(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073638
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ビデオ符号化復号化における定量化および逆定量化設計のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04N 19/126 20140101AFI20240522BHJP
H04N 19/136 20140101ALI20240522BHJP
H04N 19/157 20140101ALI20240522BHJP
【FI】
H04N19/126
H04N19/136
H04N19/157
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044490
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2023136408の分割
【原出願日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】62/904,668
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】521147444
【氏名又は名称】ベイジン ダージャー インターネット インフォメーション テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING DAJIA INTERNET INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】チュウ ホンチェン
(72)【発明者】
【氏名】シュウ シャオユウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シエンリン
(72)【発明者】
【氏名】チェン イーウェン
(72)【発明者】
【氏名】マー ツン-チュアン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ビン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159TA46
5C159TB08
5C159TC04
5C159TC27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ビデオ符号化復号化における定量化および逆定量化設計のための方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、符号化ユニット(CU)の残差データのための定量化パラメータを決定することと、前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングすることにより、スケール値を導出することと、前記CUに関連する複数の係数を決定することと、前記CUに関連する複数のパラメータを決定することと、前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフトを取得することと、前記スケール値、前記複数の係数および前記複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得することと、を含む。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダによって符号化ユニット(CU)の残差データのための定量化パラメータを
決定することと、
前記エンコーダーによって前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングするこ
とにより、スケール値を導出することと、
前記エンコーダによって前記CUに関連する複数の係数を決定することと、
前記エンコーダによって前記CUに関連する複数のパラメータを決定することと、
前記エンコーダによって前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数の
ビットシフトを取得することと、
前記エンコーダによって、前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビット
シフトに基づいて定量化レベルを取得することと、
を含むビデオ符号化方法。
【請求項2】
前記複数の係数は、変換係数を含み、前記複数のパラメータは、符号化ビット深度、お
よび前記CUの幅および高さに基づいて決定されるビットシフトを含み、前記スケール率
は、前記CUの幅および高さに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エンコーダによって前記CUに関連する複数の係数を決定することは、前記CUか
ら選択された所定の複数の色ではない色を有する前記CUにおける画素の値である前記C
Uのにじみ色値を決定することを含み、
前記エンコーダによって前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビットシ
フトに基づいて定量化レベルを取得することは、前記エンコーダによって前記スケール値
、前記にじみ色値、および前記複数のビットシフトに基づいて前記定量化レベルを取得す
ることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エンコーダによって前記スケール値、前記にじみ色値、および前記複数のビットシ
フトに基づいて前記定量化レベルを取得することは、以下の関数を実行することにより前
記定量化レベルを取得することを含み、
【数1】
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エンコーダによって前記スケール値、前記にじみ色値、および前記複数のビットシ
フトに基づいて前記定量化レベルを取得することは、以下の関数を実行することにより前
記定量化レベルを取得することを含み、
【数2】
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記エンコーダーによって、前記CUに関連する予測残差サンプルを決定することをさ
らに含み、
前記エンコーダによって前記CUに関連する複数の係数を決定することは、前記エンコ
ーダによって前記予測残差サンプルに対応する予測残差サンプル値を決定することを含み
、
前記エンコーダによって前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビットシ
フトに基づいて定量化レベルを取得することは、前記エンコーダによって、前記スケール
値、前記予測残差サンプル値、および前記複数のビットシフトに基づいて前記定量化レベ
ルを取得することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エンコーダによって、前記スケール値、前記予測残差サンプル値、および前記複数
のビットシフトに基づいて前記定量化レベルを取得することは、以下の関数を実行するこ
とにより前記定量化レベルを取得することを含み、
【数3】
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エンコーダによって、前記スケール値、前記予測残差サンプル値、および前記複数
のビットシフトに基づいて前記定量化レベルを取得することは、以下の関数を実行するこ
とにより前記定量化レベルを取得することを含み、
【数4】
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
デコーダによって定量化パラメータ及び定量化レベルを含むビデオビットストリームを
受信することと、
前記デコーダによって前記定量化パラメータをスケーリング率でスケーリングすること
により、スケール値を導出することと、
前記デコーダによって符号化ユニット(CU)に関連する複数のパラメータを決定する
ことと、
前記デコーダによって前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビ
ットシフトを取得することと、
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて、前記CUに関連する複数の係数を取得することと、
を含むビデオ符号化方法。
【請求項10】
前記複数の係数は、変換係数を含み、前記複数のパラメータは、符号化ビット深度およ
び前記CUの幅および高さに基づいて決定されるビットシフトを含み、前記スケール率は
、前記CUの幅および高さに基づいて決定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて前記CUに関連する複数の係数を取得することは、前記デコーダによって前記
定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフトに基づいて前記CUの再構成
されたにじみ色値を取得することを含み、
前記再構成されたにじみ色値は、前記CUから選択された所定の複数の色ではない色を
有する前記CUにおける画素の値である、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて前記CUの再構成されたにじみ色値を取得することは、以下の関数を実行する
ことにより前記再構成されたにじみ色値を取得することを含み、
【数5】
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて前記CUの再構成されたにじみ色値を取得することは、以下の関数を実行する
ことにより前記再構成されたにじみ色値を取得することを含み、
【数6】
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記デコーダによって、前記CUに関連する予測残差サンプルを決定することをさらに
含み、
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて前記CUに関連する複数の係数を取得することは、前記デコーダによって前記
定量化レベル、前記スケール値、および前記複数のビットシフトに基づいて、前記CUの
再構成された予測残差サンプル値を取得することを含み、
前記再構成された予測残差サンプル値は、前記予測残差サンプルに対応する、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて前記CUの再構成された予測残差サンプル値を取得することは、以下の関数を
実行することにより前記再構成された予測残差サンプル値を取得することを含み、
【数7】
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記デコーダによって前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフト
に基づいて前記CUの再構成された予測残差サンプル値を取得することは、以下の関数を
実行することを含み、
【数8】
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサに接続されている非一時的なメモリと、
前記非一時的なメモリに格納されている複数のプログラムと、
を含み、
前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前
記1つまたは複数のプロセッサに、
符号化ユニット(CU)の残差データのための定量化パラメータを決定し、
