(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073699
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】モータ制御装置、モータ駆動装置、モータシステム、及び電気機器
(51)【国際特許分類】
H02P 6/08 20160101AFI20240523BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240523BHJP
【FI】
H02P6/08
H02M7/48 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184539
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉光 佑典
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 基也
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】橋本 明
(72)【発明者】
【氏名】平田 茂
【テーマコード(参考)】
5H560
5H770
【Fターム(参考)】
5H560AA02
5H560BB04
5H560BB12
5H560DA02
5H560DA13
5H560DC12
5H560EB01
5H560EC07
5H560UA10
5H560XA08
5H560XA12
5H770BA01
5H770BA05
5H770DA03
5H770EA01
5H770EA21
5H770EA27
5H770HA03W
5H770HA07Z
(57)【要約】
【課題】3相変調制御方式における各相の駆動信号をアナログ回路で容易に実現することができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置(10)は、入力電圧を受け取り、前記入力電圧に応じた波高値を有し且つ基準電位以上であるアナログ電圧を生成するように構成された生成部(1)と、前記生成部から出力される前記アナログ電圧に基づくPWM電圧を生成するように構成された変調部(2)と、前記PWM電圧の所定期間においてデューティを反転させるように構成された反転部(3)と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を受け取り、前記入力電圧に応じた波高値を有し且つ基準電位以上であるアナログ電圧を生成するように構成された生成部と、
前記生成部から出力される前記アナログ電圧に基づくPWM電圧を生成するように構成された変調部と、
前記PWM電圧の所定期間においてデューティを反転させるように構成された反転部と、
を備える、モータ制御装置。
【請求項2】
前記変調部は、前記アナログ電圧と三角波電圧とを比較して前記PWM電圧を生成するように構成され、
前記基準電位は、前記三角波電圧の最小値より大きい、請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記基準電位は、前記三角波電圧の中点電位と等しい、請求項2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記反転部は、モータのロータ位置に基づき前記所定期間を設定するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記生成部は、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を備える、請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記生成部が前記2相変調制御モードで動作するときに、前記反転部は反転動作を停止する状態である、請求項5に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
前記生成部は、モータの回転速度又は前記入力電圧に応じて、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を切り替えるように構成されている、請求項5に記載のモータ制御装置。
【請求項8】
直流電圧を交流電圧に変換するように構成されたインバータ部と、
前記インバータ部をスイッチング制御するように構成された請求項1~7のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
を備える、モータ駆動装置。
【請求項9】
モータと、
前記モータを駆動するように構成された請求項8に記載のモータ駆動装置と、
を備える、モータシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のモータシステムを備える、電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、モータ制御装置、モータ駆動装置、モータシステム、及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
三相ブラシレスモータの制御方式として、2相変調制御方式及び3相変調制御方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
2相変調制御方式は、U相、V相、及びW相の3相のうち2相に対応するスイッチング素子をスイッチング制御する方式である。2相変調制御方式では、
図1に示す各相の駆動信号S1u、S1v、及びS1wが用いられる。各相の駆動信号S1u、S1v、及びS1wは、入力電圧Vinに応じた波高値を有し且つ第1基準電位RP1(例えば0[V])以上である信号である。
【0004】
3相変調制御方式は、U相、V相、及びW相の3相全てに対応するスイッチング素子をスイッチング制御する方式である。3相変調制御方式では、
