2024-73895 シャンプーボウル用シャワー配管構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024073895

(43)【公開日】2024-05-30

(54)【発明の名称】シャンプーボウル用シャワー配管構造

(51)【国際特許分類】

   A45D 19/08 20060101AFI20240523BHJP

【ＦＩ】

A45D19/08

【審査請求】未請求

【請求項の数】9

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022184869

(22)【出願日】2022-11-18

(71)【出願人】

【識別番号】000108672

【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100095337

【弁理士】

【氏名又は名称】福田 伸一

(74)【代理人】

【識別番号】100174425

【弁理士】

【氏名又は名称】水崎 慎

(74)【代理人】

【識別番号】100203932

【弁理士】

【氏名又は名称】高橋 克宗

(72)【発明者】

【氏名】伊藤 友紀

(72)【発明者】

【氏名】奥崎 則雅

(72)【発明者】

【氏名】難波 克年

(72)【発明者】

【氏名】村岡 孝志

(72)【発明者】

【氏名】簑原 裕

(72)【発明者】

【氏名】中川 隼一

(72)【発明者】

【氏名】津田 敦史

【テーマコード（参考）】

3B040

【Ｆターム（参考）】

3B040AB01

(57)【要約】

【課題】美観を向上させて周囲の悪影響を抑止することができ、かつ、使い勝手に優れたシャンプーボウル用シャワー配管構造を提供する。
【解決手段】シャンプーボウル用シャワー配管構造は、シャンプーボウル１の右方隅部１０に取り付けられた第一配管部材１６と、この第一配管部材１６に連結された第二配管部材１８と、この第二配管部材１８に連結されたシャワーホース２０と、このシャワーホース２０に連結されたシャワーヘッド２１とを有し、第一配管部材１６が、手前側壁部５に向けられ、第二配管部材１８が、左方側壁部７に向けられ、シャワーヘッド２１が、左方隅部９に配置されている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

底部と壁部とを有し、手前側の前記壁部である手前側壁部に被施術者の首が置かれて被施術者の頭部が施術されるシャンプーボウルと、
前記手前側壁部と対向した奥側の前記壁部である奥側壁部と当該奥側壁部に隣接した前記壁部である一方側壁部との隅である一方側隅部に取り付けられた第一配管部材と、
前記第一配管部材に連結された第二配管部材と、
前記第二配管部材に連結されたシャワーホースと、
前記シャワーホースに連結されたシャワーヘッドと、を有し、
前記第一配管部材が、前記手前側壁部に向けられ、
前記第二配管部材が、前記一方側壁部と対向した他方側壁部に向けられ、
前記シャワーヘッドが、前記奥側壁部と前記他方側壁部との隅である他方側隅部に配置された、
ことを特徴とするシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項2】

前記第二配管部材が、前記第一配管部材に対して回転可能である、
ことを特徴とする請求項１に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項3】

前記シャワーヘッドの吐水部が前記底部に向けられた姿勢で前記シャワーヘッドが着脱される支持部材が、前記他方側隅部に取り付けられた、
ことを特徴とする請求項２に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項4】

前記支持部材が、
前記吐水部の反対側から前記シャワーヘッドを押さえる押え部を有する、
ことを特徴とする請求項３に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項5】

前記支持部材が、
前記吐水部の周囲を支持する吐水部支持部を有する、
ことを特徴とする請求項３に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項6】

前記支持部材が、
前記吐水部と前記シャワーホースとの間の基部を下から支持する基部支持部と、
前記基部支持部の端に連接されると共に上方に向かって伸びて前記基部を係止する係止片と、を有する、
ことを特徴とする請求項３に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項7】

前記第一配管部材、前記第二配管部材、前記シャワーホース、前記シャワーヘッド及び前記支持部材が、前記手前側壁部に取り付けられた首載置具の頂部よりも下側に収められた、
ことを特徴とする請求項３に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項8】

前記第一配管部材が、前記一方側壁部寄りに向けられた、
ことを特徴とする請求項１から請求項７の何れか１項に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【請求項9】

