)、BCMA-huJ22-10(配列番号14398および14229)およびBCMA-hu72(配列番号14401 14432)に由来する異なるCARバックボーン(例えば、配列番号12913、12916-12946)上でBCMA CARを発現し、抗原結合ドメイン(例えば、vLおよびvH断片、vL-CDR1-3およびvH-CDR-1-3)を含むT細胞は、優れたin vitro細胞毒性とサイトカイン分泌を示す。したがって、上記の抗原結合ドメインから誘導された抗原結合ドメイン、およびそれらの対応するCDR領域を含むvLおよびvHが、BCMA標的CAR(例えば、第2世代CAR、SIR、Ab-TCR、TFPなど)のために選択された。
【0685】
BCMACAR-T細胞を用いたin vitroおよびin vivo研究
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞を、ヒトBCMAを標的とするCAR構築物(配列番号(DNA):16316および12890、12943)を発現するレンチウイルスに感染させた。これらの構築物の対応するアミノ酸配列は、配列番号(16340、14634および14687)によって表される。配列番16316で表されるCARは、ヒト化BCMA抗体に由来する抗原結合ドメインを持つ第2世代のCARであり、41BB共刺激ドメインとCD3z活性化ドメインを含む。対照的に、配列番号12890および12943によって表されるCARは、二本鎖SIRである。両方のCAR構築物をpCCLc-MNDU3-WPREベクター(配列番号12639)にクローン化した。CARの配列番号12890および12943をコードするレンチウイルスベクターの完全な核酸配列は、それぞれ、配列番号14378~14385によって表される。CAR-T細胞はin vitroで最大2~4週間増殖した。GLucを安定して発現するL363細胞を、異なるCARを1:1のE:T比で発現するT細胞と48時間共培養した。マタドールアッセイを使用して細胞死を測定した。すべてのCAR-T細胞は、標的細胞死とサイトカイン(IFNγおよびTNFα)産生の適度な誘導を示した。さまざまなCAR-T細胞のin vivoでの有効性をテストするために、NSGマウスにホタルルシフェラーゼ(L363-Luc)を安定して発現する0.5 x 106 L363(形質細胞白血病)を尾静脈から注射し、2日後に2 x 106 in vitroで2~3週間増殖させたCAR構築物(配列番号16316および12890、12943)を発現するT細胞を注射した。配列番号16316および12890、12943のCARを発現するT細胞を与えられたマウスは、対照T細胞を与えられたマウスと比較して生存率が改善された。本質的に同様の結果が、配列番号13049、12996、および12837によって表されるCARを発現するT細胞を使用して得られる。
【0686】
BCMA抗原をマスクする異なるCAR構築物の能力は、L363およびU266細胞株において配列番号16316および12890、22943を有するCAR構築物を安定して発現することによって試験される。CAR 16316の安定した発現はBCMAの抗原マスキングをもたらすが、配列番号12890、12943の構築物の安定した発現では有意な抗原マスキングは観察されないことが観察される。同様に、配列番号13049、12996、および12837のCARは、BCMAを発現するL363またはU266細胞で発現した場合、抗原マスキングを引き起こさない。
【0687】
異なる抗原結合ドメインを有するメソセリン(MSLN)CARの比較分析
T細胞は、異なる抗原結合ドメインを含むが、同様のバックボーンを持つCARに感染している。それぞれMSLN-3-HL-AM(配列番号4136および4210)、MSLN-5(配列番号14412および14443)、MSLN-7D9-HL(配列番号14411および14442)、およびMSLN-hu22A10(配列番号14410および14441)に由来する異なるCARバックボーン(例えば、配列番号14291-14323)上でMSLN CARを発現し、抗原結合ドメイン(例えば、vLおよびvH断片、vL-CDR1-3およびvH-CDR-1-3)を含むT細胞は、MSLN-HuAM15およびMSLN76923-HLに由来する抗原結合ドーメインと比較して、優れたin vitro細胞毒性およびサイトカイン分泌を示す。したがって、対応するCDR領域を含むMSLN-3-HL-AM(配列番号4136および4210)、MSLN-5(配列番号14412および14443)、MSLN-7D9-HL(配列番号14411および14442)、およびMSLN-hu22A10(配列番号14410および14441)およびvLおよびvHに由来する抗原結合ドメインは、MSLNを標的とするCAR(例えば、第2世代のCAR、SIR、Ab-TCR、TFPなど)用に選択された。
【0688】
異なる抗原結合ドメインおよびバックボーンを有するメソセリン(MSLN)CARの比較分析。
異なる抗原結合ドメインを含み、異なるCARバックボーン(配列番号16312-16314; 16361-16363)上にMSLN CARを発現するT細胞は、pCCLc-MNDU3-WPREベクター(配列番号12639)を含む遺伝子導入を使用して生成された。CAR発現T細胞は、マタドールアッセイを使用して細胞毒性とサイトカインの産生についてSKOV3細胞に対してテストされた。 すべてのCAR-T細胞は、SKOV3細胞との共培養時に、軽度から中程度の細胞毒性とさまざまなレベルのサイトカイン産生を示した。次に、CAR-T細胞をNSGマウスのSKOV3異種移植モデルでテストした。この目的のために、1x106 SKOV3-Luc細胞を皮下注射し、1週間後に3 x 106CAR発現T細胞を静脈内注射した。腫瘍の成長は、生物発光イメージングと腫瘍体積測定によって監視された。腫瘍増殖の軽度から中程度の阻害が、配列番号16312-16314および16361-16362のCARを発現するT細胞を与えられたマウスで見られた。
【0689】
次、異なる抗原結合ドメインを含み、異なるCARバックボーン(配列番号16313-16314; 16331-16334; 14268-14269; 14321、および14374)上にMSLN CARを発現するT細胞は、pCCLc-MNDU3-WPREベクター(配列番号12639)を含む遺伝子導入を使用して生成された。これらのCAR構築物のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号16337-16338; 16354-16357; 16012-16013, 16065および16118によって表される。CARの配列番号14374、14321および14268をコードするレンチウイルスベクターの完全な核酸配列は、それぞれ、配列番号14381-14383によって表される。CARを発現するT細胞は、細胞毒性とサイトカインの産生についてMatadorアッセイを使用して、SKOV3細胞に対してテストされた。すべてのCAR-T細胞は、1:1のE:T比でSKOV3細胞と72時間共培養すると、中程度の細胞毒性とさまざまなレベルのサイトカイン産生を示した。CARを発現するT細胞は、CAR 16331-16334, 14268-14269; 14321、および14374を発現するT細胞には存在しなかったIFNγおよびTNFαの高いベースライン産生を示した。次に、CAR-T細胞をNSGマウスのSKOV3異種移植モデルでテストした。この目的のために、1 x 106 SKOV3-Luc細胞を皮下注射し、1週間後に3 x 106 CAR発現T細胞を静脈内注射した。腫瘍の成長は、生物発光イメージングと腫瘍体積測定によって監視された。配列番号16313-16314のCARを発現するT細胞を与えられたマウスは腫瘍を制御できなかった。配列番号16331-16334、14268-14269、14321、および14374のCARを与えられたマウスは、18日後に腫瘍を完全に根絶し、67日目までこれらの動物で測定可能な腫瘍は観察されなかった。結果は生物発光イメージングを使用して確認された。これにより、配列番号16331-16334、14268-14269、14321、および14374のCARを与えられた動物の生存率が大幅に改善された。
【0690】
異なる抗原結合ドメインを持つCD22CARの比較分析
