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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074065
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ペダルスイッチ取付構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20240523BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20240523BHJP
   H01H 21/26 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H01H9/02 K
G05G1/30 E
H01H21/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185129
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000112082
【氏名又は名称】ヒルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 滉平
(72)【発明者】
【氏名】野田 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】荒木 功二
(72)【発明者】
【氏名】吉川 修司
(72)【発明者】
【氏名】松田 拓朗
【テーマコード(参考)】
3J070
5G052
5G219
【Fターム(参考)】
3J070AA32
3J070BA51
3J070BA57
3J070DA01
5G052AA12
5G052BB10
5G052HB04
5G052HC10
5G052HD10
5G219GS21
5G219HT01
5G219HU12
(57)【要約】
【課題】傾斜を有する形状のペダルスイッチであっても、安定して取り付けることができるペダルスイッチ取付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るペダルスイッチ取付構造は、ペダルスイッチを取付可能なペダルスイッチ取付構造であって、第一の開口部と、第一の開口部から開口幅が狭まるように一続きに延びた第二の開口部と、第二の開口部を形成する縁部から傾斜して突出した突出部と、を備えるため、傾斜を有する形状のペダルスイッチであっても、安定して取り付けることができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルスイッチを取付可能なペダルスイッチ取付構造であって、
第一の開口部と、
前記第一の開口部から開口幅が狭まるように一続きに延びた第二の開口部と、
前記第二の開口部を形成する縁部から傾斜して突出した突出部と、
を備えることを特徴とするペダルスイッチ取付構造。
【請求項2】
対向する複数の前記突出部を備えることを特徴とする請求項1記載のペダルスイッチ取付構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダルスイッチ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等において、運転者によるペダルの踏み込みを感知するペダルスイッチが広く用いられている。また、このようなペダルスイッチを取り付けるためのペダルスイッチ取付構造が広く考案されている。
【0003】
従来のペダルスイッチ取付構造として、特許文献1には、ブレーキランプ用スイッチを固定可能な取付板が開示されている。
【0004】
特許文献1が開示するブレーキランプ用スイッチは、保持部材を有する。保持部材は、弾性突起部を有する円筒状の部分と、一対の直方体状の部分と、円盤状の部分と、により構成される。
【0005】
特許文献1が開示するペダルスイッチ取付構造において、作業者は、保持部材の円筒状の部分と直方体状の部分とを取付板の有する取付孔に挿入し、弾性突起部と円盤状の部分とにより取付板を挟持させることにより、ブレーキランプ用スイッチを取付板に対して固定させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-294064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1が開示するペダルスイッチ取付構造において、ブレーキランプ用スイッチが、保持部材の直方体状の部分と円盤状の部分との間に傾斜を有するものである場合、弾性突起部と円盤状の部分とにより取付板を挟持させたとしても、当該傾斜が取付板と接触することにより、保持部材の円盤状の部分と取付板とを密着させた状態でブレーキランプ用スイッチを取付板に対して固定させることが困難となる。
【0008】
本発明に係るペダルスイッチ取付構造は、上記課題を解決するものであり、傾斜を有する形状のペダルスイッチであっても、安定して取り付けることができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るペダルスイッチ取付構造は、ペダルスイッチを取付可能なペダルスイッチ取付構造であって、第一の開口部と、第一の開口部から開口幅が狭まるように一続きに延びた第二の開口部と、第二の開口部を形成する縁部から傾斜して突出した突出部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るペダルスイッチ取付構造は、対向する複数の突出部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るペダルスイッチ取付構造は、第一の開口部と、第一の開口部から開口幅が狭まるように一続きに延びた第二の開口部と、第二の開口部を形成する縁部から傾斜して突出した突出部と、を備えるため、傾斜を有する形状のペダルスイッチであっても、安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るペダルスイッチ取付構造の一例を示す正面図である。
