(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073925
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】燃料電池ユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240523BHJP
F24D 18/00 20220101ALI20240523BHJP
F24H 9/02 20060101ALI20240523BHJP
F24D 101/30 20220101ALN20240523BHJP
【FI】
H01M8/04 N
F24D18/00
F24H9/02 301B
F24D101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184914
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】玉田 晴彦
【テーマコード(参考)】
3L037
3L122
5H127
【Fターム(参考)】
3L037AA04
3L037AB07
3L037AC02
3L122AA02
3L122AA28
5H127AB23
5H127AC02
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA33
5H127BB02
5H127BB18
5H127CC07
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE24
5H127EE29
5H127GG03
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】発電排気が容易に排出されるように構成された排気混合通路を備えた燃料電池ユニットを提供すること。
【解決手段】燃料ガスと酸化剤ガスを利用して発電する発電モジュール(6)と、発電モジュール(6)の発電排気を冷却する冷却水の温度を下げるための放熱器(10)をケース(2)内に備えた燃料電池ユニット(1)は、発電モジュール(6)の発電排気が流通する発電排気通路(12)と、ケース(2)の内部空気が流通する換気通路(13)と、放熱器(10)からの冷却風が流通する冷却風通路(14)を備え、発電モジュール(6)の発電排気とケース(2)の内部空気と放熱器(10)の冷却風を混合してケース(2)外に排出するために、発電排気通路(12)と換気通路(13)と冷却風通路(14)とが接続されて形成された集合排気通路(15)を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化剤ガスを利用して発電する発電モジュールと、前記発電モジュールの発電排気を冷却する冷却水の温度を下げるための放熱器をケース内に備えた燃料電池ユニットにおいて、
前記発電モジュールの発電排気が流通する発電排気通路と、前記ケースの内部空気が流通する換気通路と、前記放熱器からの冷却風が流通する冷却風通路を備え、
前記発電モジュールの発電排気と前記ケースの内部空気と前記放熱器の冷却風を混合して前記ケース外に排出するために、前記発電排気通路と前記換気通路と前記冷却風通路とが接続されて形成された集合排気通路を有することを特徴とする燃料電池ユニット。
【請求項2】
前記集合排気通路は、前記換気通路と前記冷却風通路の接続部よりも下流側で前記発電排気通路が接続されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池ユニット。
【請求項3】
前記集合排気通路は、前記換気通路と前記冷却風通路の接続部から前記ケース外に延びる排気筒を有し、
前記発電排気通路の下流端部が、前記排気筒の中心軸線に沿うようにこの排気筒内まで延びる筒状部材によって形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池ユニット。
【請求項4】
前記筒状部材によって形成された前記発電排気通路の下流端部は、その下流端が閉塞され且つ径方向に開けた複数の開口部を介して前記排気筒内に連通することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用の給湯システムに関し、特に燃料電池の発電時の排熱を利用する給湯システムの燃料電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば集合住宅の共用通路に面するパイプシャフトと呼ばれる収容スペース内には、燃料ガス管及び上水道管が配管されると共に、給湯装置が設置されている。この給湯装置が燃料ガスを燃焼させて上水を加熱する燃焼式給湯装置である場合には、パイプシャフトの外に排出される燃焼排気が共用通路にいる人に直接当たらないように、給湯装置がパイプシャフトの上部に設置される。通常、パイプシャフトの開口部には、この開口部を開閉する扉を支持するための金属製の枠体が固定され、この枠体に給湯装置が固定される。
