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▶ キム、ドン グンの特許一覧

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  • 特開-腰掛便器用座浴器 図1
  • 特開-腰掛便器用座浴器 図2
  • 特開-腰掛便器用座浴器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007406
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】腰掛便器用座浴器
(51)【国際特許分類】
   A61H 35/00 20060101AFI20240110BHJP
   A47K 13/00 20060101ALI20240110BHJP
   A47K 3/022 20060101ALI20240110BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61H35/00 W
A47K13/00
A47K3/022
E03D9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103622
(22)【出願日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0079648
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523235242
【氏名又は名称】キム、ドン グン
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン グン
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
4C094
【Fターム(参考)】
2D037EA00
2D038ZA03
4C094AA09
4C094BC24
4C094GG07
(57)【要約】
【課題】座浴器に収容された水を腰掛便器から容易に排出可能にした腰掛便器用座浴器を提供する。
【解決手段】水を収容しながら腰掛便器の排水槽に挿入可能な大きさを有する貯水部と、貯水部の両側上端から外側方向に突出して腰掛便器の排水槽の上端に架けられ、後端部が貯水部の長手方向の中間部と後端部との間に位置する側方据置部と、貯水部の前方部において、排水槽の前方部と間隔を置いて形成される取っ手部と、で構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を収容しながら腰掛便器の排水槽に挿入可能な大きさを有する貯水部と、
前記貯水部の両側上端から外側方向に突出して腰掛便器の排水槽の上端に架けられ、後端部が前記貯水部の長手方向の中間部と後端部との間に位置する側方据置部と、で構成されることを特徴とする腰掛便器用座容器。
【請求項2】
水を収容しながら腰掛便器の排水槽に挿入可能な大きさを有する貯水部と、
前記貯水部の両側上端から外側方向に突出する側方据置部と、
前記側方据置部の後方において、前記貯水部の両側上端から外側方向に突出し、後端部が前記貯水部の長手方向の中間部と後端部との間に位置する回転据置部と、で構成されることを特徴とする腰掛便器用座浴器。
【請求項3】
前記貯水部の前方部において、前記排水槽の前方部と間隔を置いて形成される取っ手部を含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の腰掛便器用座浴器。
【請求項4】
前記側方据置部または回転据置部の後端部は、貯水部の前方部が持ち上げられたとき、排水槽の上端部と接するように、貯水槽の幅方向に直線、若しくは後方に突出する曲線で形成されることを特徴とする 請求項1または2に記載の腰掛便器用座浴器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座浴器に関し、特に、腰掛便器に取り付け、一般的に湯を収容して座浴ができるようにした座浴器において、座浴器に収容された水を腰掛便器から容易に排出可能にした腰掛便器用座浴器に関する。
【背景技術】
【0002】
食生活と食習慣の変化、各種ストレス、大腸または肛門などの疾患によって排便活動が円滑ではない人々は、座浴を通じて括約筋を刺激して弛緩させることで、排便を円滑にすることはもちろん、肛門の周りを清潔に管理するようにしている。
【0003】
このために、主に座浴器が多く用いられるが、座浴器に湯を収容し、腰を下ろして座浴をしわなければならないので、多くの場合には腰掛便器に取り付けて使用するようになる。
【0004】
このような腰掛便器に取り付けて使用する座浴器の一例として、韓国登録特許第10-1249318号(腰掛便器用座浴器)では、一定した深さに形成され、湯を収容する貯水部と、前記貯水部の上端縁に沿って形成され、腰掛便器に架けられるようにする枠部と、前記枠部と一体に延びて形成される背もたれ部とを含み、前記枠部は、前記腰掛便器の便座上端面と接触されて使用者の全重量を支持するシート部と、前記シート部と一体に連結され、下側に延びて形成される係止部とを含み、前記シート部は、前面部または後面部分の幅が中央部分の幅よりも大きく形成されている腰掛便器用座浴器を提案した。
【0005】
したがって、便器のカバー及び座台を上方に回転させて開放させた後、開放された排水槽に座浴器を取り付けるようになり、枠部が排水槽の上端縁に係止されて下部への離脱が防止され、使用者は、シート部に腰を下ろして患部、すなわち、肛門部を、貯水部に収容された湯に浸すようになることで座浴が行われる。
【0006】
座浴が完了した後は、使用者が座浴器の両側を両手で取って上方に持ち上げて腰掛便器の排水槽から離脱させた後、水を排水槽または排水溝に注いで空にする。
