(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074087
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 326Z
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185152
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正範
(72)【発明者】
【氏名】奥薗 孝太
(72)【発明者】
【氏名】堀池 勇太
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC23
2C333AA11
2C333CA71
2C333DA01
(57)【要約】
【課題】節電モードの利便性を高めること。
【解決手段】パチンコ遊技機は通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備える。節電モードは、パチンコ遊技機が待機中であって、待機デモ演出が開始されることを契機に移行する。節電モード中は、パチンコ遊技機が備える装飾ランプなどの発光手段の出力を通常モードの出力に比して抑えるように制御される。節電モード中の画像表示部には、節電モード中であることを報知する節電モード画像が表示される(期間t4~)。節電モード中には、節電モード中であることの報知が行われない特定期間(期間t2~t4)がある。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えた遊技機において、
前記節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段と、
前記節電モードが設定されているときに成立可能なモード移行条件が成立すると、消費電力を通常とする通常モードから前記節電モードへ移行させるモード移行手段と、
前記節電モード中、前記遊技機が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を前記通常モードの出力に比して抑えるように前記発光手段を制御する制御手段と、を備え、
前記節電モード中は前記遊技機が備える所定の報知手段によって前記節電モードであることの報知が行われ、
前記節電モード中には、前記節電モードであることの報知が行われない特定期間がある遊技機。
【請求項2】
前記特定期間は、前記所定の報知手段においてのめり込みに関する注意喚起が行われている期間である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技機への電力供給が遮断されたときにバックアップ情報を記憶可能とした記憶手段と、
前記遊技機への電力供給を行うときに前記記憶手段の初期化を指示する初期化手段と、をさらに備え、
前記初期化手段による初期化を指示して前記遊技機への電力供給を行っても前記節電モードの設定状態は維持可能であり、
前記節電モード中に前記遊技機への電力供給が遮断され、その後に復電した直後には前記節電モードへは復帰しないが、復電後も前記節電モードの設定状態は維持可能である請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、当該パチンコ遊技機の消費電力を低減する目的で、節電モードを搭載したものがある(例えば、特許文献1参照)。節電モードを搭載することにより、例えば客待ち状態など遊技が行われていないときには、パチンコ遊技機の消費電力を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の電力需給状況を鑑みると、パチンコ遊技機などの遊技機にも節電モードを搭載することへの必要性が高められていることから、その機能を搭載するにあたっては機能自体の利便性を高める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えた遊技機において、前記節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段と、前記節電モードが設定されているときに成立可能なモード移行条件が成立すると、消費電力を通常とする通常モードから前記節電モードへ移行させるモード移行手段と、前記節電モード中、前記遊技機が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を前記通常モードの出力に比して抑えるように前記発光手段を制御する制御手段と、を備え、前記節電モード中は前記遊技機が備える所定の報知手段によって前記節電モードであることの報知が行われ、前記節電モード中には、前記節電モードであることの報知が行われない特定期間があることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、節電モードの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図である。
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】変動ゲーム又は大当り遊技から待機中へ移行する流れを示すタイミングチャートである。
【
図5】(a)~(e)は、画像表示部に表示される待機中の画像を示す図である。
【
図6】(a)~(f)は節電モードを設定する画面と設定の手順を示す図である。
【
図7】電源投入から待機中へ移行する流れを示すタイミングチャートである。
【
図8】コンプリート機能が作動したときの画像表示部の表示内容を示す図である。
【
図9】(a)は特定球数が特定数に達したときの画像表示部の表示内容を示す図であり、(b)はコンプリート機能の作動が待機されるときの画像表示部の表示内容を示す図である。
【
図10】第1特定球数計数処理のフローチャートである。
【
図11】第2特定球数計数処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の実施形態を、
図1~
図11にしたがって説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0009】
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技場の島設備に固定するための設置枠と、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠と、を含んで構成される。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠の前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できるように構成される。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留するための貯留皿CZを備える。貯留皿CZは、搭載枠の表面側(前面側)に設けられる。貯留皿CZには、パチンコ遊技機10の機内部から遊技球が払い出される払出口CZaが開口している。貯留皿CZに貯留された遊技球は、図示しない球通路によって、機内部へと供給された後、発射ハンドルHDの操作によって発射される。
【0010】
パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、演出ボタンD1、及び十字キーD2を備える。一例として、演出ボタンD1は、押下操作を可能に構成されたボタン式の操作手段である。演出ボタンD1は、押下操作によりオン(ON)になり、押下操作をしないとオフ(OFF)になる。演出ボタンD1は、当該演出ボタンD1の押下操作(オン)を検知して所定の信号(以下、操作信号という)を出力する操作センサ(不図示)を備える。本実施形態の演出ボタンD1は、第1位置と第2位置との間で出没動作が可能に構成されている。第2位置は、第1位置に比して演出ボタンD1の押圧部が貯留皿CZの表面から突出している位置である。このため、演出ボタンD1が第2位置に可動しているときの演出は、演出ボタンD1を押し込むように操作させることになる。このような可動式の演出ボタンD1は、大当り期待度が高いときに第2位置へ可動して遊技者に演出ボタンD1を押し込み操作させる演出を実行させる際に使われる。また、このような可動式の演出ボタンD1は、所定の動作を行う可動体に含まれる。十字キーD2は、左キー、右キー、上キー、及び下キーのように、操作可能な複数の部分を含んで構成される。一例として、十字キーD2を構成する左キー、右キー、上キー、及び下キーは、ボタン式の操作手段である。十字キーD2を構成する各キーは、それぞれ押下操作によりオン(ON)になり、押下操作をしないとオフ(OFF)になる。十字キーD2を構成する各キーは、それぞれ操作センサ(不図示)を備える。
【0011】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を行う発光手段の一例である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を行う音声手段の一例である。例えば、スピーカSPは、一例として、枠体11に設けられる。
【0012】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a、及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別図柄変動ゲームには、第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、がある。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0013】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c、及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0014】
パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する。
【0015】
パチンコ遊技機10に備えられた遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0016】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHの表示領域が遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を行う表示手段の一例である。以下の説明では、演出表示装置EHに関して、所定の情報(絵柄)として、文字、数字、記号、アイコン、キャラクタ、及び風景等を「表示する」と示す場合、これら情報を画像として表示することを意味する。
【0017】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0018】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。このように、パチンコ遊技機10には、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、がある。以下の説明では、特別ゲームと、演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0019】
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、左図柄列、及び右図柄列が特定の図柄列に相当し、中図柄列が他の図柄列に相当する。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、当該ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出と、が含まれる。
【0020】
パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15を備える。第1特別始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(
図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0021】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2特別始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(
図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(
図3参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0022】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(
図3参照)。特別可変部材19は、特別図柄の当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(
図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE4を備える(
図3参照)。パチンコ遊技機10は、遊技球が普通始動センサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。一例として、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
【0025】
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域R1、及びセンター枠Wの右側領域R2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域R1における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26、及び第1特別始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、左側領域R1を流下するように遊技球が発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1特別始動入賞口15、及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域R2における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、大入賞口18、及び第2特別始動入賞口16が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、右側領域R2を流下するように遊技球が発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。
【0026】
