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特開2024-7413基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ
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  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図1
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図2
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図3
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図4A
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図4B
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図5A
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図5B
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図5C
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図6A
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図6B
  • 特開-基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007413
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240110BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/86 400
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103987
(22)【出願日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】63/357,011
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】沈 恩年
(72)【発明者】
【氏名】莊 家和
(72)【発明者】
【氏名】李 國華
(72)【発明者】
【氏名】呂 俊明
【テーマコード(参考)】
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA06
3E096BA15
3E096BA16
3E096BB03
3E096CA01
3E096DA09
3E096DA17
3E096DA23
3E096DA26
3E096FA03
3E096GA11
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131AA12
5F131BA00
5F131CA09
5F131CA12
5F131DA02
5F131DA09
5F131DA21
5F131DA43
5F131GA13
5F131GA22
5F131GA30
5F131GA33
5F131GA63
5F131GA69
5F131GA85
5F131GA99
(57)【要約】
【課題】基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファを提供する。
【解決手段】本発明に係る基板収納容器は、容器本体と、ドアと、制限器と、支持具と、少なくとも2つの弾性バッファと、を含んで構成されている。容器本体は収納スペース及び収納スペースに連通されている開口部を有し、ドアは開口部に設置され、制限器はドアに設置されていると共に開口部に向けられ、支持具は収納スペースの一側に設置されている。少なくとも2つの弾性バッファはドアと制限器との間、及び支持具と容器本体との間にそれぞれ緊密に配設されている。また、本発明は基板収納容器のドア組み立て部材、基板収納容器の支持具組み立て部材、及び基板収納容器中に用いられる弾性バッファを更に提供する。本発明に係る弾性バッファは基板収納容器中の任意の2つの剛性部材の間に適用され、緩衝力及び適度な摩擦力を提供し、剛性部材の衝突を和らげ、粉塵が生成される問題を減少させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納スペース及び前記収納スペースに連通されている開口部を有している容器本体と、
前記開口部に設置されているドアと、
前記ドアに設置されている制限器であって、前記制限器は前記開口部に向けられている制限器と、
前記収納スペースの一側に設置されている支持具と、
