(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073773
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ほこりセンサ
(51)【国際特許分類】
G01N 21/53 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
G01N21/53 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184664
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000143031
【氏名又は名称】コーデンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】川分 大樹
(72)【発明者】
【氏名】牧野 航平
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB01
2G059BB09
2G059DD12
2G059DD15
2G059EE02
2G059GG02
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059KK01
2G059NN07
(57)【要約】
【課題】投光部や受光部にほこりが溜まりにくく、メンテナンスの頻度を低減できる光散乱式のほこりセンサを提供する。
【解決手段】空気中に浮遊するほこりを検知するほこりセンサであって、外部から測定空気を取り込む測定空気取込口と、取り込んだ測定空気が流れる測定流路と、取り込んだ測定空気を排出する排気口とを形成するケーシングと、前記測定空気取込口から前記排気口に向かう測定気流を前記測定流路に生じさせるヒータと、前記測定流路上に設定された所定の検知領域に検知光を出射する投光部と、前記検知領域にてほこりにより散乱される散乱光をセンシングする受光部と、前記投光部及び前記受光部と前記検知領域との間に、前記検知領域に向かって流れる保護気流を生じさせる保護気流発生機構とを備えるほこりセンサ。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に浮遊するほこりを検知するほこりセンサであって、
外部から測定空気を取り込む測定空気取込口と、取り込んだ測定空気が流れる測定流路と、取り込んだ測定空気を排出する排気口とを形成するケーシングと、
前記測定空気取込口から前記排気口に向かう測定気流を前記測定流路に生じさせるヒータと、
前記測定流路上に設定された所定の検知領域に検知光を出射する投光部と、
前記検知領域にてほこりにより散乱される散乱光をセンシングする受光部と、
前記投光部及び前記受光部と前記検知領域との間に、前記検知領域に向かって流れる保護気流を生じさせる保護気流発生機構とを備えるほこりセンサ。
【請求項2】
前記測定流路が、前記ケーシングの底面から天面に向かって伸びて形成されたものであり、
前記投光部及び前記受光部が、前記検知領域よりも前記底面側において、前記検知領域を向くよう斜めに配置されている請求項1に記載のほこりセンサ。
【請求項3】
前記投光部から発せられた検知光を前記検知領域に導く検知光通過空間と、前記検知領域からの散乱光を前記受光部に導く散乱光通過空間とを有し、
当該検知光通過空間及び散乱光通過空間は、前記投光部及び前記受光部の各々の光軸方向から視て全周を前記ケーシングの内壁により囲まれるトンネル状をなし、前記光軸方向に沿った一方の端部が前記検知領域に向かって開口している請求項2に記載のほこりセンサ。
【請求項4】
前記保護気流発生機構は、
前記検知光通過空間及び散乱光通過空間よりも底面側に配置されるヒータと、
当該ヒータを加熱することで生じる上昇気流を前記検知光通過空間及び散乱光通過空間に保護気流として供給する保護気流供給流路とを備え、
当該保護気流供給流路が、前記検知光通過空間及び散乱光通過空間を形成する前記ケーシングの内壁にそれぞれ開口している請求項3に記載のほこりセンサ。
【請求項5】
前記投光部と前記受光部が、前記測定流路を挟んで略対称となるように配置されており、
前記検知光通過空間を流れる保護気流と、前記散乱光通過空間を流れる保護気流が、前記検知領域で合流した後、前記測定流路を通って前記排気口に向かって流れるように構成された請求項4に記載のほこりセンサ。
【請求項6】