【0003】
給湯装置として、例えば燃料電池の発電時に発生する熱を熱媒(冷却水)によって回収して蓄熱タンクに蓄熱し、この熱を利用して加熱した湯水を給湯に使用する燃料電池ユニットを備えた給湯システムが、パイプシャフトに設置される場合がある。そして、蓄熱タンクの熱が不足する場合には、例えばこの給湯システムを構成する燃焼式給湯装置で上水を加熱して給湯設定温度に調整された湯水が給湯される。
【0004】
燃料電池ユニットとして例えば特許文献1には、燃料ガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて発電する燃料電池、燃料電池及びその発電排気を冷却する冷却水を貯留する冷却水タンク、ケースの内部空気と発電排気を混合してケース外に排出する排出通路といった機器類が1つのケース内に収容されている。そして、冷却水を冷却する放熱器を備え、放熱器からの冷却風と発電排気を混合してケース外に排出する構成が記載されている。
【0005】
また、例えば特許文献2のように、換気ファンによってケース外に排出されるケースの内部空気と燃料電池の空気オフガスと燃料改質装置の燃焼排ガスを混合して、ケース外に排出する排出装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6899539号公報
【特許文献2】特許第3549281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
燃料電池の発電排気(空気オフガスと燃料改質装置の燃焼排ガス)には、水素と酸素の反応によって生成される高温の水蒸気が多く含まれているので、ケース外に排出されて温度が下がると白煙のように見え、誤解や不信感を誘発する虞がある。そのため、特許文献1、2のように、冷却水で発電排気の温度を下げて水蒸気の含有量を減らすと共にケースの内部空気又は冷却風と混合し、希釈した発電排気をケース外に排出している。
【0008】
しかし、家庭用の燃料電池の発電排気の流量は小さいので、発電排気の排出がケースの内部空気又は冷却風の風圧によって阻害され、発電排気が排出され難くなる場合があった。また、流量が小さい発電排気が単独で排出される構成では、ケース外の風の影響を受けて排出され難くなる場合があった。
【0009】
そこで、本発明は、発電排気が容易に排出されるように構成された排気混合通路を備えた燃料電池ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明の燃料電池ユニットは、燃料ガスと酸化剤ガスを利用して発電する発電モジュールと、前記発電モジュールの発電排気を冷却する冷却水の温度を下げるための放熱器をケース内に備えた燃料電池ユニットにおいて、前記発電モジュールの発電排気が流通する発電排気通路と、前記ケースの内部空気が流通する換気通路と、前記放熱器からの冷却風が流通する冷却風通路を備え、前記発電モジュールの発電排気と前記ケースの内部空気と前記放熱器の冷却風を混合して前記ケース外に排出するために、前記発電排気通路と前記換気通路と前記冷却風通路とが接続されて形成された集合排気通路を有することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、発電モジュールの発電排気とケースの内部空気と放熱器の冷却風が集合排気通路で混合されてケース外に排出される。従って、発電モジュールの発電排気がケースの内部空気と放熱器の冷却風によって十分に希釈されて排出されるので、この発電排気に含まれる水蒸気が白煙のように見えることを防止できる。また、流量が小さい発電排気が単独でケース外に排出される場合よりも、ケースの内部空気と放熱器の冷却風の混合によってケース外の風の影響を受け難くすることができ、耐風性が向上する。その上、燃料電池ユニットの排気箇所が1つになるので、例えば集合住宅のパイプシャフトに燃料電池ユニットを容易に設置することができる。
【0012】
請求項2の発明の燃料電池ユニットは、請求項1の発明において、前記集合排気通路は、前記換気通路と前記冷却風通路の接続部よりも下流側で前記発電排気通路が接続されたことを特徴としている。
上記構成によれば、ケースの内部空気と放熱器の冷却風との混合気によって、発電モジュールの発電排気が希釈されてケース外に排出される。流量が小さい発電排気が混合気によって希釈、搬送されるので、耐風性が向上すると共に白煙のように見えることを防止できる。
