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特開2024-74101エレベータ制御装置、エレベータ制御方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074101
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置、エレベータ制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20240523BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20240523BHJP
B66B 1/50 20060101ALI20240523BHJP
【ＦＩ】
B66B1/14 L
B66B3/00 F
B66B1/50 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022185171
(22)【出願日】2022-11-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西 美織
(72)【発明者】
【氏名】荒瀬 航
【テーマコード（参考）】
3F303
3F502
【Ｆターム（参考）】
3F303DB27
3F303DC05
3F502HB02
3F502JA12
3F502MA15
3F502MA48
(57)【要約】
【課題】利用者が呼びを意図しない不停止階に対応するセンサ部が検知しても、不停止階の旨の報知を制限することで、利用者に便宜を図ること。
【解決手段】実施形態のエレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限する第１の制御部と、を備える。
【選択図】図１
【解決手段】実施形態のエレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限する第１の制御部と、を備える。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限する制御部と、
を備えるエレベータ制御装置。
前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限する制御部と、
を備えるエレベータ制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を行わない、
請求項１に記載のエレベータ制御装置。
請求項１に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該センサ部の検知が初回であるか否かを判断し、初回である場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を行い、２回目以降である場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を行わない、
請求項１に記載のエレベータ制御装置。
請求項１に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該センサ部の検知から第１の時間が経過したか否かを判断し、前記第１の時間が経過した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を行う、
請求項１に記載のエレベータ制御装置。
請求項１に記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
エレベータ制御装置で実行されるエレベータ制御方法であって、
前記エレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、を備え、
停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限するステップ、
を含むエレベータ制御方法。
前記エレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、を備え、
停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限するステップ、
を含むエレベータ制御方法。
【請求項6】
エレベータ制御装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記エレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、を備え、
停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限するステップ、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
前記エレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、を備え、
停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限するステップ、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置、エレベータ制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかご内において、行き先階呼びを非接触で行う技術が知られている。例えば、利用者の手指を非接触で検知し、押しボタンと一体的にまたは別体で構成される複数のセンサ部を乗りかご内の操作盤に設け、このセンサ部により行き先階呼びを行う手法がある。特に、コロナウイルス感染を回避するため、この非接触での検知により行き先階呼びを行う方式が広まっている。
【0003】
また、エレベータの乗りかご内の操作盤の機能として、階床登録を、特定の人物のみが登録可能にする技術が知られている。この技術は、全ての階床を不停止と設定し、カードリーダー等で不停止階解除の操作を行った階床のみ、停止階として登録できるものである。そして、通常、不停止階解除を行った階床のみ、階床の押しボタンが押下されたり、当該階床の非接触センサに指を近づけると呼び登録ができるようになっている。一方、不停止設定されている階床の押しボタンが押下されたり、当該階床の非接触センサに指を近づけた場合には、呼び登録はなされずに、「この階には止まりません」等のアナウンスが流れ、階床のボタンは光らないようになっている。
【0004】
利用者が押しボタンを押下する場合にはその階床を呼び登録しようとする意図が利用者にあるため、当該階床が不停止階である場合には、このようなアナウンスを行って、呼びを行おうとした階床が不停止階であること利用者に報知するので利用者にとって便宜となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開２００３－７３０４６号公報
【特許文献2】特許第６１２３４４８号公報
【特許文献3】特開平９－５８９４０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非接触センサに指を近づけて呼びを行う場合には、意図した階床の周辺の階床の非接触センサにも手指が近づいたり、意図した階床以外の階床の非接触センサに誤って手指が近づくこともある。この場合、利用者が意図しない階床が不停止階である場合にも、上記アナウンスが出力されてしまい、利用者にとって煩雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のエレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部と、前記複数の行き先階表示部にそれぞれ対応して前記乗りかごの中に設けられ、前記乗りかごの利用者による所定の前記行き先階表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、停止階として定められた階以外の階である不停止階に対応するセンサ部が検知した場合に、当該検知されたセンサ部に対応する階が前記不停止階である旨の報知を制限する第１の制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0010】
（第１の実施形態）
（エレベータ制御システムの構成例）
図１は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。図１に示すように、エレベータ制御システム100は、制御盤10及び行き先階呼び装置30を備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。
（エレベータ制御システムの構成例）
図１は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。図１に示すように、エレベータ制御システム100は、制御盤10及び行き先階呼び装置30を備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。
