(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073577
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】複合成形品を製造するためのシリコーン組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C08L 83/07 20060101AFI20240522BHJP
C08L 83/05 20060101ALI20240522BHJP
C08K 5/10 20060101ALI20240522BHJP
C08L 71/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
C08L83/07
C08L83/05
C08K5/10
C08L71/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024040795
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2022510982の分割
【原出願日】2019-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns-Seidel-Platz 4, D-81737 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クーン,アルビッド
(72)【発明者】
【氏名】シュライバー,インゲ
(72)【発明者】
【氏名】シュテップ,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CH052
4J002CP042
4J002CP141
4J002DJ016
4J002EH157
4J002FB146
4J002FB266
4J002FD142
4J002GH00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基材表面をコーティングするための又は複合成形品を製造するための方法において使用され、基材に対し特に良好な接着を示し、同時に、処理装置に対して接着せず、成形品は容易に鋳型から外すことができる、シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】以下を含有する付加架橋性シリコーンゴム組成物。
(A)分子内に少なくとも2つの脂肪族二重結合を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサン、
(B)分子内に少なくとも3つのSi-H基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンであって、そのSi-H含量は、少なくとも0.45重量%かつ1.3重量%以下であり、
(C)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒、
(D)一般式(I)の少なくとも1つの結合剤:
[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]nB(I)、及び
(E)一般式(III)のNO環状オルガノ水素ポリシロキサン:
(SiHR7O)g(SiR8R9O)k(III)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)分子内に少なくとも2つの脂肪族二重結合を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサン、
(B)分子内に少なくとも3つのSi-H基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンであって、そのSi-H含量は、少なくとも0.45重量%かつ1.3重量%以下であり、
(C)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒、
(D)一般式(I)の少なくとも1つの結合剤:
[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]nB (I)
ここで、
A1は、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている二価のC1-C18炭化水素基であり、
A2は、隣接していない酸素原子もしくは窒素原子、もしくは式-NR-、-CO-もしくは-CO-NR1-の基によって中断されているか、又は中断されておらず、さらに非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている、二価のC1-C24炭化水素基であり、但し、酸素原子又は窒素原子1個あたり少なくとも5個の炭素原子が存在する、
Xは、二価の基-O-、-CO-又は-COO-であり、
Bは、炭素原子及び少なくとも2個の隣接していない酸素原子を含む極性基であり、ここで、酸素原子は、酸素として存在するか、又はヒドロキシル基、C1-C4-アシル基もしくはC1-C3-トリアルキルシリル基内に存在し、但し、酸素原子1個あたり3個以下の炭素原子が存在する、
mは、0又は1であり、
nは、2であり、
zは、0又は1であり、
R及びR1は、各々、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている一価C1-C10炭化水素基であり、
但し、基[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]は、同一であるか、又は異なっている、
及び、
(E)一般式(III)のNO環状オルガノ水素ポリシロキサン:
(SiHR7O)g(SiR8R9O)k (III)、
ここで、
R7は、水素であるか、又はR8と同一であり、かつ、
R8及びR9は、それぞれ互いに独立して、
(a)1~20個の炭素原子を有する一価脂肪族飽和炭化水素基であるか、
又は、
(b)6~20個の炭素原子を有するとともに少なくとも1つの芳香族C6環を含む、ハロゲン置換基もしくは非置換一価炭化水素基であるか、
又は、
(c)3~20個の炭素原子を有する、一価シクロ脂肪族ハロゲン置換基もしくは非置換炭化水素基であるか、
又は、
(d)2~20個の炭素原子を有するとともに、O原子もしくはN原子を含んでもよく、もしくは含まなくてもよい、ハロゲン置換基、飽和基、一価炭化水素基であるか、
又は、
(e)Si原子を含むとともに、1つ以上のSi結合水素原子を有するかもしくは有さない、直鎖状基、環状基もしくは分枝鎖状基であり、
gは、1以上であり、かつ、
kは、0又は正の整数、好ましくは0、1、2、特に好ましくは0であり、
但し、gとkとの合計は、4以上である、
を含有する、付加架橋性シリコーンゴム組成物。
【請求項2】
一般式(I)におけるmが0であることを特徴とする、請求項1に記載の付加架橋性シリコーンゴム組成物。
【請求項3】
20℃でのオルガノポリシロキサン(B)の粘度が、5~50000mPa・s、特に10~5000mPa・s、特に好ましくは15~100mPa・sであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の付加架橋性シリコーンゴム組成物。
【請求項4】
(D)が、オリゴエチレングリコールと末端不飽和C6-C16カルボン酸とのジエステルであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の付加架橋性シリコーンゴム組成物。
【請求項5】
カルボン酸が、10-ウンデセン酸であることを特徴とする、請求項4に記載の付加架橋性シリコーンゴム組成物。
【請求項6】
オリゴ-エチレングリコールは、2~40のエチレングリコール単位-[CH2-CH2-O]-、好ましくは3~20のエチレングリコール単位-[CH2-CH2-O]-、特に4~10のエチレングリコール単位-[CH2-CH2-O]-を有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の付加架橋性シリコーンゴム組成物。