【0007】
ところが、温水が収容された座浴器は重量が相当あるから、女性や老弱者、患者の場合は容易に持ち上げることができず、また持ち上げた場合でも重さを耐えられず、お風呂における周辺の床に水を誤ってこぼしてしまうという多くの不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1249318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらの従来の問題点を解決するために、腰掛便器に装着された座容器の前方部のみを上方に持ち上げて後方部が排水槽の上端に据え付けられたまま回転させることで、収容された水を、座容器の後方部を介して容易に排水槽へ排出可能にした腰掛便器用座浴機を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するための本発明による腰掛便器用座浴器は、
水を収容しながら腰掛便器の排水槽に挿入可能な大きさを有する貯水部と、
前記貯水部の両側上端から外側方向に突出して腰掛便器の排水槽の上端に架けられ、後端部が前記貯水部の長手方向の中間部と後端部との間に位置する側方据置部と、
前記貯水部の前方部において、前記排水槽の前方部と間隔を置いて形成される取っ手部と、
で構成されることを特徴とする。
【0011】
また、前記側方据置部の後端部は、貯水部の前方部が持ち上げられたとき、排水槽の上端部と接するように、貯水槽の幅方向に直線、若しくは後方に突出する曲線で形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように構成された本発明の腰掛便器用座浴器は、側方据置部の後面部を軸として前方部を上方に持ち上げて回転させることにより、貯水部に収容された水を、力を入れることなく手軽く腰掛便器の排水槽へ流出させて捨てることができ、かつ、腰掛便器の周りまたはお風呂の床に水をこぼすことが防止されて、お風呂の清潔さを保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明による腰掛便器用座浴器の構造を示す図である。
図2図2は、座浴器が便器に装着された状態を示す図である。
図3図3は、座浴器が後方に軸回転して貯水部に収容された水を捨てる動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、前述した目的、特徴及び長所は、添付された図面を参照して詳細に後述し、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者が本発明の技術的思想を容易に実施することができるはずである。
【0015】
本発明を説明するにおいて、本発明と関連した公知技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を無駄に濁らす恐れがあると判断される場合には、詳細な説明を省略する。
【0016】
本発明で使われる用語は、本発明での機能を考慮しつつ、できるだけ現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによって変わることができる。
【0017】
また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、当該発明の説明部分にその意味を詳しく記載する。
【0018】
したがって、本発明で使われる用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が持つ意味と本発明の全般に亘る内容とに基づいて定義されなければならない。
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
しかし、次に例示する本発明の実施形態は、種々の異なる形態に変形可能であり、本発明の範囲が次に詳述する実施形態に限定されるものではない。
【0021】
本発明の実施形態は、当業界で通常の知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0022】
図1は、本発明による腰掛便器用座浴器の構造を示す図であり、図2は、座浴器が便器に装着された状態を示す図であり、図3は、座浴器が後方に軸回転して貯水部に収容された水を捨てる動作を説明するための図である。
【0023】
本発明による腰掛便器用座浴器は、図1に示したように、座浴のための水を収容する貯水部110が具備されるが、このような貯水部110は、腰掛便器200の排水槽210に挿入可能な大きさを有し、底面部から上端部に行くほど外側方向に傾斜するように形成される。
【0024】
前記貯水部110の両側面部は、排水槽210の内部の曲線部の形状を従うように形成されることが好ましく、また、両側面部および前方部は、底面部から上側部に行くほど外側方向に傾斜するように形成され、両側面の上側部は、前記排水槽210の上端部の内側面にぴったり嵌るか、近似したサイズを有することが好ましい。
【0025】
また、前記排水槽210の上端部の両側には、側方据置部120、130が外側方向に突出して形成される。
【0026】
前記側方据置部120、130は、腰掛便器200の排水槽210の上端に位置して貯水部110が架けられるようにするものであって、その上端部は、前記貯水部110の上端部と同一又は類似の高さを有し、扁平状に形成されており、その縁部は、前記排水槽210の上端縁よりも外側に一層突出するように形成されることで、座浴器100を腰掛便器200の排水槽210から着脱させるとき、その突出部分を両手で取って着脱可能にすることにより、取っ手の役割がすることができるようにする。
【0027】
このような側方据置部120、130は、排水槽210の上端に据え置きされる箇所の面積を広げて安定した据え置きが可能にするために、その前方部が貯水部110の前方部よりも突出するように延びて形成されることができる。