【0011】
乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。乗りかご1とカウンタウェイト3とはロープ4によって連結されている。ロープ4は駆動装置2に架け渡されている。駆動装置2は例えば巻上機等であり、駆動装置2が駆動することで乗りかご1を昇降路内で上下に走行させることができる。
【0012】
制御盤10は、制御部11、通信部12、及び記憶部13を備え、エレベータ全体を制御する。制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、駆動装置2と有線または無線で接続されている。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、例えば乗りかご1内等に設置される行き先階呼び装置30と接続されている。制御盤10と行き先階呼び装置30とは有線または無線等のネットワークで接続されていてよい。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、乗り場に設置される図示しない乗り場呼び装置等と有線または無線で接続されている。
【0013】
制御部11は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの呼び登録を行う。制御部11は、呼び登録の内容を記憶部13に格納してもよい。
【0014】
ここで、行き先階呼びとは、乗りかご1内の利用者が、その乗りかご1を所望の行き先階へと向かわせるために行う操作である。また、乗り場呼びとは、乗り場の利用者が、上下いずれかの行き先方向に向かう乗りかご1をその乗り場に到着させるために行う操作である。
【0015】
制御部11は、呼び登録の内容に応じて駆動装置2を駆動させ、乗りかご1を行き先階呼び、または乗り場呼びに応答させる。また、制御部11は、乗りかご1が所定階に到着すると乗りかご1及び乗り場の戸開および戸閉等を行う。
【0016】
また、制御部11は、行き先階呼び装置30から行き先階呼びを受信した場合、通信部12を介して、行き先階呼び装置30に対して後述する表示灯313の点灯指令を送出し、行き先階呼び装置30の表示灯313を点灯させる。また、制御部11は、乗り場呼び装置から乗り場呼びを受信した場合、通信部12を介して、乗り場呼び装置に対して表示灯の点灯指令を送出し、乗り場呼び装置が備える表示灯を点灯させる。
【0017】
また、制御部11は、通信部12を介して、行き先階呼び装置30に対して表示指令を送出し、エレベータに関する各種情報を行き先階呼び装置30の後述する表示装置318に表示させる。また、制御部11は、通信部12を介して、行き先階呼び装置30に対して報知指令を送出し、エレベータに関する各種情報を行き先階呼び装置30の後述するスピーカ319に報知させる。
【0018】
また、制御部11は、通信部12を介して、乗り場呼び装置に対して表示指令および報知命令を送出し、エレベータに関する各種情報を乗り場呼び装置が備える表示装置に表示させ、また、スピーカに報知させる。
【0019】
通信部12は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの情報を行き先階呼び装置30及び図示しない乗り場呼び装置等から取得する。また、通信部12は、制御部11からの各種指令等を乗りかご1等に送信する。
【0020】
記憶部13は、制御盤10にエレベータの制御を実行させるための各種プログラム及び各種パラメータを記憶する。上述のように、記憶部13が、行き先階呼び登録および乗り場呼び登録等を記憶していてもよい。
【0021】
エレベータ制御装置としての行き先階呼び装置30は、物体検知部31、センサ部311（311a，311b，311c・・・）、押下検知部32、押しボタン312（312a，312b，312c・・・）、表示灯313（313a，313b，313c・・・）、カードリーダ360、表示装置318、スピーカ319、通信部34、入力部362、及び記憶部36を備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。
【0022】
行き先階呼び装置30のうち、少なくともセンサ部311、押しボタン312、表示灯313、表示装置318、及びスピーカ319は、乗りかご1内に設けられている。行き先階呼び装置30の全体が乗りかご1内に設けられていてもよい。
【0023】
センサ部311（311a，311b，311c・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311に手指等をかざすと、センサ部311は利用者の手指等の物体を検知する。
【0024】
押しボタン312（312a，312b，312c・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。押しボタン312は、所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン312を押下することが可能に構成されている。
【0025】
表示灯313（313a，313b，313c・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311に手指等をかざし、または、対応する押しボタン312を押下すると、その行き先階に対応する表示灯313が所定の態様で発光する。
【0026】
表示装置318は、乗りかご1の位置情報を始めとするエレベータに関する情報を文字等によって乗りかご1内の利用者に表示する。
【0027】
報知装置としてのスピーカ319は、乗りかご1を始めとするエレベータに関する情報を音声によるアナウンス、及びブザー音等の警報音等によって乗りかご1内の利用者に報知する。また、本実施形態では、スピーカ319は、物体検知部31および押下検知部32からの指示より押下または検知された階床が不停止階である旨のアナウンスを出力する。
【0028】
なお、表示装置318及びスピーカ319は、上述の制御盤10の制御部11からの指令を受けて、各種の表示または報知を行うことができるほか、以下に述べる物体検知部31の制御部31a、及び押下検知部32の制御部32a等の制御にしたがって、各種表示または報知を行ってもよい。
【0029】
記憶部36は、行き先階呼び、その他のエレベータの制御を行き先階呼び装置30に実行させるための各種プログラム及び各種パラメータを記憶する。このような各種パラメータには、入力端子のポート番号への階床番号の対応付けの設定、及び複数検知の際に１つのセンサ部311を特定するための検知パターンの設定等が含まれる。また、記憶部36が、行き先階呼びの判定に用いる待機期間、仮登録期間、及び保留期間の設定等を記憶していてもよい。
【0030】
また、本実施形態の記憶部36は、停止階データベース361（以下、停止階DB361と称する。）を記憶している。
図２は、第１の実施形態にかかる停止階DB361のデータ構造の一例を示す図である。図２に示すように、本実施形態の停止階DB361には、利用者のＩＤと停止階とか対応付けて登録されている。ここで、ＩＤとは利用者の識別情報である。停止階とは、乗りかご1が停止可能な階床である。
図２は、第１の実施形態にかかる停止階DB361のデータ構造の一例を示す図である。図２に示すように、本実施形態の停止階DB361には、利用者のＩＤと停止階とか対応付けて登録されている。ここで、ＩＤとは利用者の識別情報である。停止階とは、乗りかご1が停止可能な階床である。
【0031】
図１に戻り、カードリーダ360は、利用者の磁気カード等のカードをスキャンし、カードに記録されてるＩＤと停止階とを読み取る。
【0032】
本実施形態では、予め全ての行き先階は不停止階として設定されている。不停止階とは、停止階として定められた階以外の階を示し、言い換えれば、乗りかご1が停止しない階床を意味する。そして。後述する物体検知部31、押下検知部32、制御盤10の制御部11が、利用者のＩＤごとにカードに設定された停止階にのみ乗りかご1が停止させる制御を行う。
【0033】
入力部362は、カードリーダ360がスキャンしたカードのＩＤと停止階とを入力して、ＩＤと停止階とを対応づけて、記憶部36の停止階DB361に登録する。
【0034】
物体検知部31は、制御部31aと、計時部31bとを備え、いずれかのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、計時部31bが計時した結果に基づいて行き先階呼びがあったか否かを判定する。
【0035】
計時部31bは、いずれかのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、検知期間の計時を開始する。計時部31bは、そのセンサ部311が物体を検知し続けている間は、所定の期間を経過するまで計時を継続する。計時部31bは、所定期間の経過前に、そのセンサ部311が物体を検知しなくなった場合、または、所定期間が経過した後には、検知期間の計時を終了する。
