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特開2024-73887情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073887
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240523BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184855
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】友成 愛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 崇史
(72)【発明者】
【氏名】大島 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】二宮 一浩
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】個人情報を保護しつつ、利用者に対して適切な広告配信を行うこと。
【解決手段】本願に係る情報提供装置は、利用者に関する利用者情報を用いて指定された対象の広告を生成するように学習された広告生成モデルを用いて、所定の対象の広告を生成する生成部と、生成部によって生成された前記広告を広告主へ提供する提供部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する利用者情報を用いて指定された対象の広告を生成するように学習された広告生成モデルを用いて、所定の対象の広告を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記広告を広告主へ提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記利用者情報に基づいて前記利用者を分類したグループ毎の前記広告を生成し、
前記提供部は、
前記グループ毎の前記広告を提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提供部は、
前記グループ毎の利用者数に関する情報を前記広告とともに提供すること
を特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記生成部は、
前記グループ毎に生成される前記広告の特徴量の重心となる重心画像を生成すること
を特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記生成部は、
仮想的に設定した利用者の利用者情報を用いて広告を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記広告主から依頼された要望に応じて、当該要望を反映した広告を正解データとして前記広告生成モデルの再学習を行う学習部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記利用者の端末装置に対して前記広告生成モデルを提供し、
前記端末装置は、
前記端末装置が所持する前記利用者情報と前記広告生成モデルとを用いて、前記広告を生成すること
を特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報提供方法であって、
利用者に関する利用者情報を用いて指定された対象の広告を生成するように学習された広告生成モデルを用いて、所定の対象の広告を生成する生成工程と、
前記生成工程によって生成された前記広告を広告主へ提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項9】
利用者に関する利用者情報を用いて指定された対象の広告を生成するように学習された広告生成モデルを用いて、所定の対象の広告を生成する生成手順と、
前記生成手順によって生成された前記広告を広告主へ提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。広告配信に関する技術として、サーバに蓄積された利用者のログ情報から利用者にあわせた広告を配信する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-051391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、個人情報を保護する観点からサーバが取得可能な利用者情報が制限されつつあるため、利用者に対して適切な広告配信が困難になるという課題がある。例えば、1つの解決策として、利用者端末が保持する利用者情報を用いて、当該利用者端末側で広告を生成することが考えられる。