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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073785
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】物品保持部材
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240523BHJP
   B60R 11/06 20060101ALI20240523BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20240523BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B60R7/04 T
B60R11/06
B60R13/02 B
F16B21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184679
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 亮
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 拓人
【テーマコード(参考)】
3D020
3D022
3D023
3J037
【Fターム(参考)】
3D020BA15
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD01
3D020BD02
3D020BD11
3D022CA01
3D022CB01
3D022CC02
3D022CC11
3D022CD09
3D022CD20
3D023BC01
3D023BD12
3D023BD29
3D023BE24
3D023BE38
3J037BB01
3J037DA01
3J037DB02
(57)【要約】
【課題】コストの増大を抑制しつつ、車内の意匠面における見栄えの低下を招くことがない、様々な物品の保持に利用できる物品保持部材を提供する。
【解決手段】物品を保持するための物品保持部材であって、筒材から成る筒状部を有し、前記筒状部の内面に、前記物品の保持を可能にする、前記物品と係合する保持部が形成され、前記物品保持部材が車両の内装材の第1の部位に設けられ、前記第1の部位が前記内装材とは別の前記車両の第2の部位で覆い隠される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保持するための物品保持部材であって、
筒材から成る筒状部を有し、
前記筒状部の内面に、前記物品の保持を可能にする、前記物品と係合する保持部が形成され、
前記物品保持部材が車両の内装材の第1の部位に設けられ、前記第1の部位が前記内装材とは別の前記車両の第2の部位で覆い隠される、物品保持部材。
【請求項2】
前記筒状部の外面に、前記第1の部位に形成された凹み部に取り付け及び取り外し自在に係合される取付部を有し、
前記物品保持部材を取り付けない状態において、前記凹み部には、前記凹み部を覆う蓋部材が取り付け可能である、請求項1に記載の物品保持部材。
【請求項3】
前記保持部は、前記筒状部の内側へ向かって突出する2つ以上の凸部を有し、
前記凸部が前記物品に設けられた溝と係合する、請求項1に記載の物品保持部材。
【請求項4】
前記取付部は、第1の爪部を有し、
前記第1の爪部の形状及び位置が、前記蓋部材に設けられた第2の爪部と同一である、請求項2に記載の物品保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の保持に用いる車両用の物品保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車等の車両には、備品や使用者の荷物を収納するトランクルーム等の荷室フロアが設けられると共に、該使用者が利用する様々な物品を収納するための収納部が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、懐中電灯または非常灯としても使用できるルームランプを車内の天井に脱着自在に取り付け可能な脱着式ルームランプが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-278673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された脱着式ルームランプは、内蔵する蓄電池の電力を用いて発光する構成であるため、ルームランプの取り付け時に該蓄電池に給電するためのコネクタや配線を車両の天井に配設する必要がある。そのため、部品コストや配線のための作業コストの増大を招いてしまう。
【0006】
また、ルームランプを取り付けた状態では、該ルームランプが目立つことで天井の意匠面における見栄えが低下する。一方、ルームランプを取り外した状態でも、天井の凹みやコネクタ等が目立つことで、天井の意匠面における見栄えが低下する。
【0007】
さらに、特許文献1は、脱着式のルームランプの構成及び形状、並びに該ルームランプを取り付ける天井の構成及び形状を提案したものであり、その他の物品を車内に取り付けるためのものではない。
【0008】
本発明は上述したような背景技術が有する課題を解決するためになされたものであり、コストの増大を抑制しつつ、車内の意匠面における見栄えの低下を招くことがない、様々な物品の保持に利用できる物品保持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明の物品保持部材は、物品を保持するための物品保持部材であって、
