(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073874
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】気体供給システム及び発電システム
(51)【国際特許分類】
C02F 11/04 20060101AFI20240523BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
C02F11/04 A ZAB
B01D53/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184836
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西澤 ▲祥▼太
【テーマコード(参考)】
4D006
4D059
【Fターム(参考)】
4D006GA41
4D006KA01
4D006KB30
4D006PA02
4D006PB20
4D006PB68
4D059AA04
4D059AA05
4D059BA12
4D059BA56
4D059BJ00
(57)【要約】
【課題】混合気体の圧縮を効率的に行うことを可能とする消化システム気体供給システム及び発電システムを提供する。
【解決手段】可燃性気体を含む混合気体を圧縮する圧縮装置と、圧縮装置から供給された混合気体から可燃性気体を分離する分離装置と、を備え、圧縮装置は、分離された可燃性気体を燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する発電装置から排出される流体が有する熱エネルギーによって混合気体を圧縮する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性気体を含む混合気体を圧縮する圧縮装置と、
前記圧縮装置から供給された前記混合気体から前記可燃性気体を分離する分離装置と、を備え、
前記圧縮装置は、分離された前記可燃性気体を燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する発電装置から排出される流体が有する熱エネルギーによって前記混合気体を圧縮する、気体供給システム。
【請求項2】
さらに、前記流体が有する熱エネルギーを前記圧縮装置の駆動エネルギーに変換する変換装置を有し、
前記圧縮装置は、前記駆動エネルギーによって前記混合気体を圧縮する、請求項1に記載の気体供給システム。
【請求項3】
前記変換装置は、前記流体が有する熱エネルギーによって回転するタービンであり、
前記圧縮装置は、前記タービンの回転に伴って駆動する、請求項2に記載の気体供給システム。
【請求項4】
前記変換装置は、前記流体が有する熱エネルギーによって発電する他の発電装置であり、
前記圧縮装置は、前記他の発電装置が発電した電力によって駆動する、請求項2に記載の気体供給システム。
【請求項5】
可燃性気体を含む混合気体を圧縮する圧縮装置と、
前記圧縮装置から供給された前記混合気体から前記可燃性気体を分離する分離装置と、
前記圧縮装置から供給された前記混合気体の前記可燃性気体を燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する発電装置と、を備え、
前記圧縮装置は、前記発電装置から排出される流体が有する熱エネルギーによって前記混合気体を圧縮する、発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、気体供給システム及び発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有機性成分を含む処理対象(例えば、汚泥を含む廃水)を処理する設備では、例えば、この処理に伴って発生する気体(例えば、汚泥の消化に伴って発生する消化ガス)を用いた発電が行われる(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような処理に伴って発生する気体は、例えば、発電に用いられる可燃性気体(以下、単に可燃性気体とも呼ぶ)を含む混合気体(以下、単に混合気体とも呼ぶ)である。ここで、混合気体中に含まれる可燃性気体(例えば、メタン)と二酸化炭素とをそれぞれ別の用途で有効利用するための前処理技術として、例えば、膜分離がある。具体的に、メタンは、例えば、発電や都市ガス代替燃料等として利用される。また、二酸化炭素は、例えば、農業利用、ドライアイス原料、メタノールやメタン等の化学物質の原料、及び、炭酸飲料の原料等として利用される。しかしながら、膜分離には、例えば、混合気体を予め圧縮する必要があり、混合気体の圧縮には、多くの電力を要する。そのため、このような圧縮では、電力を削減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における気体供給システムは、可燃性気体を含む混合気体を圧縮する圧縮装置と、前記圧縮装置から供給された前記混合気体から前記可燃性気体を分離する分離装置と、を備え、前記圧縮装置は、分離された前記可燃性気体を燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する発電装置から排出される流体が有する熱エネルギーによって前記混合気体を圧縮する。
