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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007385
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8234 20060101AFI20240110BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L27/088 B
H01L29/78 301H
H01L29/78 301Z
H01L29/78 301G
H01L29/78 301P
H01L29/78 301S
H01L27/088 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100209
(22)【出願日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081410
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】權 兌 勇
(72)【発明者】
【氏名】金 允 中
(72)【発明者】
【氏名】金 勝 ミン
(72)【発明者】
【氏名】李 道 建
【テーマコード(参考)】
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
5F048AC01
5F048BA01
5F048BB04
5F048BD06
5F048BD10
5F048BG01
5F048CB08
5F140AB01
5F140BA01
5F140BA05
5F140BB05
5F140BC12
5F140BC13
5F140BD04
5F140BD05
5F140BE07
5F140BE09
5F140BF03
5F140BG01
5F140BG02
5F140BG08
5F140BH02
5F140BH05
5F140BH06
5F140BK18
5F140CB04
5F140CC02
5F140CE05
(57)【要約】
【課題】目標とする電気的特性を有するトランジスタを含む半導体素子を提供する。
【解決手段】半導体素子は、基板上に設けられる第1のチャネル構造物、第1のゲート構造物、及び第1のチャネル構造物と連結され、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物を含む第1のトランジスタが設けられる。基板上に設けられる第2のチャネル構造物、第2のゲート構造物、及び第2のゲート構造物の一側には、第2のチャネル構造物に接続される第1の容積と異なる第2の容積を有する第2の不純物領域構造物が設けられ、第2のゲート構造物の他の一側には、第1の不純物領域構造物が隣接するバッファトランジスタを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、前記基板の表面と平行な第1方向に互いに離隔して並んで配置され、それぞれが、前記基板の表面と平行で、前記第1方向に垂直な第2方向に第1の幅を有し、前記基板の表面に垂直な垂直方向に離隔したシリコンパターンを含む第1のチャネル構造物と、
前記基板上に、前記第1のチャネル構造物と隣接して配置され、前記第1方向に互いに離隔して並んで配置され、それぞれが、前記第2方向に第1の幅よりも狭い第2の幅を有し、前記基板の表面に垂直な垂直方向に離隔したシリコンパターンを含む第2のチャネル構造物と、
前記第1のチャネル構造物の間で、隣接する第1のチャネル構造物の側壁を連結し、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物と、
前記第2のチャネル構造物の間で、隣接する第2のチャネル構造物の側壁を連結し、前記第1の容積よりも小さい第2の容積を有する第2の不純物領域構造物と、
前記第1及び第2のチャネル構造物の間で、隣接する第1及び第2のチャネル構造物の側壁を連結し、前記第1の容積よりも小さく、前記第2の容積よりも大きい第3の容積を有する第3の不純物領域構造物と、
前記第1乃至第3の不純物領域構造物の間にそれぞれ設けられ、それぞれは、前記第1及び第2のチャネル構造物のうちの1つを覆い、前記第2方向に延在するゲート構造物と、を含むことを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記第1の不純物領域構造物の前記第2方向の最大幅は、前記第1の幅よりも広い第3の幅を有し、前記第2の不純物領域構造物の前記第2方向の最大幅は、前記第2の幅よりも広く、前記第3の幅よりも狭い第4の幅を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第3の不純物領域構造物の前記第2方向の最大幅は、前記第3の幅よりも狭く、前記第4の幅より広い第5の幅を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記第1乃至第3の不純物領域構造物のそれぞれは、前記第1方向に同一の幅を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第2及び第3の不純物領域構造物の間には、前記第2のチャネル構造物を覆う第1のバッファゲート構造物が設けられて、第1のバッファトランジスタとして提供され、前記第1及び第3の不純物領域構造物の間には、前記第1のチャネル構造物を覆う第2のバッファゲート構造物が設けられて、第2のバッファトランジスタとして提供されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記第2及び第3の不純物領域構造物の間には、前記第2のチャネル構造物を覆う第1のバッファゲート構造物が設けられて、第1のバッファトランジスタとして提供され、前記第1のバッファゲート構造物に隣接する前記第1及び第3の不純物領域構造物の間には、第1の分離パターンが設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記第1及び第3の不純物領域構造物の間には、前記第1のチャネル構造物を覆う第2のバッファゲート構造物が設けられて、第2のバッファトランジスタとして提供され、前記第2のバッファゲート構造物に隣接する前記第2及び第3の不純物領域構造物の間には、第2の分離パターンが設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記第1の不純物領域構造物は、隣接する第1のチャネル構造物の側壁から第2方向に突出し、前記第2の不純物領域構造物は、隣接する第2のチャネル構造物の側壁から突出し、前記第3の不純物領域構造物は、隣接するそれぞれの第1及び第2のチャネル構造物の側壁から前記第2方向に突出する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記第1乃至第3の不純物領域構造物は、半導体物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項10】
平面図からすると、前記第3の不純物領域構造物は、前記第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに非対称の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項11】
平面図からすると、前記第3の不純物領域構造物は、前記第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに非対称の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項12】
平面図からすると、それぞれの前記第1及び第2の不純物領域構造物は、前記第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項13】
基板上に設けられ、前記基板の表面と平行な第2方向に第1の幅を有する第1のチャネル構造物と、前記第1のチャネル構造物を覆い、前記基板の表面と平行で、前記第2方向に延在する第1のゲート構造物と、前記第1のゲート構造物において、前記第2方向に垂直な第1方向の両側にそれぞれ設けられ、前記第1のチャネル構造物に接続され、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物とを含む第1のトランジスタと、
前記基板上に設けられ、前記第2方向に第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2のチャネル構造物と、前記第2のチャネル構造物を覆い、前記第2方向に延在する第2のゲート構造物と、前記第2のゲート構造物において、前記第1方向の両側にそれぞれ設けられ、前記第2のチャネル構造物に接続され、前記第1の容積よりも小さい第2の容積を有する第2の不純物領域構造物を含む第2のトランジスタと、
前記基板において、前記第1及び第2のトランジスタの間に設けられ、第3のチャネル構造物と、前記第3のチャネル構造物を覆い、前記第2方向に延在する第3のゲート構造物と、前記第3のゲート構造物の前記第1方向の一側において、前記第3のチャネル構造物に接続される第3の不純物領域構造物と、前記第3のゲート構造物の前記第1方向の他の一側において、前記第3のチャネル構造物に接続され、前記第3の不純物領域構造物と異なる容積を有する第4の不純物領域構造物とを含むバッファトランジスタを含むことを特徴とする半導体素子。
【請求項14】
