(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074103
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】皮膚バリアー機能改善剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/68 20060101AFI20240523BHJP
A61K 31/7028 20060101ALI20240523BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240523BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240523BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20240523BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240523BHJP
A23L 33/12 20160101ALI20240523BHJP
A23G 3/40 20060101ALI20240523BHJP
A23G 4/06 20060101ALI20240523BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A61K8/68
A61K31/7028
A61P43/00 111
A61P17/00
A61K36/899
A61Q19/00
A23L33/12
A23G3/40
A23G4/06
A23L2/00 F
A23L2/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185173
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】594045089
【氏名又は名称】オリザ油化株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村井 弘道
(72)【発明者】
【氏名】米田 朱里
(72)【発明者】
【氏名】竹田 翔伍
(72)【発明者】
【氏名】下田 博司
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4B117
4C083
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4B014GB06
4B014GB07
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4C086ZA89
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4C088ZC41
(57)【要約】
【課題】 新規で特に顕著な効果を有する皮膚バリアー機能改善剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
1. コメ由来のグルコシルセラミドを有効成分とするフィラグリン産生促進剤。
2. 上記グルコシルセラミドは、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)である上記1.に記載のフィラグリン産生促進剤。
3. コメ由来のグルコシルセラミドを有効成分とするコルネオデスモシン産生促進剤。
4. 上記グルコシルセラミドは、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)である上記3.に記載のコルネオデスモシン産生促進剤。
5. 上記1.~上記4.のいずれか1つに記載の剤を有効成分とする皮膚バリアー機能改善剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コメ由来のグルコシルセラミドを有効成分とするフィラグリン産生促進剤。
【請求項2】
上記グルコシルセラミドは、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)である請求項1に記載のフィラグリン産生促進剤。
【請求項3】
コメ由来のグルコシルセラミドを有効成分とするコルネオデスモシン産生促進剤。
【請求項4】
上記グルコシルセラミドは、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)である請求項3に記載のコルネオデスモシン産生促進剤。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の剤を有効成分とする皮膚バリアー機能改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコシルセラミドの皮膚バリアー機能改善剤に関する。本発明は、食品、医薬品、医薬部外品、化粧料、皮膚外用剤等に広く利用される。
【背景技術】
【0002】
スフィンゴ脂質は、脂肪酸と長鎖塩基であるスフィンゴシンが酸アミド結合をした化合物の総称であり、代表的なものとしてセラミドが挙げられる。一般に、脂肪酸と長鎖塩基から構成されるセラミドアグリコンや、セラミドアグリコンにグルコースが結合したグルコシルセラミド、ホスホリルコリンが結合したスフィンゴミエリン等がセラミドと呼称される。
グルコシルセラミドは、米、トウモロコシ、こんにゃくなど様々な植物に存在する化合物である。現在まで、様々な種類のグルコシルセラミドが単離・同定されており、植物ごとに含まれる組成が異なることも知られている。
グルコシルセラミドは、皮膚の保湿効果、水分調節、弾力性保持、表面保護(バリア効果)、コラーゲン保護、酸化防止(ビタミンCやEの安定化)等の機能が知られており、化粧品の分野で広く用いられている。また、最近では、グルコシルセラミドの作用として、外界から体内への抗原の侵入を阻止し、アトピー性皮膚炎を抑えることが明らかになり、医薬品としての開発も進められている(特許文献1)。
【0003】
表皮の角質層は皮膚の最上面に位置し,水分の蒸散を押さえることで保湿機能を果たしている。また,外界からの微生物やウィルスの進入,紫外線,侵襲刺激を抑制するバリアー機能を果たしている。これまで角質層に存在するスフィンゴ脂質であるセラミドはこれらの機能に重要であることが提唱されてきた。しかし,近年の研究で他のタンパク質も皮膚のバリアー機能により重要な役割を果たしていることが証明されてきている。
フィラグリン(Fillagrin)は、表皮の顆粒細胞で産生される塩基性タンパク質の一種であり、皮膚のバリアー機能に欠かすことのできない角質層を形成するにあたり、ケラチンとともに重要な役割を担っている。前駆体のプロフィラグリンとして生合成され、角質層が形成される段階で、リン酸プロフィラグリンが脱リン酸化と限定加水分解を受けて分解し、フィラグリンが作られる。プロフィラグリンは、フィラグリンが10~12個繋がった巨大なタンパク質である。フィラグリンが作られないと角質に異常がおこり、皮膚のバリアー機能が低下し、皮膚炎の原因となる。またアトピー性皮膚炎の患者に、フィラグリンの遺伝子異常が多く見つかっていて、アトピー性皮膚炎治療の鍵となる物質として、注目されている。また、尋常性魚鱗癬の患者は、フィラグリンの発現が極度に低下していることが分かっている(特許文献2)。
