IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイティー インターナショナル エス.エイ.の特許一覧

<>
  • 特開-乾燥タバコ物品の製造 図1
  • 特開-乾燥タバコ物品の製造 図2
  • 特開-乾燥タバコ物品の製造 図3
  • 特開-乾燥タバコ物品の製造 図4
  • 特開-乾燥タバコ物品の製造 図5
  • 特開-乾燥タバコ物品の製造 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007405
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】乾燥タバコ物品の製造
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/10 20200101AFI20240111BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240111BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240111BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240111BHJP
【FI】
A24F40/10
A24F40/465
A24F40/42
A24F40/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023103556
(22)【出願日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】22182942
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランゲンシュミード, クリストフ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC06
4B162AC17
4B162AE03
(57)【要約】
【課題】乾燥タバコ物品の製造を提供する。
【解決手段】本発明は、非燃焼加熱式デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品であって、実質的に密封された筐体を含む容器と、実質的に密封された筐体内に含まれる喫煙可能材料であって、乾燥タバコ層状材料と、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤とを含む喫煙可能材料とを含み、喫煙可能材料は、喫煙可能材料の総重量の12重量%未満の含水率を有する、エアロゾル生成物品に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼加熱式デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品(100)であって、
実質的に密封された筐体(111)を含む容器(110)と、
前記実質的に密封された筐体(111)内に含まれる喫煙可能材料(112)であって、乾燥タバコ層状材料と、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤とを含む喫煙可能材料(112)と
を含み、前記喫煙可能材料(112)は、前記喫煙可能材料(112)の総重量の12重量%未満の含水率を有する、エアロゾル生成物品(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、湿潤剤及び/又は溶剤である、請求項1に記載のエアロゾル生成物品(100)。
【請求項3】
前記湿潤剤は、プロピレングリコール、植物性グリセリン又はこれらの組み合わせから選択される、請求項2に記載のエアロゾル生成物品(100)。
【請求項4】
前記容器(110)は、フランジ(113)と、前記フランジ(113)に取り付けられた封止膜(114)とを含むポッドである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品(100)。
【請求項5】
前記容器(110)は、熱伝導性材料を含み、且つ前記熱伝導性材料によって前記喫煙可能材料(112)に熱を伝達するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品(100)。
【請求項6】
誘導加熱を使用して加熱されるように構成され、サセプタは、好ましくは、前記タバコ材料及び/又は前記容器(110)に埋め込まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品(100)。
【請求項7】
好ましくは請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品(100)を製造する方法であって、
タバコ層状材料を乾燥させる工程(S110)と、
喫煙可能材料(112)であって、前記喫煙可能材料の総重量の12重量%未満の含水率を有する喫煙可能材料(112)を得るために、前記乾燥されたタバコ層状材料を少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤と混合する工程(S120)と、
前記エアロゾル生成物品(100)によって含まれる筐体(111)内に前記喫煙可能材料(112)を実質的に密封して封入する工程(S130)と
を含む方法。
【請求項8】
前記乾燥させる工程(S110)、前記混合する工程(S120)及び前記封入する工程(S130)は、1つずつ実施され、前記乾燥させる工程(S110)、前記混合する工程(S120)及び前記封入する工程(S130)の各々を実施する間の時間間隔は、好ましくは、最大でも60分である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記乾燥させる工程(S110)は、
タバコ葉を乾燥させる工程、
前記乾燥されたタバコ葉を小片に切断して、タバコ層状材料を得る工程、及び
前記タバコ層状材料を乾燥させて、乾燥タバコ層状材料を得る工程
の1つ以上を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記乾燥させる工程(S110)は、最大でも10秒間にわたって実施される、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥させる工程(S110)、前記混合する工程(S120)及び前記封入する工程(S130)の少なくとも1つ、好ましくは全ては、制御された雰囲気、好ましくは湿度制御された雰囲気中で実施され、及び/又は前記工程間で前記タバコ材料が曝される前記雰囲気は、制御され、好ましくは湿度制御され、
前記湿度制御された雰囲気は、好ましくは、50%RH未満、より好ましくは30%RH未満、最も好ましくは20%RH未満の相対湿度を有する、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記混合する工程は、実質的に密閉されている撹拌機タンク(120)内で実施される、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
エアロゾル生成システム(200)であって、
請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品(100)と、
前記エアロゾル生成物品(100)を受け入れるように構成されたエアロゾル生成デバイス(210)であって、電源(211)と、前記電源によって給電される、抵抗加熱システム又は誘導加熱システムを含む加熱アセンブリ(212)とを含むエアロゾル生成デバイス(210)と
を含むエアロゾル生成システム(200)。
【請求項14】
