(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073713
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ベースプレートおよびディスク駆動装置
(51)【国際特許分類】
G11B 33/12 20060101AFI20240523BHJP
G11B 25/04 20060101ALI20240523BHJP
G11B 33/14 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
G11B33/12 313T
G11B25/04 101J
G11B33/14 501J
G11B33/14 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184564
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】光成 貴士
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 通浩
(72)【発明者】
【氏名】三好 健太
(57)【要約】 (修正有)
【課題】筐体の内部に配置されるディスクの風損を抑制しつつ筐体の気密性の低下を抑制するベースプレート及びディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】ディスク駆動装置において、ベースプレートは、モータを支持する支持部と、底板部と、壁部と、を備える。壁部は、第1壁部131と、第1壁部の上方に位置する第2壁部132と、を有する。第1壁部は、ディスクDを径方向外方から囲む第1壁面1311と、第1壁面の上端から径方向外方に広がる支持面1312と、を有する。第2壁部は、第1壁面よりも径方向外方に位置する第2壁面1321を有する。第2壁部は、第2壁面から径方向外方に凹む凹部130を有する。凹部は、第2壁面よりも径方向外方に位置し、支持面から上方に延びる凹部壁面と、凹部壁面の上端から第2壁面の下端に繋がる凹部天面と、支持面のうち凹部天面と軸方向に対向する部分である凹部支持面と、で囲まれた空間によって構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク駆動装置の筐体の一部となるベースプレートであって、
上下に延びる中心軸を中心にディスクを回転させるモータを支持する支持部と、
前記支持部から径方向外方に広がる底板部と、
前記底板部の外周部から上方に立設する壁部と、を備え、
前記壁部は、
第1壁部と、
前記第1壁部の上方に位置する第2壁部と、を有し、
前記第1壁部は、
前記ディスクを径方向外方から囲む第1壁面と、
前記第1壁面の上端から径方向外方に広がる支持面と、を有し、
前記第2壁部は、
前記第1壁面よりも径方向外方に位置する第2壁面と、
前記第2壁面から径方向外方に凹む凹部と、を有し、
前記凹部は、
前記第2壁面よりも径方向外方に位置し、前記支持面から上方に延びる凹部壁面と、
前記凹部壁面の上端から前記第2壁面の下端に繋がる凹部天面と、
前記支持面のうち前記凹部天面と軸方向に対向する部分である凹部支持面と、で囲まれた空間によって構成される、ベースプレート。
【請求項2】
前記第2壁面から前記凹部壁面までの径方向の幅は、前記第2壁部の径方向の幅の25%以下である、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項3】
前記第2壁面から前記凹部壁面までの径方向の幅は、30μm以上である、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項4】
前記凹部支持面と前記凹部壁面との間の第1隅部、および、前記凹部天面と前記凹部壁面との間の第2隅部、のうち少なくとも一方は、径方向および軸方向に対して傾斜する、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項5】
前記第2壁面の下端は、前記凹部壁面の上端よりも上方に位置し、
前記凹部天面は、上方に向かって傾斜し前記第2壁面の下端に繋がる傾斜面を少なくとも一部に有する、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項6】
前記凹部支持面と前記凹部天面との軸方向間の幅は、前記第2壁面と前記凹部壁面との径方向間の幅よりも大きい、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項7】
前記支持面は、前記壁部の径方向外方を向く外壁面の少なくとも一部よりも、面粗度が小さい、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項8】
前記凹部支持面を含む前記支持面、前記凹部壁面および前記凹部天面は、電着塗装膜で覆われる、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項9】
前記壁部の少なくとも一部は、電着塗装膜で覆われた面であり、
少なくとも前記支持面は、前記電着塗装膜から露出する、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項10】
請求項1に記載のベースプレートと、
前記ベースプレートの上部に配置される第1蓋部と、
