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特開2024-73722検索支援システム、検索支援方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073722
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】検索支援システム、検索支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9032 20190101AFI20240523BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240523BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20240523BHJP
【FI】
G06F16/9032
G06Q50/10
G06F16/9038
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184582
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】須賀 宏平
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175GB03
5B175JB02
5B175KA11
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 商品に適したHSコードを見つけることの容易化を図ること。
【解決手段】検索支援システムは、受付部と、統計番号候補決定部と、キーワード候補決定部と、出力制御部とを備える。受付部は、キーワードの入力を受け付ける。統計番号候補決定部は、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、受け付けたキーワードと、の類似度に基づいて、HSコード群から、出力させるHSコード候補を決定する。キーワード候補決定部は、キーワード候補群のそれぞれについて、HSコード群のそれぞれについてのHSコードの品目情報と、キーワード候補および受付部によって入力を受け付けたキーワードとの類似度に基づいて、キーワード候補群から出力させるキーワード候補を決定する。出力制御部は、決定されたHSコード候補と決定されたキーワード候補を出力させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関するキーワードの入力を受け付ける受付手段と、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定する統計番号候補決定手段と、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定するキーワード候補決定手段と、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる出力制御手段と、
を備える検索支援システム。
【請求項2】
前記受付手段は、さらに、統計番号の指定を受け付け、
前記統計番号候補決定手段は、前記類似度に基づいて、前記統計番号群のうち、指定された前記統計番号を含み、かつ、指定された前記統計番号より下位の階層の統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定する、
請求項1に記載の検索支援システム。
【請求項3】
前記キーワード候補決定手段は、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群のうち指定された前記統計番号および指定された前記統計番号の上位の統計番号以外の統計番号の品目情報と、の前記類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定する、
請求項2に記載の検索支援システム。
【請求項4】
前記キーワード候補決定手段は、前記キーワード候補群のうち指定された前記統計番号に関するキーワード候補の少なくとも一つから、出力させるキーワード候補を決定する、
請求項2または3に記載の検索支援システム。
【請求項5】
前記統計番号候補決定手段は、予測モデルを用いて、前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度を算出し、
前記キーワード候補決定手段は、前記キーワード候補群のそれぞれについて、前記予測モデルを用いて、前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の前記類似度を算出する、
請求項1または2に記載の検索支援システム。
【請求項6】
前記キーワード候補決定手段は、前記キーワード候補群のそれぞれについて、前記類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定し、決定された前記絞り込み度合いに基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定する、
請求項1または2に記載の検索支援システム。
【請求項7】
前記絞り込み度合いは、予測分布のエントロピーである、
請求項6に記載の検索支援システム。
【請求項8】
前記受付手段は、出力された前記キーワード候補から選択されたキーワードの入力と、出力された前記統計番号候補から選択された統計番号の入力と、を受け付ける、
請求項1または2に記載の検索支援システム。
【請求項9】
商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる、
検索支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検索支援システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
輸出入時に、商品に統計番号を付与する必要がある。例えば、日本の場合、税関が、実行関税率表、解説、分類例規、事例集などを公開している(例えば、非特許文献1)。実行関税率表では、統計番号と統計番号が表す品名とを対応付けて記載している。
【0003】
例えば、特許文献1には、品名や販売元等を含むインボイス情報から得られる商品情報に基づいて、統計番号を判定する技術が記載されている。また、特許文献2には、製品情報から、重要な属性または特徴を抽出し、統計番号を予測する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-054527号公報
【特許文献2】特表2022-502744号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】税関 輸出入手続き、[online],[令和4年11月8日検索],インターネット <https://www.customs.go.jp/tsukan/index.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
統計番号は、数千種類程度ある。このため、商品に適した統計番号を見つけることが難しいという問題点がある。
【0007】
本開示の目的の一例は、商品に適した統計番号を見つけることの容易化を図る検索支援システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様における検索支援システムは、
商品に関するキーワードの入力を受け付ける受付手段と、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定する統計番号候補決定手段と、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定するキーワード候補決定手段と、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる出力制御手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様における検索支援方法は、商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる。
【0010】
本開示の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、
商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる、
処理を実行させる。
【0011】
各プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、商品に適した統計番号を見つけることの容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】HSコードの説明図である。
図2】検索支援システムと端末装置との接続例を示す説明図である。
図3】検索支援システムの一構成例を示すブロック図である。
図4】階層構造のHSコード群の一例を示す説明図である。
図5】キーワード候補群が示すキーワード候補の一例を示す説明図である。
図6】キーワードの入力を受け付ける例を示す説明図である。
