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特開2024-73622旅程生成装置、旅程生成システム、旅程生成方法、およびコンピュータプログラム製品
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  • 特開-旅程生成装置、旅程生成システム、旅程生成方法、およびコンピュータプログラム製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073622
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】旅程生成装置、旅程生成システム、旅程生成方法、およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043726
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2022537779の分割
【原出願日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19219266.4
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】519221350
【氏名又は名称】ヒタチ レール エスティーエス エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】Hitachi Rail STS S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】崎川 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】リー ドン
(72)【発明者】
【氏名】モファ ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】助口 聡
(72)【発明者】
【氏名】望月 智之
(72)【発明者】
【氏名】小岩 博明
(72)【発明者】
【氏名】山口 恵
(72)【発明者】
【氏名】デ グラツィア アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】フスコ マンリオ
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体、特にモバイルコンピューティングデバイスを使用する人が移動してきた旅程の生成/逆戻りの信頼性を向上する装置及びシステムを提供する。
【解決手段】移動体が移動してきた旅程を生成する装置1100は、複数の位置情報データを移動体のモバイルコンピュータ1200から受信する入力ユニットと、複数の旅程サブセクション情報データを含む旅程履歴データを生成する旅程生成ユニットと、前記旅程サブセクション情報データに基づくか又はモバイルコンピュータ1200に対する重み値に基づいて、移動体の少なくとも1つの旅程を出力する出力ユニットと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報データ(3001…300n)を移動体のモバイルコンピュータ(1200)から受信するように構成され、前記位置情報データ(3001…300n)が、前記モバイルコンピュータ(1200)の位置、および前記位置における時間に関するデータを包含し、装置(1100)が、複数の位置情報データ(3001…300n)を位置履歴データ(1102)として格納するように構成された、入力ユニットと、
複数の所定の旅程サブセクション(5001…500n)それぞれに対する重み値を含む、旅程ネットワークデータベース(1103)と、
複数の旅程サブセクション情報データ(6001…600n)を含む旅程履歴データ(1105)を生成するように構成され、各旅程サブセクション情報データ(6001…600n)が、前記位置履歴データ(1102)に基づいて決定された、旅程のサブセクションの開始位置および終了位置と、前記旅程ネットワークデータベース(1103)に含まれる前記重み値に基づいて決定された推定値とを含む、旅程生成ユニット(1113)と、
前記旅程履歴データ(1105)の前記旅程サブセクション情報データ(6001…600n)に基づいて、また前記モバイルコンピュータ(1200)に対する前記重み値に基づいて、前記移動体の少なくとも1つの旅程を出力するように構成された、出力ユニット(1115)と、を備える、移動体が移動してきた旅程を生成する装置(1100)。
【請求項2】
各位置情報データ(3001…300n)が、前記モバイルコンピュータ(1200)の識別子、前記モバイルコンピュータ(1200)の位置、および前記モバイルコンピュータ(1200)が前記位置にある時間に関するデータを含み、前記モバイルコンピュータ(1200)の前記位置、および前記位置における前記時間に関する前記データが、前記位置にある発信者ノード(N)から前記モバイルコンピュータ(1200)に送信される信号に基づいて生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記旅程生成ユニット(1113)が、最も時間が短い第1の位置情報データを前記位置履歴データ(1102)から選択し、前記第1の位置情報データの位置を開始位置として設定し、次に時間が短く、前記開始位置とは異なる位置を有する第2の位置情報データを前記位置履歴データ(1102)から選択し、前記第2の位置情報データの位置を終了位置として設定し、前記開始位置および前記終了位置を、前記旅程履歴データ(1105)の前記旅程サブセクション情報データ(6001…600n)の一部として保存するように構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記旅程ネットワークデータベース(1103)からのデータに基づいて、所定の閾値よりも低い推定値を有する、前記旅程生成ユニット(1113)によって生成された旅程サブセクション情報データ(6001…600n)に対する代替の情報である、1つまたは複数の代替旅程サブセクション情報データ(6001…600n)を含む追加の旅程履歴データ(1105)を生成するように構成された、旅程推定ユニット(1114)を更に備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記旅程ネットワークデータベース(1103)が、開始位置、終了位置、および重み値をそれぞれ含む、複数の所定の旅程サブセクション(5001…500n)を備え、
旅程生成ユニット(1113)が、前記開始位置および前記終了位置が、前記旅程ネットワークデータベース(1103)における所定の旅程サブセクション(5001…500n)の前記開始位置および前記終了位置と一致する、前記旅程履歴データ(1105)からの旅程サブセクション情報データ(6001…600n)に関して、重み値を前記旅程ネットワークデータベース(1103)から選択するように構成され、
前記旅程サブセクション情報データ(6001…600n)の前記推定値が、選択された前記重み値と同じである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記旅程推定ユニット(1114)が、前記旅程ネットワークデータベース(1103)に関して、所定の閾値よりも低い推定値を有する、前記旅程生成ユニット(1113)によって生成された前記旅程サブセクション情報データ(6001…600n)の、また前記旅程ネットワークデータベース(1103)の所定の旅程サブセクション(5001…500n)の、少なくとも前記開始位置または前記終了位置が互いに一致する、前記旅程ネットワークデータベース(1103)から1つまたは複数の所定の旅程サブセクション(5001…500n)を選択することによって、ならびに前記代替旅程サブセクション情報データの前記重み値が前記所定の閾値以上である場合に、代替旅程サブセクション情報データ(6001…600n)を前記旅程履歴データ(1105)に追加するように構成された、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記旅程生成ユニット(1113)および前記旅程推定ユニット(1114)が、プロパティ値を前記旅程サブセクション情報データ(6001…600n)に追加するように構成され、
前記旅程生成ユニット(1113)が、「実際(actual)」をプロパティ値として設定し、前記旅程推定ユニット(1114)が「仮定(assumption)」をプロパティ値として設定する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記出力ユニット(1115)が、旅程サブセクション情報データ(6001…600n)を、確認済み旅程または代替旅程として、前記旅程履歴データ(1105)から出力するように構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記出力ユニット(1115)が、少なくとも1つの旅程サブセクション情報データ(6001…600n)を、提案旅程として前記旅程履歴データ(1105)から前記モバイルコンピュータに出力するように構成され、前記入力ユニット(1115)が、前記提案旅程に対する合意に関してフィードバックデータを前記モバイルコンピュータから受信するように構成され、
前記フィードバックデータが合意を含む場合、前記旅程ネットワークデータベース(1103)における前記重み値を、前記提案旅程と一致する前記所定の旅程サブセクションに対しては増加させ、それ以外は前記重み値を減少させる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
合意を受信していない提案旅程に対するフィードバック情報を検証し、前記検証によって合意が適切であると判定された場合に、前記提案旅程と一致する前記所定の旅程サブセクションの前記重みを増加させるように構成された、アラームユニット(1117)が含まれる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記重み値が、開始位置と終了位置との間の距離、開始位置と終了位置との間の移動の選択肢の数および種類、天候、ならびに/あるいは他の状況に基づいて修正される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、運賃データベース(1106)と、前記運賃データベース(1106)のデータに基づいて、前記旅程履歴データ(1105)における各旅程サブセクション情報データ(6001…600n)に対する運賃を計算するように構成された、運賃計算ユニット(1112)とを更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
請求項1から12の少なくとも一項に記載の前記装置(1100)と、モバイルコンピュータ(1200)と、移動ルートに沿った、および/または交通車両内の複数の発信者ノード(N)と、を含み、
前記発信者ノード(N)が、データをモバイルコンピュータ(1200)に発信するように構成された、システム(1000)。
【請求項14】
移動体のモバイルコンピュータ(1200)から、前記モバイルコンピュータ(1200)の位置、および前記位置における時間に関するデータを包含する、位置情報データ(3001…300n)を受信し、複数の前記位置情報データ(3001…300n)を位置履歴データ(1102)として格納することと、
前記位置履歴データ(1102)に基づいて決定された旅程のサブセクションの開始位置および終了位置と、旅程ネットワークデータベース(1103)からの重み値に基づいて決定された推定値とをそれぞれ含む、複数の旅程サブセクション情報データ(6001…600n)を含む旅程履歴データ(1105)を生成することと、
前記旅程履歴データ(1105)の前記旅程サブセクション情報データ(6001…600n)に基づいて、また前記モバイルコンピュータに対する前記重み値に基づいて、少なくとも1つの旅程を出力することと、を含む、移動体が移動してきた旅程を生成する方法。
【請求項15】
コンピュータによって実施されたとき、前記コンピュータに請求項14に記載の前記方法を実施させる命令を含む、メモリに格納可能なコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、特に、移動体、特にモバイルコンピューティングデバイスを使用する人が移動してきた旅程の生成/逆戻りの信頼性を向上する、装置およびシステムに関する。対応する方法およびコンピュータプログラム製品も提供される。信頼性は、特に、データトラフィックを低減することができ、構成の柔軟性の向上、重みベースの選択出力、ならびに特にハードウェアによる旅程のフェールセーフ判定を可能にする、装置およびシステムの改善されたアーキテクチャによって向上する。信頼性の相乗的な向上に役立つ更なる態様については、以下から明白となるであろう。
【背景技術】
【0002】
US9996831B2などの従来技術は、旅程の運賃の自動計算も可能にする、旅程生成システムについて記載している。システムは、列車、バスなどの車両の入口および出口に設置される、無線送受信機を使用する。入口の送受信機は、旅客が車両に乗ったとき、特定の人が入ったことを示すデータを、旅客のモバイルコンピューティングデバイスから無線で受信する。出口の送受信機は、旅客が移動する車両を離れると、データをモバイルコンピューティングデバイスから受信する。入口および出口の送受信機はデータをサーバに送信し、サーバは、送信されたデータを使用して、車両の送受信機からの入口および出口データに基づいて、旅客の旅程を決定する。かかるシステムの信頼性は、例えば、送受信機が故障した場合、モバイルコンピューティングデバイス、送受信機、および/またはサーバの間の通信が中断されるなど、影響を受けることがある。
【発明の概要】
【0003】
技術的な目的は、移動体が移動してきた旅程を決定するように構成される、より信頼性の高い装置およびシステム、ならびに対応する方法およびコンピュータプログラム製品を提供することである。
【0004】
添付の特許請求の範囲に記述する主題によれば、人またはモバイルコンピューティングデバイスのユーザなどの移動体が移動してきた旅程を生成する装置が提案される。装置は、好ましくは、リモートサーバ内に位置し、またはリモートサーバであることができる。ここで、「リモート」という表現は、サーバが移動体またはモバイルコンピューティングデバイス(モバイルコンピュータ)から離れて位置することを意味してもよい。モバイルコンピューティングデバイスまたはモバイルコンピュータは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチなどであってもよい。
【0005】
装置は、モバイルコンピュータの位置およびそれぞれの位置にいる時間に関するデータを包含してもよい、位置情報、特に位置情報データを受信するように構成されてもよい、入力ユニットを含んでもよい。位置情報データは、換言すれば、タイムスタンプを含んでもよい。移動体の行程中に受信される複数の位置情報データは、好ましくは装置に格納される、データベースに記録されてもよい。データベースは、アレイまたはテーブルなどのデータ構造を有してもよく、位置情報がそこにデータエントリとして記録されてもよい。位置情報データの全体を、以下、「位置履歴データ」と呼ぶことがある。
【0006】
装置は更に、旅程ネットワークデータベースを備えてもよい。データベースは、好ましくは、テーブル、アレイ、またはデータ値が入力された任意の同等のデータ構
造など、データ構造を含む。データベースは、重み値、または重みに関するデータなど、重み情報を含んでもよい。好ましくは、重み値は、旅程ネットワークデータベースに格納された、複数の所定の旅程サブセクションそれぞれに対してプリセットされる。上述したように、例えばサブセクションの数に応じて、サブセクションは、組み合わされた場合に旅程をもたらしてもよく、または単一のサブセクションが旅程となってもよい。
【0007】
