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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073823
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】電磁波センサ
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20240523BHJP
   G01J 5/20 20060101ALN20240523BHJP
【FI】
G01J1/02 C
G01J1/02 Q
G01J5/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184740
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】原 晋治
(72)【発明者】
【氏名】太田 尚城
(72)【発明者】
【氏名】千里内 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】青木 進
(72)【発明者】
【氏名】前川 和也
(72)【発明者】
【氏名】小久保 眞生子
(72)【発明者】
【氏名】木本 裕介
【テーマコード(参考)】
2G065
2G066
【Fターム(参考)】
2G065AA11
2G065AB02
2G065BA11
2G065BA12
2G065BA13
2G065BA14
2G065BA34
2G065BA38
2G065CA12
2G065CA13
2G065DA18
2G066BA09
2G066BA51
2G066BA55
2G066BB11
2G066BB13
2G066BB20
2G066CA02
(57)【要約】
【課題】動作速度及び検出精度の高い電磁波センサを提供する。
【解決手段】第1の基板2と、第1の基板2の基板面に垂直な方向からの平面視において基板面に対して平行な第1の方向に延在する第1の配線9と、平面視において、基板面に対して平行であり且つ第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の配線10と、第1の配線と電気的に接続されると共に、前記第2の配線10と電気的に接続された電磁波検出部4とを備え、第1の配線9は、第1の方向及び第2の方向とは直交する第3の方向において、電磁波検出部4よりも第1の基板2側に位置し、第2の配線10は、第3の方向において、電磁波検出部4よりも第1の基板2とは反対側に位置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、
前記第1の基板の基板面に垂直な方向からの平面視において前記基板面に対して平行な第1の方向に延在する第1の配線と、
前記平面視において、前記基板面に対して平行であり且つ前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の配線と、
前記第1の配線と電気的に接続されると共に、前記第2の配線と電気的に接続された電磁波検出部とを備え、
前記第1の配線は、前記第1の方向及び前記第2の方向とは直交する第3の方向において、前記電磁波検出部よりも前記第1の基板側に位置し、
前記第2の配線は、前記第3の方向において、前記電磁波検出部よりも前記第1の基板とは反対側に位置することを特徴とする電磁波センサ。
【請求項2】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第1の支柱を備え、
前記第1の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記電磁波検出部は、少なくとも前記第1の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第1の支柱の少なくとも一端が絶縁体と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項3】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第1の支柱を備え、
前記第1の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記電磁波検出部は、少なくとも前記第1の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第1の支柱は、一端と他端との間の少なくとも一部に絶縁体を含み、前記一端と前記他端との間が電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項4】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第2の支柱を備え、
前記第2の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第2の支柱を介して前記電磁波検出部と繋がり、
前記第2の支柱の少なくとも一端が絶縁体と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項5】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第2の支柱を備え、
前記第2の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第2の支柱を介して前記電磁波検出部と繋がり、
前記第2の支柱は、一端と他端との間の少なくとも一部に絶縁体を含み、前記一端と前記他端との間が電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項6】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第3の支柱を備え、
前記第3の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記電磁波検出部は、少なくとも前記第3の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第3の支柱は、導電性を有し、前記第1の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁波センサ。
【請求項7】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第4の支柱を備え、
前記第4の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第4の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電磁波センサ。
【請求項8】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第4の支柱を備え、
前記第4の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第4の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されており、
前記第1の支柱と前記第4の支柱とは、前記第3の方向から平面視したときに、少なくとも一部が互いに重なる位置にあることを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁波センサ。
【請求項9】
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第3の支柱を備え、
前記第3の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第3の支柱は、導電性を有し、前記第1の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されており、
前記第2の支柱と前記第3の支柱とは、前記第3の方向から平面視したときに、少なくとも一部が互いに重なる位置にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の電磁波センサ。
【請求項10】
前記第2の配線は、前記第3の方向から平面視したときに、前記第1の配線よりも幅が大きいことを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項11】
前記第2の配線は、前記第3の方向から平面視したときに、前記電磁波検出部と重なる部分を有することを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項12】
前記第2の配線は、前記第1の配線よりも厚みが大きいことを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項13】
第3の配線と、
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第5の支柱とを備え、
前記第3の配線は、前記第3の方向において、前記第2の配線よりも前記第1の基板側に位置し、
前記第5の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記第1の基板との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第5の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第5の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記第3の配線と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項14】
第4の配線と、
前記第1の基板と対向する第2の基板と、
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第6の支柱とを備え、
前記第4の配線及び前記第2の基板は、前記第3の方向において、前記第2の配線よりも前記第1の基板とは反対側に位置し、
前記第6の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記第2の基板との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第6の支柱を介して前記第2の基板と繋がり、
