(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073824
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】回収装置、回収方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240523BHJP
G06Q 10/30 20230101ALI20240523BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184741
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】脇村 晋太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ラップ製品を効率的に回収することのできる回収装置、回収方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する材質推定装置と、回収口を有する回収箱と、を有し、前記回収箱は、前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能となるよう制御する、回収装置。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する材質推定装置と、
回収口を有する回収箱と、を有し、
前記回収箱は、前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
回収装置。
【請求項2】
前記材質推定装置は、前記ラップ製品の化粧箱の外観画像、又は、前記化粧箱に付された一次元コード又は二次元コードに基づいて、前記ラップ製品の製品情報を特定し、前記製品情報から前記樹脂種を推定する、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
前記回収箱は、前記樹脂種と前記製品情報が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、又は、前記樹脂種と前記製品情報が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
請求項2に記載の回収装置。
【請求項4】
前記材質推定装置は、前記ラップ製品の外観画像に基づいて、前記樹脂種を推定する、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項5】
前記材質推定装置は、前記ラップ製品の分光分析に基づいて、前記樹脂種を推定する、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項6】
前記ラップ製品の前記化粧箱の外観画像に基づいて壊れ度を判定し、又は、前記ラップ製品の外観画像に基づいて汚れ度を判定する品質判定装置をさらに有する、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項7】
前記回収箱は、前記壊れ度又は前記汚れ度が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、又は、前記壊れ度又は前記汚れ度が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
請求項5に記載の回収装置。
【請求項8】
前記ユーザが化粧箱から前記ラップ製品を取り出し、前記ラップ製品を前記回収口に入れるまでの間の、前記ラップ製品の動きを画像追跡する第2撮像装置をさらに有する、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項9】
前記回収箱は、前記画像追跡が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、又は、前記画像追跡が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
請求項8に記載の回収装置。
【請求項10】
画像又は音声により、回収操作をガイダンスするガイダンス装置をさらに備える、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項11】
前記樹脂種に応じた複数の前記回収箱を有し、
前記回収箱は、前記樹脂種に応じて、前記回収口の開閉制御をする、
請求項1に記載の回収装置。
【請求項12】
材質推定装置と回収箱とを有する回収装置が、
ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する工程と、
前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能となるよう制御する工程と、を実行する、
回収方法。
【請求項13】
材質推定装置と回収箱とを有する回収装置に、
ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する工程と、
前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能となるよう制御する工程と、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収装置、回収方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
持続可能な循環型社会を目指して様々な製品のリサイクルが推奨されている。効果的なリサイクルのためには、回収したい製品のみを効率よく回収することが望まれる。このように、リサイクルの回収に着目した技術としては、例えば、特許文献1には、ペットボトルの回収を好適に支援することができる判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品の回収方法は、回収する製品ごとに異なる。ラップ製品は互いにくっつき切り口が見つからなくなり、使い切られる前に破棄されることがある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ラップ製品を効率的に回収することのできる回収装置、回収方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する材質推定装置と、