シール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記凹部支持面を含む前記支持面上に配置され、
前記第1蓋部の径方向外方の端部は、前記シール部材を介して、前記支持面に接続される、ディスク駆動装置。
【請求項11】
前記第1蓋部よりも上方に配置される第2蓋部を備え、
前記第2蓋部の径方向外方の端部は、前記壁部の上端面に接続される、請求項10に記載のディスク駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースプレートおよびディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクドライブのようなディスク駆動装置が知られている。ディスク駆動装置は、モータおよびヘッドを備える。モータは、ディスクを回転させる。ヘッドは、ディスクに対して情報の読み取りおよび書き込みを行う。また、ディスク駆動装置は、ベースプレートと蓋部とによって構成される筐体を備える。ディスクは、ベースプレートと蓋部とによって囲まれた空間に配置される(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ディスク駆動装置のディスク径を大きくすることが検討されている。ディスク径を大きくすると、ディスクの径方向において、ベースプレートの内壁面とディスクとの間隔が小さくなるため、風損が大きくなり、消費電力の増大に繋がる。
【0005】
しかし、風損を抑制するためにベースプレートの内壁面を径方向外方にシフトすると、ベースプレートの壁部上面の径方向の幅が小さくなる。このため、ベースプレートの壁部上面に蓋部を配置する場合、ベースプレートの壁部上面に対する蓋部の配置スペースが径方向に小さくなる。これにより、ベースプレートと蓋部との間のシール性が低下する場合がある。すなわち、ベースプレートを含む筐体の気密性が低下する場合がある。
【0006】
本発明は、ベースプレートを含む筐体の内部に配置されるディスクの風損が増大することを抑制しつつ、その筐体の気密性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的なベースプレートは、ディスク駆動装置の筐体の一部となるベースプレートであって、上下に延びる中心軸を中心にディスクを回転させるモータを支持する支持部と、支持部から径方向外方に広がる底板部と、底板部の外周部から上方に立設する壁部と、を備える。壁部は、第1壁部と、第1壁部の上方に位置する第2壁部と、を有する。第1壁部は、ディスクを径方向外方から囲む第1壁面と、第1壁面の上端から径方向外方に広がる支持面と、を有する。第2壁部は、第1壁面よりも径方向外方に位置する第2壁面と、第2壁面から径方向外方に凹む凹部と、を有する。凹部は、第2壁面よりも径方向外方に位置し、支持面から上方に延びる凹部壁面と、凹部壁面の上端から第2壁面の下端に繋がる凹部天面と、支持面のうち凹部天面と軸方向に対向する部分である凹部支持面と、で囲まれた空間によって構成される。
【0008】
本発明の例示的なディスク駆動装置は、上記ベースプレートと、ベースプレートの上部に配置される第1蓋部と、シール部材と、を備える。シール部材は、凹部支持面を含む支持面上に配置される。第1蓋部の径方向外方の端部は、シール部材を介して、支持面に接続される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の例示的なベースプレートおよびディスク駆動装置によれば、ベースプレートを含む筐体の内部に配置されるディスクの風損が増大することを抑制しつつ、その筐体の気密性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係るディスク駆動装置の内部構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るベースプレートを上方から見た平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るベースプレートに対する第1蓋部および第2蓋部の接続箇所の断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す接続箇所に第1蓋部および第2蓋部が接続された状態の断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るベースプレートの凹部およびその周辺を拡大した断面図(第1の形態の隅部を示す断面図)である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るベースプレートの製造に使用される刃物の模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るベースプレートの凹部およびその周辺を拡大した断面図(第2の形態の隅部を示す断面図)である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るベースプレートの凹部の開口形状(第1の形態)を示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るベースプレートの凹部の開口形状(第2の形態)を示す断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るベースプレートの壁部が電着塗装膜で覆われた状態の断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るベースプレートの製造工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本明細書では、ディスクDの中心軸A1が延びる方向を「軸方向」と呼び、軸方向の一方を上方と定義し、軸方向の他方を下方と定義する。ヘッド40の揺動軸A2は、中心軸A1と同じ方向に延びる。また、各構成要素において、上方を向く面を「上面」と呼び、下方を向く面を「下面」と呼ぶ。なお、この上下方向の定義は、各構成要素の実際の向きおよび位置関係を限定するものではない。