【発明の効果】
【0006】
本開示における気体供給システムによれば、混合気体の圧縮に要する電力を削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、比較例における発電システム800の構成について説明する図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態における発電システム100の構成について説明する図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態における発電方法について説明するフローチャート図である。
【
図4】
図4は、変換装置19の第1の具体例について説明する図である。
【
図5】
図5は、変換装置19の第2の具体例について説明する図である。
【
図6】
図6は、変換装置19の第2の具体例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0009】
[比較例における発電システム800]
初めに、比較例における発電システム800について説明を行う。
図1は、比較例における発電システム800の構成について説明する図である。
【0010】
本比較例における発電システム800は、
図1に示すように、例えば、濃縮装置81と、消化槽84と、脱水装置85と、圧縮装置86と、膜分離装置87と、発電装置88とを有する。以下、消化槽84と脱水装置85とを総称して消化システム83とも呼ぶ。以下、消化システム83における処理対象が汚泥であるものとして説明を行う。また、以下、混合気体がメタンと二酸化炭素とを含む消化ガスであり、可燃性ガスがメタンであるものとして説明を行う。
【0011】
濃縮装置81は、例えば、下水等の被処理液体を処理する水処理システムにおける最初沈殿池(図示せず)から排出された初沈汚泥や最終沈殿池(図示せず)から排出された余剰汚泥を濃縮する。以下、初沈汚泥や余剰汚泥を総称して単に汚泥とも呼ぶ。そして、濃縮が行われた汚泥は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって濃縮装置81から消化槽84に供給される。また、濃縮によって汚泥から分離した液体は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって濃縮装置81から最初沈殿池等に返送される。
【0012】
消化槽84は、例えば、攪拌機能を有し、槽内の液体を撹拌する。消化槽84内においては、例えば、濃縮装置81から供給された汚泥に含まれる有機物が、消化槽84内の嫌気性細菌によって嫌気性消化(分解)される。そして、この消化の過程において消化ガスが生成される。そして、消化槽84において消化された汚泥を含む液体(以下、消化液とも呼ぶ)は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって消化槽84から脱水装置85に供給される。また、消化槽84において発生した消化ガスは、例えば、ブロワ(図示しない)等によって消化槽84から圧縮装置86に供給される。なお、消化ガスは、例えば、約60%がメタンであり、約40%が二酸化炭素であるガスである。また、消化槽84内の汚泥の温度は、嫌気性細菌による嫌気性消化を効率的に進めて汚泥の消化率を向上させるために、例えば、35℃から40℃までの間の温度(以下、適温とも呼ぶ)に維持される。
【0013】
脱水装置85は、例えば、消化槽84からの消化液に含まれる汚泥を脱水する。そして、脱水された汚泥は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって脱水装置85から焼却炉(図示しない)等の後段設備に供給される。また、汚泥から脱水された液体(以下、脱水ろ液とも呼ぶ)は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって脱水装置85から最初沈殿池等に返送される。
【0014】
また、消化システム83では、例えば、消化槽84と脱水装置85とを連通する配管において、固形物を凝集させてフロックを形成するための凝集剤(以下、単に凝集剤とも呼ぶ)を消化液に添加してもよい。これにより、脱水装置85は、含有される固形物がフロックとなった消化液を脱水することが可能になる。
