(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074047
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】搬送装置及び洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A47L 15/24 20060101AFI20240523BHJP
B65G 47/82 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A47L15/24
B65G47/82 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185098
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】木全 祐也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 友裕
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕司
【テーマコード(参考)】
3B082
3F017
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA04
3B082AA05
3F017AA01
3F017BA01
3F017BB08
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性の向上が図れる搬送装置及び洗浄システムを提供する。
【解決手段】キャリーテーブル3は、食器ラックRが搬送される搬送方向に沿って延在していると共にラックが載置されるレール15と、レール15が配置されている基台面10aと、を有する基台10と、食器ラックRを搬送方向に沿って搬送する搬送機構11と、搬送機構11を収容すると共に、基台10において搬送方向に直交する幅方向の一方側に配置され、基台10との間に空間Sを形成するように基台10の上方に位置しているハウジング12と、基台10におけるハウジング12の下方の領域に、水が流入することを抑止する段差部16と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する洗浄機に、前記被洗浄物を収容するラックを搬入する搬送装置であって、
前記ラックが搬送される搬送方向に沿って延在していると共に前記ラックが載置される摺動部と、前記摺動部が配置されている基台面と、を有する基台と、
前記ラックを前記搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送機構を収容すると共に、前記基台において前記搬送方向に直交する幅方向の一方側に配置され、前記基台との間に空間を形成するように前記基台の上方に位置している筐体と、
前記基台における前記筐体の下方の領域に、液体が流入することを抑止する抑止部と、を備える、搬送装置。
【請求項2】
前記抑止部は、前記基台における前記筐体の下方の領域に設けられ、前記基台面に対して段差を形成すると共に前記搬送方向に沿って延在している段差面を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記抑止部は、前記基台面に対して段差を形成する第一段差面と、前記第一段差面に対して段差を形成する第二段差面と、を有し、
前記第二段差面の高さ位置は、前記第一段差面の高さ位置よりも高い、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記抑止部は、前記基台面に連続すると共に前記基台面に対して上方に傾斜する傾斜面と、前記傾斜面の上端に連続する前記段差面と、を有する、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記抑止部は、前記ラックが搬送される搬送領域において、前記基台面が傾斜することによって構成されている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記基台面は、前記搬送方向において、前記洗浄機に向かって下方に傾斜している、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記抑止部は、前記基台における前記筐体の下方の領域において、前記搬送方向に沿って設けられている溝であり、
前記溝は、前記基台の前記基台面よりも低い高さ位置に配置される底面と、前記底面に設けられている排水穴と、を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記抑止部は、前記ラックが搬送される搬送領域に設けられる凹部であり、
前記凹部は、前記基台の基台面よりも低い高さ位置に配置される底面と、前記底面に設けられている排水穴と、を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記抑止部は、前記基台の前記基台面に対して、前記搬送方向に沿って水を供給する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項10】
被洗浄物を洗浄する洗浄機と、
前記洗浄機に前記被洗浄物を収容するラックを搬入する、請求項1又は2に記載の搬送装置と、を備える、洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被洗浄物を洗浄する予備洗浄機と、予備洗浄機に被洗浄物を収容するラックを搬入する搬送装置と、予備洗浄機によって洗浄された被洗浄物を洗浄する本洗浄機と、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機に搬入する装置間搬送装置と、本洗浄機から搬出されるラックを貯留するラック貯留部と、を備える、洗浄システムが開示されている。
【0003】
搬送装置は、ラックが搬送される搬送方向に沿って延在していると共にラックが載置される摺動部と、摺動部が配置されている基台面と、を有する基台と、ラックを搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、搬送機構を収容すると共に、基台において搬送方向に直交する幅方向の一方側に配置され、基台との間に空間を形成するように基台の上方に位置している筐体と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
搬送装置に載置されるラックには、残菜等が付着した被洗浄物が収容される。そのため、搬送装置の基台面上に残菜等が残留することがある。そこで、搬送装置の衛生面を維持するためのメンテナンスとして、残菜等を除去するために基台面を水洗いする。基台と筐体との間の空間は広くないため、基台における筐体の下方の領域に水(残菜等を含む)が入り込むと、水を除去する(拭き取る)作業が困難となる。このように、基台における筐体の下方の領域に水が入り込むと、その水を除去する作業が作業者の負担となり得る。
【0006】
