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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074081
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
A63F5/04 651
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185146
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 卓宏
(72)【発明者】
【氏名】水戸川 彰
(72)【発明者】
【氏名】平田 亘祐
(72)【発明者】
【氏名】手塚 忠義
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518EA02
2C518EB02
2C518EB08
2C518EB11
2C518EB16
2C518EC21
(57)【要約】
【課題】遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供する。
【解決手段】第1状態(一例としてチャンスモードの第1パート)は、遊技に応じた計数値(一例として第1ポイント)が特定値に達することによって終了する状態であり、第2状態(一例としてチャンスモードの第2パート)は、演出実行手段(一例として表示演出装置15)によって特殊演出が実行されうる状態であり、第1状態であるときに特定図柄(一例として対応役)が停止表示されることに応じて第2状態へ移行でき、第2状態であるときに特定図柄がさらに停止表示され、かつ第2状態が終了して第1状態へ移行したときには、計数値がリセットされる一方、第2状態であるときに特定図柄が停止表示されず、かつ第2状態が終了して第1状態へ移行したときには、計数値がリセットされない。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開始契機に基づいて図柄の変動表示を行い、前記図柄の変動表示を経て停止表示される図柄に応じて特典を付与できる遊技機において、
状態を制御する状態制御手段と、
演出を実行できる演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記状態には、第1状態と、第2状態と、があり、前記第1状態は、遊技に応じた計数値が特定値に達することによって終了する状態であり、前記第2状態は、前記演出実行手段によって特殊演出が実行されうる状態であり、
前記第1状態であるときに特定図柄が停止表示されることに応じて前記第2状態へ移行でき、
前記第2状態であるときに前記特定図柄がさらに停止表示され、かつ前記第2状態が終了して前記第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされる一方、前記第2状態であるときに前記特定図柄が停止表示されず、かつ前記第2状態が終了して前記第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出実行手段では、前記計数値が前記特定値に達し、前記第1状態が終了することに応じて終了演出が実行される請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記終了演出が実行された場合に、前記第1状態及び前記第2状態よりも有利な有利状態へ移行されるときと、前記有利状態へ移行されないときとがある請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例として、スロットマシンが知られている。スロットマシンにおいて、遊技に関わる状態は、通常の状態に比べて、何らかの観点で有利な状態を含む。特許文献1に示すように、CZ(チャンスゾーン)、及びART(アシストリプレイタイム)などは、有利な状態として知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-120203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、遊技が有利に展開されることに対する期待感を高め、さらに遊技者の興趣を向上させることが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、開始契機に基づいて図柄の変動表示を行い、前記図柄の変動表示を経て停止表示される図柄に応じて特典を付与できる遊技機において、状態を制御する状態制御手段と、演出を実行できる演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記状態には、第1状態と、第2状態と、があり、前記第1状態は、遊技に応じた計数値が特定値に達することによって終了する状態であり、前記第2状態は、前記演出実行手段によって特殊演出が実行されうる状態であり、前記第1状態であるときに特定図柄が停止表示されることに応じて前記第2状態へ移行でき、前記第2状態であるときに前記特定図柄がさらに停止表示され、かつ前記第2状態が終了して前記第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされる一方、前記第2状態であるときに前記特定図柄が停止表示されず、かつ前記第2状態が終了して前記第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされないことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技者の興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】正面からみたときのスロットマシンを模式的に示す図である。
図2】スロットマシンの情報表示部を拡大した図である。
図3】停止操作部の操作態様の具体的な一例を示す図である。
図4】役と賞の関係の具体的な一例を示す図である。
図5】スロットマシンの内部状態と演出モードとの関係の一例を示す図である。
図6】スロットマシンの内部状態と演出モードとの関係の一例を示す図である。
図7】スロットマシンの電気的構成を示す図である。
図8】遊技進行メイン処理を示す図である。
図9】表示演出装置における表示内容の具体的な遷移態様の一例を示す図である。
図10】チャンスモードの第1パートにおける表示演出装置の表示内容の具体的な一例を示す図である。
図11】チャンスモードの第2パートにおける表示演出装置の表示内容の具体的な一例を示す図である。
図12】チャンスモードと有利状態への移行期待度との具体的な関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
遊技機の一例であるスロットマシンの第1実施形態について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前、及び後の各方向は、遊技機で遊技を行う遊技者から見たときの各方向を示す。
【0009】
図1に示すように、遊技機の一例であるスロットマシン10は、本体キャビネット11を備える。本体キャビネット11は、前面に開口部を有する四角箱状である。スロットマシン10は、本体キャビネット11の開口部を覆いうる前面扉12を備える。前面扉12は、本体キャビネット11の一側縁部に対して開閉可能に軸支される。前面扉12には、機内部を視認可能な略四角形の表示窓12aが形成されている。スロットマシン10は、前面扉12を施錠する施錠装置12bを備える。スロットマシン10は、扉キーを使用して解錠しなければ、前面扉12を開放できないように構成される。
【0010】
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、発光演出装置13を備える。発光演出装置13は、LEDを一例とする1又は複数の発光体(不図示)を含んで構成される。発光演出装置13は、所定の発光パターンによる演出(以下、発光演出と示す)、及び所定の発光パターンによる報知(以下、報知発光と示す)を実行可能である。所定の発光パターンは、発光体の点灯、消灯、及び点滅の少なくとも1つを含みうる。
【0011】
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、音声演出装置14を備える。音声演出装置14は、1以上のスピーカを含んで構成される。音声演出装置14は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。
【0012】
スロットマシン10は、表示演出装置15を備える。一例として、表示演出装置15は、前面扉12の前面側であって、表示窓12aの上方に配設される。表示演出装置15は、液晶ディスプレイを一例とする1又は複数の画像表示部を有する。表示演出装置15は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)、及び所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これら演出図柄やキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。
【0013】
発光演出装置13、音声演出装置14、及び表示演出装置15は、演出実行手段の一例である演出装置群ESを構成する。演出装置群ESは、演出装置13~15の全てを含むことに限られず、これら演出装置の中から任意に選択できる1又は複数の演出装置によって構成されてもよい。演出装置群ESは、可動体を動作させる可動演出装置、振動を発生させる振動演出装置、又は風を発生させる送風演出装置を含んで構成されてもよい。演出装置群ESは、演出を実行する演出実行手段の一例である。
【0014】
スロットマシン10は、リールユニット16を備える。リールユニット16は、遊技者が表示窓12aを介して視認できるように、スロットマシン10の機内部に配設される。リールユニット16は、左リール16a、中リール16b、及び右リール16cを有する。各リール16a~16cは、複数の図柄が配列された図柄列を有する。一例として、図柄列は、複数の図柄を長手方向に沿って印刷した帯状の透光性フィルムを、リール16a~16cの外周に巻き付けることにより形成される。図柄の種類は、複数ある。一例として、図柄の種類は、チェリー図柄、スイカ図柄、ベル図柄、セブン図柄、及びリプレイ図柄を含みうる。
【0015】
リールユニット16は、各リール16a~16cをそれぞれ駆動するアクチュエータ(不図示)を備える。一例として、各アクチュエータは、ステッピングモータである。リール16a~16cは、それぞれに対応して設けられたアクチュエータによって、相互に独立して、縦方向に回転及び停止が可能である。スロットマシン10では、リール16a~16cが回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄列が変動され、変動ゲームが実行される。例えば、図柄列の変動は、図柄列が上から下に向かって縦方向にスクロール表示される態様により行われる。リールユニット16は、図柄の変動表示が可能な図柄表示手段の一例である。
【0016】
表示窓12aは、リール16a~16cにおいて周方向に連続する3つの図柄を表示可能な大きさである。表示窓12aには、リール16a~16c毎に、上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置が定められる。リールの回転が停止した場合に、上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置には、それぞれ1つの図柄が停止される。
【0017】
リールユニット16は、各リール16a~16cの回転位置をそれぞれ検出するリールセンサSE1~SE3を備える(図7参照)。各リールセンサSE1~SE3は、有効ラインNLを通過中である図柄、又は有効ラインNLに停止されている図柄を特定するための図柄信号を出力する。
【0018】
有効ラインNLについて説明する。スロットマシン10では、各リール16a~16cに定めた3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組み合わせによって、停止された図柄組み合わせ(停止目)を入賞と判定しうる「有効な停止位置の組み合わせ」が設定される。有効な停止位置の組み合わせを構成する複数の停止位置を結んだラインは、有効ラインNLである。一例として、有効ラインNLは、各リール16a~16cの中段停止位置を結んだラインである。
【0019】
図柄について「停止」とは、表示窓12a内において、図柄が上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置の何れかに停止され、遊技者に視認可能に表示されることを意味する。「入賞」とは、賞を定めた図柄組み合わせが有効ラインNL上に表示されることを意味する。スロットマシン10では、入賞が発生すると、入賞した図柄組み合わせに定めた賞(利益)が付与される。「賞が定められた図柄組み合わせ」は、いわゆる「役」である。なお、有効な停止位置の組み合わせ以外の組み合わせは、表示された図柄組み合わせを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組み合わせ(所謂、無効ライン)となる。
【0020】
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、演出操作部21を備える。演出操作部21は、遊技者などによって操作されうる被操作部を有する。一例として、演出操作部21は、ボタン型である。これに限らず、演出操作部21は、タッチセンサ型であってもよく、レバー型であってもよい。スロットマシン10は、遊技媒体の一例である遊技メダルを投入できるメダル投入部22を備える。メダル投入部22には、遊技メダルが投入されるメダル投入口22aが形成される。スロットマシン10は、機内部に、メダルセレクタ(不図示)を備える。メダルセレクタは、メダル投入口22aから投入された遊技メダルを検知する投入センサSE4を有する(図7参照)。投入センサSE4は、遊技メダルを検知するとメダル検知信号を出力する。
【0021】
