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特開2024-74036情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074036
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240523BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240523BHJP
   G06Q 10/0639 20230101ALI20240523BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
G06Q30/0207
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185082
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 祥太
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L030BB07
5L030BB53
5L049AA06
5L049BB07
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】クラウドソーシングの促進を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、推定部と、依頼部とを備える。推定部は、利用者による端末装置を用いたタスクの実行よりも利用者によるタスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する。依頼部は、推定部によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、タスクの再実行を利用者に依頼する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による端末装置を用いたタスクの実行よりも前記利用者による前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する推定部と、
前記推定部によって前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、前記タスクの再実行を前記利用者に依頼する依頼部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記利用者による前記端末装置を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する取得部を備え、
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記タスク実行履歴情報に基づいて、前記再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記タスク実行履歴情報に基づいて、前記利用者による前記同一のタスクの前記実行の適切度よりも前記再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、前記再実行の方が適切な実行結果になると推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利用者以外の複数の他の利用者による前記端末装置を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する取得部を備え、
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記タスク実行履歴情報に基づいて、前記再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記タスク実行履歴情報に基づいて、前記複数の他の利用者による前記同一のタスクの前記実行の適切度よりも前記再実行の適切度の方が高い傾向にあると判定した場合に、前記再実行の方が適切な実行結果になると推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記利用者による前記端末装置を用いた前記タスクの実行過程における前記タスクの実行状態に関する情報を含む実行状態情報を取得する取得部を備え、
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記実行状態情報に基づいて、前記再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記取得部によって取得された前記実行状態情報に基づいて、前記タスクの実行過程において前記タスクの前記実行状態の適切度が高くなる傾向にあると判定した場合に、前記再実行の方が適切な実行結果になると推定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記依頼部によって前記利用者に依頼した前記タスクの再実行が前記利用者によって行われた場合に、前記利用者に対し、前記タスクの実行による報酬に加えて追加の報酬を付与する報酬付与部を備える
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記報酬付与部は、
前記利用者による前記タスクの前記実行の適切度と前記タスクの前記再実行の適切度との差に基づいて、前記追加の報酬を決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記依頼部は、
前記推定部によって前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された複数の前記利用者のうち予め定められた規則によって選択またはランダムに選択された利用者に前記タスクの再実行を依頼する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者による端末装置を用いたタスクの実行よりも前記利用者による前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する推定工程と、
前記推定工程によって前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、前記タスクの再実行を前記利用者に依頼する依頼工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
利用者による端末装置を用いたタスクの実行よりも前記利用者による前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する推定手順と、
前記推定手順によって前記タスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、前記タスクの再実行を前記利用者に依頼する依頼手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどのネットワークを介して、不特定多数の人にタスクの実行を依頼するアウトソーシング形態が知られている。かかるアウトソーシング形態は、クラウドソーシングとも呼ばれる。
【0003】
クラウドソーシングに関する技術として、特許文献1には、タスクの実行候補者となる利用者の行動履歴に基づいて、所定時点から締切日までの間の利用者の隙間時間を推定し、締切日と隙間時間とに基づいて、締切日までにタスクを完了可能な利用者を選定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-039121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、タスクを実行する利用者を選定する技術に留まり、クラウドソーシングの促進をより図る点で改善の余地がある。例えば、クラウドソーシングでは、タスクの実行が不特定多数の利用者に依頼されるため、利用者によっては真面目にタスクを実行しない場合がある。そのため、利用者から得られるタスクの実行結果には、適切でない実行結果が含まれる可能性があり、クラウドソーシングの促進が阻害される可能性がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、クラウドソーシングの促進を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、推定部と、依頼部とを備える。推定部は、利用者による端末装置を用いたタスクの実行よりも利用者によるタスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する。依頼部は、推定部によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、タスクの再実行を利用者に依頼する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、クラウドソーシングの促進を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るタスク情報記憶部に記憶されるタスク情報テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るタスク実行結果記憶部に記憶されるタスク実行結果テーブルの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置および端末装置の各々の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0012】
図1に示す情報処理装置1は、インターネットなどのネットワークを介して各種のサービスを提供する。情報処理装置1は、クラウドソーシング仲介サービス、ウェブ検索サービス、スケジュール管理サービス、経路案内サービス、路線情報提供サービス、動画配信サービス、音楽配信サービス、地図情報提供サービス、電子商取引サービスなどの各種のオンラインサービスを提供する。
【0013】
以下においては、情報処理装置1が提供するサービスのうち主にクラウドソーシング仲介サービスについて説明する。クラウドソーシング仲介サービスは、クラウドソーシングにおける発注側と受注側とを繋ぐサービスである。
【0014】
クラウドソーシングは、受注側である事業者や研究者などがインターネットなどのネットワークを通じて、不特定多数にタスクの実行を委託し、タスクの実行結果を取得する業務委託形態である。以下において、クラウドソーシング仲介サービスにおける発注側のユーザを発注者Oと記載し、クラウドソーシング仲介サービスにおける受注側のユーザを利用者Uと記載する。
【0015】
情報処理装置1は、クラウドソーシング仲介サービスにおいて、利用者Uにタスクを実行させるための情報を含むタスク情報を発注者Oから受け付け、かかるタスク情報に基づいて、利用者Uにタスクの実行を依頼し、利用者Uにタスクを実行させる。そして、情報処理装置1は、各利用者Uによるタスクの実行結果を各利用者Uの端末装置2から受け付け、受け付けた実行結果を発注者Oに提供する。
【0016】
タスクは、利用者Uが端末装置2を用いて実行されるタスクであり、例えば、アンケート型タスク、アノテーション、操作型タスクなどである。端末装置2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型のPC(Personal Computer)、デスクトップ型のPCなどであるが、VR(Virtual Reality)ゴーグルやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスなどであってもよい。
【0017】
タスクは、上述した例に限定されず、例えば、ウェブページの作成、ニュースなどの記事コンテンツの作成などであってもよい。また、タスクは、利用者Uが端末装置2を用いずに実行するタスクであってもよい。
【0018】
アンケート型タスクは、複数の設問の各々に対する回答を利用者Uに入力させるタスクである。アンケート型タスクは、例えば、利用者Uの意識調査のための設問に対する回答を利用者Uに入力させるタスク、利用者Uの知識を問う複数の設問の各々に対する回答を利用者Uに入力させるタスク、記事コンテンツを含み且つ記事コンテンツに関する複数の設問の各々に対する回答を利用者Uに入力させるタスクなどであるが、かかる例に限定されない。
【0019】
アノテーションは、例えば、機械学習に用いるデータにタグ付けを行う作業であり、例えば、データに特定の対象が含まれるか否かを示すタグを入力したり、画像データに含まれる特定の対象を選択したりすることによって行われる。特定の対象の選択は、端末装置2がスマートフォンやタブレット端末である場合、例えば、特定の対象の領域に対するタップ操作、特定の対象の外縁を指やスタイラスペンなどでなぞる操作、特定の対象を指やスタイラスペンなどで塗り潰す操作などによって行われる。
