IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルネサスエレクトロニクス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図1
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図2
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図3
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図4
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図5
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図6
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図7
  • 特開-半導体装置および撮像装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073944
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】半導体装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/34 20060101AFI20240523BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20240523BHJP
   H03M 1/10 20060101ALI20240523BHJP
   H03M 1/08 20060101ALI20240523BHJP
   H03M 1/12 20060101ALI20240523BHJP
   H03G 3/12 20060101ALI20240523BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20240523BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20240523BHJP
【FI】
H03F3/34 210
H03F3/45
H03M1/10 A
H03M1/08 A
H03M1/12 A
H03G3/12 B
G03B5/00 J
H04N23/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184942
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 航
(72)【発明者】
【氏名】森下 玄
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
5J022
5J100
5J500
【Fターム(参考)】
2K005CA23
2K005CA24
2K005CA40
2K005CA60
5C122EA41
5C122HA34
5C122HA75
5C122HA82
5J022AA01
5J022AB01
5J022BA02
5J022BA03
5J022CC01
5J022CG04
5J100AA15
5J100BA05
5J100BB08
5J100BC07
5J100CA06
5J100CA28
5J100EA02
5J100FA00
5J500AA01
5J500AA12
5J500AA51
5J500AC13
5J500AC46
5J500AC92
5J500AF09
5J500AF14
5J500AH25
5J500AH26
5J500AH39
5J500AK34
5J500AM13
5J500AS08
5J500AS15
5J500AT01
5J500AT06
5J500DP02
(57)【要約】
【課題】オフセット電圧に応じたキャリブレーションを実行可能であるとともにADCのノイズの影響を抑制可能な可変ゲイン増幅器を備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置に備えられた可変ゲイン増幅器14は、オフセット電圧を有する差動入力電圧VINP,VINNを増幅するための全差動増幅器40を備える。全差動増幅器40の非反転入力ノードおよび反転入力ノードの各々には、抵抗素子47,48を介して補正電圧VDAC1,VDAC2が入力される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可変ゲイン増幅器を備え、前記第1の可変ゲイン増幅器は、
オフセット電圧を有する差動入力電圧が入力される正側入力ノードおよび負側入力ノードと、
全差動増幅器と、
第1の補正電圧が入力される第1のノードと、
第2の補正電圧が入力される第2のノードと、
前記正側入力ノードと前記全差動増幅器の非反転入力ノードとの間に接続された第1の抵抗素子と、