図2】本例のペダルスイッチ取付構造を示す右側面図である。
図3】本例のペダルスイッチ取付構造を示す底面図である。
図4】本例のペダルスイッチ取付構造にペダルスイッチを取り付けた状態を示す正面図である。
図5】本例のペダルスイッチ取付構造にペダルスイッチを取り付けた状態を示す右側面図である。
図6】本例のペダルスイッチ取付構造にペダルスイッチを取り付けた状態を示す底面図である。
図7】本例のペダルスイッチ取付構造にペダルスイッチを取り付けた状態を示すペダルスイッチ取付構造の表面を基準とした平面図である。
図8図7のA-A’線による概略断面図である。
図9】ブレーキペダルの一例を示す正面図である。
図10】ブレーキペダルの一例を示す右側面図である。
図11】従来のペダルスイッチ取付構造を示す図である。
図12】ペダルスイッチの一例を示す図である。
図13】ペダルスイッチの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
従来のペダルスイッチ取付構造について例を挙げて説明する。図11に示すように、従来のペダルスイッチ取付構造400は、第一の開口部410と、第一の開口部から開口幅が狭まるように一続きに延びた第二の開口部420と、を備える。第二の開口部420を形成する縁部430には面取り加工がされており、縁部430は、傾斜440を有する形状となっている。
【0014】
ペダルスイッチについて複数の例を挙げて説明する。以下、図12に示すペダルスイッチ及び図13に示すペダルスイッチにおいて、機能が共通する部分については同一の符号を用いて説明する。
【0015】
図12及び図13に示すように、ペダルスイッチ200は、ペダルスイッチ本体部210と、ペダルスイッチ保持部220と、を備える。
【0016】
図12及び図13に示すように、ペダルスイッチ本体部210は、軸部211と、被押圧部212と、を備える。
【0017】
図12及び図13に示すように、ペダルスイッチ保持部220は、円盤部221と、円筒部222と、回転止め部223と、を備える。また、ペダルスイッチ保持部220は、円盤部221と回転止め部223との間に傾斜224を有する。
【0018】
図12及び図13に示すように、作業者は、ペダルスイッチ本体部210の軸部211をペダルスイッチ保持部220の円筒部222に挿入し、軸部211の外面に設けられた溝部(図示しない)と、円筒部222の内面に設けられた溝部(図示しない)とを噛み合わせることにより、ペダルスイッチ本体部210をペダルスイッチ保持部220に対して固定させることができる。
【0019】
図11及び図12に示すように、作業者は、ペダルスイッチ保持部220の円筒部222をペダルスイッチ取付構造400の第一の開口部410に挿入し、ペダルスイッチ保持部220の回転止め部223をペダルスイッチ取付構造400の第二の開口部420に挿入し、円筒部222の外面に設けられた弾性突起部(図示しない)と円盤部221とによりペダルスイッチ取付構造400の有する面を挟持することにより、図12に示すペダルスイッチ200をペダルスイッチ取付構造400に対して取り付けることができる。
【0020】
図11に示すように、ペダルスイッチ取付構造400は、傾斜440を有するため、ペダルスイッチ200の有する傾斜224をペダルスイッチ取付構造400の有する面に接触させることなく、円盤部221の有する面とペダルスイッチ取付構造400の有する面とを密着させた状態で、図12に示すペダルスイッチ200を取り付けることができる。
【0021】
一方、図13に示すペダルスイッチ200は、図12に示すペダルスイッチ200と比較して傾斜224が大きい。このため、縁部430に傾斜440を有するペダルスイッチ取付構造400であっても、ペダルスイッチ200の有する傾斜224をペダルスイッチ取付構造400の有する面に接触させることなく、図13に示すペダルスイッチ200を取り付けることはできない。
【0022】
このように、従来のペダルスイッチ取付構造400は、傾斜224が大きいペダルスイッチ200を取り付けることができない場合があった。また、各種ペダルスイッチの形状に合わせて縁部430の面取り加工を行うことはコストを要するものであった。
【0023】
以下、自動車のブレーキペダルやクラッチペダル等のペダル装置に用いられるペダルスイッチ取付構造を例に挙げて、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明のペダルスイッチ取付構造は、その他のペダル装置に用いられるものであってもよく、本例に限定されない。
【0024】
図1~3に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、略板状のブラケットからなる。本例のペダルスイッチは、平板101と、一対の側板102を有する。平板101は、表面103と、裏面104と、を有する。
【0025】
図1~3に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、第一の開口部110と、第一の開口部110から開口幅が狭まるように一続きに延びた第二の開口部120と、第二の開口部120を形成する縁部130から傾斜して突出した突出部140と、を備える。
【0026】
図1~3に示すように、第一の開口部110は、略円形の孔である。第二の開口部120は、略矩形の孔である。突出部140は、略板状であり、縁部130から湾曲して傾斜し、裏面104側に突出した形状となっている。
【0027】
図1~3に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、1つの第一の開口部110と、2つの第二の開口部120を備える。1つの第二の開口部120を形成する縁部130には、対向する2つの突出部140が設けられる。対向する2つの突出部140は、縁部130を基端として、先端が互いに接近するように突出した形状となっている。