前記第6の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記第4の配線と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項15】
前記電磁波検出部を複数備え、
前記第1の配線と前記第2の配線との何れか一方の配線を複数備え、
前記平面視において、複数の前記電磁波検出部は、複数の前記一方の配線が並ぶ方向に並んで設けられ、
前記複数の電磁波検出部のそれぞれが、前記複数の一方の配線のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、前記平面視において、前記複数の一方の配線が前記第1の方向又は前記第2の方向に並んで設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項16】
前記電磁波検出部を複数備え、
前記第1の配線を複数備え、
前記第2の配線を複数備え、
前記平面視において、複数の前記電磁波検出部は、前記第1の方向及び前記第2の方向に二次元アレイ状に並んで設けられ、
前記複数の電磁波検出部のそれぞれが、複数の前記第1の配線のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、前記平面視において、前記複数の第1の配線が前記第2の方向に並んで設けられると共に、
前記複数の電磁波検出部のそれぞれが、複数の前記第2の配線のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、前記平面視において、前記複数の第2の配線が前記第1の方向に並んで設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【請求項17】
前記電磁波検出部は、温度検知素子と、前記温度検知素子の少なくとも一部を覆う電磁波吸収体とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電磁波センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、サーミスタ素子などの電磁波検出部を用いた電磁波センサがある。サーミスタ素子が有するサーミスタ膜の電気抵抗は、サーミスタ膜の温度変化に応じて変化する。電磁波センサでは、サーミスタ膜に入射した赤外線(電磁波)がサーミスタ膜又はサーミスタ膜の周辺の材料に吸収されることによって、このサーミスタ膜の温度が変化する。これにより、サーミスタ素子は、赤外線を検出する。
【0003】
ここで、シュテファン=ボルツマンの法則から、測定対象の温度と、この測定対象から熱輻射により放出される赤外線(輻射熱)との間には相関関係がある。したがって、測定対象から放出される赤外線をサーミスタ素子を用いて検出することで、測定対象の温度を非接触により測定することが可能である。
【0004】
また、このようなサーミスタ素子は、行方向と列方向とに二次元アレイ状に複数配列されることによって、測定対象の温度分布を二次元的に検出(撮像)する赤外線撮像素子(赤外線イメージセンサ)などの電磁波センサに応用されている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/171488号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した電磁波センサにおけるサーミスタ素子は、行方向に延在する複数の第1の配線と、列方向に延在する複数の第2の配線とによって区画された領域毎に設けられている。また、サーミスタ素子と電気的に接続される第1の配線と第2の配線とは、絶縁体層内の厚さ方向において異なる位置に配置されて、立体的に交差するように配置されている。
【0007】
このため、従来の電磁波センサでは、第1の配線と第2の配線とが近接する部分に生じる寄生容量により動作速度や検出精度が低くなることがあった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、動作速度及び検出精度の高い電磁波センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 第1の基板と、
前記第1の基板の基板面に垂直な方向からの平面視において前記基板面に対して平行な第1の方向に延在する第1の配線と、
前記平面視において、前記基板面に対して平行であり且つ前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の配線と、
前記第1の配線と電気的に接続されると共に、前記第2の配線と電気的に接続された電磁波検出部とを備え、
前記第1の配線は、前記第1の方向及び前記第2の方向とは直交する第3の方向において、前記電磁波検出部よりも前記第1の基板側に位置し、
前記第2の配線は、前記第3の方向において、前記電磁波検出部よりも前記第1の基板とは反対側に位置することを特徴とする電磁波センサ。
〔2〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第1の支柱を備え、
前記第1の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記電磁波検出部は、少なくとも前記第1の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第1の支柱の少なくとも一端が絶縁体と接続されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔3〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第1の支柱を備え、
前記第1の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記電磁波検出部は、少なくとも前記第1の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第1の支柱は、一端と他端との間の少なくとも一部に絶縁体を含み、前記一端と前記他端との間が電気的に絶縁されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔4〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第2の支柱を備え、
前記第2の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第2の支柱を介して前記電磁波検出部と繋がり、
前記第2の支柱の少なくとも一端が絶縁体と接続されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔5〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第2の支柱を備え、
前記第2の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第2の支柱を介して前記電磁波検出部と繋がり、
前記第2の支柱は、一端と他端との間の少なくとも一部に絶縁体を含み、前記一端と前記他端との間が電気的に絶縁されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔6〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第3の支柱を備え、
前記第3の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記電磁波検出部は、少なくとも前記第3の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第3の支柱は、導電性を有し、前記第1の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されていることを特徴とする前記〔2〕又は〔3〕に記載の電磁波センサ。
〔7〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第4の支柱を備え、
前記第4の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第4の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されていることを特徴とする前記〔4〕又は〔5〕に記載の電磁波センサ。
〔8〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第4の支柱を備え、
前記第4の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第4の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されており、
前記第1の支柱と前記第4の支柱とは、前記第3の方向から平面視したときに、少なくとも一部が互いに重なる位置にあることを特徴とする前記〔2〕又は〔3〕に記載の電磁波センサ。
〔9〕 少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第3の支柱を備え、
前記第3の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第1の基板と前記電磁波検出部との間に位置し、
前記第3の支柱は、導電性を有し、前記第1の配線及び前記電磁波検出部と電気的に接続されており、
前記第2の支柱と前記第3の支柱とは、前記第3の方向から平面視したときに、少なくとも一部が互いに重なる位置にあることを特徴とする前記〔4〕又は〔5〕に記載の電磁波センサ。
〔10〕 前記第2の配線は、前記第3の方向から平面視したときに、前記第1の配線よりも幅が大きいことを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔11〕 前記第2の配線は、前記第3の方向から平面視したときに、前記電磁波検出部と重なる部分を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔12〕 前記第2の配線は、前記第1の配線よりも厚みが大きいことを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔13〕 第3の配線と、