前記測定気流と前記保護気流とが、共通のヒータの熱を利用して生じるよう構成されている請求項1に記載のほこりセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光散乱式のほこりセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中に浮遊する塵や花粉や煙等の小さな粒子(以下、単にほこりともいう)を検知するほこりセンサとして、例えば特許文献1に示すものが知られている。このほこりセンサは、投光部と受光部とを備える光散乱式のものであり、ケーシング内に取り込んだ空気に投光部から光を照射し、その散乱光を受光部でセンシングすることで、空気中に含まれるほこり等を検出するものである。またこのほこりセンサは、ケーシングに内蔵されたヒータを備えており、当該ヒータの熱によりケーシング内の流路に気流を生じさせて、外部からほこり等を取り込むように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述したほこりセンサでは、使用を続けているうちに、取り込んだ空気中のほこりがケーシングから排出されることなく内部に溜まってしまい、例えば投光部や受光部が備えるレンズの表面にほこりが付着して、センサ出力を劣化させる原因となることがある。そのためこのようなほこりセンサでは、定期的に分解清掃を行ってレンズに付着したほこりを除去する必要があり、手間がかかってしまう。
【0005】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、投光部や受光部にほこりが溜まりにくく、メンテナンスの頻度を低減できる光散乱式のほこりセンサを提供することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係るほこりセンサは、空気中に浮遊するほこりを検知するものであって、外部から測定空気を取り込む測定空気取込口と、取り込んだ測定空気が流れる測定流路と、取り込んだ測定空気を排出する排気口とを形成するケーシングと、前記測定空気取込口から前記排気口に向かう測定気流を前記測定流路に生じさせるヒータと、前記測定流路上に設定された所定の検知領域に検知光を出射する投光部と、前記検知領域にてほこりにより散乱される散乱光をセンシングする受光部と、前記投光部及び前記受光部と前記検知領域との間に、前記検知領域に向かって流れる保護気流を生じさせる保護気流発生機構とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成であれば、投光部及び受光部と検知領域との間に、検知領域に向かって流れる保護気流を生じさせる保護気流発生機構を備えているので、ヒータの熱により気流を生じさせて対象空気を取り込むほこりセンサにおいて、検知領域に向かう保護気流がエアカーテンとして機能し、受光部及び投光部に溜まるほこりの量を低減でき、メンテナンスの頻度を低減できる。
【0008】
また前記ほこりセンサは、前記測定流路が、前記ケーシングの底面から天面に向かって伸びて形成されたものであり、前記投光部及び前記受光部が、前記検知領域よりも前記底面側において、前記検知領域を向くよう斜めに配置されているのが好ましい。
このようなものであれば、投光部及び受光部が上向きに配置されるため、測定流路を流れる空気中のほこりが投光部や受光部に溜まりやすいため、本発明の効果をより顕著に奏することができる。
【0009】
また前記ほこりセンサは、前記投光部から発せられた検知光を前記検知領域に導く検知光通過空間と、前記検知領域からの散乱光を前記受光部に導く散乱光通過空間とを有し、当該検知光通過空間及び散乱光通過空間は、前記投光部及び前記受光部の各々の光軸方向から視て全周を前記ケーシングの内壁により囲まれるトンネル状をなし、前記光軸方向に沿った一方の端部が前記検知領域に向かって開口しているのが好ましい。
このようにすれば、ケーシングの内壁で囲まれ、端部が検知領域に開口するトンネル状の空間が投光部及び受光部の前方に形成されているので、検知領域以外の箇所で反射や散乱した迷光が受光部に到達するのを防止できる。
その一方で、このようなトンネル状の空間が検知領域に開口していることにより空間内にほこりが溜まりやすい構造となるが、本発明によれば検知領域に向けて保護気流を流すようにしているので、このような空間に溜まるほこりの量を低減できる。
【0010】
