(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073827
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/52 20060101AFI20240523BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240523BHJP
B65H 85/00 20060101ALI20240523BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B65H29/52
G03G21/16 138
G03G21/16 195
G03G21/16 185
B65H85/00
B65H5/06 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184745
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】堀川 成彦
【テーマコード(参考)】
2H171
3F049
3F100
3F101
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171FA19
2H171FA22
2H171GA11
2H171HA15
2H171JA08
2H171JA21
2H171JA22
2H171KA06
2H171KA10
2H171KA23
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2H171KA26
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2H171QB03
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2H171QB32
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA32
2H171SA36
3F049AA04
3F049DA12
3F049DB02
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3F049LB03
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3F100BA14
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3F101FA01
3F101FB08
3F101FB11
3F101FB12
3F101FC05
3F101FD02
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3F101FE08
3F101LA01
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】両面印刷を行う画像形成装置では、媒体の搬送方向を正反転させる機構内の搬送経路上でジャムが発生した場合に、ジャムの解除が難しいという問題があった。
【解決手段】 画像形成装置1本体に対して着脱自在な定着ユニット70と、用紙排出ルート12を備える可動ガイドユニット85と、可動ガイドユニット85との間に用紙反転ルート13を形成する、固定ガイドユニット86と、可動ガイドユニット85を固定ガイドユニット86に向けて付勢するレバー145及び付勢スプリング147とを有し、 可動ガイドユニット85は、回動軸153を中心として固定ガイドユニット86に対して回動自在に設けられ、回動軸153は、定着ユニット70の装着方向において、用紙排出ルート12及び用紙反転ルート13よりも下流側に設けられ、レバー145及び付勢スプリング147は、回動軸153よりも上流側に設けられる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に対して着脱自在な定着装置と、
前記定着装置から排出された媒体を、前記本体の外側の排出部に向けて搬送する第1の搬送経路を備える可動ガイドユニットと、
前記可動ガイドユニットとの間に前記媒体の第2の搬送経路を形成するガイド面を有し、前記本体に配設された固定ガイド部と、
前記定着装置が装着された場合に、前記可動ガイドユニットを前記固定ガイド部に向けて付勢する第1の付勢部と
を有し、
前記可動ガイドユニットは、第1の回動軸を中心として前記固定ガイド部に対して回動自在に設けられ、
前記第1の回動軸は、前記定着装置の装着方向において、前記第1の搬送経路及び前記第2の搬送経路よりも下流側に設けられ、
前記第1の付勢部は、前記装着方向において、前記第1の回動軸よりも上流側に設けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の付勢部は、前記可動ガイドユニットの、前記第1の搬送経路及び前記第2の搬送経路を挟んで前記第1の回動軸の反対側に設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の付勢部は、前記可動ガイドユニットと前記定着装置との間に設けられ、前記定着装置の装着に伴って圧縮され、前記可動ガイドユニットを前記固定ガイド部に向けて付勢することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記固定ガイド部は、周面の一部が前記ガイド面から突出する第1の搬送ローラを有し、
前記可動ガイドユニットは、前記第1の搬送ローラと当接可能な位置に第2の搬送ローラを有し、
前記第1の搬送ローラは、前記第2の搬送ローラにより、前記定着装置が前記本体に装着された場合に第1の圧力で付勢され、前記定着装置が脱離された場合に、前記第1の圧力より小さい第2の圧力で付勢されることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記可動ガイドユニットは、前記定着装置が脱離されている場合に、前記第1の搬送ローラと前記第2の搬送ローラとが互いに当接する第1の位置と、前記第1の搬送ローラと前記第2の搬送ローラとが離間する第2の位置との間で前記第1の回動軸を中心に回動自在であり、
前記可動ガイドユニットが前記第1の位置に向けて回動するように前記可動ガイドユニットを付勢する第2の付勢部を更に有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の付勢部は、前記定着装置の長手方向における両端に対応する位置にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記定着装置は、前記装着方向における中心部より上流側に、前記可動ガイドユニットに向けて突出する凸部を有し、