一方で、利用者端末で広告を生成する場合には、広告主はどのような広告が生成されるかを把握することが困難となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、端末装置で広告を生成するシステムにおいて、利用者に対して提供された広告を広告主に対して把握させることができる情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、利用者に関する利用者情報を用いて指定された対象の広告を生成するように学習された広告生成モデルを用いて、所定の対象の広告を生成する生成部と、前記生成部によって生成された前記広告を広告主へ提供する提供部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端末装置で広告を生成するシステムにおいて、利用者に対して提供された広告を広告主に対して把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供処理の概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る広告情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る統計情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係るログ情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るカメラ画像記憶部の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る広告情報記憶部の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る利用者端末が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理プログラム、端末装置および情報処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理プログラム、端末装置および情報処理方法が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の概要〕
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、実施形態に係る情報提供処理は、図1に示す情報提供装置1によって実行される。
【0012】
図1に示す広告配信システムSは、情報提供装置1と、利用者端末10と、複数の広告主端末100とを備える。情報提供装置1は、複数の広告主端末100から受け付けた広告の配信依頼に基づいて各利用者端末10へ依頼された広告に関する広告情報を提供する。例えば、情報提供装置1は、クラウドやサーバ等によって実現される。
【0013】
また、図1に示す利用者端末10は、利用者Uが保有する端末装置であり、例えば、スマートフォン等である。図1に示すように、利用者端末10は、広告生成モデルと、広告評価モデルを有する。広告生成モデルは、指定された対象の広告を生成するよう学習が行われたモデルであり、例えば、画像生成AI等である。例えば、広告生成モデルは、入力されたテキスト情報等(例えば、コンテキスト)に応じたAI画像を生成する。また、広告評価モデルは、利用者Uによる広告の評価を推定するように学習が行われたモデルである。
【0014】
利用者端末10は、広告生成および広告評価に関する双方の処理を利用者端末10内で繰り返し実行する。これにより、利用者端末10は、利用者Uに対して提供する広告の最適化を図ることができる。
【0015】
例えば、広告生成モデルと、広告評価モデルは、敵対的生成ネットワーク(GAN;Generative Adversarial Networks)によって構成される。例えば、広告評価モデルの評価結果に基づいて、広告生成モデルを修正し、広告生成モデルの生成結果に基づいて、広告評価モデルが修正される。
【0016】
例えば、広告評価モデルの評価結果がより良くなるように広告生成モデルを修正し、広告生成モデルが生成したコンテンツがより厳しい評価になるように広告評価モデルを修正する。例えば、この場合、利用者Uが良いと評価した広告に対し、前回よりも低いスコアが付与されるように、より利用者Uの好み等を強く反映した評価になるように、広告評価モデルは修正される。このように、利用者端末10は、オンデバイス学習を行うことで利用者Uに対して最適化された広告の提供が可能となる。
【0017】
例えば、広告評価モデルは、広告の提供タイミングをあわせて学習するようにしてもよい。例えば、同一の広告を複数のタイミングで提供し、利用者Uが良いと評価したタイミングと、利用者Uが悪いと評価したタイミングを学習する。また、広告評価モデルは、例えば、広告生成モデルによって生成された各広告のスコアを随時算出し、算出したスコアが閾値を超えたタイミングで対応する広告を利用者へ提供するようにしてもよいし、あるいは、各広告に対して提供条件を予め設定しておき、当該提供条件を満たしたタイミングで対応する広告を提供するようにしてもよい。
【0018】
広告主端末100は、各広告主の端末装置である。例えば、広告主は、広告主端末100をそれぞれ操作し、情報提供装置1へ広告の配信依頼を行う(ステップS1)。
【0019】
ここで、配信依頼は、広告対象に関する情報、広告の素材となる素材情報、広告の傾向に関する傾向情報等を含む。素材情報は、企業名、商品名、ロゴ画像、商品画像などを含み、傾向情報は、広告のイメージや雰囲気に関する情報等を含む。また、後述するように、利用者端末10は、カメラ画像等を用いて広告を生成することもでき、この場合の配信依頼には、広告対象と合成する画像の傾向を示す傾向情報が含まれる。
【0020】