また前記ほこりセンサの具体的構成としては、前記保護気流発生機構は、前記検知光通過空間及び散乱光通過空間よりも底面側に配置されるヒータと、当該ヒータを加熱することで生じる上昇気流を前記検知光通過空間及び散乱光通過空間に保護気流として供給する保護気流供給流路とを備え、当該保護気流供給流路が、前記検知光通過空間及び散乱光通過空間を形成する前記ケーシングの内壁にそれぞれ開口しているものが挙げられる。
このような構成であれば、投光部及び受光部の前方にトンネル状の空間があるものにおいて、検知領域に流れる方向に効率よく保護気流を供給することができる。
【0011】
前記投光部と前記受光部が、前記測定流路を挟んで略対称となるように配置されており、前記検知光通過空間を流れる保護気流と、前記散乱光通過空間を流れる保護気流が、前記検知領域で合流した後、前記測定流路を通って前記排気口に向かって流れるように構成されているのが好ましい。
このような構成であれば、投光部側と受光部側の両側から検知領域に向かって保護気流が流れるので、投光部側と受光部側の一方から流れた保護気流が他方に流れることによりほこりが溜まってしまうことを防止できる。しかも両側から流れてきた保護気流が検知領域で合流して排気口に向かうようにしているので、測定流路における検知領域よりも上流側の空気が検知領域に向かって引き込まれるようになる。これにより、例えば測定流路上にヒータを設けなくても、保護気流による引き込みにより測定流路に気流の流れを発生させ、測定空気取込口から測定空気を取り込むことができるようになる。
【0012】
前記測定気流と前記保護気流とが、共通のヒータの熱を利用して生じるよう構成されているのが好ましい。
このようにすれば、内蔵するヒータの数を減らすことで、消費電力の増加を抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
このようにした本発明によれば、投光部や受光部にほこりが溜まりにくく、メンテナンスの頻度を低減できる光散乱式のほこりセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態のほこりセンサの全体構成を示す斜視図である。
【
図2】同実施形態のほこりセンサの内部構成を示す平面図である。
【
図3】他の実施形態のほこりセンサの内部構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態に係るほこりセンサ100について図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態のほこりセンサ100は、例えば部屋の壁等に取付けて使用され、空気中を浮遊するほこりを検知するためのものである。このほこりセンサ100は所謂光散乱式のものであり、内部に取り込んだ空気に光を照射し、その散乱光をセンシングすることで空気中のほこりを検知するものである。またこのほこりセンサ100は、内蔵しているヒータ4を加熱することにより気流を生じさせ、測定対象である空気を取り込む自己気流式のものである。なお本明細書で言う「ほこり」とは、例えば、ちり、花粉、粉塵、煙等の固体微粒子を意味する。
【0017】
具体的にこのほこりセンサ100は、
図1及び
図2に示すように、ケーシング1と、ケーシング1に内蔵された投光部2、受光部3及びヒータ4とを備えている。
【0018】
ケーシング1は、測定対象である空気を取り込む測定空気取込口IPと、取り込んだ空気が流れる測定流路MLと、取り込んだ空気を排出する排気口OPとを形成するものである。ケーシング1は、扁平直方体状をなしており、測定空気取込口IPはその底面11に開口して形成され、底面11に対向する天面12側には排気口OPが形成されている。そして、測定流路MLは、測定空気取込口IPと排気口OPとに連通し、底面11から天面12に向かう上下方向に沿って延びて形成されている。この測定流路ML上の所定位置には、ほこりを検知するための検知領域DAが設定されている。
【0019】
このケーシング1は、測定流路MLの一部を形成するものであって、測定空気取込口IPから取り込んだ空気を検知領域DAに導くトンネル部1tを有している。このトンネル部1tは、その内壁により、上下方向に真っ直ぐに伸びる細長い流路を形成するものであり、その上下方向に沿った両端部が開口した形状を成している。トンネル部1tの一方の端部は底面11に開口して測定空気取込口IPを形成し、他方の端部は検知領域DAに向かって開口している。つまり測定流路MLにおいて検知領域DAは、トンネル部1tの天面12側の出口の直後に設定されている。
【0020】