【0013】
請求項3の発明の燃料電池ユニットは、請求項1又は2の発明において、前記集合排気通路は、前記換気通路と前記冷却風通路の接続部から前記ケース外に延びる排気筒を有し、前記発電排気通路の下流端部が、前記排気筒の中心軸線に沿うようにこの排気筒内まで延びる筒状部材によって形成されたことを特徴としている。
上記構成によれば、ケースの内部空気と放熱器の冷却風とが混合された混合気は、排気筒内をケース外に向かって流通する。そして、筒状部材によって形成された発電排気通路の下流端部は、排気筒の中心軸線に沿うように排気筒内まで延びている。この発電排気通路の下流端は開放されているので、発電モジュールの発電排気が排気筒内を流通する混合気の流通方向に排出される。従って、内部空気と冷却風の混合気に妨げられないように発電排気を排出することができる。
【0014】
請求項4の発明の燃料電池ユニットは、請求項3の発明において、前記筒状部材によって形成された前記発電排気通路の下流端部は、その下流端が閉塞され且つ径方向に開けた複数の開口部を介して前記排気筒内に連通することを特徴としている。
上記構成によれば、発電モジュールの発電排気は、発電排気通路の下流端部の筒状部材に形成された複数の開口部を介して、排気筒内を流通するケースの内部空気と放熱器の冷却風の混合気の流通方向に対して直交するように排気筒内に排出される。従って、発電モジュールの発電排気が、排気筒内をケース外に向かって流通するケースの内部空気と放熱器の冷却風の混合気に混合され易くなり、排気筒内で希釈されて発電排気を排出することができるので白煙のように見えることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の燃料電池ユニットによれば、排気混合通路によって発電排気を容易に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例に係る燃料電池ユニットの外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る燃料電池ユニットの内部構成の説明図である。
【
図3】燃料電池ユニットの集合排気通路を示す斜視図である。
【
図6】発電排気通路の下流端部の他の例を示す図である。
【
図7】パイプシャフトへの燃料電池ユニットの設置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0018】
燃料電池ユニット1は、例えば
図1、
図2に示すように、直方体状のケース2内に、燃料ガス供給部3と、改質水供給部4と、酸化剤ガス供給部5と、発電モジュール6と、排熱回収熱交換器7と、蓄熱タンク8と、給湯熱交換器9と、放熱器10と、パワーコンディショナ11と制御部12が収容されて形成されている。図中の矢印U,F,Lは夫々燃料電池ユニット1の上方、前方、左方を表す。パワーコンディショナ11は、外部から燃料電池ユニット1の作動用電力の供給を受けると共に、発電モジュール6で発電した電力を家庭用電力に変換して外部に供給する。制御部12は、発電モジュール6で常時発電するためにケース2内の機器を制御する。
【0019】
燃料ガス供給部3は、矢印Gで示すように外部から供給される燃料ガス(例えばメタンを主成分とする都市ガス)を発電モジュール6に供給する。改質水供給部4は、水蒸気改質法によって燃料ガスから水素を取り出すための水を、改質水ポンプ4aによって発電モジュール6に供給する。
【0020】
酸化剤ガス供給部5は、水素と反応させる酸素が含まれるケース2の内部空気を発電モジュール6に供給する。発電モジュール6は、例えば700℃以上の高温環境下で、燃料ガスから取り出した水素と酸化剤ガスである酸素を反応させることにより発電する燃料電池を備え、発電した電力を不図示の電力線を介してパワーコンディショナ11に送り、高温の発電排気を排熱回収熱交換器7に送る。
【0021】
排熱回収熱交換器7は、水素と酸素の反応によって生成された水蒸気が多量に含まれる高温の発電排気を、冷却水(熱媒)との熱交換により冷却し、この冷却によって水蒸気が凝縮した水を改質水供給部4に送る。また、排熱回収熱交換器7には、冷却されて温度が下がった発電排気が流通する発電排気通路14が接続され、この発電排気通路14を介して発電排気が矢印E1で示すようにケース2外に排出される。改質水供給部4に送られた水は、不純物が除去されて燃料ガスから水素を取り出すための水として利用され、不要な水は矢印Dのように排水される。
【0022】
冷却水は蓄熱タンク8に貯留されており、蓄熱タンク8の下部から冷却水ポンプ8aによって放熱器10に送られ、放熱器10で放熱して温度が下がった冷却水が排熱回収熱交換器7に供給される。排熱回収熱交換器7において高温の発電排気との熱交換により温度が上昇した冷却水は、蓄熱タンク8の上部に戻されて貯留される。