情報提供装置1は、各広告主から取得した配信依頼に基づき、利用者端末10に対して広告情報を提供する(ステップS2)。広告情報は、例えば、素材情報、広告の傾向情報などに関する情報が含まれる。利用者端末10は、情報提供装置1から受け取った広告情報と、利用者端末10が保有する利用者情報とに基づいて、広告生成モデルを用いて広告を生成する(ステップS3)。
【0021】
つづいて、利用者端末10は、生成した広告について広告評価モデルを用いて評価する(ステップS4)。例えば、広告評価モデルは、利用者端末10内に保持される各種利用者情報を用いて利用者Uを傾向やタイプ、広告の好み、効果の傾向などといった利用者Uの人物モデルを学習したモデルであり、利用者Uに対して訴求効果が高いと推定される広告のスコアが高くなるように学習されたモデルである。
【0022】
また、広告評価モデルは、例えば、広告提供前後の利用者情報の関係性に基づいて、利用者Uへ提供した広告ADを評価することもできる。なお、広告評価モデルは、例えば、利用者端末10の周囲環境に応じてスコアを更新することもできる。例えば、広告評価モデルは、周囲の気温が高い場合に、広告対象となるビールの広告に関するスコアを相対的に高い値へ更新する。
【0023】
そして、利用者端末10は、例えば、広告に関するスコアが所定値を超えたタイミングで、利用者Uに対して広告ADを提供する(ステップS5)。例えば、図1に示すように、広告ADは、広告生成モデルによって生成されるAI画像GやテキストTおよび広告主から依頼を受けた素材画像Pが含まれる。なお、広告ADは、画像形式の広告であってもよく、動画形式の広告であってもよい。また、広告ADは、音楽が含まれるようにしてもよい。
【0024】
また、利用者端末10は、利用者端末10で撮影したカメラ画像を含む広告ADを生成し、利用者Uへ提供することも可能である。この場合、各利用者端末10にはそれぞれ異なるカメラ画像が保持されるので、各利用者端末10ではそれぞれ異なるカメラ画像を用いて広告ADを提供することができる。
【0025】
特に、カメラ画像を利用した広告ADを提供する場合には、利用者Uの過去の体験や思い出等を絡めた広告ADを提供することができるので、利用者Uにとってより身近な広告ADを提供することができる。
【0026】
その後、利用者端末10は、広告AD提供後に取得した利用者Uの行動履歴などのログ情報を用いて広告ADのパフォーマンス計測を行う(ステップS6)。利用者端末10は、広告ADの提供前後で広告対象に対する利用者Uの行動の変化に応じて広告ADのパフォーマンスを計測する。
【0027】
その後、利用者端末10は、情報提供装置1が広告主に対し費用請求等に必要となる統計情報を情報提供装置1へ提供する(ステップS7)。例えば、統計情報は、広告ADの特徴量に関する情報、パフォーマンス計測の結果など最低限の情報であり、利用者Uの個人を特定するようなセンシティブな情報を含まない。
【0028】
つまり、利用者端末10は、利用者Uのログ情報など、センシティブな情報については情報提供装置1へ提供しない。これにより、利用者Uの個人情報を保護することができる。なお、広告ADの特徴量は、広告ADの特徴量を示す特徴ベクトルであるが、例えば、広告ADの特徴を示すテキストであってもよい。
【0029】
情報提供装置1は、各利用者端末10から取得した統計情報を集計することで、レポートを生成し(ステップS8)、各広告主端末100へ生成したレポートを提供する(ステップS9)。
【0030】
例えば、レポートは、各広告ADの特徴量の分布やその重心、各広告ADのパフォーマンスに関するスコアの分布などに関する情報が含まれる。これにより、広告主は、各利用者端末10で提供された広告ADや、広告ADのパフォーマンスに関する状況を把握することができる。
【0031】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報提供処理の概要について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の概要を示す図である。上述のように、広告配信システムSでは、各利用者端末10によって広告ADが自動生成される。そのため、広告主は、どのような広告が提供されるかを事前に把握することができないという課題が生じる。
【0032】
そのため、実施形態に係る情報提供処理では、各利用者端末10で生成される広告のサンプルを広告主に対して提供する。まず、情報提供装置1は、広告主端末100から配信依頼を受け付ける(ステップS11)。
【0033】
つづいて、情報提供装置1は、利用者端末10と同様に広告生成モデルを用いて広告を生成する。この際、例えば、情報提供装置1は、利用者情報に関する各種パラメータを適宜変更したうえで、広告ADを利用者属性ごとの広告ADを生成する。なお、ここでのパラメータは、属性毎の利用者情報の特徴量の重心である。
【0034】
そして、情報提供装置1は、生成した広告を広告主端末100に対して提供する(ステップS13)。これにより、広告主は、各利用者端末10で提供される広告を事前に把握することができる。
【0035】
この際、広告主は、広告主端末100を操作し、各利用者端末10で提供される広告に対する要望を行うこともできる。この場合、例えば、人手によって要望を反映した画像が生成され、生成された画像を正解データとして広告生成モデルの再学習が行われる。これにより、広告主の要望が反映された広告を各利用者端末10で生成することが可能となる。
