(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007371
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】電力供給のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20240110BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20240110BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61B6/03 321A
H02J9/06 120
H02J7/34 G
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098163
(22)【出願日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】17/854,544
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】サイード・ミールザイ
(72)【発明者】
【氏名】ベナージ・レディチェラ・ヴァーマ
(72)【発明者】
【氏名】プラジワル・ドゥンガナ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・マルコ
【テーマコード(参考)】
4C093
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA32
4C093EE14
5G015GA01
5G015JA52
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA05
5G503DA13
5G503EA05
5G503GC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電源システムのための様々な方法及びシステムを提供する。
【解決手段】一例では、方法及びシステムは、主電源及び無停電電源装置(UPS)から電力を受け取るように構成された配電ユニット(PDU)を含む。UPSはタイマーを含み、UPSは、主電源が利用できなくなった後に交流(AC)出力負荷に直接に電力を供給するように構成される。また、UPSは、主電源が利用できなくなってからタイマーによって或る時間遅延が測定された後、高電圧直流(HVDC)出力負荷に電力を供給するように構成されている。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源及び無停電電源装置(UPS)から電力を受け取るように構成された配電ユニット(PDU)であって、前記UPSはタイマーを含み、前記UPSは、前記主電源が利用できなくなった後に交流(AC)出力負荷に直接に電力を供給するように構成され、前記UPSは、前記主電源が利用できなくなってから、前記タイマーによって或る時間遅延が測定された後に、高電圧直流(HVDC)出力負荷に電力を供給するように更に構成される、配電ユニット(PDU)
を含む、システム。
【請求項2】
一次巻線、第1の二次巻線、及び第2の二次巻線を有する変圧器を更に含み、前記UPSは、前記AC出力負荷に電力を供給するように構成されるとともに、前記第1の二次巻線及び前記第2の二次巻線に電力を供給することによって、前記時間遅延が経過した後に前記HVDC負荷に電力を供給するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの接触器を更に含み、前記少なくとも1つの接触器は、前記UPSを前記第1の二次巻線、前記第2の二次巻線、整流器、及び前記HVDC出力負荷に結合するように切り替えられ、前記整流器は、ACをHVDCに変換する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
主入力接触器を更に含み、前記主入力接触器は、開位置において、前記主電源から前記一次巻線への電力の供給を停止する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記AC出力負荷は、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムの複数のシステムにAC電力を供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記HVDC出力負荷は、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムのガントリ内の複数のシステムにHVDC電力を供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記UPSは、前記主電源からの電力が利用できないことに応答して、前記AC出力負荷及び前記HVDC出力負荷に電力を供給するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
HVDC出力負荷に結合されたガントリ、
AC出力負荷に結合された電力キャビネット、
一次巻線、第1の二次巻線、及び第2の二次巻線を有する変圧器を含む配電ユニット(PDU)であって、主電源及び無停電電源装置(UPS)のうちの一方から電力を受け取るように構成された配電ユニット(PDU)、
前記PDU及び前記UPSに結合された複数の接触器及びタイマー、及び
コントローラであって、コンピュータで読取り可能な命令が前記コントローラのメモリに記憶され、前記主電源が利用可能であるかどうかと、前記タイマーからの入力とに基づいて、前記複数の接触器を制御するコントローラ
を含む、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステム。
【請求項9】
前記ガントリは、前記UPSの充電状態(SOC)がSOCの閾値よりも小さいことに応答して、シャットダウンモードに入り、前記SOCの閾値は、前記シャットダウンモードの間に前記ガントリ内の複数のシステムを冷却するために使用される電力量に基づいている、請求項8に記載のCTイメージングシステム。
【請求項10】
電力が前記UPSから前記AC出力負荷に直接に供給される、請求項8に記載のCTイメージングシステム。
【請求項11】
前記主電源が利用できなくなってから、前記タイマーによって或る時間遅延が測定された後に、電力が前記UPSから前記HVDC出力負荷に結合される、請求項8に記載のCTイメージングシステム。
【請求項12】
前記UPSによって前記第1の二次巻線に供給される電圧は、前記第2の二次巻線の電圧よりも小さい、請求項11に記載のCTイメージングシステム。
【請求項13】
前記命令は、前記コントローラが、前記主電源からの電力が利用可能であることと、前記タイマーからの入力とに応答して、前記複数の接触器の位置を開位置及び閉位置に調整することを更に可能にする、請求項8に記載のCTイメージングシステム。
【請求項14】
前記複数の接触器は、独立して制御される接触器である、請求項8に記載のCTイメージングシステム。
【請求項15】
コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムのための方法であって、前記方法は、コントローラのメモリに記憶された命令によって実行され、前記方法は、
主電源が利用できなくなったことに応答して、
無停電電源装置(UPS)によってAC出力負荷に直接に電力を供給すること、
或る時間遅延を待つこと、
前記UPSから、変圧器の第1の二次巻線、前記変圧器の一次巻線、前記変圧器の第2の二次巻線、及び整流器に供給された電力によって、HVDC出力負荷に電力を供給すること、並びに、
前記主電源が利用可能になったことに応答して、
X線管の状態を判断すること、及び
HVDC出力負荷に前記主電源によって電力を供給すること
を含む、方法。
【請求項16】
前記主電源から一次変圧器が切り離されるように、主接触器の位置を開位置に調整することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記UPSを第1の二次巻線に結合するように逆方向スイッチの位置を閉位置に調整し、電力が前記UPSに戻ることを阻止するように順方向接触器の位置を開位置に調整することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記AC出力負荷を通じてCTイメージングシステムの複数のシステムに電力を供給し、HVDC出力負荷を通じて前記CTイメージングシステムのガントリ内の複数のシステムに電力を供給することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記UPSがHVDC出力負荷に電力を供給すること、又は前記UPSの充電状態(SOC)がSOCの閾値未満であることに応答して、前記ガントリ内の複数のシステムを冷却することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月7日に出願された米国特許出願第17/341,259号の一部継続出願であり、米国特許出願第17/341,259号に基づく優先権を主張するものであり、米国特許出願第17/341,259号の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に開示される対象の実施形態は、商用電源の停電により主電源が存在していないことに応答して、医用イメージングシステムに電力を供給することに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムは、主電源(商用電源など)からAC電力を受け取ることができる。商用電源は、電力系統に接続することができる。一部の状況では、停電や、構成要素の故障のため、又は主電源が予期せずに切断されるため、主電源が利用できないことがある。