前記シャワーホースが、前記第二配管部材に対して回転可能である、
ことを特徴とする請求項１から請求項７の何れか１項に記載されたシャンプーボウル用シャワー配管構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、シャンプーボウル用シャワー配管構造に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来、ヘアサロン等の理美容施設に設置されているシャンプーボウルには、シャワーが取り付けられている。シャワーホースは、例えば、下記特許文献１に記載されているとおりシャンプーボウルの外側にある給水設備に接続され、シャンプーボウルに形成された孔に通されてシャンプーボウルの内側でシャワーヘッドに接続されている（以下、特許文献１に記載された技術を「文献公知１発明」と記す。）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第３３４７２８５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記した文献公知１発明では、シャワーホースがシャンプーボウルの外側に垂れ下がっているため、シャワーホースを伝って流れた水が孔を通過し、床を濡らしたり汚したりする場合がある。露出したシャワーホースや水浸しの床は、施術者の衣服を汚す場合もあるし、理美容施設の美観を損なう場合もある。

【0005】

本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。本発明は、美観を向上させて周囲の悪影響を抑止することができ、かつ、使い勝手に優れたシャンプーボウル用シャワー配管構造の提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するために、本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、底部と壁部とを有し、手前側の前記壁部である手前側壁部に被施術者の首が置かれて被施術者の頭部が施術されるシャンプーボウルと、前記手前側壁部と対向した奥側の前記壁部である奥側壁部と当該奥側壁部に隣接した前記壁部である一方側壁部との隅である一方側隅部に取り付けられた第一配管部材と、前記第一配管部材に連結された第二配管部材と、前記第二配管部材に連結されたシャワーホースと、前記シャワーホースに連結されたシャワーヘッドと、を有し、前記第一配管部材が、前記手前側壁部に向けられ、前記第二配管部材が、前記一方側壁部と対向した他方側壁部に向けられ、前記シャワーヘッドが、前記奥側壁部と前記他方側壁部との隅である他方側隅部に配置された、ことを特徴とする。

【0007】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記第二配管部材が、前記第一配管部材に対して回転可能である、ことを特徴とする。

【0008】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記シャワーヘッドの吐水部が前記底部に向けられた姿勢で前記シャワーヘッドが着脱される支持部材が、前記他方側隅部に取り付けられた、ことを特徴とする。

【0009】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記支持部材が、前記吐水部の反対側から前記シャワーヘッドを押さえる押え部を有する、ことを特徴とする。

【0010】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記支持部材が、前記吐水部の周囲を支持する吐水部支持部を有する、ことを特徴とする。

【0011】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記支持部材が、前記吐水部と前記シャワーホースとの間の基部を下から支持する基部支持部と、前記基部支持部の端に連接されると共に上方に向かって伸びて前記基部を係止する係止片と、を有する、ことを特徴とする。

【0012】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記第一配管部材、前記第二配管部材、前記シャワーホース、前記シャワーヘッド及び前記支持部材が、前記手前側壁部に取り付けられた首載置具の頂部よりも下側に収められた、ことを特徴とする。

【0013】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記第一配管部材が、前記一方側壁部寄りに向けられた、ことを特徴とする。

【0014】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、前記シャワーホースが、前記第二配管部材に対して回転可能である、ことを特徴とする。

【発明の効果】

【0015】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、底部と壁部とを有し、手前側の壁部である手前側壁部に被施術者の首が置かれて被施術者の頭部が施術されるシャンプーボウルと、手前側壁部と対向した奥側の壁部である奥側壁部と当該奥側壁部に隣接した壁部である一方側壁部との隅である一方側隅部に取り付けられた第一配管部材と、第一配管部材に連結された第二配管部材と、第二配管部材に連結されたシャワーホースと、シャワーホースに連結されたシャワーヘッドとを有し、第一配管部材が、手前側壁部に向けられ、第二配管部材が、一方側壁部と対向した他方側壁部に向けられ、シャワーヘッドが、奥側壁部と他方側壁部との隅である他方側隅部に配置されている。すなわち、シャワーホースが、シャンプーボウルの内側にあり、シャンプーボウルの外側に露出していないため、優れた美観が実現する。また、シャワーホースを伝った水がシャンプーボウルの外側に流れることがないため、床や施術者の衣服が、濡れたり汚れたりすることもない。シャワーホースは、一方側隅部から他方側隅部に至って適度な長さを有しているため、施術者は、シャワーヘッドを意図したとおりに操ることができ、被施術者の頭部にあらゆる方位からシャワーを当てることができる。

