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  • 特開-信号出力回路及び半導体集積回路装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073681
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】信号出力回路及び半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
H03K19/0175 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184515
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内本 大介
(72)【発明者】
【氏名】神之田 秀悟
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056AA04
5J056BB17
5J056CC09
(57)【要約】
【課題】イネーブル信号が供給されたときにイネーブル状態を示す信号を出力する構成からの変更が少なく、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態を示す信号を出力することができ、尚且つイネーブル状態でないことを示す信号も出力することができる信号出力回路を提供する。
【解決手段】信号出力回路(4)は、第1~第3入力端子を有するコンパレータ(CMP1)と、イネーブル信号を受け取るように構成されたイネーブル端子(T1)と第1入力端子との間に設けられるインバータ(Q2、R5)、又は、第1入力端子に接続されるプルアップ抵抗のいずれか一方と、を備える。第1入力端子は、前記イネーブル信号に基づく信号が供給されるように構成される。第2入力端子は、基準電圧が供給されるように構成される。第3入力端子は、異常検出信号が供給されるように構成される。第1入力端子と第2入力端子とは極性が異なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力端子、第2入力端子、及び第3入力端子を有するコンパレータと、
イネーブル信号を受け取るように構成されたイネーブル端子と前記第1入力端子との間に設けられるインバータ、又は、前記第1入力端子に接続されるプルアップ抵抗のいずれか一方と、
を備え、
前記第1入力端子は、前記イネーブル信号に基づく信号が供給されるように構成され、
前記第2入力端子は、基準電圧が供給されるように構成され、
前記第3入力端子は、異常検出信号が供給されるように構成され、
前記第1入力端子と前記第2入力端子とは極性が異なる、信号出力回路。
【請求項2】
前記インバータを備え、
前記イネーブル端子に接続されるプルダウン抵抗をさらに備える、請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項3】
前記イネーブル端子にカソードが接続されるダイオードをさらに備える、請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項4】
第1端及び第2端を有するクランプ素子をさらに備え、
前記クランプ素子は、前記イネーブル端子と前記第1入力端子との間に設けられ、
前記第1端は前記イネーブル端子側に配置され、前記第2端は前記第1入力端子側に配置され、
前記クランプ素子は、前記第2端の電圧をクランプするように構成されている、請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項5】
前記インバータを備え、
前記クランプ素子はトランジスタであり、
前記トランジスタの制御端に供給される電圧と前記インバータの電源電圧とは同一である、請求項4に記載の信号出力回路。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の信号出力回路と、
前記イネーブル端子と、
を備える、半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、信号出力回路及び当該信号出力回路を備える半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イネーブル端子が受け取ったイネーブル信号と、基準電圧との比較結果を示す信号を出力する信号出力回路が存在する(例えば特許文献1参照)。例えば、上記信号出力回路は半導体集積回路装置に搭載され、上記信号出力回路から出力される信号は上記半導体集積回路装置のモードを切り替えるために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-171914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イネーブル信号が供給されたときにイネーブル状態になるタイプの半導体集積回路装置以外に、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態になるタイプの半導体集積回路装置も需要がある。設計の効率化等の観点から、前者の構成から後者の構成への変更点は少ないことが望ましい。