【0020】
また、端末装置2がノート型のPCやデスクトップ型のPCである場合、特定の対象の選択は、例えば、特定の対象の領域に対するクリック操作、特定の対象の外縁をカーソルの移動によってなぞる操作、特定の対象をカーソルの移動によって塗り潰す操作などによって行われる。
【0021】
操作型タスクは、例えば、UI(User Interface)を含むコンテンツにおけるUIの操作を要求するタスクである。操作型タスクで要求される操作は、端末装置2がスマートフォンやタブレット端末である場合、例えば、タップ操作、ダブルタップ操作、フリック操作、スワイプ操作、ピンチ操作などであり、端末装置2がノート型のPCやデスクトップ型のPCである場合、クリック操作、ダブルクリック操作、スクロール操作、カーソルの移動操作、ドラックアンドドロップ操作などである。
【0022】
図1に示すように、情報処理装置1は、発注者Oの端末装置3から送信される複数のタスク情報を受け付ける(ステップS1)。ステップS1で受け付けられる複数のタスク情報は、同一の発注者Oからのタスク情報であってもよく、互いの異なる発注者Oからのタスク情報であってもよい。
【0023】
タスク情報は、タスク毎の情報であり、情報処理装置1は、複数のタスク情報を受け付ける。タスク情報には、利用者Uにタスクを実行させるための情報を含む実行用情報とタスクを実行する際の条件を示す条件情報とが含まれる。
【0024】
実行用情報は、タスクがアンケート型タスクである場合、例えば、設問を示す情報、利用者Uが設問への回答を入力するUI(以下、回答UI)、利用者Uが入力した回答の送信を決定する際に操作するUI(以下、決定UI)などが含まれる。回答UIは、例えば、テキストボックス、チェックボックス、ラジオボタン、コンボボックスなどであるが、かかる例に限定されない。決定UIは、例えば、ボタンである。決定UIが操作された場合に、利用者Uが入力した回答の情報が端末装置2から情報処理装置1に送信される。
【0025】
また、実行用情報は、タスクがアノテーションである場合、例えば、タグ付けの対象となるデータ(例えば、画像データ、文書データ、音データなど)、データにタグ付けするために用いられるUI、上述した決定UIなどが含まれる。
【0026】
また、実行用情報は、タスクが操作型タスクである場合、UIを含むコンテンツであり、例えば、ウェブコンテンツやアプリケーションプログラムなどである。ウェブコンテンツは、例えば、ニュースなどの記事のコンテンツ、SNS(Social Networking Service)のコンテンツ、ゲームサイトのコンテンツ、ショッピングサイトのコンテンツ(例えば、ショッピングページなど)、3次元空間に配置されるアバターなどのコンテンツである。
【0027】
条件情報には、タスクを実行する際の利用者Uのコンテキストを規定する情報が含まれる。利用者Uのコンテキストは、利用者Uの状況であり、利用者Uの周囲の状況、利用者Uがいる場所、利用者Uの状態などを含む。
【0028】
利用者Uの周囲の状況は、利用者Uが置かれた物理的環境であり、例えば、利用者Uの周囲の明るさ、温度、湿度、音の大きさや周波数、風の強さ、利用者Uが座っている電動椅子の高さや背もたれの角度、利用者Uが利用している昇降机の天板の高さなどである。また、利用者Uの周囲の状況は、利用者Uが屋外にいる場合、利用者Uがいる場所の天候なども含む。
【0029】
利用者Uがいる場所は、例えば、利用者Uが現在いる場所の緯度経度または名称などによって特定される。利用者Uが現在いる場所の名称は、例えば、飲食店、公園、自宅、駅、病院、市役所、道路、地下道、電車、車、航空機、船などであるが、かかる例に限定されない。
【0030】
利用者Uの状態は、例えば、利用者Uの動作状態や利用者Uの感情などを含む。利用者Uの動作状態は、例えば、座っている、寝ている、歩いている、走っている、立っているなどである。
【0031】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS1で取得したタスク情報に対応するタスクの実行を利用者Uに依頼する(ステップS2)。情報処理装置1は、例えば、利用者Uが端末装置2を用いて情報処理装置1にアクセスした場合に、ステップS1で取得したタスク情報に対応するタスクの一覧を示す情報を含む一覧情報を含む依頼情報を端末装置2に送信することによって、ステップS1で取得したタスク情報に対応するタスクの実行を利用者Uに依頼する。
【0032】
情報処理装置1によって送信される依頼情報には、ステップS1で取得したタスク情報に対応するタスクの概要を示す情報に加えて、タスク情報に含まれる条件情報で規定されるコンテキストを示す情報などの情報が含まれる。例えば、依頼情報には、文字列「レストラン内でタスクを実行してください。」を端末装置2に表示させるための情報などが含まれる。
【0033】
端末装置2は、情報処理装置1から送信される依頼情報を受信すると、受信した依頼情報を表示する。端末装置2に表示される依頼情報には、例えば、タスク毎の承諾ボタンが含まれており、かかる承諾ボタンが利用者Uによるクリックまたはタップなどによって選択された場合、端末装置2は、利用者Uによって選択されたタスクを特定するための情報を含むタスク要求を情報処理装置1に送信する(ステップS3)。
【0034】
つづいて、情報処理装置1は、端末装置2から送信されるタスク要求を受信した場合、タスク要求を送信した端末装置2の利用者Uにタスクを実行させるために、利用者Uの端末装置2にタスク情報に含まれる実行用情報を送信する(ステップS4)。
【0035】
端末装置2は、情報処理装置1から送信される実行用情報を受信すると、実行用情報に基づいて、利用者Uがタスクを実行するための表示などを行う。これにより、利用者Uは、端末装置2を用いてタスクを実行することができる。
【0036】
つづいて、端末装置2は、利用者Uによるタスクの実行結果を情報処理装置1に送信する(ステップS5)。タスクの実行結果は、タスクがアンケート型タスクである場合、例えば、利用者Uによる設問に対する回答を示す情報や利用者Uによる操作履歴の情報などを含む。操作履歴の情報は、例えば、利用者Uによる設問に対する回答のタイミングや速度を示す情報などを含む。
【0037】
また、タスクの実行結果は、タスクがアノテーションである場合、例えば、利用者Uによって入力されたタグの情報や利用者Uによる操作履歴の情報などを含む。操作履歴の情報は、例えば、利用者Uによるタグ付けの速さ、タグの位置、タグの範囲、タグ付けのタイミングなどを示す情報などを含む。
【0038】
また、タスクの実行結果は、例えば、タスクが操作型タスクである場合、利用者Uによる操作履歴の情報を含む。操作履歴は、例えば、各種の操作(例えば、タップ操作、フリック操作、スワイプ操作、ピンチ操作、クリック操作、カーソルの移動操作、ドラックアンドドロップ操作など)の内容(例えば、操作位置、操作タイミング、操作速度、操作された距離など)の履歴を含む。
【0039】
つづいて、情報処理装置1は、端末装置2からタスクの実行結果を取得すると、かかる実行結果よりもタスクの再実行の方が適切な結果になるか否かを判定する(ステップS6)。
【0040】
ステップS6において、情報処理装置1は、例えば、ステップS2において依頼したタスクの実行を承諾した利用者Uである対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、再実行の方が適切な実行結果になるか否かを判定する。タスク実行履歴情報に含まれる実行履歴は、タスクの過去の実行結果、タスクの実行中に端末装置2に設けられた1以上のセンサによって検出される情報である検出情報などが含まれる。
【0041】
「再実行」は、タスクの繰り返しの実行における最初の実行以外の実行であり、例えば、初回の実行に対する再実行であれば、2回目の実行であり、2回目の実行に対する再実行であれば、3回目の実行である。以下において、再実行の1つ前の実行を前回の実行と記載する場合がある。
【0042】
また、「複数回の実行」は、同時期における複数回の実行であるが、互いに異なる時期における1回以上の実行を含んでいてもよい。同時期とは、例えば、複数回の実行において前回の実行と再実行との間の間隔が予め定められた期間(例えば、5分)内であることを意味する。また、異なる期間とは、例えば、互いの期間が予め定められた期間(例えば、5分)を超えることを意味する。
【0043】
「同一のタスク」は、対象利用者が端末装置2を用いて過去に実行したタスクであり、例えば、ステップS2において情報処理装置1が対象利用者に依頼したタスクであるが、ステップS2において情報処理装置1が対象利用者に依頼したタスクの種別に含まれる他のタスクであってもよく、それ以外のタスクであってもよい。
【0044】
タスクの種別は、例えば、アンケート型タスク、アノテーション、操作型タスクなどであるが、これらのタスクの種別をさらに細分化したものであってもよい。
【0045】
例えば、タスク種別は、アンケート型タスクにおいて、設問の数によって分類される種別であってもよく、設問の内容のカテゴリによって分類される種別であってもよく、付与される報酬の高さによって分類される種別であってもよい。
【0046】
また、タスク種別は、例えば、アノテーションにおいて、タグ付け方法によって分類される種別であってもよく、タグ付け対象のカテゴリによって分類される種別であってもよく、タグ付けに要する時間によって分類される種別であってもよい。
【0047】
また、タスク種別は、例えば、操作型タスクにおいて、操作の種別(例えば、タップ操作、フリック操作、スワイプ操作など)によって分類される種別であってもよく、操作の手順によって分類される種別であってもよい。
【0048】
情報処理装置1は、例えば、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、同一のタスクの複数回の実行の各々の適切度を判定する。そして、情報処理装置1は、対象利用者による同一のタスクの複数回の実行においてタスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0049】
例えば、情報処理装置1は、タスク実行履歴情報に含まれるタスクの実行結果に基づいて、タスクの実行の適切度を判定する。タスクの実行の適切度は、例えば、タスクがアンケート型タスクである場合、設問に対する回答速度が予め定められた範囲に近いほど高く判定される。なお、タスクの実行の適切度は、回答速度が予め定められた範囲である場合に最も高い。
【0050】
また、タスクの実行の適切度は、タスクがアンケート型タスクである場合、例えば、利用者Uによる設問に対する回答が外れ値である数が多いほど低く判定される。外れ値である回答は、回答が複数の選択肢から選択される回答である場合に複数の選択肢のいずれにも該当しない回答であるが、統計的な外れ値であってもよい。
【0051】
また、タスクの実行の適切度は、例えば、タスクがアノテーションである場合、タグ付けの速さが予め定められた範囲に近いほど高く判定される。なお、タスクの実行の適切度は、タグ付けの速さが予め定められた範囲である場合に最も高い。
【0052】
また、タスクの実行の適切度は、タスクがアノテーションである場合、例えば、利用者Uによるタグ付けが外れ値である数が多いほど低く判定される。タスクがアノテーションである場合の外れ値は、例えば、想定されていないタグの情報であり、例えば、タグ付けされた範囲の大きさが予め定められた大きさの範囲内にない場合や、タグが選択肢から選択される場合に複数の選択肢のいずれにも該当しない場合などであるが、統計的な外れ値であってもよい。
【0053】
また、タスクの実行の適切度は、例えば、操作型タスクである場合、操作の回数が予め定められた範囲に近いほど高く判定される。なお、タスクの実行の適切度は、操作の回数が予め定められた範囲である場合に最も高い。なお、情報処理装置1は、タスクの実行の適切度を、後述する適切度推定モデルを用いて推定することもできる。
【0054】
また、情報処理装置1は、タスク実行履歴情報に含まれる検出情報に基づいて、タスクの適切度を判定することもできる。検出情報には、例えば、イメージセンサ(カメラ)によって撮像された利用者Uの撮像画像、利用者Uの周囲の明るさ、温度、湿度、音の大きさや周波数などの情報、利用者Uの位置を示す情報、端末装置2の姿勢などを示す情報などが含まれている。
【0055】
情報処理装置1は、例えば、検出情報に含まれる撮像画像で利用者Uの顔の向きや利用者Uの視線の向きが端末装置2に向いている割合(例えば、タスクの実行時間に対する比)が予め定められた範囲(例えば、閾値以上の範囲)に近いほど、タスクの実行の適切度が高く判定する。なお、タスクの実行の適切度は、利用者Uの顔の向きや利用者Uの視線の向きが端末装置2に向いている割合が予め定められた範囲である場合に最も高い。
【0056】
