(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073695
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ライティングダクト
(51)【国際特許分類】
F21V 21/34 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
F21V21/34 500
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184533
(22)【出願日】2022-11-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】522091416
【氏名又は名称】国楽(香港)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100164013
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】付 礼華
(57)【要約】
【課題】シーリングローゼットの位置および天井の状態に関わらず、照明器具等を設置したい位置に合わせて給電用レールの取付方向を選択でき、販売時や取付時に取り扱いやすく、梱包を小型化して輸送が容易となるライティングダクトを提供する。
【解決手段】天井に設けられたシーリングローゼット110にアダプタ120を介して取り付けられる本体10と、本体10に対して回動可能に取り付けられた複数本の給電用レール20と、を備える。本体10は、各給電用レール20の一方の端部を回動可能に支持する回動支持部60と、各給電用レール20を回動方向に案内するとともに、回動支持部60よりも各給電用レール20の他方の端部側を支持する案内部70と、を有し、各給電用レール20は、案内部70の任意の位置において、案内部70に対して固定可能とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられたシーリングローゼットにアダプタを介して取り付けられる本体と、
前記本体に対して回動可能に取り付けられた複数本の給電用レールと、
を備え、
前記本体は、
前記各給電用レールの一方の端部を回動可能に支持する回動支持部と、
前記各給電用レールを回動方向に案内するとともに、前記回動支持部よりも前記各給電用レールの他方の端部側を支持する案内部と、を有し、
前記各給電用レールは、前記案内部の任意の位置において、前記案内部に対して固定可能である、
ライティングダクト。
【請求項2】
前記給電用レールは2本設けられており、
該2本の給電用レールが直線状に配置される直線配置状態と、
該2本の給電用レールが相互に平行であって、かつ、隣り合うように配置される平行配置状態と、
を含む任意の配置状態にすることが可能である、
請求項1に記載のライティングダクト。
【請求項3】
前記回動支持部は、
前記給電用レールの回動中心となる位置に給電用開口部を有しており、
シーリングローゼットから前記給電用レールに給電する給電ケーブルは、前記給電用開口部に挿通されている、
請求項1または請求項2に記載のライティングダクト。
【請求項4】
前記本体と前記給電用レールとの間には、
前記給電用開口部の一部を構成するスペーサが設けられており、
前記本体と前記給電用レールとの間には、前記スペーサによって間隙が形成されている、
請求項3に記載のライティングダクト。
【請求項5】
前記本体は、
アダプタに取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に取り付けられるシーリングカバーと、を有し、
前記案内部は、前記シーリングカバーに対して側方に突出するように設けられているとともに、天井に当接させるための複数の保持部材が設けられている、
請求項1または請求項2に記載のライティングダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電用レールに照明器具等を装着可能なライティングダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に設けられたシーリングローゼットにアダプタを介して取り付けられるライティングダクト(ダクトレール)が知られている(例えば、特許文献1参照)。ライティングダクトは、直線状の給電用レールを有し、給電用レールに装着された照明器具等に対して給電することが可能である。また、給電用レールに装着された照明器具等の装着位置を給電用レールの長手方向に沿って移動させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライティングダクトをシーリングローゼットに取り付ける際に、給電用レールの取付方向がシーリングローゼットの位置によって制限を受ける場合がある。例えば、天井に設けられたシーリングローゼットの近傍に梁などの構造物が突出している場合、構造物と干渉しないように給電用レールの取付方向を選択する必要がある。このため、シーリングローゼットの位置や天井の状態によっては、照明器具等を設置したい位置に合わせて給電用レールの取付方向を選択できないという問題があった。