【0004】
デスモソームは細胞と細胞をつなぎ合わせる役割を担っているが、皮膚の角質層では通常のデスモソームから少し変化したコルネオデスモソームがその役割を担っている。コルネオデスモシンはコルネオデスモソームの中心に存在するタンパク質で、コーニファイドエンベロープとも結合していることが知られている。コルネオデスモソームの酵素分解が角質の皮膚最上層での剥離につながっている。
このため、皮膚老化に伴うデスモソーム構成タンパクの発現減少は、シワ形成、肌理紋様減少、肌荒れが起こるので、コルネオデスモシン等のデスモソーム構成タンパクの発現促進を促す必要がある。
このようにフィラグリン、コルネオデスモシンの産生を促進することによって、皮膚機能を正常化し、シワ形成抑制、肌荒れ防止、肌理正常化、アトピー性皮膚炎等に有効な皮膚外用剤が得られる(特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】特開2001-097983号公報
【特許文献2】特開2019-023203号公報
【特許文献3】特開2021-176881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような背景の下、本発明者は、グルコシルセラミドのうち、所定の脂肪酸と、スフィンゴシンが結合したグルコシルセラミドに特に顕著なフィラグリン産生促進作用及びコルネオデスモシン産生促進作用を有すること見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は新規で特に顕著な効果を有する皮膚バリアー機能改善剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1. コメ由来のグルコシルセラミドを有効成分とするフィラグリン産生促進剤。
2. 上記グルコシルセラミドは、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)である上記1.に記載のフィラグリン産生促進剤。
3. コメ由来のグルコシルセラミドを有効成分とするコルネオデスモシン産生促進剤。
4. 上記グルコシルセラミドは、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)である上記3.に記載のコルネオデスモシン産生促進剤。
5. 上記1.~上記4.のいずれか1つに記載の剤を有効成分とする皮膚バリアー機能改善剤。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるケラトヒアリン顆粒およびコルネオデスモソーム数の増加を示す電子顕微鏡写真である。
【
図2】GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるフィラグリン(filaggrin)タンパク発現の増加を示す電子顕微鏡写真及びグラフである。
【
図3】GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるコルネオデスモシン(corneodesmosin)タンパク発現の増加を示す電子顕微鏡写真及びグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、グルコシルセラミドを有効成分とすることを特徴とする。
グルコシルセラミドとは、下記化学式にて示される化合物である。
【化1】
式中、R
1は直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素(以下、「スフィンゴシン」という)、R
2は脂肪酸残基、Gはグルコースを示す。
【0010】
また、上記グルコシルセラミドはR1として4E,8Z体のスフィンゴイド塩基が置換されていることを特徴とする。
【0011】
さらに、上記グルコシルセラミドはR2として脂肪酸の炭素鎖が置換されていることを特徴とする。
【0012】
上記条件を満たすグルコシルセラミドとして、例えば、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/18:0)、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/20:0)、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/22:0)、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/24:0) 、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)等が挙げられるがこれらに限定されない。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。これらのうち脂肪酸は、C24~C26であるGlcCer (d18:2(4E,8Z)/24:0) 、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)が更に好ましい。そして、これらのうち、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)が最も好ましい。
【0013】
上記GlcCer (d18:2(4E,8Z)/18:0)、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/20:0)、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/22:0)、GlcCer (d18:2(4E,8Z)/24:0) 、GlcCer d18:2(4E,8Z)/26:0)は、それぞれ、下記化学式に示される化合物である。
【0014】
【0015】
上記グルコシルセラミドを得る方法はコメ由来のスフィンゴ糖脂質から単離することによって得ることができるが、これに限定されない。
このコメ由来のスフィンゴ糖脂質として、例えば、オリザ油化株式会社製の「オリザセラミド」を用いることができるが、これに限定されない。
具体的には、例えば、本明細書の実施例の方法にて得ることができるが、この方法に限定されない。
【0016】
本発明の皮膚バリアー機能改善剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の剤を適宜配合するとよい。
【0017】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤の食品素材を使用することができる。
【0018】