【0036】
また、所定期間が経過した後にそのセンサ部311が非検知となった場合には、計時部31bは、非検知期間の計時を開始する。計時部31bは、全てのセンサ部311が非検知となっている間、所定の期間を経過するまで計時を継続する。計時部31bは、所定期間の経過前に、他のセンサ部311が物体を検知した場合、または、所定期間が経過した後には、非検知期間の計時を終了する。
【0037】
制御部31aは、不停止階に対応するセンサ部311が検知した場合に、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨の報知を制限する。
【0038】
すなわち、制御部31aは、いずれか１つのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、停止階DB361を参照して、検知されたセンサ部311に対応する階が利用者のＩＤに対応する停止階に該当するか否かを判断する。そして、制御部31aは、検知されたセンサ部311に対応する階がＩＤに対応する停止階に該当しない場合、すなわち、不停止階である場合、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨の報知を行わない。言い換えれば、制御部31aは、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨をスピーカ319から出力しない。
【0039】
制御部31aは、検知されたセンサ部311に対応する階がＩＤに対応する停止階に該当する場合には、そのセンサ部311を、利用者が意図したセンサ部311であると特定する。制御部31aは、２つ以上のセンサ部311が所定の微小期間内に利用者の手指等の物体を検知すると、予め定められた検知パターンにしたがって、これらのセンサ部311から１つのセンサ部311を、利用者が意図したセンサ部311であると特定する。
【0040】
所定の微少期間内に複数の操作が検知される場合には、２つ以上のセンサ部311が検知状態となっている期間の少なくとも一部が重なり合っている場合の他、２つ以上のセンサ部311が同時に検知状態とはならないものの、所定の微少期間内に相次いで検知状態となった場合等を含む。つまり、例えば検知状態となった１つのセンサ部311が非検知状態となった後、所定の微少期間内に別のセンサ部311が検知状態となった場合等も、所定の微少期間内に複数の操作が検知される場合に含まれる。
【0041】
制御部31aは、所定の微少期間内に複数のセンサ部311により操作が検知された場合に、これらのセンサ部311からの検知信号が入力される入力端子のポート番号に予め対応付けられた階床番号、すなわち、これらのセンサ部311のそれぞれに対応する階床を示す階床番号と検知パターンとに基づいて、１つのセンサ部311を特定する。なお、センサ部311の特定手法の詳細については後述する。
【0042】
１つのセンサ部311を特定した後、制御部31aは、計時部31bが計時した結果に基づいて、そのセンサ部311に対応する行き先階呼びがあったか否かを判定する。
【0043】
具体的には、計時部31bが計時する検知期間には、待機期間、及び仮登録期間等が設定されている。また、計時部31bが計時する非検知期間には、保留期間等が設定されている。
【0044】
制御部31aは、１つに特定したセンサ部311について待機期間を経過する前に、計時部31bが検知期間の計時を終了した場合には、そのセンサ部311に対応する行き先階への呼びはなかったものと判定する。また、制御部31aは、そのセンサ部311における検知期間が待機期間を経過した場合には、そのセンサ部311に対応する行き先階呼びの仮登録に関する情報を上述の制御盤10に送信する。
【0045】
制御盤10は、行き先階呼びの仮登録に関する情報を行き先階呼び装置30から受信すると、その行き先階呼びを仮登録する。また、制御盤10は、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313を暗点灯させる指令を制御部31aに送信する。表示灯313の暗点灯とは、例えば通常よりも低い輝度で表示灯313を点灯させることである。制御部31aは、制御盤10からの指令に基づいて、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313を暗点灯させる。
【0046】
また、制御部31aは、行き先階呼びの仮登録後、特定したセンサ部311について仮登録期間が経過する前に、計時部31bが検知期間の計時を終了した場合には、そのセンサ部311に対応する行き先階への呼びはなかったものと判定し、仮登録の取り消しに関する情報を制御盤10に送信する。
【0047】
また、制御部31aは、そのセンサ部311における検知期間が仮登録期間を経過した場合であって、計時部31bが非検知期間の計時を開始したものの、特定したセンサ部311とは異なる他のセンサ部311が操作を検知したために、保留期間を経過することなく非検知期間の計時を終了した場合にも、そのセンサ部311に対応する行き先階への呼びはなかったものと判定し、仮登録の取り消しに関する情報を制御盤10に送信する。
【0048】
上記いずれかの場合のように、仮登録の取り消しに関する情報を制御部31aから受信すると、制御盤10は、上記のように特定されたセンサ部311に対応する行き先階呼びの仮登録を取り消す。また、制御盤10は、暗点灯させていた表示灯313を消灯させる指令を制御部31aに送信する。制御部31aは、制御盤10からの指令に基づいて、暗点灯させていた表示灯313を消灯させる。
【0049】
制御部31aは、そのセンサ部311における検知期間が仮登録期間を経過した場合であって、計時部31bが非検知期間の計時を開始し、更にそのセンサ部311における非検知期間が保留期間を経過した場合には、そのセンサ部311に対応する行き先階への呼びがあったものと判定し、そのセンサ部311に対応する行き先階呼び登録に関する情報を制御盤10に送信する。
【0050】
制御盤10は、行き先階呼び登録に関する情報を制御部31aから受信すると、そのセンサ部311に対応する行き先階呼びを登録する。また、制御盤10は、暗点灯させていた表示灯313を明点灯させる指令を制御部31aに送信する。表示灯313の明点灯とは、暗点灯よりも高い輝度であって、例えば通常の輝度で表示灯313を点灯させることである。制御部31aは、制御盤10からの指令に基づいて、暗点灯させていた表示灯313を明点灯させる。
【0051】
なお、上述のように、行き先階呼びについての上記判定中に、最初に特定したセンサ部311とは異なる他のセンサ部311により操作が検知された場合、制御部31aは、計時部31bが計時した結果に基づいて、他のセンサ部311に対応する行き先階呼びがあったか否かを、上記の場合と同様に判定する。
【0052】
また、行き先階呼びについての上記判定に用いる待機期間、仮登録期間、及び保留期間は任意に設定することができる。例えば、待機期間を２０ｍｓ、仮登録機関を３００ｍｓ、保留期間を２００ｍｓなどとすることができるが、これらに限定されない。
【0053】
また、待機期間、仮登録期間、及び保留期間をエレベータごとに設定変更可能なパラメータデータとして構成し、エレベータごとに調整するように構成してもよい。例えば、不図示のキースイッチ等により待機期間、仮登録期間、及び保留期間の設定が可能に構成することができる。
【0054】
また、行き先階呼び装置30、あるいは乗り場呼び装置に付随して、不図示のボックス内等にダイヤル、またはボリュームつまみ等を設け、これらのダイヤル、またはボリュームつまみにより、行き先階呼び装置30ごと、あるいは乗り場呼び装置ごとに待機期間、仮登録期間、及び保留期間を調整するように構成することができる。
【0055】
押下検知部32は、制御部32aを備え、いずれかの押しボタン312が利用者によって押下されると、その押しボタン312に対応する行き先階呼びを受け付ける。
【0056】
制御部32aは、いずれかの押しボタン312が利用者によって押下されると、停止階DB361を参照して、押下された押しボタン312に対応する階が利用者のＩＤに対応する停止階に該当するか否かを判断する。そして、制御部32aは、押下された押しボタン312に対応する階がＩＤに対応する停止階に該当しない場合、すなわち、不停止階である場合、当該押下された押しボタン312に対応する階が不停止階である旨の報知をスピーカ319から出力させる。
【0057】
