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特開2024-74023食品情報表示システム及び食品情報表示方法
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  • 特開-食品情報表示システム及び食品情報表示方法 図1
  • 特開-食品情報表示システム及び食品情報表示方法 図2
  • 特開-食品情報表示システム及び食品情報表示方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074023
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】食品情報表示システム及び食品情報表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240523BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185066
(22)【出願日】2022-11-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 開催日 令和3年11月24日 集会名、開催場所 とちぎテックプランターキックオフ オンライン開催(URL:https://ld.lne.st/2021/10/22/21_1124_ko/) 開催日 令和4年3月4日~5日 集会名、開催場所 超異分野学会東京大会2022 TOC五反田メッセ(東京都品川区西五反田6-6-19)
(71)【出願人】
【識別番号】304036743
【氏名又は名称】国立大学法人宇都宮大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124800
【弁理士】
【氏名又は名称】諏澤 勇司
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】カバリェロ 優子
(72)【発明者】
【氏名】森 清悟
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅大
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 朋子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 食品の栄養素等の複数の要素の含有量を容易に把握する。
【解決手段】 食品情報表示システム10は、食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得部11と、取得部11によって取得された含有量情報によって示される種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成部12と、種類毎の座標軸を有する空間上の種類毎の含有量に応じた位置に、混合色生成部12によって生成された混合色での食品に係る表示を行わせる表示部13とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された含有量情報によって示される前記種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成手段と、
前記種類毎の座標軸を有する空間上の前記種類毎の含有量に応じた位置に、前記混合色生成手段によって生成された混合色での前記食品に係る表示を行わせる表示手段と、
を備える食品情報表示システム。
【請求項2】
前記混合色生成手段は、前記種類毎の含有量の対数を算出して、算出した対数に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定する請求項1に記載の食品情報表示システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記食品の前記座標軸に対応しない要素の含有量を示す情報を取得し、
前記表示手段は、前記取得手段によって取得された情報によって示される前記座標軸に対応しない要素の含有量に応じて、前記混合色での前記食品に係る表示に付随する表示を行わせる請求項1又は2に記載の食品情報表示システム。
【請求項4】
前記食品の複数の要素は、炭水化物、たんぱく質及び脂質の3つの要素であり、
前記種類毎に予め設定された色は、三原色である請求項1又は2に記載の食品情報表示システム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記食品のエネルギー量を示す情報を取得し、
前記表示手段は、前記取得手段によって取得された情報によって示される前記食品のエネルギー量に応じた大きさで前記食品に係る表示を行わせる請求項1又は2に記載の食品情報表示システム。
【請求項6】
食品情報表示システムの動作方法である食品情報表示方法であって、
食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された情報によって示される前記種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成ステップと、