前記負側入力ノードと前記全差動増幅器の反転入力ノードとの間に接続された第2の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記非反転入力ノードと反転出力ノードとの間に接続された第3の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記反転入力ノードと非反転出力ノードとの間に接続された第4の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記非反転入力ノードと前記第1のノードとの間に接続された第5の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記反転入力ノードと前記第2のノードとの間に接続された第6の抵抗素子とを備える、半導体装置。
【請求項2】
前記第1の抵抗素子、前記第2の抵抗素子、前記第3の抵抗素子、および前記第4の抵抗素子の各抵抗値は、前記第1の可変ゲイン増幅器のゲインに応じて設定され、
前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の各電圧値ならびに前記第5の抵抗素子および前記第6の抵抗素子の各抵抗値は、前記非反転出力ノードおよび前記反転出力ノードから出力される差動出力電圧にオフセット電圧が含まれないように、前記差動入力電圧に含まれるオフセット電圧に応じて設定される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の抵抗素子および前記第2の抵抗素子の各抵抗値は、第1の抵抗値に設定され、
前記第3の抵抗素子および前記第4の抵抗素子の各抵抗値は、第2の抵抗値に設定され、
前記第5の抵抗素子および前記第6の抵抗素子の各抵抗値は、第3の抵抗値に設定され、
前記第1の抵抗値と前記第2の抵抗値との比は、前記第1の可変ゲイン増幅器のゲインに応じて設定され、
前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の各電圧値ならびに前記第3の抵抗値は、前記非反転出力ノードおよび前記反転出力ノードから出力される差動出力電圧にオフセット電圧が含まれないように、前記差動入力電圧に含まれるオフセット電圧に応じて設定される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の可変ゲイン増幅器は、
前記第1のノードに接続され、前記第1の補正電圧を生成する第1のデジタルアナログ変換器と、
前記第2のノードに接続され、前記第2の補正電圧を生成する第2のデジタルアナログ変換器とをさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1のデジタルアナログ変換器および前記第2のデジタルアナログ変換器は、前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の値を調整するときに、同じタイミングで動作するように制御される、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の可変ゲイン増幅器は、前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の一方を生成するデジタルアナログ変換器をさらに備え、
前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の他方は、外部電源に基づく一定の基準電圧である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体装置には動作電圧として第1の電源電圧が与えられ、
前記基準電圧は、前記第1の電源電圧の半分である、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記非反転出力ノードおよび前記反転出力ノードから出力される差動出力電圧をデジタル値に変換するアナログデジタル変換器をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記差動入力電圧は、ホールセンサから入力される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体装置は、各々が、前記第1の可変ゲイン増幅器の場合と同一の構成要素を有する第2から第nの可変ゲイン増幅器をさらに備え、前記nは2以上の整数であり、
前記第1から第nの可変ゲイン増幅器の各々は、さらに、
前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の一方を生成するデジタルアナログ変換器と、
前記第1の補正電圧および前記第2の補正電圧の他方として、外部電源に基づく一定の基準電圧または他の可変ゲイン増幅器の前記デジタルアナログ変換器の出力電圧を選択的に供給するための切り替えスイッチとを備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
レンズ群と、
前記レンズ群を通過した光を受光するイメージセンサと、
前記レンズ群の一部である補正レンズまたは前記イメージセンサのいずれかである補正対象をシフトさせるアクチュエータと、
前記補正対象の位置を検出するホールセンサと、
前記ホールセンサから出力された差動電圧を増幅する可変ゲイン増幅器と、
前記増幅された差動電圧をデジタル値に変換するアナログデジタル変換器と、
検出された手ぶれ量に基づく目標位置と前記補正対象の位置との偏差に応じて前記アクチュエータを駆動するドライバとを備え、