本発明は、メンテナンス性の向上が図れる搬送装置及び洗浄システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る搬送装置は、被洗浄物を洗浄する洗浄機に、前記被洗浄物を収容するラックを搬入する搬送装置であって、ラックが搬送される搬送方向に沿って延在していると共にラックが載置される摺動部と、摺動部が配置されている基台面と、を有する基台と、ラックを搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、搬送機構を収容すると共に、基台において搬送方向に直交する幅方向の一方側に配置され、基台との間に空間を形成するように基台の上方に位置している筐体と、基台における筐体の下方の領域に、液体が流入することを抑止する抑止部と、を備える。
【0008】
本発明に係る搬送装置は、基台における筐体の下方の領域に、液体が流入することを抑止する抑止部を備える。これにより、搬送装置では、基台を水洗いしたときに、基台における筐体の下方の領域に水が入り込むことが抑止される。そのため、搬送装置では、基台における筐体の下方の領域に入り込んだ水を除去する作業を行う必要がなくなるため、メンテナンス性の向上が図れる。
【0009】
(2)上記(1)の搬送装置において、抑止部は、基台における筐体の下方の領域に設けられ、基台面に対して段差を形成すると共に搬送方向に沿って延在している段差面を有していてもよい。この構成では、抑止部が基台面に対して段差を有する段差面を有するため、基台面を流れる水が基台における筐体の下方の領域に入る込むことを抑止できる。
【0010】
(3)上記(2)の搬送装置において、抑止部は、基台面に対して段差を形成する第一段差面と、第一段差面に対して段差を形成する第二段差面と、を有し、第二段差面の高さ位置は、第一段差面の高さ位置よりも高くてもよい。この構成では、第一段差面の高さ位置を第二段差面の高さ位置よりも低くしているため、搬送機構の移動経路上に抑止部が位置することを回避できる。また、第二段差面の高さ位置を第一段差面の高さ位置よりも高くすることによって、基台面を流れる水が基台における筐体の下方の領域に入る込むことをより確実に抑止できる。
【0011】
(4)上記(2)の搬送装置において、抑止部は、基台面に連続すると共に基台面に対して上方に傾斜する傾斜面と、傾斜面の上端に連続する段差面と、を有していてもよい。この構成では、基台面に連続する傾斜面としているため、搬送機構の移動経路上に抑止部が位置することを回避できる。また、傾斜面の上端に連続する段差面とすることによって、基台面を流れる水が基台における筐体の下方の領域に入る込むことをより確実に抑止できる。
【0012】
(5)上記(1)の搬送装置において、抑止部は、ラックが搬送される搬送領域において、基台面が傾斜することによって構成されていてもよい。この構成では、基台を水洗いした際、残菜等を含む水が基台面の傾斜に沿って流れる。これにより、基台を水洗いしたときに、基台における筐体の下方の領域に水が入り込むことが抑止される。
【0013】
(6)上記(5)の搬送装置において、基台面は、搬送方向において、洗浄機に向かって下方に傾斜していてもよい。この構成では、基台面上の水が洗浄機に排出される。
【0014】
(7)上記(1)の搬送装置において、抑止部は、基台における筐体の下方の領域において、搬送方向に沿って設けられている溝であり、溝は、基台の基台面よりも低い高さ位置に配置される底面と、底面に設けられている排水穴と、を有していてもよい。この構成では、基台を水洗いしたときに、基台における筐体の下方の領域側に流れた水は、溝に流入して排水穴から排出される。そのため、基台面を流れる水が基台における筐体の下方の領域に入る込むことを抑止できる。
【0015】
(8)上記(1)の搬送装置において、抑止部は、ラックが搬送される搬送領域に設けられる凹部であり、凹部は、基台の基台面よりも低い高さ位置に配置される底面と、底面に設けられている排水穴と、を有してもよい。この構成では、基台を水洗いしたときの水は、凹部に流入して排水穴から排出される。そのため、基台面を流れる水が基台における筐体の下方の領域に入る込むことを抑止できる。
【0016】
(9)上記(1)の搬送装置において、抑止部は、基台の基台面に対して、搬送方向に沿って水を供給してもよい。この構成では、基台面に供給された水が搬送方向に沿って流れるため、基台上の残菜等を除去することができる。また、供給部から供給された水は、搬送方向に沿った流れとなるため、基台面を流れる水が基台における筐体の下方の領域に入る込むことを抑止できる。
【0017】
(10)本発明に係る洗浄システムは、被洗浄物を洗浄する洗浄機と、洗浄機に被洗浄物を収容するラックを搬入する、(1)~(9)のいずれか一つの搬送装置と、を備える。
【0018】
本発明に係る洗浄システムは、上記搬送装置を備える。したがって、洗浄システムでは、メンテナンス性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、メンテナンス性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る洗浄システムの全体を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、キャリーテーブルの正面図であり、
図2(B)は、キャリーテーブルの平面図である。
【
図3】
図3は、予備洗浄機及び本洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、装置間搬送装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、リフト装置をワゴン側から見た側面図であり、
図5(B)は、リフト装置を本浄機側から見た側面図である。
【
図7】
図7(A)は、搬出装置を示す平面図であり、
図7(B)は、搬出装置を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第一実施形態に係るキャリーテーブルの一部を拡大して示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示すキャリーテーブルの一部を示す断面図である。
【
図10】
図10は、第二実施形態に係るキャリーテーブルの一部を示す断面図である。
【
図11】
図11は、第三実施形態に係るキャリーテーブルの一部を断面で示す図である。
【
図12】
図11は、第四実施形態に係るキャリーテーブルの一部を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第五実施形態に係るキャリーテーブルの一部を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第六実施形態に係るキャリーテーブルの一部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、
図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0022】