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、掛数操作部23を備える。掛数操作部23は、単位掛数操作部23aと、最大掛数操作部23bと、を含む。各掛数操作部23a,23bは、スロットマシン10が内部的に記憶するクレジットから遊技メダルを掛ける操作をするための手段である。一例として、1回の変動ゲームには、1枚、2枚、又は3枚の遊技メダルを掛けることができる。3枚は、最大掛数の一例である。各掛数操作部23a,23bは、操作されると、それぞれ操作信号を出力する。掛数は、いわゆるBET数である。
【0022】
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、精算操作部24を備える。精算操作部24は、掛けられた遊技メダル及びクレジットを払い戻す操作をするための手段である。精算操作部24は、操作されると操作信号を出力する。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、開始操作部25を備える。一例として、開始操作部25は、レバー型である。開始操作部25は、リール16a~16cの回転を開始させる開始操作をするための手段である。変動ゲームは、開始操作に基づいて開始されうる。開始操作は、変動ゲームの開始契機となりうる。開始操作部25は、操作されると操作信号を出力する。
【0023】
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、停止操作部26を備える。停止操作部26は、左停止操作部26aと、中停止操作部26bと、右停止操作部26cと、を含む。一例として、各停止操作部26a~26cは、ボタン型である。左停止操作部26aは、左リール16aと対応し、左リール16aの回転を停止させる停止操作をするための手段である。中停止操作部26bは、中リール16bと対応し、中リール16bの回転を停止させる停止操作をするための手段である。右停止操作部26cは、右リール16cと対応し、右リール16cの回転を停止させる停止操作をするための手段である。各停止操作部26a~26cは、操作されると、それぞれ操作信号を出力する。
【0024】
スロットマシン10は、前面扉12の前面における下部に、遊技メダルの払出口27を備える。スロットマシン10は、払出口27から払出された遊技メダルの受皿28を備える。スロットマシン10は、機内部に、ホッパーユニット(不図示)を備える。ホッパーユニットは、遊技メダルを払出口27から払い出す。
【0025】
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、情報表示部30を備える。情報表示部30は、投入可能表示部31を有する。投入可能表示部31は、メダル投入口22aへの遊技メダルの投入を受付可能であるか否かを特定可能な情報を表示する。情報表示部30は、リプレイ表示部32を有する。リプレイ表示部32は、リプレイ作動中であるか否かを特定可能な情報を表示する。リプレイが作動すると、遊技者は、新に遊技メダルを掛けることなく、前回の変動ゲームにおける掛数にて変動ゲームを行える。
【0026】
情報表示部30は、ウエイト表示部33を有する。ウエイト表示部33は、ウェイトタイム中であるか否かを特定可能な情報を表示する。ウェイトタイムは、単位時間当りの変動ゲームの実行回数が規定回数を超えないように設定される。情報表示部30は、掛数表示部34を有する。掛数表示部34は、掛数を特定可能な情報を表示する。一例として、掛数表示部34は、掛数=1に対応する表示部、掛数=2に対応する表示部、及び掛数=3に対応する表示部を有する。掛数表示部34では、掛数に対応する表示部が点灯する。情報表示部30は、クレジット表示部35を有する。クレジット表示部35は、内部的に記憶されているクレジットを特定可能な情報を表示する。
【0027】
情報表示部30は、払出表示部36を有する。払出表示部36は、賞としての遊技メダルの払出枚数を特定可能な情報を表示する。本明細書において、「払出」とは、入賞に伴って遊技メダルを遊技者に付与することを意味し、実際に遊技メダルが払い出されるとは限らない。一例として、払出表示部36は、入賞を発生させるために必要な停止操作部26a~26cの操作態様を特定可能な情報(以下、操作情報と示す)を表示する手段として兼用される。操作情報は、停止操作部26a~26cの操作順序及び操作タイミングのうち少なくとも一方を特定できる。操作情報は、内部抽選において当選した役の入賞に必要な操作態様を報知する情報である。払出表示部36は、エラーを特定可能な情報を表示する手段として兼用してもよい。
【0028】
図3に示すように、停止操作部26の操作態様は、停止操作部26a~26cの操作順序(以下、押し順と示す)と、操作タイミング(以下、押し位置と示す)と、を含みうる。押し順には、第1から第6までの全6通りの押し順がある。図中において、押し順の欄におけるカッコ内には、左停止操作部26aを「左」、中停止操作部26bを「中」、右停止操作部26cを「右」と略して押し順が示される。第1停止操作の欄には1番目に停止されるリールが、第2停止操作の欄には2番目に停止されるリールが、第3停止操作の欄には3番目に停止されるリールがそれぞれ示される。払出表示部の欄には、払出表示部に表示される操作情報が示される。操作情報は、推奨する、又は指示する操作態様を特定可能な情報である。例えば、第1押し順は、左リール16a→中リール16b→右リール16cの順に回転が停止されるように、停止操作部26a~26cを操作する押し順である。第1押し順が指示される場合に、払出表示部36は、第1押し順を特定可能な操作情報として「o1」を表示する。
【0029】
役と賞の一例について説明する。
図4に示すように、スロットマシン10は、複数種類の役を備える。一例として、複数種類の役は、払出役、及びリプレイ役を含みうる。払出役は、賞として遊技メダルが定められる。払出役は、いわゆる小役である。リプレイ役は、賞としてリプレイの作動が定められる。一例として、払出役は、チェリー役、スイカ役、ベル役、及びベルこぼし役を含む。一例として、払出枚数として、チェリー役には4枚、スイカ役には15枚、ベル役には10枚、ベルこぼし役には1枚が定められる。
【0030】
スロットマシン10の内部状態について説明する。
図5及び図6に示すように、スロットマシン10の内部状態は、遊技区間及び遊技状態の組み合わせによって規定されうる。スロットマシン10は、複数の遊技区間を備える。複数の遊技区間には、通常区間と、有利区間と、がある。有利区間は、通常区間に比べて、有利な遊技状態へと移行され易い。操作情報の報知は、有利区間において許容され、かつ通常区間において禁止される。遊技区間は、通常区間において、有利区間の開始条件が成立すると、通常区間から有利区間へと移行する。遊技区間は、有利区間において、有利区間の終了条件が成立すると、有利区間から通常区間へと移行する。
【0031】
スロットマシン10は、複数の遊技状態を備える。複数の遊技状態には、通常状態と、有利状態と、がある。操作情報は、有利状態において報知され、かつ通常状態において報知されない。有利状態は、いわゆるアシストタイム(AT)である。有利状態は、通常状態に比べて、内部抽選にて当選した払出役を入賞させ易い状態である。つまり、有利状態は、通常状態に比べて有利な内部状態である。
【0032】
通常状態には、第1通常状態と、第2通常状態と、がある。第2通常状態は、第1通常状態に比べて、有利状態へ移行する期待度(以下、移行期待度と示す)が高い。第2通常状態は、いわゆるチャンスゾーン(CZ)である。第2通常状態には、移行期待度が異なる複数の状態がある。一例として、第2通常状態には、3種類あり、移行期待度が低いものから順に、第2通常状態[A]、第2通常状態[B]、及び第2通常状態[C]と示す。遊技状態は、第1通常状態において、何れかの第2通常状態への移行条件が成立すると、その移行条件が成立した第2通常状態へと移行する。遊技状態は、何れかの通常状態において、有利状態への移行条件が成立すると、有利状態へと移行する。遊技状態は、有利状態又は何れかの第2通常状態において、第1通常状態への移行条件が成立すると、第1通常状態へと移行する。
【0033】
内部状態の具体的な移行態様の一例について説明する。内部状態は、通常区間かつ第1通常状態において、有利区間の開始条件が成立すると、有利区間かつ第1通常状態へと移行しうる。内部状態は、有利区間かつ第1通常状態において、第2通常状態への移行条件が成立すると、有利区間かつ何れかの第2通常状態へと移行しうる。内部状態は、有利区間かつ何れかの通常状態において、有利状態への移行条件が成立すると、有利区間かつ有利状態へと移行しうる。内部状態は、有利区間かつ有利状態において、第1通常状態への移行条件が成立すると、通常区間かつ第1通常状態へと移行しうる。これに限らず、内部状態は、有利区間かつ有利状態において、第1通常状態への移行条件が成立すると、有利区間かつ第1通常状態へと移行してもよい。また、内部状態は、有利区間かつ有利状態において、有利区間の終了条件が成立すると、通常区間かつ第1通常状態へと移行しうる。
【0034】
第1通常状態は、第2通常状態の前兆を伴う場合と、第2通常状態の前兆を伴わない場合と、を含みうる。以下の説明では、第2通常状態の前兆となる現象又は演出を、単に「前兆」と示す。スロットマシン10では、前兆によって、第2通常状態へ移行される可能性が示唆又は報知される。前兆には、第2通常状態へと移行する場合に出現する本物の前兆と、第2通常状態へと移行しない場合に出現するニセ前兆と、がある。一例として、前兆は、前兆[A]、前兆[B]、及び前兆[C]を含みうる。前兆[A]~[C]は、それぞれ第2通常状態[A]~[C]に対応する。
【0035】
スロットマシン10の演出モードについて説明する。
スロットマシン10は、複数の演出モードを備える。各演出モードは、演出装置群ESにおける演出態様の少なくとも一部が異なることによって、何れの演出モードに滞在しているかを認識可能である。一例として、演出モードは、遊技状態に対応する。演出モードは、遊技状態が移行すると、移行後の遊技状態に対応する演出モードに移行されうる。複数の演出モードには、前兆を伴わない第1通常状態に対応する通常モードと、前兆[A]を伴う第1通常状態に対応する前兆モード[A]と、前兆[B]を伴う第1通常状態に対応する前兆モード[B]と、前兆[C]を伴う第1通常状態に対応する前兆モード[C]と、がある。複数の演出モードには、第2通常状態[A]に対応するチャンスモード[A]と、第2通常状態[B]に対応するチャンスモード[B]と、第2通常状態[C]に対応するチャンスモード[C]と、がある。複数の演出モードには、有利状態に対応する有利モードがある。
【0036】
スロットマシン10の電気的構成について説明する。
図7に示すように、スロットマシン10は、主基板80と、副基板90と、を備える。主基板80、及び副基板90は、機内部に配設される。主基板80は、遊技の進行に関する各種の処理を行う。主基板80は、処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を副基板90へ出力する。副基板90は、主基板80から入力される各種の制御信号に基づいて、演出に関する各種の処理を行う。
【0037】
主基板80について説明する。
主基板80は、CPU81、ROM82、及びRWM83を備える。CPU81は、主制御プログラムに基づいて、各種の制御動作を所定の手順で実行する。ROM82は、主制御プログラム、各種のテーブル、及び各種の判定値などを記憶する。各種のテーブルは、複数の役情報の中から1以上の役情報を決定するために参照される役情報決定テーブルを含みうる。役情報は、変動ゲームにおいて入賞を許容する役(図柄組み合わせ)を特定可能な識別子(ID)である。一例として、各役情報には、変動ゲームにおいて入賞を許容する1又は複数の役が定められる。
【0038】
図4に示すように、複数の役情報は、チェリー役情報、スイカ役情報、ベル役情報、及びリプレイ役情報を含みうる。スロットマシン10では、役情報に定めた役に対応する操作態様(以下、対応操作態様と示す)にて停止操作部26a~26cが操作されると、その対応操作態様に応じた役の入賞を発生させる制御(以下、図柄停止制御と示す)が行われる。図中において、「対応操作態様」の欄には、「役」の欄に示す役の入賞を発生させるために必要な対応操作態様として、押し順及び押し位置が示される。
【0039】
チェリー役情報には、チェリー役が定められる。チェリー役の対応操作態様は、図柄列におけるチェリー図柄から所定範囲内である「チェリー押し位置」にて停止操作部26a~26cを操作することであり、押し順が問われない。なお、チェリー押し位置にて操作されない場合、賞を伴わないチェリーこぼしの図柄組合せが停止表示される。スイカ役情報には、スイカ役が定められる。スイカ役の対応操作態様は、図柄列におけるスイカ図柄から所定範囲内である「スイカ押し位置」にて停止操作部26a~26cを操作することであり、押し順が問われない。なお、スイカ押し位置にて操作されない場合、賞を伴わないスイカこぼしの図柄組合せが停止表示される。なお、所定範囲は、図柄停止制御によって図柄を引込み停止(スベリ停止)できる範囲である。
【0040】
ベル役情報には、ベル役と、ベルこぼし役と、が定められる。各ベル役情報において、ベル役の対応操作態様は、当選したベル役情報に対応した押し順にて停止操作部26a~26cを操作することであり、押し位置は問われない。各ベル役情報において、ベルこぼし役の対応操作態様は、ベル役の対応操作態様とは異なる操作態様の全てである。一例として、第1ベル役情報において、ベル役の対応操作態様は、第1押し順にて停止操作部26a~26cを操作することであり、当該操作態様とは異なる操作態様は、ベルこぼし役の対応操作態様となる。リプレイ役情報には、リプレイ役が定められる。リプレイ役の対応操作態様は、全ての押し順、及び全ての押し位置の組み合わせである。つまり、リプレイ役情報に当選すれば、停止操作部26a~26cの操作態様を問わず、リプレイ役の入賞が発生しうる。複数の役情報は、押し順を要求せず、押し位置を要求する役を定めた情報を含んでもよい。複数の役情報は、押し順及び押し位置の両方を要求する役を定めた情報を含んでもよい。
【0041】
主基板80の説明に戻る。