前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングすることにより、スケール値を導
出し、
前記CUに関連する複数の係数を決定し、
前記CUに関連する複数のパラメータを決定し、
前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフトを取得し、
前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビットシフトに基づいて定量化レ
ベルを取得する、
のような操作を実行させる、コンピューティング装置。
【請求項18】
前記エンコーダによって前記CUに関連する複数の係数を決定することは、前記CUか
ら選択された所定の複数の色ではない色を有する前記CUにおける画素の値である前記C
Uのにじみ色値を決定することを含み、
前記エンコーダによって前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビットシ
フトに基づいて定量化レベルを取得することは、前記エンコーダによって前記スケール値
、前記にじみ色値、および前記複数のビットシフトに基づいて前記定量化レベルを取得す
ることを含む、
請求項17に記載のコンピューティング装置。
【請求項19】
前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記エンコーダーによって、前記CUに関連する予測残差サンプルを決定することをさ
らに含む、
のような操作を実行させ、
前記エンコーダによって前記CUに関連する複数の係数を決定することは、前記エンコ
ーダによって前記予測残差サンプルに対応する予測残差サンプル値を決定することを含み
、
前記エンコーダによって前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビットシ
フトに基づいて定量化レベルを取得することは、前記エンコーダによって、前記スケール
値、前記予測残差サンプル値、および前記複数のビットシフトに基づいて前記定量化レベ
ルを取得することを含む、
請求項17に記載のコンピューティング装置。
【請求項20】
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサに接続されている非一時的なメモリと、
前記非一時的なメモリに格納されている複数のプログラムと、
を含み、
前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前
記1つまたは複数のプロセッサに、
定量化パラメータ及び定量化レベルを含むビデオビットストリームを受信し、
前記定量化パラメータをスケーリング率でスケーリングすることにより、スケール値を
導出し、
符号化ユニット(CU)に関連する複数のパラメータを決定し、
前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフトを取得し、
前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフトに基づいて、前記CU
に関連する複数の係数を取得する、
のような操作を実行させる、コンピューティング装置。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティング装置によって実行される複数
のプログラムを格納している非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前
記1つまたは複数のプロセッサに、
符号化ユニット(CU)の残差データのための定量化パラメータを決定し、
前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングすることにより、スケール値を導
出し、
前記CUに関連する複数の係数を決定し、
前記CUに関連する複数のパラメータを決定し、
前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフトを取得し、
前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビットシフトに基づいて定量化レ
ベルを取得する、
のような操作を実行させる、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項22】
1つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティング装置によって実行される複数
のプログラムを格納している非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前
記1つまたは複数のプロセッサに、
定量化パラメータ及び定量化レベルを含むビデオビットストリームを受信し、
前記定量化パラメータをスケーリング率でスケーリングすることにより、スケール値を
導出し、
符号化ユニット(CU)に関連する複数のパラメータを決定し、
前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフトを取得し、
前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフトに基づいて、前記CU
に関連する複数の係数を取得する、
のような操作を実行させる、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年9月22日に提出された米国仮出願第62/904668号に対
する優先権を主張するものであり、この特許出願の開示全体を参照によって本願明細書に
援引する。
【技術分野】
【0002】
本願は、全般的にビデオ符号化復号化及び圧縮に関し、特に、限定されないが、ビデオ符
号化復号化における定量化および逆定量化設計のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多種のビデオ符号化復号化技術は、ビデオデータを圧縮することに使用されることがで
きる。ビデオ符号化復号化は、1つまたは複数のビデオ符号化復号化標準に従って実行さ
れる。ビデオ符号化復号化標準には、多用途ビデオ符号化(VVC:Versatile Video Co
ding)、共同探査試験モデル(JEM:Joint Exploration Test Model)、高効率ビデオ
符号化復号化(H.265/HEVC:High Efficiency Video Coding)、高度なビデオ
符号化復号化(H.264/AVC:Advanced Video Coding)、及び動画専門家グループ
(MPEG:Moving picture Experts Group)符号化復号化などを含む。ビデオ符号化復
号化では、一般に、ビデオ画像またはシーケンスに存在する冗長性による予測方法(例え
ば、インター予測、イントラ予測など)を利用する。ビデオ符号化復号化技術の重要な目
標は、ビデオ品質の低下を回避しまたは最小限に抑えながら、ビデオデータをより低いビ
ットレートの形式に圧縮することである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、全般的にビデオ符号化復号化における定量化および逆定量化設計に関する技
術の例を述べる。
【0005】
本開示の第1の方面に従い、符号化ユニット(CU)の残差データのための定量化パラ
メータを決定することと、前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングすること
により、スケール値を導出することと、前記CUに関連する複数の係数を決定することと
、前記CUに関連する複数のパラメータを決定することと、前記複数のパラメータをビッ
トシフトすることにより、複数のビットシフトを取得することと、前記スケール値、前記
複数の係数、および前記複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得することと、
を含むエンコーダーに適用されるビデオ符号化方法を提供する。
【0006】
本開示の第2の方面に従い、定量化パラメータ及び定量化レベルを含むビデオビットス
トリームを受信することと、前記定量化パラメータをスケーリング率でスケーリングする
ことにより、スケール値を導出することと、符号化ユニット(CU)に関連する複数のパ
ラメータを決定することと、前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数
のビットシフトを取得することと、前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビ
ットシフトに基づいて、前記CUに関連する複数の係数を取得することと、を含むデコー
ダに適用されるビデオ符号化方法を提供する。
【0007】
本開示の第3の方面に従い、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプ
ロセッサに接続されている非一時的なメモリと、前記非一時的なメモリに格納されている
複数のプログラムと、を含み、前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッ
サによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、CUの残差データのため
の定量化パラメータを決定し、前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングする
ことにより、スケール値を導出し、前記CUに関連する複数の係数を決定し、前記CUに
関連する複数のパラメータを決定し、前記複数のパラメータをビットシフトすることによ
り、複数のビットシフトを取得し、前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数の
ビットシフトに基づいて定量化レベルを取得する、のような操作を実行させる、コンピュ
ーティング装置を提供する。
【0008】
本開示の第4の方面に従い、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプ
ロセッサに接続されている非一時的なメモリと、前記非一時的なメモリに格納されている
複数のプログラムと、を含み、前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッ
サによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、定量化パラメータ及び定
量化レベルを含むビデオビットストリームを受信し、前記定量化パラメータをスケーリン
グ率でスケーリングすることにより、スケール値を導出し、CUに関連する複数のパラメ
ータを決定し、前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフ
トを取得し、前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフトに基づいて
、前記CUに関連する複数の係数を取得する、のような操作を実行させる、コンピューテ
ィング装置を提供する。
【0009】
本開示の第5の方面に従い、1つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティング
装置によって実行される複数のプログラムを格納している非一時的なコンピュータ読取可
能な記憶媒体であって、前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによ
って実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、CUの残差データのための定量
化パラメータを決定し、前記定量化パラメーターをスケール率でスケーリングすることに
より、スケール値を導出し、前記CUに関連する複数の係数を決定し、前記CUに関連す
る複数のパラメータを決定し、前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複
数のビットシフトを取得し、前記スケール値、前記複数の係数、および前記複数のビット
シフトに基づいて定量化レベルを取得する、のような操作を実行させる、非一時的なコン
ピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0010】
本開示の第6の方面に従い、1つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティング
装置によって実行される複数のプログラムを格納している非一時的なコンピュータ読取可
能な記憶媒体であって、前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによ
って実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、定量化パラメータ及び定量化レ
ベルを含むビデオビットストリームを受信し、前記定量化パラメータをスケーリング率で
スケーリングすることにより、スケール値を導出し、CUに関連する複数のパラメータを
決定し、前記複数のパラメータをビットシフトすることにより、複数のビットシフトを取
得し、前記定量化レベル、前記スケール値及び前記複数のビットシフトに基づいて、前記
CUに関連する複数の係数を取得する、のような操作を実行させる、非一時的なコンピュ
ータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の例のより具体的な説明は、添付の図面に示す特定の例を参照して与えられる。
これらの図面はいくつかの例を示しているに過ぎず、したがって範囲の限定でないと考す
れば、これらの例は、添付の図面を使用することにより、追加の特異性および詳細が説明
される。
【0012】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態に係る例示的なビデオエンコーダを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示のある実施形態に係る例示的なビデオデコーダを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示のある実施形態に係る、符号化木ユニット(CTU:Coding Tree Unit)に分割された画像を示す。
【
図4】
図4は、本開示のある実施形態に係る、マルチタイプ木分割モードを示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示のある実施形態に係る、入れ子マルチタイプ木符号化木構造を有する四分木における区画分割情報の信号による通知メカニズムを示す。
【
図6】
図6は、本開示のある実施形態に係る、入れ子マルチタイプ木符号化ブロック構造を有する四分木で複数のCUに分割されたCTUを示す。
【
図7】
図7は、本開示のある実施形態に係る、パレットモッドで符号化復号化されたブロックの例を示す。
【
図8】
図8A及び
図8Bは、本開示のある実施形態に係る、水平及び垂直トラバース走査を示す。
【
図9】
図9は、本開示のある実施形態に係る、パレットインデックスの符号化を示す。
【
図10】
図10は、本開示のある実施形態に係る、ビデオ符号化復号化のための例示的な装置を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本開示のある実施形態に係る、ビデオ符号化復号化における定量化設計の例示的な処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示のある実施形態に係る、ビデオ符号化復号化における逆定量化設計の例示的な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、例が添付の図面に示されている具体的な実施の形態を詳細に参照する。以下の詳
細な説明において、ここで述べる趣旨を容易に理解するために、複数の非限定的な具体的
な詳細を述べる。ただし、各種の変形を実現することができることは、当業者にとって明
らかである。例えば、ここで述べる趣旨がデジタルビデオ機能を有する多くの種類の電子
装置で実現され得ることは、業者にとって明らかである。
【0014】
本明細書における「1つの実施形態」、「実施形態」、「例」、「ある実施形態」、「
ある例」または類似の表現への言及は、述べる特定の特徴、構造または特性が少なくとも
1つの実施形態または例に含まれることを意味する。1つまたは複数の実施形態と結合し
て述べる特徴、構造、要素または特性は、明確に別段の指示をしない限り、他の実施形態
にも適用可能である。
【0015】
本開示全体では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語はすべて、関連する要素、
例えば、装置、部品、構成、ステップなどへの言及のためのものとしてのみ使用され、文
脈が明確に別段の指示をしない限り、任意の空間的または時間的な順を意味するものでな
い。たとえば、「第1の装置」および「第2の装置」は、2つの別個に形成された装置、
または同一の装置における2つの部分、部品、または操作状態を指すものであって、任意
に名前が付けられることができる。
【0016】
「モジュール」、「サブモジュール」、「回路」、「サブ回路」、「回路システム」、
「サブ回路システム」、「ユニット」または「サブユニット」という用語は、1つまたは
複数のプロセッサによって実行できるコードまたは命令を格納するメモリ(共有、専用、
またはグループ)を含む。モジュールは、コードまたは命令を格納しているか、または格
納していない1つまたは複数の回路が含む場合がある。モジュールまたは回路は、直接ま
たは間接的に接続されている1つまたは複数の部品を含むことが可能である。これらの部
品は、互いに物理的に接続したり、互いに隣り合って位置したり、またはそうでないこと
が可能である。
【0017】
ここで使用されるように、「(もし)…たら」または「(もし)…ば」、「(もし)…
と」という用語は、文脈に応じて、「…ときに」または「…に応じて」を意味すると理解
されることが可能である。これらの用語は、請求の範囲に出現する場合、関連する限定ま
たは特徴が条件付き的または選択的であることを意味していない場合がある。たとえば、
一つの方法は、i)条件Xが存在する場合、機能または動作X'が実行されるステップと、
ii)条件Yが存在する場合、機能または動作Y'が実行されるステップとを含む。この方
法は、機能または動作X'を実行する能力と、機能または動作Y'を実行する能力との両方
を含めて実現される必要がある。そこで、機能X'とY'とは両方とも、異なる時間にこの
方法の複数回の実行で実現されることが可能である。
【0018】
ユニットまたはモジュールは、完全にソフトウェアによって実現されてもよく、完全に
ハードウェアによって実現されてもよく、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合
わせによって実現されてもよい。完全的なソフトウェアの実現では、たとえば、ユニット
またはモジュールが、特定の機能を実行するために、直接的または間接的に互いにリンク
されている機能的に関連するコードブロックまたはソフトウェア部品を含むことが可能で
ある。
【0019】
図1は、本開示のある実施形態に係る例示的なビデオエンコーダを示すブロック図であ
る。エンコーダ100には、ビデオフレームが、処理のための複数のビデオブロックに区
画される。予測は、特定のビデオブロックごとに、インター予測アプローチまたはイント
ラ予測アプローチに基づいて形成される。インター予測では、以前に再構成されたフレー
ムからの画素に基づいて、動き推定及び動き補償によって1つ又は複数の予測子を形成す
る。イントラ予測では、現在のフレームにおける再構成された画素に基づいて予測子を形
成する。モード決定により、現在のブロックを予測するための最適な予測子が選択される
ことができる。
【0020】
変換回路102には、現在のビデオブロックとその予測子との差を表す予測残差が送ら
れる。そして、定量化回路104には、エントロピーの低減のために、変換係数が変換回
路102から送られる。次に、定量化された係数は、エントロピー符号化回路106に供
給されて圧縮されたビデオビットストリームを生成する。
図1に示すように、インター予
測回路および/またはイントラ予測回路112からのビデオブロック区画情報、動きベク
トル、参照画像インデックス、およびイントラ予測モードなどの予測関連情報110も、
エントロピー符号化回路106を介して供給され、圧縮されたビデオビットストリーム1
14に保存される。
【0021】
当該エンコーダ100では、予測の目的として、画素を再構成するために、デコーダ関
連回路も必要である。最初には、逆定量化116および逆変換回路118では、予測残差
が再構成される。この再構成された予測残差は、ブロック予測子120と組み合わされて
、現在のビデオブロックのためのフィルタリングされていない再構成画素が生成される。
【0022】
符号化効率及び表示品質をさらに向上させるために、インループフィルタを使用する。
例えば、AVC、HEVC、およびVVCの現在のバージョンでは、非ブロック化フィル
タが提供されている。HEVCでは、符号化効率をさらに向上させるために、SAO(サ
ンプル適応型オフセット)と呼ばれる追加的インループフィルターが定義されている。V
VC標準の現在のバージョンでは、更なる別のALF(適応型ループフィルタ)と呼ばれ
るインループフィルターが積極的に研究されており、最終の標準に含まれている可能性が
高い。
【0023】
図2は、多くのビデオ符号化復号化標準と組み合わせて使用できる例示的なブロックに
基づくビデオデコーダ200を示すブロック図である。このデコーダ200は、
図1のエ
ンコーダ100における再構成関連部分に類似している。デコーダ200では、入力ビデ
オビットストリーム201は、最初にエントロピー復号化202により復号化されて、定
量化された係数レベルおよび予測関連情報が導出される。次に、定量化された係数レベル
は、逆定量化204および逆変換206により処理されて、再構成された予測残差が得ら
れる。イントラ/インターモード選択部212において実現されているブロック予測子メ
カニズムは、復号化された予測情報に基づいて、イントラ予測208または動き補償21
0を実行するように構成されている。逆変換206からの再構成された予測残差と、ブロ
ック予測子メカニズムによって生成された予測出力とが、加算部214によって加算され
ることで、フィルタリングされていない再構成の画素のセットが取得される。インループ
フィルタ209がオンになる場合では、これらの再構成の画素に対してフィルタリング操
作を実行されて、最終的な再構成されたビデオ出力222を導出する。
【0024】
上述した、VVC、JEM、HEVC、MPEG-4、Part10のようなビデオ符
号化/復号化標準は、概念的に類似している。たとえば、これらは、すべてブロックに基
づく処理を使用する。共同ビデオ専門家チーム(JVET:Joint Video Experts Team)