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第5の支柱とを備え、
前記第3の配線は、前記第3の方向において、前記第2の配線よりも前記第1の基板側に位置し、
前記第5の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記第1の基板との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第5の支柱を介して前記第1の基板と繋がり、
前記第5の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記第3の配線と電気的に接続されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔14〕 第4の配線と、
前記第1の基板と対向する第2の基板と、
少なくとも前記第3の方向の成分を含む方向に延在する第6の支柱とを備え、
前記第4の配線及び前記第2の基板は、前記第3の方向において、前記第2の配線よりも前記第1の基板とは反対側に位置し、
前記第6の支柱の少なくとも一部は、前記第3の方向における前記第2の配線と前記第2の基板との間に位置し、
前記第2の配線は、少なくとも前記第6の支柱を介して前記第2の基板と繋がり、
前記第6の支柱は、導電性を有し、前記第2の配線及び前記第4の配線と電気的に接続されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔15〕 前記電磁波検出部を複数備え、
前記第1の配線と前記第2の配線との何れか一方の配線を複数備え、
前記平面視において、複数の前記電磁波検出部は、複数の前記一方の配線が並ぶ方向に並んで設けられ、
前記複数の電磁波検出部のそれぞれが、前記複数の一方の配線のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、前記平面視において、前記複数の一方の配線が前記第1の方向又は前記第2の方向に並んで設けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔16〕 前記電磁波検出部を複数備え、
前記第1の配線を複数備え、
前記第2の配線を複数備え、
前記平面視において、複数の前記電磁波検出部は、前記第1の方向及び前記第2の方向に二次元アレイ状に並んで設けられ、
前記複数の電磁波検出部のそれぞれが、複数の前記第1の配線のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、前記平面視において、前記複数の第1の配線が前記第2の方向に並んで設けられると共に、
前記複数の電磁波検出部のそれぞれが、複数の前記第2の配線のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、前記平面視において、前記複数の第2の配線が前記第1の方向に並んで設けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
〔17〕 前記電磁波検出部は、温度検知素子と、前記温度検知素子の少なくとも一部を覆う電磁波吸収体とを含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の電磁波センサ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、動作速度及び検出精度の高い電磁波センサを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す平面図である。
図2図1中に示す線分A-Aによる電磁波センサの断面図である。
図3図1中に示す線分B-Bによる電磁波センサの断面図である。
図4図1中に示す線分C-Cによる電磁波センサの断面図である。
図5図1中に示す線分D-Dによる電磁波センサの断面図である。
図6図1中に示す線分E-Eによる電磁波センサの断面図である。
図7図1に示す電磁波センサの別の構成例を示す断面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す断面図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す断面図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す断面図である。
図11】本発明の第5の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す断面図である。
図12】本発明の第6の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す断面図である。
図13】本発明の第7の実施形態に係る電磁波センサの構成を示す断面図である。
図14】本発明の第8の実施形態に係る電磁波センサの構成を模式的に示す断面図である。
図15】本発明の第9の実施形態に係る電磁波センサの構成を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らないものとする。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を電磁波センサの特定の面内における第1の方向Xとし、Y軸方向を電磁波センサの特定の面内において第1の方向Xと直交する第2の方向Yとし、Z軸方向を電磁波センサの特定の面内に対して直交する第3の方向Zとして示すものとする。第3の方向Zは、第1の方向X及び第2の方向Yと直交する方向である。また、以下の記載では、以下に示す図面における+Z軸方向を上方向、-Z軸方向を下方向として扱っている。
【0014】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1図7に示す電磁波センサ1Aについて説明する。
【0015】
なお、図1は、電磁波センサ1Aの構成を示す平面図である。図2は、図1中に示す線分A-Aによる電磁波センサ1Aの断面図である。図3は、図1中に示す線分B-Bによる電磁波センサ1Aの断面図である。図4は、図1中に示す線分C-Cによる電磁波センサ1Aの断面図である。図5は、図1中に示す線分D-Dによる電磁波センサ1Aの断面図である。図6は、図1中に示す線分E-Eによる電磁波センサ1Aの断面図である。図7は、電磁波センサ1Aの別の構成例を示す断面図である。
【0016】
本実施形態の電磁波センサ1Aは、測定対象から放出される赤外線を検出することによって、この測定対象の温度分布を二次元的に検出(撮像)する赤外線撮像素子(赤外線イメージセンサ)に本発明を適用したものである。
【0017】
赤外線は、波長が0.75μm以上、1000μm以下である電磁波である。赤外線イメージセンサは、赤外線カメラとして屋内や屋外の暗視などに利用されるほか、非接触式の温度センサとして人や物の温度測定などに利用されている。
【0018】
具体的に、この電磁波センサ1Aは、図1図6に示すように、互いに対向して配置された第1の基板2及び第2の基板3と、これら第1の基板2と第2の基板3との間に配置された複数のサーミスタ素子4とを備えている。
【0019】
第1の基板2及び第2の基板3は、ある特定の波長の電磁波、具体的には10μmの波長を含む波長帯域を有する赤外線(本実施形態では波長8~14μmの長波長赤外線)IRに対して透過性を有するシリコン基板からなる。また、赤外線IRに対して透過性を有する基板としては、ゲルマニウム基板などを用いることができる。
【0020】
本実施形態の電磁波センサ1Aは、測定対象から放出された検知対象の電磁波(測定対象から放出された赤外線IR)が第1の基板2側から入射するように構成されている。すなわち、第1の基板2は、検知対象の電磁波が透過する基板である。
【0021】
第1の基板2及び第2の基板3は、互いに対向する面の周囲をシール材(図示せず。)により封止することによって、その間に密閉された内部空間Kを構成している。また、内部空間Kは、高真空に減圧されている。
【0022】
これにより、本実施形態の電磁波センサ1Aでは、内部空間Kでの対流による熱の影響を抑制し、サーミスタ素子4に対して測定対象から放出される赤外線IR以外の熱による影響を排除している。
【0023】
なお、本実施形態の電磁波センサ1Aは、上述した密閉された内部空間Kを減圧した構成に必ずしも限定されるものではなく、大気圧のまま密閉又は開放された内部空間Kを有する構成であってもよい。
【0024】
第1の基板2の基板面は、第1の方向X及び第2の方向Yを含むXY面と平行になっている。すなわち、第1の方向Xは、第1の基板2の基板面に対して平行な方向であり、第2の方向Yは、第1の基板2の基板面に対して平行な方向である。
【0025】
サーミスタ素子4は、赤外線IRを検出する電磁波検出部であり、温度検知素子としてのサーミスタ膜5と、サーミスタ膜5の少なくとも一部(本実施形態では全部)を覆う電磁波吸収体としての絶縁膜6とを有している。
【0026】
サーミスタ膜5としては、例えば、酸化バナジウム、非晶質シリコン、多結晶シリコン、マンガンを含むスピネル型結晶構造の酸化物、酸化チタン、又はイットリウム-バリウム-銅酸化物などを用いることができる。
【0027】
絶縁膜6としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウムマグネシウム、ホウ化ケイ素、窒化ホウ素、又はサイアロン(ケイ素とアルミニウムとの酸窒化物)などを用いることができる。
【0028】
サーミスタ素子4は、サーミスタ膜5の面直方向に電流が流れるCPP(Current-Perpendicular-to-Plane)構造を有している。すなわち、このサーミスタ素子4は、図示を省略するものの、サーミスタ膜5の一方の面に接触して設けられた一対の第1の電極と、サーミスタ膜5の他方の面に接触して設けられた第2の電極とを有し、一方の第1の電極から第2の電極に向けてサーミスタ膜5の面直方向に電流を流すと共に、第2の電極から他方の第1の電極に向けてサーミスタ膜5の面直方向に電流を流すことが可能な構成となっている。
【0029】
