(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074001
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】業務改善支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0633 20230101AFI20240523BHJP
【FI】
G06Q10/0633
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185033
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 喜紀
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、業務フローに基づいた業務改善支援を行うことが可能な業務改善支援装置及びプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の業務改善支援装置は、業務の実行に係る複数のノードを業務の遂行順に定義した業務フローの前記ノードの各々に関連付けて、当該ノードに対応する前記業務で使用する資源を含む属性情報を記憶した記憶部と、前記属性情報に基づいて、各ノードで実行する業務の業務名を当該業務の遂行順に一方列に配置し、各ノードの前記属性情報に含まれたすべての前記資源の資源名を他方列に配置するとともに、前記業務毎に当該業務で使用する前記資源を特定可能な特定情報を付した二元表を作成する作成手段と、作成した前記二元表の情報を表示可能に出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務の実行に係る複数のノードを業務の遂行順に定義した業務フローの前記ノードの各々に関連付けて、当該ノードに対応する前記業務で使用する資源を含む属性情報を記憶した記憶部と、
前記属性情報に基づいて、各ノードで実行する業務の業務名を当該業務の遂行順に一方列に配置し、各ノードの前記属性情報に含まれたすべての前記資源の資源名を他方列に配置するとともに、前記業務毎に当該業務で使用する前記資源を特定可能な特定情報を付した二元表を作成する作成手段と、
作成した前記二元表の情報を表示可能に出力する出力手段と、
を備える業務改善支援装置。
【請求項2】
前記特定情報は、配置した各業務名と当該業務名の業務で使用する前記資源の資源名との交点に付された印情報である、
請求項1に記載の業務改善支援装置。
【請求項3】
前記資源は、業務を実行するための設備の種類を示す物的資源と業務を行う作業者の種類を示す人的資源とを有し、さらに前記作業者が当該業務に携わった前記業務毎の割合を示す業務比率の情報と前記作業者が当該業務に携わった時間を前記業務毎に示す工数の情報の少なくとも一方を含む、
請求項1または2に記載の業務改善支援装置。
【請求項4】
前記業務比率および前記工数は作成した前記二元表において前記業務毎に入力可能であり、
入力された前記業務比率の情報は前記記憶部に記憶された前記属性情報に反映される、
請求項3に記載の業務改善支援装置。
【請求項5】
前記プロセス番号は、前記業務の遂行順に前記ノードに対して自動採番される、
請求項1に記載の業務改善支援装置。
【請求項6】
業務の実行に係る複数のノードを業務の遂行順に定義した業務フローを実行するために、前記ノード毎に、当該ノードの前記業務の遂行順を示すプロセス番号と前記業務の実行に使用する資源を含む属性情報をそれぞれ記憶した記憶部を備えた業務改善支援装置としてのコンピュータを、
前記属性情報に基づいて、各ノードで実行する業務の業務名を当該業務の遂行順に一方列に配置し、各ノードの前記属性情報に含まれたすべての前記資源の資源名を他方列に配置するとともに、前記業務毎に当該業務で使用する前記資源を特定可能な特定情報を付した二元表を作成する作成手段と、
作成した前記二元表の情報を表示可能に出力する出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、業務改善支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の生産・製造等の現場や製品の受け入れ・検品等の現場では、例えばその過程において様々な業務が行われている。このような現場では、種々の業務を効率よく順次するために、BPMN(Business Process Model and Notation)等のIPO記法(Input・Process・Outputの連鎖)を基本として表記された業務フローを作成することがある。例えば、従来、隣接する業務の間の入出力関係が連続するように自動的に業務フローを作成することが可能な技術が提案されている。
【0003】
ところで、上述した業務フローを用いることで、各業務の遂行手順や業務間の関係を確認することが可能である。また、各業務と当該業務で使用する資源との関係を分析することは、改善ポイントを特定し、業務改善策の策定に繋げることができるため、業務改善を行う上で有用である。しかしながら、従来の技術では、業務フローにおける業務と当該業務で使用する資源との関係を分析することは容易ではなく、更なる改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、業務フローに基づいた業務改善支援を行うことが可能な業務改善支援装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の業務改善支援装置は、業務の実行に係る複数のノードを業務の遂行順に定義した業務フローの前記ノードの各々に関連付けて、当該ノードに対応する前記業務で使用する資源を含む属性情報を記憶した記憶部と、前記属性情報に基づいて、各ノードで実行する業務の業務名を当該業務の遂行順に一方列に配置し、各ノードの前記属性情報に含まれたすべての前記資源の資源名を他方列に配置するとともに、前記業務毎に当該業務で使用する前記資源を特定可能な特定情報を付した二元表を作成する作成手段と、作成した前記二元表の情報を表示可能に出力する出力手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる業務改善支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る業務フローを可視化した状態の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