【0036】
このように、実施形態に係る情報提供装置1は、各利用者端末10で生成される広告のサンプル画像を生成し、広告主に対して提供する。したがって、実施形態に係る情報提供装置1によれば、端末装置で広告を生成するシステムにおいて、利用者に対して提供された広告を広告主に対して把握させることができる。
【0037】
〔2.情報提供装置の構成例〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報提供装置1の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る情報提供装置1は、通信部2、記憶部3および制御部4を備える。
【0038】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部2は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0039】
記憶部3は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部3は、広告情報データベース31、統計情報データベース32、モデルデータベース33を有する。
【0040】
広告情報データベース31は、広告情報を記憶するデータベースである。図4は、実施形態に係る広告情報データベース31の一例を示す図である。図4に示すように、広告情報データベース31は、「広告主ID」、「広告対象」、「素材情報」、「傾向情報」、「ターゲット情報」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0041】
「広告主ID」は、広告主を識別するための識別子である。「広告対象」は、広告の対象となる店舗、ブランド、イベント、商品またはサービスである。「素材情報」は、広告の素材に関する情報である。例えば、素材情報は、商品画像、広告主のロゴ画像やキャラクター画像、広告に起用された著名人の画像、広告に使用する楽曲などを含む。
【0042】
「傾向情報」は、広告主が指定した広告の傾向に関する情報である。例えば、傾向情報は、広告主が広告に求めるイメージや、広告主のブランドイメージなどを含む。「ターゲット情報」は、広告主が指定した広告のターゲットとなる利用者層に関する情報である。
【0043】
図3の説明に戻り、統計情報データベース32について説明する。統計情報データベース32は、統計情報を記憶するデータベースである。図5は、実施形態に係る統計情報データベース32の一例を示す図である。
【0044】
図5に示すように、実施形態に係る統計情報データベース32は、「広告対象」、「提供回数」、「KPI(Key Performance Indicator)」、「広告特徴量」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0045】
「広告対象」は、図4に示す「広告対象」と同様に、広告の対象となる商品またサービスである。「提供回数」は、対応する広告対象に関する広告が利用者端末10で提供された回数である。
【0046】
「KPI」は、広告ADによる対応する広告対象のパフォーマンスを示す指標であり、例えば、各利用者端末10で提供された広告ADのパフォーマンスの統計値である。「広告特徴量」は、各利用者端末10で提供された広告ADの特徴量の統計値である。
【0047】
図3の説明に戻り、モデルデータベース33について説明する。モデルデータベース33は、各モデルを格納するデータベースである。例えば、モデルデータベース33は、広告生成モデル、広告評価モデルなど、各利用者端末10で広告を生成する際に必要となるモデルを格納する。
【0048】
また、モデルデータベース33は、広告主から依頼された配信依頼の依頼内容からKPIや、各利用者端末10で生成された広告を推定する推定モデルを格納する。例えば、推定モデルは、仮想的に設定した複数のペルソナを用いて、配信依頼の依頼内容に基づいてKPIを推定するシミュレーションモデルである。また、推定モデルは、依頼内容と、実際に利用者端末10で提供された広告ADの特徴量の関係性を学習したモデルであってもよい。この場合、推定モデルは、依頼内容から各利用者端末10で提供される広告ADを推定するシミュレーションモデルとなる。
【0049】
次に、制御部4について説明する。制御部4は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0050】
図3に示すように、制御部4は、受付部41と、取得部42と、学習部43と、生成部44と、提供部45とを有する。
【0051】
受付部41は、広告主端末100から広告に関する配信依頼を受け付ける。例えば、受付部41は、広告主端末100から広告に関する配信依頼に関する情報を広告情報データベース31に登録する。
【0052】
取得部42は、各利用者端末10から広告ADに関する統計情報を取得し、統計情報データベース32に登録する。統計情報は、広告ADの広告対象に関する情報、広告対象毎の提供回数に関する情報、各広告ADの特徴に関する情報、各広告の効果に関する情報等を含む。
【0053】
学習部43は、利用者端末10に提供する各モデルの学習を行う。例えば、学習部43は、広告生成モデル、広告評価モデルについて学習を行う。広告生成モデルおよび広告評価モデルの学習は、既知の手法を用いて行われる。
