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特開2024-7366車庫用開閉装置の外部電源供給システム及び外部電源供給方法
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  • 特開-車庫用開閉装置の外部電源供給システム及び外部電源供給方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007366
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】車庫用開閉装置の外部電源供給システム及び外部電源供給方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/80 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
E06B9/80 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097785
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2022106435
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042BA00
2E042CA01
2E042CA12
2E042CA15
2E042CB05
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】設備費用やメンテナンス作業を増大させることなく、停電時など商用電源の供給が無い場合に、外部電源から車庫用開閉装置に対して電力を供給する。
【解決手段】外部電源供給装置30には、外部電源となるハイブリット車又はEV車に搭載(車載)されている車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60に接続するためのコンセントプラグを備えた電源ケーブル31が設けられている。コンセントプラグを備えた電源ケーブル31は、通常は、外部電源供給装置30内に収納されている。停電時に外部電源供給装置30からコンセントプラグを取り出し、それをハイブリット車又はEV車に搭載(車載)されている車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60に接続するだけで、必要な電力を外部電源供給装置30から車庫用開閉装置10へ供給することが可能となる
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ非搭載の車庫用開閉装置に対して外部電源を接続して商用電源と同じ電圧を供給する車庫用開閉装置の外部電源供給システムにおいて、
車載コンセント又はポータブル電源のコンセントに電源ケーブルのコンセントプラグを接続するだけで前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給することができるように構成された外部電源供給手段を設けたことを特徴とする車庫用開閉装置の外部電源供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給システムにおいて、
前記外部電源供給手段は、
前記商用電源に接続された第1及び第2のコンセント手段と、
前記第1のコンセント手段に接続される充電可能な照明手段と、
前記第2のコンセント手段に前記コンセントプラグを接続することによって前記商用電源を前記車庫用開閉装置に供給し、前記車載コンセント又は前記ポータブル電源のコンセントに前記コンセントプラグを接続することによって、前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給する電源ケーブル手段と
を車庫内の壁面に設置されたボックス型収納ケース内に備えていることを特徴とする車庫用開閉装置の外部電源供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給システムにおいて、
前記照明手段を停電時に所定時間だけ点灯するように構成し、前記ボックス型収納ケースの外蓋に前記照明手段の光を透過する明かり窓を設け、停電時に前記明かり窓から透過する前記照明手段の光を視認可能にしたことを特徴とする車庫用開閉装置の外部電源供給システム。
【請求項4】
バッテリ非搭載の車庫用開閉装置に対して外部電源を接続して商用電源と同じ電圧を供給する車庫用開閉装置の外部電源供給方法において、
車載コンセント又はポータブル電源のコンセントに電源ケーブルのコンセントプラグを接続するだけで前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給することができるようにしたことを特徴とする車庫用開閉装置の外部電源供給方法。
【請求項5】
請求項4に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給方法において、
前記商用電源に接続された第1及び第2のコンセント手段と、
前記第1のコンセント手段に接続される充電可能な照明手段と、
前記第2のコンセント手段に前記コンセントプラグを接続することによって前記商用電源を前記車庫用開閉装置に供給し、前記車載コンセント又は前記ポータブル電源のコンセントに前記コンセントプラグを接続することによって、前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給する電源ケーブル手段と
