(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073980
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20240523BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
G03G15/16 103
G03G15/01 114A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185003
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 有周
(72)【発明者】
【氏名】南里 直耶
(72)【発明者】
【氏名】木内 豊
(72)【発明者】
【氏名】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】鴇巣 健太
【テーマコード(参考)】
2H200
2H300
【Fターム(参考)】
2H200FA04
2H200GA12
2H200GA33
2H200GA47
2H200GB23
2H200GB32
2H200HA02
2H200JB16
2H200JB17
2H200JC03
2H200JC09
2H200JC19
2H200PA02
2H300EB01
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC05
2H300EC16
2H300EF03
2H300EF08
2H300EJ09
2H300EJ47
2H300FF05
2H300GG13
(57)【要約】
【課題】複数の像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生を抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】画像形成装置は、異なる色のトナー像を形成する複数の像形成部と、無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられる中間転写体と、複数の像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、中間転写体と接触すると共にトナー像が保持される像保持体であって、中間転写体の移動方向における最下流の像形成部での像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、複数の像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、像保持体のトナー像を中間転写体に転写する複数の一次転写部と、中間転写体の移動方向における複数の一次転写部の下流側に設けられ、中間転写体の表面の複数のトナー像を媒体に転写する二次転写部と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色のトナー像を形成する複数の像形成部と、
無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられ、複数の前記像形成部から前記トナー像が順次転写される中間転写体と、
複数の前記像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、前記中間転写体と接触すると共に前記トナー像が保持される像保持体であって、前記中間転写体の移動方向における最下流の前記像形成部での前記像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、
複数の前記像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、前記像保持体の前記トナー像を前記中間転写体に転写する複数の一次転写部と、
前記中間転写体の移動方向における複数の前記一次転写部の下流側に設けられ、前記中間転写体の表面の複数の前記トナー像を媒体に転写する二次転写部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4色の像形成部と、
特色のトナー像を形成するための特色像形成部と、
無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられ、4色の前記像形成部及び前記特色像形成部から前記トナー像が順次転写される中間転写体と、
4色の前記像形成部及び前記特色像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、前記中間転写体と接触すると共に前記トナー像が保持される像保持体であって、前記中間転写体の移動方向における前記特色像形成部を除いた4色の前記像形成部のうち最下流の前記像形成部での前記像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、
複数の前記像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、前記像保持体の前記トナー像を前記中間転写体に転写する複数の一次転写部と、
前記中間転写体の移動方向における複数の前記一次転写部の下流側に設けられ、前記中間転写体の表面の複数の前記トナー像を媒体に転写する二次転写部と、
を有する画像形成装置。
【請求項3】
複数の前記像形成部は、カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4色の像形成部であり、
前記中間転写体の移動方向における複数の前記像形成部よりも下流側であって、前記二次転写部よりも上流側に、特色のトナー像を形成するための特色像形成部を備え、
前記最下流の前記像形成部での前記像保持体は、前記特色像形成部を除いた4色の前記像形成部のうちの最下流の前記像保持体である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数の前記像保持体は、円筒状で外径が同等である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部の内部に前記円筒部と共に回転する錘を設ける請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部の厚みを他の前記像保持体の円筒部の厚みよりも厚くする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部と同軸上で前記円筒部の軸方向外側に前記円筒部と共に回転する錘を設ける請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記一次転写部は、前記中間転写体の内周面に接触する転写回転体を備え、
前記最下流の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との挟持部の荷重は、他の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との挟持部の荷重よりも大きい請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記一次転写部は、前記中間転写体の内周面に接触する転写回転体を備え、