前記種類毎の座標軸を有する空間上の前記種類毎の含有量に応じた位置に、前記混合色生成ステップにおいて生成された混合色での前記食品に係る表示を行わせる表示ステップと、
を含む食品情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に係る表示を行わせる食品情報表示システム及び食品情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食生活に関する教育等のために、食品の栄養素に係る表示が行われている。例えば、食品に主に含まれる栄養素によって食品を分類して、その分類に基づく表示が行われている。また、分類毎の食品の摂取量の目安の表示が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】平成20年日本学術会議健康・生活科学委員会生活科学分科会報告書、[online]、[令和4年11月10日検索]、インターネット<URL:https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t60-7.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した食品の分類は、通常、その食品に主に含まれる栄養素に応じたものである。従って、上述した食品の分類による表示では、それ以外の栄養素は把握できず、また、食品に含まれる栄養素の量を把握することができない。また、食品に含まれる栄養素の表示として、複数の栄養素毎の含有量を数値で表示することが考えられる。しかしながら、数値での表示では、一目でその食品の複数の栄養素の含有量を把握することは困難である。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、食品の栄養素等の複数の要素の含有量を容易に把握することができる。食品情報表示システム及び食品情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る食品情報表示システムは、食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された含有量情報によって示される種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成手段と、種類毎の座標軸を有する空間上の種類毎の含有量に応じた位置に、混合色生成手段によって生成された混合色での食品に係る表示を行わせる表示手段と、を備える。
【0007】
本発明に係る食品情報表示システムによれば、食品に係る表示が、当該食品の要素の種類毎の含有量に応じた位置に、当該含有量に応じて生成された混合色で行われる。これにより、食品の栄養素等の複数の要素の含有量を容易に把握することができる。
【0008】
混合色生成手段は、種類毎の含有量の対数を算出して、算出した対数に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定することとしてもよい。この構成によれば、例えば、食品中の要素の含有量が少なく、要素の種類間で食品の含有量に大きな違いがなくても、当該要素の含有量をより適切に混合色に反映することができる。これにより、食品の栄養素等の複数の要素の含有量をより容易に把握することができる。
【0009】
取得手段は、食品の座標軸に対応しない要素の含有量を示す情報を取得し、表示手段は、取得手段によって取得された情報によって示される座標軸に対応しない要素の含有量に応じて、混合色での食品に係る表示に付随する表示を行わせることとしてもよい。この構成によれば、座標軸に割り当てた以上の食品の要素の含有量も容易に把握することができる。
【0010】
食品の複数の要素は、炭水化物、たんぱく質及び脂質の3つの要素であり、種類毎に予め設定された色は、三原色であることとしてもよい。この構成によれば、食品の三大栄養素である、炭水化物、たんぱく質及び脂質の含有量を容易に把握することができる。
【0011】
取得手段は、食品のエネルギー量を示す情報を取得し、表示手段は、取得手段によって取得された情報によって示される食品のエネルギー量に応じた大きさで食品に係る表示を行わせることとしてもよい。この構成によれば、食品の要素の含有量に加えて、食品のエネルギー量も容易に把握することができる。
【0012】
ところで、本発明は、上記のように食品情報表示システムの発明として記述できる他に、以下のように食品情報表示方法の発明としても記述することができる。これらはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0013】
