(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000736
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】排塵装置
(51)【国際特許分類】
B02B 7/00 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B02B7/00 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099602
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】中本 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 靖志
【テーマコード(参考)】
4D043
【Fターム(参考)】
4D043JB02
4D043JB08
4D043JD01
4D043JD02
(57)【要約】
【課題】比較的コンパクトな構成で効果的にゴミ・ホコリ等の塵芥を除去可能な、風選機構を備えた排塵装置を提供することを技術的課題とする。
【解決手段】本発明にかかる排塵装置100,200は、搬送された穀物を投入する穀物投入部と、投入された穀物を排出する穀物排出部と、穀物に混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部とを備え、投入された穀物が落下する方向に穀物排出部が設けられ、穀物排出部と対向する位置に塵芥排出部が設けられており、穀物排出部と塵芥排出部との間には、穀物投入部から投入された穀物Kと衝突する位置に仕切板が設けられており、仕切板は、穀物排出部に連通する穀物排出経路および塵芥排出部に連通する塵芥排出経路を変動させるべく、穀物の衝突により回動可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送された穀物を投入する穀物投入部と、投入された前記穀物を排出する穀物排出部と、前記穀物に混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部とを備え、
投入された前記穀物が落下する方向に前記穀物排出部が設けられ、前記穀物排出部と対向する位置に前記塵芥排出部が設けられており、
前記穀物排出部と前記塵芥排出部との間には、前記穀物投入部から投入された前記穀物と衝突する位置に、仕切板が設けられており、
前記仕切板は、前記穀物排出部に連通する穀物排出経路および前記塵芥排出部に連通する塵芥排出経路を変動させるべく、前記穀物の衝突により回動可能に構成されている
ことを特徴とする排塵装置。
【請求項2】
搬送された穀物を投入する穀物投入部と、投入された前記穀物を排出する穀物排出部と、前記穀物に混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部とを備え、
前記穀物投入部の下方位置に前記穀物排出部が設けられ、前記穀物投入部の上方位置に前記塵芥排出部が設けられており、
前記穀物排出部と前記塵芥排出部との間には、前記穀物投入部から投入された前記穀物と衝突する位置に、仕切板が設けられており、
前記仕切板は、前記穀物排出部に連通する穀物排出経路および前記塵芥排出部に連通する塵芥排出経路を変動させるべく、前記穀物の衝突により回動可能に構成されている
ことを特徴とする排塵装置。
【請求項3】
前記仕切板の上方部は、前記穀物投入部と前記塵芥排出部とを閉塞している
請求項1または2に記載の排塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排塵装置に関し、具体的には風選機構を備えた排塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、米・麦など穀物の共同乾燥調製施設等における穀物搬送ラインには、風選機構を備えた排塵装置(以下、単に「排塵装置」という)が設置されている。その一例として、プレクリーナやアスピレータが知られている。プレクリーナはファンが内蔵され、アスピレータは別途ファンを設けて構成されている。これらの排塵装置は、シュート配管やタンク・サイロ等で詰まりを発生させないように、搬送される穀物に混じる藁屑・ゴミ・ホコリ等の異物や塵芥を除去すべく、穀物搬送ラインに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術にかかる排塵装置には、搬送ライン上に設けるため、ある程度の設置スペースが必要であるという問題があった。また、排塵装置を接続するためには、シュート配管工事が必要であったり、昇降機の機長が高くなったり、ピットが深くなったりする等の問題があった。さらに、従来技術(例えば、特許文献1等)においては、排塵装置自身が大型化するという問題があった。つまり、従来技術においては、排塵装置の構造や設置方法等に起因して、装置そのものあるいはその周辺構成要素が大きくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、比較的コンパクトな構成で効果的に藁屑・ゴミ・ホコリ等の異物や塵芥を除去可能な、風選機構を備えた排塵装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様にかかる排塵装置は、搬送された穀物を投入する穀物投入部と、投入された前記穀物を排出する穀物排出部と、前記穀物に混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部とを備え、投入された前記穀物が落下する方向に前記穀物排出部が設けられ、前記穀物排出部と対向する位置に前記塵芥排出部が設けられており、前記穀物排出部と前記塵芥排出部との間には、前記穀物投入部から投入された前記穀物と衝突する位置に、仕切板が設けられており、前記仕切板は、前記穀物排出部に連通する穀物排出経路(穀物排出経路面積)および前記塵芥排出部に連通する塵芥排出経路(塵芥排出経路面積)を変動させるべく、前記穀物の衝突により回動可能に構成されている。