は、JVETの会議において、多用途ビデオ符号化(VVC)の最初のドラフトおよびV
VC試験モデル1(VTM1:VVC Test Model 1)符号化方法を定義した。二値および三
値分割符号化ブロック構造による入れ子マルチタイプ木を持つ四分木は、VVCの最初の
新しい符号化特徴として含まれていることが決定された。四分木では、親ノードが4つの
子ノードに分割でき、各子ノードが、4つの新しい子ノードに分割される別の親ノードに
なる可能性がある。
【0025】
VVCでは、画像区画構造によって、入力ビデオが符号化木ユニット(CTU:coding
tree unit)と呼ばれるブロックに分割される。CTUは、入れ子マルチタイプ木構造を
持つ四分木によって符号化ユニット(CU)に分割され、ここでリーフCUは、同じ予測
モード(例えばイントラまたはインター)を共有する領域を定義している。本開示では、
「ユニット」という用語は、すべての成分をカバーする画像の領域を定義している。「ブ
ロック」という用語は、特定の成分(例えば、輝度)をカバーする領域を定義するための
ものであって、4:2:0などの彩度サンプリングフォーマットを考える場合、空間的な
位置において異なることがある。
画像のCTUへの区画
【0026】
画像は一連の符号化木ユニット(CTU)に分割される。CTUの概念は、HEVCの
CTUの概念と同じである。3つのサンプル配列がある画像の場合では、CTUが、N×
Nの輝度サンプルブロック及び2つの対応する彩度サンプルブロックからなる。
図3は、
本開示のある実施形態に係る、CTUに分割された画像を示す。CTUにおける輝度ブロ
ックの最大許可サイズは128×128に指定されている。輝度変換ブロックの最大サイ
ズは64×64である。
木構造によるCTUの区画化
【0027】
HEVCでは、CTUが、各種なローカル特性に適応するように符号化木として示され
る四分木構造によってCUに分割される。リーフCUレベルでは、画像間(時間的)予測
か画像内(空間的)予測かを使用して画像領域を符号化することが決定される。各リーフ
CUは、予測ユニット(PU)分割タイプに応じて、さらに1つ、2つ、または4つのP
Uに分割されることができる。1つのPU内では、同じ予測処理が適用され、関連情報が
PU単位でデコーダーに送信される。PU分割タイプに基づいて予測処理を適用すること
で残差ブロックを取得した後、リーフCUが、このCUのための符号化木と類似な別の四
分木構造に従って変換ユニット(TU)に区画されることができる。HEVC構造の主要
な特徴の1つは、CU、PU、およびTUを含む複数の区画概念があることである。
【0028】
VVCでは、二値および三値分割セグメンテーション構造による入れ子マルチタイプ木
を持つ四分木が、複数の区画ユニットタイプの概念を置き換える。例えば、これは、最大
変換長のサイズが大きすぎるCUの場合以外、CU、PU、およびTUの概念の区分を取
り除き、CU区画形状のより柔軟性をサポートする。符号化木構造では、CUが正方形ま
たは長方形の形状をとることが可能である。CTUは、最初に四分木構造によって区画さ
れる。次に、この四分木のリーフノードはマルチタイプ木構造によってさらに区画される
ことが可能である。
【0029】
図4は、本開示のある実施形態に係る、マルチタイプ木分割モードを示す概略図である
。
図4に示すように、マルチタイプ木構造では、垂直二値分割(SPLIT_BT_VER)、水平二
値分割(SPLIT_BT_HOR)、垂直三値分割(SPLIT_TT_VER)、および水平三値分割(SPLIT_
TT_HOR)の4つの分割タイプがある。マルチタイプ木のリーフノードは、符号化ユニット
(CU)と呼ばれ、CUは、最大変換長が大きすぎない限り、このセグメンテーションが
、更なる区画せずに予測処理及び変換処理に用いられる。そこで、入れ子マルチタイプ木
符号化ブロック構造を持つ四分木では、CU、PU、およびTUが同じブロックサイズを
持つことが可能である。例外として、サポートされる最大変換長がCUのカラー成分の幅
または高さよりも小さい場合である。
【0030】
図5は、本開示のある実施形態に係る、入れ子マルチタイプ木符号化木構造を持つ四分
木における区画分割情報の信号による通知メカニズムを示す。CTUは、4分木のルート
として扱われ、最初に4分木構造によって分割される。次に、4分木の各リーフノードは
、許可できるのに十分な大きさである限り、マルチタイプ木構造によってさらに分割され
る。マルチタイプ木構造では、ノードがさらに分割されているかどうかを示す第1のフラ
グ(mtt_split_cu_flag)が通知される。ノードがさらに分割されていると、第2のフラ
グ(mtt_split_cu_vertical_flag)が通知されて分割方向が示され、次に第3のフラグ(
mtt_split_cu_binary_flag)が通知されて分割が二値分割か三値分割かが示される。 mtt
_split_cu_vertical_flag及びmtt_split_cu_binary_flagの値に基づいて、CUのマルチ
タイプ木分割モード(MttSplitMode)が表1に示すように導出される。
【表1】
【0031】
図6は、本開示のある実施形態に係る、入れ子マルチタイプ木符号化ブロック構造を持
つ四分木で複数のCUに分割されたCTUを示す。
図6に示すように、太いブロックエッ
ジは四分木区画を表し、残りのエッジはマルチタイプ木区画を表す。入れ子マルチタイプ
木区画を持つ四分木は、CUからなるコンテンツ適応型の符号化木構造を提供する。CU
のサイズは、CTUと同じくらい大きいか、輝度サンプルの単位で4×4と小さいかであ
る。4:2:0彩度フォーマットの場合では、最大彩度符号化ブロック(CB)サイズが
64×64であり、最小彩度CBサイズが2×2である。
【0032】
VVCでは、サポートされる最大輝度変換サイズが64×64であり、サポートされる
最大彩度変換サイズが32×32である。CBの幅または高さが最大変換幅または最大変
換高さよりも大きい場合では、CBが水平方向および/または垂直方向にその方向の変換
サイズ制限に適合するように自動的に分割される。
【0033】
以下のパラメーターは、入れ子マルチタイプ木符号化木スキームを持つ四分木のための
シーケンスパラメータセット(SPS:Sequence Parameter Set)構文要素によって定義
および指定される。
【0034】
CTUサイズ:四分木のルートノードサイズである;
【0035】
MinQTSize:最小許可四分木リーフノードサイズである;
【0036】
MaxBtSize:最大許可二分木ルートノードサイズである;
【0037】
MaxTtSize:最大許可三分木ルートノードサイズである;
【0038】
MaxMttDepth:マルチタイプ木分割の四分木リーフからの最大許可階層深さである。
【0039】
MinBTSize:最小許可二分木リーフノードサイズである;
【0040】
MinTtSize:最小許可三分木リーフノードサイズである。
【0041】
入れ子マルチタイプ木符号化木構造を持つ四分木の一例では、CTUサイズが2つの対
応する64×64ブロックの4:2:0彩度サンプルを持つ128×128輝度サンプル
に設定されている。MinQTSizeが16×16、MaxBtSizeが128×128、MaxTtSizeが
64×64に設定されている。MinBtSize及びMinTtSizeの幅及び高さの両方が4×4、Ma
xMttDepthが4に設定されている。四分木区画は最初にCTUに適用されて、四分木リー
フノードが生成される。四分木リーフノードは、16×16(即ち、MinQTSize)から1
28×128(即ち、CTUサイズ)までのサイズを持つことが可能である。リーフQTノ
ードが128×128である場合、このサイズがMaxBtSize及びMaxTtSize(即ち、64×
64)を超えるため、当該リーフQTノードが二分木によってさらに分割されることがでは
ない。それ以外の場合、当該リーフQTノードはマルチタイプ木によってさらに区画される
ことができる。したがって、当該四分木リーフノードはマルチタイプ木のルートノードで
もあって、マルチタイプ木深さ0、即ちMttDepthを持つものである。このマルチタイプ木
深さがMaxMttDepth(即ち、4)に達すると、更なる分割が考慮されない。当該マルチタ
イプ木ノードがMinBtSizeに等しく、かつ2×MinTtSize以下の幅を持つと、更なる水平分
割が考慮されない。同様に、当該マルチタイプ木ノードがMinBtSizeに等しくかつ2×Min
TtSize以下の高さを持つと、更なる垂直分割が考慮されない。
【0042】
図7は、本開示のある実施形態に係る、パレットモッドで符号化復号化されたブロック
の例を示す。ハードウェアによるVVCデコーダーでは、64×64輝度ブロック及32
×32彩度パイプライン設計を可能にするために、
図7に示すように、輝度符号化ブロッ
クの幅または高さが64よりも大きい場合、TT分割が禁止される。彩度符号化ブロック
の幅または高さが32よりも大きい場合でも、TT分割が禁止されます。
【0043】
VVCでは、符号化木スキームは、輝度および彩度が別個のブロック木構造を有する能
力をサポートする。このCU分割構造は、双木構造または双符号化木構造と呼ばれる。輝
度及び彩度の両方で共有されるCU分割構造は、単一木構造または単一符号化木構造と呼
ばれる。Pスライス及びBスライスの場合、1つのCTU内の輝度および彩度符号化木ブ
ロック(CTB)は、同じ符号化木構造を共有する必要がある。ただし、Iスライスの場
合、輝度及び彩度が別々のブロック木構造を持つことができる。個別のブロック木モード
が適用される場合には、輝度CTBが1つの符号化木構造によってCUに分割され、彩度
CTBが別の符号化構造によって彩度CUに分割される。これは、IスライスにおけるC
Uが、1つの輝度成分の符号化ブロックまたは2つの彩度成分の符号化ブロックからなり
、PまたはBスライスにおけるCUが、ビデオがモノクロでない限り、常に3つのカラー
成分すべての符号化ブロックからなる。
コア変換のマルチ変換選択(MTS)
【0044】
HEVCで使用されたDCT―IIに加えて、MTSスキームが、インター符号化され
たブロックおよびイントラ符号化されたブロックの両方の残差符号化に使用される。これ
は、DCT8/DST7から選択された複数の変換を使用する。新しく導入された変換行
列は、DST―VII及びDCT―VIIIである。表2には、選択したDST/DCT
の基本関数を示す。
【表2】
【0045】
変換行列の直交性を維持するために、変換行列はHEVCにおける変換行列よりも正確
に定量化される。変換された係数の中間値を16ビット範囲内に維持するために、水平変
換後及び垂直変換後、すべての係数は10ビットを持つことになる。
【0046】
MTSスキームを制御するために、イントラ及びインターについて個別の有効化フラグ
がSPSレベルでそれぞれ指定される。MTSがSPSで有効化されると、MTSが適用
るかどうかを示すCUレベルフラグが信号で通知される。ここでは、MTSが輝度のみに
適用される。MTS CUレベルフラグは、次の条件が満たされたときに通知される。つ
まり、まず、幅及び高さの両方が32以下であり、次に、CBFフラグが1に等しい。
【0047】
MTS CUフラグが0に等しい場合、DCT2が両方向に適用される。ただし、MT
S CUフラグが1に等しい場合、水平方向及び垂直方向の変換タイプをそれぞれ示す他
の2つのフラグが追加で通知される。変換及び信号による通知マッピングテーブルが表3
に示されている。ISPおよび非明示的MTSに対する統合した変換選択は、イントラモ