図7】キーワード「シャツ」とHSコード「61」の品目情報との類似度が予測モデルから出力される例を示す説明図である。
図8】HSコードの品目情報に関する説明図である。
図9】キーワード候補についての絞り込み度合い示す説明図である。
図10】絞り込み度合いを視覚的に示す説明図である。
図11】キーワード「シャツ」に対するキーワード候補およびHSコード候補が出力される画面例を示す説明図である。
図12】HSコード候補から、HSコードの選択を受け付ける画面例を示す説明図である。
図13】キーワードの入力およびHSコードの選択を新たに受け付ける前の画面例を示す説明図である。
図14】キーワードの入力およびHSコードの選択を新たに受け付けた後の画面例を示す説明図である。
図15】キーワード「シャツ」、「綿製」に適合するHSコードの決定例を示す説明図である。
図16】キーワード候補およびキーワードと、HSコードの品目情報との類似度に基づいて絞り込み度合いが決定される例を示す説明図である。
図17】キーワード「シャツ」および「綿製」に対するキーワード候補およびHSコード候補が出力される画面例を示す説明図である。
図18】HSコード候補「6105.10」の親階層および子階層のHSコードのそれぞれの品名が出力される画面例を示す説明図である。
図19】HSコード候補「6105.10」の解説が出力される画面例を示す説明図である。
図20】HSコード候補「6105.10」に関連する利用者マスタデータに含まれる情報が出力される画面例を示す説明図である。
図21】HSコード候補「6105.10」に関連する事前教示が出力される画面例を示す説明図である。
図22】キーワードが入力された場合における検索支援システムの一動作例を示すフローチャートである。
図23】キーワードとHSコードが入力された場合における検索支援システムの一動作例を示すフローチャート(その1)である。
図24】キーワードとHSコードが入力された場合における検索支援システムの一動作例を示すフローチャート(その2)である。
図25】コンピュータのハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して、本開示にかかる検索支援システム、検索支援方法、プログラム、およびプログラムを記録する非一時的な記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、開示の技術を限定するものではない。
【0015】
以下実施の形態において、統計番号をHS(Harmonized System)コードと呼ぶ。以降の説明で用いるHSコードおよび品名は、税関で公開されている実行関税率表から得られる(出展:https://www.customs.go.jp/tariff/2022_04_01/index.htm)。ここで、HSコードについて図1を用いて簡単に説明する。図1は、HSコードの説明図である。HSコードは、商品の名称および分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約に基づいて定められたコード番号である。HSコードは、貿易対象品目を21の「部」(Section)に大分類され、6桁の数字またはそれ以上の桁の数字で表す。世界共通の番号は6桁までであり、6桁以降の番号は、各国が任意の桁数を付け足して活用することができる。6桁のうち、上2桁を類(Chapter)、類を含む上4桁を項(Heading)、項を含む上6桁を号(Sub-heading)と呼ぶ。図1において、9桁の数字でHSコードを表す例を説明する。例えば、号を含む上9桁を細分と呼ぶ。本実施の形態では、9桁のHSコードを検索するための例を用いて説明する。
【0016】
図2は、検索支援システムと端末装置との接続例を示す説明図である。検索支援システム10は、HSコードの検索を支援するシステムである。例えば、検索支援システム10は、端末装置11を介して、利用者の操作を受け付けたり、利用者に情報を提示する。例えば、検索支援システム10は、端末装置11と通信ネットワークNTを介して接続される。
【0017】
例えば、端末装置11は、検索支援システム10からの情報を表示可能であったり、検索支援システム10へ情報を送信するアプリケーションプログラムが予めインストールされていてもよい。例えば、端末装置11は、通信ネットワークNTを介して、Webサイトである検索支援システム10にアクセスしてもよい。
【0018】
端末装置11の種類は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット型の装置など特に限定されない。
【0019】
図3は、検索支援システム10の一構成例を示すブロック図である。検索支援システム10は、階層構造のHSコード群から、商品に付与するHSコードを検索する。検索支援システム10は、受付部101と、統計番号候補決定部102と、キーワード候補決定部103と、出力制御部104とを備える。また、検索支援システム10は、キーワード候補群1001と、利用者マスタデータ1002とを有する。また、検索支援システム10は、税関によって公開されている実行関税率表、解説、分類例規、事例集などを記憶していてもよいし、通信ネットワークNTを介して取得してもよい。各機能部は、適宜記憶装置などに記憶されたデータベースや情報などを参照することができる。
【0020】
ここで、HSコードは、木構造となっている。すなわち、階層構造によって表すことができる。階層構造のHSコード群の一例を挙げて説明する。
【0021】
図4は、階層構造のHSコード群の一例を示す説明図である。図4において、HSコードの類が「61」と「62」である場合について、階層構造のHSコードの一部を例に挙げて説明する。類が「61」である場合、項は「6105」、「6106」などである。項が「6105」である場合、号は「6105.10」などである。号が「6105.10」である場合、細分の階層は「6105.10.100」などである。例えば、類の階層に対して、1階層下の階層は、項の階層であり、2階層下の階層は、号の階層である。項の階層に対して、1階層下の階層は、号の階層であり、2階層下の階層は、細分の階層である。類の階層は2桁階層とも呼び、項の階層は4桁階層とも呼び、号の階層は6桁階層とも呼び、細部の階層は9桁階層とも呼ぶ。
【0022】
また、類の階層の上位の階層には、部がある。例えば、「61」類や「62」類は「11」部に含まれる。
【0023】
つぎに、キーワード候補群1001について説明する。図5は、キーワード候補群1001が示すキーワード候補の一例を示す説明図である。キーワード候補群1001では、階層構造のHSコード群のそれぞれについてキーワード候補を有する。例えば、キーワード候補は、キーワードの候補となる用語を含む資料から得られた用語である。資料としては、関税率表、解説、例規、事例集などが挙げられる。
【0024】
ここで、資料からキーワード候補が特定される例について簡単に説明する。例えば、資料から分かち書きによって単語が抽出される。また、頻出する複数の単語は、n-gramによって結合される。「T」と「シャツ」は、「Tシャツ」に結合させる。HSコードの分類に寄与しないと推測される単語は、削除される。例えば、種類、目的、物品などの単語は、HSコードの分類に寄与しないと推測される。そして、削除後の単語がキーワード候補として特定される。特定されたキーワード候補は、参照した資料の属する階層別のHSコードに関連付けて、キーワード候補群1001に記憶される。
【0025】
例えば、図5において、HSコード「61」と、特定されたキーワード候補とが関連付けて記憶されている。例えば、図5において、HSコード「62」と、特定されたキーワード候補とが関連付けて記憶されている。さらに、HSコード候補についてのキーワード候補は、検索支援システム10の管理者等に設定されてもよい。例えば、資料に含まれない用語であっても、HSコード候補に対応するキーワードとして頻繁に入力される用語が、キーワード候補として設定されてもよい。例えば、キーワード候補は、資料から特定されたキーワード候補の同義語やカタカナ語などであってもよい。
【0026】
利用者マスタデータ1002は、例えば、過去に利用者が商品に対して付与したHSコードを含む。また、例えば、利用者マスタデータ1002は、HSコードと商品の輸出入に関する情報とを関連付けて記憶してもよい。検索支援システム10は、利用者の操作によって利用者マスタデータ1002が入力されてもよいし、通信ネットワークNTを介して利用者マスタデータ1002を取得してもよい。
【0027】
つぎに、各機能部について、最初のキーワードが入力された場合の各機能部の処理と、キーワードおよびHSコードの指定が入力された場合の各機能部の処理とを説明する。なお、利用者によって指定されたHSコードによって階層別のHSコードを絞り込むことをHSフィルタとも呼ぶ。
【0028】
<キーワードによる検索例>
まず、キーワードは入力されるが、HSコードが指定されない場合の例について説明する。HSコード候補が画面等に出力される前であって、利用者が、最初にキーワードを入力する場合などがこのような例に相当する。
【0029】
受付部101は、商品に関するキーワードの入力を受け付ける。例えば、受付部101は、端末装置11を介したユーザの操作により商品に関するキーワードの入力を受け付ける。