回収口を有する回収箱と、を有し、
前記回収箱は、前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
回収装置。
〔2〕
前記材質推定装置は、前記ラップ製品の化粧箱の外観画像、又は、前記化粧箱に付された一次元コード又は二次元コードに基づいて、前記ラップ製品の製品情報を特定し、前記製品情報から前記樹脂種を推定する、
〔1〕に記載の回収装置。
〔3〕
前記回収箱は、前記樹脂種と前記製品情報が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、又は、前記樹脂種と前記製品情報が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
〔2〕に記載の回収装置。
〔4〕
前記材質推定装置は、前記ラップ製品の外観画像に基づいて、前記樹脂種を推定する、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の回収装置。
〔5〕
前記材質推定装置は、前記ラップ製品の分光分析に基づいて、前記樹脂種を推定する、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の回収装置。
〔6〕
前記ラップ製品の前記化粧箱の外観画像に基づいて壊れ度を判定し、又は、前記ラップ製品の外観画像に基づいて汚れ度を判定する品質判定装置をさらに有する、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の回収装置。
〔7〕
前記回収箱は、前記壊れ度又は前記汚れ度が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、又は、前記壊れ度又は前記汚れ度が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
〔5〕に記載の回収装置。
〔8〕
前記ユーザが化粧箱から前記ラップ製品を取り出し、前記ラップ製品を前記回収口に入れるまでの間の、前記ラップ製品の動きを画像追跡する第2撮像装置をさらに有する、
〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の回収装置。
〔9〕
前記回収箱は、前記画像追跡が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、又は、前記画像追跡が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能とする、
〔8〕に記載の回収装置。
〔10〕
画像又は音声により、回収操作をガイダンスするガイダンス装置をさらに備える、
〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の回収装置。
〔11〕
前記樹脂種に応じた複数の前記回収箱を有し、
前記回収箱は、前記樹脂種に応じて、前記回収口の開閉制御をする、
〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の回収装置。
〔12〕
材質推定装置と回収箱とを有する回収装置が、
ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する工程と、
前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能となるよう制御する工程と、を実行する、
回収方法。
〔13〕
材質推定装置と回収箱とを有する回収装置に、
ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する工程と、
前記樹脂種が所定の条件を満すときに前記ラップ製品が前記回収口を通過可能とし、前記樹脂種が所定の条件を満たさないときに前記ラップ製品が前記回収口を通過不能となるよう制御する工程と、を実行させる、
プログラム。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ラップ製品を効率的に回収することのできる回収装置、回収方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の回収装置の一例を示す斜視図である。
【
図1B】本開示の回収装置の他の例を示す概略図である。
【
図2】本開示の回収装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3A】本開示の回収方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3B】本開示のステップA01~A02の一例を示すフローチャートである。
【
図3C】本開示のステップA01~A02の一例を示すフローチャートである。
【
図3D】本開示のステップA04の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0010】
1.回収装置
本開示の回収装置100は、ユーザがリサイクルするラップ製品300の樹脂種を推定する材質推定装置110と、回収口131を有する回収箱130と、を有し、回収箱130は、樹脂種が所定の条件を満すときに回収口131を開ける、又は、製品情報が所定の条件を満たさないときに回収口131を閉じる。
【0011】
図1Aは、本開示の回収装置100の構成を示す斜視図である。
【0012】
1.1.材質推定装置