ードおよびブロック形状の依存関係を除去することで使用される。現在のブロックがIS
Pモードの場合、または現在のブロックがイントラブロックであり、イントラ及びインタ
ー明示的MTSがオンの場合、DST7のみが水平変換コア及び垂直変換コアの両方に使
用される。変換行列の精度については、8ビットの一次変換コアが使用される。したがっ
て、HEVCで使用される、4点DCT2およびDST7、8点、16点および32点D
CT2を含むすべての変換コアは同じままである。また、64点DCT2、4点DCT8
、8点、16点、32点DST7及びDCT8を含む他の変換コアは、8ビットの一次変
換コアを使用する。
【表3】
【0048】
大きなサイズのDST7およびDCT8の複雑さを低減するために、高周波変換係数は
、サイズ(幅または高さ、または幅と高さの両方)が32に等しいDST7およびDCT
8ブロックについてゼロとされる。16x16低周波領域内の係数のみは残留される。
【0049】
ブロックの残差は、HEVCの場合のように、変換スキップモードで符号化されること
ができる。構文符号化の冗長性を回避するために、CUレベルMTS_CU_flagがゼロに等し
くない場合、変換スキップフラグは信号で通知される。変換スキップに対するブロックサ
イズの制限は、JEM4におけるMTSに対するものと同じであって、ブロックの幅及び
高さの両方が32以下の場合に変換スキップがCUに適用できることを示す。なお、現在
のCUに対してLFNSTまたはMIPがアクティブ化されている場合には、非明示的M
TS変換がDCT2に設定され。また、MTSがインター符号化されたブロックに対して
有効になっている場合でも、非明示的MTSを有効にすることができる。
定量化パラメータ制御
【0050】
あるの例では、最大QPが51から63に拡張され、それに応じて初期定量化パラメー
ター(QP)の信号による通知が変更される場合がある。slice_qp_deltaの非ゼロ値が符
号化されると、SliceQpYの初期値がスライスセグメントレイヤーで変更される。具体的に
は、init_qp_minus26の値を(-26+QpBdOffsetY)から+37の範囲になるように変更で
きる。変換ブロックのサイズが4の累乗でない場合、変換処理による非明示的スケーリン
グを補正するために、変換係数は、181/256(または181/128)で乗算する
のではなく、QPまたはQP levelScaleテーブルへの変更とともに処理される。変換ス
キップブロックの場合、QPが4に等しいであると定量化ステップサイズが1になるため
、最小許可QPは4として定義される。
【0051】
ある例では、固定ルックアップテーブルを使用して、輝度定量化パラメータQPYを彩
度定量化パラメータQPCに変換する。VVCでは、より柔軟な輝度―彩度QPマッピン
グが使用される。柔軟な区分線形モデルを使用し、線形モデルへの唯一の制約が各区分の
傾きが負にならないことであるSPSでは、固定テーブルを使用する代わりに、輝度―彩
度QPマッピング関係が信号で通知される。つまり、輝度QPが増加するにつわて、彩度
QPは、フラットに留まるか増加しなければならないが、減少することができない。区分
線形モデルは、1)モデル内の区分の数;2)その区分のための入力(輝度)および出力
(彩度)デルタQPによって定義される。この区分線形モデルの入力範囲は[-QpBdOffset
Y, 63]であり、この区分線形モデルの出力範囲は[-QpBdOffsetC, 63]である。QPマッピ
ング関係は、Cb、Cr、およびジョイントCb/Cr符号化に関して個別に信号で通知
されることも、3つのタイプの残差符号化すべてに関して併せて信号で通知することもで
きる。
【0052】
HEVCの場合と同様に、CUレベルQP適応はVVCで許可されている。輝度成分及
び彩度成分のデルタQP値は、別々に信号で通知されることができる。彩度成分の場合、
許可されている彩度QPオフセット値は、HEVCと同様の方法で、画像パラメータセッ
ト(PPS)におけるオフセットリストの形式で通知される。リストは、Cb、Cr、お
よびジョイントCb/Cr符号化に関して個別に定義されている。Cb、Cr、およびジ
ョイントCb/Crリストのそれぞれについては、最大6つのオフセット値が許可される
。CUレベルでは、オフセットリスト内のどのオフセット値がそのCUの彩度QPを調整
するように使用されるかを示すインデックスが信号で通知される。
変換係数の定量化および逆定量化処理
【0053】
変換処理では、定量化および逆定量化処理中に結果として得られる係数を特定の因子で
スケールしたから、シフト操作を行う必要がある。スケーリング率は次のように定義され
る。
【数1】
ここで、M及びNは、変換ブロックの幅及び高さである。
【0054】
ある例では、ブロックの次元が2の累乗であって、M=2
mおよびN=2
nである。こ
れは、MがNに等しい場合、または実際にM・Nが4の累乗である場合、スケーリング率
が右シフトによって適用できることを意味する。このような条件を満たすブロックは、「
通常ブロック」と呼ばれる。M・Nが4の累乗でない場合、異なるスケール及びシフト値
が補償に使用される。スケール値は表4のように定義されている。このような条件を満た
すブロックは、「補償ブロック」と呼ばれる。
【表4】
【0055】
変換スキップモードで符号化されたブロックについては、通常ブロックに対して定義さ
れたスケールおよびシフト操作が実行される。
【0056】
スケーリングされた変換係数の導出が表5に示されている。表5のすべての変数の定義
は、VVC草案仕様のバージョン6に記載されている。
【表5】
【0057】
QP値が使用されていれば、変換係数の定量化および逆定量化処理は次のように記述で
きる。定量化は、式(2)で表すことができる。
【数2】
【0058】
逆定量化は、式(3)で表すことができる。
【数3】
ここで、変数rectNonTsFlagは、式(4)で取得できる。
【数4】
また、変数transformShift'は、式(5)で取得できる。
ここで、pCoeffは変換係数値である;pLevelは、定量化された値または定量化レベルであ
る;pCoeff’は、非定量化処理から再構成された変換係数値である。
【0059】
変数rectNonTsFlagは、現在のブロックが「通常ブロック」または「補償ブロック」と
して分類されているかどうかを表す。これはfalseまたは0の値を有する場合、現在のブ
ロックは通常ブロックとして分類されている。これはtrueまたは1の値を有する場合、現
在のブロックは補償ブロックとして分類されている。
【0060】
変数transformShiftは、
【数5】
に等しい2次元(2D)変換によるダイナミック範囲の増加を補償するために使用される
ビットシフトを表し、ここで、W及びHが現在の変換ユニットの幅及び高さであり、bitD
epthが符号化ビット深度である。シフト操作で使用される実際の値transformShift'は、r
ectNonTsFlagの値に応じて、transformShiftと同じ値、または(transformShift-1)に
等しい値を取る場合がある。encScale[][]およびdecScale[][]は、それぞれ14ビットお
よび6ビットの精度の定量化および非定量化スケーリング値であって、表4に示すように
定義される。「通常ブロック」または「補償ブロック」に使用されるススケーリング率の
セットは、rectNonTsFlagの値に応じて、選択されて現在のブロックに使用される。
変換スキップモードのための定量化および非定量化処理
【0061】
変換スキップモードでは、予測残差が、変換操作を実行せずに直接定量化および符号化
される。より具体的には、その定量化および非定量化処理は、以下のように説明されるこ
とができる。
【0062】
定量化は、式(6)で表すことができる。
【数6】
非定量化は、式(7)で表すことができる。
【数7】
ここで、pResi及びpResi'は、元の予測残差サンプル値と再構成された予測残差サンプル
値である;pLevelは、定量化された値又は定量化レベルである;encScale[]及びdecScale
[]は、それぞれ14ビット及び6ビットの精度の定量化及び非定量化スケーリング値であ
って、表4に示す「通常ブロック」に使用されるものと同じように定義される。
パレットモードのための定量化および非定量化処理
【0063】
VTM6は、4:4:4カラーフォーマットでの画面内容符号化のためのパレットモー
ドをサポートしている。パレットモードが有効になっていて、CUのサイズが64×64
以下である場合、パレットモードがこのCUに使用されるかどうかが示すフラグがCUレ
ベルで送信される。パレットモードは、イントラ予測、インター予測、およびイントラブ
ロックコピー(IBC)モード以外の予測モードとして信号で通知される。
【0064】
パレットモードがCUに使用される場合、CUにおけるサンプル値は、代表的な色値の
小さなセットで表すことができる。このセットは「パレット」と呼ばれる。パレット色に
近い値を持つ画素については、パレットインデックスが、それらの値をデコーダーに伝達
するように信号で通知される場合がある。にじみシンボルインデックスに続いてにじみ値
を信号で通知することにより、値が如何なるパレット色に近くないサンプルを指定するこ
とも可能である。このにじみ値は、サンプルの定量化された成分値である。これは
図7に
示されている。
【0065】
にじみ値の定量化及び非定量化については、次の式が、それぞれエンコーダー及びデコ
ーダーで適用される対応する処理を示している。
【0066】
【0067】
非定量化は、式(9)で表すことができる。
【数9】
ここで、pEsca及びpEsca'は、元のにじみ値と再構成されたにじみ値である;pLevelは、
定量化された値又は定量化レベルである;encScale[]及びdecScale[]は、それぞれ14ビ
ット及び6ビットの精度の定量化及び非定量化スケーリング値であって、表4に示す「通
常ブロック」に使用されるものと同じように定義される。
【0068】
パレットの符号化では、色のリストを含むパレット予測子が維持される。この予測子は
、非波面の場合に各スライスの先頭で、波面の場合に各CTU行の先頭で、0(つまり空
のリスト)に初期化される。パレット予測子のエントリごとに、再利用フラグが通知され
て、このCUの現在のパレットの一部であるかどうかが示される。この再利用フラグは、
ゼロのラン長符号化により送信される。この後、新しいパレットエントリの数及び新しい
パレットエントリの成分値が信号で通知される。パレットモードでCUを符号化した後、
パレット予測子は現在のパレットで更新され、現在のパレットで再利用されないパレット
予測子からのエントリが、新しいパレット予測子を形成するように許可された最大パレッ
トサイズに達するまで最後に追加される。現在のCUにおいてにじみシンボルが存在する
かどうかを示すために、各CUに対して1つのにじみフラグが通知される。にじみシンボ
ルが存在する場合、パレットテーブルが1つで拡張され、最後のインデックスがにじみシ
ンボルを表すように割り当てられる。
【0069】
図8A及び
図8Bは、本開示のある実施形態に係る、水平及び垂直トラバース走査を示
す。CU内のサンプルのパレットインデックスは、パレットインデックスマップを形成す
る。インデックスマップは、
図8A及び
図8Bに示されるように、水平および/または垂
直トラバース走査により符号化される。走査順序は、palette_transpose_flagによりビッ
トストリームに明示的に信号で通知される。
【0070】