前記第3の不純物領域構造物と前記第1の不純物領域構造物は、互いに共有して、1つの不純物領域構造物として提供され、前記第4の不純物領域構造物は、前記第1の容積よりも小さく、前記第2の容積よりも大きい第3の容積を有することを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記第4の不純物領域構造物と前記第2の不純物領域構造物との間には、分離パターンを含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記第3の不純物領域構造物と前記第2の不純物領域構造物は、互いに共有して1つの不純物領域構造物として提供され、前記第4の不純物領域構造物は、前記第1の容積よりも小さく、前記第2の容積よりも大きい第3の容積を有することを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記第4の不純物領域構造物と前記第1の不純物領域構造物との間には、分離パターンを含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体素子。
【請求項18】
それぞれの前記第1乃至第3のチャネル構造物は、前記基板表面に垂直な垂直方向に離隔するシリコンパターンを含み、
それぞれの前記第1乃至第3のゲート構造物は、前記シリコンパターンの間の隙間を満たして延在することを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項19】
前記バッファトランジスタは、前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの少なくとも1つと電気的に接続されることを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項20】
基板上に設けられる第1のチャネル構造物と、前記第1のチャネル構造物を覆い、前記基板表面と平行な第2方向に延在する第1のゲート構造物と、前記第1のゲート構造物において、前記第2方向に垂直な第1方向の両側に設けられ、前記第1のチャネル構造物と接続され、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物を含む第1のトランジスタと、
前記基板上に設けられる第2のチャネル構造物と、前記第2のチャネル構造物を覆い、前記第2方向に延在する第2のゲート構造物と、前記第2のゲート構造物において、前記第1方向の一側には、前記第2のチャネル構造物に接続され、前記第1の容積と異なる第2の容積を有する第2の不純物領域構造物が設けられ、前記第2のゲート構造物において、前記第1方向の他の一側には、前記第1の不純物領域構造物が隣接するバッファトランジスタとを含むことを特徴とする半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子に関し、より詳しくは、マルチブリッジチャネル電界効果トランジスタ(MBCFET、multi bridge channel field effect transistor)を含む半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直に積層された複数のチャネルを含むマルチブリッジチャネル電界効果トランジスタが開発されている。マルチブリッジチャネル電界効果トランジスタは、目標とする電気的特性を有するように形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-128508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、目標とする電気的特性を有するトランジスタを含む半導体素子を提供することにある。
【0005】
本発明は、マルチブリッジチャネル電界効果トランジスタ(MBC-FET)を含み、目標とする電気的特性を有する半導体素子に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明において、目標とする電気的特性は、ゲート構造の側面に配置されたテーパー(tapered)形状のフィン(fin)構造物の幅によって変わる体積を有するように、トランジスタの不純物領域構造物を設計することで達成することができる。
【0007】
具体的には、ゲート構造物の側面にあるソース及び/又はドレイン領域のサイズによって、目標とする電気的特性を有するトランジスタが提示される。上記トランジスタは、MHz周波数範囲で動作する高周波トランジスタの電気的特性、及び、Hz周波数範囲で動作する低周波トランジスタの電気的特性をいずれも有する中周波トランジスタである。場合によって、上記トランジスタは、互いに異なるソース及びドレイン特性を基に、高電力/低電力バッファの役割を果たす。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体素子は、基板上に、前記基板の表面と平行な第1方向に互いに離隔して並んで配置され、それぞれが、前記基板の表面と平行で、前記第1方向に垂直な第2方向に第1の幅を有し、前記基板の表面に垂直な垂直方向に離隔したシリコンパターンを含む第1のチャネル構造物が設けられる。前記基板上に、前記第1のチャネル構造物と隣接して配置され、前記第1方向に互いに離隔して並んで配置され、それぞれは、前記第2方向に第1の幅よりも狭い第2の幅を有し、前記基板の表面に垂直な垂直方向に離隔したシリコンパターンを含む第2のチャネル構造物が設けられる。前記第1のチャネル構造物の間で、隣接する第1のチャネル構造物の側壁を連結し、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物が設けられる。前記第2のチャネル構造物の間で、隣接する第2のチャネル構造物の側壁を連結し、前記第1の容積よりも小さい第2の容積を有する第2の不純物領域構造物が設けられる。前記第1及び第2のチャネル構造物の間で、隣接する第1及び第2のチャネル構造物側壁を連結し、前記第1の容積よりも小さく、前記第2の容積よりも大きい第3の容積を有する第3の不純物領域構造物が設けられる。前記第1乃至第3の不純物領域構造物の間にそれぞれ設けられ、それぞれは、前記第1及び第2のチャネル構造物の1つを覆い、前記第2方向に延在するゲート構造物が設けられる。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による半導体素子は、基板上に設けられ、前記基板の表面と平行な第2方向に第1の幅を有し、第1のチャネル構造物と、前記第1のチャネル構造物を覆い、前記基板の表面と平行で、前記第2方向に延在する第1のゲート構造物と、前記第1のゲート構造物において、前記第2方向に垂直な第1方向の両側にそれぞれ設けられ、前記第1のチャネル構造物に接続され、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物とを含む第1のトランジスタが設けられる。前記基板上に設けられ、前記第2方向に第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2のチャネル構造物と、前記第2のチャネル構造物を覆い、前記第2方向に延在する第2のゲート構造物と、前記第2のゲート構造物において、前記第1方向の両側にそれぞれ設けられ、前記第2のチャネル構造物に接続され、前記第1の容積よりも小さい第2の容積を有する第2の不純物領域構造物を含む第2のトランジスタが設けられる。前記基板において、前記第1及び第2のトランジスタの間に設けられ、第3のチャネル構造物と、前記第3のチャネル構造物を覆い、前記第2方向に延在する第3のゲート構造物と、前記第3のゲート構造物の前記第1方向の一側において、前記第3のチャネル構造物に接続される第3の不純物領域構造物と、前記第3のゲート構造物の前記第1方向の他の一側において、前記第3のチャネル構造物に接続され、前記第1の容積よりも小さく、前記第2の容積よりも大きい第3の容積を有する第4の不純物領域構造物と、を含むバッファトランジスタが設けられる。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明のさらに他の態様による半導体素子は、基板上に設けられる第1のチャネル構造物と、前記第1のチャネル構造物を覆い、前記基板の表面と平行な第2方向に延在する第1のゲート構造物と、前記第1のゲート構造物において、前記第2方向に垂直な第1方向の両側に設けられ、前記第1のチャネル構造物と接続され、第1の容積を有する第1の不純物領域構造物を含む第1のトランジスタが設けられる。前記基板上に設けられる第2のチャネル構造物と、前記第2のチャネル構造物を覆い、前記第2方向に延在する第2のゲート構造物と、前記第2のゲート構造物において、前記第1方向の一側には、前記第2のチャネル構造物に接続され、前記第1の容積と異なる第2の容積を有する第2の不純物領域構造物が設けられ、前記第2のゲート構造物において、前記第1方向の他の一側には、前記第1の不純物領域構造物が隣接するバッファトランジスタが設けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による半導体素子は、互いに異なる容積を有する不純物領域構造物を含むバッファトランジスタを含むことができる。バッファトランジスタは、高電力特性を有する第1のトランジスタと、低電力特性を有する第2のトランジスタとの中間程度の性能で動作するトランジスタとして提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図2】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