図1に示されるように、洗浄システム1は、キャリーテーブル(搬送装置)3と、予備洗浄機2Aと、装置間搬送装置4と、本洗浄機2Bと、リフト装置5と、収納棚6と、搬出装置7と、を備えている。洗浄システム1では、キャリーテーブル3及び予備洗浄機2Aが前後方向に並べて配置され、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5及び収納棚6が、左右方向に並べて配置されている。洗浄システム1では、食器Dが収容される食器ラックRが前側から後側に向かって移動した後、右側から左側に向かって移動するように、平面視においてキャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及び収納棚6がL字状に配置されている。
【0023】
キャリーテーブル3は、食器(被洗浄物)Dが収容される食器ラック(ラック)Rを予備洗浄機2Aに搬送する。
図1、
図2(A)、及び
図2(B)に示されるように、キャリーテーブル3は、基台10と、搬送機構11と、ハウジング(筐体)12と、第一センサ13Aと、第二センサ13Bと、メインコントローラ14と、を有している。
【0024】
基台10は、食器ラックRが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックRが載置される基台面10aを有している。基台10には、基台面10aから突出すると共に食器ラックRの搬送方向(左右方向)に沿って延在する、食器ラックRを摺動させるレール(摺動部)15が設けられている。レール15は、基台面10aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。
【0025】
アーム部材11Aは、食器ラックRを押し出す部材であって、基台面10a上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11C,11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
【0026】
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端がキャリーテーブル3の右側に向く状態とキャリーテーブル3の前側に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング12から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング12の外側である基台面10a上の進出領域に進出するようになっている。
【0027】
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって、キャリーテーブル3を正面から見たときの左右方向に回動する。アーム部材11Aは、食器ラックRを搬送するときに、ハウジング12内から基台面10a上に進出し、待機状態においてはハウジング12内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、基台面10a上の食器ラックRが第一センサ13Aによって検知されたタイミング、又は、スタートボタンB2が押下されたタイミングで基台面10a上に進出する。
【0028】
アーム部材11Aは、予備洗浄機2Aに向けて食器ラックRを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックRに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。アーム部材11Aは、食器ラックRを予備洗浄機2Aにまで搬送すると、ハウジング12の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
【0029】
ハウジング12は、キャリーテーブル3を正面から見たとき基台10の後方に配置されており、基台10の基台面10aよりも上方に突出して設けられている。ハウジング12は、搬送機構11を収容している。ハウジング12は、基台10において搬送方向に直交する幅方向の一方側に配置されている。ハウジング12は、基台10との間に空間Sを形成するように基台10の上方に位置している。ハウジング12には、非常停止ボタンB1、スタートボタンB2、及び、ランプLPが配置されている。また、ハウジング12には、操作パネルCPが配置されている。
【0030】
第二センサ13Bは、予備洗浄機2Aのドア23の閉位置と開位置との間において、ドア23のキャリーテーブル3側の前部の軌道上(移動経路上)に位置する障害物を検出する。すなわち、第二センサ13Bは、予備洗浄機2Aの洗浄室21のキャリーテーブル3側の開口に位置する障害物を検出する。障害物は、例えば、食器ラックR等である。第二センサ13Bは、ハウジング12において、食器ラックRの搬送方向の下流側(ハウジング12の左端側)に配置されている。第二センサ13Bは、障害物を検出すると、検出信号をメインコントローラ14に出力する。
【0031】
メインコントローラ14は、キャリーテーブル3を含む、洗浄システム1の動作全般を制御する。メインコントローラ14は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。メインコントローラ14は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラム(制御プラグラム)をRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。メインコントローラ14は、例えば、キャリーテーブル3の動作、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bにおけるドア23の開閉動作(駆動機構39及び駆動機構76の駆動動作)、装置間搬送装置4における搬送動作、リフト装置5の動作、搬出装置7の動作等を制御する。メインコントローラ14は、例えば、ハウジング12内に収容されている。
【0032】
メインコントローラ14は、第二センサ13Bにおいて障害物が検出された場合、駆動機構76の駆動モータ76Aの作動を停止させる。メインコントローラ14は、ドア23が閉位置に向かって移動中、すなわちドア23が下降中(駆動モータ76Aの作動中)に第二センサ13Bから検出信号を受け取った場合には、駆動機構76の作動を停止させる。
【0033】
メインコントローラ14は、装置間搬送装置4のドアセンサ77(後述)においてドア71(後述)が開かれていることが検出された場合、搬出装置7のモータ93(後述)の作動を停止させる。メインコントローラ14は、リフト装置5のセンサ66(後述)において障害物が検出された場合、駆動機構39の駆動モータ60(後述)の作動を停止させる。メインコントローラ14は、リフト装置5の停止ボタン68が押下されると、リフト装置5の動作を停止させる。
【0034】
メインコントローラ14は、非常停止ボタンB1が押下されると、ランプLP及びリフト装置5のランプ67を点灯させる。メインコントローラ14は、装置間搬送装置4のドアセンサ77においてドア71が開かれていることが検出された場合、ランプLP及びリフト装置5のランプ67を第一点滅速度で同時に点滅させる。メインコントローラ14は、リフト装置5のセンサ66において障害物が検出された場合、ランプLP及びリフト装置5のランプ67を第一点滅速度で交互に点滅させる。
