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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073841
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】布製生理用ナプキン
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/47 20060101AFI20240523BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20240523BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20240523BHJP
   A61F 13/76 20060101ALI20240523BHJP
   A61F 13/476 20060101ALI20240523BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20240523BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A61F13/47
A61F13/15 141
A61F13/56 100
A61F13/76
A61F13/476
A61F13/511 300
A61F13/514 100
A61F13/15 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184775
(22)【出願日】2022-11-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウエルネスフェスタ2022 展示日:令和4年7月13日 [刊行物等] 第107回東京医療衛生用品フェア 展示日:令和4年8月25日 [刊行物等] 第1回 Femtech Tokyo フェムテック トーキョー 展示日:令和4年10月20日
(71)【出願人】
【識別番号】515162442
【氏名又は名称】旭化成アドバンス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514044802
【氏名又は名称】株式会社オサレカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】神谷 隆史
(72)【発明者】
【氏名】内村 和樹
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200AA15
3B200AA17
3B200BA01
3B200BB22
3B200BB24
3B200CA13
3B200DB02
3B200DC02
3B200DD02
3B200DE01
3B200DE03
3B200DE15
(57)【要約】
【課題】肌当たりが良く、着用感に優れた布製生理用ナプキンを提供すること。
【解決手段】布製生理用ナプキンは、吸水速乾性生地からなる表面層、吸水性生地からなる吸収層、および透湿防水性生地からなる裏面層が順に積層されたナプキン本体、ナプキン本体の両側に配され、ナプキン本体を下着のクロッチ部分に着脱可能に固定する一対の固定部、およびナプキン本体と一対の固定部との間に配された一対のサイド部を有し、ナプキン本体、固定部およびサイド部は袋縫いされており、一対の固定部は、一方の固定部に配され第1の布地からなる第1の固定面と、他方の固定部に配され第1の布地と対になる第2の布地からなる第2の固定面とを有し、第1の固定面と該第2の固定面とを合わせることにより互いに貼り付くことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水速乾性生地からなる表面層、吸水性生地からなる吸収層、および透湿防水性生地からなる裏面層が順に積層されたナプキン本体、
該ナプキン本体の両側に配され、該ナプキン本体を下着のクロッチ部分に着脱可能に固定する一対の固定部、および
前記ナプキン本体と前記一対の固定部との間に配された一対のサイド部を有し、
前記ナプキン本体、固定部およびサイド部は袋縫いされており、
前記一対の固定部は、一方の固定部に配され第1の布地からなる第1の固定面と、他方の固定部に配され前記第1の布地と対になる第2の布地からなる第2の固定面とを有し、該第1の固定面と該第2の固定面とを合わせることにより互いに貼り付くことを特徴とする、布製生理用ナプキン。
【請求項2】
前記表面層は、着用時に着用者の肌に接触する側から順に配された、
合成繊維からなり、表面に撥水性糸を用いた吸水速乾性生地からなる第1の表面層と、