【0005】
また、給電用レールは長尺であるため、販売時や取付時に取り扱いにくい場合がある。さらに、ライティングダクトの輸送時には、梱包が大型するため輸送しにくくなるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、シーリングローゼットの位置および天井の状態に関わらず、照明器具等を設置したい位置に合わせて給電用レールの取付方向を選択できるようにするとともに、販売時や取付時に取り扱いやすく、さらに、梱包を小型化して輸送が容易となるライティングダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のライティングダクトは、
天井に設けられたシーリングローゼットにアダプタを介して取り付けられる本体と、
前記本体に対して回動可能に取り付けられた複数本の給電用レールと、
を備え、
前記本体は、
前記各給電用レールの一方の端部を回動可能に支持する回動支持部と、
前記各給電用レールを回動方向に案内するとともに、前記回動支持部よりも前記各給電用レールの他方の端部側を支持する案内部と、を有し、
前記各給電用レールは、前記案内部の任意の位置において、前記案内部に対して固定可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のライティングダクトによれば、シーリングローゼットの位置および天井の状態に関わらず、照明器具等を設置したい位置に合わせて給電用レールの取付方向を選択できるとともに、販売時や取付時に取り扱いやすく、さらに、梱包を小型化することができ、輸送を容易とすることができる。
また、各給電用レールを回動支持部および案内部で支持するため、ライティングダクトの耐荷重性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係るライティングダクトの斜視図である。
【
図2】
図2は、ライティングダクトの給電用レールに照明器具を装着した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、天井に設けられたシーリングローゼットにアダプタを介してライティングダクトを取り付ける状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、ライティングダクトの本体および給電用レールの正面図である。
【
図5】
図5は、ライティングダクトの本体および給電用レールの平面図である。
【
図6】
図6は、ライティングダクトの本体および給電用レールの底面図である。
【
図8】
図8は、ライティングダクトの給電用レールを直線配置状態とした状態を示す底面図である。
【
図9】
図9は、ライティングダクトの給電用レールを平行配置状態とした状態を示す底面図である。
【
図10】
図10は、ライティングダクトの給電用レールを屈曲配置状態とした状態を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態にかかるライティングダクトは、
天井に設けられたシーリングローゼットにアダプタを介して取り付けられる本体と、
前記本体に対して回動可能に取り付けられた複数本の給電用レールと、
を備え、
前記本体は、
前記各給電用レールの一方の端部を回動可能に支持する回動支持部と、
前記各給電用レールを回動方向に案内するとともに、前記回動支持部よりも前記各給電用レールの他方の端部側を支持する案内部と、を有し、
前記各給電用レールは、前記案内部の任意の位置において、前記案内部に対して固定可能である(第1の構成)。
【0011】
上記構成によれば、ライティングダクトは本体に対して回動可能に取り付けられた複数本の給電用レールを備え、各給電用レールは、回動支持部を中心としてそれぞれ回動させた状態に配置することができる。
また、各給電用レールは、回動支持部および案内部において支持されるため、各給電用レールを安定して天井に設置することができる。
このため、シーリングローゼットの位置および天井の状態に関わらず、照明器具等を設置したい位置に合わせて給電用レールの取付方向を選択することができる。また、複数本の給電用レールをコンパクトに折り畳むことによって販売時や取付時に取り扱いやすくすることができ、さらに、梱包を小型化して輸送を容易とすることができる。
また、各給電用レールを回動支持部および案内部で支持するため、ライティングダクトの耐荷重性能を向上させることができる。
【0012】
上記第1の構成において、
前記給電用レールは2本設けられており、
該2本の給電用レールが直線状に配置される直線配置状態と、
該2本の給電用レールが相互に平行であって、かつ、隣り合うように配置される平行配置状態と、
を含む任意の配置状態にできるようにしてもよい(第2の構成)。
【0013】
上記構成によれば、給電用レールは2本設けられており、2本の給電用レールは、直線配置状態と平行配置状態とを含む任意の配置状態にすることが可能である。