【0015】
圧縮装置86は、例えば、消化槽84において発生した消化ガスを圧縮する。そして、圧縮装置86は、例えば、圧縮した消化ガスを膜分離装置87に供給する。
【0016】
膜分離装置87は、例えば、圧縮装置86から供給された消化ガスをメタンと二酸化炭素とに分離する膜(図示せず)を有する装置である。
【0017】
すなわち、膜分離装置87において消化ガスの膜分離を行うためには、例えば、圧縮された状態の消化ガスを膜分離装置87に供給する必要がある。そのため、発電システム800では、例えば、消化槽84において発生した消化ガスを圧縮してから膜分離装置87に供給する。
【0018】
発電装置88は、例えば、ガスエンジンやガスタービン等の発電装置であり、膜分離装置87において消化ガスから分離したメタンを燃焼させることによって発電を行う。
【0019】
これにより、発電システム800では、例えば、消化システム83において発生した消化ガスから電力を得ることが可能になる。
【0020】
ここで、本比較例における発電システム800では、上記のように、例えば、圧縮装置86において消化ガスの圧縮を行う必要がある。そのため、発電システム800では、例えば、圧縮装置86を駆動させるための電力が必要になる。
【0021】
この点、発電システム800では、例えば、発電装置88において得られた電力の一部を用いることによって、圧縮装置86を駆動させることが可能である。しかしながら、この場合、発電システム800では、他の用途に活用することができる電力量が減少することになる。そのため、発電システム800では、例えば、発電装置88において得られた電力を用いることなく圧縮装置86を駆動させることが望まれている。
【0022】
そこで、第1の実施の形態における発電システム100は、例えば、発電に伴って発生した流体(例えば、メタンを燃焼させることによって発生した蒸気)が有する熱エネルギーを用いることにより、消化ガスの圧縮を行う。以下、第1の実施の形態における発電システム100について説明を行う。
【0023】
[第1の実施の形態における発電システム100]
図2は、第1の実施の形態における発電システム100の構成について説明する図である。また、
図3は、第1の実施の形態における発電方法について説明するフローチャート図である。
【0024】
本実施の形態における発電システム100は、
図2に示すように、例えば、濃縮装置11と、消化槽14と、脱水装置15と、圧縮装置16と、分離装置17と、発電装置18と、変換装置19とを有する。以下、消化槽14と脱水装置15とを総称して消化システム13とも呼ぶ。また、以下、消化システム13における処理対象が汚泥であるものとして説明を行う。さらに、以下、圧縮装置16と分離装置17とを総称して気体供給システム10とも呼ぶ。
【0025】
濃縮装置11は、
図1で説明した濃縮装置81と同様に、例えば、最初沈殿池等から排出された汚泥を濃縮する。そして、濃縮が行われた汚泥は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって濃縮装置11から消化槽14に供給される。また、濃縮によって汚泥から分離した液体は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって濃縮装置11から最初沈殿池等に返送される。
【0026】
消化槽14は、
図1で説明した消化槽84と同様に、例えば、攪拌機能を有する。消化槽14内においては、例えば、濃縮装置11から供給された汚泥に含まれる有機物が、消化槽14内の嫌気性細菌によって嫌気性消化される。この消化の過程において消化ガスが生成される。そして、消化槽14において消化された汚泥を含む液体(消化液)は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって消化槽14から脱水装置15に供給される。また、消化槽14において発生した消化ガスは、例えば、ブロワ(図示しない)等によって消化槽14から圧縮装置16に供給される。
【0027】
脱水装置15は、
図1で説明した脱水装置85と同様に、例えば、消化槽14からの消化液に含まれる汚泥を脱水する。そして、脱水された汚泥は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって脱水装置15から焼却炉(図示せず)等の後段設備に供給される。また、脱水装置15から脱水された脱水ろ液は、例えば、ポンプ(図示しない)等によって脱水装置15から最初沈殿池等に返送される。
【0028】
また、消化システム13では、
図1で説明した消化システム83と同様に、例えば、消化槽14と脱水装置15とを連通する配管において凝集剤を消化液に添加してもよい。
【0029】
圧縮装置16は、
