(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073979
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240523BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240523BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240523BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240523BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20240523BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184998
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
5H181
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MA44
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両によって移動を行う場合に、当該移動の内容に応じた適切な報酬をユーザに付与する。
【解決手段】プログラムは、車両と通信可能なコンピュータを、車両から前記車両の位置を示す位置情報を取得する取得手段、複数の拠点のうちの一の拠点から一の拠点と異なる他の拠点まで車両が移動する間に取得手段が取得した位置情報、及び位置情報が示す位置に車両が位置した時刻を示す時刻情報を含む移動情報を生成する生成手段、生成手段が生成した移動情報に基づいて、車両を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する判定手段、ユーザが報酬付与条件を達成したと判定手段が判定する場合、ユーザに報酬を付与する付与手段として機能させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と通信可能なコンピュータを、
前記車両から前記車両の位置を示す位置情報を取得する取得手段、
複数の拠点のうちの一の拠点から前記一の拠点と異なる他の拠点まで前記車両が移動する間に前記取得手段が取得した前記位置情報、及び前記位置情報が示す位置に前記車両が位置した時刻を示す時刻情報を含む移動情報を生成する生成手段、
前記生成手段が生成した前記移動情報に基づいて、前記車両を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する判定手段、
前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したと前記判定手段が判定する場合、前記ユーザに報酬を付与する付与手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記移動情報に基づいて前記車両が前記一の拠点から前記他の拠点まで移動する間に消費した燃料の量を算出し、算出した燃料の量に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記移動情報が含む前記位置情報及び前記時刻情報に基づいて前記位置情報が示す位置における前記車両の速度を示す速度情報を生成し、生成した前記速度情報を前記移動情報に追加する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記移動情報が含む前記位置情報及び前記速度情報に基づいて前記一の拠点から前記他の拠点までに前記車両が移動した移動経路のうちの一の区間における前記車両の平均速度及び最高速度を算出し、算出した前記平均速度及び前記最高速度に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記取得手段は、交通情報を管理する交通情報サーバから、前記位置情報が示す位置の近傍の道路について、当該道路の混雑の度合を示す混雑情報を取得し、
前記生成手段は、前記混雑情報を前記移動情報に追加する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記取得手段は、拠点を管理する拠点サーバから、当該拠点に帰属する車両の貸出及び返却の状態に関する貸出情報を取得し、
前記判定手段は、前記貸出情報に基づいて前記一の拠点から前記他の拠点に至る前記車両の移動の需要の程度を示す需要度を算出し、前記移動情報及び前記需要度に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記取得手段は、ユーザ端末、又は拠点を管理する拠点サーバから、車両の貸出の予約に関する予約情報を取得し、
前記判定手段は、前記予約情報に基づいて前記一の拠点から前記他の拠点に至る前記車両の移動の需要の程度を示す需要度を算出し、前記移動情報及び前記需要度に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記取得手段は、事業者サーバから、前記事業者サーバの事業者が提供するサービスにおける前記ユーザの利用に関する利用情報を取得し、
前記判定手段は、前記移動情報及び前記利用情報に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
車両と通信可能な情報処理装置であって、
前記車両から前記車両の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
複数の拠点のうちの一の拠点から前記一の拠点と異なる他の拠点まで前記車両が移動する間に前記取得手段が取得した前記位置情報、及び前記位置情報が示す位置に前記車両が位置した時刻を示す時刻情報を含む移動情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記移動情報に基づいて、前記車両を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する判定手段と、
前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したと前記判定手段が判定する場合、前記ユーザに報酬を付与する付与手段と、