をボックス型収納ケース内に備えた外部電源供給手段を車庫内の壁面に設置したことを特徴とする車庫用開閉装置の外部電源供給方法。
【請求項6】
請求項5に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給方法において、
前記照明手段を停電時に所定時間だけ点灯するように構成し、前記ボックス型収納ケースの外蓋に前記照明手段の光を透過する明かり窓を設け、停電時に前記明かり窓から透過する前記照明手段の光を視認可能にしたことを特徴とする車庫用開閉装置の外部電源供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時などの非常時に商用電源の供給が停止した場合に車庫用開閉装置に外部電源から電力を供給して開閉動作を行うことができるようにした車庫用開閉装置の外部電源供給システム及び外部電源供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッター装置などのような開閉装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構造物躯体の出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部に設置され、その開閉体を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。この開閉装置は、多数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグリルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカーテン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる複合カーテンなどの開閉体を、開口部の上部から繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖するように構成されている。このような開閉装置は、開閉体の開閉動作を電動で行なう場合が多い。電動の開閉装置としては、電動シャッター装置、電動ドア装置、電動オーニング装置などがある。
【0003】
一般に車庫用開閉装置は、車両に乗車した状態でシャッターカーテンを電動で開閉するように構成されたものが多く設置されている。電動の車庫用開閉装置は、車庫の天井近傍などの上部に設けられたシャッターケース内の開閉機(モータ等)を用いて開閉(昇降駆動)している。このような電動の車庫用開閉装置では、停電した場合、チェーンを手動で操作したり、シャッターケース内の手動切換レバーを操作したりすることによって、シャッターカーテンの開閉を可能としている。停電が夜間発生した場合には車庫内外は暗く、上部のシャッターケース内を操作するのに足場を用意する必要があり、暗闇の中でチェーンやレバー等を操作することは困難を極め、シャッターカーテンの開閉に多大の労力を必要としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-79457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商用電源の停電時に手動操作用ハンドルを用いて操作を行う場合、作業者が脚立や作業台などに上って上部に設けられた点検口を開放しながら、開閉体の開閉操作を行う必要があり、操作が大変面倒であった。一方、特許文献1に記載のような非常電源装置を設ける場合、設備費用が増大し、かつ予備電源のバッテリ交換を定期的に行なう必要があった。あるいは、発電機を使用する場合も、設備費用が増大し、かつ発電機への燃料の補給やオイル交換などのメンテナンスが必要であった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、設備費用やメンテナンス作業を増大させることなく、停電時など商用電源の供給が無い場合に、外部電源から車庫用開閉装置に対して電力を供給することができる車庫用開閉装置の外部電源供給システム及び外部電源供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車庫用開閉装置の外部電源供給システムの第1の特徴は、バッテリ非搭載の車庫用開閉装置に対して外部電源を接続して商用電源と同じ電圧を供給する車庫用開閉装置の外部電源供給システムにおいて、車載コンセント又はポータブル電源のコンセントに電源ケーブルのコンセントプラグを接続するだけで前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給することができるように構成された外部電源供給手段を設けたことにある。
近年、大規模震災や大型化する台風等の自然災害が増加している中、ハイブリット車やEV車を災害時の非常電源として活用する取り組みが推奨されている。災害時にハイブリット車やEV車を活用するためには、ガレージから出庫することが課題として挙げられており、本システムにより停電時に車庫用開閉装置(ガレージシャッター)に対して容易に電源供給を行い電動開閉させることが可能になる。停電時にガレージシャッターを動かしたい場合、外部電源供給システムを内蔵したボックス内のコンセントプラグを抜いて、車載コンセントやポータブル電源のコンセントに接続するだけで、車庫用開閉装置へ電源を供給することができる。また、外部電源供給システムを内蔵したボックスは車庫の内外どちらにも設置が可能である。これによって、専用バッテリを設けなくても、車載コンセントやポータブル電源からの電力を有効に活用することができる。