前記エアロゾル生成デバイス(210)は、穿孔部材(214)を含み、前記穿孔部材(214)は、前記エアロゾル生成システム(200)が、前記エアロゾル生成物品(100)を前記エアロゾル生成デバイス(210)に挿入することによって組み立てられるとき、前記エアロゾル生成物品(100)の前記筐体(111)に突き刺され、且つ前記筐体(111)に開口部を作るように構成される、請求項13に記載のエアロゾル生成システム(200)。
【請求項15】
前記エアロゾル生成デバイス(210)は、前記穿孔部材(214)を含むマウスピース(213)を含む、請求項14に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品、エアロゾル生成物品とエアロゾル生成デバイスとを含むシステム及びエアロゾル生成物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成デバイス、すなわち電子シガレットは、現在、従来の紙巻きタバコを模した製品として主流になっている。エアロゾル生成デバイスには多くの種類があり、その1つは、タバコを燃焼させることなく、タバコ製品を加熱してエアロゾルを生成する動作方法を有する。これらのいわゆる非燃焼加熱式(HNB)デバイスは、一層人気が高まっている。
【0003】
非燃焼加熱式デバイスは、一般に、デバイスに挿入され、非燃焼加熱式デバイスに含まれる加熱要素によって加熱されるタバコ物品とともに動作する。様々なタバコ物品が市販されている。古典的なタバコに似たタバコ物品が最も一般的であるが、タバコ材料を含むカプセルなどのカートリッジの形態のタバコ物品は、有効な代替品である。タバコ材料は、物品が消費される間、カプセル内にとどまるため、物品を消費した後の残留物が少なく、エアロゾル生成デバイスのクリーニングがあまり必要ない。更に、カプセルの設計により、タバコ材料のより迅速な加熱を可能にする熱伝導材料などの異なる材料の使用が可能になる。
【0004】
消費者のニーズを満たすために、異なる味及び喫煙特性を有するタバコ製品を提供することが望まれている。これは、一般に、タバコに湿潤剤などのエアロゾル生成剤を添加して、風味、ニコチンの量及びタバコから生成されるエアロゾルの量を高めることによって達成される。しかしながら、湿潤剤は、吸湿性があり、大気から水分を引き寄せるため、タバコ製品の含水率は、時間の経過とともに増加する。タバコ製品が含む水分が多くなるほど、タバコ製品からエアロゾルを生成するために必要な熱が多くなる。その結果、エネルギー源が供給しなければならないエネルギーが多くなり、バッテリーの消耗が早くなる。更に、組成物中の水分量が変化すると、揮発性物質(ニコチン及びフレーバー)の供給を正確に制御することが困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、エアロゾルを生成するためにタバコ製品の大規模な加熱が必要なく、味覚体験をより正確に制御することができる、上記の利点を有するカプセル型のタバコ製品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的の1つ以上は、独立請求項の対象によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【0007】
本発明は、上記課題の一部又は全部を解決するデバイスを提供する。
【0008】
本発明の第1の実施形態は、非燃焼加熱式デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品であって、実質的に密封された筐体を含む容器と、実質的に密封された筐体内に含まれる喫煙可能材料であって、乾燥タバコ層状材料と、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤とを含む喫煙可能材料とを含み、喫煙可能材料は、喫煙可能材料の総重量の12重量%未満の含水率を有する、エアロゾル生成物品に関する。
【0009】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態において、喫煙可能材料は、好ましくは、11重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは9重量%未満及び/又は好ましくは5重量%超、より好ましくは6重量%超、最も好ましくは7重量%超の含水率を有する。
【0010】
上記の構成により、エアロゾル生成物品中の含水率を比較的低く維持することが可能である。ニコチン及び風味の提供のために使用される湿潤剤及び溶剤などのエアロゾル生成剤は、大気から水分を引き出す傾向があり、喫煙可能材料の含水率が増加する原因となる。喫煙可能材料を内包する筐体を実質的に密封することにより、大気への暴露が減少し、含水率が一定のままになる。水を蒸発させるには、多くの熱を必要とし、この熱の一部は、マウスピースにも伝わるため、水の減少は、マウスピースの加熱が減少することを意味し、これは、ユーザにとって望ましい。更に、エアロゾルを生成するのに必要な時間は、喫煙可能材料の含水率が減少するにつれて減少する。
【0011】
第3の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、乾燥したタバコ材料は、再構成タバコ(RTB)材料を含む。
【0012】
RTB材料は、一般に、比較的均質なシートで提供される。RTBシートを使用すると、喫煙可能材料として使用されるタバコ材料の切断及び小分けが容易になる。特に、これにより、比較的小さい容量を有する容器内でのタバコ層の使用が容易になる。
【0013】
第4の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、湿潤剤、溶剤及び/又は香味剤である。
【0014】
第5の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、少なくとも1つのエアロゾル生成剤は、プロピレングリコール又はトリエチレングリコールなどのグリコール;グリセロール;グリセロール誘導体;乳酸などの酸;クエン酸トリエチル;トリアセチン;ソルビトールなどのポリオール;一価アルコールなどの非ポリオール;高沸点炭化水素;ジアセチン、トリアセチン、トリエチレン、クエン酸トリエチル、グリコールジアセテートなどのエステル;ミリスチン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどのミリスチン酸;ステアリン酸メチル、テトラデカン二酸ジメチル及びドデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステル又はこれらの組み合わせから選択される。
【0015】
湿潤剤、溶剤及び/又は香味剤などの少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤を与えることにより、エアロゾルの提供を向上させることができる。ユーザに提供されるエアロゾルをユーザの好みに従って調整することが可能である。例えば、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、ユーザに提供されるエアロゾルの濃度を増加させることができ、且つ/又は特定の風味及び/若しくは特定の量のニコチンを提供することができる。
【0016】
第6の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、容器は、フランジと、フランジに取り付けられた封止膜とを含むポッドである。
【0017】
フランジと、フランジに取り付けられた封止膜とを含むポッドとして容器を形成すると、実質的に密封された筐体の比較的単純な構成がもたらされる。更に、フランジは、筐体の耐久性がより高まるように、容器と封止膜との間の接続を強化することを可能にする接触領域を提供する。特に、フランジを封止膜と化学的に接続するために接着剤がフランジに適用され得るか、又はフランジ接続部を囲むように封止膜が機械的に変形され得る。これにより、接続部の強度が高まる。