【請求項7】
基材表面をコーティングするための及び複合成形品を製造するための方法であって、
ここで、
a)基材表面が、シリコーンゴム組成物によってコーティングされるか、
又は/並びに、基材及び/もしくは基材の組み合わせが組み立てられるとともに、前記シリコーンゴム組成物が中間領域内に導入され、
b)次いで、前記シリコーンゴム組成物が硬化し、
c)次いで、離型操作が行われ、
ここで、前記シリコーンゴム組成物は、下記(A)~(E)を含有する付加架橋性シリコーンゴム組成物であり:
(A)分子内に少なくとも2つの脂肪族二重結合を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサン、
(B)分子内に少なくとも3つのSi-H基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンであって、そのSi-H含量は、少なくとも0.45重量%かつ1.3重量%以下であり、
(C)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒、
(D)一般式(I)の少なくとも1つの結合剤:
[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]nB (I)
ここで、
A1は、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている二価のC1-C18炭化水素基であり、
A2は、隣接していない酸素原子もしくは窒素原子、もしくは式-NR-、-CO-もしくは-CO-NR1-の基によって中断されているか、又は中断されておらず、さらに非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている、二価のC1-C24炭化水素基であり、但し、酸素原子又は窒素原子1個あたり少なくとも5個の炭素原子が存在する、
Xは、二価の基-O-、-CO-又は-COO-であり、
Bは、炭素原子及び少なくとも2個の隣接していない酸素原子を含む極性基であり、ここで、酸素原子は、酸素として存在するか、又はヒドロキシル基、C1-C4-アシル基もしくはC1-C3-トリアルキルシリル基内に存在し、但し、酸素原子1個あたり3個以下の炭素原子が存在する、
mは、0又は1(好ましくは0)であり、
nは、2であり、
zは、0又は1であり、
R及びR1は、各々、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている一価C1-C10炭化水素基であり、
但し、基[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]は、同一であるか、又は異なっている、
及び、
(E)一般式(III)のNO環状オルガノ水素ポリシロキサン:
(SiHR7O)g(SiR8R9O)k (III)、
ここで、
R7は、水素であるか、又はR8と同一であり、かつ、
R8及びR9は、それぞれ互いに独立して、
(a)1~20個の炭素原子を有する一価脂肪族飽和炭化水素基であるか、
又は、
(b)6~20個の炭素原子を有するとともに少なくとも1つの芳香族C6環を含む、ハロゲン置換基もしくは非置換一価炭化水素基であるか、
又は、
(c)3~20個の炭素原子を有する、一価シクロ脂肪族ハロゲン置換基もしくは非置換炭化水素基であるか、
又は、
(d)2~20個の炭素原子を有するとともに、O原子もしくはN原子を含んでもよく、もしくは含まなくてもよい、ハロゲン置換基、飽和基、一価炭化水素基であるか、
又は、
(e)Si原子を含むとともに、1つ以上のSi結合水素原子を有するかもしくは有さない、直鎖状基、環状基もしくは分枝鎖状基であり、
gは、1以上であり、かつ、
kは、0又は正の整数、好ましくは0、1、2、特に好ましくは0であり、
但し、gとkとの合計は、4以上である、
基材表面をコーティングするための及び複合成形品を製造するための方法。
【請求項8】
熱可塑性プラスチック、好ましくはポリアミド、ポリカーボネート及びポリブチレンテレフタレート、特に好ましくはポリカーボネートが、基材として使用されることを特徴とする、請求項7に記載の基材表面をコーティングするための及び複合成形品を製造するための方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法によって得られる、コーティングされた基材又は複合成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン組成物、並びに、複合材料、例えばポリカーボネート及びポリブチレンテレフタレートなどの硬質熱可塑性プラスチックと組み合わせた軟質付加架橋性シリコーンエラストマーポリアミドから作られる二成分成形品を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の材料で作られた複合物品は、重要な工学材料である。これらの材料が満たさねばならない要件は、適切な使用条件下で耐久性のある個々の基礎となる材料の間の、固い結合である。加工、例えば熱可塑性プラスチック及びシリコーンの二成分注入成形品における加工の間にシリコーン組成物が型と接触する場合、シリコーン又は複合物の型への接着もまた望ましくない。
【0003】
考えられる基礎となる材料は、例えば、金属、ガラス、セラミック、有機ポリマー又は生物材料、及びまた、シリコーン又は架橋性シリコーン組成物である。しかし、シリコーンの場合、他の基材との持続性の結合は、シリコーンの比粘着特性ゆえに困難である。
【0004】
EP0961811B1は、保存安定性の付加架橋性シリコーン組成物及び人体に対する親水性印象材料としての、例えば歯科印象材料のためのその使用を記載する。したがって、この出願においては、表面、例えば歯のエナメル質及び歯科用ポリマー、金属並びにセラミックに対する、貧弱であり、かつそれゆえに可逆性である接着が明示的に求められているので、シリコーン組成物の非粘着な性質が有益である。
【0005】
シリコーンと他の基礎となる材料との間の強固かつ永続性のある結合を得るための、多くの技術が文献から公知である。
【0006】
原則として、シリコーンと基礎となる材料との間の接着を改善するために、基礎となる材料の化学的性質及び物理的性質を改変することは可能である。
【0007】
例示的な方法は、UV照射、火炎処理、コロナ処理又はプラズマ処理を用いて基礎となる材料の表面が前処理される。このような前処理工程において、基礎となる材料の表面又は表面に近い層は活性化され、すなわち官能基、主に極性基が作られ、それは結合の形成を可能にし、この方法で永続性の複合材料を実現することを可能にする。
【0008】
永続的に強いシリコーン複合材料を生成する別の方法は、基礎となる材料への下塗り剤(primer)の塗布である。しかし、このような下塗り剤は、多くの場合、接着を促進する添加剤に加えて溶媒を含んでおり、これらの溶媒は、基礎となる材料への塗布後、再び除去されなければならない。
【0009】
これら全ての方法欠点は、基材の前処理の結果として追加の処理工程が必要となることである。この欠点は、バルクで提供される複合物品の生成において、又はシリコーンもしくは基礎となる材料の表面上で、接着に寄与する好適な官能基によって回避することができる。
【0010】
しかし、この手順は基材の少なくとも1つの構造的改変を必要とすると記載されているのみであり、その結果として物理的特性及び化学的特性に悪影響が及ぶ可能性がある。さらに、ポリマーの化学的改変は時には少なからず困難を伴う。
【0011】
シリコーンとポリマー性基材との間の接着を達成する別の方法は、結合剤として公知である、特定の添加剤及び/又は特定の架橋剤の添加である。架橋していないシリコーン組成物と混合されるこれらの添加剤は、硫化の間又はその後に、時には保存の後にのみ、シリコーン組成物を基礎となる材料と接着させる。