【0008】
本発明の車庫用開閉装置の外部電源供給システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給システムにおいて、前記外部電源供給手段は、前記商用電源に接続された第1及び第2のコンセント手段と、前記第1のコンセント手段に接続される充電可能な照明手段と、前記第2のコンセント手段に前記コンセントプラグを接続することによって前記商用電源を前記車庫用開閉装置に供給し、前記車載コンセント又は前記ポータブル電源のコンセントに前記コンセントプラグを接続することによって、前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給する電源ケーブル手段とを車庫内の壁面に設置されたボックス型収納ケース内に備えていることにある。
これは、第1及び第2のコンセント手段、照明手段及び電源ケーブル手段からなる外部電源供給手段を車庫内の壁面に設置されたボックス型収納ケース内に収納したものである。外部電源供給手段をボックス型収納ケース内に収納することで使用者の利便性が向上する。
【0009】
本発明の車庫用開閉装置の外部電源供給システムの第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給システムにおいて、前記照明手段を停電時に所定時間だけ点灯するように構成し、前記ボックス型収納ケースの外蓋に前記照明手段の光を透過する明かり窓を設け、停電時に前記明かり窓から透過する前記照明手段の光を視認可能にしたことにある。
これは、停電時に点灯する照明手段の光を明かり窓から透過させることによって、車庫内の暗闇の中でもボックス型収納ケースがどこに存在するのかを容易に認識できるようにしたものである。
【0010】
本発明の車庫用開閉装置の外部電源供給方法の第1の特徴は、バッテリ非搭載の車庫用開閉装置に対して外部電源を接続して商用電源と同じ電圧を供給する車庫用開閉装置の外部電源供給方法において、車載コンセント又はポータブル電源のコンセントに電源ケーブルのコンセントプラグを接続するだけで前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給することができるようにしたことにある。
これは、前記車庫用開閉装置の外部電源供給システムの第1の特徴に対応した車庫用開閉装置の外部電源供給方法の発明である。
【0011】
本発明の車庫用開閉装置の外部電源供給方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給方法において、前記商用電源に接続された第1及び第2のコンセント手段と、前記第1のコンセント手段に接続される充電可能な照明手段と、前記第2のコンセント手段に前記コンセントプラグを接続することによって前記商用電源を前記車庫用開閉装置に供給し、前記車載コンセント又は前記ポータブル電源のコンセントに前記コンセントプラグを接続することによって、前記商用電源と同じ電圧を前記車庫用開閉装置に供給する電源ケーブル手段とをボックス型収納ケース内に備えた外部電源供給手段を車庫内の壁面に設置したことにある。
これは、前記車庫用開閉装置の外部電源供給システムの第2の特徴に対応した車庫用開閉装置の外部電源供給方法の発明である。
【0012】
本発明の車庫用開閉装置の外部電源供給方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の車庫用開閉装置の外部電源供給方法において、前記照明手段を停電時に所定時間だけ点灯するように構成し、前記ボックス型収納ケースの外蓋に前記照明手段の光を透過する明かり窓を設け、停電時に前記明かり窓から透過する前記照明手段の光を視認可能にしたことにある。
これは、前記車庫用開閉装置の外部電源供給システムの第3の特徴に対応した車庫用開閉装置の外部電源供給方法の発明である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、設備費用やメンテナンス作業を増大させることなく、停電時など商用電源の供給が無い場合に、外部電源から車庫用開閉装置に対して電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】車庫用開閉装置であるガレージシャッターの内側から外側を見た場合の外観図である。
図2】車庫用開閉装置の略構成の一例を示す図である。
図3】車庫用開閉装置内の各装置の動作を説明する図である。
図4】車庫用開閉装置の外部電源供給システムの概念を示す図である。
図5】車庫用開閉装置の外部電源供給システムの使用方法を示す図である。
図6】外部電源供給装置の外観と内観を示す図である。
図7図6の内観図の拡大図であり、LED灯が設置してある状態を示す図である。
図8図6の内観図の拡大図であり、LED灯を取り外した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に従って、本発明に係る車庫用開閉装置の外部電源供給システムの好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では、上下に開閉動作されるガレージシャッター(車庫用開閉装置)を例に説明する。図1は、車庫用開閉装置であるガレージシャッターの内側から外側を見た場合の外観図である。図2は、車庫用開閉装置の略構成の一例を示す図である。
【0016】