【0016】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、第二配管部材が、第一配管部材に対して回転可能である。したがって、シャンプーボウル用シャワー配管構造は、使い勝手に優れている。

【0017】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、シャワーヘッドの吐水部が底部に向けられた姿勢でシャワーヘッドが着脱される支持部材が、他方側隅部に取り付けられている。したがって、吐水部とシャンプーボウルの水面との間隔が十分に空く。

【0018】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、支持部材が、吐水部の反対側からシャワーヘッドを押さえる押え部を有している。シャワーヘッドは、シャワーの水圧によって働く力の方向と逆方向から、押え部によって押さえつけられるため、シャワーの水圧によっても、シャワーヘッドが支持部材から外れることがない。

【0019】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、支持部材が、吐水部の周囲を支持する吐水部支持部を有している。シャワーヘッドは、吐水部側から支持されるため、支持部材から外れて底部に落下することがない。

【0020】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、支持部材が、吐水部とシャワーホースとの間の基部を下から支持する基部支持部と、基部支持部の端に連接されると共に上方に向かって伸びて基部を係止する係止片とを有している。シャワーヘッドは、基部側から支持されると共に係止片によって係止されるため、施術者や被施術者の身体の一部が接触することによって、又は、シャワーの水圧等によって、不本意に支持部材から外れて底部に落下することがない。

【0021】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、第一配管部材、第二配管部材、シャワーホース、シャワーヘッド及び支持部材が、手前側壁部に取り付けられた首載置具の頂部よりも下側に収められている。外観上、各部材がシャンプーボウルの内側において嵩張らずに収まるため、優れた美観が実現する。

【0022】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、第一配管部材が、一方側壁部寄りに向けられている。この構成により、シャワーホースの可動域が広がり、施術者が、シャワーヘッドを操りやすくなる。

【0023】

本発明に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造は、シャワーホースが、第二配管部材に対して回転可能である。したがって、シャンプーボウル用シャワー配管構造は、使い勝手に優れている。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】図１は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造が備えられたシャンプーボウルの斜視図である。

【図2】図２は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造が備えられたシャンプーボウルの上面図である。

【図3】図３は、図２のIII－III断面であって、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造が備えられたシャンプーボウルの断面図である。

【図4】図４は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造が備えられたシャンプーボウルの使用状態説明図である。

【図5】図５は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造が備えられたシャンプーボウルの側面透し図である。

【図6】図６は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造の支持部材の第一斜視図である。

【図7】図７は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造の支持部材の第二斜視図である。

【図8】図８は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造の支持部材の上面図である。

【図9】図９は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造の支持部材の側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0025】

以下は、本発明の実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造の説明である。図１ないし４には、本実施形態に係るシャンプーボウル用シャワー配管構造を実現したシャンプーボウル１の外観、断面等が示されている。なお、以下の説明では、図１において、仮に、被施術者（図示省略）の頭部がシャンプーボウル１に置かれた場合に、被施術者の首が通される側を手前側（Ｆｒｏｎｔ Ｓｉｄｅ）とし、手前側と対向した反対側を奥側（Ｂａｃｋ Ｓｉｄｅ）とし、シャンプーボウル１の高さ方向を上方（Ｕｐ）又は下方（Ｄｏｗｎ）とし、シャンプーボウル１の横幅方向を左右側方（Ｌｅｆｔ Ｓｉｄｅ、Ｒｉｇｈｔ Ｓｉｄｅ）とする。

【0026】

図１ないし４に示されているとおり、シャンプーボウル１は、被施術者が、施術台（図示省略）に仰向けに横たわった状態で頭部を置き、施術を受けるためのものである。施術は、例えば、シャンプー、スカルプマッサージ、カラー、パーマ、アイメイク等が含まれる。シャンプーボウル１は、設置面から立ち上がった台座部（図示省略）の上に設置されている。シャンプーボウル１は、底部３と壁部４とから構成されたほぼ半球状のボウルである。底部３の中央近傍には、排水口１４が形成され、壁部４の内側には、給湯水の止水栓１５や、湯水が放出されるシャワー１９等が設置されている。