また、情報処理装置1は、タスク情報に条件情報が含まれる場合において、検出情報に基づいて、利用者Uがタスクを実行している際の利用者Uのコンテキストを推定し、推定したコンテキストとタスク情報の条件情報で規定されるコンテキストとの一致度を適切度として判定することもできる。「一致度」は、例えば、0~1の範囲内の値である。
【0057】
例えば、タスク情報の条件情報で規定されるコンテキストが「レストラン内」であり、推定したコンテキストが「レストラン内」である場合、一致度は「1」である。また、タスク情報の条件情報で規定されるコンテキストが「屋外の雨の中を移動中」であり、推定したコンテキストが「屋外の雨の中を停止中」である場合、2項目のうち1項目が一致しているため、一致度は、「0.5」である。なお、条件情報で規定されるコンテキストが複数の項目で規定される場合、項目毎の値を加算した値が一致度として算出される。項目毎の値は、互いに同じであってもよく、互いに異なる値であってもよい。
【0058】
また、情報処理装置1は、同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を入力とし、タスクの実行の適切度を出力する適切度推定モデルを用いて、タスクの実行の適切度を判定することもできる。適切度推定モデルは、例えば、実行情報とタスクの実行の正当性の有無とを含む学習用データを用いた機械学習によって生成される。
【0059】
タスクの実行の適切度は、例えば、適切でないことを示す第1の値(例えば、0)と、適切であることを示す第2の値(例えば、1)との2段階であってもよい。例えば、情報処理装置1は、利用者Uがタスクを実行している際の利用者Uのコンテキストが予め定められるコンテキストである場合に、適切度を第1の値と判定し、そうでない場合に、適切度を第2の値と判定することもできる。
【0060】
予め定められるコンテキストは、例えば、利用者Uの周囲の照度が明る過ぎる(例えば、照度が閾値以上である)、利用者Uの周囲の湿度が明る過ぎる(例えば、湿度が閾値以上である)、利用者Uの場所の振動が大きすぎる(例えば、振動が閾値以上である)などである。また、予め定められるコンテキストは、例えば、利用者Uが走っている状態、利用者Uが歩いている状態などであってもよい。
【0061】
また、情報処理装置1は、タスク情報に条件情報が含まれる場合において、検出情報などによって推定される利用者Uのコンテキストがタスク情報に含まれる条件情報で規定されるコンテキストと一致する場合に、適切度を第2の値と判定し、そうでない場合に、適切度を第1の値と判定することもできる。
【0062】
情報処理装置1は、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの過去の実行における適切度と実行回数との関係に基づいて、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあるか否かを判定する。
【0063】
例えば、情報処理装置1は、タスクの前回の実行が初回のタスクの実行である場合、初回のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)よりも2回目のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)の方が高い場合に、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定する。
【0064】
また、情報処理装置1は、タスクの前回の実行が2回目のタスクの実行である場合、2回目のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)よりも3回目のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)の方が高い場合に、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定する。
【0065】
情報処理装置1は、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0066】
また、情報処理装置1は、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの過去の実行における適切度と実行回数との相関係数を算出し、かかる相関係数が正の閾値以上である場合に、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定することもできる。
【0067】
また、情報処理装置1は、対象利用者以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。
【0068】
また、情報処理装置1は、対象利用者を含む複数の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。
【0069】
また、情報処理装置1は、対象利用者による端末装置2を用いたタスクの実行過程におけるタスクの実行状態に関する情報を含む実行状態情報に基づいて、実行状態情報に含まれるタスクの実行過程においてタスクの実行状態の適切度が高くなる傾向にあるか否かを判定することもできる。
【0070】
実行状態情報に含まれる実行状態に関する情報には、例えば、実行過程におけるタスクの実行結果、実行過程において端末装置2に設けられた1以上のセンサによって検出される情報である検出情報などが含まれる。タスクの実行状態の適切度の判定方法は、上述したタスクの実行の適切度の判定方法と同じである。
【0071】
実行状態情報は、例えば、ステップS2において依頼したタスクの実行を承諾したタスクである対象タスクの対象利用者による実行過程において、端末装置2から繰り返し送信される情報であるが、かかる例に限定されない。例えば、実行状態情報は、対象利用者によるタスクの過去の実行過程において端末装置2から送信される実行状態情報を複数含むタスク実行履歴に含まれる情報であってもよい。
【0072】
情報処理装置1は、タスクの実行過程においてタスクの実行の状態適切度が高くなる傾向にあると判定した場合に、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0073】
例えば、情報処理装置1は、タスクの実行過程において、タスクの実行状態の適切度を繰り返し判定する。タスクの実行状態の適切度の判定方法は、タスクの実行の適切度の判定方法と同じである。
【0074】
情報処理装置1は、タスクの実行過程におけるタスクの実行状態の適切度とタスクの実行が開始してからの経過時間との関係に基づいて、タスクの実行過程においてタスクの実行状態の適切度が高くなる傾向にあるか否かを判定する。
【0075】
情報処理装置1は、例えば、タスクの実行過程におけるタスクの実行状態の適切度とタスクの実行が開始してからの経過時間との相関係数を算出し、かかる相関係数が正の閾値以上である場合に、実行中またはタスクの前回の実行状態の適切度よりも次の実行状態の適切度が高い傾向にあるか否かを判定することもできる。
【0076】
また、情報処理装置1は、対象利用者以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行状態情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。また、情報処理装置1は、対象利用者を含む複数の利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行状態情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。
【0077】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS6において前回の実行結果よりもタスクの再実行の方が適切な結果になると推定した場合、ステップS2と同様の処理で、ステップS2において依頼したタスクと同じタスクの再実行を利用者Uに依頼する(ステップS7)。例えば、情報処理装置1は、再実行依頼情報を対象利用者の端末装置2に送信することによって、タスクの再実行を対象利用者に依頼する。
【0078】
ステップS7において、情報処理装置1は、ステップS6において前回の実行結果よりもタスクの再実行の方が適切な結果になると判定した場合、予め定められた規則に従ってまたはランダムに、ステップS2において依頼したタスクと同じタスクの再実行を対象利用者に依頼するか否かを判定することができる。
【0079】
実行依頼情報は、例えば、タスクの再実行を依頼する旨を示す情報と、再実行を対象利用者が承諾する際に選択する承諾ボタンとを含み、対象利用者の端末装置2に表示される。端末装置2に表示される承諾ボタンが対象利用者によるクリックまたはタップなどによって選択された場合、端末装置2は、再実行の対象となるタスクである対象タスクを特定するための情報を含むタスク要求を情報処理装置1に送信する。これにより、情報処理装置1から対象タスクの実行用情報が対象利用者の端末装置2に送信され、対象利用者による対象タスクの再実行が行われる。
【0080】
「予め定められた規則」は、例えば、タスクの前回の実行の適切度に対してタスクの再実行の適切度が高いほど高い確率で、再実行の依頼を行うといった規則、タスクの前回の実行の適切度に対してタスクの再実行の適切度が閾値以上である場合に再実行の依頼を行うといった規則などであるが、かかる例に限定されない。
【0081】
情報処理装置1は、端末装置2からタスクの実行結果を取得すると、利用者Uに報酬を付与する。利用者Uに付与される報酬は、例えば、電子マネー、ポイント、または各種の特典などである。ポイントは、例えば、オンラインサイトなどで商品の購入やサービスの利用などに用いられる価値(バリュー)である。特典は、例えば、クーポン、商品券、サービス利用券などであるが、かかる例に限定されない。
【0082】
情報処理装置1は、例えば、オンラインサービスにおける利用者Uのアカウントやウォレットにタスクに応じた額の電子マネーやタスクに応じたポイントを追加することによって、利用者Uに報酬を付与する。また、情報処理装置1は、例えば、特典を示す情報である報酬情報を端末装置2で表示可能に端末装置2に送信することで、利用者Uに報酬を付与する。また、報酬は、現金でもよく、この場合、報酬は、例えば、銀行口座を介した現金の入金処理などによって付与される。
【0083】
また、情報処理装置1は、例えば、対象利用者に依頼したタスクの再実行が対象利用者によって行われた場合に、対象利用者に対し、タスクの前回の実行による報酬に加えてタスクの再実行に対する追加の報酬を付与する。追加の報酬は、タスクの前回の実行による報酬と同じ種別の報酬であってもよく、タスクの前回の実行による報酬と異なる報酬であってもよい。報酬の種別は、例えば、電子マネー、ポイント、または各種の特典である。
【0084】
例えば、情報処理装置1は、対象利用者によるタスクの前回の実行の適切度とタスクの再実行の適切度との差である適切度差に基づいて、追加の報酬を決定することもできる。情報処理装置1は、例えば、適切度差が大きいほど追加の報酬として高い報酬を対象利用者に付与する。報酬は、例えば、電子マネーの場合、金額が大きいほど高い報酬であり、ポイントや特典の場合、現金に換算したときの額が大きいほど高い報酬である。
【0085】
このように、情報処理装置1は、利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行よりも利用者Uによるタスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定し、タスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定した場合、タスクの再実行を利用者Uに依頼する。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0086】
また、情報処理装置1は、タスクの再実行を依頼した場合に、タスクの再実行の適切度を判定し、判定した適切度がタスクの前回の実行の適切度よりも高い場合に、タスクの前回の実行結果を削除し、発注者Oには提供しないことができる。これにより、情報処理装置1は、適切でない実行結果を低減することができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0087】
以下、このような処理を行う情報処理装置1および端末装置2,3を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。なお、以下においては、クラウドソーシング仲介サービス以外の情報処理装置1によって提供される電子商取引サービスに関する処理などについては説明を省略している。
【0088】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2と、複数の端末装置3とを含む。
【0089】