本発明にかかる排塵装置においては、前記穀物投入部から前記穀物排出部へ落下する途中の前記穀物が前記仕切板に衝突することによって、前記穀物排出経路が大きくなり、前記塵芥排出経路が小さくなるように、前記仕切板が回動する。
【0007】
このように構成された排塵装置によれば、前記穀物投入部から落下して前記穀物排出部から排出される前の前記穀物が前記仕切板に衝突することによって前記仕切板が回動し、前記穀物排出経路および前記塵芥排出経路が変動することとなる。より具体的には、前記穀物が前記仕切板に衝突することによって、前記穀物排出経路が大きくなり(広がり)、前記塵芥排出経路が小さくなるように(狭まるように)、前記仕切板が回動する。
したがって、本発明にかかる排塵装置によれば、前記穀物の搬送量が増加するに伴い、前記穀物排出経路が大きくなり、前記塵芥排出経路が小さくなるため、前記塵芥排出部における吸引速度が上昇することなる。つまり、本発明によれば、前記穀物の搬送量に応じて、前記塵芥排出部における吸引速度が変化し、前記穀物の搬送量が増加すればするほど前記塵芥排出部における吸引速度が上昇するため、前記穀物に伴い搬送して投入される前記塵芥を効果的に排出することが可能な排塵装置を得ることができる。
【0008】
また、本発明の第二態様にかかる排塵装置は、搬送された穀物を投入する穀物投入部と、投入された前記穀物を排出する穀物排出部と、前記穀物に混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部とを備え、前記穀物投入部の下方位置に前記穀物排出部が設けられ、前記穀物投入部の上方位置に前記塵芥排出部が設けられており、前記穀物排出部と前記塵芥排出部との間には、前記穀物投入部から投入された前記穀物と衝突する位置に、仕切板が設けられており、前記仕切板は、前記穀物排出部に連通する穀物排出経路(穀物排出経路面積)および前記塵芥排出部に連通する塵芥排出経路(塵芥排出経路面積)を変動させるべく、前記穀物の衝突により回動可能に構成されている。
本発明にかかる排塵装置においては、前記穀物投入部の下方位置に設けられている前記穀物排出部から排出される前の前記穀物が前記仕切板に衝突することによって、前記穀物排出経路が大きくなり、前記塵芥排出経路が小さくなるように、前記仕切板が回動する。
【0009】
このように構成された排塵装置によれば、前記穀物投入部の下方位置に設けられている前記穀物排出部から排出される前の前記穀物が前記仕切板に衝突することによって前記仕切板が回動し、前記穀物排出経路および前記塵芥排出経路が変動することとなる。より具体的には、前記穀物が前記仕切板に衝突することによって、前記穀物排出経路が大きくなり、前記塵芥排出経路が小さくなるように、前記仕切板が回動する。
したがって、本発明にかかる排塵装置によれば、前記穀物の搬送量が増加するに伴い、前記穀物排出経路が大きくなり、前記塵芥排出経路が小さくなるため、前記塵芥排出部における吸引速度が上昇することなる。つまり、本発明によれば、前記穀物の搬送量に応じて、前記塵芥排出部における吸引速度が変化し、前記穀物の搬送量が増加すればするほど前記塵芥排出部における吸引速度が上昇するため、前記穀物に伴い搬送して投入される前記塵芥を効果的に排出することが可能な排塵装置を得ることができる。
【0010】
さらに、本発明の第三態様にかかる排塵装置は、第一態様または第二態様の構成において、前記仕切板の上方部が、前記穀物投入部と前記塵芥排出部とを閉塞している構成であることが好ましい。
この好ましい構成によれば、前記仕切板の上方部が前記穀物投入部と前記塵芥排出部とを閉塞した構成であるため、前記仕切板の下方部における前記穀物排出経路と前記塵芥排出経路のそれぞれの面積に応じて、前記塵芥排出部における吸引速度が定まる。つまり、前記仕切板に衝突する前記穀物が増加するほど、回動する前記仕切板により前記塵芥排出経路面積が小さくなるため、前記塵芥排出部における吸引速度が上昇する。したがって、この好ましい構成によれば、前記穀物に混入している前記塵芥を効果的に排出することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、比較的コンパクトな構成で効果的に藁屑・ゴミ・ホコリ等の異物や塵芥を除去可能な、風選機構を備えた排塵装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態にかかる排塵装置(第一排塵装置および第二排塵装置)が設けられた搬送装置、昇降機、およびその周辺装置等の概略図を示したものである。
【
図2】本発明の実施形態にかかる第一排塵装置の概略図を示したものである。
【
図3】本発明の実施形態にかかる第一排塵装置の概略図であって、第一排塵装置を成す仕切板の回動状態を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかる第二排塵装置の概略図であって、第二排塵装置を成す仕切板の回動状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態にかかる排塵装置(第一排塵装置、第二排塵装置)、排塵装置が設けられた昇降機、およびその周辺装置等について説明する。