【0005】
特許文献1に開示されている信号出力回路が搭載された半導体集積回路装置の場合、信号出力回路に設けられるコンパレータの入力の極性を入れ替えるだけで、前者の構成から後者の構成への変更が可能である。
【0006】
しかしながら、信号出力回路に設けられるコンパレータが3つの入力端子を有する場合には、単純にコンパレータの入力の極性を入れ替えるだけでは、前者の構成から後者の構成への変更ができなかった。
【0007】
また、信号出力回路に設けられるコンパレータから出力される信号の論理を固定することで、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態を示す信号を出力することが可能となるが、イネーブル状態でないことを示す信号を出力することができなくなる。この場合、EDS(Electric Die Sort)時にディセーブル状態(スタンバイ状態)で半導体集積回路装置に流れる電流を計測することができなくなり、テスタビリティが大きく損なわれてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る信号出力回路は、第1入力端子、第2入力端子、及び第3入力端子を有するコンパレータと、イネーブル信号を受け取るように構成されたイネーブル端子と前記第1入力端子との間に設けられるインバータ、又は、前記第1入力端子に接続されるプルアップ抵抗のいずれか一方と、を備える。前記第1入力端子は、前記イネーブル信号に基づく信号が供給されるように構成される。前記第2入力端子は、基準電圧が供給されるように構成される。前記第3入力端子は、異常検出信号が供給されるように構成される。前記第1入力端子と前記第2入力端子とは極性が異なる。
【0009】
本開示に係る半導体集積回路装置は、上記構成の信号出力回路と、前記イネーブル端子と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、イネーブル信号が供給されたときにイネーブル状態を示す信号を出力する構成からの変更が少なく、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態を示す信号を出力することができ、尚且つイネーブル状態でないことを示す信号も出力することができる信号出力回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、イネーブル信号が供給されたときにイネーブル状態を示す信号を出力する信号出力回路の構成を示す図である。
図2図2は、比較例に係る信号出力回路の構成を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る信号出力回路の構成を示す図である。
図4図4は、第2実施形態に係る信号出力回路の構成を示す図である。
図5図5は、半導体集積回路装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において、MOS電界効果トランジスタとは、ゲートの構造が、「導電体または抵抗値が小さいポリシリコン等の半導体からなる層」、「絶縁層」、及び「P型、N型、又は真性の半導体層」の少なくとも3層からなる電界効果トランジスタをいう。つまり、MOS電界効果トランジスタのゲートの構造は、金属、酸化物、及び半導体の3層構造に限定されない。
【0013】
本明細書において参照電圧とは、理想的な状態において一定である電圧を意味しており、実際には温度変化等により僅かに変動し得る電圧である。
【0014】
本明細書において基準電圧とは、理想的な状態において一定である電圧を意味しており、実際には温度変化等により僅かに変動し得る電圧である。
【0015】
本明細書において定電圧とは、理想的な状態において一定である電圧を意味しており、実際には温度変化等により僅かに変動し得る電圧である。
【0016】
<イネーブル信号が供給されたときにイネーブル状態を示す信号を出力する信号出力回路>
図1は、イネーブル信号が供給されたときにイネーブル状態を示す信号を出力する信号出力回路の構成を示す図である。
【0017】
図1に示す信号出力回路1は、抵抗R1及びR2と、Nチャネル型且つデプレッション型のMOS電界効果トランジスタQ1と、ダイオードD1と、電圧源VS1及びVS2と、スイッチSW1と、低電圧検出回路U1と、コンパレータCMP1と、を備える。
【0018】