パチンコ遊技機10は、演出可動体EYを備える。一例として、演出可動体EYは、満月を模した形状である。これに限らず、演出可動体EYは、文字やキャラクタを模した形状であってもよい。演出可動体EYは、遊技盤YBに設けられている。これに限らず、演出可動体EYは、枠体11に設けられていてもよい。演出可動体EYは、演出表示装置EHよりも前に設けられている。演出可動体EYは、当該演出可動体EYを変位させる手段の一例として、ステッピングモータ(不図示)を備える。一例として、演出可動体EYは、図中に実線で示す原位置GIと、二点鎖線で示す演出位置EIと、の間で変位可能に構成されている。演出位置EIは、原位置GIに比して、正面視における演出表示装置EHの中央寄りに突出する位置である。また、演出位置EIは、遊技者から見たときに、原位置GIに比して、演出可動体EYが画像表示部GHの表示領域と重なる面積が広い位置である。このため、演出可動体EYが演出位置EIに位置しているとき、演出可動体EYが原位置GIに位置しているときに比して、画像表示部GHの表示領域が視認し難くなる。
【0027】
本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び演出可動体EYは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群DEを構成する。演出実行手段は、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び演出可動体EYの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0028】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動、及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0029】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0030】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0031】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0032】
次に、時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0033】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能、及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0034】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0035】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0036】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口18に入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
【0037】
パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。
バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が遮断した場合でも遊技に関する情報(以下、遊技情報という)を含む所定の情報を記憶し、電力供給が開始されたときには前記各種の情報に基づいて復帰可能とする機能である。詳しくは後述するが、バックアップの対象となる遊技情報には、大当り遊技に関する情報や遊技状態に関する情報が含まれる。
【0038】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40と、副制御基板50と、電源ユニット60と、を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主制御基板40は、各種の制御を行うとともに、各種の制御情報(制御コマンド)を出力する。本実施形態において、主制御基板40は、主制御手段に相当する。副制御基板50は、主制御基板40が出力する各種の制御情報(制御コマンド)に基づいて、演出に関する各種の処理を実行することによって演出実行手段の一例である演出装置群DEの制御を行う。本実施形態において、副制御基板50は、副制御手段に相当する。
【0039】
最初に、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41と、クリアスイッチ46と、を備える。マイクロプロセッサ41、及びクリアスイッチ46は、同一基板に実装されている。
【0040】
マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)と、が含まれる。
【0041】
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンには、演出ゲームにてリーチ演出を行う「リーチあり」の変動パターンと、演出ゲームにてリーチ演出を行わない「リーチなし」の変動パターンと、が含まれる。
【0042】
主制御RWM44は、所定の情報を記憶可能である。主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0043】
クリアスイッチ46は、押込み操作によってオン(ON)になり、押込み操作をしないとオフ(OFF)になる。主制御CPU42は、クリアスイッチ46と接続されている。主制御CPU42は、クリアスイッチ46がオンに操作されているときに出力する操作信号を入力可能である。詳しくは後述するが、主制御CPU42は、クリアスイッチ46が押込み操作されたときに出力する操作信号を入力することに基づいて、主制御RWM44に記憶されている情報のうち少なくとも一部を初期化することが可能である。換言すれば、主制御CPU42は、クリアスイッチ46が押込み操作によってオンとなっていることに基づいて、主制御RWM44に記憶されている情報のうち少なくとも一部を初期化することが可能である。つまり、初期化手段としてのクリアスイッチ46は記憶部を初期化する操作が可能な手段である。
【0044】
主制御基板40は、センサSE1~SE4と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能である。また、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26へ入球した遊技球とアウト口27を通過した遊技球とが合流する球通路に、アウトセンサSE5を備える。アウトセンサSE5は、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球のうち遊技領域YBaへ到達した遊技球を検知する。つまり、アウトセンサSE5は、遊技に使用された使用済みの遊技球を検知する。主制御CPU42は、アウトセンサSE5が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能である。主制御基板40は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能である。主制御基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19の動作を制御可能である。
【0045】
副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0046】
副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0047】
副制御基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能である。副制御基板50は、装飾ランプLA、演出ボタンD1に内蔵された発光部(LED)DLと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLA、及び発光部DLの発光態様を制御可能である。副制御基板50は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能である。副制御基板50は、演出可動体EYを動作させることが可能なステッピングモータ(不図示)と接続されている。副制御CPU51は、ステッピングモータを制御可能である。これにより、副制御基板50は、演出可動体EYの動作を制御可能である。副制御基板50は、演出ボタンD1、及び十字キーD2と接続されている。副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作されたときに操作センサ(不図示)が出力する操作信号(オン信号)を入力可能である。副制御CPU51は、十字キーD2を構成する左キー、右キー、上キー、及び下キーが操作されたときに操作センサ(不図示)が各別に出力する操作信号(オン信号)を入力可能である。
【0048】
電源ユニット60について詳しく説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧に変換するとともに、その変換後の電源電圧を主制御基板40、及び副制御基板50へ供給すべき電源電圧に変換する。電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。電源スイッチ60aは、オン、及びオフの何れかに切り替える操作を可能であって、切替え後の操作状態を維持する。本実施形態において、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオンに操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフからオンに操作する。
【0049】
電源ユニット60は、バックアップ電源(不図示)を備える。バックアップ電源は、電源断がされた後にも、主制御基板40及び副制御基板50に対して電力を供給する。主制御RWM44及び副制御RWM53は、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電源断時における主制御RWM44及び副制御RWM53の記憶内容を電源断の後にも保持可能である。主制御RWM44はバックアップ情報を記憶可能とした主記憶手段になり、副制御RWM53はバックアップ情報を記憶可能とした副記憶手段になる。このように、パチンコ遊技機10では、電源ユニット60(バックアップ電源)によって、前述したバックアップ機能が実現されている。例えば、主制御RWM44及び副制御RWM53は、電力供給が停止されている状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0050】
ここで、バックアップの対象となる遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、及び遊技状態に関する情報を含む。例えば、特別ゲームに関する情報は、特別抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで停止表示される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報は、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報は、高確率状態、高入球率状態や長変動時間状態であるか否かを特定可能な情報などである。
【0051】
次に、主制御基板40の主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU42は、所定の周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、状態移行処理、及び賞球払出処理を実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに格納された制御情報(コマンド)は、タイマ割り込み処理として実行される情報出力処理によって副制御基板50へ出力される。
【0052】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0053】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0054】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第1特別始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0055】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
【0056】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0057】
主制御CPU42は、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零である場合、主制御RWM44に記憶される出力済情報に基づいて、待機コマンドを出力バッファに格納するか否かを決定する。出力済情報は、待機コマンドが出力済であるか否かを特定可能な情報である。主制御CPU42は、主制御RWM44の出力済情報から、待機コマンドが出力済であることを特定した場合、待機コマンドを出力バッファに格納することなく特別図柄開始処理を終了する。一方、主制御CPU42は、主制御RWM44の出力済情報から、待機コマンドが出力済でないことを特定した場合、待機コマンドを出力バッファに格納する。そして、主制御CPU42は、主制御RWM44の出力済情報を、待機コマンドが出力済であることを特定可能となるように更新する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。主制御CPU42は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0059】
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0060】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0061】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0062】
主制御CPU42は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを出力バッファに格納する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄、又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0063】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム、又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0064】
一方、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを出力バッファに格納する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御CPU42が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に特別抽選を行うように構成されている。