更に、装置の旅程生成ユニットは、複数の旅程サブセクション情報データを含む旅程履歴データを生成するように構成されてもよい。上記データはやはり、好ましくは、アレイ、テーブルなどのデータ構造に格納されてもよく、各旅程サブセクション情報データは、位置履歴データに基づいて決定される旅程のサブセクションの開始位置および終了位置、ならびに旅程ネットワークデータベースからの重み値に基づいて決定される推定値を含む。旅程サブセクション情報データは、全体が旅程サブセクション情報データのエンティティに分割され、それにより、「単一の」または「各」旅程サブセクション情報データに言及した場合、その1つの特定のエンティティを指定してもよい。換言すれば、各旅程サブセクション情報データは、値の(事前定義された)セットを、または更に換言すれば、上述のタイプの「開始位置」、「終了位置」など、事前定義されたタイプの値のリストを備える。
【0008】
更に、装置は、旅程履歴データの旅程サブセクション情報に基づいて、またモバイルコンピュータに対する重み値に基づいて、少なくとも1つの旅程を出力するように構成されてもよい、出力ユニットを含んでもよい。「…に基づいて…」という表現は、特に、「…に基づいて出力のために選択される…」ことを包含するものとする。入力ユニットは、出力ユニットと組み合わされてもよく、または別個のユニットであり得る。
【0009】
また、旅程という用語は、「移動ルート」または「交通ルート」を包含するものと理解されてもよい。また、「サブセクション」という用語は、やはり以下で使用されることがある、「リンク」と理解されてもよい。上述したように、旅程は、1つまたは複数のサブセクションを含んでもよい。また、特に、また例えば旅程がちょうど1つのサブセクションを有する場合、単一のサブセクションは旅程であってもよい。換言すれば、各サブセクションは旅程であってもよく、または旅程として出力されてもよい。同様に、複数の旅程が出力されてもよい。特に好ましくは、出力ユニットの出力は、旅程の1つまたは複数のサブセクションを含み、それらを組み合わせて、移動体の完全な/全体の旅程/移動/行程がもたらされてもよい。
【0010】
上述の装置は、移動体が移動してきた旅程を生成、または換言すれば再構築/再生/逆戻りすることができるようにされる。移動体は、好ましくは人であってもよい。技術的に有益には、特に信頼性の観点で、装置は、旅程を生成するのに使用されるデータがそこから受信される、移動体のモバイルコンピュータと直接無線で通信してもよい。誤動作することがある通信経路の間に、入口および出口の送受信機を設ける必要はない。更に、これによってデータ送信の安全性が向上する。
【0011】
加えて、モバイルコンピューティングデバイスに出力される旅程(1つまたは複数)を決定するのに重み値が使用されるので、モバイルコンピューティングデバイスのユーザに対する出力はより信頼性が高い。これは、データトラフィックも低減させる、非現実的または不適切な旅程が出力されるのを回避する助けとなる。後者に関して、換言すれば、最も現実的であり、高い信頼性で決定された旅程のみが、装置からモバイルコンピュータに送られるので、データトラフィックが低減される。
【0012】
更に、好ましくは、各位置情報データは、モバイルコンピュータの識別子、モバイルコンピュータの位置、およびモバイルコンピュータが上記位置にある時間に関する情報/データを含んでもよい。モバイルコンピュータの位置およびその位置にある時間に関する情報/データは、上記位置にある発信者ノードからモバイルコンピュータに無線で送信される信号に基づいて生成されてもよい。発信者ノードは、以下、「ビーコン」または「発信側ノード」と呼ばれることがある。発信者ノードは、好ましくは、データを一方向的にモバイルコンピュータに送信する。更に、発信側ノードは、暗号化機能を有することができ、モバイルコンピュータに送信されたデータの少なくとも一部を、かかる機能によって暗号化する。ここで、復号機能は、モバイルコンピュータにおいてローカルで、およびデータベース内での両方で管理することができ、装置は、モバイルコンピュータが、発信側ノードから提供されたデータを送信し、ただし改ざんされる可能性は劇的に減少させることを可能にする。
【0013】
位置情報データは、移動体のモバイルコンピュータから装置に送信するのに最小限のデータサイズしか要しないので、装置の信頼性は更に向上する。これにより、データトラフィックおよび/またはデータ送信時間が低減され、したがって、データを装置でいつでも受信することができるという信頼性が改善する。更に、モバイルコンピューティングデバイスが、特許請求される装置またはその入力ユニットそれぞれと通信するという(特に、無線/有線ネットワーク伝送およびそのサブコンポーネントが考慮に入れられない場合)、上述の技術的利点に加えて、ビーコンが移動体のモバイルコンピューティングデバイスと一方向的に通信することに注目すべきである。したがって、好ましくは、モバイルコンピューティングデバイスと装置との間の経路である、1つの一方向通信経路のみが必要である。
【0014】
更に、好ましくは、旅程生成ユニットは、最も時間が短い第1の位置情報(データ)を位置履歴データ(テーブルなどの構造であってもよい)から選択し、第1の位置情報(データ)の位置を開始位置(「始点」)として選択し、次に時間が短く、仮定した(設定した)開始位置とは異なる位置を有する第2の位置情報(データ)を位置履歴データから選択し、第2の位置情報(データ)の位置を終了位置として設定し、上記開始位置および上記終了位置を旅程履歴データの旅程サブセクション情報データの一部として保存するように構成されてもよい。情報/データの「一部」とは、旅程履歴データが、好ましくは、異なるルーチン/ユニットとして追加される追加の情報またはデータを含んでもよいことを示すものとする。上記は、位置履歴データの全てのエントリ/記録が処理されるまで、ループで実施されてもよく、つまりそれは、開始位置および終了位置が決定された後、「新しい」第1の位置が「新しい」開始位置として選ばれ、その後も同様であることを意味してもよい。各旅程サブセクション情報データは、好ましくは、1つのループによって生成される。換言すれば、好ましくは、旅程サブセクション情報データのセットを有する1つのエントリが、1つのループによって生成され、次のエントリが次のループで生成される。
【0015】
上記は、装置の改善された信頼性を相乗的に増し、「異なる」位置が、即ち開始位置とは異なるものが位置履歴データで検出されるまで、ループが実施されてもよい。最も好ましくは、位置履歴データは、記録された最も早い時間に始まる、タイムスタンプによって示される時間にしたがって順序付けされる、データを含む。したがって、計算量に関して効率的に、また不適切に選ばれた開始または終了位置を回避することに関して信頼性高く、終了位置を決定することができる。かかる組み合わされた旅程履歴データは、好ましくは、テーブル、アレイ構造などの形態で保存される。
【0016】
更に、好ましくは、装置は、旅程ネットワークデータベースからの情報に基づいて、旅程生成ユニットによって生成された旅程サブセクション情報に対する代替の情報である、1つまたは複数の代替旅程サブセクション情報データ(またはそのセット/エントリ)を含む追加の旅程履歴データを生成するように構成された、旅程推定ユニットを含んでもよい。好ましくは、代替旅程サブセクション情報データは、所定の閾値よりも低い推定値を有する、旅程生成ユニットによって生成される旅程履歴データの中の旅程サブセクション情報データ(のエントリ/セット)に対して生成される。換言すれば、装置は、旅程生成ユニットによって作成される旅程サブセクション情報データを、それらの推定値に関してチェックしてもよく、旅程推定ユニットは、代替のエントリ、即ち代替旅程サブセクション情報データ、好ましくは、プリセットされた閾値よりも低い推定値を有するもののみを提供してもよい。閾値は、装置の記憶域に格納されてもよく、装置の運用が開始されると設定されてもよい。
【0017】
上記は、移動体の旅程の更なるサブセクションを加えることができるようになる、更なるユニットが加わるという点で、装置の改善された信頼性を相乗的に増して、特に通信の誤動作、モバイルデバイスの誤動作、またはビーコンの誤動作などに対して、装置をフェールセーフにする。より具体的には、旅程生成ユニットは、実際に送信された位置情報、即ちモバイルコンピューティングデバイスから実際に送信されたデータに基づいて、サブセクションに関する情報を決定するが、旅程推定ユニットは、送信された位置情報に(必ずしも)(直接)基づかない、更なる/代替のサブセクションを決定してもよい。例えば、異なる車両による、または異なる/追加のサブセクションを介する、開始位置から終了位置までの移動が可能であってもよく、また例えば、サブセクションを移動している間に装置に何らかの位置情報が適切に送信されなかった場合、実際に受信した位置情報のみが旅程生成ユニットによって考慮された場合に不適切な旅程が決定されることがある。しかしながら、旅程推定ユニットは、発信者ノードなどの誤動作なく適切に決定されていてもよい開始位置と終了位置との間の、更なる可能な代替のサブセクションおよび/または旅程を考慮に入れることを可能にする。それ故、複数の選択肢の中で、各旅程サブセクション情報データに割り当てられる重み値に基づいて、適切なまたは適切である可能性が最も高いサブセクションを選択することが可能である。推定値を使用し、それを事前定義された閾値と比較する場合に、計算量が更に低減されてもよく、それにより、特定の旅程サブセクション情報データの推定値が閾値以下であるときのみ、旅程推定ユニットが作業を始めてもよい。
【0018】
更に、好ましくは、旅程ネットワークデータベースは、開始位置、終了位置、および重み情報/値をそれぞれ含む、複数の所定の旅程サブセクションを備えてもよい。更に、旅程生成ユニットは、開始位置および終了位置が、旅程ネットワークデータベースにおける所定の旅程サブセクションの開始位置および終了位置と一致する、旅程サブセクション情報データに関して、旅程ネットワークデータベースからの重み情報を選択するように構成されてもよい。好ましくは、上記旅程サブセクション情報データの推定値は、選択された重み情報と同じであるように設定されてもよい。これにより、重み情報および推定値の効率的で信頼性の高い決定が可能になる。
【0019】
更に、好ましくは、旅程推定ユニットは、旅程ネットワークデータベースに関して、所定の閾値よりも低い推定値を有する、旅程生成ユニットによって生成された上記旅程サブセクション情報データの、また旅程ネットワークデータベースの所定の旅程サブセクションの、少なくとも開始位置または終了位置が互いに一致する、旅程ネットワークデータベースから1つまたは複数の所定の旅程サブセクションを選択することによって、ならびに代替旅程サブセクションの重みが上記閾値以上である場合に、代替旅程サブセクション情報データを旅程履歴データに追加するように構成されてもよい。閾値は、好ましくは、上述の閾値と同一であってもよい。
【0020】
上述したように、誤動作など、即ちフェールセーフ性に関する装置の信頼性は、直前に記載した好ましい態様にしたがって、代替旅程サブセクション情報データを、具体的には記載した閾値比較に基づいて選択される旅程履歴データに追加することができる、旅程推定ユニットを提供することによって向上させることができる。閾値比較を使用する方策は、代替の選択の数を低減することができるので、信頼性の改善に加えて計算量が低減される。また、追加の可能なサブセクション/旅程を追加することによって、装置へのデータの不適切な/不完全な/存在しない送信に関する誤動作を相殺することが可能になる。
【0021】
更に、好ましくは、信頼性の改善に加えて、旅程生成ユニットおよび/または旅程推定ユニットは、プロパティに関する情報を旅程サブセクション情報データに追加するように構成されてもよく、特に、旅程生成ユニットは「実際(actual)」をプロパティデータとして設定してもよく、一方で旅程推定ユニットは「仮定(assumption)」をプロパティデータとして設定してもよい。これは、直接送信された情報/データに基づいて、また旅程推定ユニットによって提供される代替案の追加に基づいて、旅程サブセクション情報を高い信頼性で識別/分離する助けとなる。更に、したがって、出力ユニットは、旅程履歴データからの旅程サブセクション情報を「確認済み旅程」または「代替旅程」として出力するように構成されてもよい。代替旅程出力は、同じ開始および/または終了位置を有する旅程履歴データの旅程サブセクション情報に対する代替案を含む、旅程サブセクション情報(または複数の旅程サブセクション情報)であってもよい。
【0022】
更に、好ましくは、出力ユニットは、少なくとも1つの旅程サブセクション情報データを旅程履歴データから提案旅程としてモバイルコンピュータに出力するように構成されてもよく、入力ユニットは、提案旅程に対する(移動体の)合意に関してフィードバック情報/データをモバイルコンピュータから受信するように構成されてもよい。フィードバックが合意を含む場合、旅程ネットワークデータにおける重みを、提案旅程と一致する所定の旅程サブセクションに対しては増加させてもよく、それ以外は、上記重みを減少させてもよい。フィードバックは、装置のデータベースに格納された、または他の任意の位置における重み値は、時間に伴ってより正確になり得るので、時間に伴って装置の出力の信頼性および精度を改善し、即ち時間に伴って最適な重み値を学習させることができる。装置は、好ましくは更に、学習を個人化できるように、異なるユーザの個人重み値を備えたデータベースを含んでもよい。
【0023】
更に、好ましくは、アラームユニットが、合意を受信していない提案旅程に対するフィードバック情報を検証し、検証によって合意が適切であると判定された場合に、提案旅程と一致する所定の旅程サブセクションの重みを増加させるように構成された、装置に含まれてもよい。これは、信頼性高く偽フィードバックを識別し無視する助けとなる。
【0024】
更に、好ましくは、重み値は、異なる要因、パラメータ、または状況に基づいて、修正/更新/変更されて設定されてもよい。例えば、開始位置と終了位置との間の距離に基づいてもよく、例えば、より長い距離は、バスまたは列車で2つの位置の間を通勤する場合、徒歩または自転車で2つの位置の間を直接接続するための重みを減少させてもよい。更に、重みは、開始位置と終了位置との間の移動の選択肢の数および種類、天候、ならびに装置に報告される公共交通システムの技術的誤動作などの他の状況を考慮してもよい。例えば、バス接続が存在するとしても、2つの位置の間のより短い距離には自転車が使用される可能性が高くてもよい。これは、バスによる接続の重みが、自転車による直接接続よりも小さい重みを有することを意味するであろう。しかしながら、雨の日または寒い日は、自転車の代わりにバスが選ばれる可能性が高くてもよい。それ故、バス接続の重みが高くなるように更新されるであろう。重みは、装置、装置に接続されたモバイルコンピューティングデバイスまたは他の任意のデバイスのデータベースに格納されてもよい。更新は、規則的な間隔で実施されるか、または天候の変化など、外的状況によってトリガされてもよい。
【0025】
更にまた、装置は、運賃データベースと、運賃データベースの情報に基づいて、旅程履歴データにおける各旅程サブセクション情報に対する運賃を計算するように構成されてもよい、運賃計算ユニットとを含んでもよい。次に、装置は、各旅程出力に対する旅程および運賃を出力してもよい。
【0026】
加えて、上述の態様の少なくとも1つによる装置と、モバイルコンピュータと、移動ルートに沿っておよび/または交通車両内に配置された複数の発信者ノードとを含む、システムが提供されてもよく、発信者ノードは、データ、例えば位置および時間情報を、移動体のモバイルコンピュータにその範囲内で発信する、事前定義された発信範囲を有してもよい。発信者ノードは、好ましくは、モバイルコンピューティングデバイス/モバイルコンピュータに一方向的にのみデータを発信し、後者は、装置と双方向的に通信してもよい。このシステムアーキテクチャは、特にフェールセーフであり、したがって信頼性が高く、データ保護性であり、一般にデータトラフィックを低減させる。
【0027】