合成繊維からなり、抗菌性を有する吸水速乾性生地からなる第2の表面層と、の2層構造を有する、請求項1に記載の布製生理用ナプキン。
【請求項3】
前記吸収層は、消臭機能を有する吸水性綿からなる、請求項1に記載の布製生理用ナプキン。
【請求項4】
前記裏面層は、着用時に前記下着に接触する側から順に配された、
消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる第1の裏面層と
透湿防水性生地からなる第2の裏面層と、
2層構造を有する、請求項1に記載の布製生理用ナプキン。
【請求項5】
前記サイド部は、着用時に着用者の肌に接する側に配され、透湿防水性生地からなる表布と、着用時に下着に接触する側に配され、消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる裏布と、の2層構造を有している、請求項1に記載の布製生理用ナプキン。
【請求項6】
前記ナプキン本体のサイド部分が、透湿防水性生地でパイピング処理されている、請求項1に記載の布製生理用ナプキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布製生理用ナプキンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキンとしては、吸水性樹脂を使用した使い捨てタイプのナプキンが多く使われてきた。しかし、使用者によっては、使い捨てタイプのナプキンを使用すると、その素材によっては、接触部位の皮膚にかぶれやかゆみが生じること、また、使用済みナプキンはゴミとして廃棄されるため、環境に負荷を与える点などが考慮され、近年、布製生理用ナプキンが見直され、その使用が徐々に広まりつつある(例えば、特許文献1)。
布製生理用ナプキンは、洗濯すれば再利用が可能である、肌当たりが柔らかい、蒸れたりかぶれたりすることが少ない等の利点がある。
例えば、特許文献1には、ハンカチ型の専用布部材を、ショーツの股下部で包み、面ファスナー又はスナップボタンからなる一対の固定部材で固定させて着用する布ナプキンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-116498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような生理用ナプキンはデリケートな肌に直接触れるものであるため、特に肌当たりの柔らかさが求められるが、従来の布製生理用ナプキンでは、縫い目が表側に露出しており、縫い目部分が肌に当たることで肌当たりを低下させていた。
【0005】
また、生理用ナプキンをショーツのクロッチ部分に固定する固定部が、従来の布製生理用ナプキンでは、ナプキン本体の両側に配された一対の羽根でクロッチ部分を包み込み、スナップによって羽根同士を留めるものであった。このような生理用ナプキンでは、着用時にスナップ部分が硬く異物感を生じるものとなり、着用感を損ねるものであった。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、肌当たりが良く、着用感に優れた布製生理用ナプキンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]
吸水速乾性生地からなる表面層、吸水性生地からなる吸収層、および透湿防水性生地からなる裏面層が順に積層されたナプキン本体、
該ナプキン本体の両側に配され、該ナプキン本体を下着のクロッチ部分に着脱可能に固定する一対の固定部、および
前記ナプキン本体と前記一対の固定部との間に配された一対のサイド部を有し、
前記ナプキン本体、固定部およびサイド部は袋縫いされており、
前記一対の固定部は、一方の固定部に配され第1の布地からなる第1の固定面と、他方の固定部に配され前記第1の布地と対になる第2の布地からなる第2の固定面とを有し、該第1の固定面と該第2の固定面とを合わせることにより互いに貼り付くことを特徴とする、布製生理用ナプキン。
[2]
前記表面層は、着用時に着用者の肌に接触する側から順に配された、
合成繊維からなり、表面に撥水性糸を用いた吸水速乾性生地からなる第1の表面層と、
合成繊維からなり、抗菌性を有する吸水速乾性生地からなる第2の表面層と、の2層構造を有する、[1]に記載の布製生理用ナプキン。
[3]
前記吸収層は、消臭機能を有する吸水性綿からなる、[1]または[2]に記載の布製生理用ナプキン。
[4]
前記裏面層は、着用時に前記下着に接触する側から順に配された、
消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる第1の裏面層と
透湿防水性生地からなる第2の裏面層と、
2層構造を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の布製生理用ナプキン。