前記最下流の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との間に印加する転写バイアスは、他の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との間に印加する転写バイアスより大きい請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記中間転写体の移動方向における前記二次転写部から最上流の前記像保持体までの間に、前記中間転写体を駆動する駆動部が配置されている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、静電電位の差による潜像が無端状の周面に形成される像保持体と、該像保持体にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置と、複数のロール状部材に張架され、前記像保持体に接触して前記トナー像が一次転写される無端状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに一次転写されたトナー像を記録シートに転写する二次転写装置と、前記中間転写ベルトの移動方向における前記トナー像の一次転写位置から前記二次転写装置と対向する二次転写位置までの間で該中間転写ベルトの内周面に圧接される弾性部材と、を有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、複数の像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生を抑制することができる画像形成装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る画像形成装置は、異なる色のトナー像を形成する複数の像形成部と、無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられ、複数の前記像形成部から前記トナー像が順次転写される中間転写体と、複数の前記像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、前記中間転写体と接触すると共に前記トナー像が保持される像保持体であって、前記中間転写体の移動方向における最下流の前記像形成部での前記像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、複数の前記像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、前記像保持体の前記トナー像を前記中間転写体に転写する複数の一次転写部と、前記中間転写体の移動方向における複数の前記一次転写部の下流側に設けられ、前記中間転写体の表面の複数の前記トナー像を媒体に転写する二次転写部と、を有する。
【0006】
第2態様に係る画像形成装置は、カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4色の像形成部と、特色のトナー像を形成するための特色像形成部と、無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられ、4色の前記像形成部及び前記特色像形成部から前記トナー像が順次転写される中間転写体と、4色の前記像形成部及び前記特色像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、前記中間転写体と接触すると共に前記トナー像が保持される像保持体であって、前記中間転写体の移動方向における前記特色像形成部を除いた4色の前記像形成部のうち最下流の前記像形成部での前記像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、複数の前記像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、前記像保持体の前記トナー像を前記中間転写体に転写する複数の一次転写部と、前記中間転写体の移動方向における複数の前記一次転写部の下流側に設けられ、前記中間転写体の表面の複数の前記トナー像を媒体に転写する二次転写部と、を有する。
【0007】
第3態様に係る画像形成装置は、第1態様に記載の画像形成装置において、複数の前記像形成部は、カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4色の像形成部であり、前記中間転写体の移動方向における複数の前記像形成部よりも下流側であって、前記二次転写部よりも上流側に、特色のトナー像を形成するための特色像形成部を備え、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体は、前記特色像形成部を除いた4色の前記像形成部のうちの最下流の前記像保持体である。
【0008】
第4態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、複数の前記像保持体は、円筒状で外径が同等である。
【0009】
第5態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部の内部に前記円筒部と共に回転する錘を設ける。
【0010】
第6態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部の厚みを他の前記像保持体の円筒部の厚みよりも厚くする。
【0011】
第7態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部と同軸上で前記円筒部の軸方向外側に前記円筒部と共に回転する錘を設ける。
【0012】
第8態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、前記一次転写部は、前記中間転写体の内周面に接触する転写回転体を備え、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との挟持部の荷重は、他の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との挟持部の荷重よりも大きい。
【0013】
第9態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、前記一次転写部は、前記中間転写体の内周面に接触する転写回転体を備え、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との間に印加する転写バイアスは、他の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との間に印加する転写バイアスより大きい。
【0014】
第10態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置において、前記中間転写体の移動方向における前記二次転写部から最上流の前記像保持体までの間に、前記中間転写体を駆動する駆動部が配置されている。
【発明の効果】
【0015】
第1態様に係る画像形成装置によれば、複数の像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0016】
第2態様に係る画像形成装置によれば、4色の像形成部及び特色像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0017】
第3態様に係る画像形成装置によれば、特色像形成部の像保持体の慣性モーメントが4色の像形成部の像保持体の慣性モーメントよりも大きい場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0018】
第4態様に係る画像形成装置によれば、複数の像保持体のうちのいくつかの外径が異なる場合と比較して、レイアウトの制約が少ない。
【0019】
第5態様に係る画像形成装置によれば、像保持体の円筒部の軸方向外側に錘を設ける場合と比較して、像保持体の配置スペースが大きくなることが抑制される。
【0020】
第6態様に係る画像形成装置によれば、像保持体の円筒部の内部に錘を設ける場合と比較して、構造が簡単である。
【0021】
第7態様に係る画像形成装置によれば、像保持体の円筒部の内部に錘を設ける場合と比較して、円筒部の共通化が可能となる。
【0022】
第8態様に係る画像形成装置によれば、最下流の像形成部での像保持体と転写回転体との挟持部の荷重が他の像形成部での像保持体と転写回転体との挟持部の荷重と同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0023】