【0065】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。本実施形態の主制御CPU42は、タイマ割り込み処理としての大当り遊技処理を実行することにより、以下の制御を行う。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0066】
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。当該処理において主制御CPU42は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに格納する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0067】
次に、確率状態、入球率状態、及び変動時間状態を移行させる状態移行処理について説明する。本実施形態の主制御CPU42は、タイマ割り込み処理としての状態移行処理を実行することによって、以下のような制御を行うこととなる。
【0068】
主制御CPU42は、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU42は、低確率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0069】
主制御CPU42は、大当り遊技が終了すると、主制御RWM44に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高入球率状態に制御する。主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM44に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM44に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU42は、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0070】
賞球払出処理について説明する。
賞球払出処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入球した場合、主制御CPU42は、第1特別始動入賞口15に定められた第1賞球数(例えば、3球)の賞球を付与する。
【0071】
主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球した場合、主制御CPU42は、第2特別始動入賞口16に定められた第2賞球数(例えば、1球)の賞球を付与する。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が大入賞口18へ入球したか否かを判定する。遊技球が大入賞口18へ入球した場合、主制御CPU42は、大入賞口18に定められた第3賞球数(例えば、15球)の賞球を付与する。
【0072】
主制御CPU42は、賞球の払い出しを決定したとき、主制御RWM44に記憶される未払出球数に、払い出しを決定した賞球数を加算する。未払出球数は、賞球の払い出しを決定したものの、未だ払い出されていない賞球数を特定可能な情報である。未払出球数に賞球数を加算したとき、主制御CPU42は、1球の賞球を払い出すための制御(以下、払出制御と示す)中でなければ、払出制御を行う。主制御CPU42は、1回の払出制御が終了するとき、主制御RWM44に記憶される未払出球数を1減算して更新する。その後、主制御CPU42は、未払出球数が零になるまで払出制御を繰り返す。払出制御において主制御CPU42は、1球の遊技球を払出口CZaから払い出させるように不図示の払出モータを制御することを繰り返すことによって、未払出球数に相当する数の遊技球を払出口CZaから払い出させる。
【0073】
次に、電源断処理、及び電源投入処理について説明する。
最初に、主制御CPU42による電源断処理について説明する。
主制御CPU42は、電源電圧が規定電圧よりも低下したときに電源ユニット60が出力する電断信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を主制御RWM44に記憶させる。また、主制御CPU42は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を主制御RWM44に記憶させる。その後、主制御CPU42は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに主制御RWM44に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0074】
次に、主制御CPU42による電源投入処理について説明する。
主制御CPU42は、電源投入に伴って、主制御基板40への供給電圧が主制御CPU42の動作に必要な電圧に達すると、タイマ割り込みを禁止し、タイマ割り込み処理を実行しないようにする。そして、主制御CPU42は、タイマ割り込みを禁止した後、電源投入処理を実行する。
【0075】
電源投入処理において主制御CPU42は、バックアップされている遊技情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、主制御CPU42は、電源投入がされたときに、主制御RWM44に記憶されている情報が正常であるか否かを判定する。主制御CPU42は、電源断処理にて主制御RWM44に記憶させたバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。主制御CPU42は、バックアップフラグが記憶されており、且つ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップフラグが記憶されていない状況、及びチェックサム値が一致しない状況は、バックアップされている遊技情報の一部、又は全部に異常が発生している可能性が高い。
【0076】
バックアップされた遊技情報が正常ではない場合、主制御CPU42は、遊技情報を初期化する。そして、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、遊技情報を初期化することを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を出力バッファに格納する。このように、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている所定の情報の一部である遊技情報を初期化することが可能である。これに限らず、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている所定の情報の全部を初期化することが可能であってもよい。以上のように、パチンコ遊技機10では、クリアスイッチ46の操作を伴う電源投入によって、主制御RWM44の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される。本実施形態における初期化コマンドは、初期化情報に相当する。そして、主制御基板40は、主制御RWM44の記憶内容のうち少なくとも一部が初期化される状況において、制御情報のうち初期化コマンドを出力することが可能である。
【0077】
バックアップされた遊技情報が正常である場合、主制御CPU42は、クリアスイッチ46がオンであるか否かを判定する。クリアスイッチ46がオンである場合、主制御CPU42は、遊技情報を初期化する。そして、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、初期化コマンドを出力バッファに格納する。一方、クリアスイッチ46がオンではない場合、主制御CPU42は、電源投入処理を終了し、バックアップされた遊技情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を出力バッファに格納する。本実施形態における復電コマンドは、復電情報に相当する。本実施形態では、電源投入処理によって実行される制御は、所定の制御に相当する。即ち、主制御基板40は、電源が投入されると所定の制御を行い、当該所定の制御が終了すると復電コマンドを出力することが可能である。そして、主制御CPU42は、電源投入処理を終了すると、タイマ割り込みを許可し、タイマ割り込み処理を実行できるようにする。これにより、主制御CPU42は、所定の周期毎に行うタイマ割り込み処理として、上述した特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、状態移行処理、及び情報出力処理を実行する。つまり、主制御CPU42は、これらの処理結果に応じて各種の制御コマンド(例えば、変動開始コマンドなど)を出力バッファに格納する。
【0078】
次に、副制御基板50の副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群DEを制御する。副制御CPU51は、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。
【0079】
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中に、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0080】
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0081】
副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように演出表示装置EHを制御して演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに基づいて演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、演出ゲームの実行中、各種の演出を実行するように、演出装置群DEを制御可能である。そして、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0082】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10が備えるカスタマイズ機能について説明する。
カスタマイズは、演出ボタンD1又は十字キーD2を、これらの操作が有効となる期間中に操作することによって行うことができる。一例として、カスタマイズできる期間は、変動ゲームの実行中、大当り遊技中、及びパチンコ遊技機10の待機中である。副制御CPU51は、演出ボタンD1による演出の変更操作を検知すると、当該変更操作に対応して演出を設定する。カスタマイズ可能な演出の項目は、演出表示装置EHに表示される。
【0083】
副制御CPU51は、十字キーD2の左キーと右キーによる音量の変更操作を検知すると、当該変更操作に対応する音量となるように制御する。具体的に言えば、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10の音量を小さくするように左キーによる変更操作が行われると、音量が小さくなるように制御する。1回の左キーの操作は、音量の段階を1段階小さくする変更操作に対応する。また、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10の音量を大きくするように右キーによる変更操作が行われると、音量が1段階大きくなるように制御する。1回の右キーの操作は、音量の段階を1段階大きくする変更操作に対応する。音量の段階は、演出表示装置EHに表示される。
【0084】
副制御CPU51は、十字キーD2の上キーと下キーによる光量の変更操作を検知すると、当該変更操作に対応する光量となるように制御する。具体的に言えば、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10の光量を弱くするように下キーによる変更操作が行われると、光量が弱くなるように制御する。1回の下キーの操作は、光量の段階を1段階弱くする変更操作に対応する。また、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10の光量を強くするように上キーによる変更操作が行われると、光量が強くなるように制御する。1回の上キーの操作は、光量の段階を1段階強くする変更操作に対応する。光量の段階は、演出表示装置EHに表示される。
【0085】
次に、
図4及び
図5にしたがって待機中の処理について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、特別図柄開始処理において特別ゲームの実行条件が成立しているが、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零である場合には待機移行条件が成立して待機中となる。特別ゲームの実行条件は、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に成立する。パチンコ遊技機10の待機中には、客寄せ効果を得るためのデモンストレーション演出が実行される。なお、パチンコ遊技機10の待機中は、第1特別保留数又は第2特別保留数の何れかが発生すること、つまり特別ゲームが実行される状況になることを解除条件として解除される。
【0086】
待機中は、大別すると、期間t0~t1の移行待ち状態と、期間t1~t2の待機デモ演出の実行状態と、期間t2~t3のデモムービー演出の実行状態と、期間t3~t4の注意喚起の実行状態と、からなる。副制御CPU51は、主制御CPU42が出力した待機コマンドを入力すると、待機中の制御状態を移行待ち状態へ移行させる。移行待ち状態の画像表示部GHでは、演出図柄の組み合わせが所定の停止態様で表示されている。一例として、特別ゲームの終了後に移行待ち状態へ移行した場合、画像表示部GHには、直前の特別ゲームに対応する演出ゲームで導出された図柄組合せ(はずれの図柄組合せ)が表示されている。一例として、大当り遊技の終了後に移行待ち状態へ移行した場合、画像表示部GHには、大当り遊技へ移行する直前の特別ゲームに対応する演出ゲームで導出された図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ)が表示されている。これらの図柄組合せは、所定の停止態様の一例として、揺れ状態で停止して表示されている。また、移行待ち状態では、特別ゲーム又は大当り遊技で出力されていたBGM(背景音楽)が継続して再生されている。
【0087】
移行待ち状態の期間t0~t1は固定の時間としてもよいし、変動する時間としてもよい。一例として、固定の時間は、30sである。副制御CPU51は、移行待ち状態となってからの経過時間が固定の時間として定められた時間に達すると、待機中の制御状態を待機デモ演出の実行状態とする。一例として、変動の時間は、固定の時間に対して所定の条件が成立すると、その時間を延長するように定められている。一例として、アウトセンサSE5が遊技球を検知する毎に延長させてもよい。アウトセンサSE5が遊技球を検知する状況は、遊技者が発射ハンドルHDを操作して遊技球を発射させている状況、つまり遊技を行っている状況に相当する。