[5]
前記サイド部は、着用時に着用者の肌に接する側に配され、透湿防水性生地からなる表布と、着用時に下着に接触する側に配され、消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる裏布と、の2層構造を有している、[1]~[4]のいずれかに記載の布製生理用ナプキン。
[6]
前記ナプキン本体のサイド部分が、透湿防水性生地でパイピング処理されている、[1]~[5]のいずれかに記載の布製生理用ナプキン。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、肌当たりが良く、着用感に優れた布製生理用ナプキンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の布製生理用ナプキンの一構成例を示す上面図および断面図である。
図2】本発明の布製生理用ナプキンの一構成例を示す下面図および断面図である。
図3図1および図2に示す布製生理用ナプキンを裏返した状態を示す上面図である。
図4図1および図2に示す布製生理用ナプキンを裏返した状態を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示の実施の形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について、詳細に説明する。本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0011】
図1は、本発明の布製生理用ナプキンの一構成例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は断面図である。図2は、本発明の布製生理用ナプキンの一構成例を示す図であり、(a)は下面図、(b)は断面図である。また、図3は、図1および図2に示す布製生理用ナプキンを裏返した状態を示す上面図である。図4は、図1および図2に示す布製生理用ナプキンを裏返した状態を示す下面図である。図3および図4において、点線および波線は縫い目を示す。
【0012】
本発明の布製生理用ナプキン1は、吸水速乾性生地からなる表面層11、吸水性生地からなる吸収層12、および透湿防水性生地からなる裏面層13が順に積層されたナプキン本体10、ナプキン本体10の両側に配され、ナプキン本体10を下着のクロッチ部分に着脱可能に固定する一対の固定部20a,20b、および、ナプキン本体10と前記一対の固定部20a,20bとの間にそれぞれ配された一対のサイド部30を有する。
そして、本発明の布製生理用ナプキン1は、ナプキン本体10、固定部20a,20bおよびサイド部30は袋縫いされており、一対の固定部20a,20bは、一方の固定部20aに配され第1の布地からなる第1の固定面21と、他方の固定部20bに配され第1の布地と対になる第2の布地からなる第2の固定面22bとを有し、第1の固定面21と第2の固定面22とを合わせることにより互いに貼り付くことを特徴とする。
【0013】
本発明の布製生理用ナプキン1では、全ての縫い目を袋縫いとすることで、縫い目が表側に出ないため、肌当たりを良くすることができる。また、固定部20a,20bを従来のスナップ等から、互いに貼り付く一対の布面で固定することにより、硬い当たりや異物感がなくなり、肌当たりを柔らかいものとすることができる。
また、スナップであると留め位置の調整を行うことが難しいが、布面での固定であると、留め位置を無段階で調整することができる。
これにより、本発明の布製生理用ナプキン1は、肌当たりが良く、着用感に優れたものとなる。
【0014】
(表面層)
表面層11は、吸水速乾性生地からなり、着用時には、着用者の肌に直接接触する部分である。
表面層11は、着用時に着用者の肌に接触する側から順に配された、合成繊維からなり、表面に撥水性糸を用いた吸水速乾性生地からなる第1の表面層11aと、合成繊維からなり、抗菌性を有する吸水速乾性生地からなる第2の表面層11bと、の2層構造を有する。
【0015】
第1の表面層11aは、合成繊維、例えばポリエチレン等からなる吸水速乾素材から構成される。
また、第1の表面層11aでは、表面に撥水糸を使用することで、経血を吸収した後の逆戻りを防ぐことができる。これにより、着用者の肌に直接接触したときの肌触りをサラサラとしたものとすることができる。
このような第1の表面層11aを構成する生地としては、例えば、帝人フロンティア(株)製の「カラット(登録商標) SW3300」を用いることができる。この「カラット」は、表面に凹凸があり、水分を肌面に感じさせにくい構造となっている。
【0016】
第2の表面層11bは、合成繊維、例えばポリエチレン等からなる吸水速乾素材から構成される。