第9態様に係る画像形成装置によれば、最下流の像形成部での像保持体と転写回転体との間に印加する転写バイアスと他の像形成部での像保持体と転写回転体との間に印加する転写バイアスとが同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0024】
第10態様に係る画像形成装置によれば、中間転写体の移動方向における最下流の像形成部での像保持体から二次転写部までの間に中間転写体の駆動部が設けられている場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施形態の画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図2】第1実施形態の画像形成装置の転写体の構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の画像形成装置の定着装置の構成を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態の画像形成装置のシアン色とブラック色のトナー像形成部を示す構成図である。
【
図5】第1実施形態の画像形成装置のブラック色のトナー像形成部に用いられる感光体及び一次転写ロールを示す構成図である。
【
図6】第1実施形態の画像形成装置のブラック色のトナー像形成部に用いられる感光体の一部を示す断面図である。
【
図7】(A)は、第2実施形態の画像形成装置のブラック色のトナー像形成部に用いられる感光体の一部を示す断面図であり、(B)は、第2実施形態の画像形成装置のブラック色以外の色のトナー像形成部に用いられる感光体の一部を示す断面図である。
【
図8】第3実施形態の画像形成装置のブラック色のトナー像形成部に用いられる感光体を示す側面図である。
【
図9】第4実施形態の画像形成装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、
図1に示す矢印Hに沿った方向を画像形成装置10の上下方向とし、矢印Wに沿った方向を画像形成装置10の幅方向とし、矢印Dに沿った方向を画像形成装置10の前後方向とする。
【0027】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の画像形成装置10を示す概略構成図である。
図1に示すように、画像形成装置10は、一例として、記録媒体Pに画像を形成する電子写真方式とされている。画像形成装置10は、画像形成部12と、搬送部14と、供給搬送部16と、定着装置70と、を備えている。記録媒体Pは、媒体の一例である。
【0028】
以下、画像形成装置10の供給搬送部16、画像形成部12、搬送部14及び定着装置70について説明する。
【0029】
[供給搬送部]
供給搬送部16は、記録媒体Pが収容される収容器61と、収容器61から記録媒体Pを1枚ずつ送り出す送出ロール62と、を備えている。図示を省略するが、供給搬送部16は、送出ロール62で送り出された記録媒体Pを後述する転写体40へ搬送する搬送ロールを備えている。
【0030】
[画像形成部]
図1に示すように、画像形成部12は、各色のトナー像(画像の一例)を記録媒体Pに形成する機能を有している。具体的に説明すると、画像形成部12は、各色のトナー画像(画像の一例)を形成するトナー像形成部80と、中間転写体の一例としての転写ベルト30と、駆動ロール22と、張力付与ロール23と、対向ロール24と、を有している。さらに、画像形成部12は、各色のトナー像形成部80によって形成されたトナー像をそれぞれ転写ベルト30に転写する複数の一次転写部77と、転写ベルト30の表面の複数のトナー像を記録媒体Pに転写する二次転写部31と、を有している。トナー像形成部80は、像形成部の一例である。
【0031】
(転写ベルト)
転写ベルト30は、無端状に形成されるとともに、前後方向から見て、逆三角形状の姿勢となるように、駆動ロール22、張力付与ロール23及び対向ロール24に巻き掛けられている。転写ベルト30は、駆動ロール22が回転駆動されることで、矢印A方向へ周回移動(すなわち、周方向に移動)するようになっている。駆動ロール22は、転写ベルト30を周回移動させる駆動部の一例である。駆動ロール22は、転写ベルト30の移動方向における複数のトナー像形成部80の上流側、かつ対向ロール24の下流側に配置されている。言い換えると、駆動ロール22は、転写ベルト30の移動方向における二次転写部31の対向ロール24から最上流のトナー像形成部80(第1実施形態では、後述するイエローのトナー像形成部80Y)までの間に配置されている。
【0032】
張力付与ロール23は、転写ベルト30に張力を付与する。張力付与ロール23は、転写ベルト30の移動方向における複数のトナー像形成部80(第1実施形態では、後述するブラックのトナー像形成部80K)の下流側、かつ対向ロール24の上流側に配置されている。
【0033】
(トナー像形成部)
トナー像形成部80は、色ごとにトナー像を形成するように複数備えられている。第1実施形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像形成部80が備えられている。なお、
図1においては、上記各色に対応させて符号80の後にY、M、C、Kの英字を付している。
【0034】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)は、それぞれ一方向(矢印に示す方向)に回転する円柱状の感光体82を有している。各感光体82の周囲には、感光体82の回転方向上流側から順に、帯電器84と、露光装置86と、現像装置88と、が配置されている。また、ブラック(K)のトナー像形成部80Kは、一方向(矢印に示す方向)に回転する円柱状の感光体92を有している。感光体92の周囲には、感光体92の回転方向上流側から順に、帯電器84と、露光装置86と、現像装置88と、が配置されている。感光体82及び感光体92は、像保持体の一例である。感光体92には、慣性モーメントを他の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S120が設けられている(
図5参照)。
【0035】
各色の感光体82及び感光体92は、転写ベルト30と接触している。転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部80(第1実施形態では、ブラックのトナー像形成部80K)に、慣性モーメント増加構造S120が設けられている。慣性モーメント増加構造S120については、後に説明する。
【0036】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)では、帯電器84が、感光体82の表面を帯電させ、露光装置86が、帯電器84によって帯電された感光体82の表面を露光して、感光体82の表面に静電潜像を形成する。そして、現像装置88が、露光装置86によって感光体82の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。同様に、ブラック(K)のトナー像形成部80Kでは、帯電器84が、感光体92の表面を帯電させ、露光装置86が、帯電器84によって帯電された感光体92の表面を露光して、感光体92の表面に静電潜像を形成する。そして、現像装置88が、露光装置86によって感光体92の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0037】
(一次転写部)
一次転写部77には、転写ベルト30の内周面側に配置され、各色のトナー像形成部80における感光体82又は感光体92と転写ベルト30を挟んで対向する一次転写ロール78が設けられている。第1実施形態では、一次転写ロール78は、転写ベルト30の内周面に接触している。一次転写ロール78は、転写回転体の一例である。各色のトナー像形成部80で形成されたトナー像は、一次転写位置T1にて一次転写ロール78により転写ベルト30に順次一次転写されて重ねられ、その重ねられたトナー画像が二次転写部31における二次転写位置T2にて記録媒体Pに二次転写されるようになっている。
【0038】
(二次転写部)
