(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074117
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】縦型ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/36 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
E06B9/36 A
E06B9/36 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185202
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】三上 貴大
(57)【要約】
【課題】意匠性に優れた縦型ブラインドを提供する。
【解決手段】縦型ブラインドは、ヘッドレール2内にヘッドレール2の長手方向に所定間隔で配置された複数のキャリア3の各々から第1ルーバー及び第2ルーバーが吊り下げられる縦型ブラインドである。複数のキャリア3の各々は、駆動軸11から伝達される駆動力により回転する軸部8と、第1ルーバーが吊り下げられる第1吊下部材9と、軸部8に一体回転可能に軸支され、軸部8の回転により軸部8を回転軸心として第2ルーバーが第1ルーバーの少なくとも前面側を回動可能となるように、軸部8から軸部8と交差する方向にオフセットした位置に第2ルーバーが吊り下げられる第2吊下部材10と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレール内に前記ヘッドレールの長手方向に所定間隔で配置された複数のキャリアの各々から第1ルーバー及び第2ルーバーが吊り下げられる縦型ブラインドであって、
前記複数のキャリアの各々は、
駆動軸から伝達される駆動力により回転する軸部と、
前記第1ルーバーが吊り下げられる第1吊下部材と、
前記軸部に一体回転可能に軸支され、前記軸部の回転により前記軸部を回転軸心として前記第2ルーバーが前記第1ルーバーの少なくとも前面側を回動可能となるように、前記軸部から前記軸部と交差する方向にオフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられる第2吊下部材と、を備える縦型ブラインド。
【請求項2】
前記複数のキャリアの各々は、前記ヘッドレール内を前記ヘッドレールの長手方向に移動可能とされており、
前記第2吊下部材は、前記第2ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に対して交差する位置まで回動した状態において、前記第2ルーバーが隣接する前記第1ルーバーの端部同士の間に位置するように、前記オフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられる、請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項3】
前記複数のキャリアの各々は、前記第1ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に沿う角度を保持するように前記第1吊下部材を付勢する付勢手段を更に備え、
前記複数のキャリアの各々の前記第2吊下部材は、前記第2ルーバーが隣接する前記キャリアの前記第1ルーバーを前記付勢手段による付勢力に抗して押しながら回動するように前記第2ルーバーが吊り下げられる、請求項2に記載の縦型ブラインド。
【請求項4】
前記第1吊下部材は、前記軸部と同軸上に前記軸部に対して相対回転可能に軸支され、前記付勢手段により前記第1ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に沿う角度を保持するように付勢される、請求項3に記載の縦型ブラインド。
【請求項5】
第1ルーバー及び第2ルーバーを備える縦型ブラインドであって、
前記第1ルーバーは、ヘッドレールから前記ヘッドレールの長手方向に所定間隔で吊り下げられ、
前記第2ルーバーは、前記ヘッドレール内に前記ヘッドレールの長手方向に所定間隔で配置された複数のキャリアの各々から吊り下げられ、
前記複数のキャリアの各々は、
駆動軸から伝達される駆動力により回転する軸部と、
前記軸部に一体回転可能に軸支され、前記軸部の回転により前記軸部を回転軸心として前記第2ルーバーが前記第1ルーバーの少なくとも前面側を回動可能となるように、前記軸部から前記軸部と交差する方向にオフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられる吊下部材と、を備える縦型ブラインド。
【請求項6】
前記複数のキャリアの各々は、前記ヘッドレール内を前記ヘッドレールの長手方向に移動可能とされており、
前記吊下部材は、前記第2ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に対して交差する位置まで回動した状態において、前記第2ルーバーが隣接する前記第1ルーバーの端部同士の間に位置するように、前記オフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられる、請求項5に記載の縦型ブラインド。