図3】本発明の一実施形態による半導体素子のアクティブ構造物を説明するための平面図である。
図4】本発明の一実施形態による半導体素子のアクティブ構造物を説明するための斜視図である。
図5a】本発明の一実施形態による半導体素子に含まれるトランジスタを示す斜視図である。
図5b】本発明の一実施形態による半導体素子に含まれるトランジスタを示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による半導体素子に含まれるトランジスタを示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による半導体素子に含まれるトランジスタを示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図11】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための斜視図である。
図12】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図13】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための斜視図である。
図14】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図15】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図16】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図17】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための斜視図である。
図18】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための斜視図である。
図19】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図20】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
図21】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図である。
図22】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
図23】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図24】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図25】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図26】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
【0014】
以下では、基板の表面に平行な一方向を第1方向とし、基板の表面に平行で、第1方向に垂直な方向を第2方向として説明する。また、基板表面に垂直な方向を垂直方向として説明する。
【0015】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図及び断面図である。図3及び図4は、本発明の一実施形態による半導体素子のアクティブ構造物を説明するための平面図及び斜視図である。図5図7は、それぞれ本発明の一実施形態による半導体素子に含まれるトランジスタを示す斜視図である。
【0016】
図2は、図1におけるA-A’線に沿った断面図である。図5a及び図5bは、それぞれ第1及び第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタを示し、図6は、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタを示し、図7は、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタを示す。
【0017】
図1図7に示すように、半導体素子は、アクティブ構造物172に形成される第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)と、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)と、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)とを含む。
【0018】
アクティブ構造物172は、アクティブ領域の基板100上に形成される。アクティブ構造物172は、第1方向に延在する。アクティブ構造物172は、単結晶半導体物質を含む。
【0019】
アクティブ構造物172は、互いに離隔して配置されるチャネル構造物170a、170bと、チャネル構造物170a、170bの第1方向の両側壁に隣接してチャネル構造物170a、170bを連結する不純物領域構造物150a、150b、150cとを含む。アクティブ構造物172は、第1方向に、チャネル構造物170a、170b及び不純物領域構造物150a、150b、150cが交互に繰返して配置される構造を有する。
【0020】
アクティブ構造物172内には、第2方向に互いに異なる幅を有する複数のチャネル構造物170a、170bが含まれる。他の実施形態において、チャネル構造物170a、170bは、第2方向に第1の幅(W1)を有する第1のチャネル構造物170aと、第2方向に第1の幅(W1)よりも狭い第2の幅(W2)を有する第2のチャネル構造物170bとを含む。平面図からみると、第1のチャネル構造物170aは、第1方向に互いに離隔して並んで配置され、第2のチャネル構造物170bは、第1方向に互いに離隔して並んで配置される。第1のチャネル構造物170aが第1方向に離隔する間隔は、互いに同一である。また、第2のチャネル構造物170bの間の第1方向に離隔する間隔は、互いに同一である。
【0021】
他の実施形態において、チャネル構造物170a、170bは、第1方向に互いに同一の幅を有する。
【0022】
図2図4に示すように、チャネル構造物170a、170bは、シリコンパターン104aが垂直方向に互いに離隔して積層された構造を有する。シリコンパターン104a間の部位には、隙間が形成される。シリコンパターン104aは、単結晶シリコンを含む。
【0023】
アクティブ構造物172において、不純物領域構造物150a、150b、150cは、第1のチャネル構造物170aの間に配置される第1の不純物領域構造物150aと、第2のチャネル構造物170bの間に配置される第2の不純物領域構造物150bと、第1及び第2のチャネル構造物170a、170bの間に配置される第3の不純物領域構造物150cとを含む。
【0024】
不純物領域構造物150a、150b、150cは、半導体物質を含む。他の実施形態において、それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、単結晶シリコンを含む。他の実施形態において、それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、単結晶シリコンゲルマニウムを含む。
【0025】
断面図からすると、それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、チャネル構造物170a、170b内の垂直方向に配置されたシリコンパターン104aの側壁に隣接してチャネル構造物170a、170bの間を互いに連結する。
【0026】
第1~第3の不純物領域構造物150a、150b、150cは、基板から突出する第1のアクティブフィンから選択エピタキシャル成長されて形成される。第1のアクティブフィンは、第2方向に第1の幅を有し、第2方向の両側壁が直線形状を有する第1の部位と、第2方向に第1の幅よりも狭い第2の幅を有し、第2方向の両側壁が直線形状を有する第2の部位と、第1及び第2の部位の間に位置し、少なくとも1つの第2方向の側壁がテーパー(tapered)形状を有する第3の部位とを含む。
【0027】
他の実施形態において、第1~第3の部位の第2方向の第1の側壁は、第1方向に延在する直線の形状を有する。第3の部位の第2方向の第2の側壁は、傾斜した形状を有する。
【0028】
第1の不純物領域150aは、第1の部位から選択エピタキシャル成長工程により、形成される。第2の不純物領域150bは、第2の部位から選択エピタキシャル成長工程により、形成される。第3の不純物領域150cは、第3の部位から選択エピタキシャル成長工程により、形成される。
【0029】
第1の不純物領域構造物150aの第2方向の最大幅は、第1の幅(W1)よりも広い第3の幅(W3)を有する。平面図からすると、第1の不純物領域構造物150aは、互いに同一の第1のサイズを有する。第1の不純物領域構造物150aは、互いに同一の第1の容積を有する。他の実施形態において、平面図からすると、第1の不純物領域構造物150aは、第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。平面図からすると、第1の不純物領域構造物150aは、第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。
【0030】