【0013】
また、本明細書では、中心軸A1と直交する方向を「径方向」と呼ぶ。また、中心軸A1から離れる向きを「径方向外方」と呼び、中心軸A1に近づく向きを「径方向内方」と呼ぶ。
【0014】
<1.ディスク駆動装置の全体構成>
図1は、実施形態に係るディスク駆動装置100の内部構造を示す模式図である。
【0015】
ディスク駆動装置100は、ハードディスクドライブ(HDD)である。ディスク駆動装置100は、ディスクDを記憶媒体として有する。ディスク駆動装置100は、後述するベースプレート1を含む筐体HGを備える。筐体HGは、内部に空間を有する。ディスクDは、筐体HGの内部空間に配置される。ディスク駆動装置100は、中心軸A1を中心にディスクDを回転させながら、ディスクDに対して情報の読み取りおよび書き込みを行う。
【0016】
筐体HGは、ベースプレート1を含む。また、筐体HGは、第1蓋部21を含む。すなわち、ディスク駆動装置100は、ベースプレート1と、第1蓋部21と、を備える。ベースプレート1は、上部が開口された箱状である。第1蓋部21は、ベースプレート1に接続される。第1蓋部21は、ベースプレート1の上部に配置される。これにより、ベースプレート1の上部の開口が第1蓋部21によって覆われる。
【0017】
筐体HGは、ベースプレート1と第1蓋部21とによって囲まれた空間をディスクDの配置領域として有する。なお、筐体HGのディスクDが配置される内部空間には、空気よりも低密度の気体が充填される。筐体HGの内部空間に充填される気体は、たとえば、ヘリウムガスである。筐体HGの内部空間に充填される気体は、特に限定されない。筐体HGの内部空間に充填される気体は、水素ガスであってもよい。
【0018】
筐体HGは、第2蓋部22を含む。すなわち、ディスク駆動装置100は、第2蓋部22を備える。第2蓋部22は、ベースプレート1に接続される。第2蓋部22は、第1蓋部21よりも上方に配置される。なお、変形例として、ディスク駆動装置100から第2蓋部22を省略してもよい。
【0019】
ディスク駆動装置100は、モータ3を備える。モータ3は、たとえば、スピンドルモータである。ディスクDは、モータ3に固定される。ディスクDは、モータ3の駆動力によって回転する。
【0020】
ディスク駆動装置100は、ヘッド40を備える。また、ディスク駆動装置100は、アーム41および揺動機構42を備える。ヘッド40は、アーム41の先端部に固定される。アーム41は、揺動軸A2を中心として揺動可能に支持される。揺動機構42は、アーム41を揺動させる。ヘッド40は、揺動軸A2を中心として揺動することにより、ディスクDに対して相対的に移動する。ヘッド40は、ディスクDに対して情報の読み取りおよび書き込みを行う。
【0021】
<2.筐体の構成>
図2は、実施形態に係るベースプレート1を上方から見た平面図である。
図2では、ディスクDの外縁を二点鎖線で示す。
図3は、実施形態に係るベースプレート1に対する第1蓋部21および第2蓋部22の接続箇所の断面図である。
図4は、
図3に示す接続箇所に第1蓋部21および第2蓋部22が接続された状態の断面図である。なお、
図3および
図4は、
図2のA-A´線に沿った断面に対応する。
図3および
図4では、図面の左方向が径方向外方であり、図面の右方向が径方向内方である。
図4では、
図3に記載の符号を援用するものとして、符号の記載を一部省略する。
【0022】
ベースプレート1は、ディスク駆動装置100の筐体HGの一部となる。ベースプレート1は、鋳造品である。ベースプレート1の材料となる金属には、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。
【0023】
ベースプレート1は、
図2に示すように、支持部11と、底板部12と、壁部13と、を備える。
【0024】
支持部11は、モータ3を支持する。モータ3は、上下に延びる中心軸A1を中心にディスクDを回転させる。すなわち、支持部11は、ディスクDを中心軸A1回りに回転可能に支持する。
【0025】
具体的には、モータ3は、ハブおよびシャフトを有する。シャフトは、中心軸A1と重なる位置に配置され、中心軸A1に沿って延びる。シャフトは、中心軸A1回りに回転可能に支持される。ハブは、シャフトに固定され、シャフトと共に回転する。なお、ディスクDは、ハブに固定される。また、モータ3は、ベアリングおよびステータを有する。ベアリングおよびステータは、支持部11に固定される。ベアリングは、シャフトを回転可能に支持する。ステータは、ハブに固定されたマグネットと径方向に対向し、ハブを中心軸A1回りに回転させる。ハブが回転することにより、ディスクDが回転する。