ここで、本実施形態にかかる排塵装置を経由して搬送等される「穀物」とは、例えば、米、麦、粟、稗、トウモロコシ、大豆、小豆、蕎麦等があげられる。
【0014】
本発明は、共同乾燥調製施設(カントリーエレベーターやライスセンター)等における穀物搬送ラインに設けられた、風選機構を備えた排塵装置に関する。本発明の実施形態にかかる排塵装置(第一排塵装置、第二排塵装置)は、例えば、穀物乾燥機に穀物を投入する際に使用される搬送装置や昇降機に適宜設置される。
【0015】
図1は、本発明の実施形態にかかる排塵装置(第一排塵装置および第二排塵装置)が設けられた搬送装置、昇降機、およびその周辺装置等の概略図を示したものである。また、
図2は、本発明の実施形態にかかる第一排塵装置の概略図を示したものである。また、
図3は、本発明の実施形態にかかる第一排塵装置の概略図であって、第一排塵装置を成す仕切板の回動状態を示す概略図である。さらに、
図4は、本発明の実施形態にかかる第二排塵装置の概略図であって、第二排塵装置を成す仕切板の回動状態を示す概略図である。
【0016】
図1は、穀物を荷受する荷受工程から穀物を乾燥する乾燥工程等(図示省略)に投入する際に使用される搬送装置300および昇降機400等の概略図を示したものである。この
図1に示すように、搬送装置300から昇降機400へ受け継いで穀物を移送する部分に第一排塵装置100が設けられ、昇降機400から乾燥機等の他の装置(図示省略)へ受け継いで穀物を移送する部分に第二排塵装置200が設けられている。
【0017】
まず、本発明の実施形態にかかる第一排塵装置について説明する。
【0018】
図2は、本発明の実施形態にかかる第一排塵装置の概略図を示したものである。この
図2に示すように、本実施形態にかかる第一排塵装置100は、穀物Kを搬送する搬送装置300の端部に設けられている。
【0019】
搬送装置300は、搬送プーリ301および搬送ベルト302等を用いて構成されている。搬送ベルト302は、ゴムや合成樹脂や金属等のいずれかあるいは複数の材料を用いて無端状に構成されている。また、この
図2においては、図面の煩雑化を避けるために省略しているが、搬送装置300は、他のプーリ、駆動装置、および制御装置等を備えている。
【0020】
図2に示す搬送装置300は、搬送プーリ301を含む複数のプーリに搬送ベルト302を無端状に巻き掛けて構成されており、いずれかのプーリあるいは搬送ベルト302に対して駆動装置により回転駆動力が付与される。つまり、本実施形態にかかる搬送装置300においては、搬送ベルト302上に穀物Kが載置され、駆動装置によって搬送ベルト302が駆動することによって、穀物Kの搬送処理が行われる。
図2に示すように、本実施形態においては、搬送装置300の搬送方向下流側端部に、第一排塵装置100が設けられている。
【0021】
図2に示す本実施形態にかかる第一排塵装置100(本発明の「排塵装置」に相当)は、搬送装置300の搬送方向下流側端部に設けられており、搬送装置300にて搬送された穀物Kは、第一排塵装置100を経由して、次工程あるいは他の装置に搬送される。本実施形態においては、搬送装置300にて搬送された穀物Kは、第一排塵装置100を介して、昇降機400へ移送される(
図1参照)。
【0022】
本実施形態にかかる第一排塵装置100は、本体ケーシング部100A、本体ケーシング部100Aに設けられた穀物投入部101、本体ケーシング部100Aの下方位置に設けられた穀物排出部102、本体ケーシング部100Aの上方位置に設けられた塵芥排出部103、および本体ケーシング部100Aの内部であって穀物投入部101から投入された穀物Kと衝突する位置に設けられた仕切板110等を用いて構成されている。
【0023】
搬送装置300にて搬送された穀物Kは、穀物投入部101から投入される。穀物投入部101から投入された穀物Kは、仕切板110に衝突した後、穀物排出経路120を経て穀物排出部102から排出される。穀物Kに混入していた塵芥は、塵芥排出経路130を経て塵芥排出部103から排出される。
【0024】
本実施形態にかかる第一排塵装置100を成す穀物投入部101は、搬送装置300の移送方向下流側端部に近接して設けられている。この穀物投入部101は、本体ケーシング部100Aの一部に開口して形成されている。搬送ベルト302にて搬送された穀物Kは、搬送ベルト302の下流側端部から穀物投入部101を介して第一排塵装置100に投入される。
【0025】
本実施形態にかかる第一排塵装置100を成す仕切板110は、第一排塵装置100の内部に設けられている。また、この仕切板110は、穀物投入部101から投入された穀物Kが衝突する位置に設けられている。
【0026】
この仕切板110は、第一仕切板部111と第二仕切板部112とを用いて構成されている。
仕切板110を成す第一仕切板部111は、その一方端部である第一仕切板上方部111aが本体ケーシング部100Aの内側に固着され、他方端部である第一仕切板下方部111bが本体ケーシング部100Aの内部に設けられた仕切板取付軸部115に固着されている。この第一仕切板上方部111aにより、穀物投入部101と塵芥排出部103とは連通せず、遮断された状態に構成される。
【0027】