【0030】
図6は、キーワードの入力を受け付ける例を示す説明図である。端末装置11は、キーワードを入力可能な入力欄を含む画面を表示する。図6において、画面は、キーワードの入力欄と、HSコードを入力可能な入力欄と、キーワード候補の出力欄と、HSコード候補の出力欄と、実行ボタンとを有する。なお、図6において、HSコードを入力可能な入力欄を「HSコードフィルタ」と記載している。
【0031】
受付部101は、実行ボタンが押下されると、キーワードの入力欄に入力された情報とHSコードの入力欄に入力された情報とを受け付ける。図6において、キーワードの入力欄には、キーワードとして「シャツ」が入力されている。図6において、HSコードの入力欄には、何も入力されていない。このため、例えば、受付部101は、実行ボタンが押下されると、キーワードの入力欄に入力された「シャツ」をキーワードとして受け付ける。
【0032】
つぎに、統計番号候補決定部102は、階層構造の統計番号群のそれぞれについて、階層構造のHSコード群のうちの少なくとも一つのHSコードの品目情報と、受付部101によって入力を受け付けたキーワードと、の類似度に基づいて、HSコード群から、出力させるHSコード候補を決定する。具体的に、統計番号候補決定部102は、階層構造のHSコード群のうちの少なくとも一つのHSコードの品目情報と、受付部101によって入力を受け付けたキーワードと、の類似度を算出する。ここでは、階層構造のHSコード群とは、図4に示したように、2桁のHSコード、4桁のHSコード、6桁のHSコード、9桁のHSコードを含む。なお、ここでの類似度は、HSコードの品目情報に対するキーワードの類似度である。統計番号候補決定部102が類似度を算出する際に、予測モデルが用いられてもよい。統計番号候補決定部102は、予測モデルを用いて、キーワードに基づいて、HSコード群に含まれるHSコードのそれぞれについて、HSコードの品目情報に対するキーワードの類似度を算出する。例えば、予測モデルは、キーワードが入力されると、HSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、入力されたキーワードの類似度を算出可能なモデルである。例えば、HSコードの品目情報は、実行関税率表に含まれる各HSコードが表す品名の情報を含む。HSコードの品目情報は、部注、類注、解説などの各HSコードに対応する情報を含む。HSコードの品目情報については、図8を用いて後述する。ここで、キーワードは、利用者によって入力されるため、品目情報に含まれる用語の同義語などが入力される場合がある。予測モデルは、同義語を扱うことができるモデルであってもよい。例えば、キーワードとして同義語が入力されたとしても、予測モデルは、キーワードまたはキーワードの同義語と、HSコードの品目情報との類似度を算出可能であってもよい。例えば、キーワードに「下着」と入力された場合に、HSコードの品目情報には「下着」という単語が含まれていなくても、予測モデルでは、税関の資料である品目情報の「肌着」と「下着」が類似していることを認識し、「肌着」のHSコード「6109」などに対するキーワード「下着」の類似度が高くなるように類似度を算出することができる。
【0033】
より具体的に、例えば、統計番号候補決定部102は、受け付けたキーワードを予測モデルに入力し、予測モデルから、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、類似度を取得する。
【0034】
図7は、キーワード「シャツ」とHSコード「61」の品目情報との類似度が予測モデルから出力される例を示す説明図である。図7において、統計番号候補決定部102は、予測モデルに、キーワード「シャツ」を入力し、予測モデルから、キーワード「シャツ」とHSコード「61」の品目情報との類似度を取得する。図7において、類似度は、「0.56」である。ここで、類似度は、1に近いほど、類似していることを示す。例えば、2桁階層のHSコード「61」の品目情報は、2桁階層のHSコード「61」を含む4桁階層のHSコード、6階層のHSコード、9桁階層のHSコードのそれぞれの品目情報を含む。また、図7に示すように、HSコード別に、類似度が算出される。
【0035】
ここで、HSコードの品目情報について説明する。図8は、HSコードの品目情報に関する説明図である。例えば、HSコード「6105」についての品目情報は、「6105」のすべての上位階層の品目情報、「6105」のすべての下位階層の品目情報を含む。上位階層の品目情報とは、「61」類、「11」部などのHSコード「6105」の親の関係にあるHSコードの品目情報である。下位階層の品目情報は、例えば、HSコード「6105.10」、HSコード「6105.10.100」などのHSコード「6105」の子の関係にあるHSコードの品目情報である。一方、HSコード「6106」のように、HSコード「6105」とは兄弟関係となるようなHSコードの品目情報は、HSコード「6105」の品目情報に含まれない。兄弟関係とは、同じ親の子同士の関係である。
【0036】
つぎに、統計番号候補決定部102は、算出された類似度に基づいて、HSコード群から、出力させるHSコード候補を決定する。具体的に、類似度に基づいて出力させるHSコード候補を決定する方法として、例えば、統計番号候補決定部102は、HSコード群から、算出された類似度が閾値以上であるHSコードをHSコード候補として決定してもよい。また、別の方法として、例えば、統計番号候補決定部102は、HSコード群から、算出された類似度が高い順に所定数のHSコードをHSコード候補として決定してもよい。なお、HSコード候補を決定する方法は組み合わせて用いられてもよい。例えば、統計番号候補決定部102は、類似度が閾値以上であり、かつ類似度が高い順に所定数のHSコードをHSコード候補として決定してもよい。
【0037】
また、図6のようにキーワードが入力されているが、HSコードが指定されていない場合、統計番号候補決定部102は、上位の階層のHSコードから、出力させるHSコード候補を決定してもよい。上位の階層とは、例えば、2桁階層、4桁階層などである。具体的に、例えば、統計番号候補決定部102は、2桁階層のHSコードと4桁階層のHSコードとから、類似度に基づいて、HSコード候補を決定してもよい。
【0038】
つぎに、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001のそれぞれについて、キーワード候補群1001に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および受付部101により入力を受け付けたキーワードと、HSコード群に含まれる少なくとも一つのHSコードの品目情報と、の類似度に基づいて、キーワード候補群1001から、出力させるキーワード候補を決定する。具体的に、例えば、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および受付部101によって入力を受け付けたキーワードと、HSコード群に含まれる少なくとも一つのHSコードの品目情報と、の類似度を算出する。なお、ここでの類似度は、HSコードの品目情報と、キーワード候補および受け付けたキーワードと、の類似度である。統計番号候補決定部102と同様に、キーワード候補決定部103は、類似度を算出する際に、予測モデルが用いられてもよい。キーワード候補決定部103は、キーワード候補群のそれぞれについて、予測モデルを用いて、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、HSコードと、キーワード候補および受付部101によって入力を受け付けたキーワードと、の類似度を算出する。ここで、予測モデルは、統計番号候補決定部102で用いたモデルと同じであってよい。例えば、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれるキーワード候補を順に選択する。なお、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001から、受付部101によって入力を受け付けたキーワード以外のキーワード候補を選択する。そして、キーワード候補決定部103は、選択されたキーワード候補および受け付けたキーワードを予測モデルに入力し、予測モデルから、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、選択されたキーワード候補および受け付けたキーワードと、の類似度を取得する。
【0039】
そして、例えば、キーワード候補決定部103は、選択されたキーワード候補について、各HSコードについて算出された類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定する。ここで、絞り込み度合いは、特に限定されないが、予測分布のエントロピーなどが用いられてもよい。ここで、予測分布のエントロピーについては、マイナス値が大きいほど、絞り込み度合いが高いことを示す。図9を用いて、類似度が算出され、絞り込み度合いが決定される例について説明する。
【0040】