制御部32aは、押下された押しボタン312に対応する階がＩＤに対応する停止階に該当する場合、押下された押しボタン312に対応する行き先階への呼びがあったものと判定する。また、制御部32aは、行き先階への呼びがあったと判定した場合、通信部34を介して、押下された押しボタン312に対応する行き先階呼び登録に関する情報を制御盤10に送信する。これにより、押下された押しボタン312に対応する行き先階呼び登録が制御盤10によって行われ、押下された押しボタン312に対応する表示灯313が、制御盤10からの指令に基づき押下検知部32の制御部32aによって明点灯される。
【0058】
ここで、上記の例では、表示灯313の発光態様として、暗点灯と明点灯とがあるものとした。しかし、表示灯313の発光の態様として、暗点灯および明点灯は一例であり、これらに限定されない。例えば、点滅等の発光態様を採用することも可能である。
【0059】
通信部34は、物体検知部31または押下検知部32が、所定の行き先階への呼びがあったものと判定した場合には、その行き先階呼び登録に関する情報を制御盤10に送信する。また、通信部34は、制御盤10からの各種指令等を受信する。
【0060】
なお、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する押しボタン312の他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉を行う押しボタン等を備えている。この場合、上述の押下検知部32は、これらの他の押しボタンの押下を検知し、通信部34を介して制御盤10等に検知結果を送信してもよい。
【0061】
また、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する表示灯313の他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉等に対応する表示灯等を備えている。この場合、制御盤10は、検知結果等に基づいて、これらの表示灯を種々の態様で発光させてもよい。
【0062】
また、行き先階呼び装置30は、上記以外にも、乗りかご1の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。
【0063】
（エレベータ制御システムのハードウェア構成）
次に、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100のハードウェア構成について説明する。
次に、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100のハードウェア構成について説明する。
【0064】
制御盤10は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、記憶装置、及び通信インターフェース（Ｉ／Ｆ）等を備えるコンピュータとして構成されている。
【0065】
ＲＯＭには、例えばエレベータの制御に関わる各種プログラムが格納されている。ＲＯＭに格納されたこれらのプログラムが読み出されてＲＡＭに展開され、それらのプログラムをＣＰＵが実行することにより、制御盤10の各種機能が実現される。
【0066】
行き先階呼び装置30は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、記憶装置、及び通信Ｉ／Ｆ等を備えるコンピュータとして構成されている。行き先階呼び装置30はまた、上述のように、センサ部311（311a，311b，311c・・・）、押しボタン312（312a，312b，312c・・・）、表示灯313（313a，313b，313c・・・）、カードリーダ360、表示装置318、及びスピーカ319を備えている。
【0067】
ＲＯＭには、例えば行き先階呼びの受け付け、上述のセンサ部311、押しボタン312、及び表示灯313等の各部の制御に関わる各種プログラムが格納されている。ＲＯＭに格納されたこれらのプログラムが読み出されてＲＡＭに展開され、ＣＰＵによって実行されることにより、行き先階呼び装置30のエレベータ制御装置としての機能が実現される。
【0068】
ここで、制御盤10及び行き先階呼び装置30が有する制御プログラム等は、コンピュータで実行可能な、エレベータの制御に関する複数の命令を含むコンピュータ読み取り可能かつ非遷移的な記録媒体（Non-transitory Computer Readable Recording Medium）を有するコンピュータプログラムプロダクトである。制御プログラム等は、例えばモジュール構成となっており、これらのモジュールが主記憶装置上にロードされる。
【0069】
また、制御プログラム等は、例えばコンピュータでの読み取りが可能なように記録媒体等に格納されて提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、またはフラッシュメモリ等である。ただし、制御プログラム等は、ネットワークに置かれたサーバ等により配信され、または、ダウンロード可能なように構成されることで、他の様々な手法により提供されてもよい。
【0070】
なお、主に、行き先階呼び装置30によって実行される制御プログラムによりエレベータ制御プログラムが構成される。ただし、制御盤10によって実行される制御プログラムと、行き先階呼び装置30によって実行される制御プログラムとが協働することによってエレベータ制御プログラムが構成されてもよい。
【0071】
（操作盤の構成例）
図３は、実施形態にかかる行き先階呼び装置30の一部である操作盤320の構成の一例を示す模式図である。
図３は、実施形態にかかる行き先階呼び装置30の一部である操作盤320の構成の一例を示す模式図である。
【0072】
操作盤320は、エレベータの乗りかご1内の利用者による操作を受け付けたり、利用者に乗りかご1の運行状況等を表示したりすることが可能なように、乗りかご1内に設置される。
【0073】
操作盤320の設置位置は、例えば乗りかご1内の扉右横、つまり、乗りかご1内の扉側に向かって右側袖壁部分である。操作盤320が、乗りかご1の左側袖壁部分、または、側板部分等の他の部分に設置されていてもよい。
【0074】
操作盤320は、例えば、行き先階表示部310（310a，310b，310c・・・）、センサ部311（311a，311b，311c・・・）、押しボタン312（312a，312b，312c・・・），315（315e，315c）、表示灯313（313a，313b，313c・・・），316（316e，316c）、開閉表示部314（314e，314c）、カードリーダ360、表示装置318、及びスピーカ319を備える。
【0075】
行き先階表示部310は、例えば乗りかご1の行き先階の数字が示された文字盤等であり、乗りかご1の行き先階に対応して操作盤320に複数配置されている。図３の例では、乗りかご1の行き先階である１階～１６階にそれぞれ対応して、１６個の行き先階表示部310a，310b，310c・・・（一部省略）が縦方向に２列で配置されている。
【0076】
押しボタン312は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に操作盤320に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれの前面には、対応する行き先階表示部310である文字盤等がはめ込まれている。図３の例では、縦方向に２列に並ぶ行き先階表示部310a，310b，310c・・・に、それぞれ対応する１６個の押しボタン312a，312b，312c・・・が一体化されて配置されている。
【0077】
乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応する押しボタン312を押下すると、上述の押下検知部32（図１参照）が、対応する行き先階表示部310への操作として押しボタン312の押下を検知する。
【0078】
センサ部311は、非接触式のセンサであり、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して操作盤320に複数配置されている。図３の例では、縦方向に２列に並ぶ行き先階表示部310a，310b，310c・・・に、それぞれ対応する１６個のセンサ部311a，311b，311c・・・が、押しボタン312a，312b，312c・・・と一体化されて配置されている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応するセンサ部311に手指等をかざすと、そのセンサ部311が、対応する行き先階表示部310への操作として利用者の手指等を検知する。
【0079】
センサ部311は、例えば反射型光電センサ等として構成されている。反射型光電センサは、赤外線をセンサの外側へ向けて投光し、その光が当たった物体からの反射光を受光することで、非接触に物体を検知する。ただし、センサ部311は、非接触で物体を検知することができればよく、例えば静電容量型センサ等の他の型式のセンサとして構成されていてもよい。静電容量型センサは、センサの周囲に電界を発生させ、電界内に進入した物体によって静電容量が変化することにより非接触に物体を検知する。
【0080】