【0004】
CTイメージングシステム内の特定の構成要素(X線源又はX線管など)は、主電源がCTイメージングシステムから切断される前のシャットダウンの間に、冷却する必要がある。予期せぬ停電により、CTイメージングシステムの特定の構成要素(X線源又はX線管など)が損傷することがある。これらの構成要素を保護し、寿命を延ばすために、主電源が利用できないときであっても構成要素の冷却ルーチンを実行する目的で、主電源の予期せぬ停電中にバックアップ電力を供給することが望まれる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本概要は、発明を実施するための形態でより詳細に記載される概念を導入するものである。本概要は、請求される対象の本質的な特徴を特定するために使用されるべきではなく、請求される対象の範囲を限定するものでもない。
【0006】
一態様では、システムは、主電源及び無停電電源装置(UPS)から電力を受け取るように構成された配電ユニット(PDU)を含む。前記UPSはタイマーを含み、前記UPSは、前記主電源又は電源供給部が利用できなくなった後に交流(AC)出力負荷に直接に電力を供給するように構成される。前記UPSは、前記主電源が利用できなくなってから、前記タイマーによって或る時間遅延が測定された後に、高電圧直流(HVDC)出力負荷に電力を供給するように更に構成される。
【0007】
別の態様では、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムは、HVDC出力負荷に結合されたガントリ、AC出力負荷に結合された電力キャビネット、一次巻線、第1の二次巻線、及び第2の二次巻線を有する変圧器を含む配電ユニット(PDU)を含む。PDUは、主電源及び無停電電源装置(UPS)のうちの一方から電力を受け取るように構成されている。CTイメージングシステムは、前記PDU及び前記UPSに結合された複数の接触器及びタイマー、及びコントローラであって、コンピュータで読取り可能な命令が前記コントローラのメモリに記憶され、前記主電源が利用可能であるかどうかと、前記タイマーからの入力とに基づいて、前記複数の接触器を制御するコントローラを含む。
【0008】
更に別の態様では、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムのための方法は、コントローラのメモリに記憶された命令によって実行され、主電源が利用できなくなったことに応答して、無停電電源装置(UPS)によってAC出力負荷に直接に電力を供給すること、或る時間遅延を待つこと、前記UPSから、変圧器の第1の二次巻線、前記変圧器の一次巻線、前記変圧器の第2の二次巻線、及び整流器に供給された電力によって、HVDC出力負荷に電力を供給すること、並びに、前記主電源が利用可能になったことに応答して、X線管の状態を判断すること、及びHVDC出力負荷に前記主電源によって電力を供給することを含む。
【0009】
上記の概要は、発明を実施するための形態で更に記載される選択された概念を簡略化して導入するために記載されている。上記の概要は、請求された対象の重要な又は本質的な特徴を特定することを意味しているのではなく、請求された対象の範囲は、発明を実施するための形態の後に記載された特許請求の範囲によって一義的に画定される。更に、請求される対象は、上記の欠点又は本開示の任意の部分で言及された欠点を解決する実装形態に限定されることはない。
【0010】
本開示は、添付図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の記載を読むことによって、更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態によるコンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムの図である。
【
図2】一実施形態による例示的なCTイメージングシステムのブロック図である。
【
図3】CTイメージングシステムに電力を供給するための電力回路の一実施形態を示す概略図である。
【
図4A】
図3の電力回路を制御するための制御回路の詳細な概略図を示す。
【
図4B】
図3の電力回路を制御するための制御回路の詳細な概略図を示す。
【
図5】通常の動作状態における
図3の電力回路の概略図である。
【
図6A】通常の動作状態における
図5の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図6B】通常の動作状態における
図5の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図7】停電状態の第1の段階における
図3の電力回路の概略図である。
【
図8A】停電状態の第1の段階における
図7の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図8B】停電状態の第1の段階における
図7の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図9】或る時間遅延の経過後の停電状態の第2の段階における
図7の電力回路の概略図である。
【
図10A】停電状態の第2の段階における
図9の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図10B】停電状態の第2の段階における
図9の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図11】主電源が回復したときの停電状態の第3の段階における
図9の電力回路の概略図である。
【
図12A】主電源が回復したときの停電状態の第3の段階における
図11の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図12B】主電源が回復したときの停電状態の第3の段階における
図11の電力回路の制御回路の概略図である。
【
図13】UPSから主電源に電力が移行している間における
図11の電力回路の概略図である。
【
図14A】UPSから主電源に電力が移行している間における
図13の電力回路の制御回路の概略図を示す。
【
図14B】UPSから主電源に電力が移行している間における
図13の電力回路の制御回路の概略図を示す。
【
図15】主電源からの電力が利用できるかどうかに応答してCTイメージングシステムに供給される電力を切り替えて、CTイメージングシステムが主電源に戻るように制御する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載は、
図1及び
図2に示されるようなイメージングシステム用のバックアップ電源システムの実施形態に関する。イメージングシステム用のバックアップ電源システムは、
図3に示すように、イメージングシステムの配電器(PDU)に結合された無停電電源装置(UPS)として構成することができる。UPSのホットランディングスイッチの制御回路を
図4A及び
図4Bに示す。
図5~
図14Bは、電源回復状態の通常動作状態において、主電源又は交流(AC)電力を提供する電源と配電ユニット(PDU)に結合される無停電電源装置(UPS)との間の電気回路結合部分と、種々の電源喪失状態及び電源回復状態におけるホットランディングスイッチの制御回路を示す。主電源からの電力が利用可能であるかどうかに基づいてUPSを動作させる方法が、
図15に示されている。
【0013】
本開示の一例では、イメージングシステムはガントリを含むことができる。ガントリは、X線管の軸受(流体軸受など)を含むことができ、軸受は、以下の動作で冷却することができる。ガントリ内のX線管の軸受の冷却ルーチンを実行するために、電力(電気エネルギーなど)が消費される場合がある。イメージングシステムに電力が供給されない事象では、軸受の冷却を行わずにガントリの電力のシャットダウンが行われる場合があり、その結果、劣化する、及び/又は耐用年数が低下する恐れがある。
【0014】