図1,2において、車庫用開閉装置10は、ガレージの出入口の開口部を上下に開閉する。車庫用開閉装置10は、ガレージの開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース11、シャッターカーテン12、ガイドレール13,14、巻取シャフト15、チェーン16、モータ17、位置検出装置172、制御装置18、障害物感知器185、操作スイッチ19、無線型リモコン装置191、電源切替装置20、及び外部電源供給装置30などを含んで構成される。
【0017】
この車庫用開閉装置10は、通常時には、操作スイッチ19の操作に応じて、開閉機であるモータ17を駆動して開閉制御するようになっている。さらに、この車庫用開閉装置10では、シャッターカーテン12が巻取シャフト15に巻き取られている開放状態を機械的な保持機構(図示せず)によって保持しており、この開放状態で外部から火災の発生などを示す非常信号BSなどが制御装置18に入力された場合には、その保持機構による開放状態の保持が解除されて、シャッターカーテン12は、その自重で自然降下して開口部を自動閉鎖する機能を備えている場合もある。
【0018】
ガイドレール13,14は、シャッターカーテン12の両端部を案内するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材又はこれと同等の部材で構成されている。シャッターカーテン12は、このガイドレール13,14の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。
【0019】
巻取シャフト15は、シャッターケース11の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン12を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン16は、モータ17の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト15の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ17の回転駆動力は、チェーン16を介して巻取シャフト15側に伝達され、モータ17が回転すると、チェーン16を介して巻取シャフト15が回転し、シャッターカーテン12の開閉動作が制御されるようになっている。
【0020】
モータ17には、その回転位置、すなわちシャッターカーテン12の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置が設けられている。この位置検出装置172は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。モータ17の回転に応じたパルス信号が制御装置18に出力されるので、モータ17の回転位置やシャッターカーテン12の閉鎖側先端部の開口部における位置などは、このパルスの発生状況に基づいて制御装置18が演算にて求めることになる。
【0021】
図3は、車庫用開閉装置内の各装置の動作を説明する図である。制御装置18は、マイクロコンピューター構成になっており、電源ラインACから電源切替装置20を介して電力が供給されている。制御装置18は、操作スイッチ19上の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号やモータ17に設けられた位置検出装置172からの信号やプロテクタからの信号などに基づいて、モータ17の回転を制御したり、非常信号BSに基づいて保持機構を解除したりする。
【0022】
操作スイッチ19は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン19A、停止(停)ボタン19B、下降(閉)ボタン19Cをそれぞれ有し、これら各ボタンの操作状態に応じた制御信号を制御装置18に出力する。なお、制御装置18は無線型リモコン装置191等によっても操作可能となっている。
【0023】
非常信号BSは、火災発生などの非常時に外部の制御室などから供給される電圧24[V]の信号であり、制御装置18内の図示しない危害防止用連動中継器に入力される。なお、外部からの非常信号BSの入力と併せて、又は代わりに、シャッターケース11の内側であって、まぐさ部の開口部近傍、すなわちシャッターカーテン12が昇降する部分に温度感知器などを設けてもよい。この温度感知器としては、常時接点がオン状態にあり、接点が所定温度(摂氏100~300度の範囲の任意温度)に達した時点で接点を開きオフ状態となるB接点の自動復帰型の高温度用バイメタル式サーモスタットなどで構成され、接点が開いた場合には火災などが発生したことを示す信号を非常信号BSに相当する信号として出力するようにしてもよい。
【0024】
障害物感知器185は、送信機がシャッターカーテン12の下端部(座板)に設けられたもので、障害物感知時には、内蔵された座板スイッチの移動に対応した感知信号を制御装置18に送信し、また、その後の障害物の除去により座板スイッチの復帰移動時には、復帰信号を送信する構成となっている。障害物感知器185の送信機から制御装置18への信号の送信は、図のような有線方式に限らず、電池を電源として作動する無線方式のもの等でもよい。また、シャッターカーテン12の下端部に障害物の接触で移動する座板スイッチを設け、障害物接触時の座板の移動力でガイドレール13,14の高さ方向に沿って設けられたテープスイッチを押圧する構成や、テープスイッチから制御装置18に対し感知信号を有線出力する構成としてもよい。この他、開口部に光電管やLED等の投受光センサを設け、画像認識等により障害物を非接触で感知する構成としてもよい。