図7に示すように、RWM83は、CPU81の処理に応じて生成される各種の情報を記憶する。例えば、RWM83は、クレジット、フラグ、タイマ、及びカウンタなどを記憶する。主基板80では、各種の抽選に用いられる乱数が生成される。乱数は、乱数生成回路によって生成されるハードウェア乱数であってもよく、CPU81によって生成されるソフトウェア乱数であってもよい。乱数は、役情報を決定するための特別乱数を含むとよい。
【0042】
CPU81は、リールセンサSE1~SE3と接続される。CPU81は、各リールセンサSE1~SE3から図柄信号を入力できる。CPU81は、投入センサSE4と接続される。CPU81は、投入センサSE4からメダル検知信号を入力できる。CPU81には、単位掛数操作部23a、最大掛数操作部23b、精算操作部24、開始操作部25、及び各停止操作部26a~26cのそれぞれと接続される。CPU81は、単位掛数操作部23a、最大掛数操作部23b、精算操作部24、開始操作部25、及び停止操作部26a~26cのそれぞれから、操作信号を入力できる。
【0043】
CPU81は、リールユニット16の各アクチュエータと接続される。CPU81は、各アクチュエータに対して、所定の作動信号(駆動信号)を出力することによって駆動させうる。CPU81は、リールユニット16の各アクチュエータの動作を制御することによって、各リール16a~16cを各別に回転及び停止できる。CPU81は、ホッパーユニットのアクチュエータと接続される。CPU81は、アクチュエータの動作を制御することによって、ホッパーユニットによる遊技メダルの払出しを制御できる。
【0044】
副基板90について説明する。
副基板90は、CPU91、ROM92、及びRWM93を備える。CPU91は、主基板80から入力される各種の制御信号、及び副制御プログラムに基づいて、各種の制御動作を所定の手順で実行する。ROM92は、副制御プログラム、各種のテーブル、及び各種の判定値などを記憶する。ROM92は、表示演出装置15における表示演出の態様を特定可能な表示演出パターン、音声演出装置14における音声演出の態様を特定可能な音声演出パターン、及び発光演出装置13における発光演出の態様を特定可能な発光演出パターンを記憶する。CPU91は、演出実行手段(一例として演出装置群ES)を制御する演出制御手段の一例である。
【0045】
RWM93は、CPU91の処理に応じて生成される各種の情報を記憶する。例えば、RWM93は、フラグ、タイマ、及びカウンタなどを記憶する。副基板90では、各種の抽選に用いられる乱数が生成される。乱数は、乱数生成回路によって生成されるハードウェア乱数であってもよく、CPU91によって生成されるソフトウェア乱数であってもよい。乱数は、役情報を決定するための特別乱数を含むとよい。
【0046】
CPU91は、発光演出装置13、音声演出装置14、及び表示演出装置15と接続される。CPU91は、主基板80から入力する各種の制御情報に基づいて、発光演出装置13、音声演出装置14、及び表示演出装置15を制御することによって、各種の演出を実行させる。CPU91は、スロットマシン10の内部状態に対応した演出を行わせることもできる。各種の演出には、特定の役(図柄組み合わせ)を入賞させるために必要とされる停止操作部26の操作態様を報知する演出(所謂、ナビゲーション演出)、及び入賞を許容された役(当選役)を示唆する演出などがある。
【0047】
スロットマシン10は、電源ユニット99を備える。電源ユニット99は、機内部に配設される。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、主基板80及び副基板90へ供給する。電源ユニット99は、電源スイッチ99aを備える。スロットマシン10は、電源スイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のまま電源スイッチ99aをオン状態とすることにより、電源投入できる。
【0048】
主基板80(CPU81)が実行する遊技進行メイン処理について説明する。
図8に示すように、最初に、CPU81は、遊技開始セット処理を実行する(S101)。遊技開始セット処理において、CPU81は、RWM83における所定の記憶領域の更新を行う。次に、CPU81は、リプレイが非作動中であるか否かを判定する(S102)。リプレイが非作動中である場合(S102:YES)、CPU81は、今回の変動ゲームにおける掛数を設定する掛数設定処理を実行する(S103)。
【0049】
掛数設定処理において、CPU81は、投入センサSE4から検知信号を入力し、かつ最大掛数未満であるとき、掛数に1加算する。CPU81は、投入センサSE4から検知信号を入力し、かつ最大掛数であるとき、クレジットに1加算する。なお、CPU81は、クレジットが上限数(一例として50枚)に達している場合、投入された遊技メダルを払出口27から返却するように、メダルセレクタ(不図示)を制御する。
【0050】
投入センサSE4から検知信号を入力していない場合、CPU81は、掛数操作部23a,23bから操作信号を入力したか否かを判定する。CPU81は、単位掛数操作部23aから操作信号を入力し、クレジットが1以上であり、かつ最大掛数未満であるとき、掛数に1加算する。CPU81は、最大掛数操作部23bから操作信号を入力し、かつ最大掛数未満であるとき、そのときのクレジットを限度として、掛数が最大掛数に近づくように加算する。掛数に加算した場合、及び掛数操作部23a,23bから操作信号を入力しない場合に、CPU81は、掛数設定処理を終了する。
【0051】
掛数設定処理を終了すると、CPU81は、精算処理を実行する(S104)。精算処理において、精算操作部24から操作信号を入力していない場合、CPU81は、精算処理を終了する。精算操作部24から操作信号を入力している場合、CPU81は、掛数分の遊技メダルを払出口27から返却するように、ホッパーユニット(不図示)を制御する。そして、CPU81は、掛数を0にする。精算操作部24から操作信号を入力している場合、CPU81は、クレジット分の遊技メダルを払出口27から返却するように、ホッパーユニット(不図示)を制御する。この場合、CPU81は、クレジットを0にする。その後、CPU81は、精算処理を終了する。
【0052】
CPU81は、リプレイが非作動中ではない場合(S102:NO)、及び精算処理を終了した場合、掛数が規定掛数と一致するか否かを判定する(S105)。なお、CPU81は、リプレイ作動中である場合、前回の変動ゲームを開始するときの掛数を、今回の変動ゲームにおける掛数として設定する。
【0053】
掛数が規定掛数と一致しない場合(S105:NO)、CPU81は、ステップS102の処理に移行する。掛数が規定掛数と一致する場合(S105:YES)、CPU81は、開始操作を受け付けたか否かを判定する(S106)。CPU81は、開始操作部25から検知信号を入力した場合に肯定判定する。一方、CPU81は、開始操作部25から検知信号を入力しない場合に否定判定する。開始操作を受け付けていない場合(S106:NO)、CPU81は、ステップS102の処理へ移行する。一方、開始操作を受け付けた場合(S106:YES)、CPU81は、役抽選処理を実行する(S107)。
【0054】
役抽選処理について説明する。CPU81は、役抽選処理を実行することによって、複数の役情報の中から1つの役情報を決定する。CPU81は、主基板80にて生成している特別乱数を取得する。CPU81は、所定の当選確率となるように、特別乱数を用いた役抽選によって役情報を決定する。役抽選は、当否を決定するための特別抽選ともいえる。何れの役情報にも当選しないことは、いわゆるハズレである。CPU81は、当選した役情報を示す情報(以下、当選フラグと示す)をRWM83に記憶する。なお、当選フラグは、次回の遊技開始セット処理(S101)において初期化される。CPU81は、当選した役情報を特定可能な制御情報(以下、当選コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU81は、役抽選処理を終了する。役抽選処理を終了すると、CPU81は、内部状態に関する移行決定処理を実行する(S108)。
【0055】
CPU81は、移行決定処理を実行することによって、内部状態の移行を制御できる。移行決定処理では、遊技区間、及び遊技状態の移行の可否について決定できる一方、当該決定の結果に応じた内部状態の移行は、後述する遊技更新処理(S117)において行われる。移行決定処理について説明する。
【0056】
CPU81は、遊技区間フラグに設定された情報を参照することによって、遊技区間を特定できる。遊技区間フラグは、RWM83に記憶される。遊技区間フラグに設定される情報には、有利区間であることを示す有利区間情報と、通常区間であることを示す通常区間情報と、がある。CPU81は、遊技状態フラグに設定された情報を参照することによって、遊技状態を特定できる。遊技状態フラグは、RWM83に記憶される。遊技状態フラグに設定される情報には、第1通常状態であることを示す第1通常状態情報と、第2通常状態であることを示す第2通常状態情報と、有利状態であることを示す有利状態情報と、がある。第2通常状態情報には、第2通常状態[A]であることを示す第2通常状態情報[A]と、第2通常状態[B]であることを示す第2通常状態情報[B]と、第2通常状態[C]であることを示す第2通常状態情報[C]と、がある。
【0057】
CPU81は、通常区間かつ第1通常状態であるとき、第1移行決定処理を実行する。第1移行決定処理は、通常区間から有利区間へ移行させるか否かを決定するための処理である。第1移行決定処理において、CPU81は、主基板80にて生成している所定の乱数を取得する。CPU81は、取得した乱数を用いた区間移行抽選によって、有利区間へ移行させるか否かを決定する。区間移行抽選に当選した場合に、CPU81は、有利区間へ移行させることを示す情報として、有利区間移行フラグをRWM83に記憶する。その後、CPU81は、移行決定処理を終了する。一方、区間移行抽選に当選しない場合に、CPU81は、移行決定処理を終了する。
【0058】
CPU81は、有利区間かつ第1通常状態であるとき、第2移行決定処理を実行する。第2移行決定処理は、第1通常状態から第2通常状態へ移行させるか否かを決定するための処理である。第2移行決定処理において、CPU81は、移行待機フラグがRWM83に記憶されているか否かを判定する。移行待機フラグが記憶されていることは、既に何れかの第2通常状態への移行が決定され、かつ当該第2通常状態への移行待機中であることを示す。
【0059】
移行待機フラグが記憶されていない場合に、CPU81は、第1通常状態から第2通常状態への移行を許容するか否かの状態移行抽選を実行する。状態移行抽選は、いわゆるチャンスゾーン抽選である。CPU81は、主基板80にて生成している所定の乱数を取得し、当該乱数を用いて状態移行抽選を行う。CPU81は、役抽選処理において当選した役情報に応じた当選確率となるように、状態移行抽選を行う。一例として、状態移行抽選は、スイカ役情報又はチェリー役情報に当選している場合に当選しうる一方、これら以外の役情報に当選している場合に当選しない。状態移行抽選の当選確率は、チェリー役情報<スイカ役情報の順に高いとよい。
【0060】
状態移行抽選に当選する場合に、CPU81は、所定の乱数を用いた移行先抽選によって、第2通常状態[A]~[C]の中から移行先となる第2通常状態を決定する。CPU81は、移行先として決定した第2通常状態を示す情報を、RWM83に記憶される予定フラグに設定する。CPU81は、移行先として決定した第2通常状態を示す制御情報(以下、予約コマンドと示す)を出力バッファに格納する。CPU81は、移行待機フラグをRWM83に記憶する。CPU81は、RWM83に記憶される移行待機残回数に初期値(一例として7回)を設定する。移行待機残回数は、第2通常状態への移行を待機する変動ゲームの残り回数を示す情報である。その後、CPU81は、移行決定処理を終了する。
【0061】
状態移行抽選に当選しない場合に、CPU81は、ニセ前兆処理を実行できる。一例として、CPU81は、第1通常状態である場合であって、かつ、移行待機フラグ及びニセ前兆フラグが記憶されていない場合に、ニセ前兆処理を実行できる。ニセ前兆フラグは、ニセ前兆を実行中であることを特定可能な情報である。ニセ前兆フラグは、RWM83に記憶される。ニセ前兆処理において、CPU81は、チェリー役又はスイカ役の入賞が発生した場合に、所定の乱数を用いたニセ前兆抽選によって、ニセ前兆を発生させるか否かを決定する。ニセ前兆抽選に当選する場合に、所定の乱数を用いた抽選により、ニセ前兆の種類を決定する。ニセ前兆の種類には、ニセ前兆[A]~[C]がある。ニセ前兆[A]~[C]は、前兆[A]~[C]とそれぞれ演出態様が同じである。CPU81は、ニセ前兆を開始させること、及び開始させるニセ前兆の種類を特定可能な制御情報(以下、ニセ前兆開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。ニセ前兆開始コマンドは、移行先の前兆モードを特定可能な情報ともいえる。一例として、CPU81は、RWM83に記憶されるニセ前兆残回数の初期値として7回を設定する。CPU81は、ニセ前兆フラグをRWM83に記憶する。その後、CPU81は、移行決定処理を終了する。一方、ニセ前兆抽選に当選しない場合に、CPU81は、移行決定処理を終了する。また、CPU81は、第1通常状態である場合であって、かつ、移行待機フラグ又はニセ前兆フラグが記憶されている場合、及び第1通常状態とは異なる遊技状態である場合に、ニセ前兆処理を実行せず、移行決定処理を終了する。
【0062】
移行決定処理を終了すると、CPU81は、操作情報処理を実行する(S109)。有利区間において、CPU81は、払出表示部36に操作情報を表示することが許容される。一方、通常区間において、CPU81は、払出表示部36に操作情報を表示することが禁止される。一例として、CPU81は、有利区間かつ有利状態である場合に、役情報に応じて特定した操作情報を表示させる。一例として、CPU81は、有利区間かつ何れかの通常状態である場合に、操作情報を表示させない。一例として、CPU81は、第1から第6ベル役情報の何れかに当選している場合に、ベル役の入賞を発生させるために必要な停止操作部26a~26cの操作態様を示す操作情報を特定する。CPU81は、特定した操作情報を表示するように、払出表示部36を制御する。例えば、第1ベル役情報に当選している場合に、CPU81は、第1押し順を示す操作情報を特定し、当該操作情報を表示するように、払出表示部36を制御する。CPU81は、役情報に応じて特定した操作情報を示す制御情報(以下、操作情報コマンドと示す)を出力バッファに格納し、操作情報処理を終了する。なお、CPU81は、何れの操作情報を特定しなかった場合であっても、操作情報を特定しない操作情報コマンドを出力バッファに格納するとよい。