多くの用途において、イメージングシステムは、イメージングシステムのコンピュータ及びコンソールにバックアップ電力を供給するように構成されたUPSシステムの近くに配置される場合がある。しかしながら、UPSシステムは、主電源が遮断された事象(例えば、存在していない)でシャットダウン前に所望の冷却ができるようにガントリに電力を供給するための配線接続はされていない。更に、ガントリは、コンピュータ、コンソール、及びガントリに長時間電力を供給するようなサイズではない場合がある。
【0015】
本発明者らは、これらの欠点を認識し、主電源が利用できないときにUPSからガントリに電力を供給するために、UPSとPDUとの間の1つ以上の電気回路を調整する方法を考え出した。これにより、既存のUPSとは別に余分な電源が不要となり、製造コストや設置コストを削減できるとともに、システムのパッケージングサイズを小さくすることもできる。例えば、複数の接触器(例えば、スイッチ)を追加することにより、両方の供給部(例えば、UPSと主電源)が同時に電力を供給しないように、電源を確実に制御することができる。
【0016】
図1~
図14は、様々な構成要素の相対的な位置関係を表す例示的な構成を示している。互いに直接的に接触している、又は直接的に結合しているように示されている場合、そのような要素は、少なくとも1つの実施例において、それぞれ、直接的に接触している、又は直接的に結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続する又は隣接するように示された要素は、少なくとも一実施例において、それぞれ、互いに連続する又は互いに隣接することができる。一例として、互いに面接触している構成要素は、面接触していると呼ぶことができる。別の例として、少なくとも一例において、互いに離れて配置された要素が、要素と要素との間にスペースのみが存在し、他の構成要素が存在しない場合、互いに離れた要素と呼ぶことができる。また、別の例として、互いに上/下、互いに反対側、又は互いに左/右に示される要素は、互いに対して、上/下、反対側、又は左/右と呼ぶことができる。更に、図に示すように、少なくとも1つの例では、最上部の要素又は要素の最上点は、構成要素の「上部」と呼ぶことができ、最下部の要素又は要素の最下点は、構成要素の「下部」と呼ぶことができる。本明細書では、上部/底部、上側/下側、上/下は、図の垂直軸に対する相対的なものを表しており、図の要素の互いの位置を説明するために使用される。このように、他の要素の上に示される要素は、一例として、他の要素の上に垂直に配置される。更に別の例として、図に示された要素の形状は、それらの形状を有するもの(例えば、円形のもの、直線のもの、平面のもの、曲線のもの、丸みのあるもの、面取りされたもの、角度が付けられたものなど)と呼ぶことができる。更に、互いに交差するように示された要素は、少なくとも一例において、交差する要素又は互いに交差するものと呼ぶことができる。更に、別の要素内に示された要素、又は別の要素の外側に示された要素は、一例では、別の要素内に示されている又は別の要素の外側に示されていると呼ぶことができる。
【0017】
CTイメージングシステムを例として記載されているが、本方法及び本システムは、他のイメージングシステム(X線イメージングシステム、磁気共鳴イメージング(MRI)システム、陽電子放出断層撮影(PET)イメージングシステム、単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)イメージングシステム、超音波イメージングシステム、及びそれらの組み合わせ(例えば、PET/CT、PET/MR又はSPECT/CTイメージングシステムなどのマルチモダリティイメージングシステム))に適用しても有効であることが理解されるべきである。CTイメージングシステムに関する本説明は、単に1つの適切なイメージングシステムの一例として提供されるものである。
【0018】
図1は、CTイメージングのために構成された例示的なCTイメージングシステム100を示す図である。特に、CTイメージングシステム100は、患者などの被検体、無生物、1つ以上の製造部品、及び/又は異物(体内に存在する歯科インプラント、ステント、及び/又は造影剤など)を撮影するよう構成されている。一実施形態では、CTイメージングシステム100はガントリ108を含み、ガントリは、X線放射のビーム106(
図2参照)を照射するように構成された少なくとも一つのX線源104を更に含むことができる。具体的には、X線源104は、ガントリ102の反対側に配置されたX線検出器アレイ108に向けてX線放射ビーム106を照射するように構成される。
図1には単一のX線源104のみが示されているが、特定の実施形態では、複数のX線源及び検出器を使用して、患者に対応して異なるエネルギーレベルにおける投影データを取得するための複数のX線放射ビーム106を照射してもよい。一部の実施形態では、X線源104は、高速キロボルトピーク(kVp)スイッチングによってデュアルエネルギーGSI(gemstone spectral imaging)が可能である。一部の実施形態では、採用されるX線検出器は、互いに異なるエネルギーのX線光子を区別することができる光子計数型検出器である。他の例示的な実施形態では、X線源と検出器との2つのセット(一方のセットは低kVp、他方のセットは高kVp)を使用して、デュアルエネルギー投影を生成することができる。したがって、本明細書に記載される方法は、デュアルエネルギー取得技術だけでなく、単一エネルギー取得技術にも実装できることが理解されるべきである。
【0019】
特定の実施形態では、CTイメージングシステム100は、反復画像再構成法又は解析的画像再構成法を用いて被検体のターゲットボリュームの画像を再構成する画像プロセッサ110を更に含む。例えば、画像プロセッサ110は、フィルタ補正逆投影法(FBP)などの解析的画像再構成手法を使用して、患者のターゲットボリュームの画像を再構成することができる。別の実施例として、画像プロセッサ110は、ASIR(advanced statistical iterative reconstruction、CG(conjugate gradient)、MLEM(maximum likelihood expectation maximization)、MBIR(model-based iterative reconstruction)などの反復画像再構成手法を使用して、被検体のターゲットボリュームの画像を再構成してもよい。本明細書で更に説明するように、一部の例では、画像プロセッサ110は、反復画像再構成手法に加えて、FBPのような解析的画像再構成手法の両方を使用することができる。
【0020】
一部のCTイメージングシステムの構成では、X線源が、デカルト座標系のX-Y-Z面内に位置するようにコリメートされる円錐形のX線放射ビームを照射し、一般に「撮影面」と呼ばれる。X線ビームは、撮影される物体(患者、被検体など)を通過する。X線放射ビームは、物体によって減衰した後、検出器素子のアレイに衝突する。検出器アレイが受け取る減衰したX線放射ビームの強度は、物体によるX線ビームの減衰量に依存する。アレイの各検出器素子は、検出器の位置におけるX線ビームの減衰の測定値である個別の電気信号を生成する。すべての検出器素子からの減衰測定値は別々に取得され、透過プロファイルが作成される。
【0021】
一部のCTイメージングシステムでは、X線源及び検出器アレイは、X線放射ビームが物体と交差する角度が連続的に変化するように、撮影面内及び撮影される物体の周りをガントリによって回転する。1つのガントリ角度における検出器アレイからのX線放射減衰測定値(例えば投影データ)のグループは、「ビュー」と呼ばれる。物体の「スキャン」には、X線源と検出器が1回転する間に、異なるガントリ角度、即ちビュー角度で得られるビューのセットが含まれる。
【0022】
投影データは処理され、物体を横切る2次元スライスに対応する画像、又は投影データが複数のビュー又はスキャンを含む一部の例では、物体の3次元レンダリングに対応する画像を再構成する。投影データのセットから画像を再構成するための1つの方法は、当技術分野ではフィルタ逆投影法と呼ばれている。透過型断層撮影及び放射型断層撮影の再構成技術には、統計的反復法(最尤推定-期待値最大化(MLEM)及びordered-subsets expectation-reconstruction、並びに反復的再構成技術など)も含まれる。この処理では、スキャンによる減衰測定値を、「CT値」又は「ハウンスフィールド値」と呼ばれる整数に変換する。この整数を使用して、表示装置上の対応する画素の輝度が制御される。
【0023】
総スキャン時間を短縮するために、「ヘリカル」スキャンを実行することができる。「ヘリカル」スキャンを実行するためには、所定のスライス数のデータを取得する間、患者を移動させる。このようなシステムでは、コーンビームヘリカルスキャンから1本の螺旋が生成される。コーンビームによって描かれた螺旋によって、各所定スライスの画像を再構成するための投影データが生成される。
【0024】