更に、移動体が移動してきた旅程を生成する方法が特許請求される。方法は、モバイルコンピュータの位置および上記位置における時間に関する情報を包含する位置情報データを、上記移動体のモバイルコンピュータから受信し、複数の位置情報データを位置履歴データとして格納するステップと、複数の旅程サブセクション情報データを含む旅程履歴データを生成するステップであって、各旅程サブセクション情報データが、位置履歴データに基づいて決定された旅程のサブセクションの開始位置および終了位置と、旅程ネットワークデータベースからの重み情報に基づいて決定された推定値とを含む、生成するステップと、旅程履歴データの旅程サブセクション情報データに基づいて、またモバイルコンピュータに対する重み情報に基づいて、少なくとも1つの旅程を出力するステップと、を含んでもよい。
【0028】
加えて、上述の方法は更に、特許請求する装置に関連して上述した好ましい態様の構成に基づいた、追加のステップを含んでもよい。例えば、位置情報を使用することによって旅程サブセクション情報を追加するステップと、代替旅程サブセクション情報を追加し、および/またはそれに対するプロパティを追加するステップ、ならびに旅程を提案するステップ、ユーザからのフィードバックに基づいて、または例えば天候などの外部条件に基づいて、重み情報を適応させるステップ、などである。また、特許請求する方法は更に、運賃計算ステップを含んでもよい。換言すれば、特許請求する装置の各構成はまた、それ自体が特許請求されてもよい方法として、および/またはコンピュータプログラム製品クレームとして包含されるものとする。
【0029】
概して、特に自動旅程生成の信頼性に関して、技術的利益を提供する解決策が提供される。
【0030】
以下、特許請求する主題について、添付図面を参照して、少なくとも1つの優先的な実施例に基づいて更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】旅程を生成するために装置を使用するシステムに関する一例を示す概略図である。
図2】データ接続を介して互いに通信する装置およびモバイルコンピュータのセットアップに関する一例を示す図である。
図3】位置変換データを含むテーブルに関する一例を示す図である。
図4】位置情報データを含むテーブルに関する一例を示す図である。
図5】リンク/サブセクションおよびノードを含む移動ルートに関する概略例を示す図である。
図6】所定の旅程サブセクションを含むテーブルに関する一例(図6a)、および旅程履歴データを含むテーブルに関する一例(図6b)を示す図である。
図7】運賃値を含むテーブルに関する一例(図7a)、およびモバイルコンピュータ上に表示される出力ユニットの出力に関する一例(図7b)を示す図である。
図8】旅程推定ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図9】旅程生成ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図10】出力ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図11】旅程ネットワーク更新ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図12】アラームユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、特許請求するシステム1000の非常に概略的な概要を示しており、3つの位置が「停留所A」、「停留所B」、「停留所C」として指示されている。停留所間を移動するバスなどの交通車両が示され、停留所AおよびB、ならびに停留所BおよびCの間の距離が示されている。ここで、第1の言及される距離は0.5マイル(0.8km)であるものとし、第2の言及される距離は2.5マイル(4.0km)であるものとする。距離値は単なる例であり、全く異なるものであることができる。各停留所ならびにバスは少なくとも1つの発信側ノードNを保持し、それに対して、以下、「発信者ノード」または「ビーコン」という表現も使用されることがある。モバイルコンピューティングデバイス/モバイルコンピュータ1200は、移動体と共に移動している。「移動体」という表現は、例えば、移動中の人、またはモバイルコンピュータ1200の移動中のユーザを特定するものとする。モバイルコンピュータ1200のユーザは、停留所AからCに沿って移動している間、モバイルコンピュータ1200を携行するものと仮定する。停留所は、バスの実際の停留所に必ずしもリンクされなくてもよい。移動している間、モバイルコンピュータ1200、特にモバイルコンピュータプログラム(あるいは「アプリケーションプログラム」、または簡単に「アプリ」もしくは「モバイルアプリ」)は、発信者ノードNからモバイルコンピュータ1200に発信されるデータを受信するように構成される。受信データは、発信者ノードNの送信範囲内にある該ノードから発する。発信者ノードNの好ましい送信範囲は、数メートルまたは1メートル未満であってもよい。比較的短い送信範囲によって、異なる発信者ノードNの重複を回避または低減できることが担保される。送信範囲は好ましくは比較的短いので、完全なカバレッジを担保するために、図1に示されるバスなど、送信範囲よりも大きい空間内に、1つを超える発信者ノードNを提供するのが必要なことがある。移動体のモバイルコンピュータ1200が送信範囲に入ると直ぐに、位置情報データ3001~300nと称されるタイムスタンプされた位置データが、発信者ノードNからモバイルコンピュータ1200に送信される。位置情報データ3001~300nは、モバイルコンピュータ/発信者ノードNの位置、およびデータがモバイルコンピュータ1200に送信された時間に関する情報を含んでもよい。受信した位置情報データ3001~300nは、モバイルコンピュータ1200に一時的に格納されてもよく、またはサーバ/装置1100であるかもしくはそれを含む、リモートサーバに直接送信されてもよい。両方の選択肢の混合、即ち即時に発信するか、または格納し、設定時間後に発信することも、提供することができる。この例では、移動体およびモバイルコンピュータ1200は停留所Aから停留所Cまでのルートに沿って移動するが、モバイルコンピュータ1200は異なる発信者ノードNを送り、したがって(続いて)そこから位置情報データ3001~300nを受信する。これは(仮の)最終停留所に達するまで続く。上述したように、データが直接発信されない場合、更に好ましい選択肢は、移動/行程の完了後に、リモートサーバ上でデータをモバイルコンピュータ1200から装置1100に発信することを含む。行程の完了は、例えば、移動体が特定のコマンドを、モバイルコンピュータ1200に、またはモバイルコンピュータ1200上で稼働する関連のコンピュータプログラムに入力することによって示されてもよい。行程の最終目的地も、例えばユーザによって入力されたことにより、モバイルコンピュータ1200に知らされてもよく、それ故、行程の完了を示すコマンドは不要である。
【0033】
以下、装置1100で受信する位置情報データ3001~300nの特定の処理について、更に詳細に以下の図面を参照して考察する。
【0034】
図2は、装置1100およびモバイルコンピュータ1200の概略構成を示している。装置1100は、(リモート)コンピューティングデバイスなどであってもよく、例えば、サーバ、またはサーバ上のコンピューティングデバイスであってもよい。図2は、モバイルコンピュータ1200および装置1100の複数の異なるサブユニットおよびデータ格納ユニット(1つもしくは複数)(データベースなどを含む)を表しているが、図面の更なる説明において以下で考察するこれらの一部は任意選択であり得ることに留意されたい。
【0035】
図2は、モバイルコンピュータ1200および装置1100が、好ましくは双方向性および無線であるデータ接続(図2では、2つのデバイス間のジグザグ線によって示される)を介して接続されることを示している。2つのエンティティ/デバイス間の無線データ接続を構成するための好ましい選択肢は、全ての関連する無線データ送信プロトコルを含むことができる。1つの特定の好ましい選択肢は、インターネットを介した接続である。モバイルコンピュータ1200は、移動体、例えばモバイルコンピュータ1200のユーザに対して関連情報を表示するための、グラフィックユーザインターフェース1221を含む。更に、中でも特に、位置変換データを、好ましくはテーブルまたはアレイなどとして構造化されたデータベースに格納するための、内部および/または外部格納ユニット(1つもしくは複数)1201を含む。更に、モバイルコンピュータ1200は、位置感知ユニット1211と位置変換ユニット1212とを含むことができる。モバイルコンピュータ1200は、好ましくは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ラップトップ、または他の任意の携帯型コンピューティングデバイスである。位置変換ユニット1212など、モバイルコンピュータ1200の上述したユニットの一部は、コンピュータプログラム製品として、および/またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実現されてもよい。位置感知ユニット1211は、例えば、ハードウェアセンサと、センサからのデータを処理するソフトウェアプログラムとを含んでもよい。
【0036】
更に、図1に関して、発信者ノードNは位置情報データ3001~300nをモバイルコンピュータ1200に送信すると説明した。上記の上述した好ましい態様では、図1に関して考察したように、内部で計算されたデータを発信者ノードNによって提供することができるので、位置感知ユニット、ならびに位置変換ユニット1211および1212、位置変換データ1201は必須ではない。しかしながら、異なる好ましい態様では、上述のユニットはモバイルコンピュータ1200内に存在し、この場合、発信者ノードNは単に、A1、A2、X1、…、C1、C2など、発信者固有のコールサインをモバイルコンピュータ1200に送信する。次に、モバイルコンピュータ1200は、位置変換ユニット1212を用いて、発信者ノードNによって提出されるコールサインを、駅A、バスに乗車、駅Cなどの位置とリンクさせる。更に、位置感知ユニット1211は必要に応じて座標を特定し、モバイルコンピュータ1200は、発信者ノードNからデータを受信した瞬間にタイムスタンプを追加してもよい。上述の好ましい態様にかかわらず、位置情報データ3001~300nは、装置1100の入力ユニット(入力ユニットは、この例では出力ユニットと組み合わされる)に送信され、受信した位置情報データ3001~300nは、位置履歴データ1102として装置1100のそれぞれの記憶域に格納される。特に、テーブルまたは他の任意の種類のデータ形式として構造化されてもよい、データベースなどに格納される。好ましくは、モバイルコンピュータ1200から装置1100への送信は更に、モバイルコンピュータ1200および/またはモバイルコンピュータ1200のユーザの識別子IDを含む。識別子は、位置情報データ3001~300nに追加されてもよい。
【0037】
図3および図4は、位置変換データ1201のデータ構造に関する一例を示しており、そこから、各ラインが、第1の列に列挙される異なるセンサ/発信者ノードNを特定し、対応する位置が第2の列に列挙されることは明白である。参照符号2001~2008によって指示されるラインはそれぞれ、単一の位置変換情報(データ)、または換言すれば、そのセットを表す。同じことが、図4によって示されるような、位置履歴データ1102を含むテーブルの例に当てはまる。図示される各位置情報データ3001~3007は、識別されたユーザID、位置、その位置における時間に対する値を含む。例えば、位置情報データ3002は、識別子「ID1」のユーザが10:00:30AMに駅Aにいたことを示す。位置情報3006に示されるように、同じユーザは10:13:00AMには駅Cにいた。
【0038】
図2に戻ると、各ユーザに関するデータを含み、ユーザIDを特定のユーザに関連付ける、アカウントデータ1101に関するデータ記憶域も示されている。各使用に関するデータは、自宅住所、クレジットカード情報、銀行情報などの情報を含んでもよい。装置1100に異なるモバイルコンピュータ1200から入ってくる送信は、識別子/ユーザID情報を使用することによって適切な人に割り当てることができる。更に、装置1100の記憶域は、少なくとも更に、アレイ、テーブル、または他の任意の好適なデータ形式の形態でやはり順序付けられてもよい、旅程ネットワークデータに関するデータベースを含んでもよい。
【0039】
図5は、以下に説明する、旅程ネットワークデータベースに格納されるデータに関する一例を図式的に視覚化する。しかしながら、これは単なる一例であり、旅程ネットワークデータベースは、事前定義された、装置1100に格納される、更に一層複雑化されたルートデータを含んでもよいことが注目されるべきである。更に、装置1100は前もって格納されたデータを含んでもよいことが注目されるべきである。しかしながら、データは、必要に応じて任意の時点で更新/補正することができる。理解できるように、図5は、ノードおよびリンクを用いてデータを表している。ノードは、上述の駅/停留所、または移動体の移動ルートに沿った他の地点に対応する。この例では、具体的には、ノードは、上述の駅A~C、ならびに停留所A~Cを接続する交通車両に対するノードを含む。更に、例は、ノード間のサブセクション/リンクを示す。交通車両に対応するノードは「乗車」として指示される。ノードは、特に、乗客が交通車両に乗る、および/またはそこから降りる位置、ならびに乗客が車両/交通車両に乗車中である位置を示してもよい。リンクは、好ましくは、「旅程のサブセクション」と呼ばれることもある、位置を接続する交通ルートを表す。各サブセクション/リンクは、方向および重み値を有する。方向は、任意の値であり、1つのルートから別のノードへの移動方向を特定し、重み値は、乗客/移動体が特定のリンク/サブセクションを選定するか否かの可能性を示す。図5の例から、参照符号4011および4012によって指示されるノード「駅A」、「乗車」、および「駅B」の間のリンクがあることが分かる。更に、参照符号4013および4014によって示される、「駅B」から「乗車」、および「乗車」から「駅C」のリンクがある。これらのリンクは重み値「100」を有する。値は単位を有さなくてもよい。好ましくは、値はパーセンテージ値を示す。駅および「乗車」ノードは、図5のこの例では、参照符号4001~4005を有する。ノード間の追加のリンク/サブセクションが利用可能である。追加のサブセクションの1つは、ノード「駅A」をノード「駅C」と接続し、参照符号4015および重み値「20」を有する。更に、参照符号4016を有する駅Aノードおよび駅Bノードの間の直接接続は、重み値「70」を有し、駅Bおよび駅Cの間の直接接続/リンク/サブセクションは、参照符号4017および重み値「40」を有する。ここで、図5の例を見ると、移動体が駅Aから駅Cに移動する最も高い確率は、駅Aを駅Bと、また駅Bを駅Cと接続する、バスなどの交通車両に乗車中である。その理由は、上述の駅間の全てのリンク/サブセクションが重み値「100」を有するためである。換言すれば、例えば、AからBまで、またBからCまでバスに乗るのと比較して、移動体が、重み値「20」を有する徒歩または自転車で駅Aから駅Cまで移動する可能性は低い。同じことが、駅Aから駅Cまでの他の任意の接続に当てはまり、つまり、移動体が上述のバスによる旅程を選定する可能性が高い。
【0040】
更に、割り当てられた重み値は、時間に伴って、および/または特定の状況と関連して修正/更新できることが注目されるべきである。例えば、駅Aおよび駅Bの間の交通車両が技術的不具合を有することが、システムに知らされた場合、サブセクション4011および4012に対する重み値は、サブセクション/リンク4016に対する重み値未満に減少されてもよい。更に、天候が非常に良く、2つのノード間の距離が比較的短い場合、徒歩かまたは自転車に乗ることによってこのリンク/サブセクションを取る重み値は、増加してもよく、バスまたは地下鉄など、公共交通車両に対する値よりも大きくてもよい。重み値の割り当てられた値の修正/更新の更なる可能性については、以下の説明で考察する。
【0041】