【0063】
そして、CPU81は、ウェイトタイムが経過したか否かを判定する(S110)。ウェイトタイムが経過していない場合(S110:NO)、CPU81は、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過している場合(S110:YES)、CPU81は、次回、ウェイトタイムが経過したか否かを判定するためのウェイトタイムを設定する。なお、設定されたウェイトタイムは、タイマ割り込み処理として実行されるカウント減算処理において計時される。
【0064】
ウェイトタイムを設定した後、CPU81は、リール16a~16cの回転が開始されるように、リール16a~16cの各アクチュエータを制御する(S111)。変動ゲームは、ステップS111においてリール16a~16cの回転が開始されることによって開始する。このように、リールユニット16では、変動ゲームとしての図柄変動が開始される。CPU81は、変動ゲームが開始したことを特定可能な制御情報(以下、開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。開始コマンドは、開始操作を受け付けたときの掛数を特定可能な制御情報でもあってもよい。
【0065】
CPU81は、リール16a~16cの回転速度が規定速度に達すると、停止操作部26a~26cの何れかによる停止操作を受け付けたかを判定する(S112)。ステップS112の処理において、CPU81は、回転中のリールに対応する停止操作部26a~26cの何れかから検知信号を入力している場合に肯定判定する。一方、CPU81は、すでに停止したリールに対応する停止操作部から検知信号を入力している場合、又は停止操作部26a~26cの何れからも検知信号を入力していない場合に否定判定する。停止操作を受け付けていない場合(S112:NO)、CPU81は、停止操作を受け付けるまで待機する。
【0066】
停止操作を受け付けた場合(S112:YES)、CPU81は、検知信号を入力した停止操作部に対応するリールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(S113)。つまり、CPU81は、停止操作を契機としてアクチュエータを制御し、停止操作に対応するリールの回転を停止させる。一例として、リール停止処理によって、図柄停止制御が実現される。図柄停止制御は、図柄の引き込み制御、及び図柄の蹴飛ばし制御を含みうる。
【0067】
リール停止処理において、CPU81は、停止操作部が操作されたタイミング(回転位置)から所定の引き込み範囲内(一例として5図柄)にある図柄のうち、役抽選の結果(当選した役情報)に応じて、有効ラインNL上に停止させることが許容されている図柄を検索する。例えば、図柄の検索は、ROM82に記憶されている停止図柄検索テーブルを参照すること、及び停止図柄検索データを用いた演算のうち少なくとも一方によって実現できる。そして、CPU81は、検索された図柄の何れかが有効ラインNL上に停止するようにリールの回転を停止させる。
【0068】
CPU81は、第1停止操作、第2停止操作、及び第3停止操作がされたときに、それぞれリール停止処理を実行することによって、今回の役抽選の結果と、停止操作部26a~26cの操作態様(押し順及び押し位置)と、に応じた図柄組合せを表示させる。つまり、CPU81は、停止操作部26a~26cの操作態様に応じて、当選した役情報に対応付けられた役の入賞を発生させることが可能である。なお、CPU81は、何れの当選番号にも当選していない場合(ハズレの場合)、何れの役の入賞も発生させないように制御する。
【0069】
次に、CPU81は、リール16a~16cの全てを停止させたかを判定する(S114)。リール16a~16cのうち一部のリールを停止させていない場合(S114:NO)、CPU81は、ステップS112の処理へ移行する。一方、リール16a~16cの全てを停止させている場合(S114:YES)、CPU81は、変動ゲームを終了して、入賞判定処理を実行する(S115)。CPU81は、停止操作を契機として変動ゲームを終了させる。CPU81は、変動ゲームが終了したことを特定可能な制御情報(以下、終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0070】
入賞判定処理において、CPU81は、何れかの役の入賞が発生したか否かの入賞判定を行う。つまり、CPU81は、有効ラインNL上に停止させた図柄組合せが、賞が付与されるために必要な組み合わせとして予め定められたものであるか否かを判定する。CPU81は、何れかの役の入賞が発生した場合、当該入賞が発生した役に定められた賞を付与する。CPU81は、入賞が発生した役を特定可能な制御情報(以下、入賞発生コマンドと示す)を出力バッファに格納する。何れの役の入賞も発生していない場合、CPU81は、入賞判定処理を終了する。
【0071】
払出役の入賞が発生した場合、CPU81は、賞として付与された遊技メダルの払出枚数分だけ増加するように、クレジットに加算する。クレジットが上限数を超えた場合に、CPU81は、超過分の遊技メダルを払出口27から払い出すように、ホッパーユニットを制御する。その後、CPU81は、入賞判定処理を終了する。リプレイ役の入賞が発生した場合、CPU81は、リプレイを作動させる。つまり、CPU81は、リプレイ役の入賞が発生した変動ゲームと同じ掛数を設定する。その後、CPU81は、入賞判定処理を終了する。
【0072】
入賞判定処理を終了すると、CPU81は、情報生成処理(S116)を実行する。情報生成処理は、内部状態を移行させるための各種の情報を生成する処理である。情報生成処理において、CPU81は、遊技区間情報生成処理を実行する。遊技区間情報生成処理において、CPU81は、有利区間である場合に、RWM83に記憶された有利区間残回数を1減算する。有利区間残回数は、有利区間に滞在可能な変動ゲームの残り回数を特定可能な情報である。一例として、有利区間に移行した場合に、有利区間残回数の初期値は4000回である。CPU81は、有利区間である場合に、RWM83に記憶された遊技メダルの有利区間差枚数を更新する。有利区間差枚数は、有利区間に移行してからの差枚数を示す。有利区間に移行した場合に、有利区間差枚数の初期値は0である。一例として、CPU81は、今回の変動ゲームにおける掛数を有利区間差枚数から減算する。CPU81は、今回の変動ゲームにおける払出枚数を有利区間差枚数に加算する。
【0073】
次に、CPU81は、有利区間の終了条件が成立するか否かを判定する。CPU81は、有利区間残回数を減算した結果、有利区間残回数が0になった場合に、有利区間の終了条件が成立したと判定する。CPU81は、有利区間差枚数を更新した結果、有利区間差枚数が規定枚数に達した場合に、有利区間の終了条件が成立したと判定する。一例として、規定枚数は、2400枚である。有利区間の終了条件が成立した場合に、CPU81は、有利区間の終了を示す情報として、有利区間終了フラグをRWM83に記憶する。さらに、CPU81は、第1通常状態への移行を示す情報を、RWM83に記憶される移行先状態フラグに設定する。その後、CPU81は、遊技区間情報生成処理を終了する。有利区間の終了条件が成立しない場合に、CPU81は、遊技区間情報生成処理を終了する。CPU81は、遊技区間情報生成処理を終了すると、遊技状態情報生成処理を実行する。
【0074】
遊技状態情報生成処理において、有利状態である場合に、CPU81は、RWM83に記憶された有利状態残回数を1減算する。有利状態残回数は、有利状態に滞在できる変動ゲームの残り回数を特定可能な情報である。一例として、有利状態に移行した場合に、有利状態残回数の初期値は100回である。CPU81は、有利状態残回数を減算した結果、有利状態残回数が0になった場合に、第1通常状態への移行(有利状態の終了)を示す情報を移行先状態フラグに設定する。さらに、CPU81は、有利区間終了フラグをRWM83に記憶する。
【0075】
遊技状態情報生成処理において、CPU81は、第1通常状態であって、かつ移行待機フラグが記憶されている場合に、移行待機残回数を1減算する。CPU81は、移行待機残回数を減算した結果、移行待機残回数が0になった場合に、予定フラグを参照して特定可能な第2通常状態への移行を示す情報を、移行先状態フラグに設定する。この場合に、CPU81は、移行待機フラグ、及び予約フラグを消去する。
【0076】
遊技状態情報生成処理において、CPU81は、第1通常状態であって、かつニセ前兆フラグが記憶されている場合に、ニセ前兆残回数を1減算する。CPU81は、ニセ前兆残回数を減算した結果、ニセ前兆残回数が0になった場合に、ニセ前兆を終了させることを特定可能な制御情報(以下、ニセ前兆終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。CPU81は、ニセ前兆フラグを消去する。その後、CPU81は、遊技更新処理を終了する。一方、CPU81は、ニセ前兆残回数が1以上である場合に、遊技更新処理を終了する。
【0077】
遊技状態情報生成処理において、CPU81は、第2通常状態である場合に、有利状態又は第1通常状態へ移行させるための各種処理を実行する。第2通常状態[A]~[C]における制御状態は、第1パートと、第2パートと、にそれぞれ区分けできる。
【0078】
第1パートにおける処理について説明する。CPU81は、第2通常状態[A]の第1パートである場合に、第1パート残回数を1減算する。第1パート残回数は、第2通常状態に滞在可能な変動ゲームの残り回数を特定可能な情報である。一例として、第2通常状態[A]へ移行した場合に、第1パート残回数の初期値は15回である。CPU81は、第1パート残回数を更新(加算又は減算)した場合に、更新後の第1パート残回数を特定可能な制御情報(以下、第1残回数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0079】
CPU81は、第1パート残回数を減算した結果、第1パート残回数が0になった場合に、有利状態へ移行させるか否かの有利移行抽選を行う。一例として、CPU81は、主基板80にて生成している所定の乱数を取得する。CPU81は、取得した乱数を用いた有利移行抽選によって、有利状態へ移行させるか否かを決定する。有利移行抽選に当選した場合に、CPU81は、有利状態へ移行することを示す情報を移行先状態フラグに設定する。有利移行抽選は、後述する第2ポイントに応じて当選確率が異なる。一例として、有利移行抽選の当選確率は、第2ポイントが増加するほど高い。一例として、有利移行抽選の当選確率は、第2ポイントが第1数であるときと第2数であるときとで異なるともいえる。CPU81は、有利移行抽選に当選したことを示す制御情報(以下、特定移行コマンドと示す)を出力バッファに格納する。一方、有利移行抽選に当選しない場合に、CPU81は、第1通常状態へ移行することを示す情報を移行先状態フラグに設定する。CPU81は、第1通常状態へ移行することを示す制御情報(以下、チャンス終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。第1パート残回数が0になる変動ゲーム、つまり、チャンスモード(第2通常状態[A]~[C])における最終回の変動ゲームでは、特定移行コマンド又はチャンス終了コマンドが送信されうる。その後、CPU81は、遊技状態情報生成処理を終了する。
【0080】
CPU81は、第1パート残回数を減算した結果、第1パート残回数が1以上である場合に、第2通常状態[A]における対応役の入賞が発生したか否かを判定する。第2通常状態[A]の対応役は、第1パートと第2パートとで共通である。一例として、第2通常状態[A]の対応役は、リプレイ役である。CPU81は、第2通常状態[A]における対応役の入賞が発生しない場合に、RWM83に記憶される第1ポイントに加算しない。第1ポイントは、第1パートにおける対応役の入賞回数を示す情報である。一方、第2通常状態[A]における対応役の入賞が発生した場合に、CPU81は、第1ポイントに1加算する。CPU81は、第1ポイントを更新した場合に、更新後の第1ポイントを特定可能な制御情報(以下、第1ポイントコマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0081】
CPU81は、第1ポイントに加算した結果、第1ポイントが第1規定ポイントに達した場合に、第2パートへ移行する。一例として、第1規定ポイントは、3ポイントである。CPU81は、第2パートの開始を特定可能な制御情報(以下、第2パート開始コマンドと示す)を出力バッファに格納する。CPU81は、第2パートに滞在可能な変動ゲームの残り回数を示す情報として、RWM83に記憶される第2パート残回数に初期値を設定する。一例として、第2パート残回数の初期値は、第1ポイントに等しい3回である。CPU81は、第2パート残回数を更新(加算又は減算)した場合に、更新後の第2パート残回数を特定可能な制御情報(以下、第2残回数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。その後、CPU81は、遊技状態情報生成処理を終了する。一方、CPU81は、第1ポイントに加算した結果、第1ポイントが第1規定ポイントに達しない場合に、第1パートを維持する。その後、CPU81は、遊技状態情報生成処理を終了する。
【0082】
CPU81は、遊技に応じて所定の数値を計数する計数手段の一例を構成しうる。第1ポイントは、所定の数値の一例である。CPU81は、所定の数値として、特定条件の成立回数を示す数値を計数する。特定条件は、遊技に伴う図柄の変動表示を経て、所定図柄が停止表示されることによって成立しうる。一例として、所定図柄は、滞在中である第2通常状態の対応役を構成する図柄である。なお、CPU81は、第2パートへ移行するとき、又は第2通常状態が終了するときに第1ポイントをクリアする。
【0083】