抵抗R1の第1端及びダイオードD1のカソードは、イネーブル端子T1に接続される。抵抗R1の第2端は、電界効果トランジスタQ1のドレインに接続される。電界効果トランジスタQ1のゲートには、参照電圧VREFが供給される。
【0019】
電界効果トランジスタQ1のソースは、抵抗R2の第1端及びコンパレータCMP1の第1入力端子に接続される。抵抗R2の第2端及びダイオードD1のアノードは、グラウンド電位に固定される。
【0020】
ダイオードD1は、イネーブル端子T1に印加され得るEDSを吸収するための保護ダイオードである。
【0021】
電界効果トランジスタQ1は、電界効果トランジスタQ1のソース電圧を参照電圧VREFから閾値電圧を引いた値にクランプするクランプ素子である。したがって、電界効果トランジスタQ1は、イネーブル端子T1に高電圧が印加され、電界効果トランジスタQ1のドレイン電圧が大きくなっても、電界効果トランジスタQ1のソース電圧が大きくなることを防止することができる。
【0022】
電圧源VS1及びVS2の各正極はスイッチSW1を介してコンパレータCMP1の第2入力端子に接続される。電圧源VS1及びVS2の各負極は、グラウンド電位に固定される。スイッチSW1は、電圧源VS1の正極とVS2の正極とのいずれか一方を択一的に選択してコンパレータCMP1の第2入力端子との電気的接続を確立する。電圧源VS1は、例えば0.24Vの直流電圧である第1基準電圧を出力する。電圧源VS2は、例えば0.2Vの直流電圧である第2基準電圧を出力する。
【0023】
低電圧検出回路U1は、低電圧検出回路U1を搭載している半導体集積回路装置に供給される電圧VCCが低電圧になっている場合にHIGHレベルの信号(異常検出信号の一例)をコンパレータCMP1の第3入力端子に供給する。また、低電圧検出回路U1は、低電圧検出回路U1を搭載している半導体集積回路装置に供給される電圧VCCが低電圧になっていない場合にLOWレベルの信号をコンパレータCMP1の第3入力端子に供給する。
【0024】
コンパレータCMP1は、上述した通り第1入力端子、第2入力端子、及び第3入力端子を有する。第1入力端子は非反転入力端子であり、第2入力端子及び第3入力端子は反転入力端子である。すなわち、第1入力端子と第2入力端子及び第3入力端子とは極性が異なる。
【0025】
コンパレータCMP1は、第2入力端子に供給される電圧及び第3入力端子に供給される電圧のうちの高い方と、第1入力端子に供給される電圧との比較結果である信号ENを出力する。
【0026】
信号出力回路1は、HIGHレベルのイネーブル信号がイネーブル端子T1に供給されたときに、イネーブル状態を示す信号であるHIGHレベルの信号ENを出力する。ただし、低電圧検出回路U1によって電圧VCCが低電圧になっていることが検出されているときには、信号出力回路1は、LOWレベルの信号ENを出力する。
【0027】
<比較例に係る信号出力回路>
図2は、比較例に係る信号出力回路の構成を示す図である。図2に示す信号出力回路2は、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態を示す信号を出力することができる信号出力回路である。
【0028】
信号出力回路2は、信号出力回路1においてコンパレータCMP1をコンパレータCMP2に置換し、プルダウン抵抗である抵抗R3を追加した構成である。
【0029】
コンパレータCMP2の第1入力端子は反転入力端子であり、コンパレータCMP2の第2入力端子及び第3入力端子は非反転入力端子である。コンパレータCMP1は、1つの非反転入力端子及び2つの反転入力端子を有する構成である。対して、コンパレータCMP2は、1つの反転入力端子及び2つの非反転入力端子を有する構成である。したがって、コンパレータCMP1からコンパレータCMP2への変更は、変更の規模が大きくなってしまう。
【0030】
抵抗R3の第1端は、イネーブル端子T1に接続される。抵抗R3の第2端は、グラウンド電位に固定される。
【0031】
イネーブル端子T1がHIGHレベルのイネーブル信号を受け取っていないときに、プルダウン抵抗である抵抗R3によってイネーブル端子T1はグラウンド電位に固定される。
【0032】
信号出力回路2は、HIGHレベルのイネーブル信号がイネーブル端子T1に供給されていないときに、イネーブル状態を示す信号であるHIGHレベルの信号ENを出力する。そして、低電圧検出回路U1によって電圧VCCが低電圧になっていることが検出されているときにも、信号出力回路2は、HIGHレベルの信号ENを出力する。
【0033】
また、信号出力回路2は、HIGHレベルの電圧がイネーブル端子T1に印加されると、LOWレベルの信号ENを出力することができる。したがって、信号出力回路2を備える半導体集積回路装置では、EDS時にディセーブル状態(スタンバイ状態)で半導体集積回路装置に流れる電流を計測することができ、テスタビリティを高めることができる。