T細胞は、異なる抗原結合ドメインを含むが、同様のバックボーンを持つCARに感染している。それぞれCD22-INO(配列番号14387および14418)、CD22-hu-HA22-2(配列番号14399および14430)CD22-h10F4v2(配列番号14407および14438)、およびCD22-hu-RFB4(配列番号14396および14427)に由来する第2世代CARバックボーン(例えば、配列番号13443、13390、13284および14185)および二本鎖SIRバックボーン(例:配列番号13473、13420、13314、14215)上でCD22 CARを発現し、抗原結合ドメイン(例:vLおよびvH断片、vL-CDR1-3およびvH-CDR-1-3)を含むT細胞は、hu-HA22-1(配列番号4123および4197)およびCD22-CELL7(配列番号14390および14421)に由来する抗原結合ドメイン(例えば、vLおよびvH断片)を含む対応するCARを発現するT細胞と比較して、優れたin vitro細胞毒性およびサイトカイン分泌を示す。したがって、hu-HA22-1およびCD22-CELL7に由来する抗原結合ドメインは、CD22を標的とするCAR(例えば、第2世代CAR、SIR、Ab-TCR、TFPなど)の構築には選択されなかった。代わりに、対応するCDR領域を含むフォームCD22-INO(配列番号14387および14418)、CD22-hu-HA22-2(配列番号14399および14430)CD22-h10F4v2(配列番号14407)、および14438)およびCD22-hu-RFB4(配列番号14396および14427)およびvLおよびvHに由来する抗原結合ドメインが、CD22を標的とするCAR用に選択された。
【0691】
葉酸受容体1(FR1またはFOLR1)CARを発現するT細胞は、FR1を発現するSKOV3細胞において細胞毒性を誘導する。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、FR1を標的とするCAR構築物(配列番号2062-2102; 2111-2140)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するSKOV3細胞を、CARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。 CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0692】
BAFF-R CARを発現するT細胞は、BAFF-Rを発現するJeko-1およびREC-1細胞において細胞毒性を誘導する。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、BAFF-Rを標的とする、異なるCAR構築物(配列番号 13922-13953, 13848-13858, 13869-13900, 13954-13964, 13975-14006)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。 hGLucを安定して発現するJeko-1およびREC-1細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。IFNγとTNFαの産生はELISAによって決定される。CARのin vivo活性は、NSGマウスでJeko-1異種移植モデルを使用して実証されている。CARを発現するT細胞(例えば、配列番号13897、13950、14003など)は、BAFF-R陽性細胞が遭遇したときにT細胞シグナル伝達を活性化することが示されている。
【0693】
メソセリン(MSLN)CARを発現するT細胞は、MSLNを発現するSKOV3細胞において細胞毒性を誘導する。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、MSLNを標的とする、異なるCAR構築物(配列番号2748-2777; 2797-2826; 2846-2875; 2895-2924; 2944-2973; 9386-9415; 9435- 9464)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。hGLucを安定して発現するSKOV3細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0694】
Her2 CARを発現するT細胞は、Her2発現MCF7細胞において細胞毒性を誘導する。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CAR構築物(配列番号2346、2356-2385; 2395、2405-2434; 2444、2454-2483; 9092-9121; 9141-9170)を発現するレンチウイルスに感染する。Her2 CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMCF7細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0695】
EGFRviii CARを発現するT細胞は、EGFRviiiを発現するU87MG細胞において細胞毒性を誘導する。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、EGFRviiiを標的とするCAR構築物(配列番号1660、1670-1699、1709、1719-1748、1758、1768-1797、1807、1817-1846)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するU87MG-EGFRviii細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。 CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0696】
EMR2 CARを発現するT細胞は、EMR2発現細胞において細胞毒性を誘導する。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、EMR2を標的とするCAR構築物(配列番号1856、1866-1895、1905、1915-1944、1954、1964-1993)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMolm13細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0697】
DLL3 CARを発現するT細胞は、DLL3発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、DLL3を標的とするCAR構築物(配列番号1553-1650)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するSK-MEL-37細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0698】
CD19 CARを発現するT細胞は、CD19発現細胞において細胞毒性を誘導する。 CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CD19を標的とするCAR構築物(配列番号769-817、720-768、867-915、965-1013、818-866、8632-8680)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するRAJIまたはNALM6細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0699】
CD20 CARを発現するT細胞は、CD20発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CD20を標的とするCAR構築物(配列番号1063-1111、1014-1062)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するRAJIまたはNALM6細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0700】
BCMA CARを発現するT細胞は、BCMA発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、BCMAを標的とするCAR構築物(配列番号377-572、8093-8484)を発現するレンチウイルスに感染している。 CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するU266およびL363細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0701】
FLT3 CARを発現するT細胞は、FLT3発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、FLT3を標的とするCAR構築物(配列番号8926-9023)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するRS4; 11およびMV4; 11細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0702】