第2パートにおける処理について説明する。CPU81は、第2通常状態[A]の第2パートである場合に、第2通常状態[A]における対応役の入賞が発生したか否かを判定する。第2通常状態[A]における対応役の入賞が発生していない場合に、CPU81は、RWM83に記憶される第2ポイントに1加算しない。第2ポイントは、第2パートにおける対応役の入賞回数を示す情報である。一方、第2通常状態[A]における対応役の入賞が発生した場合に、CPU81は、第2ポイントに1加算する。
【0084】
CPU81は、第2ポイントに加算した結果、第2ポイントが第2規定ポイントに達した場合に、有利状態への移行を決定する。CPU81は、有利状態へ移行することを示す情報を移行先状態フラグに設定する。その後、CPU81は、遊技状態情報生成処理を終了する。なお、CPU81は、今回の第2通常状態が終了するときに、第2ポイントをクリアする。
【0085】
一方、CPU81は、第2ポイントに加算した結果、第2ポイントが第2規定ポイントに達しない場合に、有利状態への移行を決定しない。CPU81は、第2通常状態[A]の第2パートである場合に、第2パート残回数を1減算する。CPU81は、第2通常状態[A]の第2パートである場合に、第1パート残回数を減算せずに維持する。CPU81は、第2パート残回数を減算した結果、第2パート残回数が0になった場合に、第1パートへ移行する。その後、CPU81は、遊技状態情報生成処理を終了する。一方、CPU81は、第2パート残回数を減算した結果、第2パート残回数が0にならない場合に、第2パートを維持する。その後、CPU81は、遊技状態情報生成処理を終了する。
【0086】
CPU81は、第2通常状態におけるパートを移行する場合に、移行先のパートを特定可能な制御情報(以下、パート移行コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、第2通常状態[B]の各パートにおいてCPU81が実行する処理は、第2通常状態[A]の各パートにおいてCPU81が実行する処理について、第2通常状態[A]を第2通常状態[B]に、対応役をベル役に、それぞれ読み替えた処理であるから、詳細な説明を省略する。また、第2通常状態[C]の各パートにおいてCPU81が実行する処理は、第2通常状態[A]の各パートにおいてCPU81が実行する処理について、第2通常状態[A]を第2通常状態[C]に、対応役をベル役及びリプレイ役に、それぞれ読み替えた処理であるから、詳細な説明を省略する。
【0087】
情報生成処理を終了すると、CPU81は、遊技更新処理を実行する(S117)。遊技更新処理は、遊技区間及び遊技状態に関する処理結果に応じて内部状態を移行させる処理である。CPU81は、遊技更新処理を実行することによって、状態を制御する状態制御手段の一例を構成する。遊技更新処理において、CPU81は、RWM83に有利区間移行フラグが記憶されている場合に、遊技区間フラグに有利区間情報を設定する。つまり、CPU81は、通常区間から有利区間へ移行させる。CPU81は、RWM83に有利区間終了フラグが記憶されている場合に、遊技区間フラグに通常区間情報を設定する。つまり、CPU81は、有利区間から通常区間へ移行させる。CPU81は、遊技区間を移行させると、移行先の遊技区間を特定可能な制御情報(以下、遊技区間コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0088】
CPU81は、移行先状態フラグを参照し、移行先の遊技状態を示す情報が設定されているか否かを判定する。CPU81は、第1通常状態への移行を示す情報が設定されている場合に、遊技状態フラグに第1通常状態情報を設定する。CPU81は、第2通常状態[A]への移行を示す情報が設定されている場合に、遊技状態フラグに第2通常状態情報[A]を設定する。CPU81は、第2通常状態[B]への移行を示す情報が設定されている場合に、遊技状態フラグに第2通常状態情報[B]を設定する。CPU81は、第2通常状態[C]への移行を示す情報が設定されている場合に、遊技状態フラグに第2通常状態情報[C]を設定する。CPU81は、有利状態への移行を示す情報が設定されている場合に、遊技状態フラグに有利情報を設定する。つまり、CPU81は、遊技状態を移行させる。CPU81は、遊技状態を移行させると、移行先の遊技状態を特定可能な制御情報(以下、遊技状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0089】
以上のように、スロットマシン10は、開始契機に基づいて図柄の変動表示を行い、図柄の変動表示を経て停止表示される図柄に応じて特典を付与できる。リプレイの作動、遊技メダルの払出し、及び、相対的に有利な遊技状態への移行は、特典の一例である。遊技進行メイン処理において、CPU81は、さらに以下の制御を行うように構成される。CPU81は、その時々におけるスロットマシン10の状態に関する報知が行われるように、情報表示部30(表示部31~36)を制御する。例えば、CPU81は、スロットマシン10においてエラーが発生した場合、発生したエラーを特定可能なエラー情報を表示するように払出表示部36を制御する。
【0090】
副基板90(CPU91)が実行する処理について説明する。
CPU91は、遊技の進行に伴って入力する各種の制御情報(制御コマンド)に基づいて演出装置群ESを制御し、各種の演出を実行させる。CPU91は、主基板80(CPU81)から出力される制御情報を入力することによって、変動ゲームの進行状況、及び内部状態(遊技区間及び遊技状態)の遷移などを特定する。CPU91は、遊技区間コマンドを入力することによって、現在の遊技区間を特定する。CPU91は、遊技状態コマンドを入力することによって、現在の遊技状態を特定する。
【0091】
CPU91は、遊技状態コマンドを入力すると、当該遊技状態コマンドから特定可能な遊技状態に対応した演出モードを設定する。CPU91は、設定中である演出モードに応じた演出態様にて各種の演出が実行されるように、演出装置群ESを制御する。一例として、CPU91は、設定中である演出モードに対応したモード画面を表示演出装置15に表示する。モード画面は、キャラクタ、背景、及び文字(文字列)といった複数の要素を含んで構成される。モード画面は、複数の要素のうち、少なくとも一部の要素が異なることによって、設定中である演出モードを把握できる。ある要素について異なるとは、当該要素の有無が異なることに限定されず、同じ要素であっても表示態様(表示面積及び表示位置)が異なることを含んでもよい。モード画面を構成する要素のうち、他のモード画面と異なる要素は、滞在中である内部状態を報知するモード情報として機能し得る。
【0092】
一例として、CPU91は、遊技状態コマンドを含む各種コマンドに基づいて演出モードを設定する。CPU91は、第1通常状態を特定可能な遊技状態コマンドを入力した場合に、通常モードを設定する。CPU91は、通常モードを設定中である場合に、予約コマンド又は前兆開始コマンドを入力すると、前兆モードを設定する。CPU91は、予約コマンドから第2通常状態[A]を特定可能である場合、前兆モード[A]を設定する。よって、前兆モードの最終ゲームが終了する迄には、前兆モード[A]に移行し、その後にチャンスモード[B]へ移行しうる。
【0093】
CPU91は、予約コマンドから第2通常状態[B]を特定可能である場合、最初に前兆モード[A]を設定する。CPU91は、開始コマンドを入力する毎に、所定の乱数を用いたモード昇格抽選を実行する。CPU91は、モード昇格抽選に当選した場合に、前兆モード[B]を設定する。CPU91は、開始コマンドの入力回数を計数するとともに、入力回数が規定回数(一例として7回)に達すると、前兆モード[B]を設定する。よって、前兆モードの最終ゲームが終了する迄には、前兆モード[B]に移行し、その後にチャンスモード[B]へ移行しうる。
【0094】
CPU91は、予約コマンドから第2通常状態[C]を特定可能である場合、最初に前兆モード[A]を設定する。CPU91は、開始コマンドを入力する毎に、モード昇格抽選を実行する。CPU91は、モード昇格抽選に当選した場合に、前兆モード[B]を設定する。CPU91は、さらにモード昇格抽選に当選した場合に、前兆モード[C]を設定する。CPU91は、開始コマンドの入力回数を計数するとともに、入力回数が規定回数(一例として7回)に達すると、前兆モード[C]を設定する。よって、前兆モードの最終ゲームが終了する迄には、前兆モード[C]に移行し、その後にチャンスモード[C]へ移行しうる。
【0095】
CPU91は、ニセ前兆開始コマンドを入力すると、前兆モード[A]を設定する。CPU91は、開始コマンドを入力する毎に、所定の乱数を用いたニセ昇格抽選を実行する。CPU91は、ニセ昇格抽選に当選した場合に、前兆モード[B]を設定する。CPU91は、さらにニセ昇格抽選に当選した場合に、前兆モード[C]を設定する。ニセ昇格抽選の当選確率は、前兆モード[B]であるときに、前兆モード[A]である場合に比べて低い。よって、前兆モード[A]<[B]<[C]の順に、第2通常状態へ移行する期待度が高くなる。これに限らず、CPU91は、ニセ昇格抽選を行わない構成であってもよい。この場合に、一部の前兆モード(一例として前兆モード[B]及び[C])は、第2通常状態への移行が確定する演出モードとなる。
【0096】
CPU91は、遊技状態コマンドから第2通常状態[A]~[C]の何れかを特定可能である場合、それぞれチャンスモード[A]~[C]を設定する。各チャンスモード[A]~[C]において、CPU91は、パート移行コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能なパートへ移行させる。各チャンスモード[A]~[C]において、CPU91は、第1ポイントコマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第1ポイントをRWM93に記憶する。CPU91は、第1残回数コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第1パート残回数をRWM93に記憶する。CPU91は、第2ポイントコマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第2ポイントをRWM93に記憶する。CPU91は、第2残回数コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第2パート残回数をRWM93に記憶する。
【0097】
第1パートにおいて、CPU91は、RWM93に記憶している第1ポイントを表示するように、表示演出装置15を制御する。第1パートにおいて、CPU91は、RWM93に記憶している第1パート残回数を表示するように、表示演出装置15を制御する。第2パートにおいて、CPU91は、RWM93に記憶している第1パート残回数を表示するように、表示演出装置15を制御する。第2パートにおいて、CPU91は、RWM93に記憶している第2パート残回数を表示するように、表示演出装置15を制御する。第1パートにおいて、CPU91は、RWM93に記憶している第1ポイント及び第2ポイントを表示するように、表示演出装置15を制御してもよい。
【0098】
CPU91は、チャンスモードの第1パートにおいて、チャンス終了コマンド又は特定移行コマンドを入力した場合に、最終演出を実行するように、表示演出装置15を制御する。最終演出は、有利移行抽選の結果が報知されることを予告する導入演出と、有利移行抽選の結果を報知する結果報知演出と、を含むとよい。CPU91は、チャンス終了コマンドを入力した場合に、導入演出を経て、有利状態へ移行せず第1通常状態へ移行することを報知する内容で結果報知演出を実行するように、表示演出装置15を制御する。CPU91は、特定移行コマンドを入力した場合に、導入演出を経て、有利状態へ移行することを報知する内容で結果報知演出を実行するように、表示演出装置15を制御する。
【0099】
CPU91は、有利状態を特定可能な遊技状態コマンドを入力した場合に、有利モードを設定する。CPU91は、有利状態を特定可能な遊技状態コマンドを入力した場合に、有利状態へ移行することを報知する突入演出を実行するように、表示演出装置15を制御する。CPU91は、有利モードを設定中である場合に、操作態様コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な操作態様を報知するように、ナビゲーション演出を実行させる。一例として、ナビゲーション演出は、停止操作部26a~26cの押し順を認識可能とする情報(以下、ナビゲーション情報と示す)を表示演出装置15に表示する態様にて実行される。第1通常状態及び第2通常状態では、主基板80(CPU81)から、操作態様コマンドが送信されることがないから、ナビゲーション演出が実行されない。
【0100】
以下、表示演出装置15における表示態様の具体的な一例について説明する。
図9に示すように、表示演出装置15では、内部状態に応じたモード画面が表示されうる。通常区間かつ第1通常状態である場合、表示演出装置15では、通常モードに対応した通常モード画面M1が表示される。有利区間かつ第1通常状態である場合であって、前兆を伴わないとき、表示演出装置15では、通常モードに対応した通常モード画面M1が表示される。一例として、通常モード画面M1は、モード情報H1として、所定の背景画像、及び「通常モード」の文字列を含みうる。第1通常状態及び第2通常状態の各モードにおいて、表示演出装置15では、当選した役情報を示唆する当選示唆演出が実行されうる。一例として、当選示唆演出は、チェリー役の当選示唆演出、スイカ役の当選示唆演出、ベル役の当選示唆演出、及びリプレイ役の当選示唆演出を含みうる。当選示唆演出は、当選した役情報に対応する画像を表示演出装置15に表示する態様にて実行されうる。
【0101】
有利区間かつ第1通常状態であって、前兆[A]を伴う場合に、表示演出装置15では、前兆モード画面M1aが表示される。前兆モード画面M1aは、チャンスモード[A]への移行を示唆する示唆情報F11の一例として、「探索」と「敵キャラA」の文字を含みうる。表示演出装置15における表示態様は、ニセ前兆[A]を伴う第1通常状態である場合も同様である。つまり、表示演出装置15における表示態様から、前兆[A]であるか、ニセ前兆[A]であるかを判別し難い。前兆モード画面M1aは、モード情報H1aの一例として、他のモードとは異なる背景画像を含みうる。