【0023】
給湯時には、蓄熱タンク8に貯留されている高温の冷却水が、給湯ポンプ8bによって蓄熱タンク8の上部から給湯熱交換器9に供給される。そして、矢印CWで示すように供給される上水が、給湯熱交換器9において高温の冷却水との熱交換によって加熱され、混合弁15での低温の上水との混合により温度調整されて、矢印HWで示すように給湯される。給湯熱交換器9で上水との熱交換により温度が低下した冷却水は、蓄熱タンク8の下部に戻される。
【0024】
発電モジュール6は発電時に高温になるので、ケース2内の温度上昇を抑えるためにケース2の内部空気が換気される。ケース2の内部空気は、矢印E2で示すように換気ファン16aによって換気通路16を流通してケース2外に排出される。また、冷却ファン17aによってケース2内の空気が放熱器10に導入され、この放熱器10からの冷却風が矢印E3で示すように冷却風通路17を流通してケース2外に排出される。ケース2には、矢印Aで示すようにケース2に設けられた給気口2aから外部の空気が導入される。
【0025】
燃料電池ユニット1は、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風と発電排気を混合して排気するための集合排気通路18を有する。発電排気には水蒸気が含まれており、燃料電池ユニット1から排出される発電排気が白煙のように見えると誤解や不信感を誘発する虞がある。そこで、集合排気通路18でケース2の内部空気と放熱器10の冷却風によって発電排気を希釈して、ケース2外への排出時に発電排気が白煙のように見えることを防止している。
【0026】
次に、集合排気通路18について説明する。
図3、
図4、
図5に示すように、集合排気通路18は、換気ファン16aによってケース2の内部空気が流通する換気通路16と、冷却ファン17aによって放熱器10からの冷却風が流通する冷却風通路17と、発電排気が流通する発電排気通路14の下流端部が接続されて形成されている。換気通路16と冷却風通路17は、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風とが対向衝突して混合されるように接続され、この接続部からケース2外に連通する排気筒18aが延びている。そして、発電排気通路14の下流端部は、換気通路16と冷却風通路17の接続部の下流側の排気筒18a内まで延びて、内部空気と冷却風の混合気に発電排気が混合されるように接続されている。
【0027】
発電排気通路14の下流端部は、筒状部材によって形成されており、排気筒18aの中心軸線18bに沿うように排気筒18a内まで延びている。発電排気通路14の下流端が中心軸線18b方向において開放されている場合には、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風の混合気の流通方向と同じ方向に発電排気が容易に排出される。これにより、発電排気は、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風の風圧によって排出が阻害されず、発電排気通路14から排気筒18a内に排出される。そして、発電排気が内部空気と冷却風の混合気で希釈されてケース2外に排出され、白煙のように見えることが防止される。また、発電排気と内部空気と冷却風が一緒に排出されるので、流量が小さい発電排気が単独で排出される場合よりも外部の風の影響を受け難くなり、耐風性が向上する。
【0028】
図6は、集合排気通路18の他の例を示す要部断面図である。筒状部材によって形成された発電排気通路14の下流端部は、その下流端が閉塞され且つ径方向に開けられた複数の開口部14aを介して排気筒15a内と連通している。この場合には、排気筒18a内をケース2外に向かって流通するケース2の内部空気と放熱器10の冷却風の混合気によって、発電排気通路14から発電排気が吸い出されるように複数の開口部14aを介して容易に排出される。これにより、発電排気が内部空気と冷却風の混合気によって希釈され易くなり、ケース2外に排出されて白煙のように見えることが防止される。また、発電排気と内部空気と冷却風が一緒に排出されるので、流量が小さい発電排気が単独で排出される場合よりも外部の風の影響を受け難くなり、耐風性が向上する。
【0029】
例えば
図7に示すように、燃料電池ユニット1を有する給湯システムが、集合住宅のパイプシャフトPSに設置される場合がある。パイプシャフトPSは、例えば共用通路に面するように開口部が設けられた収容部であり、上下方向に通る上水、排水及びガスの配管類やそれらの使用量メータ等を収容すると共に、給湯システムの設置場所になっている。パイプシャフトPSの開口部には金枠20が設けられ、開口部を開閉する扉21が金枠20にヒンジで連結されている。金枠20は、例えば横桟20aによって上段と下段に区画され、上段区画が縦桟20bによって右上段と左上段に区画されている。