CLL1 CARを発現するT細胞は、CLL1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CLL1を標的とするCAR構築物(配列番号8779-8876)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するRAJIおよびU937細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0703】
BST1 CARを発現するT細胞は、BST1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、BST1を標的とするCAR構築物(配列番号8485-8631)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するKG1細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0704】
IL1RAP CARを発現するT細胞は、IL1RAP発現細胞において細胞毒性を誘導する。 CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、IL1RAPを標的とするCAR構築物(配列番号9171-9317)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するTHP-1細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0705】
gpA33 CARを発現するT細胞は、gpA33発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、gpA33を標的とするCAR構築物(配列番号9024-9072)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMolm-13細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0706】
GPC3 CARを発現するT細胞は、GPC3発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、GPC3を標的とするCAR構築物(配列番号9024-9072)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するHepG2細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0707】
CLDN6 CARを発現するT細胞は、CLDN6発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CLDN6を標的とするCAR構築物(配列番号1455-1552)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するHepG2細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0708】
UPK1B CARを発現するT細胞は、UPK1B発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、UPK1Bを標的とするCAR構築物(配列番号1455-1552)を発現するレンチウイルスに感染する。 CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するOVCAR-3細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0709】
BMPR1B CARを発現するT細胞は、BMPR1B発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、BMPR1Bを標的とするCAR構築物(配列番号573-670)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。 GLucを安定して発現するLNCaPおよびCOV434細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0710】
WISP1 CARを発現するT細胞は、WISP1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、WISP1を標的とするCAR構築物(配列番号3856-3953)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMDA-MB-453細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0711】
CD133 CARを発現するT細胞は、CD133発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CD133を標的とするCAR構築物(配列番号11312-11458)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するRehおよびRS4; 11細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0712】
プロラクチン受容体(PRLR)CARを発現するT細胞は、PRLR発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、PRLRを標的とするCAR構築物(配列番号3121-3218)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMCF7細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0713】
IL13Ra2 CARを発現するT細胞は、IL13Ra2発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、IL13Ra2を標的とするCAR構築物(配列番号14132-14165)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するU87MG細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0714】
ネクチン-4 CARを発現するT細胞は、ネクチン-4発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、ネクチン-4を標的とするCAR構築物(配列番号3072-3120、9465-9513)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMCF7細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0715】
PSMA CARを発現するT細胞は、PSMA発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、PSMAを標的とするCAR構築物(配列番号3219-3365)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するPC3細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0716】
TSHR(甲状腺刺激ホルモン受容体)CARを発現するT細胞は、TSHR発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、TSHRを標的とするCAR構築物(配列番号3611-3659)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するTT細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0717】
CDH19 CARを発現するT細胞は、CDH19発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CDH19を標的とするCAR構築物(配列番号1308-1405)を発現するレンチウイルスに感染する。 CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMEL-624細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0718】
VISTA CARを発現するT細胞は、VISTA発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、VISTAを標的とするCAR構築物(配列番号3758-3855)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMOLM-13細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0719】