このように、図３の例では、１，３，５，７，９，１１，１３，１５階に対応する行き先階表示部310と、センサ部311及び押しボタン312とのセットが縦１列に配置され、その列の右隣に、２，４，６，８，１０，１２，１４，１６階に対応する行き先階表示部310と、センサ部311及び押しボタン312とのセットが縦１列に配置されている。
【0081】
なお、行き先階表示部310とセンサ部311及び押しボタン312とが、セットで縦１列に配置されていてもよい。また、行き先階表示部310とセンサ部311及び押しボタン312とが、セットで縦３列以上に配置されていても良い。また、行き先階表示部310とセンサ部311及び押しボタン312とが、セットで横１列、または横２列以上に配置されていても良い。
【0082】
ここで、図３の例は、センサ部311と押しボタン312とは一体化されている。ただし、これに限定されず、センサ部311と押しボタン312とを別体で構成することもできる。
【0083】
表示灯313は、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に操作盤320に複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれの背面に、それぞれ表示灯313が埋め込まれている。上述のように、ネットワークに接続された制御盤10からの点灯指令に基づいて、対応する表示灯313が明点灯あるいは暗点灯等の、複数の態様で点灯する。表示灯313が点灯すると、押しボタン312及び行き先階表示部310を透過した表示灯313の光が利用者に目視される。
【0084】
図３の例では、複数の表示灯313のうち、３階と１５階の行き先階表示部310に対応する表示灯313が暗点灯または明点灯する様子を示している。
【0085】
なお、図３においては、一部の階に対応する行き先階表示部310、センサ部311、押しボタン312、及び表示灯313にのみ符号を付している。これ以降、所定階に対応する行き先階表示部310、センサ部311、押しボタン312、及び表示灯313について述べる場合には、階床番号でこれらを呼び習わすこととする。
【0086】
すなわち、例えば１階に対応する行き先階表示部310a、センサ部311a、押しボタン312a、及び表示灯313aを、それぞれ１階の行き先階表示部310、１階のセンサ部311、１階の押しボタン312、及び１階の表示灯313などと呼称する。また例えば、３階に対応する行き先階表示部310c、センサ部311c、押しボタン312c、及び表示灯313cを、それぞれ３階の行き先階表示部310、３階のセンサ部311、３階の押しボタン312、及び３階の表示灯313などと呼称する。
【0087】
開閉表示部314は、例えば乗りかご1の扉の開閉を表示する表示盤等であり、乗りかご1の戸開を表示する開閉表示部314e、及び乗りかご1の戸閉を表示する開閉表示部314cを含む。図３の例では、開閉表示部314e，314cが左右に並んで操作盤320に配置されている。
【0088】
押しボタン315は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、開閉表示部314e，314cにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314と一体的に操作盤320に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン315e，315cのそれぞれの前面には、対応する開閉表示部314e，314cである表示盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、乗りかご1の扉の開閉を行うために、対応する押しボタン315を押下すると、上述の押下検知部32が、対応する開閉表示部314への操作として押しボタン315の押下を検知する。
【0089】
表示灯316は、所定の態様で発光することが可能に構成され、開閉表示部314e，314cにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314と一体的に操作盤320に内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン315e，315cのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯316e，316cが埋め込まれている。例えば押下検知部32の検知結果に基づいて、対応するいずれかの表示灯316e，316cを点灯すると、押しボタン315及び開閉表示部314を透過した表示灯316の光が利用者に目視される。これにより、利用者は、自身の操作がどちらの開閉表示部314e，314cに対する操作と認識されたかを知ることができる。
【0090】
図３の例では、表示灯316e，316cのいずれもが消灯している様子を示している。
【0091】
表示装置318は、例えば液晶表示部としての液晶パネルとして構成され、乗りかご1が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。図３の例では、上向き矢印と「3」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は３階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。
【0092】
スピーカ319は、例えば操作盤320の表示装置318近傍に配置され、上述のとおり、乗りかご1及びエレベータの状態等に関する情報を乗りかご1内の利用者に報知する。
【0093】
なお、操作盤320の構成および各種構成の配置は図３の例に限られない。
【0094】
例えば、センサ部311の近傍に、センサ部311の存在を示す表示またはセンサ部311に手指等をかざす操作を促す表示等を配置してもよい。これらの表示は、例えばセンサ部311の近傍に所望の表示が記されたシール等を貼付することで配置することができる。
【0095】
また、それぞれのセンサ部311の近傍に、それらのセンサ部311に対応する行き先階を示す点字、センサ部311の存在を示す点字、またはセンサ部311に手指等をかざす操作を促す点字等を配置してもよい。これらの点字は、例えばセンサ部311の近傍に所望の点字が付された銘板等を設置することで配置することができる。
【0096】
また、操作盤320は、乗りかご1の戸開および戸閉も非接触で行うことができるよう、開閉表示部314e，314cにそれぞれ対応するセンサ部を備えていてもよい。
【0097】
その他、操作盤320は、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。
【0098】
図４は、実施形態にかかるセンサ部311と押しボタン312とを側面から見た構成およびセンサ部311の検知範囲401を示す模式図である。
【0099】
図４に示すように、センサ部311は押しボタン312の裏面3122側に装着されている。このような配置により、センサ部311は、押しボタン312のおもて面3121から所定距離だけ離れた検知範囲401を有する。ここで、押しボタン312のおもて面3121は、行き先階表示部310のおもて面でもある。
【0100】
センサ部311の検知範囲401は、全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。つまり、検知範囲401は、押しボタン312のおもて面3121から所定距離、離間した位置から更に所定距離だけ離間した位置までの空間領域であり、この空間領域で利用者の操作が検知される。換言すれば、センサ部311は、押しボタン312のおもて面3121から所定距離、離間した位置までの空間領域405では利用者の操作を検知しない。
【0101】
また、センサ部311の検知範囲401は、おもて面3121と直交する方向D1から見て押しボタン312のおもて面3121内に収まり、かつ、その中央がおもて面3121の中央と略重なるように設定されている。検知範囲401の中央とおもて面3121の中央とは、方向D1から見て一致していてよい。また、検知範囲401は、押しボタン312のおもて面3121から離れるにしたがって狭まる山型である。
【0102】
センサ部311によって検知されない空間領域405の距離は、例えば押しボタン312のおもて面3121から５ｍｍ程度である。また、センサ部311の検知範囲401となる距離は、例えば押しボタン312のおもて面3121から方向D1に向かって２５ｍｍ程度とすることができる。ただし、これらの距離についてはこれに限定されない。
【0103】
利用者は、センサ部311を用いて行き先階呼びを行う際には、自分の手指403等を押しボタン312へ向けて前進させる。その際に、センサ部311の検知範囲401に指先が入ってセンサ部311が検知状態となり、指先が検知範囲401から抜けて空間領域405に入ると、センサ部311は非検知状態となる。押しボタン312を用いて行き先階呼びを行う際には、利用者が更に手指403を前進させることで、押しボタン312が押下される。