情報処理装置1は、クラウドソーシング仲介サービスを提供する。また、情報処理装置1は、ウェブ検索サービス、スケジュール管理サービス、経路案内サービス、路線情報提供サービス、動画配信サービス、音楽配信サービス、地図情報提供サービス、電子商取引サービスなどの各種のオンラインサービスも提供することができる。
【0090】
複数の端末装置2の各々は、互いに異なる利用者Uによって用いられる。複数の端末装置3の各々は、例えば、互いに異なる発注者Oによって用いられる。端末装置2,3の各々は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型のPC、デスクトップ型のPCなどであるが、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスやVRゴーグルなどであってもよい。
【0091】
情報処理装置1、端末装置2、および端末装置3は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1が複数含まれてもよい。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0092】
各端末装置2,3は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LANなどの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0093】
〔3.端末装置2〕
図3は、実施形態に係る端末装置2の構成の一例を示す図である。図3に示すように、実施形態に係る端末装置2は、通信部10と、表示部11と、操作部12と、センサ群13と、記憶部14と、処理部15とを備える。
【0094】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置1との間で情報の送受信を行う。
【0095】
〔3.2.表示部11〕
表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
【0096】
〔3.3.操作部12〕
操作部12は、例えば、文字、数字、およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボード、マウス、および電源ボタンなどを含む。表示部11は、タッチパネル対応ディスプレイである場合、操作部12はタッチパネルを含む。
【0097】
〔3.4.センサ群13〕
センサ群13は、例えば、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、測位センサ、マイク、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、およびイメージセンサなどを含む。測位センサは、端末装置2の位置を検出する位置センサである。
【0098】
温度センサは、端末装置2の周囲の温度を検出するセンサである。湿度センサは、端末装置2の周囲の湿度を検出するセンサである。照度センサは、端末装置2の周囲の照度を検出するセンサである。マイクは、端末装置2の周囲の音を検出するセンサである。
【0099】
加速度センサは、端末装置2の加速度を検出するセンサである。ジャイロセンサは、端末装置2の傾きおよび回転などの姿勢を検出するセンサである。地磁気センサは、地磁気を検出するセンサである。イメージセンサは、端末装置2の周囲を撮像するセンサである。
【0100】
〔3.5.記憶部14〕
記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0101】
記憶部14には、例えば、情報処理装置1から送信されネットワークNおよび通信部10を介して処理部15によって取得された情報およびセンサ群13によって検出された情報である検出情報などが記憶される。
【0102】
〔3.6.処理部15〕
処理部15は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、端末装置2内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0103】
処理部15は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。処理部15は、情報取得部16と、表示処理部17と、情報出力部18とを備える。
【0104】
〔3.6.1.情報取得部16〕
情報取得部16は、情報処理装置1から送信されネットワークNを介して通信部10で受信される種々の情報を取得する。情報処理装置1から端末装置2に送信される情報は、例えば、上述した実行用情報、依頼情報、報酬情報、および依頼情報などである。また、情報取得部16は、センサ群13によって検出された情報である検出情報をセンサ群13から取得する。
【0105】
〔3.6.2.表示処理部17〕
表示処理部17は、情報取得部16によって取得された情報を表示部11に表示させる。例えば、表示処理部17は、情報取得部16によって取得された情報を表示部11に表示させる。例えば、表示処理部17は、情報取得部16によって取得された実行用情報、依頼情報、および報酬情報などを表示部11に表示させる。
【0106】
〔3.6.3.情報出力部18〕
情報出力部18は、例えば、利用者Uによる操作部12への操作に応じた情報である操作情報を情報処理装置1へ通信部10を介して送信する。また、情報出力部18は、情報取得部16によって取得された検出情報を情報処理装置1へ通信部10を介して送信する。
【0107】
また、表示部11に依頼情報が表示されている状態で、利用者Uによる操作部12への操作によって利用者Uが実行を希望するタスクの選択が行われたとする。この場合、情報出力部18は、利用者Uが実行を希望するタスクを特定するための情報を含むタスク要求を情報処理装置1に対して通信部10を介して送信する。
【0108】
例えば、依頼情報に利用者Uが選択可能なタスクが複数含まれている場合、表示部11に表示される依頼情報には、タスク毎に承諾ボタンが含まれている。承諾ボタンが利用者Uによるクリックまたはタップなどによって選択された場合、端末装置2は、利用者Uによって選択されたタスクの実行を利用者Uが実行する可能にするためにタスク要求を情報処理装置1に送信する。かかるタスク要求には、利用者Uが選択したタスクを特定するための情報が含まれている。
【0109】
また、情報出力部18は、実行用情報に基づいて利用者Uが実行したタスクの実行結果を情報処理装置1に対して通信部10を介して送信する。
【0110】
〔4.情報処理装置1の構成〕
図4は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置1は、通信部20と、記憶部21と、処理部22とを有する。
【0111】
〔4.1.通信部20〕
通信部20は、例えば、NICなどによって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部20は、端末装置2,3との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0112】
〔4.2.記憶部21〕
記憶部21は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部21は、利用者情報記憶部30と、タスク情報記憶部31と、タスク実行結果記憶部32とを有する。
【0113】
〔4.2.1.利用者情報記憶部30〕
利用者情報記憶部30は、利用者Uに関する各種の情報を記憶する。図5は、実施形態に係る利用者情報記憶部30に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【0114】
図5に示す例では、利用者情報記憶部30に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID(Identifier)」、「属性情報」、「履歴情報」、「コンテキスト情報」、および「設定情報」といった項目の情報を含む。
【0115】
「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別子であり、利用者U毎に付される情報である。「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの属性を示す属性情報である。利用者Uの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0116】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといった利用者Uの興味関心を有する対象である。
【0117】
「履歴情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uのオンラインサービスにおける行動履歴の情報を含む履歴情報である。利用者Uのオンラインサービスにおける行動履歴の情報は、例えば、利用者Uのオンラインサービスにおける検索履歴情報、閲覧履歴情報、取引履歴情報、および設定履歴情報などを含む。
【0118】
利用者Uの検索履歴情報は、例えば、ウェブ検索サービスにおける利用者Uによる検索履歴の情報などを含む。利用者Uの閲覧履歴情報は、例えば、オンラインサービスにおける利用者Uによるコンテンツの閲覧履歴の情報などを含む。利用者Uの取引履歴の情報は、オンラインサービスにおける利用者Uによる商品の取引履歴の情報などを含む。
【0119】
「コンテキスト情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの現在または将来のコンテキストの情報であるコンテキスト情報である。かかるコンテキスト情報は、端末装置2から送信される検出情報に基づいて特定される利用者Uのコンテキスト、または処理部22によって推定される利用者Uのコンテキストの履歴情報などを含む。
【0120】
利用者Uのコンテキストは、利用者Uの状況であり、例えば、利用者Uの周囲の状況、利用者Uの運動状態、利用者Uの姿勢、利用者Uの感情、利用者Uの現在位置、利用者Uが置かれた物理環境などを含む。
【0121】
「設定情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの設定情報であり、例えば、利用者Uによって設定され、利用者Uのアカウントに紐付けられたスケジュール情報、電子メール情報などである。
【0122】
〔4.2.2.タスク情報記憶部31〕
タスク情報記憶部31は、各発注者Oから提供されるタスク情報を記憶する。図6は、実施形態に係るタスク情報記憶部31に記憶されるタスク情報テーブルの一例を示す図である。
【0123】
図6に示す例では、タスク情報記憶部31に記憶されるタスク情報テーブルは、「タスクID」、「内容情報」、「実行用情報」、「条件情報」、および「必要実行数」といった項目の情報を含む。
【0124】
「タスクID」は、タスクを識別する識別子であり、タスク毎に付される情報である。「内容情報」は、「タスクID」に対応付けられたタスクの内容を示す情報であり、例えば、タスクの種別、タスクの概要、タスク実行時のコンテキストの情報などを含む。条件情報は、内容情報に含まれてもよい。「実行用情報」は、「タスクID」に対応付けられたタスクを利用者Uに実行させるための情報を含む情報であり、上述した実行用情報である。
【0125】
「条件情報」は、「タスクID」に対応付けられたタスクを実行する際の条件を示す情報であり、上述した条件情報である。「必要実行数」は、「タスクID」に対応付けられたタスクの必要実行数を示す情報であり、発注者Oによって設定される情報である。
【0126】
〔4.2.3.タスク実行結果記憶部32〕
タスク実行結果記憶部32は、利用者Uによるタスクの実行結果を記憶する。図7は、実施形態に係るタスク実行結果記憶部32に記憶されるタスク実行結果テーブルの一例を示す図である。
【0127】
図7に示す例では、タスク実行結果記憶部32に記憶されるタスク実行結果テーブルは、「実行ID」、「タスクID」、「利用者ID」、「実行結果」、および「コンテキスト情報」といった項目の情報を含む。
【0128】
「実行ID」は、タスクの実行結果を識別する識別子であり、タスクの実行結果毎に付される情報である。「タスクID」は、「実行ID」に対応する実行結果のタスクを識別する識別子であり、図6に示すタスクIDと同じである。
【0129】
「利用者ID」は、「実行ID」に対応する実行結果のタスクを実行した利用者Uを識別する識別子であり、図5に示す利用者IDと同じである。「実行結果」は、「実行ID」に対応する実行結果である。「コンテキスト情報」は、「実行ID」に対応する実行結果のタスクを利用者Uが実行したときの利用者Uのコンテキストの情報である。
【0130】
〔4.3.処理部22〕
処理部22は、コントローラであり、例えば、CPU、MPUなどのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMなどを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部22は、例えば、ASIC、FPGA、GPGPUなどの集積回路によって一部または全部が実現されてもよい。