材質推定装置110は、ユーザがリサイクルするラップ製品300の樹脂種を推定する。材質推定装置110は、ラップ製品300の化粧箱の外観画像に基づいて製品情報を取得する撮像装置であってもよし、ラップ製品300の化粧箱に付された一次元コード又は二次元コードに基づいて製品情報を取得するコードリーダー装置であってもよい。この場合、材質推定装置110は、特定した製品情報に基づいて、樹脂種を推定してもよい。
【0013】
図1A,
図2においては、材質推定装置110として撮像装置を用いた例を示す。
【0014】
撮像装置は、化粧箱の外観画像を取得する処理を実行する。化粧箱の外観画像から製品情報を取得する処理は、撮像装置が実行してもよいし、後述する判定部213が代替的に実行してもよい。撮像装置が化粧箱の外観画像から製品情報を取得する処理を実行するときは、撮像装置が判定部213の当該部分に係る処理を実行する処理部を有してもよい。
【0015】
なお、本開示においては、判定部213が化粧箱の外観画像から製品情報を取得する処理を代替する場合でも、撮像装置がラップ製品の製品情報を取得する材質推定装置110である。以下においては、判定部213が化粧箱の外観画像から製品情報を取得する処理をするものとして説明するが、これに限られるものではない。
【0016】
判定部213は、例えば、化粧箱の外観画像に映るラップ製品300のパッケージと、市場に流通するラップ製品のパッケージとの類似度を、判定してもよい。そして、判定部213は、類似度に基づいて、化粧箱の外観画像に映るラップ製品300の製品情報を取得してもよい。このとき、判定部213は、予め用意した市販品データ252を参照してもよい。市販品データ252は、市場に流通するラップ製品のパッケージの画像情報、製品名、製造元メーカ、ラップ製品に付される一次元コード又は二次元コードの情報、及びラップフィルムの樹脂種、紙管の重さなどが対応付けて記憶されてもよい。
【0017】
また、判定部213は、例えば、化粧箱の外観画像から、ラップ製品300の化粧箱に付された一次元コード又は二次元コードを抽出し、一次元コード又は二次元コードを読み取ってもよい。そして、判定部213は、読み取ったコード情報に基づいて、化粧箱の外観画像に映るラップ製品300の製品情報を取得してもよい。このとき、判定部213は、上記市販品データ252を参照してもよい。なお、ここで、コード情報とは、一次元コード又は二次元コードに基づいて取得した電子情報である。
【0018】
なお、判定部213が参照する市販品データ252は、回収装置が記憶してもよいし、他の情報処理装置が記憶してもよい。他の情報処理装置が記憶する場合、判定部213は、後述するネットワークNを介して、市販品データ252を取得してもよい。
【0019】
また、材質推定装置110は、ラップ製品300の化粧箱に付された一次元コード又は二次元コードに基づいて製品情報を取得するコードリーダー装置であってもよい。コードリーダー装置は、CCD方式、レーザ方式、ペン方式などの従来公知の装置であってもよいし、撮像装置であってもよい。なお、コードリーダー装置が撮像装置である場合、コードリーダー装置は上記撮像装置であってもよい。
【0020】
コードリーダー装置は、一次元コード又は二次元コードを取得する処理を実行する。一次元コード又は二次元コードから製品情報を取得する処理は、コードリーダー装置が実行してもよいし、判定部213が代替的に実行してもよい。コードリーダー装置が一次元コード又は二次元コードから製品情報を取得する処理を実行するときは、コードリーダー装置が判定部213の当該部分に係る処理を実行する処理部を有してもよい。
【0021】
なお、本開示においては、判定部213が一次元コード又は二次元コードから製品情報を取得する処理を代替する場合でも、コードリーダー装置はラップ製品の製品情報を取得する材質推定装置110である。
【0022】
上記のようにして材質推定装置110が取得する製品情報は、ラップフィルムの樹脂種に関する情報を含み、必要に応じて、例えば、製造元メーカに関する情報、又は製品名に関する情報などを含んでもよい。
【0023】
また、このほかに、材質推定装置110は、ラップ製品300の外観画像に基づいて、樹脂種を推定してもよいし、ラップ製品300の分光分析に基づいて樹脂種を推定してもよい。
【0024】
例えば、材質推定装置110である撮像装置は、ラップ製品300の外観画像に含まれるラップ製品の色に関する情報から、樹脂種を推定してもよい。一枚では透明に見えるラップフィルムでも、券回体として所定の厚さを有する場合には、樹脂種によって、比較的透明であったり、青っぽくなったり、黄色っぽくなったりしうる。そのため、このような色味に応じて、ラップフィルムの樹脂種を推定することができる。
【0025】
この際、材質推定装置110は、外観画像におけるラップ製品300の色をL*a*b*色空間で表し、明度L*、色度a*,b*と樹脂種を対応付けたテーブルを用いて、樹脂種を推定してもよい。また、材質推定装置110は、明度L*、色度a*,b*と樹脂種とを対応付けた教師データを機械学習したモデルを用いて、樹脂種を推定してもよい。
【0026】
なお、色に関する情報から樹脂種を推定する上記処理は、判定部213が代替的に実行してもよい。本開示においては、判定部213が色に関する情報から樹脂種を取得する処理を代替する場合でも、撮像装置がラップ製品の樹脂種を取得する材質推定装置110である。
【0027】
また、分光分析装置は、例えば、ラップ製品の赤外分光スペクトルなどの分光分析に基づいて、樹脂種を推定してもよい。また、赤外分光スペクトル以外の分光分析方法としては、特に限定されないが、例えば、X線回折、紫外分光、ラマン分光、吸収分光などが挙げられる。樹脂種によって、官能基に関する分光パラメータや、結晶性に関する分光パラメータなどが異なり得る。そのため、このような分光分析方法により、樹脂種を推定することができる。
【0028】
この際、材質推定装置110は、分光分析の特徴的なスペクトルと樹脂種を対応付けたテーブルを用いて、樹脂種を推定してもよい。また、材質推定装置110は、分光分析結果と樹脂種とを対応付けた教師データを機械学習したモデルを用いて、樹脂種を推定してもよい。
【0029】