【0104】
（エレベータ制御処理）
次に、以上のように構成された本実施形態のエレベータ制御システム100によるエレベータ制御処理について説明する。
図５は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
次に、以上のように構成された本実施形態のエレベータ制御システム100によるエレベータ制御処理について説明する。
図５は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0105】
利用者がエレベータの乗りかご1に乗車すると、まず、手持ちのカードを、操作盤320の前面に設けられたカードリーダ360にかざす。行き先階呼び装置30では、カードリーダ360がカードの磁気情報をスキャンする。そして、入力部362は、スキャンされた磁気情報から利用者のＩＤと停止階とを入力して特定し、記憶部36の停止階ＤＢ361に、ＩＤと停止階とを対応付けて登録する（S101）。
【0106】
次に、物体検知部31の制御部31aは、センサ部311が検知したかどうかを判断する（S103）。そして、制御部31aは、センサ部311の検知待ち状態となる（S103:No）。いずれかのセンサ部311が検知した場合には（S103:Yes）、制御部31aは、一定時間内に複数のセンサ部311が検知したかどうかを判断する（S105）。複数のセンサ部311が検知した場合には（S105:Yes）、制御部31aは、検知された複数のセンサ部311の中から利用者が行き先階呼びを意図している階に対応するセンサ部311を特定し、当該特定されたセンサ部311のみを有効とする（S107）。一方、S105で複数のセンサ部311が検知されていない場合には（S105:No）、単一のセンサ部311が検知していることになるので、制御部31aは当該センサ部311を有効とする。
【0107】
ここで、S107におけるセンサ部311の特定手法について説明する。
図６は、実施形態にかかる行き先階呼び装置30によるセンサ部311の特定手法の一例を説明する模式図である。
図６は、実施形態にかかる行き先階呼び装置30によるセンサ部311の特定手法の一例を説明する模式図である。
【0108】
図６（ａ）に示すように、検知パターンの一例として、行き先階呼び装置30の制御部31aは、複数のセンサ部311により操作が検知された場合に、複数のセンサ部311のうち、操作盤320の最上位に配置されるセンサ部311を、利用者が意図するセンサ部311として特定する。
【0109】
図６（ａ）の例では、２列のうち右側の列上で、利用者が、目的とする１６階のセンサ部311に手指403を接近させたため、１６階のセンサ部311がオンしたほか、８，１０，１２，１４階のセンサ部311もオンしたものとする。
【0110】
この場合、制御部31aは、これら８，１０，１２，１４，１６階のセンサ部311のうち、操作盤320の最上位に配置される１６階のセンサ部311を、有効なセンサ部311として特定する。つまり、制御部31aは、特定したセンサ部311に対応する１６階を行き先階として、上述の諸条件にしたがって行き先階呼びの仮登録、及び本登録の処理を進める。
【0111】
利用者が、目的とする行き先階のセンサ部311を操作しようとする場合、一般的には、延ばした人差し指等の指先を目的のセンサ部311に接近させるものと考えられる。したがって、上記のように複数のセンサ部311がオンした場合には、最上位のセンサ部311を有効なセンサ部311として特定することで、利用者の意図にしたがう動作となる。
【0112】
図６（ｂ）に示すように、検知パターンの他の例として、制御部31aは、操作盤320の複数列に跨る複数のセンサ部311により操作が検知された場合には、複数列のそれぞれにおける最上位のセンサ部311の位置がより高い方の列における最上位のセンサ部311を利用者が意図するセンサ部311として特定する。
【0113】
図６（ｂ）の例では、利用者が、操作盤320の双方の列を覆うように、目的とする１５階のセンサ部311に手指403を接近させたため、目的の１５階のセンサ部311がオンしたほか、１１，１２，１３，１４階のセンサ部311もオンしたものとする。
【0114】
この場合、制御部31aは、それぞれの列において最上位となる１４階および１５階のセンサ部311のうち、操作盤320のより高い位置にある１５階のセンサ部311の属する左側の列であって、その列における最上位の１５階のセンサ部311を有効なセンサ部311として特定する。つまり、制御部31aは、特定したセンサ部311に対応する１５階を行き先階として、上述の諸条件にしたがって行き先階呼びの仮登録、及び本登録の処理を進める。
【0115】
上記のように、利用者は、延ばした人差し指等の指先を目的のセンサ部311に接近させると考えられることから、複数列に跨る複数のセンサ部311がオンした場合には、これらの複数列において、操作盤320のより高い位置にあるセンサ部311が目的のセンサ部311である可能性が高い。したがって、上記のように複数列のより高い位置にあるセンサ部311を有効なセンサ部311として特定することで、利用者の意図にしたがう動作となる。
【0116】
図６（ｃ）に示すように、検知パターンのさらに他の例として、制御部31aは、操作盤320の複数列に跨る複数のセンサ部311により操作が検知され、また、複数列のそれぞれにおける最上位のセンサ部311の操作盤320における位置が同じ高さであった場合には、複数列のそれぞれにおいて、オンしたセンサ部311の個数が少ない方の列における最上位のセンサ部311を利用者が意図するセンサ部311として特定する。
【0117】
図６（ｃ）の例では、利用者が、操作盤320の双方の列を覆うように、目的とする１５階のセンサ部311に手指403を接近させたため、目的の１５階のセンサ部311がオンしたほか、１４，１６階のセンサ部311もオンしたものとする。このとき、それぞれの列において最上位となる１５，１６階のセンサ部311は、操作盤320において同じ高さに位置している。
【0118】
この場合、制御部31aは、１５階の１つのセンサ部311がオンした左側の列と、１４，１６階の２つのセンサ部311がオンした右側の列とのうち、オンしたセンサ部311の数が少ない左側の列であって、その列における最上位の１５階のセンサ部311を有効なセンサ部311として特定する。つまり、制御部31aは、特定したセンサ部311に対応する１５階を行き先階として、上述の諸条件にしたがって行き先階呼びの仮登録、及び本登録の処理を進める。
【0119】
利用者が、延ばした人差し指等の指先を目的のセンサ部311に接近させる場合には、上記の図６（ｂ）の例のように、複数列の中央方向から手指403を接近させる場合と、図６（ｃ）の例のように、複数列の右側あるいは左側等、片側方向から手指403を接近させる場合とが考えられる。また、複数列の片側方向から手指403を接近させた場合、複数列の同じ高さに位置する最上位のセンサ部311がともにオンすることも考えられる。
【0120】
このような場合、複数列の右側あるいは左側等、手指403を接近させた側の列において、より多くのセンサ部311がオンする可能性が高い。したがって、上記のように、オンしたセンサ部311がより少ない側の列であって、その列の最上位のセンサ部311を有効なセンサ部311として特定することで、利用者の意図にしたがう動作となる。
【0121】
図５に戻り、センサ部311が特定されたら、制御部31aは、停止階DB361を参照し、特定されたセンサ部311に対応する階が、停止階に該当するか否かを判断する（S109）。そして、特定されたセンサ部311に対応する階が、停止階に該当する場合には（S109:Yes）、当該階の行き先階呼びを通信部34を介して制御盤10に送信する（S111）。これにより、行き先階呼び登録がなされることになる。
【0122】
一方、S109で、特定されたセンサ部311に対応する階が停止階に該当しない場合、すなわち、不停止階である場合（S109:No）、処理はS103に戻る。すなわち、この場合には、制御部31aは、特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスを行わない。
【0123】
このように本実施形態では、物体検知部31の制御部31aは、不停止階に対応するセンサ部311が検知した場合に、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨の報知を制限する。具体的には、制御部31aは、検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨の報知を行わない。
【0124】
このため、本実施形態によれば、誤ったり、あるいはいたずらによって、利用者が呼びを意図しない不停止階に対応するセンサ部311が検知しても、不停止階の旨の報知を制限することで、閉鎖された乗りかご1の空間で、同じアナウンスが繰り返し出力されることを回避して、利用者に便宜を図ることができる。