前記第1の付勢部は、前記装着方向に対して交差する方向に向かって付勢し、前記定着装置の挿抜時に前記定着装置と接触する接触部を有し、
前記接触部は、前記定着装置の前記装着方向の下流側が前記定着装置に近接する方向に傾斜して前記凸部と当接する第1の傾斜面を有し、
前記凸部は、前記定着装置の装着過程で、前記第1の傾斜面を押圧して前記第1の付勢部を圧縮させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記定着装置は、前記装着方向における中心部より上流側で、前記定着装置の長手方向における両端に、前記可動ガイドユニットに向けてそれぞれ突出する凸部を有し、
前記第1の付勢部は、前記装着方向に対して交差する方向に向かって付勢し、前記定着装置の挿抜時に前記定着装置と接触する接触部を有し、
前記接触部は、前記定着装置の前記装着方向の下流側が前記定着装置に近接する方向に傾斜して前記凸部と当接する第1の傾斜面を有し、
前記凸部は、前記定着装置の装着過程で、前記第1の傾斜面を押圧して前記第1の付勢部を圧縮させることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記定着装置は、前記装着方向における中心部より上流側で、前記可動ガイドユニットに向けてそれぞれ突出する凸部を有し、
前記第1の付勢部は、前記装着方向に対して交差する方向に向かって付勢し、前記定着装置の挿抜時に前記定着装置と接触する接触部を有し、
前記凸部は、前記定着装置の前記装着方向の下流側が前記可動ガイドユニットから離間する方向に傾斜して前記接触部と当接する第2の傾斜面を有し、
前記第2の傾斜面は、前記定着装置の装着過程で、前記接触部を押圧して前記第1の付勢部を圧縮させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記定着装置は、前記装着方向における中心部より上流側で、前記定着装置の長手方向における両端に、前記可動ガイドユニットに向けてそれぞれ突出する凸部を有し、
前記第1の付勢部は、前記装着方向に対して交差する方向に向かって付勢し、前記定着装置の挿抜時に前記定着装置と接触する接触部を有し、
前記凸部は、前記定着装置の前記装着方向の下流側が前記可動ガイドユニットから離間する方向に傾斜して前記接触部と当接する第2の傾斜面を有し、
前記第2の傾斜面は、前記定着装置の装着過程で、前記接触部を押圧して前記第1の付勢部を圧縮させることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記接触部は、前記第1の傾斜面よりも前記装着方向側に、前記定着装置が装着されている場合に前記定着装置と当接する当接面を有することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記可動ガイドユニットは、
前記定着装置の脱離に伴ってできた領域に向けて回転自在であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記可動ガイドユニットは、ユニット本体と該ユニット本体によって回動自在に保持された中間用紙ガイドとを備え、前記ユニット本体に配設された排出用紙ガイドと前記中間用紙ガイドによって、前記第1の搬送経路を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に両面印刷可能な機構を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、両面印刷を行うため、媒体の表面に印刷を行った後に搬送方向を反転させて裏面に印刷を行う画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-34873号公報(第6頁、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では媒体の搬送方向を反転させる搬送経路上でジャムが発生した場合に、ジャムの解除が難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像形成装置は、
本体と、前記本体に対して着脱自在な定着装置と、前記定着装置から排出された媒体を、前記本体の外側の排出部に向けて搬送する第1の搬送経路を備える可動ガイドユニットと、前記可動ガイドユニットとの間に前記媒体の第2の搬送経路を形成するガイド面を有し、前記本体に配設された固定ガイド部と、前記定着装置が装着された場合に、前記可動ガイドユニットを前記固定ガイド部に向けて付勢する第1の付勢部とを有し、
前記可動ガイドユニットは、第1の回動軸を中心として前記固定ガイド部に対して回動自在に設けられ、前記第1の回動軸は、前記定着装置の装着方向において、前記第1の搬送経路及び前記第2の搬送経路よりも下流側に設けられ、前記第1の付勢部は、前記装着方向において、前記第1の回動軸よりも上流側に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、定着装置を外した際に生じるスペースを有効に利用して、搬送経路を上方が広がるように開くことが可能となり、ジャムの除去作業を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置の要部構成を示す要部構成図である。
【
図2】用紙排出ルート、用紙反転ルート、両面搬送ルート、及び定着ユニットの各配置、及びこれらの各ルートを形成する、各構成要素の配置を示す定着ユニット近傍の断面図である。
【
図3】画像形成装置本体に配置された状態に相当する各ガイドを要する用紙搬送機構の外観斜視図であり、(a)は排出ローラ対のゴムローラ及びピンチローラの断面を含む断面を示し、(b)は、排出ローラ対のゴムローラ及びピンチローラの断面を含む断面を示している。
【
図4】可動ガイドユニットの外観斜視図であり、(a)は定着ユニット側からみた図であり、(b)はその反対側からみた図である。
【
図5】中間用紙ガイド単体の外観斜視図であり、(a)は+X方向側からみた図であり、(b)は-X方向側からみた図である。
【
図6】左右の開閉フレームの、レバーに係る部分の構成を示す外観斜視図であり、(a)は左側レバーの断面を含む断面を示し、(b)は右側レバーの断面を含む断面を示している。
【
図7】固定ガイドユニットの外観斜視図であり、(a)は+X方向の一方にずれた側からみた図であり、(b)は+X方向の他方にずれた側からみた図である。