前記ドアと前記制限器との間、及び前記支持具と前記容器本体との間にそれぞれ緊密に配設されている少なくとも2つの弾性バッファと、を備えていることを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
少なくとも2つの前記弾性バッファは受け体を各々備え、前記各受け体は2つの受け当接面を有し、2つの前記受け当接面が連接されることで受け空間及び前記受け空間に連通されている受け口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記ドアは前記開口部に向けられた表面に少なくとも1つの凸部が設けられ、少なくとも2つの前記弾性バッファのうちの1つは前記凸部に設置され、前記凸部に設置されている前記弾性バッファの2つの前記受け当接面は前記ドアと前記制限器との間に緊密に当接させるために用いられていることを特徴とする請求項2に記載の基板収納容器。
【請求項4】
前記支持具は少なくとも1つの凸部を有し、前記凸部は前記容器本体の内壁面に向けられ、少なくとも2つの前記弾性バッファのうちの1つは前記凸部に設置され、前記凸部に設置されている前記バッファの2つの前記受け当接面は前記支持具と前記内壁面との間に緊密に当接させるために用いられていることを特徴とする請求項2に記載の基板収納容器。
【請求項5】
前記ドアの少なくとも1つの貫通穴に設置されている少なくとも1つの空気圧レギュレーターを更に備え、少なくとも1つの前記空気圧レギュレーターは前記収納スペース内部のガスの置換率を調節するために用いられていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項6】
少なくとも2つの空気圧レギュレーターを更に備え、少なくとも2つの前記空気圧レギュレーターは吸気調整部材または排気調整部材であるか、或いは少なくとも1つの吸気調整部材及び少なくとも1つの排気調整部材の組み合わせであり、前記吸気調整部材及び前記排気調整部材は前記ドアの異なる貫通穴中にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項7】
基板収納容器の開口部に設置されているドアであって、前記ドアは前記開口部に向けられた表面に少なくとも1つの凸部が設けられているドアと、
前記ドアに設置されている制限器であって、前記制限器は前記開口部に向けられている制限器と、
前記凸部に設置されている少なくとも1つの弾性バッファであって、前記弾性バッファは受け体を含み、前記受け体は2つの受け当接面を有し、2つの前記受け当接面が連接されることで受け空間及び前記受け空間に連通されている受け口が形成され、前記凸部は前記受け口から前記受け空間中に挿入され、2つの前記受け当接面は前記ドアと前記制限器との間に緊密に当接させるために用いられている少なくとも1つの弾性バッファと、を備えていることを特徴とする基板収納容器のドア組み立て部材。
【請求項8】
前記受け体は閉鎖端を有し、前記凸部の上端は前記閉鎖端に突き当てられていることを特徴とする請求項7に記載の基板収納容器のドア組み立て部材。
【請求項9】
基板収納容器の収納スペースの一側に設置されている支持具であって、前記支持具は少なくとも1つの凸部を有し、前記凸部は前記基板収納容器の内壁面に向けられている支持具と、
前記凸部に設置されている少なくとも1つの弾性バッファであって、前記弾性バッファは受け体を含み、前記受け体は2つの受け当接面を有し、2つの前記受け当接面が連接されることで受け空間及び前記受け空間に連通されている受け口が形成され、前記凸部は前記受け口から前記受け空間中に挿入され、2つの前記受け当接面は前記支持具と前記内壁面との間に緊密に当接させるために用いられている少なくとも1つの弾性バッファと、を備えていることを特徴とする基板収納容器の支持具組み立て部材。
【請求項10】
前記受け体は前記受け空間に連通されている貫通孔を更に有し、前記凸部は前記受け空間から前記貫通孔に貫入されていることを特徴とする請求項9に記載の基板収納容器の支持具組み立て部材。
【請求項11】
前記凸部の末端には掛合端を更に有し、前記掛合端は前記貫通孔に貫入され、且つ前記受け体の外面に掛合されていることを特徴とする請求項10に記載の基板収納容器の支持具組み立て部材。
【請求項12】
基板収納容器中で用いられ、前記基板収納容器には第1部材及び第2部材が設置され、前記第1部材は凸部を有している弾性バッファであって、
前記凸部に覆設され、前記第1部材と前記第2部材との間に緊密に当接させるために用いられている受け体を備えていることを特徴とする弾性バッファ。
【請求項13】
前記第1部材はドアであり、前記第2部材は制限器であり、前記受け体は前記ドアの凸部に覆設され、前記ドアと前記制限器との間に緊密に当接させるために用いられていることを特徴とする請求項12に記載の弾性バッファ。
【請求項14】
前記受け体は閉鎖端を有し、前記凸部の上端は前記閉鎖端に突き当てられていることを特徴とする請求項13に記載の弾性バッファ。
【請求項15】