即ち、本発明に係る食品情報表示方法は、食品情報表示システムの動作方法である食品情報表示方法であって、食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得された情報によって示される種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成ステップと、種類毎の座標軸を有する空間上の種類毎の含有量に応じた位置に、混合色生成ステップにおいて生成された混合色での食品に係る表示を行わせる表示ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、食品の栄養素等の複数の要素の含有量を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る食品情報表示システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る食品情報表示システムによる表示の例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る食品情報表示システムで実行される処理である食品情報表示方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面と共に本発明に係る食品情報表示システム及び食品情報表示方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1に本実施形態に係る食品情報表示システム10を示す。食品情報表示システム10は、食品に係る表示を行わせるシステム(装置)である。食品情報表示システム10による表示は、食品の要素の種類毎の含有量を示す表示である。図2に、食品情報表示システム10による表示の例を示す。
【0018】
図2に示すように食品情報表示システム10による表示は、食品の要素に対応する座標軸を有する空間上に食品を当該要素に応じた色及び形状で示したものである。図2における、個々の球(丸)20が個々の食品に対応する。空間は、(仮想的な)三次元空間である。表示に係る食品の要素は、例えば、栄養素である。即ち、食品情報表示システム10は、食品の食品学的特徴を色及び形状を用いて視覚的に表すものである。但し、当該要素は、栄養素以外の含有量の認識が必要となり得る任意のものであってもよい。例えば、当該要素は、水分を含んでいてもよい。
【0019】
座標軸は、食品の要素に対応している。図2に示す例では、3つの座標軸は、炭水化物(X軸)、たんぱく質(Y軸)及び脂質(Z軸)に対応する。なお、座標軸は、必ずしも炭水化物、たんぱく質及び脂質に対応している必要はなく、他の要素に対応していてもよい。また、座標軸は3つである必要はなく、複数であればよい。即ち、三次元空間以外の空間を用いた表示が行われてもよい。
【0020】
個々の食品は、空間上の、要素の種類毎の含有量に応じた位置に当該含有量に応じた色で表示される。また、図2に示すように複数の食品をまとめて表示してもよい。表示対象となる食品は、要素の含有量を概ね特定し得る任意のものであってもよい。例えば、食品は、図2に示すような単一の食材であってもよいし、複数の食材から作られる料理であってもよい。
【0021】
食品情報表示システム10は、自身が備えるディスプレイ等の表示装置によって表示を行ってもよい。あるいは、食品情報表示システム10は、自身以外の表示装置に表示のための情報を送信して、当該表示装置に表示を行わせてもよい。この場合、食品情報表示システム10は、表示装置を備えている必要はない。
【0022】
食品情報表示システム10は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等のハードウェアを含むコンピュータであるPC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置等である。食品情報表示システム10の後述する各機能は、これらの構成要素がプログラム等により動作することによって発揮される。なお、食品情報表示システム10は、一つのコンピュータで実現されてもよいし、複数のコンピュータがネットワークにより互いに接続されて構成されるコンピュータシステムにより実現されていてもよい。また、食品情報表示システム10は、必要に応じて他の装置との間で情報を送受信する通信機能を有していてもよい。
【0023】
引き続いて、本実施形態に係る食品情報表示システム10の機能について説明する。図1に示すように、食品情報表示システム10は、取得部11と、混合色生成部12と、表示部13とを備えて構成される。
【0024】
取得部11は、食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得手段である。取得部11は、食品の座標軸に対応しない要素の含有量を示す情報を取得してもよい。食品の複数の要素は、炭水化物、たんぱく質及び脂質の3つの要素であってもよい。取得部11は、食品のエネルギー量を示す情報を取得してもよい。
【0025】
例えば、取得部11は、食品情報表示システム10に予め記憶された情報を読み出すことで、情報を取得する。また、取得部11は、ユーザの情報の入力操作を受け付けて、情報を取得してもよい。表示対象の食品が複数ある場合、取得部11は、複数の食品毎に情報を取得する。取得部11に取得される情報は、要素毎の食品に含まれる要素毎の含有量である重量の数値(例えば、g又はmg単位の数値)である。食品に係る数値は、100g当たりの量等の予め設定された基準に従ったものであってもよい(以下についても同様である)。