筒材から成る筒状部を有し、
前記筒状部の内面に、前記物品の保持を可能にする、前記物品と係合する保持部が形成され、
前記物品保持部材が車両の内装材の第1の部位に設けられ、前記第1の部位が前記内装材とは別の前記車両の第2の部位で覆い隠される構成である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コストの増大を抑制しつつ、車内の意匠面における見栄えの低下を招くことがない、様々な物品の保持に利用できる物品保持部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の物品保持部材の一構成例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した物品保持部材の取り付け位置の一例を示す車両の模式図である。
図3図3は、本発明の物品保持部材の他の構成例を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示した物品保持部材が内装材に取り付けられる様子を示す斜視図である。
図5図5は、蓋部材の一構成例を示す斜視図である。
図6図6は、図3に示した物品保持部材に物品が取り付けられる様子を示す側断面図である。
図7図7は、図1に示した筒状部の開口端と凹み部の開口端との位置関係の一例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明の物品保持部材の一構成例を示す斜視図であり、図2図1に示した物品保持部材の取り付け位置の一例を示す車両の模式図である。図3は本発明の物品保持部材の他の構成例を示す斜視図であり、図4図3に示した物品保持部材が内装材に取り付けられる様子を示す斜視図である。図5は蓋部材の一構成例を示す斜視図であり、図6図3に示した物品保持部材に物品が取り付けられる様子を示す側断面図である。図7は、図1に示した筒状部の開口端と凹み部の開口端との位置関係の一例を示す側断面図である。
【0014】
図2は、車両の天井から下方を見たときの車内の様子を模式的に示している。また、図2で示すFRONT、REARは、車両の前方、後方を示している。図6は、図4で示すA-A線に相当する位置で切断したときの、後述する物品保持部材1、物品2及び凹み部51の断面を模式的に示している。
【0015】
図7は、図4で示すA-A線に相当する位置で切断したときの、後述する物品保持部材1の筒状部11及び凹み部51の断面を模式的に示している。図7は、後述するフランジ13が無い物品保持部材1が凹み部51に収納された例である。
【0016】
図1図7は、本発明の各構成要素を模式的に示したものであり、各構成要素の寸法、形状、構造、位置等を正確に示すものではない。
【0017】
図1で示すように、本発明の物品保持部材1は、筒材から成る筒状部11を有し、筒状部11の内面に、物品2の保持を可能にする、物品2と係合する保持部12が形成された構成である。物品2は、物品保持部材1が有する筒状部11の内部に収納され、保持部12によって保持される。筒状部11は、一端が閉塞し、他端が開口した筒材でもよく、両端が開口した筒材でもよい。後述する図6及び図7は、物品保持部材1が、一端が閉塞し、他端が開口した筒材から成る筒状部11を有する例を示している。図1で示す物品保持部材1は、車両の内装材の部位(第1の部位)に設けられ、該内装材とは別の車両の部位(第2の部位)で覆い隠される。
【0018】
本発明の物品保持部材1で保持する物品2としては、例えば、ランタン、コインケース、工具等が考えられる。保持する物品2は、これらに限定されるものではなく、物品保持部材1で保持が可能な共通の形状に形成されたものであれば、どのような物でもよい。
【0019】
図1では、筒状部11が略円筒状である例を示している。また、後述する図2図4図6及び図7も筒状部11が略円筒状である例を示している。筒状部11は、3以上の角部を有する多角筒状あるいは楕円筒状等であってもよい。筒状部11の形状は、共通の形状及び大きさから成る保持対象の各物品2が収納可能であれば、どのような形状及び大きさであってもよい。筒状部11の形状及び大きさは、物品保持部材1が設けられる車両の内装材の部位の形状及び大きさ等を考慮して決定してもよい。
【0020】
図1で示す物品保持部材1は、例えば、図2で示すように、乗員の前方に配置されるインストルメントパネル3の側面に取り外し自在に取り付けられる。その場合、物品保持部材1は、閉じているドア4によって覆い隠される。
【0021】
一般に、車両のインストルメントパネル3の側面はドア4を閉じると見えなくなるデッドスペースであり、有効に活用されていない。デッドスペースとしては、例えば、乗員が着座しているときは座席の背もたれの側面によって覆い隠され、背もたれを倒した時に見える車室の側壁部位等も考えられる。本発明の物品保持部材1をドア4や座席等の移動可能な別の部位で覆われるデッドスペースに配置すれば、該デッドスペースを有効に活用できる。
【0022】
また、ランタン、コインケース等の比較的小型な物品2は、不使用時にドア4のポケットやグローブボックスの内部あるいは荷室等に置かれることが多い。そのような場合、車両の走行時の振動等によって、物品2と該物品2が置かれた部位とが当接することで、異音が発生したり、物品2または物品2が置かれた部位が傷ついたりするおそれもある。本発明の物品保持部材1は、物品2を筒状部11の内部で保持する構成であるため、異音が発生したり、物品2または物品2が置かれた部位が傷ついたりすることもない。
【0023】