本明細書において、語句「画像を再構成する」は、画像を表すデータは生成されるが表示可能な画像は生成されない本発明の実施形態を排除することを意図するものではない。したがって、本明細書において、用語「画像」は、表示可能な画像と表示可能な画像を表すデータとの両方を広く表している。しかしながら、多くの実施形態は、少なくとも1つの表示可能な画像を生成する(又は生成するように構成される)。
【0025】
CTイメージングシステム100は、配電ユニット(PDU)120を通じて、主電源122から、又は無停電電源装置(UPS)124から、電力を受け取ることができる。追加的に又は代替的に、CTイメージングシステムは、発電機から電力を受け取ることができ、発電機からの電力は、主電源122と同様の結合手段によって供給することができる。一例では、PDU120は、主電源122からの電力が利用可能であるかどうかを感知するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。PDUコントローラ130は、複数のセンサからのフィードバックを受け取り、主電源122からの電力が利用可能であるかどうか、及び、CTイメージングシステム100内のガントリ制御ボード(GCB)からのコマンド信号に応答して、1つ以上のアクチュエータの位置を調整するように構成することができる。1つ以上のアクチュエータの調整は、指定された時間遅延がタイマによって測定された後に行うことができる。一例では、1つ以上のアクチュエータは接触器及び/又はスイッチであり、接触器及び/又はスイッチは、主電源122からの電力が利用可能であるかどうかに基づいて、主電源122とUPS124との間で交互に切り替えるように構成されている。一例では、主電源からの電力が利用できない場合、PDUコントローラ130は、以下により詳細に説明されるように、UPS124からCTイメージングシステムに電力を供給するため、主電源122の回路を切断するように第1のスイッチを作動させ、更に、UPS124の回路を構成するように第2のスイッチを作動させる信号を送ることができる。
【0026】
PDUコントローラ130は、コントローラのメモリに記憶された命令を含むことができ、その命令が実行されると、PDUコントローラ130は、主電源からの電力が利用できない場合、主電源122から受け取る電力を制御するスイッチ又は接触器を調整する。主電源122からの電力は、電流センサによって検出することができる。電流センサからのフィードバックによって、PDUコントローラ130は、主電源122のスイッチを作動させる一方、UPSからPDU120の出力負荷へとUPSスイッチを(一定の遅延時間後に)作動させて、CTイメージングシステム100に電力を供給する。
【0027】
図2は、
図1のCTイメージングシステム100に類似した例示的なイメージングシステム200を示す。本開示の態様によれば、イメージングシステム200は、被検体204を撮影するように構成される。一実施形態では、イメージングシステム200は、検出器アレイ108(
図1参照)を含む。検出器アレイ108は、被検体204(患者など)を通過するX線放射ビーム106(
図2参照)を感知して対応する投影データを取得する複数の検出器素子202を更に含む。したがって、一実施形態では、検出器アレイ108は、セル又は検出器素子202の複数の列を含むマルチスライス構成で作製される。このような構成では、投影データを取得するために、検出器素子202の1つ以上の追加の列が並列構成で配置される。
【0028】
特定の実施形態では、イメージングシステム200は、所望の投影データを取得するために、被検体204の周りの異なる複数の角度位置を横断するように構成される。従って、ガントリ108及びガントリに取り付けられた構成要素は、例えば、異なるエネルギーレベルで投影データを取得するために、回転中心206を中心に回転するように構成することができる。あるいは、被検体204に対する投影角度が時間に応じて変化する実施形態では、取り付けられた構成要素は、円弧に沿うのではなく、一般的な曲線に沿って移動するように構成してもよい。
【0029】
X線源104及び検出器アレイ108が回転すると、検出器アレイ108は減衰したX線ビームのデータを収集する。検出器アレイ108によって収集されたデータは、そのデータが、スキャンされた被検体204の減衰係数の線積分を表現するように、前処理され較正される。処理されたデータは、一般に投影と呼ばれる。
【0030】
一部の例では、検出器アレイ108の個々の検出器又は検出器素子202は、個々の光子の相互作用を1つ以上のエネルギービンに記録する光子計数型検出器を含むことができる。本明細書に記載される方法は、エネルギー積算型検出器でも実施できることを理解されたい。
【0031】
取得した投影データのセットは、基準物質弁別(BMD)に使用することができる。BMDの間、測定された投影は、物質密度投影のセットに変換される。物質密度投影を再構成して、それぞれの基準物質(骨、軟組織、及び/又は造影剤など)の物質密度マップ又は物質密度画像の組又はセットを形成することができる。複数の密度マップ又は密度画像を関連付けて、撮影された部分における基準物質(例えば、骨、軟組織、及び/又は造影剤)のボリュームレンダリングを形成することができる。
【0032】
再構成されると、イメージングシステム200によって生成された基準物質画像は、2つの基準物質の密度で表される被検体204の内部特徴を明らかにする。密度画像は、これらの特徴が示されるように表示することができる。医学的状態(病状など)の診断、より一般的には医学的事象の従来のアプローチでは、放射線科医又は医師は、関心のある特徴的部分を識別するために密度画像をハードコピーに印刷し、又は表示することを検討すると考えられる。このような特徴には、病変、特定の解剖学的構造又は器官のサイズ及び形状、ならびに個々の医師の技量及び知識に基づいて画像から識別可能であると考えられる他の特徴を含むことができる。
【0033】
一実施形態では、イメージングシステム200は、構成要素の動き(ガントリ108の回転及びX線源104の動作など)を制御する制御機構208を含む。一部の実施形態では、制御機構は、タイマー209を含む。特定の実施形態では、制御機構208は、X線源104に電力及びタイミング信号を供給するように構成されたX線コントローラ210を更に含む。更に、制御機構208は、撮影条件に基づいてガントリ108の回転速度及び/又は位置を制御するように構成されたガントリモータコントローラ212を含んでいる。
【0034】
特定の実施形態では、制御機構208は、検出器素子202から受け取ったアナログデータをサンプリングし、アナログデータを後続の処理のためにデジタル信号に変換するように構成されたデータ収集システム(DAS)214を更に含む。DAS214は、本明細書で更に説明するように、検出器素子202のサブセットからのアナログデータをいわゆるマクロ検出器に選択的に集約するように更に構成することができる。DAS214によってサンプリングされデジタル化されたデータは、コンピュータ又はコンピューティング装置216に伝送される。一例では、コンピューティング装置216は、データを記憶装置又は大容量記憶装置218に記憶する。記憶装置218としては、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク読取り/書込み(CD-R/W)ドライブ、デジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブ、フラッシュドライブ、及び/又はソリッドステート記憶ドライブがある。
【0035】
更に、コンピューティング装置216は、システム動作(データ取得及び/又はデータ処理など)を制御するために、DAS214、X線コントローラ210、及びガントリモータコントローラ212のうちの1つ以上に命令及びパラメータを提供する。特定の実施形態では、コンピューティング装置216は、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御する。コンピューティング装置216は、コンピューティング装置216に動作可能に結合されたオペレータコンソール220によってオペレータ入力(例えば、命令及び/又は走査パラメータ)を受け取る。オペレータコンソール220は、オペレータが命令及び/又は走査パラメータを指定できるように、キーボード(図示せず)又はタッチスクリーンを含むことができる。
【0036】
図2は1つのオペレータコンソール220のみを示しているが、例えば、システムパラメータを入力又は出力する、検査を要求する、データを示す、及び/又は画像を見るために、2つ以上のオペレータコンソールがイメージングシステム200に結合されていてもよい。更に、特定の実施形態では、イメージングシステム200は、1つ以上の設定可能な有線及び/又は無線のネットワーク(インターネット及び/又は仮想プライベートネットワーク、無線電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、有線ローカルエリアネットワーク、無線ワイドエリアネットワーク、有線ワイドエリアネットワークなど)を通じて、例えば機関又は病院に、若しくは全く異なる場所に、ローカルに又はリモートに配置された複数のディスプレイ、プリンタ、ワークステーション及び/又は同様のデバイスに結合することができる。