仕切板110を成す第二仕切板部112は、その一方端部である第二仕切板上方部112aが仕切板取付軸部115に回動可能に取り付けられており、他方端部である第二仕切板下方部112bは、搬送装置300側に折り曲げ加工されている。第二仕切板部112は一体的に構成されており、第二仕切板上方部112aは仕切板取付軸部115に回動可能に設けられ、第二仕切板下方部112bは、穀物投入部101から投入された穀物Kとより適切に衝突すべく搬送ベルト302側に折り曲げ形成されている。
【0028】
また、第二仕切板部112の第二仕切板上方部112aの端部は、第二仕切板部112の回動時、ストッパの役目を果たすべく、搬送装置300側に所定の角度を折り曲げて形成されている。つまり、第二仕切板部112に穀物Kが衝突し、第二仕切板部112が搬送装置300から離れる方向に回動しても、第二仕切板部112が本体ケーシング部100Aの内側に接触しないように(塵埃排出経路130が閉塞されないように)、第二仕切板上方部112aの端部と第一仕切板下方部111bとが接触して、第二仕切板部112の動きが制限されるように構成されている。
【0029】
本実施形態においては、仕切板110にて第一排塵装置100の内部が仕切られており、仕切板110の内側(仕切板110から搬送ベルト302側(
図2の左側))の穀物Kが排出されて移送される領域を穀物排出経路(穀物排出経路領域)120と定義し、仕切板110の外側(仕切板110から反搬送ベルト302側(
図2の右側))の吸引空気Aによって塵芥が吸引排出される領域を塵芥排出経路(塵芥排出経路領域)130と定義する。
【0030】
本実施形態にかかる第一排塵装置100を成す穀物排出部102は、本体ケーシング部100Aの下方位置に設けられている。この穀物排出部102は、本体ケーシング部100Aの下方位置に、例えば筒状部材を用いて構成されている。搬送ベルト302から穀物投入部101を介して投入された穀物Kは、仕切板110に衝突した後、この穀物排出部102から昇降機400側へ排出される。
【0031】
本実施形態にかかる第一排塵装置100を成す塵芥排出部103は、本体ケーシング部100Aの上方位置に設けられている。この塵芥排出部103は、本体ケーシング部100Aの上方位置に、例えば筒状部材を用いて構成されている。塵芥排出部103の上流位置には、第一排塵装置100内の空気を吸引するための吸引装置(図示省略)が設けられている。この吸引装置の作用により、本実施形態にかかる第一排塵装置100においては、搬送装置300側から第一排塵装置100内部を経て塵芥排出部103の外部に向けて吸引空気Aが流動する。そして、吸引空気Aは、穀物排出経路120に示す穀物Kの下方への流れに対し横断するように吸引されるから(
図2参照)、本実施形態においては、穀物Kに混入する藁屑・ゴミ・ホコリ等の異物や塵芥を効果的に除去することができる。本実施形態においては、この吸引空気Aの動きに伴い、穀物に混入した塵芥が、塵芥排出部103から第一排塵装置100の外部に適切に排出される。
【0032】
本実施形態にかかる第一排塵装置100は、以上のように構成されているため、以下のような作用効果を奏することとなる。以下、上述した構成に基づき、本実施形態にかかる第一排塵装置100の作用効果等について、
図1~
図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施形態にかかる第一排塵装置100の概略図であって、第一排塵装置100を成す仕切板110の回動状態を示している。より具体的には、
図3(a)は、第一排塵装置100に対して穀物Kが投入される前であって仕切板110が回動していない状態を示す概略図、
図3(b)は、第一排塵装置100に対して穀物Kが投入されて仕切板110に衝突し仕切板110が回動している状態を示す概略図である。
【0034】
本実施形態にかかる第一排塵装置100は、搬送装置300の下流側端部に設けられており、搬送装置300の搬送ベルト302に載置された穀物Kが、搬送ベルト302の動きに伴い、穀物投入部101から第一排塵装置100内に投入されるべく構成される。
【0035】
搬送装置300(を成す搬送ベルト302)から穀物投入部101に投入された穀物Kは、第一排塵装置100内に設けられた仕切板110に衝突する。より具体的には、穀物Kは、仕切板110を成す第二仕切板部112に衝突する。仕切板110を成す第二仕切板部112の第二仕切板下方部112bは、搬送装置300側に折り曲げて形成されているため、穀物投入部101から投入された穀物Kは、確実に仕切板110(を成す第二仕切板112の第二仕切板下方部112b)に衝突することとなる。
【0036】
穀物Kが仕切板110の第二仕切板部112に衝突すると、その衝突エネルギによって穀物Kに混入した塵芥と穀物Kとが分離しやすくなる。つまり、穀物Kが第二仕切板部112に衝突することによって、穀物Kに混入した塵芥が第一排塵装置100内の仕切板110前後において効果的に穀物Kから分離する。
【0037】
また、穀物Kが仕切板110の第二仕切板部112に衝突することによって、仕切板取付軸部115を中心として、本実施形態にかかる第一排塵装置100を成す第二仕切板部112は、搬送装置300から離れる方向に回動移動する。この第二仕切板部112が搬送装置300から離れる方向に回動移動することによって、
図3(b)に示すように、穀物排出経路(穀物排出経路領域)120は広がり、塵芥排出経路(塵芥排出経路領域)130は狭まることとなる。また、第二仕切板部112に穀物Kが衝突し、第二仕切板部112が搬送装置300から離れる方向に回動しても、第二仕切板部112が本体ケーシング部100Aの内側に接触しないように、第二仕切板上方部112aの端部と第一仕切板下方部111bとが接触して、第二仕切板部112の動きが制限されるため、塵芥排出経路130が閉塞されることはない。