【
図8】用紙排出ルート、用紙反転ルート、及び両面搬送ルートと、左右の回動軸との位置関係を示す用紙搬送機構の構成図である。
【
図9】
図3に示す、可動ガイドユニットと固定ガイドユニットが組まれた用紙搬送機構の右側下部を斜め下方からみた外観斜視図であり、(a)は+Y方向の一方にずれた側からみた図であり、(b)は+Y方向の他方にずれた側からみた図である。
【
図10】画像形成装置のアッパーカバーを開いて内部の定着ユニットを外し、可動ガイドユニットを開いた状態を示す動作説明図である。
【
図11】内部の定着ユニットを外し、可動ガイドユニットを開き、更にその中間用紙ガイドを開いた状態を示す動作説明図である。
【
図12】定着ユニットを用紙排出側(-X方向)からみた外観斜視図である。
【
図13】定着ユニットを画像形成装置本体に装着した状態において、左右の凸部近傍の斜視図であり、(a)は、左側凸部の近傍を、+X方向の一方にずれた斜め上方からみた部分的な斜視図であり、(b)は、右側凸部の近傍を、+X方向の他方にずれた斜め上方からみた部分的な斜視図である。
【
図14】画像形成装置本体への定着ユニット70の装着時の動作説明に供する動作説明図であり、(a)、(b)、(c)は、その3つの装着過程でのそれぞれの状態を示す。
【
図15】
図14に示す、定着ユニットの装着過程において、-X方向からみたときに時計方向にやや傾いた場合の定着ユニット70の外観図である。
【
図16】左右のレバー145,146(
図8参照)の変形例を示す構成図であり、同図では、左側レバー245、右側レバー246として示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置1の要部構成を示す要部構成図である。
【0009】
同図に示すように、画像形成装置1は、例えばタンデム型カラー電子写真式プリンタとしての構成を備え、給紙カセット10は、内部に媒体としての記録用紙が積載され、画像形成装置1に着脱自在に装着される。ピックアップローラ21は、給紙ローラ22及び分離ローラ23と共に給紙部20を構成している。ピックアップローラ21及び給紙ローラ22は、図示しない回転駆動手段によって回転駆動され、分離ローラ23は、図示しないトルク発生手段によって、反回転方向にトルクを発生している。
【0010】
従って、ピックアップローラ21は、給紙カセット10内から当接した最上部の記録用紙を引き出し、給紙ローラ22及び分離ローラ23は、例えば、記録用紙が複数同時に引き出されたような場合にも、一枚ずつこの記録用紙を順次搬送路に繰り出す。
【0011】
記録用紙の搬送方向(点線矢印で示す)における、給紙部20の下流側の搬送路には、順に、レジストローラ31、搬送ローラ32が配置されている。レジストローラ31は、このレジストローラ31を加圧して搬送力を生み出す連れ回りのプレッシャローラ33aと対をなし、搬送ローラ32は、この搬送ローラ32を加圧して搬送力を生み出す連れ回りのプレッシャローラ34と対をなしている。レジストローラ31のローラ対は記録用紙の斜行を矯正し、搬送ローラ32のローラ対は画像形成部に記録用紙を送り込む。
【0012】
画像形成部は、着脱自在に直列に並べられた4つの現像ユニット51K,51Y,51M,51C(特に区別する必要がない場合には51と付す)と、現像ユニット51により形成されたトナー現像を、記録用紙の上面にクローン力により転写する転写部60からなる。直列に並べられた4つの現像ユニット51は、構成的には全て同じであり、使用されるトナーの色、即ちブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)と、その動作タイミングのみが異なる。ここでは用紙搬送方向の上流側から順に、ブラック(K)用の現像ユニット51K、イエロー(Y)用の現像ユニット51Y、マゼンタ(M)用の現像ユニット51M、及びシアン(C)用の現像ユニット51Cが配列されている。
【0013】
従って、ここでは代表してブラック(K)の現像ユニット51Kの内部構成について以下に説明する。
【0014】
現像ユニット51Kは、トナー現像を担持する感光体ドラム52K、感光体ドラム52Kの表面を帯電させる帯電ローラ53、LEDヘッド57Kによる露光によって感光体ドラム52Kの帯電した表面に形成された静電潜像に、摩擦帯電によりトナー現像を形成する現像ローラ54、現像ローラ54にトナーを供給するトナー供給ローラ55、転写後に感光体ドラム52Kの表面に残る残トナーを掻き落とすクリーニングブレード56などを備える。尚、各現像ユニット51に用いられているドラムやローラは、図示しない駆動モータからギアなどを経由して動力が伝達される。
【0015】
転写部60は、記録用紙を静電吸着して搬送する転写ベルト61、転写ベルト61を駆動するドライブローラ62、ドライブローラ62と対をなして転写ベルト61を張架するテンションローラ63、現像ユニット51の各感光体ドラム52K,52Y,52M,52C(特に区別する必要がない場合には52と付す)にそれぞれが対向して圧接するように配置され、トナー現像を記録用紙に転写するよう電圧を印加する転写ローラ67K,67Y,67M,67C(特に区別する必要がない場合には67と付す)等を備える。
【0016】
現像ユニット51と転写ベルト61は同期して駆動され、転写ベルト61に静電吸着された記録用紙に各色のトナー現像を順次重ね合わせて転写する。このようにして画像形成部でトナー現像を転写された記録用紙は、トナー現像を熱と圧力で記録用紙に融着させる定着ユニット70へ送り出される。
【0017】
定着装置としての定着ユニット70は、画像形成装置1本体に対して着脱自在に配置され、ヒータ等の熱源を備えて記録用紙に上方から接する加熱ローラ71と、従動して回転する加圧ローラ72とを備え、加熱した加熱ローラ71とこれに圧接する加圧ローラ72によって記録用紙を搬送する過程で加熱及び加圧し、記録用紙にトナー画像を定着する。定着ユニット70の後段に配置された排出ローラ対80は、トナー画像が定着されて定着ユニット70から排出された記録用紙を下流に搬送する。
【0018】
尚、上記したように、画像形成装置1の、定着ユニット70等のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を装置本体と称す場合がある。
【0019】
記録用紙の搬送方向における、排出ローラ対80の下流側の第1の搬送経路としての用紙排出ルート12には、順に排出ローラ対81,82が配置され、定着ユニット70から排出される定着済みの記録用紙を経路に沿って搬送し、排出部としての排出トレイ83へと排出する。
【0020】