る属性記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る属性記憶部の他のデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る端末装置及びサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る作成された二元表の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る作成された二元表の他の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態のサーバ装置において、業務比率や工数の情報が更新された状態の属性記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態のサーバ装置が実行する属性情報作成に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態のサーバ装置が実行するプロセス番号の自動採番に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態のサーバ装置が実行する二元表の作成および変更に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態の端末装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態に係る業務改善支援システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、業務改善支援システム1は、端末装置10と、サーバ装置20とを有する。端末装置10とサーバ装置20とは、LAN(Local Area network)等のネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0009】
端末装置10は、業務改善支援システム1のユーザが使用する端末装置である。端末装置10は、ユーザ操作に応じて各種の処理を実行する。例えば、端末装置10は、サーバ装置20と協働することで、後述する業務フローの作成を支援したり、業務フローを表示したりする。なお、端末装置10は、例えば、PC(Personal Computer)等の据置型の情報処理装置や、ノートPCやタブレット端末、スマートフォン等の携帯型の情報処理装置によって実現することができる。
【0010】
サーバ装置20は、業務改善支援装置の一例である。サーバ装置20は、業務フローの作成や閲覧を支援する。また、サーバ装置20は、業務フローと関連付けられた当該業務の実行に必要な属性情報をユーザに提供する。また、サーバ装置20は、後述する二元表90(
図8、
図9を参照)の作成を支援する。
【0011】
また、サーバ装置20は、端末装置10のユーザの要求に応じて、業務フロー、後述する属性情報や二元表の情報を端末装置10に提供する。
【0012】
なお、本実施形態では、サーバ装置20が単体の装置によって実現される例を説明するが、これに限らず、サーバ装置20が例えばクラウド・コンピューティング等の技術により、複数台の装置によって実現されてもよい。
【0013】
次に、上述した端末装置10及びサーバ装置20の構成について説明する。
【0014】
図2は、端末装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、及びRAM(Random Access Memory)13等のコンピュータ構成を備える。
【0015】
CPU11は、プロセッサの一例であり、端末装置10の各部を統括的に制御する。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0016】
また、端末装置10は、表示部14と、操作部15と、記憶部16と、通信部17とを備える。
【0017】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスで構成される。表示部14は、CPU11の制御の下、各種の情報を表示する。操作部15は、キーボード、ポインティングデバイス等を有する。操作部15は、ユーザから受け付けた操作内容をCPU11に出力する。なお、操作部15は、表示部14の表示画面に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0018】
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部16は、CPU11が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部16は、サーバ装置20にアクセスし、サーバ装置20から提供される各種操作支援画面を表示し操作することが可能なウェブブラウザ等のアプリケーションプログラムを記憶する。
【0019】
CPU11は、ROM12や記憶部16に記憶されRAM13に展開されたプログラムに従って動作することによって機能部として機能することによって、各種処理を実行する。
【0020】
通信部17は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部17は、ネットワークNを介してサーバ装置20等の外部装置と通信を行う。
【0021】
図3は、サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ装置20は、CPU21、ROM22、及びRAM23等のコンピュータ構成を備える。
【0022】
CPU21は、プロセッサの一例であり、サーバ装置20の各部を統括的に制御する。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0023】
また、サーバ装置20は、表示部24と、操作部25と、記憶部26と、通信部27とを備える。
【0024】
表示部24は、LCD等の表示デバイスで構成される。表示部24は、CPU21の制御の下、各種の情報を表示する。操作部25は、キーボード、ポインティングデバイス等を有する。操作部25は、ユーザから受け付けた操作内容をCPU11に出力する。なお、操作部25は、表示部24の表示画面に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0025】