このため、天井への設置時に2本の給電用レールを直線状に配置したり、2本の給電用レールを直角など角度をつけて配置することができる。また、2本の給電用レールを平行に折り畳んで配置することにより、給電用レールを実質的に短くして使用することができるとともに、ライティングダクトの販売時や取付時、および輸送時に2本の給電用レールをコンパクトに折り畳むことができる。
【0014】
上記第1または第2の構成において、
前記回動支持部は、
前記給電用レールの回動中心となる位置に給電用開口部を有しており、
シーリングローゼットから前記給電用レールに給電する給電ケーブルは、前記給電用開口部に挿通されていてもよい(第3の構成)。
【0015】
上記構成によれば、シーリングローゼットから給電用レールに給電する給電ケーブルは、給電用レールの回動中心となる位置に設けられた給電用開口部に挿通されている。
このため、給電用レールを回動させるために必要な給電ケーブルに弛みを少なくすることができ、外部に露出する給電ケーブルの長さを短くして外部から給電ケーブルを見えにくくすることができる。
【0016】
上記第3の構成において、
前記本体と前記給電用レールとの間には、
前記給電用開口部の一部を構成するスペーサが設けられており、
前記本体と前記給電用レールとの間には、前記スペーサによって間隙が形成されていてもよい(第4の構成)。
【0017】
上記構成によれば、本体と給電用レールとの間にはスペーサが配置されており、スペーサによって間隙が形成されている。
このため、本体と給電用レールとの干渉を防止しながら、給電用レールを本体に対して安定して支持することができるため、各給電用レールを安定して天井に設置することができる。
【0018】
上記第1または第2の構成において、
前記本体は、
アダプタに取り付けられる取付部材と、
前記取付部材に取り付けられるシーリングカバーと、を有し、
前記案内部は、前記シーリングカバーに対して側方に突出するように設けられているとともに、天井に当接させるための複数の保持部材が設けられていてもよい(第5の構成)。
【0019】
上記構成によれば、案内部は、シーリングカバーに対して側方に突出するように設けられているとともに、天井に当接させるための複数の保持部材が設けられている。
このため、本体を天井に対して安定して設置することができ、各給電用レールを様々な状態に配置しても、各給電用レールを安定して天井に設置することができる。
【0020】
[実施形態1]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るライティングダクト100について詳しく説明する。以下の図では、矢印Fはライティングダクト100の前方向、矢印Bは後方向を示す。矢印Rはライティングダクト100の右方向、矢印Lは左方向を示す。矢印Uはライティングダクト100の上方向、矢印Dは下方向を示す。
【0021】
以下の図では同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0022】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態1に係るライティングダクト100の斜視図である。
図1に示すように、ライティングダクト100は、本体10および給電用レール20(第1給電用レール21および第2給電用レール22)を有している。ライティングダクト100は、給電用レール20に装着された照明器具200等に対して給電することが可能である(
図2参照)。また、給電用レール20に装着された照明器具200等の装着位置を給電用レール20(第1給電用レール21および第2給電用レール22)の長手方向に沿って移動させることが可能である。
【0023】
本体10は、天井に予め設けられているシーリングローゼット110にアダプタ120を介して取り付けられる(
図3参照)。給電用レール20は、第1給電用レール21および第2給電用レール22の2本を有しており、それぞれ本体10に対して回動可能に取り付けられる(
図8から
図10参照)。以下の説明では、第1給電用レール21および第2給電用レール22を単に給電用レール20として説明する場合がある。
【0024】
本体10および給電用レール20には、複数の保持部材80が設けられている。本実施形態では、本体10の前後左右と給電用レール20の両端部に保持部材80が設けられている。保持部材80は、ライティングダクト100を天井に取り付けた状態で長さを調節することにより天井に当接させることができる。これにより、照明器具200の取り付けによる給電用レール20の傾きを調整して、ライティングダクト100を天井に対して安定して設置することができる。保持部材80は、ライティングダクト100を天井に取り付けた状態で手指でネジを回して長さを調整することができる。
【0025】
図2は、ライティングダクト100の給電用レール20に照明器具200を装着した状態を示す斜視図である。第1給電用レール21および第2給電用レール22は、それぞれアルミニウム等の金属素材や合成樹脂素材等のフレーム24で構成されている。フレーム24の下部には、溝部26が形成されている。溝部26の内側には長手方向に沿って一対のレール状電極が配設されている。レール状電極は、シーリングローゼット110およびアダプタ120を介して屋内配線に接続されており(