二次転写部31は、転写ベルト30の移動方向における複数の一次転写部77の下流側に設けられている。二次転写部31には、転写体40が設けられている。転写体40は、転写ベルト30の下方側に配置されている。一例として、転写体40は、軸方向が対向ロール24の軸方向と同じになるように配置された転写胴50を有している。転写胴50は、転写ベルト30に対向して配置されており、対向ロール24とで転写ベルト30を挟み込んだ挟込領域が二次転写位置T2となるように構成されている。二次転写位置T2では、対向ロール24と転写胴50との間に転写電圧が印加されることで、転写ベルト30のトナー像が記録媒体Pに二次転写される。
【0039】
なお、
図1において、記録媒体Pの搬送方向を矢印Xにて示す。また、転写ベルト30の移動方向における二次転写位置T2の下流側で、かつトナー像形成部80(80Y、80M、80C、80K)の上流側に、転写ベルト30上に残留したトナーを除去するクリーナを設けてもよい。
【0040】
図2に示すように、転写胴50の外周面の一部には、グリッパ36及び支持部材38が収容される凹部54が形成されている。転写胴50の軸方向両端側には、一対のスプロケット32が設けられている。この一対のスプロケット32は、転写胴50と同軸に配置されており、転写胴50と一体に回転する構成とされている。そして、転写胴50は、駆動部(図示省略)によって回転駆動される構成になっている。また、一対のスプロケット32には、チェーン34が巻き掛けられている。
【0041】
なお、対向ロール24は、カム等を用いた転写用移動機構(図示略)により、転写胴50に対して接触する接触位置と離間する離間位置との間を移動可能とされている。
【0042】
[定着装置]
図1に示すように、定着装置70は、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着する装置である。具体的に説明すると、定着装置70は、搬送部14における記録媒体Pの搬送方向下流側に配置された加圧体42と、加熱ロール72と、を有している。
【0043】
図3に示すように、加圧体42は、軸方向が転写胴50の軸方向と同じになるように配置された加圧ロール44を有しており、加圧ロール44の軸方向両端側には、一対のスプロケット48が設けられている。一対のスプロケット48は、加圧ロール44と同軸に配置されており、加圧ロール44と一体に回転する構成とされている。そして、一対のスプロケット48には、後述するチェーン34が巻き掛けられている。
【0044】
図1に示すように、加熱ロール72と加圧ロール44とは、上下に並んで配置されている。すなわち、加熱ロール72が、加圧ロール44の上方側に配置されている。この加熱ロール72は、内部にハロゲンランプ等の加熱源72Aを有している。なお、以下において、加熱ロール72と加圧ロール44とで記録媒体Pを挟み込む位置を挟込位置NPとする。
【0045】
また、加熱ロール72は、カム等を用いた定着用移動機構(図示略)により、加圧ロール44に対して接触する接触位置と離間する離間位置との間を移動可能とされている。加熱ロール72は、接触位置において、加圧ロール44とで記録媒体Pを挟み込むようになっている。
【0046】
また、加圧ロール44の外周面の一部には、後述するグリッパ36及び支持部材38が収容される凹部46が形成されている。
【0047】
[搬送部]
図1~
図3に示すように、搬送部14は、記録媒体Pを搬送して二次転写位置T2と挟込位置NPとを通過させる機能を有している。搬送部14は、一対のチェーン34と、グリッパ36と、を有している。一対のチェーン34は、転写胴50の回転駆動力を加圧ロール44に伝達する部材である。グリッパ36は、記録媒体Pの先端部を保持する。なお、
図1では、チェーン34及びグリッパ36を簡略化して図示している。
【0048】
図1に示すように、一対のチェーン34は、それぞれ環状に形成されている。そして、
図2に示すように、この一対のチェーン34は、装置奥行方向に間隔をおいて配置されている。すなわち、この一対のチェーン34は、それぞれ転写胴50に同軸的に設けられた一対のスプロケット32と、加圧ロール44に同軸的に設けられた一対のスプロケット48と、に巻き掛けられている。
【0049】
図示されていない駆動部により転写胴50が回転駆動されると、一対のスプロケット32が一体に回転方向B(矢印B方向)へ回転駆動されることで、チェーン34が周回方向C(矢印C方向)へ周回する。また、これにより加圧ロール44が従動回転する。つまり、周回方向C(
図1参照)へ周回移動する一対のチェーン34により、転写胴50の回転駆動力が加圧ロール44へ伝達されるようになっている。
【0050】
また、
図2及び
図3に示すように、一対のチェーン34には、グリッパ36が取り付けられた支持部材38が装置奥行方向に沿って架け渡されている。支持部材38は、複数(
図1に示されるものは3個)設けられており、各支持部材38は、チェーン34の周方向(周回方向C)に沿った予め定められた間隔で、その一対のチェーン34に固定されている。
【0051】
また、グリッパ36は、装置奥行方向に沿った予め定められた間隔で、各支持部材38に複数並んで取り付けられている。つまり、各グリッパ36は、各支持部材38を介して、チェーン34に取り付けられている。そして、各グリッパ36は、記録媒体Pの先端部を保持する保持機能を有している。
【0052】
図示を省略するが、グリッパ36は、複数の爪と複数の爪台とを有している。グリッパ36は、各爪と各爪台との間に記録媒体Pの先端部を挟むことで記録媒体Pを保持する。
【0053】
また、グリッパ36は、記録媒体Pに対する搬送方向の下流側に配置されており、記録媒体Pの搬送方向の下流側から記録媒体Pの先端部を保持するようになっている。
【0054】
このように、搬送部14では、供給搬送部16から送られてきた記録媒体Pの先端部をグリッパ36で保持するようになっている。そして、搬送部14では、グリッパ36が記録媒体Pの先端部を保持した状態でチェーン34が矢印C方向へ周回移動することで、グリッパ36を移動させて記録媒体Pを搬送し、グリッパ36で記録媒体Pを保持したまま、グリッパ36と共に二次転写位置T2を通過させるようになっている。
【0055】
なお、チェーン34がスプロケット32に巻き掛けられた部分では、グリッパ36は、転写胴50の凹部54に収容された状態で、転写胴50と一体に転写胴50の回転方向へ移動するようになっている。同様に、チェーン34がスプロケット48に巻き掛けられた部分では、グリッパ36は、加圧ロール44の凹部46に収容された状態で、加圧ロール44と一体に加圧ロール44の回転方向へ移動するようになっている。
【0056】
搬送部14は、加熱ロール72が離間位置に位置する状態において、挟込位置NPへ向けて、グリッパ36が記録媒体Pの先端部を保持したまま、記録媒体Pを搬送するようになっている。そして、搬送部14は、記録媒体Pを挟込位置NPへ搬送すると、記録媒体Pの先端部の保持を解除するようになっている。すなわち、搬送部14は、グリッパ36が、挟込位置NPを通過した後に、記録媒体Pの先端部の保持を解除するようになっている。
【0057】
このように、定着装置70では、加熱ロール72と加圧ロール44とで記録媒体Pを挟み込んだ状態で搬送しつつ、記録媒体Pを加熱及び加圧することにより、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させるようになっている。
【0058】
[最下流のトナー像形成部の構成]
次に、本開示の画像形成装置の要部である転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部80の構成について説明する。第1実施形態では、転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部80は、ブラック色のトナー像形成部80Kであるため、トナー像形成部80Kの構成について説明する。
【0059】
図1及び