ROR1 CARを発現するT細胞は、ROR1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、ROR1を標的とするCAR構築物(配列番号9514-9562)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するJEKO-1細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0720】
Liv1 CARを発現するT細胞は、Liv1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、Liv1を標的とするCAR構築物(配列番号9514-9562)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMCF7細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0721】
インテグリンB7 CARを発現するT細胞は、インテグリンB7発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、インテグリンB7を標的とするCAR構築物(配列番号2533-2581)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するU266細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0722】
SLC34A2 CARを発現するT細胞は、SLC34A2発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、SLC34A2を標的とするCAR構築物(配列番号3562-3610)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するOVCAR-3およびOVCAR-4細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0723】
LY6E CARを発現するT細胞は、LY6E発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、LY6Eを標的とするCAR構築物(配列番号2582-2630)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するMolm13細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で4時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0724】
LYPD1 CARを発現するT細胞は、LYPD1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、LYPD1を標的とするCAR構築物(配列番号2631-2679)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するOVCAR-3細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0725】
STEAP1 CARを発現するT細胞は、STEAP1発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、STEAP1を標的とするCAR構築物(配列番号3513-3561、9563-9611)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するPC3およびLNCaP細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0726】
Muc5Ac CARを発現するT細胞は、Muc5Ac発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、Muc5Acを標的とするCAR構築物(配列番号2974-3022)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。Capan-1(膵臓がん)およびGLucを安定して発現するNCI-H1437細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0727】
Muc17 CARを発現するT細胞は、Muc17発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、Muc17を標的とするCAR構築物(配列番号3023-3071)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。同様にGLucを発現するSW1463およびSW403細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0728】
RNF43 CARを発現するT細胞は、RNF43発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、RNF43を標的とするCAR構築物(配列番号3366-3463)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するLovo細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0729】
Robo4 CARを発現するT細胞は、Robo4発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、Robo4を標的とするCAR構築物(配列番号3464-3512)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するME-1細胞を、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0730】
gPNMB CARを発現するT細胞は、gPNMB発現細胞において細胞毒性を誘導する。CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、gPNMBを標的とするCAR構築物(配列番号2239-2287)を発現するレンチウイルスに感染している。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現するU87MG細胞は、異なるCARを発現するT細胞とE:T比10:1で48時間共培養される。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0731】
FCRH5 CARを発現するT細胞は、FCRH5発現細胞において細胞毒性を誘導する。 CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、FCRH5を標的とするCAR構築物(配列番号1994-2042)を発現するレンチウイルスに感染する。CAR-T細胞はin vitroで10~14日間増殖する。GLucを安定して発現しているREC-1細胞を、異なるCARを発現しているT細胞とE:T比10:1で48時間共培養する。標的細胞の溶解の誘導を媒介するCAR-T細胞は、GLuc活性の測定によるマタドールアッセイを使用してアッセイされる。CARのin vivo活性は、NSGマウスの異種移植モデルを使用して実証されている。
【0732】
CD19を標的とするCARのin vivo有効性。
CD3磁気ビーズを使用して単離されたヒト末梢血T細胞は、CD19 CAR構築物(例えば、配列番号8633-8680)を発現するレンチウイルスに感染している。NSGマウス(ジャクソン研究所)は、175cGyの線量で亜致死的に照射される。照射後約24時間(2日目)に、マウスに尾静脈を介して2.5x104個のRAJI細胞を注射する。
【0733】
3日目に、マウス(各グループでn=5)を500万個のCD19CAR-T細胞で治療する。対照マウス(n=5)は、T細胞を受け取らないか、感染していないT細胞を受け取る。対照群のすべてのマウスが死亡するまで、マウスは1日おきにヒトIL2(400 IU腹腔内)を投与される。CD19 CAR-T細胞で処理されたマウスは、コントロールマウスよりも長く生存する。本質的に同様のアプローチを使用して、表Aに示すようにそれらの標的抗原を発現する細胞株の異種移植片を使用するか、または文献で入手可能な情報を使用して、本開示の他のCART細胞のインビボ有効性を試験する。
【0734】
養子細胞療法のためのCAR-T細胞の使用