【請求項7】
前記第1ルーバーは、半透明なルーバーであり、
前記第2ルーバーは、不透明なルーバーである、請求項1から6のいずれかに記載の縦型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ヘッドレール内を移動可能に配列された複数のキャリアの各々からルーバーが吊り下げられた縦型ブラインドが開示されている。この縦型ブラインドでは、複数のキャリアの1つおきのキャリア(第1キャリア)のみに、ヘッドレール内に設けられた駆動手段の運動をルーバーの鉛直軸周りの回転に伝達する回転伝達機構が設けられている。前記回転伝達機構が設けられていないキャリア(第2キャリア)には、ルーバーを鉛直軸回りの所定の回転方向に常時付勢する付勢手段が設けられている。
【0003】
第1キャリアに吊り下げられたルーバーがヘッドレールに対して略垂直になるように回転した状態(以下、全開状態という)では、縦型ブラインドは、第2キャリアに吊り下げられたルーバーによって、両隣の第1キャリアに吊り下げられたルーバー同士の間の隙間がほぼ塞がれた状態を保持するように構成されている。第1キャリアに吊り下げられたルーバーがヘッドレールに対して略平行になるように回転した状態(以下、全閉状態という)では、縦型ブラインドは、隣り合う第1キャリアに吊り下げられたルーバー同士の間で形成されるヘッドレールに対して垂直な方向から見た隙間がないように構成されている。従って、第1キャリアに吊り下げられたルーバーが全開状態であっても全閉状態であっても、隣り合う第1キャリアに吊り下げられたルーバー同士の間に隙間が生じることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の縦型ブラインドでは、全閉状態において、隣り合う第1キャリアに吊り下げられたルーバー同士の間から第2キャリアに吊り下げられたルーバーの一部が露出するように構成されているため、第1キャリアのルーバーのデザインと第2キャリアのルーバーのデザインとが異なる場合、全閉状態における意匠性について改善の余地がある。すなわち、見た目の統一感を得ることができる構成が望まれている。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、意匠性に優れた縦型ブラインドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、1つのキャリアに対して2つのルーバーが吊り下げられた縦型ブラインドであって、一方のルーバーが他方のルーバーの前面側を回動できる構成とすることで、上記の課題を解決できると考え、これに基づいて、以下のような新たな縦型ブラインドを発明するに至った。
【0008】
本発明による縦型ブラインドは、ヘッドレール内に前記ヘッドレールの長手方向に所定間隔で配置された複数のキャリアの各々から第1ルーバー及び第2ルーバーが吊り下げられる縦型ブラインドであって、前記複数のキャリアの各々は、駆動軸から伝達される駆動力により回転する軸部と、前記第1ルーバーが吊り下げられる第1吊下部材と、前記軸部に一体回転可能に軸支され、前記軸部の回転により前記軸部を回転軸心として前記第2ルーバーが前記第1ルーバーの少なくとも前面側を回動可能となるように、前記軸部から前記軸部と交差する方向にオフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられる第2吊下部材と、を備える。
【0009】
前記複数のキャリアの各々は、前記ヘッドレール内を前記ヘッドレールの長手方向に移動可能とされており、前記第2吊下部材は、前記第2ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に対して交差する位置まで回動した状態において、前記第2ルーバーが隣接する前記第1ルーバーの端部同士の間に位置するように、前記オフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられるのが好ましい。
【0010】
前記複数のキャリアの各々は、前記第1ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に沿う角度を保持するように前記第1吊下部材を付勢する付勢手段を更に備え、前記複数のキャリアの各々の前記第2吊下部材は、前記第2ルーバーが隣接する前記キャリアの前記第1ルーバーを前記付勢手段による付勢力に抗して押しながら回動するように前記第2ルーバーが吊り下げられるのが好ましい。
【0011】
前記第1吊下部材は、前記軸部と同軸上に前記軸部に対して相対回転可能に軸支され、前記付勢手段により前記第1ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に沿う角度を保持するように付勢されるのが好ましい。
【0012】