前記可変ゲイン増幅器は、
前記差動電圧が入力される正側入力ノードおよび負側入力ノードと、
全差動増幅器と、
第1の補正電圧が入力される第1のノードと、
第2の補正電圧が入力される第2のノードと、
前記正側入力ノードと前記全差動増幅器の非反転入力ノードとの間に接続された第1の抵抗素子と、
前記負側入力ノードと前記全差動増幅器の反転入力ノードとの間に接続された第2の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記非反転入力ノードと反転出力ノードとの間に接続された第3の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記反転入力ノードと非反転出力ノードとの間に接続された第4の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記非反転入力ノードと前記第1のノードとの間に接続された第5の抵抗素子と、
前記全差動増幅器の前記反転入力ノードと前記第2のノードとの間に接続された第6の抵抗素子とを含む、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置および撮像装置に関し、たとえば、可変ゲイン増幅器を備えたアナログフロントエンドに好適に用いられる。
【背景技術】
【0002】
撮像装置などで用いられる手ぶれ補正機構には、検出された手ぶれ量に応じて補正レンズまたはイメージセンサをシフトさせる方式がある。この方式の手ぶれ補正機構は、補正レンズまたはイメージセンサの位置を検出するホールセンサと、ホールセンサの出力を増幅する可変ゲイン増幅器とを備える。さらに、可変ゲイン増幅器の後段にアナログデジタル変換器(ADC:Analog-to-Digital Convertor)が備えられる。
【0003】
上記の手ぶれ補正機構の問題点の1つとして、ホールセンサの組み立て誤差およびホール素子自体の特性ばらつきなどの誤差要因が挙げられる。精度の良い手ぶれ補正を実現するためにはこれらの誤差要因を解消するためのキャリブレーション回路が必須となる。
【0004】
たとえば、特開2007-129700号公報(特許文献1)の図22に開示された手ぶれ補正制御回路では、可変ゲイン増幅器を構成するOPアンプの非反転入力端子に、キャリブレーション用の補正電圧が入力される。補正電圧は、デジタルアナログ変換器(DAC:Digital-to-Analog Convertor)によって生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-129700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高精度の手ぶれ補正を実現するには、さらに、可変ゲイン増幅器の後段のADCのノイズの影響を考慮する必要がある。ADCのノイズが電源配線を介して伝搬すると、可変ゲイン増幅器の電源揺らぎの原因となるからである。上記の特開2007-129700号公報(特許文献1)では、このようなADCのノイズの影響について考慮されていない。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。なお、本開示の技術は、ホールセンサの場合に限らず一般のアナログフロントエンドに適用できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の半導体装置に備えられた可変ゲイン増幅器は、オフセット電圧を有する差動入力電圧を増幅するための全差動増幅器を備える。全差動増幅器の非反転入力ノードおよび反転入力ノードの各々には、抵抗素子を介して補正電圧が入力される。
【発明の効果】
【0008】
上記の実施形態によれば、オフセット電圧に応じたキャリブレーションを実行可能であるとともにADCのノイズの影響を抑制可能な可変ゲイン増幅器を備えた半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】撮像装置の構成のうち手ぶれ補正に関する部分を示すブロック図である。
図2図1のアナログフロントエンドのより詳細な構成例を示すブロック図である。
図3】第1の実施の形態の可変ゲイン増幅器の構成を示す回路図である。
図4図3の可変ゲイン増幅器の動作を説明するための波形図である。
図5】比較例の可変ゲイン増幅器の構成を示す回路図である。
図6図5の比較例の可変ゲイン増幅器の動作を説明するための波形図である。
図7】第2の実施形態の可変ゲイン増幅器の構成を示す回路図である。
図8】第3の実施形態の可変ゲイン増幅器の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態>
[手ぶれ補正機構の概要]
図1は、撮像装置の構成のうち手ぶれ補正に関する部分を示すブロック図である。撮像装置(IMAGING APPARATUS)1は、手ぶれを検出するためのセンサとしてジャイロセンサ(GYRO SENSOR)5X,5Yを備える。また、撮像装置1は、手ぶれを補正するための手段として手ぶれ補正レンズ(SHAKE CORRECTION LENS)3を備える。手ぶれ補正レンズ3は、撮像用の撮像レンズ群(LENS GROUP)2とイメージセンサ(IMAGE SENSOR)4との間に配置される。なお、本開示では、撮像レンズ群2と手ぶれ補正レンズ3とを併せてレンズ群と称する。