前記第1部材は支持具であり、前記第2部材は前記基板収納容器の内壁面であり、前記受け体は前記支持具の凸部に覆設され、前記支持具と前記内壁面との間に緊密に当接させるために用いられていることを特徴とする請求項12に記載の弾性バッファ。
【請求項16】
前記受け体は受け空間と、受け口と、貫通孔とで構成され、前記受け口及び前記貫通孔は前記受け空間に連通され、前記凸部は前記受け口から前記受け空間中に挿入されていると共に前記受け空間から前記貫通孔に貫入されていることを特徴とする請求項15に記載の弾性バッファ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、より詳しくは、基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場の半導体産業では基板収納容器を採用して基板を積載している。基板はプリント回路基板、ウェハー等の半導体素子であり、トレー(tray)またはガラス等のシート状物品でもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、基板収納容器は輸送過程において、過大に上下に振動しやすく、基板が破裂したり、基板キャリア内の素子が緩んだり、摩擦により粉塵が発生したり、ひいては基板収納容器内の清潔度に重大な影響が及んだ。また、基板収納容器に設備インターフェースを組み合わせて輸送位置決め操作を行う過程において、粉塵問題が発生した。
【0004】
そこで、基板収納容器が振動を受けて基板が毀損し、基板収納容器内部の構成素子が緩み、基板収納容器内部と構成素子との間で摩擦が起こり、基板収納容器及び設備インターフェースの輸送位置決め過程で摩擦が生じて粉塵が発生する等の多くの問題を解決することが切望されていた。
【0005】
本発明は、従来の基板収納容器の問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、基板収納容器が提供される。本発明に係る基板収納容器は、収納スペース及び前記収納スペースに連通されている開口部を有している容器本体と、前記開口部に設置されているドアと、前記ドアに設置されている制限器であって、前記制限器は前記開口部に向けられている制限器と、前記収納スペースの一側に設置されている支持具と、前記ドアと前記制限器との間、及び前記支持具と前記容器本体との間にそれぞれ緊密に配設されている少なくとも2つの弾性バッファと、を備えている。
【0007】
本発明の好適例において、少なくとも2つの前記弾性バッファは受け体を各々備え、前記各受け体は2つの受け当接面を有し、2つの前記受け当接面が連接されることで受け空間及び前記受け空間に連通されている受け口が形成されている。
【0008】
本発明の好適例において、前記ドアは前記開口部に向けられた表面に少なくとも1つの凸部が設けられ、少なくとも2つの前記弾性バッファのうちの1つは前記凸部に設置され、前記凸部に設置されている前記弾性バッファの2つの前記受け当接面は前記ドアと前記制限器との間に緊密に当接させるために用いられている。
【0009】
本発明の好適例において、前記支持具は少なくとも1つの凸部を有し、前記凸部は前記容器本体の内壁面に向けられ、少なくとも2つの前記弾性バッファのうちの1つは前記凸部に設置され、前記凸部に設置されている前記バッファの2つの前記受け当接面は前記支持具と前記内壁面との間に緊密に当接させるために用いられている。
【0010】
本発明の好適例において、前記ドアの少なくとも1つの貫通穴に設置されている少なくとも1つの空気圧レギュレーターを更に備え、少なくとも1つの前記空気圧レギュレーターは前記収納スペース内部のガスの置換率を調節するために用いられている。
【0011】
本発明の好適例において、少なくとも2つの空気圧レギュレーターを更に備え、少なくとも2つの前記空気圧レギュレーターは吸気調整部材または排気調整部材であるか、或いは少なくとも1つの吸気調整部材及び少なくとも1つの排気調整部材の組み合わせであり、前記吸気調整部材及び前記排気調整部材は前記ドアの異なる貫通穴中にそれぞれ配置されている。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明はさらに基板収納容器のドアの組み立て部材を提供する。本発明に係る基板収納容器のドアの組み立て部材は、前記基板収納容器の開口部に設置されているドアであって、前記ドアは前記開口部に向けられた表面に少なくとも1つの凸部が設けられているドアと、前記ドアに設置されている制限器であって、前記制限器は前記開口部に向けられている制限器と、前記凸部に設置されている少なくとも1つの弾性バッファであって、前記弾性バッファは受け体を含み、前記受け体は2つの受け当接面を有し、2つの前記受け当接面が連接されることで受け空間及び前記受け空間に連通されている受け口が形成され、前記凸部は前記受け口から前記受け空間中に挿入され、2つの前記受け当接面は前記ドアと前記制限器との間に緊密に当接させるために用いられている少なくとも1つの弾性バッファと、を備えている。
【0013】