図5によって示される上述のネットワークは、一例が図6に示されるデータテーブルとして、装置1100に格納されてもよい。具体的には、図6に示される旅程ネットワークデータベース1103は、各ラインに所定の旅程サブセクション5001~500nを含み、図6の特定の例は参照符号5011~5017を使用し、第1の列は所定の旅程サブセクションの開始ノードを示し、第2の列はその終了ノードを示し、第3の列は割り当てられた重み値を示す。図6に示される重み値は、時間に伴って適応されてもよい、最初に事前定義された値であってもよい。この接続では、移動体の個々のデータ1104を有するデータベースを備える、更に好ましい選択肢が図2によって示されている。登録された各移動体は自身の個々のデータ1104を有してもよい。個々のデータ1104は、好ましくは、装置1100によって学習された、更新/修正された重み値を含んでもよい。例えば、移動体が過去に、リンク4011および4012に対応するバスよりも図5のリンク4016を好んでいた場合、装置1100は、IDによって識別されるこの特定の移動体はリンク4016を好むということを学習してもよく、したがって、リンク4011および4012に対する事前定義された(一般的)重み値が、リンク4016の重み値よりも低いように低減されてもよい。当然ながら、同じ効果のために、リンク4016の重み値が逆に増加されてもよい。結果として、個々の好みを学習することによって、旅程生成の精度をより一層改善することができ、個人化された出力を担保することができる。
【0042】
更に、装置1100は旅程生成ユニット1113を含み、そのユニット1113によって実施することができるその動作/方法ステップの一例が、図10によって示されている。具体的には、旅程生成ユニット1113は、やはり好ましくはテーブル、アレイなどのデータ構造を有する、装置1100のそれぞれのデータベースに格納される、旅程履歴データ1105を生成するように構成される。図7は、旅程生成ユニット1113によって生成される旅程履歴データ生成の一例を示している。具体的には、図7は、複数の旅程サブセクション情報データ6001~600nを含む、旅程履歴データ1105のテーブルを示している。図7の例では、5つの異なる旅程サブセクション情報データ(換言すれば、旅程サブセクション情報データセット)が、参照符号6002~6005を有して示されている。旅程サブセクション情報データ6001~600nは、図7の例では、ユーザID、および任意にパスIDをそれぞれ含む。更に、旅程サブセクション情報データ6001~600nはそれぞれ、開始位置、終了位置、推定値を、また好ましい態様では、プロパティ値も含む。図7によるテーブルの各ラインは、好ましくは、図10によって示されるステップのループ状処理によって生成される、1つ(1セット)の旅程サブセクション情報データ6001~600nを示す。
【0043】
図10は、特に、旅程生成ユニット1113が第1のステップS1で、図4の位置履歴データ1102から第1の記録を読み取ることを示している。図4の例によれば、図10によるステップの第1の処理ループで読み取られる第1の値は、10AMに駅AにいたID1のユーザを示す、位置情報データ3001であろう。一時的な値など(図面では「チェックポイント」と称される)は、この第1の記録を始点として記憶し(ステップS2)、次の記録が位置履歴データ1102から読み取られる(ステップS3)。これは、図4の例では位置情報データ3002である。続いて、一時的に保存された始点が同じであるか否かがチェックされ(ステップS4)、即ち、データ3001および3002の位置が互いに比較され、それらが同一である場合、図10の「はい」の経路をたどって次の記録が読み取られる。例えば、図4の2つの第1のエントリ、つまり位置情報3001および3002が同じエントリを含むので、図10の比較が「はい」を返すであろう。しかしながら、「乗車」のエントリを含む位置情報3003である次の記録は、始点(「駅A」)とは異なるので、次の比較は結果として「いいえ」を返すであろう。「いいえ」が返された場合、終点が設定される(ステップS5)。この例では、位置情報3003の位置エントリが「乗車」であることによるであろう。続いて、第1の生成された旅程サブセクション情報データ6001~600n(上記例では、図7の旅程サブセクション情報データ6001であろう)の開始位置および終了位置が決定され、旅程履歴データ1105に入力される。更に、ユーザIDが分かり、推定値が追加されなければならない。推定値は、同一の所定の旅程サブセクションに対する重み値を読み取ることを含む、図10のステップS6によって決定されるが、ここで同一とは、旅程サブセクション情報データ6001~600nの開始位置および終了位置が、所定の旅程サブセクション5001~500nを含む旅程ネットワークデータベースの開始ノードおよび終了ノードに等しいことを意味する。本例では、旅程生成ユニット1113は、旅程データベース1103の第1のエントリが、駅Aでの開始および「乗車」での終了に対して重み値「100」を含む、所定の旅程サブセクション5011であることを使用して、旅程ネットワークデータベース1103から重み値を決定するであろう。この重み値「100」は、推定値「100」として、旅程サブセクション情報データ6001~600nに記録される。次に、新しい記録、即ち1つ(1セット)の旅程サブセクション情報データ6001~600nが、旅程履歴データ1105に入力される(ステップS7)とすぐに、図10に示されるようなステップの第1のループが完了する。次のループでは、位置履歴データ1102に次の記録がある場合(ステップS8、S9)、追加の記録が旅程履歴データ1105に対して生成される。したがって、位置履歴データ1102の次の読み取られていない/未処理のエントリが選択される。上述の例では、次のエントリは、10:07:00AMにおける位置「乗車」を含む位置情報3004であろう。ユーザのID、ならびに位置が記憶され、位置は始点として記憶され、図10に関して上述したような手順が繰り返されるので、この例では、次の終点は、10:08:00AMに到達した位置「駅B」を有する位置情報3005に関して見出されるであろう。それぞれの旅程サブセクション情報データ6002に対する重みが、重み値「100」を同様に有する所定の旅程サブセクション5012に関連して、図6によって示されるような、テーブルから再び選ばれるであろう。したがって、推定値「100」が設定され、エントリ6002、即ち第2の旅程サブセクション情報データが、図7によって示されるように、旅程履歴データ1105に入力される。上記は、利用可能な位置履歴データ1102がもうなくなるまで、ループで実施される。考察した例では、最後の旅程サブセクション情報データ6001~600nは、図7の参照符号6003を有するデータ(セット)であろう。
【0044】
全てのデータが高い信頼性で送信され、位置履歴データ1102に保存されたと仮定されるであろう場合、図7によって示される、上記3つの旅程サブセクション情報データ6001~6003は、集約された旅程、複数の旅程、または1つの旅程のサブセクションとして、出力ユニット1115によって出力されるであろう。更に、運賃計算ユニット1112が、装置1100に追加されてもよく、参照符号1106を有する図2に示されるような運賃データベースを活用することができ、それに関する一例が図8に示されている。運賃データベースでは、各サブセクション/リンクに、移動体に対して示されおよび/または課金され得る値段を割り当てることができる。本例では、駅Aから駅Bまで交通車両に乗ると値段は120になり、駅Bから駅Cまで乗ると値段150になる。つまり、上記に考察した態様および特許請求する主題の例では、また旅程生成ユニット1113によって生成された、図7によって示されるような旅程サブセクション情報データ6001~6003に基づいて、値段120は、旅程サブセクション情報データ6001~6002から明らかになるように、交通車両に乗って駅Aから駅Bまで移動するのに対して出力されてもよく、また旅程サブセクション情報データ6003からの情報によれば、駅Bと駅Cとの間の接続に関しては、このサブセクションでは交通車両は使用されなかったので、値段を支払う必要はないであろう。この結果は、出力ユニット1115によって移動体に対して表示されてもよい。
【0045】
更なる好ましい態様では、旅程推定ユニット1114は、特に、適切な旅程/旅程のサブセクションが生成され、場合によっては出力ユニット1115によって出力されることを確保する際には、フェールセーフ性および信頼性の更なるレイヤを追加する装置1100に含まれる。具体的には、旅程推定ユニット1114による処理の提案される構成が、図11によって示され、第1のステップ(ステップA1)で、第1の記録が旅程履歴データ1105から読み取られる。この例では、読み取られる第1の記録は、図7によって示されるような、旅程サブセクション情報データ6001であろう。次に、上記の読み取られた履歴サブセクション情報の推定値、ここでは参照符号6001を有するものが、事前定義された閾値未満の推定値を有するか否かに関して、決定が行われる(ステップA2)。閾値は、装置1100のデータ記憶域または他の任意の場所に格納されてもよい。本例では、閾値が「100」未満であろうと仮定すると、決定の結果は、旅程履歴データ1105の記録6001に関して「はい」であろう。したがって、図7の参照符号6002を有するものである、次の記録が読み取られるであろう(ステップA6)。この記録の推定値はまた、閾値超過であるため、図7の例で参照符号6002を有する次の記録が、旅程履歴データ1105から読み取られる。しかしながら、旅程サブセクション情報データ6003は推定値「40」を有し、ここで、例として事前定義された閾値未満であると仮定されるので、(ステップA2の)決定は「いいえ」となる。したがって、代替旅程サブセクション情報データ6001~600nが生成される(ステップA3)。代替案を生成するまたは見出すステップは、同様にループで繰り返されてもよい、更なるサブステップ(図示なし)を含む。サブステップは、閾値よりも低い推定値を有する実際の旅程サブセクション情報データ(まさに処理中のループにおける「実際」、例えば図7の例で参照符号6003を有するもの)の開始位置または終了位置において終了もしくは開始する、他のサブセクションに対する全ての可能な代替案を生成する/見出すことを含んでもよい。図7の例では、これは、旅程推定ユニット1114が、図6の例によって示されるような所定の旅程サブセクション5000~500nを検索し、図7の代替旅程サブセクション情報データ6004および6005(のセット)を生成することを含むであろう。これは、所定のサブセクション5000~500nが、駅Bを終了ノード「乗車」と接続し、重み値「100」を有する所定のサブセクション情報5013である、図7のデータセット6003の同一の開始位置を有する1つの所定のサブセクションを含むということを、見出すことによって行われる。更に、代替旅程サブセクション情報データ6005は、旅程サブセクション情報データ6003と同じ終了位置、つまり駅Cによって見出されるので、ネットワークデータベース1103における、図6によって示されるような、開始ノード「乗車」を終了ノード駅C.と接続する所定のサブセクション情報5014を使用することができる。両方とも重み値「100」を有するので、図7の例における2つの更なる代替旅程サブセクション情報データ6004および6005(のセット)両方に対して、推定値「100」が入力される。旅程推定ユニット1114によって追加される代替サブセクション情報データは、モバイルコンピュータ1200によって受信される、発信者ノードNからの送信/データに直接基づくものではないことが注目される。しかしながら、これらの代替案は、これらのリンク/サブセクションに関して装置1100によって信号/データが受信されていないものの、より高い重み値を、即ち移動体によって選定されることのより高い確率を有する。データが受信されていない理由は、設備の故障または送信経路の中断によることがある。また、更なる安全性の選択肢として、旅程推定ユニット1114は追加のチェックステップ(ステップA4)を有してもよい。このステップは、生成された代替案の重み値が閾値を超過するか否かを決定してもよい。閾値は上述の閾値と同じであってもよい。この任意のステップA4が含まれる場合、ステップA5が実施されるか否かに関してはチェックの結果に依存する。ステップA5は、旅程履歴データ1105に対して新しいエントリ/記録を生成することを含む。
【0046】
特に、旅程生成ユニット1113および旅程推定ユニット1114を含む好ましい態様/実施例では、出力ユニット1115は、図12の例に示されるような構成/方法にしたがって進行してもよい。この例では、生成された旅程履歴データ1105は記録ごとに読み取られ、即ち、第1のステップ(ステップB1)で、第1の記録が読み取られ、次のステップ(ステップB2)で、記録に対して格納された推定値が閾値よりも大きいか否かが判断され、これが真である場合、この記録は「確認済み行程」として指示される(ステップB3)。指示は、例えば、このラベルなどを有する一時変数を追加することによって行われてもよい。しかしながら、推定値が閾値未満の場合、旅程サブセクション情報の任意に提供されたプロパティがチェックされ(ステップB5)、旅程生成ユニット1113はプロパティ「実際」を設定し、旅程推定ユニット1114はプロパティ「仮定」を設定する。これらのプロパティが設定された場合、ここで、プロパティ「仮定」で指示されている同じ開始および終了位置を接続するデータがあるか否かに関して、旅程履歴データ1105がチェックされてもよい(ステップB5)。これが当てはまらない場合、判定は「いいえ」であり、記録は「確認済み行程」として指示される(ステップB3)。しかしながら、「仮定」と指示されたエントリがある場合、このエントリが選択され、「代替行程」/「代替旅程」として指示される(ステップB7)。次に、情報が更新され(ステップB4)、次の記録が読み取られる(ステップB8)。旅程履歴データ1105の全ての記録のループ状処理によって、ここで提供される例における駅Aから駅Cまでの全行程/旅程を、間にある全てのサブセクション/旅程と共に決定することができる。図7の非常に具体的な例では、参照符号6001および6002を有するエントリは、事前定義された閾値よりも大きいと仮定される推定値「100」を有するので、これらは「確認済み行程」として指示され、更新情報ステップ(図11のステップB4を参照)によって、これら2つのサブセクションは、バスまたは鉄道などの交通車両に乗車して駅Aを駅Bと接続する1つの旅程に集約され/組み合わされてもよい。これは、モバイルコンピュータ1200上に表示される例示の出力によって示される。図9を参照のこと。更に、これは「確認済み行程」であることが表示される。駅Bから駅Cの接続に関して、図12に示されるようなステップの具体的なフローは、推定値「40」を有する記録が「代替行程」として指示されるが、これはしかしながら、参照符号6003を有するエントリの推定値「40」が、この例では「70」または「80」であってもよいプリセットされた閾値未満であると仮定されるため、「確認済み行程」として明確に定義可能ではないという、結果につながる。更に、参照符号6004および6005を有する2つの「仮定」エントリは、駅Bと「乗車」および「乗車」と駅Cを接続し、閾値超過の推定値を有する、図7の旅程履歴データ1105に提供されるので、集約された「確認済み行程」として出力される。図9を参照のこと。これは、駅Bから駅Cまで鉄道またはバスなどの交通車両によって移動したと、装置1100が仮定することを示す、図9の下側中央のボックスに示されている。しかしながら、あるいは、モバイルコンピュータ1200のユーザに対して、駅Bから駅Cまでを、車両または徒歩または個人の車などの代替の移動選択肢によって移動していてもよいことも示している。
【0047】