【0012】
さらに、撮像装置1は、上記の手ぶれ補正レンズ3を駆動するアクチュエータ(ACTUATOR)7と、手ぶれ補正レンズ3の位置を検出するホールセンサ(HALL SENSOR)6X,6Yとを備える。図1の例では、ピッチ方向とヨー方向の2軸のレンズ移動量を検出するために2個のホールセンサ6X,6Yが設けられている。これらに対応して、ピッチ方向とヨー方向の2軸の手ぶれ量を検出するために2個のジャイロセンサ5X,5Yが設けられる。
【0013】
さらに、撮像装置1は、上記の手ぶれ補正機構を制御する半導体装置(SEMICONDUCTOR DEVICE)10を備える。半導体装置10は、CPU11およびメモリ(MEMORY)12を含むマイクロコンピュータをベースに構成される。また、半導体装置10は、I2CバスまたはI3Cバスを介して、撮像装置1を含む携帯端末全体を制御するアプリケーションプロセッサ(Application Processor)20と接続される。これにより、半導体装置10は、アプリケーションプロセッサ20と連係して動作する。
【0014】
以下、半導体装置10の内部構成について説明する。図1に示すように、半導体装置10は、SPI(Serial Peripheral Interface)13と、アナログフロントエンド21とを備える。
【0015】
SPI13は、ジャイロセンサ5X,5Yによって検出された手ぶれデータ(HAND SHAKE DATA)を取り込む際のインターフェイスである。CPU11は、SPI13を介して取り込まれた手ぶれデータに基づいて手ぶれ補正レンズ3の目標位置の計算(TARGET POSITION CALCULATION)を行う。
【0016】
アナログフロントエンド21は、手ぶれ補正レンズ3のレンズ位置(LENS POSITION)を表すアナログ信号を、ホールセンサ6X,6Yから取り込む回路である。アナログフロントエンド21は、可変ゲイン増幅器(PGA:Programmable Gain Amplifier)14X,14Yと、ADC15とを含む。可変ゲイン増幅器14Xはホールセンサ6Xのアナログ出力信号を増幅し、可変ゲイン増幅器14Yはホールセンサ6Yの出力信号を増幅する。ADC15は、増幅後のホールセンサ6X,6Yの出力信号をAD変換する。
【0017】
半導体装置10は、さらに、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)16と、DAC17と、ドライバ(DRIVER)18とを備える。
【0018】
DSP16は、アナログフロントエンド21から出力された手ぶれ補正レンズ3の位置情報とCPU11から出力された目標位置との偏差に対してフィードバック制御演算を施す。フィードバック制御として、PI(比例積分)制御またはPID(比例積分微分)制御などを行ってもよい。DAC17は、DSP16の出力信号をアナログ信号に変換する。
【0019】
ドライバ18は、DAC17の出力信号に基づいてアクチュエータ7を駆動する。これにより、ホールセンサ6X,6Yで検出されたレンズ位置と、手ぶれデータに応じた目標位置との偏差に応じて、手ぶれ補正レンズ3の位置がフィードバック制御される。なお、図1では簡略化しているが、実際にはアクチュエータ7は2軸のアクチュエータであり、ドライバ18はアクチュエータごとに個別に設けられる。
【0020】
上記では、手ぶれ補正の方式として手ぶれ補正レンズ3の位置をシフトさせる場合について説明した。これに代えて、イメージセンサ4の位置をシフトさせる方式であってもよい。この場合、ホールセンサ6X,6Yは補正対象としてのイメージセンサ4の位置を検出し、アクチュエータ7は、補正対象であるイメージセンサ4の位置をシフトさせる。
【0021】
また、図1の例と異なり、アナログフロントエンド21の部分のみで半導体装置を構成してもよいし、可変ゲイン増幅器14のみで半導体装置を構成してもよい。半導体装置の構成は、使用目的および使用態様などに応じて変更される。
【0022】
[アナログフロントエンドの詳細な構成]
図2は、図1のアナログフロントエンド21のより詳細な構成例を示すブロック図である。図2では、手ぶれ補正レンズ3の位置検出が、ピッチ方向、ヨー方向、Z方向の3軸のホールセンサ6X,6Y,6Zを用いて行われる例が示されている。各ホールセンサ6の出力は差動出力である。
【0023】
図2を参照して、アナログフロントエンド21は、3チャンネルの可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zと、マルチプレクサ(MUX)32と、ADC15と、コントローラ(CONTROLLER)37とを含む。
【0024】
第1チャンネルの可変ゲイン増幅器14Xの正側入力ノード30Xおよび負側入力ノード31Xには、第1軸(ピッチ方向)用のホールセンサ6Xから差動入力信号VINP_ch1,VINN_ch1が入力される。同様に、第2チャンネルの可変ゲイン増幅器14Yの入力ノード対30Y,31Yには、第2軸(ヨー方向)用のホールセンサ6Yから差動入力信号VINP_ch2,VINN_ch2が入力される。第3チャンネルの可変ゲイン増幅器14Zの入力ノード対30Z,31Zには、第3軸(Z方向)用のホールセンサ6Zから差動入力信号VINP_ch3,VINN_ch3が入力される。