一方、記録用紙に両面印刷する場合には、セパレータ90によって、定着ユニット70から排出される、一方の記録面に定着済みの記録用紙を第2の搬送経路としての用紙反転ルート13に送り込む。用紙反転ルート13に順に配置された反転ローラ対91,92は、この記録用紙の後端がセパレータ90を抜けるまで装置上方に一旦引き込み、後端が抜けた段階で反転し、今度は引き込んだ記録用紙の後端部を前端部として両面搬送ルート14に配置された両面搬送ローラ対93に送り込む。両面搬送ローラ対93に送り込まれた記録用紙は、更に両面搬送ルート14に配置された両面搬送ローラ対94,95,96によって再度レジストローラ31に送り込まれる。
【0021】
レジストローラ31は、このレジストローラ31を加圧して搬送力を生み出す連れ回りのプレッシャローラ33bと対をなし、送り込まれた記録用紙の印刷されていない他方の記録面を上にして再度画像形成部に送り込こむ。これにより記録用紙は、印刷されていない他方の記録面を上にして再度画像形成部に送り込まれ、一方の記録面と同様にして他方の記録面が印刷された後、排出トレイ83に排出される。
【0022】
ここでLEDヘッド57K,57Y,57M,57C(特に区別する必要がない場合には57と付す)は、それぞれ対応するLEDヘッドホルダ40K,40Y,40M,40C(特に区別する必要がない場合には40と付す)によって保持され、各LEDヘッドホルダ40はアッパーカバー35によって保持されている。更にアッパーカバー35は、排出ローラ対82の近傍に配置されて、例えば感光体ドラム52の回転軸方向に延在する図示しない回動軸を回動中心として、矢印B方向に回動し、画像形成装置1の上部を
図1に示す閉じた状態から開放する。
【0023】
このとき、LEDヘッドホルダ40に保持されたLEDヘッド57も一緒に移動し、それぞれ対応する現像ユニット51の載置位置から離間する方向に移動する。
【0024】
尚、
図1中のX、Y、Zの各方向は、各感光体ドラム52の回転軸方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向とし、これら両方向と直交する方向にX方向としている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各方向が示される場合、これらの各方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のX、Y、Z方向は、各図の描写部分が、
図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。またここでは、画像形成装置1の底面に垂直に交わる方向が、略Z方向となるように配置されるものとする。
【0025】
図2は、用紙排出ルート12、用紙反転ルート13、両面搬送ルート14、及び定着ユニット70の各配置、及びこれらの各ルートを形成する、排出用紙ガイド101、中間用紙ガイド102、第1用紙反転ガイド103、第2用紙反転ガイド104、第3用紙反転ガイド105、第1両面搬送ガイド106、第2両面搬送ガイド107、及び第3両面搬送ガイド108の各配置を示す定着ユニット70近傍の断面図である。尚、同図において、用紙排出ルート12、用紙反転ルート13、両面搬送ルート14、及び定着ユニット70は、経路及び外形を明確にするため、点線矢印で示している。
【0026】
図2に示すように、定着ユニット70の後段にはセパレータ90が配置されている。セパレータ90は、中間用紙ガイド102によって回動自在に保持され、定着ユニット70から排出される記録用紙を、用紙排出ルート12に導く排出ポジション(同図に実線で示す)と、用紙反転ルート13に導く反転ポジション(同図に点線で示す)とに択一的に設定されるように構成されている。
【0027】
従って、片面印刷が終了した記録用紙を排出トレイ83に排出する場合には、セパレータ90を排出ポジションに設定して排出ローラ対80を経由して搬送される記録用紙を用紙排出ルート12に導き、更に排出ローラ対81,82によって排出トレイ83に排出する。
【0028】
一方、片面印刷が終了した記録用紙を両面搬送ルート14に導く場合には、セパレータ90を反転ポジションに設定して排出ローラ対80を経由して搬送される記録用紙を用紙反転ルート13に導き、記録用紙の後端部がセパレータ90を通過するまで反転ローラ対91,92で搬送し、その後反転ローラ対91,92反転させる。これにより片面印刷が終了した記録用紙を、後端部を先頭として両面搬送ルート14に導き、両面搬送ローラ対93によって更に両面搬送ルート14に沿って搬送する。
【0029】
図2に示すように、用紙排出ルート12は、中間用紙ガイド102の一方の面とこれに対向する排出用紙ガイド101の対向面、及びセパレータ90によって形成され、用紙反転ルート13は、中間用紙ガイド102の他方の面とこれに対向する、第1用紙反転ガイド103、第2用紙反転ガイド104、及び第3用紙反転ガイド105の各対向面とセパレータ90によって形成され、両面搬送ルート14は、第1両面搬送ガイド106及び第2両面搬送ガイド107と第3両面搬送ガイド108の各対向面によって形成されている。
【0030】
図3は、画像形成装置本体に配置された状態に相当する各ガイド101~108を要する用紙搬送機構の外観斜視図であり、各ローラ対80~82、91~93の構成を明確にするため一部を断面としている。同図(a)は、排出ローラ対81のゴムローラ113及びピンチローラ114の断面を含む断面を示し、同図(b)は、排出ローラ対82のゴムローラ115及びピンチローラ116の断面を含む断面を示している。
【0031】
同図に示すように、
排出ローラ対80は、ゴムローラ111とピンチローラ112とによって構成され、
排出ローラ対81は、ゴムローラ113とピンチローラ114とによって構成され、
排出ローラ対82は、ゴムローラ115とピンチローラ116とによって構成され、
反転ローラ対91は、ゴムローラ121とピンチローラ122とによって構成され、
反転ローラ対92は、ゴムローラ123とピンチローラ124とによって構成され、
両面搬送ローラ対93は、ゴムローラ125とピンチローラ126とによって構成されている。
【0032】
図4は、左側開閉フレーム131、右側開閉フレーム132、これ等左右の開閉フレームに保持された、排出用紙ガイド101、中間用紙ガイド102、第3両面搬送ガイド108、及びセパレータ90を有する可動ガイドユニット85の外観斜視図であり、同図(a)は、定着ユニット70側(+X方向)からみた図であり、同図(b)は、その反対側(-X方向)からみた図である。