なお、分光分析結果から樹脂種を推定する上記処理は、判定部213が代替的に実行してもよい。本開示においては、判定部213が分光分析結果から樹脂種を取得する処理を代替する場合でも、分光分析装置がラップ製品の樹脂種を取得する材質推定装置110である。
【0030】
1.2.品質判定装置
回収装置100は、品質判定装置120を有していてもよい。品質判定装置120は、ラップ製品300の化粧箱の外観画像に基づいて、壊れ度を判定してもよいし、又は、ラップ製品の外観画像に基づいて汚れ度を判定してもよい。これにより、樹脂種とともに、回収しようとしているラップ製品300の状態に関する情報を合わせて取得することができる。
【0031】
品質判定装置120は、ラップ製品300の化粧箱の外観画像やラップ製品300の外観画像を取得する撮像装置であってもよい。撮像装置は、化粧箱の外観画像を取得する処理を実行する。壊れ度及び/又は汚れ度を判定する処理は、撮像装置が実行してもよいし、判定部213が代替的に実行してもよい。撮像装置が壊れ度及び/又は汚れ度を判定する処理を実行するときは、撮像装置が判定部213の当該部分に係る処理を実行する処理部を有してもよい。
【0032】
なお、本開示においては、判定部213が壊れ度及び/又は汚れ度を判定する処理を代替する場合でも、撮像装置は壊れ度及び/又は汚れ度を判定する品質判定装置120である。以下においては、判定部213による処理を説明するが、これに限られるものではない。
【0033】
判定部213は、例えば、ラップ製品の化粧箱の外観画像やラップ製品の外観画像を、モデルに入力して、壊れ度及び/又は汚れ度を判定してもよい。ここで用いるモデルとしては、特に限定されないが、例えば、ラップ製品の外観画像と壊れ度を対応させた教師データ、又は、ラップ製品の外観画像と汚れ度を対応させた教師データにより作成した機械学習モデルであってもよい。
【0034】
なお、ここで、壊れ度とは、ラップ製品の化粧箱の壊れた度合いであってもよい。例えば、新品の化粧箱を基準として、新品の化粧箱と外観画像に映る化粧箱との対比により、壊れ度を規定してもよい。
【0035】
また、汚れ度とは、ラップ製品300の汚れた度合いであってもよい。例えば、新品のラップ製品を基準として、外観画像に映るラップ製品と対比することにより、汚れ度を規定してもよい。
【0036】
1.3.回収箱
回収箱130は、樹脂種が所定の条件を満すときにラップ製品が回収口を通過可能とし、樹脂種が所定の条件を満たさないときにラップ製品が回収口を通過不能となるよう制御する。回収箱130は、回収口131を有し、必要に応じて、回収口131をラップ製品300が通過したことを検知するセンサ132と、を有してもよい。この場合、ラップ製品300は、回収口131を通過し、それをセンサ132により検出され、回収箱130内へと回収される。
【0037】
また、回収箱130は、ラップ製品300の種類ごとに複数設けてもよい。これにより、同種の種類ごとにラップ製品300を分別して回収することができる。そのため、一つの回収箱130が回収するラップ製品300の品質ばらつきをより低減できる。例えば、回収箱130は、ラップ製品300の樹脂種の違いに応じて、複数設けてもよい。この際、回収箱は、樹脂種に応じて、回収口の開閉制御をしてもよい。これにより、樹脂種の異なるラップ製品300を区別して回収することができる。
【0038】
例えば、回収装置100が、ポリエチレンフィルムを回収する回収箱130と、ポリ塩化ビニリデンフィルムを回収する回収箱130を有すると仮定する。材質推定装置110が、ラップ製品300の樹脂種がポリエチレンであると推定した場合には、ポリエチレンフィルムを回収する回収箱130の回収口131が通過可能となるように制御され、ポリ塩化ビニリデンフィルムを回収する回収箱130が通過不能となるように制御されてもよい。
【0039】
ここで、「同種の樹脂」とは、使用するモノマー種が同じ高分子化合物であってもよい。例えば、単独重合体については、単独重合体を構成するモノマーが同じである高分子化合物は分岐等の有無などにおいて相違するとしても「同種の樹脂」としてもよい。また、共重合体については、共重合体を構成する複数のモノマーが一致していれば、コモノマーの共重合比率などにおいて相違するとしても「同種の樹脂」としてもよい。
【0040】
また、同種の樹脂であっても、例えば、共重合比率などが近いグループごとにさらに細分化して分けてもよい。これにより、回収するラップ製品300の品質ばらつきをより低減できる。
【0041】
その具体例として、回収箱130は、同種の樹脂でも、ラップ製品300の製造元メーカの違いに応じて、複数設けてもよい。例えば、回収箱130は、樹脂種と製品情報が所定の条件を満すときにラップ製品300が回収口131を通過可能とし、又は、樹脂種と製品情報が所定の条件を満たさないときにラップ製品300が回収口131を通過不能としてもよい。
【0042】
製造元メーカが同一であれば、共重合比率が近い傾向にある場合が少なくなく、また可塑剤などその他の成分の組成も近い場合が少なくない。そのため、同種の樹脂のラップ製品300でも、さらに製造元メーカの違いに応じて分別することで、回収するラップ製品300の品質ばらつきをより低減できる。
【0043】
さらに、他の例として、回収箱130は、壊れ度又は汚れ度が所定の条件を満すときにラップ製品300が回収口131を通過可能とし、又は、壊れ度又は汚れ度が所定の条件を満たさないときにラップ製品300が回収口131を通過不能としてもよい。これにより、過度に破損したり汚れたりしたラップ製品を回収することを抑制し、回収するラップ製品300の品質ばらつきをより低減できる。
【0044】
上記のように回収口131は、開閉可能に構成されていてもよい。例えば、
図1Aに示すように、回収口131は、ラップ製品の通過制御のために、開閉可能な扉131aを有してもよい。回収口131は、図示しない開錠施錠機構を有してもよく、扉131aは、施錠及び開錠可能であってもよい。例えば、扉131aの開錠により、ラップ製品300が回収口131に投入できるようにしてもよい。また、扉131aの施錠により、ラップ製品300が回収口131に投入できないようにしてもよい。