【0025】
マルチプレクサ32は、第1~第3チャンネルの可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zのそれぞれの差動出力電圧VOUTP,VOUTNから1つの差動出力電圧を選択する。
【0026】
ADC15は、マルチプレクサ32によって選択された可変ゲイン増幅器14の差動出力信号をAD変換する。
【0027】
コントローラ37は、可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zの動作を制御する。具体的には後述するように、各可変ゲイン増幅器14を構成する可変抵抗器およびDACの出力を設定する。
【0028】
上記のADC15および可変ゲイン増幅器14X~14Zは、第1の電源電圧VCCが供給されるパッド33に電源配線34を介して接続される。さらに、ADC15および可変ゲイン増幅器14X~14Zは、第2の電源電圧VSSが供給されるパッド35に電源配線36を介して接続される。これにより、ADC15および可変ゲイン増幅器14X~14Zの各々に動作電圧(VCC-VSS)が供給される。
【0029】
以下の説明では、簡単のために、第1の電源電圧VCCを正電圧とし、第2の電源電圧VSSを接地電圧(=0V)とする。
【0030】
[可変ゲイン増幅器の設計上の留意点]
以下、アナログフロントエンドで用いられる可変ゲイン増幅器の設計上の留意点について説明する。まず、ホールセンサ6から入力される差動入力電圧VINP,VINNは、ホールセンサごとに異なるオフセット電圧を含んでいる。この原因は、センサの組み立て誤差およびホール素子自体の特性ばらつきにある。したがって、オフセットキャリブレーション回路が必須となる点に留意すべきである。
【0031】
また、ADCからのノイズは、電源配線を介して伝搬するために電源電圧の揺らぎの原因となる。ADCを高分解能化すると、ADCのノイズの影響がより顕著になる。したがって、高精度のサーボ制御を実現するためには、ADCからのノイズの影響を最小化する必要がある点に留意すべきである。なお、オフセットキャリブレーションのためにDACから補正電圧をアンプに供給する場合には、DACによるノイズの影響も考慮する必要がある。
【0032】
さらに、チップ面積の縮小のためには、可変ゲイン増幅器の回路面積を抑制する必要がある点に留意すべきである。この理由は、手ぶれ補正を行うために、最低2軸、最大で6軸もしくはそれ以上のシフト量を検出する必要があるので、最低で2チャンネル、最大で6チャンネル以上の可変ゲイン増幅器が必要となるからである。このため、チップ全体に占める可変ゲイン増幅器の面積の割合はかなり大きくなる。以下、上記の点を考慮した可変ゲイン増幅器の構成について説明する。
【0033】
[可変ゲイン増幅器の構成]
図3は、第1の実施形態の可変ゲイン増幅器14の構成を示す回路図である。図3では、ホールセンサ6の等価回路も併せて示されている。ホールセンサ6において、ホール素子(HALL ELEMENT)64は、電源ノード61と接地ノード62との間に定電流回路63と直列に接続される。ホール素子64によって生成された差動入力電圧VINP,VINNは、正側入力ノード30および負側入力ノード31に入力される。
【0034】
可変ゲイン増幅器14は、全差動増幅器40と、抵抗素子41~44と、キャリブレーション回路としてのDAC49,50および抵抗素子47,48とを含む。図3の場合には、抵抗素子41,42,47,48は可変抵抗素子である。抵抗素子41,42に代えて抵抗素子43,44を可変抵抗素子としてもよいし、全ての抵抗素子を可変抵抗素子としてもよい。
【0035】
以下、図3の各構成要素の接続関係について説明する。抵抗素子41は、正側入力ノード30と全差動増幅器40の非反転入力ノードとの間に接続される。抵抗素子42は、負側入力ノード31と全差動増幅器40の反転入力ノードとの間に接続される。抵抗素子43は、全差動増幅器40の非反転入力ノードと反転出力ノードとの間に接続される。抵抗素子44は、全差動増幅器40の反転入力ノードと非反転出力ノードとの間に接続される。抵抗素子47は、全差動増幅器40の非反転入力ノードと、DAC49から補正電圧VDAC1が入力されるキャリブレーションノード45との間に接続される。抵抗素子48は、全差動増幅器40の反転入力ノードと、DAC50から補正電圧VDAC2が入力されるキャリブレーションノード46との間に接続される。
【0036】
全差動増幅器40を用いることにより、ADC15が発生するノイズによる電源揺らぎの影響を抑制できる。また、コントローラ37は、オフセット電圧のキャリブレーション時に、DAC49,50を同一動作シーケンスで動作させる。これにより、DACが発生するノイズの影響も抑制できる。
【0037】
なお、補正電圧VDAC1,VDAC2の各々の調整可能範囲は、電源電圧VSS(=0)からVCCまでである。したがって、差動補正電圧VDAC1-VDAC2の調整可能範囲は、-VCCからVCCまでになる。DAC49,50の一方をレプリカDACとして基準電圧VREF(=VCC/2)を供給するようにすれば、差動補正電圧VDAC1-VDAC2の調整可能範囲は、-VCC/2からVCC/2までになる。