【0037】
一実施形態では、例えば、イメージングシステム200は、画像保存通信システム(PACS)224を含んでいてもよいし、PACS224に結合されていてもよい。例示的な実施形態では、PACS224は、リモートシステム(放射線科情報システム、病院情報システム、及び/又は内部又は外部ネットワーク(図示せず)など)に更に結合され、異なる場所にいるオペレータが、命令及びパラメータを供給する、及び/又は画像データへのアクセスを獲得することができる。
【0038】
コンピューティング装置216は、オペレータが供給した及び/又はシステムで定義された命令及びパラメータを使用して、テーブルモータコントローラ226を動作させる。テーブルモータコントローラ226はテーブル114を制御することができ、テーブル114は、電動テーブルとすることができる。具体的には、テーブルモータコントローラ226は、ガントリ102内に被検体204を適切に位置決めし、被検体204のターゲットボリュームに対応する投影データが取得されるように、テーブル114を移動させることができる。
【0039】
前述のように、DAS214は、検出器素子202によって取得された投影データをサンプリングしてデジタル化する。その後、画像再構成器230が、サンプリングされデジタル化されたX線データを用いて、高速再構成を実行する。
図2は画像再構成器230を別個の構成要素として示しているが、特定の実施形態では、画像再構成器230はコンピューティング装置216の一部を形成してもよい。あるいは、画像再構成器230はイメージングシステム200には存在しておらず、代わりにコンピューティング装置216が画像再構成器230の1つ以上の機能を実行してもよい。更に、画像再構成器230は、ローカルに又はリモートに配置することができ、有線又は無線のネットワークを用いてイメージングシステム200に動作可能に接続することができる。特に、1つの例示的な実施形態では、画像再構成器230のために、「クラウド」ネットワーククラスタ内のコンピューティング資源を使用することができる。
【0040】
一実施形態では、画像再構成器230は、再構成された画像を記憶装置218に記憶する。あるいは、画像再構成器230は、再構成された画像を、診断及び評価に有益な患者情報を生成するコンピューティング装置216に送信することができる。特定の実施形態では、コンピューティング装置216は、再構成された画像及び/又は患者情報を、コンピューティング装置216及び/又は画像再構成器230に通信可能に結合されたディスプレイ又は表示装置232に送信することができる。一部の実施形態では、再構成された画像を、短期保存又は長期保存するために、コンピューティング装置216又は画像再構成器230から記憶装置218に送信してもよい。
【0041】
一実施形態では、表示装置232によって、オペレータは、撮影された解剖学的構造を評価することができる。また、表示装置232は、オペレータに、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)によって、後続のスキャン又は処理ができるように、関心ボリューム(VOI)を選択させること及び/又は患者情報を要求させることができる。
【0042】
一例では、
図1のUPS124は、コンピューティング装置216及びその補助的構成要素(例えば、表示装置232、オペレータコンソール220など)の既存のUPSとすることができる。本明細書で説明されるように、本発明者らは、
図1のPDU120及びUPS124の1つ以上の回路を修正する方法を見出し、UPS124は、以前は、主電源122からの電力が利用できない場合はコンピューティング装置216にしか電力を供給しないように構成されていたが、ガントリ108にも電力を供給するようにした。したがって、主電源122からの電力が利用できない事象に応答して、ガントリ108に必要な冷却を実行することができる。
【0043】
図3を参照すると、
図3は、UPS装置124及び主電源122とPDU120との電力インターフェースの実施形態300を示している。このように、以前に説明した構成要素には、該当の図と、それ以降の図において、同様の番号を付すことができる。
【0044】
配電ユニット120は、ブレーカ302と、主電力入力接触器304と、変圧器305であって、一次巻線306、第1の二次巻線310、及び第2の二次巻線330を有する変圧器305とを含む回路を有することができる。配電ユニット120は、主電力入力接触器304の対応するスイッチを通って変圧器305の一次巻線306まで延在する複数の電気線308を含むことができる。ブレーカ302は、複数の電気線308のいずれかのラインを流れる150A(アンペア)以上の電流に応答してトリップするように構成することができる。
【0045】
変圧器の一次巻線306は、複数の電気線又はワイヤ308から電力を取るように構成された電気巻線を含む。その電気巻線は、第1の二次巻線310及び第2の二次巻線330の巻線に電気的に結合することができる。主電力入力接触器304は、主電源122からの電力が無い場合、PDUコントローラ(例えば、
図1のPDUコントローラ130)により接触器304のアクチュエータに送られる信号で調整することができる。主電力入力接触器304は、開位置又は閉位置になるように作動することができ、閉位置によって回路が完成し、主電源122から一次巻線306に電流を流すことができる。
【0046】
第1の二次巻線310は、第2の二次巻線330よりも高い電圧にすることができ、複数の電気線312を通じて整流器316に電力を供給することができる。複数の電気線又はワイヤ312の各々は、複数の電気線又は電線を流れる電流がヒューズ313の定格を超えたことに応答して、回路を断線するように構成されたヒューズ313を含むことができる。ヒューズ313と整流器316との間に、複数の接点(例えば、KXG接点314、KSS接点315)を配置することができる。整流器316は、交流(AC)を直流(DC)に変換するように構成されたパッシブ整流器又はアクティブ整流器とすることができる。DCライン又はワイヤは、HVDC出力負荷320に結合され、出力負荷320は、ガントリ(例えば、
図1のガントリ108)に電力を供給するために使用することができる。一例では、HVDC出力負荷320に供給される電力は、比較的高い電圧(例えば、600V DCより高い電圧)である。
【0047】
第2の二次巻線330は、複数の電気線又は電気ワイヤ332を通じて、AC出力負荷340に電力を供給することができる。複数の電気ライン又は電気ワイヤ332の各々は、複数のヒューズ334のうち、ヒューズの定格を超える電流に対して回路を遮断するように定格が定められたヒューズを含むことができる。一例では、ヒューズの定格は50Aである。しかしながら、ヒューズの定格は、複数の電気線332のサイズ及び定格電流に基づいて、他の定格電流に定められてもよい。AC出力負荷340は、要求される電力が低い装置(コンソール、電源キャビネット、コンピュータなど)に電力を送ることができる。
【0048】
複数の電気ライン又はワイヤ332は、第1の接続部350及び第2の接続部360を含むことができる。複数の第1のUPS電気ライン又はワイヤ352は、第1の接続部350において、複数の電気ライン又はワイヤ332に電気的に結合することができる。複数の第2のUPS電気ライン又はワイヤ362は、第2の接続部360において、複数の電気ライン又はワイヤ332に電気的に結合することができる。複数の第1及び第2のUPS電気線又は電気ワイヤ352、362の各々は、インターロックスイッチ354に結合することができる。インターロックスイッチ354は、電力供給位置356及び電力受取り位置358の状態を同時に調整するように構成することができる。主電力入力接触器304と組み合わせたインターロックスイッチ354の動作は、以下により詳細に説明される。
【0049】
複数の第1及び第2のUPS電気ライン又はワイヤ352、362は、端子ブロック364と、UPS124の入力端子及び出力端子とに電気的に結合することができる。
【0050】
主電源122がアクティブであり、回路に電力を供給する通常の動作状態の間、主電力入力接触器304は、閉位置とすることができる。主電源122からの電力は、HVDC出力負荷320、AC出力負荷340、及びUPS124の入力部の各々に供給することができる。したがって、ガントリ及びコンソールは、主電源122から電力供給を受けることができる。更に、UPS124の充電状態(SOC)について電力を補充することができる。この場合には、インターロックスイッチ354の電力供給位置356を閉位置にすることができる。電力受取り位置358は、インターロックスイッチ354において、UPS124がHVDC出力負荷320及びAC出力負荷340に直接電力を供給できるように構成された部分に対応しており、(