【0131】
図4に示すように、処理部22は、取得部40と、受付部41と、推定部42と、依頼部43と、タスク部44と、報酬付与部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部22の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0132】
〔4.3.1.取得部40〕
取得部40は、外部の情報処理装置や端末装置2,3などから通信部20を介して種々の情報を取得し、取得した情報を記憶部21に記憶させる。
【0133】
例えば、取得部40は、外部の情報処理装置または端末装置2などから通信部20を介して利用者Uの情報である利用者情報を取得し、取得した利用者情報を利用者情報記憶部30の利用者情報テーブルに追加する。
【0134】
また、取得部40は、記憶部21から各種の情報を取得する。例えば、取得部40は、利用者Uの情報である利用者情報を利用者情報記憶部30などから取得する。取得部40によって取得される利用者情報は、例えば、上述した属性情報、履歴情報、コンテキスト情報、および設定情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0135】
また、取得部40は、端末装置2から送信され受付部41によって受け付けられた検出情報で示されるコンテキストの情報をコンテキスト情報として取得する。例えば、検出情報には、利用者Uの周囲の明るさ、温度、湿度、音の大きさや周波数などの情報、利用者Uの位置を示す情報、端末装置2の姿勢などを示す情報などが含まれている。取得部40は、検出情報で示される利用者Uの周囲の明るさ、温度、湿度、音の大きさや周波数などの情報をコンテキスト情報として取得する。
【0136】
また、取得部40は、利用者Uに実行させるタスクの情報であるタスク情報をタスク情報記憶部31などから取得する。取得部40によって取得されるタスク情報は、例えば、上述した内容情報、実行用情報、条件情報、および実行必要数の情報のうちの少なくとも1つ以上の情報一部または全部を含む。
【0137】
また、取得部40は、タスクの実行結果に関する情報をタスク実行結果記憶部32のタスク実行結果テーブルから取得する。取得部40によって取得される実行結果に関する情報は、例えば、上述したタスクID、利用者ID、実行結果、およびコンテキストの情報のうちの少なくとも1つ以上の情報一部または全部を含む。実行結果およびコンテキストの情報を含む情報は、タスク実行履歴情報に含まれる情報の一例であるが、かかる例に限定されない。なお、タスク実行履歴情報には、上述したように、タスクの実行中に端末装置2に設けられたセンサ群13における1以上のセンサによって検出される情報である検出情報が含まれる。
【0138】
例えば、取得部40は、利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行結果を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する。また、取得部40は、対象利用者である利用者U以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行結果を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する。また、取得部40は、対象利用者である利用者Uを含む複数の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行結果を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する。
【0139】
また、取得部40は、利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行過程におけるタスクの実行状態に関する情報を含む実行状態情報を取得する。また、取得部40は、対象利用者以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行状態情報を取得する。また、取得部40は、対象利用者を含む複数の利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行状態情報を取得する。
【0140】
〔4.3.2.受付部41〕
受付部41は、外部の情報処理装置や端末装置2,3などから通信部20を介して種々の要求や情報を受け付ける。
【0141】
例えば、受付部41は、端末装置3から送信されるタスク毎の発注情報を受け付ける。発注情報には、上述したタスク情報や必要実行数の情報などが含まれる。タスク情報には、上述した実行用情報、条件情報、および内容情報などが含まれる。
【0142】
実行用情報は、上述したように、利用者Uにタスクを実行させるための情報などを含む。条件情報は、上述したように、タスクを実行する際の利用者Uのコンテキストを規定する情報を含む。利用者Uのコンテキストは、利用者Uの状況であり、利用者Uの周囲の状況を含む。内容情報は、タスクの内容(例えば、タスクの種別、タスクの概要、タスク実行時のコンテキストの情報など)を示す情報を含む。条件情報は、内容情報に含まれてもよい。受付部41は、受け付けた発注情報をタスク情報記憶部31のタスク情報テーブルに追加する。
【0143】
また、受付部41は、端末装置2から送信される実行結果を受け付ける。かかる実行結果は、利用者Uによるタスクの実行結果である。受付部41は、受け付けた実行結果をタスク実行結果記憶部32のタスク実行結果テーブルに追加する。
【0144】
また、受付部41は、端末装置2から送信されるタスク一覧要求を受け付ける。タスク一覧要求には、例えば、利用者IDなどが含まれている。かかるタスク一覧要求は、利用者Uが端末装置2を操作して、タスクの一覧の表示を希望した場合に、端末装置2から情報処理装置1に送信される。
【0145】
また、受付部41は、端末装置2から送信されるタスク要求を受け付ける。タスク要求には、例えば、利用者IDおよびタスクIDなどが含まれている。かかるタスク要求は、利用者Uが端末装置2を操作して、実行を希望するタスクを選択した場合に、端末装置2から情報処理装置1に送信される。
【0146】
また、受付部41は、上述した検出情報を端末装置2から通信部20を介して受け付ける。検出情報には、端末装置2のセンサ群13に含まれる複数のセンサの各々によって検出された情報が含まれる。
【0147】
〔4.3.3.推定部42〕
推定部42は、例えば、受付部41によって受け付けられた情報や取得部40によって取得された情報に基づいて、種々の推定を行う。例えば、推定部42は、利用者Uの現在または将来のコンテキストを推定したり、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定したりする。
【0148】
〔4.3.3.1.コンテキストの推定〕
推定部42は、受付部41によって受け付けられた検出情報または取得部40によって取得された利用者情報などに基づいて、利用者Uの現在または将来のコンテキストを推定する。
【0149】
取得部40によって取得される利用者情報には、利用者Uが検索または閲覧した情報や利用者Uが設定した将来の情報などが含まれる。利用者Uが検索または閲覧した情報は、履歴情報に含まれる情報であり、利用者Uが設定した将来の情報は、上述した設定情報に含まれる情報である。
【0150】
推定部42は、例えば、受付部41によって受け付けられた検出情報に基づいて、利用者Uの現在または将来のコンテキストを推定する。例えば、推定部42は、検出情報に含まれる利用者Uの位置を示す情報や端末装置2の姿勢などを示す情報などに基づいて、利用者Uがいる場所、利用者Uの動作状態、利用者Uの姿勢などを推定する。
【0151】
例えば、推定部42は、検出情報に含まれる利用者Uの位置を示す情報に基づいて、利用者Uの位置が路線上を予め設定された速度以上で移動していると判定した場合、利用者Uのいる場所が電車の中であると推定する。
【0152】
また、推定部42は、検出情報に含まれる利用者Uの位置を示す情報に基づいて、利用者Uの位置が飲食店の位置で予め定められた時間以上留まっていると判定した場合、利用者Uのいる場所が飲食店内であると推定する。
【0153】
また、推定部42は、検出情報に含まれる端末装置2の姿勢を示す情報に基づいて、端末装置2の表示面が下方側に向いていると判定した場合、利用者Uが仰向けになっている状態であると推定する。また、推定部42は、検出情報に含まれる端末装置2の姿勢を示す情報に基づいて、端末装置2の表示面が水平方向側に向いていると判定した場合、利用者Uが立っているまたは座っている状態であると推定する。
【0154】
また、推定部42は、利用者Uが検索または閲覧した情報、利用者Uが設定した情報、利用者Uが購入した情報に基づいて、利用者Uの現在または将来のコンテキストを推定する。
【0155】
例えば、利用者Uが検索または閲覧した情報が、路線情報提供サービスで利用者Uが設定した出発駅および到着駅と検索された出発時間および到着時間とが含まれる路線情報であるとする。この場合、推定部42は、かかる路線情報に基づいて、検索された出発時間から到着時間までの間に、利用者Uが電車に乗っていると推定する。
【0156】
また、利用者Uが閲覧した情報が、予約サイトの情報であって利用者Uによる店舗の予約の情報である予約情報であるとする。この場合、推定部42は、かかる予約情報に基づいて、利用者Uによる店舗の予約日時から予め定められた期間までの間、利用者Uが予約した店舗にいると推定する。
【0157】
また、利用者Uが閲覧した情報が、予約サイトの情報であって利用者Uによる店舗の予約の情報である予約情報であるとする。予約情報は、予約対象の店舗である予約対象店舗の情報、予約対象店舗への来店予定日時の情報などを含む。この場合、推定部42は、かかる予約情報に基づいて、予約情報で示される来店予定日時から予め定められた期間までの間、予約情報で示される予約対象店舗に利用者Uがいると推定する。
【0158】
また、利用者Uが購入した情報が、コンサートや試合などのイベントのチケットの情報であるとする。この場合、推定部42は、イベントのチケットの情報に基づいて、イベントが開催される時間に、イベントが開催される場所に利用者Uがいると推定する。
【0159】
また、推定部42は、利用者Uが設定した将来の情報に基づいて、利用者Uの現在または将来のコンテキストを推定する。例えば、利用者Uが設定した将来の情報が、スケジュール管理サイトまたは端末装置2に利用者Uが設定したスケジュールの情報であるとする。スケジュールの情報には、例えば、利用者Uが行く予定の場所や時間の情報などが含まれている。この場合、推定部42は、利用者Uが設定したスケジュールの情報に基づいて、利用者Uの現在または将来のコンテキストを推定する。
【0160】
推定部42は、推定したコンテキストの情報を利用者情報記憶部30の利用者情報テーブルに追加する。
【0161】
〔4.3.3.2.適切さの推定〕
推定部42は、取得部40によって取得された情報に基づいて、推定対象となる利用者Uである対象利用者による端末装置2を用いたタスクの今回の実行より対象利用者によるタスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する。
【0162】
推定部42は、例えば、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、再実行の方が適切な実行結果になるか否かを判定する。タスク実行履歴情報に含まれる実行履歴は、タスクの過去の実行結果、タスクの実行中に端末装置2に設けられた1以上のセンサによって検出される情報である検出情報などが含まれる。
【0163】
「再実行」は、タスクの繰り返しの実行における最初の実行以外の実行であり、例えば、初回の実行に対する再実行であれば、2回目の実行であり、2回目の実行に対する再実行であれば、3回目の実行である。上述したように、再実行の1つ前の実行を前回の実行と記載する場合がある。
【0164】
また、「複数回の実行」は、同時期における複数回の実行であるが、互いに異なる時期における1回以上の実行を含んでいてもよい。同時期とは、例えば、複数回の実行において前回の実行と再実行との間の間隔が予め定められた期間(例えば、5分)内であることを意味する。また、異なる期間とは、例えば、互いの期間が予め定められた期間(例えば、5分)を超えることを意味する。
【0165】
「同一のタスク」は、対象利用者が端末装置2を用いて過去に実行したタスクであり、例えば、適切さの判定対象となるタスクであるが、適切さの判定対象となるタスクの種別に含まれる他のタスクであってもよく、それ以外のタスクであってもよい。
【0166】