【0088】
副制御CPU51は、解除条件が成立しないまま、期間t0~t1の間、待機すると、待機中の制御状態を移行待ち状態から待機デモ演出の実行状態とする。待機デモ演出は、次の移行段階であるデモムービー演出の実行状態への前段階としての位置付けである。待機デモ演出の実行状態では、移行待ち状態であるときに再生されていたBGMが停止して無音の状態となる。待機デモ演出の実行状態の期間t1~t2は固定の時間である。一例として、固定の時間は、30sである。
【0089】
副制御CPU51は、解除条件が成立しないまま、期間t1~t2の間、待機すると、待機中の制御状態を待機デモ演出の実行状態からデモムービー演出の実行状態とする。デモムービー演出は、遊技を行っていないパチンコ遊技機10での遊技を遊技場内にいる遊技者に促すための客寄せ効果を最も付与し得る演出としての位置付けである。デモムービー演出の実行状態では、待機デモ演出の実行状態に引き続き、無音の状態となる。デモムービー演出の実行状態の期間t2~t3は固定の時間である。なお、デモムービー演出の時間は、パチンコ遊技機10の機種に依存する時間である。つまり、当該時間は、機種毎にどのようなムービーを制作して流すかによって任意に決まる。
【0090】
副制御CPU51は、解除条件が成立しないまま、期間t2~t3の間、待機すると、待機中の制御状態をデモムービー演出の実行状態から注意喚起の実行状態とする。注意喚起は、デモンストレーション演出の1サイクルの最後に実行される演出としての位置付けである。注意喚起は、遊技者に遊技を行う際の注意事項を周知する役割を担うことから、報知の意味合いが強い。注意喚起の実行状態では、デモムービー演出の実行状態に引き続き、無音の状態となる。注意喚起の実行状態の期間t3~t4は固定の時間である。一例として、固定の時間は、3sである。
【0091】
副制御CPU51は、解除条件が成立しないまま、期間t3~t4の間、待機すると、待機中の制御状態を注意喚起の実行状態から待機デモ演出の実行状態とする。この実施形態において副制御CPU51は、待機中への突入時には移行待ち状態を経由するが、以降は、待機デモ演出とデモムービー演出と注意喚起を1サイクルとして解除条件が成立するまで繰り返す。
【0092】
次に、
図5(a)~(e)にしたがって、待機中における画像表示部GHの表示内容を説明する。
図5(a)に示すように、移行待ち状態の画像表示部GHでは、演出図柄の組み合わせが所定の停止態様で表示されている。
【0093】
図5(b)に示すように、待機デモ演出の実行状態において画像表示部GHには、パチンコ遊技機10の音量を特定可能な第1特定値画像Tg1が表示されている。一例として、第1特定値画像Tg1は、パチンコ遊技機10の音量の段階を特定可能なメータ画像である。一例として、第1特定値画像Tg1は、画像表示部GHにおいて、左方の表示領域に表示されている。同様に、待機デモ演出の実行状態において画像表示部GHには、パチンコ遊技機10の光量を特定可能な第2特定値画像Tg2が表示されている。一例として、第2特定値画像Tg2は、パチンコ遊技機10の光量の段階を特定可能なメータ画像である。一例として、第2特定値画像Tg2は、画像表示部GHにおいて、下方に表示される。第1特定値画像Tg1と第2特定値画像Tg2は、何れも、演出図柄の組合せと正面視において重ならない位置に表示されている。待機デモ演出の実行状態では、十字キーD2の入力操作が有効とされている。このため、十字キーD2を構成する上キー、下キー、左キー、及び右キーのうち所望のキーを操作することによって、遊技者は、音量又は光量を任意に調整することができる。音量調整を行うと、第1特定値画像Tg1は、左キー又は右キーの変更操作に対応する音量の段階を示すように表示される。また、光量調整を行うと、第2特定値画像Tg2は、上キー又は下キーの変更操作に対応する光量の段階を示すように表示される。なお、十字キーD2の入力操作が有効であるとは、その操作の結果が音量又は光量の設定に反映できることである。
【0094】
図5(b)に示すように、待機デモ演出の実行状態において画像表示部GHには、パチンコ遊技機10において実行される演出のカスタマイズに関するカスタマイズ画像Cgが表示されている。一例として、カスタマイズ画像Cgは、画像表示部GHにおいて、中央又は略中央の表示領域に表示されており、演出図柄の組合せと正面視において重なる位置であって、演出図柄の組合せの前側に重なるように優先して表示されている。一例として、カスタマイズ画像Cgが表示されているとき、パチンコ遊技機10では、各種演出の出現率(実行され易さ)をカスタマイズ可能である。一例として、カスタマイズ画像Cgが表示されているとき、パチンコ遊技機10では、各種演出が実行された際に特定可能な大当り期待度をカスタマイズ可能である。一例として、カスタマイズ画像Cgが表示されているとき、パチンコ遊技機10では、演出ボタンD1の操作を受け付ける期間の一部において、演出ボタンD1が操作されずとも演出ボタンD1が操作されたものと見做す状態(オートボタン状態)にカスタマイズ可能である。待機デモ演出の実行状態では、演出ボタンD1の入力操作が有効とされている。このため、演出ボタンD1を操作することによって、遊技者は、所望のカスタマイズを行うことができる。カスタマイズを行うと、カスタマイズ画像Cgは、演出ボタンD1の変更操作に対応するカスタマイズの設定を示すように表示される。なお、演出ボタンD1の入力操作が有効であるとは、その操作の結果がカスタマイズの設定に反映できることである。
【0095】
図5(c)に示すように、デモムービー演出の実行状態において画像表示部GHには、デモンストレーション画像Dgが表示されている。一例として、デモンストレーション画像Dgは、画像表示部GHの表示領域の全域又は略全域に表示されている。一例として、デモンストレーション画像Dgは、動画像である。デモムービー演出の実行状態において画像表示部GHでは、デモンストレーション画像Dgが優先して表示されており、音量調整に関する第1特定値画像Tg1、光量調整に関する第2特定値画像Tg2、及びカスタマイズに関するカスタマイズ画像Cgは、何れも表示されていない。なお、デモムービー演出の実行状態でも、演出ボタンD1及び十字キーD2の入力操作は有効である。このため、演出ボタンD1を操作すると画像表示部GHにはカスタマイズ画像Cgが表示され、カスタマイズを行うことができる。また、十字キーD2を構成する上キー、下キー、左キー及び右キーのうち所望のキーを操作することによって、遊技者は、音量又は光量を任意に調整することができる。
【0096】
図5(d)に示すように、注意喚起の実行状態において画像表示部GHには、注意喚起画像Ng1が表示されている。一例として、注意喚起画像Ng1は、画像表示部GHの表示領域の全域、又は略全域に表示されている。注意喚起画像Ng1は、複数の項目について注意喚起する画像を含む。一例として、注意喚起画像Ng1は、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」と「のめり込みに注意しましょう。」の各文字列からなる画像を含む。一例として、注意喚起画像Ng1は、悪質な攻略法の販売に関して注意喚起する画像を含む。一例として、注意喚起画像Ng1は、ゴト行為に関して注意喚起する画像を含む。一例として、注意喚起画像Ng1は、パチンコ遊技機10をたたくことに関して注意喚起する画像を含む。一例として、注意喚起画像Ng1は、18歳未満が遊技を行うことに関して注意喚起する画像を含む。一例として、注意喚起画像Ng1は、子供の車内放置に関して注意喚起する画像を含む。注意喚起の実行状態において画像表示部GHでは、注意喚起画像Ng1が優先して表示されており、音量調整に関する第1特定値画像Tg1、光量調整に関する第2特定値画像Tg2、及びカスタマイズに関するカスタマイズ画像Cgは、何れも表示されていない。なお、注意喚起の実行状態でも、演出ボタンD1及び十字キーD2の入力操作は有効である。このため、演出ボタンD1を操作すると画像表示部GHにはカスタマイズ画像Cgが表示され、カスタマイズを行うことができる。また、十字キーD2を構成する上キー、下キー、左キー及び右キーのうち所望のキーを操作することによって、遊技者は、音量又は光量を任意に調整することができる。
【0097】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動ゲームの実行中、及び大当り遊技中でも、演出ボタンD1及び十字キーD2の入力操作は有効である。同様に、パチンコ遊技機10では、待機中のうち、移行待ち状態でも、演出ボタンD1及び十字キーD2の入力操作は有効である。このため、演出ボタンD1を操作すると画像表示部GHにはカスタマイズ画像Cgが表示され、カスタマイズを行うことができる。また、十字キーD2を構成する上キー、下キー、左キー及び右キーのうち所望のキーを操作することによって、遊技者は、音量又は光量を任意に調整することができる。
【0098】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えている。一例として、節電モードは、パチンコ遊技機10が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を通常モードの出力に比して抑える機能である。パチンコ遊技機10が備える発光手段としては、枠体11や遊技盤YBに設けられる電飾系の装飾ランプLA、演出表示装置EHが備える液晶パネルからなる画像表示部GH、演出ボタンD1に内蔵されている発光部DLが挙げられる。このうち、本実施形態の節電モードでは、装飾ランプLAの光量と画像表示部GHの輝度を通常モードよりも抑える。一例として、節電モード中の装飾ランプLAは、通常モード時の出力に対して20%~30%、出力を抑える。本実施形態のパチンコ遊技機10では、節電モードを設定している場合、通常モードから節電モードへのモード移行条件が成立すると、パチンコ遊技機10の制御状態を節電モードへ移行する。一例として、モード移行条件は、待機中へ突入してからの経過時間が所定時間に達したことである。一例として、所定時間は、待機中へ突入してから待機デモ演出、デモムービー演出、及び注意喚起の各実行状態を経由して再び待機デモ演出の実行状態へ移行するまでの時間である。換言すれば、所定時間は、待機中へ突入してから2回目の待機デモ演出の実行状態へ移行するまでの時間である。本実施形態では、モード移行条件が成立することで副制御CPU51の制御によって節電モードへ移行可能であり、副制御CPU51がモード移行手段になる。本実施形態では、節電モード中、発光手段の出力を通常モードの出力に比して抑えるように副制御CPU51が制御を行っており、副制御CPU51が制御手段になる。
【0099】
図4に示すように、2回目の待機デモ演出の実行状態において画像表示部GHには、
図5(e)に示すように、音量を特定可能な第1特定値画像Tg1、光量を特定可能な第2特定値画像Tg2、及びカスタマイズ画像Cgが表示されている。そして、節電モードが設定されている場合には、2回目の待機デモ演出の実行状態への移行に伴って節電モードにも移行することで、画像表示部GHには、「節電モード中」と「遊技可能です」の各文字列を含む節電モード画像Ggが表示されている。節電モード中のパチンコ遊技機10は、画像表示部GH及び装飾ランプLAの出力が抑えられることで全体として暗くなり、稼働していないパチンコ遊技機10であると遊技者が誤認する可能性もある。このため、節電モード画像Ggは、節電モードに設定されていること、及び遊技を行うことができることを周囲に知らしめる役割を担う。節電モード画像Ggは、2回目の待機デモ演出の実行状態へ移行してから、待機デモ演出の実行状態へ移行する度に表示される。つまり、待機中において節電モード画像Ggは、待機デモ演出の実行状態への移行中に表示されるようになっており、モード移行条件が成立していないときの待機デモ演出の実行状態、及びモード移行条件が成立しているか否かは問わずにデモムービー演出及び注意喚起の各実行状態であるときには表示されない。本実施形態において節電モード画像Ggを表示することは、節電モードへ移行していることを報知することに相当する。また、節電モードに設定されている場合の待機中において、節電モード画像Ggを表示している期間が節電モードであることの報知を行っている期間になる。一方で、節電モードに設定されている場合の待機中において、節電モード画像Ggを表示していない期間が節電モードであることの報知が行われない特定期間になる。なお、節電モード画像Ggは、変動ゲーム中及び大当り遊技中などの非待機中において節電モードへは移行しないことから画像表示部GHに表示されることはない。
【0100】
待機中に移行した節電モードは、待機中が継続している間、継続する。つまり、節電モードへ移行後は、待機デモ演出、デモムービー演出及び注意喚起は、消費電力を抑えられた状態で行われる。そして、節電モードは、解除条件が成立するまで継続する。一例として、解除条件は、待機中の解除条件と同じ条件である。
【0101】
また、パチンコ遊技機10は、節電モードが設定されている場合であっても、光量調整を行うことが可能である。例えば、
図4に示す待機中に光量調整が行われた場合、その調整結果が節電モード時における光量の基本設定よりも優先して反映される。つまり、例えば遊技者が明るくなるように光量調整を行うと、節電モードが設定されている場合であっても、待機中は遊技者が調整した光量で制御される。なお、光量調整の結果が反映されてから所定の時間が経過しても遊技が開始しない場合、光量は、節電モードの基本設定に戻る。一例として、光量は、光量調整が行われたタイミングに最も近い待機デモ演出は調整の結果を維持し、次の待機デモ演出が到来するタイミングで基本設定に戻される。本実施形態では、光量調整を副制御CPU51の制御によって行うようになっており、副制御CPU51が光量調整手段になる。
【0102】
次に、
図6(a)~(f)にしたがって節電モードを設定する処理を説明する。
副制御CPU51は、主制御CPU42を通じて初期化コマンドを入力すると、画像表示部GHの表示内容を、
図6(a)に示す初期画面70とするように画像表示部GHを制御する。初期画面70には、当該初期画面70の表示時間を示す時間情報71と、日時を示す日時情報72と、操作方法を示す操作情報73と、初期図柄を示す初期図柄情報ZZと、を含む。時間情報71は、初期画面70が表示されてから設定操作を行うことができる残り時間をカウントダウン方式で表示する情報である。一例として、設定操作を受付できる最長時間は25sである。副制御CPU51は、最長時間を経過しても設定操作が行われない場合、初期画面70の表示を図示しない通常画面に切り替える。通常画面は、画像表示部GHに演出ゲームを表示可能な画面である。なお、初期画面70から通常画面への切り替えは、時間経過以外にも、第1特別始動入賞口15又は第2特別始動入賞口16への入球の発生、つまり変動ゲームを実行させる状況が発生することによっても起こり得る。
【0103】
日時情報72は、本日の日付と現在時刻とからなる。操作情報73は、
図6(b)に示す、設定する項目(メニュー)を選択する設定画面74を表示する操作方法を示す情報である。一例として、操作情報73は「左右方向のボタンを同時に押し続けると設定画面を表示します」の文字列と、演出ボタンD1及び十字キーD2を模した画像とからなる。本実施形態では、十字キーD2の左右キーを同時に押し続けることで初期画面70から設定画面74に遷移させることができる。