本開示のCAR-T細胞は、養子細胞療法に使用することができる。一例として、再発した急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または高リスクの中等度B細胞リンパ腫 を有する患者は、CD19を標的とする養子移入されたCAR-T細胞を用いて免疫療法を受けることができる。各患者から集められた白血球アフェレシス産物に関しては、Miltenyi BiotecのCliniMACS Prodigy(登録)Systemを使用し、製造元の推薦に従って、CD3陽性Tリンパ球の選別が行われる。細胞は臨床グレードのCD19-CARウイルス(例えば、配列番号14056、配列番号14109、配列番号16330、配列番号903、配列番号791)で形質導入され、CAR-T細胞の選択と増殖が閉鎖系で起こる。その結果得られた細胞産物が品質管理試験(無菌試験、腫瘍特異的な細胞毒性試験を含む)を受けた後、凍結保存される。その間、白血球アフェレシスの後、研究参加者は、リンパ球枯渇化学療法(30mg/m2/日フルダラビン+500mg/m2/日シクロホスファミドx3日)を開始する。リンパ球枯渇レジメンの完了後1日目に、以前に保存されているCAR-T細胞産物が運搬され、解凍され、患者のベッドサイドで注入される。研究参加者には、静注されたCAR形質導入リンパ球、次に高用量(720,000IU/kg)のIL-2(Aldesleukin, Prometheus, San Diego,CA)が8時間毎に許容量まで投与される。CAR-T産物の用量は、研究プロトコールに従って、1x104CAR+veCD3細胞/kgから5x109 +veCARCD3細胞/kgまで様々である。CAR-T産物は、単回注入で投与されてもよいし、分割注入で投与されてもよい。研究参加者は、T細胞注入の少なくとも30分前に、15mg/kgのアセタミノフェン(経口)(最高650mg)および0.5~1mg/kgのジフェンヒドラミン(静注)(最高用量50mg)で前投薬されてもよい。研究参加者は、ヒトIL-2を毎日任意に注射されてもよい。次に、臨床および実験の相関追跡試験が医師の自由裁量により行われてもよく、その中には、C19発現ALL/リンパ腫細胞および/または養子免疫伝達T細胞に関する定量的RT-PCR研究、FDG-PETおよび/またはCTスキャン、病気特異的な病理学的評価のための骨髄検査、リンパ管生検、および/またはFDAのBiologic Response Modifiers Advisory
Committeeが設定したガイドラインに基づき遺伝子導入に適用される長期フォローアップなどが含まれてもよい。本質的に同様のアプローチを使用して、本開示のCARを発現するように操作された免疫細胞(例えば、T細胞)を使用して他の疾患を治療することができ、ここで、CARは、疾患を引き起こす細胞または疾患関連細胞で発現される1つまたは複数の抗原を標的とする。
【0735】
養子細胞療法のための複数の抗原を標的とするCAR-T細胞の使用。
多くのがんの患者は、さまざまな疾患の原因となる抗原または疾患に関連する抗原を標的とする養子移入されたCAR-T細胞を用いた免疫療法のIRB承認第I相臨床試験に登録されている。異なる病気用のCARが、病気を引き起こす細胞または病気関連細胞における標的抗原の既知の発現に基づいて選択される。可能ならば、病気を引き起こす細胞または病気関連細胞におけるSIRの標的の発現は、ABD-GGS-NLuc融合タンパク質(CARの抗原結合ドメインが、可撓性リンカーを通して、NLucタンパク質の非分泌形態に融合している)との結合により確認される。あるいは、病気を引き起こす細胞または病気関連細胞におけるCARの標的の発現は、商業的に入手可能な抗体を用いる免疫組織化学またはフローサイトメトリーを用いて確認される。T細胞は、白血球アフェレシスを用いて回収され、適切なCARをコードするレンチウイルスベクターで形質導入され、閉鎖系においてCD3/CD28ビーズを用いてエクスビボで繁殖させる。その結果得られた細胞産物が品質管理試験(無菌試験、腫瘍特異的な細胞毒性試験を含む)を受けた後、凍結保存される。その間、研究参加者は、リンパ球枯渇化学療法(30mg/m2/日フルダラビン+500mg/m2/日シクロホスファミドx3日)を開始する。リンパ球枯渇レジメンの完了後1日目に、研究参加者には、静注された形質導入リンパ球、次に高用量(720,000IU/kg)のIL-2(Aldesleukin, Prometheus, San Diego, CA)が8時間毎に許容量まで投与される。以前に保存されているCAR-T細胞産物が運搬され、解凍され、患者のベッドサイドで注入される。CAR-T産物の用量は、研究プロトコールに従って、1x104CAR+veCD3細胞/kgから5x109CAR+veCD3細胞/kgまで様々である。CAR-T産物は、単回注入で投与されてもよいし、分割注入で投与されてもよい。研究参加者は、T細胞注入の少なくとも30分前に、15mg/kgのアセタミノフェン(経口)(最高650mg)および0.5~1mg/kgのジフェンヒドラミン(静注)(最高用量50mg)で前投薬されてもよい。研究参加者は、ヒトIL-2を毎日任意に注射されてもよい。次に、臨床および実験の相関追跡試験が医師の自由裁量により行われてもよい。
【0736】
養子細胞療法の前の骨髄破壊的およびリンパ球枯渇化学療法の両方の使用。
研究参加者が骨髄破壊的およびリンパ球枯渇化学療法レジメンの両方を受けることを除いて、前の実施例に記載されたものと本質的に同様のプロトコルが使用される。例示的な骨髄破壊的コンディショニングレジメンには、FCE(フルダラビン25mg / m2 /日、-7日から-3日;シクロホスファミド200mg / m2 /日、-7日から-3日;およびエトポシド250mg / m2 /日、-4日から-3日)、FCIE(フルダラビン25 mg / m2 /日、-7日から-3日;シクロホスファミド200 mg / m2 /日、-7日から-3日;イダルビシン12 mg / m2 /日、-7日から-5日およびエトポシド250mg / m2 /日、-4から-3日)、FluCyE(フルダラビン30 mg / m2 /日、シタラビン1.5 g / m2 /日、フルダラビンおよびエトポシド100 mg / m2 /日を各薬剤とともに投与-6日目から-1日目に投与)、またはFE(フルダラビン30mg / m2 /日および-5日目から-1日目にエトポシド100mg / m2 /日)またはエトポシド(50-100mg / m2 /日) -5日目から-1日目)が含まれる。対象は、化学療法の完了後24~72時間でCAR-T細胞産物を受け取る。サイトカイン放出症候群と神経毒性の発生率と重症度は、CAR-T細胞の投与前に骨髄破壊的化学療法とリンパ球枯渇化学療法の両方を受けている患者で減少する。
【0737】
mTOR阻害剤とCAR-T細胞との併用
研究は前述の実施例の記載同様に行われるが、CAR-T細胞の注入後1日目に始まって、研究参加者には、mTOR阻害剤、例えばアロステリック阻害剤(例えば、RAD001)を標的トラフ値が0.1~3ng/mLを提供する用量で投与する点が異なっている(この場合、トラフ値とは、次の用量直前における血漿中の薬剤濃度、または2つの用量間の最低薬剤濃度を意味する)。
【0738】
イブルチニブとCAR-T細胞との併用
研究は前述の実施例の記載同様に行われるが、CAR-T細胞の注入後1日目に始まって、研究参加者には、140mg/d~420mg/dの用量でイブルチニブを経口投与する点が異なっている。イブルチニブを投与される研究参加者は、イブルチニブなしでCAR-T細胞を投与される参加者と比較して、重篤なサイトカイン放出症候群の発生数が少ない。
【0739】
養子細胞療法のための同種異系CAR-T細胞の使用。
再発性骨髄腫および原発性滲出液リンパ腫の患者は、養子移入された同種異系CAR-T細胞による免疫療法を受ける可能性がある。HLA適合ドナーから収集された白血球アフェレーシス製品は、ミルテニーバイオテクのCliniMACSProdigy(登録商標)システムを使用し、メーカーの推奨に従ってCD3陽性Tリンパ球の選択を受ける。BCMA特異的CAR(配列番号12837、12890、12943または13049)は、本質的にEyquem J et al(Nature、543(7643):113-117)による研究に記載されているように、T細胞のTRAC遺伝子座に向けられている。細胞は閉鎖系で9-12日間増殖す。その結果得られた細胞産物が品質管理試験(無菌試験、腫瘍特異的な細胞毒性試験を含む)を受けた後、凍結保存される。その間、研究参加者は、リンパ球枯渇化学療法(30mg/m2/日フルダラビン+500mg/m2/日シクロホスファミドx3日)を開始する。リンパ球枯渇レジメンの完了後1日目に、研究参加者には、静注された形質導入リンパ球、次に高用量(720,000IU/kg)のIL-2(Aldesleukin, Prometheus, San Diego, CA)が8時間毎に許容量まで投与される。SIR-T細胞産物が運搬され、解凍され、患者のベッドサイドで注入される。CAR-T産物の用量は、研究プロトコールに従って、1x104CAR+veCD3細胞/kgから5x109CAR+veCD3細胞/kgまで様々であってよい。CAR産物は、単回注入で投与されてもよいし、分割注入で投与されてもよい。研究参加者は、CAR-T細胞注入の少なくとも30分前に、15mg/kgのアセタミノフェン(経口)(最高650mg)および0.5~1mg/kgのジフェンヒドラミン(静注)(最高用量50mg)で前投薬されてもよい。次に、臨床および実験の相関追跡試験が医師の自由裁量により行われてもよく、その中には、C19発現ALL/リンパ腫細胞および/または養子免疫伝達T細胞に関する定量的RT-PCR研究、FDG-PETおよび/またはCTスキャン、病気特異的な病理学的評価のための骨髄検査、リンパ管生検、および/またはFDAのBiologic Response Modifiers Advisory Committeeが設定したガイドラインに基づき遺伝子導入に適用される長期フォローアップなどが含まれてもよい。免疫抑制剤の使用も医師の自由裁量に任される。本開示のCARを発現するように改変された同種免疫細胞(例えば、T細胞)を用いて他の病気を治療するのにも、本質的に同様なアプローチ(すなわち、病気を引き起こす細胞または病気関連の細胞で発現する抗原(複数も可))を、CARが標的にするアプローチ)が使用できる。