図5は、中間用紙ガイド102単体の外観斜視図であり、同図(a)は、+X方向側からみた図であり、同図(b)は、-X方向側からみた図である。
【0033】
尚、+X方向からみて、画像形成装置1の前後、左右、上下の方向を特定する場合がある。
【0034】
図4、
図5において、排出用紙ガイド101及び第3両面搬送ガイド108は、その左側端部が左側開閉フレーム131に固定され、右側端部が右側開閉フレーム132に固定されている。またセパレータ90は、その左右端部が、左右の開閉フレーム131,132によって、
図2に示すように、排出ポジション(同図に実線で示す)と反転ポジション(同図に点線で示す)との間で回動可能に保持されている。
【0035】
一方、中間用紙ガイド102は、
図5に示すように左右端部から下方に延在する左側支持アーム141及び右側支持アーム142を備え、左側支持アーム141の先端部には、左側回動軸127が形成され、右側支持アーム142の先端部には、右側回動軸128が形成されている。以上のように構成された中間用紙ガイド102は、左側回動軸127が左側開閉フレーム131に形成された左側軸孔133に嵌入し、右側回動軸128が右側開閉フレーム132に形成された右側軸孔134に嵌入するように装着され、左右の開閉フレーム131,132によって、換言すると可動ガイドユニット85本体によって回動可能に保持されている。尚、
図4に示す可動ガイドユニット85において、中間用紙ガイド102を除いた構成要素を可動ガイドユニット85本体と称す場合がある。
【0036】
各ピンチローラの内、ピンチローラ112,116は、排出用紙ガイド101によって回転自在に保持され、ピンチローラ114,122,124は、中間用紙ガイド102によって回転自在に保持され、ピンチローラ126は、第3両面搬送ガイド108によって回転自在に保持されている。またゴムローラ111は、その回転軸111aが排出用紙ガイド101によって回転自在に保持され、ゴムローラ115は、その回転軸115aが同じく排出用紙ガイド101によって回転自在に保持され、ゴムローラ113は、その回転軸113a(図示せず)が同じく排出用紙ガイド101によって回転自在に保持されている。尚、ゴムローラ121,123,125は、後述する左右の固定フレーム151,152に備えられている。このうち、ゴムローラ121が第1の搬送ローラに相当し、ピンチローラ122が第2の搬送ローラに相当する。
【0037】
更に、左側開閉フレーム131には、左側回動軸孔137、左側長孔135、及び左側レバー145が係わり、右側開閉フレーム132には、右側回動軸孔138、右側長孔136、及び右側レバー146が係る。これ等については後述する。
【0038】
図6は、左右の開閉フレーム131,132の、レバー145,146に係る部分の構成を示す外観斜視図であり、各レバーの取り付け構成を明確にするため一部を断面としている。同図(a)は、左側レバー145の断面を含む断面を示し、同図(b)は、右側レバー146の断面を含む断面を示している。
【0039】
同図(a)に示すように、左側レバー145は、左側開閉フレーム131に固定配置された左側レバーホルダ131aによって、矢印X方向にスライド可能に保持されて左側付勢スプリング147によって-X方向に付勢され、且つそれ以上の同方向移動が規制された状態で保持されている。また同図(b)に示すように、右側レバー146は、右側開閉フレーム132に固定配置された右側レバーホルダ132aによって、矢印X方向にスライド可能に保持されて右側付勢スプリング148によって-X方向に付勢され、且つそれ以上の同方向移動が規制された状態で保持されている。
【0040】
接触部としての左右のレバー145,146の先端部には、後述するように、下方にいくにつれて突出する方向に傾斜した第1の傾斜面としての傾斜面145a,146aが形成されている。更に同図(a)に示すように、ゴムローラ111の回転軸111aとゴムローラ115の回転軸115aは、連動ベルト149で連動回転するように構成されている。尚、左側レバー145と左側付勢スプリング147、及び右側レバー146と右側付勢スプリング148とがそれぞれ第1の付勢部に相当する。
【0041】
図7は、左側固定フレーム151、右側固定フレーム152、背面部固定フレーム155、これ等の固定フレームに保持された、第1用紙反転ガイド103、第2用紙反転ガイド104、第1両面搬送ガイド106、及び第2両面搬送ガイド107を有する固定ガイド部としての固定ガイドユニット86の外観斜視図であり、同図(a)は、+X方向の一方にずれた側からみた図であり、同図(b)は、+X方向の他方にずれた側からみた図である。
【0042】
図7において、第1用紙反転ガイド103、第2用紙反転ガイド104の後側には、背面部固定フレーム155が配置され、その左側においては左側固定フレーム151と固着し、右側においては右側固定フレーム152と固着することにより、これら3つの固定フレームは一体的に構成されている。
【0043】
第1用紙反転ガイド103、第2用紙反転ガイド104、第1両面搬送ガイド106、及び第2両面搬送ガイド107の各左端部が左側固定フレーム151に固定され、第1用紙反転ガイド103、第2用紙反転ガイド104、第1両面搬送ガイド106、及び第2両面搬送ガイド107の各右端部が右側固定フレーム152に固定されている。
【0044】
ゴムローラ121の回転軸121a及びゴムローラ123の回転軸123aは、左右の固定フレーム151,152によって共に回転自在に保持され、更にこれらの各回転軸121a,123aは、連動ベルト149によって連動回転するように構成され、両面印刷時には必要に応じて正転/反転駆動される。また、左側固定フレーム151には、左側回動軸153が形成され、右側固定フレーム152には、右側回動軸154が形成されている。尚、背面部固定フレーム155は、画像形成装置1本体に固定されるため、固定ガイドユニット86は、画像形成装置1本体と一体的な構成となる。
【0045】
図4に示す、左右の開閉フレーム131,132に組まれた可動ガイドユニット85と、
図7に示す、3の固定フレーム151,152,155に組まれた固定ガイドユニット86とは、
図3、
図8等に示すように、組み合わされる。
図8は、この組み合わせによって形成される用紙排出ルート12、用紙反転ルート13、及び両面搬送ルート14と、第1の回動軸としての左右の回動軸153,154との位置関係を示す用紙搬送機構の構成図である。
【0046】
これらの各図に示すように、組合せは、例えば
図7に示す、左側固定フレーム151の左側回動軸153及び右側固定フレーム152の右側回動軸154が、それぞれ