【0030】
燃料電池ユニット1は、扉内ケース22を介して金枠20の上段の例えば右上段区画に固定される。扉内ケース22は、燃料電池ユニット1から前方に延びる矩形筒状に形成された取付部材であり、例えば燃料電池ユニット1の前側部分の上面と両側面と底面に設けられているフランジに固定される。
【0031】
扉21には、排気筒18aに対応する位置に穴21aが設けられており、この穴21aを介して排気筒18aの先端部分がパイプシャフトPS外に出る。燃料電池ユニット1からは、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風と発電モジュール6の発電排気が集合排気通路18で混合されて、排気筒18aからパイプシャフトPS外に排出される。給気口2aからケース2内に導入される空気は、パイプシャフトPS外から例えば扉21の通気孔、穴21aと排気筒18aの間の隙間等を介して給気口2aに供給される。
【0032】
燃料電池ユニット1が金枠20の上段の区画に設置されているので、排気筒18aが高い位置になり、排気筒18aからの排気が人に当たり難い。また、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風と発電排気が混合されて排気筒18aから排出されるので、広く利用されている燃焼式給湯装置と同様に排気筒18aを挿通させる扉21の穴21aを利用して、パイプシャフトPSに燃料電池ユニット1を容易に設置することができる。
【0033】
上記燃料電池ユニット1の作用、効果について説明する。
発電モジュール6の発電排気と、ケース2の内部空気と、放熱器10の冷却風が、集合排気通路18で混合され、発電排気が希釈されてケース2外に排出される。従って、発電排気に含まれる水蒸気が白煙のように見えることを防止できる。また、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風と発電排気を混合するので、流量が小さい発電排気が単独でケース2外に排出される場合よりもケース2外の風の影響を受け難くすることができ、耐風性が向上する。その上、集合排気通路18によって燃料電池ユニット1からの排気箇所が1つになるので、例えば集合住宅のパイプシャフトPSに燃料電池ユニット1を容易に設置することができる。
【0034】
集合排気通路18では、換気通路16と冷却風通路17の接続部よりも下流側で発電排気通路14が接続されているので、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風との混合気によって、発電モジュール6の発電排気が希釈されてケース2外に排出される。流量が小さい発電排気がケース2の内部空気と放熱器10の冷却風の混合気によって希釈、搬送されるので、ケース2外の風の影響を受け難くすることができ、耐風性が向上すると共に、白煙のように見えることを防止できる。
【0035】
集合排気通路18は、換気通路16と冷却風通路17の接続部からケース2外に延びる排気筒18aを有する。筒状部材によって形成された発電排気通路14の下流端部は、排気筒18aの中心軸線18bに沿うようにこの排気筒15a内まで延びている。ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風とが混合された混合気は、排気筒18a内をケース2外に向かって流通する。発電排気通路14の下流端が開放されている場合には、発電排気が排気筒18a内を流通する混合気の流通方向に排出されるので、ケース2の内部空気と放熱器10の冷却風に妨げられないように発電排気を排出することができる。
【0036】
筒状部材によって形成された発電排気通路14の下流端部の下流端が閉塞され、且つ径方向に開けた複数の開口部14aを介して排気筒18a内に連通している場合には、発電排気は、排気筒18a内を流通するケース2の内部空気とケース2の冷却風の混合気の流通方向に対して直交するように、複数の開口部14aを介して排気筒18a内に排出される。従って、発電モジュール6の発電排気が、排気筒18a内をケース2外に向かって流通するケース2の内部空気と放熱器10の冷却風の混合気に混合され易くなり、排気筒18a内で希釈されて発電排気を排出することができるので白煙のように見えることを防止できる。
【0037】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。