更に、上述したように、更なる好ましい選択肢として、運賃データベース1106からのデータに基づいた、また旅程履歴データ1105によって提供されるような旅程のサブセクションを、移動開始駅および終了駅と値段とを含む運賃テーブルと比較する運賃計算ユニット1112によって計算される、旅程の値段/運賃を、モバイルコンピュータ1200のユーザに対して表示することができる。更に、図2によって示されるアカウント管理ユニット1111は、アカウントデータ1101に基づいて、それぞれのIDを有するユーザの銀行口座、クレジットカード、または他の任意の支払いの選択肢から、運賃が課金されることを実行することができる。
【0048】
特許請求する主題の更なる好ましい態様では、モバイルコンピュータ1200の移動体/ユーザとの相互作用は更に、一例として図9に示されるように、旅程が出力ユニット1115によって出力された後に、ユーザ入力/フィードバックデータを受信するように構成された、移動ルートネットワーク更新ユニット1116を装置1100に追加することによって深められてもよい。方法/ステップのフローが、図11に含まれる一例と共に示されている。フィードバックデータは、代替案が表示される場合、選択された旅程に関する情報を含んでもよい。フィードバックが、例えば、図9の例における、駅Bから駅Cまでの確認済み旅程と代替旅程との間での選定/選択が、ユーザによってモバイルコンピュータ1200に入力されてもよい。ユーザが、図9の例では駅Bから駅Cまで交通車両を使用するものであろう、表示された「確認済み行程」を選択し、それをフィードバックとして送信した場合(ステップC1)、チェックステップ(ステップC2)は肯定であり、この選択された行程の重み値は、個々の乗客の旅程ネットワークデータ1104において増加されるであろう(ステップC3)。したがって、特定のユーザの好ましい選択肢を保存することができ、時間に伴って促進することができる。しかしながら、チェックステップが「いいえ」を返した場合、即ちユーザが「確認済み行程」を確認/選択しておらず、「代替旅程」を選択していた場合、個々の乗客のデータベース1104における重みが減少される(ステップC4)。加えて、任意にアラームがトリガされてもよく(ステップC5)、これについては後述する。更に、一般旅程ネットワークデータベース1103における重み値が増加される(ステップC6)。このフィードバック機能/旅程ネットワーク更新ユニット1116は、装置1100が、より一層正確な旅程の提案をモバイルコンピュータ1200に出力するように学習することを可能にする。この接続で説明されるような、重み値を修正する機能/方法は、好ましくは、重みを修正する他の可能性と組み合わされてもよく、それらの可能性は、図面によって明示的に示唆または図示されないが、天候、ストライキ、公共交通の技術的問題などの条件に依存して、所定の旅程サブセクション5000~500nの重みを変更する、更なる修正ユニットを装置1100に提供することを含む。
【0049】
上述したように、好ましくは、装置1100は、図12に示されるようなステップを処理してもよい、アラームユニット1117を含んでもよい。これは、旅程ネットワークデータ1103における記録が、「代替旅程/行程」の出力(ステップC51)に対応して読み取られることを意味する。次に、一時的に、重みのそれぞれの値が、平均などと称されてもよい変数などで保存される(ステップC52)。次に、上記「代替旅程」に対応する記録が、移動体の個々のデータベース1104から読み取られ(ステップC53)、この重み値が、「個人」などと称される変数で設定/格納される(ステップC54)。次いで、一時的に格納された2つの変数/値は互いに比較され(ステップC55)、これら2つの間の差の値がプリセットされたアラーム閾値を超過した場合(ステップC56)、ユーザの詐欺が起こっている可能性があることを示し、これはユーザが、実際に移動した旅程ではなかったにもかかわらず、例えば図9に示される「代替旅程」出力を選択していることを意味することがある。したがって、安全性および信頼性がより一層増加される。
【0050】
また、上述の説明および図面は、特許請求する主題の全体的な技術的概念を迅速に理解することができるように、実際の適用シナリオよりも単純な例を示していることが注目される。データベース、データセット、ユーザなどの数、ならびに実際の都市、国、または世界規模の移動の選択肢を表すことがあるノードおよびサブセクションの数は、はるかに多いものと仮定される。上述の好ましい態様および実施例は、当業者が進歩性を適用する必要がないであろう場合、互いに組み合わされてもよい。
【0051】
概して、移動体が取ってきた旅程を生成するための、より信頼性の高い装置およびシステムを生成し、モバイルコンピュータ1200のユーザに通知することができる。対応する方法およびコンピュータプログラム製品も提供される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルコンピュータから、前記モバイルコンピュータの位置及び前記位置における時間のデータが入力される入力部と、
位置を示す複数のノードと、前記複数のノードを接続する複数のリンクと、前記複数のリンクの重み値と、を記録するデータベースと、
前記入力部に入力されたデータ及び前記データベースに記録されたデータに基づいて前記モバイルコンピュータの旅程を生成する旅程生成部と、
前記旅程生成部で生成された旅程を出力する出力部と、を有し、
前記重み値は、前記モバイルコンピュータが前記複数のリンクの内の特定のリンクを選定する可能性を示す値である
旅程生成装置。
【請求項2】
前記旅程生成部は、第一のモバイルコンピュータの位置と第二のモバイルコンピュータの位置とを接続する第一のリンクの重み値を前記データベースから読み出し、前記第一のリンクの重み値が所定の閾値よりも小さい場合は、前記第一のリンクとは異なる代替旅程を出力する
請求項1に記載の旅程生成装置。
【請求項3】
前記データベースに記録される重み値は、時間に伴って、及び/または特定の状況と関連して更新される
請求項1に記載の旅程生成装置。
【請求項4】
前記データベースに記録される重み値は、時間に伴って、及び/または特定の状況と関連して更新される
請求項2に記載の旅程生成装置。
【請求項5】
前記入力部は前記モバイルコンピュータの識別情報が入力され、
前記データベースに記録される重み値は、前記モバイルコンピュータの識別情報毎に更新される
請求項1から4の何れかに記載の旅程生成装置。
【請求項6】
モバイルコンピュータから、前記モバイルコンピュータの位置及び前記位置における時間のデータが入力されるステップと、
データベースに記録された位置を示す複数のノード、前記複数のノードを接続する複数のリンク、及び前記複数のリンクの重み値から、前記入力されたデータに基づいて前記重み値を読み出すステップと、
前記入力されたデータ及び前記読み出された重み値に基づいて前記モバイルコンピュータの旅程を生成するステップと、
前記生成された旅程を出力するステップと、を有し、
前記重み値は、前記モバイルコンピュータが前記複数のリンクの内の特定のリンクを選定する可能性を示す値である旅程生成方法。
【請求項7】
前記旅程を生成するステップにおいて、前記入力されたデータに基づいて、第一のモバイルコンピュータの位置と第二のモバイルコンピュータの位置とを接続する第一のリンクの重み値を前記データベースから読み出し、前記第一のリンクの重み値が所定の閾値よりも小さい場合は、前記第一のリンクとは異なる代替旅程を出力する
請求項6に記載の旅程生成方法。
【請求項8】
前記データベースに記録される重み値は、時間に伴って、及び/または特定の状況と関連して更新される
請求項6に記載の旅程生成方法。
【請求項9】
前記データベースに記録される重み値は、時間に伴って、及び/または特定の状況と関連して更新される
請求項7に記載の旅程生成方法。
【請求項10】
モバイルコンピュータからモバイルコンピュータの識別情報が入力されるステップを有し、
前記データベースに記録される重み値は、前記モバイルコンピュータの識別情報毎に更新される
請求項6~9の何れかに記載の旅程生成方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、特に、移動体、特にモバイルコンピューティングデバイスを使用する人が移動してきた旅程の生成/逆戻りの信頼性を向上する、装置およびシステムに関する。対応する方法およびコンピュータプログラム製品も提供される。信頼性は、特に、データトラフィックを低減することができ、構成の柔軟性の向上、重みベースの選択出力、ならびに特にハードウェアによる旅程のフェールセーフ判定を可能にする、装置およびシステムの改善されたアーキテクチャによって向上する。信頼性の相乗的な向上に役立つ更なる態様については、以下から明白となるであろう。
【背景技術】
【0002】
US9996831B2などの従来技術は、旅程の運賃の自動計算も可能にする、旅程生成システムについて記載している。システムは、列車、バスなどの車両の入口および出口に設置される、無線送受信機を使用する。入口の送受信機は、旅客が車両に乗ったとき、特定の人が入ったことを示すデータを、旅客のモバイルコンピューティングデバイスから無線で受信する。出口の送受信機は、旅客が移動する車両を離れると、データをモバイルコンピューティングデバイスから受信する。入口および出口の送受信機はデータをサーバに送信し、サーバは、送信されたデータを使用して、車両の送受信機からの入口および出口データに基づいて、旅客の旅程を決定する。かかるシステムの信頼性は、例えば、送受信機が故障した場合、モバイルコンピューティングデバイス、送受信機、および/またはサーバの間の通信が中断されるなど、影響を受けることがある。
【発明の概要】
【0003】
技術的な目的は、移動体が移動してきた旅程を決定するように構成される、より信頼性の高い装置およびシステム、ならびに対応する方法およびコンピュータプログラム製品を提供することである。
【0004】
添付の特許請求の範囲に記述する主題によれば、人またはモバイルコンピューティングデバイスのユーザなどの移動体が移動してきた旅程を生成する装置が提案される。装置は、好ましくは、リモートサーバ内に位置し、またはリモートサーバであることができる。ここで、「リモート」という表現は、サーバが移動体またはモバイルコンピューティングデバイス(モバイルコンピュータ)から離れて位置することを意味してもよい。モバイルコンピューティングデバイスまたはモバイルコンピュータは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチなどであってもよい。
【0005】
装置は、モバイルコンピュータの位置およびそれぞれの位置にいる時間に関するデータを包含してもよい、位置情報、特に位置情報データを受信するように構成されてもよい、入力ユニットを含んでもよい。位置情報データは、換言すれば、タイムスタンプを含んでもよい。移動体の行程中に受信される複数の位置情報データは、好ましくは装置に格納される、データベースに記録されてもよい。データベースは、アレイまたはテーブルなどのデータ構造を有してもよく、位置情報がそこにデータエントリとして記録されてもよい。位置情報データの全体を、以下、「位置履歴データ」と呼ぶことがある。
【0006】
装置は更に、旅程ネットワークデータベースを備えてもよい。データベースは、好ましくは、テーブル、アレイ、またはデータ値が入力された任意の同等のデータ構
造など、データ構造を含む。データベースは、重み値、または重みに関するデータなど、重み情報を含んでもよい。好ましくは、重み値は、旅程ネットワークデータベースに格納された、複数の所定の旅程サブセクションそれぞれに対してプリセットされる。上述したように、例えばサブセクションの数に応じて、サブセクションは、組み合わされた場合に旅程をもたらしてもよく、または単一のサブセクションが旅程となってもよい。
【0007】
更に、装置の旅程生成ユニットは、複数の旅程サブセクション情報データを含む旅程履歴データを生成するように構成されてもよい。上記データはやはり、好ましくは、アレイ、テーブルなどのデータ構造に格納されてもよく、各旅程サブセクション情報データは、位置履歴データに基づいて決定される旅程のサブセクションの開始位置および終了位置、ならびに旅程ネットワークデータベースからの重み値に基づいて決定される推定値を含む。旅程サブセクション情報データは、全体が旅程サブセクション情報データのエンティティに分割され、それにより、「単一の」または「各」旅程サブセクション情報データに言及した場合、その1つの特定のエンティティを指定してもよい。換言すれば、各旅程サブセクション情報データは、値の(事前定義された)セットを、または更に換言すれば、上述のタイプの「開始位置」、「終了位置」など、事前定義されたタイプの値のリストを備える。
【0008】
更に、装置は、旅程履歴データの旅程サブセクション情報に基づいて、またモバイルコンピュータに対する重み値に基づいて、少なくとも1つの旅程を出力するように構成されてもよい、出力ユニットを含んでもよい。「…に基づいて…」という表現は、特に、「…に基づいて出力のために選択される…」ことを包含するものとする。入力ユニットは、出力ユニットと組み合わされてもよく、または別個のユニットであり得る。
【0009】
また、旅程という用語は、「移動ルート」または「交通ルート」を包含するものと理解されてもよい。また、「サブセクション」という用語は、やはり以下で使用されることがある、「リンク」と理解されてもよい。上述したように、旅程は、1つまたは複数のサブセクションを含んでもよい。また、特に、また例えば旅程がちょうど1つのサブセクションを有する場合、単一のサブセクションは旅程であってもよい。換言すれば、各サブセクションは旅程であってもよく、または旅程として出力されてもよい。同様に、複数の旅程が出力されてもよい。特に好ましくは、出力ユニットの出力は、旅程の1つまたは複数のサブセクションを含み、それらを組み合わせて、移動体の完全な/全体の旅程/移動/行程がもたらされてもよい。
【0010】
上述の装置は、移動体が移動してきた旅程を生成、または換言すれば再構築/再生/逆戻りすることができるようにされる。移動体は、好ましくは人であってもよい。技術的に有益には、特に信頼性の観点で、装置は、旅程を生成するのに使用されるデータがそこから受信される、移動体のモバイルコンピュータと直接無線で通信してもよい。誤動作することがある通信経路の間に、入口および出口の送受信機を設ける必要はない。更に、これによってデータ送信の安全性が向上する。
【0011】
加えて、モバイルコンピューティングデバイスに出力される旅程(1つまたは複数)を決定するのに重み値が使用されるので、モバイルコンピューティングデバイスのユーザに対する出力はより信頼性が高い。これは、データトラフィックも低減させる、非現実的または不適切な旅程が出力されるのを回避する助けとなる。後者に関して、換言すれば、最も現実的であり、高い信頼性で決定された旅程のみが、装置からモバイルコンピュータに送られるので、データトラフィックが低減される。
【0012】
更に、好ましくは、各位置情報データは、モバイルコンピュータの識別子、モバイルコンピュータの位置、およびモバイルコンピュータが上記位置にある時間に関する情報/データを含んでもよい。モバイルコンピュータの位置およびその位置にある時間に関する情報/データは、上記位置にある発信者ノードからモバイルコンピュータに無線で送信される信号に基づいて生成されてもよい。発信者ノードは、以下、「ビーコン」または「発信側ノード」と呼ばれることがある。発信者ノードは、好ましくは、データを一方向的にモバイルコンピュータに送信する。更に、発信側ノードは、暗号化機能を有することができ、モバイルコンピュータに送信されたデータの少なくとも一部を、かかる機能によって暗号化する。ここで、復号機能は、モバイルコンピュータにおいてローカルで、およびデータベース内での両方で管理することができ、装置は、モバイルコンピュータが、発信側ノードから提供されたデータを送信し、ただし改ざんされる可能性は劇的に減少させることを可能にする。
【0013】
位置情報データは、移動体のモバイルコンピュータから装置に送信するのに最小限のデータサイズしか要しないので、装置の信頼性は更に向上する。これにより、データトラフィックおよび/またはデータ送信時間が低減され、したがって、データを装置でいつでも受信することができるという信頼性が改善する。更に、モバイルコンピューティングデバイスが、特許請求される装置またはその入力ユニットそれぞれと通信するという(特に、無線/有線ネットワーク伝送およびそのサブコンポーネントが考慮に入れられない場合)、上述の技術的利点に加えて、ビーコンが移動体のモバイルコンピューティングデバイスと一方向的に通信することに注目すべきである。したがって、好ましくは、モバイルコンピューティングデバイスと装置との間の経路である、1つの一方向通信経路のみが必要である。