備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが移動を行う際に所定の条件を達成した場合、ユーザに対して報酬を付与するシステムが開示されている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、移動経路の混雑状況値に基づいて移動経路の利用を控える要請をユーザの端末装置に送信し、当該要請を承諾したユーザに対して報酬を付与する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、特定の移動経路の利用を控える要請に応じたユーザのみに対して報酬を付与するため、移動経路に関する要請を行わない場合や既にユーザが移動を終えている場合、ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両で移動する場合などについては、なんら考慮されていなかった。したがって、特許文献1に記載の技術では、ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両による移動を行う場合に、当該移動の内容に応じた適切な報酬をユーザに付与できないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両によって移動を行う場合に、当該移動の内容に応じた適切な報酬をユーザに付与できるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、車両と通信可能なコンピュータを、前記車両から前記車両の位置を示す位置情報を取得する取得手段、複数の拠点のうちの一の拠点から前記一の拠点と異なる他の拠点まで前記車両が移動する間に前記取得手段が取得した前記位置情報、及び前記位置情報が示す位置に前記車両が位置した時刻を示す時刻情報を含む移動情報を生成する生成手段、前記生成手段が生成した前記移動情報に基づいて、前記車両を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する判定手段、前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したと前記判定手段が判定する場合、前記ユーザに報酬を付与する付与手段として機能させる。
【0008】
また、前記判定手段は、前記移動情報に基づいて前記車両が前記一の拠点から前記他の拠点まで移動する間に消費した燃料の量を算出し、算出した燃料の量に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0009】
また、前記生成手段は、前記移動情報が含む前記位置情報及び前記時刻情報に基づいて前記位置情報が示す位置における前記車両の速度を示す速度情報を生成し、生成した前記速度情報を前記移動情報に追加する。
【0010】
また、前記判定手段は、前記移動情報が含む前記位置情報及び前記速度情報に基づいて前記一の拠点から前記他の拠点までに前記車両が移動した移動経路のうちの一の区間における前記車両の平均速度及び最高速度を算出し、算出した前記平均速度及び前記最高速度に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0011】
また、前記取得手段は、交通情報を管理する交通情報サーバから、前記位置情報が示す位置の近傍の道路について、当該道路の混雑の度合を示す混雑情報を取得し、前記生成手段は、前記混雑情報を前記移動情報に追加する。
【0012】
また、前記取得手段は、拠点を管理する拠点サーバから、当該拠点に帰属する車両の貸出及び返却の状態に関する貸出情報を取得し、前記判定手段は、前記貸出情報に基づいて前記一の拠点から前記他の拠点に至る前記車両の移動の需要の程度を示す需要度を算出し、前記移動情報及び前記需要度に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0013】
前記取得手段は、ユーザ端末、又は拠点を管理する拠点サーバから、車両の貸出の予約に関する予約情報を取得し、前記判定手段は、前記予約情報に基づいて前記一の拠点から前記他の拠点に至る前記車両の移動の需要の程度を示す需要度を算出し、前記移動情報及び前記需要度に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0014】
前記取得手段は、事業者サーバから、前記事業者サーバの事業者が提供するサービスにおける前記ユーザの利用に関する利用情報を取得し、前記判定手段は、前記移動情報及び前記利用情報に基づいて前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、車両と通信可能な情報処理装置であって、前記車両から前記車両の位置を示す位置情報を取得する取得手段と、複数の拠点のうちの一の拠点から前記一の拠点と異なる他の拠点まで前記車両が移動する間に前記取得手段が取得した前記位置情報、及び前記位置情報が示す位置に前記車両が位置した時刻を示す時刻情報を含む移動情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した前記移動情報に基づいて、前記車両を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する判定手段と、前記ユーザが前記報酬付与条件を達成したと前記判定手段が判定する場合、前記ユーザに報酬を付与する付与手段と、備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プログラム及び情報処理装置は、ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両によって移動を行う場合に、当該移動の内容に応じた適切な報酬をユーザに付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る料金計算システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す料金計算システムにおける処理の流れの一例を示す図である。
【
図5】
図1に示す料金計算システムにおける報酬付与に関する演算処理の流れの一例を示す図である。
【
図8】
図1に示すユーザ端末に表示される料金の明細を表示するためのウェブページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0019】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る料金計算システム1の構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、料金計算システム1は、例えば、サーバ装置10と、車両20と、ユーザ端末30と、複数の拠点サーバ40と、事業者サーバ50と、交通情報サーバ60とを含んで主要部が構成される。
【0020】
サーバ装置10は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置であり、車両貸出事業者が提供するサービスに関する処理を行う。サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、車両20から現在位置を示す情報を取得する。また、サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、ユーザ端末30から車両20の貸出の予約に関する情報を取得する。また、サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、交通情報サーバ60から経路に関する情報を取得する。また、サーバ装置10は、拠点サーバ40から車両20の貸出の状態に関する情報を取得する。また、サーバ装置10は、提携事業者の事業者サーバ50からユーザの提携事業者のサービスの利用に関する情報を取得する。続いて、サーバ装置10は、取得した情報に基づいて、ユーザが支払うべき料金を算出し、通信ネットワークNTを介して、算出した料金をユーザ端末30に提案する。そして、サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、ユーザ端末30から送信される支払方法に従う決済方法によって、ユーザの支払を決済する。