【0027】

壁部４は、手前側である手前側壁部５と、この手前側壁部５と対向した奥側壁部６と、手前側壁部５及び奥側壁部６と隣接した他方側壁部としての左方側壁部７と、この左方側壁部７と対向して手前側壁部５及び奥側壁部６と隣接した一方側壁部としての右方側壁部８と、奥側壁部６と左方側壁部７との隅である他方側隅部としての左方隅部９と、奥側壁部６と右方側壁部８との隅である一方側隅部としての右方隅部１０とから構成されている。

【0028】

手前側壁部５は陥没し、窪み部１１が形成され、窪み部１１は、壁部４における他の部位（奥側壁部６、左方側壁部７、右方側壁部８）よりも低く形成されている。窪み部１１には、首載置具２が取り付けられている。首載置具２に被施術者の首が置かれ、被施術者の頭部が底部３の上方に置かれる。右方隅部１０は、平坦な上面である右隅上面部１２を有し、この右隅上面部１２に、第一配管部材１６が取り付けられている。

【0029】

第一配管部材１６は、基管部１７が直交又はほぼ直交して連結されたＬ字状である。基管部１７は右隅上面部１２から上方に立ち上がり、第一配管部材１６の上流側の側面に連結されている。第一配管部材１６は、軸が、手前側壁部５に向けられ、かつ、右方側壁部８寄りに向けられている。換言すれば、第一配管部材１６の軸は、手前側壁部５に向けられつつ、若干、右方側壁部８に向けられ、斜めを向いている。基管部１７が右隅上面部１２に固定されていることから、第一配管部材１６の向きは変化しない。第一配管部材１６の下流端には、第二配管部材１８が連結されている。

【0030】

第二配管部材１８は、直線状であり、上流側の側面に第一配管部材１６が連結されている。第二配管部材１８は、軸が左方側壁部７に向けられ、第一配管部材１６に対して回転可能である。第二配管部材１８の下流端には、シャワーホース２０が連結されている。シャワーホース２０は、例えば、ゴム管、フレキシブル管等であり、施術者（図示省略）の操作に応じて自在に曲がる。シャワーホース２０は、第二配管部材１８に対して回転可能である。シャワーホース２０の下流端には、シャワーヘッド２１が連結されている。

【0031】

シャワーヘッド２１は、湯水が放出される複数の孔が形成された吐水部２２を有している。シャワーヘッド２１は、左方隅部９に配置されている。左方隅部９は、平坦な上面である左隅上面部１３を有し、この左隅上面部１３に止水栓１５が取り付けられている。シャワーヘッド２１は、支持部材２５を介して止水栓１５に取り付けられている。支持部材２５は、吐水部２２が底部３に向けられた姿勢でシャワーヘッド２１が取り付けられる（図３参照）。シャワーヘッド２１は、自在に支持部材２５から取り外される（図４参照）。

【0032】

ここで、支持部材２５を図面に基づいて詳説する。図６ないし９には、支持部材２５の外観が示されている。

【0033】

図６ないし９に示されているとおり、支持部材２５は、薄板状の部材が屈曲し、打ち抜かれたものである。支持部材２５は、止水栓１５に取り付けられる止水栓取付部２６と、この止水栓取付部２６に連接されたシャワーヘッド取付部２８と、止水栓取付部２６とシャワーヘッド取付部２８とを連接した連接部３５とを有している。止水栓取付部２６とシャワーヘッド取付部２８とは、連接部３５を介して段違いに配置され、互いに反対方向に伸びている。止水栓取付部２６は、環状であり、止水栓１５が通される孔２７が形成されている。止水栓取付部２６の手前側端部には、連接部３５が止水栓取付部２６に対して直角に連接されている。

【0034】

連接部３５の下端には、止水栓取付部２６が直角に連接され、連接部３５の上端には、シャワーヘッド取付部２８が直角に連接されている。

【0035】

シャワーヘッド取付部２８は、連接部３５に連接された基部支持部２９と、この基部支持部２９から手前側に向けて伸びた吐水部支持部３１と、この吐水部支持部３１と基部支持部２９との境界又は境界近傍から上方に向けて伸びた押え部３４とを有している。