投光部2は、検知領域DAに向けて光を出射するものであり、光を発する光源21と、その光射出方向の前方に置かれた投光レンズ22とを備えている。光源21は例えば、赤外光、青色光、緑色光、赤色光又は紫外光を発するLEDやLED等の固体発光素子である。投光部2から出射される光は、連続光又はパルス光のどちらでもよい。
【0021】
受光部3は、投光部2から出射された光が検知領域DAにおいてほこりにより散乱された散乱光を受光するものである。具体的にこの受光部3は、受光素子31と、受光素子31の前方に置かれた受光レンズ32とを備えている。受光素子31は、光起電力効果を利用するものであり、例えばフォトダイオード、フォトICダイオード、フォトトランジスタ、又は光電子増倍管等であり、受光した光量に比例した電流信号を出力するように構成されている。なおこれらの光源21と受光素子31は、図示しない電源から供給される電力により動作する。
【0022】
投光部2と受光部3は、測定流路MLを挟んで略対称となるように配置されるとともに、互いのレンズの光軸が検知領域DA上で交わるように配置されている。より具体的にこの投光部2及び受光部3は、検知領域DAよりも下方(底面11より)において、検知領域DAを向くように斜め上向きとなるように配置されている。投光部2及び受光部3の光軸は、測定流路ML(具体的にはトンネル部1t)の軸に対して傾斜するように配置されている。
【0023】
この投光部2と受光部3は、ケーシング1内において、投光側保持部13と受光側保持部14とによりそれぞれ保持されている。
【0024】
投光側保持部13は、光源21を収容して所定の向きで保持する光源収容室131と、光源の前方において投光レンズ22の側周部を掴んで保持するレンズ保持部132と、投光レンズ22を通過した光を検知領域DAに導く検知光通過空間13sを有する。この検知光通過空間13sは、光軸方向から見て矩形状を成し、投光レンズ22から検知領域DAに向かって略一定形状を成している。そしてこの検知光通過空間13sは、光軸方向から視てケーシング1の内壁により全周を囲まれて形成されるトンネル状をなす空間であり、その光軸方向に沿った両端が開口した形状を成している。検知光通過空間13sの一方の端部は投光レンズ22により塞がれ、他方端部が測定流路ML(具体的には検知領域DA)に開口している。
【0025】
受光側保持部14は、受光素子31を収容して所定の向きで保持する受光素子収容室141と、受光素子31の前方において受光レンズ32の側周部を掴んで保持するレンズ保持部142と、検知領域DAで散乱された散乱光を受光レンズ32に導く散乱光通過空間14sとを有する。この散乱光通過空間14sは、光軸方向から見て矩形状を成し、受光レンズ32から検知領域DAに向かって略一定形状を成している。そしてこの散乱光通過空間14sは、光軸方向から視てケーシング1の内壁により全周を囲まれて形成されるトンネル状をなす空間であり、その光軸方向に沿った両端が開口した形状を成している。散乱光通過空間14sの一方の端部は受光レンズ32により塞がれ、他方端部が測定流路ML(具体的には検知領域DA)に開口している。
【0026】
ヒータ4は、ケーシング1内の空気を加熱することにより、測定空気取込口IPから排気口OPに向かう上昇気流(測定気流という)を測定流路MLに生じさせるものであり、例えば抵抗素子等である。
【0027】
しかして本実施形態のほこりセンサ100は、投光部2と検知領域DAとの間、及び受光部3と検知領域DAとの間のそれぞれにおいて、検知領域DAに向かって流れる気流(保護気流ともいう)を発生させる保護気流発生機構を備えている。この保護気流発生機構は、検知光通過空間13sにおいて、投光部2から検知領域DAに向かう保護気流を生じさせ、また散乱光通過空間14sにおいて、受光部3から検知領域DAに向かう保護気流を生じさせる。
【0028】
具体的にこの保護気流発生機構は、上昇気流を生じさせる複数(ここでは2つ)のヒータ4と、生じた気流を検知光通過空間13s及び散乱光通過空間14sにそれぞれ供給する複数(ここでは2つ)の保護気流供給流路CLとを備えている。この2つのヒータ4と2つの保護気流供給路は、測定流路ML(具体的にはトンネル部1t)を挟んで対称となるように設けられている。
【0029】
各ヒータ4は、例えば抵抗素子等であり、ケーシング1内において、検知光通過空間13s及び散乱光通過空間14sよりも下方(底面11側)にそれぞれ形成されたヒータ収容室15に収容されている。このヒータ収容室15は、保護気流供給流路CLを介して検知光通過空間13s及び散乱光通過空間14sに連通しており、ヒータ収容室15内でヒータ4により加熱されて生じた上昇気流は、保護気流供給流路CLを通って検知光通過空間13s及び散乱光通過空間14sに供給される。