さらに、特許文献1に記載された脱着式ルームランプでは、例えば事故が発生すると、該ルームランプが天井から外れて乗員に衝突するおそれがある。本発明の物品保持部材1は、物品保持部材1が設けられた部位が車両の別の部位で覆われているため、事故が起きても外れる可能性が低い。特に、物品保持部材1がインストルメントパネル3の側面に設けられている場合、該物品保持部材1は車両の前後方向と直交する車幅方向と略平行に取り付けられるため、仮に事故によって外れることがあっても乗員に衝突する可能性がより低くなる。
【0024】
図3で示すように、物品保持部材1が有する筒状部11の開口端には、該筒状部11の壁面と直交する方向に突出する板状のフランジ13を有していてもよい。フランジ13の外周端部には、筒状部11との壁面と平行な突出部14が形成される。フランジ13の形状は筒状部11の開口形状と同じであってもよく、異なっていてもよい。図3は、筒状部11の開口形状とフランジ13の形状とが異なる例を示している。
【0025】
図4で示すように、物品保持部材1は、該物品保持部材1が設けられる内装材5の部位に形成された凹み部51に収納される。図4は、筒状部11にフランジ13を有する物品保持部材1が凹み部51に収納される例を示している。図4及び後述する図5で示す内装材5は、単に一例を示したものである。内装材5は、図4及び図5で示す形状に限定されるものではない。
【0026】
筒状部11にフランジ13を有する構成では、物品保持部材1の取り付け時に該フランジ13が凹み部51の開口端よりも奥に位置するように、フランジ13の形状と略同一の凹状の当接部52が凹み部51の開口側に形成される。物品保持部材1は、筒状部11の外面に取付部15を有し、該取付部15によって内装材5の凹み部51に取り付け及び取り外し自在に係合される。取付部15は、複数の位置において凹み部51と係合することが好ましい。
【0027】
図5で示すように、凹み部51には、物品保持部材1を取り付けない状態において、該凹み部51を覆う蓋部材6を取り付けてもよい。
【0028】
図3及び4で示したように、筒状部11の取付部15は、例えば爪部16を有し、該爪部16を内装材5の凹み部51の周囲に設けられた穴(不図示)に差し込むことで物品保持部材1が取り付けられる。
【0029】
図3及び図4は、筒状部11が有するフランジ13に複数の爪部16が設けられた構成例を示している。図1で示したフランジ13が無い筒状部11では、該筒状部11の開口端の外壁面に爪部16を設ければよい。取付部15が有する爪部(第1の爪部)16の形状及び位置は、図5で示した蓋部材6に設けられた爪部(第2の爪部)61の形状及び位置と同一とすればよい。このように物品保持部材1が有する取付部(第1の爪部)15の形状及び位置を蓋部材6の爪部(第2の爪部)61の形状及び位置と同一にすれば、凹み部51に対する蓋部材6及び物品保持部材1の取り付け構造が複雑になることがない。
【0030】
物品保持部材1の筒状部11の内部に形成される保持部12は、図6で示すように、筒状部11の内側へ向かって突出する2つ以上の凸部17を有する。物品2には、該凸部17と係合する溝21が設けられ、筒状部11の内部で物品2を回転させることで凸部17と溝21とが係合する。溝21は、例えば、物品2の測面端部から物品2の取り付け及び取り出し方向と平行に設けられた溝と、物品の取り付け及び取り出し方向と直交する溝とを有する、例えばL字状またはT字状に形成すればよい。
【0031】
このような構成では、物品保持部材1の筒状部11内で物品2を回転させるだけで、該物品2を物品保持部材1に簡単に取り付け及び取り外すことができる。また、凸部17及び溝21の形状を各物品2で共通にすることで、様々な物品2を1つの物品保持部材1で保持できる。
【0032】
なお、物品保持部1の開口端が内装材5に設けられた凹み部51の開口端から突出すると、該突出した部位が物品保持部材1を覆い隠すドア4等と接触することで物品保持部材1及び物品2が破損するおそれがある。
【0033】
したがって、図7で示すように、物品保持部1の筒状部11の開口端は、凹み部51の開口端よりも奥に位置させる必要がある。しかしながら、筒状部11の開口端が凹み部51の開口端よりも奥に位置すると、筒状部11の開口端と凹み部51の開口端との段差が目立つことで見栄えが低下する。そのため、筒状部11の開口端は、凹み部51の開口端と面一とすることが望ましい。筒状部11にフランジ13を有する構成では、フランジ13の突出部14の頂部が凹み部51の開口端と面一となるようにフランジ13及び凹み部51の開口側に設ける当接部52を形成すればよい。
【0034】
本発明の物品保持部材1によれば、筒状部11を有する簡易な構成であり、該物品保持部材1を取り付ける内装材5に設ける凹み部51も簡易な構成である。そのため、物品保持部材1を設けることによる加工コスト等の増大が抑制される。また、物品保持部材1は車両の別の部位で覆い隠されるため、車内の意匠面における見栄えの低下を招くことがない。さらに、物品保持部材1を、共通の形状及び大きさから成る保持対象の各物品2が収納可能な形状及び大きさとすることで、様々な物品2の保持に利用できる。
【0035】
したがって、コストの増大を抑制しつつ、車内の意匠面における見栄えの低下を招くことがない、様々な物品の保持に利用できる物品保持部材1を得ることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 物品保持部材
2 物品
3 インストルメントパネル
4 ドア
5 内装材
6 蓋部材
11 筒状部
12 保持部
13 フランジ
14 突出部
15 取付部
16、61 爪部
17 凸部
21 溝
51 凹み部
52 当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7