【0740】
CAR-T細胞肝動脈注入。
CAR-T細胞は、静注に加えて、高濃度のCAR-T細胞を病気関連の局部または器官に提供するため、動注されてもよい。以下の実施例では、本アプローチは、メソテリン(MSLN) を発現する消化器系がんの肝臓転移を患う患者の場合に使用される。他の腫瘍抗原を標的にするCAR-T細胞の動注にも、本質的に同様なアプローチが使用できる。
【0741】
治療開始時に、マッピング血管造影図が、右総大腿動脈アプローチで得られる。胃十二指腸動脈および胃動脈が、他の潜在的な肝臓外灌流源に加えて、マイクロコイルで塞栓される。 MSLN CARを単独でまたは組み合わせて発現するT細胞の投与についても、同じ動脈アクセス手順が実施される(配列番号16331~16334; 14268~14269; 14321、または14374)。T細胞は0日目に回収され、CARをコードするレンチウイルスで感染させ、前述の実施例に記載されるように繁殖される。CAR-T細胞は、用量漸増方式で14日目(108CAR-T細胞)、28日目(109CAR-T細胞)、および44日目(1010CAR-T細胞)に投与される。CAR-T細胞は、60cc注射器を用いて、2cc/秒未満の速度で、手動で注入される。全注入量は約100ccである。動脈流の維持を確認するため、調整済み造影剤流量を有する血管造影法が最初の50cc注入後、並びにCAR-T注入の完了時点で行われる。可能ならば、注入は適切な肝臓動脈に対して行われる。ある患者は異常な肝臓動脈構造を有しており、右か左の肝臓動脈が適切な肝臓動脈から隆起していない。斯かる場合、CAR-T細胞の用量は、肝臓葉体積計算に基づいて分割される。斯かる場合、釣り合いの取れたCAR-Tが両肝臓葉へ確実に運搬されるように、分割用量は右および左の肝臓動脈に別々に送られる。臨床評価が、治療開始時、注入日、および注入後の1日目、2日目、4日目、および7日目に行われる。
【0742】
CAR-T細胞の腹腔内投与
CAR-Tは、実質的にKoneru Mら(Journal of Translational Medicine; 2015; 13:102)記載のように、腹腔内投与してもよい。以下の例において、斯かるアプローチが、葉酸受容体アルファ(FR1)を発現する卵巣がんにより腹膜の病変を患っている患者の場合に使用される。他の腫瘍抗原を標的にするCAR-T細胞の腹腔内注射にも、本質的に同様なアプローチが使用できる。
FR1(FOLR1)発現のがんを試験するため、高リスクで重篤な再発卵巣がんを患っている患者にスクリーニングのインフォームドコンセントが提供されるであろう。FR1の発現が免疫組織化学により確認された場合、患者には、末梢血から得られる白血球アフェレシス産物が与えられるであろう。過剰な血小板および赤血球の混入が白血球アフェレシス産物から除去され、該産物は凍結される。本研究の治療段階において、白血球アフェレシス産物は解凍および洗浄される。その後、CD3+T細胞は、CD3/CD28ビーズを用いた磁気分離により、解凍された白血球アフェレシス産物から単離されるであろう。活性化されたT細胞は、FOLR1 CAR [配列番号2120または2121]でレンチウイルス的に形質導入され、CD3 / CD28ビーズ増幅プロトコルを使用してさらに増幅される。
【0743】
これらの自己T細胞は、FOLR1 CAR [配列番号2120または2121]を発現するように遺伝子操作されるであろう。 層状(パラフィン包埋)腫瘍または新たに生検された腫瘍の免疫組織化学(IHC)分析により確認されるFR1抗原を発現する、高リスクで重篤な再発性卵巣がん、原発性腹膜がん、または卵管がんの患者は、潜在的に本研究の対象となる資格を得るであろう。
【0744】
最大耐量(MTD)を確立するため、3~6人の患者のコホートに、漸増用量の修飾T細胞が注入されるであろう。4つの計画された用量レベルがあります:3×105、1×106、3×106、および1×107 FOLR1CAR-T細胞/ kg。コホートIおよびIIは、3×105FOLR1 [配列番号:2120または2121] CAR-T細胞/ kgで治療されるが、コホートIIの患者はリンパ球枯渇性シクロホスファミドも投与される。コホートII~Vには、シクロホスファミドで前治療された後、漸増用量の修飾T細胞が投与されるであろう。用量750mg/m2のリンパ球枯渇性シクロホスファミドは、最初のT細胞注入の2~4日前に投与されるであろう。その後、標準の3+3用量漸増スキームが行われる。最初の用量レベルがMTDを超える場合、3~6人の患者の後続のコホートは、リンパ球枯渇シクロホスファミドを追加せずに、1×105 FOLR1CAR-T細胞/ kgの-1用量レベルで治療される(コホート-I)。
【0745】
T細胞注入前に、IPカテーテルが配置されるであろう。カテーテルは、修飾T細胞の投与準備が整った時点で配置されるであろう。患者は、CAR-T細胞の第一注入前に病院の入院患者ユニットへの入院が許可され、CAR-T細胞の第二注入の少なくとも3日目まで入院を続けるであろう。治療対象の第一コホートの患者およびその後の各コホートで治療される第一患者は、集中治療室(ICU)への入院が許可され、その後の患者は、腫瘍内科入院患者サービスへの入院が許可されるかもしれない(治療医師の臨床判断に任される)。患者には、CAR修飾T細胞で治療を開始する2~4日前に、リンパ球枯渇性シクロホスファミド(750mg/m2IV)化学療法の単一用量が与えられる。形質導入されたT細胞は、注入前に、数、純度、生育可能性、および無菌性の品質試験が行われる。全患者が、遺伝子組換えT細胞の用量の50%を静注されるであろう。患者は毒性に関して注意深く監視されるであろう。1~3日後、T細胞の残りの用量が腹腔内注射として投与されるであろう。
【0746】
血液試料が処置前後に全患者から回収され、毒性、治療効果、および遺伝子組換えT細胞の生存が評価される。
【0747】
腫瘍内注入のための、CAR-T細胞の使用
更に、CAR-T細胞は、実質的にBrown CEら、Clin Cancer Res, 2015年9月15日;21(18):4062-4072に記載される方法で、腫瘍内に投与されてもよい。以下の実施例では、本アプローチは、EGFRviiiを発現する再発性膠芽細胞腫(GBM)の患者の場合に使用される。他の腫瘍抗原を標的にするCAR-T細胞の腫瘍内注射にも、本質的に同様なアプローチが使用できる。
【0748】
再発性GBMにおいて、(配列番号1699または1700)CARを発現するT細胞を試験するため、パイロット安全性および実行可能性研究が行われるであろう。参加患者は全員、文書によるインフォームドコンセントを提供するように求められるであろう。
【0749】