図3に示されるように)開位置である。したがって、AC出力負荷340に供給される電力は、複数の電気ライン又はワイヤ332を通り、複数の第1のUPS電気ライン又はワイヤ352を通り、UPS124を通り、複数の第2のUPS電気ライン又はワイヤ362を通り、複数の電気ライン又はワイヤ332に戻って、AC出力負荷340に結合される。電力受取り位置358を開くことによって、UPS124からの電力は、グリッド(例えば、主電源122)から遮断することができる。ここで、電力供給位置356及び電力受取り位置358は、それぞれ、電力供給スイッチ356及び電力受取りスイッチ358と呼ぶことができる。
【0051】
主電源122からの電力が中断される及び/又は利用できない場合、PDUコントローラから対応するアクチュエータへの信号によって、主入力接触器304及びインターロックスイッチ354の電力供給位置356が開位置に切り替えられ、インターロックスイッチ354の電力受取り位置358は閉位置に切り替えられる。一例では、インターロックスイッチ354は、機械的又は電子的に制御することができ、電力供給位置及び電力受取り位置が同時に開く又は閉じることを阻止することができ、それによってPDU120の回路が保護される。このように、電力供給スイッチ及び電力受取りスイッチは、互いにインターロックすることができる。したがって、UPS124からの電力は、上述のように、AC出力負荷340及びHVDC出力負荷320に供給することができる。UPS124からの電力は、複数の第2のUPS電気ライン又はワイヤ362を通り、閉じた電力受取りスイッチ358を通り、複数の電気ライン又はワイヤ332を通り、第2の二次巻線330に供給することができる。第2の二次巻線330は、電力を一次巻線306に送ることができ、一次巻線306は、その後、電力の電圧を上昇させ、第1の二次巻線310に送ることができる。第1の二次巻線310からの電力は、整流器316でACからDCに変換され、その後、HVDC出力負荷320に供給される。このようにすることで、既存のUPS(例えば、UPS124)は、主電源122が利用できない場合はAC出力負荷340にのみ電力を供給するように元々サイズが設定されているが、その既存のUPSを使用して、HVDC出力負荷320に電力を供給することができる。
【0052】
ここで
図4Aを参照すると、UPS(例えば、
図1及び
図3のUPS124)の制御回路400の一実施形態が示されている。
図4Bは、PDU(例えば、
図1及び
図3のPDU120)とガントリ制御ボードとの間の制御回路500の一実施形態を示す。
【0053】
図4Aは、メイン回路300の制御回路
図400を示しており、制御回路図には、主接触器402(又は304)、順方向接触器404(又は356)、逆方向接触器406(又は358)、KXG接触器408(又は314)、KSS接触器409(又は315)、及びタイマー412が含まれている。本明細書では、電力供給位置及び電力受取り位置は、互換的に、順方向接触器404(又は356)及び逆方向接触器406(又は358)と呼ばれる。主接触器402(又は304)のコイル414は、主入力電源部122から電力が供給される。入力電源電圧308は、一例として480Vである。2つの2Aヒューズ416は、短絡又は過電流に対してコイル414を保護するために配置される。コイル414は、商用電源が利用可能な場合に閉じられる2つの接点NC REV405を使用することにより逆方向接触器406(又は358)と電気的にインターロックしており、確実に、逆方向接触器406(又は358)に電力が供給されず、UPS124から第2の二次巻線330に電力が供給されないようにする。
【0054】
制御回路400は、2つの120V入力電源(第1の電源410及び第2の電源411など)を含む。商用電源が利用可能な場合、120V電源410及び411の両方が電力を供給することができる。制御回路400は、商用電源が利用できない停電状態の間、UPS124の第1の電源410からの120V入力電力しか利用できない場合がある。別の例では、サービス又はメンテナンスのために顧客がUPS124を使用しないか、又はUPSが初回給電時にオフであるため、制御回路400は、二次巻線330の第2の電源411からの120Vの入力電力しか利用できない場合がある。したがって、3相ダイオードブリッジ418を使用して、制御回路400が3つの条件全てで電力を受信することができるようにする。
【0055】
商用電源が利用可能であることに応じて主接触器402(又は304)の補助接点422及びREV接触器406(又は358)の常閉接点424が閉じている場合、FWD接触器404(又は356)のコイル420を通電することができる。タイマー412のコイルは、通常は通電されず、商用電源が利用できないことに応じて通電することができる。その後、タイマー接触器438は、所定の期間後に閉じられ、商用電源が利用できないときにリバースコイル426を通電することができる。タイマー接触器412に関連する接点438は、常時開とすることができる。タイマー412は、一例として1秒~10秒に調整される。
【0056】
FWD接触器404(又は356)が閉じている場合、二次巻線330からの電力はUPS124に供給され、UPSバッテリを充電する。これは、CTイメージングシステム100において商用電源が利用可能の状態である。
【0057】
KSS接触器409の常時開の補助接点が閉じており、FWD接触器404(又は358)が開いた状態のときに、FWD接触器404(又は356)の常閉接点429を閉じることによって、REV接触器406(又は358)のコイル426を通電することができる。REV接触器406(又は358)が閉じている場合、UPS124からの電力は変圧器330の第2の二次巻線に供給され、第1の二次巻線310に伝送され、316で整流した後、出力端子320でHVDC電力が利用可能となる。これは、CTイメージングシステム100の停電の場合である。商用電源がCTイメージングシステム100で利用できない停電の間、UPS124を過電流又は過負荷状態から保護するために、CTイメージングシステム100のハードウェアとソフトウェアとの間にインターロック回路430がある。外部インターロック回路430は、REV接触器406(又は358)の常閉接点432と直列である。この接点が開いた場合、CTイメージングシステムは停電状態であり、外部インターロック回路430が開く。外部インターロック回路430の信号が欠落していることが画像プロセッサ110に送られ、CTイメージングシステム102はスキャンできない。したがって、UPS124は、過負荷状態から保護される。
【0058】
図4Bは、PDU120とガントリ制御ボードとの間の制御回路の実施形態500を示す。最初、順方向接点502及び逆方向接点504は開いている。通常動作の間、ガントリ制御ボードは、順方向接点502を閉じることによって信号を送り、PDU120にKXG接点314及びKSS接点315を閉じるように命令し、KSS接点315が先ず閉じる。電源喪失状態の間、ガントリ制御ボードは、逆方向接点504を閉じることによって信号を送り、PDU120にKXG接点314及びKSS接点315を閉じるように命令し、KSS接点315が先ず閉じる。
【0059】
図5~
図14Bは、主電源からの電力が喪失している間の様々な段階における例示的な実施形態300を示す。
図5は、主電源122が第1の二次巻線310及び整流器316を通じてHVDC出力負荷320に電力を供給している通常の動作状態の間の例示的な実施形態300を示す。主電源122は、第2の二次巻線330を通じてUPS124にも電力を供給している。UPS124は、AC出力負荷340に電力を供給する。
図6A及び
図6Bは、通常動作中の制御論理回路400及び500を示す。
図6Aに示すように、主接触器402(又は304)は閉じており、順方向接触器404(又は356)は閉じており、逆方向接触器406(又は358)は開いており、タイマー412は開いている。
図6Bにおいて、ガントリ制御ボードは、FWD補助接触器502が閉じられると、KXG接触器314及びKSS接触器315が閉じるようにPDUに制御信号を供給する。
【0060】
図7は、主電源122が電力を供給していない電源喪失状態又は停電状態の第1の段階の間の例示的な実施形態300を示す。電源喪失状態の第1の段階では、KXG接点314及びKSS接点315は、電源喪失の結果として開き、まだ閉じられない。インターロックスイッチ354は、UPS124が、第2の二次巻線330に電力を供給できるように、タイマー412によって調整される非常に短い遅延時間が経過した後にREV接触器358を閉じ、第2の二次巻線330は、一次巻線306を通じて第1の二次巻線310に電力を供給し、第1の二次巻線310及び整流器316によってHVDC出力負荷320に電力を供給することができる。UPS124は、依然としてAC出力負荷340に電力を供給している。
図8A及び
図8Bは、制御論理回路400及び500の初期電源喪失動作を示している。