図9は、キーワード候補についての絞り込み度合い示す説明図である。例えば、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれるHSコードについてのキーワード候補から、一つのキーワード候補を順に選択する。図9において、HSコード「61」のキーワード候補として、「綿製」が選択されている。例えば、キーワード候補決定部103は、受け付けたキーワード「シャツ」と、選択されたキーワード候補「綿製」とを予測モデルに入力する。そして、図9において、HSコード別に、予測モデルから、受け付けたキーワードおよび選択されたキーワード候補と、HSコードの品目情報と、の類似度を取得する。そして、キーワード候補決定部103は、キーワード候補「綿製」について、HSコード別に算出された類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定する。
【0041】
キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001から、新たに選択したキーワード候補についても同様の処理を繰り返す。
【0042】
図10は、絞り込み度合いを視覚的に示す説明図である。図10には、キーワード候補「綿製」についてHSコード別の類似度と、キーワード候補「カーテン」についてHSコード別の類似度と、をグラフ化した例を示す。図10において、絞り込み度合いとして、予測分布のエントロピーを示す。
【0043】
例えば、キーワード「シャツ」とキーワード候補「綿製」であれば、HSコード「6105.10」に絞り込まれる。より具体的に、例えば、HSコード「6105.10」の類似度が高いが、他のHSコードの類似度が低くなる。このため、キーワード候補「綿製」についてHSコード別の類似度はばらつきが大きい。一方、キーワード「シャツ」とキーワード候補「カーテン」であれば、「63」類までHSコードが広がってしまう。このため、キーワード候補「カーテン」についてHSコード別の類似度は、ばらつきが小さい。類似度のばらつきが大きいほど、HSコードの候補を分類するキーワードとしての影響が大きい。類似度のばらつきが大きいほど、絞り込み度合いが高くなる。キーワード候補「綿製」の絞り込み度合いは、キーワード候補「カーテン」の絞り込み度合いが高くなる。図10に示すように、キーワード候補「綿製」についての予測分布のエントロピーの値は、キーワード候補「カーテン」についての予測分布のエントロピーの値よりも小さい。
【0044】
つぎに、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いに基づいて、キーワード候補群1001から、出力させるキーワード候補を決定する。例えば、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いが高い順に、キーワード候補群1001から出力させるキーワード候補を決定する。絞り込み度合いが予測分布のエントロピーである場合、キーワード候補決定部103は、予測分布のエントロピーの値が小さいキーワード候補の順に、出力させるキーワード候補を決定する。図10において、キーワード候補「綿製」とキーワード候補「カーテン」であれば、キーワード候補決定部103は、エントロピーの値が小さいキーワード候補「綿製」を優先して出力させるキーワード候補として決定する。例えば、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いが高い順に所定数のキーワード候補を、出力させるキーワード候補として決定する。図10において、キーワード候補「綿製」とキーワード候補「カーテン」であり、所定数が1であれば、キーワード候補決定部103は、エントロピーの値が小さいキーワード候補「綿製」を出力させるキーワード候補として決定する。または、例えば、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いが閾値よりも高いキーワード候補を、出力させるキーワード候補として決定する。図10において、キーワード候補「綿製」とキーワード候補「カーテン」であり、閾値が-2であれば、キーワード候補決定部103は、エントロピーの値が閾値よりも小さいキーワード候補「綿製」を出力させるキーワード候補として決定する。このように、絞り込み度合いに基づいて出力させるキーワード候補を決定する方法は、様々あり、適宜組み合わせられてもよい。
【0045】
出力制御部104は、キーワード候補決定部103によって決定されたキーワード候補と、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコード候補と、を出力させる。例えば、出力制御部104は、端末装置11に、決定されたキーワード候補と、決定されたHSコード候補と、を出力させる。また、出力制御部104は、決定されたHSコード候補とHSコード候補が表す品名とを関連付けて出力させる。さらに、出力制御部104は、決定されたキーワード候補から新たなキーワードを選択可能に出力させてもよい。また、出力制御部104は、決定されたHSコード候補からHSコードを選択可能に出力させてもよい。
【0046】
図11は、キーワード「シャツ」に対するキーワード候補およびHSコード候補が出力される画面例を示す説明図である。図11において、端末装置11は、決定されたキーワード候補と、決定されたHSコード候補と、を含む画面を表示させる。
【0047】
図11の画面の構成は、図6の画面の構成と同様に、図11において、画面は、キーワードの入力欄と、HSコードの入力欄と、キーワード候補の出力欄と、HSコード候補の出力欄と、実行ボタンとを有する。なお、図6の画面構成と同じ構成については、詳細な説明を省略する。さらに、図11において、画面は、つづきボタンを有してもよい。なお、以降の説明において図11の画面の構成と同じ画面の構成について詳細な説明を省略する。
【0048】
キーワード候補の出力欄には、キーワード候補決定部103によって決定されたキーワード候補が含まれる。HSコード候補の出力欄には、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコード候補が含まれる。画面には、HSコード候補のそれぞれについて、HSコード候補が表す品名が表示されている。キーワードの出力欄に含まれるキーワード候補は、利用者の操作によって選択可能である。例えば、選択されたキーワード候補は、キーワードの入力欄に入力される。また、HSコード候補の出力欄に含まれるHSコード候補は、利用者の操作によって選択可能である。例えば、選択されたHSコード候補は、HSコードの入力欄に入力される。実行ボタンについては、図6で説明した例と同じである。
【0049】
また、キーワード候補の出力欄に含まれるキーワード候補から、利用者が選択したい候補がない場合がある。そこで、例えば、図11に示すように、画面は、さらに、キーワード候補についてのつづきボタンを有してもよい。受付部101がつづきボタンの押下を受け付けると、キーワード候補決定部103は、予測分布のエントロピーの値が小さいキーワード候補の順に、新たに出力させるキーワード候補を決定してもよい。そして、出力制御部104は、新たに決定されたキーワード候補を順に出力させてもよい。
【0050】
ここで、HSコードの選択例について図12を用いて説明する。図12は、HSコード候補から、HSコードの選択を受け付ける画面例を示す説明図である。図12の画面の構成は、図11の画面と同様であるため、詳細な説明を省略する。図12において、画面上の矢印のアイコンが示すように、HSコード候補から、HSコード「61」が選択されている。画面において、HSコードの入力欄には、選択されたHSコード「61」が入力される。
【0051】
なお、キーワード候補についても同様に選択可能である。
【0052】
<キーワードによる検索およびHSフィルタの例>
つぎに、キーワードが入力され、HSコードが指定された場合の例について説明する。このような場合、利用者によって指定されたHSコードを用いて、新たなHSコード候補を絞り込む。
【0053】
まず、受付部101は、キーワードの入力と、HSコードの指定とを受け付ける。ここで受け付けるHSコードは、2桁のHSコード、4桁のHSコード、6桁のHSコードである。受付部101によるキーワードの入力とHSコードの指定とを受け付ける例について、図13および図14を用いて説明する。
【0054】
図13は、キーワードの入力およびHSコードの選択を新たに受け付ける前の画面例を示す説明図である。図13の画面の構成は、図11の画面の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0055】
ここで、図13において、画面は、キーワード「シャツ」と、HSコード「61」およびHSコード「62」とによって決定されたキーワード候補とHSコード候補とが出力されている。
【0056】
図14は、キーワードの入力およびHSコードの選択を新たに受け付けた後の画面例を示す説明図である。図14の画面の構成は、図11の画面の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。図14において、HSコード候補から、HSコード「6105」が選択されている。画面において、HSコードの入力欄には、選択されたHSコード「6105」が新たに入力される。そして、キーワード候補のうち「綿製」が選択され、キーワードの入力欄には、選択されたキーワード「綿製」が新たに入力される。なお、HSコード「6105」は、HSコード「61」の下位階層のHSコードであるため、HSコード「61」からHSコード「6105」に置き換わる。