【0012】
結果として、複合物に関与する材料の化学的性質は致命的に影響するわけではない。さらに、基礎となる材料のさらなる前処理は大概必要ではない。
【0013】
例えば、DE102007044789は、工学プラスチック、特にビスフェノールAベースのプラスチックへの非常に良好な接着を示す自己接着型付加架橋性シリコーン組成物を記載する。ここで、環状オルガノ水素シロキサンと少なくとも2つのフェニル単位及び1つのアルケニル単位を有する化合物との混合物が、結合剤として使用される。
【0014】
EP2603562B1もまた、環状オルガノ水素シロキサンと1分子あたり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有する有機化合物との混合物を結合剤として含む、自己接着型付加架橋性シリコーン組成物を記載する。EP2603562B1の教示によれば、この組み合わせは、特にビスフェノールA含有熱可塑性プラスチックに対する非常に良好な接着をもたらす。
【0015】
多くの自己接着性架橋性シリコーン組成物が先行技術から公知である。しかし、公知の解決法は、特定の基材に対する良好な接着が、使用される結合剤に大きく依存することを示す。さらなる問題は、シリコーン組成物に添加される、接着を促進する記載されている添加剤の大部分が、フェニルシリル又はアルコキシシリル基を含み、それゆえに、これら又はその加水分解生成物は毒性であり健康に有害である。このことは、その用途を産業用材料に制限する。これらの材料は、医薬、化粧品又は食品関連の用途に不適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許第0961811号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102007044789号明細書
【特許文献3】欧州特許第2603562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の1つの目的は、基材表面をコーティングするための又は複合成形品を製造するための方法において使用され、基剤に対し特に良好な接着を示すが、同時に、処理装置、例えば注入成形器具に対して厄介な接着をすることはないため、成形品は容易に鋳型から外すことができ、かつ処理において何ら損傷することがない、シリコーン組成物の提供であり、及びそれにより高い処理安定性が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、したがって、以下を含有する付加架橋性シリコーンゴム組成物を提供する:
(A)分子内に少なくとも2つの脂肪族二重結合を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサン、
(B)分子内に少なくとも3つのSi-H基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンであって、そのSi-H含量は、少なくとも0.45重量%かつ1.3重量%以下であることを特徴とし、
(C)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒、
(D)一般式(I)の少なくとも1つの結合剤
[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]nB (I)
ここで、
A1は、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている二価のC1-C18炭化水素基であり、
A2は、隣接していない酸素原子もしくは窒素原子、もしくは式-NR-、-CO-もしくは-CO-NR1-の基によって中断されているか、又は中断されておらず、さらに非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている、二価のC1-C24炭化水素基であり、但し、酸素原子又は窒素原子1個あたり少なくとも5個の炭素原子が存在する、
Xは、二価の基-O-、-CO-又は-COO-であり、
Bは、炭素原子及び少なくとも2個の隣接していない酸素原子を含む極性基であり、ここで、酸素原子は、酸素として存在するか、又はヒドロキシル基、C1-C4-アシル基もしくはC1-C3-トリアルキルシリル基内に存在し、但し、酸素原子1個あたり3個以下の炭素原子が存在する、
mは、0又は1、好ましくは0であり、
nは、2であり、
zは、0又は1であり、
R及びR1は、各々、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている一価C1-C10炭化水素基であり、
但し、基[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]は、同一であるか、又は異なっている、
及び、
(E)一般式(III)のNO環状オルガノ水素ポリシロキサン:
(SiHR7O)g(SiR8R9O)k (III)、
ここで、
R7は、水素であるか、又はR8と同一であり、かつ、
R8及びR9は、それぞれ互いに独立して、
(a)1~20個の炭素原子を有する一価脂肪族飽和炭化水素基であるか、
又は
(b)6~20個の炭素原子を有するとともに少なくとも1つの芳香族C6環を含む、ハロゲン置換基もしくは非置換一価炭化水素基であるか、
又は、
(c)3~20個の炭素原子を有する、一価シクロ脂肪族ハロゲン置換基もしくは非置換炭化水素基であるか、
又は、
(d)2~20個の炭素原子を有するとともに、O原子もしくはN原子を含んでもよく、もしくは含まなくてもよい、ハロゲン置換基、飽和基、一価炭化水素基であるか、
又は、
(e)Si原子を含むとともに、1つ以上のSi結合水素原子を有するかもしくは有さない、直鎖状基、環状基もしくは分枝鎖状基であり、
gは、1以上であり、かつ、
kは、0又は正の整数、好ましくは0、1、2、特に好ましくは0であり、
但し、gとkとの合計は、4以上である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の説明における頁数を過剰にしないために、それぞれの構成成分について個々の特徴の好ましい実施形態のみを示す。
【0020】
当業者はこのような開示を、優先度の異なる全ての組み合わせ(すなわち1つの構成成分内及び異なる構成成分間の両方の任意の組み合わせ)が例として明示的に開示され、かつ明示的に望ましいことを含蓄するものとして、明示的に解釈するべきである。
【0021】
構成要素(A)は、当業者に長きにわたって公知である。分子内に少なくとも2つの脂肪族二重結合を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。これらは、好ましくは1分子あたり、SiC結合C1-C6-アルキル基、特にメチル基及び/又はフェニル基を有し、脂肪族二重結合を含むC1-C6-アルケニル基を少なくとも2つ有する、オルガノポリシロキサンを包含する。好ましいアルケニル基は、ビニル基及びアリル基である。分子は、好ましくは10以下のアルケニル基を含む。
【0022】
オルガノポリシロキサン(A)は、好ましくは直鎖状である。(A)の粘度は、調合されたシリコーン組成物の所望の粘度によって、又はそれから製造され得る成形物の機械的プロフィールによって導かれ、好ましくは20℃にて200~200000mPa・sである。
【0023】
任意選択的な構成成分が存在しない場合、本発明のシリコーン組成物における(A)の量は、代表的に50~80重量%、好ましくは60~70重量%である。任意選択的な構成成分が存在する場合、(A)の量はそれに対応して減少する。
【0024】
構成要素(B)も同様に、当業者に長きにわたって公知である。これは、分子内に少なくとも3つのSi-H基を有するオルガノポリシロキサン、好ましくはSi-H基だけでなくSiC結合C1-C6-アルキル基、特にメチル基及び/又はフェニル基をも有するオルガノポリシロキサンを包含する。オルガノポリシロキサン(B)は、好ましくは直鎖状である。
