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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073923
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】舵軸回転装置
(51)【国際特許分類】
   B63H 25/26 20060101AFI20240523BHJP
   F16H 1/06 20060101ALI20240523BHJP
   B63H 25/10 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B63H25/26
F16H1/06
B63H25/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184910
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】福沢 功雄
【テーマコード(参考)】
3J009
【Fターム(参考)】
3J009DA17
3J009EA05
3J009EA11
3J009EA32
3J009EA43
3J009EB30
3J009EC06
(57)【要約】
【課題】小型化することができる舵軸回転装置を得る。
【解決手段】この舵軸回転装置2は、回転軸204と、モータ202の駆動によって回転軸204を中心に回転する出力ギヤ205と、出力ギヤ205に形成されているレバー取付面217に設けられたレバー206と、を備え、レバー206には、舵軸が挿入される舵軸挿入穴220が形成されており、出力ギヤ205が回転軸204を中心に回転することによって、レバー206が回転軸204を中心に回転する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(204)と、
モータ(202)の駆動によって前記回転軸(204)を中心に回転する出力ギヤ(205)と、
前記出力ギヤ(205)に形成されているレバー取付面(217)に設けられたレバー(206)と、
を備え、
前記レバー(206)には、舵軸が挿入される舵軸挿入穴(220)が形成されており、
前記出力ギヤ(205)が前記回転軸(204)を中心に回転することによって、前記レバー(206)が前記回転軸(204)を中心に回転する舵軸回転装置。
【請求項2】
前記レバー取付面(217)に立てられたピン(207)を備え、
前記レバー(206)における前記舵軸挿入穴(220)から前記回転軸(204)の径方向に離れた位置には、前記ピン(207)が挿入されたピン挿入穴(221)が形成されており、
前記出力ギヤ(205)が前記回転軸(204)を中心に回転することによって、前記レバー(206)が、前記ピン(207)に押されて、前記回転軸(204)を中心に回転する請求項1に記載の舵軸回転装置。
【請求項3】
前記レバー(206)における前記レバー取付面(217)に対向する面に立てられたピンを備え、
前記レバー取付面(217)における前記回転軸(204)から前記回転軸(204)の径方向に離れた位置には、前記ピンが挿入されたピン挿入穴が形成されており、
前記出力ギヤ(205)が前記回転軸(204)を中心に回転することによって、前記ピンが前記出力ギヤ(205)に押されて、前記レバー(206)が前記回転軸(204)を中心に回転する請求項1に記載の舵軸回転装置。
【請求項4】
前記ピン挿入穴(221)は、前記回転軸(204)の径方向に沿って延びた長穴になっている請求項2または請求項3に記載の舵軸回転装置。
【請求項5】
前記出力ギヤ(205)には、前記レバー(206)が挿入されたレバー挿入溝(216)が形成されており、
前記レバー(206)が前記レバー挿入溝(216)に挿入されることによって、前記出力ギヤ(205)に対する前記レバー取付面(217)に沿った方向への前記レバー(206)の移動が制限されている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の舵軸回転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、舵軸回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出力ギヤ用回転軸と、出力ギヤと、駆動ロッドと、レバー用回転軸と、レバーと、を備えている舵軸回転装置が知られている。出力ギヤは、出力ギヤ用回転軸に設けられている。レバー用回転軸は、出力ギヤ用回転軸に平行に設けられている。レバーは、レバー用回転軸に設けられている。駆動ロッドは、出力ギヤとレバーとに渡って設けられている。レバーには、舵軸が取り付けられている。出力ギヤは、モータの駆動によって出力ギヤ用回転軸を中心に回転する。出力ギヤが回転することによって、駆動ロッドが駆動ロッドの長手方向に移動する。駆動ロッドが移動することによって、レバーがレバー用回転軸を中心に回転する。レバーが回転することによって、舵軸が回転する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-114194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、出力ギヤおよびレバーが駆動ロッドを介して互いに接続されている。これにより、出力ギヤとレバーとが互いに離れて配置される。その結果、舵軸回転装置が大型化してしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、小型化することができる舵軸回転装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る舵軸回転装置は、回転軸と、モータの駆動によって回転軸を中心に回転する出力ギヤと、出力ギヤに形成されているレバー取付面に設けられたレバーと、を備え、レバーには、舵軸が挿入される舵軸挿入穴が形成されており、出力ギヤが回転軸を中心に回転することによって、レバーが回転軸を中心に回転する。