【0026】
底板部12は、支持部11から径方向外方に広がる。言い換えると、支持部11は、底板部12の一部である。底板部12は、軸方向から見て、一方向を長手方向とする矩形状である。中心軸A1は、軸方向から見て、底板部12のうち、長手方向の一方側に位置する。揺動軸A2は、軸方向から見て、底板部12のうち、長手方向の一方側とは反対の他方側に位置する。
【0027】
壁部13は、底板部12の外周部から上方に立設する。壁部13により、ベースプレート1の上部に開口が形成される。壁部13は、ディスクDを径方向外方から囲む。すなわち、ディスクDは、壁部13で囲まれた領域に配置される。
【0028】
壁部13は、底板部12の短手方向と平行な平面であって中心軸A1を含む平面で切断した断面視において(
図3参照)、段差部を有する。言い換えると、壁部13は、軸方向の位置が互いに異なる2つの上面を有する。
【0029】
具体的には、壁部13は、第1壁部131と、第2壁部132と、を有する。第2壁部132は、第1壁部131の上方に位置する。すなわち、第1壁部131は、底板部12から上方に立設する。第2壁部132は、第1壁部131から上方に立設する。壁部13のうち、下方側が第1壁部131であり、上方側が第2壁部132である。
【0030】
第1壁部131は、第1壁面1311を有する。第1壁面1311は、第1壁部131のうち径方向内方を向く内壁面である。第1壁面1311は、ディスクDを径方向外方から囲む。
【0031】
第2壁部132は、第2壁面1321を有する。第2壁面1321は、第2壁部132のうち径方向内方を向く内壁面である。第2壁面1321は、第1壁面1311よりも径方向外方に位置する。第2壁面1321は、ディスクDの配置領域よりも上方の領域を径方向外方から囲む。
【0032】
第1壁部131は、支持面1312を有する。支持面1312は、第1壁面1311の上端から径方向外方に広がる。なお、壁部13の上端面1322は、第2壁面1321の上端から径方向外方に広がる。すなわち、第2壁部132は、上端面1322を有する。支持面1312は、壁部13の段差を構成する2つの上面のうち下方側の上面である。上端面1322は、壁部13の段差を構成する2つの上面のうち上方側の上面である。
【0033】
壁部13には、
図4に示すように、第1蓋部21および第2蓋部22が接続される。第1蓋部21は、支持面1312に接続される。第2蓋部22は、上端面1322に接続される。
【0034】
第1蓋部21の支持面1312に対する接続には、シール部材5が使用される。すなわち、ディスク駆動装置100は、シール部材5を備える。シール部材5は、たとえば、液状ガスケット(FIPG:Formed In Place Gasket)を硬化させたものである。
【0035】
シール部材5は、支持面1312上に配置される。そして、第1蓋部21の径方向外方の端部は、シール部材5を介して、支持面1312に接続される。これにより、第1蓋部21の径方向外方の端部と支持面1312との間がシール部材5によってシールされる。たとえば、第1蓋部21の径方向外方の端部と支持面1312との間にシール部材5を介在させた状態で、第1蓋部21の径方向外方の端部が支持面1312に対してネジ止めされる。
【0036】
第2蓋部22は、その径方向外方の端部が上端面1322に対して溶接される。すなわち、第2蓋部22の径方向外方の端部は、上端面1322に接続される。第2蓋部22の径方向外方の端部と上端面1322との接続では、たとえば、レーザ溶接法が使用されてもよい。
【0037】
第1蓋部21の径方向外方の端部と支持面1312との間にシール部材5を介在させることにより、第1蓋部21の径方向外方の端部と支持面1312との間のシール性を向上させることができる。すなわち、筐体HGの気密性を向上させることができる。さらに、第1蓋部21の上方に第2蓋部22を配置し、第2蓋部22の径方向外方の端部を上端面1322に接続することにより、より一層、筐体HGの気密性が向上する。
【0038】
<3.ベースプレートの凹部>
<3-1.凹部の基本構成>
図5は、実施形態に係るベースプレート1の凹部130およびその周辺を拡大した断面図である。なお、
図5は、
図2のA-A´線に沿った断面に対応する。
図5では、
図3に記載の符号を援用するものとして、符号の記載を一部省略する。
【0039】
ディスク駆動装置100のディスクDは、径方向において、第1壁面1311と間隔を隔てて対向する(
図4参照)。すなわち、第1壁面1311の径方向の位置は、ディスクDの直径に基づき決まる。
【0040】
ここで、ディスク駆動装置100の記憶容量を増大するためにディスクDの大径化を図ると、第1壁面1311とディスクDとの径方向の間隔が小さくなる。第1壁面1311とディスクDとの径方向の間隔が小さくなると、風損が大きくなり、消費電力の増大に繋がる。
【0041】
このため、ディスクDの大径化を図る場合には、第1壁面1311が径方向外方にシフトされる。すなわち、第1壁面1311とディスクDとの径方向の間隔が一定以上に保たれる。これにより、風損に起因する消費電力の増大を抑制できる。
【0042】