【0028】
本発明のペダルスイッチ取付構造において、第一の開口部、第二の開口部、突出部の形状及び数は、本例に限定されない。
【0029】
図1~8に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、図12及び図13に示すペダルスイッチ200を取り付けることができる。
【0030】
図1~8、図12及び図13に示すように、作業者は、表面103側からペダルスイッチ保持部220の円筒部222を第一の開口部110に挿入し、表面103側からペダルスイッチ保持部220の回転止め部223を第二の開口部120に挿入し、円筒部222の外面に設けられた弾性突起部(図示しない)と円盤部221とにより平板101を挟持することにより、図12又は図13に示すペダルスイッチ200を本例のペダルスイッチ取付構造100に対して取り付けることができる。
【0031】
図1~8に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100に対してペダルスイッチ200が取り付けられた状態において、対向する2つの突出部140は、ペダルスイッチ保持部220の回転止め部223を挟持する。これにより、本例のペダルスイッチ取付構造100は、ペダルスイッチ200の回転を防止することができる。
【0032】
図1~8に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、対向する突出部140の先端においてペダルスイッチ保持部220の回転止め部223を挟持する。また、対向する突出部140の先端が回転止め部223を挟持した状態において、突出部140の基端側とペダルスイッチ200の有する傾斜224との間には隙間が生じる。これにより、本例のペダルスイッチ取付構造100は、傾斜224が大きいペダルスイッチ200であっても、傾斜224を平板101に接触させることなく、円盤部221の有する面と平板101の表面103とを密着させた状態で、安定して取り付けることができる。
【0033】
図1~8に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、裏面104側に突出した突出部140を備える。これにより、作業者は、表面103側からペダルスイッチ200の回転止め部223を突出部140に沿わせるように挿入し、ペダルスイッチ200を本例のペダルスイッチ取付構造100に対して容易に取り付けることができる。
【0034】
図1~8に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、裏面104側に突出した突出部140を備える。これにより、本例のペダルスイッチ取付構造100は、図11に示す従来のペダルスイッチ取付構造400と比較すると、作業者によるペダルスイッチ200を挿入する方向の理解を容易にし、ペダルスイッチ200の誤った取り付けを防止することができる。
【0035】
図1~8に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、対向する突出部140の先端においてペダルスイッチ保持部220の回転止め部223を挟持する。これにより、本例のペダルスイッチ取付構造100は、図11に示す従来のペダルスイッチ取付構造400と比較すると、図8の距離Dに示すように、軸部211が延びた方向へ長い距離においてペダルスイッチ200を保持することが可能となり、ペダルスイッチ200の軸部211の振れを軽減することができる。
【0036】
本例のペダルスイッチ取付構造100は、対向する突出部140の先端間の距離を、ペダルスイッチ保持部220の回転止め部223の厚みより短く設定することができる。これにより、本例のペダルスイッチ取付構造100は、対向する突出部140により回転止め部223を締め付けた状態で、ペダルスイッチ200を強く保持することができる。
【0037】
図9及び10に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100は、ペダル装置300に対して固定される。ペダル装置300は、ペダルパッド310と、ペダルアーム320と、押圧部330と、ブラケット340と、軸350と、を備える。
【0038】
図1~10に示すように、本例のペダルスイッチ取付構造100において、一対の側板102は、車体に対して固定されたブラケット340に対して固定される。
【0039】
図9及び図10に示すように、運転者がペダルパッド310を踏み込んでいない状態において、ペダルアーム320に対して固定された押圧部330は、ペダルスイッチ200の被押圧部212を押圧する。運転者によりペダルパッド310が踏み込まれると、ペダルアーム320は、ブラケット340の有する軸350に対して揺動し、押圧部330による被押圧部212の押圧は解除される。このように、ペダルスイッチ200は、押圧部330による被押圧部212の押圧状態に基づいて、運転者によるペダルパッド310の踏み込みを感知し、ブレーキランプの点灯等を制御することができる。
【符号の説明】
【0040】
100 ペダルスイッチ取付構造
101 平板
102 側板
103 表面
104 裏面
110 第一の開口部
120 第二の開口部
130 縁部
140 突出部
200 ペダルスイッチ
210 ペダルスイッチ本体部
211 軸部
212 被押圧部
220 ペダルスイッチ保持部
221 円盤部
222 円筒部
223 回転止め部
224 傾斜
300 ペダル装置
310 ペダルパッド
320 ペダルアーム
330 押圧部
340 ブラケット
350 軸
400 従来のペダルスイッチ取付構造
410 第一の開口部
420 第二の開口部
430 縁部
440 傾斜

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13