また、この発明に係る舵軸回転装置は、レバー取付面に立てられたピンを備え、レバーにおける舵軸挿入穴から回転軸の径方向に離れた位置には、ピンが挿入されたピン挿入穴が形成されており、出力ギヤが回転軸を中心に回転することによって、レバーが、ピンに押されて、回転軸を中心に回転する。
また、この発明に係る舵軸回転装置は、レバーにおけるレバー取付面に対向する面に立てられたピンを備え、レバー取付面における回転軸から回転軸の径方向に離れた位置には、ピンが挿入されたピン挿入穴が形成されており、出力ギヤが回転軸を中心に回転することによって、ピンが出力ギヤに押されて、レバーが回転軸を中心に回転する。
また、この発明に係る舵軸回転装置では、ピン挿入穴は、回転軸の径方向に沿って延びた長穴になっている。
また、この発明に係る舵軸回転装置では、出力ギヤには、レバーが挿入されたレバー挿入溝が形成されており、レバーがレバー挿入溝に挿入されることによって、出力ギヤに対するレバー取付面に沿った方向へのレバーの移動が制限されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る舵軸回転装置によれば、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る舵軸回転装置を備えた水中航走体の要部を示す拡大図である。
図2図1の舵軸回転装置を示す平面図である。
図3図1の1個の舵軸回転装置を示す正面図である。
図4図3の舵軸回転装置を示す平面図である。
図5図3の舵軸回転装置を示す斜視図である。
図6図3の舵軸回転装置を示す分解斜視図である。
図7図3の出力ギヤ、レバーおよびピンを示す斜視図である。
図8図7の出力ギヤを示す斜視図である。
図9図7のレバーおよびピンを示す斜視図である。
図10図7のレバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る舵軸回転装置を備えた水中航走体の要部を示す拡大図である。図2は、図1の舵軸回転装置を示す平面図である。水中航走体は、筐体1と、筐体1の内側に設けられた4個の舵軸回転装置2と、筐体1の内側に設けられた固定板3と、を備えている。
【0010】
筐体1は、円筒形状に形成された筒部101と、円錐形状に形成された後端部102と、図示しない4個のフラップ舵と、図示しない4個の舵軸と、を有している。後端部102は、筒部101の軸方向における筒部101の端部に設けられている。4個の舵軸回転装置2のそれぞれは、筐体1の後端部102の内側に配置されている。
【0011】
それぞれの舵軸回転装置2には、舵軸が1個ずつ取り付けられている。それぞれの舵軸回転装置2の駆動は、図示しない制御装置によって制御される。それぞれの舵軸は、筐体1を貫通するように配置されている。それぞれのフラップ舵は、筐体1の外側に配置されている。それぞれの舵軸には、フラップ舵が1個ずつ取り付けられている。それぞれの舵軸は、別々に回転可能になっている。
【0012】
舵軸回転装置2が駆動することによって、駆動する舵軸回転装置2に取り付けられている舵軸が回転する。舵軸が回転することによって、回転する舵軸に取り付けられているフラップ舵が回転する。それぞれのフラップ舵が回転することによって、水中航走体の上下および左右の姿勢制御が行われ、また、航走体の回転を防ぐロール制御が行われる。
【0013】
4個の舵軸回転装置2は、筒部101の軸方向に見た場合に、筒部101の周方向に等間隔に並んで配置されている。したがって、4個の舵軸および4個のフラップ舵は、筒部101の軸方向に見た場合に、筒部101の周方向に等間隔に並んで配置されている。
【0014】
固定板3は、図示しない複数のねじを介して筐体1に固定されている。それぞれの舵軸回転装置2は、固定板3に取り付けられている。それぞれの舵軸回転装置2が固定板3に取り付けられている状態で、固定板3が筐体1に固定されることによって、それぞれの舵軸回転装置2が筐体1に取り付けられる。
【0015】
4個の舵軸回転装置2のそれぞれは、互いに同一の構成になっている。したがって、以下、1個の舵軸回転装置2の構成について説明する。
【0016】
図3は、図1の1個の舵軸回転装置2を示す正面図である。図4は、図3の舵軸回転装置2を示す平面図である。図5は、図3の舵軸回転装置2を示す斜視図である。図6は、図3の舵軸回転装置2を示す分解斜視図である。舵軸回転装置2は、取付板201と、モータ202と、減速装置203と、回転軸204と、出力ギヤ205と、レバー206と、ピン207と、ピン固定板208と、2個のねじ209と、を備えている。