しかし、第1壁面1311を単に径方向外方にシフトしただけでは、支持面1312の幅が径方向に小さくなる。言い換えると、シール部材5の配置スペースの幅が径方向に小さくなる。さらに言い換えると、シール部材5と支持面1312との接触面積が小さくなる。シール部材5と支持面1312との接触面積が小さくなり過ぎている場合には、シール部材5と支持面1312との接触面積が十分に確保されている場合と比べて、第1蓋部21の径方向外方の端部と支持面1312との間のシール性が低下する可能性がある。
【0043】
そこで、第2壁部132は、凹部130を有する。凹部130は、第2壁面1321から径方向外方に凹む。具体的には、凹部130は、凹部壁面1301と、凹部天面1302と、凹部支持面1303と、で囲まれた空間によって構成される。
【0044】
凹部壁面1301は、第2壁面1321よりも径方向外方に位置する。凹部壁面1301は、支持面1312から上方に延びる。凹部壁面1301は、径方向内方を向く面である。
【0045】
凹部天面1302は、凹部壁面1301の上端から第2壁面1321の下端に繋がる。凹部天面1302は、凹部130の内側における下面である。凹部天面1302は、凹部支持面1303と対向する面である。
【0046】
凹部支持面1303は、支持面1312の一部である。凹部支持面1303は、支持面1312のうち凹部天面1302と軸方向に対向する部分である。すなわち、支持面1312のうち径方向外方の端部が凹部支持面1303である。凹部支持面1303は、凹部130の内側における上面である。
【0047】
なお、支持面1312は、段差無く、径方向に広がる。言い換えると、支持面1312のうち、凹部支持面1303と他の部分の上面とは面一である。さらに言い換えると、支持面1312のうち、凹部支持面1303と他の部分の上面とは、段差無く繋がる。
【0048】
第2壁部132に凹部130を設けることにより、第1壁面1311を径方向外方にシフトしても、支持面1312の径方向の幅が小さくなることを抑制できる。すなわち、シール部材5と支持面1312との接触面積が小さくなることを抑制できる。
【0049】
具体的には、ディスク駆動装置100の製造において、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程では、支持面1312上にシール部材5の構成材料が配置され、第1蓋部21の径方向外方の端部が支持面1312に押し付けられる。このとき、シール部材5の構成材料は、押し潰されることにより、凹部130の内側に進入し、凹部支持面1303に至る。言い換えると、凹部130の内側もシール部材5の配置スペースとなる。
【0050】
これにより、ディスクDの大径化に伴って第1壁面1311を径方向外方にシフトしても、シール部材5の配置スペースを十分に確保できる。すなわち、シール部材5と支持面1312との接触面積を十分に確保できる。その結果、ディスクDの大径化に伴う風損の増大(すなわち、消費電力の増大)を抑制しつつ、筐体HGの気密性が低下することを抑制できる。
【0051】
たとえば、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程では、シール部材5の構成材料が凹部支持面1303から凹部壁面1301にまで達する。その結果、シール部材5は、凹部壁面1301の少なくとも一部に接触する。
【0052】
また、第2壁面1321から凹部壁面1301までの径方向の幅W1は、第2壁部132の径方向の幅W2の25%以下である。なお、幅W1は、凹部130の径方向の深さに相当する。すなわち、凹部130の径方向の深さは、幅W2の25%以下である。幅W1を幅W2の25%以下とすることにより、第2壁部132に凹部130を設けても、すなわち、第2壁部132の一部で径方向の厚みを小さくしても、第2壁部132の強度が低下することを抑制できる。
【0053】
ただし、第2壁面1321から凹部壁面1301までの径方向の幅W1は、30μm以上である。これにより、容易に、第2壁部132に凹部130を形成できる。
【0054】
たとえば、凹部130の形成では、
図6に示すような刃物9が使用される。刃物9は、径方向に突出する先端部90を有する。刃物9をベースプレート1の素材(
図6では、二点鎖線で示す)に対して白抜き矢印方向に押し当てて切削することにより、ベースプレート1の素材に凹部130が形成される。
【0055】
このような刃物9を使用して凹部130を形成する場合、先端部90の幅Wに基づき凹部130の幅W1が設定される。先端部90の幅Wが小さいほど、凹部130の幅W1を小さくできる。しかし、先端部90の幅Wを小さくすることは困難である。そこで、凹部130の幅W1としては、30μm以上であることが好ましい。凹部130の幅W1が30μm以上であれば、刃物9を使用して凹部130を形成できる。
【0056】
また、
図5に示すように、凹部支持面1303と凹部天面1302との軸方向間の幅Hは、第2壁面1321と凹部壁面1301との径方向間の幅W1よりも大きい。言い換えると、凹部130の軸方向の開口幅(幅Hに相当)は、凹部130の径方向の深さ(幅W1に相当)よりも大きい。これにより、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程において、シール部材5の構成材料が第1蓋部21によって押し潰されたとき、容易に、その押し潰されたシール部材5の構成材料を凹部130の内側に進入させることができる。
【0057】