【0045】
なお、扉131aは、施錠及び開錠に応じて、自動的に開閉してもよい。また、扉131aは、施錠及び開錠に応じて、自動的に開閉せず、手動で開閉可能としてもよい。扉131aの種類は特に制限されず、開き戸、引き戸、折れ戸、旋回扉などが挙げられる。
【0046】
このように、回収口131を開閉可能に構成することで、回収箱130に不適切なラップ製品300等が投入されることを抑制できる。これにより、一つの回収箱130が回収するラップ製品300のばらつきをより低減できる。
【0047】
このような回収口131の開閉や扉131aの施錠及び開錠は、後述する制御部200の判定部213が制御してもよい。言い換えれば、判定部213の信号に従って、回収口131の開閉や扉131aの施錠及び開錠が制御されてもよい。
【0048】
センサ132としては、特に限定されないが、例えば、光電センサ、レーザセンサ、超音波センサ、画像判別センサ、接触式センサなどが挙げられる。
【0049】
1.4.ガイダンス装置
本開示の回収装置100は、ガイダンス装置150を有してもよい。ガイダンス装置150は、画像又は音声により、回収操作をユーザに対してガイダンスする。例えば、回収装置100の前にユーザが立った時に、ガイダンス装置150はラップ製品300の化粧箱を材質推定装置110や品質判定装置120に読み取らせる旨を、画像又は音声により指示してもよい。例えば、ガイダンス装置150は、樹脂種の推定処理に先立って、撮像装置に対して、化粧箱のパッケージを読み取らせるよう指示してもよい。
【0050】
また、ガイダンス装置150は化粧箱からラップ製品300を取り出し、画像又は音声により指示してもよい。例えば、ガイダンス装置150は、回収箱の中に製品を入れるように指示してもよい。
【0051】
判定部213が、材料種や、材料種と製品情報の組み合わせに基づいてラップ製品300が回収可能と判断したときには、ガイダンス装置150は回収口131にラップ製品300を投入する旨をユーザに対して画像又は音声により指示してもよい。
【0052】
また、判定部213が製品情報と樹脂種に基づいてラップ製品300が回収不能と判断したときには、ガイダンス装置150はラップ製品300が回収不能である旨をユーザに対して画像又は音声により提示してもよい。
【0053】
1.6.追跡装置
本開示の回収装置100は、追跡装置を有してもよい。追跡装置は、
図1Aにおいて明示していないが、
図1Aにおける撮像装置(材質推定装置110)が追跡装置を担ってもよい。また、回収装置100が材質推定装置110として撮像装置を有しないときは、第2撮像装置を設け、追跡装置として使用してもよい。
【0054】
追跡装置は、ユーザが化粧箱からラップ製品を取り出し、ラップ製品を回収口に入れるまでの間の、ラップ製品の動きを画像追跡する。これにより、樹脂種などを判定したラップ製品とは異なるラップ製品が、不正に、回収口131に投入されることを抑制できる。
【0055】
回収箱130は、画像追跡が所定の条件を満すときにラップ製品が回収口131を通過可能とし、回収箱130は、画像追跡が所定の条件を満たさないときにラップ製品が回収口131を通過不能としてもよい。画像追跡は、後述する判定部213が、従来公知のモデル又はアルゴリズムを用いて、実施してもよい。また、所定の条件とは、特に限定されないが、例えば、樹脂種を測定したラップ製品が、
図1の矢印F方向に移動し、回収口131に向かうことを言う。判定部213は、画像追跡処理により、樹脂種を測定したラップ製品が、
図1の矢印F方向に移動することを確認できない場合には、樹脂種を測定したラップ製品とは異なる製品が回収口131に投入される可能性があると判定し、回収口131を閉じてもよい。
【0056】
1.7.制御部
本開示の回収装置100は、制御部200を有してもよい。制御部200は、材質推定装置110、品質判定装置120、回収箱130、及びガイダンス装置150を制御してもよい。具体的には、制御部200は、所定の回収処理プロトコルに従って、各装置を操作し、情報を受け付け、所定の機能を発揮するように制御をしてもよい。また、制御部200は、上記のようにこれら各装置における処理を代替してもよい。
【0057】
1.7.1.ハードウェア構成
図2は、本開示の制御部200の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照しつつ、制御部200のハードウェア構成について説明する。制御部200は、例えば、プロセッサ210、通信インターフェース220、入出力インターフェース230、メモリ240、ストレージ250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス260を含む。
【0058】
プロセッサ210は、ストレージ250に記憶されるプログラムに含まれるコード、又は、命令によって実現する処理、機能、又は、方法を実行する。プロセッサ210は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路を含んでもよい。
【0059】
プロセッサ210は、本開示の制御部200における処理、機能、又は、方法を実現してもよい。プロセッサ210は、送受信部211、取得部212、判定部213、表示制御部214、及び学習部215として機能してもよい。
【0060】
通信インターフェース220は、ネットワークを介して他の装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。例えば、通信インターフェース220は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0061】
ネットワークは、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ネットワークは、1つまたは複数のネットワークを含むことができる。
【0062】