【0025】
(B)のSi-H含量は、少なくとも0.45重量%、及び1.3重量%以下であり、好ましくは少なくとも0.7重量%、及び好ましくは1.2重量%以下であることが重要である。
【0026】
20℃でのオルガノポリシロキサン(B)の粘度は、好ましくは5~50000mPa・s、特に10~5000mPa・s、特に好ましくは15~100mPa・sである。
【0027】
オルガノポリシロキサン(B)の好ましい実施形態は、例えば、
H(CH3)SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有する(CH3)2SiO2/2単位を含むコポリマー、
H(CH3)SiO2/2及びH(CH3)2SiO1/2末端基を有する(CH3)2SiO2/2単位を含むコポリマー、
(Ph)2SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有するH(CH3)SiO2/2単位を含むコポリマー、
(Ph)2SiO2/2、(CH3)2SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有するH(CH3)Si2/2単位を含むコポリマー、
(Ph)SiO3/2、(CH3)2SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有するH(CH3)Si2/2単位を含むコポリマー、
(Ph)(CH3)SiO2/2、(CH3)2SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有するH(CH3)Si2/2単位を含むコポリマー、
(Ph)(CH3)SiO2/2、(CH3)2SiO2/2及びH(CH3)2SiO1/2末端基を有するH(CH3)Si2/2単位を含むコポリマー、
(Ph)(CH3)SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有するH(CH3)Si2/2単位を含むコポリマー、
-Si(CH3)2-C6H4-Si(CH3)2O2/2-、(CH3)2SiO2/2及びH(CH3)HSiO1/2単位を含むコポリマー、並びに、
-Si(CH3)2-C6H4-Si(CH3)2O2/2-及び(CH3)HSiO2/2単位を含むコポリマーである。
【0028】
オルガノポリシロキサン(B)の特に好ましい実施形態は、例えば、
H(CH3)SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有する(CH3)2SiO2/2単位を含むコポリマー、並びに、
(Ph)SiO3/2、(CH3)2SiO2/2及び(CH3)3SiO1/2末端基を有するH(CH3)Si2/2単位を含むコポリマーである。
【0029】
本発明のシリコーン組成物における(B)の量は、代表的に、0.1~10重量%、好ましくは少なくとも0.3重量%及び特に好ましくは少なくとも0.5重量%、及び好ましくは5重量%以下及び特に好ましくは3重量%以下である。
【0030】
構成成分(B)からのSiH対付加架橋性シリコーンゴム組成物におけるSi-ビニル結合基の総数の比は、好ましくは、0.5~5、及び特に好ましくは0.6~1.8の範囲内である。
【0031】
構成要素(C)も同様に、当業者に長きにわたって公知である。これらは貴金属触媒であり、特に、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群から選択される金属並びにその化合物であり、特に、白金及び/又はその化合物である。ここでは、Si-H基を脂肪族不飽和化合物に付加するためにこれまで使用されてきた全ての触媒を使用することができる。このような触媒の例は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム又は活性化炭素などの支持体上に存在し得る金属性かつ細かく分割された白金、白金の化合物又は錯体であって、例えば、ハロゲン化白金、例えばPtCl4、H2PtCl6.6H2O、Na2PtCl4.4H2O、白金-オレフィン錯体、白金-アルコール錯体、白金-アルコキシド錯体、白金-エーテル錯体、白金-アルデヒド錯体、H2PtCl6.6H2Oとシクロヘキサノンとの反応生成物を含む白金-ケトン錯体、白金-ビニルシロキサン錯体など(特に、有機的に結合したハロゲンにおいて検出可能な含量を有するか、又は有さない白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)の白金-シロキサン錯体、ビス(ガンマ-ピコリン)白金ジクロリド、トリメチレンジピリジン白金ジクロリド、ジシクロペンタジエン白金ジクロリド、(ジメチルスルホキシド)ジエチレン白金(II)ジクロリド及びまた、白金テトラクロリドのオレフィンとの反応生成物及び第一級アミンもしくは第二級アミン又は第一級アミン及び第二級アミン、例えば1-オクテン中に溶解した白金テトラクロリドのsec-ブチルアミンとの反応生成物、あるいはアンモニウム-白金錯体である。UV-活性型ヒドロシリル化触媒もまた使用され得る。
【0032】
ヒドロシリル化触媒(C)は、任意の形態、例えば、ヒドロシリル化触媒、又はポリオルガノシロキサン粒子を含むマイクロカプセルの形態で使用され得る。ヒドロシリル化触媒(C)の含量は、好ましくは、本発明の付加架橋性組成物が0.1~200重量ppm、特に0.5~40重量ppmのPt含量を有するように選択される。
【0033】
構成要素(D)は、一般式(I)の結合剤である:
[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]nB (I)
ここで、
A1は、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている二価のC1-C18炭化水素基であり、
A2は、隣接していない酸素原子もしくは窒素原子もしくは式-NR-、-CO-もしくは-CO-NR1-の基によって中断されているか、又は中断されておらず、さらに非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている、二価のC1-C24炭化水素基であり、但し、酸素原子又は窒素原子1個あたり少なくとも5個の炭素原子が存在する、
Xは、二価の基-O-、-CO-又は-COO-であり、
Bは、炭素原子及び少なくとも2個の隣接していない酸素原子を含む極性基であり、ここで、酸素原子は、エーテル酸素として存在するか、又はヒドロキシル基、C1-C4-アシル基もしくはC1-C3-トリアルキルシリル基内に存在し、但し、酸素原子1個あたり3個以下の炭素原子が存在する、
mは、0又は1であり、
nは、2であり、
zは、0又は1であり、
R及びR1は、各々、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている一価C1-C10炭化水素基であり、
但し、基[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]は、同一であるか、又は異なっている。
【0034】
結合剤(D)は、一部は市販されており、合成有機化学の一般的な慣用方法によって生成される。
【0035】
二価のC1-C18炭化水素基A1は、飽和、脂肪族不飽和、芳香族、直鎖状又は分枝鎖状であってもよい。A1は、好ましくは3~13個の炭素原子を有する。
【0036】
好ましい結合剤(D)において、式(I)中のmは0であり、したがって、A2は存在しない。
【0037】
分子(I)内に存在する2つのX基は、以下の基であってもよい:2つの-O-;1つの-O-及び1つの-COO-;1つの-COO-及び1つの-CO-;2つの-CO-;2つの-COO-。化学的見解では、2つのX基はB基とともに、例えば、ジエーテル、エーテル及びエステル又はジエステルを形成してもよい。ジエステルが好ましい。