図4に示すように、ブラック色のトナー像形成部80Kでは、前述のように感光体92が設けられており、感光体92と一次転写ロール78とに転写ベルト30が挟まれている。感光体92は、円筒状であり、感光体92の外径は、他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)の感光体82の外径と同等である。ここで同等とは、以下の範囲に含まれる場合を想定している。感光体82の外径を基準に感光体92の外径が±10%以内が好ましく、±5%以内がより好ましく、±1%以内がさらに好ましい。
【0060】
図5及び
図6に示すように、感光体92には、前述のように、慣性モーメントを他の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S120が設けられている。
【0061】
一例として、感光体92は、円筒部110と、円筒部110の軸方向の両端部に挿入された挿入部112と、を備えている(
図6参照)。なお、
図6では、感光体92の軸方向の一方側のみを図示しており、軸方向の他方側は同様であるので、図示を省略している。挿入部112は、円筒部110の内周面に接触する円形状の側部112Aと、側部112Aの中心部を含む位置から軸方向の外側に延びたシャフト112Bと、を備えている。慣性モーメント増加構造S120は、円筒部110の内部に円筒部110と共に回転する錘114を設けた構成である。一例として、錘114は、円形状の板体であり、円筒部110の内面に接触している。錘114の側面は、側部112Aに接触している。錘114は、円筒部110又は側部112Aに接合されていてもよいし、円筒部110及び側部112Aの両方に接合されていてもよい。
【0062】
図示を省略するが、他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)の感光体82には、錘114が設けられていない。感光体92における錘114以外の構成は、他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)の感光体82と同様である。
【0063】
感光体92は、錘114を設けることで、他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)の感光体82との比で、慣性モーメントが大きくなる。慣性モーメントとは、イナーシャと同じもので、回転体の動きやすさを表わす指標である。すなわち、慣性モーメントは、回転体がそのときの状態を維持しようとする大きさを示す物理量であり、回転の難易さを表わす。イナーシャの値が大きいほど、加減速時に大きなエネルギーが必要となる。例えば、感光体92の慣性モーメントは、感光体82の慣性モーメントより50%大きいことが好ましく、100%大きいことがより好ましく、200%大きいことがさらに好ましい。
【0064】
図4に示すように、シアン色のトナー像形成部80Cにおける一次転写ロール78には、一次転写ロール78と感光体82との間に転写バイアスを印加するための電源102が接続されている。図示を省略するが、イエロー色、マゼンタ色のトナー像形成部80Y、80Mにおける一次転写ロール78も同様に、電源102が接続されている。なお、各々の感光体82は接地されている。また、ブラック色のトナー像形成部80Kにおける一次転写ロール78には、一次転写ロール78と感光体92との間に転写バイアスを印加するための電源104が接続されている。感光体92は接地されている。
【0065】
電源102と電源104では、転写バイアスの設定値が異なり、電源104による転写バイアスの設定値は、電源102による転写バイアスの設定値よりも大きい。すなわち、転写ベルト30の移動方向における最下流のブラック色のトナー像形成部80Kでは、一次転写ロール78と感光体92との間に印加する転写バイアスは、他のトナー像形成部80Y、80M、80Cでの一次転写ロール78と感光体82との間に印加する転写バイアスより大きい。例えば、一次転写ロール78と感光体92との間に印加する転写バイアスは、一次転写ロール78と感光体82との間に印加する転写バイアスより30%大きいことが好ましく、50%大きいことがより好ましく、100%大きいことがさらに好ましい。
【0066】
図5に示すように、一次転写ロール78は、付勢部材96により転写ベルト30を介して感光体92に押し付けられている。一例として、付勢部材96には、コイルスプリングなどのばね部材が用いられている。図示を省略するが、ブラック色のトナー像形成部80Kでは、付勢部材96による一次転写ロール78の感光体92への押付力は、他のトナー像形成部80Y、80M、80Cでの付勢部材(図示省略)による一次転写ロール78の感光体82への押付力よりも大きい。すなわち、転写ベルト30の移動方向における最下流のブラック色のトナー像形成部80Kでの感光体92と一次転写ロール78との挟持部の荷重は、他のトナー像形成部80Y、80M、80Cでの感光体82と一次転写ロール78との挟持部の荷重よりも大きい。例えば、感光体92と一次転写ロール78との挟持部の荷重は、感光体82と一次転写ロール78との挟持部の荷重に対して、1.5倍以上に設定されていることが好ましく、2倍以上に設定されていることが好ましく、3倍以上に設定されていることがさらに好ましい。
【0067】
[比較例の画像形成装置の課題]
ここで、比較例の画像形成装置の課題について説明する。
【0068】
図示を省略するが、比較例の画像形成装置では、転写ベルトの移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のトナー像形成部を備えており、4色のトナー像形成部からトナー像が一次転写位置で転写ベルトに重ねて転写される。さらに、転写ベルトの表面に重ねられたトナー像は、二次転写位置で記録媒体Pに転写される。比較例の画像形成装置では、ブラック色のトナー像形成部の構成は、他の色(イエロー、マゼンタ、及びシアン)のトナー像形成部の構成と同様である。すなわち、ブラック色のトナー像形成部の感光体には、第1実施形態のような慣性モーメント増加構造は設けられていない。
【0069】
比較例の画像形成装置では、二次転写位置で発生した転写ベルトの振動が、転写ベルトの移動方向の上流側の一次転写位置に伝播される場合がある。特に、大型の画像形成装置(例えば、高速又は長尺の記録媒体Pを用いる装置)では、小型の画像形成装置と比べて二次転写位置で発生するインパルス振動が大きく、転写ベルトに伝播する振動も大きくなりやすい。例えば、グリッパで記録媒体を搬送する構成では、二次転写部にてグリッパ通過時の二次転写部とグリッパとの干渉防止のために、転写胴の周方向の一部に凹部を設けている。この転写胴の凹部が二次転写部へ突入又は抜けたときに衝撃荷重が発生し、転写ベルトに大きな振動が伝播する。そのため、転写ベルトの移動方向に沿って配置された複数のトナー像形成部のうち最下流の一次転写部のニップ部が変動し、感光体から転写ベルトへの転写画像に画像濃度ムラが発生する場合がある。
【0070】
[本実施形態に係る作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0071】
画像形成装置10は、異なる色のトナー像を形成する複数のトナー像形成部80と、無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられた転写ベルト30と、を備えている。また、画像形成装置10は、複数のトナー像形成部80と対向する位置に、トナー像形成部80のトナー像を転写ベルト30に転写する複数の一次転写部77を備えている。また、画像形成装置10は、転写ベルト30の移動方向における複数の一次転写部77の下流側に、転写ベルト30の表面の複数のトナー像を記録媒体Pに転写する二次転写部31を備えている。さらに、転写ベルト30の移動方向における最下流のブラック色のトナー像形成部80Kの感光体92には、慣性モーメントを他のトナー像形成部80の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S120が設けられている。すなわち、最下流のブラック色のトナー像形成部80Kの感光体92の慣性モーメントは、他のトナー像形成部80の感光体82の慣性モーメントよりも大きい。