【0125】
（第２の実施形態）
第１の実施形態では、利用者がセンサ部311に手指をかざすことにより特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、不停止階である旨のアナウンスの出力を行わなかった。この第２の実施形態では、初回の検知のみ不停止階である旨のアナウンスの出力を行っている。
第１の実施形態では、利用者がセンサ部311に手指をかざすことにより特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、不停止階である旨のアナウンスの出力を行わなかった。この第２の実施形態では、初回の検知のみ不停止階である旨のアナウンスの出力を行っている。
【0126】
第２の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の構成、停止階ＤＢ361の構造、操作盤320の構成、センサ部311と押しボタン312の構造については、図１～４を用いて説明した第１の実施形態と同様である。ただし、本実施形態にかかる行き先階呼び装置30では、物体検知部31の制御部31aの機能が第１の実施形態と異なっている。
【0127】
本実施形態の制御部31aは、制御部31aは、不停止階に対応するセンサ部311が検知されるごとに、階ごとに検知の回数をカウントアップして記憶部36に記憶しておく。
【0128】
また、制御部31aは、不停止階に対応するセンサ部311が検知した場合に、当該センサ部311の検知が初回であるか否かを記憶部36に記憶してある階ごとのカウント数を参照して判断する。そして、制御部31aは、当該不停止階に対する検知が初回である場合に、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの報知をスピーカ319から行い、２回目以降である場合には、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの報知を行わない。
【0129】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるエレベータ制御システム100によるエレベータ制御処理について説明する。
図７は、第２の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図７は、第２の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0130】
利用者のカードのスキャンから、特定されたセンサ部311に対応する階が停止階であるか否かの判断までの処理（S101～S109）は、第１の実施形態と同様に行われる。
【0131】
S109にて、特定されたセンサ部311に対応する階が、停止階に該当する場合には（S109:Yes）、第１の実施形態と同様に、当該階の行き先階呼びを通信部34を介して制御盤10に送信する（S111）。これにより、行き先階呼び登録がなされることになる。
【0132】
一方、S109で、特定されたセンサ部311に対応する階が停止階に該当しない場合、すなわち、不停止階である場合（S109:No）、制御部31aは、記憶部36を参照して、当該不停止階に対応するセンサ部311の検知が初回であるか否かを判断する（S201）。
【0133】
そして、初回である場合には（S201:Yes）、制御部31aは、検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスをスピーカ319から出力させる（S203）。一方、S201で、当該不停止階に対応するセンサ部311の検知が２回目以降である場合には、処理はS103に戻る。すなわち、この場合には、制御部31aは、特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの出力を行わない。
【0134】
このように本実施形態では、制御部31aは、当該不停止階に対する検知が初回である場合に、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの報知をスピーカ319から行い、２回目以降である場合には、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの報知を行わない。
【0135】
このため本実施形態によれば、第１の実施形態と同様の作用効果を奏する他、初回のみ利用者に不停止階の旨を報知することで、利用者の不停止階の把握を確実にさせるとともに、２回目以降の検知によってアナウンスが出力されない理由を利用者に知らせることができ、より利用者の便宜を図ることができる。
【0136】
（第３の実施形態）
第１の実施形態では、利用者がセンサ部311に手指をかざすことにより特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、不停止階である旨のアナウンスの出力を行わなかった。この第３の実施形態では、センサ部311の検知が一定時間継続している場合に、不停止階である旨のアナウンスの出力を行っている。
第１の実施形態では、利用者がセンサ部311に手指をかざすことにより特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、不停止階である旨のアナウンスの出力を行わなかった。この第３の実施形態では、センサ部311の検知が一定時間継続している場合に、不停止階である旨のアナウンスの出力を行っている。
【0137】
第３の実施形態にかかるエレベータ制御システム1009の構成、停止階ＤＢ361の構造、操作盤320の構成、センサ部311と押しボタン312の構造については、図１～４を用いて説明した第１の実施形態と同様である。ただし、本実施形態にかかる行き先階呼び装置30では、物体検知部31の制御部31a、計時部31bの機能が第１の実施形態と異なっている。
【0138】
本実施形態の物体検知部31の計時部31bは、さらに、センサ部311が検知され、かつ特定されてから計時を開始する。また、計時部31bは、その後、センサ部311が非検知になった場合、および、第１の時間経過した場合に、計時を終了する。かかる一定時間は、管理者によって任意に定めることができ、また変更可能である。
【0139】
本実施形態の制御部31aは、不停止階に対応するセンサ部311が検知し、かつ特定された場合に、当該センサ部311の検知から計時部31bが計時する第１の時間経過したか否かを判断する。そして、制御部31aは、第１の時間が経過した場合に、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの報知をスピーカ319に出力させる。
【0140】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるエレベータ制御システム100によるエレベータ制御処理について説明する。
図８は、第３の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図８は、第３の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0141】
利用者のカードのスキャンから、特定されたセンサ部311に対応する階が停止階であるか否かの判断までの処理（S101～S109）は、第１の実施形態と同様に行われる。
【0142】
S109にて、特定されたセンサ部311に対応する階が、停止階に該当する場合には（S109:Yes）、第１の実施形態と同様に、当該階の行き先階呼びを通信部34を介して制御盤10に送信する（S111）。これにより、行き先階呼び登録がなされることになる。
【0143】
一方、S109で、特定されたセンサ部311に対応する階が停止階に該当しない場合、すなわち、不停止階である場合（S109:No）、計時部31bは計時を開始する（S301）。そして、制御部31aは、計時開始から第１の時間が経過したか否かを判断する（S303）。
【0144】
第１の時間が経過した場合には（S303:Yes）、検知され、かつ特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスをスピーカ319に出力させる（S203）。そして、計時部31bは、計時を終了し（S307）、処理はS103に戻る。
【0145】
一方、S303で、まだ第１の時間が経過していない場合には（S303:No）、制御部31aは、当該センサ部311が非検知になったか否かを判断する（S305）。そして、センサ部311が非検知になっていない場合には（S305:No）、処理はS303に戻る。
【0146】