図8Aに示すように、主接触器402(又は304)は開き、順方向接触器404(又は356)は開き、逆方向接触器406(又は358)は開き、タイマー412が通電される。タイマー412は、タイマー209をオンにして、時間が、予め決められた閾値に達するまでカウントを開始する。
図8Bにおいて、ガントリ制御ボードは、PDUへの制御信号の供給を停止して、KSS接触器315及びKXG接触器314を開く。タイマー209が閾値に達した後、タイマーの接点438が閉じられ、これにより逆方向接触器406(又は358)を通電することができる。逆方向接触器406(又は358)を通電すると、PDU120にGCB信号が供給され、KXG接点314及びKSS接点315を閉じることができる。KXG接点314及びKSS接点315は、GCBからの信号が到達するまでは開いている。KSS接点315が最初に閉じられ、次にKXG接点314が約1秒後に閉じられる。
【0061】
図9~
図10Bは、電源喪失状態の第2の段階の間の動作を表す。電源喪失動作の間、時間が閾値を超え、逆方向接触器406(又は358)に通電した後、UPS124は巻線306、310、330を通じてHVDC出力負荷320に電力を供給している。KSS接点314及びKXG接点315は閉じたままである。また、
図10Aに示すように、タイマー209はリセットし、タイマー接点438が開く。一部の例では、電源喪失状態の間のこのような動作は、ガントリ108の1つ以上の構成要素(X線管など)を冷却するのに必要な時間だけ継続することができる。あるいは、電源喪失動作は、主電源が回復するまで継続することができる。一部の例では、UPSがHVDC出力負荷に電力を供給できるが主電源は回復しないので、ガントリ108は完全にシャットダウンされる。
【0062】
図11~
図14Bは、電源喪失状態の第3の段階、又は電源回復状態を示している。主電源122が再び作動すると、主接触器304は直ぐには閉じず、例示的実施形態300は、
図11に示すように、主電源122が利用できないかのように動作を継続する。KXG接点314及びKSS接点315は閉じている。ガントリ108の構成要素(X線管など)は、主接触器304が閉じて通常の動作状態に戻る前に、起こり得る損傷について評価される。ガントリ108の構成要素が損傷しておらず、X線管とその液体金属軸受が冷却されている場合、ガントリ制御ボードはPDUに信号を送り、KXG接点314及びKSS接点315を1秒未満の間だけ開き、
図12Bに示すように、HVDC出力負荷320に電力を供給することを、UPS124から主電源122に変更する。一部の例では、オペレータは、ガントリ制御ボードを通じて信号を提供することができる。KXG接点及びKSS接点が開き(
図12A)、したがって逆方向接触器406(又は358)の通電が解除される。UPS124は、HVDC出力負荷320に電力を供給していない。
図13は、この状態におけるシステムを示しており、ここでは、通常の動作状態がまだ再開されていないため、HVDC出力負荷320に電力は供給されていない。
図14A及び
図14Bは、主接触器が閉じられる直前の、電源回復状態の終了時の制御ロジックを示している。KXG接点314及びKSS接点315は、1秒未満の間だけ閉じられ、HVDC出力負荷320に電力を供給することを、UPS124から主電源122に変更する。主接触器402(又は304)は閉じられ、通常の動作状態が回復する。これは
図5に示されている。
【0063】
図15は、主電源からの電気エネルギーが利用できるかどうかに基づいてエネルギー源を調整するための方法1500を示す。方法のための命令は、PDUのコントローラ(例えば、
図1のPDUコントローラ130)によって実行され、メモリに記憶することができる。コントローラは、PDUの1つ以上のセンサから入力を受け取り、1つ以上のスイッチの動作を調整して電流の方向を変更するように構成することができる。
【0064】
方法1500は、1502において、主電源が利用可能であるかどうか、及び主電源が閾値電圧より大きいかどうかを決定することを含む。閾値電圧は、110VAC以上とすることができる。主電源が利用可能である場合、方法1500は1503に進む。1503は、現在の動作パラメータを維持することを含んでいる。電圧は連続的又は定期的にチェックされ、電源が利用できないかどうかを検出することができる。
【0065】
電源が利用できない場合、方法1500は1504に進むことができる。1504は、電源が利用できない時間が閾値の時間を経過したかどうかを判断することを含んでいる。一部の例では、閾値の時間は、10秒とすることができる。あるいは、閾値は、1秒~10秒の間であってもよい。時間が閾値を経過した後、方法は1506に進む。1506は、UPS装置によってDC負荷及びAC負荷に電力を供給することを含む。UPSを使用してDC負荷とAC負荷の両方に電力を供給するために、主接触器及び順方向接触器は1508で開き、逆方向スイッチは1510で閉じる。一部の例では、ステップ1506、1508、及び1510は、異なる順序で実行すること、及び/又は実質的に同時に実行することができる。
【0066】
方法1500は、1512において、主電源がまだ利用できないかどうかを判断する。一部の例では、UPSは、指定された時間の間、DC負荷及びAC負荷に電力を供給することができ、そのときに、主電源が利用可能であるかどうかが判断される。あるいは、UPSは、主電源が利用可能になることを連続的に確認してもよい。一部の例では、主電源が長時間において利用可能である場合、UPSはもはやDC出力に電力を供給できないかもしれない。例えば、UPSの充電状態(SOC)が閾値SOC未満である場合、ガントリはシャットダウンモードに入る。閾値SOCは、シャットダウンモード中にガントリ内の複数のシステムを冷却するために使用される電力量に基づいた値である。1512において、主電源がまだ利用可能ではない場合、方法は1514に進み、ガントリを冷却してシャットダウンし、方法が完了する。主電源が利用可能である場合、方法は、1516に進み、ガントリの構成要素(特に、X線管)の状態を確認する。1518においてX線管の状態が許容できない場合、方法は、1520においてオペレータによって交換されるのを待つ。1518においてX線管の状態が許容可能である場合、又はオペレータによって交換された後、方法は、1522に進み、主電源によってCTシステムに電力を供給する。1524において逆方向スイッチが開き、1526において主接触器と順方向接触器が閉じる。本方法が完了する。
【0067】
本明細書において、単数形で記載され、単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」が先行する要素又はステップは、除外することが明示的に記載されていない限り、複数の要素又はステップを除外しないものとして理解されるべきである。更に、本発明の「一実施形態」に言及することは、記載された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものではない。更に、反対のことを明示的に述べない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「備える」、「含む」、又は「有する」実施形態は、当該特性を有していない追加の要素を含むことができる。用語 「including」及び「in which」は、それぞれの用語「comprising」及び「wherein」の平易な文言の均等語として使用されている。更に、用語「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などは、単にラベルとして使用され、物体に対して数値要件又は特定の位置的順位を課すことを意図するものではない。
【0068】
本明細書に開示された制御方法及びルーチンは、非一時的メモリに実行可能な命令として記憶することができ、様々なセンサ、アクチュエータ、及び他のエンジンハードウェアと組み合わせて、コントローラを含む制御システムによって実行することができる。本明細書に記載された特定のルーチンは、任意の数の処理ストラテジー(イベント駆動、割込み駆動、マルチタスク、マルチスレッドなど)のうちの1つ以上の処理ストラテジーを表すことができる。したがって、図示された様々なアクション、動作、及び/又は機能は、図示された順序で実行される、並行に実行される、又は場合によっては省略されることがある。同様に、処理の順序は、本明細書に記載された例示的な実施形態の特徴及び利点を実現するのに必ずしも必要とされるわけではないが、例示及び説明を容易にするために示されている。図示されたアクション、動作、及び/又は機能のうちの1つ以上は、使用されている特定の戦略に応じて、繰り返し実行することができる。更に、説明されたアクション、動作及び/又は機能は、エンジン制御システムのコンピュータ可読記憶媒体の非一時的メモリにプログラムされるべきコードをグラフを用いて表すことができ、説明されたアクションは、電子コントローラと組み合わせられる様々なエンジンハードウェア構成要素を含むシステムで命令を実行することによって実行される。