適格患者には、再発性または難治性の単源性グレードIIIまたはIVテント上膠芽腫(腫瘍は、心室/CSF経路とのコミュニケーションを示しておらず、しかも切除可能である)の患者が含まれる。 患者は、高グレード膠芽腫(WHOグレードIIIまたはIV)の初期診断後に登録され、その時点で末梢血単核細胞(PBMC)回収のために白血球アフェレシスが行われるであろう。 これらの細胞は、前の例で説明したように、対応するレンチウイルスベクターでの感染後にEGFRviii CAR(配列番号1699または1700)を発現するようにT細胞を操作するために使用される。あるいは、CAR-T細胞は、レトロウイルスベクターで感染後、またはsleaping beautyトランスポゾンを用いて、またはIVT mRNAのトランスフェクションにより作製してもよい。その後、遊離試験済み治療用SIR-T細胞は、冷凍され、後の使用のために保存される。最初の腫瘍再発の時点で、研究参加者は、Rickhamリザーバ/カテーテルの配置と共に、腫瘍の切除が行われるであろう。 同時に、治療用SIR-T細胞は解凍され、CD3 / CD28ビーズベースの急速増殖プロトコルを使用してin vitroで再増殖される。手術からの回復およびベースライン後のMRイメージングに続いて、CAR-T細胞は、基本的に説明されているように、留置カテーテルを介して切除腔に直接投与される(Brown CEら、Clin Cancer Res, 2015年9月15日;21(18):4062-4072)。細胞は、21ゲージバタフライ針を用いて、2mLの容積を5~10分かけて注入し、その後、保存剤フリーの通常の生理食塩水と一緒に2mLを5分かけてフラッシングすることにより、Rickhamリザーバに手動で注入されるであろう。プロトコール治療計画は、5週間かけて頭蓋内に投与される12CAR-T細胞用量の標的に関して、週毎の治療サイクルで構成される患者内用量漸増計画を明記するであろう。サイクル1、2、4、および5中は、T細胞注入はサイクル週の1日目、3日目、および5日目に行なわれ、3週目はサイクルが休みとなるであろう。安全性のため、サイクル1において、患者内用量漸増戦術を利用するであろう(SIR-T細胞の用量は、1日目、3日目、および5日目に投与される注入当たり、それぞれ107、5x107、および108細胞である)。その後、4週間に亘り、9回の追加注入により108のCAR-T細胞が投与されるであろう。応答を評価するための撮像が、3週目の休憩サイクルおよび5週目の後に行われるであろう。その後、毒性の監視および有害事象報告のため、NCI共通毒性基準第2.0版(https://ctep.ifo.nih.gov/l)に提供されるガイドラインが実行されるであろう。
【0750】
移植前の骨髄または末梢血幹細胞調製物のex vivoパージのためのCAR-T細胞の使用。 骨髄または幹細胞移植前のがん細胞の末梢血幹細胞調製物をパージするのに、CAR-T細胞が使用できる。 次の例では、BCMAを発現するCAR-T細胞を使用して、自家幹細胞(または骨髄)移植の前に多発性骨髄腫の患者から得られた骨髄または末梢血幹細胞をパージする。本質的に同様のアプローチを使用して、がん細胞で発現し、正常な造血幹細胞では発現しないか無視できる他の適切な抗原を標的とするCAR-T細胞を使用して骨髄または末梢血幹細胞調製物をパージすることができる。
【0751】
患者には、末梢血単核細胞(PBMC)を回収するため、白血球アフェレシスが行われる。T細胞はCD3ビーズを用いて精製される。
【0752】
これらの細胞は、前の例で説明したように、対応するレンチウイルスベクターに感染した後、ピューロマイシンレジスタン遺伝子(PAC)を含むBCMA CAR CD8SP-BCMA-BB-CAR02-vL-[hTCRa-CSDVP]-F-F2A-SP-BCMA-BB-CAR02-vH-[hTCRb-KACIAH]-F-P2A-Xba-PAC [SEQ ID NO: 546]を発現するようにT細胞を操作するために使用される。このCARは、骨髄腫細胞に発現する抗原であるBCMAを標的としている。CAR CD8SP-BCMA-BB-CAR02-vL- [hTCRb-KACIAH] -F-P2A-SP-BCMA-BB-CAR02-vH- [hTCRa-CSDVP] -F-F2A-PAC [SEQ ID NO: 552]またはCD8SP-BCMA-BB-CAR02-vL-IgCL-Bam-CD3zECDTMCP-opTFP2A-Spe-SP-Bst-BCMA-BB-CAR02-vH-IgG1-CH1-KPN-CD3zECDTMCP-opt2-F-F2A -Xba-PAC [配列番号553]を発現するCAR-Tは、代替として、またはBCMAを標的とする上記のCAR-T細胞と組み合わせて使用される。あるいは、CAR-T細胞は、レトロウイルスベクターで感染後、またはsleaping beautyトランスポゾンを用いて、またはIVT mRNAのトランスフェクションにより作製してもよい。その後、遊離試験済み治療用CAR-T細胞は、冷凍され、後の使用のため、または新鮮な使用のために保存される。骨髄細胞および末梢血前駆細胞産物は、標準の手法を用いて、多発性骨髄腫の患者から回収される。末梢血幹細胞の動員のため、患者には、シクロホスファミドの24時間後に始まって、フェレシスが完了するまで、毎日、3mg/m2のシクロホスファミド、次に10μg/kgのG-CSFを皮下注射される。末梢血幹細胞は、末梢血CD34+の細胞数が15細胞/マイクロLになったら回収されるであろう。回収目標は、1日当たり3血液量を処理し、処理後、最低2.0x106CD34+細胞/kgに達するまでとなるであろう。骨髄および末梢血幹細胞産物に関しては、任意に赤血球の枯渇が行われるであろう、および/またはMiltenyi BiotecのCliniMACS Prodigy(登録)Systemを使用し、製造元の推薦に従って、CD34発現細胞の濃縮が行われるであろう。該産物は、新鮮なエクスビボパージングに使用されるであろう、あるいは凍結乾燥されるであろう。骨髄および末梢血幹細胞産物は、パージングのため、エフェクター対標的(E対T)比5対1から30対1の範囲で、4~24時間、100IUの組換えヒトIL2で補充されたXVIVO培地(Lonza)において、解凍されたSIR-T細胞と共培養されるであろう。細胞は、5%のCO2加湿型培養器で、37℃で培養されるであろう。共培養期間の終わりに、細胞のアリコートが、無菌および品質試験(CFU-GMの測定、CD34およびCD138陽性細胞のフローサイトメトリーを含む)のために回収されるであろう。残りの試料は、以前に骨髄破壊的化学療法(例えば、70mg/m2の2分割用量、全用量140mg/m2の高用量メルファラン)を受けたことのある患者に静注されるであろう。
【0753】
望ましい特性を有するSIRを選択するための、in vitroおよびin vivo選択の使用。表7に記載されているCD19を標的とするCARのプールは、TRAC gRNAおよび当技術分野で知られている技術を使用して、T細胞のTRAC遺伝子座を標的としている。ターゲティングベクターは、CARインサートの終止コドンの下流にあるDNAバーコードも持っている。T細胞は末梢血由来であってよい。代替実施形態では、T細胞は、業界で周知の技術を用いて、iPSCまたは造血器幹細胞由来の単一クローンであってもよい。CARのプールを発現するT細胞は、1~21日間、in vitroでRAJI細胞と共培養される。CAR-T細胞プールの分取部分が標的細胞との培養前に回収され、更に共培養後、様々な日に回収される。試料は、標的細胞へ接触させた後、異なるCARの相対頻度を決定するため、次世代シーケンシングへ回される。標的細胞との共培養後、増殖応答の改善されたCARを決定するのに、バイオインフォ―マティクス分析が使用される。in vivoでT細胞上の増殖可能性の高いCAR、および/またはin vivoで長期継続するCAR,および/または腫瘍に負けた動物と比較して生存動物における頻度(初期T細胞母集団の頻度に対して標準化された頻度)の高いCARを決定するのに、本質的に同様のアプローチが使用される。本開示の代替実施形態において、ヒトの臨床サンプルにおいても、異なる特性および/または結果(限定されないが、改善された長期生存率、サイトカイン放出症候群の低い発生頻度、低い神経毒性、および/または改善された長期継続性)に関連するCARを同定するのに、本質的に同様のアプローチが使用される。斯かるCARは、その後、異なる病状および異なる患者を治療するための多様な特性を有する多様なCARのサブプール(同じまたは異なる抗原結合ドメインを標的にするCARを含む)を開発するのに、単独で、または種々の組み合わせで使用できる。別の実施形態では、CAR-T細胞は標的細胞株に接触させ、その後、フローサイトメトリーで決定される細胞内IFNγの程度に基づいて、異なるセットに分類される。低/高IFNγ母集団における異なるCARの頻度は、次世代シーケンシングにより決定され、対照CAR-T細胞母集団(すなわち、標的細胞株に接触していないCAR-T細胞、またはCARの標的を発現しない細胞に接触したCAR-T細胞)の頻度に対して標準化される。斯かる分析に基づいて、異なるレベルのINFα生産に関連しているCARが決定される。同様なアプローチが、任意の望ましい特性または属性(限定されないが、低いTNFα生産、枯渇マーカーの低い発現、最終分化のマーカーの低い発現、および/または細胞毒性のマーカーの高い発現などが含まれる)、あるいはそれらの組み合わせを有するCARをスクリーニングまたは選別するのに使用される。
【0754】
HIV-1 Vifタンパク質は、レンチウイルス媒介性の遺伝子導入および発現を増強する。
【0755】