本発明の好適例において、前記受け体は閉鎖端を有し、前記凸部の上端は前記閉鎖端に突き当てられている。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明はさらに基板収納容器の支持具組み立て部材を提供する。本発明に係る支持具組み立て部材は、前記基板収納容器の収納スペースの一側に設置されている支持具であって、前記支持具は少なくとも1つの凸部を有し、前記凸部は前記基板収納容器の内壁面に向けられている支持具と、前記凸部に設置されている少なくとも1つの弾性バッファであって、前記弾性バッファは受け体を含み、前記受け体は2つの受け当接面を有し、2つの前記受け当接面が連接されることで受け空間及び前記受け空間に連通されている受け口が形成され、前記凸部は前記受け口から前記受け空間中に挿入され、2つの前記受け当接面は前記支持具と前記内壁面との間に緊密に当接させるために用いられている少なくとも1つの弾性バッファと、を備えている。
【0015】
本発明の好適例において、前記受け体は前記受け空間に連通されている貫通孔を更に有し、前記凸部は前記受け空間から前記貫通孔に貫入されている。
【0016】
本発明の好適例において、前記凸部の末端には掛合端を更に有し、前記掛合端は前記貫通孔に貫入され、且つ前記受け体の外面に掛合されている。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明はさらに基板収納容器に用いられる弾性バッファを提供する。前記基板収納容器中で用いられ、前記基板収納容器には第1部材及び第2部材が設置され、前記第1部材は凸部を有している。前記弾性バッファは、前記凸部に覆設され、前記第1部材と前記第2部材との間に緊密に当接させるために用いられている受け体を備えている。
【0018】
本発明の好適例において、前記第1部材はドアであり、前記第2部材は制限器であり、前記受け体は前記ドアの凸部に覆設され、前記ドアと前記制限器との間に緊密に当接させるために用いられている。
【0019】
本発明の好適例において、前記受け体は閉鎖端を有し、前記凸部の上端は前記閉鎖端に突き当てられている。
【0020】
本発明の好適例において、前記第1部材は支持具であり、前記第2部材は前記基板収納容器の内壁面であり、前記受け体は前記支持具の凸部に覆設され、前記支持具と前記内壁面との間に緊密に当接させるために用いられている。
【0021】
本発明の好適例において、前記受け体は受け空間と、受け口と、貫通孔とで構成され、前記受け口及び前記貫通孔は前記受け空間に連通され、前記凸部は前記受け口から前記受け空間中に挿入されていると共に前記受け空間から前記貫通孔に貫入されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
以上述べた如く、本発明に係る基板収納容器とそのドアの組み立て部材、支持具組み立て部材及び弾性バッファは、基板収納容器に応用される任意の2つの剛性部材の間の弾性バッファにより緩衝力及び適度な摩擦力を提供することで、剛性部材の衝突を軽減し、粉塵が発生するという問題を減少させている。このほか、基板収納容器が熱膨張と冷却凝縮により変形した場合、弾性バッファを設置することによって前記変形を解消し、素子間の緩みを防ぐ。
【0023】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係る基板収納容器を示す概略組立図である。
図2】本発明の一実施例に係るドアの組み立て部材を示す概略組立図である。
図3】本発明の一実施例に係るドアの組み立て部材を示す背面図である。
図4A図3のA-A線に沿う概略断面図である。
図4B】本発明の一実施例に係る制限器と弾性バッファが係合していない状態を示す概略組立図である。
図5A】本発明の一実施例に係る支持具組み立て部材を示す側面図である。
図5B】本発明の一実施例に係る掛合端と弾性バッファが掛合する前の拡大図である。
図5C】本発明の一実施例に係る支持具組み立て部材の変化率を示す部分拡大概略図である。
図6A】本発明の一実施例に係る基板収納容器に適用されている弾性バッファを示す概略断面図(一)である。
図6B】本発明の一実施例に係る基板収納容器に適用されている弾性バッファを示す概略断面図(二)である。
図7】本発明の一実施例に係る空気圧レギュレーターを示す概略組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0026】
本発明の一実施例に係る基板収納容器100は、容器本体1と、ドア2と、制限器3と
、支持具4と、少なくとも2つの弾性バッファ51、52と、を含んで構成されている(図1参照)。
【0027】
容器本体1は収納スペースS及び収納スペースSに連通されている開口部11を有している。収納スペースSは、回路基板、ウェハー、トレー、ガラス等の複数のシート状物品を収容するために用いられているが、本発明はこれらに限られない。
【0028】
ドア2は開口部11に可動に設置され、収納スペースSを開閉するために用いられている。
【0029】