凹部130の径方向の深さは、第1壁面1311の径方向の位置に基づき適宜変更される。なお、第1壁面1311の径方向の位置は、ディスクDの直径に基づき設定される。すなわち、凹部130の径方向の深さは、ディスクDの直径に基づき適宜変更される。
【0058】
<3-2.凹部の隅部の形状>
図7は、実施形態に係るベースプレート1の凹部130およびその周辺を拡大した断面図である。なお、
図7は、
図2のA-A´線に沿った断面に対応する。
図7では、
図3に記載の符号を援用するものとして、符号の記載を一部省略する。ここで、
図5には、第1の形態の第1隅部C1および第2隅部C2の各形状が示される。
図7には、第2の形態の第1隅部C1および第2隅部C2の各形状が示される。
【0059】
第1および第2の形態では、いずれも、凹部130は、第1隅部C1および第2隅部C2を有する。第1隅部C1は、凹部支持面1303と凹部壁面1301との間の隅部である。第2隅部C2は、凹部天面1302と凹部壁面1301との間の隅部である。ここで、第1隅部C1および第2隅部C2のうち少なくとも一方は、径方向および軸方向に対して傾斜する。
【0060】
第1の形態では、
図5に示すように、第1隅部C1および第2隅部C2は、両方とも、曲面状に傾斜する。なお、第1の形態において、第1隅部C1および第2隅部C2の一方だけが曲面状に傾斜してもよい。第1の形態では、少なくとも、第1隅部C1が曲面状に傾斜することが好ましい。
【0061】
第2の形態では、
図7に示すように、第1隅部C1および第2隅部C2は、両方とも、平面状に傾斜する。なお、第2の形態において、第1隅部C1および第2隅部C2の一方だけが平面状に傾斜してもよい。第2の形態では、少なくとも、第1隅部C1が平面状に傾斜することが好ましい。
【0062】
凹部支持面1303と凹部壁面1301との間の第1隅部C1が傾斜する構成では、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程において、シール部材5の構成材料が第1隅部C1に充填され易くなる。すなわち、第1隅部C1にシール部材5が隙間なく密着された状態にできる。これにより、凹部支持面1303に対するシール部材5の密着性が向上する。すなわち、筐体HGの気密性の低下がより抑制される。
【0063】
なお、凹部支持面1303と凹部壁面1301との間の第1隅部C1が直角を成す構成では、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程において、シール部材5の構成材料が第1隅部C1に進入し難くなるため、第1隅部C1とシール部材5との間に隙間が生じる場合がある。このため、第1隅部C1が傾斜することが好ましい。
【0064】
ここで、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程では、シール部材5の構成材料が支持面1312上に配置され、シール部材5の構成材料が第1蓋部21に押し潰されることにより、シール部材5の構成材料が径方向外方に流れて第1隅部C1に達する。ただし、たとえば、凹部130のサイズによっては、シール部材5の構成材料が第2隅部C2に達するので、第2隅部C2も傾斜していることが好ましい。
【0065】
<3-3.凹部の開口形状>
図8は、実施形態に係るベースプレート1の凹部130の開口形状(第1の形態)を示す断面図である。
図9は、実施形態に係るベースプレート1の凹部130の開口形状(第2の形態)を示す断面図である。なお、
図8および
図9は、
図2のA-A´線に沿った断面に対応する。
図8および
図9では、
図3に記載の符号を援用するものとして、符号の記載を一部省略する。
【0066】
第1および第2の形態では、いずれも、第2壁面1321の下端LEは、凹部壁面1301の上端TEよりも上方に位置する。そして、凹部天面1302は、上方に向かって傾斜し第2壁面1321の下端LEに繋がる傾斜面を少なくとも一部に有する。なお、
図8および
図9では、凹部天面1302の傾斜面が平面状に傾斜するが、凹部天面1302の傾斜面は、平面状に傾斜していてもよいし、曲面状に傾斜していてもよい。
【0067】
第1の形態(
図8参照)では、凹部天面1302の全面が傾斜面である。第2の形態(
図9参照)では、凹部天面1302の一部が傾斜面である。第2の形態では、凹部天面1302は、凹部130の開口側(すなわち、径方向内方側)に傾斜面を有し、凹部130の底側(すなわち、径方向外方側)に径方向と平行な面を有する。
【0068】
ここで、ベースプレート1の壁部13に対して第1蓋部21を接続する工程では、支持面1312上において、シール部材5の構成材料が第1蓋部21に押し潰されることによって径方向外方に流れる。このとき、凹部天面1302の少なくとも一部が傾斜面となっていれば、シール部材5の構成材料が第2壁面1321の下端LEに接触することを抑制できる。これにより、第2壁部132に凹部130を設けたにもかかわらず凹部130の内側へのシール部材5の構成材料の進入が不十分になる、という不都合が生じることを抑制できる。
【0069】
<4.ベースプレートの表面粗さ>
ベースプレート1の製造工程では、ベースプレート1となる素材(すなわち、鋳造品)の少なくとも一部に対して切削加工が行われる。ベースプレート1のうち、少なくとも、第1壁部131の支持面1312、第2壁部132の第2壁面1321および上端面1322は、素材を切削加工することによって形成される。凹部130の凹部壁面1301、凹部天面1302および凹部支持面1303も同様、素材を切削加工することによって形成される。