図3参照)、第1給電用レール21および第2給電用レール22に装着された照明器具200に対して給電することができる。第1給電用レール21および第2給電用レール22に装着された照明器具200は、それぞれ装着位置を第1給電用レール21および第2給電用レール22の長手方向に沿って移動させることが可能である。
【0026】
図3は、天井に設けられたシーリングローゼット110にアダプタ120を介してライティングダクト100を取り付ける状態を示す斜視図である。
図3に示すように、本体10は、取付部材30およびシーリングカバー40を有している。シーリングローゼット110にアダプタ120を取り付け、アダプタ120に取付部材30を取り付け、取付部材30にシーリングカバー40を取り付けることにより、ライティングダクト100を天井に取り付けることができる。シーリングローゼット110およびアダプタ120は、従来公知の構成を有している。
【0027】
シーリングローゼット110には、一対の端子挿入口112が設けられている。端子挿入口112の内部には屋内配線に接続された端子(図示せず)が配置されている。
図3に示したシーリングローゼット110は、埋込型と呼ばれるタイプのものであるが、露出型など他のタイプのものであってもよい。
【0028】
アダプタ120の上面には、一対の端子(図示せず)が設けられている。アダプタ120の端子をシーリングローゼット110の端子挿入口112に挿入し、その状態でアダプタ120を所定の方向に回転させることにより、アダプタ120はシーリングローゼット110に取り付けられるとともに、屋内配線と電気的に接続される。
【0029】
アダプタ120の下部には、電源ケーブル122が設けられている。電源ケーブル122は、アダプタ120の端子と接続されている。電源ケーブル122の端部には、本体10に設けられた電源ケーブル12(
図5参照)に接続するためのコネクタ124が設けられている。
【0030】
アダプタ120の側部には、一対の係止爪126が設けられている。一対の係止爪126は、アダプタ120の径方向に出没可能であるとともに、径方向外側に向けて付勢されている。
【0031】
取付部材30は、金属板によって側部31と底部32が形成されている。側部31は、円筒状の形状を有しており、上部は開放されている。底部32の中央部には挿通穴34が設けられている。挿通穴34の外側には、下方に向けて本体取付用ボルト36が設けられている。
【0032】
挿通穴34は、アダプタ120の外径よりもやや大きく形成されており、アダプタ120の下部を挿通させることが可能である。シーリングローゼット110に取り付けられたアダプタ120に対して取付部材30を下から装着し、アダプタ120を挿通穴34に挿通させると、一対の係止爪126は挿通穴34の縁部に当接してアダプタ120の内部に退避する。挿通穴34が一対の係止爪126を通過すると、一対の係止爪126はアダプタ120の外部に突出した状態に復帰する。これにより、一対の係止爪126に挿通穴34が係止された状態となり、取付部材30は、シーリングローゼット110に取り付けられたアダプタ120に対して取り付けられた状態となる。
【0033】
シーリングカバー40には、取付部材30の本体取付用ボルト36に対応する位置に、本体取付用ボルト穴48が設けられている。アダプタ120に取り付けられた取付部材30に対してシーリングカバー40を下から装着し、本体取付用ボルト穴48に本体取付用ボルト36を挿通させて本体取付用ナット38で締結する。これにより、シーリングカバー40は、取付部材30に取り付けられた状態となり、本体10は、アダプタ120を介してシーリングローゼット110に取り付けられた状態となる。
【0034】
[給電用レールの回動機構]
続いて、給電用レール20(第1給電用レール21および第2給電用レール22)の回動機構について説明する。本実施形態では、給電用レール20の回動機構として回動支持部60および案内部70を有している。給電用レール20(第1給電用レール21および第2給電用レール22)は、それぞれ本体10に対して回動可能である(
図8から
図10参照)。
【0035】
図4は、ライティングダクト100の本体10および給電用レール20の正面図である。
図4に示すように、シーリングカバー40は、カバー本体41およびカバー案内部50を有している。本実施形態ではカバー本体41およびカバー案内部50を別部材としたが、これらを一体として構成するようにしてもよい。
【0036】
カバー本体41は、金属板によって側部42と底部43が形成されている。側部42は、円筒状の形状を有しており、上部は開放されている。底部43には、給電用レール20(第1給電用レール21および第2給電用レール22)を支持する回動支持部60が設けられている。回動支持部60は、第1給電用レール21および第2給電用レール22のそれぞれの一方の端部を回動可能に支持している。第1給電用レール21の左端部と第2給電用レール22の右端部の間には間隙D1を形成しており、第1給電用レール21および第2給電用レール22をそれぞれ回動させた場合に端部同士が干渉することを防止している。