【0036】

基部支持部２９の端には、係止片３０が連接されている。係止片３０は、右方かつ手前側に向けて斜めに伸びると共に、先端が斜め上方に向かって伸びている。吐水部支持部３１は、基部支持部２９から左方かつ手前側に向けて斜めに伸びると共に左回りに湾曲している。吐水部支持部３１の内側には、半円状の収容空間３２が形成されている。押え部３４は、上方に向けて伸びた先が折れ曲がり、右方かつ手前側に向けて斜めに伸びている。吐水部支持部３１及び基部支持部２９と押え部３４との間には、挟持空間３３が形成されている。

【0037】

上記のとおり構成された支持部材２５は、止水栓取付部２６の孔２７に止水栓１５が通されて止水栓１５と左隅上面部１３との間に挟まれて取り付けられる。連接部３５が、止水栓１５の手前側に対向し、シャワーヘッド取付部２８が、手前側に伸びている。シャワーヘッド２１が挟持空間３３に通されると、吐水部２２とシャワーホース２０との間の基部２３が、基部支持部２９によって下側から支持されると共に、係止片３０によって係止され、シャワーヘッド２１のうち、吐水部２２の反対側であるヘッド上面部２４が、押え部３４によって押えられ、シャワーヘッド２１の吐水部２２が収容空間３２に通されると、吐水部２２が吐水部支持部３１によって周囲から支持される。すなわち、シャワーヘッド２１は、基部支持部２９、押え部３４及び吐水部支持部３１によって、三点で支持されることで、支持部材２５に取り付けられる。

【0038】

以上のとおり構成されたシャンプーボウル用シャワー配管構造では、図５に示されているとおり、第一配管部材１６、第二配管部材１８、シャワーホース２０、シャワーヘッド２１及び支持部材２５は、壁部４の上端部よりも下側でシャンプーボウル１の内側に収められ、又は、僅かに壁部４の上端部から張り出していた場合であっても、首載置具２の頂部よりも下側でシャンプーボウル１の内側に収められる。シャワーホース２０は、シャンプーボウル１の内側において、各配管部材１６，１８から伸びているため、シャンプーボウル１の外側に露出しない。また、シャワーホース２０は、右方隅部１０から左方隅部９に至るまで、底部３に接触する程度に垂れ下がり、かつ、奥側壁部６に沿って伸びているため、十分に長い（図３参照）。

【0039】

以上のとおり、本実施形態が構成されている。次に本実施形態の効果を説明する。

【0040】

上記したとおり、本実施形態では、シャワーホース２０は、シャンプーボウル１の内側において、右方隅部１０に取り付けられた各配管部材１６，１８から伸びているため、シャンプーボウル１の外側に露出しない（図１参照）。したがって、優れた美観が実現する。また、シャワーホース２０を伝った水がシャンプーボウル１の外側に流れることがないため、床や施術者の衣服が、濡れたり汚れたりすることもない。シャワーホース２０は、右方隅部１０から左方隅部９に至るまで、底部３に接触する程度に垂れ下がり、かつ、奥側壁部６に沿って伸びているため、十分に長い（図３参照）。したがって、施術者は、シャワーヘッド２１を意図したとおりに操ることができ、被施術者の頭部にあらゆる方位からシャワー１９を当てることができる。

【0041】

本実施形態では、第二配管部材１８は、軸が左方側壁部７に向けられ、第一配管部材１６に対して回転可能であるため、シャワー１９の使い勝手が良い。更に、シャワーホース２０が、第二配管部材１８に対して回転可能であるため、尚更シャワー１９の使い勝手が良い。

【0042】

本実施形態では、第一配管部材１６は、軸が、手前側壁部５に向けられ、かつ、右方側壁部８寄りに向けられているため、シャワーホース２０の可動域が広がり、施術者が、シャワーヘッド２１を操りやすくなる。