図9は、本開示のある実施形態に係る、パレットインデックスの符号化を示す。パレッ
トインデックスは、INDEX及びCOPY_ABOVEの2つの主要なパレットサンプルモードにより
符号化される。このモードは、水平走査のみが使用される第1の行、垂直走査のみが使用
される第1の列、または前のモードがCOPY_ABOVEであったパレットサンプル位置を除いて
、1つのフラグにより信号で通知される。COPY_ABOVEモードでは、上方の行におけるサン
プルのパレットインデックスがコピーされる。INDEXモードでは、パレットインデックス
が明示的に信号で通知される。INDEXモード及びCOPY_ABOVEモードの両方では、同じ対応
モードにより符号化される画素数を指定するラン値が信号で通知される。
【0071】
インデックスマップの符号化順序は次のとおりである。まず、INDEXランに関連付けら
れたインデックス値の数が信号で通知される。これに続いて、CU全体の実際のインデッ
クス値が切り捨てられた二値符号化により信号で通知される。次に、パレットモード(IN
DEXまたはCOPY_ABOVE)及び各ランのラン長がインターリーブ方式で信号で通知される。
最後に、CU全体の定量化されたにじみモード色がグループ化され、指数ゴロンブ符号化
で符号化される。
【0072】
双輝度/彩度木を持つスライスの場合、パレットは輝度(Y成分)及び彩度(Cbおよ
びCr成分)に個別に適用される。単一木のスライスの場合、パレットはY、Cb、Cr
成分に一緒に適用され、つまり、このパレットにおける各エントリにはY、Cb、Cr値
が含まれる。非ブロック化の場合、パレットで符号化されたブロックのブロック境界は非
ブロック化されない。
【0073】
定量化スキームの3つの異なる設計が利用可能であり、通常の変換、変換スキップ、お
よびパレットモードにそれぞれ適用される。それぞれの異なる定量化設計は、異なるシフ
トおよびスケール操作に関連付けられる。通常の変換が適用されるブロックの場合、シフ
ト及びスケール操作はブロック形状に依存する。変換スキップが適用されるブロックの場
合、シフトおよびスケール操作はブロック形状に依存しない。パレットモードで符号化さ
れたブロックの場合、スケール操作のみが実行され、この操作がブロック形状に依存しな
い。このような非統一の設計は、規格化の観点から最適ではない場合がある。
【0074】
ある例では、変換及び定量化を単純化し、さらに改善するための方法を提供する。変換
スキップモードで使用される定量化および逆定量化操作をパレットモードに適用すること
にで、変換スキップモードおよびパレットモードで使用される定量化および逆定量化操作
を統合することが可能である。
【0075】
ある例では、パレットモードでの現在の定量化および逆定量化操作を変換スキップモー
ドに適用することで、変換スキップモードおよびパレットモードで使用される定量化およ
び逆定量化操作を統合することが可能である。
【0076】
ある例では、通常の変換モードのための定量化および逆定量化操作を変換スキップモー
ド及びパレットモードも含むすべてのモードに適用することで、通常の変換モード、変換
スキップモード、およびパレットモードの定量化および逆定量化操作をすべて統合するこ
とが可能である。
変換スキップモード及びパレットモードのための定量化及び逆定量化の協調
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
通常の変換モード、変換スキップモード及びパレットモードのための定量化及び逆定量化
の協調
【0083】
ある例では、通常の変換モードのための定量化および逆定量化操作を変換スキップモー
ド及びパレットモードを含むすべてのモードに適用することで、通常の変換モード、変換
スキップモード、およびパレットモードの定量化および逆定量化操作をすべて統合するこ
とが可能である。
【0084】
ある例では、通常の変換モードのための定量化および逆定量化処理が、変換スキップモ
ードおよびパレットモードにも使用される。例えば、式(2)、(3)、(4)、および
(5)は、変換スキップモードおよびパレットモードでの定量化/逆定量化処理にも使用
される。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
ある例では、上記の方法を使用して異なるサンプル値の定量化および逆定量化処理を統
合する場合、特定の画像領域、たとえば、 CUがロスレス符号化モードで符号化された
ことを示すように個別のフラグ、たとえば、trans_quant_bypass_flagをビットストリー
ムに信号で通知することが可能である。 そのようなフラグが、特定のブロックがロスレ
スモードで符号化されたことを示している場合、対応する定量化および逆定量化処理は、
ブロックの符号化に対してバイパスされる。
【0092】
図10は、本開示のある実施形態に係る、ビデオ符号化復号化のための装置を示すブロ
ック図である。装置1100は、携帯電話、タブレットコンピュータ、デジタル放送端末
、タブレット装置、または携帯情報端末などの端末であってもよい。
【0093】
装置1100は、
図10に示されるように、処理部1002、メモリ1004、電源部
1006、マルチメディア部1008、オーディオ部1010、入力/出力(I/O)イ
ンターフェース1012、センサ部1014、および通信部1016のうちの1つ以上を
含んでもよい。
【0094】
処理部1002は、通常に、表示、電話発呼、データ通信、カメラ操作、および記録操
作に関連する操作など、装置1000の全体的な操作を制御する。処理部1002は、上
記の方法のステップの全部または一部を実現するための命令を実行するための1つまたは
複数のプロセッサ1020を含むことが可能である。さらに、処理部1002は、処理部
1002と他の部品との間の相互作用に寄与する1つまたは複数のモジュールを含むこと
が可能である。例えば、処理部1002は、マルチメディア部1008と処理部1002
との間の相互作用に寄与するためのマルチメディアモジュールを含んでもよい。
【0095】
メモリ1004は、装置1100の動作をサポートするために異なるタイプのデータを
格納するように構成される。そのようなデータの例には、装置1100上で動作する任意
のアプリケーションまたは方法のための命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ
、画像、ビデオなどが含まれる。メモリ1004は、任意のタイプの揮発性または非揮発
性の記憶装置またはそれらの組み合わせによって実現され、メモリ1004は、静的ラン
ダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、電気的に消去可能な
プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programm
able Read-Only Memory)、消去型プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM:Era
sable Programmable Read-Only Memory)、プログラマブルリードオンリメモリ(PRO
M:Programmable Read-Only Memory)、リードオンリメモリ(ROM:Read-Only Memor
y)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、またはコンパクトディスクであっ
てもよい。
【0096】
電源部1006は、装置1000の各部品に電力を供給する。電源部1006は、電源
管理システム、1つまたは複数の電源、および装置1000のための電力を生成、管理、
および分配することに関連する他の部品を含んでもよい。
【0097】
マルチメディア部1008は、装置1000とユーザとの間の出力インターフェースを
提供するスクリーンを含む。ある例では、スクリーンには、液晶表示装置(LCD:Liqu
id Crystal Display)およびタッチパネル(TP:Touch Panel)を含んでもよい。スク
リーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受信するタッ
チスクリーンとして実現してもよい。このタッチパネルは、このタッチパネル上のタッチ
、スライド、およびジェスチャを感知するための1つまたは複数のタッチセンサーを含ん
でもよい。タッチセンサーは、タッチまたはスライド動作の境界を感知するだけでなく、
タッチまたはスライド操作に関連する持続時間および圧力も検出することができる。ある
例では、マルチメディア部1008は、フロントカメラおよび/またはリアカメラを含ん
でもよい。装置1000が撮像モードまたはビデオモードなどの動作モードにあるとき、
フロントカメラおよび/またはリアカメラは、外部マルチメディアデータを受信すること
ができる。
【0098】
オーディオ部1010は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成さ
れる。例えば、オーディオ部1010は、マイクロフォン(MIC)を含む。マイクロフ
ォンは、装置1000が通話モード、録音モード、および音声認識モードなどの動作モー
ドにあるとき、外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ
信号は、メモリ1004にさらに格納されてよく、または通信部1016を介して送信さ
れてもよい。ある例では、オーディオ部1010が、オーディオ信号を出力するためのス
ピーカーをさらに含む。
【0099】
I/Oインターフェース1012は、処理部1002と周辺インターフェースモジュー
ルとの間のインターフェースを提供する。上述した周辺インターフェースモジュールは、
キーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンには、ホー
ムボタン、音量ボタン、スタートボタン、およびロックボタンが含まれるが、これらに限
定されない。
【0100】
センサ部1014は、装置1000の異なる態様で状態評価を提供するための1つまた
は複数のセンサを含む。例えば、センサ部1014は、装置1000のオン/オフ状態お
よび構成要素の相対位置を検出することができる。例えば、これらの構成要素は、装置1
000のディスプレイおよびキーパッドである。センサ部1014はまた、装置1000
または装置1000の構成要素の位置変化、ユーザによる装置1000上での接触の有無
、装置1000の向きまたは加速/減速、および装置1000の温度変化を検出すること
もできる。センサ部1014は、物理的な接触なしに近くの物体の存在を検出するように
構成される近接センサを含んでもよい。センサ部1014は、画像化アプリケーションで
使用されるCMOSまたはCCD画像センサなどの光学センサをさらに含んでもよい。あ
る例では、センサー部1014は、加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー、
圧力センサー、または温度センサーをさらに含んでもよい。
【0101】
通信部1016は、装置1000と他の装置との間の有線または無線通信に役立つよう
に構成される。装置1000は、WiFi、4G、またはそれらの組み合わせなどの通信
標準に基づいて無線ネットワークにアクセスすることができる。一例では、通信部101
6は、報知チャネルを介して外部報知管理システムから報知信号または報知関連情報を受
信する。一例では、通信部1016は、短距離通信を促進するための近距離無線通信(N