入出力インターフェース230は、制御部200に対する各種操作を入力する入力装置、及び、制御部200で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。例えば、入出力インターフェース230は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、及びディスプレイ等の情報出力装置を含む。なお、制御部200は、外付けの入出力インターフェース230を接続することで、所定の入力を受け付けてもよいし、所定の出力を実行してもよい。
【0063】
また、入出力インターフェース230は、材質推定装置110、品質判定装置120、回収口の扉131a、センサ132、及びガイダンス装置150と接続さてもよい。
【0064】
メモリ240は、ストレージ250からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ210に対して作業領域を提供する。メモリ240には、プロセッサ210がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ240は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0065】
ストレージ250は、オペレーティングシステム、プログラム、及び各種データを記憶する。例えば、ストレージ250は、回収品データ251、市販品データ252、モデル情報253、学習用データ254を有してもよい。ストレージ250は、例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ストレージ250の他の例としては、プロセッサ210から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。
【0066】
本発明の一実施形態において、ストレージ250はプログラム、機能部及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納してもよい。制御部200は、ストレージ250に記憶されているプログラムに含まれる命令をプロセッサ210が実行することによって、
図2に示す機能部が構成されてもよい。
【0067】
オペレーティングシステムは、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0068】
1.7.2.機能部
1.7.2.1.受信部
次いで、
図2を参照しつつ、制御部200のハードウェア構成について説明する。送受信部211は、例えば、通信インターフェース220とネットワークNを介して、他の装置に各種情報を送信する送信部、又は他の装置から各種情報を受信する受信部として機能してもよい。
【0069】
本開示の処理において、制御部200は、有線又は無線のネットワークNを介して接続された他の装置を、各種情報のストレージの一部として、あるいは、各種処理を実行する機能部の一部として、利用してもよい。この際、送受信部211は、各種処理を実行するための情報の授受に関する機能を担ってもよい。
【0070】
1.7.2.2.取得部
取得部212は、通信インターフェース220又は入出力インターフェース230を介して、各種情報を取得してもよい。例えば、取得部212は、材質推定装置110から樹脂種を取得してもよいし、品質判定装置120から壊れ度や汚れ度を取得してもよい。また、取得部212は、センサ132から、ラップ製品300が通過したか否かの検知結果を取得してもよい。
【0071】
また、取得部212は、取得した各種情報を、各種データベースに蓄積してもよい。例えば、取得部212は、樹脂種を回収品データ251に蓄積してもよい。
【0072】
1.7.2.3.判定部
判定部213は、各種情報に基づいて様々な判定処理や取得処理を実行してもよい。判定部213は、回収品データ251など各種データベースに蓄積された各種情報を利用してもよい。また、判定部213は、判定処理や取得処理に際して、モデル情報253に記憶された各種モデル又はアルゴリズムを使用してもよい。
【0073】
判定部213は、例えば、材質推定装置110である撮像装置が取得したラップ製品の化粧箱の外観画像と、市販品データ252に記憶されたラップ製品の画像情報との類似度を算出し、類似度に基づいて市販品データ252のなかから回収対象となるラップ製品を特定する処理を行ってもよい。この際、判定部213は、ラップ製品の化粧箱の外観画像を回収品データ251から取得してもよい。また、判定部213は、類似度の算定において使用するモデルやアルゴリズムをモデル情報253から取得してもよい。
【0074】
また、判定部213は、例えば、化粧箱の外観画像から、ラップ製品300の化粧箱に付された一次元コード又は二次元コードを抽出し、一次元コード又は二次元コードに基づいて、製品情報を特定する処理を行ってもよい。この際、判定部213は、ラップ製品の化粧箱の外観画像を回収品データ251から取得してもよい。また、判定部213は、一次元コード又は二次元コードの抽出において使用するモデルやアルゴリズムをモデル情報253から取得してもよい。さらに、判定部213は、必要に応じて、画像データである一次元コード又は二次元コードを、商品IDなどを示すコード情報へと変換してもよい。また、判定部213は、コード情報に基づいて市販品データ252のなかから回収対象となるラップ製品を特定する処理を行ってもよい。
【0075】
判定部213は、上記のようにして取得したラップ製品の製品情報を、化粧箱の外観画像や一次元コード又は二次元コードと対応付けて、回収品データ251に記憶してもよい。また、その際に、判定部213は、市販品データ252に記憶された他の情報、例えば、製造元メーカに関する情報、製品名に関する情報、ラップフィルムの樹脂種、ラップ製品の販売時の重さや大きさ、ラップフィルムの一枚当たりの厚さ、又は紙管の重さに関する情報などを、一緒に回収品データ251に記憶してもよい。
【0076】