図1で説明した圧縮装置86と同様に、例えば、消化槽14において発生した消化ガスを圧縮する。そして、圧縮装置16は、例えば、圧縮した消化ガスを分離装置17に供給する。
【0030】
分離装置17は、
図1で説明した膜分離装置87と同様に、例えば、圧縮装置16から供給された消化ガスの膜分離を行うことによって、消化ガスをメタンと二酸化炭素とに分離する。
【0031】
発電装置18は、
図1で説明した発電装置88と同様に、例えば、ガスエンジンやガスタービン等の発電装置であり、分離装置17において消化ガスから分離したメタンを燃焼させることによって発電を行う。
【0032】
変換装置19は、例えば、発電装置18から供給された流体(発電装置18における発電に伴って発生した温水または蒸気)が有する熱エネルギー(廃熱の熱エネルギー)を圧縮装置16の駆動エネルギーに変換する。そして、変換装置19は、例えば、熱エネルギーから変換した駆動エネルギーを圧縮装置16に供給する。その後、圧縮装置16は、例えば、変換装置19から供給された駆動エネルギーを用いて駆動することによって、消化槽14から供給された消化ガスを圧縮する。
【0033】
このように、本実施の形態における気体供給システム10は、例えば、メタン(可燃性気体)を含む消化ガス(混合気体)を圧縮する圧縮装置16と、圧縮装置16から供給された消化ガスからメタンを分離する分離装置17と、を備え、圧縮装置16は、分離されたメタンを燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する発電装置18から排出される流体が有する熱エネルギーによって消化ガスを圧縮する。
【0034】
また、本実施の形態における発電システム100は、例えば、メタンを含む消化ガスを圧縮する圧縮装置16と、圧縮装置16から供給された消化ガスからメタンを分離する分離装置17と、分離させたメタンを燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する発電装置18と、を備え、圧縮装置16は、発電装置18から排出される流体が有する熱エネルギーによって消化ガスを圧縮する。
【0035】
具体的に、気体供給システム10は、例えば、発電装置18から排出される流体が有する熱エネルギーを圧縮装置16の駆動エネルギーに変換する変換装置19を有し、圧縮装置16は、この変換装置によって変換された駆動エネルギーによって消化ガスを圧縮する。
【0036】
すなわち、本実施の形態における気体供給システム10(発電システム100)は、例えば、発電装置18における発電に伴って発生した温水または蒸気が有する熱エネルギーを用いることによって、圧縮装置16を駆動させる。
【0037】
これにより、本実施の形態における気体供給システム10(発電システム100)は、例えば、圧縮装置16における消化ガスの圧縮においてエネルギーを有効利用することが可能になる。具体的に、気体供給システム10(発電システム100)は、例えば、発電装置18において得られた電力を用いることによって圧縮装置16を駆動させる必要がなくなり、他の用途に活用することができる電力量の減少を抑制することが可能になる。換言すれば、混合気体の圧縮に必要な電力を削減することができる。
【0038】
なお、分離装置17において消化ガスから分離されたメタンは、発電装置18における発電の他、例えば、都市ガスの代替燃料や自動車の燃料等として用いられるものであってもよい。
【0039】
また、分離装置17において消化ガスから分離された二酸化炭素は、例えば、メタネーションの原料等として用いられるものであってもよい。そして、メタネーションによって生成されたメタンは、例えば、発電装置18に供給されて発電に用いられるものであってもよい。すなわち、メタネーションによって生成されたメタンは、例えば、分離装置17において消化ガスから分離されたメタンとともに発電に用いられるものであってよい。
【0040】
[第1の実施の形態における発電方法]
次に、第1の実施の形態における発電方法について説明を行う。
【0041】
圧縮装置16は、例えば、消化システム13において発生した消化ガス(混合気体)を圧縮する(
図3のステップS1)。具体的に、圧縮装置16は、例えば、後述するステップS3における発電に伴って排出された蒸気(流体)が有する熱エネルギーによって消化ガスを圧縮する。さらに具体的に、圧縮装置16は、例えば、変換装置19が熱エネルギーから変換した駆動エネルギーを用いることによって消化ガスを圧縮する。
【0042】
そして、分離装置17は、例えば、ステップS1で圧縮した消化ガスからメタン(可燃性気体)を分離する(
図3のステップS2)。
【0043】
その後、発電装置18は、例えば、ステップS2で分離したメタンを燃焼させて生じる熱エネルギーによって発電する(
図3のステップS3)。以下、変換装置19の具体例について説明を行う。