【0017】
取付板201は、固定板3に固定されている。取付板201は、平板形状に形成されている。取付板201は、後端部102の内壁面103に対向するように配置されている。
【0018】
モータ202は、取付板201に取り付けられている。モータ202は、モータ本体210と、減速部211と、を有している。
【0019】
モータ本体210には、図示しない電源装置から電流が供給される。電源装置からモータ本体210への電流の供給は、制御装置によって制御される。モータ本体210に電流が供給されることによって、モータ本体210の回転軸が回転する。
【0020】
減速部211には、モータ本体210の回転軸の回転力が伝達される。モータ本体210から減速部211への回転力の伝達では、回転数が減速される。減速部211は、モータ本体210から減速部211に伝達された回転力を減速装置203に伝達する。なお、モータ202は、減速部211を有さずに、モータ本体210の回転軸の回転力が減速装置203に直接に伝達される構成であってもよい。
【0021】
減速装置203は、取付板201に取り付けられている。減速装置203は、駆動ギヤ212と、アイドラギヤ213と、を有している。
【0022】
駆動ギヤ212は、減速部211に接続されている。駆動ギヤ212には、減速部211を介してモータ本体210の回転軸の回転力が伝達される。
【0023】
アイドラギヤ213の外周部は、駆動ギヤ212の外周部に噛み合って配置されている。これにより、駆動ギヤ212の回転力がアイドラギヤ213に伝達される。したがって、駆動ギヤ212が回転することによって、アイドラギヤ213が回転する。駆動ギヤ212からアイドラギヤ213への回転力の伝達では、回転数が減速される。
【0024】
回転軸204は、図示しない軸受を介して取付板201に取り付けられている。回転軸204の軸線に沿った方向を軸方向D1とする。回転軸204の軸線に直交する平面において回転軸204の軸線を中心とする円の半径に沿った方向を径方向D2とする。回転軸204の軸線に直交する平面において回転軸204の軸線を中心とする円の円周に沿った方向を周方向D3とする。
【0025】
出力ギヤ205は、回転軸204を介して取付板201に取り付けられている。回転軸204および出力ギヤ205は、互いに固定されている。したがって、出力ギヤ205は、回転軸204を中心に周方向D3に回転可能になっている。
【0026】
出力ギヤ205は、平板形状に形成されている。出力ギヤ205は、出力ギヤ205の板厚方向が軸方向D1に一致するように配置されている。出力ギヤ205の板厚方向に出力ギヤ205を見た場合に、出力ギヤ205の外形は、周方向D3に延びた円弧と、円弧を周方向D3に挟む一対の半径とによって形成された扇型形状になっている。
【0027】
出力ギヤ205における円弧部分は、アイドラギヤ213が外周部に噛み合って配置されている。これにより、アイドラギヤ213の回転力が出力ギヤ205に伝達される。したがって、アイドラギヤ213が回転することによって、出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転する。
【0028】
レバー206は、出力ギヤ205に設けられている。出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転することによって、レバー206は、回転軸204を中心に周方向D3に回転するようになっている。
【0029】
ピン207は、出力ギヤ205に立てられている。ピン207は、軸方向D1に沿って配置されている。
【0030】
ピン固定板208は、ピン固定板208と出力ギヤ205との間にレバー206が挟まれるように配置されている。ピン固定板208は、2個のねじ209を介して、出力ギヤ205に固定されている。ピン固定板208が出力ギヤ205に固定されることによって、レバー206が出力ギヤ205から離れることが抑制されている。
【0031】
図7は、図3の出力ギヤ205、レバー206およびピン207を示す斜視図である。図8は、図7の出力ギヤ205を示す斜視図である。図9は、図7のレバー206およびピン207を示す斜視図である。図10は、図7のレバー206を示す斜視図である。出力ギヤ205の板厚方向を向く一対の面のうちの一方を表面214とし、他方を裏面215とする。表面214は、取付板201とは反対側を向いている。裏面215は、取付板201に対向している。回転軸204は、裏面215に固定されている。
【0032】
表面214には、レバー206が挿入されたレバー挿入溝216が形成されている。径方向D2において、レバー挿入溝216の大きさは、レバー206の大きさよりも予め設定された寸法だけ大きくなっている。周方向D3において、レバー挿入溝216の大きさは、レバー206の大きさよりも予め設定された寸法だけ大きくなっている。したがって、レバー206は、レバー挿入溝216の中で径方向D2および周方向D3において、移動可能になっている。
【0033】