推定部42は、例えば、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、同一のタスクの複数回の実行の各々の適切度を判定する。そして、推定部42は、対象利用者による同一のタスクの複数回の実行においてタスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0167】
例えば、推定部42は、タスク実行履歴情報に含まれるタスクの実行結果に基づいて、タスクの実行の適切度を判定する。タスクの実行の適切度は、例えば、タスクがアンケート型タスクである場合、設問に対する回答速度が予め定められた範囲に近いほど高く判定される。なお、タスクの実行の適切度は、回答速度が予め定められた範囲である場合に最も高い。予め定められた範囲は、例えば、複数の利用者Uによる設問に対する回答速度の履歴に基づいて自動的または手動で設定される。予め定められた範囲は、例えば、標準偏差1σの範囲などであるが、かかる例に限定されず、種々の方法で設定することができる。
【0168】
また、タスクの実行の適切度は、タスクがアンケート型タスクである場合、例えば、利用者Uによる設問に対する回答が外れ値である数が多いほど低く判定される。外れ値である回答は、回答が複数の選択肢から選択される回答である場合に複数の選択肢のいずれにも該当しない回答であるが、統計的な外れ値であってもよい。
【0169】
また、タスクの実行の適切度は、例えば、タスクがアノテーションである場合、タグ付けの速さが予め定められた範囲に近いほど高く判定される。なお、タスクの実行の適切度は、タグ付けの速さが予め定められた範囲である場合に最も高い。予め定められた範囲は、例えば、複数の利用者Uによるタグ付けの速さの履歴に基づいて自動的または手動で設定される。予め定められた範囲は、例えば、標準偏差1σの範囲などであるが、かかる例に限定されず、種々の方法で設定することができる。
【0170】
また、タスクの実行の適切度は、タスクがアノテーションである場合、例えば、利用者Uによるタグ付けが外れ値である数が多いほど低く判定される。タスクがアノテーションである場合の外れ値は、例えば、想定されていないタグの情報であり、例えば、タグ付けされた範囲の大きさが予め定められた大きさの範囲内にない場合や、タグが選択肢から選択される場合に複数の選択肢のいずれにも該当しない場合などであるが、統計的な外れ値であってもよい。
【0171】
また、タスクの実行の適切度は、例えば、操作型タスクである場合、操作の回数が予め定められた範囲に近いほど高く判定される。なお、タスクの実行の適切度は、操作の回数が予め定められた範囲である場合に最も高い。予め定められた範囲は、例えば、複数の利用者Uによる操作の回数の履歴に基づいて自動的または手動で設定される。予め定められた範囲は、例えば、標準偏差1σの範囲などであるが、かかる例に限定されず、種々の方法で設定することができる。操作の種別が複数あるタスクである場合、各種別の操作の回数の適切度の重み付け加算によってタスクの実行の適切度が判定される。
【0172】
推定部42は、例えば、検出情報に含まれる撮像画像で利用者Uの顔の向きや利用者Uの視線の向きが端末装置2に向いている割合(例えば、タスクの実行時間に対する比)が予め定められた範囲(例えば、閾値以上の範囲)に近いほど、タスクの実行の適切度が高く判定する。なお、タスクの実行の適切度は、利用者Uの顔の向きや利用者Uの視線の向きが端末装置2に向いている割合が予め定められた範囲である場合に最も高い。
【0173】
また、推定部42は、タスク情報に条件情報が含まれる場合において、検出情報に基づいて、利用者Uがタスクを実行している際の利用者Uのコンテキストを推定し、推定したコンテキストとタスク情報の条件情報で規定されるコンテキストとの一致度を適切度として判定することもできる。「一致度」は、例えば、0~1の範囲内の値である。
【0174】
例えば、タスク情報の条件情報で規定されるコンテキストが「レストラン内」であり、推定したコンテキストが「レストラン内」である場合、一致度は「1」である。また、タスク情報の条件情報で規定されるコンテキストが「屋外の雨の中を移動中」であり、推定したコンテキストが「屋外の雨の中を停止中」である場合、2項目のうち1項目が一致しているため、一致度は、「0.5」である。
【0175】
なお、条件情報で規定されるコンテキストが複数の項目で規定される場合、項目毎の値を加算した値が一致度として算出される。項目毎の値は、互いに同じであってもよく、互いに異なる値であってもよい。
【0176】
また、推定部42は、同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を入力とし、タスクの実行の適切度を出力する適切度推定モデルを用いて、タスクの実行の適切度を判定することもできる。適切度推定モデルは、例えば、実行情報とタスクの実行の正当性の有無とを含む学習用データを用いた機械学習によって生成される。
【0177】
適切度推定モデルにおいて、実行の正当性は、例えば、利用者Uが真面目にタスクを実行した場合に有とされ、利用者Uが不真面目にタスクを実行した場合に無とされる。真面目にタスクを実行とは、適切にタスクを実行であるとも言え、不真面目にタスクを実行とは、不適切にタスクを実行であるとも言える。
【0178】
不真面目にタスクを実行するとは、設問型タスクである場合、例えば、設問を見ずに回答したり、プログラムコードを用いて自動で回答したりするなどであり、タスクがアノテーションである場合、実行用情報で示される指示内容を見ずにタグ付けを行うことなどである。また、不真面目にタスクを実行するとは、操作型タスクである場合、実行用情報で示される指示内容を見ずに操作したり、操作回数が異常に多いまたは少なかったりなどである。また、不真面目にタスクを実行することには、タスクを途中で中止することも含まれる。
【0179】
上述した例では、不真面目にタスクを実行していない場合を例示し、不真面目にタスクを実行していない場合に真面目にタスクを実行しているとして学習用データが生成されるが、真面目にタスクを実行する場合を例示してもよい。この場合、真面目にタスクを実行していない場合、不真面目にタスクを実行しているとして学習用データが生成されてもよい。
【0180】
適切度推定モデルの機械学習において学習用データにおけるタスクの実行の正当性の有無は、タグ(ラベル)として用いられ、かかるタグは、例えば、利用者Uに実行させるタスクなどによって付されるが、かかる例に限定されない。また、推定部42は、実行状態情報を入力とし、タスクの実行状態の適切度を出力する適切度推定モデルを用いて、タスクの実行状態の適切度を判定することもできる。
【0181】
また、推定部42は、タスク実行履歴情報に含まれる検出情報に基づいて、タスクの適切度を判定することもできる。検出情報には、例えば、イメージセンサ(カメラ)によって撮像された利用者Uの撮像画像、利用者Uの周囲の明るさ、温度、湿度、音の大きさや周波数などの情報、利用者Uの位置を示す情報、端末装置2の姿勢などを示す情報などが含まれている。
【0182】
また、タスクの実行の適切度は、例えば、適切でないことを示す第1の値(例えば、0)と、適切であることを示す第2の値(例えば、1)との2段階であってもよい。例えば、推定部42は、利用者Uがタスクを実行している際の利用者Uのコンテキストが予め定められるコンテキストである場合に、適切度を第1の値と判定し、そうでない場合に、適切度を第2の値と判定することもできる。
【0183】
予め定められるコンテキストは、例えば、利用者Uの周囲の照度が明る過ぎる(例えば、照度が閾値以上である)、利用者Uの周囲の湿度が明る過ぎる(例えば、湿度が閾値以上である)、利用者Uの場所の振動が大きすぎる(例えば、振動が閾値以上である)などである。また、予め定められるコンテキストは、例えば、利用者Uが走っている状態、利用者Uが歩いている状態などであってもよい。
【0184】
また、推定部42は、タスク情報に条件情報が含まれる場合において、検出情報などによって推定される利用者Uのコンテキストがタスク情報に含まれる条件情報で規定されるコンテキストと一致する場合に、適切度を第2の値と判定し、そうでない場合に、適切度を第1の値と判定することもできる。
【0185】
推定部42は、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの過去の実行における適切度と実行回数との関係に基づいて、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあるか否かを判定する。
【0186】
例えば、推定部42は、タスクの前回の実行が初回のタスクの実行である場合、初回のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)よりも2回目のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)の方が高い場合に、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定する。
【0187】
また、推定部42は、タスクの前回の実行が2回目のタスクの実行である場合、2回目のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)よりも3回目のタスクの実行の適切度(または適切度の平均値)の方が高い場合に、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定する。
【0188】
推定部42は、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0189】
また、推定部42は、対象利用者による端末装置2を用いた同一のタスクの過去の実行における適切度と実行回数との相関係数を算出し、かかる相関係数が正の閾値以上である場合に、タスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定することもできる。
【0190】
また、推定部42は、対象利用者以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。推定部42は、複数の他の利用者Uによる同一のタスクの複数回の実行においてタスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0191】
また、推定部42は、対象利用者を含む複数の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。推定部42は、複数の利用者Uによる同一のタスクの複数回の実行においてタスクの前回の実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0192】
また、推定部42は、対象利用者による端末装置2を用いたタスクの実行過程におけるタスクの実行状態に関する情報を含む実行状態情報に基づいて、実行状態情報に含まれるタスクの実行過程においてタスクの実行状態の適切度が高くなる傾向にあるか否かを判定することもできる。
【0193】
実行状態情報に含まれる実行状態に関する情報には、例えば、実行過程におけるタスクの実行結果、実行過程において端末装置2に設けられた1以上のセンサによって検出される情報である検出情報などが含まれる。タスクの実行状態の適切度の判定方法は、上述したタスクの実行の適切度の判定方法と同じである。
【0194】
実行状態情報は、例えば、対象タスクの対象利用者による実行過程において、端末装置2から繰り返し送信される情報であるが、かかる例に限定されない。例えば、実行状態情報は、対象利用者によるタスクの過去の実行過程において端末装置2から送信される実行状態情報を複数含むタスク実行履歴に含まれる情報であってもよい。
【0195】
推定部42は、タスクの実行過程においてタスクの実行状態の適切度が高くなる傾向にあると判定した場合に、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になると推定する。
【0196】
例えば、推定部42は、タスクの実行過程において、タスクの実行状態の適切度を繰り返し判定する。タスクの実行状態の適切度の判定方法は、タスクの実行の適切度の判定方法と同じである。
【0197】
推定部42は、タスクの実行過程におけるタスクの実行状態の適切度とタスクの実行が開始してからの経過時間との関係に基づいて、タスクの実行過程においてタスクの実行状態の適切度が高くなる傾向にあるか否かを判定する。
【0198】
推定部42は、例えば、タスクの実行過程におけるタスクの実行状態の適切度とタスクの実行が開始してからの経過時間との相関係数を算出し、かかる相関係数が正の閾値以上である場合に、実行中またはタスクの前回の実行状態の適切度よりも次の実行状態の適切度が高い傾向にあるか否かを判定することもできる。
【0199】