【0104】
図6(b)に示すように、設定画面74には、管理者への設定操作を促す文字情報75と、現在の節電モードの設定状態を示す節電モード情報76と、選択する項目を示す項目情報77,78,79と、選択方法と決定方法を示す操作情報80,81と、初期図柄を示す初期図柄情報ZZと、を含む。一例として、文字情報75は、「設定する項目を選択してください」の文字列からなる。一例として、節電モード情報76は、節電モードを設定している場合には「節電モード設定:ON」の文字列からなり、節電モードを設定していない場合には「節電モード設定:OFF」の文字列からなる。項目情報77は、節電モードを設定する項目を示す情報であり、当該項目に対応するアイコンと「節電モード設定」の文字列とからなる。項目情報78は、パチンコ遊技機10の設定を工場出荷時の状態に戻すように設定する項目を示す情報であり、当該項目に対応するアイコンと、「サブデータ消去」及び「(※工場出荷時の状態に戻ります)」の文字列とからなる。操作情報80は、選択する項目の決定方法を示す情報であり、「項目決定」の文字列と演出ボタンD1を模した画像とからなる。操作情報81は、項目の選択方法を示す情報であり、「項目選択」の文字列と十字キーD2を模した画像とからなる。また、項目情報79は、設定操作を終了する項目を示す情報であり、当該項目に対応するアイコンと「終了」の文字列とからなる。本実施形態では、十字キーD2の上下キーを押すことで項目情報77,78,79を予め定めた順番に選択することができ、該当する項目にカーソル83を一致させた状態で演出ボタンD1を押すことで項目を決定することができる。なお、設定画面74から通常画面への切り替えは、項目情報79の「終了」を選択して決定すること以外にも、設定画面74を所定の時間(例えば60s)、放置してもできる。
【0105】
図6(c)に示すように、設定画面74において「節電モード設定」に対応する項目情報77を選択して決定すると、節電モード設定メニュー画面84に遷移する。節電モード設定メニュー画面84には、当該画面で設定できることを説明する説明情報85と、選択する項目を示す項目情報86,87と、選択方法と決定方法を示す操作情報80,81と、初期図柄を示す初期図柄情報ZZと、を含む。一例として、説明情報85は、「節電モードのON/OFF切替ができます」の文字列からなる。項目情報86,87は、「ON」を表記したアイコンと「OFF」を表記したアイコンとからなる。本実施形態では、十字キーD2の左右キーを押すことで項目情報86,87を予め定めた順番に選択することができ、該当するアイコンにカーソル83を一致させた状態で演出ボタンD1を押すことで項目を決定することができる。
【0106】
図6(d)に示すように、節電モード設定メニュー画面84において「節電モード:ON」を選択して決定すると、当該画面には「節電モード「ON」に設定しました」の文字列と、その選択でよいかを確認する確認情報88が表示される。確認情報88は、選択がOKである場合に演出ボタンD1を操作することを促す情報であり、「OK」の文字列と演出ボタンD1を模した画像からなる。一方、
図6(e)に示すように、節電モード設定メニュー画面84において「節電モード:OFF」を選択して決定すると、当該画面には「節電モード「OFF」に設定しました」の文字列と、その選択でよいかを確認する確認情報89が表示される。そして、確認情報88,89にしたがって演出ボタンD1を操作すると、その設定が反映されるとともに、節電モード設定メニュー画面84から設定画面74に遷移する。本実施形態では、演出ボタンD1と十字キーD2が、節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段になる。確認情報88,89にしたがって演出ボタンD1を操作しなかった場合は、その設定が反映されない。節電モード設定メニュー画面84は、所定の時間(例えば60s)、放置すると、通常画面に切り替わる。
【0107】
図6(f)に示すように、設定画面74において「終了」に対応する項目情報79を選択して決定すると、終了画面90に遷移する。終了画面90には、当該画面で設定できることを説明する説明情報91と、選択する項目を示す項目情報92,93と、選択方法と決定方法を示す操作情報80,81と、初期図柄を示す初期図柄情報ZZと、を含む。一例として、説明情報91は、「設定を終了して通常画面に戻りますか?」の文字列からなる。項目情報92,93は、「はい」を表記したアイコンと「いいえ」を表記したアイコンとからなる。本実施形態では、十字キーD2の左右キーを押すことで項目情報92,93を予め定めた順番に選択することができ、該当するアイコンにカーソル83を一致させた状態で演出ボタンD1を押すことで項目を決定することができる。項目を決定すると、通常画面に戻る。終了画面90は、所定の時間(例えば60s)、放置すると、通常画面に切り替わる。
【0108】
以上説明した各画面の遷移処理、演出ボタンD1と十字キーD2の操作に基づく項目などの選択処理、及び選択結果の記憶処理は、副制御CPU51が行う。副制御CPU51は、節電モードに関する設定を副制御RWM53に記憶する。なお、副制御RWM53において節電モードに関する設定を記憶する領域は、パチンコ遊技機10の電源投入時に初期化する処理を行っても設定状態を初期化しない領域である。つまり、節電モードに関する設定変更は、
図6(b)に示す設定画面74において、節電モード設定を選択するか、サブデータ消去を選択するか、何れかによって行うことができる。節電モード設定では、節電モードを「ON」又は「OFF」の何れかに設定することができる一方で、サブデータ消去では、節電モードをデフォルト設定である「OFF」に設定することができる。なお、サブデータ消去については、その画面構成や設定項目が節電モード設定メニュー画面84と異なるだけであるので、その詳細な説明は省略する。つまり、サブデータ消去では、工場出荷時の設定に戻すことを選択することで、節電モードを「OFF」に設定することができる。
【0109】
次に、
図7にしたがって電源投入時の処理について説明する。
パチンコ遊技機10へ電源投入する状況には、クリアスイッチ46の操作による初期化を指示する第1投入時状況と、クリアスイッチ46の操作による初期化を指示せずに復電する第2投入時状況とがある。
【0110】
図7に示すように、主制御CPU42は、初期化を行う第1投入時状況で起動する場合、期間t10~t11の期間で初期化処理を行うとともに、当該初期化処理にて初期化コマンドを出力する。一方、主制御CPU42は、初期化を行わずに復電させる第2投入時状況で起動する場合、期間t10~t11の期間で復電処理を行うとともに、当該復電処理にて復電コマンドを出力する。初期化コマンド又は復電コマンドの何れかを入力した副制御CPU51は、変動ゲームを開始させなければパチンコ遊技機10を待機中に移行させる。第1投入時状況でパチンコ遊技機10を起動させた場合の待機中は、大別すると、期間t11~t12の待機デモ演出の実行状態と、期間t12~t13のデモムービー演出の実行状態と、期間t13~t14の注意喚起の実行状態と、からなる。期間t11~t12の待機デモ演出の実行状態における処理内容は、
図4で説明した期間t1~t2の待機デモ演出の実行状態における処理内容と同じである。期間t12~t13のデモムービー演出の実行状態における処理は、
図4で説明した期間t2~t3のデモムービー演出の実行状態における処理内容と同じである。期間t13~t14の注意喚起の実行状態における処理内容は、
図4で説明した期間t3~t4の注意喚起の実行状態における処理内容と同じである。そして、電源投入後の待機中も、待機デモ演出とデモムービー演出と注意喚起を1サイクルとして解除条件が成立するまで繰り返す。
【0111】
また、初期化コマンドを入力した副制御CPU51は、画像表示部GHを制御することで、
図6(a)で説明した初期画面70を表示させる。なお、節電モードは、期間t10~t11の初期化処理が行われている間に設定することが可能である。また、初期化コマンドを入力した副制御CPU51は、スピーカSPを制御することで、ラムクリア音を期間t10~t11の初期化処理が行われている間、出力させる。副制御CPU51は、期間t11から、つまり待機デモ演出へ突入すると、ラムクリア音の出力を停止させて無音とする。また、副制御CPU51は、副制御RWM53の初期化領域に記憶されている情報を初期化する。なお、節電モードが設定されているか、設定されていないかの情報は、副制御RWM53において初期化の対象としない領域に記憶されている。また、復電コマンドを入力した副制御CPU51は、スピーカSPを制御することで、復電音を期間t10~t11の復電処理が行われている間、出力させる。副制御CPU51は、期間t11から、つまり待機デモ演出へ突入すると、復電音の出力を停止させて無音とする。
【0112】
また、期間t10~t11で初期化処理又は復電処理が行われている間は、演出ボタンD1と十字キーD2の入力操作は無効とされている。このため、期間t10~t11の間は、音量調整、光量調整及びカスタマイズを行うことができない。演出ボタンD1と十字キーD2の入力操作は、期間t11から、つまり待機デモ演出へ突入すると有効となる。その結果、待機中は、音量調整、光量調整及びカスタマイズを行うことができる。また、副制御CPU51は、期間t10~t11で初期化処理又は復電処理が行われている間、画像表示部GHにおいて、音量調整に係る第1特定値画像Tg1と、光量調整に係る第2特定値画像Tg2と、カスタマズに係るカスタマイズ画像Cgを非表示とする。これらの画像について副制御CPU51は、期間t11から、つまり待機デモ演出へ突入すると、画像表示部GHを制御して表示させる。なお、副制御CPU51は、期間t12~t13のデモムービー演出及び期間t13~t14の注意喚起の各実行状態において第1特定値画像Tg1、第2特定値画像Tg2及びカスタマイズ画像Cgを非表示とする。
【0113】
また、副制御CPU51は、期間t10~t11で初期化処理又は復電処理が行われている間、節電モードが設定されているか、設定されていないかの何れであるかに関わらず、画像表示部GHにおいて節電モードに係る節電モード画像Ggを非表示とする。そして、副制御CPU51は、節電モードが設定されている場合、期間t11から、つまり待機デモ演出へ突入すると、画像表示部GHを制御して節電モード画像Ggを表示させる。副制御CPU51は、節電モードが設定されている場合、待機デモ演出の後の期間t12~t13のデモムービー演出及び期間t13~t14の注意喚起が行われている間、画像表示部GHにおいて節電モード画像Ggを非表示とする。そして、副制御CPU51は、節電モードが設定されている場合、期間t13~t14の注意喚起の終了後、待機デモ演出に再び突入すると、画像表示部GHを制御して節電モード画像Ggを表示させる。なお、副制御CPU51は、節電モードが設定されていない場合、待機デモ演出が行われている間であっても、画像表示部GHには節電モード画像Ggを表示させない。以上により、電源投入時においては、節電モードが設定されている場合であっても、期間t10~t11で初期化処理又は復電時処理が行われている間には移行せず、これらの処理が終了して最初の待機デモ演出が行われた段階で移行する。つまり、節電モードへのモード移行条件は、電源投入時に突入する待機中と変動ゲーム又は大当り遊技の後に突入する待機中とで異なる。また、
図7に示すようにパチンコ遊技機10は、電力供給の開始によって初期化処理又は復電時処理を行うことから、節電モード中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に復電した直後には節電モードへは復帰しないことになる。なお、パチンコ遊技機10への電力供給を遮断しても、
図6の設定画面74を経由して設定した節電モードの設定状態は復電後も維持可能である。このため、例えば電源遮断時に節電モードへ移行させる設定を行っていても、その設定は復電後にも維持されており、その結果、復電後にはモード移行条件の成立によって節電モードへ移行可能である。
【0114】
また、副制御CPU51は、期間t11~t12の初期化処理又は復電処理が行われている間に、初期化コマンド又は復電コマンドを入力すると起動時チェックを行う。起動時チェックは、演出装置群DEを構成する各演出装置に所定の動作としての起動時動作を行わせる処理である。本実施形態では、パチンコ遊技機10の起動時チェックを副制御CPU51が行うようになっており、副制御CPU51がチェック制御手段になる。
【0115】
演出表示装置EHの起動時動作は、初期背景の表示を含む。初期背景は、変動ゲームにおける背景画像、大当り遊技における背景画像、又は待機中における背景画像の何れとも異なる。一例として、初期背景は、互いに色調が異なる複数の単色画像を予め定めた順序に従って切り替えるように変化する背景である。これにより、パチンコ遊技機10の管理者等は、演出表示装置EHが正常に動作するか否か、つまり、焼き付きやドット落ちといった演出表示装置EHの不具合の有無を確認することができる。
【0116】
演出可動体EYの起動時動作は、原位置GIから演出位置EIへの変位と、演出位置EIから原位置GIへの変位と、を繰り返し行う。これにより、パチンコ遊技機10の管理者は、演出可動体EYが正常に動作するか否か、つまり、演出可動体EYが原位置GIから変位不能であったり、途中で停止したりするといった、演出可動体EYの不具合の有無を確認することができる。同様に、演出ボタンD1の起動時動作は、第1位置(没している位置)から第2位置(突出している位置)への変位と、第2位置から第1位置への変位と、を繰り返し行う。これにより、パチンコ遊技機10の管理者は、演出ボタンD1が正常に動作するか否か、つまり、演出ボタンD1が第1位置から変位不能であったり、途中で停止したりするといった、演出ボタンD1の不具合の有無を確認することができる。また、演出ボタンD1の起動時動作では、内蔵されている発光部DLを点灯させることも行われる。発光部DLは、起動時動作の後、
図7に示すように待機中に移行する場合、当該待機中においても継続して点灯している。発光部DLは、節電モード中であっても、通常モードのときと同じ動作態様、つまり同じ消費電力を使って点灯している。
【0117】
装飾ランプLAの起動時動作は、起動時動作の発光パターンにて発光、及び消灯が行われる。これにより、遊技機の管理者は、装飾ランプLAを構成する発光体が正常に発光可能であるか否か、つまり発光不能な発光体があるといった装飾ランプLAの不具合の有無を確認することができる。起動時動作の発光パターンは、変動ゲームにおける発光パターン、大当り遊技における発光パターン、又は待機中における発光パターンの何れとも異なる。装飾ランプLAの起動時動作は、予め定められた時間が経過すると終了する。
【0118】
スピーカSPの起動時動作は、起動時動作の音声パターン(効果音又は楽曲等)にて音声出力が行われる。起動時動作の音声パターンは、変動ゲームにおける音声パターン、大当り遊技における音声パターン、又は待機中における音声パターンの何れとも異なる。これにより、遊技機の管理者は、スピーカSPが正常に音声を出力可能であるか否か、つまり、無音であったり、雑音が発生したりするといったスピーカSPの不具合の有無を確認することができる。スピーカSPの起動時動作は、予め定められた時間が経過すると終了する。