【0014】
更に、好ましくは、旅程生成ユニットは、最も時間が短い第1の位置情報(データ)を位置履歴データ(テーブルなどの構造であってもよい)から選択し、第1の位置情報(データ)の位置を開始位置(「始点」)として選択し、次に時間が短く、仮定した(設定した)開始位置とは異なる位置を有する第2の位置情報(データ)を位置履歴データから選択し、第2の位置情報(データ)の位置を終了位置として設定し、上記開始位置および上記終了位置を旅程履歴データの旅程サブセクション情報データの一部として保存するように構成されてもよい。情報/データの「一部」とは、旅程履歴データが、好ましくは、異なるルーチン/ユニットとして追加される追加の情報またはデータを含んでもよいことを示すものとする。上記は、位置履歴データの全てのエントリ/記録が処理されるまで、ループで実施されてもよく、つまりそれは、開始位置および終了位置が決定された後、「新しい」第1の位置が「新しい」開始位置として選ばれ、その後も同様であることを意味してもよい。各旅程サブセクション情報データは、好ましくは、1つのループによって生成される。換言すれば、好ましくは、旅程サブセクション情報データのセットを有する1つのエントリが、1つのループによって生成され、次のエントリが次のループで生成される。
【0015】
上記は、装置の改善された信頼性を相乗的に増し、「異なる」位置が、即ち開始位置とは異なるものが位置履歴データで検出されるまで、ループが実施されてもよい。最も好ましくは、位置履歴データは、記録された最も早い時間に始まる、タイムスタンプによって示される時間にしたがって順序付けされる、データを含む。したがって、計算量に関して効率的に、また不適切に選ばれた開始または終了位置を回避することに関して信頼性高く、終了位置を決定することができる。かかる組み合わされた旅程履歴データは、好ましくは、テーブル、アレイ構造などの形態で保存される。
【0016】
更に、好ましくは、装置は、旅程ネットワークデータベースからの情報に基づいて、旅程生成ユニットによって生成された旅程サブセクション情報に対する代替の情報である、1つまたは複数の代替旅程サブセクション情報データ(またはそのセット/エントリ)を含む追加の旅程履歴データを生成するように構成された、旅程推定ユニットを含んでもよい。好ましくは、代替旅程サブセクション情報データは、所定の閾値よりも低い推定値を有する、旅程生成ユニットによって生成される旅程履歴データの中の旅程サブセクション情報データ(のエントリ/セット)に対して生成される。換言すれば、装置は、旅程生成ユニットによって作成される旅程サブセクション情報データを、それらの推定値に関してチェックしてもよく、旅程推定ユニットは、代替のエントリ、即ち代替旅程サブセクション情報データ、好ましくは、プリセットされた閾値よりも低い推定値を有するもののみを提供してもよい。閾値は、装置の記憶域に格納されてもよく、装置の運用が開始されると設定されてもよい。
【0017】
上記は、移動体の旅程の更なるサブセクションを加えることができるようになる、更なるユニットが加わるという点で、装置の改善された信頼性を相乗的に増して、特に通信の誤動作、モバイルデバイスの誤動作、またはビーコンの誤動作などに対して、装置をフェールセーフにする。より具体的には、旅程生成ユニットは、実際に送信された位置情報、即ちモバイルコンピューティングデバイスから実際に送信されたデータに基づいて、サブセクションに関する情報を決定するが、旅程推定ユニットは、送信された位置情報に(必ずしも)(直接)基づかない、更なる/代替のサブセクションを決定してもよい。例えば、異なる車両による、または異なる/追加のサブセクションを介する、開始位置から終了位置までの移動が可能であってもよく、また例えば、サブセクションを移動している間に装置に何らかの位置情報が適切に送信されなかった場合、実際に受信した位置情報のみが旅程生成ユニットによって考慮された場合に不適切な旅程が決定されることがある。しかしながら、旅程推定ユニットは、発信者ノードなどの誤動作なく適切に決定されていてもよい開始位置と終了位置との間の、更なる可能な代替のサブセクションおよび/または旅程を考慮に入れることを可能にする。それ故、複数の選択肢の中で、各旅程サブセクション情報データに割り当てられる重み値に基づいて、適切なまたは適切である可能性が最も高いサブセクションを選択することが可能である。推定値を使用し、それを事前定義された閾値と比較する場合に、計算量が更に低減されてもよく、それにより、特定の旅程サブセクション情報データの推定値が閾値以下であるときのみ、旅程推定ユニットが作業を始めてもよい。
【0018】
更に、好ましくは、旅程ネットワークデータベースは、開始位置、終了位置、および重み情報/値をそれぞれ含む、複数の所定の旅程サブセクションを備えてもよい。更に、旅程生成ユニットは、開始位置および終了位置が、旅程ネットワークデータベースにおける所定の旅程サブセクションの開始位置および終了位置と一致する、旅程サブセクション情報データに関して、旅程ネットワークデータベースからの重み情報を選択するように構成されてもよい。好ましくは、上記旅程サブセクション情報データの推定値は、選択された重み情報と同じであるように設定されてもよい。これにより、重み情報および推定値の効率的で信頼性の高い決定が可能になる。
【0019】
更に、好ましくは、旅程推定ユニットは、旅程ネットワークデータベースに関して、所定の閾値よりも低い推定値を有する、旅程生成ユニットによって生成された上記旅程サブセクション情報データの、また旅程ネットワークデータベースの所定の旅程サブセクションの、少なくとも開始位置または終了位置が互いに一致する、旅程ネットワークデータベースから1つまたは複数の所定の旅程サブセクションを選択することによって、ならびに代替旅程サブセクションの重みが上記閾値以上である場合に、代替旅程サブセクション情報データを旅程履歴データに追加するように構成されてもよい。閾値は、好ましくは、上述の閾値と同一であってもよい。
【0020】
上述したように、誤動作など、即ちフェールセーフ性に関する装置の信頼性は、直前に記載した好ましい態様にしたがって、代替旅程サブセクション情報データを、具体的には記載した閾値比較に基づいて選択される旅程履歴データに追加することができる、旅程推定ユニットを提供することによって向上させることができる。閾値比較を使用する方策は、代替の選択の数を低減することができるので、信頼性の改善に加えて計算量が低減される。また、追加の可能なサブセクション/旅程を追加することによって、装置へのデータの不適切な/不完全な/存在しない送信に関する誤動作を相殺することが可能になる。
【0021】
更に、好ましくは、信頼性の改善に加えて、旅程生成ユニットおよび/または旅程推定ユニットは、プロパティに関する情報を旅程サブセクション情報データに追加するように構成されてもよく、特に、旅程生成ユニットは「実際(actual)」をプロパティデータとして設定してもよく、一方で旅程推定ユニットは「仮定(assumption)」をプロパティデータとして設定してもよい。これは、直接送信された情報/データに基づいて、また旅程推定ユニットによって提供される代替案の追加に基づいて、旅程サブセクション情報を高い信頼性で識別/分離する助けとなる。更に、したがって、出力ユニットは、旅程履歴データからの旅程サブセクション情報を「確認済み旅程」または「代替旅程」として出力するように構成されてもよい。代替旅程出力は、同じ開始および/または終了位置を有する旅程履歴データの旅程サブセクション情報に対する代替案を含む、旅程サブセクション情報(または複数の旅程サブセクション情報)であってもよい。
【0022】
更に、好ましくは、出力ユニットは、少なくとも1つの旅程サブセクション情報データを旅程履歴データから提案旅程としてモバイルコンピュータに出力するように構成されてもよく、入力ユニットは、提案旅程に対する(移動体の)合意に関してフィードバック情報/データをモバイルコンピュータから受信するように構成されてもよい。フィードバックが合意を含む場合、旅程ネットワークデータにおける重みを、提案旅程と一致する所定の旅程サブセクションに対しては増加させてもよく、それ以外は、上記重みを減少させてもよい。フィードバックは、装置のデータベースに格納された、または他の任意の位置における重み値は、時間に伴ってより正確になり得るので、時間に伴って装置の出力の信頼性および精度を改善し、即ち時間に伴って最適な重み値を学習させることができる。装置は、好ましくは更に、学習を個人化できるように、異なるユーザの個人重み値を備えたデータベースを含んでもよい。
【0023】
更に、好ましくは、アラームユニットが、合意を受信していない提案旅程に対するフィードバック情報を検証し、検証によって合意が適切であると判定された場合に、提案旅程と一致する所定の旅程サブセクションの重みを増加させるように構成された、装置に含まれてもよい。これは、信頼性高く偽フィードバックを識別し無視する助けとなる。
【0024】
更に、好ましくは、重み値は、異なる要因、パラメータ、または状況に基づいて、修正/更新/変更されて設定されてもよい。例えば、開始位置と終了位置との間の距離に基づいてもよく、例えば、より長い距離は、バスまたは列車で2つの位置の間を通勤する場合、徒歩または自転車で2つの位置の間を直接接続するための重みを減少させてもよい。更に、重みは、開始位置と終了位置との間の移動の選択肢の数および種類、天候、ならびに装置に報告される公共交通システムの技術的誤動作などの他の状況を考慮してもよい。例えば、バス接続が存在するとしても、2つの位置の間のより短い距離には自転車が使用される可能性が高くてもよい。これは、バスによる接続の重みが、自転車による直接接続よりも小さい重みを有することを意味するであろう。しかしながら、雨の日または寒い日は、自転車の代わりにバスが選ばれる可能性が高くてもよい。それ故、バス接続の重みが高くなるように更新されるであろう。重みは、装置、装置に接続されたモバイルコンピューティングデバイスまたは他の任意のデバイスのデータベースに格納されてもよい。更新は、規則的な間隔で実施されるか、または天候の変化など、外的状況によってトリガされてもよい。
【0025】
更にまた、装置は、運賃データベースと、運賃データベースの情報に基づいて、旅程履歴データにおける各旅程サブセクション情報に対する運賃を計算するように構成されてもよい、運賃計算ユニットとを含んでもよい。次に、装置は、各旅程出力に対する旅程および運賃を出力してもよい。
【0026】
加えて、上述の態様の少なくとも1つによる装置と、モバイルコンピュータと、移動ルートに沿っておよび/または交通車両内に配置された複数の発信者ノードとを含む、システムが提供されてもよく、発信者ノードは、データ、例えば位置および時間情報を、移動体のモバイルコンピュータにその範囲内で発信する、事前定義された発信範囲を有してもよい。発信者ノードは、好ましくは、モバイルコンピューティングデバイス/モバイルコンピュータに一方向的にのみデータを発信し、後者は、装置と双方向的に通信してもよい。このシステムアーキテクチャは、特にフェールセーフであり、したがって信頼性が高く、データ保護性であり、一般にデータトラフィックを低減させる。
【0027】
更に、移動体が移動してきた旅程を生成する方法が特許請求される。方法は、モバイルコンピュータの位置および上記位置における時間に関する情報を包含する位置情報データを、上記移動体のモバイルコンピュータから受信し、複数の位置情報データを位置履歴データとして格納するステップと、複数の旅程サブセクション情報データを含む旅程履歴データを生成するステップであって、各旅程サブセクション情報データが、位置履歴データに基づいて決定された旅程のサブセクションの開始位置および終了位置と、旅程ネットワークデータベースからの重み情報に基づいて決定された推定値とを含む、生成するステップと、旅程履歴データの旅程サブセクション情報データに基づいて、またモバイルコンピュータに対する重み情報に基づいて、少なくとも1つの旅程を出力するステップと、を含んでもよい。
【0028】
加えて、上述の方法は更に、特許請求する装置に関連して上述した好ましい態様の構成に基づいた、追加のステップを含んでもよい。例えば、位置情報を使用することによって旅程サブセクション情報を追加するステップと、代替旅程サブセクション情報を追加し、および/またはそれに対するプロパティを追加するステップ、ならびに旅程を提案するステップ、ユーザからのフィードバックに基づいて、または例えば天候などの外部条件に基づいて、重み情報を適応させるステップ、などである。また、特許請求する方法は更に、運賃計算ステップを含んでもよい。換言すれば、特許請求する装置の各構成はまた、それ自体が特許請求されてもよい方法として、および/またはコンピュータプログラム製品クレームとして包含されるものとする。
【0029】
概して、特に自動旅程生成の信頼性に関して、技術的利益を提供する解決策が提供される。
【0030】
以下、特許請求する主題について、添付図面を参照して、少なくとも1つの優先的な実施例に基づいて更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】旅程を生成するために装置を使用するシステムに関する一例を示す概略図である。
図2】データ接続を介して互いに通信する装置およびモバイルコンピュータのセットアップに関する一例を示す図である。
図3】位置変換データを含むテーブルに関する一例を示す図である。
図4】位置情報データを含むテーブルに関する一例を示す図である。
図5】リンク/サブセクションおよびノードを含む移動ルートに関する概略例を示す図である。
図6】所定の旅程サブセクションを含むテーブルに関する一例(図6aa)、および旅程履歴データを含むテーブルに関する一例(図6a)を示す図である。
図7】運賃値を含むテーブルに関する一例(図67a)、およびモバイルコンピュータ上に表示される出力ユニットの出力に関する一例(図7b)を示す図である。
図8】旅程推定ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図9】旅程生成ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図10】出力ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図11】旅程ネットワーク更新ユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