また、判定部213は、上記のように、ラップ製品の外観画像に基づいて、樹脂種を推定する処理をしてもよいし、分光分析に基づいて、樹脂種を推定する処理をしてもよい。判定部213は、判定処理において使用するモデルやアルゴリズムをモデル情報253から取得してもよい。
【0077】
また、判定部213は、品質判定装置120が取得した化粧箱の外観画像から壊れ度を判定する処理を実行してもよい。この際、判定部213は、ラップ製品の化粧箱の外観画像を回収品データ251から取得してもよい。また、判定部213は、ラップ製品の化粧箱の外観画像と、市販品データ252に記憶されたラップ製品の化粧箱の画像情報とに基づいて、ラップ製品の化粧箱の壊れ度を判定する処理を実行してもよい。さらに、判定部213は、壊れ度の算定において使用するモデルやアルゴリズムをモデル情報253から取得してもよい。
【0078】
判定部213は、品質判定装置120が取得したラップ製品の外観画像から汚れ度を判定する処理を実行してもよい。この際、判定部213は、ラップ製品の外観画像を回収品データ251から取得してもよい。また、判定部213は、ラップ製品の外観画像と、市販品データ252に記憶されたラップ製品の画像情報とに基づいて、ラップ製品の汚れ度を判定する処理を実行してもよい。さらに、判定部213は、汚れ度の算定において使用するモデルやアルゴリズムをモデル情報253から取得してもよい。
【0079】
判定部213は、上記のようにして取得した壊れ度や汚れ度を、化粧箱の外観画像や一次元コード又は二次元コードと対応付けて、回収品データ251に記憶してもよい。
【0080】
判定部213は、ラップ製品300が回収可能か否かの判定する処理を実行してもよい。回収可能か否かの基準は、特に限定されないが、例えば、樹脂種が所定の条件を満たすか否かに加えて、製品情報が所定の条件を満たすか否か、壊れ度や汚れ度が所定の条件を満たすか否かなどが挙げられる。製品情報の所定の条件としては、製造元メーカ、樹脂種などが挙げられる。
【0081】
また、判定部213は、回収口131の開錠及び施錠の制御をしてもよい。例えば、ラップ製品300が回収可能である場合には、判定部213は回収口131の扉131aを開錠してもよい。また、ラップ製品300が回収不能である場合には、判定部213は回収口131の扉131aを開錠しない、又は、施錠してもよい。なお、「開錠」や「開ける」は、「通過可能」とすることと同義としてもよいし、「施錠」や「閉める」は「通過不能」とすることと同義としてもよい。
【0082】
判定部213は、例えば、ラップ製品300と回収口131がともに視野に入る範囲で撮影した動画に対して、所定の画像追跡モデル又はアルゴリズムを適用することにより、ラップ製品300の動きを追跡してもよい。この際、判定部213は、画像追跡処理において使用するモデルやアルゴリズムをモデル情報253から取得してもよい。
【0083】
また、判定部213は、例えば、画像追跡が所定の条件を満すか否かを判定し、回収口131の開閉制御を行ってもよい。例えば、判定部213は、ラップ製品300が画像追跡の撮影視野外に移動したとき、画像追跡の撮影視野においてラップ製品300とは別の物体が回収口131に近づいていると認められるとき等においては、回収口131を閉じてもよい。
【0084】
1.7.2.5.表示制御部
回収装置100は、表示制御部214をさらに備えてもよい。表示制御部214は、回収操作、回収の可否などをガイダンス装置に表示制御してもよい。
【0085】
1.7.2.6.学習部
回収装置100は、学習部215をさらに備えてもよい。学習部215は、学習用データ254を収集し、学習用データ254に基づいてモデルを作成してもよい。また、学習部215は、作成したモデルをモデル情報253に格納してもよい。このようにして得られたモデルを用いて、上記判定部213は、各種判定処理や取得処理を実行してもよい。
【0086】
学習用データ254は、上記判定部において例示した各モデルが作成できるように、入力される情報と出力される情報とが対応付けられた教師データであれば特に制限されない。
【0087】
モデルの作成方法は特に制限されず、従来公知の方法を利用することができる。例えば、ロジスティック回帰モデル、多層パーセプトロン、CNN(Convolutional Neural Network)及びRNN(Recurrent Neural Network)などのニューラルネットワーク、ガウシアンカーネル等の任意のカーネル関数を用いるサポートベクターマシーン、回帰木としてモデル化したランダムフォレスト、重回帰分析、隠れマルコフモデルなどを利用したモデル、統計モデルや確率モデルなど種々の他のモデルを採用することもできる。また、種々のモデルを組み合わせて総合的な判定を行うモデルを採用することもできる。
【0088】
さらに、学習部215は、定期的に学習用データ254を収集し、再学習によりモデルを更新してもよい。
【0089】
1.8.動作処理
次に、回収装置100の動作について説明する。
図3Aは、回収装置100が行う処理の一例を示すフローチャートである。また、
図3B~
図3Cは、
図3AにおけるステップA01~A02の具体的態様を示す部分的なフローチャートである。さらに、
図3Dは、
図3AにおけるステップA04の追跡処理の具体的態様を示す部分的なフローチャートである。
【0090】
ステップA01において、回収装置100の材質推定装置110は、ユーザがリサイクルするラップ製品の製品情報を取得する。また、ステップA01において、回収装置100の材質推定装置110は、ステージに置かれたラップ製品300の樹脂種を取得する。次いで、ステップA02において、回収装置100の判定部213は、ユーザが持参したラップ製品が回収可能か否かを判定する。
【0091】
この際、
図3Bに示すように、ステップA11において、回収装置100の材質推定装置110が、ラップ製品の外観画像又はコード情報を取得したときは、ステップA12において、回収装置100の判定部213は、外観画像又はコード情報に基づいて、ラップ製品の製品情報を取得してもよい。この時、ステップA02において、回収装置100の判定部213は、樹脂種に加えて、その製品情報に基づいて、回収の可否を判定してもよい。例えば、判定部213は、所定の樹脂種のラップ製品であって、所定の製造元メーカのラップ製品のみを回収するように判定してもよい。