【0119】
以上の起動時動作は、初期化処理又は復電処理の間に行われる。初期化処理又は復電処理が行われている間、節電モードには移行しないことから、起動時チェック時の起動時動作は、消費電力を通常とする通常モードで行われていることになる。つまり、起動時チェックは、設定モードが設定されているときであっても、節電モードが設定されていないときと同じ消費電力を使って行われることで同じ動作態様となる。
【0120】
次に、特定球数が上限数に達したことを契機として遊技の実行を制限する機能(以下、コンプリート機能と示す)が作動したときの演出表示装置EHの表示内容の一例について説明する。一例として、特定球数は、遊技者が獲得した賞球数と、遊技者が遊技に使用した使用球数と、に基づく情報である。一例として、特定球数は、パチンコ遊技機10への電力供給が行われてから付与された賞球数とパチンコ遊技機10への電力供給が行われてから遊技に使用された使用球数とに基づいて計数される。一例として、上限数は、95000である。
【0121】
図8に示すように、一例として、コンプリート機能が作動したとき、画像表示部GHの表示内容には、特別情報を含み得る。一例として、特別情報は、コンプリート機能が作動したことを特定可能な情報を含み得る。一例として、特別情報は、機種固有の固有情報を含み得る。機種固有の固有情報とは、製造者(製造メーカ)のロゴマーク、製造者(製造メーカ)固有の固有キャラクタ(公式マスコットキャラクタなど)、及び機種固有の固有キャラクタを含み得る。一例として、コンプリート機能が作動したとき(特定球数が上限数に達したとき)、画像表示部GHでは、特別画像Gcpを表示可能である。特別画像Gcpは、特別情報の一例である。一例として、特別画像Gcpは、「コンプリート機能が作動しました」の文字列と、「1日に払出可能な上限に達しました」の文字列と、「本日は遊技終了です」の文字列と、を含む画像である。一例として、特別画像Gcpは、機種固有の固有キャラクタを模した画像を含み得る。一例として、特別画像Gcpは、「Congratulations!」の文字列を含む画像である。一例として、特別画像Gcpは、動画像である。一例として、特別画像Gcpは、遊技者の達成感を満たすための画像である。一例として、特別画像Gcpは、コンプリート機能が作動したとき専用の画像である。一例として、コンプリート機能が作動したとき、特別画像Gcpは、画像表示部GHの表示領域の全域、又は略全域に表示される。
【0122】
次に、特定球数が上限数よりも小さい特定数に達したときの画像表示部GHの表示内容の一例について説明する。一例として、特定数は、90000である。
図9(a)に示すように、一例として、特定球数が上限数よりも小さい特定数に達したとき、画像表示部GHの表示内容には、特定情報を含み得る。一例として、特定情報は、コンプリート機能が作動し得ることを事前に示唆する情報である。一例として、特定情報は、特定球数と上限数の差を示唆する情報である。一例として、特定情報は、特定球数が特定数に達したことを示唆する情報である。一例として、画像表示部GHでは、特定球数が上限数よりも小さい特定数に達したことを契機として特定画像Sgを表示可能である。特定画像Sgは、特定情報の一例である。一例として、特定画像Sgは、メッセージ画像Mgを含み得る。一例として、メッセージ画像Mgは、「1日に払出可能な上限が近づいています。」の文字列と、「メーターが0になると本日は遊技終了となりますのでご注意ください。」の文字列と、を模した画像である。一例として、特定画像Sgは、複数の単位画像を含んで構成される。一例として、特定画像Sgは、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5の5つの単位画像を含んで構成される。第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5は、複数の単位情報の一例である。第1単位画像Mgt1は、特定単位情報の一例である。一例として、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5のそれぞれは、マス(升)状の画像である。一例として、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5のそれぞれには、通常表示態様と、特定表示態様とがある。一例として、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5の通常表示態様は、各単位画像の枠内の部分に所定の色調を付与することによって、枠が満たされた状態を表現した満状態である。一例として、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5の特定表示態様は、各単位画像の枠内の部分に所定の色調を付与することによって、枠が空の状態を表現した空状態である。一例として、特定画像Sgは、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5の表示態様によって、特定球数と上限数との差を示唆する画像である。一例として、特定画像Sgは、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5のそれぞれの近傍に、目盛りを模した画像を含んで構成される。一例として、特定球数が上限数よりも小さい特定数に達したとき、特定画像Sgは、画像表示部GHの表示領域において、左上方に表示される。つまり、特定画像Sgと、特別画像Gcpとは、表示位置が異なる。また、特定画像Sgは、画像表示部GHの表示領域の全域、又は略全域に表示される画像ではない。つまり、特定画像Sgは、特別画像Gcpに比して、演出表示装置EHにおける表示面積が小さい。一例として、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5は、特定画像Sgにおいて、左から、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、第5単位画像Mgt5の順に横に配置されている。
【0123】
次に、コンプリート機能の作動が待機されているときの演出表示装置EHの表示内容の一例について説明する。一例として、コンプリート機能は、大当り遊技の実行中に特定球数が上限数に達した場合、大当り遊技が終了するまで、その作動が待機される。
【0124】
図9(b)に示すように、一例として、コンプリート機能の作動が待機されたとき、画像表示部GHの表示内容には、コンプリート機能の作動が待機されていることを特定可能な作動待機情報を含み得る。一例として、コンプリート機能の作動が待機されたとき、画像表示部GHでは、特定画像Sgを構成するメッセージ画像Mgの表示態様が変化し得る。以下の説明では、コンプリート機能の作動が待機されるまで(表示態様が変化する前)のメッセージ画像Mgの表示態様を、通常表示態様と示し、コンプリート機能の作動が待機された後(表示態様が変化した後)のメッセージ画像Mgの表示態様を、特定表示態様と示す場合がある。
【0125】
特定表示態様のメッセージ画像Mgを含んで構成される特定画像Sgは、作動待機情報の一例である。一例として、特定表示態様のメッセージ画像Mgは、「1日に払出可能な上限が近づいています。」の文字列に代えて、「1日に払出可能な上限に達しました」の文字列を模した画像を含み得る。一例として、特定表示態様のメッセージ画像Mgは、「メーターが0になると本日は遊技終了となりますのでご注意ください。」の文字列に代えて、「当り終了後にコンプリート機能が作動します」の文字列を模した画像を含み得る。一例として、コンプリート機能の作動が待機されているとき、第1単位画像Mgt1、第2単位画像Mgt2、第3単位画像Mgt3、第4単位画像Mgt4、及び第5単位画像Mgt5のそれぞれは、特定表示態様で表示される。一例として、コンプリート機能の作動が待機されたとき、特定画像Sgは、画像表示部GHの表示領域において、表示位置が変化しない。
【0126】
次に、特定球数を計数するための特定球数計数処理について説明する。
特定球数計数処理には、第1特定球数計数処理と、第2特定球数計数処理と、がある。主制御CPU42は、遊技球が使用されたことを特定したとき、第1特定球数計数処理を実行する。主制御CPU42は、賞球払出処理において、賞球が付与されたとき、第2特定球数計数処理を実行する。
【0127】
図10に示すように、第1特定球数計数処理において、主制御CPU42は、コンプリート機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されるコンプリート機能作動フラグに基づいてコンプリート機能が作動中であるか否かを判定する。コンプリート機能が作動中である場合(ステップS101:YES)、主制御CPU42は、第1特定球数計数処理を終了する。
【0128】
コンプリート機能が作動中でない場合(ステップS101:NO)、主制御CPU42は、コンプリート機能の作動待機中であるか否かを判定する(ステップS102)。一例として、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されるコンプリート機能待機フラグに基づいてコンプリート機能の作動待機中であるか否かを判定する。一例として、コンプリート機能の作動待機中とは、特定球数が上限数に達しているものの、コンプリート機能の作動待機条件が成立していることによって、コンプリート機能の作動が待機されている状態である。一例として、コンプリート機能の作動待機条件は、大当り遊技中であるときに成立する。つまり、特定球数が上限数に達していても、大当り遊技中であるときには、コンプリート機能の作動が待機される。コンプリート機能が作動待機中である場合(ステップS102:YES)、主制御CPU42は、第1特定球数計数処理を終了する。
【0129】
コンプリート機能が作動待機中でない場合(ステップS102:NO)、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶される特定球数が0であるか否かを判定する(ステップS103)。特定球数が0である場合(ステップS103:YES)、主制御CPU42は、第1特定球数計数処理を終了する。特定球数が0でない場合(ステップS103:NO)、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶される特定球数を1減算して更新する(ステップS104)。主制御CPU42は、更新後の特定球数に応じた制御コマンド(以下、特定球数コマンドと示す)を出力バッファに格納する(ステップS105)。一例として、主制御CPU42は、更新後の特定球数を特定可能なように特定球数コマンドを生成するとともに、生成した特定球数コマンドを出力バッファに格納する。特定球数コマンドを入力した副制御CPU51は、当該コマンドから特定球数を特定することで、特定画像Sgを表示させるかの判断と、表示させる場合の表示内容を制御する。主制御CPU42は、ステップS105の処理を終了すると、第1特定球数計数処理を終了する。
【0130】
図11に示すように、第2特定球数計数処理において、主制御CPU42は、コンプリート機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS201)。コンプリート機能が作動中である場合(ステップS201:YES)、主制御CPU42は、第2特定球数計数処理を終了する。コンプリート機能が作動中でない場合(ステップS201:NO)、主制御CPU42は、コンプリート機能の作動待機中であるか否かを判定する(ステップS202)。コンプリート機能が作動待機中である場合(ステップS202:YES)、主制御CPU42は、第2特定球数計数処理を終了する。
【0131】
コンプリート機能が作動待機中でない場合(ステップS202:NO)、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶される特定球数に、新たに付与された賞球数を加算して更新する(ステップS203)。次に、主制御CPU42は、ステップS203において更新された後の特定球数が上限数に達したか否かを判定する(ステップS204)。特定球数が上限数に達していない場合(ステップS204:NO)、主制御CPU42は、更新後の特定球数に応じた特定球数コマンドを出力バッファに格納する(ステップS205)。ステップS205の処理を終了すると、主制御CPU42は、第2特定球数計数処理を終了する。
【0132】
特定球数が上限数に達している場合(ステップS204:YES)、主制御CPU42は、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する(ステップS206)。大当り遊技の実行中である場合(ステップS206:YES)、主制御CPU42は、コンプリート機能の作動を待機させる(ステップS207)。一例として、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されるコンプリート機能待機フラグを、コンプリート機能の作動待機中であることを特定可能なように更新する。一例として、主制御CPU42は、コンプリート機能の作動待機中であることを特定可能な制御コマンド(以下、作動待機コマンドと示す)を出力バッファに格納する。作動待機コマンドを入力した副制御CPU51は、特定画像Sgの表示内容を制御する。その後、主制御CPU42は、第2特定球数計数処理を終了する。
【0133】
大当り遊技の実行中でない場合(ステップS206:NO)、主制御CPU42は、コンプリート機能を作動させる(ステップS208)。一例として、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されるコンプリート機能作動フラグを、コンプリート機能の作動中であることを特定可能なように更新する。一例として、主制御CPU42は、コンプリート機能の作動中であることを特定可能な制御コマンド(以下、作動コマンドと示す)を出力バッファに格納する。作動コマンドを入力した副制御CPU51は、特別画像Gcpを表示させるように画像表示部GHを制御する。その後、主制御CPU42は、第2特定球数計数処理を終了する。一例として、コンプリート機能の作動待機中、主制御CPU42は、大当り遊技を終了させる場合、コンプリート機能を作動させる。つまり、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されるコンプリート機能作動フラグを、コンプリート機能の作動中であることを特定可能なように更新するとともに、作動コマンドを出力バッファに格納する。
【0134】