【0026】
含有量情報に係る要素(食品の座標軸に対応する要素)は、例えば、上述した炭水化物、たんぱく質及び脂質である。また、それ以外の要素は、例えば、ビタミン(より具体的には、脂溶性ビタミン及び水溶性ビタミン)、ミネラル(より具体的には、多量ミネラル及び微量ミネラル)及び機能性成分(より具体的には、リコピン、レシチン及びラクトフェリン等)である。また、それ以外の要素としては、更に細分化されたもの(例えば、ビタミンA、ビタミンC、鉄、カルシウム)であってもよい。なお、ビタミン及びミネラルの含有量に係る数値は、一食あたりの栄養素摂取量の目標値を100%とした場合の、食品に含まれる含有量を%で換算したものであってもよい。また、それ以外の要素は、水分を含んでいてもよい。また、取得部11に取得される情報は、食品のエネルギー量の数値(例えば、kcal単位での数値)も含む。取得部11は、取得した情報を混合色生成部12及び表示部13に出力する。
【0027】
混合色生成部12は、取得部11によって取得された含有量情報によって示される種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成手段である。混合色生成部12は、種類毎の含有量の対数を算出して、算出した対数に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定してもよい。混合色生成部12は、種類毎に予め設定された色は、三原色であってもよい。
【0028】
混合色は、食品を表示する個々の球20の色である。混合色は、含有量情報によって示される種類毎の含有量に応じた色である。混合色によって、食品の座標軸に対応する要素(図2に示す例では、炭水化物、たんぱく質及び脂質)全ての含有量を視覚的に一目で把握することができる。各座標軸(各要素)に予め色を対応付けておく。各座標軸に対応付けられる色は、混合してもその色を視覚的に認識できるものとする。例えば、三つの座標軸に、色料の三原色がそれぞれ対応付けられる。具体的には、図2に示すように、炭水化物の座標軸にはイエロー、たんぱく質の座標軸にはマゼンダ(赤紫)、脂質の座標軸にはシアン(青緑)がそれぞれ対応付けられる。
【0029】
座標軸に対応する要素の含有量が多いほど、混合色にはその色がより濃く反映される。例えば、炭水化物の含有量が多い米飯では、イエローがより強く反映され、黄色がかった色となる。たんぱく質の含有量が多い鶏肉(ささみ)では、マゼンダがより強く反映され、赤っぽい色となる。脂質の含有量が多いアボカドでは、シアンがより強く反映され、青っぽい色となる。また、炭水化物、たんぱく質及び脂質をバランスよく含む牛乳では、イエロー、マゼンダ及びシアン全てがそれぞれの含有量に応じて反映され、緑色となる。
【0030】
例えば、混合色生成部12は、以下のように混合色を生成する。混合色生成部12は、取得部11から情報を入力する。混合色生成部12は、表示対象の食品毎に混合色を生成する。混合色生成部12は、各座標軸について、取得部11から入力した含有量情報によって示される座標軸に対応する要素の含有量の数値から、予め設定された座標軸(要素)毎の色の濃度を設定する。混合色生成部12は、含有量の数値が大きいほど、濃度が大きくなるように濃度を設定する。例えば、混合色生成部12は、logxのxに含有量の数値を入力して、含有量の数値の対数を算出する。ここで、対数の底bは予め設定され、常用対数であればb=10、自然対数であればb=e(ネイピア数)である。混合色生成部12は、算出した対数を予め設定した基準で(例えば、大小関係を変更しない一次式を用いて)濃度を示す値に変換する。混合色生成部12は、得られた各色の濃度を混合(混色)して混合色を生成する。複数の色の混合は、従来の方法によって行われればよい。
【0031】
上記のように含有量の対数を取ることで、要素の含有量が小さい場合でも、混合色を見たユーザが当該含有量を認識できる混合色とすることができる。但し、混合色の生成に必ずしも対数を用いる必要はなく、混合色生成部12は、含有量の数値を予め設定した基準で(例えば、大小関係を変更しない一次式を用いて)濃度を示す値に変換して、上記と同様に混合色を生成してもよい。また、混合色生成部12は、座標軸に対応する要素以外の要素の含有量も、混合色に反映させてもよい。例えば、水分を白色として混合させてもよい。混合色生成部12は、生成した混合色を示す情報を表示部13に出力する。
【0032】
表示部13は、種類毎の座標軸を有する空間上の種類毎の含有量に応じた位置に、混合色生成部12によって生成された混合色での食品に係る表示を行わせる表示手段である。表示部13は、取得部11によって取得された情報によって示される座標軸に対応しない要素の含有量に応じて、混合色での食品に係る表示に付随する表示を行わせてもよい。表示部13は、取得部11によって取得された情報によって示される食品のエネルギー量に応じた大きさで食品に係る表示を行わせてもよい。