【0038】
(D)は、好ましくは少なくとも4個の酸素原子、特に少なくとも6個の酸素原子を有する。
【0039】
好ましい結合剤(D)は、以下のグリコール、例えばオリゴアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールと、以下の有機酸とのジエステルである:
グリコール:
● オリゴエチレン又はポリエチレングリコール
● オリゴエチレン又はポリプロピレングリコール
● エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー
● エチレングリコール/イソプロピレングリコールのコポリマー
● オリゴイソプロピレン又はポリイソプロピレングリコール
【0040】
オリゴエチレン又はポリエチレングリコールのジエステルが、特に好ましい。ここで、オリゴエチレンもしくはポリエチレングリコールは、純粋物質から本質的に成る、すなわち、所定の数の反復単位を有してもよく、又は、オリゴエチレンもしくはポリエチレングリコールは、分子量分布を有する、すなわち、異なる分子量分布を有する物質の混合物であってもよく、ゲル浸透クロマトグラフィーによって検出され得る。
【0041】
少なくとも1つの末端二重結合を有する有機酸は、例えば、以下である:
● アクリル酸
● 3-ブテン酸
● 4-ペンテン酸
● 5-ヘキサン酸
● 6-ヘプテン酸
● 7-オクテン酸
● 8-ノネン酸
● 9-デセン酸
● 10-ウンデセン酸
● 11-ドデセン酸
● 12-トリデセン酸
● 13-テトラデセン酸
● 14-ペンタデセン酸
● 15-ヘキサデセン酸
など。
【0042】
複数の不飽和及び/又は分枝鎖状カルボン酸もまた可能である。しかし、少なくとも1つの二重結合が末端位置に存在するものが好ましい。
【0043】
さらに好ましい結合剤は、以下のグリコール、例えば2~16個の炭素原子を有する脂肪族不飽和炭化水素基、例えばビニル、アリル又はより長鎖の基で一端においてエーテル化されている、オリゴアルキレン又はポリアルキレングリコールのモノエステルである:
● オリゴエチレン又はポリエチレングリコールモノアリルエーテル
● オリゴエチレン又はポリエチレングリコールモノビニルエーテル
● オリゴプロピレン又はポリプロピレングリコールモノアリルエーテル
● オリゴプロピレン又はポリプロピレングリコールモノビニルエーテル
● エチレングリコール/プロピレングリコールモノアリルエーテルのコポリマー
● エチレングリコール/プロピレングリコールモノビニルエーテルのコポリマー
● エチレングリコール/イソプロピレングリコールモノアリルエーテルのコポリマー
● エチレングリコール/イソプロピレングリコールモノビニルエーテルのコポリマー
● オリゴイソプロピレン又はポリイソプロピレングリコールモノアリルエーテル
● オリゴイソプロピレン又はポリイソプロピレングリコールモノビニルエーテル
ここで、モノエステルは、上述の酸によって形成される。
【0044】
特に好ましい結合剤(D)は、以下である:
● オリゴエチレングリコールの、末端不飽和C6-C16カルボン酸との、特に10-ウンデセン酸との、ジエステル。オリゴ-エチレングリコールは、2~40のエチレングリコール単位-[CH2-CH2-O]-、好ましくは3~20のエチレングリコール単位-[CH2-CH2-O]-、特に4~10のエチレングリコール単位-[CH2-CH2-O]-を有する。
【0045】
シリコーン組成物は、少なくとも0.05重量%の(D)、好ましくは少なくとも0.1重量%の(D)を含む。さらに、これらは10重量%以下の(D)、好ましくは4重量%以下の(D)を含む。
【0046】
構成成分(E)は存在しない。なぜならば、基材に対する所望の良好な接着が、驚くべきことに構成成分(E)なしで達成され、同時に、処理装置、例えば注入成形器具に対してさらに低い、すなわち可逆性の接着を有するためである。
【0047】
本発明の付加架橋性シリコーン組成物はさらに、少なくとも1つのフィルター(F)を、さらなる構成要素として含むことができる。好適なフィルターは、当業者に公知である。50m2/gまでのBET表面積を有する非強化フィルター(F)は、例えば、石英、珪藻土、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄又は酸化亜鉛などの金属酸化物粉末及びこれらの混合酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ガラス及びポリマー粉末である。強化フィルター、すなわち少なくとも50m2/g、特に100~400m2/gのBET表面積を有するフィルターは、例えば、焼成シリカ、沈降シリカ、水酸化アルミニウム、ファーネスブラック及びアセチレンブラックなどのカーボンブラック及び大きなBET表面積を有するシリコン-アルミニウム混合酸化物である。上述のフィルター(F)は、例えばオルガノシラン、オルガノシラザンもしくはオルガノシロキサンで処理することによって、又はヒドロキシル基をエーテル化してアルコキシ基を形成することによって、親水化処理されていてもよい。1種類のフィルター(F)を用いることができるが、また、少なくとも2種のフィルター(F)の混合物を使用することもできる。本発明のシリコーン組成物は、好ましくはフィルター(F)の少なくとも3重量%、特に好ましくは少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%であり、かつ50重量%以下を含む。
【0048】
本発明のシリコーン組成物は、任意選択的に0~70重量%、好ましくは0.0001~40重量%の割合で、さらなる構成要素(G)として添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は当業者に公知であり、例えば、ポリオルガノシロキサン(A)及び(B)、並びに無論(H)とは異なる樹脂様のポリオルガノシロキサン、分散剤、溶剤、結合剤、顔料、染料、可塑化剤、有機ポリマー、熱安定剤及び阻害剤であってもよい。さらに、揺変性の(thixotroping)構成要素、例えば微細に分割したシリカ又は他の市販の揺変性添加剤が構成要素として存在してもよい。
【0049】
さらに、処理時間、開始温度及び架橋性組成物の架橋速度を標的化した様式で設定することに寄与するさらなる添加剤が存在してもよい。これらの阻害剤及び安定剤は、架橋性組成物の分野では周知である。
【0050】
本発明のシリコーン組成物は、任意選択的に分子内に少なくとも2つのSiH基を有し、構成成分(B)とは異なるオルガノポリシロキサンをさらなる構成要素(H)として含んでもよい。これらは、好ましくは、SiC結合C1-C6-アルキル基、特にメチル基及び/又はフェニル基を、Si-H基に加えて有する、大部分が直鎖状であるオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサン(H)は、好ましくは末端SiH基を有する。構成要素(A)の場合、オルガノポリシロキサン(H)の粘度は、配合されたシリコーン組成物の所望の粘度、及びそれから生成された加硫物の機械的プロフィールによって導かれ、20℃にて10~200000mPa・s、好ましくは15~10000m.Pasである。
【0051】
オルガノポリシロキサン(H)の実施例は、ジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン及びジメチルシロキシ単位とメチルフェニルシロキシ単位とのジメチルシロキシ末端コポリマーである。
【0052】
本発明のシリコーン組成物における構成要素(H)の量は、代表的に0~50重量%、好ましくは0~25重量%である。
【0053】
全体的に、全ての構成要素の量は、常に本発明のシリコーン組成物において合わせて100重量%となるように常に選択される。
【0054】