また、推定部42は、対象利用者以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行状態情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。また、推定部42は、対象利用者を含む複数の利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行状態情報に基づいて、タスクの前回の実行よりも再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定することもできる。
【0200】
〔4.3.4.依頼部43〕
依頼部43は、例えば、受付部41によってタスク一覧要求が受け付けられた場合、タスク一覧要求の送信元の端末装置2に対して、通信部20を介してタスク一覧情報を含む依頼情報を送信することで、利用者Uにタスクの実行を依頼する。タスク一覧情報は、タスクの一覧を示す情報であって利用者Uが希望するタスクを選択可能な情報である。
【0201】
依頼部43は、例えば、タスク情報で特定される状況で利用者Uが実行可能なタスクである実行可能タスクを抽出し、抽出した実行可能タスクの一覧を示す情報をタスク一覧情報として生成する。そして、依頼部43は、生成したタスク一覧情報を含む依頼情報を利用者Uの端末装置2に送信する。
【0202】
依頼部43は、利用者Uに実行を依頼するタスクとして複数のタスクがある場合において、例えば、予め定められた基準に従った順位で複数のタスクを並べたタスク一覧情報を生成することができる。
【0203】
例えば、依頼部43は、ポイント換算で報酬が高い順に複数のタスクを並べたタスク一覧情報を生成することができる。ポイント換算で報酬が最も高いタスクが最も順位が高く、タスクの順はポイント換算で報酬が少なくなるほど低くなる。
【0204】
順位が上位のタスクほど利用者Uによって見やすい位置に配置される。例えば、タスク一覧情報が複数のタスクを上下方向に並べた情報である場合、最上位の位置は、最も上方の位置であり、下方の位置になるにつれて順位が低くなる。
【0205】
また、依頼部43は、利用者Uのコンテキストが条件情報で規定されるコンテキストになるタイミングが早いタスクから順に複数のタスクを並べたタスク一覧情報を生成することができる。利用者Uのコンテキストが条件情報で規定されるコンテキストになるタイミングが最も早いタスクが最も順位が高く、タスクの順は利用者Uのコンテキストが条件情報で規定されるコンテキストになるタイミングが遅くなるほど低くなる。
【0206】
また、依頼部43は、推定部42によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、タスクの再実行を対象利用者に依頼する。例えば、依頼部43は、再実行依頼情報を対象利用者の端末装置2に送信することによって、タスクの再実行を対象利用者に依頼する。
【0207】
実行依頼情報は、例えば、タスクの再実行を依頼する旨を示す情報と、再実行を対象利用者が承諾する際に選択する承諾ボタンとを含み、対象利用者の端末装置2に表示される。端末装置2に表示される承諾ボタンが対象利用者によるクリックまたはタップなどによって選択された場合、端末装置2は、再実行の対象となるタスクである対象タスクを特定するための情報を含むタスク要求を情報処理装置1に送信する。これにより、情報処理装置1から対象タスクの実行用情報が対象利用者の端末装置2に送信され、対象利用者による対象タスクの再実行が行われる。
【0208】
また、依頼部43は、推定部42によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された複数の利用者Uのうち予め定められた規則によって選択またはランダムに選択された利用者Uにタスクの再実行を依頼する。
【0209】
すなわち、依頼部43は、推定部42によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合において、予め定められた規則に従ってまたはランダムに、ステップS2において依頼したタスクと同じタスクの再実行を利用者Uに依頼するか否かを判定し、再実行を依頼すると判定した利用者Uに対してタスクの再実行を依頼する。
【0210】
「予め定められた規則」は、例えば、タスクの前回の実行の適切度に対してタスクの再実行の適切度が高いほど高い確率で、再実行の依頼を行うといった規則、タスクの前回の実行の適切度に対してタスクの再実行の適切度が閾値以上である場合に再実行の依頼を行うといった規則などであるが、かかる例に限定されない。
【0211】
例えば、「予め定められた規則」は、タスクの実行の適切度の平均値が閾値以上である利用者Uに再実行の依頼を行うといった規則、タスクの実行の適切度の平均値が上位10%である利用者Uに再実行の依頼を行うといった規則、タスクの実行の適切度の平均値が閾値以上であり且つタスクの実行の適切度のばらつきが予め定められた範囲内である利用者Uに再実行の依頼を行うといった規則などであってもよい。
【0212】
〔4.3.5.タスク部44〕
タスク部44は、タスク情報に基づいて利用者Uにタスクを実行させる。タスク部44は、タスク情報に含まれる実行用情報を利用者Uの端末装置2に送信することによって、利用者Uにタスクを実行させる。
【0213】
例えば、タスク部44は、受付部41によってタスク要求が受け付けられた場合に、タスク要求で特定されるタスクのタスク情報に含まれる実行用情報を利用者Uの端末装置2に送信することによって、利用者Uにタスクを実行させる。
【0214】
〔4.3.6.報酬付与部45〕
報酬付与部45は、受付部41によって実行結果が受け付けられた場合に利用者Uに報酬を付与する。
【0215】
利用者Uに付与される報酬は、例えば、電子マネー、ポイント、または各種の特典などである。ポイントは、例えば、オンラインサイトなどで商品の購入やサービスの利用などに用いられる価値(バリュー)である。特典は、例えば、クーポン、商品券、サービス利用券などであるが、かかる例に限定されない。
【0216】
報酬付与部45は、例えば、オンラインサービスにおいてタスクを実行した利用者Uのアカウントやウォレットにタスクに応じた額の電子マネーやタスクに応じたポイントを追加することによって、タスクを実行した利用者Uに報酬を付与する。また、報酬付与部45は、例えば、特典を示す情報である報酬情報を端末装置2で表示可能に端末装置2に送信することで、タスクを実行した利用者Uに報酬を付与する。また、報酬は、現金でもよく、この場合、報酬付与部45は、例えば、銀行口座を介した現金の入金処理などによって報酬を利用者Uに付与する。
【0217】
報酬付与部45は、例えば、実行された頻度または実行された回数が絶対的または相対的に少ないタスクほど、利用者Uに付与する報酬を高く決定する。実行された回数が相対的に少ないタスクは、例えば、実行必要数に対する実行数の比が実行結果収集期間に対する経過期間の比よりも少ないタスクである。
【0218】
報酬は、例えば、電子マネーの場合、金額が大きいほど高い報酬であり、ポイントや特典の場合、現金に換算したときの額が大きいほど高い報酬である。利用者Uに付与する報酬を示す情報は、依頼情報に含まれてもよい。これにより、利用者Uによってタスクが実行される可能性を高めることができる。
【0219】
また、報酬付与部45は、依頼部43によって利用者Uに依頼したタスクの再実行が利用者Uによって行われた場合に、利用者Uに対し、タスクの実行による報酬に加えて追加の報酬を付与する。追加の報酬は、タスクの前回の実行による報酬と同じ種別の報酬であってもよく、タスクの前回の実行による報酬と異なる報酬であってもよい。報酬の種別は、例えば、電子マネー、ポイント、または各種の特典である。
【0220】
また、報酬付与部45は、利用者Uによるタスクの実行の適切度とタスクの再実行の適切度との差に基づいて、追加の報酬を決定することもできる。報酬付与部45は、例えば、適切度差が大きいほど追加の報酬として高い報酬を対象利用者に付与する。報酬は、例えば、電子マネーの場合、金額が大きいほど高い報酬であり、ポイントや特典の場合、現金に換算したときの額が大きいほど高い報酬である。
【0221】
〔5.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部22による情報処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部22による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0222】
図8に示すように、情報処理装置1の処理部22は、端末装置3から送信されるタスク情報を取得したか否かを判定する(ステップS10)。処理部22は、タスク情報を取得したと判定すると(ステップS10:Yes)、取得したタスク情報を記憶部21に記憶させる(ステップS11)。
【0223】
処理部22は、ステップS11の処理が終了した場合、またはタスク情報を取得していないと判定した場合(ステップS10:No)、推定タイミングになったか否かを判定する(ステップS12)。推定タイミングは、例えば、予め定められた期間毎に到来するタイミング、またはタスク情報を取得する毎のタイミングなどであるが、かかる例に限定されない。
【0224】
処理部22は、推定タイミングになったと判定した場合(ステップS12:Yes)、各利用者Uのコンテキストを推定する(ステップS13)。処理部22は、ステップS13の処理が終了した場合、または推定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS12:No)、タスク通知タイミングになったか否かを判定する(ステップS14)。タスク通知タイミングは、例えば、予め定められた期間毎に到来するタイミング、またはタスク情報を取得する毎のタイミングなどであるが、かかる例に限定されない。
【0225】
処理部22は、タスク通知タイミングになったと判定した場合(ステップS14:Yes)、依頼情報を利用者Uの端末装置2に送信してタスクの実行を利用者Uに依頼する(ステップS15)。
【0226】
処理部22は、ステップS15の処理が終了した場合、またはタスク通知タイミングになっていないと判定した場合(ステップS14:No)、タスク要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。処理部22は、タスク要求を受け付けたと判定した場合(ステップS16:Yes)、受け付けたタスク要求で特定されるタスクのタスク情報に含まれる実行用情報を送信する(ステップS17)。
【0227】
処理部22は、ステップS17の処理が終了した場合、またはタスク要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS16:No)、再実行判定タイミングになったか否かを判定する(ステップS18)。再実行判定タイミングは、例えば、タスクの実行結果を取得したタイミング、タスクの実行過程におけるタイミング、または予め定められた期間毎に到来するタイミングなどであるが、かかる例に限定されない。
【0228】
処理部22は、再実行判定タイミングになったと判定した場合(ステップS18:Yes)、再実行有無推定処理を行う(ステップS19)。再実行有無推定処理は、スクの再実行の方が適切な実行結果になると推定されるか否かを行う処理である。
【0229】
処理部22は、ステップS19の処理が終了した場合、または再実行判定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS18:No)、ステップS19において実行用情報を送信した端末装置2から送信された実行結果を受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。処理部22は、実行結果を受け付けたと判定した場合(ステップS20:Yes)、実行結果を送信した端末装置2の利用者Uに報酬を付与する(ステップS21)。
【0230】
処理部22は、ステップS21の処理が終了した場合、または実行結果を受け付けていないと判定した場合(ステップS20:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS22)。処理部22は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0231】
処理部22は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS22:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS22:Yes)、図8に示す処理を終了する。
【0232】
〔6.その他〕
上述した適切度推定モデルなどのモデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、またはディープニューラルネットワークなどのニューラルネットワークによる機械学習によって生成されるが、かかる例に限定されない。
【0233】