【0033】
例えば、表示部13は、以下のように表示を行わせる。表示部13は、取得部11及び混合色生成部12から情報を入力する。表示部13は、取得部11及び混合色生成部12から入力した情報に基づいて食品を示す表示を行わせる。例えば、表示部13は、表示装置に表示に係る情報を送信して表示装置に表示を行わせる。表示部13は、空間の座標軸を表示させる。この座標軸は、混合色との対応が分かりやすくなるように座標軸に対応付けれられた色(炭水化物の座標軸はイエロー、たんぱく質の座標軸はマゼンダ、脂質の座標軸はシアン)で表示されてもよい。
【0034】
表示部13は、取得部11から入力した含有量情報によって示される要素の含有量の数値に応じた、当該要素に対応する座標軸の座標の位置に食品を示す表示(図2に示す球20)を行わせる。表示される座標として、含有量の数値をそのまま用いてもよい。あるいは、座標として、大小関係を維持したまま含有量の数値を変換した数値としてもよい。食品を示す表示の形状は、予め設定されたものであり、例えば、図2に示す球20である。但し、食品を示す表示の形状は、球20である必要はなく、任意の形状であってもよい。表示部13は、混合色生成部12から入力した情報によって示される混合色で食品を示す表示を行わせる。
【0035】
表示部13は、取得部11から入力した情報によって示される食品のエネルギー量に応じた大きさで食品に係る表示を行わせる。例えば、表示部13は、食品のエネルギー量が大きいほど、上記の形状(例えば、上記の球20)を大きくする。具体的には、表示部13は、上記の球の直径をエネルギー量に比例するものとする。
【0036】
表示部13による(仮想的な)三次元空間の表示自体は、従来と同様に行われればよい。例えば、従来の画像表示用のソフトウェアが用いられて表示が行われてもよい。また、従来の方法によって、三次元空間の座標軸の移動及び回転等が行われてもよい。また、表示される食品がどの食品か分かるように、図2に示すように、表示部13は、食品名を上記の食品を示す表示(例えば、球20の表示)の近傍又は当該形状に重なる位置に表示させてもよい。商品名は、取得部11によって取得されればよい。
【0037】
表示部13は、取得部11から入力した情報によって示される座標軸に対応しない要素の含有量に応じて、混合色での食品に係る表示に付随する表示を行わせる。本実施形態では、座標軸に対応しない付随表示に係る要素は、例えば、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、多量ミネラル、微量ミネラル及び機能性成分である。
【0038】
表示部13は、要素の種別毎に予め設定された色及び形状で、要素の含有量に応じた大きさで当該要素についての付随表示を行わせる。表示部13は、上記の食品を示す表示(例えば、球の表示)の近傍又は当該形状に重なる位置に付随表示を行わせる。例えば、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、多量ミネラル及び微量ミネラルの表示はそれぞれ、図2に示すような円弧状の特異的な形状の表示21~24(食品を示す表示に対する葉っぱのような表示)とする。また、脂溶性ビタミンは緑色、水溶性ビタミンは薄緑色、多量ミネラルは紫色、微量ミネラルは薄紫色の表示とする。また、機能性成分は、図2に示すような球状の表示25(食品を示す表示に対する花びらのような表示。図2では、卵、トマトジュース及び牛乳について表示されている)とする。また、機能性成分の種類(リコピン、レシチン及びラクトフェリン等)毎に異なる色の表示25とする。例えば、表示部13は、要素の含有量が大きいほど、上記の形状を大きなものとする。具体的には、表示部13は、上記の形状の大きさを要素の含有量に比例するものとする。なお、要素毎の形状及び色は、必ずしも上記のものである必要はない。例えば、座標軸に対応しない要素の含有量は、ひし形の形状で表示されてもよい。以上が、本実施形態に係る食品情報表示システム10の機能である。
【0039】
引き続いて、図3のフローチャートを用いて、本実施形態に係る食品情報表示システム10で実行される処理(食品情報表示システム10が行う動作方法)である食品情報表示方法を説明する。
【0040】
本処理では、まず、取得部11によって、表示用の情報が取得される(S01、取得ステップ)。表示用の情報には、食品の座標軸に対応する複数の要素(例えば、炭水化物、たんぱく質及び脂質)の種類毎の含有量を示す含有量情報が含まれる。また、表示用の情報には、食品の上記以外の要素(例えば、ビタミン、ミネラル、機能性成分及び水分)の種類毎の含有量を示す情報が含まれていてもよい。また、表示用の情報には、食品のエネルギー量を示す情報が含まれていてもよい。
【0041】
続いて、混合色生成部12によって、含有量情報によって示される種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度が設定されて、設定された濃度の種類毎の色が混合された混合色が生成される(S02、混合色生成ステップ)。