【0021】
車両20は、例えば、乗用車やバス、バイク、トライク、原動機付自転車等であり、燃料や電気等によって原動機を動作させることによって走行する乗り物である。また、車両20は、ユーザに対して貸出可能であり、車両貸出事業者の複数ある拠点のうちいずれか1つの拠点に帰属している。車両20は、GPS(Global Positioning System)受信機によってGPS衛星から信号を取得し、取得した信号に基づいて車両20の現在位置を算出し、算出した現在位置を示す情報を、通信ネットワークNTを介して、サーバ装置10に送信する。
【0022】
ユーザ端末30は、例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等であり、ユーザが操作する装置である。ユーザ端末30は、ユーザに貸出されている車両20がいずれかの拠点に返却された場合に、通信ネットワークNTを介して、サーバ装置10から車両20に貸出に伴なう支払金額に関する情報を取得し、取得した情報をユーザに対して表示する。
【0023】
拠点サーバ40は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置であり、車両貸出事業者の各拠点に設けられている。拠点サーバ40は、ユーザに対する車両20の貸出処理及び返却処理を行う。また拠点サーバ40は、車両20の貸出処理及び返却処理が行われた場合、通信ネットワークNTを介して、車両20の貸出及び返却の状況を示す情報をサーバ装置10に送信する。
【0024】
事業者サーバ50は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置であり、車両貸出事業者が提携する提携事業者が提供するサービスに関する処理を行う。事業者サーバ50は、提携事業者が複数ある場合、提携事業者毎に設けられている。事業者サーバ50は、ユーザが提携事業者のサービスを利用した場合に、利用したユーザに対して、利用店舗又は利用拠点や利用した時刻、利用したサービスの内容、利用金額等を含む情報を作成又は更新する。事業者サーバ50は、通信ネットワークNTを介してサーバ装置10からユーザの利用に関する情報を要求された場合、通信ネットワークNTを介して、要求されたユーザの利用に関する情報をサーバ装置10に送信する。
【0025】
交通情報サーバ60は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置であり、移動経路に関して、各経路の接続関係や勾配、混雑の程度、交通規制の状況、路面の状況、天候等の情報を含む交通情報を記憶する。交通情報サーバ60は、通信ネットワークNTを介してサーバ装置10から所定地点における経路に関する情報、通信ネットワークNTを介して、所定地点における情報をサーバ装置10に送信する。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、サーバ装置10は、例えば、記憶装置11と、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ13と、通信装置14とを主に備えて構成される。
【0027】
記憶装置11は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置11は、CPU12における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0028】
CPU12は、メモリ13又は記憶装置11等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0029】
通信装置14は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置14は、例えば、車両20、ユーザ端末30、拠点サーバ40、事業者サーバ50及び交通情報サーバ60との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えても良い。
【0031】
<機能手段>
図3は、
図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、例えば、取得手段100と、生成手段110と、判定手段120と、付与手段130と、決済手段140と、記憶手段150とを備える。記憶手段150以外の機能手段は、記憶装置11等に格納されたプログラムをCPU12が実行することにより実現される。
【0032】
記憶手段150は、例えば、移動情報151及び経路情報156を車両20毎に記憶し、利用情報159及び報酬情報160をユーザ毎に記憶し、貸出情報157及び予約情報158を記憶する。
【0033】
移動情報151は、車両20の移動の履歴に関する情報であり、例えば、位置情報152と、時刻情報153と、速度情報154と、混雑情報155とを含む。移動情報151は、車両20毎に記憶手段150に記憶される。ここで、
図6を参照しつつ、移動情報151及び移動情報151に含まれる各情報の詳細について説明する。
【0034】
図6は、
図3に示す移動情報151の一例を示す図である。
図6に示すように、移動情報151は、例えば、位置情報152、時刻情報153、速度情報154及び混雑情報155がそれぞれ対応付けられている1つ以上のセットを含む。
【0035】
位置情報152は、車両20の現在位置を示す情報であり、例えば、緯度と経度とを含む。位置情報152は、取得手段100によって、車両20から取得される。
【0036】
時刻情報153は、サーバ装置10が車両20から現在位置の位置情報152を取得した時刻を示す情報である。時刻情報153は、取得手段100が車両20から位置情報152を取得した際に、判定手段120によって、移動情報151に追加される。
【0037】
速度情報154は、取得手段100が車両20から位置情報152を取得した時刻における車両20の移動速度を示す情報である。速度情報154は、判定手段120によって、位置情報152及び時刻情報153に基づいて算出され、移動情報151に追加される。
【0038】
混雑情報155は、位置情報152が示す位置、及び時刻情報153が示す時刻における当該位置の近傍の経路の混雑の程度を示す混雑度を含む情報である。混雑度は、例えば、下限値(例えば0)から上限値(例えば100)までの数値である。混雑度は、下限値である場合、経路中に位置する車両が一台以下であることを示し、上限値である場合、経路中に所定数以上の車両が位置しており、経路が渋滞している事を示す。なお、混雑度は、数値に限られるものではなく、経路が空いていることを示す「空」、経路が混雑又は渋滞していることを示す「混」などのフラグであっても良い。
【0039】