主制御CPU42は、特定球数が上限数に達したことによるコンプリート機能の作動中、パチンコ遊技機10における遊技の実行を制限(以下、遊技停止と示す)する。一例として、コンプリート機能の作動中、主制御CPU42は、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、大当り遊技処理、普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、普通当り遊技処理、及び賞球払出処理を実行しない。つまり、遊技停止中のパチンコ遊技機10では、第1特別始動入賞口15、及び第2特別始動入賞口16に遊技球が入球しても、特別ゲームの保留条件が成立しない。遊技停止中のパチンコ遊技機10では、第1特別始動入賞口15、第2特別始動入賞口16、大入賞口18に遊技球が入球しても賞球が払い出されない。遊技停止中のパチンコ遊技機10では、ゲート25を遊技球が通過しても普通ゲームの保留条件が成立しない。遊技停止中のパチンコ遊技機10では、新たな特別ゲームが実行されない。遊技停止中のパチンコ遊技機10では、新たな普通ゲームが実行されない。遊技停止中のパチンコ遊技機10では、新たな大当り遊技が実行されない。遊技停止中のパチンコ遊技機10では、新たな普通当り遊技が実行されない。このように遊技の実行を制限するコンプリート機能が制限モードに相当する。特定球数を計数する主制御CPU42が計数手段になる。
【0135】
本実施形態において特定球数は、電力供給が開始されるときにクリアスイッチ46が操作されているか否かにかかわらず初期化される非バックアップ情報である一方、コンプリート機能作動フラグ、及びコンプリート機能待機フラグは、バックアップ情報である。このため、特定球数が上限数に達するまでは、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるとき、クリアスイッチ46が操作されていなくても、特定球数が初期化される。つまり、特定球数が上限数に達するまでは、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるとき、クリアスイッチ46が操作されていなくても、コンプリート機能の作動に係る条件が初期化される。一方、特定球数が上限数に達した後は、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるとき、クリアスイッチ46が操作されていないと、コンプリート機能の作動に係る条件が初期化されない。つまり、特定球数が上限数に達した後は、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるとき、クリアスイッチ46が操作されていないと、再びコンプリート機能の作動状態、又はコンプリート機能の作動待機状態となる。このとき、一例として、主制御CPU42は、コンプリート機能の作動状態、又はコンプリート機能の作動待機状態であることに応じて、作動コマンド、又は作動待機コマンドを出力バッファに格納する。コンプリート機能の作動状態、及びコンプリート機能の作動待機状態は、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるとき、クリアスイッチ46が操作されていると解除される。
【0136】
コンプリート機能の作動後は、クリアスイッチ46を操作せずに復電させると、復帰後のパチンコ遊技機10はコンプリート機能の作動状態を維持する。作動状態を維持している状態で復帰すると、本実施形態のパチンコ遊技機10は、復帰後、節電モードへは移行しない。つまり、主制御CPU42の制御では、コンプリート機能作動フラグが作動中を示すように設定されていることで遊技停止となるから、結果的に節電モードへ移行することが制限されることになる。一方、コンプリート機能の作動後は、クリアスイッチ46を操作して復電させると、コンプリート機能作動フラグが作動中を示さないように解除される。このため、主制御CPU42の制御では、節電モードへ移行することが制限されず、モード移行条件の成立によって節電モードへ移行可能である。
【0137】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)節電モード中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に復電した直後には節電モードへは復帰しないが、復帰後も節電モードの設定状態は維持可能である。節電モードでは発光手段(装飾ランプLAなど)の出力が抑えられていることから、復電した直後に節電モードへ移行してしまうと、発光手段の出力が低下していることでその低下が何らかの不具合によるものではないかと誤認する虞がある。このため、復帰した直後は節電モードへ復帰させないことでそのような誤認が生じることを抑制し得る。また、復電後も節電モードの設定状態は維持可能としたことから、復電後に節電モードの設定状態を再設定するなどの手間を省くことができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0138】
(2)パチンコ遊技機10を起動する際に記憶手段の初期化を指示しても、節電モードの設定状態は維持可能とした。パチンコ遊技機10を起動する際は、記憶手段の初期化を指示する場合が大半を占める。このため、パチンコ遊技機10を起動する度に節電モードを再設定するなどの手間を省くことができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0139】
(3)コンプリート機能が作動した後、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断されて復電しても節電モードへは移行しない。コンプリート機能が作動した場合は、遊技の実行が制限されることになるが、画像表示部GHでは、特別画像Gcpが表示される(
図8)。特別画像Gcpは、コンプリート機能が作動したことを遊技者に知らしめる目的を持っていることから、節電モードへ移行させてしまうと本来の目的を発揮できない可能性もある。したがって、コンプリート機能を搭載したパチンコ遊技機10に節電モードを搭載した場合であっても、それぞれの機能を十分に活かした構成とすることができる。一方で、クリアスイッチ46による初期化を指示してパチンコ遊技機10への電力供給を行ったときには節電モードへ移行可能である。このため、コンプリート機能が作動していない状態となったときには節電モードへ移行させることができる。この際、節電モードの設定状態は維持されている。したがって、コンプリート機能が作動している状態と作動していない状態の何れの状態にも見合った節電モードの移行態様を実現でき、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0140】
(4)パチンコ遊技機10の起動時チェックは、当該チェックの対象とする演出可動体EYや装飾ランプLAが正常に動作するかを確認するチェックである。この起動時チェックにより、遊技中の動作不良が原因で遊技者に不快な思いさせることを未然に防ぐことが可能であり、重要なチェックである。このため、節電モードへは、起動時チェックの後に移行可能としたことで、重要なチェックを確実に行うことができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0141】
(5)また、起動時チェックのときには、節電モードの設定状態に関わらず、つまり節電モードが設定されているときであっても、節電モードが設定されていないときであっても、同じ動作態様で行う。このため、起動時チェックという重要なチェックを、節電モードの設定状態に影響を受けることなく行うことができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。つまり、節電モードを設定することで起動時チェックの際、消費電力が抑えられるかもしれないという点を何ら考える必要はなく、起動時チェックと節電モードのそれぞれの良さを十分に活かすことができる。
【0142】
(6)パチンコ遊技機10が備える可動体の中には、節電モード中であっても、通常モードのときと同じ動作態様で動作する可動体がある。このため、節電モードによる消費電力の抑制を実現しつつ、節電モード中に動作が必要な可動体についてはその意味合いを通常モードのときと同じにすることができる。したがって、上記(5)の効果と同様に節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0143】
(7)また、節電モード中であっても、可動体である演出ボタンD1の発光部DLについては通常モードと同じ動作態様で発光させる。節電モード中は、装飾ランプLAの発光量や画像表示部GHの輝度が押さえられるため、パチンコ遊技機10周辺は暗い感じがする。このため、演出ボタンD1の発光部DLを通常モードと同じ動作態様で発光させることで、パチンコ遊技機10が遊技可能な状態であることを周囲に知らしめることができる。加えて、演出ボタンD1の操作が有効であることも報知できる。また、演出ボタンD1に内蔵されている発光部DLは、装飾効果を高めるために発光量を増加させている装飾ランプLAに比べて通常モード時においても比較的、省電力で動作させることができる。したがって、節電モードによる消費電力を抑えつつ、節電モードへ移行する待機中の客寄せ効果を損なわせないようにすることができる。
【0144】
(8)節電モード中は、画像表示部GHにて節電モードであることを報知する。これにより、節電モード中にパチンコ遊技機10周辺が暗い感じになっていたとしても、その原因を周囲に知らしめることができる。一方で、節電モードは、パチンコ遊技機10の待機中に移行するモードである。パチンコ遊技機10の待機中は、待機中へ突入して間もなく解除されることもあるが、客付きが思わしくなければ長い時間に亘って継続する可能性もある。このため、画像表示部GHに節電モードであることを報知する画像を同じ態様で表示し続けることは、液晶パネルの画像表示部GHにいたっては焼き付きなどの原因となり得る。このため、待機中において節電モードであることの報知が行われない特定期間を設けることで、焼き付きを抑制することができ、節電モード自体の利便性を高めることができる。実施形態における特定期間は、デモムービー演出の期間t2~t3と注意喚起の期間t3~t4である。そして、パチンコ遊技機10の待機中には、待機中を解除する解除条件が成立するまで、待機デモ演出、デモムービー演出、注意喚起を繰り返し行うことから、画像表示部GHに表示される画像は同じ画像が継続して表示されている訳ではなく時間経過によって変化が生じていると言え、これらの演出と同様の焼き付け抑制効果を得ることができる。また、本実施形態では、デモムービー演出と注意喚起のときに節電モードであることを報知する画像を非表示として報知を行っていない。デモムービー演出は最も客寄せ効果を発揮し得る演出であり、注意喚起はルールを守って遊技を行うことを推奨する演出であるから、節電モードであることをこれらの演出の効果を損なわせないように報知することもできる。
【0145】
(9)節電モード中であっても、十字キーD2を操作することで光量の調整を行うことができるようにした。本実施形態において節電モードは、待機中における解除条件を成立させる、つまり変動ゲームを開始させることによって解除できる。解除条件を成立させるためには、遊技者が発射ハンドルHDを操作して遊技球を発射させる必要があるが、発射させて直ぐに解除条件が成立するとは限らない。その結果、遊技者は、節電モードが解除されないまま遊技を継続する可能性もあり、特に明るい環境での遊技を望む遊技者にとっては節電モードで遊技を継続することを望まない。このため、節電モード中であっても光量の調整を行うことができるので、明るい環境を望む遊技者にとっては節電モード中で遊技を始めたとしても望む環境で遊技を行うことができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0146】
(10)
図4に示すように、変動ゲーム又は大当り遊技を経由して待機中に移行する場合の節電モードは、待機中に移行してから所定時間の経過、実施形態では2回目の待機デモ演出の開始を契機に移行される。待機中は、デモムービー演出や注意喚起など、重要な演出も行っていることから、少なくとも1回はこれらの演出を通常モードにて行わせることができる。したがって、待機中に行われる演出の効果を損なわせないようにしつつ、節電モードによる効果も得ることができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0147】
(11)
図7に示すように、パチンコ遊技機10への電力供給を開始してから初期化処理又は復電処理を経て待機中に移行する場合の節電モードは、待機中に移行してから最初の待機デモ演出の開始を契機に移行される。パチンコ遊技機10への電力供給を開始するタイミングは、通常、営業時間前であり、遊技場の開場前であると考えられる。このため、待機中には、デモムービー演出や注意喚起など重要な演出も含まれているが、こうした演出はパチンコ遊技機10への電力供給を開始した直後に至っては遊技者の目に触れない可能性が極めて高い。このため、パチンコ遊技機10への電力供給を開始してから初期化処理又は復電処理を経て待機中に移行する場合の節電モードは、最初の待機デモ演出の開始を契機に移行させることで、節電モードによる消費電力の抑制効果を早い段階で発揮することができる。したがって、上記(10)で説明した効果と合わせ、節電モードへ移行するタイミングを状況に応じて変えることで節電モード自体の利便性をより高めることができる。
【0148】
(12)節電モードの設定状態を、画像表示部GHと演出ボタンD1と十字キーD2を用いて行うことができる。このため、パチンコ遊技機10の管理者は、島設備に設置されたパチンコ遊技機10に対して正面からアクセスした状態で節電モードの設定状態を切り替えることができる。したがって、節電モード自体の利便性を高めることができる。
【0149】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0150】
・節電モードが設定されている場合において、変動ゲームの終了後、又は大当り遊技の終了後に待機中へ移行するとき、1回目の待機デモ演出が開始することをモード移行条件として節電モードへ移行させてもよい。
【0151】
・節電モードが設定されている場合において、変動ゲームの終了後、又は大当り遊技の終了後に待機中へ移行するとき、1回目のデモムービー演出が開始することをモード移行条件として節電モードへ移行させてもよい。
【0152】
・節電モードが設定されている場合において、変動ゲームの終了後、又は大当り遊技の終了後に待機中へ移行するとき、1回目の注意喚起が開始することをモード移行条件として節電モードへ移行させてもよい。
【0153】
・節電モードが設定されている場合において、変動ゲームの終了後、又は大当り遊技の終了後に待機中へ移行するとき、3回目以降の何れかに設定した待機デモ演出が開始することをモード移行条件として節電モードへ移行させてもよい。
【0154】
・節電モードが設定されている場合において、初期化処理の終了後、又は復電処理の終了後に待機中へ移行すると、2回目以降の何れかに設定した待機デモ演出が開始することをモード移行条件として節電モードへ移行させてもよい。
【0155】
・節電モードが設定されている場合において、変動ゲームの終了後、又は大当り遊技の終了後に待機中へ移行するときと、初期化処理の終了後、又は復電処理の終了後に待機中移行するときとで、モード移行条件を同じ条件としてもよい。一例として、何れの場合も、2回目の待機デモ演出が開始することをモード移行条件として節電モードへ移行させてもよい。
【0156】