一方、サーミスタ素子4は、このようなCPP構造に限らず、第2の電極を省略することで、一対の第1の電極の間でサーミスタ膜5の面内方向に電流が流れるCIP(Current-In-Plane)構造を有する構成としてもよい。
【0030】
絶縁膜6は、少なくともサーミスタ膜5の少なくとも一部を覆うように設けられた構成であればよい。本実施形態では、サーミスタ膜5の両面を覆うように、絶縁膜6が設けられている。
【0031】
複数のサーミスタ素子4は、互いに同じ大きさで形成されている。また、複数のサーミスタ素子4は、第1の基板2の基板面と平行な面内(以下、「特定の面内」という。)に二次元アレイ状に配列されている。すなわち、これら複数のサーミスタ素子4は、第1の基板2の基板面に垂直な方向(第3の方向Z)からの平面視において、特定の面内において互いに交差(本実施形態では直交)する第1の方向Xと第2の方向Yとにマトリックス状に並んで配置されている。なお、第1の方向Xと第2の方向Yとは、特定の面内において必ずしも直交していなくてもよい。
【0032】
また、各サーミスタ素子4は、第1の方向Xを行方向とし、第2の方向Yを列方向として、第1の方向Xに一定の間隔で並んで配置されると共に、第2の方向Yに一定の間隔で並んで配置されている。
【0033】
なお、上記サーミスタ素子4の行列数としては、例えば640行×480列、1024行×768列などが挙げられるが、これら行列数に必ずしも限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
【0034】
各サーミスタ膜5と第1の基板2の厚さ方向において対向する領域(平面視で重なる領域)には、第1の基板2とサーミスタ膜5との間で赤外線IRを透過させる窓部Wが存在している。なお、窓部Wでは、後述する第1の基板2の基板面上に設けられた第1の絶縁体層8の一部が除去されている。すなわち、窓部Wには、各サーミスタ素子4と平面視で重なる領域において第1の絶縁体層8を貫通する孔部8aが設けられている。
【0035】
各サーミスタ素子4には、サーミスタ膜5と電気的に接続された一対のアーム部7a,7bが連結されている。一対のアーム部7a,7bは、上述した一対の第1の電極と電気的に接続される線状の配線層7と、この配線層7の両面を覆うように設けられた絶縁膜6とを有している。
【0036】
配線層7は、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、タングステン、チタン、タンタル、クロム、シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化クロム、窒化タングステン及び窒化ジルコニウムの中から選ばれる少なくとも1種からなる導電膜からなる。なお、配線層7のみで各アーム部7a,7bの十分な機械的強度が得られる場合には、配線層7の両面に設けられた絶縁膜6を省略することも可能である。
【0037】
一対のアーム部7a,7bは、第3の方向Zから見た平面視において、サーミスタ素子4を挟んだ両側に位置している。また、各アーム部7a,7bは、少なくともサーミスタ素子4の周囲に沿って延在する部分と、サーミスタ素子4と連結される部分とを有している。
【0038】
具体的に、本実施形態のアーム部7a,7bは、第1の方向Xに延在する複数(本実施形態では2つ)の部分が第2の方向Yに並んで配置されると共に、互いに隣り合う部分の一端と他端とが第2の方向Yに延在する部分を介して連結された構造を有している。すなわち、本実施形態のアーム部7a,7bは、第1の方向Xに延在する複数の部分が、第2の方向Yに延在する部分において折り返された構造を有している。
【0039】
また、一対のアーム部7a,7bは、第2の方向Yに延在する部分を介してサーミスタ素子4を挟む位置にてサーミスタ素子4と連結されている。配線層7は、サーミスタ膜5を挟んだ両側に位置している導電層7cと連結されている。導電層7cとしては、上記配線層7で例示したものと同じものを用いることができる。図示を省略するものの、アーム部7aが有する配線層7は、導電層7c及び上述した一対の第1の電極のうちの一方の第1の電極を介してサーミスタ膜5と電気的に接続され、アーム部7bが有する配線層7は、導電層7c及び上述した一対の第1の電極のうちの他方の第1の電極を介してサーミスタ膜5と電気的に接続されている。本実施形態では、導電層7cがサーミスタ素子4の一部を構成している。
【0040】
第1の基板2の第2の基板3と対向する面側には、第1の絶縁体層8と、複数の第1の配線9とが設けられている。
【0041】
第1の絶縁体層8は、第1の基板2の一方の面(第2の基板3と対向する面)側に形成された絶縁膜からなる。絶縁膜としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウムマグネシウム、ホウ化ケイ素、窒化ホウ素、サイアロン(ケイ素とアルミニウムの酸窒化物)などを用いることができる。
【0042】
複数の第1の配線9は、例えば銅や金などの導電膜からなり、第1の基板2の基板面に垂直な方向(第3の方向Z)からの平面視において、基板面に対して平行な第1の方向Xに延在し、且つ、第2の方向Yに一定の間隔で並んで設けられている。
【0043】
本実施形態では、第1の配線9が第1の絶縁体層8の層内に位置している。なお、第1の配線9は、少なくとも表面が第1の絶縁体層8から露出していてもよい。
【0044】
本実施形態の電磁波センサ1Aにおいて、複数の第1の配線9は、第3の方向Zにおいてサーミスタ素子4よりも第1の基板2側に位置している。複数の第1の配線9の第3の方向Zの位置は、サーミスタ素子4の第3の方向Zの位置と第1の基板2の第3の方向Zの位置との間にある。
【0045】
一方、第3の方向Zにおいてサーミスタ素子4よりも第1の基板2とは反対側には、複数の第2の配線10が設けられている。サーミスタ素子4の第3の方向Zの位置は、複数の第2の配線10の第3の方向Zの位置と第1の基板2の第3の方向Zの位置との間にある。複数の第2の配線10は、第1の基板2と第2の基板3との間に配置されている。すなわち、第2の基板3は、第3の方向Zにおいて、複数の第2の配線10よりも第1の基板2とは反対側に位置している。
【0046】
複数の第2の配線10は、例えば銅や金などの導電膜からなり、第3の方向Zからの平面視において、第1の基板2の基板面に対して平行な第2の方向Yに延在し、且つ、第1の方向Xに一定の間隔で並んで設けられている。
【0047】
したがって、複数の第1の配線9と複数の第2の配線10とは、第3の方向Zの異なる位置に、立体的に交差するように配置されている。すなわち、それぞれの第1の配線9は、第3の方向Zに間隔が設けられて、複数の第2の配線10と立体的に交差するように配置されている。また、それぞれの第2の配線10は、第3の方向Zに間隔が設けられて、複数の第1の配線9と立体的に交差するように配置されている。
【0048】
第2の配線10は、第3の方向Zから平面視したときに、サーミスタ素子4と重なる部分を有している。これにより、サーミスタ素子4を透過した測定対象の電磁波(赤外線IR)が第2の配線10で反射してサーミスタ素子4に再度照射されることによる電磁波吸収効率の向上が可能になる。
【0049】
また、第2の配線10は、第3の方向Zから平面視したときに、第1の配線9よりも大きい幅を有している。これにより、上述の電磁波吸収効率の向上効果を大きくすることができると共に、第2の配線10の電気抵抗値を小さくすることができる。また、第2の配線10は、第1の配線9よりも第3の方向Zの厚みが大きくなっている。これにより、第2の配線10の電気抵抗値を小さくすることができる。
【0050】
本実施形態の電磁波センサ1Aは、少なくとも第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在する第1の支柱11、第2の支柱12、第3の支柱13及び第4の支柱14を備えている。
【0051】
第1の支柱11の少なくとも一部は、絶縁体からなり、第3の方向Zにおける第1の基板2とサーミスタ素子4との間に位置している。本実施形態おける第1の支柱11は、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の絶縁性支柱により形成されている。
【0052】
第1の支柱11には、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウムマグネシウム、ホウ化ケイ素、窒化ホウ素、サイアロン(ケイ素とアルミニウムの酸窒化物)などの絶縁体を用いることができる。
【0053】
第1の支柱11は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)がアーム部7bの配線層7の先端と接続されている。これにより、サーミスタ素子4は、少なくとも第1の支柱11を介して第1の基板2と繋がっている。本実施形態では、アーム部7b、第1の支柱11、第1の配線9及び第1の絶縁体層8を介してサーミスタ素子4が第1の基板2と繋がっている。
【0054】
また、第1の支柱11は、その延在方向における一端と他端との間の少なくとも一部(本実施形態では全部)に絶縁体を含むことで、その一端と他端との間が電気的に絶縁されている。これにより、第1の支柱11の一端から他端までの第1の支柱11の中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第1の支柱11の一端と接続された第1の配線9と電気的に絶縁されている。
【0055】
第2の支柱12の少なくとも一部は、絶縁体からなり、第3の方向Zにおける第2の配線10とサーミスタ素子4との間に位置している。本実施形態における第2の支柱12は、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の絶縁性支柱により形成されている。第2の支柱12には、第1の支柱11で例示した絶縁体と同じものを用いることができる。
【0056】
第2の支柱12は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)がアーム部7aの配線層7の先端と接続されている。これにより、第2の配線10は、少なくとも第2の支柱12を介してサーミスタ素子4と繋がっている。本実施形態では、第2の支柱12及びアーム部7aを介して第2の配線10がサーミスタ素子4と繋がっている。
【0057】