図4に示す、左側開閉フレーム131の左側回動軸孔137及び右側開閉フレーム132の右側回動軸孔138に嵌入するように行われる。これにより、後述するように、
図4に示す左右の開閉フレーム131,132を有する可動ガイドユニット85は、固定ガイドユニット86に対して、左右の回動軸153,154中心に所定の範囲内で回動自在となるように構成されている。尚、左右の長孔135,136は、この回動の際に貫通するゴムローラ125の回転軸125aが接触しないように形成されている。
【0047】
図9は、
図3に示す、可動ガイドユニット85と固定ガイドユニット86が組まれた用紙搬送機構の右側下部を斜め下方からみた外観斜視図であり、同図(a)は、+Y方向の一方にずれた側からみた図であり、同図(b)は、+Y方向の他方にずれた側からみた図である。尚、同図(a)では、説明の都合上、右側固定フレーム152を省いている。
【0048】
同図に示すように、右側開閉フレーム132と背面部固定フレーム155間には第2の付勢部としてのコイルスプリング160が伸張した状態で架けられている。即ち、同図(a)に示すように、右側開閉フレーム132の係止部132bにはコイルスプリング160の一端が架けられ、背面部固定フレーム155の係止部155aには、コイルスプリング160の他端が架けられている。
【0049】
これにより、固定ガイドユニット86の左右の固定フレーム151,152によって回動自在に保持された可動ガイドユニット85は、用紙反転ルート13が形成される方向に付勢され、例えば
図3(b)に示すように、反転ローラ対92の、固定ガイドユニット86に属するゴムローラ121と可動ガイドユニット85に属するピンチローラ122とが、第2の圧力に相当する比較的弱い付勢力で当接する。
【0050】
以上のように構成された用紙搬送機構は、例えば
図8に示すように、定着ユニット70の後段にあって隣接して配置されている。次に、定着ユニット70を画像形成装置1本体から外した状態での用紙搬送機構の開閉動作について説明する。
【0051】
図10は、画像形成装置1のアッパーカバー35を開いて内部の定着ユニット70を外し、可動ガイドユニット85を開いた状態を示す動作説明図である。
【0052】
同図に示すように、操作者は、画像形成装置1のアッパーカバー35を開けて定着ユニット70を外した後、前記した比較的弱い力で固定ガイドユニット86に付勢された可動ガイドユニット85を、左右の回動軸153,154(
図8)中心に時計回りに回動し、閉状態(
図8に示す状態)から同図に示す開状態とすることが出来る。これにより、反転ローラ対91のゴムローラ121からピンチローラ122が、また反転ローラ対92のゴムローラ123からピンチローラ124がそれぞれ離間し、更に両面搬送ローラ対のゴムローラ125からピンチローラ126が離間し、用紙反転ルート13全体及び両面搬送ルート14の導入部が開いた状態となる。
【0053】
従って操作者は、これらのルート領域で記録用紙によるジャムが発生した場合、可動ガイドユニット85を
図10に示す開状態としてジャムの原因となった記録用紙を取り除くことが出来る。
【0054】
図11は、画像形成装置1のアッパーカバー35を開いて内部の定着ユニット70を外し、可動ガイドユニット85を開き、更にその中間用紙ガイド102を開いた状態を示す動作説明図である。
【0055】
同図に示すように、操作者は、
図10に示すように可動ガイドユニット85を開状態とした後、更にその中間用紙ガイド102を、左右の回動軸127,128回りに排出用紙ガイド101に対して反時計回りに回動し、閉状態(
図10に示す状態)から同図に示す開状態とすることが出来る。これにより、
図3に示す排出ローラ対81のゴムローラ113からピンチローラ114(
図3)が離間し、用紙排出ルート12の略全域が開いた状態となる。
【0056】
従って操作者は、用紙排出ルート12で記録用紙によるジャムが発生した場合、中間用紙ガイド102を
図11に示す開状態としてジャムの原因となった記録用紙を取り除くことが出来る。
【0057】
また、可動ガイドユニット85の回動軸127,128は、定着ユニット70を外した際に生ずる空間を最大限に活用して可動ガイドユニット85が回動できるように、用紙排出ルート12及び用紙反転ルート13に対して下方に位置するため、用紙排出ルート12又は用紙反転ルート13を開いた際に、ジャム用紙を取り除くための十分な作業スペースを確保することができる。
【0058】
また、画像形成装置1のアッパーカバー35を開いた段階では、コイルスプリング160によって、可動ガイドユニット85が、弱い力で固定ガイドユニット86に付勢されているため、定着ユニット70の着脱操作時に、可動ガイドユニット85開いてしまって着脱操作を妨げるのを防止できる。
【0059】
図12は、定着ユニット70を用紙排出側(-X方向)からみた外観斜視図である。
【0060】
同図に示すように、定着ユニット70の左側上部には、用紙搬送方向の下流側(矢印X方向)に突出する左側凸部73が形成され、同じく定着ユニット70の右側上部には、用紙搬送方向の下流側(矢印X方向)に突出する右側凸部74が形成されている。一方、定着ユニット70の左側下部には、下方に垂下する左側コネクタ部75が配備され、同じく定着ユニット70の右側下部には、下方に垂下する右側コネクタ部76が配備されている。
【0061】
定着ユニット70が画像形成装置1本体に装着されるとき、左右のコネクタ部75,76は、画像形成装置1本体の対向する位置にそれぞれ配備された本体側のコネクタ部(図示せず)と嵌合するように構成されている。把持部77は、画像形成装置1本体に対して定着ユニット70を着脱する際に使用者によって利用される。
【0062】
図13は、例えば
図8に示すように、定着ユニット70を画像形成装置1本体に装着した状態において、左右の凸部73,74近傍の斜視図であり、同図(a)は、左側凸部73の近傍を、+X方向の一方にずれた斜め上方からみた部分的な斜視図であり、同図(b)は、右側凸部74の近傍を、+X方向の他方にずれた斜め上方からみた部分的な斜視図である。
【0063】
この時同図(a)に示すように、定着ユニット70の左側凸部73は左側開閉フレーム131に保持された左側レバー145を押圧して左側付勢スプリング147(
図6(a))を圧縮し、左側付勢スプリング147はその反力によって左側開閉フレーム131及び中間用紙ガイド102を左側固定フレーム151に押し付ける。同様に、定着ユニット70の右側凸部74は右側開閉フレーム132に保持された右側レバー146を押圧して右側付勢スプリング148(