図2に示す各相の駆動信号S2u、S2v、及びS2wが用いられる。各相の駆動信号S2u、S2v、及びS2wは、入力電圧Vinに応じた波高値を有し且つ第1基準電位RP1より大きい第2基準電位RP2以上である第1区間と第2基準電位RP2以下である第2区間とを周期的に繰り返す信号である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-184426号公報(段落0036)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3相変調制御方式における各相の駆動信号S2u、S2v、及びS2wの第2区間をアナログ回路で実現することが困難であった。そのため、従来、3相変調制御方式における各相の駆動信号S2u、S2v、及びS2wの第2区間は、マイクロコンピュータ及びロジック回路を用いて実現されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るモータ制御装置は、入力電圧を受け取り、前記入力電圧に応じた波高値を有し且つ基準電位以上であるアナログ電圧を生成するように構成された生成部と、前記生成部から出力される前記アナログ電圧に基づくPWM電圧を生成するように構成された変調部と、前記PWM電圧の所定期間においてデューティを反転させるように構成された反転部と、を備える。
【0008】
本開示に係るモータ駆動装置は、直流電圧を交流電圧に変換するように構成されたインバータ部と、前記インバータ部をスイッチング制御するように構成された上記モータ制御装置と、を備える。
【0009】
本開示のモータシステムは、モータと、前記モータを駆動するように構成された上記モータ駆動装置と、を備える。
【0010】
本開示の電気機器は、上記モータシステムを備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、3相変調制御方式における各相の駆動信号をアナログ回路で容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、2相変調制御方式における各相の駆動信号を示す図である。
【
図2】
図2は、3相変調制御方式における各相の駆動信号を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るモータシステムの概略構成を示す図である。
【
図4】
図4は、2相変調制御モードにおいて、生成部によって生成されるアナログ電圧及び変調部によって生成される三角波電圧の波形を示す図である。
【
図5】
図5は、3相変調制御モードにおいて、生成部によって生成されるアナログ電圧及び変調部によって生成される三角波電圧の波形を示す図である。
【
図6】
図6は、空気調和機の一構成例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<モータシステム>
図3は、実施形態に係るモータシステムの概略構成を示す図である。
図3に示すモータシステムSYS1は、生成部1と、変調部2と、反転部3と、インバータ部4と、モータ5と、を備える。
【0014】
モータ制御装置10は、生成部1と、変調部2と、反転部3と、を備える。モータ制御装置10は、インバータ部4をスイッチング制御する。モータ駆動装置20は、モータ制御装置10と、インバータ部4と、を備える。モータ駆動装置20は、モータ5を駆動する。
【0015】
生成部1は、入力電圧Vinを受け取る。入力電圧Vinは直流のアナログ電圧である。入力電圧Vinは、例えば外部の制御装置から生成部1に供給される。
【0016】
生成部1は、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を備える。生成部1は、モータ5の回転速度又は入力電圧Vinに応じて、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を切り替える。
【0017】
生成部1は、2相変調制御モードで動作する場合、入力電圧Vinに応じた波高値を有し且つ第1基準電位RP1(例えば0[V])以上であるアナログ電圧A1u、A1v、及びA1w(
図4参照)を生成する。本実施形態では、アナログ電圧A1u、A1v、及びA1wの波高値は入力電圧Vinと等しいが、これは一例である。アナログ電圧A1u、A1v、及びA1wの波高値は入力電圧Vinに対して演算処理を行って得られる値であってもよい。
【0018】
生成部1は、3相変調制御モードで動作する場合、入力電圧Vinに応じた波高値を有し且つ第1基準電位RP1より大きい第2基準電位RP2以上であるアナログ電圧A2u、A2v、及びA2w(
図5参照)を生成する。本実施形態では、アナログ電圧A2u、A2v、及びA2wの波高値は入力電圧Vinの1/2であるが、これは一例である。アナログ電圧A2u、A2v、及びA2wの波高値は入力電圧Vinと等しくてもよく、アナログ電圧A2u、A2v、及びA2wの波高値は入力電圧Vinに対して1/2を乗算する演算処理以外の演算処理を行って得られる値であってもよい。
【0019】
変調部2は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、生成部1から出力されるアナログ電圧A1u、A1v、及びA1wに基づくPWM(Pulse Width Modulation)電圧を生成する。具体的には、変調部2は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、三角波電圧T1(
図4参照)を生成する。
【0020】
なお、三角波電圧とは、一定の傾きで増加する増加区間と、一定の傾きで減少する減少区間と、を周期的に繰り返す電圧である。増加区間の傾きの絶対値と、減少区間の傾きの絶対値とは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。三角波電圧は、増加区間の傾きの絶対値及び減少区間の傾きの絶対値にいずれか一方が無限大である所謂鋸歯電圧であってもよい。