【0102】
有利区間かつ第1通常状態であって、前兆[B]を伴う場合に、表示演出装置15では、前兆モード画面M1bが表示される。前兆モード画面M1bは、チャンスモード[B]への移行を示唆する示唆情報F12の一例として、「探索」と「敵キャラB」の文字を含みうる。CPU91は、表示演出装置15における表示態様は、ニセ前兆[B]を伴う第1通常状態である場合も同様である。つまり、表示演出装置15における表示態様から、前兆[B]であるか、ニセ前兆[B]であるかを判別し難い。前兆モード画面M1bは、モード情報H1bの一例として、他のモードとは異なる背景画像を含みうる。
【0103】
有利区間かつ第1通常状態であって、前兆[C]を伴う場合に、表示演出装置15では、前兆モード画面M1cが表示される。前兆モード画面M1cは、チャンスモード[C]への移行を示唆する示唆情報F13の一例として、「探索」と「敵キャラC」の文字を含みうる。表示演出装置15における表示態様は、ニセ前兆[C]を伴う第1通常状態である場合も同様である。つまり、表示演出装置15における表示態様から、前兆[C]であるか、ニセ前兆[C]であるかを判別し難い。前兆モード画面M1cは、モード情報H1cの一例として、他のモードとは異なる背景画像を含みうる。
【0104】
図9図11に示すように、一例として、チャンスモード[A]~[C]は、敵キャラクタと自キャラクタとの対決をモチーフとした演出として表現される。有利区間かつ第2通常状態[A]である場合に、表示演出装置15では、チャンスモード画面M2aが表示される。チャンスモード画面M2aは、モード情報H2aの一例として、他のモードとは異なる背景、及び敵キャラクタAを含みうる。有利区間かつ第2通常状態[B]である場合に、表示演出装置15では、チャンスモード画面M2bが表示される。チャンスモード画面M2bは、モード情報H2bの一例として、他のモードとは異なる背景、及び敵キャラクタBを含みうる。有利区間かつ第2通常状態[C]である場合に、表示演出装置15では、チャンスモード画面M2cが表示される。チャンスモード画面M2cは、モード情報H2cの一例として、他のモードとは異なる背景、及び敵キャラクタCを含みうる。なお、チャンスモード画面M2a~M2cは、第2遊技状態[A]~[C]の何れかであることを認識可能な共通情報F2xの一例として、自キャラクタを含みうる。
【0105】
上述の通り、前兆モード[A]~[C]からは、それぞれチャンスモード[A]~[C]へ移行しうる。つまり、各前兆モード画面M1a~M1cに含まれる移行先の示唆情報F11~F13は、何れの特殊情報(一例として敵キャラクタ)が提示されるかを示唆する示唆情報の一例である。つまり、表示演出装置15では、第1特殊情報又は前記第2特殊情報の提示前に、何れの特殊情報が提示されるかを示唆する示唆情報を提示できる。敵キャラクタA及びBは、第1特殊情報の一例であり、敵キャラクタCは、第2特殊情報の一例である。
【0106】
第1パートについて説明する。
図9及び図10に示すように、一例として、チャンスモード[A]~[C]の第1パートは、敵キャラクタと自キャラクタとが対峙する様子をモチーフとした演出として表現される。第1パートにおいて、表示演出装置15では、敵キャラクタと、自キャラクタとが対峙する様子が表示される。各チャンスモード画面M2a~M2cは、第1パートであることを認識可能なパート情報F21aを含みうる。一例として、パート情報F21aは、「第1パート」の文字列である。各チャンスモード画面M2a~M2cは、滞在中である第2通常状態の対応役を認識可能な対応役情報F21bを含みうる。一例として、対応役情報F21bは、第2通常状態[A]であれば「弱点:リプレイ」の文字列であり、第2通常状態[B]であれば「弱点:ベル」の文字列であり、第2通常状態[C]であれば「弱点:ベル&リプレイ」の文字列である。
【0107】
各チャンスモード画面M2a~M2cは、その時点の第1ポイントを認識できる第1ポイント情報F21cを含みうる。一例として、第1ポイント情報F21cは、複数のマス目に区切られたゲージであり、RWM83に記憶された第1ポイントと同数のマスの色彩が変化することによって、第1ポイントが報知されうる。CPU91は、第1ポイントコマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第1ポイントを示すように、第1ポイント情報F21cの表示態様を変化させる。なお、第1ポイント情報F21cの表示態様から第1規定ポイントを認識可能になると、第2パートへ移行される。
【0108】
各チャンスモード画面M2a~M2cは、獲得済みの第2ポイントを認識できる第2ポイント情報F21dを含みうる。一例として、第2ポイント情報F21dは、複数のマス目に区切られたゲージであり、第2ポイントと同数のマスの色彩が変化することによって、第2ポイントが報知されうる。CPU91は、第2ポイントコマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第2ポイントを示すように、第2ポイント情報F21dの表示態様を変化させる。一例として、第2ポイント情報F21dは、敵キャラクタの残り耐久値を示す演出として表示される。
【0109】
各チャンスモード画面M2a~M2cは、第1パート残回数を認識できる第1パート残回数情報F21eを含みうる。一例として、第1パート残回数情報F21eは、第1パート残回数を示すアラビア数字であり、第1パート残回数が報知されうる。CPU91は、第1残回数コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第1パート残回数を示すように、第1パート残回数情報F21eの表示態様を変化させる。
【0110】
第2パートについて説明する。
チャンスモード[A]~[C]の第2パートは、敵キャラクタと自キャラクタとが戦闘を行う様子をモチーフとした演出として表現される。第2パートにおいて、遊技者は、敵キャラクタを撃破するという課題を達成することによって、有利状態を獲得できる。つまり、第2パートは、少なくとも1つの課題を遊技者に提示し、当該課題が達成されることによって、遊技が有利に展開される可能性が高いことを認識できる演出である。
【0111】
図9及び図11に示すように、第2パートにおいて、各チャンスモード画面M2a~M2cは、第2パートであることを認識可能なパート情報F22aを含みうる。一例として、パート情報F22aは、「第2パート」の文字列である。各チャンスモード画面M2a~M2cは、第1パートと同様に、各情報F21b,F21d,F21e,F2xを含みうる。各チャンスモード画面M2a~M2cは、第1ポイント情報F21cを含まない。これに限らず、各チャンスモード画面M2a~M2cは、第1ポイント情報F21cを含んでもよい。CPU91は、第1パートと同様、主基板80から入力する各種のコマンドに基づいて、各情報F21b,F21d,F21eの表示態様を変化させるとよい。
【0112】
各チャンスモード画面M2a~M2cは、第2パート残回数を認識できる第2パート残回数情報F21gを含みうる。一例として、第2パート残回数情報F21gは、所定のアイコン(図中では剣アイコン)であり、当該アイコンの個数によって第2パート残回数が報知されうる。CPU91は、第2残回数コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な第2パート残回数を示すように、第2パート残回数情報F21gの表示態様を変化させる。なお、第2パートでは、第1パート残回数が減少しない。
【0113】
第2パートにおいて、表示演出装置15では、変動ゲームが実行されるごとに、自キャラクタが敵キャラクタを攻撃する様子が表示される。CPU91は、入賞発生コマンドから特定可能な役が、滞在中の第2通常状態における対応役と一致する場合に、敵キャラクタに対する自キャラクタの攻撃が成功する様子を表示する。このとき、第2ポイント情報F21dの表示態様が更新され、第2ポイントが1増加したことを認識可能になる。
【0114】
一方、CPU91は、入賞発生コマンドから特定可能な役が、滞在中の第2通常状態における対応役と一致しない場合に、敵キャラクタに対する自キャラクタの攻撃が失敗する様子を表示する。このとき、第2ポイント情報F21dの表示態様が更新されず、第2ポイントが増加しないことを認識可能になる。なお、第2パート残回数情報F21gの表示態様から第2パート残回数が0になったことを認識可能になると、第1パートへ移行される。
【0115】
このように、表示演出装置15では、チャンスモード[A]~[C]を実行可能である。チャンスモード[A]~[C]は、特別演出の一例である。チャンスモード[A]~[C]は、第1パートと、第2パートとを含んで構成される。第1パートから第2パートへは、第1パートに滞在中、対応役の入賞に応じて移行しうる。図柄の変動表示を経て対応役が停止表示されることに応じて、表示演出装置15では、チャンスモード[A]~[C]の第2パートが実行されうる。チャンスモード[A]~[C]の第2パートは、特殊演出の一例である。第2通常状態ごとの対応役は、特定図柄の一例である。スロットマシン10の状態には、第1ポイントが第1規定ポイントに達するまでの第1状態と、第1ポイントが第1規定ポイントに達してからの第2パートと、がある。ここでいう第1状態は、遊技に応じた計数値(一例として第1ポイント)が特定値(一例として第1規定ポイント)に達することによって終了する状態であり、第2状態は、表示演出装置15によって第2パートが実行されうる状態である。
【0116】
図12に示すように、第2通常状態[A]の対応役であるベル役(第1ベル役情報)の当選確率は、第2通常状態[B]の対応役であるリプレイ役(リプレイ役情報)の当選確率に比べて高い。また、第2通常状態[C]の対応役であるベル役(第1ベル役情報)及びリプレイ役(リプレイ役情報)の合算当選確率は、ベル役及びリプレイ役の単体での当選確率よりも高い。よって、第2通常状態[A]<[B]<[C]の順に、第2ポイントを獲得し易く、有利状態への移行期待度が高くなる。したがって、チャンスモード[A]<[B]<[C]の順に、有利状態へ移行することに対する期待感が高まる。このように、特定図柄には、第1特定図柄と、第2特定図柄とがあり、第1特定図柄と第2特定図柄とは、図柄の変動表示を経て停止表示される期待度が異なる。リプレイ役は、第1特定図柄の一例である。ベル役は、第2特定図柄の一例である。
【0117】
CPU81による第1ポイントの計数値が規定値に達したことに基づいて、表示演出装置15では、特殊情報の一例として敵キャラクタA~Cの何れかを提示できる。課題として提示される撃破すべき敵キャラクタA~Cは、それぞれ有利期待度が異なる第2通常状態[A]~[C]に対応する。つまり、特殊情報には、第1特殊情報と第2特殊情報とがあり、第2特殊情報が提示される状況では、第1特殊情報が提示される状況に比べて、遊技が有利に展開される可能性が高いことを認識できる。チャンスモード[A]~[C]の第2パートにおいて提示されうる課題は、達成難易度が異なる複数種類の課題を含む。
【0118】
チャンスモード[A]~[C]において、第1パート及び第2パートは、規定回数の図柄の変動表示にわたって滞在可能であって、規定回数の図柄の変動表示が行われる間に、第2パートへ複数回にわたって移行しうる。第2パートへの移行回数が多くなることは、第2パートへの滞在期間が長くなることに相当する。つまり、第1パートに滞在中、特定図柄を停止表示可能であり、第1パートにおける特定図柄の停止表示回数に応じて、第2パートの滞在期間が変化するといえる。
【0119】
第2パートへの滞在期間が長いほど、対応役の入賞回数の期待度は増加する。よって、第2パートの滞在期間が長いほど、第2パートの終了後に有利状態へ移行される可能性が高くなる。別の観点によれば、第2パートに滞在可能な変動表示の回数は、第1回数であるときと、第1回数よりも多い第2回数であるときと、がある。第2回数の変動表示が行われるとき、第1回数の変動表示が行われる場合と比べて、有利状態への移行契機となりうる図柄(一例として対応役)の停止表示の発生期待度が高いといえる。
【0120】
図9に示すように、チャンスモード[A]~[C]の第1パートにおける最終回の変動ゲームにおいて、表示演出装置15では、最終演出が実行されうる。第1パートにおける最終回の変動ゲームは、第3パートとして把握することもできる。表示演出装置15では、最終演出の導入演出として、有利状態へ移行されるか否かの報知がされることを認識可能な導入情報F22hが表示される。一例として、導入情報F22hは、「判定タイム」の文字列である。続けて、表示演出装置15では、最終演出の結果報知演出として、有利状態へ移行することを報知する確定情報F22m、又は有利状態へ移行せずに第1通常状態へ移行することを報知する終了情報F22nの何れかが表示される。一例として、確定情報F22mは、「有利状態移行確定」の文字列である。一例として、終了情報F22nは、「終了」の文字列である。
【0121】
このように、表示演出装置15では、計数値が特定値に達し、第1状態が終了することに応じて最終演出が実行される。最終演出は、終了演出の一例である。スロットマシン10では、最終演出が実行された場合に、第1状態及び第2状態よりも有利な有利状態へ移行されるときと、有利状態へ移行されないときとがある。チャンスモード[A]~[C]では、対応役が停止表示されることに応じて、確定情報F22mが提示されるときがある。確定情報F22mを提示することは、特定演出結果を導出することの一例である。特定演出結果が導出されるときに、第1状態及び第2状態よりも有利な有利状態へ移行されうる。
【0122】
最終演出は、表示演出装置15に導入情報F22h、確定情報F22m、及び終了情報F22nのうち任意の一部又は全部に代えて、又は加えて、他の情報を表示することを含んで構成されてもよい。例えば、他の情報は、CPU81又はCPU91における計数値を示す情報であるとよい。計数値は、第1ポイントの累計値であってもよく、第2ポイントの累計値であってもよく、何れか一方又は両方のポイントの獲得履歴であってもよい。
【0123】
また、第2パートにおいて、第2ポイントが第2規定ポイントに達した場合に、第2ポイントが第2規定ポイントに達したことを認識できるように、第2ポイント情報F21dの表示態様が変化される。続けて、表示演出装置15では、結果報知演出と同様に、確定情報F22mが表示されうる。以上のように、表示演出装置15は、各種の情報を提示する提示手段の一例である。表示演出装置15を制御するCPU91は、提示手段を制御する提示制御手段の一例である。