【0057】
受付部101は、実行ボタンがタップされると、HSコードの入力欄に入力されたHSコード「62」、「6105」、キーワードの入力欄に入力されたキーワード「シャツ」、「綿製」を受け付ける。
【0058】
統計番号候補決定部102は、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、キーワードとの類似度を算出する。なお、類似度の算出については、前述の例と同じである。つぎに、統計番号候補決定部102は、算出された類似度に基づいて、HSコード群のうち、指定されたHSコードを含み、かつ指定されたHSコードより所定数下位の階層のHSコードから、出力させるHSコード候補を決定する。所定数下位の階層は、特に限定されないが、例えば指定されたHSコードの1階層下の階層、または2階層下の階層であってもよい。指定されたHSコードより所定数下位の階層のHSコードの例について、図15を用いて説明する。
【0059】
図15は、キーワード「シャツ」、「綿製」に適合するHSコードの決定例を示す説明図である。例えば、統計番号候補決定部102は、予測モデルに、キーワード「シャツ」、「綿製」を入力し、予測モデルから、HSコード別の類似度を取得する。
【0060】
つぎに、統計番号候補決定部102は、HSコード群のうち、指定されたHSコードを含み、指定されたHSコードより所定数下位の階層のHSコードから、類似度に基づいて、出力させるHSコードの候補を決定する。所定数は、特に限定されない。例えば、所定数は、1または2とする。HSコード「6105」は、項の階層である。統計番号候補決定部102は、HSコード「6105」を含む号の階層のHSコードと、HSコード「6105」を含む細分の階層のHSコードとから、類似度に基づいて、出力させるHSコード候補を決定する。
【0061】
一方、HSコード「62」は、類の階層である。統計番号候補決定部102は、HSコード「62」を含む項の階層のHSコードと、HSコード「62」を含む号の階層のHSコードとから、類似度に基づいて、出力させるHSコード候補を決定する。
【0062】
なお、類似度に基づいて出力させるHSコード候補を決定する方法については、前述の通りである。
【0063】
このように、統計番号候補決定部102は、受け付けたHSコードによって、HSコード候補を絞り込むことができる。
【0064】
図15では、統計番号候補決定部102は、類似度を算出後に、入力されたHSコードに基づいて、HSコード候補を絞り込んでいる例を示す。なお、予測モデルは、キーワードとHSコードが入力されると、入力されたHSコードを含む下位の階層のHSコード別に、HSコードの品目情報とキーワードとの類似度を算出可能なモデルであってもよい。
【0065】
つぎに、例えば、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001のそれぞれについて、HSコード別に、HSコードの品目情報と、キーワード候補および受付部101によって入力を受け付けたキーワードと、の類似度を算出する。ここで、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001のうち指定されたHSコードに関するキーワード候補の少なくとも一つから、出力させるキーワード候補を決定する。すなわち、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001のうち、指定されたHSコードに関するキーワード候補のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、キーワード候補および受付部101によって入力を受け付けたキーワードと、の類似度を算出する。より具体的に、例えば、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれる「6105」に関連付けられたキーワード候補と、「62」に関連付けられたキーワード候補とから、キーワード候補を順に選択する。
【0066】
図16は、キーワード候補およびキーワードと、HSコードの品目情報との類似度に基づいて、絞り込み度合いが決定される例を示す説明図である。図16において、キーワード候補として、「男子用」が選択されている。キーワード候補決定部103は、選択したキーワード候補「男子用」および受け付けたキーワード「シャツ」、「綿製」を予測モデルに入力し、予測モデルから、HSコード別に、HSコードの品目情報と、キーワード候補「男子用」および受け付けたキーワード「シャツ」、「綿製」との類似度を取得する。なお、図16において、一部のHSコードを省略して記載してある。
【0067】
つぎに、キーワード候補決定部103は、キーワード候補について、類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定する。ここで、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いを決定する際に、受け付けたHSコードおよび受け付けたHSコードの上位のHSコードの類似度を含めずに、絞り込み度合いを決定してもよい。例えば、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および受付部101により入力を受け付けたキーワードと、HSコード群のうち指定されたHSコードおよび指定されたHSコードの上位のHSコード以外のHSコードの品目情報と、の類似度に基づいて、キーワード候補群1001から、出力させるキーワード候補を決定する。例えば、図16において、キーワード候補決定部103は、HSコード「6105」の類似度、HSコード「6105」の上位のHSコード「61」の類似度、HSコード「62」の類似度を除外し、HSコード群のうちHSコード「6105」、HSコード「61」、およびHSコード「62」以外のHSコードの類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定する。
【0068】
キーワード候補「男子用」についての絞り込み度合いの決定例についての説明を終了する。キーワード候補決定部103は、他のキーワード候補について同様の処理を繰り返す。なお、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および受付部101により入力を受け付けた前記キーワードと、HSコード群のうち指定されたHSコード以外のHSコードの品目情報と、の類似度を算出し、算出された類似度に基づいて、キーワード候補群1001から、出力させるキーワード候補を決定してもよい。予測モデルが用いられる場合、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いを決定する際に、指定されたHSコードの類似度および指定されたHSコードの上位の類似度を除外する例を説明したが、指定されたHSコードの類似度および指定されたHSコードの上位の類似度を予測モデルによって算出しないようにし、階層構造のHSコードのうちの指定されたHSコードおよび指定されたHSコード以外のHSコードの類似度に基づいて絞り込み度合いを決定してもよい。
【0069】
そして、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いに基づいて、キーワード候補群1001から出力させるキーワード候補を決定する。なお、キーワード候補決定部103が絞り込み度合いに基づいてキーワード候補を決定する方法は、前述の通りである。
【0070】
また、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いに基づいて、キーワード候補群1001から出力させるキーワード候補を決定する。絞り込み度合いに基づいてキーワード候補を決定する処理については、前述の通りである。
【0071】
さらに、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いに基づいて決定されたキーワード候補のうち、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコード候補に対応するキーワード候補を、出力させるキーワード候補として決定してもよい。これにより、キーワード候補とHSコード候補とを連携させることができる。具体的に、例えば、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いが高いキーワード候補から、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコード候補に対応するキーワード候補を、出力させるキーワード候補として決定する。
【0072】
出力制御部104は、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコード候補と、キーワード候補決定部103によって決定されたキーワード候補と、を出力させる。出力制御部104による出力方法については、前述の通りである。