記憶部26は、記憶装置の一例である。記憶部26は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部26は、CPU21が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部26は、ウェブアプリケーションプログラム等を記憶する。CPU21は、ROM22や記憶部26に記憶されRAM23に展開されたプログラムに従って各種の機能部として機能することによって、各種の処理を実行する。
【0026】
また、記憶部26は、業務フローDB261と、表記憶部262とを記憶する。業務フローDB261は、業務フローを記憶し管理するためのデータベースである。業務フローDB261は、業務フロー記憶部2611と属性記憶部2612とを有する。
【0027】
業務フロー記憶部2611は、業務フローの情報を記憶する。ここで、業務フローは、業務の遂行に係るそれぞれのノードで実行される業務と、当該業務で実行される実行内容とが一連する手順として記述されたデータファイルである。例えば、業務フローには、商品や部品の受け入れ、検品、格納の業務に係る業務について、当該業務が実行する実行内容と手順とが記述される。業務フロー記憶部2611が記憶する情報については
図4で後述する。属性記憶部2612は、業務フローで順次実行される複数の業務に係る属性情報を記憶する。属性記憶部2612が記憶する属性情報については
図5、
図6で後述する。
【0028】
図4は、業務フロー記憶部2611に記憶された業務フローの情報に基づいて当該業務フローを可視化した状態の一例を示す図である。業務フロー記憶部2611には、
図4に示すように、可視化することが可能な業務フローの情報が記憶される。なお、本実施形態では、一例として、商品や製品の受け入れと格納に係る業務フローの情報が業務フロー記憶部2611に記憶されているものとする。
【0029】
図4に示すように、業務フロー記憶部2611には、一連する業務を所定の粒度で区分した業務領域を示すプールのプール名称と、プール別に当該プール内で実行される業務の種類を示すノードが記憶されている。ここで、プール名称は、ノード名称(業務名)の上位概念であり、
図4に示した一例では、商品、物品、部品、製品等の「受入検査」と「格納」がプール名称に対応する。また、
図4の例では、プール名称「受入検査」で行われる業務のノードとして、業務「納品」に係るノードAa、業務「納品書確認」に係るノードAb、業務「ロット・品目・数量チェック」に係るノードAc、業務「仕様書検索」に係るノードAd、業務「抜き取り検品作業」に係るノードAe、業務「検品終了」に係るノードAfが記憶されている。
【0030】
また、プール名称「格納」で行われる業務のノードとして、業務「検品完了品」に係るノードBa、業務「格納指示書を確認してリストを印刷」に係るノードBb、業務「棚番を探して格納する」に係るノードBc、業務「格納数量をリストに記入する」に係るノードBd、業務「リストを完了箱に入れる」に係るノードBe、業務「格納完了」に係るノードBfが記憶されている。なお、「納品」「納品書確認」「ロット・品目・数量チェック」「仕様書検索」「抜き取り検品作業」「検品終了」「検品完了品」「格納指示書を確認してリストを印刷」「棚番を探して格納する」「格納数量をリストに記入する」「格納完了」は、各ノードのノード名称である。
【0031】
また、業務フロー記憶部2611には、各ノードにおける業務を実行する遂行順を示す情報が記憶される。例えば
図4では、ノードAa→ノードAb→ノードAc→ノードAd→ノードAe→ノードAf→ノードBa→ノードBb→ノードBc→ノードBd→ノードBe→ノードBfの順で業務が遂行されることが記憶されている。各ノードにおける業務の遂行順は、例えば業務を行うノードを画面に表示させ、業務を実行する順に例えば矢印でノードを繋ぐことで、矢印の上流側から下流側に向けて順に遂行されることが決定される。なお、このように業務を行う遂行順を決定することは、例えばフローチャートや、BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)等の、業務フローを作成するための公知な手法を用いることで実行可能である。
【0032】
また、各ノードには、当該ノードの業務に関する属性情報がそれぞれ関連付けされている。属性記憶部2612には、業務フロー記憶部2611に記憶されている各ノードに関連づけされて、それぞれのノードの業務に関する属性情報が記憶される。例えば、属性情報は、それぞれのノードの業務を実行するために必要な情報を含む。
【0033】
図4に示したノードAaの「納品」に係る属性情報を
図5に例示する。「納品」に係る属性情報は、ノード名称26121、プロセス番号26122、資源情報26123、Inputノード26124、Outputノード26125、プール名称26126、及び分析26127等を含む。ノード名称26121は、当該属性情報と関連付けられているノードのノード名称を示す情報である。プロセス番号26122は、当該ノードが属するプールにおいて、ノードで実行する業務の遂行順を示す情報である。資源情報26123は、当該ノードの業務を実行する上で使用する資源を示す情報である。なお、資源には物的資源と人的資源が含まれる。Inputノード26124は、当該ノードの直前に実行されるノードの業務の遂行順を示すプロセス番号である。Outputノード26125は、当該ノードの直後に実行されるノードの業務の遂行順を示すプロセス番号である。プール名称26126は、当該ノードの業務が属するプールのプール名称を示す情報である。分析26127は、当該ノードの業務を実行する上で作業を伴うか否かを示す情報である。作業を伴う場合は「対象」と記し、作業を伴わない場合は「対象外」と記す。分析が対象であるか対象外であるかは、プール名称単位またはノード単位で設定可能である。
【0034】
図5に示す「納品」に係る属性情報は、ノード名称26121として「納品」の情報が記憶される。また「納品」のノードを示すプロセス番号26122として「A001」の情報が記憶される。また、「納品」のノードにおいて業務を実行するために使用する資源の資源情報26123(物的資源「設備」)として、「サプライヤ」「EDIシステム」「部品倉庫」の情報が、また資源情報26123(人的資源「実行者」)として「倉庫担当」が記憶される。また、「納品」のノードの直前に業務を実行するノードはないので、当該ノードの直前に業務が実行されるノードの業務の遂行順を示すプロセス番号であるInputノード26124には空欄が記憶される。また、「納品」のノードの直後に業務を実行するノード(すなわち「納品書確認」ノード)の業務の遂行順を示すプロセス番号としてのOutputノード26125として「A002」が記憶される。また、分析26127として、当該ノードでは業務に係る作業が伴わないことを示す「対象外」の情報が記憶される。