【0018】
第7の実施形態によれば、先行する実施形態において、封止膜は、接着剤、好ましくはエポキシ接着剤、ヒートシール、超音波溶接及び/又はレーザ溶接のいずれか1つ以上を使用してフランジに取り付けられる。
【0019】
第8の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、容器は、金属、好ましくはアルミニウム又はステンレス鋼、セラミック及び/又は高分子材料、好ましくはポリエステル、又はPVDC、LDPE、LLDPE、HDPEなどの拡散障壁を含むポリマー積層体(例えば、PP、PE、PETなどのポリオレフィンベース)、又は金属化PE若しくはPETなどの金属化ポリマーフィルム、又は薄膜コーティングを有するポリマー(ポリエステルなど)を含む。
【0020】
第9の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、容器は、最大でも2、好ましくは最大でも1.5、より好ましくは最大でも1の湿分蒸気透過率(MVTR)を有する材料を含む。
【0021】
第10の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、容器は、熱伝導性材料を含み、且つ熱伝導性材料によって喫煙可能材料に熱を伝達するように構成される。
【0022】
第11の実施形態によれば、先行する実施形態において、熱伝導性材料は、金属、好ましくはアルミニウム及び/又はステンレス鋼を含む。
【0023】
これにより、喫煙物品内に加熱要素を必要とすることなく、エアロゾルを生成することが可能になる。これにより、容器の単純な設計が可能になる。更に、容器が熱伝導性材料を含む場合、外部源から提供される熱は、より効率的にタバコ製品に導かれる。それにより、デバイスのエネルギー消費量が減少する。
【0024】
第12の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれか1つにおいて、容器は、容器内の喫煙可能材料を加熱するように構成された抵抗及び/又は放射加熱要素と熱伝達するように構成される。
【0025】
第13の実施形態によれば、第1~第9の実施形態のいずれか1つにおいて、エアロゾル生成物品は、誘導加熱を使用して加熱されるように構成され、サセプタは、好ましくは、タバコ材料及び/又は容器に埋め込まれる。
【0026】
エアロゾル生成物品の上記構成は、外部ヒータが利用できない場合でもエアロゾルを生成することを可能にする。例えば、エアロゾル生成物品は、エアロゾルが形成されるように、喫煙可能物品を誘導加熱するように構成された誘導コイルのみを含むデバイスに挿入され得る。これにより、複雑な加熱要素を省略することが可能になることで、エアロゾル生成物品に部品を追加する必要がなくなり、エアロゾル生成デバイス内の物品を加熱するための要件が減少する。したがって、エアロゾル生成物品を様々なエアロゾル生成デバイスにおいて使用することが可能となる。
【0027】
第14の実施形態によれば、先行する実施形態のいずれかにおいて、エアロゾル生成物品は、抵抗加熱、放射加熱及び/又は誘導加熱を使用する加熱アセンブリによって加熱されるように構成された加熱チャンバに挿入されるように構成され、加熱アセンブリは、好ましくは、非燃焼加熱式デバイスによって含まれる。
【0028】
本発明の第15の実施形態は、好ましくは先行する実施形態のいずれか1つに記載のエアロゾル生成物品を製造する方法であって、タバコ層状材料を乾燥させる工程と、喫煙可能材料であって、喫煙可能材料の総重量の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは9重量%未満及び/又は好ましくは5重量%超、より好ましくは6重量%超、最も好ましくは7重量%超の含水率を有する喫煙可能材料を得るために、乾燥タバコ層状材料を少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤と混合する工程と、エアロゾル生成物品によって含まれる筐体内に喫煙可能材料を実質的に密封して封入する工程とを含む方法に関する。
【0029】
上記方法は、前述の実施形態で説明した喫煙物品、特にエアロゾル生成物品に大規模な加熱を加える必要なく加熱することができる、比較的低い含水率を有するエアロゾル生成物品を得ることを可能にする。
【0030】
第16の実施形態によれば、先行する実施形態において、乾燥させる工程、混合する工程及び封入する工程は、1つずつ実施され、乾燥させる工程、混合する工程及び封入する工程の各々を実施する間の時間間隔は、最大でも60分である。
【0031】
第17の実施形態によれば、先行する実施形態において、時間間隔は、最大でも1分、好ましくは最大でも10秒である。
【0032】
工程を1つずつ実質的に即座に及び/又は比較的短い時間間隔内で実施することにより、比較的低い含水率を有する喫煙可能材料が大気から水分を引き出すことを防ぐ。それにより、含水率が比較的低いレベルに維持されることが確実となる。
【0033】
第18の実施形態によれば、第15~第17の実施形態のいずれか1つにおいて、乾燥させる工程は、タバコ葉を乾燥させる工程、乾燥されたタバコ葉を小片に切断して、タバコ層状材料を得る工程及びタバコ層状材料を乾燥させて、乾燥タバコ層状材料を得る工程の1つ以上を含む。
【0034】
すでに乾燥したタバコ材料を乾燥させることにより、タバコ層状材料の含水率を更に減少させることができる。
【0035】
第19の実施形態によれば、第15~第18の実施形態のいずれか1つにおいて、乾燥させる工程は、最大でも10秒間、好ましくは最大でも5秒間、最も好ましくは最大でも2秒間にわたって実施される。
【0036】
上記構成は、タバコ材料を比較的短時間のみ乾燥させるため、繊細な天然材料の損傷が防止される。
【0037】
第20の実施形態によれば、第15~第19の実施形態のいずれか1つにおいて、乾燥させる工程は、ドラム乾燥プロセス、凍結乾燥プロセス及び/又は噴霧乾燥プロセスを伴う。
【0038】
上記乾燥させる方法は、タバコ材料を損傷することなく、必要に応じてタバコ層状材料を乾燥させることを可能にする。
【0039】
第21の実施形態によれば、第15~第20の実施形態のいずれか1つにおいて、エアロゾル生成物品を実質的に密封して封入する工程は、密封可能な筐体を含む容器を提供する工程、容器に喫煙可能材料を充填する工程及び喫煙可能材料が充填された容器を閉鎖し、実質的に密封して封止する工程の1つ以上を含む。
【0040】
第22の実施形態によれば、第15~第21の実施形態のいずれか1つにおいて、乾燥させる工程、混合する工程及び封入する工程の少なくとも1つ、好ましくは全ては、制御された雰囲気、好ましくは湿度制御された雰囲気中で実施され、及び/又は工程間でタバコ材料が曝される雰囲気は、制御され、好ましくは湿度制御され、湿度制御された雰囲気は、好ましくは、50%RH未満、より好ましくは30%RH未満、最も好ましくは20%RH未満の相対湿度(RH)を有する。
【0041】
特に、雰囲気の相対湿度が低くなるように雰囲気が制御される場合、製造工程中に雰囲気を制御することで、喫煙可能材料が大気から水分を引き出すのを防ぐことを可能にする。
【0042】
第23の実施形態によれば、第15~第22の実施形態のいずれか1つにおいて、混合する工程は、実質的に密閉されている撹拌機タンク内で実施される。
【0043】
混合する工程を実質的に密閉された撹拌機タンク内で実施することにより、喫煙可能材料は、大気から追加の水分を引き出すことができない。混合する工程中、喫煙可能材料は、特に大気中の湿度の影響を受けやすいため、これは、この工程において特に適切である。
【0044】