また、第2の支柱12は、その延在方向における一端と他端との間の少なくとも一部(本実施形態では全部)に絶縁体を含むことで、その一端と他端との間が電気的に絶縁されている。これにより、第2の支柱12の一端から他端までの第2の支柱12の中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第2の配線10と電気的に絶縁されている。
【0058】
第3の支柱13は、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第3の支柱13の少なくとも一部は、第3の方向Zにおける第1の基板2とサーミスタ素子4との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。
【0059】
第2の支柱12と第3の支柱13とは、第3の方向Zから平面視したときに、少なくとも一部(本実施形態では全部)が互いに重なる位置にある。また、第3の支柱13は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)がアーム部7aの配線層7の先端と接続されている。これにより、サーミスタ素子4は、少なくとも第3の支柱13を介して第1の基板2と繋がっている。本実施形態では、アーム部7a、第3の支柱13、第1の配線9及び第1の絶縁体層8を介してサーミスタ素子4が第1の基板2と繋がっている。
【0060】
なお、第1の絶縁体層8は、第3の支柱13と第1の配線9とが電気的に接続されるように部分的に除去されている。また、アーム部7aを構成する配線層7の上面に設けられた絶縁膜6は、第3の支柱13とアーム部7aの配線層7とが電気的に接続されるように部分的に除去されている。
【0061】
サーミスタ素子4及び一対のアーム部7a,7bは、第3の方向Zから平面視においてサーミスタ素子4の対角方向に位置する第1の支柱11と第3の支柱13とにより、第1の基板2から第3の方向Zに吊り下げられた状態で支持されている。サーミスタ素子4及びアーム部7a、7bは、第1の支柱11と第3の支柱13との2本の支柱により第1の基板2から支持されているので、この支持構造の機械的強度が高くなっている。また、サーミスタ素子4と第1の絶縁体層8との間(サーミスタ素子4と第1の基板2との間)には、空間G1が設けられている。
【0062】
第3の支柱13は、導電性を有し、第1の配線9及びサーミスタ素子4と電気的に接続されている。すなわち、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、少なくとも第3の支柱13を介して第1の配線9と電気的に接続されている。
【0063】
第4の支柱14は、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第4の支柱14の少なくとも一部は、第3の方向Zにおける第2の配線10とサーミスタ素子4との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。
【0064】
第1の支柱11と第4の支柱14とは、第3の方向Zから平面視したときに、少なくとも一部(本実施形態では全部)が互いに重なる位置にある。また、第4の支柱14は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)がアーム部7bの配線層7の先端と接続されている。これにより、第2の配線10は、少なくとも第4の支柱14を介してサーミスタ素子4と繋がっている。本実施形態では、第4の支柱14及びアーム部7bを介して第2の配線10がサーミスタ素子4と繋がっている。なお、アーム部7bを構成する配線層7の下面に設けられた絶縁膜6は、第4の支柱14とアーム部7bの配線層7とが電気的に接続されるように部分的に除去されている。
【0065】
第2の配線10は、第2の支柱12と第4の支柱14との2本の支柱により、アーム部7a,7bを介してサーミスタ素子4と繋がって支持されているので、この支持構造の機械的強度が高くなっている。
【0066】
第2の配線10は、第3の方向Zから平面視においてサーミスタ素子4の対角方向に位置する第2の支柱12及び第3の支柱13と第1の支柱11及び第4の支柱14とにより、第1の基板2から第3の方向Zに吊り下げられた状態で支持されている。また、サーミスタ素子4と第2の配線10との間には、空間G2が設けられている。
【0067】
第4の支柱14は、導電性を有し、第2の配線10及びサーミスタ素子4と電気的に接続されている。すなわち、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、少なくとも第4の支柱14を介して第2の配線10と電気的に接続されている。
【0068】
本実施形態の電磁波センサ1Aでは、第3の方向Zから平面視したときに、第2の支柱12と第3の支柱13とは、少なくとも一部が互いに重なる位置にあり、第1の支柱11と第4の支柱14とは、少なくとも一部(本実施形態では全部)が互いに重なる位置にある。これにより、サーミスタ素子4及びアーム部7a,7b又は第2の配線10を支持する構造の機械的強度が高くなっている。
【0069】
本実施形態の電磁波センサ1Aでは、複数のサーミスタ素子4のそれぞれが、複数の第1の配線9のうちの対応する1つと第3の支柱13を介して電気的に接続されると共に、複数のサーミスタ素子4のそれぞれが、複数の第2の配線10のうちの対応する1つと第4の支柱14を介して電気的に接続されている。
【0070】
本実施形態の電磁波センサ1Aは、複数の第3の配線15、複数の第4の配線16及び複数の第5の配線17と、少なくとも第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在する第5の支柱18、第6の支柱19及び第7の支柱20とを備えている。
【0071】
複数の第3の配線15は、例えば銅や金などの導電膜からなり、第1の基板2の第2の基板3と対向する面側に設けられている。すなわち、複数の第3の配線15は、第3の方向Zにおいて、第2の配線10よりも第1の基板2側に位置している。複数の第3の配線15の第3の方向Zの位置は、第2の配線10の第3の方向Zの位置と第1の基板2の第3の方向Zの位置との間にある。
【0072】
本実施形態では、第3の配線15が第1の絶縁体層8の層内に位置している。なお、第3の配線15は、少なくとも表面が第1の絶縁体層8から露出していてもよい。
【0073】
複数の第3の配線15のそれぞれは、複数の第2の配線10のうちの対応する1つと電気的に接続されている。複数の第3の配線15は、第3の方向Zからの平面視において、第2の方向Yに延在し、且つ、第1の方向Xに一定の間隔で並んで設けられている。
【0074】
図1及び図3に示す例において、各第3の配線15は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第2の配線10よりも小さい幅を有している。また、図1及び図3に示す例において、各第3の配線15は、対応する1つの第2の配線10よりも第3の方向Zの厚みが小さくなっている。各第3の配線15は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第2の配線10の一端側又は他端側と重なる部分を有している。さらに、各第3の配線15は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第2の配線10と重なる部分から第2の配線10とは離間する方向に向かって延在している。
【0075】
本実施形態では、第3の方向Zからの平面視において、第2の配線10の一端側と重なる第3の配線15と、第2の配線10の他端側と重なる第3の配線15とが、第1の方向Xに交互に並んで設けられている。なお、このような構成に限らず、第2の配線10の一端側と重なる第3の配線15のみが第1の方向Xに並ぶ構成や、第2の配線10の他端側と重なる第3の配線15のみが第1の方向Xに並ぶ構成とすることも可能である。
【0076】
第5の支柱18は、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第5の支柱18の少なくとも一部は、第3の方向Zにおける第2の配線10と第1の基板2との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。本実施形態において、第5の支柱18は、第2の配線10と第3の配線15との間に位置している。
【0077】
第5の支柱18は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)が第3の配線15と接続されている。これにより、第2の配線10は、少なくとも第5の支柱18を介して第1の基板2と繋がっている。本実施形態では、第5の支柱18、第3の配線15及び第1の絶縁体層8を介して第2の配線10が第1の基板2と繋がっている。第2の配線10は、第5の支柱18により、第1の基板2から第3の方向Zに吊り下げられた状態で支持されている。本実施形態では、第5の支柱18は、第2の配線10の一端側又は他端側と接続されている。なお、第1の絶縁体層8は、第5の支柱18と第3の配線15とが電気的に接続されるように部分的に除去されている。
【0078】
第5の支柱18は、導電性を有し、第2の配線10及び第3の配線15と電気的に接続されている。すなわち、第2の配線10は、少なくとも第5の支柱18を介して第3の配線15と電気的に接続されている。これにより、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、少なくとも第4の支柱14を介して第2の配線10と電気的に接続され、少なくとも第4の支柱14、第2の配線10及び第5の支柱18を介して第3の配線15と電気的に接続されている。
【0079】
複数の第4の配線16は、例えば銅や金などの導電膜からなり、第2の基板3の第1の基板2と対向する面側に設けられている。すなわち、複数の第4の配線16は、第3の方向Zにおいて、第2の配線10よりも第1の基板2とは反対側(第2の基板3側)に位置している。
【0080】
第2の基板3の第1の基板2と対向する面側には、第2の絶縁体層21が設けられている。第2の絶縁体層21は、第2の基板3の一方の面(第1の基板2と対向する面)側において形成された絶縁膜からなる。絶縁膜としては、上記第1の絶縁体層8で例示したものと同じものを用いることができる。
【0081】