【0038】
本実施形態において、吸引空気Aは、
図2および
図3(b)の白抜き矢印の方向に流動する。つまり、搬送装置300側から塵芥排出経路130を経て塵芥排出部103およびその外部に向かって吸引空気Aは流動する。この吸引空気Aにより、本実施形態にかかる第一排塵装置100においては、穀物Kに混入した塵芥が、塵芥排出経路130を経由して塵芥排出部103から第一排塵装置100の外部に排出される。
【0039】
上述したように、穀物Kが第二仕切板部112に衝突することによって、穀物排出経路120は広がり、塵芥排出経路130は狭まる。穀物排出経路120が広がることにより、穀物Kは穀物排出部102から効率的に排出されることとなる。加えて、塵芥排出経路130が狭まることにより、塵芥排出経路130における吸引空気Aの流速(吸引速度)が高まることとなる。本実施形態にかかる第一排塵装置100によれば、穀物Kの搬送量が増加すればするほど塵芥排出経路130が狭まり、塵芥排出部103における吸引速度が上昇するため、穀物Kに伴い搬送して投入される塵芥を、塵芥排出経路130および塵芥排出部103を経由して、効果的に排出することができる。
【0040】
次に、本発明の実施形態にかかる第二排塵装置200について説明する。
【0041】
先に
図1を用いて説明したように、本実施形態においては、搬送装置300から昇降機400へ穀物Kを移送する部分に第一排塵装置100が設けられ、昇降機400から乾燥機等の他の装置(図示省略)へ穀物Kを移送する部分に第二排塵装置200が設けられている。
【0042】
図4は、本発明の実施形態にかかる第二排塵装置200の概略図であって、第二排塵装置200を成す仕切板の回動状態を示している。より具体的には、
図4(a)は、第二排塵装置200に対して穀物が投入される前であって仕切板が回動していない状態を示す概略図、
図3(b)は、第二排塵装置200に対して穀物が投入されて仕切板に衝突し仕切板が回動している状態を示す概略図である。
【0043】
また、この
図4に示すように、本実施形態にかかる第二排塵装置200は、穀物Kを搬送する昇降機400の上方部に設けられている。穀物Kは、搬送装置300および第一排塵装置100を介して昇降機400に搬送され、この昇降機400の上方位置にて第二排塵装置200に投入され、第二排塵装置200に投入された穀物Kは、乾燥機等の装置に搬送される。
【0044】
昇降機400は、上部プーリ401、バケットベルト402、およびバケット403等を用いて構成されている。バケットベルト402は、ゴムや合成樹脂や金属等のいずれかあるいは複数の材料を用いて無端状に構成されている。また、この
図4においては、図面の煩雑化を避けるために省略しているが、昇降機400は、下部プーリ、駆動装置、および制御装置等を備えている。
【0045】
図4に示す昇降機400は、筐体内の上下端に軸支された上部プーリ401および下部プーリ(図示省略)と、この上部プーリ401および下部プーリ間に懸架された無端状のバケットベルト402と、この無端状のバケットベルト402に設けられた複数のバケット403等とを用いて構成される。複数のバケット403のそれぞれあるいは一部には、バケット403の開口縁にスクレーパ(図示省略)が設けられている。本実施形態にかかる昇降機400は、駆動装置により、上部プーリ401および下部プーリの少なくとも一方に回転駆動力が付与され、この回転駆動力によりバケットベルト402が駆動し、このバケットベルト402に設けられたバケット403が上下に移動する。この
図4においては、バケットベルト402が時計方向に駆動することによって、上部プーリ401の左側に位置するバケット403は上方に移動し、上部プーリ401の右側に位置するバケット403は下方に移動する。
【0046】
本実施形態においては、搬送装置300にて搬送された穀物Kが第一排塵装置100を介して、昇降機400の下方部に投入される(
図1参照)。昇降機400の下方部に投入された穀物Kは、時計回りに回転駆動するバケット403によって、昇降機400の下方部にて掬い取られ、昇降機400の上方部に搬送される。昇降機400の上方部に搬送された穀物Kは、昇降機400の上方部に設けられた第二排塵装置200に投入される。
【0047】
図4に示す本実施形態にかかる第二排塵装置200(本発明の「排塵装置」に相当)は、昇降機400の上方部に設けられており、昇降機400(のバケット403)にて搬送された穀物Kは、第二排塵装置200を経由して、乾燥機等に搬送される(
図1参照)。
【0048】
本実施形態にかかる第二排塵装置200は、本体ケーシング部200A、昇降機400の上方部から穀物Kを投入可能に形成された穀物投入部201、本体ケーシング部200Aの下方位置に設けられた穀物排出部202、本体ケーシング部200Aの上方位置に設けられた塵芥排出部203、および本体ケーシング部200Aの内部であって穀物投入部201から投入された穀物Kと衝突する位置に設けられた仕切板210等を用いて構成されている。
【0049】
昇降機400にて搬送された穀物Kは、穀物投入部201から投入される。穀物投入部201から投入された穀物Kは、仕切板210に衝突した後、穀物排出経路220を経て穀物排出部202から排出される。穀物Kに混入していた塵芥は、塵芥排出経路230を経て塵芥排出部203から排出される。
【0050】
本実施形態にかかる第二排塵装置200を成す穀物投入部201は、昇降機400の上方部であって、昇降機400を成すバケット403から投入された穀物Kが投入可能な位置に開口して形成されている。バケット403にて搬送された穀物Kは、昇降機400の上方に位置するバケット403から穀物投入部201を介して第二排塵装置200に投入される。