【0035】
メインコントローラ14は、収納棚6の手はさみセンサ57において、各段のそれぞれの前方側に開口する部分に物体が有ることが検知された場合、ランプLP及びリフト装置5のランプ67を第二点滅速度で同時に点滅させる。第二点滅速度は、第一点滅速度よりも速い。メインコントローラ14は、リフト装置5の停止ボタン68が押下されると、ランプLP及びリフト装置5のランプ67を第二点滅速度で交互に点滅させる。このように、メインコントローラ14は、センサの検出結果等に基づいて、ランプLP及びリフト装置5のランプ67の動作パターンを制御する。そのため、作業者は、ランプLP及びリフト装置5のランプ67の動作パターンを確認することによって、洗浄システム1においてどのような事象が生じているのかを一見して確認することができる。
【0036】
図1に示されるように、予備洗浄機2Aは、キャリーテーブル3の左側に、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。予備洗浄機2Aは、本洗浄機2Bにおける食器Dの洗浄に先だち、食器Dの表面に付着した残菜等を洗い流すために設けられる洗浄機である。すなわち、予備洗浄機2Aは、予備浸漬タンク等において人の手を介して行われていた食器Dの予備洗浄を実施する洗浄機である。予備洗浄機2Aは、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。
図1及び
図3に示されるように、予備洗浄機2Aは、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0037】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、後段にて詳述する連結部材76C(
図4参照)に連結されている。連結部材76Cは、メインコントローラ14によって制御される駆動モータ76Aによって駆動される。ドア23は、駆動モータ76Aによる駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0038】
洗浄室21内には、食器ラックRが載置されるラックレール25が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から予備洗浄機2Aに搬出される食器ラックRは、ラックレール25上に押し出される。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックRに並べられた食器は、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0039】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第一洗浄水吐出管30Aと第二洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第一洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第二洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0040】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第一すすぎ水吐出管34Aと第二すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第一すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第二すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第一すすぎ水吐出管34Aは、第一洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第一洗浄水吐出管30A及び第一すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0041】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第一洗浄水吐出管30Aと第二洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第一洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第二洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0042】
機械室22内には、予備洗浄機2Aの動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)等が収容されている。
【0043】
予備洗浄機2Aは、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。予備洗浄機2Aは、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
【0044】
図1に示されるように、装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aから搬出された食器ラックRを本洗浄機2Bに搬入する。装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aの左側に隣接して配置されている。装置間搬送装置4は、左右方向において予備洗浄機2Aと本洗浄機2Bとの間に配置されている。
【0045】
図4に示されるように、装置間搬送装置4は、本体70と、ドア71と、搬送アーム72と、アーム駆動部73と、搬送ベルト74と、ベルト駆動部75と、駆動機構76と、ドアセンサ77と、を備えている。
【0046】
本体70は、装置間搬送装置4の外形を形成すると共に搬送アーム72、アーム駆動部73、搬送ベルト74、ベルト駆動部75、及び駆動機構76のそれぞれの一部又は全部を収容する。
【0047】
ドア71は、本体70の前側の開口を開閉可能に設けられている。ドア71は、本体70において、搬送ベルト74等が配置されている空間を開放させる。ドアセンサ77は、ドア71が開かれたことを検知する。ドアセンサ77の検知結果は、メインコントローラ14によって取得される。
【0048】
搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから搬出される食器ラックRを本洗浄機2B方向に搬送する。搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出されて食器ラックRの一部が搬送ベルト74上に位置したことが図示しないセンサで検知されることにより作動して、本洗浄機2B方向に移動させる。搬送ベルト74は、ベルト駆動部75によって駆動される。ベルト駆動部75は、例えばモータである。
【0049】