本実施形態では、第4の配線16が第2の絶縁体層21の層内に位置している。なお、第4の配線16は、少なくとも表面が第2の絶縁体層21から露出していてもよい。
【0082】
複数の第4の配線16のそれぞれは、複数の第3の配線15のうちの対応する1つと電気的に接続されている。複数の第4の配線16は、第3の方向Zからの平面視において、第2の方向Yに延在し、且つ、第1の方向Xに一定の間隔で並んで設けられている。
【0083】
また、各第4の配線16は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第3の配線15の第5の支柱18と接続された側とは反対側と重なる部分を有している。さらに、各第4の配線16は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第3の配線15と重なる部分から第3の配線15とは離間する方向に向かって延在している。
【0084】
第6の支柱19は、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第6の支柱19は、第3の配線15と第4の配線16との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。
【0085】
第6の支柱19は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第3の配線15と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)が第4の配線16と接続されている。なお、第2の絶縁体層21は、第6の支柱19と第4の配線16とが電気的に接続されるように部分的に除去されている。
【0086】
第6の支柱19は、導電性を有し、第3の配線15及び第4の配線16と電気的に接続されている。すなわち、第3の配線15は、少なくとも第6の支柱19を介して第4の配線16と電気的に接続されている。これにより、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、少なくとも第4の支柱14を介して第2の配線10と電気的に接続され、少なくとも第4の支柱14、第2の配線10及び第5の支柱18を介して第3の配線15と電気的に接続され、少なくとも第4の支柱14、第2の配線10、第5の支柱18、第3の配線15及び第6の支柱19を介して第4の配線16と電気的に接続されている。
【0087】
複数の第5の配線17は、例えば銅や金などの導電膜からなり、第2の基板3の第1の基板2と対向する面側に設けられている。すなわち、複数の第5の配線17は、第3の方向Zにおいて、第2の配線10よりも第1の基板2とは反対側(第2の基板3側)に位置している。
【0088】
本実施形態では、第5の配線17が第2の絶縁体層21の層内に位置している。なお、第5の配線17は、少なくとも表面が第2の絶縁体層21から露出していてもよい。
【0089】
複数の第5の配線17のそれぞれは、複数の第1の配線9のうちの対応する1つと電気的に接続されている。複数の第5の配線17は、第3の方向Zからの平面視において、第1の方向Xに延在し、且つ、第2の方向Yに一定の間隔で並んで設けられている。
【0090】
また、各第5の配線17は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第1の配線9の一端側又は他端側と重なる部分を有している。さらに、各第5の配線17は、第3の方向Zから平面視したときに、対応する1つの第1の配線9と重なる部分から第1の配線9とは離間する方向に向かって延在している。
【0091】
本実施形態では、第3の方向Zからの平面視において、第1の配線9の一端側と重なる第5の配線17と、第1の配線9の他端側と重なる第5の配線17とが、第2の方向Yに交互に並んで設けられている。なお、このような構成に限らず、第1の配線9の一端側と重なる第5の配線17のみが第2の方向Yに並ぶ構成や、第1の配線9の他端側と重なる第5の配線17のみが第2の方向Yに並ぶ構成とすることも可能である。
【0092】
第7の支柱20は、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第7の支柱20は、第1の配線9と第5の配線17との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。
【0093】
第7の支柱20は、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)が第5の配線17と接続されている。なお、第2の絶縁体層21は、第7の支柱20と第5の配線17とが電気的に接続されるように部分的に除去されている。
【0094】
第7の支柱20は、導電性を有し、第1の配線9及び第5の配線17と電気的に接続されている。すなわち、第1の配線9は、少なくとも第7の支柱20を介して第5の配線17と電気的に接続されている。これにより、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、少なくとも第3の支柱13を介して第1の配線9と電気的に接続され、少なくとも第3の支柱13、第1の配線9及び第7の支柱20を介して第5の配線17と電気的に接続されている。
【0095】
複数の第4の配線16及び複数の第5の配線17は、第2の基板3の第1の基板2と対向する面側に設けられた回路部(図示せず。)の一部を構成している。回路部は、各サーミスタ素子4から出力される電気信号の変化を検出して輝度温度に変換するものであり、読み出し集積回路(ROIC:Read Out Integrated Circuit)やレギュレータ、A/Dコンバータ(Analog-to-Digital Converter)、マルチプレクサなどからなる。
【0096】
以上のような構成を有する本実施形態の電磁波センサ1Aでは、測定対象から放出された赤外線IR(検知対象の電磁波)が第1の基板2側から入射する。図2~5に示す例では、測定対象から放出された赤外線IR(検知対象の電磁波)が第1の基板2側から窓部Wを通過してサーミスタ素子4に入射する。
【0097】
サーミスタ素子4では、サーミスタ膜5の近傍に形成された絶縁膜6に入射した赤外線IRが絶縁膜6に吸収されること、並びに、サーミスタ膜5に入射した赤外線IRがサーミスタ膜5に吸収されることによって、このサーミスタ膜5の温度が変化する。また、サーミスタ素子4では、サーミスタ膜5の温度変化に対して、このサーミスタ膜5の電気抵抗が変化することで、一対の第1の電極の間の出力電圧が変化する。本実施形態の電磁波センサ1Aでは、サーミスタ素子4がボロメータ素子として機能する。
【0098】
本実施形態の電磁波センサ1Aでは、測定対象から放出される赤外線IRを複数のサーミスタ素子4により平面的に検出した後、各サーミスタ素子4から出力される電気信号(電圧信号)を輝度温度に変換することによって、測定対象の温度分布(温度画像)を二次元的に検出(撮像)することが可能である。
【0099】
本実施形態の電磁波センサ1Aでは、サーミスタ膜5に定電流を印加して、サーミスタ膜5の温度変化に対して、サーミスタ膜5から出力される電圧の変化を検出しているが、サーミスタ膜5に定電圧を印加し、サーミスタ膜5の温度変化に対して、サーミスタ膜5に流れる電流の変化を検出して輝度温度に変換することも可能である。
【0100】
ところで、本実施形態の電磁波センサ1Aでは、上述した第3の方向Zにおいて、サーミスタ素子4よりも第1の基板2側に第1の配線9が位置し、サーミスタ素子4よりも第1の基板2とは反対側に第2の配線10が位置している。
【0101】
これにより、本実施形態の電磁波センサ1Aでは、第3の方向Zにおける第1の配線9と第2の配線10との間隔をスペース効率良く広げることができ、これら第1の配線9と第2の配線10との間に生じる寄生容量を低減することが可能である。
【0102】
したがって、本実施形態の電磁波センサ1Aでは、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0103】
なお、上記電磁波センサ1Aでは、上述した第3の配線15及び第5の支柱18を備えた構成となっているが、例えば図7に示すように、第3の配線15及び第5の支柱18を省略し、第6の支柱19を介して第2の配線10と第4の配線16との間が電気的に接続された構成としてもよい。
【0104】
具体的に、この図7に示す構成では、第3の方向Zから平面視したときに、第2の配線10の一端側又は他端側が第6の支柱19と重なる位置まで延在し、第6の支柱19と接続されている。第6の支柱19の少なくとも一部は、第3の方向Zにおける第2の配線10と第2の基板3との間に位置している。これにより、第2の配線10は、少なくとも第6の支柱19を介して第2の基板3と繋がっている。本実施形態では、第6の支柱19、第4の配線16及び第2の絶縁体層21を介して第2の配線10が第2の基板3と繋がっている。第6の支柱19は、導電性を有し、第2の配線10及び第4の配線16と電気的に接続されている。
【0105】
なお、図7に示す構成では、第6の支柱19は、その延在方向における一端(上端)が第1の絶縁体層8と接続され、その延在方向における他端(下端)が第4の配線16と接続された構成となっているが、第6の支柱19は、その延在方向における一端(上端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(下端)が第4の配線16と接続された構成としてもよい。
【0106】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図8に示す電磁波センサ1Bについて説明する。
【0107】
なお、図8は、電磁波センサ1Bの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図8では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Bの断面の一部を表している。
【0108】
本実施形態の電磁波センサ1Bは、図8に示すように、上記第1の支柱11の代わりに、第1の支柱11Aを備えている。
【0109】
第1の支柱11Aは、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第1の支柱11Aの少なくとも一部は、第3の方向Zにおける第1の基板2とサーミスタ素子4との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。