【0069】
ここに記載された説明は、実施例を用いて本発明(最良の態様を含む)を開示し、また、当業者が本発明を実施する(任意の装置又はシステムを製造すること及び使用すること、並びに組み込まれた任意の方法を実行することを含む)ことができるようにするものである。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者に思い浮かぶ他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異なっていない構造要素を含む場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異なっていない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0070】
[実施形態1]
主電源及び無停電電源装置(UPS)から電力を受け取るように構成された配電ユニット(PDU)であって、前記UPSはタイマーを含み、前記UPSは、前記主電源が利用できなくなった後に交流(AC)出力負荷に直接に電力を供給するように構成され、前記UPSは、前記主電源が利用できなくなってから、前記タイマーによって或る時間遅延が測定された後に、高電圧直流(HVDC)出力負荷に電力を供給するように更に構成される、配電ユニット(PDU)
を含む、システム。
[実施形態2]
一次巻線、第1の二次巻線、及び第2の二次巻線を有する変圧器を更に含み、前記UPSは、前記AC出力負荷に電力を供給するように構成されるとともに、前記第1の二次巻線及び前記第2の二次巻線に電力を供給することによって、前記時間遅延が経過した後に前記HVDC負荷に電力を供給するように構成される、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態3]
少なくとも1つの接触器を更に含み、前記少なくとも1つの接触器は、前記UPSを前記第1の二次巻線、前記第2の二次巻線、整流器、及び前記HVDC出力負荷に結合するように切り替えられ、前記整流器は、ACをHVDCに変換する、実施形態2に記載のシステム。
[実施形態4]
主入力接触器を更に含み、前記主入力接触器は、開位置において、前記主電源から前記一次巻線への電力の供給を停止する、実施形態3に記載のシステム。
[実施形態5]
前記AC出力負荷は、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムの複数のシステムにAC電力を供給する、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態6]
前記HVDC出力負荷は、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムのガントリ内の複数のシステムにHVDC電力を供給する、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態7]
前記UPSは、前記主電源からの電力が利用できないことに応答して、前記AC出力負荷及び前記HVDC出力負荷に電力を供給するように構成されている、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態8]
HVDC出力負荷に結合されたガントリ、
AC出力負荷に結合された電力キャビネット、
一次巻線、第1の二次巻線、及び第2の二次巻線を有する変圧器を含む配電ユニット(PDU)であって、主電源及び無停電電源装置(UPS)のうちの一方から電力を受け取るように構成された配電ユニット(PDU)、
前記PDU及び前記UPSに結合された複数の接触器及びタイマー、及び
コントローラであって、コンピュータで読取り可能な命令が前記コントローラのメモリに記憶され、前記主電源が利用可能であるかどうかと、前記タイマーからの入力とに基づいて、前記複数の接触器を制御するコントローラ
を含む、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステム。
[実施形態9]
前記ガントリは、前記UPSの充電状態(SOC)がSOCの閾値よりも小さいことに応答して、シャットダウンモードに入り、前記SOCの閾値は、前記シャットダウンモードの間に前記ガントリ内の複数のシステムを冷却するために使用される電力量に基づいている、実施形態8に記載のCTイメージングシステム。
[実施形態10]
電力が前記UPSから前記AC出力負荷に直接に供給される、実施形態8に記載のCTイメージングシステム。
[実施形態11]
前記主電源が利用できなくなってから、前記タイマーによって或る時間遅延が測定された後に、電力が前記UPSから前記HVDC出力負荷に結合される、実施形態8に記載のCTイメージングシステム。
[実施形態12]
前記UPSによって前記第1の二次巻線に供給される電圧は、前記第2の二次巻線の電圧よりも小さい、実施形態11に記載のCTイメージングシステム。
[実施形態13]
前記命令は、前記コントローラが、前記主電源からの電力が利用可能であることと、前記タイマーからの入力とに応答して、前記複数の接触器の位置を開位置及び閉位置に調整することを更に可能にする、実施形態8に記載のCTイメージングシステム。
[実施形態14]
前記複数の接触器は、独立して制御される接触器である、実施形態8に記載のCTイメージングシステム。
[実施形態15]
コンピュータ断層撮影(CT)イメージングシステムのための方法であって、前記方法は、コントローラのメモリに記憶された命令によって実行され、前記方法は、
主電源が利用できなくなったことに応答して、
無停電電源装置(UPS)によってAC出力負荷に直接に電力を供給すること、
或る時間遅延を待つこと、
前記UPSから、変圧器の第1の二次巻線、前記変圧器の一次巻線、前記変圧器の第2の二次巻線、及び整流器に供給された電力によって、HVDC出力負荷に電力を供給すること、並びに、
前記主電源が利用可能になったことに応答して、
X線管の状態を判断すること、及び
HVDC出力負荷に前記主電源によって電力を供給すること
を含む、方法。
[実施形態16]
前記主電源から一次変圧器が切り離されるように、主接触器の位置を開位置に調整することを更に含む、実施形態15に記載の方法。
[実施形態17]
前記UPSを第1の二次巻線に結合するように逆方向スイッチの位置を閉位置に調整し、電力が前記UPSに戻ることを阻止するように順方向接触器の位置を開位置に調整することを更に含む、実施形態16に記載の方法。
[実施形態18]
前記AC出力負荷を通じてCTイメージングシステムの複数のシステムに電力を供給し、HVDC出力負荷を通じて前記CTイメージングシステムのガントリ内の複数のシステムに電力を供給することを更に含む、実施形態15に記載の方法。
[実施形態19]
前記UPSがHVDC出力負荷に電力を供給すること、又は前記UPSの充電状態(SOC)がSOCの閾値未満であることに応答して、前記ガントリ内の複数のシステムを冷却することを更に含む、実施形態18に記載の方法。
【符号の説明】
【0071】
100 CTイメージングシステム
102 ガントリ
104 X線源
106 X線放射ビーム
108 X線検出器アレイ
110 画像プロセッサ
114 テーブル
120 配電ユニット(PDU)
122 主電源
124 無停電電源装置(UPS)
130 PDUコントローラ
200 イメージングシステム
202 検出器素子
202 検出器要素
204 被検体
206 回転中心
208 制御機構
209 タイマー
210 X線コントローラ
212 ガントリモータコントローラ
214 データ収集システム(DAS)
216 コンピューティング装置
218 容量記憶装置
218 記憶装置
220 オペレータコンソール
226 テーブルモータコントローラ
230 画像構成器
232 表示装置
300 実施形態
300 メイン回路
302 ブレーカ
304 入力接触器
305 変圧器
306 一次巻線
308 電気線
310 第1の二次巻線
312 電気線
313 ヒューズ
314 KXG接触器
315 KSS接触器
316 整流器
320 HVDC出力負荷
330 第2の二次巻線
330 変圧器
332 電線
334 ヒューズ
340 AC出力負荷
350 第1の接続部
352 ワイヤ
354 インターロックスイッチ
356 電力供給位置
358 電力受取りスイッチ
358 REV接触器
360 第2の接続部
362 電気線
364 端子ブロック
400 制御回路
402 接触器
404 順方向接触器
406 逆方向接触器
408 KXG接触器
409 KSS接触器
410 第1の電源
411 第2の電源
412 タイマー
414 コイル
418 3相ダイオードブリッジ
420 コイル
422 補助接点
424 閉接点
426 リバースコイル
429 閉接点
430 インターロック回路
432 閉接点
438 タイマー接触器
502 順方向接点
504 逆方向接点
1500 方法
【外国語明細書】