搬送アーム72は、一方向に延在する回動軸を回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。搬送アーム72は、アーム駆動部73によって駆動されることにより回動し、所定位置に位置する食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21に押し出す。アーム駆動部73は、例えば、モータである。装置間搬送装置4は、本体70を支持する四つの脚部を備えている。
【0050】
駆動機構76は、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構76は、駆動モータ76Aと、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ76Bと、連結部材76Cと、ガイドレール76Dと、を有している。
【0051】
駆動モータ76Aは、例えば、ギアモータである。駆動モータ76Aは、例えば、装置間搬送装置4の上部に配置されている。スプロケットには、駆動モータ76Aの出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0052】
スライダ76Bは、チェーンに接続されている。スライダ76Bは、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ76Bは、上下方向に沿って延在しているガイドレール76Dに接続されており、ガイドレール76Dに沿って移動する。連結部材76Cは、スライダ76Bと予備洗浄機2Aのドア23とを連結している。連結部材76Cは、前後方向に沿って延在している。連結部材76Cの一端部は、スライダ76Bに固定されており、連結部材76Cの他端部は、軸ピン(図示せず)を介して予備洗浄機2Aのドア23に連結されている。連結部材76Cには、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材76Cと予備洗浄機2Aのドア23の下端部とに接続されており、予備洗浄機2Aのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0053】
図1に示されるように、本洗浄機2Bは、装置間搬送装置4の左側に隣接して配置されている。本洗浄機2Bは、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。本洗浄機2Bは、予備洗浄機2Aによって予備洗浄された食器を洗浄する。本洗浄機2Bの構成は、上述した予備洗浄機2Aと下記の構成を除き同じであるので、ここでは異なる点のみ詳述する。すなわち、本洗浄機2Bのドア23は、後段にて詳述する連結部材64(
図5(A)及び
図5(B)参照)に連結されている。連結部材64は、メインコントローラ14によって制御される駆動モータ60によって駆動される。ドア23は、駆動モータ60による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0054】
本洗浄機2Bには、ガード38が設けられている。ガード38は、ドア23が洗浄室21を開く位置において、ドア23によって形成される前方側の開口を塞ぐ部材である。
【0055】
リフト装置5は、本洗浄機2Bの左隣りに、本洗浄機2Bに隣接して配置されている。リフト装置5は、本洗浄機2Bから搬出された食器ラックRを、収納棚6の所定位置に移載する。
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構39と、を備えている。
【0056】
本体40は、フレーム40Aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42A,42Bを有している。一対の側部42A,42Bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42A,42Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、本洗浄機2B側の開口の上側の一部を覆う側部42Cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
【0057】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックRを収納棚6に搬出するベルト43A,43Bを有している。リフト41は、本洗浄機2Bによる洗浄が完了した際、本洗浄機2Bのラックレール25(
図3参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、本洗浄機2Bから食器ラックRが搬出されて、食器ラックRの一部がリフト41上に位置したことがセンサ44で検知されると、ベルト43A,43Bを作動させて食器ラックRを取り入れる。
【0058】
リフト41は、食器ラックRを取り入れると、収納棚6において食器ラックRが収容されていない棚部(段)に食器ラックRを移載する。リフト41は、ベルト43A,43Bを作動させて、食器ラックRを収納棚6に送り出す。収納棚6の各棚部における空き状況は、リフト装置5の、例えば、天板及び底板に設けられたセンサ(図示せず)又はリフト41に設けられたセンサ(図示せず)によって検知される。
【0059】
駆動機構39は、本洗浄機2Bのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構39は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構39は、リフト装置5の背面側に設けられている。駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のメインコントローラ14によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0060】
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63と本洗浄機2Bのドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介して本洗浄機2Bのドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64と本洗浄機2Bのドア23の下端部とに接続されており、本洗浄機2Bのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0061】
リフト装置5は、本洗浄機2Bの洗浄室21の前方の開口に位置する障害物を検出するセンサ66を備えている。センサ66は、障害物を検出すると、検出信号をメインコントローラ14に出力する。
【0062】
リフト装置5には、収納棚6の全ての段に食器ラックRが収納されていることを示すランプ67が設けられている。ランプ67は、リフト装置5の前部に設けられている。また、リフト装置5には、リフト装置5の動作を停止させる停止ボタン68が設けられている。
【0063】