また、本発明による縦型ブラインドは、第1ルーバー及び第2ルーバーを備える縦型ブラインドであって、前記第1ルーバーは、ヘッドレールから前記ヘッドレールの長手方向に所定間隔で吊り下げられ、前記第2ルーバーは、前記ヘッドレール内に前記ヘッドレールの長手方向に所定間隔で配置された複数のキャリアの各々から吊り下げられ、前記複数のキャリアの各々は、駆動軸から伝達される駆動力により回転する軸部と、前記軸部に一体回転可能に軸支され、前記軸部の回転により前記軸部を回転軸心として前記第2ルーバーが前記第1ルーバーの少なくとも前面側を回動可能となるように、前記軸部から前記軸部と交差する方向にオフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられる吊下部材と、を備える。
【0013】
前記複数のキャリアの各々は、前記ヘッドレール内を前記ヘッドレールの長手方向に移動可能とされており、前記吊下部材は、前記第2ルーバーが前記ヘッドレールの長手方向に対して交差する位置まで回動した状態において、前記第2ルーバーが隣接する前記第1ルーバーの端部同士の間に位置するように、前記オフセットした位置に前記第2ルーバーが吊り下げられるのが好ましい。
【0014】
前記第1ルーバーは、半透明なルーバーであり、前記第2ルーバーは、不透明なルーバーであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、1つのキャリアに対して2つのルーバーが吊り下げられた縦型ブラインドであって、一方のルーバーが他方のルーバーの前面側を回動できる構成である。従って、意匠性に優れた縦型ブラインドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態による縦型ブラインドの全体構成を示す正面図であり、第2ルーバーを閉じた状態を示している。
【
図2】本発明の一実施形態による縦型ブラインドの全体構成を示す正面図であり、第2ルーバーを開いた状態を示している。
【
図3】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアを示す斜視図であり、ルーバーをキャリアに取り付けるためのルーバーフックがキャリアに保持された状態を示している。
【
図4】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアを示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアを示す図であり、上方から見た状態を示している。
【
図6】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアの構成を示す縦断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアの構成を示す横断面図であり、
図7(a)は
図6のA-A断面図、
図7(b)は
図6のB-B断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアの構成を示す縦断面図であり、
図6の状態から第2吊下部材を回動させた状態を示している。
【
図9】本発明の一実施形態による縦型ブラインドのキャリアの構成を示す横断面図であり、
図9(a)は
図8のC-C断面図、
図9(b)は
図8のD-D断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による縦型ブラインドを示す図であり、第2ルーバーを閉じた状態を上方から見た図である。
【
図11】本発明の一実施形態による縦型ブラインドを示す図であり、第2ルーバーを開いた状態を上方から見た図である。
【
図12】本発明の一実施形態による縦型ブラインドの開閉動作を示す説明図であり、
図12(a)は、第2ルーバーが閉じた状態を示す図、
図12(b)は、
図12(a)の状態から第2ルーバーを開方向に回動させた状態を示す図、
図12(c)は、
図12(b)の状態から第2ルーバーを開方向に回動させて第1ルーバーを押し込んでいる状態を示す図、
図12(d)は、
図12(c)の状態から第2ルーバーを開方向に回動させて第2ルーバーが開いた状態を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態による縦型ブラインドの開閉動作を示す説明図であり、
図13(a)は、第2ルーバーを開いた状態から閉方向に回動させた状態を示す図、
図13(b)は、
図13(a)の状態から第2ルーバーを閉方向に回動させて第1ルーバーを押し込んでいる状態を示す図、
図13(c)は、
図13(b)の状態から第2ルーバーを閉方向に回動させて第1ルーバーを更に押し込んだ状態を示す図、
図13(d)は、
図13(c)の状態から第2ルーバーを閉方向に回動させて第2ルーバーが閉じた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0018】
本実施形態の縦型ブラインド1は、建物の窓枠などの開口部の内部に設置される。縦型ブラインド1は、建物の室外に対して、窓ガラスなどで仕切られた室内に設置される。
本明細書において、縦型ブラインド1が設置された状態において、ヘッドレール2が延びる方向を左右方向、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向とする。また、前後方向について、室内の側を前側又は前面側、室外の側を後側又は後面側とする。