【0035】
また、
図6に「納品書確認」に係る属性情報を例示する。「納品書確認」に係る属性情報は、ノード名称26121として「納品書確認」の情報が記憶される。また「納品書確認」のノードを示すプロセス番号26122として「A002」の情報が記憶される。また、「納品書確認」のノードにおいて業務を実行するために使用する資源の資源情報26123(人的資源「実行者」)として「検査部門」「アルバイト」、(物的資源「設備」)として、「EDIシステム」「スキャナ」「複合機」の情報が記憶される。また、Inputノード26124には、「納品書確認」ノードの直前に業務を実行したノードである「納品」ノードのプロセス番号の「A001」が記憶される。また、Outputノード26125には、「納品書確認」ノードの次に業務を実行するノードである「ロット・品目・数量チェック」ノードのプロセス番号の「A003」が記憶される。また、分析26127として、当該ノードでは業務に係る作業が伴うことを示す「対象」の情報が記憶される。
【0036】
なお、業務フロー及び属性情報は、CPU21と記憶部26に記憶されたアプリケーションプログラムとの協働により実現される後述の業務フロー作成支援部211によって作成される。また、ユーザは、例えば、端末装置10を介してサーバ装置20にアクセスすることで、業務フロー作成支援部211の作成支援機能により、業務フロー及び属性情報を作成できる(例えば、ユーザは、可視化された業務フローを操作しながらノードの作成及び遂行順を設定できる)。作成された業務フロー及び属性情報は、関連付けて記憶される。なお、記憶部は、別の端末装置10で作成された業務フロー及び属性情報を記憶してもよい。
【0037】
図3の説明に戻る。表記憶部262は、属性記憶部2612に記憶されている属性情報に基づいてサーバ装置20が自動作成した二元表90(
図8、
図9を参照)の情報を記憶する。二元表90は、例えば横軸(X軸)と縦軸(Y軸)のマトリクス状に形成された表であり、一方列(例えばX軸方向)に業務の内容を示すノード名を業務遂行順に配置し、他方列(例えばY軸方向)に当該業務で使用する資源を配置し、業務と当該業務で使用する資源との関係を示す表である。二元表90については、詳細は
図8と
図9で後述する。
【0038】
次に、
図7を参照して、端末装置10及びサーバ装置20の機能構成について説明する。
図7は、端末装置10及びサーバ装置20の機能構成の一例を示す図(機能ブロック図)である。
【0039】
図7に示すように、端末装置10は、表示制御部111と、操作受付部112とを機能部として備える。
【0040】
端末装置10が備える機能部の一部又は全ては、端末装置10のCPU11とメモリ(例えばROM12、記憶部16)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、端末装置10が備える機能部の一部又は全ては、端末装置10に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0041】
端末装置10の表示制御部111は、表示部14を制御して、当該表示部14に各種の画面を表示させる。例えば、表示制御部111は、サーバ装置20から提供される各種の操作支援画面を表示部14に表示させる。ユーザは、例えば端末装置10を介してサーバ装置20にアクセスし、サーバ装置20から業務フローや属性情報の入力画面の情報を取得して表示部14に表示させて、業務フロー及び属性情報の作成および修正ができる。
【0042】
端末装置10の操作受付部112は、操作部15を介してユーザ操作を受け付ける。例えば、操作受付部112は、表示部14に表示された操作支援画面に対する操作を受け付けると、その操作内容をサーバ装置20に通知する。
【0043】
一方、サーバ装置20は、
図7に示すように、業務フロー作成支援部211、二元表作成部212、送信部213を機能部として備える。
【0044】
サーバ装置20が備える機能部の一部又は全ては、サーバ装置20のCPU21とメモリ(例えばROM22、記憶部26)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、サーバ装置20が備える機能部の一部又は全ては、サーバ装置20に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0045】
サーバ装置20の業務フロー作成支援部211は、業務フローの作成(または編集)や閲覧を支援するための操作支援画面を提供する。
【0046】
例えば、業務フロー作成支援部211は、BPMNの表記規則に対応する作図パーツ等を配置した操作支援画面を提供する。また、業務フロー作成支援部211は、操作支援画面を介して業務フローを作成する操作を受け付けると、その操作内容に応じて、業務フローを表すデータファイルを作成し、業務フロー記憶部2611に記憶する。
【0047】
また、業務フロー作成支援部211は、業務フローDB261に記憶された業務フローの中から、表示又は編集の対象となる業務フローが指示されると、指示された業務フローを読み出し、当該業務フローのフロー図を可視化した状態で端末装置10が表示可能な情報を作成する。
【0048】
なお、業務フローの選択方法は特に問わないものとする。例えば、業務フローDB261に記憶された業務フローのフロー名称をリスト表示し、表示されたリストの中から業務フローの選択を受け付ける構成としてもよい。また、例えば、業務フローDB261に記憶された業務フローの各々が表すフロー図をサムネイル等でリスト表示し、表示されたリストの中から業務フローの選択を受け付ける構成としてもよい。
【0049】
また、業務フロー作成支援部211は、作成された業務フローに係る各ノードについて、業務の遂行順にプロセス番号を自動的に採番する。プロセス番号の採番方法は公知な方法で付すことができ、特に問わないものとする。
【0050】
また、業務フロー作成支援部211は、属性情報の作成を支援する。例えば、業務フロー作成支援部211は、ノードが選択されると、そのノードの業務に関する属性情報を入力するための作成支援画面を表示させる。