【0072】
上記の構成により、最下流のトナー像形成部80Kにおいて、感光体92と一次転写ロール78とで転写ベルト30を把持する把持力(すなわち、グリップ力)は、他の感光体82と一次転写ロール78とで転写ベルト30を把持する把持力よりも大きくなる。このため、二次転写部31で発生した転写ベルト30の振動による最下流のトナー像形成部80Kの一次転写部77でのニップ部の変動が抑制される。特に、転写胴50の凹部54が二次転写部31に突入又は抜けるときに発生する衝撃荷重による最下流のトナー像形成部80Kの一次転写部77でのニップ部の変動が抑制される。このため、画像形成装置10では、複数のトナー像形成部において感光体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0073】
また、複数の感光体82及び感光体92は、円筒状で外径が同等である。このため、画像形成装置10では、複数の感光体のうちのいくつかの外径が異なる場合と比較して、レイアウトの制約が少なく、また、省スペース化が可能となる。
【0074】
また、慣性モーメント増加構造S120は、最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92の円筒部110の内部に円筒部110と共に回転する錘114を設ける構成である。このため、画像形成装置10では、感光体の円筒部の軸方向外側に錘を設ける場合と比較して、感光体92の配置スペースが大きくなることが抑制される。
【0075】
また、最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92と一次転写ロール78との挟持部の荷重は、他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)での感光体82と一次転写ロール78との挟持部の荷重よりも大きい。これにより、最下流のトナー像形成部80Kにおいては、他のトナー像形成部80と比べて、感光体92と一次転写ロール78とで転写ベルト30を把持する把持力(すなわち、グリップ力)が大きくなる。これにより、二次転写部31で発生した転写ベルト30の振動による最下流のトナー像形成部80Kの一次転写部77でのニップ部の変動が抑制される。このため、画像形成装置10では、最下流のトナー像形成部の感光体と一次転写ロールとの挟持部の荷重が他のトナー像形成部での感光体と一次転写ロールとの挟持部の荷重と同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0076】
また、最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92と一次転写ロール78との間に印加する転写バイアスは、他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)での感光体82と一次転写ロール78との間に印加する転写バイアスより大きい。これにより、転写ベルト30と一次転写ロール78との吸着力が大きくなり、転写ベルト30と一次転写ロール78とが滑りにくくなることで、感光体92と一次転写ロール78による転写ベルト30の把持力(すなわち、グリップ力)を大きくすることができる。これにより、二次転写部31で発生した転写ベルト30の振動による最下流のトナー像形成部80Kの一次転写部77でのニップ部の変動が抑制される。このため、画像形成装置10では、最下流のトナー像形成部での感光体と一次転写ロールとの間に印加する転写バイアスと他のトナー像形成部での感光体と一次転写ロールとの間に印加する転写バイアスとが同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0077】
転写ベルト30の移動方向における二次転写部31から最上流のトナー像形成部80Yの感光体82までの間に、転写ベルト30を駆動する駆動ロール22が配置されている。これにより、シアン色のトナー像形成部80Cとブラック色のトナー像形成部80Kとの間で転写ベルト30の伸び縮みが発生することが抑制され、各色のトナー像の位置合わせがずれることが抑制される。このため、画像形成装置10では、転写ベルトの移動方向における最下流のトナー像形成部での感光体から二次転写部までの間に転写ベルトの駆動部が設けられている場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0078】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の画像形成装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0079】
図7(A)に示すように、第2実施形態の画像形成装置では、転写ベルト30における最下流のトナー像形成部80Kには、感光体130が設けられている。感光体130には、慣性モーメントを他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S140が設けられている。
【0080】
感光体130は、円筒部142を備えている。
図7(A)、(B)に示すように、慣性モーメント増加構造S140は、感光体130の円筒部142の厚みを他の感光体82の円筒部134の厚みよりも厚くする構成である。例えば、感光体130の円筒部142の厚みは、感光体82の円筒部134の厚みより100%大きいことが好ましく、300%大きいことがより好ましく、500%大きいことがさらに好ましい。なお、第2実施形態の画像形成装置の他の構成は、第1実施形態の画像形成装置10の構成と同様である。
【0081】
第2実施形態の画像形成装置では、第1実施形態の画像形成装置10と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果が得られる。
【0082】
慣性モーメント増加構造S140は、感光体130の円筒部142の厚みを他の感光体82の円筒部134の厚みよりも厚くしている。このため、第2実施形態の画像形成装置では、感光体の円筒部の内部に錘を設ける場合と比較して、構造が簡単である。
【0083】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の画像形成装置について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0084】
図8に示すように、第3実施形態の画像形成装置では、転写ベルト30における最下流のトナー像形成部80Kには、感光体150が設けられている。感光体150には、慣性モーメントを他のトナー像形成部80(80Y、80M、80C)の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S160が設けられている。
【0085】
慣性モーメント増加構造S160は、感光体150の円筒部152と同軸上で円筒部152の軸方向外側に円筒部152と共に回転する錘164を設ける構成である。一例として、感光体150の円筒部152の軸方向一方側の端部から軸方向に延びる軸部162を備えており、軸部162の先端に錘164が設けられている。錘164は、例えば円柱状の部材であり、錘164の中心部に軸部162が接合されている。なお、第3実施形態の画像形成装置の他の構成は、第1実施形態の画像形成装置10の構成と同様である。
【0086】
第3実施形態の画像形成装置では、第1実施形態の画像形成装置10と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果が得られる。
【0087】
慣性モーメント増加構造S160は、感光体150の円筒部152と同軸上で円筒部152の軸方向外側に円筒部152と共に回転する錘164を設ける構成である。このため、第3実施形態の画像形成装置では、感光体の円筒部の内部に錘を設ける場合と比較して、他の感光体82との円筒部152の共通化が可能となる。
【0088】
<第4実施形態〕