【0070】
また、ベースプレート1の壁部13の径方向外方を向く外壁面の少なくとも一部は、素材を切削加工することによって形成される。具体的には、ベースプレート1の素材としての鋳造品のうち、少なくとも、ゲート跡およびオーバーフロー跡が切削される。したがって、壁部13の外壁面は、切削加工された加工面と、切削加工されず素地のまま残る非加工面と、を含む。なお、加工面は、非加工面よりも面粗度が小さい。
【0071】
ここで、凹部支持面1303を含む支持面1312は、切削加工によって形成される加工面である。言い換えると、支持面1312は、非加工面よりも面粗度が小さい。さらに言い換えると、支持面1312は、壁部13の径方向外方を向く外壁面の少なくとも一部よりも、面粗度が小さい。具体的には、支持面1312は、壁部13の外壁面のうち切削加工されていない素地の部分(すなわち、鋳肌)よりも、面粗度が小さい。
【0072】
なお、壁部13の外壁面に対する切削加工と、支持面1312を含む凹部130の周辺に対する切削加工と、の間で加工条件を変えることにより、支持面1312の面粗度を壁部13の外壁面の面粗度よりも小さくしてもよい。これにより、支持面1312は、壁部13の外壁面の加工面よりも、面粗度が小さくなる。
【0073】
支持面1312の面粗度が小さい構成では、支持面1312とシール部材5との間に微細な隙間が生じることを抑制できる。すなわち、支持面1312に対するシール部材5の密着性が向上する。これにより、第1蓋部21と支持面1312との間のシール性をより向上させることができる。
【0074】
<5.ベースプレートの電着塗装>
図10および
図11は、実施形態に係るベースプレート1の壁部13が電着塗装膜14で覆われた状態の断面図である。ただし、
図11は、
図10に示す電着塗装膜14の一部が省略された状態の断面図である。なお、
図10および
図11は、
図2のA-A´線に沿った断面に対応する。
図10および
図11では、
図3に記載の符号を援用するものとして、符号の記載を一部省略する。
【0075】
ベースプレート1の表面のうち少なくとも一部は、電着塗装膜14で覆われる。壁部13の少なくとも一部は、電着塗装膜14で覆われた面である。たとえば、ベースプレート1の全面に対して電着塗装が施され、その後、電着塗装膜14の一部が切削加工により除去されてもよい。
【0076】
ここで、ベースプレート1のうち、少なくとも、第1壁部131の支持面1312、第2壁部132の第2壁面1321および上端面1322は、素材としての鋳造品を切削加工することによって形成される。
【0077】
鋳造品のうち切削加工された部分については、チル層が除去される。このため、鋳造品のうち切削加工された部分には、金属密度の低い層が露出する。すなわち、加工面は、金属密度が低い面である。
【0078】
このことから、
図10に示すように、壁部13の全面が電着塗装膜14で覆われてもよい。
図10に示す構成では、凹部支持面1303を含む支持面1312、凹部壁面1301および凹部天面1302は、電着塗装膜14で覆われる。これにより、ベースプレート1を含む筐体HGの気密性が低下することを抑制できる。
【0079】
なお、詳細は後述するが、ベースプレート1の製造工程では、少なくとも加工面に対して含浸剤が塗布される。ベースプレート1の素材としての鋳造品に対して含浸剤を塗布することにより、ベースプレート1の素材に生じる微細な空洞を含浸剤で封止できる。含浸剤は、電着塗装膜14の構成材料(すなわち、硬化前の電着塗装材)よりも粘度が低い。すなわち、筐体HGの気密性が低下することを抑制するには、ベースプレート1の素材のうち加工面に対して含浸剤を積極的に塗布することが好ましい。
【0080】
そこで、
図11に示すように、凹部支持面1303を含む支持面1312、凹部壁面1301および凹部天面1302の各電着塗装膜14を除去してもよい。
図11に示す構成では、少なくとも支持面1312は、電着塗装膜14から露出する。これにより、ベースプレート1のうちシール部材5が接触する部分に対する含浸剤の浸潤が積極的に行われる。その結果、より一層、筐体HGの気密性が低下することを抑制できる。
【0081】
<6.ベースプレートの製造工程>
図12は、実施形態に係るベースプレート1の製造工程を示すフローチャートである。以下、
図12を参照し、ベースプレート1の製造工程について説明する。
【0082】
ステップS1において、金型に対して溶湯を流し込み、ベースプレート1の素材である鋳造品を形成する。ステップS2において、鋳造品に残っているゲート跡およびオーバーフロー跡を切除する。このとき、ゲート跡およびオーバーフロー跡は、完全には切除されない。
【0083】
ステップS3において、鋳造品に対して1次加工を行う。1次加工では、少なくとも、第1壁部131の支持面1312、第2壁部132の第2壁面1321および上端面1322となる部分に対して切削加工を行う。さらに、切削加工を行うことにより、凹部130となる部分を形成する。すなわち、凹部壁面1301、凹部天面1302および凹部支持面1303を形成する。
【0084】