第2の不純物領域構造物150bの第2方向の最大幅は、第2の幅(W2)よりも広く、第3の幅(W3)よりも狭い第4の幅(W4)を有する、平面図からすると、第2の不純物領域構造物150bは、第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有する。第2の不純物領域構造物150bは、第1の容積よりも小さい第2の容積を有する。
【0031】
他の実施形態において、平面図からすると、第2の不純物領域構造物150bは、第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。平面図からすると、第2の不純物領域構造物150bは、第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。
【0032】
第3の不純物領域構造物150cの第2方向の最大幅は、第4の幅(W4)よりも広く、第3の幅(W3)よりも狭い第5の幅(W5)を有する、平面図からすると、第3の不純物領域構造物150cは、第1のサイズよりも小さく、第2のサイズよりも大きい第3のサイズを有する。第3の不純物領域構造物150cは、第1の容積よりも小さく、第2の容積よりも大きい第3の容積を有する。
【0033】
他の実施形態において、平面図からすると、第3の不純物領域構造物150cは、第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに非対称の形状を有する。平面図からすると、第3の不純物領域構造物150cは、第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに非対称の形状を有する。平面図からすると、第3の不純物領域構造物150bにおいて、第1のアクティブフィンの第3の部位の傾斜した第2の側壁から成長した部位と、第1のアクティブフィンの第3の部位の直線形状の第1の側壁から成長した部位とは、互いに異なる形状を有する。
【0034】
第1~第3の不純物領域構造物150a、150b、150cにおいて、最上部平坦面の第2方向の長さは互いに異なる。不純物領域構造物の第2方向の幅が増えるほど、最上部平坦面の長さが増える。そこで、第1の不純物領域構造物150aの平坦面の長さが最も長く、第2の不純物領域構造物150bの平坦面の長さが最も短い。
【0035】
不純物領域構造物150a、150b、150cは、単結晶シリコン物質を含む。他の実施形態において、不純物領域構造物150a、150b、150cは、シリコン、又はシリコンゲルマニウムを含む。不純物領域構造物には、不純物がドーピングされる。不純物領域構造物150a、150b、150cは、マルチブリッジチャネルトランジスタのソース・ドレイン領域として提供される。
【0036】
それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、第2方向に切断した断面から見ると、中心部が突出する多角形(例えば、五角形、六角形、あるいは、四角形の一部形状)の形状を有する。第1の不純物領域構造物150aは、隣接する第1のチャネル構造物170aの側壁から、第2方向に突出する。第2の不純物領域構造物150bは、隣接する第2のチャネル構造物170bの側壁から突出する。第3の不純物領域構造物150cは、隣接する第1及び第2のチャネル構造物170a、170bのそれぞれの側壁から、第2方向に突出する。それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cの第2方向の最大幅は、それぞれの不純物領域150a、150b、150cと隣接するチャネル構造物170a、170bの第2方向の幅よりも大きい。他の実施形態において、第1~第3の不純物領域構造物150a、150b、150cのそれぞれは、第1方向に同一の幅を有する。
【0037】
それぞれのチャネル構造物170a、170bを取り囲み、第2方向に延在するゲート構造物180a、180b、180c、180dが設けられる。ゲート構造物180a、180b、180c、180dは、マルチブリッジチャネルトランジスタのゲートとして提供される。ゲート構造物180a、180b、180c、180dは、界面パターン(図示せず)、ゲート絶縁パターン181a、ゲート電極181b、及びキャップパターン181cを含む。ゲート構造物180a、180b、180c、180dは、各チャネル構造物170a、170bに含まれる隙間の内部を満たして、チャネル構造物170a、170bの表面を覆うように形成される。
【0038】
他の実施形態において、それぞれのゲート構造物180a、180b、180c、180dは、第1方向に同一の幅を有する。
【0039】
他の実施形態において、ゲート構造物180a、180b、180c、180dの上部側壁には、スペーサ196(図2)が更に設けられる。他の実施形態において、チャネル構造物170a、170bの隙間内には、ゲート構造物180a、180b、180c、180dの両側壁に形成されるインナースペーサ198(図2)が更に設けられる。
【0040】
アクティブ構造物172上に、ゲート構造物180a、180b、180c、180dが形成されることにより、アクティブ構造物172上には、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)、及びバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が形成される。
【0041】
他の実施形態において、アクティブ構造物172には、マルチブリッジチャネルトランジスタの間を電気的に分離させるための拡散ブレーキ領域(Diffusion Break、DB)が更に含まれる。該当拡散ブレーキ領域(DB)は、隣接する不純物領域構造物の間に位置する。拡散ブレーキ領域(DB)には、分離パターン190が設けられる。分離パターン190は、絶縁物質を含み、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを含む。
【0042】
第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)、及びバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)は、第1方向に配置され、ソース・ドレイン領域を互いに共有し、第1方向に直列接続される。
【0043】
図6に示すように、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)は、高性能を有する高電力トランジスタである。第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)は、第1のゲート構造物180aと、第1のゲート構造物180aの両側に配置される第1の不純物領域構造物150aとを含む。第1の不純物領域構造物150aは、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)の第1のソース・ドレイン領域として提供される。第1の不純物領域構造物150aは、第1の容積を有するので、第1のソース・ドレイン領域は、互いに同一の第1の容積を有する。第1のゲート構造物180aは、第1の不純物領域構造物150aの間に配置される第1のチャネル構造物170aを取り囲み、第2方向に延在する。第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)において、チャネル幅(width)は、第1の幅を有し、第1のソース・ドレイン領域は、第1の容積を有する。そのため、動作に際して、電流が増加し、動作速度が速い。
【0044】
図7に示すように、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)は、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)よりも低い性能である低性能を有する低電力トランジスタである。第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)は、第2のゲート構造物180bと、第2のゲート構造物の両側に配置される第2の不純物領域構造物150bとを含む。第2の不純物領域構造物150bは、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)の第2のソース・ドレイン領域として提供される。第2の不純物領域構造物150bは、第1の容積よりも小さい第2の容積を有するので、第2のソース・ドレイン領域は、互いに同一の第2の容積を有する。第2のゲート構造物180bは、第2の不純物領域構造物150bの間に配置される第2のチャネル構造物170bを取り囲み、第2方向に延在する。第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)において、チャネル幅は、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し、第2のソース・ドレイン領域は、第2の容積を有する。このように、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)は、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)に比べて、チャネル幅が小さく、第2のソース・ドレイン領域の容積が小さいので、動作に際して、電流が減少し、動作速度が遅い。
【0045】
バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)は、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の中間程度の性能で動作する。バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)は、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)のうちの少なくとも1つと電気的に接続される。
【0046】
他の実施形態において、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)は、互いに異なる電気的特性を有する複数のトランジスタからなる。一例として、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)、及び第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)を含む。
【0047】
図5aに示すように、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)は、第3のゲート構造物180cと、第3のゲート構造物180cの一側に配置される第3の不純物領域構造物150cと、第3のゲート構造物180cの他の一側に配置される第2の不純物領域構造物150bとを含む。第3のゲート構造物180cは、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3)のゲートの役割を果たす。ここで、第3の不純物領域構造物150cは、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)の第3のソース領域として提供される。第2の不純物領域構造物150bは、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)の第3のドレイン領域として提供される。第2の不純物領域構造物150bは、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)と第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)に共有されて、共同の不純物領域として提供される。第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)は、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)と電気的に接続される。
【0048】
そのため、第3のソース領域は、第1の容積よりも小さく、第2の容積よりも大きい第3の容積を有し、第3のドレイン領域は、第2の容積を有する。第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)において、第3のソース領域及び第3のドレイン領域は、互いに異なる容積を有する。
【0049】
第3のゲート構造物180cは、第3のソース・ドレイン領域の間に配置される第2のチャネル構造物170bを取り囲み、第2方向に延在する。第3のゲート構造物180cが第2のチャネル構造物170bと重ね合わされることにより、第1のバッファマルチブリッジトランジスタ(TR3a)のチャネルは、第2方向に、第2の幅(W2)を有する。
【0050】
ここで、第3のゲート構造物180cと重ね合わされる第2のチャネル構造物170bの第2方向の幅は、位置によって変わらない。第1のバッファマルチブリッジトランジスタ(TR3a)のチャネルの第2方向の幅が、位置によって変わらないので、チャネルの第2方向の幅が変わることで生じる電気的特性の偏りが発生しない。
【0051】
図5bに示すように、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)は、第4のゲート構造物180dと、第4のゲート構造物180dの一側に配置される第3の不純物領域構造物150cと、第4のゲート構造物180dの他の一側に配置される第1の不純物領域構造物150aとを含む。第4のゲート構造物180dは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)のゲートの役割を果たす。ここで、第3の不純物領域構造物150cは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)の第4のソース領域として提供される。第1の不純物領域構造物150aは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)の第4のドレイン領域として提供される。第1の不純物領域構造物150aは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)と第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)に共有されて、共同の不純物領域として提供される。第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)は、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)に電気的に接続される。
【0052】
そのため、第4のソース領域は、第1の容積よりも小さく、第2の容積よりも大きい第3の容積を有し、第4のドレイン領域は、第1の容積を有する。第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)において、第4のソース領域及び第4のドレイン領域は、互いに異なる容積を有する。
【0053】
第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)の第4のドレイン領域は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)の第3のドレイン領域よりも容積が大きいので、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)よりも高い性能を有する。
【0054】
第4のゲート構造物180dは、第4のソース・ドレイン領域の間に配置される第1のチャネル構造物170aを取り囲み、第2方向に延在する。第4のゲート構造物180dが第1のチャネル構造物170aと重ね合わされることにより、第2のバッファマルチブリッジトランジスタ(TR3a)のチャネルは、第2方向に、第2の幅よりも広い第1の幅を有する。
【0055】
ここで、第4のゲート構造物180dと重ね合わされる第1のチャネル構造物170aの第2方向の幅は、位置によって変わらない。第2のバッファマルチブリッジトランジスタ(TR3a)のチャネルの第2方向の幅が、位置によって変わらないので、チャネルの第2方向の幅が変わることで生じる電気的特性の偏りが発生しない。
【0056】
分離パターン190は、第3の不純物領域構造物150cに隣接して配置され、第2方向に延在する。分離パターン190は、不純物領域構造物の間に配置されて、不純物領域構造物を電気的に分離させる。他の実施形態において、分離パターン190は、第1の不純物領域構造物150a及び第3の不純物領域構造物150cの間に配置される。他の実施形態において、分離パターン190は、第2の不純物領域構造物150b及び第3の不純物領域構造物150cの間に配置される。
【0057】
他の実施形態において、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)の間には、1つの分離パターン190、及び少なくとも1つのバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が設けられる。
【0058】
一方、分離パターン190に隣接して、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が配置される。例えば、分離パターン190は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)と第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)の間に配置される。例えば、分離パターン190は、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)と第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)の間に配置される。
【0059】
第1~第4のゲート構造物180a、180b、180c、180d及び分離パターン190の側壁を覆う層間絶縁膜192が設けられる。
【0060】
上述したように、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ、及びバッファマルチブリッジチャネルトランジスタは、互いに異なる電気的特性を有する。
【0061】
図8図22は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための平面図、断面図、及び斜視図である。
【0062】
図8に示すように、基板100上に、シリコンゲルマニウム膜102及びシリコン膜104を交互に繰返して積層する。最上層のシリコン膜104上に、マスクパターン106を形成する。基板100は、単結晶シリコン基板である。
【0063】