図3に戻って、経路情報156は、位置情報152が示す位置、及び時刻情報153が示す時刻における当該位置の近傍の経路に関する情報である。経路情報156は、例えば、上述した混雑度、高速道路であるか否かなどを示す道路種別に関する情報、道路標識や法律などで決定される速度制限に関する情報、経路の勾配、及び道路規制に関する情報を含む。経路情報156は、取得手段100が車両20から位置情報152を取得した際に、取得手段100によって交通情報サーバ60から位置情報152が示す位置の近傍の経路に関して取得される。
【0040】
貸出情報157は、車両貸出事業者が貸出車両として管理する各車両20の貸出及び返却の状態を示す情報である。貸出情報157は、例えば、車両20毎に、当該車両20が貸出中であるか否かを示す情報を含む。貸出情報157は、拠点サーバ40によって更新され、取得手段100によって拠点サーバ40から適宜取得される。
【0041】
予約情報158は、車両貸出事業者が貸出車両として管理する各車両20の貸出に関する予約の状態を示す情報である。貸出情報157は、例えば、車両20毎に、ユーザを示すユーザ情報及び利用予定日時を示す情報を含む。予約情報158は、取得手段100によって取得される拠点サーバ40によって受け付けた又はキャンセルした車両の貸出の予約内容に関する情報やユーザ端末30からの車両の貸出の予約又はキャンセルの要請等に基づいて、適宜更新される。
【0042】
利用情報159は、各ユーザが車両貸出事業者の提携事業者におけるサービスの利用履歴を示す情報である。ここで、
図7を参照しつつ、利用情報159の詳細について説明する。
図7は、
図3に示す利用情報159の一例を示す図である。
図7に示すように、利用情報159は、例えば、ユーザがサービスを利用した日時を示す利用日時に関する情報と、ユーザがサービスに支払った利用額に関する情報と、ユーザがサービスを利用した事業者や店舗などを示す利用店舗とを含む。利用情報159が含む情報は、これに限られるものではなく、さらに、ユーザが利用したサービスの内容を示す利用サービスに関する情報などを含んでも良い。利用情報159は、各事業者サーバ50から取得手段100によって取得された利用日時、利用額、利用店舗及び利用サービスに関する情報が追加されることによって生成される。
【0043】
図3に戻って、報酬情報160は、ユーザに付与する報酬に関する情報である。報酬情報160は、報酬を付与するか否かの判定するための条件である複数の報酬付与条件のそれぞれについて、条件を満たしているか否かに関する情報と、条件を満たしている場合に付与する報酬の金額に関する情報とを含む。報酬付与条件及び報酬の金額については、
図5を参照しつつ追って説明するため、ここではその説明を省略する。
【0044】
取得手段100は、通信ネットワークNTを介して、車両20やユーザ端末30、拠点サーバ40、事業者サーバ50、交通情報サーバ60等から各種情報を取得する。具体的には、取得手段100は、車両20から車両20の位置を示す位置情報152を取得する。また、取得手段100は、交通情報を管理する交通情報サーバ60から、位置情報152が示す位置の近傍の道路について、当該道路の状況に関する経路情報156を取得することによって、当該道路の混雑の度合を示す混雑情報155を取得する。また、取得手段100は、拠点を管理する拠点サーバ40から、当該拠点に帰属する車両20の貸出及び返却の状態に関する貸出情報157を取得する。また、取得手段100は、ユーザ端末30、又は拠点を管理する拠点サーバ40から、車両20の貸出の予約に関する予約情報158を取得する。また、取得手段100は、事業者サーバ50から、事業者サーバ50の事業者が提供するサービスにおけるユーザの利用に関する利用情報159を取得する。
【0045】
生成手段110は、位置情報152及び時刻情報153に基づいて、移動情報151を生成する。具体的には、生成手段110は、複数の拠点のうちの一の拠点から一の拠点と異なる他の拠点まで車両20が移動する間に取得手段100が取得した位置情報152、及び位置情報152が示す位置に車両20が位置した時刻を示す時刻情報153を含む移動情報151を生成する。また、生成手段110は、移動情報151が含む位置情報152及び時刻情報153に基づいて位置情報152が示す位置における車両20の速度を示す速度情報154を生成し、生成した速度情報154を移動情報151に追加する。また、生成手段110は、取得手段100が取得した混雑情報155を移動情報151に追加する。
【0046】
判定手段120は、生成手段110が生成した移動情報151に基づいて、車両20を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。報酬付与条件については、
図5を参照しつつ追って説明するため、ここではその説明を省略する。また、判定手段120は、取得手段100が取得した貸出情報157に基づいて、車両20が貸し出されているか否か、及び貸し出されている車両20が返却されたか否かを判定する。
【0047】
付与手段130は、ユーザが報酬付与条件を達成したと判定手段120が判定する場合、ユーザに報酬を付与する。ユーザに付与される報酬の金額は、ユーザが報酬付与条件を判定手段120が判定するにあたって、判定手段120によって決定されるがこれに限られるものでなく、付与手段130によって決定されても良い。
【0048】
決済手段140は、ユーザが車両貸出事業者の車両貸出のサービス利用に対して支払う金額をユーザ端末30に通知する。また、決済手段140は、車両貸出のサービス利用に伴う料金支払の決済方法をユーザ端末30から受け付け、受け付けた支払方法によって決済処理を行う。
【0049】
<一連の処理の流れ>
以上、料金計算システム1の回路構成について説明した。次に、料金計算システム1の一連の処理の流れについて詳しく説明する。
図4は、
図1に示す料金計算システム1の一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、本例は、車両貸出事業者が管理する複数の車両20のうち一の車両20及び当該車両20を借りたユーザに対しての処理の流れを示すものである。料金計算システム1は、一の車両20とは異なる他の車両20及び他の車両20を借りたユーザに対しても、一の車両20及び一の車両20を借りたユーザに対して実行する処理と同様の処理を並行して実行する。
【0050】
(ステップSP10)
料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、各拠点サーバ40から貸出情報157を取得する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP12)
料金計算システム1は、判定手段120によって、貸出情報157を参照し、車両20がユーザに貸し出されているか否かを判定する。車両20がユーザに貸し出されていると判定手段120が判定する場合、処理は、ステップSP14の処理に移行する一方で、車両20がユーザに貸し出されていないと判定手段120が判定する場合、
図4における一連の処理は、終了する。
【0052】
(ステップSP14)
料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、車両20から位置情報152を取得する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP16)