【0073】
図17は、キーワード「シャツ」および「綿製」に対するキーワード候補およびHSコード候補が出力される画面例を示す説明図である。図17において、端末装置11は、決定されたキーワード候補と、決定されたHSコード候補と、を含む画面を出力制御部104の制御に従って表示させる。
【0074】
図17の画面の構成は、図11の画面の構成と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0075】
ここで、出力制御部104は、出力させるHSコード候補のそれぞれについて、HSコード候補に関連する情報を出力させてもよい。HSコードの候補「6105.10」を例に挙げて、HSコード候補に関連する情報の出力例を図18から図21を用いて説明する。図18から図21それぞれの画面の構成は、図11の画面の構成を基本構成にしており、共通する部分について詳細な説明を省略する。ここで、例えば、図17の画面において、HSコード候補が表す品名が選択されると、HSコード候補に関連する情報が出力されることとする。
【0076】
図18は、HSコード候補「6105.10」の親階層および子階層のHSコードのそれぞれの品名が出力される画面例を示す説明図である。図18において、HSコード候補「6105.10」の品名が選択されると、画面には、「タリフ」、「解説」、「マスタ」、「事前教示」のタブが表示される。図18において、画面では、タブ「タリフ」が選択されている。
【0077】
図18において、画面には、HSコード候補「6105.10」の親階層である「61」の品名、「6105」の品名、子階層である「6105.10.100」の品名、「6105.10.900」の品名などが表示されている。なお、品名は、税関で公開されている実行関税率表から得られる。
【0078】
図19は、HSコード候補「6105.10」の解説が出力される画面例を示す説明図である。図19において、画面では、タブ「解説」が選択されている。
【0079】
図19において、画面には、HSコード候補「6105.10」の解説が表示されている。この解説は、税関で公開されている解説から得られる(出展:https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htm 関税率表解説 第11部第61類)。また、出力制御部104は、入力されたキーワード「シャツ」および「綿製」を強調表示させてもよい。強調表示の方法は、特に限定されないが、図19においてハイライトが用いられている。
【0080】
図20は、HSコード候補「6105.10」に関連する利用者マスタデータ1002に含まれる情報が出力される画面例を示す説明図である。図20において、画面では、タブ「マスタ」が選択されている。図20において、画面には、利用者マスタデータ1002に含まれる過去に「6105.10」を含むコードが付与された際の情報が表示されている。
【0081】
図21は、HSコード候補「6105.10」に関連する事前教示が出力される画面例を示す説明図である。図21において、画面では、タブ「事前教示」が選択されている。ここで、税関の資料においてHSコード候補「6105.10」の事前教示がない。そこで、図21において、画面には、HSコード候補「6105.10」の兄弟階層のHSコード「6105.20」の事前教示が表示されている。各HSコードの事前教示は、税関で公開されている事前教示から得られる(出展:https://www.customs.go.jp/tetsuzuki_search/bunrui/J3/19/J31900403.htm)。
【0082】
HSコード候補に関連する情報の表示は、一例であり、他の表示方法が用いられてもよい。
【0083】
(フローチャート)
図22は、キーワードが入力された場合における検索支援システム10の一動作例を示すフローチャートである。図22については、例えば、最初にキーワードが入力される場合の動作例である。
【0084】
まず、受付部101は、キーワードの入力を受け付ける(ステップS101)。つぎに、統計番号候補決定部102は、受け付けたキーワードを予測モデルに与えて、HSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、キーワードと、の類似度を取得する(ステップS102)。そして、統計番号候補決定部102は、類似度に基づいて、HSコード群から、出力させるHSコード候補を決定する(ステップS103)。
【0085】
キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれるキーワード候補のうち未選択のキーワード候補があるかを判定する(ステップS104)。未選択のキーワード候補がある場合(ステップS104:Yes)、キーワード候補決定部103は、未選択のキーワード候補からキーワード候補を選択する(ステップS105)。
【0086】
つぎに、キーワード候補決定部103は、キーワード候補と受け付けたキーワードとを予測モデルに与えて、HSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、キーワード候補および受け付けたキーワードと、の類似度を取得する(ステップS106)。キーワード候補決定部103は、類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定し(ステップS107)、ステップS104へ戻る。なお、ステップS107において、例えば、キーワード候補決定部103は、類似度に基づいて、絞り込み度合いとして予測分布のエントロピーを算出してもよい。
【0087】
つぎに、未選択のキーワード候補がない場合(ステップS104:No)、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いに基づいて、キーワード候補群1001から出力させるキーワード候補を決定する(ステップS108)。出力制御部104は、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコードの候補、およびキーワード候補決定部103によって決定されたキーワード候補を出力させ(ステップS109)、処理を終了する。
【0088】
図23および図24は、キーワードとHSコードが入力された場合における検索支援システム10の一動作例を示すフローチャートである。
【0089】
まず、受付部101は、キーワードの入力とHSコードの指定とを受け付ける(ステップS201)。つぎに、統計番号候補決定部102は、受け付けたキーワードを予測モデルに与えて、HSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、受け付けたキーワードとの類似度を取得する(ステップS202)。そして、統計番号候補決定部102は、類似度に基づいて、HSコード群から、指定されたHSコードを含み、かつ、指定されたHSコードよりも所定数下位の階層のHSコード候補を決定する(ステップS203)。
【0090】
キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001に含まれるキーワード候補のうち、指定されたHSコードに対応するキーワード候補から、未選択のキーワード候補があるかを判定する(ステップS204)。未選択のキーワード候補がある場合(ステップS204:Yes)、キーワード候補決定部103は、未選択のキーワード候補からキーワード候補を選択する(ステップS205)。ここで、ステップS205において、キーワード候補決定部103は、キーワード候補群1001のうち、受付部101によって指定を受け付けたHSコードに関連するキーワード候補から、未選択のキーワード候補を選択する。
【0091】
つぎに、キーワード候補決定部103は、キーワード候補と受付部101によって入力を受け付けたキーワードとを予測モデルに与えて、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、キーワード候補および受付部101によって入力を受け付けたキーワードとの類似度を取得する(ステップS206)。キーワード候補決定部103は、受付部101によって指定を受け付けたHSコードの類似度および受け付けたHSコードの上位のHSコードの類似度を除外する(ステップS207)。そして、キーワード候補決定部103は、受付部101によって指定を受け付けたHSコードの類似度および上位のHSコードの類似度を除外した後の他の算出された類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定し(ステップS208)、ステップS204へ戻る。なお、ステップS107において、例えば、キーワード候補決定部103は、類似度に基づいて、絞り込み度合いとして予測分布のエントロピーを算出してもよい。
【0092】
つぎに、未選択のキーワード候補がない場合(ステップS204:No)、キーワード候補決定部103は、絞り込み度合いに基づいて、キーワード候補群1001から出力させるキーワード候補を決定する(ステップS209)。出力制御部104は、統計番号候補決定部102によって決定されたHSコード候補、およびキーワード候補決定部103によって決定されたキーワード候補を出力させ(ステップS210)、処理を終了する。