【0051】
なお、端末装置10の表示部14には、選択されたノードのノード名称、プロセス番号、Inputノード、Outputノード、プール名称等が、作成支援画面として表示される、資源情報、分析等が入力可能である。
【0052】
また、業務フロー作成支援部211は、採番されたプロセス番号を当該ノードの属性情報として属性記憶部2612に記憶(プロセス番号26122として記憶)することで、プロセス番号が採番されたノードと記憶された属性情報を関連付ける。
【0053】
また、業務フロー作成支援部211は、関連付けられた属性情報の一部の情報を、可視化した業務フローに係る当該ノードに表示させる。一部の情報は、属性情報の中から選択的に設定可能であり、例えば「ノード名称」が選択される。「ノード名称」が選択された場合、当該ノードを表すノード名称がノードとともに業務フローとして表示される(
図4を参照)。
【0054】
二元表作成部212は、作成手段の一例である。二元表作成部212は、業務フローに設定されたノード及び当該ノードに関する属性情報に基づいて、各ノードのノード名称(業務名)92をプロセス番号順に一方列(例えばX軸方向)に配置し、他方列(例えばY軸方向)に各ノードで実行する業務に係るすべての資源の資源名95を配置した二元表90を作成する。また、二元表作成部212は、作成した二元表90において、配置したノード名称と当該ノード名称の業務で使用する資源の資源名95との交点に印(特定情報)を付すことで、業務と資源との関係を明示する。
【0055】
具体的には、二元表作成部212は、一方列(例えば横列)にプール名称、プロセス番号、各ノードに係るノード名称を、業務フローにおいて業務を遂行する遂行順(すなわち各ノードに採番されたプロセス番号順)に配列し、他方列(例えば縦列)に各ノードが業務を実行する上で使用する資源の資源名を物的資源と人的資源との組に分けて配置する。すなわち、ノード名称と資源名とをマトリクス状に配置した二元表90を作成する。そして二元表作成部212は、作成された二元表90において、上記属性情報に基づいて、配置された各ノード名称のノード別に、当該ノードで業務を実行する上で使用する資源名(物的資源と人的資源)との交点に印を付す。作成された二元表90は、表記憶部262に記憶される。
【0056】
図8は、二元表作成部212が作成した二元表90の一例である。二元表90は、横列方向(X軸方向)に、業務領域名であるプール名称91(
図8では「受入検査」「格納」(これらのプール名称は一例))が配置されている。また、各プール名称91に対応付けて、当該各プール名称91に含まれる、業務名であるノード名称92(
図8では一例として「納品」「納品書確認」「ロット・品目・数量チェック」「仕様書検索」「抜き取り検品作業」「検品終了」「検品完了品」「格納指示書を確認してリストを印刷」「棚番を探して格納する」「格納数量をリストに記入する」「格納完了」)と、各ノードに対して採番されたプロセス番号93(
図8では「A001」~「A006」「B001」~「B006」)が、業務の遂行順に配置されている。なお、プロセス番号は、業務の遂行順に「A001」~「B006」が自動採番される。
【0057】
また、二元表90には、縦列方向(Y軸方向)に、業務領域名94(
図8では「資源1」(物的資源)「資源2」(人的資源)「作業者」)が配置されている。また、二元表90には、各業務領域名94に対応付けて、当該各業務領域名94に含まれる資源名95(
図8では「サプライヤ」「EDIシステム」「生産システム」「スキャナ」「複合機」「ハンディターミナル」「部品倉庫」「完了箱」(以上が物的資源)、「検査部門担当」「倉庫担当」「アルバイト」(以上が人的資源)(これらの資源名は一例)が配置されている。
【0058】
すなわち、二元表作成部212は、X軸方向にプール名称91、ノード名称92、プロセス番号93を配置し、Y軸方向に業務領域名94、資源名95を配置した二元表90を作成する。
【0059】
また
図8において、作成された二元表90は、ノード名称92と、作成された属性情報に基づいて各ノードにおいて業務を実行する上で使用する資源の資源名95と、の交点の欄に「*」印(特定情報の一例であって印情報の一例)が付される。すなわち、各ノード名称92において、当該ノード名称92で示される業務で使用される資源を特定可能な特定情報が付される。例えば業務名「納品」のノードにおいて、
図5で示す属性情報に含まれている「資源情報」に基づいて、使用する資源である「サプライヤ」「EDIシステム」「部品倉庫」「倉庫担当」との交点に「*」印が付される。
【0060】
また二元表90は、「作業者」の各業務領域名94を列方向(Y軸方向)に有する。また二元表90は、「作業者」の各業務領域名94に対応付けて、各業務領域名94に含まれる資源名95として「検査部門担当」「倉庫担当」「アルバイト」「工数」「プール別業務小計」(これらの資源名は一例)が配置される。「作業者」に係る資源名95「検査部門担当」「倉庫担当」「アルバイト」の欄には、当該作業者が横軸に記載されたノード名称92に係る業務に従事する時間の比率を示す業務比率(%)が入力される。「検査部門担当」「倉庫担当」「アルバイト」は、それぞれの持ち場があるので、それぞれ業務従事する業務比率が異なる可能性がある。また、資源名95「工数」の欄には、作業者が業務に従事する平均時間を記入する。また、「プール別業務小計」には、工程の欄に記入された時間の合計時間を記入する。
【0061】
このように作成された二元表90は、端末装置10からの要請に応じて表示部14に表示可能である。例えば、端末装置10のユーザは、
図8に示す二元表90を見て、ノード名称別に「*」印が付されている資源を確認する。そのため、例えば当該業務において使用している資源の見直しを行う等の業務改善を検討することができる。二元表90は、このような業務改善の支援を行う。
【0062】
図7の説明に戻る。送信部213は、出力手段の一例である。送信部213は、作成した二元表90の情報を表示可能に出力する。実施形態では、送信部213は、二元表作成部212が作成した二元表90に係る情報を、表示要求があった端末装置10に、当該端末装置10が表示可能に送信(出力)する。
【0063】
二元表90に係る情報を受信した端末装置10の表示制御部111は、受信した情報に基づいて、例えば