料金計算システム1は、生成手段110によって、現在時刻を時刻情報153と、取得手段100が取得した車両20に関する位置情報152とを対応付けて、対応付けた位置情報152及び時刻情報153を含むように移動情報151を生成する。なお、料金計算システム1は、車両20に関する移動情報151が既に生成されている場合、生成手段110によって、対応付けた位置情報152及び時刻情報153を移動情報151に追加する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP18)
料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、交通情報サーバ60から混雑情報155を取得する。具体的には、料金計算システム1は、まず、取得手段100によって、移動情報151を参照し、車両20の位置情報152のうち最近の位置情報152が示す位置の近傍の経路を特定する。続いて、料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、交通情報サーバ60から特定した経路に関する経路情報156を取得する。さらに、料金計算システム1は、取得手段100によって、経路情報156から特定した経路の混雑の程度を示す混雑度を抽出し、抽出した混雑度を混雑情報155として取得する。料金計算システム1は、生成手段110によって、取得した混雑情報155を移動情報151に追加する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP20)
料金計算システム1は、生成手段110によって、位置情報152が示す位置における車両20の速度を示す速度情報154を生成する。具体的には、料金計算システム1は、生成手段110によって、最近の位置情報152が示す位置から、前回取得手段100が取得した位置情報152が示す位置を減算することによって、前回取得手段100が取得した位置情報152が示す位置から最近の位置情報152が示す位置までの移動距離を算出する。続いて、料金計算システム1は、生成手段110によって、最近の位置情報152に対応する時刻情報153が示す時刻から、前回取得手段100が取得した位置情報152に対応する時刻情報153が示す時刻を減算することによって、前回取得手段100が取得した位置情報152が示す位置から最近の位置情報152が示す位置まで車両20が移動する為に要した経過時間を算出する。さらに、料金計算システム1は、生成手段110によって、算出した移動距離を算出した経過時間によって除算することによって、最近の位置情報152に対応する時刻情報153が示す時刻における車両20の移動速度を算出し、算出した移動速度を速度情報154として移動情報151に追加する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP22)
料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、各拠点サーバ40から貸出情報157を取得する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP24)
料金計算システム1は、判定手段120によって、貸出情報157を参照し、車両20がユーザから返却されたか否かを判定する。車両20が未だユーザに貸し出されておりユーザから返却されていないと判定手段120が判定する場合、処理は、ステップSP14の処理に戻る一方で、車両20がユーザに貸し出されておらずユーザから返却されたと判定手段120が判定する場合、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP26)
料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、事業者サーバ50から利用情報159を取得する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP28)
料金計算システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、拠点サーバ40から拠点サーバ40によって受け付けた又はキャンセルした車両の貸出の予約内容に関する情報を取得し、ユーザ端末30から車両の貸出の予約又はキャンセルの要請を取得し、取得した情報及び要請を予約情報158に反映させることによって、予約情報158を更新する。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP30)
料金計算システム1は、判定手段120によって、ユーザへの報酬付与に関する演算処理を行い、報酬情報160を生成する。ユーザへの報酬付与に関する演算処理については、
図5を参照しつつ追って説明するため、ここではその説明を省略する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP32)
料金計算システム1は、判定手段120によって、報酬情報160を参照して、車両20を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。報酬付与条件については、
図5を参照しつつ追って説明するため、ここではその説明を省略する。車両20を借りたユーザが報酬付与条件を満たしていると判定手段120が判定する場合、処理は、ステップSP34の処理に移行する一方で、車両20を借りたユーザが報酬付与条件を満たしていないと判定手段120が判定する場合、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP34)
料金計算システム1は、付与手段130によって、ユーザに対して報酬情報160に従う報酬を付与する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP36)
料金計算システム1は、決済手段140によって、ユーザが車両貸出事業者の車両貸出のサービス利用に対して支払う金額を算出し、算出した金額をユーザ端末30に通知する。また、料金計算システム1は、決済手段140によって、車両貸出のサービス利用に伴う料金支払の決済方法をユーザ端末30から受け付け、受け付けた支払方法によって決済処理を行う。そして、
図4に示す一連の処理の流れは、終了する。
【0064】
続いて、料金計算システム1における報酬付与に関する処理の流れの一例について詳しく説明する。
図5は、
図1に示す料金計算システム1における報酬付与に関する演算処理の流れの一例を示す図である。
【0065】
(ステップSP100)
料金計算システム1は、判定手段120によって、移動情報151を参照して、車両20が移動した移動経路を複数の区間に分割し、分割した複数の区間のうちの最も近い区間に各位置情報152を対応付ける。また、料金計算システム1は、付与手段130によって、経路情報156を参照して、各区間に対して、当該区間の近傍の経路の勾配を当該区間に対応付ける。そして、処理は、ステップSP102の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP102)