本発明の第24の実施形態は、好ましくは、実施形態1~14のいずれか1つに記載のエアロゾル生成物品を製造する方法であって、スラリーを得るために、再構成タバコ材料(RTB)を少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤と混合する工程と、喫煙可能材料であって、喫煙可能材料の総重量の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは9重量%未満及び/又は喫煙可能材料の総重量の好ましくは5重量%超、より好ましくは6重量%超、最も好ましくは7重量%超の含水率を有する喫煙可能材料を得るために、スラリーを乾燥させる工程と、エアロゾル生成物品によって含まれる筐体内に喫煙可能材料を実質的に密封して封入する工程とを含む方法に関する。
【0045】
再構成タバコ材料を使用することで、喫煙可能材料の製造を容易にする。すなわち、再構成タバコ材料は、概して、取り扱い及び作業がより簡単なシートで提供される。更に、再構成タバコ材料は、様々な構成で提供されることが多い。例えば、ある種類は、別の種類よりも高濃度の揮発性物質(ニコチン及び風味成分など)を含み得る。したがって、特定の所望の特性を有する喫煙可能材料を提供することが容易になる。
【0046】
本発明の第25の実施形態は、第15~第22の実施形態のいずれか1つに記載の方法によって得られる、第1~第14の実施形態のいずれか1つに記載のエアロゾル生成物品に関する。
【0047】
本発明の第26の実施形態は、第1~第14の実施形態のいずれか1つに記載の且つ/又は第15~第23の実施形態のいずれか1つに従って製造されるエアロゾル生成物品と、エアロゾル生成物品を受け入れるように構成されたエアロゾル生成デバイスであって、電源と、電源によって給電される、抵抗加熱システム、放射加熱システム及び/又は誘導加熱システムを含む加熱アセンブリとを含むエアロゾル生成デバイスとを含むエアロゾル生成システムに関する。
【0048】
第27の実施形態によれば、先行する実施形態において、エアロゾル生成デバイスは、穿孔部材を含み、穿孔部材は、エアロゾル生成システムが、エアロゾル生成物品をエアロゾル生成デバイスに挿入することによって組み立てられるとき、エアロゾル生成物品の筐体に突き刺され、且つ筐体に開口部を作るように構成される。
【0049】
第28の実施形態によれば、先行する実施形態において、エアロゾル生成デバイスは、穿孔部材を含むマウスピースを含む。
【0050】
第29の実施形態によれば、第26~第28の実施形態のいずれか1つにおいて、エアロゾル生成デバイスは、
エアロゾル生成システムが、エアロゾル生成物品をエアロゾル生成デバイスに挿入することによって組み立てられるとき、エアロゾル生成物品の筐体に突き刺され、且つ筐体に第1の開口部を作るように構成された第1の穿孔部材と、
エアロゾル生成システムが、エアロゾル生成物品をエアロゾル生成デバイスに挿入することによって組み立てられるとき、エアロゾル生成物品の筐体に突き刺され、且つ筐体に第2の開口部を作るように構成された第2の穿孔部材と
を含む。
【0051】
第30の実施形態によれば、先行する実施形態において、第1の開口部は、筐体内に空気を供給するように構成された空気入口であり、第2の開口部は、筐体からエアロゾルを放出するように構成されたエアロゾル出口である。
【0052】
エアロゾル生成デバイスに穿孔部材を、好ましくはマウスピースに穿孔部材を設けることにより、ユーザは、デバイスを使用しようとするときに筐体に開口部を開けることができる。実際、エアロゾル生成物品内の実質的に密封された筐体内でエアロゾルが生成されると、エアロゾルは、この開口部のみを通して出ることができる。更に、実質的に密封された筐体は、ユーザが製品の消費を望むまで閉じたままである。したがって、カプセルが開封/穿孔されるまで、すなわちユーザが製品を消費することを望むまで低い含水率を維持することができる。
【0053】
ここで、添付の図面を参照して、あくまで例として好ましい実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】例示的実施形態におけるエアロゾル生成物品の概略図である。
図2】例示的実施形態における分解された状態のエアロゾル生成システムの分解図である。
図3】例示的実施形態における組み立てられた状態のエアロゾル生成システムを示す概略図である。
図4】例示的実施形態における乾燥させる工程を示す概略図である。
図5】例示的実施形態における混合する工程を示す概略図である。
図6】例示的実施形態における封入する工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下では、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0056】
図1は、例示的実施形態によるエアロゾル生成物品100の概略図である。エアロゾル生成物品100は、実質的に密封された筐体111を含む容器110と、実質的に密封された筐体111内に含まれる喫煙可能材料112とを含む。喫煙可能材料112は、乾燥タバコ層状材料と、乾燥タバコ層状材料以外の少なくとも1つのエアロゾル生成剤とを含み、喫煙可能材料112の含水率は、喫煙可能材料112の総重量の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは9重量%未満及び/又は5重量%超、好ましくは6重量%超、最も好ましくは7重量%超である。いくつかの例では、含水率は、喫煙可能材料112の総重量の5重量%~12重量%未満、又は好ましくは5重量%~11重量%、又は好ましくは5重量%~10重量%、又は好ましくは5重量%~9重量%の範囲である。いくつかの更なる例では、含水率は、喫煙可能材料112の総重量の6重量%~12重量%未満、又は好ましくは6重量%~11重量%、又は好ましくは6重量%~10重量%、又は好ましくは6重量%~9重量%の範囲である。いくつかの更なる例では、含水率は、喫煙可能材料112の総重量の7重量%~12重量%未満、又は好ましくは7重量%~11重量%、又は好ましくは7重量%~10重量%、又は好ましくは7重量%~9重量%の範囲である。
【0057】
喫煙可能材料112は、ある温度まで加熱されると、吸入可能なエアロゾルを提供するように構成される。例示的実施形態では、エアロゾルは、100℃~350℃、好ましくは150℃~300℃、より好ましくは190℃~270℃、最も好ましくは200℃~250℃で形成される。例示的実施形態では、熱は、エアロゾル生成物品100が挿入され得るエアロゾル生成デバイスの加熱アセンブリ212などの外部熱源によってエアロゾル生成物品100に提供され得る。この実施形態では、熱は、外部熱源からエアロゾル生成物品100の容器110を介して喫煙可能材料112に熱伝導によって伝達される。別の例示的実施形態では、エアロゾル生成物品100はサセプタを含み得、エアロゾル生成物品100に電磁場が印加されると喫煙可能材料112を加熱するように構成される。サセプタは、喫煙可能材料112及び/又は容器110に埋め込まれ得る。電磁場を提供するためのコイルは、エアロゾル生成物品100の一部又は電源212を含むエアロゾル生成デバイス210などの外部デバイスの一部であり得る。
【0058】