【0054】
また、学習部43は、広告主による要望に応じて、広告生成モデルの再学習を行う。例えば、この場合、学習部43は、広告主による要望を反映した画像を正解データとして広告生成モデルの学習を行う。なお、要望は、広告の特徴量の範囲を指定するものであってもよい。
【0055】
生成部44は、各広告主から依頼された広告依頼に対して、各利用者端末10で生成される広告ADを生成する。例えば、生成部44は、広告生成モデルに対し、広告依頼によって指定される広告素材および利用者情報を入力することで、広告ADを生成する。この際、生成部44は、利用者情報に関する各種パラメータを適宜変更したうえで、広告ADを利用者属性ごとの広告ADを生成する。なお、ここでの各種パラメータは、各利用者端末10から取得した値から導出することにしてもよく、仮想的に設定したペルソナから導出するようにしてもよい。
【0056】
また、生成部44は、利用者情報に基づいて利用者を分類したグループ毎の広告を生成する。この際、例えば、生成部44は、グループ毎に生成される広告の特徴量の重心となる重心画像を生成する。
【0057】
生成部44によって生成された広告ADは、提供部45を介して、広告主端末100へ提供される。これにより、広告主は、どのような広告ADが各利用者端末10で提供されるかを予め把握することが可能となる。
【0058】
特に、生成部44によって生成される広告は、各利用者端末10で提供される広告のサンプルとしての役割を担う。そのため、広告主に対して広告サンプルを提供しておくことで、広告主は安心して広告の配信を依頼することが可能となる。なお、例えば、この際、広告主は、広告サンプルに対して要望がある場合には、要望を反映した画像を提供することで、上述の学習部43は、対応する画像を正解データとして広告生成モデルの再学習が行われることになる。
【0059】
また、生成部44は、広告主に対して広告ADの提供結果に関するレポート等を生成する。例えば、生成部44は、統計情報データベース32に格納された各種統計情報に基づいて、各広告主宛のレポートを生成する。
【0060】
例えば、生成部44は、広告主毎に広告ADの提供回数、KPI、広告特徴量などに関する情報を含むレポートを生成する。より具体的には、生成部44は、特徴情報から推定される広告の特徴量の重心となる重心画像、広告の特徴量の分散状況を示す散布図、広告に用いられた画像の特徴を言語化した言語化情報(テキスト)等をレポートとして生成する。
【0061】
なお、生成部44は、例えば、特徴量から画像を生成する画像生成モデルを用いることで重心画像を生成することができる。この際、生成部44は、例えば、各利用者を属性に応じて分類したグループ毎にレポートを生成する。
【0062】
また、生成部44は、例えば、広告主端末100から指定された画像の特徴量と類似する特徴量の広告ADを特定し、特定した広告ADの提供回数や提供された利用者の属性に関するレポートを生成するようにしてもよい。
【0063】
提供部45は、各利用者端末10や広告主端末100に対し各種情報を提供する。例えば、提供部45は、利用者端末10に対して各モデルを提供し、その後、広告主による依頼に応じて広告情報を提供する。この際、提供部45は、すべての利用者端末10に対し共通の広告情報を提供するようにしてもよく、利用者端末10それぞれで異なる広告情報を提供するようにしてもよい。例えば、広告対象が酒類である場合、提供部45は、成人を超えた利用者Uの利用者端末10に対し対応する広告情報を提供する。なお、広告対象の取捨選択については、利用者端末10側で行うようにしてもよい。
【0064】
また、提供部45は、広告主端末100に対して生成部44によって生成された各種情報を提供する。例えば、提供部45は、広告主による配信依頼時においては、利用者属性毎の広告サンプルに関する情報を提供する。この際、提供部45は、グループ毎の広告サンプルおよび各グループの利用者数に関する情報を広告とともに提供する。
【0065】
また、提供部45は、利用者端末10によって広告ADの提供後においては、生成部44によって生成されたレポートを広告主端末100に対して提供する。これにより、広告主は、事後的に広告ADの効果や、広告ADを把握することができる。
【0066】
〔3.利用者端末の構成例〕
次に、図6を用いて、利用者端末10の構成例について説明する。図6は、実施形態に係る利用者端末10の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、実施形態に係る利用者端末10は、通信部110、記憶部120、制御部130を備える。また、利用者端末10は、表示部111、操作部112、カメラ113、スピーカ114、センサ群115を有する。
【0067】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0068】
表示部111は、制御部130から入力される画像あるいは映像を表示する。操作部112は、利用者Uから各種操作を受け付ける。表示部111および操作部112は、例えば、タッチパネルディスプレイによって実現される。
【0069】
カメラ113は、利用者端末10に搭載されたカメラである。なお、カメラ113は、例えば、画面の外側を撮影するアウトカメラおよび画面の内側を撮影するインカメラが含まれる。