【0034】
<第1実施形態に係る信号出力回路>
図3は、第1実施形態に係る信号出力回路の構成を示す図である。図3に示す信号出力回路3は、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態を示す信号を出力することができる信号出力回路である。
【0035】
信号出力回路3は、信号出力回路1において抵抗R2をプルアップ抵抗に変更した構成である。具体的には、信号出力回路3は、抵抗R2の第2端がグラウンド電位に固定されるのではなく、抵抗R2の第2端に定電圧VREGが印加される構成である。なお、信号出力回路3の抵抗R1及びR2の各抵抗値は、信号出力回路1の抵抗R1及びR2の各抵抗値から変更されてもよい。信号出力回路3は、信号出力回路1からの変更が少ない。
【0036】
信号出力回路3は、HIGHレベルのイネーブル信号がイネーブル端子T1に供給されていないときに、プルアップ抵抗である抵抗R2によってコンパレータCMP1の第1入力端子にHIGHレベルの電圧が供給されるので、イネーブル状態を示す信号であるHIGHレベルの信号ENを出力する。
【0037】
定電圧VREGは、低電圧検出回路U1によって電圧VCCが低電圧になっていることが検出されてときに低電圧検出回路U1から出力される信号(HIGHレベルの信号)より高く設定される。したがって、低電圧検出回路U1によって電圧VCCが低電圧になっていることが検出されているときにも、信号出力回路3は、HIGHレベルの信号ENを出力する。
【0038】
また、信号出力回路3は、LOWレベル(例えばグラウンド電位)の電圧がイネーブル端子T1に印加されると、LOWレベルの信号ENを出力することができる。したがって、信号出力回路3を備える半導体集積回路装置では、EDS時にディセーブル状態(スタンバイ状態)で半導体集積回路装置に流れる電流を計測することができ、テスタビリティを高めることができる。
【0039】
<第2実施形態に係る信号出力回路>
図4は、第2実施形態に係る信号出力回路の構成を示す図である。図4に示す信号出力回路4は、イネーブル信号が供給されてなくてもイネーブル状態を示す信号を出力することができる信号出力回路である。
【0040】
信号出力回路4は、信号出力回路1においてプルダウン抵抗である抵抗R3と、抵抗R4と、抵抗R5と、Nチャネル型且つエンハンスメント型のMOS電界効果トランジスタQ2と、を追加し、電圧源VS1を抵抗R6に置換した構成である。抵抗R5及びMOS電界効果トランジスタQ2は、インバータを構成する。信号出力回路4は、信号出力回路1からの変更が少ない。
【0041】
抵抗R3の第1端は、イネーブル端子T1に接続される。抵抗R3の第2端は、グラウンド電位に固定される。
【0042】
イネーブル端子T1がHIGHレベルのイネーブル信号を受け取っていないときに、プルダウン抵抗である抵抗R3によってイネーブル端子T1はグラウンド電位に固定される。
【0043】
抵抗R4及びR5の各第1端に定電圧VREGが印加される。抵抗R4の第2端は、MOS電界効果トランジスタQ1のゲートに接続される。つまり、MOS電界効果トランジスタQ1のゲートに供給される電圧とインバータの電源電圧とは同一である。これにより、HIGHレベルの電圧がイネーブル端子T1に印加されると、低温環境下においてもMOS電界効果トランジスタQ2を確実にオンにすることができる。
【0044】
MOS電界効果トランジスタQ1のソース及び抵抗R2の第1端は、MOS電界効果トランジスタQ2のゲートに接続される。抵抗R5の第2端は、MOS電界効果トランジスタQ2のドレイン及びコンパレータCMP1の第1入力端子に接続される。MOS電界効果トランジスタQ2のソースは、グラウンド電位に固定される。
【0045】
抵抗R6の第1端には参照電圧VREFが印加される。参照電圧VREFは例えば1.24Vの直流電圧である。参照電圧VREFは、定電圧VREGよりも低く設定される。抵抗R6の第2端は、スイッチSW1を介して、コンパレータCMP1の第2入力端子に接続される。これにより、コンパレータCMP1から出力される信号ENのレベルが切り替わるときのヒステリシスを十分に確保することができる。
【0046】
信号出力回路4は、HIGHレベルのイネーブル信号がイネーブル端子T1に供給されていないときに、インバータによってコンパレータCMP1の第1入力端子にHIGHレベルの電圧が供給されるので、イネーブル状態を示す信号であるHIGHレベルの信号ENを出力する。
【0047】
定電圧VREGは、低電圧検出回路U1によって電圧VCCが低電圧になっていることが検出されてときに低電圧検出回路U1から出力される信号(HIGHレベルの信号)より高く設定される。したがって、低電圧検出回路U1によって電圧VCCが低電圧になっていることが検出されているときにも、信号出力回路4は、HIGHレベルの信号ENを出力する。