【0043】

本実施形態では、シャワーヘッド２１の基部２３が、基部支持部２９によって下側から支持されるため、シャワーヘッド２１が支持部材２５から外れて底部３に落下することがない。特に、基部２３が、基部支持部２９の係止片３０によって係止され、この係止片３０によって挟持空間３３が狭められているため、施術者や被施術者の身体の一部が接触することによって、又は、シャワーの水圧等によって、不本意にシャワーヘッド２１が支持部材２５から外れることもない。また、シャワーヘッド２１のヘッド上面部２４が、押え部３４によって押えられることで、シャワーの水圧によって働く力の方向と逆方向から押さえつけられ、シャワーの水圧によっても、シャワーヘッド２１が支持部材２５から外れることがない。また、吐水部２２が吐水部支持部３１によって周囲から支持されるため、シャワーヘッド２１が支持部材２５から外れて底部３に落下することがない。このように、シャワーヘッド２１は、基部支持部２９、押え部３４及び吐水部支持部３１によって、三点で支持されることで、支持部材２５に取り付けられる。したがって、シャワーヘッド２１が堅牢に支持される。

【0044】

本実施形態では、シャワーヘッド２１は、吐水部２２が底部３に向けられた姿勢で支持部材２５に取り付けられる（図３参照）。したがって、吐水部２２とシャンプーボウル１に貯められた湯水の水面との間隔が十分に空く。

【0045】

本実施形態では、第一配管部材１６、第二配管部材１８、シャワーホース２０、シャワーヘッド２１及び支持部材２５は、壁部４の上端部よりも下側でシャンプーボウル１の内側に収められ、又は、僅かに壁部４の上端部から張り出していた場合であっても、首載置具２の頂部よりも下側でシャンプーボウル１の内側に収められる（図５参照）。外観上、各部材１６，１８，２０，２１，２５がシャンプーボウル１の内側において嵩張らずに収まるため、優れた美観が実現する。

【0046】

なお、本発明の他の実施形態では、第二配管部材が第一配管部材に対して回転しない。
他の実施形態では、シャンプーボウルに窪み部が形成されていない。
他の実施形態では、首載置部を有していない。この場合、被施術者の首は、シャンプーボウルの手前側壁部に直接置かれる。
他の実施形態では、第一配管部材は、手前側壁部の真正面に向けられ、右方側壁部に寄っていない。
他の実施形態では、第一配管部材は、基管部を有さず、右隅上面部から立ち上がると共に手前側に向けて湾曲している。
他の実施形態では、基管部が回転することで、第一配管部材の向きが変化する。
他の実施形態では、止水栓の位置が、右方隅部から左方隅部までの間の何れかである。
他の実施形態では、支持部材が、止水栓を介さずに左方隅部に直接取り付けられている。
他の実施形態では、左方隅部に第一配管部材が取り付けられ、右方隅部にシャワーヘッドが配置されている。
他の実施形態では、支持部材はシャワーヘッドを任意の姿勢で支持する。
他の実施形態では、支持部材は、押え部を有していない。
他の実施形態では、支持部材は、吐水部支持部を有していない。
他の実施形態では、支持部材は、基部支持部を有していない。
他の実施形態では、支持部材が係止片を有していない。
他の実施形態では、支持部材を有していない。
他の実施形態では、第一配管部材、第二配管部材、シャワーホース、シャワーヘッド及び支持部材が、壁部の上面又は首載置具の頂部よりも上側に張り出している。

【0047】

以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。

【符号の説明】

【0048】

１ シャンプーボウル
２ 首載置具
３ 底部
４ 壁部
５ 手前側壁部
６ 奥側壁部
７ 左方側壁部（他方側壁部）
８ 右方側壁部（一方側壁部）
９ 左方隅部（他方側隅部）
１０ 右方隅部（一方側隅部）
１１ 窪み部
１２ 右隅上面部
１３ 左隅上面部
１４ 排水口
１５ 止水栓
１６ 第一配管部材
１７ 基管部
１８ 第二配管部材
１９ シャワー
２０ シャワーホース
２１ シャワーヘッド
２２ 吐水部
２３ 基部
２４ ヘッド上面部
２５ 支持部材
２６ 止水栓取付部
２７ 孔
２８ シャワーヘッド取付部
２９ 基部支持部
３０ 係止片
３１ 吐水部支持部
３２ 収容空間
３３ 挟持空間
３４ 押え部
３５ 連接部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】