【0092】
また、
図3Cに示すように、ステップA13において、回収装置100の材質推定装置110が、ラップ製品の外観画像又はラップ製品の化粧箱の外観画像を取得したときは、ステップA14において、樹脂種の判定をし、ステップA15において、回収装置100の判定部213は、ラップ製品の外観画像に基づいて汚れ度を判定し、ラップ製品の化粧箱の外観画像に基づいて壊れ度を判定してもよい。この時、ステップA02において、回収装置100の判定部213は、樹脂種に加えて、その汚れ度又は壊れ度に基づいて、回収の可否を判定してもよい。例えば、判定部213は、所定の樹脂種のラップ製品であって、ある一定の閾値以下の汚れ度又は壊れ度を有するラップ製品のみを回収するように判定してもよい。
【0093】
ステップA02において判定部213が回収可能と判定したときは、ステップA03において、判定部213は回収口131を開錠する。これにより、回収口131にラップ製品300を投入可能となる。次いで、ステップA04において、回収装置100の追跡装置は、ラップ製品の動きを画像追跡してもよい。
【0094】
この際、
図3Dに示すように、ステップA041において、画像追跡が所定の条件を満たさすときは、回収装置100の判定部213は、回収口131を開錠のままとし、画像追跡が所定の条件を満たさすときは、回収装置100の判定部213は、回収口131を施錠してもよい。回収口131を施錠したときは、ステップA08において、表示制御部214はガイドライン装置に回収不能の旨を表示制御してもよい。
【0095】
ステップA05において、回収装置100のセンサ132は、回収口をラップ製品が通過したことを検知する。その後、ステップA06において、回収装置100のセンサ132は、ラップ製品が通過したことを検知した後に、検知結果を開錠施錠機構へ伝達し、開錠施錠機構は回収口131を施錠してもよい。
【0096】
また、一方で、ステップA02において判定部213が回収不能と判定したときは、ステップA07において、表示制御部214はガイドライン装置に回収不能の旨を表示制御してもよい。
【0097】
1.9.変形例
図1Bに回収装置の他の例を示す概略図を示す。変形例では、制御部200の一部機能を他の情報処理装置であるサーバ400に持たせてもよい。サーバ400を利用することで、端末にとっては負荷の高い処理も安定して実行することが可能となる。サーバ400が担う機能としては、特に限定されないが、例えば、判定部213や学習部215が挙げられる。
【0098】
また、サーバ400に各種データを集約することができる。サーバ400にデータを集約することで、最新の情報を回収装置100に提供することが可能となる。また、回収装置100の間で、保有する情報に相違がないように管理をすることもできる。また、情報を集約できるため、より精度の高い推定モデルを構築することが可能となる。サーバ400に集約するデータとしては、特に限定されないが、例えば、市販品データ252、モデル情報253、学習用データ254が挙げられる。
【0099】
サーバ400は、送受信部211が、例えば、通信インターフェース220とネットワークNを介して、回収装置100に対して各種情報を送信する送信部として機能し、また、回収装置100から各種情報を受信する受信部として機能する。この点以外は、サーバ400の機能構成は、上記制御部200の機能構成と同等であってもよい。そのため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0100】
また、回収装置100は、サーバ400に対するクライアントとして機能すればよく、回収装置100は、サーバ400に対して各種情報を送信する送信部と、サーバ400から各種情報を受信する受信部と、を有すればよい。
【0101】
2.回収方法
本開示の回収方法は、上記回収装置100が、ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する工程と、樹脂種が所定の条件を満すときにラップ製品が回収口を通過可能とし、樹脂種が所定の条件を満たさないときにラップ製品が回収口を通過不能となるよう制御する工程と、を実行する。
【0102】
なお、本実施形態の方法の具体的態様については、上記動作処理で述べているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0103】
3.プログラム
本開示のプログラムは、上記回収装置100に、ユーザがリサイクルするラップ製品の樹脂種を推定する工程と、樹脂種が所定の条件を満すときにラップ製品が回収口を通過可能とし、樹脂種が所定の条件を満たさないときにラップ製品が回収口を通過不能となるよう制御する工程と、を実行させる。
【0104】
プログラムは、読み取り可能な記録媒体に記録された物であってもよい。なお、本実施形態のプログラムが実行する処理の具体的態様については、上記動作処理で述べているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の回収装置は、ラップ製品を効率的に回収するものとして産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0106】
110…材質推定装置、120…測定装置、120…材質推定装置、120…品質判定装置、130…回収箱、131…回収口、131a…扉、132…センサ、150…ガイダンス装置、200…制御部、210…プロセッサ、211…送受信部、212…取得部、213…判定部、214…表示制御部、215…学習部、220…通信インターフェース、230…入出力インターフェース、240…メモリ、250…ストレージ、251…回収品データ、252…市販品データ、253…モデル情報、254…学習用データ、260…通信バス、300…ラップ製品、400…サーバ。