【0028】
また、前記側方据置部120、130の後端部は、前記貯水部110の長手方向の中間部よりも後方部に形成されており、その後端部は、軸方向に対して直線、若しくは後方に突出する曲線などの形状を有するように形成される回転据置部121、131をそれぞれ形成するようになる。
【0029】
前記回転据置部121、131は、貯水部110の長手方向に対して中間部と後端部との間に位置するようになり、好ましくは、中間部と後端部との間の中央部が良い。
【0030】
このような回転据置部121、131は、図3に示されているように、座浴器100の前方部を回転させて立てたとき、後方部が排水槽210に収容された洗浄水に触れないようにする位置に形成されることが好ましい。
【0031】
前記貯水部110の後方部、すなわち、前記回転据置部121、131よりも後方部には、底部から上端部まで後方に傾斜した後方排出部150が形成され、貯水部110に収容された水を容易に排出可能にするとともに、後方排出部150は、排水槽210の後方部よりも内側に位置することが好ましい。
【0032】
そして、前記貯水部110の前方部は、図2のように、貯水槽110が排水槽210に装着された時、貯水部110の前方部と排水槽210の前方部との間に間隔を形成し、前記貯水部110の先端部から少し突出するように取っ手部140が形成される。
【0033】
すなわち、前記取っ手部140は、貯水部110の上端部から前方部に少し突出するが、その突出部分の先端部が排水槽210の内側前方部との間隔によって手が出入りすることができる空間部を形成するようになり、このような取っ手部140の底面部には、図3に示したように、下側に突出した突出部141が形成されており、手が滑ることなく安定に把持し得るようになる。
【0034】
勿論、前記取っ手部140は、前記側方据置部120、130の前方部が貯水部110の前方部まで延びて、相互連結される構造を持つ状態で手を入れることができる穴を形成して構成されてもよい。
【0035】
このような構造を持つ本発明の座浴器100は、合成樹脂による射出成形によって形成される。
【0036】
次に、本発明による座浴器100の使用状態を説明する。
【0037】
まず、座浴器100を、図2に示したように、腰掛便器200の排水槽210に挿入させて装着するようになるが、取っ手部140が排水槽210の前方部に位置するように装着すると、自然に側方据置部120、130が排水槽210の上端部に架けられるようになる。
【0038】
また、座浴器100が装着された状態では、貯水部110の側面が排水槽210の内側面の曲線形態を従うように形成されているので、排水槽210の内側から前後方に移動しなくなることにより、安定的に固定できることである。
【0039】
そして、前記貯水部110は、その底面部を、排水槽210に収容された洗浄水の水面よりも高い箇所に位置させる高さを有し、これにより、洗浄水と直接触れないようになるので、座浴器100の汚染を防止するとともに洗浄水の浮力によって座浴器100が浮き立つのが防止される。
【0040】
その後、使用者は貯水部110に水を注いだ後、患部を浸して座浴を行うようになる。
【0041】
座浴が完了した後は、座浴器100と排水槽210の前方に形成された空間に手を入れて取っ手部140を取って、図3でのように、座浴器100を上方に持ち上げると、一体に形成された側方据置部120、130も上方に回転するようになり、この時、後端部の回転据置部121、131が排水槽210の上端部に据え置きされることで、前記回転据置部121、131を軸として座浴器100の前方部の上向きに回転するようになる。
【0042】
したがって、貯水部110に収容された水は、後方排出部150を介して排水槽210に流出されることである。
【0043】
すなわち、使用者は片手で座浴器100の前方部を持ち上げると、側方据置部120、130によって軸回転されて、貯水部110の内側に収容された水が後方排出部150を介して排水槽210から捨てられることにより、大きい力を入れることなく、かつ、腰掛便器200の外側へ水があふれることがないため、清潔状態を保つことができるようになる。
【0044】
次いで、湯が捨てられた座浴器100を片手で持ち上げる、または、両手で側方据置部120、130を取って腰掛便器200から離脱させて洗浄すれば良い。
【0045】
なお、前記回転据置部121、131は、側方据置部120、130の後方から離隔されて形成されることができるが、前記側方据置部120、130の後端部は、貯水部110の長手方向の中央部よりも前方部に位置し、前記回転据置部121、131の後端部は、貯水部110の長手方向に対して中間部と後端部との間に位置するようになり、好ましくは、中間部と後端部との間の中央部が良い。
【0046】
さらに、前記回転据置部I21、131の後端部は、軸方向に対して直線、若しくは後方に突出する曲線で形成される。
【0047】
以上、本発明の内容の特定部分を詳しく述べたが、当業界における通常の知識を持つ者にとって、このような具体的技術は、ただ好ましい実施例に過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されるものではないという点は明白であろう。
【0048】
したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の特許請求の範囲並びにその等価物によって定義されるといえる。
【符号の説明】
【0049】
100 座浴器
110 貯水部
120、130 側方据置部
121、131 回転据置部
140 取っ手部
141 突出部
150 後方排出部
200 腰掛便器
210 排水槽

図1
図2
図3