FC)モジュールをさらに含んでもよい。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別
(RFID)技術、赤外線データ関連付け(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、
ブルートゥース(BT)技術および他の技術に基づいて実現してもよい。
【0102】
一例では、装置1000は、上記の方法を実行するために特定用途向け集積回路(AS
IC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プロ
グラマブル論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、
コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサー、またはその他の電子
要素の1つまたは複数によって実現してもよい。
【0103】
非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体は、例えば、ハードディスクドライブ(H
DD)、固体ドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、ハイブリッドドライブや固体ハイ
ブリッドドライブ(SSHD)、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク読
み出し専用メモリ(CD―ROM)、磁気テープ、フロッピーディスクなどであってもよ
い。
【0104】
図11は、本開示のある実施形態に係る、ビデオ符号化復号化における定量化設計の例
示的な処理を示すフローチャートである。この処理は、エンコーダーで適用できる。
【0105】
ステップ1101において、プロセッサ1020は、CUの残差データのための定量化
パラメータを決定する。
【0106】
ステップ1102において、プロセッサ1020は、定量化パラメータをスケーリング
率でスケーリングすることによりスケール値を導出する。
【0107】
ステップ1103において、プロセッサ1020は、CUに関連する複数の係数を決定
する。
【0108】
ある例では、これらの複数の係数は、変換係数、CUのにじみ色値、および予測残差サ
ンプル値を含んでよい。
【0109】
ステップ1104において、プロセッサ1020は、CUに関連する複数のパラメータ
を決定する。
【0110】
ある例では、これらの複数のパラメータは、符号化ビット深度、およびCUの幅および
高さに基づいて決定されるビットシフトを含み、スケーリング率は、CUの幅および高さ
に基づいて決定される。
【0111】
ステップ1105において、プロセッサ1020は、これらの複数のパラメータをビッ
トシフトすることによって、複数のビットシフトを取得する。
【0112】
ステップ1106において、プロセッサ1020は、スケール値、それらの複数の係数
、およびそれらの複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得する。
【0113】
ある例では、プロセッサ1020は、CUに関連する複数の係数を決定するとき、さら
に、CUのにじみ色値を決定する。にじみ色値は、このCUから選択された所定の複数の
色ではない色を有するCUにおける画素の値であってもよい。そして、プロセッサ102
0は、スケール値、これらの複数の係数、およびこれらの複数のビットシフトに基づいて
定量化レベルを取得するとき、さらに、スケール値、にじみ色値、およびこれらの複数の
ビットシフトに基づいて定量化レベルを取得する。
【0114】
ある例では、プロセッサ1020は、CUに関連する予測残差サンプルをさらに決定す
る。プロセッサ1020は、CUに関連する複数の係数を決定するとき、さらに、予測残
差サンプルに対応する予測残差サンプル値を決定する。プロセッサ1020は、スケール
値、複数の係数、および複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得するとき、さ
らに、スケール値、予測残差サンプル値、および複数のビットシフトに基づいて定量化レ
ベルを取得する。
【0115】
図12は、本開示のある実施形態に係る、ビデオ符号化復号化における逆定量化設計の
例示的な処理を示すフローチャートである。この処理は、デコーダで適用できる。
【0116】
ステップ1201において、プロセッサ1020は、定量化パラメータ及び定量化レベ
ルを含むビデオビットストリームを受信する。
【0117】
ステップ1202において、プロセッサ1020は、定量化パラメータをスケーリング
率でスケーリングすることによりスケール値を導出する。
【0118】
ステップ1203において、プロセッサ1020は、CUに関連する複数のパラメータ
を決定する。
【0119】
ある例では、これらの複数のパラメータは、符号化ビット深度、およびCUの幅および
高さに基づいて決定されるビットシフトを含み、スケーリング率は、CUの幅および高さ
に基づいて決定される。
【0120】
ステップ1204において、プロセッサ1020は、これらの複数のパラメータをビッ
トシフトすることによって、複数のビットシフトを取得する。
【0121】
ステップ1205において、プロセッサ1020は、定量化レベル、スケール値及びこ
れらの複数のビットシフトに基づいて、CUに関連する複数の係数を取得する。
【0122】
ある例では、これらの複数の係数は、再構成された変換係数、CUの再構成されたにじ
み色値、および再構成された予測残差サンプル値を含んでよい。
【0123】
ある例では、プロセッサ1020は、定量化レベル、スケール値及びこれらの複数のビ
ットシフトに基づいてCUに関連する複数の係数を取得するときに、さらに、定量化レベ
ル、スケール値及びこれらの複数のビットシフトに基づいてCUの再構成されたにじみ色
値を決定する。この再構成されたにじみ色値は、このCUから選択された所定の複数の色
ではない色を有するCUにおける画素の値であってもよい。
【0124】
ある例では、プロセッサ1020は、CUに関連する予測残差サンプルをさらに決定す
る。プロセッサ1020は、定量化レベル、スケール値、および複数のビットシフトに基
づいてCUに関連する複数の係数を取得するとき、定量化レベル、スケール値、およびこ
れらの複数のビットシフトに基づいて、このCUの再構成された予測残差サンプル値を取
得する。この再構成された予測残差サンプル値は、予測残差サンプルに対応することが可
能である。
【0125】
ある例では、ビデオ符号化のための計算装置が提供されている。この装置は、プロセッ
サ1020と、プロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されたメモリ1
004とを含む。ここで、プロセッサは、命令の実行時に、
図11に示されるような方法
を実行するように構成される。
【0126】
ある例では、ビデオ符号化のための計算装置が提供されている。この装置は、プロセッ
サ1020と、プロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されたメモリ1
004とを含む。ここで、プロセッサは、命令の実行時に、
図12に示されるような方法
を実行するように構成される。
【0127】
別のある例では、命令が格納された、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体10
04が提供される。これらの命令は、プロセッサ1020によって実行されると、このプ
ロセッサに、
図11に示すような方法を実行させる。
【0128】
別のある例では、命令が格納された、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体10
04が提供される。これらの命令は、プロセッサ1020によって実行されると、このプ
ロセッサに、
図12に示すような方法を実行させる。
【0129】
本開示の説明は、例示の便利のために提示されており、網羅的なまたは本開示に限定さ
れることを意図するものではない。たくさんの変更、変形、および置換した実現は、前述
の説明および関連する図面に提示された教示を得った当業者にとっては明らかである。
【0130】
実施形態は、本開示の原理を説明し、当業者が各種の実施のための開示を理解し、基礎
原理および各種の変更を予期される特定の用途に適させるための各種の実施を最もよく利
用できるようにするために選択されおよび説明されたものである。したがって、本開示の
範囲は、開示された実施形態の特定の例に限定されなく、変更および他の実現も、本開示
の範囲に含まれることを理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオフレームにおける複数のビデオブロックを含むビットストリームを取得することと、
前記ビットストリームから、前記複数のビデオブロックにおける第1の符号化ブロックについて定量化パラメータ及び定量化レベルを導出することと、
前記定量化パラメータに基づいてスケールレベル表をルックアップすることにより、スケール値を導出することと、
前記第1の符号化ブロックが変換スキップモードで符号化されたと決定したことに応じて、前記定量化レベル、前記スケール値、および複数のビットシフトに基づいて、前記複数のビデオブロックにおけるパレットモードで符号化された第2の符号化ブロックにおけるエスケープサンプルに対して再構成のサンプルを取得するように配置されている第1の逆定量化演算を適用することで前記第1の符号化ブロックにおけるサンプルのための残差サンプルを取得することと、
前記残差サンプルに基づいて、前記第1の符号化ブロックを再構成すること、
を含み、
前記第1の符号化ブロックまたは前記第2の符号化ブロックのブロックサイズは、前記第1の逆定量化演算のパラメータの決定に使用されていない、
ビデオ復号化のための方法。
【請求項2】
前記複数のビデオブロックにおける第3の符号化ブロックが通常の変換モードで符号化されたと決定したことに応じて、前記第1の逆定量化演算と異なる第2の逆定量化演算を適用することにより、前記第3の符号化ブロックにおけるサンプルのための残差サンプルを取得することとを更に含み、
前記第1の符号化ブロックのブロックサイズは、前記第2の逆定量化演算のパラメータの決定に使用されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スケールレベル表は、levelScale[k] = { 40, 45, 51, 57, 64, 72 }であり、ここで、k = 0...5である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ビットストリームにおいて、エスケープサンプルが前記第2の符号化ブロックに存在するかどうかを示すエスケープフラグを受信すること、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のビットシフトは、QP/6ビットの左シフトおよび6ビットの右シフトを含み、ここで、QPは前記定量化パラメータである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の逆定量化演算が次のとおりであり、
【数1】
【請求項7】
ビデオフレームを複数のビデオブロックに分割することと、
前記複数のビデオブロックでの第1の符号化ブロックに対して定量化パラメータ及び定量化レベルを決定することと、
前記定量化パラメータに基づいてスケールレベル表をルックアップすることにより、スケール値を導出することと、