図12】アラームユニットによって実施可能なステップの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、特許請求するシステム1000の非常に概略的な概要を示しており、3つの位置が「停留所A」、「停留所B」、「停留所C」として指示されている。停留所間を移動するバスなどの交通車両が示され、停留所AおよびB、ならびに停留所BおよびCの間の距離が示されている。ここで、第1の言及される距離は0.5マイル(0.8km)であるものとし、第2の言及される距離は2.5マイル(4.0km)であるものとする。距離値は単なる例であり、全く異なるものであることができる。各停留所ならびにバスは少なくとも1つの発信側ノードNを保持し、それに対して、以下、「発信者ノード」または「ビーコン」という表現も使用されることがある。モバイルコンピューティングデバイス/モバイルコンピュータ1200は、移動体と共に移動している。「移動体」という表現は、例えば、移動中の人、またはモバイルコンピュータ1200の移動中のユーザを特定するものとする。モバイルコンピュータ1200のユーザは、停留所AからCに沿って移動している間、モバイルコンピュータ1200を携行するものと仮定する。停留所は、バスの実際の停留所に必ずしもリンクされなくてもよい。移動している間、モバイルコンピュータ1200、特にモバイルコンピュータプログラム(あるいは「アプリケーションプログラム」、または簡単に「アプリ」もしくは「モバイルアプリ」)は、発信者ノードNからモバイルコンピュータ1200に発信されるデータを受信するように構成される。受信データは、発信者ノードNの送信範囲内にある該ノードから発する。発信者ノードNの好ましい送信範囲は、数メートルまたは1メートル未満であってもよい。比較的短い送信範囲によって、異なる発信者ノードNの重複を回避または低減できることが担保される。送信範囲は好ましくは比較的短いので、完全なカバレッジを担保するために、図1に示されるバスなど、送信範囲よりも大きい空間内に、1つを超える発信者ノードNを提供するのが必要なことがある。移動体のモバイルコンピュータ1200が送信範囲に入ると直ぐに、位置情報データ3001~300nと称されるタイムスタンプされた位置データが、発信者ノードNからモバイルコンピュータ1200に送信される。位置情報データ3001~300nは、モバイルコンピュータ/発信者ノードNの位置、およびデータがモバイルコンピュータ1200に送信された時間に関する情報を含んでもよい。受信した位置情報データ3001~300nは、モバイルコンピュータ1200に一時的に格納されてもよく、またはサーバ/装置1100であるかもしくはそれを含む、リモートサーバに直接送信されてもよい。両方の選択肢の混合、即ち即時に発信するか、または格納し、設定時間後に発信することも、提供することができる。この例では、移動体およびモバイルコンピュータ1200は停留所Aから停留所Cまでのルートに沿って移動するが、モバイルコンピュータ1200は異なる発信者ノードNを送り、したがって(続いて)そこから位置情報データ3001~300nを受信する。これは(仮の)最終停留所に達するまで続く。上述したように、データが直接発信されない場合、更に好ましい選択肢は、移動/行程の完了後に、リモートサーバ上でデータをモバイルコンピュータ1200から装置1100に発信することを含む。行程の完了は、例えば、移動体が特定のコマンドを、モバイルコンピュータ1200に、またはモバイルコンピュータ1200上で稼働する関連のコンピュータプログラムに入力することによって示されてもよい。行程の最終目的地も、例えばユーザによって入力されたことにより、モバイルコンピュータ1200に知らされてもよく、それ故、行程の完了を示すコマンドは不要である。
【0033】
以下、装置1100で受信する位置情報データ3001~300nの特定の処理について、更に詳細に以下の図面を参照して考察する。
【0034】
図2は、装置1100およびモバイルコンピュータ1200の概略構成を示している。装置1100は、(リモート)コンピューティングデバイスなどであってもよく、例えば、サーバ、またはサーバ上のコンピューティングデバイスであってもよい。図2は、モバイルコンピュータ1200および装置1100の複数の異なるサブユニットおよびデータ格納ユニット(1つもしくは複数)(データベースなどを含む)を表しているが、図面の更なる説明において以下で考察するこれらの一部は任意選択であり得ることに留意されたい。
【0035】
図2は、モバイルコンピュータ1200および装置1100が、好ましくは双方向性および無線であるデータ接続(図2では、2つのデバイス間のジグザグ線によって示される)を介して接続されることを示している。2つのエンティティ/デバイス間の無線データ接続を構成するための好ましい選択肢は、全ての関連する無線データ送信プロトコルを含むことができる。1つの特定の好ましい選択肢は、インターネットを介した接続である。モバイルコンピュータ1200は、移動体、例えばモバイルコンピュータ1200のユーザに対して関連情報を表示するための、グラフィックユーザインターフェース1221を含む。更に、中でも特に、位置変換データを、好ましくはテーブルまたはアレイなどとして構造化されたデータベースに格納するための、内部および/または外部格納ユニット(1つもしくは複数)1201を含む。更に、モバイルコンピュータ1200は、位置感知ユニット1211と位置変換ユニット1212とを含むことができる。モバイルコンピュータ1200は、好ましくは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ラップトップ、または他の任意の携帯型コンピューティングデバイスである。位置変換ユニット1212など、モバイルコンピュータ1200の上述したユニットの一部は、コンピュータプログラム製品として、および/またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実現されてもよい。位置感知ユニット1211は、例えば、ハードウェアセンサと、センサからのデータを処理するソフトウェアプログラムとを含んでもよい。
【0036】
更に、図1に関して、発信者ノードNは位置情報データ3001~300nをモバイルコンピュータ1200に送信すると説明した。上記の上述した好ましい態様では、図1に関して考察したように、内部で計算されたデータを発信者ノードNによって提供することができるので、位置感知ユニット、ならびに位置変換ユニット1211および1212、位置変換データ1201は必須ではない。しかしながら、異なる好ましい態様では、上述のユニットはモバイルコンピュータ1200内に存在し、この場合、発信者ノードNは単に、A1、A2、X1、…、C1、C2など、発信者固有のコールサインをモバイルコンピュータ1200に送信する。次に、モバイルコンピュータ1200は、位置変換ユニット1212を用いて、発信者ノードNによって提出されるコールサインを、駅A、バスに乗車、駅Cなどの位置とリンクさせる。更に、位置感知ユニット1211は必要に応じて座標を特定し、モバイルコンピュータ1200は、発信者ノードNからデータを受信した瞬間にタイムスタンプを追加してもよい。上述の好ましい態様にかかわらず、位置情報データ3001~300nは、装置1100の入力ユニット(入力ユニットは、この例では出力ユニットと組み合わされる)に送信され、受信した位置情報データ3001~300nは、位置履歴データ1102として装置1100のそれぞれの記憶域に格納される。特に、テーブルまたは他の任意の種類のデータ形式として構造化されてもよい、データベースなどに格納される。好ましくは、モバイルコンピュータ1200から装置1100への送信は更に、モバイルコンピュータ1200および/またはモバイルコンピュータ1200のユーザの識別子IDを含む。識別子は、位置情報データ3001~300nに追加されてもよい。
【0037】
図3および図4は、位置変換データ1201のデータ構造に関する一例を示しており、そこから、各ラインが、第1の列に列挙される異なるセンサ/発信者ノードNを特定し、対応する位置が第2の列に列挙されることは明白である。参照符号2001~2008によって指示されるラインはそれぞれ、単一の位置変換情報(データ)、または換言すれば、そのセットを表す。同じことが、図4によって示されるような、位置履歴データ1102を含むテーブルの例に当てはまる。図示される各位置情報データ3001~3007は、識別されたユーザID、位置、その位置における時間に対する値を含む。例えば、位置情報データ3002は、識別子「ID1」のユーザが10:00:30AMに駅Aにいたことを示す。位置情報3006に示されるように、同じユーザは10:13:00AMには駅Cにいた。
【0038】
図2に戻ると、各ユーザに関するデータを含み、ユーザIDを特定のユーザに関連付ける、アカウントデータ1101に関するデータ記憶域も示されている。各使用に関するデータは、自宅住所、クレジットカード情報、銀行情報などの情報を含んでもよい。装置1100に異なるモバイルコンピュータ1200から入ってくる送信は、識別子/ユーザID情報を使用することによって適切な人に割り当てることができる。更に、装置1100の記憶域は、少なくとも更に、アレイ、テーブル、または他の任意の好適なデータ形式の形態でやはり順序付けられてもよい、旅程ネットワークデータに関するデータベースを含んでもよい。
【0039】
図5は、以下に説明する、旅程ネットワークデータベースに格納されるデータに関する一例を図式的に視覚化する。しかしながら、これは単なる一例であり、旅程ネットワークデータベースは、事前定義された、装置1100に格納される、更に一層複雑化されたルートデータを含んでもよいことが注目されるべきである。更に、装置1100は前もって格納されたデータを含んでもよいことが注目されるべきである。しかしながら、データは、必要に応じて任意の時点で更新/補正することができる。理解できるように、図5は、ノードおよびリンクを用いてデータを表している。ノードは、上述の駅/停留所、または移動体の移動ルートに沿った他の地点に対応する。この例では、具体的には、ノードは、上述の駅A~C、ならびに停留所A~Cを接続する交通車両に対するノードを含む。更に、例は、ノード間のサブセクション/リンクを示す。交通車両に対応するノードは「乗車」として指示される。ノードは、特に、乗客が交通車両に乗る、および/またはそこから降りる位置、ならびに乗客が車両/交通車両に乗車中である位置を示してもよい。リンクは、好ましくは、「旅程のサブセクション」と呼ばれることもある、位置を接続する交通ルートを表す。各サブセクション/リンクは、方向および重み値を有する。方向は、任意の値であり、1つのルートから別のノードへの移動方向を特定し、重み値は、乗客/移動体が特定のリンク/サブセクションを選定するか否かの可能性を示す。図5の例から、参照符号4011および4012によって指示されるノード「駅A」、「乗車」、および「駅B」の間のリンクがあることが分かる。更に、参照符号4013および4014によって示される、「駅B」から「乗車」、および「乗車」から「駅C」のリンクがある。これらのリンクは重み値「100」を有する。値は単位を有さなくてもよい。好ましくは、値はパーセンテージ値を示す。駅および「乗車」ノードは、図5のこの例では、参照符号4001~4005を有する。ノード間の追加のリンク/サブセクションが利用可能である。追加のサブセクションの1つは、ノード「駅A」をノード「駅C」と接続し、参照符号4015および重み値「20」を有する。更に、参照符号4016を有する駅Aノードおよび駅Bノードの間の直接接続は、重み値「70」を有し、駅Bおよび駅Cの間の直接接続/リンク/サブセクションは、参照符号4017および重み値「40」を有する。ここで、図5の例を見ると、移動体が駅Aから駅Cに移動する最も高い確率は、駅Aを駅Bと、また駅Bを駅Cと接続する、バスなどの交通車両に乗車中である。その理由は、上述の駅間の全てのリンク/サブセクションが重み値「100」を有するためである。換言すれば、例えば、AからBまで、またBからCまでバスに乗るのと比較して、移動体が、重み値「20」を有する徒歩または自転車で駅Aから駅Cまで移動する可能性は低い。同じことが、駅Aから駅Cまでの他の任意の接続に当てはまり、つまり、移動体が上述のバスによる旅程を選定する可能性が高い。
【0040】
更に、割り当てられた重み値は、時間に伴って、および/または特定の状況と関連して修正/更新できることが注目されるべきである。例えば、駅Aおよび駅Bの間の交通車両が技術的不具合を有することが、システムに知らされた場合、サブセクション4011および4012に対する重み値は、サブセクション/リンク4016に対する重み値未満に減少されてもよい。更に、天候が非常に良く、2つのノード間の距離が比較的短い場合、徒歩かまたは自転車に乗ることによってこのリンク/サブセクションを取る重み値は、増加してもよく、バスまたは地下鉄など、公共交通車両に対する値よりも大きくてもよい。重み値の割り当てられた値の修正/更新の更なる可能性については、以下の説明で考察する。
【0041】
図5によって示される上述のネットワークは、一例が図6に示されるデータテーブルとして、装置1100に格納されてもよい。具体的には、図6に示される旅程ネットワークデータベース1103は、各ラインに所定の旅程サブセクション5001~500nを含み、図6の特定の例は参照符号5011~5017を使用し、第1の列は所定の旅程サブセクションの開始ノードを示し、第2の列はその終了ノードを示し、第3の列は割り当てられた重み値を示す。図6に示される重み値は、時間に伴って適応されてもよい、最初に事前定義された値であってもよい。この接続では、移動体の個々のデータ1104を有するデータベースを備える、更に好ましい選択肢が図2によって示されている。登録された各移動体は自身の個々のデータ1104を有してもよい。個々のデータ1104は、好ましくは、装置1100によって学習された、更新/修正された重み値を含んでもよい。例えば、移動体が過去に、リンク4011および4012に対応するバスよりも図5のリンク4016を好んでいた場合、装置1100は、IDによって識別されるこの特定の移動体はリンク4016を好むということを学習してもよく、したがって、リンク4011および4012に対する事前定義された(一般的)重み値が、リンク4016の重み値よりも低いように低減されてもよい。当然ながら、同じ効果のために、リンク4016の重み値が逆に増加されてもよい。結果として、個々の好みを学習することによって、旅程生成の精度をより一層改善することができ、個人化された出力を担保することができる。
【0042】
更に、装置1100は旅程生成ユニット1113を含み、そのユニット1113によって実施することができるその動作/方法ステップの一例が、図8によって示されている。具体的には、旅程生成ユニット1113は、やはり好ましくはテーブル、アレイなどのデータ構造を有する、装置1100のそれぞれのデータベースに格納される、旅程履歴データ1105を生成するように構成される。図6は、旅程生成ユニット1113によって生成される旅程履歴データ生成の一例を示している。具体的には、図6は、複数の旅程サブセクション情報データ6001~600nを含む、旅程履歴データ1105のテーブルを示している。図6bの例では、5つの異なる旅程サブセクション情報データ(換言すれば、旅程サブセクション情報データセット)が、参照符号6002~6005を有して示されている。旅程サブセクション情報データ6001~600nは、図6の例では、ユーザID、および任意にパスIDをそれぞれ含む。更に、旅程サブセクション情報データ6001~600nはそれぞれ、開始位置、終了位置、推定値を、また好ましい態様では、プロパティ値も含む。図6によるテーブルの各ラインは、好ましくは、図8によって示されるステップのループ状処理によって生成される、1つ(1セット)の旅程サブセクション情報データ6001~600nを示す。
【0043】