少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、エアロゾルの風味及び/又は生成を向上させるために喫煙可能材料112に添加される。例示的実施形態では、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、溶剤、湿潤剤及び/又は香味剤の1つ以上であり得る。例示的なエアロゾル生成剤は、プロピレングリコール又はトリエチレングリコールなどのグリコール;グリセロール;グリセロール誘導体;乳酸などの酸;クエン酸トリエチル;トリアセチン;ソルビトールなどのポリオール;一価アルコールなどの非ポリオール;高沸点炭化水素;ジアセチン、トリアセチン、トリエチレン、クエン酸トリエチル、グリコールジアセテートなどのエステル;ミリスチン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどのミリスチン酸;ステアリン酸メチル、テトラデカン二酸ジメチル及びドデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステル又はこれらの組み合わせである。少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、アップル、チェリー、チョコレート、ハニー、グレープ、メントール、ミント、ピーチ、ラム、ストロベリー、「スイート」(バブルガム、キャンディ、マンゴー、ブルーベリー、ストロベリー、オレンジ、ガムミント、バナナ及びタフィーを含む)及び/又はバニラ味を得るための香味剤も含み得る。例えば、エチルバニリン(バニラ)、メントール、酢酸イソアミル(バナナオイル)又は他の一般的に知られる香味剤の1つ以上を添加することによる。更に、ユーザの味覚を高めるためにカフェイン又はニコチンも添加し得る。
【0059】
高い含水率は、喫煙可能材料112が喫煙可能材料112からエアロゾルを得るために必要な温度に達するまでにより多くの液体を蒸発させなければならないことを意味する。しかしながら、過度の熱は、不利となり得、なぜなら、それは、より多くの電力を必要とし、熱を提供するデバイスが加熱する可能性もあり、これをユーザが望まないためである。更に、一部のデバイス210は、含水率が高い場合、喫煙可能材料112によってエアロゾルが提供されるまで不快なほど長い時間を要する可能性のあるようなある量の熱のみを提供することができる場合がある。
【0060】
したがって、例示的実施形態では、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、乾燥タバコ層状材料の5重量%~50重量%、好ましくは乾燥タバコ層状材料の8重量%~30重量%、最も好ましくは乾燥タバコ層状材料の10重量%~25重量%に相当する。これらの範囲は、ユーザにとって良好な特性を備えるエアロゾルを生成する、すなわちユーザに良好な味、良好な口当たりを提供し、過度の熱を必要とすることなく迅速に加熱する喫煙可能材料112を提供することが証明されている。
【0061】
従来のエアロゾル生成物品100では、低い含水率を有する喫煙可能材料112及びグリセロールなどの一部のエアロゾル生成剤は、大気から水分を引き出す傾向があり、時間の経過とともに喫煙可能材料112の含水率が増加する。しかしながら、上記の観点から、喫煙可能材料112の含水率を一定に低く維持することが有益である。これは、喫煙可能材料112の大気への暴露が最小限になるように、喫煙可能材料112を実質的に密封された筐体111内に保管することによって達成され得る。すなわち、実質的に密封された筐体111は、水分が筐体111に入ることができないように少なくとも密封されるべきである。これにより、喫煙可能材料112が周囲大気から水分を引き出すことを防ぐか又は少なくともより困難にし、含水率を一定に保つ。
【0062】
喫煙可能材料112が容器110を通して水分を引き出さないようにするために、容器110は、比較的低い湿分蒸気透過率(MVTR)/水蒸気透過率(WVTR)又は酸素透過率(OTR)を有する材料を含むことが有益である。MVTR/WVTRは、物質の1mの表面を24時間で通過する水分/水の量の指標であり、OTRは、表面を通過する酸素/気体の量を示す。したがって、容器材料のMVTR/WVTR又はOTRが低くなるほど、材料を通して拡散し得る液体及び/又は酸素が少なくなるため、含水率を一定に維持する容器の能力が高くなる。
【0063】
吸入可能なエアロゾルを形成するのに必要な温度に達するための喫煙可能材料112の加熱を容易にするために、良好な熱伝導率特性を示す容器材料が好ましい。
【0064】
例示的実施形態では、容器110は、金属、セラミック、高分子材料若しくはこれらの組み合わせなどの材料と、喫煙可能材料112に熱を伝達するように構成された熱伝導性材料とを含み得るか、又は金属、セラミック、高分子材料若しくはこれらの組み合わせなどの材料と、喫煙可能材料112に熱を伝達するように構成された熱伝導性材料とからなり得る。例えば、熱伝導性材料は、アルミニウム及び/若しくはステンレス鋼などの金属又は良好な熱伝導率を有するポリマー/セラミック材料を含み得る。
【0065】
10cm/m/24h未満、好ましくは8cm/m/24h未満、より好ましくは6cm/m/24h未満、最も好ましくは5cm/m/24h未満のMVTR/WVTR/OTRを有するポリマーは、良好なMVTR/WVTR/OTR特性を有するポリマーと考えられ、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属は、1×10^-3cm/m/24h(アルミニウム箔)又は更に1×10^-5cm/m/24h未満(ステンレス鋼)のMVTR/WVTR/OTRを更に有することができる。上記は、金属が容器110の好ましい材料であることを示すように思われるが、金属容器と比較した場合、ポリマーを含む容器は、より安価であり、製造がより簡単である。したがって、いくつかの実施形態では、ポリマー材料を含む容器が好ましい。
【0066】
安価な母材が好ましいが、熱伝導率及びMVTR/WVTR/OTRも重要である場合、母材の熱伝導率及びMVTR/WVTR/OTRは、薄膜コーティングなどのコーティングを容器110に適用することによって複数桁高めることができる。例示的実施形態では、容器110は、例えば金又は白金などの特に良好な熱伝導体をコーティング中に施すことによって容器110の熱伝導特性を高めるコーティングを有する、セラミック、高分子材料又は金属を含む母材を含み得る。別の例示的実施形態では、容器110は、容器110のMVTR特性又はOTR特性を高める(すなわちMVTR/OTRを低下させる)コーティングを含み得る。この場合、コーティングは、酸素及び/又は蒸気が容器110を通過し得る/容器110を通して拡散し得ることを防ぐ又は少なくともより困難にするように、容器110の拡散障壁として機能する。
【0067】
例えば、ポリマーは、ポリエステル、又はPVDC、LDPE、LLDPE、HDPEなどの水分バリアを含むポリマー積層体(例えば、PP、PE、PETなどのポリオレフィンベース)、又は金属化PE若しくはPETなどの金属化ポリマーフィルム、又は薄膜バリアコーティングを有するポリマー(ポリエステルなど)の1つ以上であり得る。
【0068】
図1に見られるように、容器110は、容器110の開口部に少なくとも1つのフランジ113を含み得る。フランジ113は、容器110の一部であり得るか、又は容器110に取り付けられ得る。封止膜114は、膜114が容器110を実質的に密閉するように、少なくとも1つのフランジ113に接続され得る。実質的に密閉される(又は密封される)とは、本明細書で使用する場合、容器110内の雰囲気が容器110の外部の雰囲気にごくわずかにのみ曝される、好ましくは容器110の外部の雰囲気に全く曝されないように閉じられることに関連する。封止膜114は、フランジ113に直接接続され得るか、又は封止膜114をフランジと接続するように構成された、グルーなどの接着剤、例えばエポキシ接着剤など、フランジ113と封止膜114との間の中間層に取り付けられ得る。封止膜114は、例えば、圧力を加えることによって封止膜114をフランジ113上に押し付ける及び/若しくは変形させること及び/又は超音波溶接若しくはレーザ溶接などの溶接によって機械的に又は例えば接着剤若しくは封止膜114とフランジ113との間の化学反応によって化学的に或いはこれらの組み合わせでフランジ113に取り付けられ得る。封止膜114は、熱、例えばヒートシールによってもフランジ113に取り付けられ得る。封止膜114は、比較的低いMVTR/WVTR/OTR及び好ましくは比較的高い熱伝導率を有することが好ましい。容器110にフランジ113及び封止膜114を設けると、封止膜114を容器110に接続することが容易になるため、容器110の封入が容易になる。