【0019】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の縦型ブラインド1は、ヘッドレール2内に設けられた複数のキャリア3の各々から第1ルーバー4及び第2ルーバー5が吊り下げられる縦型ブラインドである。複数のキャリア3は、ヘッドレール2の長手方向に所定間隔で配置される。このように縦型ブラインド1は、ヘッドレール2、複数のキャリア3、第1ルーバー4及び第2ルーバー5を備える。なお、キャリア3は、後述するマスターキャリア6を含んでいる。
【0020】
ヘッドレール2は、C形チャンネル状である。ヘッドレール2は、ブラケット7を介して、窓枠の上面又は天井に固定される。ヘッドレール2は、窓枠の上面又は天井に固定された状態において、窓枠などの開口部の幅方向に沿って配置される。ヘッドレール2が窓枠の上面又は天井に固定されることで、縦型ブラインド1は、窓の室内側に配置される。ヘッドレール2内には、複数のキャリア3が設けられる。
図3から
図9に示すように、複数のキャリア3の各々は、軸部8、第1吊下部材9及び第2吊下部材10を備える。
【0021】
軸部8は、後述する駆動軸11から伝達される駆動力により回転する。
図6から
図9に示すように、軸部8は、丸棒状で、上下方向に沿って配置される。軸部8は、軸線が上下方向に沿った状態で、キャリア3のケース12に設けられる。ケース12は、本体部13及び筒部14を有している。本体部13は、中空状である。筒部14は、上下方向に開口した円筒状で、本体部13の下端部に設けられる。筒部14の内孔15は、本体部13の内部と連通している。軸部8は、筒部14の内孔15を上下方向に貫通した状態で、キャリア3のケース12に設けられる。この際、軸部8は、その軸線まわりに回転可能である。軸部8は、キャリア3がヘッドレール2内に設けられた状態において、ヘッドレール2から下方に突出している。
【0022】
第1吊下部材9は、第1ルーバー4を吊り下げる。
図6から
図9に示すように、第1吊下部材9は、軸部8に軸支される第1被支持部16と、第1被支持部16に設けられる第1フック部17とを有している。第1被支持部16は、ブロック状で、上面に凹部18が形成されている。凹部18の底面には、上下方向に貫通する貫通孔19が形成されている。第1フック部17は、第1ルーバー4を吊り下げ可能な支持部として機能する。第1フック部17は、第1被支持部16の下端部に設けられる。
【0023】
第1吊下部材9は、軸部8に軸支される。具体的には、軸部8の下部が凹部18及び貫通孔19を貫通した状態で、軸部8に第1被支持部16が支持される。この際、第1被支持部16は、軸部8に対して、軸部8の軸線まわりに回転可能である。従って、第1吊下部材9は、軸部8と同軸上に、軸部8に対して相対回転可能に軸支される。なお、
図6に示すように、第1吊下部材9が軸部8に軸支された状態において、ケース12の筒部14の下端部は、第1被支持部16の凹部18内に位置している。
【0024】
第1吊下部材9の第1フック部17には、第1ルーバー4が着脱可能に吊り下げられる。第1ルーバー4は、上下方向を長手方向とする帯状である。第1ルーバー4の上端部には、袋状の図示しない収納部が形成されている。収納部は、第1ルーバー4の上端部を折り返すことで形成される。収納部内には、
図3に示す第1ルーバーフック20が収納される。第1ルーバーフック20は、収納部内に収納された状態において、収納部の上端部に形成された切欠きから露出する露出部を有している。
【0025】
第1ルーバー4を第1吊下部材9に取り付けるには、収納部内に収納された第1ルーバーフック20の露出部を第1フック部17に引っ掛ければよい。これにより、第1ルーバー4は、長手方向が上下方向に沿うようにして、第1吊下部材9に吊り下げられる。なお、
図2に示すように、第1ルーバー4の下端部には、ウエイトカバーが形成されており、バランスウエイト21が内蔵されている。ウエイトカバーは、第1ルーバー4の下端部を折り返すことで形成される。
【0026】
図6から
図9に示すように、複数のキャリア3の各々は、付勢手段22を更に備える。付勢手段22は、第1ルーバー4がヘッドレール2の長手方向に沿う角度を保持するように第1吊下部材9を付勢する手段である。すなわち、付勢手段22は、
図2に示すように、第1ルーバー4によって窓枠などの開口部が閉じられた状態となるように、第1ルーバー4を付勢する。具体的には、付勢手段22は、第1ルーバー4の板面がヘッドレール2の長手方向に沿った状態となるように、第1吊下部材9を付勢する。なお、本実施形態では、付勢手段22は、ねじりコイルバネである。ねじりコイルバネである付勢手段22は、筒部14の下端部に外挿される。この状態において、付勢手段22の一端部は、筒部14に固定され、付勢手段22の他端部は、第1被支持部16に固定されている。
【0027】
第2吊下部材10は、第2ルーバー5を吊り下げる。
図6から
図9に示すように、第2吊下部材10は、軸部8に軸支される第2被支持部23と、第2被支持部23に設けられる第2フック部24とを有している。第2被支持部23は、略直方体状である。第2被支持部23の長手方向基端部には、下方に凹んだ段部25が形成される。段部25の底面には、上下方向に貫通する貫通孔26が形成されている。第2被支持部23の側面には、差込孔27が形成されている。差込孔27は、貫通孔26と連通している。第2フック部24は、第2ルーバー5を吊り下げ可能な支持部として機能する。第2フック部24は、第2被支持部23の長手方向先端部に設けられる。