具体的な製法としては、本発明の剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、前記本発明の剤を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0019】
本発明の剤を飲食品に適用する場合の添加量としては、美容が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1~20wt%以下であるのが好ましい。
【0020】
本発明の皮膚バリアー機能改善剤は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の剤を適宜配合して製造することができる。本発明の剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0021】
本発明の皮膚バリアー機能改善剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることができる。また、坐剤などの形態としてもよい。
【0022】
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5~5000mg、子供では通常0.5~3000mg程度投与することができる。
皮膚バリアー機能改善剤の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3~15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01~10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0023】
本発明の皮膚バリアー機能改善剤は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む)として用いても、皮膚バリアー機能改善作用を期待することができる。
本発明の皮膚バリアー機能改善剤を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。また、本発明の皮膚バリアー機能改善剤を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0024】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による皮膚バリアー機能改善剤の他に、その皮膚バリアー機能改善作用を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0025】
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、キウイ種子油、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0026】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0027】
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
【0028】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
【0029】
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0030】
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
【0031】
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0032】
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0033】
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、免疫賦活剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の免疫賦活剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
【0034】
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
【0035】
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【実施例0036】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる本発明の剤の各種作用・効果等の確認のために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。
【0037】
実施例: 抽出物の調製
オリザセラミド(オリザ油化株式会社製)を中圧分取液体クロマトグラフィーによる粗分画を行った。分画条件は山善株式会社のユニバーサルシリカゲルカラム Premiumを用いて、ヘキサン:酢酸エチル(9:1→8:2→7:3→5:5)→酢酸エチル→クロロホルム:メタノール(9:1→8:2→7:3→5:5)→メタノールの条件で順次溶出した。次に、クロロホルム:メタノール(8:2)分画を、逆相HPLC(CAPCELLPAK C18 SG-120, メタノール)に供することにより、5種類のグルコシルセラミド(以下「GlcCer」とする。)を精製した。精製した各種GlcCerはNMRおよびMSスペクトルを下記の文献値1-8と比較することにより同定した。
1. Inagaki. et al., Chem. Pharm. Bull., 52(11), 1307-1311 (2004)
2. Jung J.H. et al., J. Nat. Prod., 59, 319-322 (1996)
3. Liu H. et al., Phytochemistry., 49(8), 2403-2408 (1998)
4. Ryu J. et al., Arch. Pharm. Res., 26(2), 138-142 (2003)
5. Pittaya T. et al., Chem. Pharm. Bull., 52(1), 27-32 (2004)
6. Kang S.S. et al., Chem. Pharm. Bull., 49, 321-323 (2001)
7. Luo Y. et al., Lipid, 39(9), 907-914 (2004)
8. Zhang W.K. et al., Chem. Phys. Lipids., 148, 77-83 (2007)
【0038】
試験例: GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるフィラグリン(filaggrin)およびコルネオデスモシン(corneodesmosin)タンパク発現の評価
1.試験方法
(1)標本観察およびバリアー関連タンパクの発現評価
GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0]を添加したヒト表皮3Dモデルの病理標本を作製し,電子顕微鏡による観察を行った。また,免疫染色によってフィラグリンおよびコルネオデスモシンの組織中の発現を確認した。さらに,培養した7日目の組織について,角層を剥がした後の表皮からタンパクを抽出し,ウエスタンブロッティングによってフィラグリンおよびコルネオデスモシンのタンパク発現量を調べた。
【0039】
(2) 実験結果及び実施例の効果
(2-1) GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] による電子顕微鏡観察像の変化
図1に病理標本の電子顕微鏡観察像を示す。観察の結果,GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるケラトヒアリン顆粒数および角層細胞の接着因子であるコルネオデスモソーム数の顕著な増加が確認された。
(2-2)GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるフィラグリンおよびコルネオデスモシンタンパク発現の増加
(2-1)で述べたように,電子顕微鏡観察においてGlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるケラトヒアリン顆粒およびコルネオデスモソームの増加が確認された。これにより、グルコシルセラミド、特にGlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0]はコルネオデスモシン産生促進剤として有用であることが確認された。
また、ケラトヒアリン顆粒は表皮の顆粒層においてprofilaggrinを貯蔵し,これが角層に移行する際にフィラグリンとして分泌される。角層に分泌されたフィラグリンは角層上層部においてアミノ酸レベルにまで分解されることで天然保湿因子 (NMF) として保湿作用に寄与する。すなわち,ケラトヒアリン顆粒数の増加は保湿タンパクであるフィラグリンの増加を反映していると考えられる。一方,コルネオデスモソームは角質細胞同士の接着に関与しており,コルネオデスモソーム数の増加は角質細胞間の接着を強固にすることによるバリアー機能の増加に繋がると考えられる。そこで,フィラグリンおよびコルネオデスモソームの構成タンパクであるコルネオデスモシンの発現量を評価した。
図2にGlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるフィラグリンタンパク発現の変化を示す。免疫染色では, GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] の添加によって角層におけるフィラグリンの発現が増加している様子が確認され,ウエスタンブロッティングにおいても有意な発現増加が認められた。
図3にはGlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] によるコルネオデスモシンタンパク発現の変化を示す。免疫染色では, GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] の添加によって角層におけるコルネオデスモシンの発現が増加している様子が確認され,ウエスタンブロッティングにおいても有意な発現増加が認められた。これらの結果より,GlcCer[d18:2(4E, 8Z)/26:0] の皮膚バリアー機能のメカニズムはフィラグリンおよびコルネオデスモシンの増加によるものであることが明らかになった。
【0040】
本発明の皮膚バリアー機能改善剤(グルコシルセラミド)の配合例を示す。尚、以下の配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
皮膚バリアー機能改善剤 0.5
100.0wt%
【0041】
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
皮膚バリアー機能改善剤 1.0
100.0wt%
【0042】
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
皮膚バリアー機能改善剤 0.4
100.0wt%
【0043】
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
皮膚バリアー機能改善剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
【0044】
配合例5:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
皮膚バリアー機能改善剤 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0045】
配合例6:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
皮膚バリアー機能改善剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
【0046】
配合例7:ソフトカプセル
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
皮膚バリアー機能改善剤 1.0
100.0wt%
【0047】
配合例8:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
皮膚バリアー機能改善剤 1.0
100.0wt%
【0048】
配合例9:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
皮膚バリアー機能改善剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0049】
配合例10:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
皮膚バリアー機能改善剤 0.1
精製水 残余
100.0wt%
【0050】
配合例11:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
皮膚バリアー機能改善剤 1.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
【0051】
配合例12:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L-アルギニン 1.0
皮膚バリアー機能改善剤 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
【0052】
配合例13:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
皮膚バリアー機能改善剤 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%