【0070】
スピーカ114は、制御部130から入力される音声を出力する。センサ群115は、利用者端末10に搭載された各種センサを含む。例えば、センサ群には、照度センサ、気圧センサ、温度センサ、歩数センサ、Gセンサ、集音センサ、Lidar等が含まれる。なお、利用者端末10は、例えば、利用者Uが装着するウェラブルデバイスに搭載されたセンサと連携(ペアリング)し、利用者Uの心拍、体温、ストレス、睡眠状況などに関する各種情報を取得するようにしてもよい。
【0071】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部120は、ログ情報記憶部121、カメラ画像記憶部122、素材情報記憶部123、広告生成モデル記憶部124、広告情報記憶部125および広告評価モデル記憶部126を有する。
【0072】
ログ情報記憶部121は、利用者Uの行動履歴等に関する各種ログ情報を記憶する。図7は、実施形態に係るログ情報記憶部121の一例を示す図である。図7に示すように、ログ情報記憶部121は、「日時」、「ログ情報」、「位置情報」、「環境情報」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0073】
「日時」は、利用者Uがログ情報に対応する行動を行った日時である。「ログ情報」は、利用者Uの行動履歴である。ここでログ情報は、例えば、利用者Uによる利用者端末10の操作履歴や閲覧履歴等が含む。また、ログ情報は、例えば、利用者Uによる行動履歴であってもよい。利用者端末10は、カメラ113からカメラ画像を取得し、当該カメラ画像を解析することで利用者Uの行動履歴を推定することができる。また、ログ情報は、利用者端末10を用いたキャッシュレス決済(例えばQRコード(登録商標)決済)などの決済アプリの決済履歴を含むようにしてもよい。
【0074】
「位置情報」は、利用者Uが対応する行動を行った場所に関する情報である。「環境情報」は、利用者Uが対応する行動を行った際の周辺環境に関する情報である。例えば、環境情報は、気温、湿度、照度、気圧などといった情報、周囲で流れる音声(音楽や会話の内容)、家電製品(例えば、クーラーなどの空調機器)の動作状況に関する情報等を含む。なお、家電製品の動作状況に関する情報は、例えば、家電製品と連携するスマートスピーカから取得することができる。
【0075】
また、利用者端末10は、カメラ113で周囲を撮影することで、環境情報を推定するようにしてもよい。例えば、利用者端末10は、利用者Uの姿勢、衣服、持ち物、周囲の人物、周囲の物等を推定し、環境情報に含めるようにしてもよい。
【0076】
図6の説明に戻り、カメラ画像記憶部122について説明する。カメラ画像記憶部122は、カメラ113によって撮影されたカメラ画像を記憶する。図8は、実施形態に係るカメラ画像記憶部122の一例を示す図である。
【0077】
図8に示すように、カメラ画像記憶部122は、「画像ID」、「撮影日時」、「撮影場所」、「画像情報」、「被写体情報」、「撮影環境」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0078】
「画像ID」は、各カメラ画像を識別するための識別子である。「撮影日時」および「撮影場所」は、対応するカメラIDによって識別されるカメラ画像の撮影日時および撮影場所である。
【0079】
「画像情報」は、対応するカメラIDによって識別されるカメラ画像の画像情報である。「被写体情報」は、対応するカメラIDによって識別されるカメラ画像に写る被写体に関する情報である。
【0080】
「撮影環境」は、対応するカメラIDによって識別されるカメラ画像が撮影された際の環境に関する情報である。例えば、「環境情報」は、カメラ画像を撮影時の周辺環境に関する情報であり、気温、湿度、照度、気圧などといった情報、周囲で流れる音声(音楽や会話の内容)などに関する情報等を含む。
【0081】
図6の説明に戻り、素材情報記憶部123について説明する。素材情報記憶部123は、素材情報を記憶する。例えば、素材情報は、利用者端末10で広告ADを生成する際に素材となる情報であり、各広告対象の商品画像、広告主のロゴ画像やキャラクター画像、広告に起用された著名人の画像、広告に使用する楽曲などを含む。
【0082】
広告生成モデル記憶部124は、広告生成モデルを記憶する。広告生成モデルは、利用者端末10が保持する利用者情報と、指定された対象の広告を生成するよう学習が行われたモデルである。
【0083】
広告情報記憶部125は、広告情報を記憶する。広告情報は、広告生成モデルによって生成された広告に関する情報や、対応する広告の評価に関する情報を含む。図9は、実施形態に係る広告情報記憶部125の一例を示す図である。
【0084】
図9に示すように、広告情報記憶部125は、「広告ID」、「広告対象」、「広告種別」、「広告情報」、「特徴量」、「提供条件」、「評価情報」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0085】
「広告ID」は、各広告ADを識別するための識別子である。「広告対象」は、対応する広告IDによって識別される広告ADの広告対象である。「広告種別」は、対応する広告IDによって識別される広告ADの種別である。例えば、「広告種別」は、バナー広告、テキスト広告、検索連動広告などを含む。