【0069】
例示的実施形態では、容器110は、円錐台形状を有するポッドとして形成される。この実施形態では、フランジ113は、容器110の開口部を形成するより大きい直径を有する円錐台の円形領域を囲むように構成される。円錐台形状の容器110の内部に、喫煙可能材料112が挿入される筐体111が形成される。円形の薄い封止膜114は、容器を実質的に密封して封入/封止するために、フランジ113によって容器110に接続される。このように形成されると、喫煙可能材料112はポッド内に実質的に密封して封入される。良好なMVTR/WVTR/OTR特性を有する材料が容器110に使用される場合、ポッド内部の喫煙可能材料112の含水率が維持されるようになる。封止膜114は薄いため、容器110の開口部が形成されるように封止膜114に穿孔して、喫煙可能材料112にアクセスすることが可能である。
【0070】
図2は、例示的実施形態による、エアロゾル生成デバイス210と、エアロゾル生成物品100と、穿孔部材214を有するマウスピース215とを含む、分解された状態のエアロゾル生成システム200の分解図を示す。エアロゾル生成デバイス210は、加熱アセンブリ212と、加熱アセンブリ212に給電するように構成された電源211とを含み得る。電源211は、加熱アセンブリ212に電力を供給するバッテリーであり得る。
【0071】
加熱アセンブリ212は、エアロゾル生成物品100に熱を提供するように構成された抵抗加熱システム又は誘導加熱システムを含み得る。別の実施形態では、加熱アセンブリ212は、エアロゾル生成物品100の/内のサセプタに電磁場を印加することで喫煙可能材料112を加熱するように構成されたコイルを含み得る。
【0072】
マウスピース215は、エアロゾル生成デバイス210に着脱可能に取り付けられ得るか、又はマウスピース215は、デバイス210に永久的に取り付けられ得る。例示的実施形態によれば、マウスピースが着脱可能である場合、マウスピース215は、デバイス210にねじ込まれるように構成されたねじ切り部を含み得る。別の実施形態では、マウスピース215は、デバイス210上の凹部若しくは突起と各々協働する突起若しくは凹部及び/又はばねによってもデバイス210に留められ得る。別の例示的実施形態によれば、マウスピースが永久的に取り付けられる場合、マウスピース215は、マウスピースがデバイスの長手方向軸線に対して垂直な軸線の周りで回転することを可能にするヒンジを含み得る。この回転により、マウスピースが開位置又は閉位置にあることを可能にする。このような実施形態では、マウスピースは、エアロゾル生成システム200が組み立てられたとき及びエアロゾル生成デバイス210の使用中、デバイス210上にマウスピースを維持することができるように、デバイス210上の凹部又は突起とそれぞれ協働する突起又は凹部を更に含み得る。
【0073】
穿孔部材214は、マウスピース215の一部であり得るか、又はマウスピース215と別体であり得る。穿孔部材214は、エアロゾル生成システム200が組み立てられたとき、好ましくは容器110の封止膜114を突き通して実質的に密封された筐体111に入るように構成される。穿孔部材214が容器110を突き通すと、穿孔部材214の少なくとも一部分は筐体111によって受け入れられる。
【0074】
別の実施形態では、エアロゾル生成デバイス210は、エアロゾル生成システム200が組み立てられたとき、好ましくは容器110の封止膜114を突き通して実質的に密封された筐体111に入るように構成された第1の穿孔部材と第2の穿孔部材とを含み得る。この構成では、第1の穿孔部材が第1の開口部を作成し、第2の穿孔部材が第2の開口部を作成する。第1の開口部は、筐体内に空気を供給するように構成された空気入口であり、第2の開口部は、筐体からエアロゾルを放出するように構成されたエアロゾル出口である。
【0075】
エアロゾル生成システム200が分解された状態にあるとき、容器は、穿孔されず、実質的に密封された筐体111は実質的に密封された状態を維持する。したがって、実質的に密封された筐体内の喫煙可能材料112の含水率は、実質的に一定のままである。
【0076】
図3は、別の実施形態による組み立てられた状態のエアロゾル生成システム200を示す。この実施形態では、エアロゾル生成物品100(図3には図示せず)は、エアロゾル生成デバイス210の内部に配置され、喫煙可能材料を含む筐体111は、開封される。
【0077】
すなわち、図3に示される実施形態では、エアロゾル生成システム200は、実質的に密封された筐体111が穿孔部材214によって開封されるように、エアロゾル生成物品100をエアロゾル生成デバイス210に挿入し、穿孔部材214を含む着脱可能なマウスピース215をエアロゾル生成デバイス210に取り付けることによって組み立てられる。すなわち、組み立てられると、穿孔部材214は、容器110の好ましくは封止膜114に開口部を開ける。
【0078】
他の実施形態では、エアロゾル生成システム200は、穿孔部材214を含むエアロゾル生成デバイス210にエアロゾル生成物品100を挿入することによって組み立てられ得る。このような実施形態では、実質的に密封された筐体111は、マウスピース215をエアロゾル生成デバイス210に取り付けることによっては穿孔されず、エアロゾル生成デバイス210に含まれる穿孔機構によって穿孔される。
【0079】
システムが第1の穿孔部材と第2の穿孔部材とを含む実施形態では、第1の開口部及び第2の開口部はデバイス210が組み立てられたときに作成される。デバイスを組み立てることによって第1の開口部及び第2の開口部を作成することにより、喫煙可能材料112を含む容器110を通る空気流は、エアロゾルが形成されることになるタイミングでのみ提供される。それにより、システム200が使用されるまで容器内の含水率は実質的に一定のままである。
【0080】
別の実施形態では、実質的に密封された筐体111は、穿孔部材214を用いることなく開封され得る。例えば、容器110は、電力及び/又は機械的な力を用いて開封される所定の破断点を含み得る。
【0081】
上記実施形態のいずれにおいても、ユーザはエアロゾル生成デバイス210を組み立て、好ましくはボタンを押すことによってエアロゾル生成デバイス210を起動し得る。エアロゾル生成デバイスは、センサによっても起動され得る。センサは、デバイスが組み立てられたことを検知し得るか、又はデバイスが組み立てられた後のユーザのタッチ操作を検知し得、エアロゾル生成デバイスは、これに応じて起動され得る。これにより、加熱アセンブリ212が通電されて、喫煙可能材料112が加熱され、エアロゾルが生成される。容器110が開封されると、エアロゾル生成物品100の内部で作成されたエアロゾルが筐体111から出て、マウスピース215を介してユーザに提供される。別の実施形態では、加熱アセンブリ212の通電にユーザによる起動を必要とせず、加熱アセンブリ212はエアロゾル生成デバイス210が組み立てられるとすぐに通電される。エアロゾル生成物品100が消費されると、ユーザは、エアロゾル生成デバイス210を開けて、消費済みのエアロゾル生成物品100を取り出すことができる。
【0082】
以下では、エアロゾル生成物品100を製造する方法を、方法の個々の工程が例示的実施形態に従って示されている図4図6を参照して説明する。
【0083】
本方法は、タバコ層状材料を乾燥させる、乾燥させる工程S110と、喫煙可能材料112を得るために、乾燥タバコ層状材料を少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤と混合する、混合する工程S120と、エアロゾル生成物品100によって含まれる筐体111内に喫煙可能材料112を実質的に密封して封入する、封入する工程S130とを含む。