図8に示す二元表90を表示部14に表示する。この状態において、端末装置10は、操作部15から情報の入力が可能となる。例えば端末装置10のユーザは、表示された二元表90の作業者の欄97に業務比率に係る情報や工数に係る情報を入力可能である。業務比率に係る情報や工数に係る情報は、人が操作部15を操作して入力する。端末装置10の操作受付部112は、入力された業務比率に係る情報や工数に係る情報を受け付ける。操作受付部112が受け付けた情報に基づいて変更された二元表90の情報は端末装置10からサーバ装置20に送信される。
【0064】
サーバ装置20は、端末装置10から受信した変更情報に基づいて、表記憶部262に記憶されている当該二元表90の情報を更新する。また、属性記憶部2612に記憶されている、関連付けられている属性情報の該当箇所の情報も更新される。なお、
図8の例において、黒塗りで示した領域96は、分析26127で「対象外」が設定されており、作業者の作業が発生しないため入力不可である。
【0065】
図9は、操作受付部112が業務比率に係る情報や工数に係る情報の入力を受け付けて二元表90が修正されたた二元表変更情報を端末装置10が送信し、サーバ装置20が二元表変更情報を受信して、二元表作成部212が表記憶部262に記憶して更新した状態の二元表90の一例である。
【0066】
図9に示すように、各ノードに対応する作業者の欄97には、それぞれのノードにおける作業者の種類別の業務比率(例えば当該ノードの業務に携わった時間的割合)が入力されている。
図9において、検査部門担当の作業者が携わった業務比率は、「納品書確認」のノードA001の業務比率が5%、「ロット・品目・数量チェック」のノードA003の業務比率が10%、「仕様書検索」のノードの業務比率が25%、抜き取り検品作業の業務比率が60%である。
【0067】
また、
図9に示すように、更新された二元表90において、各ノードにおいて業務の実行に要する時間を示す工数が記憶される。
【0068】
二元表作成部212は、更新した二元表90における業務比率や工数の情報において、例えば業務比率が最も大きい箇所(交点)をハイライトする。ハイライトは、例えば当該交点の領域をハッチングしたり、背景色を他の交点とは異ならせる(目立たせる)ことで、当該交点を他の交点と区別して認識可能に表示できる情報とする。
図9において、「抜き取り検品作業」のノードA005と作業者である検査部門担当との交点98、「棚番を探して格納する」のノードB003と作業者である倉庫担当との交点99、「棚番を探して格納する」のノードB003と作業者であるアルバイトとの交点100は、他の交点の業務比率と比べて割合が大きいため、ハイライト表示可能に記憶される。
【0069】
また、端末装置10で入力された業務比率や工数の情報は、二元表90の更新に伴い、当該二元表90と関連付けられて属性記憶部2612に記憶されている属性情報へも反映される。
【0070】
図10は、入力された業務比率が反映された「納品書確認」のノードA002に係る属性記憶部2612に記憶された属性情報の一例である。
図10に示すように、資源情報「検査部門」の後に、当該業務における検査部門の業務比率として「5%」の情報が更新(記憶)され、「アルバイト」の後に、当該業務におけるアルバイトの業務比率として「10%」の情報が更新(記憶)されている。
【0071】
このように更新記憶された二元表90の情報は、端末装置10において表示可能である。例えば
図9に示す二元表90を見て、ハイライトされている交点(交点98、交点99、交点100)は、当該ノードにおいて実行される業務の業務比率が高く、作業者の負担が大きい業務であると判断できる。そのため、例えば当該業務において使用している資源の見直しを行う等の業務改善を検討することができる。二元表90は、このような業務改善の支援を行う。
【0072】
例えば、検査部門担当は「抜き取り検品検索」に係る業務における業務比率が60%と高い。現在、業務「抜き取り検品検索」で使用している物的資源はスキャナであるが、このスキャナを他の(または新しい)資源に変更することで業務比率を低減することが可能かを検討することができる。また、現在、業務「抜き取り検品検索」で使用している人的資源は検査部門担当であるが、検査部門担当を他の担当に変更したり、検査部門担当の人数を増加したりすることで、業務比率を低減することが可能かを検討することができる。
【0073】
ここからは、サーバ装置20の制御処理について説明する。
図11は、実施形態のサーバ装置20が実行する属性情報の作成に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、サーバ装置20のCPU21は、属性記憶部2612から指定されたノードに係る属性情報を呼び出す。そしてCPU21は、呼び出した属性情報を表示部24に表示する(S11)。表示された属性情報に対し、担当者は、ノード名称26121、資源情報26123、プール名称26126、分析26127に係る情報を、操作部25を操作して入力する。プロセス番号26122、Inputノード26124、Outputノード26125は、
図12で後述する自動採番されたプロセス番号が自動的に入力される。
【0074】
次にCPU21は、表示された属性情報に対して情報が入力されたかを判断する(S12)。この判断は、例えば担当者が入力終了のボタン(図示せず)を操作されたかで判断する。情報が入力されるまで待機し(S12のNo)、表示された属性情報に対して情報が入力されたと判断した場合には(S12のYes)、CPU21は入力された情報を含む属性情報を属性記憶部2612に記憶し、属性情報の記憶を更新する(S13)。そしてCPU21は処理を終了する。この状態で、属性情報がプロセス番号を記憶することにより、各ノードと当該ノードの情報である属性情報とが関連付けられる。
【0075】
なお、端末装置10から属性情報の表示要求があり、端末装置10において属性情報を入力する場合には、
図11を次のように読み替える。すなわちCPU21は、S11において、属性記憶部2612から呼び出した属性情報を端末装置10に送信する。端末装置10のCPU11は、受信した属性情報を表示部14に表示する。そして端末装置10において、ユーザは、ノード名称26121、資源情報26123、プール名称26126、分析26127に係る情報を、操作部15を操作して入力する。CPU11は、入力された情報を含む属性情報をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、端末装置10から属性情報を受信したかを判断し(S12)、受信したと判断した場合には(S12のYes)、当該属性情報を属性記憶部2612に記憶し、属性情報の記憶を更新する(S13)。なお、この場合においても、プロセス番号26122、Inputノード26124、Outputノード26125は、