ドア2の開口部11に向けられた表面には少なくとも1つの凸部21が設けられ、制限器3はドア2の凸部21に設置されている。制限器3は開口部11に向けられ、収納スペースS内にある複数のシート状物品を保持するために用いられ、安定的な支持効果を提供している(図2図3参照)。
【0030】
支持具4は収納スペースSの一側に設置され、収納スペースS内にある複数のシート状物品を支持及び/または隔離するために用いられている。支持具4は、好ましくは、少な
くとも2セット提供し、収納スペースSの対向しあう両側にそれぞれ設置されている。図5A乃至図6Aに示す如く、支持具4は少なくとも1つの凸部41を有し、凸部41は容器本体1の内壁面12に向けられている。内壁面12は容器本体1の左右の側壁面、後側の壁面、底側の壁面及び上側の壁面でもよいが、本発明は内壁面12の実際の位置について限定せず、支持具4と相互に係合するあらゆる容器本体1の内壁面は全て本発明の指示する内壁面12とすることができる。図6Aの例では、内壁面12は容器本体1の後側の壁面である。他の実施例では、内壁面12aは容器本体1の上部の壁面である(図6B参照)。
【0031】
図1乃至図6Bに示す如く、少なくとも2つの弾性バッファ51、52はドア2と制限器3との間、及び支持具4と容器本体1との間にそれぞれ緊密に配設されている。弾性バッファ51はドア2と制限器3との間に緊密に配設され、弾性バッファ52は支持具4と容器本体1との間に緊密に配設されている。弾性バッファ51、52は弾性がある耐摩耗性材質であり、例えば、シリカゲル(Silica Gel)、フッ化ゴムであり、従来の制限器とドアとの間では相互に近接して干渉が発生し、振動、熱膨張と冷却凝縮等の現象により容易に脱落するという問題を解決し、且つ従来の支持具と容器本体との間では剛性特性により干渉摩擦が発生し、両者の間の隙間が衝突し、これにより粉塵が発生する等の問題も解決する。
【0032】
弾性バッファ51、52が弾性、耐摩擦等の特性を備えているため、弾性バッファ51がドア2に覆設されると、弾性バッファ51が制限器3の接合部31により圧迫されて弾性変形が生じることで、緊密に保持する効果を達成している。詳しくは、弾性バッファ51が圧迫されて制限器3の接合部31とドア2の凸部21との間に密着し、弾性バッファ51の材質特性により高い圧着力を発生させると共に、緩衝力及び適度な摩擦力も提供する。このほか、基板収納容器100が熱膨張と冷却凝縮により変形する場合、弾性バッファ51を設置することで前記変形を解消し、制限器3がドア2から緩むのを防止している。一方、弾性バッファ52が支持具4に覆設され、支持具4が容器本体1の内壁面12の係合溝121に組み立てられると(図6A参照)、弾性バッファ52が支持具4の凸部41と係合溝121との間の隙間を充填することで、摩擦により粉塵が発生する問題を解決している。
【0033】
本実施例では、ドア2及び制限器3、支持具4及び容器本体1をそれぞれ例として挙げ、実施において、本発明に係る弾性バッファは基板収納容器100中の任意の2つの剛性
部材の間で応用し、緩衝力及び適度な摩擦力を提供して剛性部材の衝突を和らげ、粉塵が発生する問題を減少させている。よって、本発明に係る弾性バッファはドア2と制限器3との間、または支持具4と容器本体1との間に設置されることに限定されない。容器本体1の設計の必要に応じて、任意の2つの隣接する部材を第1部材及び第2部材と見做し、第1部材は凸部を有し、弾性バッファは第1部材と第2部材との間に当接される。第1部材は、例えば、前述したドア2または支持具4であり、第2部材は、例えば、前述した制限器3または容器本体1である。
【0034】
本発明の弾性バッファは以下の構造を有している。受け体は第1部材の凸部に覆設され、第1部材と第2部材との間に緊密に当接させるために用いられている。
【0035】
図1乃至図4Bに示す如く、弾性バッファ51がドア2と制限器3との間に設置される例について説明する。受け体は2つの受け当接面511を有し、2つの受け当接面511が連接されることで受け空間512及び受け空間512に連通されている受け口513が形成されている。受け口513はドア2(第1部材)の凸部21が受け口513から受け空間512中に挿入されるものを許容し、こうすることで、受け体がドア2の凸部21に覆設され、2つの受け当接面511がドア2と制限器3(第2部材)との間に緊密に当接させるために用いられている。詳しくは、受け当接面511の内面は凸部21の側面に緊着され、ドア2に密接されている。受け当接面511の外面は制限器3に緊着され、制限器3に密接されている。受け体はし2つの受け当接面511を有し、各受け当接面511は全て凸部21と制限器3との間に緊密に当接されている。本発明では、弾性バッファ51の材質の弾性変形特性を利用し、ドア2と制限器3との間に高い圧着力を発生させ、且つ緩衝力及び適度な摩擦力を提供し、制限器3がドア2から緩むのを防止している。この例では、受け体は閉鎖端514を更に有し、ドア2の凸部21の上端は閉鎖端514に突き当てられている。即ち、受け体は凸部21を封止するように被覆している。