【0086】
「広告情報」は、対応する広告IDによって識別される広告ADの広告情報(データ本体)である。「特徴量」は、対応する広告IDによって識別される広告ADの特徴量であり、例えば、特徴量に応じたベクトルや広告ADの特徴を示すテキストである。
【0087】
「提供条件」は、対応する広告IDによって識別される広告ADを利用者Uへ提供する条件である。「評価情報」は、対応する広告IDによって識別される広告ADに対する評価情報である。例えば、評価情報として、例えば、KPIなどの各種指標が用いられる。
【0088】
図6の説明に戻り、広告評価モデル記憶部126について説明する。広告評価モデル記憶部126は、広告評価モデルを記憶する。広告評価モデルは、広告生成モデルによって生成された広告ADを評価するモデルである。
【0089】
次に、制御部130について説明する。制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、利用者端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0090】
図6に示すように、制御部130は、受付部131と、解析部132と、処理部133と、提供部134とを有する。
【0091】
受付部131は、情報提供装置1から通信部110を介して各モデルに関する情報を取得する。各モデルは、広告生成モデルおよび広告評価モデル等を含む。
【0092】
また、受付部131は、情報提供装置1から通信部110を介して各広告情報を取得する。広告情報は、例えば、広告に使用する素材、広告のイメージ、広告を生成する際の生成条件などに関する情報が含まれる。
【0093】
解析部132は、利用者端末10で得られる利用者に関する利用者情報(例えば、ログ情報)を解析する。例えば、解析部132は、カメラ113によって撮影されるカメラ画像を解析する。例えば、解析部132は、カメラ画像の画像解析により、カメラ画像に写る被写体を解析する。例えば、被写体には、カメラ画像に写る人物、表情、服装、持ち物、周囲の状況等が含まれる。
【0094】
また、解析部132は、センサ群115から入力される各種情報に基づいて、利用者端末10の周辺環境を解析する。例えば、周辺環境は、気温、照度、気圧、湿度、周囲の音声などを含む。
【0095】
また、解析部132は、利用者端末10に保持される各種データを解析し、利用者Uによる利用者端末10の操作履歴や行動履歴に関するログ情報を生成する。なお、利用者端末10は、カメラ113で周囲をバックグランドで撮影し、解析部132は、カメラ画像を解析することで、利用者Uの行動履歴を解析するようにしてもよい。
【0096】
また、解析部132は、例えば、表示部111の表示画面をバックグラウンドで撮影し、メッセージの送受信履歴を解析するようにしてもよい。また、解析部132は、利用者Uが装着するウェラブルデバイスから入力される各種情報に基づいて、利用者Uの精神状況等を解析することにしてもよい。
【0097】
処理部133は、広告生成モデルおよび広告評価モデルに関する各種処理を実行する。上述のように、広告作成モデルと、広告評価モデルは、敵対的生成ネットワーク(GAN;Generative Adversarial Networks)によって構成される。
【0098】
この際、処理部133は、広告生成モデルを用いた広告の生成および広告評価モデルを用いた広告評価を行う。広告生成モデルは、任意に選択した広告対象に関する広告を生成するようにしてもよく、広告評価モデル等に指示された広告対象に関する広告を生成するようにしてもよい。また、広告生成モデルは、カメラ画像を用いた広告ADを生成することも可能である。
【0099】
また、処理部133は、広告AD提供後のログ情報に基づいて、広告ADのパフォーマンスを評価する。例えば、広告ADのパフォーマンスは、KPIなどの各種指標に基づいて行われる。
【0100】
提供部134は、広告生成モデルによって生成された広告ADを利用者Uに対して提供する。統計情報は、利用者Uへ提供した広告ADの特徴量に関する情報、パフォーマンス計測の結果など最低限の情報であり、利用者Uの個人を特定するようなセンシティブな情報を含まない。
【0101】
つまり、提供部134は、利用者Uへ提供した広告ADに関する最低限の情報のみを統計情報として情報提供装置1へ提供することで、利用者Uの個人情報の保護を図ることができる。
【0102】
〔4.処理フロー〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る情報提供装置1が実行する処理手順について説明する。図10は、実施形態に係る情報提供装置1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0103】
図10に示すように、まず、情報提供装置1は、広告主端末100から広告に関する配信依頼を受け付ける(ステップS101)。つづいて、情報提供装置1は、各利用者端末10へ広告情報を提供する(ステップS102)。
【0104】
その後、情報提供装置1は、利用者端末10から広告ADに関する統計情報を収集し(ステップS103)、収集した統計情報に基づいて各広告主宛のレポートを生成する(ステップS104)。
【0105】