図12で後述する自動採番されたプロセス番号が自動的に属性記憶部2612に記憶される。
【0076】
次にプロセス番号の自動採番について説明する。
図12は、実施形態のサーバ装置20が実行するプロセス番号の自動採番に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、CPU21は、作成された業務フローに対してプロセス番号を付す指示があったかを判断する(S21)。この指示は、例えば作成された業務フローにプロセス番号を付す操作がされた場合、あるいは業務フローが作成されたタイミングで自動的に出される。プロセス番号を付す指示があったと判断した場合には(S21のYes)、CPU21は、作成された業務フローにおいて業務の遂行順にそれぞれのノードに対してプロセス番号を採番する(S22)。そして採番したプロセス番号を、業務フロー記憶部2611に記憶されている業務フローの各ノードと、各ノードに関連づけて属性記憶部2612に記憶されている属性情報のプロセス番号26122に記憶し(S23)、当該プロセス番号の一つ前のプロセス番号をInputノード26124に記憶し(S23)、当該プロセス番号の一つ後のプロセス番号をOutputノード26125に記憶する(S23)。そしてCPU21は処理を終了する。
【0077】
また、S21においてプロセス番号を付す指示ではないと判断した場合には(S21のNo)、業務フロー記憶部2611に記憶されている業務フローの一部ノードが削除されたか、または新たなノードが追加されたか、または一部ノードが削除されかつ新たなノードが追加されたか、等の業務フローに変更があったかを判断する(S24)。業務フローの変更は、例えば端末装置10で行われる。CPU21は、端末装置10からの変更指示があったかで業務フローの変更があったかを判断する。業務フローに変更があったと判断した場合には(S24のYes)、CPU21は、変更後の業務フロー全体に対して新たなプロセス番号の採番をし直す(S25)。S25の処理において、新たなプロセス番号を属性情報に記憶する処理を行う。そしてCPU21は処理を終了する。
【0078】
なお、業務フローに変更がないと判断した場合には(S24のNo)、CPU21は処理を終了する。
【0079】
このように、制御フローが作成された場合、CPU21は、作成された業務フローにおいて業務の遂行順にそれぞれのノードに対してプロセス番号を採番する。採番されたプロセス番号は属性情報として記憶する。そして、業務フローが変更された場合には、CPU21は、変更された業務フローに対してプロセス番号を新たに採番する。採番されたプロセス番号は、各ノードの属性情報として記憶される。
【0080】
次に、サーバ装置20において属性記憶部2612に記憶された属性情報に基づいて二元表90を作成する制御について説明する。
図13は、実施形態のサーバ装置20が実行する二元表90の作成および変更に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、CPU21は、二元表90の作成指示を受けたかを判断する(S31)。二元表90の作成指示は、サーバ装置20の操作部25から業務フローを指定する操作を行う。あるいは二元表90の作成指示は、端末装置10の操作部15から指定された業務フローの指定に伴って当該業務フローに係る二元表作成の指示信号を端末装置10から受信する。
【0081】
二元表90の作成指示があったと判断した場合には(S31のYes)、指定された業務フローについての全属性情報を、属性記憶部2612から読み出す(S32)。そして二元表作成部212(作成手段)は、読み出した属性情報に基づいて二元表90を作成する(S33)。そして二元表作成部212は、読み出した属性情報に基づいて作成した二元表90における各ノード名称92の業務に対応して使用する資源名95に特定情報を付す。すなわち、二元表作成部212は、読み出した属性情報に基づいて作成した二元表90における各ノード名称92の業務に対応して使用する資源名95との交点に*印を付した二元表90を作成する。そしてCPU21は、作成した二元表90の情報を表記憶部262に記憶する(S34)。そしてCPU21は処理を終了する。そしてCPU21は処理を終了する。
【0082】
また、二元表90の作成指示ではないと判断した場合には(S31のNo)、CPU21は、端末装置10から作成した二元表90の表示要求の情報を受信したかを判断する(S41)。端末装置10から二元表90の表示要求の情報を受信したと判断した場合には(S41のYes)、送信部213は、表記憶部262に記憶した二元表90の情報(端末装置10で二元表90を表示可能な情報)を端末装置10に送信する(S42)。そしてCPU21は処理を終了する。
【0083】
また、端末装置10からの二元表90の表示要求ではないと判断した場合には(S41のNo)、CPU21は、端末装置10から二元表変更情報を受信したかを判断する(S51)。端末装置10において、端末装置10において表示された二元表90に業務比率の情報や工程の情報が入力された場合、当該業務比率の情報や工程の情報が反映された二元表90の情報である二元表変更情報を受信する。端末装置10から二元表変更情報を受信したと判断した場合には(S51のYes)、二元表作成部212は、端末装置10から受信した二元表変更情報を表記憶部262に記憶する(S52)。また二元表作成部212は、受信した二元表変更情報に基づいて属性記憶部2612に記憶されている属性情報を更新する(S52)。すなわち二元表作成部212は、端末装置10で入力された業務比率の情報や工程の情報を反映した新たな属性情報を属性記憶部2612に記憶する(S52)。
【0084】
次に二元表作成部212は、更新した二元表90において、記憶した業務比率のうち、作業者の種類毎に、作業する業務のうち最も業務量が多い業務を抽出して、抽出した最も作業量が多いノードとの交点をハイライトする(S53)。そしてCPU21は処理を終了する。
【0085】
ここからは、端末装置10の制御処理について説明する。