・節電モードから通常モードへ移行させるための節電モードの解除条件は、発射ハンドルHDに接触したこと、発射ハンドルHDを操作したこと、又は発射ハンドルHDを操作して遊技球を発射させたことに変更してもよい。発射ハンドルHDにタッチセンサが内蔵されており、当該タッチセンサによって発射ハンドルHDに接触したことを検知できる。
【0157】
・待機中において、ムービーデモ演出が行われている間は音量調整、光量調整及びカスタマイズの少なくとも何れかを禁止してもよい。例えば、ムービーデモ演出が行われている間は、光量調整とカスタマイズは禁止であるが、音量調整は行えてもよい。
【0158】
・パチンコ遊技機10に、当該パチンコ遊技機10からの報知を解除する解除手段を設け、その解除手段を操作することを節電モードの解除条件としてもよい。解除手段は、スイッチ式、ボタン式、レバー式の何れでもよい。また、その解除手段は、音量調整、光量調整、カスタマイズ設定など、待機中に有効とされる操作手段と兼用してもよい。
【0159】
・待機中における移行待ち状態を省略してもよい。この場合、待機中は待機デモ演出とデモムービー演出と注意喚起が行われるようにしてもよい。
・節電モードに移行している場合において、節電モードであることを報知する画像を非表示とする期間を、注意喚起の期間t3~t4のみとしてもよいし、デモムービー演出の期間t2~t3のみとしてもよい。また、節電モードであることの報知をどの期間で行い、どの期間で行わないかについて、設定画面74や節電モード設定メニュー画面84を通じてパチンコ遊技機10の管理者が任意に設定できるようにしてもよい。
【0160】
・節電モードの報知を行わないことには、その報知自体を完全に行わないことに限らず、報知を同じ態様で行わないことであってもよい。一例として、実施形態であれば画像表示部GHに節電モード画像Ggを表示して報知を行うが、画像表示部GHにおける節電モード画像Ggの表示位置を所定時間毎に変更する、表示サイズ(縮小/拡大)を所定時間毎に変更する、又は表示と非表示を間欠的に切り替えることによって報知を行わせてもよい。これらの報知態様で報知することは、報知を同じ態様で行わないことであって、節電モードの報知を行わないことに含まれる。
【0161】
・画像表示部GHに節電モード画像Ggを表示する場合、当該節電モード画像Ggを最も上位のレイアに表示することで節電モードであることの報知の優先度を高めてもよい。
・節電モードの設定及び解除を切り替えるための設定画面74や節電モード設定メニュー画面84のレイアウトは任意に変更してもよい。なお、これらの画面に初期図柄情報ZZを表示させることで、これらの画面が電源投入後、初期化処理又は復電処理において表示されていることを把握できる。
【0162】
・節電モードであることの報知は、画像表示部GHに節電モード画像Ggを表示することに代えて又は加えて、音声出力による報知、又は専用の発光手段の発光による報知としてもよい。
【0163】
・コンプリート機能が作動しているときに復電した場合、節電モードに係る制御の一部に制限を加えるようにしてもよい。一例として、装飾ランプLAは通常モードで発光させるように制御するが、画像表示部GHは節電モード時の輝度となるように表示を制御する。あるいは、その逆であってもよい。一方で、初期化を指示して電力供給を行った場合は、前述したような特定の制御について制限を加えず、節電モードに係る制御を行うようにしてもよい。
【0164】
・節電モードにおいて発光手段の出力を通常モードに比してどの程度、低下させるかは任意に変更してもよい。また、その低下させる割合は、遊技機メーカーで決めて固定値として定められていてもよいし、設定画面74や節電モード設定メニュー画面84を通じてパチンコ遊技機10の管理者が任意に設定できるようにしてもよい。この場合、管理者が、パチンコ遊技機10側から提示された複数の選択肢の中から所望の値を選択する方法でもよいし、管理者が直接的に値を入力する方法でもよい。
【0165】
・節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段を任意に変更してもよい。一例として、発射ハンドルHDを操作することでもよい。発射ハンドルHDにはタッチセンサが内蔵されており、そのタッチセンサで発射ハンドルHDの把持状態を検知することで節電モードの設定と解除を切り替えるようにしてもよい。また、発射ハンドルHDを操作して実際に遊技球を発射させ、その発射させた遊技球を特定の入球口に入球させることで節電モードの設定と解除を切り替えるようにしてもよい。
【0166】
・機本体の裏側に、機械式の操作部を設け、その操作部によっても節電モードの設定と解除を切り替えることができるようにしてもよい。一例として、機械式の操作部は、スイッチ又はレバー又はダイアル又はボタンの何れでもよい。一例として、機械式の操作部が節電モードの設定を指示している場合には設定画面74にて所定の操作を行うことで節電モードの設定と解除を切り替えることができる。一方で、機械式の操作部が節電モードの解除(非設定)を指示している場合には設定画面74を通じて節電モードの設定と解除を切り替えることができない。つまり、機械式の操作部によって1段階目の設定を行うようにしてもよい。この構成によれば、電源投入時に例えばパチンコ遊技機10の管理者が設定画面74を通じて誤って節電モードの設定と解除を切り替えてしまうことを抑制できる。また、機械式の操作部単体で節電モードの設定と解除をダイレクトに切り替えることができるようにしてもよい。機械式の操作部における節電モードの設定(例えばON)と解除(OFF)の設定状態は、電源投入時の初期化処理又は復電処理の何れかの処理中に主制御CPU42によって読み込まれる。操作部の設定状態を例えば管理者が電源投入の前後で切り替えなければ、電源投入の前後における設定状態が維持される。
【0167】
・節電モードの対象となる発光手段は、任意に変更できる。一例として、パチンコ遊技機10には枠側に設置された装飾用の発光手段、遊技盤側に設置された装飾用の発光手段があるが、これについて一律に節電モードの対象とするのではなく、管理者が節電モードの対象となる発光手段を任意に設定できるようにしてもよい。また、発光手段には、液晶パネルや有機ELパネルなどの発光を伴う画像表示部GHが含まれるが、節電モードの対象として、装飾用の発光手段と表示用の発光手段(画像表示部GH)を個別に設定できるようにしてもよい。
【0168】
・起動時チェックにおいて具体的な動作チェック内容は任意に変更してもよい。
・本実施形態における節電モードは、コンプリート機能を備えていないパチンコ遊技機に備えられていてもよい。
【0169】
・本実施形態における節電モードは、遊技機としてスロットマシンに備えられていてもよい。
・パチンコ遊技機10は、遊技球を機内部で循環させる循環式のパチンコ遊技機であってもよい。この場合、遊技者の持ち球は、パチンコ遊技機10において電子的に管理されるとよい。
【0170】
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。また、副制御基板50が備える副制御RWM53のバックアップ機能は、搭載されていなくてもよい。
【0171】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0172】
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0173】
・アウトセンサSE5に代えて又は加えて、発射ハンドルHDの操作によって遊技盤YBに打ち出された遊技球を直接検知するセンサを設けてもよい。一例として、センサは、打ち出された遊技球を遊技盤YBへ誘導する発射レールの下流、好ましくは最下流に設けてもよい。発射レールの最下流には、遊技盤YBへ到達した遊技球が発射レールへ逆流することを防止するための逆戻り防止弁が設けられており、当該弁の付近にセンサを設けるとよい。このようなセンサで検知された遊技球も、遊技盤YBへの到達によって遊技に使用されることになるので、当該センサは遊技に使用される遊技球を検知するセンサであり、遊技に使用された遊技球を検知するセンサとも言える。
【0174】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特定期間は、前記所定の報知手段においてのめり込みに関する注意喚起が行われている期間である。
【0175】
(ロ)前記遊技機への電力供給が遮断されたときにバックアップ情報を記憶可能とした記憶手段と、前記遊技機への電力供給を行うときに前記記憶手段の初期化を指示する初期化手段と、をさらに備え、前記初期化手段による初期化を指示して前記遊技機への電力供給を行っても前記節電モードの設定状態は維持可能であり、前記節電モード中に前記遊技機への電力供給が遮断され、その後に復電した直後には前記節電モードへは復帰しないが、復電後も前記節電モードの設定状態は維持可能である前記技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0176】
(ハ)前記遊技機は、当該遊技機における遊技の実行を制限する制限モードを備え、前記制限モードは、前記遊技機が備える計数手段によって計数される特定球数が上限数に達した場合に移行するモードであり、前記特定球数は、前記遊技機への電力供給が行われてから付与された賞球数と前記遊技機への電力供給が行われてから遊技に使用された使用球数とに基づいて計数され、前記制限モードへ移行した後、前記遊技機への電力供給が遮断されて復電しても前記節電モードへは移行しないが、前記初期化手段による初期化を指示して前記遊技機への電力供給を行ったときには前記節電モードへ移行可能である前記技術的思想(ロ)に記載の遊技機。
【0177】
(ニ)遊技機は、当該遊技機における遊技の実行を制限する制限モードを備え、制限モードは、遊技機が備える計数手段によって計数される特定球数が上限数に達した場合に移行するモードであり、特定球数は、遊技機への電力供給が行われてから付与された賞球数と前記遊技機への電力供給が行われてから遊技に使用された使用球数とに基づいて計数され、制限モードへ移行した後、遊技機への電力供給が遮断されて復電したときには節電モードへ移行可能であるが、節電モードに係る制御の一部に制限が加えられ、初期化手段による初期化を指示して遊技機への電力供給を行ったときには節電モードへ移行可能であって、節電モードに係る制御に制限が加わらない前記技術的思想(ロ)に記載の遊技機。
【0178】
(ホ)通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えた遊技機において、前記節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段と、前記節電モードが設定されているときに成立可能なモード移行条件が成立すると、消費電力を通常とする通常モードから前記節電モードへ移行させるモード移行手段と、前記節電モード中、前記遊技機が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を前記通常モードの出力に比して抑えるように前記発光手段を制御する制御手段と、を備え、前記節電モード中に前記遊技機への電力供給が遮断され、その後に復電した直後には前記節電モードへは復帰しないが、復電後も前記節電モードの設定状態は維持可能であることを要旨とする。
【0179】
(ヘ)通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えた遊技機において、前記節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段と、前記節電モードが設定されているときに成立可能なモード移行条件が成立すると、消費電力を通常とする通常モードから前記節電モードへ移行させるモード移行手段と、前記節電モード中、前記遊技機が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を前記通常モードの出力に比して抑えるように前記発光手段を制御する制御手段と、前記遊技機の起動時チェックを制御するチェック制御手段と、を備え、前記節電モードが設定されているときには、前記起動時チェックの終了後、前記節電モードへ移行可能である遊技機。
【0180】
(ト)通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えた遊技機において、前記節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段と、前記節電モードが設定されているときに成立可能なモード移行条件が成立すると、消費電力を通常とする通常モードから前記節電モードへ移行させるモード移行手段と、前記節電モード中、前記遊技機が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を前記通常モードの出力に比して抑えるように前記発光手段を制御する制御手段と、前記遊技機の起動時チェックを制御するチェック制御手段と、所定の動作を行う可動体と、を備え、前記起動時チェックには、前記可動体の動作チェックを含み、前記可動体の動作チェックは、前記節電モードが設定されているときであっても、前記節電モードが設定されていないときと同じ動作態様で前記可動体を動作させる遊技機。
【0181】
(チ)前記可動体のうち一部の可動体は、前記節電モード中であっても、前記通常モードのときと同じ動作態様で動作する前記技術的思想(ト)に記載の遊技機。
(リ)前記一部の可動体は、遊技者が操作可能な操作手段であり、前記一部の可動体の動作には、前記操作手段が備える発光手段が発光することを含み、前記操作手段が備える前記発光手段は、前記節電モード中であっても、前記通常モードのときと同じ動作態様で発光する前記技術的思想(チ)に記載の遊技機。
【0182】
(ヌ)通常の消費電力よりも消費電力を抑える節電モードを備えた遊技機において、前記節電モードの設定と解除を切り替えることができる切替手段と、前記節電モードが設定されているときに成立可能なモード移行条件が成立すると、消費電力を通常とする通常モードから前記節電モードへ移行させるモード移行手段と、前記節電モード中、前記遊技機が備える発光手段のうち少なくとも一部の発光手段の出力を前記通常モードの出力に比して抑えるように前記発光手段を制御する制御手段と、前記遊技機が備える所定の操作手段が操作されることによって少なくとも一部の前記発光手段の光量を調整する光量調整手段と、を備え、前記所定の操作手段の操作による前記発光手段の光量の調整は、前記節電モード中にも実行可能である遊技機。
【0183】
(ル)前記節電モード中における前記光量の調整は、即時反映される又は前記節電モードの終了後に反映される前記技術的思想(ヌ)に記載の遊技機。この構成によれば、光量の調整を即時反映させることによって遊技者は節電モード中に遊技を開始させても明るい状態で遊技を行うことができる。この構成によれば、光量の調整を節電モードの終了後に反映させることによって節電モードが解除されるまでは節電モードによる消費電力の削減効果を維持できる。
【符号の説明】
【0184】
10…パチンコ遊技機 EH…演出表示装置 GH…画像表示部 LA…装飾ランプ D1…演出ボタン D2…十字キー DL…発光部 40…主制御基板 42…主制御CPU 44…主制御RWM 46…クリアスイッチ 50…副制御基板 51…副制御CPU 53…副制御RWM Gg…節電モード画像