【0038】
[可変ゲイン増幅器の動作]
次に、図3の可変ゲイン増幅器14の動作について説明する。抵抗素子41,42の抵抗値をR1とし、抵抗素子43,44の抵抗値をR2とし、抵抗素子47,48の抵抗値をROFFとする。差動入力電圧VINP,VINNのオフセット電圧をVOFFSETとする。この場合、全差動増幅器40の差動出力電圧VOUTP-VOUTNは、次式(1A),(1B)で表される。式(1B)は、式(1A)の第2項および第3項からR2/ROFFを括り出したものである。
【0039】
【数1】
【0040】
上式(1B)において、可変ゲイン増幅器14のゲインは、差分入力電圧(VINP-VINN)の係数R2/R1である。また、第2項の角括弧の中を0にするように補正電圧VDAC1,VDAC2と抵抗素子47,48の抵抗値ROFFとを調整することにより、オフセット電圧VOFFSETの補正ができる。このオフセット補正の際には、VDAC1-VDAC2の値が、補正可能範囲(すなわち、-VCCから+VCCまで)に収まるように、オフセット電圧VOFFSETの係数ROFF/R1が調整される。係数ROFF/R1を縮小させることは、オフセット電圧VOFFSETを減衰させていることと等価である。係数ROFF/R1は、可変ゲイン増幅器14のゲインR2/R1の大きさに依らないので、どのようなゲインであっても1段の全差動増幅器40でオフセット調整ができる。以下、図4の波形図を参照してさらに詳しく説明する。
【0041】
図4は、図3の可変ゲイン増幅器14の動作を説明するための波形図である。図4の第1の電圧波形51は、入力信号(INPUT SIGNAL)波形を示す。差動入力電圧VINP-VINNには、オフセット電圧VOFFSETが含まれている。
【0042】
図4の第2の電圧波形52は、期待出力(DESIRED OUTPUT)波形を示す。期待出力波形は、入力信号波形の振幅を増幅するとともに、オフセット電圧VOFFSETを0に補正したものである。
【0043】
図4の第3の電圧波形53は、オフセット電圧の補正前(BEFORE CORRECTION)の波形を示す。電圧波形53がVDAC1-VDAC2の補正可能範囲(CORRECTABLE RANGE)に収まるように、オフセット電圧VOFFSETの係数ROFF/R1が調整される。この調整は、可変ゲイン増幅器14のゲインR2/R1が大きい場合でも可能である。
【0044】
図4の第4の電圧波形53は、オフセット電圧の補正後(AFTER CORRECTION)における可変ゲイン増幅器14の差動出力電圧VOUTP-VOUTNの波形を示す。期待出力の電圧波形52と同じ波形が得られていることがわかる。
【0045】
[シングルエンド出力の差動増幅器との比較]
次に、シングルエンド出力の差動増幅器の場合と比較することにより、本実施の形態の可変ゲイン増幅器14の効果について説明する。
【0046】
図5は、比較例の可変ゲイン増幅器70の構成を示す回路図である。図3の場合と同様に、ホールセンサ6の等価回路も併せて示されている。
【0047】
図5に示すように、比較例の可変ゲイン増幅器70は、シングルエンド出力の差動増幅器71と、抵抗素子72~74と、キャリブレーション回路としてのDAC77および抵抗素子76とを含む。図5の場合には、抵抗素子72,73,76は可変抵抗素子である。抵抗素子72,73に代えて抵抗素子74を可変抵抗素子としてもよいし、全ての抵抗素子を可変抵抗素子としてもよい。以下、上記の構成要素の接続関係について説明する。
【0048】
抵抗素子72は、正側入力ノード30と差動増幅器71の非反転入力ノードとの間に接続される。抵抗素子73は、負側入力ノード31と差動増幅器71の反転入力ノードとの間に接続される。抵抗素子74は、差動増幅器71の反転入力ノードと出力ノードとの間に接続される。抵抗素子76は、差動増幅器71の非反転入力ノードと、DAC77から補正電圧VDACが入力されるキャリブレーションノード75との間に接続される。
【0049】
次に、図5の比較例の可変ゲイン増幅器70の動作について説明する。抵抗素子72,73の抵抗値をR1とし、抵抗素子74の抵抗値をR2とし、抵抗素子76の抵抗値をROFFとする。差動入力電圧VINP,VINNのオフセット電圧をVOFFSETとする。この場合、差動増幅器71のシングルエンド出力電圧VOUTは、次式(2A),(2B)で表される。式(2B)は、式(2A)の第2項および第3項からR2/ROFFを括り出したものである。
【0050】
【数2】
【0051】
上式(2A),(2B)において、可変ゲイン増幅器70のゲインは、差分入力電圧(VINP-VINN)の係数(1+R2/R1+R2/ROFF)である。また、式(2B)の第2項の角括弧の中を0にするように補正電圧VDACと抵抗素子76の抵抗値ROFFとを調整することにより、オフセット電圧VOFFSETの補正が一応可能である。しかし、オフセット電圧VOFFSETの係数である{1+(1+R2/R1)・ROFF/R2}は、可変ゲイン増幅器70のゲインが大きくなるほど大きくなるという問題がある。このため、可変ゲイン増幅器70のゲインが比較的高い場合には、補正電圧VDACの値を補整可能範囲(すなわち、0から+VCCまで)に収めることができない。逆に言うと、補正電圧VDACの値を補整可能範囲(すなわち、0から+VCCまで)に収めるためには、可変ゲイン増幅器70のゲインを制限しなければならない。以下、図6の波形図を参照してさらに詳しく説明する。