図6(b))を圧縮し、右側付勢スプリング148はその反力によって右側開閉フレーム132及び中間用紙ガイド102を右側固定フレーム152に押し付ける。
【0064】
次に、定着ユニット70の装着時の動作について説明する。
図14は、画像形成装置1本体への装着時の動作説明に供する動作説明図であり、同図(a)は、定着ユニット70が装着部上部に位置する状態を、同図(b)は、定着ユニット70が装着部内部に入り込んだ状態を、同図(c)は、定着ユニット70が装着部内に装着する直前の状態をそれぞれ示す。
【0065】
図2に示すように、定着ユニット70は、画像形成装置1本体に装着した状態において、鉛直方向(ここでは矢印Z方向)に対してやや傾斜している。
図14に示すように、定着ユニット70は、画像形成装置1本体に配備された図示しないガイド手段によって、この傾斜を有するガイドライン200に沿って移動するように構成されている。従って、定着ユニット70の装着方向、脱離方向はこのガイドライン200と平行になる。
【0066】
定着ユニット70の左側凸部73は、定着ユニット70の移動方向、即ちガイドライン200のガイド方向に対して、角度θ2だけ反時計方向に傾斜した左側押圧面73aを有し、定着ユニット70の右側凸部74は、定着ユニット70の移動方向、即ちガイドライン200のガイド方向に対して、同じく角度θ2だけ反時計方向に傾斜した右側押圧面74aを有する。尚、左右の押圧面73a,74aが第2の傾斜面に相当する。
【0067】
一方、可動ガイドユニット85に保持された左側レバー145は、定着ユニット70の移動方向、即ちガイドライン200のガイド方向に対して、角度θ1だけ反時計方向に傾斜した左側傾斜面145aを有し、可動ガイドユニット85に保持された右側レバー146は定着ユニット70の移動方向、即ちガイドライン200のガイド方向に対して、角度θ1だけ反時計方向に傾斜した右側傾斜面146aを有する。尚、左右の傾斜面145a,146aが第1の傾斜面に相当する。
【0068】
定着ユニット70がガイドライン200に沿って下方に移動すると、
図14(a)、
図14(b)の過程を経て、やがて装着直前の
図14(c)の状態となる。このとき、定着ユニット70の左側押圧面73aの下端部が、可動ガイドユニット85の、左側付勢スプリング147(
図6(a))で付勢され左側レバー145の左側傾斜面145aに当接する。左側レバー145及び左側凸部73は、これ等の位置関係を満たすように配置されるものであり、右側レバー146及び右側凸部74においても同様に配置されている。
【0069】
従って、
図14(c)に示す装着直前の状態から、
図13に示す装着状態となるまで、ガイドライン200に沿って下方に移動する間、左側では、先ず左側押圧面73aの下端部が左側傾斜面145aを押して左側付勢スプリング147による付勢に抗して左側レバー145を押し込み、続いて左側押圧面73aが左側傾斜面145aの下端部を押して左側レバー145を更に押し込み続ける。右側においても、右側押圧面74aと右側傾斜面146aとが同様に作用し合う。
【0070】
以上のように、この間、左右のレバー145,146は左右の付勢スプリング147,148による付勢に抗して押し込まれ続ける。従って、左右の付勢スプリング147,148による付勢力は、左右のレバー145,146が左右の凸部73,74に当接する
図14(c)に示す装着直前の状態から、
図13に示す装着状態となるまで、増加し続ける。
【0071】
また
図14には、固定ガイドユニット86に形成された、左右の回動軸153,154の位置が点線で示されている。このように、可動ガイドユニット85は、固定ガイドユニット86によって、その下方に位置する回動軸153,154中心に回動自在に保持されているため、定着ユニット70の装着によって発生する左右の付勢スプリング147,148による反力によって、固定ガイドユニット86に押し付けられ、定着ユニット70は、ガイドライン200を生成する図示しないガイド手段に押圧される。
【0072】
この時生じる左右の付勢スプリング147,148による反力によって、用紙排出ルート12、用紙反転ルート13、及び両面搬送ルート14を形成する各ガイド101~108等によって保持された各ローラ対80~82,91~93の各ゴムローラとピンチローラ間、例えば
図3(b)に示すように、反転ローラ対92の、固定ガイドユニット86に属するゴムローラ121と可動ガイドユニット85に属するピンチローラ122とを、第1の圧力に相当する比較的強い付勢力で当接し、更に可動ガイドユニット85を固定ガイドユニット86に当接する構成となっている。
【0073】
これにより、各ローラ対80~82,91~93の各ゴムローラとピンチローラで所望のニップを生成し、且つ固定ガイドユニット86に対して可動ガイドユニット85を、精度よく位置決めすることが出来る。また、左右の回動軸153,154から比較的離れた位置で、左右のレバー145,146と左右の凸部73,74とが係合部するため、左右の付勢スプリング147,148によって生じる反力をあまり強くする必要がないため、係合による摺動負荷を軽減でき、定着ユニット70の着脱作業を円滑に行うことが出来る。
【0074】
また、左右の傾斜面145a,146aが傾斜角度θ1を有し、左右の押圧面73a,74aが傾斜角度θ2を有して接する。このため
図14(c)に示す装着直前の状態から
図13に示す装着状態となるまで、ガイドライン200のガイド方向下方に移動する定着ユニット70に対して、増加する左右の付勢スプリング147,148による反力によって制動力が働くため、定着ユニット70の下方移動速度が抑制される。
【0075】
これにより、定着ユニット70が、装着位置に至る際の衝突の衝撃が緩和され、更にその下方に配設された左右のコネクタ部75,76と、これに対向して配設された画像形成装置1本体側のコネクタ部(図示せず)の嵌合する際の衝撃も緩和されるため、コネクタ同士の過激な結合による破損を防止できる。
【0076】
図15は、
図14に示す、定着ユニット70の装着過程において、-X方向からみたときに時計方向にやや傾いた場合の定着ユニット70の外観図である。
【0077】
この時、
図14(c)に示す装着直前の段階で、左側凸部73が先に対向する左側レバー145に当接し、その後右側レバー146に当接する右側凸部74に先行して下方にスライド移動する。従って、定着ユニット70が傾いている間、左側凸部73は、左側レバー145から、右側凸部74が右側レバー146から受ける付勢力よりも強い付勢力を受けることになる。
【0078】