本発明は、本発明の付加架橋性シリコーン組成物を生成するための方法をさらに提供する。本発明のシリコーン組成物の生成又は化合は、好ましくは構成成分(A)~(D)を、(F)及び/もしくは(G)及び/もしくは(H)を使用するか、又は使用せずに、混合することによって実施される。本発明の組成物は、一構成成分組成物、二構成成分組成物又は多構成成分組成物として生成され得る。架橋は触媒に応じて、加熱又は好適な光源の照射によって行われる。
【0055】
本発明は、基材表面をコーティングするための及び複合成形品を製造するための方法をさらに提供し、ここで、
a)基材表面は、シリコーンゴム組成物によってコーティングされるか、又は/並びに基材及び/もしくは基材の組み合わせは、組み立てられ、かつ、シリコーンゴム組成物が中間領域内に導入され、
b)次いで、シリコーンゴム組成物が硬化し、
c)次いで、離型操作が行われ、
ここで、このシリコーンゴム組成物は、以下を含む付加架橋性シリコーンゴム組成物である:
(A)分子内に少なくとも2つの脂肪族二重結合を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサン、
(B)分子内に少なくとも3つのSi-H基を有する少なくとも1つのオルガノポリシロキサンであって、そのSi-H含量は、少なくとも0.45重量%かつ1.3重量%以下であることを特徴とし、
(C)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒、
(D)一般式(I)の少なくとも1つの結合剤
[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]nB (I)
ここで、
A1は、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている二価のC1-C18炭化水素基であり、
A2は、隣接していない酸素原子もしくは窒素原子、もしくは式-NR-、-CO-もしくは-CO-NR1-の基によって中断されているか、又は中断されておらず、さらに非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている、二価のC1-C24炭化水素基であり、但し、酸素原子又は窒素原子1個あたり少なくとも5個の炭素原子が存在する、
Xは、二価の基-O-、-CO-又は-COO-であり、
Bは、炭素原子及び少なくとも2個の隣接していない酸素原子を含む極性基であり、ここで、酸素原子は、酸素として存在するか、又はヒドロキシル基、C1-C4-アシル基もしくはC1-C3-トリアルキルシリル基内に存在し、但し、酸素原子1個あたり3個以下の炭素原子が存在する、
mは、0又は1(好ましくは0)であり、
nは、2であり、
zは、0又は1であり、
R及びR1は、各々、非置換であるか、又はハロゲン原子によって置換されている一価C1-C10炭化水素基であり、
但し、基[H2C=CH-(A1)z-(A2)m-X]は、同一であるか、又は異なっている、
及び、
(E)一般式(III)のNO環状オルガノ水素ポリシロキサン:
(SiHR7O)g(SiR8R9O)k (III)、
ここで、
R7は、水素であるか、又はR8と同一であり、かつ
R8及びR9は、それぞれ互いに独立して、
(a)1~20個の炭素原子を有する一価脂肪族飽和炭化水素基であるか、
又は、
(b)6~20個の炭素原子を有するとともに少なくとも1つの芳香族C6環を含むハロゲン置換もしくは非置換一価炭化水素基であるか、
又は、
(c)3~20個の炭素原子を有する、一価シクロ脂肪族ハロゲン置換基もしくは非置換炭化水素基であるか、
又は、
(d)2~20個の炭素原子を有するとともに、O原子もしくはN原子を含んでもよく、もしく含まなくてもよい、ハロゲン置換基、飽和基、一価炭化水素基であるか、
又は、
(e)Si原子を含むとともに、1つ以上のSi結合水素原子を有するかもしくは有さない直鎖状基、環状基もしくは分枝鎖状基であり、
gは、1以上であり、かつ、
kは、0又は正の整数、好ましくは0、1、2、特に好ましくは0であり、
但し、gとkとの合計は、4以上である。
【0056】
基材は熱可塑性プラスチックであり、好ましくはポリアミド、ポリカーボネート及びポリブチレンテレフタレート、特に好ましくはポリカーボネートである。
【0057】
本発明は、本発明の方法によって得られ得るコーティングされた基材及び複合成形品をさらに提供する。
【0058】
驚くべきことに、特定の結合剤(D)と組み合わせた、選択されたSi-H含量を有する(B)の組み合わせのみが、第一に、ポリアミド、ポリカーボネート及びポリブチレンテレフタレートなどの硬質熱可塑性プラスチックから構成される基材に対する非常に良好な接着を有し、第二に、例えば、鋼で作られた注入成形器具に対する非常に貧弱な接着を有する、相乗効果をもたらすことが見出されている。これを達成するためにさらなる構成成分(E)が必要とされないことは予期せぬものであり、かつEP2190927B1の教示と対立する。基材表面をコーティングするための及び複合成形品を製造するための方法において、本発明の組成物は非常に信頼できる離型操作を可能にし、その結果として故障が起こることをより少なくし、したがって全体的に高い製造安定性が達成される。このことは製造プラントの経済面の改善をもたらす。
【実施例0059】
以下の実施例は、本発明が原則的に実施され得る方法を記載するが、本発明をその中で開示される内容に限定しない。
【0060】
全ての百分率は重量百分率である。他に示されない限り、全ての操作は室温(約20℃)にてかつ大気圧下(約1.013bar)で実施される。装置は市販の実験室装置であり、多くの装置製造業者から購入可能である。
【0061】
基礎となる材料
以下の基材に対する、本発明によるシリコーン組成物と本発明によるものではないシリコーン組成物の接着とを試験した:
● ポリカーボネート:Makrolon(R)2405(Bayer MaterialScienceAG)
● ポリブチレンテレフタレート(PBT):Pocan(R)B 1305(Lanxess)
● V2A鋼(工業等級)
【0062】
離脱力測定のための試験標本の作製前に、プレス加硫プロセスのために基礎となる材料及び注入成形物プロセスのために熱可塑性細粒を、製造業者の指示に従って好適な方法で乾燥させた。プレス加硫プロセスのために、試験標本をさらに事前に脱脂した。
【0063】
接着の性質決定
離脱力測定のための試験標本の作製を、まずプレス加硫プロセスにより実験室条件下で実施した。さらに、二成分注入成形物プロセスによる実際的な製造条件下でさらなる試験標本を作製した。
【0064】
プレス加硫による作製のために、好ましくは注入成形によって製造されており、かつ60×25×2mmの寸法を有する適切なステンレス鋼鋳型を使用し、基材をこれに入れ、その後、各鋳型を、試験する付加架橋性シリコーン組成物で満たした。加硫を、基礎となる材料ポリカーボネートについて、120℃の温度及び30メートルトンの押付力で3分間にわたり実施し、液体シリコーン組成物の完全な架橋を起こした。基礎となる材料がV2Aである場合、加硫を180℃にて5分間にわたって実施した。その後、全ての試験標本を室温まで冷ました。この方法で作製された、基材及び2.5mm厚の液体シリコーンエラストマー層からなる試験標本を鋳型から取り出し、次いで、まず少なくとも16時間にわたり室温で保存した。その後、試験標本を張力試験装置に挟み、接着するシリコーンエラストマー片をはがすための最大離脱力を決定した。
【0065】
二構成成分注入成形物プロセスによる試験標本の作製を、回転プレート器具を用いる先行技術に従って注入成形機を用いて実施した。ここで、まず熱可塑性主成分を生成し、第二の回転プレートによって注入成形装置に移した。次の処理工程において、シリコーン組成物を完成した熱可塑性主成分上に噴霧し、基材に対して加硫した。自己接着型付加架橋性シリコーン組成物についての注入圧は、通常200~2000barの範囲内であるが、特定の場合においてはこれらの値を下回っても又は上回ってもよい。自己接着型付加架橋性シリコーン組成物についての注入温度は、通常15~50℃の範囲内であり、同様に個々の場合において、温度はこれらの温度を下回っても又は上回ってもよい。