【0052】
図6は、図5の比較例の可変ゲイン増幅器70の動作を説明するための波形図である。図6の第1の電圧波形51は、入力信号(INPUT SIGNAL)波形を示す。差動入力電圧VINP-VINNには、オフセット電圧VOFFSETが含まれている。
【0053】
図6の第2の電圧波形52は、期待出力(DESIRED OUTPUT)波形を示す。期待出力波形は、入力信号波形の振幅を増幅するとともに、オフセット電圧VOFFSETを0に補正したものである。
【0054】
図6の第3および第4の電圧波形53A,54Aは、図5のような1段のシングルエンド出力の増幅器を備えた可変ゲイン増幅器(ONE-STAGE PGA)の場合を示す。所望のゲインを得ようとすると補正前(BEFORE CORRECTION)のオフセット電圧が大きくなりすぎる。このため、補正前の電圧波形53AがVDACの補正可能範囲(CORRECTABLE RANGE)を超えてしまう。この結果、オフセット電圧の補正後(AFTER CORRECTION)の出力電圧VOUTの波形54Aは、期待出力波形にはならない。ゲインの大きさに応じて出力電圧VOUTの波形が波形54Bのようになる場合もある。
【0055】
図6の第5および第6の電圧波形55,56は、2段のシングルエンド出力の差動増幅器を備えた可変ゲイン増幅器(TWO-STAGE PGA)の場合を示す。この場合、補正電圧VDACは、第2段目の差動増幅器の非反転入力端子に入力される。第1段目の差動増幅器の出力波形55(1ST STAGE OUTPUT)が補整可能範囲に収まるように、第1段目の差動増幅器による電圧増幅率は制限される。この結果、第2段目の差動増幅器によるオフセット電圧の補正後(AFTER CORRECTION)の電圧波形56(2ND STAGE OUTPUT)を、期待出力波形に等しくできる。
【0056】
[第1の実施形態の効果]
上記のとおり第1の実施形態によれば、オフセットキャリブレーション機能付きの全差動型の可変ゲイン増幅器を実現できる。全差動化により、従来のシングルエンド出力の差動増幅器の場合には当該増幅器を2個直列で使用する必要があったが、その必要性がなくなった。無論、さらなる高ゲインが必要な場合には、2個以上の全差動増幅器を直列に接続してもよい。また、全差動化により、ADCのノイズの影響を受け難くすることができるというメリットがある。
【0057】
また、オフセットキャリブレーション時に補正電圧を生成するための2個のDACを同一シーケンスで動作させることにより、DACの動作ノイズの影響も抑制できる。また、2個のDACのうち一方を、基準電圧VREFを生成するためのレプリカDACとして使用してもよい。
【0058】
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態の可変ゲイン増幅器14の構成を示す回路図である。図7の可変ゲイン増幅器14は、DAC50から出力される補正電圧VDAC2に代えて基準電圧VREFが用いられる点で、図3の可変ゲイン増幅器14と異なる。基準電圧VREFは、電源電圧VCCまたは他の電源回路に基づいて生成され、たとえば、VCC/2(より一般的には、VCC/2+VSS/2)に設定される。この場合、キャリブレーション回路による補正可能電圧範囲は、-VCC/2から+VCC/2の範囲になる。
【0059】
なお、上記とは逆に、DAC49から出力される補正電圧VDAC1に代えて基準電圧VREFを用いてもよい。図7のその他の構成は図3の場合と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0060】
以上の構成によれば、補正電圧VDACの個数が1個減るので、可変ゲイン増幅器の回路面積を縮小できるとともに消費電流を削減できる。ただし、第1の実施形態の場合と異なり、オフセット電圧のキャリブレーション時にDACから発生するノイズの影響を抑制できない。
【0061】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、可変ゲイン増幅器が複数個設けられている場合に関する。この場合に、各可変ゲイン増幅器に設けられているDACの個数を1個に減らすとともに、キャリブレーション時には他の可変ゲイン増幅器に設けられているDACをレプリカDACとして利用できるようにする。これにより、回路面積を縮小できるとともに、DACの動作ノイズの影響を低減できる。以下、図面を参照して詳しく説明する。
【0062】
図8は、第3の実施形態の可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zの構成を示す回路図である。図8を参照して、可変ゲイン増幅器14Xは、ホール素子64Xから入力された差動入力電圧VINPX,VINNXを増幅する。可変ゲイン増幅器14Yは、ホール素子64Yから入力された差動入力電圧VINPY,VINNYを増幅する。可変ゲイン増幅器14Zは、ホール素子64Zから入力された差動入力電圧VINPZ,VINNZを増幅する。