一方、S305にて、センサ部311が非検知になった場合には（S305:Yes）、計時部31bは計時を終了する（S307）。そして、処理はS103に戻る。すなわち、この場合には、制御部31aは、特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの出力を行わない。
【0147】
このように本実施形態では、制御部31aは、不停止階に対応するセンサ部311が検知し、かつ特定された場合に、当該センサ部311の検知から第１の時間が経過した場合に、当該検知されたセンサ部311に対応する階が不停止階である旨のアナウンスの報知をスピーカ319に出力させる。
【0148】
このため、本実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を奏する他、利用者が確実に不停止階に対する行き先階呼びを行う意図がある場合に、不停止階である旨を利用者に把握させることができ、より利用者の便宜となる。
【0149】
（第４の実施形態）
第１～３の実施形態では、予め全ての階が不停止階と設定されており、利用者が乗りかご1に乗った際に、カードをスキャンして、停止階を設定していたが、この第４の実施形態では、エレベータが稼働する際には、停止階と不停止階とが既に設定されているものである。このため、本実施形態では、カードをスキャンして停止階を設定する必要がない。
第１～３の実施形態では、予め全ての階が不停止階と設定されており、利用者が乗りかご1に乗った際に、カードをスキャンして、停止階を設定していたが、この第４の実施形態では、エレベータが稼働する際には、停止階と不停止階とが既に設定されているものである。このため、本実施形態では、カードをスキャンして停止階を設定する必要がない。
【0150】
図９は、第４の実施形態にかかるエレベータ制御システム1100の機能構成の一例を示すブロック図である。図９に示すように、エレベータ制御システム1100は、制御盤10及び行き先階呼び装置1030を備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。ここで、制御盤10、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4については、第１～３の実施形態と同様である。
【0151】
エレベータ制御装置としての行き先階呼び装置1030は、物体検知部1031、センサ部311（311a，311b，311c・・・）、押下検知部32、押しボタン312（312a，312b，312c・・・）、表示灯313（313a，313b，313c・・・）、表示装置318、スピーカ319、通信部34、及び記憶部1036を備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。本実施形態では、行き先階呼び装置1030は、カードリーダ、入力部を備えていない。また、センサ部311（311a，311b，311c・・・）、押下検知部32、押しボタン312（312a，312b，312c・・・）、表示灯313（313a，313b，313c・・・）、表示装置318、スピーカ319、通信部34は第１～３の実施形態と同様である。
【0152】
記憶部1036には、停止階と不停止階の階床番号が記憶されている。
物体検知部1031は、第１～３の実施形態と同様の機能を有する。ただし、物体検知部1031の制御部1031aは、センサ部311が検知されて特定された場合、記憶部1036に設定された停止階および不停止階の階床番号を参照し、センサ部311に対応する階が停止階であるか否かを判断する。
物体検知部1031は、第１～３の実施形態と同様の機能を有する。ただし、物体検知部1031の制御部1031aは、センサ部311が検知されて特定された場合、記憶部1036に設定された停止階および不停止階の階床番号を参照し、センサ部311に対応する階が停止階であるか否かを判断する。
【0153】
本実施形態の操作盤320の構成は、第１～３の実施形態の操作盤320と同様である。ただし。カードリーダは備えていないか、あるいは備えていても利用されない。
【0154】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるエレベータ制御システム1100によるエレベータ制御処理について説明する。
【0155】
図１０は、第４の実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。図１０は、第１の実施形態と同様に、検知されかつ特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、不停止階の旨のアナウンスを出力しない場合の例である。
【0156】
本実施形態のエレベータ制御処理では、利用者が乗りかご1に乗る際には、停止階およぼ不停止階が決まっているため、第１の実施形態のようにカードスキャンは行われない。このため、物体検知部1031の制御部1031aは、センサ部311が検知したか否かを判断し（S103）、以降、S111までの処理は第１の実施形態にかかるエレベータ制御処理と同様に行われる。ただし、S109にて制御部1031aは、記憶部1036に設定されている停止階の情報を参照して、特定されたセンサ部311が停止階か否かを判断することになる。
【0157】
図１１は、第４の実施形態の変形例にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0158】
この図１１の例では、第２の実施形態と同様に、検知されかつ特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、初回に検知された場合に不停止階の旨のアナウンスを出力し、２回目以降の検知の場合には不停止階の旨のアナウンスを出力しないように構成している。この例においても、カードスキャンは行われず、S103～S203までの処理は第２の実施形態と同様に行われる。
【0159】
図１２は、第４の実施形態の他の変形例にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0160】
この図１２の例では、第３の実施形態と同様に、検知されかつ特定されたセンサ部311に対応する階が不停止階である場合には、第１の時間継続して当該センサ部311が検知されている場合に、不停止階の旨のアナウンスを出力するように構成している。この例においても、カードスキャンは行われず、S103～S307までの処理は第３の実施形態と同様に行われる。
【0161】
このように第４の実施形態およびその変形例では、エレベータが稼働する際には、停止階と不停止階とが既に設定されていることを前提に、第１～３の実施形態と同様のエレベータ制御が行われるので、第１～３の実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第４の実施形態およびその変形例では、利用者が不停止階を正確に把握しないまま、行き先階呼びを行う場合も考えられるが、このような利用者により不停止階の認識不足による操作に対しても不必要に不停止階の旨のアナウンスの出力を制限することができ、利用者如とってより便宜となる。
【0162】
（変形例）
上記実施形態には種種の変形例を適用することができる。
例えば、乗りかご1に、二つの扉とそれぞれの扉の横に操作盤（すなわち正面、背面）が設けられている場合において、各操作盤のセンサ部311の検知に対して上記実施形態を適用することもできる。
上記実施形態には種種の変形例を適用することができる。
例えば、乗りかご1に、二つの扉とそれぞれの扉の横に操作盤（すなわち正面、背面）が設けられている場合において、各操作盤のセンサ部311の検知に対して上記実施形態を適用することもできる。
【0163】
また、上記実施形態では、乗りかご1内からの行き先階呼びを行う場合を例にあげて説明したが、乗り場において行き先階呼びを行うことができる構成の場合には、乗り場からの行き先階呼びのためのセンサ部311の検知にも上記実施形態を適用することができる。
【0164】
また、不停止階の解除は、操作盤に設けられるキースイッチから行うように構成してもよい。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0166】
1…乗りかご、2…駆動装置、3…カウンタウェイト、4…ロープ、10…制御盤、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、30,1030…行き先階呼び装置、31,1031…物体検知部、31a,1031a…制御部、31b…計時部、32…押下検知部、32a…制御部、34…通信部、36,1036…記憶部、100,1100…エレベータ制御システム、310…行き先階表示部、311…センサ部、312，315…押しボタン、313，316…表示灯、360…カードリーダ、361…停止階データベース、362…入力部、318…表示装置、319…スピーカ、320…操作盤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】