料金計算システム1は、判定手段120によって、移動情報151が含む位置情報152及び速度情報154に基づいて一の拠点から他の拠点までに車両20が移動した移動経路のうちの一の区間における車両20の平均速度及び最高速度を算出する。具体的には、料金計算システム1は、判定手段120によって、区間毎に、区間に対応する位置情報152のうち最新の位置情報152が示す位置から、最古の位置情報152が示す位置を減算することによって、当該区間における車両20の移動距離を算出する。また、料金計算システム1は、判定手段120によって、区間毎に、区間に対応する位置情報152のうち最新の位置情報152に対応する時刻情報153が示す時刻から、最古の位置情報152に対応する時刻情報153が示す時刻を減算することによって、当該区間を車両20が通過するのに要した移動時間を算出する。続いて、料金計算システム1は、判定手段120によって、区間毎に、算出した移動距離を移動時間によって除算することによって、各区間における車両20の平均速度を算出する。また、料金計算システム1は、判定手段120によって、区間毎に、区間に対応する位置情報152に対応する速度情報154を参照し、最も値が大きい速度情報154を当該区間の最高速度として算出する。そして、処理は、ステップSP104の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP104)
料金計算システム1は、判定手段120によって、移動情報151に基づいて車両20が一の拠点から他の拠点まで移動する間に消費した燃料の量を算出する。具体的には、料金計算システム1は、判定手段120によって、各区間において車両20が移動した移動距離を合計することによって、移動経路における総移動距離を算出する。料金計算システム1は、判定手段120によって、総移動距離に対して、燃料の種類毎に予め定められている距離あたりに車両20が燃料を消費する量である所定の燃費を乗算することによって、車両20が消費した燃料の量を算出する。そして、処理は、ステップSP106の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP106)
料金計算システム1は、判定手段120によって、一の拠点から他の拠点に至る車両20の移動の需要の程度を示す需要度を算出する。需要度は、例えば、下限値(例えば0)以上の数値である。需要度は、値が大きい程、車両貸出事業者にとって車両20を移動させる需要が大きいことを示す。また、需要度の初期値は、例えば、下限値である。
【0069】
具体的には、料金計算システム1は、判定手段120によって、貸出情報157を参照し、車両20が返却された他の拠点と車両20が帰属している帰属拠点とが一致しているか否かを判定する。料金計算システム1は、車両20の返却拠点と車両20の帰属拠点とが一致していると判定手段120が判定する場合、例えば、需要度に対して需要度の下限値よりも大きい所定の第一の値を加算する。また、料金計算システム1は、車両20の返却拠点と車両20の帰属拠点とが一致していないと判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、車両20が貸し出された貸出拠点の位置よりも車両20の返却拠点の位置が、車両20の帰属拠点に対して近いかを判定する。料金計算システム1は、車両20の貸出拠点の位置よりも車両20の返却拠点の位置が車両20の帰属拠点に対して近いと判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、下限値よりも大きくかつ第一の値未満であり、さらに車両20の貸出拠点から車両20の返却拠点までの直線距離又は道のりが長いほど値が大きくなるような値を需要度に加算する。ここで、需要度に対して加算される値は、車両20の貸出拠点から車両20の返却拠点までの直線距離又は道のりに比例しても良いし、当該直線距離又は当該道のりの長さに応じて段階的に対応付けられても良い。
【0070】
また、料金計算システム1は、判定手段120によって、時刻情報153及び予約情報158を参照し、車両20が返却された時刻から所定の時間後までに、返却拠点において車両20が貸し出される予約があるか否かを判定する。料金計算システム1は、車両20が返却された時刻から所定の時間後までに返却拠点において車両20が貸し出される予約があると判定手段120が判定する場合、例えば、需要度の下限値よりも大きい所定の第二の値を需要度に対して加算する。そして、処理は、ステップSP108の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP108)
料金計算システム1は、判定手段120によって、車両20の移動情報151及びユーザの利用情報159を参照し、移動情報151が含む位置情報152の近傍にある提携事業者の店舗やサービス提供拠点において、移動情報151が含む時刻情報153が示す時刻うちの最古の時刻から最新の時刻までの間に、ユーザが当該店舗や当該サービス提供拠点においてサービスを利用したか否かを判定する。料金計算システム1は、移動情報151が含む位置情報152の近傍にある提携事業者の店舗やサービス提供拠点において、移動情報151が含む時刻情報153が示す時刻うちの最古の時刻から最新の時刻までの間に、ユーザが当該店舗や当該サービス提供拠点においてサービスを利用したと判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、利用したサービスの利用金額を合計することによって、総利用金額を算出する。そして、処理は、ステップSP110の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP110)
料金計算システム1は、判定手段120によって、報酬情報160を生成する。ここで、報酬付与条件は、例えば、車両20の移動経路中のある区間における平均速度が所定の第一速度以下か否かである。料金計算システム1は、区間毎に車両20の移動経路中のある区間における平均速度が所定の第一速度以下であると判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、条件を達成した区間の数に従う報酬金額に関する情報を報酬情報160の車両20の平均速度に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。また、報酬付与条件は、例えば、車両20の移動経路中のある区間における最高速度が所定の第二速度以下か否かである。料金計算システム1は、区間毎に車両20の移動経路中のある区間における最高速度が所定の第二速度以下であると判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、条件を達成した区間の数に従う報酬金額に関する情報を報酬情報160の車両20の最高速度に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。
【0073】
また、報酬付与条件は、例えば、車両20の移動経路の需要度が所定の第三の値以上か否かである。料金計算システム1は、車両20の移動経路の需要度が所定の第三の値以上であると判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、予め定められている報酬金額に関する情報を報酬情報160の需要度に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。