シリコンゲルマニウム膜102及びシリコン膜104は、基板100の上部をシードとして用いる選択エピタキシャル成長工程により形成される。
【0064】
一実施形態において、シリコン膜104は、例えば、ジシラン(Si)ガスのようなシリコンソースガスを用いる選択エピタキシャル成長工程を行って形成される。シリコン膜104は、単結晶シリコンを含む。
【0065】
一実施形態において、シリコンゲルマニウム膜102は、例えば、ジクロロシラン(SiHCl)ガスのようなシリコンソースガス、四水素化ゲルマニウム(GeH)ガスのようなゲルマニウムソースガスを用いる選択エピタキシャル成長工程を行うことで形成される。シリコンゲルマニウム膜102は、単結晶シリコンゲルマニウムを含む。
【0066】
マスクパターン106は、マスク膜の蒸着工程、及びマスク膜のパターニング工程により形成する。マスクパターン106は、例えば、シリコン窒化物のような窒化物を含む。マスクパターン106は、第1方向に延在するライン形状を有する。
【0067】
平面図からすると、マスクパターン106は、第2方向に第1の幅(W1)を有し、第2方向の両側壁が直線形状を有する第1の部位106aと、第2方向に第1の幅(W1)よりも狭い第2の幅(W2)を有し、第2方向の両側壁が直線形状を有する第2の部位106bと、第1及び第2の部位の間に位置し、少なくとも1つの第2方向の側壁がテーパー(tapered)形状を有する第3の部位106cとを含む。そこで、第3の部位106cにおいて、第2方向への幅は、第1の部位106aから第2の部位106bへ行くほど逐次狭くなる。
【0068】
図9及び図10に示すように、マスクパターン106をエッチングマスクとして用いて、シリコンゲルマニウム膜102、シリコン膜104、及び基板100の上部をエッチングすることで、第1のトレンチを形成する。エッチング工程は、異方性エッチング工程を含む。
【0069】
これにより、基板100には、基板100がエッチングされて、第1方向に延在するアクティブパターン112が形成される。アクティブパターン112上には、交互に繰返して積層された第1のシリコンゲルマニウムパターン102a、及び第1のシリコンパターン104aを含む第1のフィン構造物120が形成される。アクティブパターン112上には、第1のフィン構造物120及びマスクパターン106が積層される。
【0070】
第1のフィン構造物120の第2方向の側壁プロファイルは、垂直プロファイルを有しているのが望ましい。そこで、第1のフィン構造物120の第2方向の側壁プロファイルは、垂直プロファイルを有することを示す。しかし、異方性エッチング工程の特性により、第1のフィン構造物120の第2方向の側壁プロファイルは、下方に行くほど、第1のフィン構造物120の幅が逐次増加する傾斜プロファイルを有することもできる。
【0071】
第1のトレンチを満たす素子分離膜を形成する。素子分離膜の上部を除去することで、第1のトレンチ内に、アクティブパターン112の側壁を覆う素子分離パターン122を形成する。また、マスクパターン106を除去する。素子分離パターン122の間には、第1のフィン構造物120が上部に突出する。
【0072】
第1のフィン構造物120は、マスクパターン106をエッチングマスクとして形成されるので、平面図からすると、第1のフィン構造物120は、マスクパターン106と同一の形状を有する。そこで、平面図からすると、第1のフィン構造物120は、第2方向に第1の幅(W1)を有し、第2方向の両側壁が直線形状を有する第1の部位120aと、第2方向に第1の幅(W1)よりも狭い第2の幅(W2)を有し、第2方向の両側壁が直線形状を有する第2の部位120bと、第1及び第2の部位120a、120bの間に位置し、少なくとも1つの第2方向の側壁がテーパー(tapered)形状を有する第3の部位120cとを含む。
【0073】
図11及び図12に示すように、素子分離パターン122及び第1のフィン構造物120を部分的に覆うダミーゲート構造物130を形成する。ダミーゲート構造物130は、第2方向に延在する。そこで、ダミーゲート構造物130は、第1のフィン構造物120を横切って延在する。他の実施形態において、それぞれのダミーゲート構造物130は、同一の幅を有する。
【0074】
ダミーゲート構造物130は、第1方向に互いに離隔して配置される。他の実施形態において、ダミーゲート構造物130は、第1方向に同一の間隔で離隔している。
【0075】
ダミーゲート構造物130は、ダミーゲート絶縁パターン、ダミーゲート電極、及びダミーゲートマスクパターンを含む。
【0076】
ダミーゲート構造物130が形成される部位は、後工程により形成されるマルチブリッジチャネルトランジスタのゲート構造物が形成される部位、又は拡散ブレーキが形成される部位としてそれぞれ提供される。ダミーゲート構造物130により覆われている第1のフィン構造物120の部位は、後工程により、マルチブリッジチャネルトランジスタのチャネル構造物で形成される。一方、ダミーゲート構造物130の間の第1のフィン構造物120の部位は、後工程により、マルチブリッジチャネルトランジスタの不純物領域構造物で形成される。
【0077】
他の実施形態において、ダミーゲート構造物130は、第1のフィン構造物120の第1の部位120aの一部と、第1のフィン構造物120の第2の部位120bの一部とを覆うように形成される。他の実施形態において、ダミーゲート構造物130は、第1のフィン構造物120bの第3の部位120c上には、形成されず、第1のフィン構造物120bの第3の部位120cを覆わない。
【0078】
図13及び図14に示すように、ダミーゲート構造物130の間に配置された第1のフィン構造物120を除去して、開口部142を形成する。そこで、第1のフィン構造物120は、切断して、それぞれの予備チャネル構造物140a、140bで形成される。予備チャネル構造物140a、140bは、第1方向に互いに離隔して並んで配置される。予備チャネル構造物は、第1のシリコンゲルマニウムパターン102a及び第1のシリコンパターン104aが、交互に繰返して積層される。
【0079】
予備チャネル構造物140a、140bは、第2方向に第1の幅(W1)を有する第1の予備チャネル構造物140aと、第2方向に第2の幅(W2)を有する第2の予備チャネル構造物140bとを含む。予備チャネル構造物140a、140bの間の開口部142の底面には、アクティブパターン112が露出する。
【0080】
図示していないが、他の実施形態において、開口部142を形成するためのエッチング工程を行う前に、ダミーゲート構造物130の側壁上にスペーサを形成する工程を更に行う。
【0081】
図示していないが、他の実施形態において、開口部142を形成した後に、露出した第1のシリコンゲルマニウムパターン102aの側壁の一部をエッチングして、リセスを形成し、リセス内にインナースペーサを形成する工程を更に行う。
【0082】
図15に示すように、開口部142の内部に選択エピタキシャル成長工程を行って、不純物領域構造物150a、150b、150cを形成する。不純物領域構造物150a、150b、150cは、半導体物質を含む。
【0083】
他の実施形態において、それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、単結晶シリコンを含む。また、他の実施形態において、それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、単結晶シリコンゲルマニウムを含む。
【0084】
他の実施形態において、選択エピタキシャル成長工程を行うことに際して、イン・サイチュで不純物をドーピングする。そこで、不純物領域構造物150a、150b、150cは、後工程で形成されるマルチブリッジチャネルトランジスタのソース・ドレイン領域として提供される。
【0085】
選択エピタキシャル成長工程において、開口部142の底面のアクティブパターン112から垂直方向に結晶成長がなされる。これに加えて、選択エピタキシャル成長工程において、第2方向にも結晶成長がなされる。そこで、それぞれの不純物領域構造物150a、150b、150cは、第2方向の断面からすると、中心部が突出する多角形の形状を有する。
【0086】
不純物領域構造物150a、150b、150cは、予備チャネル構造物140a、140bの第1方向の両側壁と接して、予備チャネル構造物140a、140bの間を連結する。
【0087】
不純物領域構造物150a、150b、150cは、第1の予備チャネル構造物140aの間に配置される第1の不純物領域構造物150aと、第2の予備チャネル構造物140bの間に配置される第2の不純物領域構造物150bと、第1及び第2の予備チャネル構造物140a、140bの間に配置される第3の不純物領域構造物150cとを含む。
【0088】
第1の不純物領域構造物150aは、第1の予備チャネル構造物140aの側壁及びアクティブパターン112から成長して形成される。そのため、第1の不純物領域構造物150aは、第2方向の最大幅は、第1の幅よりも広い第3の幅(W3)を有する。平面図からすると、第1の不純物領域構造物150aは、互いに同一の第1のサイズを有する。第1の不純物領域構造物150aは、互いに同一の第1の容積を有する。
【0089】
他の実施形態において、平面図からすると、第1の不純物領域構造物150aは、第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。平面図からすると、第1の不純物領域構造物150aは、第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。