また、第2の表面層11bでは、例えば銀イオンが練り込まれていることにより、抗菌性を有するものとなる。銀イオンの優れた抗菌効果により、様々な菌の増殖を抑制することができる。また、銀イオンは素材中に練り込まれていることで、効果を長期間にわたって持続することができる。
このような第2の表面層11bを構成する生地としては、例えば、KBセーレン(株)製の「リフレスマイル(登録商標) SW3373」を用いることができる。
【0017】
このように、表面層11が吸水速乾性を有することにより、表面に付着した経血等を速やかに透過させて吸収層12へと移動させることができる。特に、表面層11が速乾性を有することにより、ナプキン1表面のサラサラ感を維持することができ、肌当たりを良好なものとすることができる。また、表面層11が抗菌性を有することで菌の増殖が抑えられ、臭いの発生、皮膚のかゆみやかぶれの発生を抑制することができる。
【0018】
(吸収層)
吸収層12は、吸水性綿からなり、経血を吸収し保持する機能を有する。
吸収層12は、消臭機能を有することが好ましい。特に、アンモニアに対する消臭性が高いことが好ましい。これにより、外部への臭いの漏れを抑制することができる。
【0019】
このような吸水綿としては、例えば、帝人フロンティア(株)の「ベルオアシス(登録商標) KK0203」を用いることができる。この「ベルオアシス」は、木綿の約7倍、B型シリカゲルの約2倍に相当する、優れた吸湿能力を有する。さらに、吸水・吸湿を繰り返しても、優れた吸湿能力を長期間にわたって維持することができる。
【0020】
具体的には、例えば、本実施形態では、吸水綿として、アクリル30%、レーヨン20%、ポリエステル20%、ベルオアシス30%、の混率で混用した「わた」を使用している。
【0021】
(裏面層)
裏面層13は、透湿防水性生地からなり、吸収層12に吸収された経血等が下着側に漏れないようにブロックする機能を有する。
裏面層13は、着用時に下着に接触する側から順に配された、消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる第1の裏面層13aと、透湿防水性生地からなる第2の裏面層13bと、の2層構造を有する。
【0022】
裏面層13を、防水性生地の2層構成にすることで、ナプキン本体10部から貫通しての経血の漏れをより確実に防止することができる。
また、裏面層13が透湿性を有することにより、蒸れを抑制することができる。
【0023】
第1の裏面層13aは、消臭、制菌加工された透湿防水ニットから構成される。
このような透湿防水ニットとしては、例えば、(株)カラキの「STC4300BC」を用いることができる。
このニット生地「STC4300BC」には、クリーンガード消臭加工とバイオガード制菌加工とが施されていることで、高い消臭性と制菌性を有するものとなる。これにより外部への臭いの漏れや、皮膚のかゆみやかぶれの発生を抑制することができる。
さらに、ポリウレタンラミネートによるサイトス(透湿)加工が施されていることで、高い透湿性を有するものとなり、蒸れを抑制することができる。
【0024】
第2の裏面層13bは、透湿防水性生地から構成される。
このような生地としては、例えば、透湿防水ニットラミネート生地である、マスダ(株)の「カチオンマルチストレッチニット CD-3030R」を用いることができる。
この「カチオンマルチストレッチニット」は、繊度30d(33dt)のハイマルチのカチオン加工糸を使用した、軽量かつハイゲージでソフトなニット素材に耐久撥水加工を施し、裏面に高機能ポリウレタンフィルムをラミネートした素材であり、耐久撥水圧15,000mmレベルの高い耐水圧、透湿度15,000g/m/24hレベルの高い透湿性を有する。
【0025】
(固定部)
固定部20a,20bは、ナプキン本体10の両側に一対の羽根状に配され、ナプキン本体10を下着のクロッチ部分に着脱可能に固定する。具体的には、ナプキン本体10と、一対の固定部20a,20bとでクロッチ部分を包み込み、固定部20aと固定部20bとを合わせて固定する。
【0026】
上述したように、羽根状の一対の固定部をスナップ等により留めると、着用時にスナップ部分が硬く異物感を生じるものとなり、着用感を損ねてしまう。
そこで本発明では、一対の固定部20a,20bを留めるために、スナップではなく、面で留める布製の固定部材を用いている。
【0027】
なお、面で留める固定部材として、フック面とループ面とを組み合わせる面ファスナーが挙げられるが、面ファスナーは、その構造的にフック面が硬く、厚くなるため、着用時に異物感を生じさせ、肌当たりや着用感を損ねてしまう。