例えば、学習モデルは、ニューラルネットワークに代えて、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)、線形回帰またはロジスティック回帰といった学習アルゴリズムによる機械学習を用いて生成されてもよい。
【0234】
依頼部43は、タスクの再実行の依頼として、タスクのすべての再実行を依頼するのではなく、タスクにおける適切度が閾値以下である部分だけを再実行させてもよい。
【0235】
また、タスク部44は、前回のタスクの実行の適切度が閾値以下である場合に、タスクのUIの位置、タスクのレイアウト、タスクのデザイン、タスクの実行順番などのうちの少なくとも1つの変更を行った実行用情報を生成し、生成した実行情報を再実行の対象となる利用者Uの端末装置2に送信することもできる。
【0236】
また、依頼部43は、前回のタスクの実行が終了してから予め定められた期間内に利用者Uに再実行の依頼を行ったり、前回のタスクの実行が終了してから予め定められた期間後であって利用者Uの状態が予め定められた条件を満たす場合に利用者Uに再実行の依頼を行ったりすることができる。
【0237】
また、依頼部43は、再実行をまとめて行う複数のタスクを判定し、これらの複数のタスクの実行をまとめて提案することもできる。再実行をまとめて行う複数のタスクは、例えば、タスクの種別が同じタスク、まとめて行うと適切度が閾値以上になる傾向にあるタスクなどであるが、かかる例に限定されない。
【0238】
予め定められた条件は、例えば、利用者Uの空き時間であるという条件、適切度が閾値以上になると推定される利用者Uのコンテキストにあるという条件、適切度が高くなると推定される時間帯にあるという条件などであるが、かかる例に限定されない。適切度が閾値以上になると推定される利用者Uのコンテキストや適切度が高くなると推定される時間帯は、取得部40によって取得された情報に基づいて、推定部42によって推定される。
【0239】
例えば、推定部42は、判定したタスクの実行の適切度とタスクの実行時のコンテキストとに基づいて、適切度が閾値以上になる利用者Uのコンテキストを推定することができる。また、推定部42は、判定したタスクの実行の適切度とタスクの実行時の時間帯に基づいて、適切度が閾値以上になる時間帯を推定することができる。
【0240】
また、タスク部44は、タスクの実行過程において推定部42によってタスクの実行状態の適切度が判定された場合、タスクの実行状態の適切度に応じた予測報酬を示す予測報酬情報を生成し、生成した予測情報を端末装置2に送信することもできる。これにより、端末装置2に予測報酬が表示され、タスクを実行した場合に得られる予測報酬を把握することができる。予測報酬は、タスクを実行した場合に報酬付与部45によって付与されると予測される報酬であり、タスクの実行状態の適切度が高いほど高い報酬である。
【0241】
また、タスク部44は、2以上の利用者が協同して行うタスクを2以上の利用者に再実行させる場合、2以上の利用者の各々にタスクを協同して行う相手の利用者Uの予測報酬を含む予測情報を端末装置2に送信することもできる。
【0242】
また、コンテキストは、例えば、特定のコンテンツを利用者Uが利用している状態であることを含む。特定のコンテンツは、例えば、記事コンテンツの閲覧、撮像画像(写真)をアップロードするための機能を有するコンテンツ、撮像画像(写真)を整理するための機能を有するコンテンツであるが、かかる例に限定されない。
【0243】
また、タスクは、記事コンテンツを読むタスク、カメラ(イメージセンサ)を操作するタスク、写真を整理するタスクなどであってもよい。記事コンテンツを読むタスクの実行結果は、例えば、記事コンテンツを利用者Uが読んだ時間、記事コンテンツにおいて利用者Uがタップした位置やタイミング、記事コンテンツにおいて利用者Uがフリックした位置、タイミング、または速さなどである。
【0244】
また、カメラ(イメージセンサ)を操作するタスクの実行結果は、イメージセンサの起動から撮影までのタイミング、撮像時の視線位置、端末装置2(イメージセンサ)の角度(姿勢)、撮像回数、撮像間隔、加工操作などである。
【0245】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1および端末装置2の各々は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ200によって実現される。図9は、実施形態に係る情報処理装置1および端末装置2の各々の機能を実現するコンピュータ200の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ200は、CPU201、RAM202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、通信インターフェイス(I/F)205、入出力インターフェイス(I/F)206、およびメディアインターフェイス(I/F)207を有する。
【0246】
CPU201は、ROM203またはHDD204に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM203は、コンピュータ200の起動時にCPU201によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ200のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0247】
HDD204は、CPU201によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス205は、ネットワークN(図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU201へ送り、CPU201が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0248】
CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU201は、入出力インターフェイス206を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0249】
メディアインターフェイス207は、記録媒体208に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM202を介してCPU201に提供する。CPU201は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス207を介して記録媒体208からRAM202上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体208は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0250】
例えば、コンピュータ200が実施形態に係る情報処理装置1や端末装置2として機能する場合、コンピュータ200のCPU201は、RAM202上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部22や処理部15の機能を実現する。また、HDD204には、記憶部21内または記憶部14内のデータが記憶される。コンピュータ200のCPU201は、これらのプログラムを記録媒体208から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0251】
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0252】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0253】
例えば、上述した情報処理装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0254】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0255】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行よりも利用者Uによるタスクの再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する推定部42と、推定部42によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された場合、タスクの再実行を利用者Uに依頼する依頼部43とを備える。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0256】
また、情報処理装置1は、利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する取得部40を備え、推定部42は、取得部40によって取得されたタスク実行履歴情報に基づいて、再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0257】
また、推定部42は、取得部40によって取得されたタスク実行履歴情報に基づいて、利用者Uによる同一のタスクの実行の適切度よりも再実行の適切度が高い傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0258】
また、情報処理装置1は、利用者以外の複数の他の利用者Uによる端末装置2を用いた同一のタスクの複数回の実行履歴を示す情報を含むタスク実行履歴情報を取得する取得部40を備え、推定部42は、取得部40によって取得されたタスク実行履歴情報に基づいて、再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0259】
また、推定部42は、取得部40によって取得されたタスク実行履歴情報に基づいて、複数の他の利用者Uによる同一のタスクの実行の適切度よりも再実行の適切度の方が高い傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0260】
また、情報処理装置1は、利用者Uによる端末装置2を用いたタスクの実行過程におけるタスクの実行状態に関する情報を含む実行状態情報を取得する取得部40を備え、推定部42は、取得部40によって取得された実行状態情報に基づいて、再実行の方が適切な実行結果になるか否かを推定する。
【0261】
また、推定部42は、取得部40によって取得された実行状態情報に基づいて、タスクの実行過程においてタスクの実行の適切度が高くなる傾向にあると判定した場合に、再実行の方が適切な実行結果になると推定する。これにより、情報処理装置1は、適切な実行結果を増やすことができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0262】
また、情報処理装置1は、依頼部43によって利用者Uに依頼したタスクの再実行が利用者Uによって行われた場合に、利用者Uに対し、タスクの実行による報酬に加えて追加の報酬を付与する報酬付与部45を備える。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに再実行を行わせるインセンティブを与えることができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0263】
また、報酬付与部45は、利用者Uによるタスクの実行の適切度とタスクの再実行の適切度との差に基づいて、追加の報酬を決定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに再実行を行わせるインセンティブを与えることができ、クラウドソーシングの促進を図ることができる。
【0264】
また、依頼部43は、推定部42によってタスクの再実行の方が適切な実行結果になると推定された複数の利用者Uのうち予め定められた規則によって選択またはランダムに選択された利用者Uにタスクの再実行を依頼する。これにより、情報処理装置1は、再実行を依頼する利用者Uを限定することができ、情報処理装置1の負荷処理や利用者Uの煩雑さなどを低減することができる。
【0265】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0266】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0267】
1 情報処理装置
1σ 標準偏差
2,3 端末装置
10,20 通信部
11 表示部
12 操作部
13 センサ群
14,21 記憶部
15,22 処理部
16 情報取得部
17 表示処理部
18 情報出力部
30 利用者情報記憶部
31 タスク情報記憶部
32 タスク実行結果記憶部
40 取得部
41 受付部
42 推定部
43 依頼部
44 タスク部
45 報酬付与部
100 情報処理システム
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9