前記したように、左右の傾斜面145a,146aが傾斜角度θ1を有し、左右の押圧面73a,74aが傾斜角度θ2を有するため、定着ユニット70は、傾きが生じている間、傾きを矯正する方向に発生するモーメントを受けることになる。これは、定着ユニット70が逆方向に傾いている場合も同様に、傾きを矯正する方向に発生するモーメントを受ける。
【0079】
従って、傾斜した定着ユニット70は、左右のレバー145,146の何れかが、左右の凸部73,74の、対向する一方に当接する
図14(c)に示す装着直前の状態から、
図13に示す装着状態となるまの間に、傾きを矯正する方向のモーメントを受け、傾きが無い状態で装着位置に到達しやすくなる。
【0080】
従って、定着ユニット70が傾いた状態で装着される場合、装着位置に至る前にその傾きが矯正されるため、同じくその下方に配設された左右のコネクタ部75,76と、これに対向して配設された画像形成装置1本体側のコネクタ部(図示せず)とが円滑に嵌合でき、コネクタ同士がぶつかって破損することを防止できる。
【0081】
また、定着ユニット70が、
図14(c)に示す装着直前の状態から、
図13に示す装着状態となるまでの間のみで、左右の付勢スプリング147,148による反力を受ける構成なので、画像形成装置1本体に対する定着ユニット70の着脱作業を円滑に実行することが出来る。
【0082】
(変形例1)
図16は、左右のレバー145,146(
図8参照)の変形例を示す構成図であり、同図では、左側レバー245、右側レバー246として示している。
図16は、
図8における左右のレバー145,146の近傍を拡大した拡大図に相当し、左右のレバー245,246以外は全て変形前の画像形成装置と同じ構成を有するものである。
【0083】
この変形例では、
図16に示すように、左側レバー245及び右側レバー246の先端部が、変形前の傾斜面145a,146a(
図6参照)と同じ傾斜角度θ1を有する第1の傾斜面としての左側傾斜面245a及び右側傾斜面246aと、これに連続して形成された当接面としての左側当接面245b及び右側当接面246bを備えている。
【0084】
左右の当接面245b、246bは、定着ユニット70の左右の凸部73,74の左右の押圧面73a,74aと平行に形成され、
図16に示すように、定着ユニット70が画像形成装置1本体に装着された段階で、押圧面73a,74aとそれぞれ密接するように構成されている。定着ユニット70が画像形成装置1本体に装着されるまでの装着過程では、前記した変形前の動作、作用、効果と全く同じなので、ここでの説明は省略する。
【0085】
以上のように、本変形例の左右のレバー245,246によれば、定着ユニット70が画像形成装置1本体に装着された状態で、左右のレバー245,246の先端部にかかる負荷が集中するのを防止できる。
【0086】
また、前記した特許請求の範囲、及び実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった言葉を使用したが、これらは便宜上であって、画像形成装置1を配置する状態における絶対的な位置関係を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
上記した実施の形態では、本発明を、カラー電子写真プリンタを例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録材上に画像を形成する複写機、ファクシミリ、MFP等の画像形成装置にも利用可能である。またカラープリンタに関して説明したが、単色プリンタであってもよく、更に使用する用紙はカット紙に限らず、ロール紙などを利用する画像形成装置にも利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 画像形成装置、 10 給紙カセット、 12 用紙排出ルート、 13 用紙反転ルート、 14 両面搬送ルート、 20 給紙部、 21 ピックアップローラ、 22 給紙ローラ、 23 分離ローラ、 31 レジストローラ、 32 搬送ローラ、 33a プレッシャローラ、 33b プレッシャローラ、 34 プレッシャローラ、 35 アッパーカバー、 40 LEDヘッドホルダ、 51 現像ユニット、 52 感光体ドラム、 54 現像ローラ、 55 トナー供給ローラ、 56 クリーニングブレード、 57 LEDヘッド、 60 転写部、 61 転写ベルト、 62 ドライブローラ、 63 テンションローラ、 67 転写ローラ、 70 定着ユニット、 71 加熱ローラ、 72 加圧ローラ、 73 左側凸部、 73a 左側押圧面、 74 右側凸部、 74a 右側押圧面、 75 左側コネクタ部、 76 右側コネクタ部、 77 把持部、 80 排出ローラ対、 81 排出ローラ対、 82 排出ローラ対、 83 排出トレイ、 85 可動ガイドユニット、 86 固定ガイドユニット、 90 セパレータ、 91 反転ローラ対、 92 反転ローラ対、 93 両面搬送ローラ対、 94 両面搬送ローラ対、 95 両面搬送ローラ対、 96 両面搬送ローラ対、 101 排出用紙ガイド、 102 中間用紙ガイド、 104 第2用紙反転ガイド、 105 第3用紙反転ガイド、 106 第1両面搬送ガイド、 107 第2両面搬送ガイド、 108 第3両面搬送ガイド、 111 ゴムローラ、 111a 回転軸、 112 ピンチローラ、 113 ゴムローラ、 114 ピンチローラ、 115 ゴムローラ、 115a 回転軸、 116 ピンチローラ、 121 ゴムローラ、 122 ピンチローラ、 123 ゴムローラ、 124 ピンチローラ、 125 ゴムローラ、 126 ピンチローラ、 127 左側回動軸、 128 右側回動軸、 131 左側開閉フレーム、 131a 左側レバーホルダ、 132 右側開閉フレーム、 132a 右側レバーホルダ、 132b 係止部、 133 左側軸孔、 134 右側軸孔、 135 左側長孔、 136 右側長孔、 137 左側回動軸孔、 138 右側回動軸孔、 141 左側支持アーム、 142 右側支持アーム、 145 左側レバー、 145a 左側傾斜面、 146 右側レバー、 146a 右側傾斜面、 147 左側付勢スプリング、 148 右側付勢スプリング、 149 連動ベルト、 151 左側固定フレーム、 152 右側固定フレーム、 153 左側回動軸、 154 右側回動軸、 155 背面部固定フレーム、 155a 係止部、 160 コイルスプリング、 200 ガイドライン、 245 左側レバー、 245a 左側傾斜面、 245b 左側当接面、 246 右側レバー、 246a 右側傾斜面、 246b 右側当接面。