【0037】
カバー案内部50は、カバー本体41の下部に取り付けられている。カバー案内部50の周縁部は、カバー本体41の底部43に対して突出するように構成されている。カバー案内部50が底部43に対して突出している部分には、案内部70が設けられている。案内部70は、第1給電用レール21および第2給電用レール22をそれぞれ回動方向に案内するとともに、回動支持部60から離れた位置において、第1給電用レール21および第2給電用レール22を支持している。
【0038】
図5は、ライティングダクト100の本体10および給電用レール20の平面図である。
図6は、ライティングダクト100の本体10および給電用レール20の底面図である。
図7は、
図5のA-A線における断面図である。
【0039】
図5に示すように、本体10の内部には、電源ケーブル12が配置されている。電源ケーブル12は、第1給電用レール21および第2給電用レール22に設けられたレール状電極に電気的に接続されている。電源ケーブル12の先端には、アダプタ120の電源ケーブル122と接続するためのコネクタ14が設けられている。
【0040】
図5および
図6に示すように、底部43には、本体取付用ボルト穴48および回動支持部60が設けられている。本体取付用ボルト穴48は、取付部材30の本体取付用ボルト36が挿通される穴である(
図3参照)。本体取付用ボルト穴48は、給電用レール20と本体取付用ボルト36とが干渉しにくい位置に設けられている。本実施形態では、給電用レール20は左右方向に延びており、それぞれ前後方向に回動するため(
図8から
図10)、本体取付用ボルト穴48は、給電用レール20と干渉しにくい前後位置に設けられている。
【0041】
回動支持部60は、第1回動支持部61および第2回動支持部62を有している。第1回動支持部61および第2回動支持部62は、それぞれ第1給電用レール21および第2給電用レール22の回動中心となる部分である。第1回動支持部61は、第1給電用レール21の左端部付近を支持しており、第2回動支持部62は、第2給電用レール22の右端部付近を支持している。
【0042】
図7に示すように、第1回動支持部61および第2回動支持部62は、それぞれ中心部を上下方向に嵌通する給電用開口部64を有している。シーリングローゼット110から給電用レール20に給電する給電ケーブル12は、給電用開口部64に挿通されている。第1給電用レール21および第2給電用レール22の回動中心となる部分に給電ケーブル12が配置されているため、第1給電用レール21および第2給電用レール22を回動させても給電ケーブル12が引っ張られにくく張力が加わりにくい。よって第1給電用レール21および第2給電用レール22を回動させるために必要な給電ケーブル12に弛みを少なくすることができ、外部に露出する給電ケーブル12の長さを短くして外部から給電ケーブル12を見えにくくすることができる。給電用開口部64は、例えばボルトの中心軸方向に形成された貫通穴であってもよい。
【0043】
第1回動支持部61および第2回動支持部62は、それぞれスペーサ66を有している。スペーサ66は、本体10(カバー案内部50)の下部と給電用レール20との間に配置されている。スペーサ66を設けることによって、本体10(カバー案内部50)の給電用レール20との間に間隙D2を形成することができ、本体10(カバー案内部50)やボルト等と給電用レール20との干渉を防止することができる。また、本体10に対して回動可能とした給電用レール20を本体10に対して安定して支持することができるため、第1給電用レール21および第2給電用レール22を安定して天井に設置することができる。なお、スペーサ66は、第1給電用レール21および第2給電用レール22を安定させるため、例えば外径が大きいワッシャを重ねて使用することができる。
【0044】
図5および
図6に戻って、案内部70は、スリット71および案内固定部74を有している。スリット71は、第1スリット72および第2スリット73を有しており、それぞれカバー案内部50に設けられている。第1スリット72は、第1回動支持部61を中心とする半円弧形状を有している。第2スリット73は、第2回動支持部62を中心とする半円弧形状を有している。第1スリット72および第2スリット73は、底部43の中心に対して左右対称の位置に形成されている。
【0045】
案内固定部74は、第1案内固定部75および第2案内固定部76を有している。第1案内固定部75および第2案内固定部76は、第1スリット72および第2スリット73に対して移動可能な状態と、固定状態とを切り替えることができる。第1案内固定部75および第2案内固定部76を移動可能にした状態では、第1給電用レール21および第2給電用レール22を本体10に対して回動させることができる。第1案内固定部75および第2案内固定部76を固定状態にすると、第1給電用レール21および第2給電用レール22は、任意の回動位置において本体10に固定される。