【0090】
第2の不純物領域構造物150bは、第2の予備チャネル構造物140bの側壁及びアクティブパターン112から成長して形成される。そのため、第2の不純物領域構造物150bの第2方向の最大幅は、第2の幅(W2)よりも広く、第3の幅(W3)よりも狭い第4の幅(W4)を有する。平面図からすると、第2の不純物領域構造物150bは、第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有する。第2の不純物領域構造物150bは、第1の容積よりも小さい第2の容積を有する。
【0091】
他の実施形態において、平面図からすると、第2の不純物領域構造物150bは、第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。平面図からすると、第2の不純物領域構造物150bは、第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに対称の形状を有する。
【0092】
第3の不純物領域構造物150cの第2方向の最大幅は、第4の幅(W4)よりも広く、第3の幅(W3)よりも狭い第5の幅(W5)を有する、平面図からすると、第3の不純物領域構造物150cは、第1のサイズよりも小さく、第2のサイズよりも大きい第3のサイズを有する。第3の不純物領域構造物150cは、第1の容積よりも小さく、第2の容積よりも大きい第3の容積を有する。
【0093】
他の実施形態において、平面図からすると、第3の不純物領域構造物150cは、第1方向の中心を通る直線を基準に、互いに非対称の形状を有する。平面図からすると、第3の不純物領域構造物150cは、第2方向の中心を通る直線を基準に、互いに非対称の形状を有する。平面図からすると、第3の不純物領域構造物150bにおいて、第1のアクティブフィンの第3の部位の傾斜した第2の側壁から成長した部位と、第1のアクティブフィンの第3の部位の直線形状の第1の側壁から成長した部位とは、互いに異なる形状を有する。
【0094】
図17は、不純物領域構造物及び第1の予備チャネル構造物の斜視図である。図18は、不純物領域構造物及びチャネル構造物の斜視図である。
【0095】
図16及び図17に示すように、第1~第3の不純物領域構造物150a、150b、150c、素子分離パターンとダミーゲート構造物130を覆う層間絶縁膜(図示せず)を形成する。この後、ダミーゲート構造物130の上面が露出するまで、層間絶縁膜を平坦化する。
【0096】
ダミーゲート構造物130を除去して、第1のゲートトレンチ(図示せず)を形成する。第1のゲートトレンチ内には、予備チャネル構造物140a、140bの第1のシリコンゲルマニウムパターン102a、及び第1のシリコンパターン104aが露出する。
【0097】
図18に示すように、第1のゲートトレンチにより露出する第1のシリコンゲルマニウムパターン102aを選択的に除去して、第1のシリコンパターン104aの間に隙間154を形成する。垂直方向に互いに離隔して配置された第1のシリコンパターン104aは、マルチブリッジチャネルトランジスタのチャネル領域として提供される。
【0098】
第1のシリコンゲルマニウムパターン102aが除去されることにより、予備チャネル構造物140a、140bは、チャネル構造物として形成される。チャネル構造物は、第2方向に第1の幅を有する第1のチャネル構造物170aと、第2方向に第2の幅を有する第2のチャネル構造物170bとを含む。
【0099】
チャネル構造物及び不純物領域構造物が第1方向に交互に繰返して配置され、互いに連結されて、アクティブ構造物172が形成される。アクティブ構造物172は、第1のチャネル構造物170a及び第2のチャネル構造物170bと、第1のチャネル構造物170aの間の第1の不純物領域構造物150aと、第2のチャネル構造物170bの間の第2の不純物領域構造物150bと、第1及び第2のチャネル構造物170a、170b間の第3の不純物領域構造物150cとを含む。
【0100】
図19及び図20に示すように、第1のゲートトレンチ及び隙間154内を満たすように、ゲート構造物180a、180b、180c、180d、180を形成する。そこで、マルチブリッジチャネルトランジスタを形成することができる。
【0101】
具体的に、第1のゲートトレンチ及び隙間154により露出するアクティブパターン112及び第1のシリコンパターン104aの表面に、熱酸化工程を行って界面膜を形成し、界面膜上に、ゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜上に、第1のゲートトレンチ及び隙間154内を満たすゲート電極膜を形成する。ゲート電極膜は、金属物質を含む。この後、層間絶縁膜192の上面が露出するまで、ゲート電極膜及びゲート絶縁膜を平坦化する。ゲート電極膜及びゲート絶縁膜の上部の一部を除去し、除去された部位にキャップ膜パターンを形成する。そこで、界面パターン(図示せず)、ゲート絶縁パターン181a、ゲート電極181b、及びキャップパターン181cを含むゲート構造物180a、180b、180c、180dを形成する。
【0102】
それぞれのマルチブリッジチャネルトランジスタは、ゲート構造物180a、180b、180c、180d、及びゲート構造物180a、180b、180c、180dの両側の不純物領域構造物150a、150b、150cに形成されたソース・ドレイン領域を含む。マルチブリッジチャネルトランジスタは、ソース・ドレイン領域を共有して、第1方向に互いに直列接続される構造を有する。
【0103】
ところで、不純物領域構造物は、互いに異なる容積を有する第1~第3の不純物領域構造物150a、150b、150cを含む。そこで、ソース・ドレイン領域の容積により、それぞれのマルチブリッジチャネルトランジスタの電気的特性が変わる。
【0104】
工程により、互いに異なる電気的特性を有する第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)、及びバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が形成される。
【0105】
第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)は、第1のゲート構造物180a及び第1のゲート構造物の両側に配置される第1の不純物領域構造物150aを含む。第1の不純物領域構造物150aは、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)の第1のソース・ドレイン領域として提供される。第1のゲート構造物180aは、第1のソース・ドレイン領域の間に配置される第1のチャネル構造物170aを取り囲み、第2方向に延在する。
【0106】
第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)は、第2のゲート構造物180b、及び第2のゲート構造物の両側に配置される第2の不純物領域構造物150bを含む。第2の不純物領域構造物150bは、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)の第2のソース・ドレイン領域として提供される。第2のゲート構造物180bは、第2のソース・ドレイン領域の間に配置される第2のチャネル構造物170bを取り囲み、第2方向に延在する。
【0107】
バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)、及び第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)を含む。
【0108】
第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)は、第3のゲート構造物180cと、第3のゲート構造物180cの一側に配置される第3の不純物領域構造物150cと、第3のゲート構造物180cの他の一側に配置される第2の不純物領域構造物150bとを含む。第3の不純物領域構造物150cは、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)の第3のソース領域として提供される。第2の不純物領域構造物150bは、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)の第3のドレイン領域として提供される。
【0109】
第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)は、第4のゲート構造物180dと、第4のゲート構造物180dの一側に配置される第3の不純物領域構造物150cと、第4のゲート構造物180dの他の一側に配置される第1の不純物領域構造物150aとを含む。第3の不純物領域構造物150cは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)の第4のソース領域として提供される。第1の不純物領域構造物150aは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)の第4のドレイン領域として提供される。
【0110】
図21及び図22に示すように、ゲート構造物から、拡散ブレーキ領域(DB)に位置するゲート構造物180を選択的に除去する。ついで、ゲート構造物180が除去された部位で露出するチャネル構造物を除去する。この場合、拡散ブレーキ領域(DB)において、アクティブ構造物172が切断した構造を有する。