【0051】
本実施形態にかかる第二排塵装置200を成す仕切板210は、第二排塵装置200の内部に設けられている。また、この仕切板210は、穀物投入部201から投入された穀物Kが衝突する位置に設けられている。
【0052】
この仕切板210は、板状部材を用いて一体的に形成されている。仕切板210の一方端部である仕切板上方部210aは、昇降機400の上方部内側に設けられた仕切板取付軸部215に回動可能に取り付けられている。また、仕切板210の他方端部である仕切板下方部210bは、昇降機400側に折り曲げ加工されている。本実施形態にかかる仕切板210は一体的に構成されており、仕切板上方部210aは色彩選別15に回動可能に設けられ、仕切板下方部210bは、穀物投入部201から投入された穀物Kとより適切に衝突すべく昇降機400側に折り曲げ形成されている。また、この仕切板210により、穀物投入部201と塵芥排出部203とは直接的に連通せず、遮断された状態に構成される。
【0053】
また、仕切板210の仕切板上方部210aの端部は、仕切板210の回動時、ストッパの役目を果たすべく、昇降機400側に所定の角度を折り曲げて形成されている。つまり、仕切板210に穀物Kが衝突し、仕切板210が昇降機400から離れる方向に回動しても、仕切板210が本体ケーシング部200Aの内側に接触しないように(塵埃排出経路230が閉塞されないように)、仕切板210の仕切板上方部210aの端部が昇降機400の筐体等に接触して、仕切板210の動きが制限されるように構成されている。
【0054】
本実施形態においては、仕切板210にて第二排塵装置200の内部が仕切られており、仕切板210の内側(仕切板110からバケット403側(
図4の左側))の穀物Kが排出されて移送される領域を穀物排出経路(穀物排出経路領域)220と定義し、仕切板210の外側(仕切板210から反バケット403側(
図4の右側))の吸引空気A(
図4(b)参照)によって塵芥が吸引排出される領域を塵芥排出経路(塵芥排出経路領域)230と定義する。
【0055】
本実施形態にかかる第二排塵装置200を成す穀物排出部202は、本体ケーシング部200Aの下方位置に設けられている。この穀物排出部202は、本体ケーシング部200Aの下方位置に、例えば筒状部材を用いて構成されている。バケット403から穀物投入部201を介して投入された穀物Kは、仕切板210に衝突した後、この穀物排出部202から次工程の装置(例えば、乾燥機)側へ排出される。
【0056】
本実施形態にかかる第二排塵装置200を成す塵芥排出部203は、本体ケーシング部200Aの上方位置に設けられている。この塵芥排出部203は、本体ケーシング部200Aの上方位置に、例えば筒状部材を用いて構成されている。塵芥排出部203の上流位置には、第二排塵装置200内の空気を吸引するための吸引装置(図示省略)が設けられている。この吸引装置の作用により、本実施形態にかかる第二排塵装置200においては、昇降機400側から第二排塵装置200内部を経て塵芥排出部203の外部に向けて吸引空気Aが流動する(
図4(b)参照)。そして、吸引空気Aは、穀物排出経路220に示す穀物Kの下方への流れに対し横断するように吸引されるから(
図4参照)、本実施形態においては、穀物Kに混入する藁屑・ゴミ・ホコリ等の異物や塵芥を効果的に除去することができる。本実施形態においては、この吸引空気Aの動きに伴い、穀物Kに混入した塵芥が、塵芥排出部203から第二排塵装置200の外部に適切に排出される。
【0057】
本実施形態にかかる第二排塵装置200は、以上のように構成されているため、以下のような作用効果を奏することとなる。以下、上述した構成に基づき、本実施形態にかかる第二排塵装置200の作用効果等について、
図1および
図4を用いて説明する。
【0058】
図4は、本発明の実施形態にかかる第二排塵装置200の概略図であって、第二排塵装置200を成す仕切板210の回動状態を示している。より具体的には、
図4(a)は、第二排塵装置200に対して穀物Kが投入される前であって仕切板210が回動していない状態を示す概略図、
図4(b)は、第二排塵装置200に対して穀物Kが投入されて仕切板210に衝突し仕切板210が回動している状態を示す概略図である。
【0059】
本実施形態にかかる第二排塵装置200は、昇降機400の上方位置に設けられており、昇降機400のバケット403にて搬送された穀物Kが、バケット403の動きに伴い、穀物投入部201から第二排塵装置200内に投入されるべく構成される。
【0060】
昇降機400(を成すバケット403)から穀物投入部201に投入された穀物Kは、第二排塵装置200内に設けられた仕切板210に衝突する。より具体的には、穀物Kは、仕切板210を成す仕切板下方部210bに衝突する。仕切板210を成す仕切板下方部210bは、昇降機400側に折り曲げて形成されているため、穀物投入部201から投入された穀物Kは、確実に仕切板210(を成す仕切板下方部210b)に衝突することとなる。
【0061】
穀物Kが仕切板210の仕切板下方部210bに衝突すると、その衝突エネルギによって穀物Kに混入した塵芥と穀物Kとが分離しやすくなる。つまり、穀物Kが仕切板210に衝突することによって、穀物Kに混入した塵芥が第二排塵装置200内の仕切板210前後において効果的に穀物Kから分離する。
【0062】