前記第1の符号化ブロックが変換スキップモードで符号化されたと決定したことに応じて、前記定量化レベル、前記スケール値、および複数のビットシフトに基づいて、前記複数のビデオブロックにおけるパレットモードで符号化された第2の符号化ブロックにおけるエスケープサンプルに対して再構成のサンプルを取得するように配置されている第1の逆定量化演算を適用することで前記第1の符号化ブロックにおけるサンプルのための残差サンプルを取得することと、
を含み、
前記第1の符号化ブロックまたは前記第2の符号化ブロックのブロックサイズは、前記第1の逆定量化演算のパラメータの決定に使用されていない、ビデオ符号化のための方法。
【請求項8】
前記複数のビデオブロックにおける第3の符号化ブロックが通常の変換モードで符号化されたと決定したことに応じて、前記第1の逆定量化演算と異なる第2の逆定量化演算を適用することにより、前記第3の符号化ブロックにおけるサンプルのための残差サンプルを取得することとを更に含み、
前記第1の符号化ブロックのブロックサイズは、前記第2の逆定量化演算のパラメータの決定に使用されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スケールレベル表は、levelScale[k] = { 40, 45, 51, 57, 64, 72 }であり、ここで、k = 0...5である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
エスケープサンプルが前記第2の符号化ブロックに存在するかどうかを示すエスケープフラグを生成すること、
を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のビットシフトは、QP/6ビットの左シフトおよび6ビットの右シフトを含み、ここで、QPは前記定量化パラメータである、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の逆定量化演算が次のとおりであり、
【数2】
【請求項13】
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサに接続されている非一時的なメモリと、
前記非一時的なメモリに格納されている複数のプログラムと、
を含み、
前記複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピューティング装置。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法によって復号化させ、または、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法によって生成させる、ビットストリームを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項15】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法によって復号化させ、または、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法によって生成させる、ビットストリームを記憶するための方法。
【請求項16】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法によって復号化させる符号化ビデオデータ、または、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法によって生成させる符号化ビデオデータを含む、ビットストリームの命令を記憶するためのコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
MaxMttDepth:マルチタイプ木分割の四分木リーフノードからの最大許可階層深さである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
パレットモードがCUに使用される場合、CUにおけるサンプル値は、代表的な色値の小さなセットで表すことができる。このセットは「パレット」と呼ばれる。パレット色に近い値を持つ画素については、パレットインデックスが、それらの値をデコーダーに伝達するように信号で通知される場合がある。
エスケープシンボルインデックスに続いて
エスケープ値を信号で通知することにより、値が如何なるパレット色に近くないサンプルを指定することも可能である。この
エスケープ値は、サンプルの定量化された成分値である。これは
図7に示されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
エスケープ値の定量化及び非定量化については、次の式が、それぞれエンコーダー及びデコーダーで適用される対応する処理を示している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
非定量化は、式(9)で表すことができる。
【数9】
ここで、pEsca及びpEsca'は、元の
エスケープ値と再構成された
エスケープ値である;pLevelは、定量化された値又は定量化レベルである;encScale[]及びdecScale[]は、それぞれ14ビット及び6ビットの精度の定量化及び非定量化スケーリング値であって、表4に示す「通常ブロック」に使用されるものと同じように定義される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
パレットの符号化では、色のリストを含むパレット予測子が維持される。この予測子は、非波面の場合に各スライスの先頭で、波面の場合に各CTU行の先頭で、0(つまり空のリスト)に初期化される。パレット予測子のエントリごとに、再利用フラグが通知されて、このCUの現在のパレットの一部であるかどうかが示される。この再利用フラグは、ゼロのラン長符号化により送信される。この後、新しいパレットエントリの数及び新しいパレットエントリの成分値が信号で通知される。パレットモードでCUを符号化した後、パレット予測子は現在のパレットで更新され、現在のパレットで再利用されないパレット予測子からのエントリが、新しいパレット予測子を形成するように許可された最大パレットサイズに達するまで最後に追加される。現在のCUにおいてエスケープシンボルが存在するかどうかを示すために、各CUに対して1つのエスケープフラグが通知される。エスケープシンボルが存在する場合、パレットテーブルが1つで拡張され、最後のインデックスがエスケープシンボルを表すように割り当てられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
インデックスマップの符号化順序は次のとおりである。まず、INDEXランに関連付けられたインデックス値の数が信号で通知される。これに続いて、CU全体の実際のインデックス値が切り捨てられた二値符号化により信号で通知される。次に、パレットモード(INDEXまたはCOPY_ABOVE)及び各ランのラン長がインターリーブ方式で信号で通知される。最後に、CU全体の定量化されたエスケープモード色がグループ化され、指数ゴロンブ符号化で符号化される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
ある例では、変換及び定量化を単純化し、さらに改善するための方法を提供する。変換スキップモードで使用される定量化および逆定量化演算をパレットモードに適用することにで、変換スキップモードおよびパレットモードで使用される定量化および逆定量化演算を統合することが可能である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
ある例では、パレットモードでの現在の定量化および逆定量化演算を変換スキップモードに適用することで、変換スキップモードおよびパレットモードで使用される定量化および逆定量化演算を統合することが可能である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
ある例では、通常の変換モードのための定量化および逆定量化演算を変換スキップモード及びパレットモードも含むすべてのモードに適用することで、通常の変換モード、変換スキップモード、およびパレットモードの定量化および逆定量化演算をすべて統合することが可能である。
変換スキップモード及びパレットモードのための定量化及び逆定量化の協調
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
通常の変換モード、変換スキップモード及びパレットモードのための定量化及び逆定量化の協調
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
ある例では、通常の変換モードのための定量化および逆定量化演算を変換スキップモード及びパレットモードを含むすべてのモードに適用することで、通常の変換モード、変換スキップモード、およびパレットモードの定量化および逆定量化演算をすべて統合することが可能である。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
ある例では、これらの複数の係数は、変換係数、CUのエスケープ色値、および予測残差サンプル値を含んでよい。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
ある例では、プロセッサ1020は、CUに関連する複数の係数を決定するとき、さらに、CUのエスケープ色値を決定する。エスケープ色値は、このCUから選択された所定の複数の色ではない色を有するCUにおける画素の値であってもよい。そして、プロセッサ1020は、スケール値、これらの複数の係数、およびこれらの複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得するとき、さらに、スケール値、エスケープ色値、およびこれらの複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得する。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0114】
ある例では、プロセッサ1020は、CUに関連する予測残差サンプルをさらに決定する。プロセッサ1020は、CUに関連する複数の係数を決定すると、さらに、予測残差サンプルに対応する予測残差サンプル値を決定する。プロセッサ1020は、スケール値、複数の係数、および複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得し、さらに、スケール値、予測残差サンプル値、および複数のビットシフトに基づいて定量化レベルを取得する。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
ある例では、これらの複数の係数は、再構成された変換係数、CUの再構成されたエスケープ色値、および再構成された予測残差サンプル値を含んでよい。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
ある例では、プロセッサ1020は、定量化レベル、スケール値及びこれらの複数のビットシフトに基づいてCUに関連する複数の係数を取得するときに、さらに、定量化レベル、スケール値及びこれらの複数のビットシフトに基づいてCUの再構成されたエスケープ色値を決定する。この再構成されたエスケープ色値は、このCUから選択された所定の複数の色ではない色を有するCUにおける画素の値であってもよい。
【外国語明細書】