【0028】
第2吊下部材10は、軸部8に軸支される。具体的には、軸部8の下部が貫通孔26を貫通した状態で、軸部8に第2被支持部23が支持される。この際、第2被支持部23は、軸部8と一体回転可能である。そのため、軸部8には、スペーサ28が差し込まれる一対の差込溝29,29が形成されている。一対の差込溝29,29は、軸部8の径方向に対向する位置に配置されている。スペーサ28は、先端部が二股分かれした板状である。
図7及び
図9に示すように、スペーサ28は、差込孔27に差し込まれた状態において、二股分かれした先端部それぞれが差込溝29に差し込まれる。これにより、第2被支持部23と軸部8とを一体回転させることができる。このようにして、第2吊下部材10は、軸部8に一体回転可能に軸支される。第2吊下部材10が軸部8に軸支された状態において、第2吊下部材10の段部25には、第1吊下部材9の第1被支持部16が位置している。
【0029】
第2吊下部材10の第2フック部24には、第2ルーバー5が着脱可能に吊り下げられる。第2ルーバー5は、上下方向を長手方向とする帯状である。第2ルーバー5の上端部には、袋状の図示しない収納部が形成されている。収納部は、第2ルーバー5の上端部を折り返すことで形成される。収納部内には、
図3に示す第2ルーバーフック30が収納される。第2ルーバーフック30は、収納部内に収納された状態において、収納部の上端部に形成された切欠きから露出する露出部を有している。
【0030】
第2ルーバー5を第2吊下部材10に取り付けるには、収納部内に収納された第2ルーバーフック30の露出部を第2フック部24に引っ掛ければよい。これにより、第2ルーバー5は、長手方向が上下方向に沿うようにして、第2吊下部材10に吊り下げられる。なお、
図1に示すように、第2ルーバー5の下端部には、ウエイトカバーが形成されており、バランスウエイト31が内蔵されている。ウエイトカバーは、第2ルーバー5の下端部を折り返すことで形成される。
【0031】
なお、本実施形態では、第1ルーバー4と第2ルーバー5とが異なる種類のルーバーであるのが好ましい。例えば、第1ルーバー4は、半透明なルーバーであり、第2ルーバー5は、不透明なルーバーである。典型的には、第1ルーバー4は、採光性を有するレース生地から形成され、第2ルーバー5は、遮光性を有するドレープ生地から形成されている。
【0032】
図6に示すように、第2吊下部材10が軸部8に軸支された状態において、第2吊下部材10の第2被支持部23の長手方向は、軸部8の軸線方向と交差する方向に沿っている。従って、第2吊下部材10は、軸部8から軸部8と交差する方向にオフセットした位置に、第2ルーバー5を吊り下げることができる。その上、第2吊下部材10は、軸部8と一体回転可能である。従って、第2吊下部材10は、軸部8の回転により軸部8を回転軸心として第2ルーバー5が第1ルーバー4の少なくとも前面側を回動可能となるように、第2ルーバー5を吊り下げることができる。
【0033】
キャリア3は、軸部8を回転軸心として第2ルーバー5を回動させることができる回転力伝達機構を有している。回転力伝達機構は、ヘッドレール2内に設けられる駆動軸11を回転させることで駆動する。
図1及び
図2に示すように、駆動軸11は、その軸線方向がヘッドレール2の長手方向に沿うようにして、ヘッドレール2内に設けられる。駆動軸11の軸線方向一端部は、ヘッドレール2の長手方向一端部に設けられるエンドキャップ32内において、回転自在に支持される。駆動軸11の軸線方向他端部は、ヘッドレール2の長手方向他端部に設けられるエンドキャップ33内において、回転自在に支持される。このようにして、駆動軸11は、その軸線まわりに回転可能に、ヘッドレール2内に配置される。
【0034】
駆動軸11は、操作棒34を操作することで回転させることができる。操作棒34は、ヘッドレール2の長手方向一端部に設けられるエンドキャップ32から吊り下げられる。操作棒34の先端部には、縦型ブラインド1の使用者が握ることができるグリップ35が設けられる。操作棒34の基端部は、エンドキャップ32内において、一組の傘歯車を介して、駆動軸11の長手方向一端部に連結される。このような構成であるので、グリップ35を握った状態で操作棒34を回転操作することで、駆動軸11をその軸線まわりに回転させることができる。
【0035】
図6及び
図8に示すように、回転力伝達機構は、ウォーム36、ウォームホイール37及び摩擦スプリング38を備える。ウォーム36は、略筒状で、軸線がヘッドレール2の長手方向に沿うようにケース12に設けられる。ウォーム36は、その軸線まわりに回転可能にケース12に設けられる。ウォーム36の内孔には、ケース12を貫通する駆動軸11が貫通している。駆動軸11がウォーム36を貫通している状態において、駆動軸11の外周面に形成されたスプライン溝とウォーム36の内周面に形成された内歯とは噛み合っている。ウォームホイール37は、軸線が上下方向に沿うようにして配置される。ウォームホイール37は、その軸線まわりに回転可能にケース12に設けられる。ウォームホイール37は、ウォーム36の外周面に形成された外歯と噛み合っている。従って、ウォームホイール37は、水平軸まわりの回転を垂直軸まわりの回転に変換できる。すなわち、ウォーム36とウォームホイール37とは、一組の歯車軸の延在方向が食い違う「ウォームギア」を構成している。摩擦スプリング38は、ウォームホイール37と、ウォームホイール37の下端部に設けられる軸部8との間に設けられる。摩擦スプリング38は、ウォームホイール37及び軸部8に摩擦力を付与する。