次に、第4実施形態の画像形成装置について説明する。なお、前述した第1~第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0089】
図9に示すように、画像形成装置200は、画像形成部202を備えている。画像形成部202は、カラー画像を形成するためのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kと、特色(V)のトナー像を形成するための特色トナー像形成部204Vと、を備えている。特色トナー像形成部204Vは、特色像形成部の一例である。特色トナー像形成部204Vは、転写ベルト30の移動方向における複数のトナー像形成部80(80Y、80M、80C、80K)よりも下流側であって、二次転写部31よりも上流側に配置されている。
【0090】
特色トナー像形成部204Vは、一方向(矢印に示す方向)に回転する感光体82を備えており、感光体82の周囲には、感光体82の回転方向上流側から順に、帯電器84と、露光装置86と、現像装置88と、が配置されている。特色トナー像形成部204Vにおける感光体82は、トナー像形成部80Y、80M、80Cにおける感光体82と同様の構成である。すなわち、特色トナー像形成部204Vにおける感光体82には、慣性モーメント増加構造は設けられていない。
【0091】
また、カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kのうち、転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92には、前述のように、慣性モーメント増加構造S120が設けられている(
図6参照)。言い換えると、転写ベルト30の移動方向における特色トナー像形成部204Vを除いた4色のトナー像形成部80のうち最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92に、慣性モーメントを他の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S120が設けられている。すなわち、本開示の「最下流のトナー像形成部での感光体」は、特色トナー像形成部204Vを除いた4色のトナー像形成部80のうちの最下流の感光体92である。なお、画像形成装置200の他の構成は、第1実施形態の画像形成装置10の構成と同様である。
【0092】
第4実施形態の画像形成装置200では、第1実施形態の画像形成装置10と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果が得られる。
【0093】
画像形成装置200では、転写ベルト30の移動方向における特色トナー像形成部204Vを除いた4色のトナー像形成部80のうち最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92に、慣性モーメントを他の感光体82比で大きくする慣性モーメント増加構造S120が設けられている。例えば、特色トナー像形成部204Vにより特色のトナー像を形成する場合、トナー濃度が100%のベタ画像で形成される場合が多い。画像濃度ムラは、ハーフトーン(例えば、トナー濃度が20%など)のトナー像で発生しやすいため、特色のトナー像は、画像濃度ムラとして顕在化しにくい。このため、画像形成装置200では、転写ベルト30の移動方向における特色トナー像形成部204Vを除いた4色のトナー像形成部80のうち最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92に、慣性モーメント増加構造S120を設けている。
【0094】
このため、画像形成装置200では、4色のトナー像形成部及び特色トナー像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0095】
また、画像形成装置200では、最下流のトナー像形成部での感光体は、特色トナー像形成部204Vを除いた4色のトナー像形成部80のうちの最下流の感光体92である。このため、画像形成装置200では、特色トナー像形成部の感光体の慣性モーメントが4色のトナー像形成部の感光体の慣性モーメントよりも大きい場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0096】
<その他>
尚、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。
【0097】
上記第1~第4実施形態では、二次転写部31に転写胴50が設けられているが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、転写胴50、チェーン34及びグリッパ36等に代えて、転写ベルトを対向ロールに押し付ける二次転写ロールを設ける構成でもよい。この構成では、転写ベルトと二次転写ロールとの間に記録媒体を搬送し、対向ロールと二次転写ロールとの間に印加される転写電圧により転写ベルトのトナー像を記録媒体に転写する。
【0098】
第4実施形態では、4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kのうち、転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部80Kでの感光体92に慣性モーメント増加構造S120が設けられているが、本開示はこの構成に限定されるものではない。4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kのうち、転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部での感光体の慣性モーメント増加構造は、変更可能である。例えば、4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kのうち、最下流のトナー像形成部での感光体に第2実施形態の慣性モーメント増加構造S140又は第3実施形態の慣性モーメント増加構造S160を設けてもよい。
【0099】
第4実施形態では、特色トナー像形成部204Vを転写ベルト30の移動方向における4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kよりも下流側(すなわち、最下流側)に配置しているが、本開示はこの構成に限定されるものではない。特色トナー像形成部の位置を変更してもよい。例えば、特色トナー像形成部は、転写ベルト30の移動方向における複数のトナー像形成部80よりも上流側(最上流側)に配置してもよいし、転写ベルト30の移動方向における複数のトナー像形成部80の間に配置してもよい。また、特色トナー像形成部は、転写ベルト30の移動方向における複数のトナー像形成部80よりも上流側(最上流側)と下流側(最下流側)に配置してもよい。この場合、特色トナー像形成部204Vを除いた4色のトナー像形成部80Y、80M、80C、80Kのうち、転写ベルト30の移動方向における最下流のトナー像形成部での感光体に、慣性モーメント増加構造S120を設けることが好ましい。
【0100】
また、本実施形態では、画像の一例としてトナー像を挙げ、乾式の電子写真方式によって形成されたトナー像としているが、これに限定されるものではない。例えば、湿式の電子写真方式によって形成されたトナー像でもよい。
【0101】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0102】
〔付記〕
(((1)))
異なる色のトナー像を形成する複数の像形成部と、
無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられ、複数の前記像形成部から前記トナー像が順次転写される中間転写体と、
複数の前記像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、前記中間転写体と接触すると共に前記トナー像が保持される像保持体であって、前記中間転写体の移動方向における最下流の前記像形成部での前記像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、