【0021】
そして、変調部2は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、アナログ電圧A1uと三角波電圧T1とを比較してU相のPWM電圧を生成する。アナログ電圧A1uが三角波電圧T1より大きいときにU相のPWM電圧はHIGHレベルになり、アナログ電圧A1uが三角波電圧T1より小さいときにU相のPWM電圧はLOWレベルになる。同様に、変調部2は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、アナログ電圧A1vと三角波電圧T1とを比較してV相のPWM電圧を生成する。アナログ電圧A1vが三角波電圧T1より大きいときにV相のPWM電圧はHIGHレベルになり、アナログ電圧A1vが三角波電圧T1より小さいときにV相のPWM電圧はLOWレベルになる。同様に、変調部2は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、アナログ電圧A1wと三角波電圧T1とを比較してW相のPWM電圧を生成する。アナログ電圧A1wが三角波電圧T1より大きいときにW相のPWM電圧はHIGHレベルになり、アナログ電圧A1wが三角波電圧T1より小さいときにW相のPWM電圧はLOWレベルになる。
【0022】
三角波電圧T1の最小値は、第1基準電位RP1と等しい。
【0023】
変調部2は、生成部1が3相変調制御モードで動作する場合、生成部1から出力されるアナログ電圧A2u、A2v、及びA2wに基づくPWM電圧を生成する。具体的には、、変調部2は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、三角波電圧T2(
図5参照)を生成する。
【0024】
そして、変調部2は、生成部1が3相変調制御モードで動作する場合、アナログ電圧A2uと三角波電圧T2とを比較してU相のPWM電圧を生成する。アナログ電圧A2uが三角波電圧T2より大きいときにU相のPWM電圧はHIGHレベルになり、アナログ電圧A2uが三角波電圧T2より小さいときにU相のPWM電圧はLOWレベルになる。同様に、変調部2は、生成部1が3相変調制御モードで動作する場合、アナログ電圧A2vと三角波電圧T2とを比較してV相のPWM電圧を生成する。アナログ電圧A2vが三角波電圧T2より大きいときにV相のPWM電圧はHIGHレベルになり、アナログ電圧A2vが三角波電圧T2より小さいときにV相のPWM電圧はLOWレベルになる。同様に、変調部2は、生成部1が3相変調制御モードで動作する場合、アナログ電圧A2wと三角波電圧T2とを比較してW相のPWM電圧を生成する。アナログ電圧A2wが三角波電圧T2より大きいときにW相のPWM電圧はHIGHレベルになり、アナログ電圧A2wが三角波電圧T2より小さいときにW相のPWM電圧はLOWレベルになる。
【0025】
三角波電圧T2の最小値は、第2基準電位RP2より小さい。すなわち、第2基準電位RP2は、三角波電圧T2の最小値より大きい。より具体的には、第2基準電位RP2は、三角波電圧T2の中点電位と等しい。三角波電圧T2の中点電位の値は、三角波電圧T2の最大値と最小値との加算値を2で除算した値である。
【0026】
反転部3は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、反転動作を停止する状態である。したがって、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、変調部2から出力される各相のPWM電圧は反転部3をスルーしてインバータ部4に供給され、インバータ部4は、変調部2から出力される各相のPWM電圧によってスイッチング制御される。
【0027】
反転部3は、生成部1が3相変調制御モードで動作する場合、変調部2から出力される各相のPWM電圧の所定期間P1(
図5参照)においてデューティを反転させる。デューティの反転とは、PWM電圧のHIGHレベル区間とLOWレベル区間とを入れ替えることを意味している。デューティの反転は、ロジック回路のNOTゲートによって容易に実施することができる。
【0028】
反転部3は、モータ5のロータ位置に基づき各相のPWM電圧それぞれに関して上記の所定期間P1を設定する。ロータ位置の検出方式は、ホールセンサによる検出、シャント電流による検出、逆起電圧による検出など、どのような方式でもよい。なお、シャント電流は、各相電流でもよく、全相まとめた電流でもよい。
【0029】
インバータ部4は、生成部1が2相変調制御モードで動作する場合、変調部2から出力される各相のPWM電圧によってスイッチング制御され、直流電圧を三相交流電圧に変換する。
【0030】
インバータ部4は、生成部1が3相変調制御モードで動作する場合、反転部3による反転処理が施された後の各相のPWM電圧によってスイッチング制御され、直流電圧を三相交流電圧に変換する。
【0031】
モータ5は、インバータ部4から出力される三相交流電圧によって駆動する。モータ5は、三相ブラシレスモータであり、例えばIPM(Interior Permanent Magnet)モータである。
【0032】
上記構成のモータ制御装置10によれば、3相変調制御方式における各相の駆動信号(アナログ電圧A2u、A2v、及びA2w)をアナログ回路で容易に実現することができる。
【0033】
また、上記構成のモータ制御装置10によれば、3相変調制御モードにおいて、入力電圧Vinの変化に対してアナログ電圧A2u、A2v、及びA2wの各波高値を連続的に変化させることができる。一方、3相変調制御モードにおいて、従来技術のようにマイクロコンピュータ及びロジック回路を用いて各相の駆動信号が生成される場合、入力電圧Vinの変化に対して各相の駆動信号の各波高値は離散的に変化する。したがって、上記構成のモータ制御装置10は、従来技術と比較して制御の正確性に優れる。