図14は、実施形態の端末装置10の制御処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示すように、端末装置10のCPU11は、二元表90を端末装置1に表示するための表示の要求操作がされたかを判断する(S61)。二元表90の表示の要求操作は、例えば操作部15を操作して行う。二元表90の表示の要求操作がされたと判断した場合には(S61のYes)、CPU11は、サーバ装置20に対し、二元表90の表示要求を示す情報を送信する(S62)。
【0086】
次にCPU11は、サーバ装置20から二元表90の情報を受信したかを判断する(S63)。受信するまで待機し(S63のNo)、サーバ装置20から二元表90の情報を受信したと判断した場合には(S63のYes)、受信した二元表90の情報に基づいて、二元表90を表示部14に表示する(S64)。
【0087】
次にCPU11は、表示された二元表90の内容が変更されたかを判断する(S65)。表示された二元表90に業務比率の情報と工数の情報のいずれか一方または両方が入力された場合、CPU11は、二元表90の内容が変更されたと判断する。
【0088】
二元表90の内容が変更された場合には、CPU11は、変更された情報(入力された業務比率の情報と工数の情報のいずれか一方または両方の情報)を含む二元表90の情報である二元表変更情報をサーバ装置20に送信する(S66)。そしてCPU11は処理を終了する。
【0089】
なお、S61において、二元表90の表示の要求操作ではないと判断した場合には(S61のNo)、CPU11はS65の判断をし、二元表90の内容が変更されていないと判断した場合には(S65のNo)、CPU11は処理を終了する。
【0090】
このような端末装置10は、業務比率の情報と工数の情報のいずれか一方または両方を含む二元表90を再度S61の処理として表示の要求をし、S64の処理として
図9に示す二元表90を表示する。そのため、表示を見たユーザは、各ノードにおいてそれぞれ実行される業務のうち、業務比率が高く、負担が大きい業務を判断することができる。そのため、例えば当該業務において使用している資源の見直しを行う党の業務改善を検討することができる。
【0091】
以上説明したように、実施形態のサーバ装置20は、業務の実行に係る複数のノードを業務の遂行順に定義した業務フローの前記ノードの各々に関連付けて、当該ノードに対応する業務で使用する資源を含む属性情報を記憶した記憶部26と、属性情報に基づいて、各ノードで実行する業務のノード名称92を当該業務の遂行順に一方列に配置し、各ノードの前記属性情報に含まれたすべての前記資源の資源名95を他方列に配置するとともに、前記業務毎に当該業務で使用する前記資源を特定可能な特定情報を付した二元表90を作成する作成手段212と、作成した二元表90の情報を表示可能に出力する出力手段213と、を備える。
【0092】
このような実施形態のサーバ装置20が作成した二元表90は、各業務で使用する資源を配置させるとともに、ノード毎に、当該ノードで実行される業務で使用する資源を特定する特定情報を付しているため、この二元表90を表示可能に出力することにより、出力先では、業務毎に使用する資源を視覚的に把握することができる。そのため、各ノードで実行する業務で使用可能な資源を見直すことができるため、業務の実行に要する時間を低減可能か等の業務改善を検討する等の業務フローに基づいた業務改善支援を行うことが可能となる。
【0093】
また、実施形態のサーバ装置20は、業務比率の情報と工数の情報のいずれか一方または両方を含む二元表90を出力ことにより、出力先では、業務毎に使用する資源を視覚的に把握するとともに各ノードにおいてそれぞれ実行される業務のうち、業務比率が高くまたは/および工数が多く、負担が大きい業務を判断することができる。すなわち、業務に実行に要している時間と使用している資源との関係が分かる。そのため、例えば当該業務において使用している資源の見直しを行うことで、業務の実行に要する時間を低減可能か等の業務改善を検討することができる。そのため、業務フローに基づいた業務改善支援を行うことが可能となる。
【0094】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0095】
例えば、実施形態では、サーバ装置20を業務改善支援装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、例えば端末装置10が業務改善支援装置であってもよい。また、サーバ装置20と端末装置10を含めたシステムが業務改善支援装置であってもよい。
【0096】
また、実施形態では、二元表90に対して業務比率と工数の情報を入力するようにした。しかしながらこれに限らず、業務比率の情報のみ、あるいは工数の情報のみであってもよい。
【0097】
また、実施形態では、サーバ装置20が端末装置10に二元表90の情報を送信し、端末装置10に表示された二元表90に基づいて業務改善の検討を行うようにした。しかしながらこれに限らず、サーバ装置20が自身の表示部24に二元表90の情報を表示して、表示部24に表示された二元表90に基づいて業務改善の検討を行うようにしてもよい。
【0098】
また、実施形態では、「*」印を特定情報の一例として、ノード名称92と当該ノード名称92の業務で使用される資源の資源名95との交点に印すようにした。しかしながらこれに限らず、「*」印以外の特定情報を印すようにしてもよい。また、ノード名称92と資源名95との交点に特定情報を印す以外の方法で、ノード名称92に係る業務で使用する資源の資源名95を特定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 業務改善支援システム
10 端末装置
11 CPU
14 表示部
15 操作部
16 記憶部
20 サーバ装置
21 CPU
24 表示部
25 操作部
26 記憶部
91 プール名称
92 ノード名称
93 プロセス番号
94 業務領域名
95 資源名
97 欄
98 交点
99 交点
100 交点
111 表示制御部
112 操作受付部
211 業務フロー作成支援部
212 二元表作成部
213 送信部
261 業務フローDB
262 表記憶部
2611 業務フロー記憶部
2612 属性記憶部
26121 ノード名称
26122 プロセス番号
26123 資源情報
26126 プール名称
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】