【0084】
乾燥させる工程において、タバコ材料を乾燥させて、乾燥タバコ層状材料を得る。図4は、例示的実施形態による、ドラム乾燥プロセスとしての乾燥させる工程を示す。
【0085】
タバコ層状材料は、タバコ葉をキュアリングし、その後、乾燥タバコ葉を小片に切断することにより得られる。この実施形態では、10%~25%、好ましくは12%~22%、より好ましくは14%~20%、最も好ましくは16%~18%の初期含水率を有するタバコ層状材料を使用することが好ましい。タバコ層状材料は、ドラム乾燥機のドラム410内に加えられる。ドラム乾燥機のドラム410は加熱され(これは図4の4つの平行矢印によって示される)、タバコ層状材料は乾燥空気流420に曝される。いくつかの実施形態では、乾燥空気流420は、追加的に又は代替的に加熱される。タバコ層状材料は、乾燥空気420及び/又はドラム410からの熱によって乾燥される。乾燥空気流420及び熱に対するタバコ層状材料の表面暴露を最大化し、それによって乾燥効率を最大化するために、タバコ層をドラム410内でドラム410の回転運動によって移動させる。タバコ層から蒸発した水分は、熱交換器430によってドラム410から除去される。水分の蒸発速度を高めるために、ドラム410の内部の圧力を低下させ得る。
【0086】
他の実施形態では、乾燥させる工程は、凍結乾燥、噴霧乾燥及び/又は真空撹拌乾燥の1つ以上であり得る。真空ドラム又は真空撹拌乾燥機並びに噴霧乾燥機は、一般的に利用可能な技術である。タバコ層状材料の潜在的な損傷を最小限にすることが必要である場合、精巧且つ高価な凍結乾燥プロセスが好ましい場合がある。
【0087】
乾燥技術とは無関係に、タバコ層状材料は、繊細なタバコ層状材料の損傷を最小限にするために、最大でも5秒間、好ましくは最大でも約4秒間、より好ましくは最大でも約3秒間、最も好ましくは最大でも約2秒間加熱される。得られる乾燥タバコ層状材料は、乾燥タバコ層状材料の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは9重量%未満の含水率を有する。
【0088】
乾燥したタバコ材料の含水率は比較的低いため、乾燥させる工程S110中、乾燥タバコ層状材料が周囲大気から水分を引き出すことを防ぐために、雰囲気を制御すべきである。湿度制御された雰囲気、例えば、最大でも50%RH、好ましくは最大でも40%RH、より好ましくは最大でも30%RH、最も好ましくは最大でも20%RHの雰囲気が好ましい。更に、周囲大気の水分による乾燥タバコ層状材料の再水和を防ぐために温度が制御され得る。すなわち、雰囲気の温度が高くなるほど、再水和が起こりにくくなる。
【0089】
乾燥させる工程S110後、喫煙可能材料112を得るために、混合する工程S120において、乾燥タバコ層状材料は少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤と混合される。混合する工程S120の例示的実施形態は、図5に示されている。添加される少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、湿潤剤、溶剤、ニコチン及び香味成分のいずれか1つ以上であり得る。他のエアロゾル生成剤の例については、図1のエアロゾル生成物品100に関してすでに上記した。
【0090】
図5に示される実施形態では、乾燥タバコ層状材料は、ブレンダ520と、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤510を提供するためのジェットとを含む閉鎖された撹拌機タンク530に加えられる。少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤は、ジェット510によって乾燥タバコ層状材料に加えられ、混合物はブレンダ520によって混合され、喫煙可能材料112が得られる。少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤を加えることにより混合物の含水率は増加するため、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤の追加は、結果として得られる喫煙可能材料112が、喫煙可能材料112の総重量の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは9重量%未満及び/又は5重量%超、好ましくは6重量%超、最も好ましくは7重量%超の含水率を有するように制御されなければならない。いくつかの例では、含水率は、喫煙可能材料112の総重量の5重量%~12重量%未満、又は好ましくは5重量%~11重量%、又は好ましくは5重量%~10重量%、又は好ましくは5重量%~9重量%の範囲である。いくつかの更なる例では、含水率は、喫煙可能材料112の総重量の6重量%~12重量%未満、又は好ましくは6重量%~11重量%、又は好ましくは6重量%~10重量%、又は好ましくは6重量%~9重量%の範囲である。いくつかの更なる例では、含水率は、喫煙可能材料112の総重量の7重量%~12重量%未満、又は好ましくは7重量%~11重量%、又は好ましくは7重量%~10重量%、又は好ましくは7重量%~9重量%の範囲である。
【0091】
結果として得られる喫煙可能材料の含水率は、例えば、熱重量分析を伴う測定方法を使用することによって決定され得る。熱重量測定方法では、喫煙可能材料のサンプルを採取し、秤に置いて、サンプルの初期重量を測定する。その後、サンプルは、例えば、乾燥炉、赤外線乾燥(赤外線の吸収による加熱)、ハロゲン乾燥又はマイクロ波乾燥(マイクロ波の吸収による加熱)のいずれかを使用して、重量が一定になるまで又は所定時間に達するまで乾燥/加熱される。乾燥プロセス中(又は乾燥プロセスの前後)の重量減少の量が測定され、サンプルの含水率と定義される。加熱中に揮発する全ての物質がサンプルの質量/含水率の低下に寄与する。これには、水と並んで、分解生成物又はアルコールも含み得る。したがって、熱重量測定方法を使用する場合、水と高揮発性成分との区別は行われない。
【0092】
結果として得られる喫煙可能材料の含水率を決定するための例示的な熱重量方法は、ハロゲン水分分析器を使用した含水率測定である。この方法によれば、熱重量測定方法では、喫煙可能材料のサンプルを採取し、秤に置いて、サンプルの初期重量を測定する。その後、サンプルを秤の上に維持したままでハロゲンラジエータ(ハロゲンラジエータの赤外線吸収による加熱)でサンプルを乾燥させ、乾燥プロセス(すなわちサンプル中の水分の蒸発)に起因する重量減少を連続的に測定する。サンプルを完全に乾燥させた後(例えば、一定質量又は所定時間に達した場合)の重量の総減少量が、含水率と解釈される。喫煙可能材料112はタバコ層状材料と少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤とを含むため、その含水率は、タバコ層状材料中の水分だけでなく、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤中の水分及び乾燥プロセス中に蒸発する任意の揮発性物質の水分にも類似している。
【0093】
閉鎖された撹拌機タンク530は、雰囲気、好ましくはタンクの内部の雰囲気の湿度を制御することができるため、有利である。この実施形態では、閉鎖された撹拌機タンク530の内部では、タバコ層状材料/喫煙可能材料112の再水和が防止されるように、最大でも50%RH、好ましくは最大でも40%RH、より好ましくは最大でも30%RH、最も好ましくは最大でも20%RHの相対湿度が好ましい。
【0094】
混合する工程S120は、バッチプロセスのみならず、連続プロセスとして実施され得る。
【0095】
混合する工程S120後、工程S130において、喫煙可能材料112は、実質的に密封して封入される。例示的実施形態による工程S130は、図6に示される。
【0096】