【0074】
また、報酬付与条件は、例えば、移動情報151が含む位置情報152の近傍にある提携事業者の店舗やサービス提供拠点において、移動情報151が含む時刻情報153が示す時刻うちの最古の時刻から最新の時刻までの間に、ユーザが当該店舗や当該サービス提供拠点においてサービスを利用したか否かである。料金計算システム1は、移動情報151が含む位置情報152の近傍にある提携事業者の店舗やサービス提供拠点において、移動情報151が含む時刻情報153が示す時刻うちの最古の時刻から最新の時刻までの間に、ユーザが当該店舗や当該サービス提供拠点においてサービスを利用したと判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、サービスの総利用金額に従う報酬金額に関する情報を報酬情報160の提携事業者の利用に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。
【0075】
また、報酬付与条件は、例えば、車両20が移動経路の移動にあたって消費した燃料の量が所定量以下である否かである。料金計算システム1は、移動経路の移動にあたって消費した燃料の量が所定量以下であると判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、消費した燃料の量に従う報酬金額に関する情報を報酬情報160の消費した燃料に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。
【0076】
また、報酬付与条件は、例えば、車両20の移動経路中のある区間が混雑していないか否かである。具体的には、報酬付与条件は、ある区間の混雑度が所定値以下であるか否か、又は、ある区間の混雑度の状態が「空」であるか否かである。料金計算システム1は、区間毎に、ある区間が混雑していないと判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、条件を達成した区間の数に従う報酬金額に関する情報を報酬情報160の車両20の混雑度に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。そして、
図5に示す一連の処理の流れは、終了する。
【0077】
図8を参照して、ユーザ端末30に表示されるウェブページ800について説明する。
図8は、
図1に示すユーザ端末30に表示される料金の明細を表示するためのウェブページ800の一例を示す図である。
図8に示すように、ウェブページ800は、例えば、金額表示欄801~804と、ボタン805とを含んで構成される。
【0078】
金額表示欄801は、ユーザが車両20を借りるための基本料金を示す。また、金額表示欄802は、車両20が消費した燃料の量に従う燃料費を示す。また、金額表示欄803は、ユーザが条件を満たした報酬付与条件毎の報酬の種類及び内容を示す。金額表示欄803における安全運転ボーナスの項目は、報酬付与条件のうち車両20の移動経路の各区間の平均速度及び最高速度に関する条件に従う報酬である。また、金額表示欄803における提携サービス利用の項目は、報酬付与条件のうちユーザが提携事業者のサービスを利用したか否かに関する条件に従う報酬である。また、金額表示欄803における環境負荷ボーナスの項目は、報酬付与条件のうち車両20の燃料の量が所定量以下であるか否かに関する条件、車両20の移動経路の各区間が混雑しているか否かに関する条件、及び車両20の移動経路の需要度が第三の値以上であるか否かに関する条件に従う報酬である。また、金額表示欄804は、ユーザが支払うべき金額を示す。具体的には、金額表示欄804は、金額表示欄801及び802が示す料金の合計から金額表示欄803が示す料金を減算した料金を示す。
【0079】
ボタン805は、ユーザが支払金額を確認したことを示すためのボタンである。ユーザ端末30において、ユーザによりボタン805が押下されると、ユーザが支払金額を確認したことを示す情報がサーバ装置10に送信され、処理が決済処理に移行する。
【0080】
<効果>
以上、本実施形態では、プログラムは、車両20と通信可能なコンピュータ(サーバ装置10)を、車両20から車両20の位置を示す位置情報152を取得する取得手段100、複数の拠点のうちの一の拠点(貸出拠点)から一の拠点と異なる他の拠点(返却拠点)まで車両20が移動する間に取得手段100が取得した位置情報152、及び位置情報152が示す位置に車両20が位置した時刻を示す時刻情報153を含む移動情報151を生成する生成手段110、生成手段110が生成した移動情報151に基づいて、車両20を借りたユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する判定手段120、ユーザが報酬付与条件を達成したと判定手段120が判定する場合、ユーザに報酬を付与する付与手段130として機能させる。
【0081】
この構成によれば、料金計算システム1は、移動情報151に基づいてユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定するため、ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両20によって移動を行う場合に、当該移動の内容に応じた適切な報酬をユーザに付与できる。
【0082】
また、本実施形態では、判定手段120は、移動情報151に基づいて車両20が一の拠点から他の拠点まで移動する間に消費した燃料の量を算出し、算出した燃料の量に基づいてユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0083】
この構成によれば、料金計算システム1は、車両20が消費した燃料の量に基づいて報酬付与条件の達成を判定するため、ユーザが車両20を運転するにあたって、例えば、環境に対する負荷を考慮して燃料の消費が少なくなる運転をユーザが行う動機付けをユーザに対して与えることができる。したがって、料金計算システム1は、貸し出した車両20によるCO2の排出量を抑制し、車両貸出事業における脱炭素化を進めることができる。
【0084】
また、本実施形態では、生成手段110は、移動情報151が含む位置情報152及び時刻情報153に基づいて位置情報152が示す位置における車両20の速度を示す速度情報154を生成し、生成した速度情報154を移動情報151に追加する。
【0085】
この構成によれば、料金計算システム1は、速度情報154を移動情報151に追加するため、車両20の移動速度を含む移動内容に応じた適切な報酬をユーザに付与できる。
【0086】
また、本実施形態では、判定手段120は、移動情報151が含む位置情報152及び速度情報154に基づいて一の拠点から他の拠点までに車両20が移動した移動経路のうちの一の区間における車両20の平均速度及び最高速度を算出し、算出した平均速度及び最高速度に基づいてユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0087】