【0036】
他の例では、支持具4と容器本体1との間に設置されている弾性バッファ52の例を挙げ、その受け体は2つの受け当接面521を有し、2つの受け当接面521が連接されることで受け空間522及び受け空間522に連通されている受け口523が形成されている。受け口523は支持具4(第1部材)の凸部41が受け口523から受け空間522中に挿入するのを許容し、こうすることで、受け体が支持具4の凸部41に覆設され、2つの受け当接面521が支持具4と容器本体1(第2部材)の内壁面12との間に緊密に当接させるために用いられている(図1図5A乃至図6A参照)。詳しくは、受け当接面521の内面は凸部41の側面に緊着され、支持具4に密接されている。受け当接面521の外面は内壁面12に更に緊着され、内壁面12に密接されている。受け体は2つの受け当接面521を有し、各受け当接面521は共に凸部41と内壁面12との間に緊密に当接されている。本発明では、弾性バッファ52の材質の弾性変形特性を利用し、内壁面12と支持具4との間に高い圧着力を発生させ、且つ緩衝力及び適度な摩擦力を提供し、支持具4が容器本体1から緩むのを防止し、同時に摩擦が粉塵を発生させる問題を回避している。この例において、受け体は貫通孔524を更に有し、貫通孔524は前記受け空間522に連通され、支持具4の凸部41は受け空間522から貫通孔524に貫入している。さらに、この例において、図5A及び図5Bに示す如く、支持具4の凸部41の末端には掛合端411を更に有し、貫通孔524は掛合端411の位置に適合し、掛合端411は貫通孔524に貫入され、且つ受け体の外面に掛合され、こうすることで、弾性バッファ52が固定されるように掛合されている。他の変形例では、図5Cに示す如く、支持具4の凸部41aは前述した掛合端411を有しておらず、弾性バッファ52は支持具4の凸部41aに覆設され、凸部41aは貫通孔524に貫入されている。例えば、支持具4の凸部41aが容器本体1の上部の壁面に向けられている場合、弾性バッファ52は重力により自然に凸部41aに覆設されるため、凸部41aは掛合端411を有する必要がない。ただし、本発明はこれに限られない。
【0037】
図6Aの対応変化例とする場合、図6Bの内壁面12aは容器本体1の上部の壁面であり、図6Aでは内壁面12は容器本体1の後側の壁面である。この例において、支持具4と容器本体1との間にある弾性バッファ52は支持具4の上部の凸部41aが挿入するのを許容し、こうすることで、受け体が支持具4の凸部41aに覆設され、弾性バッファ52が支持具4と内壁面12aの係合溝121aとの間に緊密に当接される。弾性バッファ52の材質の弾性変形特性を利用し、内壁面12aと支持具4との間に高い圧着力を発生させ、且つ緩衝力及び適度な摩擦力を提供し、支持具4が容器本体1から緩むのを防止し、同時に摩擦が粉塵を発生させる問題を回避している。
【0038】
さらに、本実施例では、図1図7を併せて参照し、基板収納容器100は、ドア2の少なくとも1つの貫通穴23に設置されている少なくとも1つの空気圧レギュレーター22を更に備え、貫通穴23は収納スペースS及び外部の穴に連通され、且つその設置位置は制限器3の設置範囲を避ける必要がある。空気圧レギュレーター22は収納スペースS内部のガスの置換率を調節するために用いられている。空気圧レギュレーター22は、例えば、逆止弁でもよく、収納スペースSの圧力値を調節可能である。例えば、収納スペースSの圧力値が真空状態に向かっている場合、圧力が解放され、収納スペースSのガス置換が調節され、同時に収納スペースSの湿度も効果的に低下する。
【0039】
さらに、前述した空気圧レギュレーター22の数量は少なくとも2つであり、少なくとも2つの空気圧レギュレーター22は吸気調整部材221または、排気調整部材222、或いは少なくとも1つの吸気調整部材221及び少なくとも1つの排気調整部材222の組み合わせであり、吸気調整部材221及び排気調整部材222はドア2の異なる貫通穴23中にそれぞれ配置され、収納スペースSのガスの置換効率の調節を向上している。吸気調整部材221及び排気調整部材222は、例えば、互いに逆方向になる逆止弁でもよい。
【0040】
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0041】
100 基板収納容器
1 容器本体
11 開口部
12 内壁面
12a 内壁面
121 係合溝
121a 係合溝
2 ドア
21 凸部
22 空気圧レギュレーター
221 吸気調整部材
222 排気調整部材
23 貫通穴
3 制限器
31 接合部
4 支持具
41 凸部
41a 凸部
411 掛合端
51 弾性バッファ
511 受け当接面
512 受け空間
513 受け口
514 閉鎖端
52 弾性バッファ
521 受け当接面
522 受け空間
523 受け口
524 貫通孔
S 収納スペース
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7