封入工程S130の第1の工程において、実質的に密封可能な筐体111を有する空の容器110が提供される。容器110は、タバコ材料を再水和から保護するための比較的良好な水蒸気バリア特性と、喫煙可能材料112の加熱を容易にするための良好な熱伝導率とを有する材料を含む。この実施形態では、容器110は、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属を含む。金属は、誘導型の加熱構成におけるサセプタとして機能することができるという追加的な利点を有する。しかしながら、セラミック又はポリマー、特にコーティングを有するセラミック又はポリマーなどの他の材料も使用することができる。
【0097】
封入工程S130の第2の工程において、容器110の実質的に密封可能な筐体111に、好ましくはディスペンサ610によって喫煙可能材料112が充填される。その後、封入工程S130の第3の工程において、容器110の実質的に密封可能な筐体111は、好ましくは封止膜114によって密封/閉鎖される。封止膜114は、喫煙可能材料112の再水和を防ぐために十分なMVTR/WVTR/OTR特性を提供することが好ましく、エアロゾル生成デバイス210の穿孔部材214によって容易に穿孔されるように構成されることが好ましい。この実施形態で使用される封止膜114は、良好なMVTR/WVTR/OTR特性のみならず良好な熱伝導率を提供する薄いアルミニウム層であり、穿孔部材214によって容易に突き刺す/開口することができる。好ましくは、容器110は、封止膜114での容器110の封止を容易にするフランジ113を含む。容器110は、グルーなどの接着剤若しくは化学反応によって化学的に又は変形、溶接若しくは圧力の印加によって機械的に或いはこれらの組み合わせで封止され得る。
【0098】
容器110が実質的に密封されると、デバイス210の組み立て中に容器110が穿孔部材114によって開封されるまで喫煙可能材料112は周囲大気に曝されない。これは、喫煙可能材料112の含水率が実質的に一定のまま、したがって、喫煙可能材料112の総重量の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは9重量%未満であることを意味する。
【0099】
前の乾燥させる工程S110及び混合する工程S120と同様に、封入プロセスS130中の雰囲気は制御され、この実施形態では、好ましくは湿度制御される。この湿度制御された雰囲気は、50%RH未満、より好ましくは30%RH未満、最も好ましくは20%RH未満の相対湿度を有することが好ましい。
【0100】
乾燥させる工程S110、混合する工程S120及び封入する工程S130中に喫煙可能材料112の暴露を防止することに加えて、各工程間における喫煙可能材料112の大気への暴露を防ぐことが好ましい。大規模な暴露を防ぐための1つの手法は、各プロセス工程間の時間間隔を削減して、好ましくは、各工程S110、工程S120、工程S130を1つずつ即座に又は少なくとも実質的に即座に実施することである。すなわち、工程S110が実施された後、乾燥タバコ層状材料は即座に、保管時間及び/又は追加の処理を伴わずに、撹拌機タンクに加えられ、工程S120が実施された後、喫煙可能材料は容器内に即座に封入される。
【0101】
プロセス工程間の時間間隔の削減は、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤が喫煙可能材料112に混合された後、湿潤剤などの多くのエアロゾル生成剤が大気から水分を引き寄せるため、特に適切である。このため、混合する工程S120と封入工程S130との間の時間間隔は、60分未満、好ましくは10分未満、より好ましくは1分未満、最も好ましくは10秒未満であることが好ましい。
【0102】
自然周囲大気に対する喫煙可能材料112の暴露を更に低減するために、プロセス工程S110、プロセス工程S120及びプロセス工程S130間の雰囲気を制御することができ、好ましくは湿度制御することができる。例示的実施形態では、3つのプロセスの少なくとも2つの間において、タバコ層状材料/喫煙可能材料112の再水和が防止されるように、最大でも50%RH、好ましくは最大でも40%RH、より好ましくは最大でも30%RH、最も好ましくは最大でも20%RHの相対湿度が好ましい。
【0103】
上記実施形態は、タバコ層状材料を含む喫煙可能材料112を参照して説明した。しかしながら、喫煙可能材料112は、再構成タバコなどの他のタバコ材料を含み得る。再構成タバコ又は再構成タバコシートは、均質化されたタバコ材料のシートである。シートは、一般に、タバコ粉又は細断されたタバコ繊維を結合剤と混合して、スラリーを形成することにより得られる。その後、スラリーを可動無端ベルト上にキャストし、乾燥機を通過させて水分を除去し、再構成タバコ(結合剤)シート(RTS又はRTBとも呼ばれる)を得る。代わりに、製紙に似たプロセスを使用してRTS/RTBを得ることができる。このようなプロセスでは、タバコ葉が切断され、水と混合され、タバコ中の水溶性部分がタバコ繊維から抽出される。残ったタバコ繊維は精製されて、製紙機械に送られ、シートへと形成される。その後、抽出プロセスで得られた水溶性生成物を、結合剤及び/又は湿潤剤とともにシートに組み込み、再構成タバコシートを形成する。この工程において、得られるRTS/RTBの組成を消費者の嗜好に従って変更することができる。例えば、所望の特性を有するRTS/RTBシートが得られるように、香味剤、エアロゾル生成物質及び/若しくはニコチンなどの特定の揮発性物質をシートに添加し得、且つ/又は水溶性生成物をシートに高/低濃度で添加し得る。
【0104】
上記実施形態は全て、タバコ層状材料の代わりに(又はタバコ層状材料に加えて)、RTS/RTBにも適用可能である。しかしながら、RTS/RTBが使用される場合、乾燥させる工程S110は、混合する工程S120後に実施される。すなわち、喫煙可能材料112を得るために、第1の工程において、RTS/RTBのシートが小片/小部分に切断され、その後、工程S120を参照して上述したように少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤と混合され、第2の工程において、少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤とRTS/RTBとを含む混合物/スラリーが、工程S110を参照して上述したように、乾燥させる工程において乾燥される。RTS/RTBに関して、乾燥させる工程後、喫煙可能材料112の含水率は、喫煙可能材料112の12重量%未満、好ましくは11重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは9重量%未満である。その後、RTS/RTBを含む喫煙可能材料112は、工程S130を参照して上述したように、容器内に封入される。
【0105】
エアロゾル生成物品100を製造する上記方法は、低い含水率を有し、この含水率が物品100の製造中に意図せず増加しないことを確実とするエアロゾル生成物品100を生成することを可能にする。
【符号の説明】
【0106】
100 エアロゾル生成物品
110 容器
111 筐体
112 喫煙可能材料
113 フランジ
114 封止膜
120 撹拌機タンク
200 エアロゾル生成システム
210 エアロゾル生成デバイス
211 電源
212 加熱アセンブリ
213 マウスピース
214 穿孔部材
410 ドラム
420 乾燥空気流
430 熱交換器
510 少なくとも1つの他のエアロゾル生成剤を提供するためのジェット
520 ブレンダ
530 閉鎖された撹拌機タンク
610 ディスペンサ
S110 乾燥させる工程
S120 混合する工程
S130 封入する工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】