図1に示されるように、収納棚6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。
図1及び
図6に示されるように、収納棚6は、複数(本実施形態では六個)の食器ラックRを収納可能である。収納棚6は、リフト装置5によって食器ラックRが収容される。収納棚6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
図6に示されるように、収納棚6は、本体50を有している。
【0064】
本体50は、フレーム50Aと、前後方向における後側に配置されている後側部50Bと、左右方向における左側に配置されている左側部50Cと、天井部50Fと、底部50Gと、脚部50Hと、を有している。後側部50Bは、ステンレス鋼等から形成されるパネル状の部材である。本体50は、水平方向の右側(リフト装置5側)が開口している。脚部50Hは、底部50Gの四隅に設けられている。
【0065】
本実施形態の収納棚6は、三つ(複数)の棚部53が設けられている。一の棚部53は、二個以上(例えば二個)の食器ラックRを収容可能に構成されている。複数の棚部53のそれぞれは、棚ユニット54によって形成されている。
図8及び
図9に示されるように、棚ユニット54は、フレーム55と、複数の支持ローラ56と、を有している。
【0066】
フレーム55は、複数の支持ローラ56の両端において、支持ローラ56を回転可能に支持する。フレーム55は、棚ユニット54が本体50に固定された状態において、左右方向に延在し、収納棚6の前後に配置される。
【0067】
複数の支持ローラ56は、食器ラックRを下方から支持すると共に、搬入方向(左右方向)に沿って複数配列されている。複数の支持ローラ56の両端は、一対のフレーム55,55に回転可能に支持されている。
【0068】
収納棚6には、各段のそれぞれの前方側に開口する部分に物体が有ることを検知する手はさみセンサ57が設けられている。手はさみセンサ57の例は、反射型の光電センサである。反射型の光電センサの例には、検出物体からの反射光を受光して検出するタイプや、反射板から戻ってくる光を検出物体が遮ることで検出するタイプが含まれる。手はさみセンサ57の検知結果は、メインコントローラ14によって取得される。これにより、メインコントローラ14は、どの棚部53に例えば、作業者の手が入れられているか等の状況を把握することができる。
【0069】
図1に示されるように、搬出装置7は、予備洗浄機2Aに搬入された食器ラックRを押し出して装置間搬送装置4に搬出する。
図7(A)に示されるように、搬出装置7は、予備洗浄機2Aの右側側面の前方に設けられている。
図7(B)に示されるように、搬出装置7は、アーム91と、モータ93と、規制部96と、を有している。
【0070】
アーム91は、一方向に延在する回動軸91Aを回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。アーム91によって押し出された食器ラックRはラックレール25を摺動し、予備洗浄機2Aから装置間搬送装置4に搬出される。アーム91は、回動軸91Aを中心に回転可能に設けられると共に、食器ラックRに接触可能に設けられた第一ベアリング92A及び第二ベアリング92Bを有している。モータ93は、出力軸である回動軸91Aを中心にアーム91を回動させる。規制部96は、アーム91が食器ラックRを押し出す方向とは逆方向に原点位置を超えて回動することを規制する。
【0071】
搬出装置7は、アーム91が取り付けられたモータ93及び規制部96が、取付板97に固定された状態のユニットとして構成されている。取付板97は、予備洗浄機2Aに取り付けられる第一取付部97Aと、キャリーテーブル3に取り付けられる第二取付部97Bと、を有している。
【0072】
[第一実施形態]
続いて、キャリーテーブル3について詳細に説明する。
図8及び
図9に示されるように、キャリーテーブル3には、段差部(抑止部)16が設けられている。段差部16は、基台10におけるハウジング12の下方の領域に設けられている。段差部16は、基台10において、食器ラックRが搬送される搬送領域の外側(基台10の後方側)に配置されている。すなわち、段差部16は、搬送される食器ラックRと接触しない位置に設けられている。段差部16は、基台10において、左右方向(
図1における前後方向)に延在している。段差部16は、基台10の基台面10aに対して段差を形成している。
【0073】
段差部16は、第一段差面16Aと、第二段差面16Bと、を有している。
図9に示されるように、第一段差面16Aと第二段差面16Bとは、例えば平坦面である。第一段差面16Aは、前後方向において前方側に位置しており、第二段差面16Bは、前後方向において後方側に位置している。第一段差面16Aと第二段差面16Bとは、高さ位置が異なっている。具体的には、第一段差面16Aの高さ位置は、第二段差面16Bの高さ位置よりも低い。言い換えれば、第二段差面16Bの高さ位置は、第二段差面16Bの高さ位置よりも高い。第一段差面16Aは、基台面10aに対して段差を形成している。第二段差面16Bは、第一段差面16Aに対して段差を形成している。
【0074】
第一段差面16Aの高さ位置は、搬送機構11のアーム部材11Aが接触しない高さに設定されている。第一段差面16Aの上方の空間は、アーム部材11Aの可動領域である。これにより、アーム部材11Aが第一段差面16Aと接触することを回避している。第二段差面16Bの高さ位置は、第一センサ13Aの検出領域A(
図9において灰色で示す部分)よりも下方に位置するように設定されている。すなわち、第二段差面16Bは、第一センサ13Aの検出領域A外に位置している。これにより、第一センサ13Aによる食器ラックRの検出が、第二段差面16B(段差部16)によって遮られることを回避している。第一段差面16A及び第二段差面16Bの前後方向の長さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3には、段差部16が設けられている。段差部16は、基台面10aに対して段差を形成している。これにより、キャリーテーブル3では、基台10を水洗いしたときに、基台10におけるハウジング12の下方の領域に水(液体)が入り込むことが抑止される。そのため、キャリーテーブル3では、基台10におけるハウジング12の下方の領域に入り込んだ水を除去する作業を行う必要がなくなるため(作業を行う頻度が低くなるため)、メンテナンス性の向上が図れる。
【0076】
本実施形態に係る洗浄システム1では、第一段差面16Aと、第二段差面16Bと、を有している。第一段差面16Aは、基台面10aに対して段差を形成しており、第二段差面16Bは、第一段差面16Aよりも高い高さ位置に設けられ、第一段差面16Aに対して段差を形成している。この構成では、第一段差面16Aの高さ位置を第二段差面16Bの高さ位置よりも低くしているため、搬送機構11のアーム部材11Aの移動経路上に段差部16が位置することを回避できる。また、第二段差面16Bの高さ位置を第一段差面16Aの高さ位置よりも高くすることによって、基台面10aを流れる水が基台10におけるハウジング12の下方の領域に入る込むことをより確実に抑止できる。