また、穀物Kが仕切板210の仕切板下方部210bに衝突することによって、仕切板取付軸部215を中心として、本実施形態にかかる第二排塵装置200を成す仕切板210は、昇降機400から離れる方向に回動移動する。この仕切板210が昇降機400から離れる方向に回動移動することによって、
図4(b)に示すように、穀物排出経路(穀物排出経路領域)220は広がり、塵芥排出経路(塵芥排出経路領域)230は狭まることとなる。また、仕切板210に穀物Kが衝突し、仕切板210が昇降機400から離れる方向に回動しても、仕切板210が本体ケーシング部200Aの内側に接触しないように、仕切板210の仕切板上方部210aの端部と昇降機400の筐体等が接触して、仕切板210の動きが制限されるため、塵芥排出経路230が閉塞されることはない。
【0063】
本実施形態において、吸引空気Aは、
図4(b)の白抜き矢印の方向に流動する。つまり、昇降機400側から塵芥排出経路230を経て塵芥排出部203およびその外部に向かって吸引空気Aは流動する。この吸引空気Aにより、本実施形態にかかる第二排塵装置200においては、穀物Kに混入した塵芥が、塵芥排出経路230を経由して塵芥排出部203から第二排塵装置200の外部に排出される。
【0064】
上述したように、穀物Kが仕切板210に衝突することによって、穀物排出経路220は広がり、塵芥排出経路230は狭まる。穀物排出経路220が広がることにより、穀物Kは穀物排出部202から効率的に排出されることとなる。加えて、塵芥排出経路230が狭まることにより、塵芥排出経路230における吸引空気Aの流速(吸引速度)が高まることとなる。本実施形態にかかる第二排塵装置200によれば、穀物Kの搬送量が増加すればするほど塵芥排出経路230が狭まり、塵芥排出部203における吸引速度が上昇するため、穀物Kに伴い搬送して投入される塵芥を、塵芥排出経路230および塵芥排出部203を経由して、効果的に排出することができる。
【0065】
本実施形態にかかる第一排塵装置100および第二排塵装置200は、
図1から
図4を用いて説明したような構成を有するため、次のような作用効果を奏する。
【0066】
本実施形態にかかる排塵装置(第一排塵装置100、第二排塵装置200)は、搬送された穀物Kを投入する穀物投入部101,201と、投入された穀物Kを排出する穀物排出部102,202と、穀物Kに混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部103,203とを備え、投入された穀物Kが落下する方向に穀物排出部102,202が設けられ、穀物排出部102,202と対向する位置に塵芥排出部103,203が設けられており、穀物排出部102,202と塵芥排出部103,203との間には、穀物投入部101,201から投入された穀物Kと衝突する位置に、仕切板110,210が設けられており、仕切板110,210は、穀物排出部102,202に連通する穀物排出経路(穀物排出経路面積)120,220および塵芥排出部103,203に連通する塵芥排出経路(塵芥排出経路面積)130,230を変動させるべく、穀物Kの衝突により回動可能に構成されている。本実施形態にかかる排塵装置(第一排塵装置100、第二排塵装置200)においては、穀物投入部101,201から穀物排出部102,202へ落下する途中の穀物Kが仕切板110,210に衝突することによって、穀物排出経路120,220が大きくなり、塵芥排出経路130,230が小さくなるように、仕切板110,210が回動する。
【0067】
このように構成された排塵装置100,200によれば、穀物投入部101,201から落下して穀物排出部102,202から排出される前の穀物Kが仕切板110,210に衝突することによって仕切板110,210が回動し、穀物排出経路120,220および塵芥排出経路130,230が変動することとなる。より具体的には、穀物Kが仕切板110,210に衝突することによって、穀物排出経路120,220が大きくなり(広がり)、塵芥排出経路130,230が小さくなるように(狭まるように)、仕切板110,210が回動する。
したがって、本実施形態にかかる排塵装置100,200によれば、穀物Kの搬送量が増加するに伴い、穀物排出経路120,220が大きくなり、塵芥排出経路130,230が小さくなるため、塵芥排出経路130,230における吸引速度が上昇することなる。つまり、本実施形態によれば、穀物Kの搬送量に応じて、塵芥排出経路130,230における吸引速度が変化し、穀物Kの搬送量が増加すればするほど塵芥排出経路130,230における吸引速度が上昇するため、穀物Kに伴い搬送して投入される塵芥を効果的に排出することが可能な排塵装置100,200を得ることができる。
【0068】
また、本実施形態にかかる排塵装置100,200は、搬送された穀物Kを投入する穀物投入部101,201と、投入された穀物Kを排出する穀物排出部102,202と、穀物Kに混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部103,203とを備え、穀物投入部101,201の下方位置に穀物排出部102,202が設けられ、穀物投入部101,202の上方位置に塵芥排出部103,203が設けられており、穀物排出部102,202と塵芥排出部103,203との間には、穀物投入部101,201から投入された穀物Kと衝突する位置に、仕切板110,210が設けられており、仕切板110,210は、穀物排出部102,202に連通する穀物排出経路(穀物排出経路面積)120,220および塵芥排出部103,203に連通する塵芥排出経路(塵芥排出経路面積)130,230を変動させるべく、穀物Kの衝突により回動可能に構成されている。本実施形態にかかる排塵装置100,200においては、穀物投入部101,201の下方位置に設けられている穀物排出部102,202から排出される前の穀物Kが仕切板110,210に衝突することによって、穀物排出経路120,220が大きくなり、塵芥排出経路130,230が小さくなるように、仕切板110,210が回動する。