【0093】
前述の通り、HSコードは、数千種類程度あるため、商品に適したHSコードを見つけることが難しいという問題点がある。さらに、実際の商品の名称や形態は多様であって、実行関税率表に記載の品名と合致させるのが容易でないという問題点がある。実施の形態において、検索支援システム10は、商品に関するキーワードの入力を受け付け、階層構造のHSコード群のそれぞれについて、HSコードの品目情報と、受け付けたキーワードと、の類似度に基づいて、出力させるHSコード候補を決定する。さらに、検索支援システム10は、HSコードの品目情報と、キーワード候補および受け付けたキーワードと、の類似度に基づいて、出力させるキーワード候補を決定する。そして、検索支援システム10は、決定されたHSコード候補、および決定されたキーワード候補を出力させる。これにより、商品に適したHSコードを見つけることの容易化を図ることができる。実行関税率表に記載の品名と商品の名称や形態とを合致させることの容易化を図ることができる。
【0094】
さらに、検索支援システム10は、さらに、HSコードの指定を受け付け、算出された類似度に基づいて、階層構造のHSコード群のうち、指定されたHSコードを含み、かつ指定されたHSコードより所定数下位の階層のHSコードから、出力させるHSコード候補として決定する。これにより、HSコードの指定を受け付けることにより、多数あるHSコードから、利用者の所望のHSコードを絞り込むことができる。したがって、HSコードの検索の高速化を図ることができる。
【0095】
検索支援システム10は、予測モデルを用いて、HSコードの品目情報と、入力を受け付けたキーワードとの類似度を算出してもよい。予測モデルは、キーワードが入力されると、HSコードの品目情報と、入力されたキーワードとの類似度を算出可能なモデルである。検索支援システム10は、受け付けたキーワードを予測モデルに入力し、予測モデルからHSコード別に、HSコードの品目情報とキーワードとの類似度を取得する。さらに、検索支援システム10は、キーワード候補群のそれぞれについて、受け付けたキーワードおよびキーワード候補を予測モデルに入力し、予測モデルから、HSコード別に、HSコードの品目情報と受け付けたキーワードおよびキーワード候補との類似度を取得する。このように、HSコード候補とキーワード候補とをそれぞれ決定するための類似度の算出について同じモデルを用いることができる。
【0096】
また、キーワード候補を決定する際に、キーワード候補決定部103は、複数のキーワード候補のそれぞれについて、類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定する。そして、キーワード候補決定部103は、決定された絞り込み度合いに基づいて、複数のキーワード候補から出力させるキーワード候補を決定する。絞り込み度合いは、予測分布のエントロピーである。HSコードをより絞り込むことができるようなキーワード候補を利用者に提示することができる。
【0097】
また、検索支援システム10は、キーワード候補群1001に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および受付部101により入力を受け付けたキーワードと、階層構造のHSコード群のうち指定されたHSコードおよび指定されたHSコードの上位のHSコード以外のHSコードの品目情報と、の類似度に基づいて、出力させるキーワード候補を決定する。これにより、指定されたHSコードを絞り込むようなキーワード候補以外のキーワード候補を出力させることができる。
【0098】
複数のキーワード候補は、階層別のHSコードのそれぞれについてのキーワード候補のうち、指定されたHSコードについてのキーワード候補である。これにより、キーワード候補を絞り込むことができる。これにより、検索の高速化を図ることができる。
【0099】
検索支援システム10は、出力されたキーワード候補から選択されたキーワードの入力と、出力されたHSコード候補から選択されたHSコードの入力と、を受け付ける。これにより、繰り返して検索を行うことができる。したがって、HSコードの検索の容易化および検索の高速化を図ることができる。
【0100】
以上、各実施の形態の説明を終了する。各実施の形態は、適宜組み合わせて用いられてもよい。
【0101】
また、各実施の形態において、検索支援システム10は、各機能部および情報の一部が含まれる構成であってもよい。
【0102】
また、各実施の形態については、上述した例に限られず、種々変更可能である。また、実施の形態における検索支援システム10の構成は特に限定されない。例えば、検索支援システム10、一台のサーバなど、一台の装置によって実現されてもよい。検索支援システム10の各機能部が一台の装置によって実現される場合、例えば、一台の装置は、検索支援装置、情報処理装置などと呼ばれてもよいし、特に限定されない。または、各実施の形態における検索支援システム10は、機能またはデータ別に異なる装置によって実現されてもよい。例えば各機能部は、複数のサーバによって構成され、検索支援システム10として実現されてもよい。例えば、検索支援システム10は、各DB(DataBase)を含むデータベースサーバと、各機能部を有するサーバと、によって実現されてもよい。
【0103】
また、各実施の形態において、各情報や各DBは、前述の情報の一部を含んでもよい。また、各情報や各DBは、前述の情報以外の情報を含んでもよい。各情報や各DBが、より詳細に、複数のDBや複数の情報に分けられてもよい。このように、各情報や各DBの実現方法は、特に限定されない。
【0104】
また、各画面は、一例であり、特に限定されない。各画面において、図示しないボタン、リスト、チェックボックス、情報表示欄、入力欄などが追加されてもよい。また、画面の背景色などが、変更されてもよい。
【0105】
また、端末装置11に表示させる情報などを生成する処理は、出力制御部104によって行われてもよい。また、この処理は、端末装置11によって行われてもよい。
【0106】
(コンピュータのハードウェア構成例)
つぎに、各実施の形態において説明した検索支援システム10などの各装置をコンピュータで実現した場合のハードウェア構成例について説明する。図25は、コンピュータのハードウェア構成例を示す説明図である。例えば、各装置の一部または全部は、図25に示すようなコンピュータ80とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。
【0107】
コンピュータ80は、例えば、プロセッサ801と、ROM(Read Only Memory)802と、RAM(Random Access Memory)803と、記憶装置804と、を有する。また、コンピュータ80は、通信インタフェース805と、入出力インタフェース806と、を有する。各構成部は、例えば、バス807を介してそれぞれ接続される。なお、各構成部の数は、特に限定されず、各構成部は1または複数である。
【0108】
プロセッサ801は、コンピュータ80の全体を制御する。プロセッサ801は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。コンピュータ80は、記憶部として、ROM802、RAM803および記憶装置804などを有する。記憶装置804は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。例えば、記憶装置804は、OS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、各実施の形態にかかるプログラムなどを記憶する。または、ROM802は、アプリケーションプログラム、各実施の形態にかかるプログラムなどを記憶する。そして、RAM803は、プロセッサ801のワークエリアとして使用される。
【0109】
また、プロセッサ801は、記憶装置804、ROM802などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ801は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、プロセッサ801は、通信ネットワークNTを介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、プロセッサ801は、コンピュータ80の一部または全部として機能する。そして、プロセッサ801は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0110】
通信インタフェース805は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークNTに接続される。なお、通信ネットワークNTは複数の通信ネットワークNTによって構成されてもよい。これにより、コンピュータ80は、通信ネットワークNTを介して外部の装置や外部のコンピュータ80に接続される。通信インタフェース805は、通信ネットワークNTとコンピュータ80の内部とのインタフェースを司る。そして、通信インタフェース805は、外部の装置や外部のコンピュータ80からのデータの入出力を制御する。