【0066】
二構成成分注入成形プロセスによって作製し、本発明によるシリコーンエラストマーの基材に対する接着の強度を評価するために使用した試験標本は、DIN ISO 813に示される。
【0067】
接着試験の前に、二構成成分注入成形プロセスによって作製した試験標本を、同様に室温で少なくとも16時間にわたり保存した。接着試験及びひび形成評価を、プレス加硫からの試験標本と同じ方法で実施した。
【0068】
シリコーンエラストマー及び熱可塑性主成分からなる複合物の接着の定量を、DIN ISO 813による接着試験に基づく方法によって実施した。ここで、90°剥離方法を、基材及びシリコーンエラストマー片を互いに90°の角度及び好ましくは50mm/分の引き剥がし速度で用い実施した。決定した離脱力(SF)を、最大力Nと試験標本の幅との比としてN/mmで報告した。実施例に基づいて、3~5の薄層を測定し、離脱力を平均として決定した。
【0069】
ベース組成物1
232gの20000mPa・s(25℃)の粘度を有するビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンを、市販の実験室用ニーダー内に置き150℃まで加熱して、159gの300m2/g(BET方法によって測定した)の特定の表面積及び3.9~4.2重量%の炭素含量を有する疎水性焼成シリカと混合した。
【0070】
これは非常に粘性の高い組成物を生じ、これを130gの上述のポリジメチルシロキサンによって希釈した。得られた組成物を、減圧下(10mbar)で150℃にて1時間にわたって練ることにより、水及び過剰なローディング剤残渣、特に揮発性の構成要素を除去した。
【0071】
ベース組成物2
202gの20000mPa・s(25℃)の粘度を有するビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、45gのヘキサメチルジシラザン及び15gの水を市販の実験室用ニーダー内に置き、150gの300m2/g(BET方法によって測定した)の特定の表面積を有する親水性焼成シリカを加えた。これは非常に粘性の高い組成物を生じ、これを減圧下(10mbar)で150℃にて2時間にわたって練ることにより、水及び過剰なローディング剤残渣、特に揮発性の構成要素を除去し、110gの上述のビニル末端ポリジメチルシロキサンによって希釈した。
【0072】
ベース組成物3
235gの20000mPa・s(25℃)の粘度を有するビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン及び24gの40mPa.sの粘度を有するOH末端ポリジメチルシロキサンを、市販の実験室用ニーダー内に置いた。150℃まで加熱する間に、143gの200m2/g(BET方法によって測定した)の特定の表面積を有する沈降シリカを加えた。これは非常に粘性の高い組成物を生じ、これを、その後、90gの上述のビニル末端ポリジメチルシロキサンによって希釈した。得られた組成物を、減圧下(10mbar)で150℃にて1時間にわたって練ることにより、揮発性の構成要素を除去した。
【0073】
A-構成成分1
345.8gのベース組成物1を、3.5gのメチルビニルシロキシ基と2.5mmol/gのビニル含量と340mPa・sの粘度とを有するジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン及び0.7gの白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をシリコーンポリマー中に含み、かつ1重量%のPt含量を有する触媒溶液と混合した。
【0074】
架橋剤1
35mPa・sの粘度及び1.1重量%のSiH含量を有する、ジメチルシロキシ及びメチル水素シロキシ単位のトリメチルシロキシ末端コポリマー(0.4:1のモル比)。
【0075】
架橋剤2
115mPa・sの粘度及び0.5重量%のSiH含量を有する、ジメチルシロキシ及びメチル水素シロキシ単位のトリメチルシロキシ末端コポリマー(2:1のモル比)。
【0076】
架橋剤3
80mPa・sの粘度及び0.9重量%のSiH含量を有する、ジメチルシロキシ、メチル水素シロキシ及びフェニルシロキシ単位のトリメチルシロキシ末端コポリマー(0.33:1:0.18のモル比)。
【0077】
架橋剤4
18mPa・sの粘度及び0.9重量%のSiH含量を有する、ジメチルシロキシ、メチル水素シロキシ及びフェニルシロキシ単位のトリメチルシロキシ末端コポリマー(0.36:1:0.12のモル比)。
【0078】
架橋剤5
150mPa・sの粘度及び0.14重量%のSiH含量を有する、ジメチルシロキシ及びメチル水素シロキシ単位のトリメチルシロキシ末端コポリマー(9:1のモル比)。
【0079】
架橋剤6
25mPa・sの粘度及び1.6重量%のSiH含量を有するトリメチルシロキシ末端ポリメチル水素シロキサン。
【0080】
結合剤1
42.5gのポリエチレングリコール200(Merckから入手可能)を、85.0gの10-ウンデセン酸クロリド(Merckから入手可能)に、30分間にわたって80℃で撹拌しながら加え、撹拌を気体発生がもはや認識できなくなるまで続けた。1.7gのヘキサメチルジシラザンの添加後、混合物を減圧下(4mbar未満)で1時間にわたって80℃で過熱した。冷却後、Dicalite濾過助剤を通して残渣を濾過した。94gの透明な黄橙色の液体を得た。1H-NMRスペクトルは、ポリエチレングリコール200のビス-10-ウンデセンエステルに対応した。
【0081】
結合剤2
204.9gのポリエチレングリコール300(Merckから入手可能)を、80℃にてフラスコ内に入れ、208.0gのウンデセン酸クロリド(Merckから入手可能)を45分間にわたって加えた。添加の完了後、混合物を80℃にて30分間にわたって撹拌した。次いで、13.7gのヘキサメチルジシラザンを80℃にて加え、混合物をさらに5分間にわたって撹拌した。反応混合物を1時間にわたって120℃及び1mbarにて加熱した。残渣を室温まで冷まし、Dicalite濾過助剤を通して濾過した。360.9gの透明な黄色液体を得た。1H-NMRスペクトルは、ポリエチレングリコール300のビス-10-ウンデセンエステルに対応した。
【0082】
実施例からのA-及びB-構成成分を、例えば、Speedmixer(Hauschild製)において集中的に混合し、この混合物を鋳型内の基材に適用した。
【0083】
プレス型内で上述のように作製した試験標本についての、ポリカーボネートに対する10N/mmを超える離脱力値が良好であると認められる。
【0084】
プレス型内で上述のように作製した試験標本についての、V2A鋼に対する2N/mmを下回る離脱力値が、工業的注入成形プロセスにおいて注入成形器具に対するやっかいな接着を築くことのない調合物に対応するために充分に低いと認められる。
【0085】
実施例1(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0086】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3gの架橋剤3及び1.5gの結合剤1と混合した。
【0087】
加硫物:Shore A 42
Makrolon 2405に対する接着:11.7N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:1.6N/mm、接着ひびを伴う
【0088】
実施例2(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0089】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3gの架橋剤3及び0.75gの結合剤2と混合した。
【0090】