【0046】
図7に示すように、第1案内固定部75および第2案内固定部76は、それぞれ案内ボルト77および切替ナット78を有している。案内ボルト77は、第1給電用レール21および第2給電用レール22に固定されており、それぞれ第1スリット72および第2スリット73に挿通されている。切替ナット78は、第1スリット72および第2スリット73の上方で案内ボルト77に螺合している。
【0047】
切替ナット78を緩めた状態では、第1案内固定部75および第2案内固定部76がそれぞれ第1スリット72および第2スリット73に対して移動可能な状態となり、第1給電用レール21および第2給電用レール22を本体10に対して回動させることができる。
【0048】
切替ナット78を締めた状態では、第1案内固定部75および第2案内固定部76は第1スリット72および第2スリット73に対して固定状態となり、第1給電用レール21および第2給電用レール22を任意の回動位置において本体10に固定された状態にすることができる。
【0049】
図8は、ライティングダクト100の給電用レール20を直線配置状態P1とした状態を示す底面図である。
図9は、ライティングダクト100の給電用レール20を平行配置状態P2とした状態を示す底面図である。
図10は、ライティングダクト100の給電用レール20を屈曲配置状態P3とした状態を示す底面図である。
【0050】
図8では、第1給電用レール21および第2給電用レール22は、それぞれ左右方向に延びた直線配置状態P1となっている。この状態で第1案内固定部75および第2案内固定部76を移動可能な状態にすると(
図7参照)、第1給電用レール21および第2給電用レール22は、それぞれ第1スリット72および第2スリット73に対して回動可能な状態となる。
【0051】
図9では、第1給電用レール21および第2給電用レール22を、それぞれ後方に回動させて相互に平行に配置させた平行配置状態P2となっている。このように第1給電用レール21および第2給電用レール22を平行に折り畳んで配置することにより、給電用レール20を実質的に短くして使用することができるとともに、ライティングダクト100の販売時や取付時、および輸送時に給電用レール20をコンパクトに折り畳むことができる。
【0052】
図10では、
図8または
図9の状態から、第1給電用レール21または第2給電用レール22のいずれか一方を回動させることにより、ライティングダクト100の給電用レール20を屈曲配置状態P3とした状態を示している。
図10では、第1給電用レール21および第2給電用レール22は略90度となるように屈曲されているが、第1給電用レール21および第2給電用レール22を屈曲させる角度は90度に限定されず、任意の角度にすることができる。この状態で第1案内固定部75および第2案内固定部76を固定状態にすると、第1給電用レール21および第2給電用レール22は、それぞれ任意の角度で固定される。
【0053】
以上説明した本実施形態に係るライティングダクト100によれば、本体10に対して回動可能に取り付けられた第1給電用レール21および第2給電用レール22を備えており、第1給電用レール21および第2給電用レール22は、回動支持部60を中心としてそれぞれ回動させた状態に配置することができる。
また、第1給電用レール21および第2給電用レール22は、回動支持部60および案内部70において支持されるため、第1給電用レール21および第2給電用レール22を安定して天井に設置することができる。
このため、シーリングローゼット110の位置および天井の状態に関わらず、照明器具200等を設置したい位置に合わせて第1給電用レール21および第2給電用レール22の取付方向を選択することができる。また、第1給電用レール21および第2給電用レール22をコンパクトに折り畳むことによって販売時や取付時に取り扱いやすくすることができ、さらに、梱包を小型化して輸送を容易とすることができる。
また、第1給電用レール21および第2給電用レール22を回動支持部60および案内部70で支持するため、ライティングダクト100の耐荷重性能を向上させることができる。
【0054】
[変形例]
以上説明した本発明に係るライティングダクトは、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、給電用レールの回動機構は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0055】
また、ライティングダクトをシーリングローゼットに取り付ける手段や、シーリングカバーの形状等は、本実施形態のものに限定されない。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 ライティングダクト
10 本体
20 給電用レール
21 第1給電用レール
22 第2給電用レール
60 回動支持部
61 第1回動支持部
62 第2回動支持部
70 案内部
110 シーリングローゼット
120 アダプタ