複数の前記像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、前記像保持体の前記トナー像を前記中間転写体に転写する複数の一次転写部と、
前記中間転写体の移動方向における複数の前記一次転写部の下流側に設けられ、前記中間転写体の表面の複数の前記トナー像を媒体に転写する二次転写部と、
を有する画像形成装置。
【0103】
(((2)))
カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4色の像形成部と、
特色のトナー像を形成するための特色像形成部と、
無端状とされると共に周方向に移動可能に設けられ、4色の前記像形成部及び前記特色像形成部から前記トナー像が順次転写される中間転写体と、
4色の前記像形成部及び前記特色像形成部にそれぞれ設けられ、回転可能とされ、前記中間転写体と接触すると共に前記トナー像が保持される像保持体であって、前記中間転写体の移動方向における前記特色像形成部を除いた4色の前記像形成部のうち最下流の前記像形成部での前記像保持体に設けられ、慣性モーメントを他の像保持体比で大きくする慣性モーメント増加構造と、
複数の前記像保持体と対向する位置にそれぞれ設けられ、前記像保持体の前記トナー像を前記中間転写体に転写する複数の一次転写部と、
前記中間転写体の移動方向における複数の前記一次転写部の下流側に設けられ、前記中間転写体の表面の複数の前記トナー像を媒体に転写する二次転写部と、
を有する画像形成装置。
【0104】
(((3)))
複数の前記像形成部は、カラー画像を形成するためのイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4色の像形成部であり、
前記中間転写体の移動方向における複数の前記像形成部よりも下流側であって、前記二次転写部よりも上流側に、特色のトナー像を形成するための特色像形成部を備え、
前記最下流の前記像形成部での前記像保持体は、前記特色像形成部を除いた4色の前記像形成部のうちの最下流の前記像保持体である(((1)))に記載の画像形成装置。
【0105】
(((4)))
複数の前記像保持体は、円筒状で外径が同等である(((1)))から(((3)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0106】
(((5)))
前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部の内部に前記円筒部と共に回転する錘を設ける(((1)))から(((4)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0107】
(((6)))
前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部の厚みを他の前記像保持体の円筒部の厚みよりも厚くする(((1)))から(((4)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0108】
(((7)))
前記慣性モーメント増加構造は、前記最下流の前記像形成部での前記像保持体の円筒部と同軸上で前記円筒部の軸方向外側に前記円筒部と共に回転する錘を設ける(((1)))から(((4)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0109】
(((8)))
前記一次転写部は、前記中間転写体の内周面に接触する転写回転体を備え、
前記最下流の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との挟持部の荷重は、他の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との挟持部の荷重よりも大きい(((1)))から(((7)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0110】
(((9)))
前記一次転写部は、前記中間転写体の内周面に接触する転写回転体を備え、
前記最下流の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との間に印加する転写バイアスは、他の前記像形成部での前記像保持体と前記転写回転体との間に印加する転写バイアスより大きい(((1)))から(((8)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0111】
(((10)))
前記中間転写体の移動方向における前記二次転写部から最上流の前記像保持体までの間に、前記中間転写体を駆動する駆動部が配置されている(((1)))から(((9)))までのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0112】
(((1)))に記載の画像形成装置によれば、複数の像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0113】
(((2)))に記載の画像形成装置によれば、4色の像形成部及び特色像形成部において像保持体の慣性モーメントが同等である場合と比較して、画像濃度ムラを抑制することができる。
【0114】
(((3)))に記載の画像形成装置によれば、特色像形成部の像保持体の慣性モーメントが4色の像形成部の像保持体の慣性モーメントよりも大きい場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0115】
(((4)))に記載の画像形成装置によれば、複数の像保持体のうちのいくつかの外径が異なる場合と比較して、レイアウトの制約が少ない。
【0116】
(((5)))に記載の画像形成装置によれば、像保持体の円筒部の軸方向外側に錘を設ける場合と比較して、像保持体の配置スペースが大きくなることが抑制される。
【0117】
(((6)))に記載の画像形成装置によれば、像保持体の円筒部の内部に錘を設ける場合と比較して、構造が簡単である。
【0118】
(((7)))に記載の画像形成装置によれば、像保持体の円筒部の内部に錘を設ける場合と比較して、円筒部の共通化が可能となる。
【0119】
(((8)))に記載の画像形成装置によれば、最下流の像形成部での像保持体と転写回転体との挟持部の荷重が他の像形成部での像保持体と転写回転体との挟持部の荷重と同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0120】
(((9)))に記載の画像形成装置によれば、最下流の像形成部での像保持体と転写回転体との間に印加する転写バイアスと他の像形成部での像保持体と転写回転体との間に印加する転写バイアスとが同等である場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【0121】
(((10)))に記載の画像形成装置によれば、中間転写体の移動方向における最下流の像形成部での像保持体から二次転写部までの間に中間転写体の駆動部が設けられている場合と比較して、画像濃度ムラの発生が抑制される。
【符号の説明】
【0122】
10 画像形成装置
22 駆動ロール(駆動部の一例)
30 転写ベルト(中間転写体の一例)
31 二次転写部
77 一次転写部
78 一次転写ロール(転写回転体の一例)
80 トナー像形成部(像形成部の一例)
82 感光体(像保持体の一例)
92 感光体(像保持体の一例)
110 円筒部
114 錘
S120 慣性モーメント増加構造
130 感光体(像保持体の一例)
134 円筒部
S140 慣性モーメント増加構造
140 慣性モーメント増加構造
142 円筒部
150 感光体(像保持体の一例)
152 円筒部
S160 慣性モーメント増加構造
164 錘
200 画像形成装置
204V 特色トナー像形成部(特色像形成部の一例)
P 記録媒体(媒体の一例)
T1 一次転写位置
T2 二次転写位置