【0042】
続いて、表示部13によって、種類毎の座標軸を有する空間上の種類毎の含有量に応じた位置に、混合色生成部12によって生成された混合色での食品に係る表示が行われる(S03、表示ステップ)。また、この際、座標軸に対応しない要素の含有量に応じた付随表示、及び食品のエネルギー量に応じた大きさでの表示が行われてもよい。以上が、本実施形態に係る食品情報表示システム10で実行される処理である。
【0043】
本実施形態によれば、食品に係る表示が、当該食品の要素の種類毎の含有量に応じた位置に、当該含有量に応じて生成された混合色で行われる。これにより、食品情報表示システム10による表示を見たユーザは、食品の栄養素等の複数の要素の含有量を容易に把握することができる。
【0044】
本実施形態のように、種類毎の含有量の対数を算出して、算出した対数に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定してもよい。この構成によれば、例えば、要素の種類間で食品の含有量に大きな違いがある場合、ない場合何れであっても、当該要素の含有量をより適切に混合色に反映することができる。具体的には、含有量の小さな要素についても、対数を取ることで相対的に濃度を大きくして混合色に反映することができる。これにより、食品の栄養素等の複数の要素の含有量をより容易に把握することができる。但し、必ずしも含有量の対数を用いる必要はない。
【0045】
本実施形態のように、食品の座標軸に対応しない要素(例えば、ビタミン、ミネラル及び機能性成分)の含有量に応じた付随情報を表示させてもよい。この構成によれば、座標軸に割り当てた以上の食品の要素の含有量も容易に把握することができる。
【0046】
本実施形態のように、座標軸に対応付けられた複数の要素は、炭水化物、たんぱく質及び脂質の3つの要素であり、種類毎に予め設定された色は、三原色(例えば、色料の三原色)であってもよい。この構成によれば、食品の三大栄養素である、炭水化物、たんぱく質及び脂質の含有量を容易に把握することができる。但し、座標軸に対応付けられた複数の要素は、上記である必要はなく、任意の要素としてもよい。また、種類毎に予め設定された色も、上記である必要はなく、混合色を生成した際に要素の含有量を把握し得る色であれば、任意のものとしてもよい。
【0047】
本実施形態のように、食品のエネルギー量に応じた大きさで食品に係る表示を行わせてもよい。この構成によれば、食品の要素の含有量に加えて、食品のエネルギー量も容易に把握することができる。
【0048】
本開示の食品情報表示システム及び食品情報表示方法は、以下の構成を有する。
[1] 食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された含有量情報によって示される前記種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成手段と、
前記種類毎の座標軸を有する空間上の前記種類毎の含有量に応じた位置に、前記混合色生成手段によって生成された混合色での前記食品に係る表示を行わせる表示手段と、
を備える食品情報表示システム。
[2] 前記混合色生成手段は、前記種類毎の含有量の対数を算出して、算出した対数に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定する[1]に記載の食品情報表示システム。
[3] 前記取得手段は、前記食品の前記座標軸に対応しない要素の含有量を示す情報を取得し、
前記表示手段は、前記取得手段によって取得された情報によって示される前記座標軸に対応しない要素の含有量に応じて、前記混合色での前記食品に係る表示に付随する表示を行わせる[1]又は[2]の何れかに記載の食品情報表示システム。
[4] 前記食品の複数の要素は、炭水化物、たんぱく質及び脂質の3つの要素であり、
前記種類毎に予め設定された色は、三原色である[1]~[3]の何れかに記載の食品情報表示システム。
[5] 前記取得手段は、前記食品のエネルギー量を示す情報を取得し、
前記表示手段は、前記取得手段によって取得された情報によって示される前記食品のエネルギー量に応じた大きさで前記食品に係る表示を行わせる[1]~[4]の何れかに記載の食品情報表示システム。
[6] 食品情報表示システムの動作方法である食品情報表示方法であって、
食品の複数の要素の種類毎の含有量を示す含有量情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された情報によって示される前記種類毎の含有量に応じて、当該種類毎に予め設定された色の濃度を設定して、設定した濃度の種類毎の色を混合した混合色を生成する混合色生成ステップと、
前記種類毎の座標軸を有する空間上の前記種類毎の含有量に応じた位置に、前記混合色生成ステップにおいて生成された混合色での前記食品に係る表示を行わせる表示ステップと、
を含む食品情報表示方法。
【符号の説明】
【0049】
10…食品情報表示システム、11…取得部、12…混合色生成部、13…表示部。
図1
図2
図3