【0110】
第1の支柱11Aは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)がアーム部7bを構成する配線層7の上面に設けられた絶縁膜6と接続されている。これにより、サーミスタ素子4は、少なくとも第1の支柱11Aを介して第1の基板2と繋がっている。本実施形態では、アーム部7b、絶縁膜6、第1の支柱11A、第1の配線9及び第1の絶縁体層8を介してサーミスタ素子4が第1の基板2と繋がっている。
【0111】
第1の支柱11Aの少なくとも一端(本実施形態では下端)は、絶縁体(本実施形態では絶縁膜6)と接続されている。これにより、第1の支柱11Aの一端から他端までの第1の支柱11Aの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第1の支柱11Aの上端と接続された第1の配線9と電気的に絶縁されている。
【0112】
本実施形態の電磁波センサ1Bは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Bでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0113】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば図9に示す電磁波センサ1Cについて説明する。
【0114】
なお、図9は、電磁波センサ1Cの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図9では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Cの断面の一部を表している。
【0115】
本実施形態の電磁波センサ1Cは、図9に示すように、上記第2の支柱12の代わりに、第2の支柱12Aを備えている。
【0116】
第2の支柱12Aは、例えば銅、金、FeCoNi合金又はNiFe合金(パーマロイ)などの導電体からなる。第2の支柱12Aの少なくとも一部は、第3の方向Zにおける第2の配線10とサーミスタ素子4との間に位置して、第3の方向Zの成分を含む方向(本実施形態では第3の方向Z)に延在した断面円形状の導電性支柱により形成されている。
【0117】
第2の支柱12Aは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)がアーム部7aを構成する配線層7の下面に設けられた絶縁膜6と接続されている。これにより、第2の配線10は、少なくとも第2の支柱12Aを介してサーミスタ素子4と繋がっている。本実施形態では、第2の支柱12A、絶縁膜6及びアーム部7aを介して第2の配線10がサーミスタ素子4と繋がっている。
【0118】
第2の支柱12Aの少なくとも一端(本実施形態では上端)は、絶縁体(本実施形態では絶縁膜6)と接続されている。これにより、第2の支柱12Aの一端から他端までの第2の支柱12Aの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第2の配線10と電気的に絶縁されている。
【0119】
本実施形態の電磁波センサ1Cは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Cでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0120】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、例えば図10に示す電磁波センサ1Dについて説明する。
【0121】
なお、図10は、電磁波センサ1Dの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1A,1Bと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図10では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Dの断面の一部を表している。
【0122】
本実施形態の電磁波センサ1Dは、図10に示すように、上記第1の支柱11の代わりに、第1の支柱11Aを備えている。第1の支柱11A自体の構成は、上記電磁波センサ1Bの第1の支柱11Aと同じである。
【0123】
第1の支柱11Aは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9を覆う第1の絶縁体層8と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)がアーム部7bを構成する配線層7の先端と接続されている。これにより、サーミスタ素子4は、少なくとも第1の支柱11Aを介して第1の基板2と繋がっている。本実施形態では、アーム部7b、第1の支柱11A、第1の絶縁体層8及び第1の配線9を介してサーミスタ素子4が第1の基板2と繋がっている。
【0124】
第1の支柱11Aの少なくとも一端(本実施形態では上端)は、絶縁体(本実施形態では第1の絶縁体層8)と接続されている。これにより、第1の支柱11Aの一端から他端までの第1の支柱11Aの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第3の方向Zからの平面視において第1の支柱11Aと重なる第1の配線9と電気的に絶縁されている。
【0125】
本実施形態の電磁波センサ1Dは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Dでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0126】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、例えば図11に示す電磁波センサ1Eについて説明する。
【0127】
なお、図11は、電磁波センサ1Eの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1A,1Cと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図11では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Eの断面の一部を表している。
【0128】
本実施形態の電磁波センサ1Eは、図11に示すように、上記第2の支柱12の代わりに、第2の支柱12Aを備えている。第2の支柱12A自体の構成は、上記電磁波センサ1Cの第2の支柱12Aと同じである。
【0129】
第2の支柱12Aは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10の上面の一部を覆う絶縁膜22と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)がアーム部7aを構成する配線層7の先端と接続されている。絶縁膜22としては、上記絶縁膜6で例示したものと同じものを用いることができる。これにより、第2の配線10は、少なくとも第2の支柱12Aを介してサーミスタ素子4と繋がっている。本実施形態では、絶縁膜22、第2の支柱12A、及びアーム部7aを介して第2の配線10がサーミスタ素子4と繋がっている。
【0130】
第2の支柱12Aの少なくとも一端(本実施形態では下端)は、絶縁体(本実施形態では絶縁膜22)と接続されている。これにより、第2の支柱12Aの一端から他端までの第2の支柱12Aの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第2の配線10と電気的に絶縁されている。
【0131】
本実施形態の電磁波センサ1Eは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Eでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0132】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態として、例えば図12に示す電磁波センサ1Fについて説明する。
【0133】
なお、図12は、電磁波センサ1Fの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図12では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Fの断面の一部を表している。
【0134】
本実施形態の電磁波センサ1Fは、図12に示すように、上記第1の支柱11の代わりに、第1の支柱11Bを備えている。
【0135】
第1の支柱11Bは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端と他端との間の一部に設けられた絶縁体23aと、この絶縁体23aを挟むように設けられた導電体23bとからなる。第1の支柱11Bの絶縁体23aには、上記第1の支柱11で例示した絶縁体と同じものを用いることができる。また、第1の支柱11Bの導電体23bには、上記第1の支柱11Aで例示した導電体と同じものを用いることができる。
【0136】
第1の支柱11Bは、その延在方向における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)がアーム部7bを構成する配線層7の先端と接続されている。これにより、サーミスタ素子4は、少なくとも第1の支柱11Bを介して第1の基板2と繋がっている。本実施形態では、アーム部7b、第1の支柱11B、第1の配線9及び第1の絶縁体層8を介してサーミスタ素子4が第1の基板2と繋がっている。
【0137】
第1の支柱11Bは、その延在方向における一端と他端との間の一部に絶縁体23aを含むことで、その一端と他端との間が電気的に絶縁されている。これにより、第1の支柱11Bの一端から他端までの第1の支柱11Bの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第1の支柱11Bの一端と接続された第1の配線9と電気的に絶縁されている。
【0138】