【0111】
また、入出力インタフェース806は、入力装置、出力装置、および入出力装置の少なくともいずれかに接続される。接続方法は、無線であってもよいし、有線であってもよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、マイクなどが挙げられる。出力装置は、例えば、表示装置、点灯装置、音声を出力する音声出力装置などが挙げられる。また、入出力装置は、タッチパネルディスプレイなどが挙げられる。なお、入力装置、出力装置、および入出力装置などは、コンピュータ80に内蔵されていてもよいし、外付けであってもよい。
【0112】
コンピュータ80のハードウェア構成は一例である。コンピュータ80は、図25に示す一部の構成要素を有していてもよい。コンピュータ80は、図25に示す以外の構成要素を有していてもよい。例えば、コンピュータ80は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、プロセッサ801は、ドライブ装置などに装着された記録媒体に記憶されたプログラムやデータをRAM803に読み出してもよい。非一時的な有形な記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。また、前述の通り、例えば、コンピュータ80は、キーボードやマウスなどの入力装置を有してもよい。コンピュータ80は、ディスプレイなどの出力装置を有していてもよい。また、コンピュータ80は、入力装置および出力装置と、入出力装置とをそれぞれ有してもよい。
【0113】
また、コンピュータ80は、図示しない各種センサを有してもよい。センサの種類は特に限定されない。また、コンピュータ80は、画像や映像を撮像可能な撮像装置を備えていてもよい。
【0114】
以上で、各装置のハードウェア構成の説明を終了する。また、各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0115】
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、各装置の各構成要素の一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプロセッサなどを含む汎用の回路によって実現されてもよい。また、各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
【0116】
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0117】
各実施の形態で説明した検索支援方法は、検索支援システム10が実行することにより実現される。また、例えば、検索支援方法は、予め用意されたプログラムをサーバや端末装置11などのコンピュータが実行することにより実現される。
【0118】
各実施の形態で説明したプログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、通信ネットワークNTを介して配布されてもよい。
【0119】
以上説明した、各実施の形態における検索支援システム10の各構成要素は、コンピュータのように、その機能を専用のハードウェアで実現されてもよい。または、各構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。または、各構成要素は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0120】
以上、各実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。各本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本開示は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0121】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施の形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0122】
(付記1)
商品に関するキーワードの入力を受け付ける受付手段と、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定する統計番号候補決定手段と、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定するキーワード候補決定手段と、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる出力制御手段と、
を備える検索支援システム。
(付記2)
前記受付手段は、さらに、統計番号の指定を受け付け、
前記統計番号候補決定手段は、算出された前記類似度に基づいて、前記統計番号群のうち、指定された前記統計番号を含み、かつ、指定された前記統計番号より下位の階層の統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定する、
付記1に記載の検索支援システム。
(付記3)
前記キーワード候補決定手段は、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群のうち指定された前記統計番号および指定された前記統計番号の上位の統計番号以外の統計番号の品目情報と、の前記類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定する
付記2に記載の検索支援システム。
(付記4)
前記キーワード候補決定手段は、前記キーワード候補群のうち指定された前記統計番号に関するキーワード候補の少なくとも一つから、出力させるキーワード候補を決定する、
付記2または3に記載の検索支援システム。
(付記5)
前記統計番号候補決定手段は、予測モデルを用いて、前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度を算出し、
前記キーワード候補決定手段は、前記キーワード候補群のそれぞれについて、前記予測モデルを用いて、前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および前記受付手段により入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の前記類似度を算出する、
付記1から4のいずれかに記載の検索支援システム。
(付記6)
前記キーワード候補決定手段は、前記キーワード候補群のそれぞれについて、前記類似度に基づいて、絞り込み度合いを決定し、決定された前記絞り込み度合いに基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定する、
付記1から5のいずれかに記載の検索支援システム。
(付記7)
前記絞り込み度合いは、予測分布のエントロピーである、
付記6に記載の検索支援システム。
(付記8)
前記受付手段は、出力された前記キーワード候補から選択されたキーワードの入力と、出力された前記統計番号候補から選択された統計番号の入力と、を受け付ける、
付記1から7のいずれかに記載の検索支援システム。
(付記9)
商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる、
検索支援方法。
(付記10)
コンピュータに、
商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる
処理を実行させるプログラム。
(付記11)
コンピュータに、
商品に関するキーワードの入力を受け付け、
階層構造の統計番号群のそれぞれについて、
前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、前記キーワードと、の類似度に基づいて、前記統計番号群から、出力させる統計番号候補を決定し、
キーワード候補群のそれぞれについて、
前記キーワード候補群に含まれる少なくとも一つのキーワード候補および入力を受け付けた前記キーワードと、前記統計番号群に含まれる少なくとも一つの統計番号の品目情報と、の類似度に基づいて、前記キーワード候補群から、出力させるキーワード候補を決定し、
決定された前記統計番号候補、および決定された前記キーワード候補を出力させる
処理を実行させるプログラムを記録する、前記コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【符号の説明】
【0123】
10 検索支援システム
11 端末装置
80 コンピュータ
101 受付部
102 統計番号候補決定部
103 キーワード候補決定部
104 出力制御部
801 プロセッサ
802 ROM
803 RAM
804 記憶装置
805 通信インタフェース
806 入出力インタフェース
807 バス
1001 キーワード候補群
1002 利用者マスタデータ
NT 通信ネットワーク
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