【0025】
制御装置18は、電源切替装置20から供給された電力により、操作スイッチ19(無線型リモコン装置191)、障害物感知器185及び位置検出装置172からの各信号、並びに非常信号BSに基づいて、モータ17を制御する。なお、図2では、制御装置18以外への商用電源の接続関係については、その図示を省略してある。
【0026】
電源切替装置20は、操作者が手動で切り替える手動スイッチであって、普段は、電源ラインAC側へ接続されており、電源ラインACから供給される商用電源の電力を制御装置18へ供給する。そして、商用電源の停電時は、操作者が手動で電源切替装置20を外部電源供給装置30側へ切り替え、電源切替装置20は、外部電源供給装置30から供給される電力を制御装置18へ供給する。なお、電源切替装置20として、電源ラインACから供給される商用電源の電力を検出し、商用電源の停電時には外部電源供給装置30側へ自動的に切り替わる自動スイッチを使用してもよい。
【0027】
外部電源供給装置30は、ハイブリット車又はEV車に搭載(車載)されている車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60から100〔V〕の商用電源から直流の電力を車庫用開閉装置10へ供給する。車載コンセント50は車両内部に標準で装備されているものであり、図では車両を車載コンセント50として表示している。外部電源供給装置30は図1に示すようなボックス型の収納ケースをしており、車庫の内壁面に利用者の操作可能な位置に取り付けられている。
【0028】
外部電源供給装置30には、外部電源となるハイブリット車又はEV車に搭載(車載)されている車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60に接続するためのコンセントプラグ32を備えた電源ケーブル31がボックス型収納ケース内に収納されている。電源ケーブル31のコンセントプラグ32は、通常は、外部電源供給装置30内の電源ラインACから電力を供給するコンセントに挿入されており、商用電源である電源ラインACの電力を制御装置18へ供給している。停電時に外部電源供給装置30からコンセントプラグ32を取り外し、それをハイブリット車又はEV車に搭載(車載)されている車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60に接続するだけで、操作者が手動で電源切替装置20を外部電源供給装置30側へ切り替えたことと同じ状態となり、必要な電力を外部電源供給装置30から車庫用開閉装置10へ供給することが可能となる。
【0029】
図1において、外部電源供給装置30の左側上部には、ボックス型収納ケースの外蓋が開放され、コンセントプラグ32を備えた電源ケーブル31を収納した内部の状態を示す画像30aが示されており、その下側には外部電源供給装置30のボックス型収納ケースの外蓋を閉じた外観状態を示す画像30bが示されている。画像30bに示すように外蓋のほぼ中央付近にはLED灯の光を外部に透過するための明かり窓が設けられている。使用者はこの明かり窓からから透過する光を視認することができる。外部電源供給装置30は通常は外観30bに示すように車庫内の壁面に設置されている。外部電源供給装置30の詳細構成については後述する。
【0030】
図4は、車庫用開閉装置の外部電源供給システムの概念を示す図である。バッテリ非搭載の車庫用開閉装置10に対して外部電源を接続して商用電源と同じ電圧を供給する車庫用開閉装置の外部電源供給装置30は、車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60にコンセントプラグを備えた電源ケーブル31を接続するだけで商用電源と同じ電圧を車庫用開閉装置10に供給することができるように構成されている。すなわち、停電時には外観30aに示すように外部電源供給装置30のカバーを開けて巻取収納されている電源ケーブル31のコンセントプラグを取り外して車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60に接続するだけで、操作者は商用電源から外部電源供給装置30への手動切り替えを実行することになる。
【0031】
図5は、車庫用開閉装置の外部電源供給装置の使用方法を示す図である。商用電源が停電した場合、LED灯付きの外部電源供給装置30は、内部のLED灯37が点灯し、カバーに設けられている明かり窓306からその光が透過し、利用者は視認可能に構成されている。操作者は、この明かり窓306からの光を頼りに外部電源供給装置30の場所を認識し、外部電源供給装置30のカバーを開けることができる。カバーを開けると直方体形状のLED灯37の表面が点灯しているので、電源ケーブル31のコンセントプラグ32を抜いて、外部電源供給装置30内に巻き回し収納されている電源ケーブル31を巻き戻して、車両の車載コンセント50又はポータブル電源のコンセント60に挿入接続する。これによって、外部電源供給装置30から車庫用開閉装置10に電力が供給されるようになるので、無線型リモコン装置191を用いてシャッターを開閉することができるようになる。LED灯37は、停電すると30分間自動でライトが点灯するようになっており、明かり窓306を透過した光で、車庫内の暗闇でもその設置場所が分かるようになっている。また、LED灯37には側面にオン/オフスイッチが設けられており、外部電源供給装置30から取り外して懐中電灯として使用することもできる。なお、明かり窓に代えて停電時にボックス型収納ケース内でLED灯37が点灯していることをケース外から視認可能としてもよい。例えば、ケースの側面に開口を設けて光が漏れるようにし、外蓋の一部を薄くして光が透過し易くしてもよい。