本実施形態の電磁波センサ1Fは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Fでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0139】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態として、例えば図13に示す電磁波センサ1Gについて説明する。
【0140】
なお、図13は、電磁波センサ1Gの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図13では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Gの断面の一部を表している。
【0141】
本実施形態の電磁波センサ1Gは、図13に示すように、上記第2の支柱12の代わりに、第2の支柱12Bを備えている。
【0142】
第2の支柱12Bは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端と他端との間の一部に設けられた絶縁体24aと、この絶縁体24aを挟むように設けられた導電体24bとからなる。第2の支柱12Bの絶縁体24aには、上記第2の支柱12で例示した絶縁体と同じものを用いることができる。また、第2の支柱12Bの導電体24bには、上記第2の支柱12Aで例示した導電体と同じものを用いることができる。
【0143】
第2の支柱12Bは、その延在方向における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)がアーム部7aを構成する配線層7の先端と接続されている。これにより、第2の配線10は、少なくとも第2の支柱12Bを介してサーミスタ素子4と繋がっている。本実施形態では、第2の支柱12B、及びアーム部7aを介して第2の配線10がサーミスタ素子4と繋がっている。
【0144】
第2の支柱12Bは、その延在方向における一端と他端との間の一部に絶縁体24aを含むことで、その一端と他端との間が電気的に絶縁されている。これにより、第2の支柱12Bの一端から他端までの第2の支柱12Bの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第2の配線10と電気的に絶縁されている。
【0145】
本実施形態の電磁波センサ1Gは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Gでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0146】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態として、例えば図14に示す電磁波センサ1Hについて説明する。
【0147】
なお、図14は、電磁波センサ1Hの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1A,1B,1Cと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。なお、図14では、図1中に示す線分D-Dに対応した電磁波センサ1Hの断面を表している。
【0148】
上記第2~第7の実施形態に示す電磁波センサ1B~1Gの構成は、上記第1の実施形態に示す電磁波センサ1Aの構成に対して、第1の支柱11又は第2の支柱12を個々に変更した構成となっている。一方、上記第1の実施形態に示す電磁波センサ1Aの構成に対して、上記第2、第4、第6の実施形態に示す電磁波センサ1B,1D,1Fのうち何れか1つの構成と、上記第3、第5、第7の実施形態に示す電磁波センサ1C,1E,1Gのうち何れか1つの構成とを適宜組み合わせて、第1の支柱11又は第2の支柱12を変更した構成とすることも可能である。
【0149】
例えば、図14に示す電磁波センサ1Hは、上記電磁波センサ1Aの構成に対して、上記電磁波センサ1C,1Dの構成を組み合わせて変更した構成である。
【0150】
具体的に、この電磁波センサ1Hは、上記第1の支柱11の代わりに第1の支柱11Aを備え、上記第2の支柱12の代わりに第2の支柱12Aを備えている。第1の支柱11A自体の構成は、上記電磁波センサ1Bの第1の支柱11Aと同じである。第2の支柱12A自体の構成は、上記電磁波センサ1Cの第2の支柱12Aと同じである。
【0151】
第1の支柱11Aは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では上端)が第1の配線9を覆う第1の絶縁体層8と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では下端)がアーム部7bを構成する配線層7の先端と接続されている。
【0152】
第1の支柱11Aの少なくとも一端(本実施形態では上端)は、絶縁体(本実施形態では第1の絶縁体層8)と接続されている。これにより、第1の支柱11Aの一端から他端までの第1の支柱11Aの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第3の方向Zからの平面視において第1の支柱11Aと重なる第1の配線9と電気的に絶縁されている。
【0153】
第2の支柱12Aは、その延在方向(本実施形態では第3の方向Z)における一端(本実施形態では下端)が第2の配線10と接続され、その延在方向における他端(本実施形態では上端)がアーム部7aを構成する配線層7の下面に設けられた絶縁膜6と接続されている。
【0154】
第2の支柱12Aの少なくとも一端(本実施形態では上端)は、絶縁体(本実施形態では絶縁膜6)と接続されている。これにより、第2の支柱12Aの一端から他端までの第2の支柱12Aの中を通る経路において、サーミスタ素子4(サーミスタ膜5)は、第2の配線10と電気的に絶縁されている。
【0155】
本実施形態の電磁波センサ1Hは、それ以外は上記電磁波センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Hでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0156】
(第9の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態として、例えば図15に示す電磁波センサ1Jについて説明する。
【0157】
なお、図14は、電磁波センサ1Jの構成を模式的に示す平面図である。また、以下の説明では、上記電磁波センサ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0158】
本実施形態の電磁波センサ1Jは、図14に示すように、複数のサーミスタ素子4が1列に配列された構造を有している。
【0159】
すなわち、この電磁波センサ1Jは、1つの第2の配線10と、複数の第1の配線9とを備えている。また、電磁波センサ1Jでは、第1の基板2の基板面に垂直な方向(第3の方向Z)からの平面視において、複数のサーミスタ素子4が第2の方向Yに並んで設けられている。また、複数のサーミスタ素子4のそれぞれが、複数の第1の配線9のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、第3の方向Zからの平面視において、複数の第1の配線9が第2の方向Yに並んで設けられている。また、複数のサーミスタ素子4のそれぞれは、1つの第2の配線10と電気的に接続されている。
【0160】
本実施形態の電磁波センサ1Jは、1つの第2の配線10と、複数の第1の配線9とを備えた構成となっているが、1つの第1の配線9と、複数の第2の配線10とを備え、第1の基板2の基板面に垂直な方向(第3の方向Z)からの平面視において、複数のサーミスタ素子4が第1の方向Xに並んで設けられた構成としてもよい。
【0161】
この場合、複数のサーミスタ素子4のそれぞれが、複数の第2の配線10のうちの対応する1つと電気的に接続されるように、第3の方向Zからの平面視において、複数の第2の配線10が第1の方向Xに並んで設けられ、複数のサーミスタ素子4のそれぞれが、1つの第1の配線9と電気的に接続されている。
【0162】
電磁波センサ1Jでは、上記電磁波センサ1A~1Hが備える構成を採用することが可能である。したがって、本実施形態の電磁波センサ1Jでは、このような構成を備えることによって、第1の実施形態の電磁波センサ1Aと同様に、高い動作速度及び高い検出精度を得ることが可能である。
【0163】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0164】
例えば、本発明を適用した電磁波センサは、上述した複数のサーミスタ素子4を二次元アレイ状又は1列に配列した赤外線イメージセンサの構成に必ずしも限定されるものではなく、1つのサーミスタ素子4を用いた電磁波センサなどにも本発明を適用することが可能である。
【0165】
また、本発明を適用した電磁波センサは、電磁波として、上述した赤外線IRを検出するものに必ずしも限定されるものではなく、例えば波長が30μm以上、3mm以下のテラヘルツ波を検出するものであってもよい。
【0166】
また、本発明を適用した電磁波センサは、電磁波検出部として上述したサーミスタ素子4を用いたものに必ずしも限定されるものではなく、例えば、サーミスタ膜5に代えて、サーモパイル(熱電対)型や焦電型、ダイオード型などの温度検知素子を用いたものを電磁波検出部として用いることが可能である。
【符号の説明】
【0167】
1A~1H,1J…電磁波センサ 2…第1の基板 3…第2の基板 4…サーミスタ素子(電磁波検出部) 5…サーミスタ膜(温度検知素子) 6…絶縁膜(電磁波吸収体) 7a,7b…アーム部 8…第1の絶縁体層 9…第1の配線 10…第2の配線 11,11A,11B…第1の支柱 12,12A,12B…第2の支柱 13…第3の支柱 14…第4の支柱 15…第3の配線 16…第4の配線 17…第5の配線 18…第5の支柱 19…第6の支柱 20…第7の支柱 21…第2の絶縁体層 22…絶縁膜 23a…絶縁体 23b…導電体 24a…絶縁体 24b…導電体 IR…赤外線(電磁波) G1,G2…空間
図1
図2
図3
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図5
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図15