【0036】
このような構成であるので、操作棒34を操作して駆動軸11を回転させると、ウォーム36を回転させることができる。ウォーム36を回転させると、ウォーム36と噛み合っているウォームホイール37を回転させることができる。ウォームホイール37の回転は、摩擦スプリング38を介して、軸部8に伝達される。これにより、
図4及び
図5に示すように第2吊下部材10を回動させて、第2ルーバー5を回動させることができる。なお、第2ルーバー5に負荷などが作用して第2吊下部材10が回動できない状態において、ウォームホイール37は、摩擦スプリング38によって、軸部8に対して空転させることができる。これにより、第2吊下部材10の回動範囲を制限することができる。
【0037】
本実施形態では、複数のキャリア3の各々は、ヘッドレール2の長手方向に沿って、ヘッドレール2内を移動可能である。
図6及び
図8に示すように、キャリア3のケース12の両端部には、一対のローラ39,39が回転自在に支持されている。ケース12に支持された一対のローラ39,39は、ヘッドレール2の内面に対向して配置された一対のレール40,40上に載置されている。前述したように、駆動軸11は、ケース12及びウォーム36を貫通している。この際、ウォーム36は、駆動軸11に対してスライド自在に噛み合っている。これにより、ウォーム36は、駆動軸11に沿って移動可能である。
【0038】
このようにして配置されたキャリア3を移動させることができるように、縦型ブラインド1は、キャリア移動機構を備える。キャリア移動機構は、コントロールユニット41、開閉用コード42、及びスペーサーリンク43を備える。
【0039】
図1及び
図2に示すように、コントロールユニット41は、エンドキャップ32の内部に配置されている。
図1、
図2、
図10及び
図11に示すように、開閉用コード42は、両端部がマスターキャリア6に固定されたループ状である。
【0040】
具体的には、開閉用コード42は、マスターキャリア6に固定された他端部からヘッドレール2の長手方向他端側のエンドキャップ33に向けて延出した後、エンドキャップ33内で折り返されて、ヘッドレール2の長手方向一端側のエンドキャップ32に向けて延出される。この際、開閉用コード42は、ヘッドレール2の幅方向一端側(
図1における後側)において、キャリア3を貫通している。そして、ヘッドレール2の長手方向一端側のエンドキャップ32に到達した開閉用コード42は、コントロールユニット41から垂下した後、上方に折り返される。そして、上方に折り返された開閉用コード42は、マスターキャリア6に向けて延出される。この際、開閉用コード42は、ヘッドレール2の幅方向他端側(
図1における前側)において、キャリア3を貫通している。マスターキャリア6に到達した開閉用コード42は、マスターキャリア6に固定される。このようにしてマスターキャリア6に固定された部分は、開閉用コード42の一端部である。
図1及び
図2に示すように、開閉用コード42のうち、ヘッドレール2から下方に延出して露出した部分44の下端部には、ウエイト45が設けられる。このようにして、マスターキャリア6には開閉用コード42が固定される。この点を除いて、マスターキャリア6は、他のキャリア3と同様の構成である。
【0041】
スペーサーリンク43は、帯板状で、隣接するキャリア3,3同士を連結する部材である。隣接するキャリア3,3同士がスペーサーリンク43によって連結された状態において、隣接するキャリア3,3同士は、近接可能及び離隔可能である。この際、隣接するキャリア3,3同士の間隔は、スペーサーリンク43の長さによって決まる所定間隔が最大間隔である。
【0042】
このような構成であるので、開閉用コード42の露出した部分44の一方を引くことで、ヘッドレール2の長手方向一端側からヘッドレール2の長手方向他端側に、マスターキャリア6を移動させることができる。マスターキャリア6が移動することで、マスターキャリア6とこれに隣接するキャリア3との間の間隔が最大間隔となると、マスターキャリア6は、スペーサーリンク43によって、マスターキャリア6に隣接するキャリア3を牽引することができる。他の隣接するキャリア3,3同士も、上述した場合と同様にして、移動させることができる。ここでは、隣接するキャリア3,3のうち、マスターキャリア6に近い側に位置するキャリア3を第1キャリアとし、マスターキャリア6から遠い側に位置するキャリア3を第2キャリアとして説明する。具体的には、第1キャリアが移動することで、第1キャリアと第2キャリアとの間の間隔が最大間隔となると、第1キャリアは、スペーサーリンク43によって、第2キャリアを牽引することができる。
【0043】
このようにして、複数のキャリア3は、ヘッドレール2の長手方向一端側からヘッドレール2の長手方向他端側に、順次に移動できる。