【0111】
拡散ブレーキ領域(DB)のゲート構造物180及びチャネル構造物が除去して形成された開口部内に絶縁物質を入れて、分離パターン190を形成する。分離パターン190は、拡散ブレーキパターンとして提供される。
【0112】
分離パターン190に隣接して、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が配置される。例えば、分離パターン190は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)と、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)の間に配置される。または、分離パターン190は、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)と、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)の間に配置される。
【0113】
上記工程により、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)と、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)と、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の性能の中間程度の性能を有するバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)を含む半導体素子を完成する。
【0114】
図23図25はそれぞれ、本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
【0115】
図23図25は、分離パターンの有無、及び分離パターンの位置を除き、図1図7で説明した半導体素子と同一である。そのため、重複する説明は、省略する。
【0116】
図23に示すように、アクティブ構造物に別の拡散ブレーキ領域が設けられていない。そこで、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間には、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタだけが設けられる。
【0117】
他の実施形態において、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間には、第1及び第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が配置される。
【0118】
他の実施形態において、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)、及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)は、電気的に接続される。
【0119】
図24に示すように、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間には、1つの分離パターン190、及び1つの第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)が設けられる。
【0120】
第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)は、第2のチャネル構造物170bを取り囲む第3のゲート構造物180cと、第3のゲート構造物180cの一側に配置される第3の不純物領域構造物150cと、第3のゲート構造物180cの他の一側に配置される第2の不純物領域構造物150bとを含む。分離パターン190は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)と、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)の間に配置される。
【0121】
第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)は、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)と電気的に接続される。
【0122】
図25に示すように、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間には、1つの分離パターン190、及び1つの第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)が設けられる。
【0123】
第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタは、第4のゲート構造物180dと、第4のゲート構造物180dの一側に配置される第3の不純物領域構造物150cと、第4のゲート構造物180dの他の一側に配置される第1の不純物領域構造物150aとを含む。第3の不純物領域構造物150cは、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)の第4のソース領域として提供される。分離パターン190は、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)と第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)の間に配置される。
【0124】
第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)は、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)と電気的に接続される。
【0125】
図26は、本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
【0126】
図26は、複数の分離パターンが含まれることを除き、図1図7で説明した半導体素子と同様である。そのため、重複する説明は、省略する。
【0127】
図26に示すように、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間には、複数の分離パターン190、及び少なくとも1つのバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a、TR3b)が設けられる。
【0128】
第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間の領域において、端部に位置する第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1)と隣接して、第2のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)が設けられる。
【0129】
第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間の領域において、端部に位置する第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR2)と隣接して、第1のバッファマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)が設けられる。
【0130】
また、第1及び第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR1、TR2)の間の領域において、バッファマルチブリッジチャネルトランジスタの間には、複数の分離パターン190が設けられる。それぞれの分離パターン190の両側に形成される不純物領域構造物151a、151b、151cは、互いに異なる容積を有する。それぞれの分離パターン190の両側に形成される不純物領域構造物151a、151b、151cの容積は、第1のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3a)から、第2のマルチブリッジチャネルトランジスタ(TR3b)までの方向に行くほど、減少する。
【0131】
上述したように本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0132】
100 基板
102 シリコンゲルマニウム膜
102a シリコンゲルマニウムパターン
104 シリコン膜
104a シリコンパターン
106 マスクパターン
112 アクティブパターン
120 フィン構造物
122 素子分離パターン
130 ダミーゲート構造物
140a、140b 予備チャネル構造物
142 開口部
150a、150b、150c 不純物領域構造物
154 隙間
170a、170b チャネル構造物
172 アクティブ構造物
180a、180b、180c、180d ゲート構造物
181a ゲート絶縁パターン
181b ゲート電極
181c キャップパターン
190 分離パターン
192 層間絶縁膜
196 スペーサ
198 インナースペーサ
210 第1のソース-ドレイン領域
211 第1の領域
212 第2の領域
221 第3の領域
222 第4の領域
220 第2のソース-ドレイン領域
230 ゲート領域


図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26