レバー挿入溝216における軸方向D1を向く面である底面は、レバー取付面217になっている。言い換えれば、出力ギヤ205には、レバー取付面217が形成されている。レバー取付面217には、レバー206が設けられている。レバー206がレバー挿入溝216に挿入されることによって、出力ギヤ205に対する径方向D2および周方向D3へのレバー206の移動が制限されている。言い換えれば、レバー206がレバー挿入溝216に挿入されることによって、出力ギヤ205に対するレバー取付面217に沿った方向へのレバー206の移動が制限されている。
【0034】
レバー取付面217には、ピン207が嵌められるピン嵌合穴218が形成されている。ピン207がピン嵌合穴に218に嵌められることによって、ピン207が出力ギヤ205に固定されている。
【0035】
表面214には、ピン固定板208が挿入される2個の固定板挿入溝219が形成されている。それぞれの固定板挿入溝219は、レバー挿入溝216に繋がっている。出力ギヤ205の板厚方向に見た場合に、2個の固定板挿入溝219は、レバー挿入溝216を挟むように配置されている。ピン固定板208が2個の固定板挿入溝219の両方に挿入されることによって、出力ギヤ205に対する径方向D2および周方向D3へのピン固定板208の移動が抑制されている。
【0036】
レバー206は、平板形状に形成されている。レバー206は、レバー206の板厚方向が出力ギヤ205の板厚方向に一致するように配置されている。レバー206には、舵軸が挿入される舵軸挿入穴220が形成されている。
【0037】
舵軸挿入穴220は、レバー206の板厚方向にレバー206を貫通している。軸方向D1に沿って見た場合に、舵軸挿入穴220は、回転軸204に重なるように配置されている。
【0038】
舵軸挿入穴220には、舵軸が嵌められる。したがって、レバー206が回転軸204を中心に周方向D3に回転することによって、舵軸が周方向D3に回転する。
【0039】
レバー206における舵軸挿入穴220から径方向D2に離れた位置には、ピン207が挿入されたピン挿入穴221が形成されている。出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転することによって、レバー206が、ピン207に押されて、回転軸204を中心に周方向D3に回転する。
【0040】
ピン挿入穴221は、径方向D2に沿って延びた長穴になっている。したがって、レバー206は、レバー挿入溝216の中で、出力ギヤ205に対して径方向D2に移動可能になっている。
【0041】
次に、舵軸回転装置2の動作について説明する。モータ202が駆動することによって、モータ202の回転軸の回転力が減速装置203を介して出力ギヤ205に伝達される。これにより、出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転する。
【0042】
出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転することによって、ピン207が回転軸204を中心に周方向D3に移動する。これにより、ピン207がレバー206を周方向D3に押す。
【0043】
ピン207がレバー206を周方向D3に押すことによって、レバー206が回転軸204を中心に周方向D3に回転する。これにより、舵軸が周方向D3に回転する。舵軸が周方向D3に回転することによって、フラップ舵が周方向D3に回転する。
【0044】
以上説明したように、実施の形態1に係る舵軸回転装置2は、回転軸204と、出力ギヤ205と、レバー206と、を備えている。出力ギヤ205は、モータ202の駆動によって回転軸204を中心に周方向D3に回転する。レバー206は、出力ギヤ205に形成されているレバー取付面217に設けられている。レバー206には、舵軸が挿入される舵軸挿入穴220が形成されている。出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転することによって、レバー206が回転軸204を中心に周方向D3に回転する。この構成によれば、出力ギヤ205およびレバー206を互いに重ねて配置することができる。その結果、出力ギヤおよびレバーが駆動ロッドを介して互いに接続されている構成と比較して、舵軸回転装置2を小型化することができる。
【0045】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2は、レバー取付面217に立てられたピン207を備えている。レバー206における舵軸挿入穴220から径方向D2に離れた位置には、ピン207が挿入されたピン挿入穴221が形成されている。出力ギヤ205が回転軸204を中心に周方向D3に回転することによって、レバー206が、ピン207に押されて、回転軸204を中心に周方向D3に回転する。この構成によれば、舵軸挿入穴220から径方向D1に離れた位置でピン207がレバー206を周方向D3に押す。これにより、出力ギヤ205を回転させる力を小さくしても舵軸を回転させることができる。その結果、モータ202の出力を小さくすることができる。