【0077】
また、段差部16を設けることにより、第一センサ13Aを水平位置で組み付けやすくなる。そのため、第一センサ13Aにおける誤検知を抑制できる。
【0078】
洗浄システム1では、収納棚6の全段に食器ラックRが収納されると、リフト装置5のランプ67が点灯する。収納棚6の全段に食器ラックRが収納された場合であっても、装置間搬送装置4、本洗浄機2B及びリフト装置5に対して食器ラックRを搬送することができる。この場合、装置間搬送装置4まで食器ラックRが溜まると、キャリーテーブル3において食器ラックRをスライドさせて、収納棚6から食器ラックRが取り出されるまで、アーム部材11Aが出た状態で一時停止する。
【0079】
このような状態において、本洗浄機2Bにおいて食器ラックRが取り出されると、本洗浄機2Bに食器ラックRが無いにもかかわらず、キャリーテーブル3が動作を停止している状態となる。本実施形態に係る洗浄システム1では、本洗浄機2Bには、ガード38が設けられている。ガード38は、ドア23が洗浄室21を開く位置において、ドア23によって形成される前方側の開口を塞いでいる。これにより、洗浄システム1では、上記状態において本洗浄機2Bから食器ラックRが取り出すことができないため、本洗浄機2Bに食器ラックRが無いにもかかわらず、キャリーテーブル3が動作を停止している状態となることを回避できる。
【0080】
[第二実施形態]
続いて、第二実施形態に係るキャリーテーブルについて説明する。
図10に示されるように、キャリーテーブル3Aには、段差部(抑止部)17が設けられている。段差部17は、基台10におけるハウジング12の下方の領域に設けられている。段差部17は、基台10において、食器ラックRが搬送される搬送領域の外側(基台10の後方側)に配置されている。すなわち、段差部17は、搬送される食器ラックRと接触しない位置に設けられている。段差部17は、基台10において、左右方向に延在している。
【0081】
段差部17は、傾斜面17Aと、段差面17Bと、を有している。傾斜面17Aは、前後方向において前方側に位置しており、段差面17Bは、前後方向において後方側に位置している。傾斜面17Aと段差面17Bとは、連続している。傾斜面17Aは、基台面10aに連続し、基台10の基台面10aに対して上方に傾斜する。傾斜面17Aは、基台10の前方側から後方側(段差面17B)に向かって上方に傾斜している。段差面17Bは、基台10の基台面10aに対して段差を形成している。段差面17Bは、傾斜面17Aの上端に連続している。段差面17Bは、平坦面である。
【0082】
傾斜面17Aの高さ位置は、搬送機構11のアーム部材11Aが接触しない高さに設定されている。傾斜面17Aの上方の空間は、アーム部材11Aの可動領域である。これにより、アーム部材11Aが傾斜面17Aと接触することを回避している。また、傾斜面17Aの高さ位置は、第一センサ13Aの検出領域A(
図9において灰色で示す部分)よりも下方に位置するように設定されている。すなわち、傾斜面17Aは、第一センサ13Aの検出領域A外に位置している。これにより、第一センサ13Aによる食器ラックRの検出が、傾斜面17A(段差部17)によって遮られることを回避している。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係るキャリーテーブル3Aでは、段差部17が設けられている。段差部17は、基台面10aに対して段差を形成している。これにより、キャリーテーブル3Aでは、基台10を水洗いしたときに、基台10におけるハウジング12の下方の領域に水が入り込むことが抑止される。そのため、キャリーテーブル3Aでは、基台10におけるハウジング12の下方の領域に入り込んだ水を除去する作業を行う必要がなくなるため(作業を行う頻度が低くなるため)、メンテナンス性の向上が図れる。
【0084】
本実施形態に係るキャリーテーブル3Aでは、段差部17は、基台面10aに連続すると共に基台面10aに対して上方に傾斜する傾斜面17Aと、傾斜面17Aの上端に連続する段差面17Bと、を有している。この構成では、基台面10aに連続する傾斜面17Aとしているため、搬送機構11のアーム部材11Aの移動経路上に段差部17が位置することを回避できる。また、傾斜面17Aの上端に連続する段差面17Bとすることによって、基台面10aを流れる水が基台10におけるハウジング12の下方の領域に入る込むことをより確実に抑止できる。
【0085】
[第三実施形態]
続いて、第三実施形態に係るキャリーテーブルについて説明する。
図11に示されるように、キャリーテーブル3Bでは、基台10Bを有している。基台10Bでは、食器ラックRが搬送される搬送領域において、基台面10Baが傾斜している。基台面10Baは、ハウジング12の下方の部分においては傾斜していない。基台面10Baは、食器ラックRの搬送方向において、右側から左側(予備洗浄機2A側)に向かって下方に傾斜している。この基台面10Baは、抑止部を構成している。
【0086】
レール15は、ブラケットBを介して、基台10Bに固定されている。ブラケットBは、レール15と基台面10Baとの間に配置されている。ブラケットBは、基台10Bの基台面10Baに対して、レール15の水平が維持されるように設計されている。
図11に示す例では、ブラケットBは、三角形状を呈している。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係るキャリーテーブル3Bでは、食器ラックRが搬送される搬送領域において、基台10Bの基台面10Baが傾斜している。これにより、キャリーテーブル3Bでは、基台10Bを水洗いした際、残菜等を含む水が基台面10Baの傾斜に沿って流れる。水は、予備洗浄機2Aに流出する。これにより、キャリーテーブル3Bでは、基台10Bを水洗いしたときに、基台10Bにおけるハウジング12の下方の領域に水が入り込むことが抑止される。そのため、キャリーテーブル3Bでは、基台10Bにおけるハウジング12の下方の領域に入り込んだ水を除去する作業を行う必要がなくなるため(作業を行う頻度が低くなるため)、メンテナンス性の向上が図れる。
【0088】
[第四実施形態]
続いて、第四実施形態に係るキャリーテーブルについて説明する。
図12に示されるように、キャリーテーブル3Cは、基台10Cを有している。基台10Cには、排水溝18が設けられている。排水溝18は、基台10Cにおけるハウジング12の下方の領域に配置されている。排水溝18は、基台10Cにおいて、食器ラックRが搬送される搬送領域の外側(基台10Cの後方側)に配置されている。排水溝18は、基台10Cにおいて、左右方向に延在している。
【0089】