【0034】
また、上記構成のモータ制御装置10によれば、2相変調制御モードにおける各相の駆動信号(アナログ電圧A1u、A1v、及びA1w)を生成する回路部分と、3相変調制御モードにおける各相の駆動信号(アナログ電圧A2u、A2v、及びA2w)を生成する回路部分と、の大半を生成部1において共用することができる。これにより、モータ制御装置10の実装面積の小型化を図ることができる。
【0035】
<モータシステムの適用例>
図6は、空気調和機の一構成例を示す外観図である。本構成例の空気調和機Yは、室内機Y1と、室外機Y2と、これらを連結する配管Y3と、を有する。なお、室内機Y1は、主として、蒸発器及び室内ファンを内蔵しており、室外機Y2は、主として、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び室外ファンを内蔵している。
【0036】
本構成例の空気調和機Yは、例えば上述したモータシステムSYS1を2つ備える。2つの上述したモータシステムSYS1の一方は、室内ファンのインペラを回転させるファンモータとして用いられる。また、2つの上述したモータシステムSYS1の他方は、室外ファンのインペラを回転させるファンモータとして用いられる。
【0037】
空気調和機Yの冷房運転時には、まず、室外機Y2の圧縮機で冷媒を圧縮して高温高圧の気体とした後、室外機Y2の凝縮器で放熱して冷媒を液化させる。その際、放熱を促すために室外ファンを回して凝縮器に風が当てられるので、室外機Y2からは熱風が吹き出す。次に、液化された冷媒を室外機Y2の膨張弁で減圧して低温低圧の液体とした後、配管Y3を介して室内機Y1に送り、室内機Y1の蒸発器で気化させる。その際、蒸発器は冷媒の気化熱によって低温となるので、室内ファンを回して蒸発器に風を当てることにより、室内機Y1から室内に向けて冷風が送り出される。気化された冷媒は、再び配管Y3を介して室外機Y2に送られた後、上記と同様の熱交換処理が繰り返される。
【0038】
なお、空気調和機Yの暖房運転時には、冷媒の循環方向が逆となり、室内機Y1の蒸発器と室外機Y2の凝縮器の役割が入れ替わるものの、基本的には上記と同様の熱交換処理が行われる。
【0039】
上述したモータシステムSYS1は、空気調和機以外の電気機器に搭載されてもよい。空気調和機以外の電気機器としては、例えば、給湯ポンプ、食洗器、洗濯機などを挙げることができる。
【0040】
<その他>
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。これまでに説明してきた各種の実施形態は、矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0041】
例えば、上述したモータシステムSYS1の生成部1は、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を備える構成であったが、生成部1は2相変調制御モードを備えない構成であってもよい。
【0042】
<付記>
上述の実施形態にて具体的構成例が示された本開示について付記を設ける。
【0043】
本開示のモータ制御装置(10)は、入力電圧を受け取り、前記入力電圧に応じた波高値を有し且つ基準電位以上であるアナログ電圧を生成するように構成された生成部(1)と、前記生成部から出力される前記アナログ電圧に基づくPWM電圧を生成するように構成された変調部(2)と、前記PWM電圧の所定期間においてデューティを反転させるように構成された反転部(3)と、を備える構成(第1の構成)である。
【0044】
上記第1の構成のモータ制御装置において、前記変調部は、前記アナログ電圧と三角波電圧とを比較して前記PWM電圧を生成するように構成され、前記基準電位は、前記三角波電圧の最小値より大きい構成(第2の構成)であってもよい。
【0045】
上記第2の構成のモータ制御装置において、前記基準電位は、前記三角波電圧の中点電位と等しい構成(第3の構成)であってもよい。
【0046】
上記第1~第3いずれかの構成のモータ制御装置において、前記反転部は、モータのロータ位置に基づき前記所定期間を設定するように構成されている構成(第4の構成)であってもよい。
【0047】
上記第1~第4いずれかの構成のモータ制御装置において、前記生成部は、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を備える構成(第5の構成)であってもよい。
【0048】
上記第5の構成のモータ制御装置において、前記生成部が前記2相変調制御モードで動作するときに、前記反転部は反転動作を停止する状態である構成(第6の構成)であってもよい。
【0049】
上記第5又は第6の構成のモータ制御装置において、前記生成部は、モータの回転速度又は前記入力電圧に応じて、2相変調制御モードと、3相変調制御モードと、を切り替えるように構成されている構成(第7の構成)であってもよい。
【0050】
本開示のモータ駆動装置(20)は、直流電圧を交流電圧に変換するように構成されたインバータ部(4)と、前記インバータ部をスイッチング制御するように構成された上記第1~第7いずれかの構成のモータ制御装置と、を備える構成(第8の構成)である。
【0051】
本開示のモータシステム(SYS1)は、モータ(5)と、前記モータを駆動するように構成された上記第8の構成のモータ駆動装置と、を備える構成(第9の構成)である。
【0052】
本開示の電気機器(Y)は、上記第9の構成のモータシステムを備える構成(第10の構成)である。
【符号の説明】
【0053】
1 生成部
2 変調部
3 反転部
4 インバータ部
5 モータ
10 モータ制御装置
20 モータ駆動装置
SYS1 モータシステム
Y 空気調和機
Y1 室内機
Y2 室外機
Y3 配管