ステップS4において、鋳造品の全面に対して電着塗装を行う。ただし、これに限定されない。たとえば、電着塗装を行うとき、凹部支持面1303を含む支持面1312をマスクしてもよい。これにより、容易に、少なくとも支持面1312が電着塗装膜14から露出された状態を得ることができる。あるいは、電着塗装の後、後述するステップS5の2次加工において、電着塗装を除去しても良い。
【0085】
ステップS5において、鋳造品に対して2次加工を行う。
図11に示す構成を得る場合には、2次加工を行うことにより、少なくとも支持面1312を電着塗装膜14から露出させる。なお、ゲート跡およびオーバーフロー跡については、後に行われる含浸工程において、含浸剤を積極的に含浸させることが好ましい。このため、ステップS5では、電着塗装膜14のうちゲート跡およびオーバーフロー跡を覆う部分を切削加工し、ゲート跡およびオーバーフロー跡を露出させる。
【0086】
ステップ6において、鋳造品に対してネジ孔を形成するタップ処理を行う。このとき、ベースプレート1に対する第1蓋部21の固定に使用するためのネジ孔が形成される。その後、ステップS7において、鋳造品に対する含浸処理を行う。
【0087】
<7.その他>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態は適宜任意に組み合わせることができる。
【0088】
本発明は、以下の(1)~(11)の構成をとることが可能である。
【0089】
(1) ディスク駆動装置の筐体の一部となるベースプレートであって、
上下に延びる中心軸を中心にディスクを回転させるモータを支持する支持部と、
前記支持部から径方向外方に広がる底板部と、
前記底板部の外周部から上方に立設する壁部と、を備え、
前記壁部は、
第1壁部と、
前記第1壁部の上方に位置する第2壁部と、を有し、
前記第1壁部は、
前記ディスクを径方向外方から囲む第1壁面と、
前記第1壁面の上端から径方向外方に広がる支持面と、を有し、
前記第2壁部は、
前記第1壁面よりも径方向外方に位置する第2壁面と、
前記第2壁面から径方向外方に凹む凹部と、を有し、
前記凹部は、
前記第2壁面よりも径方向外方に位置し、前記支持面から上方に延びる凹部壁面と、
前記凹部壁面の上端から前記第2壁面の下端に繋がる凹部天面と、
前記支持面のうち前記凹部天面と軸方向に対向する部分である凹部支持面と、で囲まれた空間によって構成される、ベースプレート。
【0090】
(2) 前記第2壁面から前記凹部壁面までの径方向の幅は、前記第2壁部の径方向の幅の25%以下である、(1)に記載のベースプレート。
【0091】
(3) 前記第2壁面から前記凹部壁面までの径方向の幅は、30μm以上である、(1)または(2)に記載のベースプレート。
【0092】
(4) 前記凹部支持面と前記凹部壁面との間の第1隅部、および、前記凹部天面と前記凹部壁面との間の第2隅部、のうち少なくとも一方は、径方向および軸方向に対して傾斜する、(1)から(3)のいずれかに記載のベースプレート。
【0093】
(5) 前記第2壁面の下端は、前記凹部壁面の上端よりも上方に位置し、
前記凹部天面は、上方に向かって傾斜し前記第2壁面の下端に繋がる傾斜面を少なくとも一部に有する、(1)から(4)のいずれかに記載のベースプレート。
【0094】
(6) 前記凹部支持面と前記凹部天面との軸方向間の幅は、前記第2壁面と前記凹部壁面との径方向間の幅よりも大きい、(1)から(5)のいずれかに記載のベースプレート。
【0095】
(7) 前記支持面は、前記壁部の径方向外方を向く外壁面の少なくとも一部よりも、面粗度が小さい、(1)から(6)のいずれかに記載のベースプレート。
【0096】
(8) 前記凹部支持面を含む前記支持面、前記凹部壁面および前記凹部天面は、電着塗装膜で覆われる、(1)から(7)のいずれかに記載のベースプレート。
【0097】
(9) 前記壁部の少なくとも一部は、電着塗装膜で覆われた面であり、
少なくとも前記支持面は、前記電着塗装膜から露出する、(1)から(7)のいずれかに記載のベースプレート。
【0098】
(10) (1)から(9)のいずれかに記載のベースプレートと、
前記ベースプレートの上部に配置される第1蓋部と、
シール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記凹部支持面を含む前記支持面上に配置され、
前記第1蓋部の径方向外方の端部は、前記シール部材を介して、前記支持面に接続される、ディスク駆動装置。
【0099】
(11) 前記第1蓋部よりも上方に配置される第2蓋部を備え、
前記第2蓋部の径方向外方の端部は、前記壁部の上端面に接続される、(10)に記載のディスク装置。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、たとえば、ハードディスクドライブなどのディスク駆動装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 ベースプレート
3 モータ
5 シール部材
11 支持部
12 底板部
13 壁部
14 電着塗装膜
21 第1蓋部
22 第2蓋部
100 ディスク駆動装置
130 凹部
131 第1壁部
132 第2壁部
1301 凹部壁面
1302 凹部天面
1303 凹部支持面
1311 第1壁面
1312 支持面
1321 第2壁面
1322 上端面
A1 中心軸
C1 第1隅部
C2 第2隅部
D ディスク
HG 筐体
LE (第2壁面の)下端
TE (凹部壁面の)上端