【0069】
このように構成された排塵装置100,200によれば、穀物投入部101,201の下方位置に設けられている穀物排出部102,202から排出される前の穀物Kが仕切板110,210に衝突することによって仕切板110,210が回動し、穀物排出経路120,220および塵芥排出経路130,230が変動することとなる。より具体的には、穀物Kが仕切板110,210に衝突することによって、穀物排出経路120,220が大きくなり、塵芥排出経路130,230が小さくなるように、仕切板110,210が回動する。
したがって、本実施形態にかかる排塵装置100,200によれば、穀物Kの搬送量が増加するに伴い、穀物排出経路120,220が大きくなり、塵芥排出経路130,230が小さくなるため、塵芥排出経路130,230における吸引速度が上昇することなる。つまり、本実施形態によれば、穀物Kの搬送量に応じて、塵芥排出経路130,230における吸引速度が変化し、穀物Kの搬送量が増加すればするほど塵芥排出経路130,230における吸引速度が上昇するため、穀物Kに伴い搬送して投入される塵芥を効果的に排出することが可能な排塵装置100,200を得ることができる。
【0070】
さらに、本実施形態に排塵装置100,200は、仕切板110,210の上方部が、穀物投入部101,201と塵芥排出部103,203とを閉塞している構成であることが好ましい。
この好ましい構成によれば、仕切板110,210の上方部が穀物投入部101,201と塵芥排出部103,203とを閉塞した構成であるため、仕切板110,210の下方部における穀物排出経路120,220と塵芥排出経路130,230のそれぞれの面積に応じて、塵芥排出経路120,220における吸引速度が定まる。つまり、仕切板110,210に衝突する穀物Kが増加するほど、回動する仕切板110,210により塵芥排出経路130,230の面積が小さくなるため、塵芥排出経路130,230における吸引速度が上昇する。したがって、この好ましい構成によれば、穀物Kに混入している塵芥を効果的に排出することができる。
【0071】
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
上記実施形態においては、搬送されるものが穀物である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、搬送されるものは、種々の粒状体(ナッツ、豆類、穀粒、樹脂、石、ガラス、木材等の粒状体)や、種々の粉状体であってもよい。このように穀物以外の搬送対象物についても、本発明における排塵装置を適用することは可能である。
【0073】
また、上記実施形態においては、搬送装置300の下流側および昇降機400の上方位置に排塵装置100,200を設置する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、他の種々の装置の前後あるいは上下に用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、共同乾燥調製施設(カントリーエレベーターやライスセンター)等における穀物搬送ラインに設けられた、風選機構を備えた排塵装置に関するものである。
【0075】
本発明にかかる排塵装置は、搬送された穀物を投入する穀物投入部と、投入された穀物を排出する穀物排出部と、穀物に混入した塵芥を吸引して排出する塵芥排出部とを備え、穀物投入部の下方位置に穀物排出部が設けられ、穀物投入部の上方位置に塵芥排出部が設けられており、穀物排出部と塵芥排出部との間には、穀物投入部から投入された穀物と衝突する位置に仕切板が設けられており、仕切板は、穀物排出部に連通する穀物排出経路(穀物排出経路面積)および塵芥排出部に連通する塵芥排出経路(塵芥排出経路面積)を変動させるべく、穀物の衝突により回動可能に構成されている。
【0076】
本発明によれば、比較的コンパクトな構成で効果的にゴミ・ホコリ等の塵芥を除去可能な、風選機構を備えた排塵装置を得ることができる。
【0077】
本発明にかかる排塵装置は、以上のような構成および作用効果を有するため、産業上の利用可能性は高いと考えられる。
【符号の説明】
【0078】
100 第一排塵装置(本発明の「排塵装置」に相当)
100A 本体ケーシング部
101 穀物投入部
102 穀物排出部
103 塵芥排出部
110 仕切板
111 第一仕切板部
111a 第一仕切板上方部
111b 第一仕切板下方部
112 第二仕切板部
112a 第二仕切板上方部
112b 第二仕切板下方部
115 仕切板取付軸部
120 穀物排出経路
130 塵芥排出経路
200 第二排塵装置(本発明の「排塵装置」に相当)
200A 本体ケーシング部
201 穀物投入部
202 穀物排出部
203 塵芥排出部
210 仕切板
210a 仕切板上方部
210b 仕切板下方部
215 仕切板取付軸部
220 穀物排出経路
230 塵芥排出経路
300 搬送装置
301 搬送プーリ
302 搬送ベルト
400 昇降機
401 上部プーリ
402 バケットベルト
403 バケット
A 吸引空気(吸引空気の流れ)
K 穀物