【0030】
ヒータ収容室15はケーシング1の内壁により形成されるものである。そしてヒータ収容室15を形成する内壁には、清浄な空気を室内に取り込むための清浄空気取込口CPが形成されている。この清浄空気取込口CPは、ケーシング1の外部に設けられた図示しない清浄空気供給源に接続されている。
【0031】
各保護気流供給流路CLは、ケーシング1の内壁により形成されるものであり、ヒータ収容室15から真っ直ぐ上向きに伸びるように形成されている。各保護気流供給流路CLは、トンネル部1tの壁を挟んで測定流路MLの両側に形成されており、測定流路MLと略平行となるように形成されている。そして各保護気流供給流路CLは、一方の端部はヒータ収容室15に開口し、他方の端部は、検知光通過空間13s及び散乱光通過空間14sを形成する底面11側(下方側)の内壁にそれぞれ開口している。
【0032】
そして、各保護気流供給路から供給された保護気流は、検知光通過空間13s及び散乱光通過空間14sを検知領域DAに向かって流れ、検知領域DAにおいて合流したのち、測定流路MLを通って排気口OPに向かって上向きに流れる。
【0033】
本実施形態のほこりセンサ100では、測定気流と保護気流とが共通のヒータ4の熱を利用して生じるように構成されている。具体的にこのほこりセンサ100では、ケーシング1内において、ヒータ4は測定流路ML上には設けられておらず、ヒータ収容室15にのみ設けられている。そしてこのヒータ4により生じる保護気流が検知領域DAで合流して排気口OPに向かって流れる際に、この合流箇所近傍でトンネル部1t内の空気が一緒に引き込まれ、これにより測定流路MLの全体にわたって、測定空気取込口IPから排気口OPに向かう測定気流が生じる。
【0034】
このように構成した本実施形態のほこりセンサ100によれば、投光部2及び前記受光部3と検知領域DAとの間に、検知領域DAに向かって流れる保護気流を生じさせる保護気流発生機構を備えているので、ヒータ4の熱により気流を生じさせて対象空気を取り込むほこりセンサ100において、保護気流がエアカーテンとして機能し、受光部3及び投光部2に溜まるほこりの量を低減でき、メンテナンスの頻度を低減できる。
しかも投光部2側と受光部3側の両側から検知領域DAに向かって保護気流が流れるようにしているので、投光部2側と受光部3側の一方から流れた保護気流が他方に流れることによりほこりが溜まってしまうことを防止できる。
さらに両側から流れてきた保護気流が検知領域DAで合流して排気口OPに向かうようにしているので、トンネル部1tの空気が検知領域DAに向かって引き込まれるようになるので、測定流路ML上にヒータ4を設けなくても、保護気流による引き込みにより測定流路MLに気流の流れを発生させ、測定空気取込口IPから測定空気を取り込むことができる。これにより、測定気流と保護気流とが、共通のヒータ4の熱を利用して生じるよう構成できるので、内蔵するヒータ4の数を減らして消費電力の増加を抑えることもできる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、測定気流と保護気流とを共通のヒータ4により生じさせるようにしていたがこれに限らない。他の実施形態では、測定流路ML上にヒータ4を設け、これにより測定流路MLに上昇気流を生じさせるようにしてもよい。またこの場合、
図3に示すように、ヒータ収容室15にヒータ4を設けず、測定流路ML上にのみヒータ4を設けるようにしてもよい。このようにしても測定気流に引き込まれるようにして保護気流が発生しし、本発明の効果を得ることができる。より効果的に保護気流を生じさせるには、ヒータ収容室15にヒータ4が設けられているのが好ましい。
【0036】
また前記実施形態では、検知光通過空間13sと散乱光通過空間14sの両方に保護気流を生じさせるようにしていたがこれに限らない。他の実施形態では、検知光通過空間13sと散乱光通過空間14sのいずれか一方にのみ保護気流を供給するようにしてもよい。
【0037】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
100・・・ほこりセンサ
1 ・・・ケーシング
2 ・・・投光部
3 ・・・受光部
IP ・・・測定空気取込口
ML ・・・測定流路
OP ・・・排気口
DA ・・・検知領域