図1及び
図2に示すように、先頭のマスターキャリア6がヘッドレール2の長手方向他端側に配置された状態では、隣接するキャリア3,3同士は、所定間隔で等間隔に配置できる。
【0044】
マスターキャリア6がヘッドレール2の長手方向他端側に配置された状態において、開閉用コード42の露出した部分44の他方を引くことで、ヘッドレール2の長手方向他端側からヘッドレール2の長手方向一端側に、マスターキャリア6を移動させることができる。マスターキャリア6が移動すると、マスターキャリア6以外の複数のキャリア3は、マスターキャリア6によって順次に押されて、ヘッドレール2の長手方向一端側に移動できる。
【0045】
次に、本実施形態の縦型ブラインド1の開閉動作について説明する。ここでは、
図1及び
図10に示すように、第2ルーバー5がヘッドレール2の長手方向に沿った状態を全閉状態とし、
図2及び
図11に示すように、第2ルーバー5がヘッドレール2の長手方向に対して交差した状態を全開状態とする。
【0046】
図12(a)は、全閉状態を示している。全閉状態では、第1ルーバー4は、付勢手段22によって、ヘッドレール2の長手方向に沿う角度に保持されている。すなわち、第1ルーバー4は、ヘッドレール2の長手方向に対して略平行である。略平行とは、平行又は概ね平行な状態である。隣接する第1ルーバー4,4同士の間には、隙間46が形成されている。この場合、第1ルーバー4の幅方向の長さは、隣接するキャリア3,3同士の間の所定間隔よりも小さい。全閉状態では、第2吊下部材10は、ヘッドレール2の長さ方向と交差する方向に延出している。そのため、第2ルーバー5は、ヘッドレール2の長手方向に沿った状態である。この状態では、隣接する第2ルーバー5,5の端部同士は、互いに重なっている。従って、隣接する第2ルーバー5,5同士の間には、隙間が形成されていない。この場合、第2ルーバー5の幅方向の長さは、隣接するキャリア3,3同士の間の所定間隔よりも大きい。
【0047】
図12(b)は、全閉状態から第2ルーバー5が開く方向に回動した状態を示している。第2ルーバー5を回動させるには、操作棒34を操作して駆動軸11を回転させればよい。これにより、第2吊下部材10を回動させることができるので、第2吊下部材10に吊り下げられた第2ルーバー5を回動させることができる。
【0048】
図12(c)は、
図12(b)の状態から第2ルーバー5が開く方向に回動した状態を示している。
図12(b)の状態から第2ルーバー5を回動させると、第2ルーバー5は、隣接するキャリア3に吊り下げられる第1ルーバー4の端部を後方に押し込みつつ回動する。第2ルーバー5によって第1ルーバー4が押し込まれると、第1ルーバー4は、付勢手段22の付勢力に対抗して回転する。
【0049】
図12(d)は、
図12(c)の状態から更に第2ルーバー5を回動させて全開状態となった場合を示している。全開状態では、第1ルーバー4は、付勢手段22の付勢力によって、元の位置に戻される。すなわち、第1ルーバー4は、ヘッドレール2の長手方向に対して略平行な状態である。全開状態では、第2吊下部材10は、ヘッドレール2の長手方向に沿うように延出している。そのため、第2ルーバー5は、ヘッドレール2の長手方向に対して交差した状態である。すなわち、第2ルーバー5は、ヘッドレール2の長手方向に対して略垂直である。略垂直とは、垂直又は概ね垂直な状態である。この状態では、隣接する第1ルーバー4,4の端部同士の間の隙間46に、第2ルーバー5が位置している。
【0050】
本実施形態では、第2吊下部材10は、第2ルーバー5がヘッドレール2の長手方向に対して交差する位置まで回動した状態において、第2ルーバー5が隣接する第1ルーバー4,4の端部同士の間に位置するように、前述のオフセットした位置に第2ルーバー5が吊り下げられる。これを実現するためには、第1ルーバー4の幅方向の長さは、隣接するキャリア3,3同士の間の所定間隔よりも小さくし、第2ルーバー5の幅方向の長さは、隣接するキャリア3,3同士の間の所定間隔よりも大きくする。
【0051】
図12(a)から
図12(d)に示すように、第2ルーバー5が第1ルーバー4の前面側を時計方向に回動することで、全閉状態から全開状態にすることができる。一方、全開状態から全閉状態にするには、以下のとおりである。
【0052】
図13(a)は、全開状態から第2ルーバー5が閉じる方向に回動した状態を示している。第2ルーバー5を回動させるには、操作棒34を操作して駆動軸11を回転させればよい。これにより、第2吊下部材10を回動させることができるので、第2吊下部材10に吊り下げられた第2ルーバー5を回動させることができる。なお、ここでは、全閉状態から第2ルーバー5が開く方向に回動する場合とは逆方向に、第2ルーバー5を回動させる。
【0053】
図13(b)は、
図13(a)の状態から第2ルーバー5が閉じる方向に回動した状態を示している。
図13(c)は、
図13(b)の状態から第2ルーバー5が閉じる方向に回動した状態を示している。これらの図に示すように、第2ルーバー5を閉じる方向に回動させると、第2ルーバー5は、隣接するキャリア3に吊り下げられる第1ルーバー4の端部を前方に押し込みつつ回動する。第2ルーバー5によって第1ルーバー4が押し込まれると、第1ルーバー4は、付勢手段22の付勢力に対抗して回転する。