【0124】
有利区間かつ有利状態である場合、表示演出装置15では、有利モードに対応した有利モード画面M3が表示される。有利モード画面M3は、モード情報H3として、他のモードとは異なる背景画像、及び「有利モード」の文字列を含みうる。有利モードにおいて、表示演出装置15では、ナビゲーション演出が実行されうる。
【0125】
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1-1)遊技に応じて所定の数値(第1ポイント)が計数され、計数値が規定値に達することによって、第1特殊情報(敵キャラクタA及びB)又は第2特殊情報(敵キャラクタC)が提示される。遊技者は、特殊情報の種類に応じて、その後の遊技が有利に展開される可能性の高低を認識しうる。また、特殊情報の表示には、遊技に応じて所定の数値の蓄積が必要であるから、計数値についても遊技者に注目させることで、規定値に達するまでの期間において飽きを生じさせてしまうことも抑制できる。よって、遊技者の興趣を向上できる。
【0126】
(1-2)所定の数値(第1ポイント)を計数するための特定条件は、遊技に伴う図柄の変動表示を経て、所定図柄(対応役)が停止表示されることによって成立しうる。よって、遊技において、図柄が停止表示されるごとに注目度を高め、遊技者の興趣を向上できる。
【0127】
(1-3)何れの特殊情報が表示されるかを示唆する示唆情報F11~F13が提示されるから、特殊情報の提示前から遊技者の期待感を高め、興趣を向上できる。
(1-4)図柄の変動表示を経て特定図柄(対応役)が停止表示されることに応じて、特殊演出(チャンスモードの第2パート)が実行されると、当該特殊演出では、課題が提示される。この課題が達成されれば、遊技が有利に展開される可能性が高いことを認識できる。このため、遊技者は、課題達成への意欲を高める。また、特殊演出の実行には、特定図柄の停止表示が必要である。このため、図柄の変動表示についても遊技者に注目させることで、特殊演出が実行されるまでの期間において飽きを生じさせてしまうことも抑制できる。よって、遊技者の興趣を向上できる。
【0128】
(1-5)特殊演出(チャンスモードの第2パート)には、達成難易度が異なる複数種類の課題がある。よって、特殊演出の実行に伴って提示される課題に注目させうる。このため、特殊演出による興趣の向上をさらに促進できる。
【0129】
(1-6)計数値(第1ポイント)が特定値に達することに応じて、終了演出(最終演出)が実行されうるから、第1状態(第1パート)の終了を遊技者に理解させやすくできる。よって、第2状態(第2パート)において、特定図柄(対応役)が停止表示されることに対する期待感を高めうる。
【0130】
(1-7)終了演出が実行されても、有利状態へ移行されることがある。よって、第1状態(第1パート)が終了するまで、遊技者の期待感を持続させうる。
(1-8)特定図柄(対応役)が停止表示されることに応じて特定演出結果(確定情報F22m)が導出され、当該結果の導出に応じて有利状態へ移行しうる。このため、遊技者に対し、出来るだけ長い期間にわたって第2状態に滞在し、特定図柄が停止表示されることに期待させることができる。
【0131】
(1-9)第1パートにおける特定図柄(対応役)の停止表示回数に応じて、第2パートの滞在期間が変化し、当該滞在期間が長いほど、有利状態への移行契機となりうる図柄の停止表示の発生期待度、つまり有利状態へ移行される可能性が高くなる。このため、第2パートでは、滞在期間の長さに関連して、有利状態へ移行されるか否かに注目させうる。よって、遊技者の興趣を向上できる。
【0132】
(1-10)第2パートへは複数回にわたって移行しうるから、仮に第1パートへ戻ってしまったとしても、遊技者の興趣が低下することが抑制される。
(1-11)第2パートにおいて計数された、対応役の入賞が発生した変動ゲームの回数(つまり第2ポイント)が第1回数であるとき、第2回数である場合に比して、移行期待度が高い。よって、対応役の入賞に対して期待感を抱かせうる。
【0133】
(1-12)第2ポイントが第2規定ポイントに達すると、確定情報F22mが提示され、有利状態への移行が確定するように告知される。よって、第2パートにおいて、特定役の入賞に期待感を高めることができる。
【0134】
(1-13)第2パートへの移行契機となりうる特定図柄には、停止表示される期待度が異なる複数種類がある。よって、第1パートにおける遊技の展開にもバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上できる。
【0135】
[第2実施形態]
遊技機の一例であるスロットマシンの第2実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成、及び同一制御について、同一符号を付すなどして、重複する説明を省略又は簡略化する。
【0136】
遊技進行メイン処理の情報生成処理(S116)において、主基板80のCPU81は、第1パート残回数が0になるまでの間にわたって、第1ポイントを計数する。そして、CPU81は、第1パート残回数が0になった時点において、第1ポイントが所定回数に達している場合に、第1ポイントと同じ回数の変動ゲームにわたって、第2パートに移行させる。CPU81は、第1ポイントが所定回数に達していない場合に、第2パートへ移行させない。これに限らず、CPU81は、第1ポイントが所定回数に達していない場合に、所定の抽選を行い、当該抽選に当選したときに第2パートへ移行させてもよい。
【0137】
一例として、所定回数は、2回である。例えば、CPU81は、第1パート残回数が0になるまでの間に対応役の入賞が3回にわたって発生した場合に、第1ポイント=3となるから、第2パート残回数=3として第2パートを実行するとよい。例えば、CPU81は、第1パート残回数が0になるまでの間に対応役の入賞が4回にわたって発生した場合に、第1ポイント=4となるから、第2パート残回数=4として第2パートを実行するとよい。これに限らず、所定回数は1回以上であればよい。
【0138】
このように、第1パートに滞在中、特定図柄を停止表示可能であり、第1パートにおける特定図柄の停止表示回数に応じて、第2パートの滞在期間が変化する。第2パートでは、第2パート残回数が多いほど、第2ポイントを累積し易く、結果として有利状態へ移行する権利を獲得し易くなる。よって、第2パートの滞在期間が長いほど、第2パートの終了後に有利状態へ移行される可能性が高くなる。第1パートにおける特定図柄の停止表示回数が所定回数に達していないときに、第2パートへ移行しない場合がある。一方、第1パートにおける特定図柄の停止表示回数が所定回数に達しているときに、第2パートへ移行する。別の観点によれば、第2パートに滞在可能な変動表示の回数は、第1回数であるときと、第1回数よりも多い第2回数であるときと、がある。第2回数の変動表示が行われるとき、第1回数の変動表示が行われる場合と比べて、有利状態への移行契機となりうる図柄の停止表示の発生期待度が高い。
【0139】
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(2-1)第1パートにおける特定図柄(対応役)の停止表示回数に応じて、第2パートの滞在期間が変化し、当該滞在期間が長いほど、有利状態へ移行される可能性が高くなる。このため、第1パートでは、特定図柄の停止表示回数に注目させ、第2パートでは、滞在期間の長さに関連して、有利状態へ移行されるか否かに注目させうる。よって、遊技者の興趣を向上できる。
【0140】
(2-2)特定図柄の停止表示回数が所定回数に達すれば、第2パートへ移行されるから、特定図柄の停止表示回数に対して注目させることができる。
(2-3)第1パートにおける特定図柄の停止表示回数に応じて、第2パートの滞在期間が変化し、当該滞在期間が長いほど、有利状態への移行契機となりうる図柄の停止表示の発生期待度、つまり有利状態へ移行される可能性が高くなる。このため、第2パートでは、滞在期間の長さに関連して、有利状態へ移行されるか否かに注目させうる。よって、遊技者の興趣を向上できる。
【0141】
[第3実施形態]
遊技機の一例であるスロットマシンの第3実施形態について説明する。
スロットマシン10は、第1パートであるときに特定図柄(一例として対応役)が停止表示されることに応じて第2状態へ移行できる。遊技進行メイン処理の情報生成処理(S116)において、主基板80のCPU81は、第2パートから第1パートへ移行するとき、移行前の第2パートにおいて、対応役の入賞が発生したか否かを判定する。対応役の入賞が発生していない場合に、CPU81は、RWM83に記憶されている第1パート残回数から第1パートを再び開始する。つまり、第2状態であるときに特定図柄が停止表示されず、かつ第2状態が終了して第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされない。
【0142】
一方、対応役の入賞が発生している場合に、CPU81は、RWM83に記憶されている第1パート残回数をリセットし、初期回数から第1パートを再び開始する。つまり、第2状態であるときに特定図柄がさらに停止表示され、かつ第2状態が終了して第1状態へ移行したときには、計数値がリセットされる。つまり、第1パート残回数が増加することとなる。
【0143】
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(3-1)特定図柄(対応役)が停止表示されることに応じて、第1状態(第1パート)から、特殊演出が実行されうる第2状態(第2パート)へ移行できる。そして、第2状態において、特定図柄が停止表示されると、第1状態へ戻ったときに計数値がリセットされ、第1状態に滞在できる期間が初期化される。このため、第2状態において、特定図柄が停止表示されることに対する期待感を高めることができる。よって、遊技者の興趣を向上できる。
【0144】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0145】
・第2パート残回数の初期値は、第1ポイントと異なっていてもよい。例えば、CPU81は、第1ポイントが第1規定ポイントに達した時点において、当該第1ポイントを第2パート残回数の初期値とするか、第1ポイントよりも多い回数を初期値とするかを、所定の抽選により決定してもよい。
【0146】
・第1ポイントは、特定図柄の停止表示回数(対応役の入賞回数)と一致しない構成であってもよい。例えば、第1パートにおいて、CPU81は、対応役の入賞が発生すると所定の抽選を実行し、第1ポイントへの加算値を決定してもよい。本変更例によれば、第1ポイントが第1規定ポイントに達するまでに必要な対応役の入賞回数に変化を与えることができる。第1ポイントの計数(加算)条件は、対応役の当選又は完全ハズレであってもよく、対応役とは異なる役の入賞であってもよく、予め定めた条件に適合する変動ゲームの実行であってもよい。なお、対応役と異なる役は、何れかの図柄揃いが好ましい。つまり、所定の数値として計数する対象事象は変更できる。
【0147】
・第2ポイントは、特定図柄の停止表示回数(対応役の入賞回数)と一致しない構成であってもよい。例えば、第2パートにおいて、CPU81は、対応役の入賞が発生すると所定の抽選を実行し、第2ポイントへの加算値を決定してもよい。本変更例によれば、第2ポイントが第2規定ポイントに達するまでに必要な対応役の入賞回数に変化を与えることができる。第2ポイントの計数(加算)条件は、対応役の当選又は完全ハズレであってもよく、対応役とは異なる役の入賞であってもよく、予め定めた条件に適合する変動ゲームの実行であってもよい。なお、対応役とは異なる役は、何れかの図柄揃いが好ましい。
【0148】
・スロットマシン10は、特殊演出において提示された課題が達成された場合に、遊技が有利に展開されるときと、遊技が有利に展開されないときと、があってもよい。一例として、CPU81は、第2ポイントが第2規定ポイントに達した場合に、所定の抽選を実行し、当該抽選に当選したときに、有利状態へ移行させる構成であってもよい。本変更例によれば、課題が達成されたからといって、必ずしも、遊技が有利に展開されるとは限らない。このため、遊技者は、緊張感を持って特殊演出の成り行きを楽しむことができる。
【0149】
・第2通常状態は、3種類であることに限定されず、1種類又は2種類であってもよく、4種類以上であってもよい。第1通常状態は、2種類以上であってもよい。有利状態は、2種類以上であってもよい。通常状態は、第1通常状態及び第2通常状態の一方を含まなくてもよく、さらに別の通常状態を含んでもよい。
【0150】
・有利状態は、第1通常状態からも移行可能であってもよい。この場合に、状態移行処理において、有利状態へ移行するか否かの抽選を行うとよい。
・チャンスモード[A]~[C]の各パートは、アシストタイムとして構成された第1有利状態及び第2有利状態のうち、第2有利状態における演出であってもよい。本変更例では、第1有利状態において第1ポイントを累積することによって第2有利状態へと移行し、第2有利状態において第2ポイントを累積することによって、第1有利状態における有利状態残回数を加算(上乗せ)するとよい。
【0151】
・各チャンスモード[A]~[C]は、キャラクタ同士の対決をモチーフとすることに限定されず、カーレース、ヨットレース、テニス、及びゴルフをモチーフとしてもよく、スゴロク、何らかの育成対象を育成することをモチーフとしてもよい。表示演出装置15によって提示される情報は、キャラクタであることに限定されず、文字(文字列)、背景、希望、及び数字などであってもよい。また、提示手段は、表示演出装置15に限定されず、表示演出装置15に加えて、又は代えて、別の表示装置であってもよい。
【0152】
・第2通常状態[A]~[C]において、第1パートにおける対応役と、第2パートにおける対応役とは、互いに異なる役であってもよい。つまり、第1ポイントの計数条件と、第2ポイントの計数条件とは、同じ条件であってもよく、異なる条件であってもよい。
【0153】