293FT細胞は、トランスフェクションの日に約80%コンフルエントになるように、10cmの組織培養プレート中の抗生物質を含まない10mlのDMEM-10培地にプレーティングされた。 次の日、細胞は、配列番号11244をコードする10μgのレンチウイルス発現プラスミドまたはCD19を標的とし、HIV-1 Vifタンパク質(配列番号11245)とパッケージングプラスミド(7.5μgのPSPAX2プラスミドと2μgのPLP / VSVG)を共発現する第2世代CARを使用するリン酸カルシウムトランスフェクション法によってトランスフェクトされた。トランスフェクションの約15~16時間後、9 mlの培地を除去し、5mlの新鮮な培地と交換する。トランスフェクションの約48時間後、5 mlの上清を収集し(最初の収集)、新しい5mlの培地と交換する。トランスフェクションの約72時間後に、すべての培地を収集しました(2回目の収集、通常は約6 ml)。収集した上清をプールし、1000 rpmで1分間遠心分離して、細胞破片や非接着細胞を除去する。無細胞上清を0.45μmシリンジフィルターでろ過する。レンチウイルスの力価は、p24ELISAを使用して測定される。バフィーコート細胞は、血液銀行の健康な匿名化された成人ドナーから入手し、Ficoll-Hypaque勾配遠心分離によって末梢血単核細胞(PBMC)を分離するために使用される。T細胞は、CD3磁気マイクロビーズ(Miltenyi Biotech)を使用し、製造元の指示に従ってPBMCから分離される。T細胞は、10 ng / ml CD3抗体、10 ng / ml CD28抗体、および100 IU組換えヒトIL2を含むXVIVO培地(Lonza)に再懸濁される。CD19を標的とする第2世代CAR(配列番号11244)またはCD19を標的としHIV-1 Vifタンパク質を共発現する第2世代CAR(配列番号11245)のいずれかをコードする等量のレンチウイルスベクターを使用して、精製T細胞を感染させる。両方のCAR構築物はMYCエピトープタグも持っている。T細胞上のCARの発現は、APC結合MYC抗体による免疫染色と感染後48時間のFACS分析によって調べられる。Vif発現のないCAR構築物と比較して、有意に高い割合のT細胞がVifを共発現するCAR構築物に感染していることが見出されている。
【0756】
FACS分析は、感染後3日で繰り返される。この場合も、Vif発現のないCAR構築物と比較して、有意に高い割合のT細胞がVifを共発現するCAR構築物に感染していることが見出されている。
【0757】
実験はまた、BC-1細胞株において繰り返される。この場合も、Vifを発現しないCAR構築物と比較して、Vifを共発現するCAR構築物に感染しているBC-1細胞の割合が大幅に高いことがわかる。
ヒトCD19抗原に特異的に結合する抗原結合モジュールを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする少なくとも1つの組換えポリヌクレオチドであって、抗原結合モジュールは、
(a)配列番号16140のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号16171のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号16202のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号16233のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号16264のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域;及び配列番号16295のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域;
(b)配列番号11964のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号12071のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号12178のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号12285のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号12392のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域;及び配列番号12500のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域;
(c)配列番号11965のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号12072のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号12179のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号12286のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号12393のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域;及び配列番号12501のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域;
(d)配列番号11967のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号12074のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号12181のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号12288のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号12395のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域;及び配列番号12503のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域;
(e)配列番号11993のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号12100のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号12207のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号12314のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号12421のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域; 及び配列番号12529のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域;
(f)配列番号11994のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号12101のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号12208のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号12315のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号12422のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域; 及び配列番号12530のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域;又は
(g)配列番号12033のアミノ酸配列を含むvL CDR1領域;配列番号12140のアミノ酸配列を含むvL CDR2領域;配列番号12247のアミノ酸配列を含むvL CDR3領域;配列番号12354のアミノ酸配列を含むvH CDR1領域;配列番号12461のアミノ酸配列を含むvH CDR2領域;及び配列番号12569のアミノ酸配列を含むvH CDR3領域を含む、組換えポリヌクレオチド。
前記抗原結合モジュールは、scFv、Fab、Fab'、Fv、F(ab')2、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の少なくとも1つの組換えポリヌクレオチド。
請求項1または2に記載の組換えポリヌクレオチド、請求項14に記載のベクター、請求項13に記載の組換えポリペプチド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、細胞。
請求項1または2に記載の組換えポリヌクレオチド、請求項14に記載のベクター、請求項13に記載の組換えポリペプチド、または請求項15に記載の細胞と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。
癌、ウイルス性疾患、自己免疫疾患、 変性疾患、または感染症からなる群から選択される疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1~13のいずれか一項に記載のCARまたは抗体をコードするポリヌクレオチドの使用。