排水溝18は、底面18Aと、側面18Bと、によって形成されている。底面18Aの高さ位置は、基台面10Caの高さ位置よりも低い。底面18Aには、排水穴18Cが設けられている。排水穴18Cの位置は、特に限定されない。排水穴18Cには、排水管(図示省略)が接続されている。底面18Aは、排水穴18Cに向かって下方傾斜している。すなわち、排水穴18Cは、排水溝18において、最も低い位置に設けられている。これにより、排水溝18内の水等は、排水穴18Cに向かって流れる。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係るキャリーテーブル3Cは、排水溝18を有している。排水溝18は、基台10Cにおけるハウジング12の下方の領域に配置されている。これにより、キャリーテーブル3Cでは、基台10Cを水洗いした際、残菜を含む水が排水溝18に流入し、排水穴18Cから排出される。これにより、キャリーテーブル3Cでは、基台10Cとハウジング12とにより形成される空間Sにおいて、排水溝18よりも奥側に水が入り込むことを抑止できる。したがって、キャリーテーブル3Cでは、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0091】
また、キャリーテーブル3Cでは、残菜を含む水が排水溝18に流入し、排水穴18Cから排出されるため、当該水が予備洗浄機2Aに流れ込まない。そのため、予備洗浄機2Aにおいて、洗浄水の洗剤の濃度が低下することを抑制できる。
【0092】
[第五実施形態]
続いて、第五実施形態に係るキャリーテーブルについて説明する。
図13に示されるように、キャリーテーブル3Dは、基台10Dを有している。基台10Dには、凹部19が設けられている。凹部19は、食器ラックRの搬送領域に設けられている。すなわち、凹部19は、基台10Dとハウジング12との間の空間Sには設けられていない。凹部19は、底面19Aと、側面19Bと、により形成されている。凹部19は、シンクのように形成されている。底面19Aの高さ位置は、基台面10Daの高さ位置よりも低い。
【0093】
底面19Aには、排水穴19Cが設けられている。排水穴19Cの位置は、特に限定されない。排水穴19Cには、排水管(図示省略)が接続されている。底面19Aは、排水穴19Cに向かって下方傾斜していてもよい。すなわち、排水穴19Cは、凹部19において、最も低い位置に設けられていてもよい。これにより、凹部19内の水等は、排水穴19Cに向かって流れる。
【0094】
レール15は、ブラケット19Dを介して、凹部19の底面19Aに固定されている。ブラケット19Dは、レール15と底面19Aとの間に配置されている。ブラケット19Dには、開口部19Eが設けられている。開口部19Eは、ブラケット19Dの延在方向において、所定の間隔をあけて複数設けられている。開口部19Eは、凹部19内において水を流通させる。
【0095】
以上説明したように、本実施形態に係るキャリーテーブル3Dは、凹部19を有している。凹部19は、食器ラックRの搬送領域に配置されている。これにより、キャリーテーブル3Dでは、基台10Cを水洗いした際、残菜を含む水が凹部19に流入し、排水穴19Cから排出される。そのため、キャリーテーブル3Dでは、基台10Cとハウジング12とにより形成される空間Sにおいて、凹部19よりも奥側に水が入り込むことを抑止できる。したがって、キャリーテーブル3Dでは、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0096】
また、キャリーテーブル3Dでは、残菜を含む水が凹部19に流入し、排水穴19Cから排出されるため、当該水が予備洗浄機2Aに流れ込まない。そのため、予備洗浄機2Aにおいて、洗浄水の洗剤の濃度が低下することを抑制できる。
【0097】
[第六実施形態]
続いて、第六実施形態に係るキャリーテーブルについて説明する。
図14に示されるように、キャリーテーブル3Eは、供給部(抑止部)10bを有している。供給部10bは、例えば、基台10の基台面10aに水を供給するノズルである。本実施形態では、供給部10bは、基台10の幅方向において、所定の間隔をあけて複数設けられている。供給部10bには、ポンプPによって、予備洗浄機2Aのすすぎ水タンク31から水が供給される。供給部10bからは、所定の水圧で水が供給される。これにより、供給部10bから供給された水は、搬送方向に沿って、基台面10aを予備洗浄機2Aに向かって流れ、予備洗浄機2Aに流入する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態に係るキャリーテーブル3Eは、供給部10bを有している。供給部10bは、基台10の基台面10aに対して、搬送方向に沿って水を供給する。この構成では、基台面10aに供給された水が搬送方向に沿って流れるため、基台10上の残菜等を除去することができる。また、供給部10bから供給された水は、搬送方向に沿った流れとなるため、基台面10aを流れる水が基台10におけるハウジング12の下方の領域に入る込むことを抑止できる。
【0099】
本実施形態に係るキャリーテーブル3Eでは、供給部10bには、ポンプPによって、予備洗浄機2Aのすすぎ水タンク31から水が供給される。供給部10bから供給された水は、予備洗浄機2Aに流入する。これにより、使用水量の低減を図れると共に、洗剤濃度を一定に保つことができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0101】
上記実施形態では、本洗浄機2Bにガード38を設ける形態を一例に説明した。しかし、ガード38を設けなくてもよい。この場合、収納棚6から食器ラックRが取り出されるまで、アーム部材11Aが出た状態で一時停止した状態となった場合には、本洗浄機2Bにおいて洗浄が完了した後、本洗浄機2Bのドア23を閉じた状態のままとする。これにより、本洗浄機2Bから食器ラックRが取り出すことができないため、本洗浄機2Bに食器ラックRが無いにもかかわらず、キャリーテーブル3が動作を停止している状態となることを回避できる。また、収納棚6から食器ラックRが取り出された場合には、本洗浄機2Bのドア23を開ける。
【0102】
上記実施形態では、装置間搬送装置4は、搬送ベルト74を駆動することによって、装置間搬送装置4に搬出された食器ラックRを本洗浄機2B側に搬送する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、搬送ベルト74及びベルト駆動部75に代えて、ローラコンベヤを有する構成の装置間搬送装置であってもよい。
【0103】
上記実施形態及び変形例では、収納棚6を含んで構成される貯留部を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、リフト装置5から搬出される食器ラックRを貯留する貯留部としては、ワゴンであってもよい。
【0104】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態、上記変形例及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…洗浄システム、3…キャリーテーブル(搬送装置)、10,10B,10C,10D…基台、10a,10Ba,10Ca,10Da…基台面、10b…供給部(抑止部)、11…搬送機構、15…レール(摺動部)、16,17…段差部(抑止部)、16A…第一段差面、16B…第二段差面、17A…傾斜面、17B…段差面、18A,19A…底面、18C,19C…排水穴、19…凹部、D…食器(被洗浄物)、R…食器ラック(ラック)、S…空間。