本発明では、フック面とループ面とを有する面ファスナーではなく、布製の固定部材を用い、固定部20a,20bを柔らかい素材で構成することで、着用時に異物感がなく、肌当たりや着用感に優れたものとすることができる。
【0028】
一対の固定部20a,20bは、一方の固定部20aに配され第1の布地からなる第1の固定面21と、他方の固定部20bに配され第1の布地と対になる第2の布地からなる第2の固定面22とを有し、第1の固定面21と第2の固定面22とを合わせることにより互いに貼り付く。
このような布製の固定部材としては、例えば、島田商事(株)が販売する便利國際有限公司(台湾)製ののスティッキーファブリックを用いることができる。
【0029】
本実施形態において、固定部20aの第1の固定面21の反対側の面は、透湿防水性生地からなる第1の裏面層13a、サイド部30の裏布30bと連続した一枚布で構成されている。また、固定部20bの第2の固定面22の反対側の面は、第1の表面層11aと同様の吸水速乾素材から構成されている。
【0030】
(サイド部)
サイド部30は、ナプキン本体10と一対の固定部20a,20bとの間に配され、ナプキン本体10と固定部20a,20bとをそれぞれつないでいる。
サイド部30は、着用時に着用者の肌に接する側に配され、透湿防水性生地からなる表布30aと、着用時に下着に接触する側に配され、消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる裏布30bと、の2層構造を有している、
【0031】
本実施形態において、サイド部30の表布30aは、第2の裏面層13bと同様の透湿防水性生地から構成される。また、裏布30bは、消臭、制菌加工された透湿防水ニットからなる第1の裏面層13aと連続した一枚布で構成されている。
これにより、サイド部30からの経血の漏れを防止できるとともに、サイド部30が透湿性を有することにより、蒸れを抑制することができる。
【0032】
そして、本発明の布製生理用ナプキン1では、ナプキン本体10、固定部20a,20bおよびサイド部30の全ての縫い目は袋縫いされている、すなわち、図3および図4に示すように、点線および波線部分で各部材を縫い合わせた後、折り返し部2で裏返すことにより、ナプキン1の表面には縫い目が露出しない構成とされている。
これにより、着用時に縫い目が肌に当たることなく、肌当たり、着用感を良好なものとすることができる。
【0033】
さらに、図1,2および4に示すように、ナプキン1の内側において、ナプキン本体10のサイド部分が、透湿防水性生地14でパイピング処理されていることが好ましい。図に示す例では、ナプキン本体10として、第2の表面層11b、吸収層12、および第2の裏面層13bからなる積層体のサイド部分が透湿防水性生地14でパイピング処理されている。これにより、縫い目部分を伝っての経血等の漏れを抑制し、ナプキン1の周縁部からの経血等の漏れを抑制することができる。
透湿防水性生地14としては、第2の裏面層13bと同様の透湿防水性生地を用いることができる。
【0034】
このような布製生理用ナプキン1を着用する際には、ナプキン本体10の裏面層13側をショーツのクロッチ部分に対向させて配し、羽根状の一対の固定部20a,20bでクロッチ部分を包み込み、固定部20aの第1の固定面21と固定部20bの第2の固定面22とを合わせて留めることにより、ショーツに取り付ける。
【0035】
特に、本発明の布製生理用ナプキン1では、固定部20a,20bとして、互いに貼り付く一対の布面で固定することにより、従来のスナップや面ファスナーのような硬い当たりや異物感がなくなり、肌当たりを柔らかいものとすることができる。また、布面での固定とすることで、留め位置を無段階で容易に調整することができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0037】
例えば、本発明の布製生理用ナプキンは、生理用ナプキンとしての用途以外にも、例えば、おりものシート、尿漏れパッド、怪我時の吸血帯等、体液を吸収する吸収帯としても、好適に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明による布製生理用ナプキンを用いることで、肌当たりが良く、着用感に優れたものとなり、生理用ナプキンとして広く利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 :布製生理用ナプキン
2 :折り返し部
10 :ナプキン本体
11 :表面層
11a:第1の表面層
11b:第2の表面層
12 :吸収層
13 :裏面層
13a:第1の裏面層
13b:第2の裏面層
14 :撥水生地
20 :固定部
21 :第1の固定面
22 :第2の固定面
30 :サイド部
30a:表布
30b:裏布
図1
図2
図3
図4