加硫物:Shore A 41
Makrolon 2405に対する接着:10.9N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:1.2N/mm、接着ひびを伴う
【0091】
実施例3(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0092】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.7gの架橋剤4及び0.75gの結合剤2と混合した。
【0093】
加硫物:Shore A 42
Makrolon 2405に対する接着:12.9N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:0N/mm、接着ひびを伴う
【0094】
実施例4(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0095】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3.0gの架橋剤3及び1.0gの結合剤2と混合した。
【0096】
加硫物:Shore A 51
Makrolon 2405に対する接着:14.8N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:0.2N/mm、接着ひびを伴う
【0097】
実施例5(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0098】
B-構成成分:
95gのベース組成物1を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.8gの架橋剤3及び1.3gの結合剤1と混合した。
【0099】
加硫物:Shore A 40
Makrolon 2405に対する接着:10.7N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:1.3N/mm、接着ひびを伴う
【0100】
実施例6(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0101】
B-構成成分:
96.5gのベース組成物3を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.7gの架橋剤4及び0.8gの結合剤1と混合した。
【0102】
加硫物:Shore A 40
Makrolon 2405に対する接着:11.9N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:1.6N/mm、接着ひびを伴う
【0103】
実施例7(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0104】
B-構成成分:
96.5gのベース組成物3を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.5gの架橋剤1及び1.0gの結合剤1と混合した。
【0105】
加硫物:Shore A 40
Makrolon 2405に対する接着:11.3N/mm、結合ひびを伴う
V2Aに対する接着:1.8N/mm、接着ひびを伴う
【0106】
実施例8(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0107】
B-構成成分:
61gのベース組成物2を、0.02gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、25gの950mPasの粘度を有するジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、2.4gの架橋剤4及び0.5gの結合剤1と混合した。
【0108】
A-及びB-構成成分を、互いに1:1の比で、Speedmixer内で混合し、基材に適用し、乾燥オーブン内で、大気圧下で1時間にわたり80℃にて加硫する。加硫物は、28のShore A硬度を有する。複合物は、脱離試験においてシリコーンに結合ひびを表す。
【0109】
実施例9(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0110】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.7gの架橋剤4及び1.0gの結合剤1と混合した。
【0111】
このサンプルを、二構成成分注入成形プロセスによって処理した。
【0112】
加硫物:Shore A 41
Makrolon 2405に対する接着:18.5N/mm、結合ひびを伴う
Pocan 1305(PBT)に対する接着:16.2N/mm、結合ひびを伴う
鋳型に対する接着はない。
【0113】
実施例10(本発明による)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0114】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.5gの架橋剤1及び1.0gの結合剤1と混合した。
【0115】
このサンプルを、二構成成分注入成形プロセスによって処理した。
【0116】
加硫物:Shore A 46
Makrolon 2405に対する接着:17.0N/mm、結合ひびを伴う
Pocan 1305(PBT)に対する接着:13.8N/mm、結合ひびを伴う
鋳型に対する接着はない。
【0117】
実施例N.1(本発明によるものではない)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0118】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2.3gの架橋剤2、1.50gのHD5/HD6環の混合物、及び2.0gのジアリルアジペート(ABCRから取り寄せた)と混合した。
【0119】
加硫物:Shore A 21
Makrolon 2405に対する接着:2.5N/mm、接着ひびを伴う
V2Aに対する接着:2.4N/mm、接着ひびを伴う
【0120】
実施例N.2(本発明によるものではない)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0121】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3.0gの架橋剤3及び1.0gのモノメトキシトリエチレングリコール(Elevanceからu10MEE-03の名称で取り寄せた)によってエステル化したウンデセン酸と混合した。
【0122】
加硫物:Shore A 40
Makrolon 2405に対する接着:0N/mm、接着ひびを伴う
V2Aに対する接着:1.9N/mm、接着ひびを伴う
【0123】
実施例N.3(本発明によるものではない)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0124】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、7.1gの架橋剤5及び0.75gの結合剤2と混合した。
【0125】
加硫物:Shore A 38
Makrolon 2405に対する接着:3.2N/mm、接着ひびを伴う
V2Aに対する接着:0.8N/mm、接着ひびを伴う
【0126】
実施例N.4(本発明によるものではない)
A-構成成分1を、A-構成成分として使用した。
【0127】
B-構成成分:
95gのベース組成物2を、0.1gの1-エチニル-1-シクロヘキサノール、0.7gの架橋剤6及び0.75gの結合剤2と混合した。
【0128】
加硫物:Shore A 47
Makrolon 2405に対する接着:6.9N/mm、混合ひびを伴う
V2Aに対する接着:4.2N/mm、混合ひびを伴う