【0063】
図8の可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zの各々の構成は、図3の可変ゲイン増幅器14に類似したものである。したがって、図3に共通する部分については、図3の参照符号の後にX,YまたはZを追加した参照符号を付すことによって説明を繰り返さない。以下では、図3と異なる部分について説明する。
【0064】
まず、図8の可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zは、図3のDAC49に対応するDAC49X,49Y,49Zを有しているが、DAC50に対応するDACを有していない。この点で、図8の可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zは、図3の可変ゲイン増幅器14と異なる。
【0065】
さらに、図8の可変ゲイン増幅器14Xは切り替えスイッチ80X,81Xをさらに有している点で図3の可変ゲイン増幅器14と異なる。同様に、図8の可変ゲイン増幅器14Yは切り替えスイッチ80Y,81Yをさらに有し、可変ゲイン増幅器14Zは切り替えスイッチ80Z,81Zをさらに有している。
【0066】
切り替えスイッチ80Xは、DAC49Xから出力される補正電圧をキャリブレーションノード45Xに入力するか、他の可変ゲイン増幅器に供給するかを切り替える。切り替えスイッチ81Xは、キャリブレーションノード46Xに入力される電圧を、外部または内部の電源回路によって生成された電源電圧に基づく基準電圧VREFにするか、他の可変ゲイン増幅器のDACによって生成された基準電圧VREFにするかを切り替える。切り替えスイッチ80Y,81Yおよび切り替えスイッチ80Z,81Zについても同様である。
【0067】
可変ゲイン増幅器14Xのキャリブレーション時には、切り替えスイッチ80Xの操作により、補正電圧を生成するDAC49Xがキャリブレーションノード45Xに接続される。さらに、切り替えスイッチ81X,80Yの操作により、基準電圧VREFを生成するDAC49Yがキャリブレーションノード46Yに接続される。このように、可変ゲイン増幅器14Xのキャリブレーション時には、補正電圧生成用のDAC49Xと基準電圧VREF生成用のレプリカDAC49Yとを同一シーケンスで動作させる。これにより、DACの動作ノイズの影響を抑制できる。
【0068】
同様に、可変ゲイン増幅器14Yのキャリブレーション時には、切り替えスイッチ80Yの操作により、補正電圧を生成するDAC49Yがキャリブレーションノード45Yに接続される。さらに、切り替えスイッチ81Y,80Zの操作により、基準電圧VREFを生成するDAC49Zがキャリブレーションノード46Yに接続される。
【0069】
また、可変ゲイン増幅器14Zのキャリブレーション時には、切り替えスイッチ80Zの操作により、補正電圧を生成するDAC49Zがキャリブレーションノード45Zに接続される。さらに、切り替えスイッチ81Z,80Xの操作により、基準電圧VREFを生成するDAC49Xがキャリブレーションノード46Zに接続される。
【0070】
一方、通常使用時には、キャリブレーションノード45Xには、DAC49Xによって生成された調整済みの補正電圧が入力される。キャリブレーションノード45Yには、DAC49Yによって生成された調整済みの補正電圧が入力される。キャリブレーションノード45Zには、DAC49Zによって生成された調整済みの補正電圧が入力される。また、キャリブレーションノード46X,46Y,46Zには、電源回路に基づく一定の基準電圧VREFが入力される。これによりDACの搭載数を削減できるので、回路面積を削減できる。
【0071】
上記と逆に可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zは、図3のDAC50に対応するDAC50X,50Y,50Zを有しているが、DAC49に対応するDACを有さないように構成されてもよい。より一般的には、可変ゲイン増幅器14X,14Y,14Zの各々は、図3の補正電圧VDAC1およびVDAC2の一方を生成するDACを備えていればよい。
【0072】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0073】
1 撮像装置、2 撮像レンズ群、3 補正レンズ、4 イメージセンサ、5 ジャイロセンサ、6 ホールセンサ、7 アクチュエータ、10 半導体装置、11 CPU、14,70 可変ゲイン増幅器、15 ADC、16 DSP、17 DAC、18 ドライバ、20 アプリケーションプロセッサ、21 アナログフロントエンド、30 正側入力ノード、31 負側入力ノード、32 マルチプレクサ、33,35 パッド、34,36 電源配線、37 コントローラ、40 全差動増幅器、41~44,47,48,72~74,76 抵抗素子、45,46,75 キャリブレーションノード、49,50,77 DAC、61 電源ノード、62 接地ノード、63 定電流回路、64 ホール素子、71 差動増幅器、80,81 切り替えスイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8