そして、情報提供装置1は、各広告主宛に生成したレポートを対応する広告主端末100に対して提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0106】
次に、図11を用いて、利用者端末10が実行する処理手順について説明する。図11は、実施形態に係る利用者端末10が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0107】
図11に示すように、利用者端末10は、情報提供装置1から広告情報を取得する(ステップS201)。つづいて、利用者端末10は、広告を生成し、当該広告を評価する(ステップS202)。つづいて、利用者端末10は、広告を提供し(ステップS203)、提供した広告の特徴情報等を含む統計情報を情報提供装置1に対して送信する(ステップS204)。そして、利用者端末10は、処理を終了する。
【0108】
〔5.変形例〕
上述した実施形態では、利用者端末10で、利用者Uへ提供する広告ADを生成する場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、利用者端末10は、本願発明の手法を用いて、動画などの各種コンテンツを生成するようにしてもよい。
【0109】
〔6.効果〕
上述した実施形態に係る情報提供装置1は、利用者に関する利用者情報を用いて指定された対象の広告を生成するように学習された広告生成モデルを用いて、所定の対象の広告を生成する生成部44と、生成部44によって生成された広告を広告主へ提供する提供部45とを備える。
【0110】
また、生成部44は、利用者情報に基づいて利用者を分類したグループ毎に広告を生成し、提供部45は、グループ毎の広告を提供する。また、提供部45は、グループ毎の利用者数に関する情報を広告とともに提供する。
【0111】
また、生成部44は、グループ毎に生成される広告の特徴量の重心となる重心画像を生成する。また、生成部44は、仮想的に設定した利用者の利用者情報を用いて広告を生成する。また、情報提供装置1は、広告主から依頼された要望に応じて、当該要望を反映した広告を正解データとして広告生成モデルの再学習を行う学習部43を備える。また、提供部45は、利用者の端末装置に対して広告生成モデルを提供し、端末装置は、端末装置が所持する利用者情報と広告生成モデルとを用いて、広告を生成する。
【0112】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報提供装置1は、端末装置で広告を生成するシステムにおいて、利用者に対して提供された広告を広告主に対して把握させることができる。
【0113】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置1や利用者端末10は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図12は、実施形態に係る情報提供装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0114】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0115】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0116】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図12では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0117】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0118】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る利用者端末10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0119】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0120】
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0121】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0122】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0123】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0124】
1 情報提供装置
10 利用者端末
31 広告情報データベース
32 統計情報データベース
33 モデルデータベース
41 受付部
42 取得部
43 学習部
44 生成部
45 提供部
100 広告主端末
121 ログ情報記憶部
122 カメラ画像記憶部
123 素材情報記憶部
124 広告生成モデル記憶部
125 広告情報記憶部
126 広告評価モデル記憶部
130 制御部
131 受付部
132 解析部
133 処理部
134 提供部
U 利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12