【0032】
図6は、外部電源供給装置の外観と内観を示す図である。図6において、外観301は、外部電源供給装置30の正面図を、外観302は側面図を、外観303は底面図を示す。内観図304は外部電源供給装置30の外蓋(カバー)を取り外して示した内部構成図である。内部には巻取ブラケット33~36が上下四個所に存在し、コンセントプラグ32を備えた電源ケーブル31を巻き回して収納できるように構成されている。外観301に示すようにほぼ中央にLED灯37の光を透過させるための明かり窓306が設けられている。
【0033】
図7及び図8は、図6の内観図304の拡大図であり、図7はLED灯37が設置してある状態を示し、図8はLED灯37を取り外した状態を示す。図7及び図8において、外部電源供給装置30は、コンセントプラグ32を備えた電源ケーブル31と、4本の巻取ブラケット33~36と、LED灯37と、第1コンセント38と、第2コンセント39とを含んで構成される。なお、図7において、第1コンセント38はコンセントプラグ32によって見えない状態となっているが、第2コンセント39と同様のものである。
【0034】
第1コンセント38及び第2コンセント39には、電源ラインACからの商用電源が常時供給されており、台座40のほぼ中央付近の上下離間した位置に設けられている。第1コンセント38には電源ケーブル31のコンセントプラグ32が挿入されている。第2コンセント39にはLED灯37のコンセントプラグが挿入されている。電源ケーブル31のコンセントプラグ32が第1コンセント38に挿入されていることによって、車庫用開閉装置10に商用電源が常時供給されることになる。また、LED灯37のコンセントプラグが第2コンセント39に挿入されていることによって、LED灯37にも電力が常時供給され充電状態を維持している。
【0035】
巻取ブラケット33~36は、外部電源供給装置30の台座40の上下左右の四隅に設けられている。巻取ブラケット33は台座40の上左側に、巻取ブラケット34は台座40の上右側に、巻取ブラケット35は台座40の下左側に、巻取ブラケット36は台座40の下右側に設けられている。台座40に設けられた巻取ブラケット33~36の側面に電源ケーブル31が時計回りに巻き回されている。巻取ブラケット33,34は、その先端側が図の上方向に角度90度で屈曲するL字形をしており、巻取ブラケット35,36はその先端側が図の下方向に角度90度で屈曲するL字形をしている。
【0036】
電源ケーブル31にはコンセントプラグ32が設けられており、その反対側の電源ケーブル31の他端部は台座40の上側中央部で電源ラインAC(商用電源)に接続されている。電源ケーブル31は、電源ラインAC(商用電源)の接続箇所から反時計方向に巻取ブラケット33、巻取ブラケット35、巻取ブラケット36、巻取ブラケット34の順で複数回巻き回され、巻取ブラケット35と巻取ブラケット36の間を通して第1コンセント38にコンセントプラグ32が挿入され電源ラインAC(商用電源)に接続している。電源ケーブル31及びコンセントプラグ32を巻取ブラケット35から取り外す場合には、逆にコンセントプラグ32を第1コンセント38から取外して、時計方向に巻取ブラケット35、巻取ブラケット33、巻取ブラケット34、巻取ブラケット36の順で巻き戻すことによって電源ケーブル31を巻取ブラケット33~36から容易に取り出すことができる。
【0037】
なお、第1コンセント38の両側には、最初の処理として電源ケーブル31のコンセントプラグ32を第1コンセント38から抜くことを意味する「(1)ぬく」の文字が取扱説明として表示されている。また、巻取ブラケット35の表面には次の処理として電源ケーブル31のコンセントプラグ32を車載コンセントに接続することを意味する図が取扱説明として表示されている。同じく巻取ブラケット36の表面には次の処理として電源ケーブル31のコンセントプラグ32をポータブル電源のコンセントに接続することを意味する図が取扱説明として表示されている。
【0038】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉装置としては、例えば、オーバーヘッドドアを含むシャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、ドア装置、移動間仕切装置、開窓装置、折れ戸装置、門扉装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
10…車庫用開閉装置
11…シャッターケース
12…シャッターカーテン
13,14…ガイドレール
15…巻取シャフト
16…チェーン
17…モータ
172…位置検出装置
18…制御装置
185…障害物感知器
19…操作スイッチ
191…無線型リモコン装置
19A…上昇(開)ボタン
19B…停止(停)ボタン
19C…下降(閉)ボタン
20…電源切替装置
30…外部電源供給装置
306…明かり窓
31…電源ケーブル
32…コンセントプラグ
33~36…巻取ブラケット
37…LED灯
38,39…コンセント
40…台座
50…車載コンセント
60…ポータブル電源のコンセント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8