【0044】
[変換装置19の具体例(1)]
図4は、変換装置19の第1の具体例について説明する図である。
【0045】
変換装置19は、
図4に示すように、例えば、圧縮装置16と回転軸16aを介して連結されたタービン39(以下、タービン19aとも呼ぶ)であってもよい。
【0046】
具体的に、タービン19aは、この場合、例えば、発電装置18から供給された蒸気が有する熱エネルギー(発電による廃熱の熱エネルギー)を利用して回転軸16aを回転させる。そして、圧縮装置16は、例えば、タービン19aによる回転軸16aの回転に伴って駆動することにより、消化槽14から供給された消化ガスを圧縮し、圧縮した消化ガスを分離装置17に供給する。
【0047】
このように、本実施の形態における変換装置19は、例えば、発電装置18から排出される流体が有する熱エネルギーによって回転するタービン19aであり、圧縮装置16は、タービン19aの回転に伴って駆動するものであってもよい。
【0048】
これにより、本実施の形態における気体供給システム10は、例えば、タービン19aの回転に伴って発生した駆動エネルギーを活用することで、発電装置18において得られた電力の使用量を低減し消化ガスの圧縮を行うことが可能になる。
【0049】
[変換装置19の具体例(2)]
次に、変換装置19の第2の具体例について説明する図である。
図5及び
図6は、変換装置19の第2の具体例について説明する図である。
【0050】
変換装置19は、
図5に示すように、例えば、発電装置18から供給された蒸気が有する熱エネルギーを利用して発電を行う発電装置39(以下、廃熱発電装置19bとも呼ぶ)であってもよい。
【0051】
廃熱発電装置19bは、
図6に示すように、例えば、発電装置18から供給された蒸気が有する熱エネルギーを回収して電力に変換する機能を有し、例えば、蒸発器51と、タービン52と、発電機53(以下、他の発電機53とも呼ぶ)と、再生器54と、凝縮器55と、ポンプPとを有するものであってよい。そして、蒸発器51、タービン52、再生器54、凝縮器55及びポンプPは、例えば、作動媒体Lを循環させるランキンサイクルやカリーナサイクル等の熱サイクル(以下、単にサイクルとも呼ぶ)を形成するものであってよい。この場合、作動媒体Lは、例えば、水より低沸点のフロン、代替フロン、アンモニアまたはアンモニアと水との混合流体等の低沸点媒体であってよい。
【0052】
ポンプPは、例えば、蒸発器51、蒸気タービン52、再生器54、凝縮器55、再生器54及び蒸発器51から構成されるサイクル内において作動媒体Lを循環させるポンプである。
【0053】
蒸発器51は、例えば、発電装置18から供給された蒸気または温水が有する熱エネルギーによって作動媒体Lを蒸発させる。
【0054】
タービン52は、例えば、蒸気タービンであり、蒸発器51によって生成された作動媒体Lの蒸気によって回転する。そして、蒸気タービン52の回転軸に接続された発電機53は、例えば、蒸気タービン52の回転によって発電を行う。
【0055】
凝縮器55は、例えば、ポンプ(図示しない)によって供給された冷却水によって、タービン52から出力された作動媒体Lの蒸気を凝縮する。そして、凝縮器55は、例えば、凝縮した作動媒体LをポンプPによって再生器54を経由して蒸発器51に供給する。具体的に、再生器54は、この場合、例えば、タービン52から出力された作動媒体Lの蒸気と、凝縮器55によって凝縮済の作動媒体Lとの熱交換を行うことによって、タービン52から出力された作動媒体Lの蒸気を冷却してから凝縮器55に供給する。そして、凝縮器55は、例えば、ポンプ(図示しない)によって供給された冷却水によって、再生器54から供給された作動媒体Lの蒸気を凝縮する。
【0056】
このように、本実施の形態における変換装置19は、例えば、発電装置18から排出される流体が有する熱エネルギーによって発電する廃熱発電装置19b(以下、他の発電装置39bとも呼ぶ)であり、圧縮装置16は、廃熱発電装置19bが発電した電力によって駆動するものであってもよい。
【0057】
これにより、本実施の形態における気体供給システム10は、例えば、廃熱発電装置19bにおいて発電された電力を活用することで、発電装置18において得られた電力の使用量を低減し消化ガスの圧縮を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0058】
10:気体供給システム 11:濃縮装置
13:消化システム 14:消化槽
15:脱水装置 16:圧縮装置
16a:回転軸 17:分離装置
18:発電装置 19:変換装置
19a:タービン 19b:廃熱発電装置
51:蒸発器 52:タービン
53:発電機 54:凝縮器
55:再生器 100:発電システム
L:作動媒体 P:ポンプ