・スロットマシン10は、ボーナス役を備えてもよい。CPU81は、ボーナス役の入賞が発生した場合に、ボーナス状態を生起させるとよい。ボーナス状態は、有利区間に含むとよい。CPU81は、ボーナス役(ボーナス役情報)に当選したが、ボーナス役の入賞が発生していない状態を、1つの遊技状態として制御するとよい。
【0154】
・各種の演出は、フリーズ状態における演出として実行してもよい。一例として、有利状態へ移行することの報知は、フリーズ状態において、リール16a~16cを動作させ、セブン図柄揃いを有効ラインNLに停止させることであってもよい。
【0155】
・主基板80は、設定値の変更を行うための設定操作部を備えてもよい。設定値は、スロットマシン10における出玉率(機械割)を規定する情報である。出玉率は、遊技メダルの総投入枚数(総掛数)に対する賞としての遊技メダルの付与枚数(払出枚数)の割合である。一例として、出玉率は、内部抽選における特定役(小役及びボーナス役など)の当選確率を異ならせることによって調整できる。一例として、出玉率の調整は、内部抽選における有利状態(アシストタイム)の当選確率を異ならせることによって調整できる。
【0156】
・スロットマシン10は、複数の有効ラインNLを備えてもよい。
・スロットマシン10は、遊技者に不利益を生じさせるペナルティを付与できるように構成されてもよい。ペナルティは、1回の変動ゲームを対象としても付与されてもよいし、複数回の変動ゲームを対象として付与されてもよい。
【0157】
・スロットマシン10は、遊技媒体として遊技メダルを使用する構成に限定されず、遊技球を使用する構成であってもよい。スロットマシン10は、電子化された遊技メダルを使用する管理遊技機(メダルレス遊技機)として構成されてもよい。
【0158】
・副基板90の機能を複数の基板に分割してもよい。例えば、表示演出装置15を専門に制御する表示基板、音声演出装置14を専門に制御する音声基板、及び発光演出装置13を専門に制御するランプ基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。
【0159】
・遊技機は、スロットマシン10であることに限定されず、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機として具体化されてもよい。パチンコ遊技機は、遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤を支持する枠体と、を備える。枠体は、遊技者が操作可能な手段として発射ハンドルを備える。遊技球は、発射ハンドルを操作することによって発射される。発射ハンドルの操作態様には、遊技球が遊技領域の左側部分を流下しうる操作態様(いわゆる左打ち)と、遊技領域の右側領域を流下しうる操作態様(いわゆる右打ち)と、がある。遊技領域には、第1始動口(いわゆるヘソ)と、第2始動口(いわゆる電チュー)とが形成される。遊技球が何れかの始動口へ入球すると、内部抽選(いわゆる大当り抽選)が行われ、その結果に基づいて、所定の表示装置では、図柄変動が行われうる。1回の図柄変動では、その変動時間が長いほど、大入賞口(いわゆるアタッカ)の開放を伴う大当り状態へ移行される期待度が高くてもよく、図柄の停止と再変動の繰返し回数が増加するほど、当該期待度が高くてもよい。大当り状態へ移行される期待度を認識可能とする演出には、リーチ演出があり、上記繰返し回数が所定回数を超えると、所定回数未満の場合には出現しない特定のリーチ演出を表示できるように構成されてもよい。リーチ演出は、リーチを形成し、リーチを形成する図柄と同じ図柄が最終列にて停止表示されることを目標とする演出としてみることもできる。図柄変動(リーチ)を経て、大当りの図柄が停止表示されると、大当り状態が生起されうる。
【0160】
パチンコ遊技機は、大当り確率を変動させる確率変動機能と、第2始動口への入球を補助する入球補助機能と、を備える。パチンコ遊技機は、確率変動機能及び入球補助機能のうち、何れも作動しない通常状態、何れも作動する確変状態、入球補助機能だけが作動する時短状態と、を備えるとよい。左打ちは、通常状態において推奨され、右打ちは、確変状態、時短状態、及び大当り状態において推奨される。確変状態及び時短状態は、次回の大当り状態が付与されるまでの期間にわたって付与されてもよく、図柄変動の実行回数が作動回数に達するまでを上限として付与されてもよい。パチンコ遊技機の内部的な状態は、通常状態、大当り状態、作動回数の有利状態、及び通常状態の順に遷移しうる。例えば、時短状態において大当り状態に遷移した場合には、再び時短状態に遷移し、このときの作動回数はデフォルト回数に再セットされうる。パチンコ遊技機は、確変状態を規定回数にわたって付与可能に構成されてもよい。時短状態は、第2始動口への入球率が異なる複数の状態を含んでもよい。演出装置群ESは、図柄変動に伴って各種の演出を実行する。各種の演出には、演出図柄を変動させること、大当りの示唆又は報知が含まれうる。大当りの示唆演出には、複数種類あり、最終的に大当りとなる期待度が異なる。なお、上述したリーチにも、大当りとなる期待度があり、その種類によって異なる目標として把握でき、大当りとなる難易度が異なることも認識できる。パチンコ遊技機は、内部状態に応じて各種の演出モードが設定されうる。時短状態といった遊技状態が移行する場合に、移行前の遊技状態が終了することを認識可能とするように終了演出を実行してもよい。終了演出では、内部状態の移行を報知する情報を表示したり、移行前の遊技状態において獲得した利益の総量(一例として獲得遊技球数)を報知したりするとよい。勿論、終了演出を伴う図柄変動において、内部抽選でハズレであればハズレ図柄が表示されて不利な内部状態へ移行するが、仮に当りに当選しておれば、そのまま当りの図柄が表示されて大当り状態へと移行しうる。
【0161】
パチンコ遊技機は、内部抽選において当選できる当りとして、複数の図柄組合せを備えてもよい。CPU81は、当りの種類に応じて大当り状態において払い出しうる遊技媒体の数、及び大当り状態の終了後における遊技状態を制御しうる。例えば、特定図柄であれば、10ラウンド大当り状態と、確変状態を付与する。例えば、非特定図柄であれば、5ラウンド大当り状態と、時短状態を付与する。大当り状態におけるラウンド数、及び大当り状態の終了後における内部状態は、適宜変更できる。特定図柄は、ラウンド数、及び内部状態の一方又は両方を異ならせた複数種類があってもよい。非特定図柄は、ラウンド数、及び内部状態の一方又は両方を異ならせた複数種類があってもよい。この場合に、特定図柄及び非特定図柄のうち少なくとも一方において、他の図柄よりも出現率が低い図柄が含まれているとよい。上記に限らず、パチンコ遊技機の仕様は、変更してもよい。パチンコ遊技機は、転落抽選に当選したことを契機に確変状態を終了する仕様であってもよい。パチンコ遊技機は、大入賞口に入球した遊技球が特定領域(いわゆるVゾーン)を通過したことを契機に確変状態を付与する仕様であってもよい。パチンコ遊技機は、小当り状態中に大入賞口へ遊技球が入球し、その遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り状態を付与する仕様であってもよい。
【0162】
パチンコ遊技機は、機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機であってもよい。本変更例において、パチンコ遊技機は、賞として現実の遊技球を払い出すことに限定されず、電子的に記憶された遊技球数を増加させる構成であってもよい。
【0163】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(付記1-1)遊技に応じて所定の数値を計数する計数手段と、各種の情報を提示する提示手段と、前記提示手段を制御する提示制御手段と、を備え、前記計数手段による計数値が規定値に達したことに基づいて、前記提示手段では、特殊情報を提示でき、当該特殊情報には、第1特殊情報と第2特殊情報とがあり、前記第2特殊情報が提示される状況では、前記第1特殊情報が提示される状況に比べて、遊技が有利に展開される可能性が高いことを認識できることを特徴とする遊技機。
【0164】
(付記1-2)前記計数手段は、前記所定の数値として、特定条件の成立回数を示す数値を計数し、前記特定条件は、遊技に伴う図柄の変動表示を経て、所定図柄が停止表示されることによって成立しうる付記1-1に記載の遊技機。
【0165】
(付記1-3)前記提示手段では、前記第1特殊情報又は前記第2特殊情報の提示前に、何れの特殊情報が提示されるかを示唆する示唆情報を提示できる付記1-1又は付記1-2に記載の遊技機。
【0166】
(付記2-1)図柄の変動表示が可能な図柄表示手段と、演出を実行できる演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記図柄の変動表示を経て特定図柄が停止表示されることに応じて、前記演出実行手段では、特殊演出が実行されうるようになっており、前記特殊演出は、少なくとも1つの課題を遊技者に提示し、当該課題が達成されることによって、遊技が有利に展開される可能性が高いことを認識できる演出であることを特徴とする遊技機。
【0167】
(付記2-2)前記特殊演出において提示されうる課題は、達成難易度が異なる複数種類の課題を含む付記2-1に記載の遊技機。
(付記2-3)前記特殊演出において提示された課題が達成された場合に、遊技が有利に展開されるときと、遊技が有利に展開されないときと、がある付記2-1又は付記2-2に記載の遊技機。
【0168】
(付記3-1)開始契機に基づいて図柄の変動表示を行い、前記図柄の変動表示を経て停止表示される図柄に応じて特典を付与できる遊技機において、状態を制御する状態制御手段と、演出を実行できる演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記状態には、第1状態と、第2状態と、があり、前記第1状態は、遊技に応じた計数値が特定値に達することによって終了する状態であり、前記第2状態は、前記演出実行手段によって特殊演出が実行されうる状態であり、前記第1状態であるときに特定図柄が停止表示されることに応じて前記第2状態へ移行でき、前記第2状態であるときに前記特定図柄がさらに停止表示され、かつ前記第2状態が終了して前記第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされる一方、前記第2状態であるときに前記特定図柄が停止表示されず、かつ前記第2状態が終了して前記第1状態へ移行したときには、前記計数値がリセットされないことを特徴とする遊技機。
【0169】
(付記3-2)前記演出実行手段では、前記計数値が前記特定値に達し、前記第1状態が終了することに応じて終了演出が実行される付記3-1に記載の遊技機。
(付記3-3)前記終了演出が実行された場合に、前記第1状態及び前記第2状態よりも有利な有利状態へ移行されるときと、前記有利状態へ移行されないときとがある付記3-1又は付記3-2に記載の遊技機。
【0170】
(付記3-4)前記特殊演出では、前記特定図柄が停止表示されることに応じて、特定演出結果が導出されるときがあり、前記特定演出結果が導出されるときに、前記第1状態及び前記第2状態よりも有利な有利状態へ移行されうる付記3-1~付記3-3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0171】
(付記4-1)開始契機に基づいて図柄の変動表示を行い、前記図柄の変動表示を経て停止表示される図柄に応じて特典を付与できる遊技機において、演出を実行できる演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出実行手段は、特別演出を実行可能であり、前記特別演出は、第1パートと、第2パートと、を含んで構成され、前記第1パートに滞在中、特定図柄を停止表示可能であり、前記第1パートにおける前記特定図柄の停止表示回数に応じて、前記第2パートの滞在期間が変化し、前記第2パートの滞在期間が長いほど、前記第2パートの終了後に有利状態へ移行される可能性が高いことを特徴とする遊技機。
【0172】
(付記4-2)前記第1パートにおける前記特定図柄の停止表示回数が所定回数に達していないときに、前記第2パートへ移行しない場合がある一方、前記第1パートにおける前記特定図柄の停止表示回数が前記所定回数に達しているときに、前記第2パートへ移行する付記4-1に記載の遊技機。
【0173】
(付記4-3)前記第2パートでは、少なくとも1つの課題が遊技者に提示され、当該課題が達成されることによって、遊技が有利に展開される可能性が高いことを認識できる付記4-1又は付記4-2に記載の遊技機。
【0174】
(付記5-1)開始契機に基づいて図柄の変動表示を行い、前記図柄の変動表示を経て停止表示される図柄に応じて特典を付与できる遊技機において、演出を実行できる演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記演出実行手段は、特別演出を実行可能であり、前記特別演出は、第1パートと、第2パートと、を含んで構成され、前記第1パートに滞在中、特定図柄を停止表示可能であり、前記第1パートにおける前記特定図柄の停止表示に応じて、前記第2パートへ移行し、前記第2パートに滞在可能な変動表示の回数は、第1回数であるときと、前記第1回数よりも多い第2回数であるときと、があり、前記第2回数の変動表示が行われるとき、前記第1回数の変動表示が行われる場合と比べて、有利状態への移行契機となりうる図柄の停止表示の発生期待度が高いことを特徴とする遊技機。
【0175】
(付記5-2)前記第1パート及び前記第2パートは、規定回数の図柄の変動表示にわたって滞在可能であって、前記規定回数の図柄の変動表示が行われる間に、前記第2パートへ複数回にわたって移行しうる付記5-1に記載の遊技機。
【0176】
(付記5-3)前記特定図柄には、第1特定図柄と、第2特定図柄とがあり、前記第1特定図柄と前記第2特定図柄とは、前記図柄の変動表示を経て停止表示される期待度が異なる付記5-1又は付記5-2に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0177】
10…スロットマシン 15…表示演出装置 80…主基板 81…CPU 90…副基板 91…CPU ES…演出装置群 F11~F13…示唆情報 H2a~H2c…モード情報
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