図8は、特に、旅程生成ユニット1113が第1のステップS1で、図4の位置履歴データ1102から第1の記録を読み取ることを示している。図4の例によれば、図8によるステップの第1の処理ループで読み取られる第1の値は、10AMに駅AにいたID1のユーザを示す、位置情報データ3001であろう。一時的な値など(図面では「チェックポイント」と称される)は、この第1の記録を始点として記憶し(ステップS2)、次の記録が位置履歴データ1102から読み取られる(ステップS3)。これは、図4の例では位置情報データ3002である。続いて、一時的に保存された始点が同じであるか否かがチェックされ(ステップS4)、即ち、データ3001および3002の位置が互いに比較され、それらが同一である場合、図8の「はい」の経路をたどって次の記録が読み取られる。例えば、図4の2つの第1のエントリ、つまり位置情報3001および3002が同じエントリを含むので、図8の比較が「はい」を返すであろう。しかしながら、「乗車」のエントリを含む位置情報3003である次の記録は、始点(「駅A」)とは異なるので、次の比較は結果として「いいえ」を返すであろう。「いいえ」が返された場合、終点が設定される(ステップS5)。この例では、位置情報3003の位置エントリが「乗車」であることによるであろう。続いて、第1の生成された旅程サブセクション情報データ6001~600n(上記例では、図6の旅程サブセクション情報データ6001であろう)の開始位置および終了位置が決定され、旅程履歴データ1105に入力される。更に、ユーザIDが分かり、推定値が追加されなければならない。推定値は、同一の所定の旅程サブセクションに対する重み値を読み取ることを含む、図8のステップS6によって決定されるが、ここで同一とは、旅程サブセクション情報データ6001~600nの開始位置および終了位置が、所定の旅程サブセクション5001~500nを含む旅程ネットワークデータベースの開始ノードおよび終了ノードに等しいことを意味する。本例では、旅程生成ユニット1113は、旅程データベース1103の第1のエントリが、駅Aでの開始および「乗車」での終了に対して重み値「100」を含む、所定の旅程サブセクション5011であることを使用して、旅程ネットワークデータベース1103から重み値を決定するであろう。この重み値「100」は、推定値「100」として、旅程サブセクション情報データ6001~600nに記録される。次に、新しい記録、即ち1つ(1セット)の旅程サブセクション情報データ6001~600nが、旅程履歴データ1105に入力される(ステップS7)とすぐに、図8に示されるようなステップの第1のループが完了する。次のループでは、位置履歴データ1102に次の記録がある場合(ステップS8、S9)、追加の記録が旅程履歴データ1105に対して生成される。したがって、位置履歴データ1102の次の読み取られていない/未処理のエントリが選択される。上述の例では、次のエントリは、10:07:00AMにおける位置「乗車」を含む位置情報3004であろう。ユーザのID、ならびに位置が記憶され、位置は始点として記憶され、図8に関して上述したような手順が繰り返されるので、この例では、次の終点は、10:08:00AMに到達した位置「駅B」を有する位置情報3005に関して見出されるであろう。それぞれの旅程サブセクション情報データ6002に対する重みが、重み値「100」を同様に有する所定の旅程サブセクション5012に関連して、図6aによって示されるような、テーブルから再び選ばれるであろう。したがって、推定値「100」が設定され、エントリ6002、即ち第2の旅程サブセクション情報データが、図6によって示されるように、旅程履歴データ1105に入力される。上記は、利用可能な位置履歴データ1102がもうなくなるまで、ループで実施される。考察した例では、最後の旅程サブセクション情報データ6001~600nは、図6の参照符号6003を有するデータ(セット)であろう。
【0044】
全てのデータが高い信頼性で送信され、位置履歴データ1102に保存されたと仮定されるであろう場合、図6によって示される、上記3つの旅程サブセクション情報データ6001~6003は、集約された旅程、複数の旅程、または1つの旅程のサブセクションとして、出力ユニット1115によって出力されるであろう。更に、運賃計算ユニット1112が、装置1100に追加されてもよく、参照符号1106を有する図2に示されるような運賃データベースを活用することができ、それに関する一例が図7bに示されている。運賃データベースでは、各サブセクション/リンクに、移動体に対して示されおよび/または課金され得る値段を割り当てることができる。本例では、駅Aから駅Bまで交通車両に乗ると値段は120になり、駅Bから駅Cまで乗ると値段150になる。つまり、上記に考察した態様および特許請求する主題の例では、また旅程生成ユニット1113によって生成された、図6によって示されるような旅程サブセクション情報データ6001~6003に基づいて、値段120は、旅程サブセクション情報データ6001~6002から明らかになるように、交通車両に乗って駅Aから駅Bまで移動するのに対して出力されてもよく、また旅程サブセクション情報データ6003からの情報によれば、駅Bと駅Cとの間の接続に関しては、このサブセクションでは交通車両は使用されなかったので、値段を支払う必要はないであろう。この結果は、出力ユニット1115によって移動体に対して表示されてもよい。
【0045】
更なる好ましい態様では、旅程推定ユニット1114は、特に、適切な旅程/旅程のサブセクションが生成され、場合によっては出力ユニット1115によって出力されることを確保する際には、フェールセーフ性および信頼性の更なるレイヤを追加する装置1100に含まれる。具体的には、旅程推定ユニット1114による処理の提案される構成が、図9によって示され、第1のステップ(ステップA1)で、第1の記録が旅程履歴データ1105から読み取られる。この例では、読み取られる第1の記録は、図6によって示されるような、旅程サブセクション情報データ6001であろう。次に、上記の読み取られた履歴サブセクション情報の推定値、ここでは参照符号6001を有するものが、事前定義された閾値未満の推定値を有するか否かに関して、決定が行われる(ステップA2)。閾値は、装置1100のデータ記憶域または他の任意の場所に格納されてもよい。本例では、閾値が「100」未満であろうと仮定すると、決定の結果は、旅程履歴データ1105の記録6001に関して「はい」であろう。したがって、図6の参照符号6002を有するものである、次の記録が読み取られるであろう(ステップA6)。この記録の推定値はまた、閾値超過であるため、図6の例で参照符号6002を有する次の記録が、旅程履歴データ1105から読み取られる。しかしながら、旅程サブセクション情報データ6003は推定値「40」を有し、ここで、例として事前定義された閾値未満であると仮定されるので、(ステップA2の)決定は「いいえ」となる。したがって、代替旅程サブセクション情報データ6001~600nが生成される(ステップA3)。代替案を生成するまたは見出すステップは、同様にループで繰り返されてもよい、更なるサブステップ(図示なし)を含む。サブステップは、閾値よりも低い推定値を有する実際の旅程サブセクション情報データ(まさに処理中のループにおける「実際」、例えば図6の例で参照符号6003を有するもの)の開始位置または終了位置において終了もしくは開始する、他のサブセクションに対する全ての可能な代替案を生成する/見出すことを含んでもよい。図6の例では、これは、旅程推定ユニット1114が、図6の例によって示されるような所定の旅程サブセクション5000~500nを検索し、図6の代替旅程サブセクション情報データ6004および6005(のセット)を生成することを含むであろう。これは、所定のサブセクション5000~500nが、駅Bを終了ノード「乗車」と接続し、重み値「100」を有する所定のサブセクション情報5013である、図6のデータセット6003の同一の開始位置を有する1つの所定のサブセクションを含むということを、見出すことによって行われる。更に、代替旅程サブセクション情報データ6005は、旅程サブセクション情報データ6003と同じ終了位置、つまり駅Cによって見出されるので、ネットワークデータベース1103における、図6によって示されるような、開始ノード「乗車」を終了ノード駅Cと接続する所定のサブセクション情報5014を使用することができる。両方とも重み値「100」を有するので、図6の例における2つの更なる代替旅程サブセクション情報データ6004および6005(のセット)両方に対して、推定値「100」が入力される。旅程推定ユニット1114によって追加される代替サブセクション情報データは、モバイルコンピュータ1200によって受信される、発信者ノードNからの送信/データに直接基づくものではないことが注目される。しかしながら、これらの代替案は、これらのリンク/サブセクションに関して装置1100によって信号/データが受信されていないものの、より高い重み値を、即ち移動体によって選定されることのより高い確率を有する。データが受信されていない理由は、設備の故障または送信経路の中断によることがある。また、更なる安全性の選択肢として、旅程推定ユニット1114は追加のチェックステップ(ステップA4)を有してもよい。このステップは、生成された代替案の重み値が閾値を超過するか否かを決定してもよい。閾値は上述の閾値と同じであってもよい。この任意のステップA4が含まれる場合、ステップA5が実施されるか否かに関してはチェックの結果に依存する。ステップA5は、旅程履歴データ1105に対して新しいエントリ/記録を生成することを含む。
【0046】
特に、旅程生成ユニット1113および旅程推定ユニット1114を含む好ましい態様/実施例では、出力ユニット1115は、図10の例に示されるような構成/方法にしたがって進行してもよい。この例では、生成された旅程履歴データ1105は記録ごとに読み取られ、即ち、第1のステップ(ステップB1)で、第1の記録が読み取られ、次のステップ(ステップB2)で、記録に対して格納された推定値が閾値よりも大きいか否かが判断され、これが真である場合、この記録は「確認済み行程」として指示される(ステップB3)。指示は、例えば、このラベルなどを有する一時変数を追加することによって行われてもよい。しかしながら、推定値が閾値未満の場合、旅程サブセクション情報の任意に提供されたプロパティがチェックされ(ステップB5)、旅程生成ユニット1113はプロパティ「実際」を設定し、旅程推定ユニット1114はプロパティ「仮定」を設定する。これらのプロパティが設定された場合、ここで、プロパティ「仮定」で指示されている同じ開始および終了位置を接続するデータがあるか否かに関して、旅程履歴データ1105がチェックされてもよい(ステップB5)。これが当てはまらない場合、判定は「いいえ」であり、記録は「確認済み行程」として指示される(ステップB3)。しかしながら、「仮定」と指示されたエントリがある場合、このエントリが選択され、「代替行程」/「代替旅程」として指示される(ステップB7)。次に、情報が更新され(ステップB4)、次の記録が読み取られる(ステップB8)。旅程履歴データ1105の全ての記録のループ状処理によって、ここで提供される例における駅Aから駅Cまでの全行程/旅程を、間にある全てのサブセクション/旅程と共に決定することができる。図6の非常に具体的な例では、参照符号6001および6002を有するエントリは、事前定義された閾値よりも大きいと仮定される推定値「100」を有するので、これらは「確認済み行程」として指示され、更新情報ステップ(図9のステップB4を参照)によって、これら2つのサブセクションは、バスまたは鉄道などの交通車両に乗車して駅Aを駅Bと接続する1つの旅程に集約され/組み合わされてもよい。これは、モバイルコンピュータ1200上に表示される例示の出力によって示される。図7を参照のこと。更に、これは「確認済み行程」であることが表示される。駅Bから駅Cの接続に関して、図10に示されるようなステップの具体的なフローは、推定値「40」を有する記録が「代替行程」として指示されるが、これはしかしながら、参照符号6003を有するエントリの推定値「40」が、この例では「70」または「80」であってもよいプリセットされた閾値未満であると仮定されるため、「確認済み行程」として明確に定義可能ではないという、結果につながる。更に、参照符号6004および6005を有する2つの「仮定」エントリは、駅Bと「乗車」および「乗車」と駅Cを接続し、閾値超過の推定値を有する、図6の旅程履歴データ1105に提供されるので、集約された「確認済み行程」として出力される。図7を参照のこと。これは、駅Bから駅Cまで鉄道またはバスなどの交通車両によって移動したと、装置1100が仮定することを示す、図7の下側中央のボックスに示されている。しかしながら、あるいは、モバイルコンピュータ1200のユーザに対して、駅Bから駅Cまでを、車両または徒歩または個人の車などの代替の移動選択肢によって移動していてもよいことも示している。
【0047】
更に、上述したように、更なる好ましい選択肢として、運賃データベース1106からのデータに基づいた、また旅程履歴データ1105によって提供されるような旅程のサブセクションを、移動開始駅および終了駅と値段とを含む運賃テーブルと比較する運賃計算ユニット1112によって計算される、旅程の値段/運賃を、モバイルコンピュータ1200のユーザに対して表示することができる。更に、図2によって示されるアカウント管理ユニット1111は、アカウントデータ1101に基づいて、それぞれのIDを有するユーザの銀行口座、クレジットカード、または他の任意の支払いの選択肢から、運賃が課金されることを実行することができる。
【0048】
特許請求する主題の更なる好ましい態様では、モバイルコンピュータ1200の移動体/ユーザとの相互作用は更に、一例として図7bに示されるように、旅程が出力ユニット1115によって出力された後に、ユーザ入力/フィードバックデータを受信するように構成された、移動ルートネットワーク更新ユニット1116を装置1100に追加することによって深められてもよい。方法/ステップのフローが、図11に含まれる一例と共に示されている。フィードバックデータは、代替案が表示される場合、選択された旅程に関する情報を含んでもよい。フィードバックが、例えば、図7の例における、駅Bから駅Cまでの確認済み旅程と代替旅程との間での選定/選択が、ユーザによってモバイルコンピュータ1200に入力されてもよい。ユーザが、図7の例では駅Bから駅Cまで交通車両を使用するものであろう、表示された「確認済み行程」を選択し、それをフィードバックとして送信した場合(ステップC1)、チェックステップ(ステップC2)は肯定であり、この選択された行程の重み値は、個々の乗客の旅程ネットワークデータ1104において増加されるであろう(ステップC3)。したがって、特定のユーザの好ましい選択肢を保存することができ、時間に伴って促進することができる。しかしながら、チェックステップが「いいえ」を返した場合、即ちユーザが「確認済み行程」を確認/選択しておらず、「代替旅程」を選択していた場合、個々の乗客のデータベース1104における重みが減少される(ステップC4)。加えて、任意にアラームがトリガされてもよく(ステップC5)、これについては後述する。更に、一般旅程ネットワークデータベース1103における重み値が増加される(ステップC6)。このフィードバック機能/旅程ネットワーク更新ユニット1116は、装置1100が、より一層正確な旅程の提案をモバイルコンピュータ1200に出力するように学習することを可能にする。この接続で説明されるような、重み値を修正する機能/方法は、好ましくは、重みを修正する他の可能性と組み合わされてもよく、それらの可能性は、図面によって明示的に示唆または図示されないが、天候、ストライキ、公共交通の技術的問題などの条件に依存して、所定の旅程サブセクション5000~500nの重みを変更する、更なる修正ユニットを装置1100に提供することを含む。
【0049】
上述したように、好ましくは、装置1100は、図12に示されるようなステップを処理してもよい、アラームユニット1117を含んでもよい。これは、旅程ネットワークデータ1103における記録が、「代替旅程/行程」の出力(ステップC51)に対応して読み取られることを意味する。次に、一時的に、重みのそれぞれの値が、平均などと称されてもよい変数などで保存される(ステップC52)。次に、上記「代替旅程」に対応する記録が、移動体の個々のデータベース1104から読み取られ(ステップC53)、この重み値が、「個人」などと称される変数で設定/格納される(ステップC54)。次いで、一時的に格納された2つの変数/値は互いに比較され(ステップC55)、これら2つの間の差の値がプリセットされたアラーム閾値を超過した場合(ステップC56)、ユーザの詐欺が起こっている可能性があることを示し、これはユーザが、実際に移動した旅程ではなかったにもかかわらず、例えば図7に示される「代替旅程」出力を選択していることを意味することがある。したがって、安全性および信頼性がより一層増加される。
【0050】
また、上述の説明および図面は、特許請求する主題の全体的な技術的概念を迅速に理解することができるように、実際の適用シナリオよりも単純な例を示していることが注目される。データベース、データセット、ユーザなどの数、ならびに実際の都市、国、または世界規模の移動の選択肢を表すことがあるノードおよびサブセクションの数は、はるかに多いものと仮定される。上述の好ましい態様および実施例は、当業者が進歩性を適用する必要がないであろう場合、互いに組み合わされてもよい。
【0051】
概して、移動体が取ってきた旅程を生成するための、より信頼性の高い装置およびシステムを生成し、モバイルコンピュータ1200のユーザに通知することができる。対応する方法およびコンピュータプログラム製品も提供される。