【0046】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、ピン挿入穴221は、径方向D2に沿って延びた長穴になっている。この構成によれば、ピン207は、ピン挿入穴221の中で径方向D2に移動可能である。これにより、ピン207がピン挿入穴221の中で移動可能な範囲で、レバー206が出力ギヤ205に対して径方向D2に移動可能になる。したがって、回転軸204と舵軸との間で径方向D2に芯ずれが発生している場合に、回転軸204と舵軸との間の芯ずれを吸収するように、レバー206が出力ギヤ205に対して径方向D2に移動する。その結果、回転軸204と舵軸との間で芯ずれが発生している場合であっても、出力ギヤ205の回転力を舵軸に伝達することができる。また、周方向D3に垂直な断面であってピン挿入穴221に沿った断面において回転軸204と舵軸との間で偏角が発生している場合に、回転軸204と舵軸との間の偏角を吸収するように、レバー206が出力ギヤ205に対して径方向D2に移動する。その結果、回転軸204と舵軸との間で偏角が発生している場合であっても、出力ギヤ205の回転力を舵軸に伝達することができる。
【0047】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、出力ギヤ205には、レバー206が挿入されたレバー挿入溝216が形成されている。レバー206がレバー挿入溝216に挿入されることによって、出力ギヤ205に対するレバー取付面217に沿った方向へのレバー206の移動が制限されている。この構成によれば、簡単な構成で、出力ギヤ205に対するレバー取付面217に沿った方向へのレバー206の移動を制限することができる。また、出力ギヤ205およびレバー206の全体の体積を小さくすることができる。これにより、舵軸回転装置2をより小型化することができる。
【0048】
なお、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、ピン207を備えている舵軸回転装置2の構成について説明した。しかしながら、この構成に限らない。出力ギヤ205が回転軸204を中心に回転することによって、レバー206が回転軸204を中心に回転する舵軸回転装置2の構成であれば、ピン207を備えていない舵軸回転装置の構成であってもよい。
【0049】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、ピン207がレバー取付面217に立てられ、レバー206における舵軸挿入穴220から径方向D2に離れた位置に、ピン挿入穴221が形成されている舵軸回転装置2の構成について説明した。しかしながら、この構成に限らない。例えば、ピンがレバー206におけるレバー取付面217に対向する面に立てられ、レバー取付面217における回転軸204から径方向D2に離れた位置に、ピンが挿入されたピン挿入穴が形成されている舵軸回転装置の構成であってもよい。この場合であっても、出力ギヤ205を回転させる力を小さくしても舵軸を回転させることができ、その結果、モータ202の出力を小さくすることができる。
【0050】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、ピン207がピン嵌合穴に218に嵌められることによって、ピン207が出力ギヤ205に固定されている舵軸回転装置2の構成について説明した。しかしながら、この構成に限らない。例えば、ピン207と出力ギヤ205とが一体成形されることによって、ピン207が出力ギヤ205に固定されている舵軸回転装置の構成であってもよい。また、ピン207が接着剤を介して出力ギヤ205に固定されている舵軸回転装置の構成であってもよい。
【0051】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、ピン挿入穴221が径方向D2に沿って延びた長穴になっている構成について説明した。しかしながら、この構成に限らない。例えば、ピン挿入穴221が丸穴になっている舵軸回転装置の構成であってもよい。
【0052】
また、実施の形態1に係る舵軸回転装置2では、出力ギヤ205にレバー挿入溝216が形成されており、レバー206がレバー挿入溝216に挿入されている舵軸回転装置2の構成について説明した。しかしながら、この構成に限らない。例えば、出力ギヤ205の表面214に突起部が形成され、突起部がレバー206に接触することによって、出力ギヤ205に対するレバー取付面217に沿った方向へのレバー206の移動が制限されている舵軸回転装置の構成であってよい。
【0053】
以上、好ましい実施の形態1に係る舵軸回転装置2について説明したが、上述した実施の形態1に係る舵軸回転装置2に制限されることはない。特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態1に係る舵軸回転装置2に種々の変形および変換を加えることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 筐体、2 舵軸回転装置、3 固定板、101 筒部、102 後端部、103 内壁面、201 取付板、202 モータ、203 減速装置、204 回転軸、205 出力ギヤ、206 レバー、207 ピン、208 ピン固定板、209 ねじ、210 モータ本体、211 減速部、212 駆動ギヤ、213 アイドラギヤ、214 表面、215 裏面、216 レバー挿入溝、217 レバー取付面、218 ピン嵌合穴、219 固定板挿入溝、220 舵軸挿入穴、221 ピン挿入穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10