【0054】
図13(d)は、
図13(c)の状態から更に第2ルーバー5を回動させて全閉状態となった場合を示している。全閉状態では、第1ルーバー4は、付勢手段22の付勢力によって、元の位置に戻される。すなわち、第1ルーバー4は、ヘッドレール2の長手方向に対して略平行な状態である。全閉状態では、第2吊下部材10は、ヘッドレール2の長手方向に対して交差する方向に延出している。そのため、第2ルーバー5は、ヘッドレール2の長手方向に沿った状態である。この状態では、第2ルーバー5は、第1ルーバー4の前方に配置される。しかも、隣接する第2ルーバー5,5の端部同士の間には、隙間が形成されていない。従って、全閉状態では、縦型ブラインド1を前方から見た際に、第1ルーバー4が見えない。このようにして、第2ルーバー5が第1ルーバー4の前面側を反時計方向に回動することで、全開状態から全閉状態にすることができる。
【0055】
本実施形態では、第2ルーバー5は、第2吊下部材10に対して回転不能である。従って、全閉状態から全開状態にする場合、及び全開状態から全閉状態にする場合において、第2ルーバー5は、第1ルーバー4を押し込みつつ回動させることができる。すなわち、複数のキャリア3の各々の第2吊下部材10は、第2ルーバー5が隣接するキャリア3の第1ルーバー4を付勢手段22による付勢力に抗して押しながら回動するように第2ルーバー5が吊り下げられる。
【0056】
本実施形態の縦型ブラインド1の場合、第2ルーバー5は、第1ルーバー4の前面側において、全開状態からヘッドレール2の長手方向と略平行になる位置まで回動させることができる。従って、本実施形態の縦型ブラインド1によれば、全閉状態において、第1ルーバー4が第2ルーバー5の後側に隠れるため、縦型ブラインド1を前方から見ると、第2ルーバー5のみを視認できる。これにより、見た目の統一感を演出でき、異なる種類のルーバーが見える場合と比較して、意匠性を向上させることができる。
【0057】
本実施形態の縦型ブラインド1の場合、隣接する第1ルーバー4,4の端部同士の間に、第2ルーバー5を第1ルーバー4と交差した状態で配置できる。従って、本実施形態の縦型ブラインド1によれば、前後方向のサイズをコンパクト化できる。これにより、縦型ブラインド1を窓の内側に設置した場合、縦型ブラインド1が室内側に突出するのを抑制できる。
【0058】
本実施形態の縦型ブラインド1の場合、第1ルーバー4は、付勢手段22によって、ヘッドレール2の長手方向に対して略平行となるように付勢されている。従って、全閉状態から全開状態にする場合、及び全開状態から全閉状態にする場合において、第1ルーバー4は、第2ルーバー5に押されて回転しても、ヘッドレール2の長手方向に対して略平行となる位置に戻ることができる。これにより、本実施形態の縦型ブラインド1によれば、全閉状態及び全開状態において、第1ルーバー4をヘッドレール2の長手方向に対して略平行となる姿勢で維持することができる。
【0059】
本実施形態の縦型ブラインド1の場合、第1ルーバー4が吊り下げられる第1吊下部材9と第2ルーバー5が吊り下げられる第2吊下部材10が同軸上に軸支される。従って、本実施形態の縦型ブラインド1によれば、簡易な構成で、意匠性を向上させることができる。
【0060】
本実施形態の縦型ブラインド1の場合、第1ルーバー4は、半透明なルーバーであり、第2ルーバー5は、不透明なルーバーである。従って、本実施形態の縦型ブラインド1によれば、全開状態では採光することができ、全閉状態では遮光することができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。例えば、上記実施形態では、複数のキャリア3の各々は、ヘッドレール2の長手方向に移動可能とされたが、移動不能であってもよい。この場合、複数のキャリア3の各々は、ヘッドレール2の長手方向に所定間隔で配置された状態が維持される。
また、第1吊下部材9をキャリア3ではなくヘッドレール2に沿って配置してもよい。具体的には、第1吊下部材9は軸部8に軸支されずヘッドレール2に直接取り付けられ、第2吊下部材10のみが軸部8に軸支されるようにしてもよい。即ち、複数のキャリア3の各々は、第1吊下部材9を備えずに軸部8及び第2吊下部材10を備えるようにしてもよい。なお、この場合、第1吊下部材9を必ず設ける必要はなく、第1ルーバー4をヘッドレール2から直接吊り下げることができるように構成してもよい。この変形例では、縦型ブラインドは、第1ルーバー及び第2ルーバーを備える縦型ブラインドである。そして、第1ルーバーは、ヘッドレールからヘッドレールの長手方向に所定間隔で吊り下げられる。第2ルーバーは、ヘッドレール内にヘッドレールの長手方向に所定間隔で配置された複数のキャリアの各々から吊り下げられる。複数のキャリアは、軸部及び第2ルーバーが吊り下げられる吊下部材を備える。第1ルーバーが第1吊下部材を用いずにヘッドレールに吊り下げられる場合、第2ルーバーが吊り下げられる吊下部材は、第2吊下部材10と同様の構成である。
【符号の説明】
【0062】
1 縦型ブラインド
2 ヘッドレール
3 キャリア
4 第1ルーバー
5 第2ルーバー
8 軸部
9 第1吊下部材
10 第2吊下部材
11 駆動軸
22 付勢手段