【0048】
また、信号出力回路4は、HIGHレベルの電圧がイネーブル端子T1に印加されると、LOWレベルの信号ENを出力することができる。したがって、信号出力回路4を備える半導体集積回路装置では、EDS時にディセーブル状態(スタンバイ状態)で半導体集積回路装置に流れる電流を計測することができ、テスタビリティを高めることができる。
【0049】
信号出力回路4は、イネーブル端子T1から見た回路インピーダンスが抵抗R3を除くと信号出力回路1と同じであるため、ESD(Electro Static Discharge)保護、EMC(Electromagnetic Compatibility)等で信号出力回路1との違いが生じ難いという利点を有する。
【0050】
<半導体集積回路装置>
図5は、半導体集積回路装置の概略構成を示す図である。図5に示す半導体集積回路装置5は、イネーブル端子T1と、信号出力回路4と、内部回路6と、を備える。なお、半導体集積回路装置5は、イネーブル端子T1以外にも、外部との電気的接続を確立するための端子(不図示)を備える。また、図5に示す半導体集積回路装置5において、信号出力回路4の代わりに信号出力回路3が設けられてもよい。
【0051】
内部回路6は、信号出力回路4から出力される信号ENがHIGHレベルであるときにイネーブル状態となり、信号出力回路4から出力される信号ENがLOWレベルであるときにディセーブル状態(スタンバイ状態)となる。
【0052】
半導体集積回路装置5の機能は限定されないが、例えば半導体集積回路装置5はLDO(Low Drop Out)等のリニア電源装置の一部又は全部を構成する半導体集積回路装置であってもよい。
【0053】
<その他>
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。これまでに説明してきた各種の実施形態は、矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0054】
例えばコンパレータCMP1の耐圧が高い場合には、信号出力回路3及び4は、MOS電界効果トランジスタQ1が設けられない構成に変更されてもよい。
【0055】
例えば低電圧検出回路U1の代わりに、低電圧以外の異常を検出して異常検出信号を出力する回路が用いられてもよい。
【0056】
<付記>
上述の実施形態にて具体的構成例が示された本開示について付記を設ける。
【0057】
本開示の信号出力回路(3、4)は、第1入力端子、第2入力端子、及び第3入力端子を有するコンパレータ(CMP1)と、イネーブル信号を受け取るように構成されたイネーブル端子(T1)と前記第1入力端子との間に設けられるインバータ(Q2、R5)、又は、前記第1入力端子に接続されるプルアップ抵抗(R2)のいずれか一方と、を備え、前記第1入力端子は、前記イネーブル信号に基づく信号が供給されるように構成され、前記第2入力端子は、基準電圧が供給されるように構成され、前記第3入力端子は、異常検出信号が供給されるように構成され、前記第1入力端子と前記第2入力端子とは極性が異なる構成(第1の構成)である。
【0058】
上記第1の構成の信号出力回路において、前記インバータを備え、前記イネーブル端子に接続されるプルダウン抵抗(R3)をさらに備える構成(第2の構成)であってもよい。
【0059】
上記第1又は第2の構成の信号出力回路において、前記イネーブル端子にカソードが接続されるダイオード(D1)をさらに備える構成(第3の構成)であってもよい。
【0060】
上記第1~第3いずれかの構成の信号出力回路において、第1端及び第2端を有するクランプ素子(Q1)をさらに備え、前記クランプ素子は、前記イネーブル端子と前記第1入力端子との間に設けられ、前記第1端は前記イネーブル端子側に配置され、前記第2端は前記第1入力端子側に配置され、前記クランプ素子は、前記第2端の電圧をクランプするように構成されている構成(第4の構成)であってもよい。
【0061】
上記第4の構成の信号出力回路において、前記インバータを備え、前記クランプ素子はトランジスタであり、前記トランジスタの制御端に供給される電圧と前記インバータの電源電圧とは同一である構成(第5の構成)であってもよい。
【0062】
本開示の半導体集積回路装置(5)は、上記第1~第5いずれかの構成の信号出力回路と、前記イネーブル端子と、を備える構成(第6の構成)である。
【符号の説明】
【0063】
1~4 信号出力回路
5 半導体集積回路装置
6 内部回路
CMP1、CMP2 コンパレータ
D1 ダイオード
Q1、Q2 MOS電界効果トランジスタ
R1~R6 抵抗
SW1 スイッチ
T1 イネーブル端子
VS1、VS2 電圧源
U1 低電圧検出回路
図1
図2
図3
図4
図5