この構成によれば、料金計算システム1は、平均速度及び最高速度に基づいて報酬付与条件の達成を判定するため、ユーザが車両20を運転するにあたって、周囲の交通状況や安全を考慮した移動速度での車両20の運転をユーザが行う動機付けをユーザに対して与えることができる。
【0088】
また、本実施形態では、取得手段100は、交通情報を管理する交通情報サーバ60から、位置情報152が示す位置の近傍の道路について、当該道路の混雑の度合を示す混雑情報155を取得し、生成手段110は、混雑情報155を移動情報151に追加する。
【0089】
この構成によれば、料金計算システム1は、道路の混雑度を示す混雑情報155を移動情報151に追加するため、ユーザが車両20で移動するにあたって、例えば、混雑度が少ない道路を移動経路として選択する動機付けをユーザに対して与えることができる。
【0090】
また、本実施形態では、取得手段100は、拠点を管理する拠点サーバ40から、当該拠点に帰属する車両20の貸出及び返却の状態に関する貸出情報157を取得し、判定手段120は、貸出情報157に基づいて一の拠点から他の拠点に至る車両20の移動の需要の程度を示す需要度を算出し、移動情報151及び需要度に基づいてユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0091】
この構成によれば、料金計算システム1は、貸出情報157から算出される需要度に基づいて報酬付与条件の達成を判定するため、例えば、環境に対する負荷を考慮して需要度の高い移動経路を選択する動機付けをユーザに対して与えることができる。したがって、料金計算システム1は、貸し出した車両20によるCO2の排出量を抑制し、車両貸出事業における脱炭素化を進めることができる。
【0092】
また、本実施形態では、取得手段100は、ユーザ端末30、又は拠点を管理する拠点サーバ40から、車両20の貸出の予約に関する予約情報158を取得し、判定手段120は、予約情報158に基づいて一の拠点から他の拠点に至る車両20の移動の需要の程度を示す需要度を算出し、移動情報151及び需要度に基づいてユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0093】
この構成によれば、料金計算システム1は、予約情報158から算出される需要度に基づいて報酬付与条件の達成を判定するため、例えば、環境に対する負荷を考慮して需要度の高い移動経路を選択する動機付けをユーザに対して与えることができる。したがって、料金計算システム1は、貸し出した車両によるCO2の排出量を抑制し、車両貸出事業における脱炭素化を進めることができる。
【0094】
また、本実施形態では、取得手段100は、事業者サーバ50から、事業者サーバ50の事業者が提供するサービスにおけるユーザの利用に関する利用情報159を取得し、判定手段120は、移動情報151及び利用情報159に基づいてユーザが報酬付与条件を達成したか否かを判定する。
【0095】
この構成によれば、料金計算システム1は、利用情報159に基づいて報酬付与条件の達成を判定するため、車両貸出事業者の提携事業者のサービスを利用する動機付けをユーザに対して与えることができる。
【0096】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0097】
例えば、本実施形態では、判定手段120は、移動情報151に基づいて車両20が一の拠点から他の拠点まで移動する間に消費した燃料の量を算出するが、これに限られるものではない。判定手段120は、移動情報151に基づいて車両20が一の拠点から他の拠点まで移動する間に消費した電力を算出しても良い。判定手段120は、総移動距離に対して、車両20の種類毎に予め定められている距離あたりに車両20が消費する電力である所定の電費を乗算することによって、車両20が消費した電力の量を算出する。
【0098】
また、この場合において、報酬付与条件は、例えば、車両20が移動経路の移動にあたって消費した電力の量が所定量以下である否かであっても良い。料金計算システム1は、移動経路の移動にあたって消費した電力の量が所定量以下であると判定手段120が判定する場合、判定手段120によって、消費した電力の量に従う報酬金額に関する情報を報酬情報160の消費した電力に関する報酬付与条件の情報に対応付ける。
【0099】
この構成によれば、料金計算システム1は、車両20が電気自動車など電力で動く車両であっても、ユーザが車両貸出事業者から貸し出された車両20によって移動を行う場合に、当該移動の内容に応じた適切な報酬をユーザに付与できる。
【0100】
また、本実施形態では、ユーザに付与される報酬は、ユーザが支払う金額に対する割引であるが、これに限られるものではない。ユーザに付与される報酬は、移動手段や移動経路上の車両貸出事業者の提携事業者の施設で利用可能なポイントや、割引チケット、無料チケット等であっても良い。
【0101】
この構成によれば、料金計算システム1は、付与手段130によって、移動手段や移動経路上の車両貸出事業者の提携事業者の施設で利用可能なポイントや、割引チケット、無料チケット等をユーザに付与するため、ユーザが提携事業者のサービスを利用する動機付けや、提携事業者のサービスの利用に伴って車両貸出事業者を再び利用する動機付けを与えることができる。
【0102】
また、本実施形態では、料金計算システム1は、判定手段120によって、総移動距離に対して、燃料の種類毎に予め定められている距離あたりに車両20が燃料を消費する量である所定の燃費を乗算することによって、車両20が消費した燃料の量を算出するが、これに限られるものではない。料金計算システム1は、車両20の総移動距離に加えて、車両20の加速及び減速の回数や移動経路が含む各区間の勾配などに基づいて、車両20が消費した燃料の量を算出しても良い。
【0103】
具体的には、料金計算システム1は、判定手段120によって、速度情報154を参照し、区間毎に速度情報154が示す車両20の移動速度の増減の回数を取得する。料金計算システム1は、区間毎に、区間の距離に対して、一の区間における車両20の移動速度の増減回数に従う移動速度に関する係数と、一の区間の勾配に従う勾配に関する係数とを乗算する。料金計算システム1は、区間毎に乗算された結果を合計し、合計した結果に対して、所定の燃費を乗算することによって、車両20が消費した燃料の量を算出する。
【0104】
この構成によれば、料金計算システム1は、車両20の移動速度や移動経路の勾配に基づいて消費した燃料の量を算出するため、ユーザが車両20を運転するにあたって、例えば、環境に対する負荷を考慮して車両20の加速減速の回数が少なくなるように運転したり、勾配が少ない区間を含む移動経路を選択したりする動機付けをユーザに対して与えることができる。
【符号の説明】
【0105】
1…料金計算システム、10…サーバ装置、20…車両、30…ユーザ端末、40…拠点サーバ、50…事業者サーバ、60…交通情報サーバ、100…取得手段、110…生成手段、120…判定手段、130…付与手段、151…移動情報、152…位置情報、153…時刻情報、154…速度情報、155…混雑情報、157…貸出情報、158…予約情報、159…利用情報