(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074130
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】車両用外装部品
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20240523BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20240523BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20240523BHJP
F21V 3/06 20180101ALI20240523BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20240523BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240523BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20240523BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/50
F21V3/00 350
F21V3/00 100
F21V3/06 131
F21V3/10 330
F21V3/10 370
F21W103:00
F21W104:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185219
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】倉滿 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】雲 純史
(72)【発明者】
【氏名】田中 義治
(72)【発明者】
【氏名】福井 弘貴
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰秀
(57)【要約】
【課題】発光して見える部分の意匠変更を容易に行うことができるとともに、見栄えの向上を図ることができる。
【解決手段】車両用外装部品10は、車両の外方に向かって開口する開口部25を有するハウジング20と、開口部25を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体30Aと、ハウジング20に取り付けられる取付部33と、を有するカバー30と、ハウジング20の内部に設けられ、カバー30に向けて光を出射する光源ユニット40とを備える。カバー本体30Aは、可視光を拡散させる拡散剤を含み、可視光透過性を有する内側部36と、内側部36の外面に設けられる外側部31とを有する。外側部31は、可視光を遮る遮光部32と、遮光部32により囲まれるとともに可視光透過性を有する透光部35とを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外方に向かって開口する開口部を有するハウジングと、
前記開口部を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体と、前記ハウジングに取り付けられる取付部と、を有するカバーと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記カバーに向けて光を出射する光源ユニットと、を備え、
前記カバー本体は、
可視光を拡散させる拡散剤を含み、可視光透過性を有する内側部と、
前記内側部の外面に設けられる外側部と、を有し、
前記外側部は、可視光を遮る遮光部と、前記遮光部により囲まれるとともに可視光透過性を有する透光部と、を有する、
車両用外装部品。
【請求項2】
前記内側部及び前記外側部は、熱可塑性樹脂製であり、
前記透光部は、前記外側部の内外を連通する連通孔であり、
前記内側部及び前記外側部は、二色成形により形成されている、
請求項1に記載の車両用外装部品。
【請求項3】
前記外側部は、可視光透過性を有するフィルム基材を有し、
前記遮光部は、前記フィルム基材の内面に印刷により形成されている、
請求項1に記載の車両用外装部品。
【請求項4】
前記外側部は、塗膜により形成されている、
請求項1に記載の車両用外装部品。
【請求項5】
車両の外方に向かって開口する開口部を有するハウジングと、
前記開口部を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体と、前記ハウジングに取り付けられる取付部と、を有するアウタカバーと、
可視光を遮る材料により形成され、前記ハウジングの内部において前記アウタカバーと対向する対向部を有するインナカバーと、
前記ハウジングの内部において前記対向部の内側に設けられ、前記対向部に向けて光を出射する光源ユニットと、を備え、
前記カバー本体は、可視光透過性を有する内側部と、前記内側部の外面に設けられ、可視光透過性を有する外側部と、を有し、
前記外側部は、前記内側部よりも低い可視光透過率を有し、
前記対向部は、前記対向部の内外を連通する連通孔を有する、
車両用外装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用外装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両表示灯(以下、表示灯と称する。)を備えるフェンダー部品が記載されている。フェンダー部品には、排気口と、排気口からの排気を整流するフィン部とが設けられている。フィン部は、フェンダー部品に装着されるベース部と、ベース部に装着されるとともに意匠面を構成するカバー部とを備えている。ベース部には、LEDまたは電球からなる発光部が組み込まれている。カバー部は、透明体または着色透明体により形成されている。こうしたフェンダー部品によれば、発光部から出射される光によってカバー部が発光するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の表示灯においては、カバー部の大きさ及び形状によって、発光して見える部分の大きさ及び形状が決まる。このため、発光して見える部分の大きさ及び形状を変更するためには、カバー部の設計を変更するとともに、カバー部が装着されるベース部の設計を変更する必要がある。また、ベース部の設計変更に伴ってベース部が装着されるフェンダー部品の設計を変更する必要がある。このように、発光して見える部分の大きさ及び形状の設計変更が複数の部品の設計変更を招くことになる。このため、車両のグレード違いなどに応じて発光して見える部分の意匠変更を行うことが難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための車両用外装部品の各態様を記載する。
[態様1]
車両の外方に向かって開口する開口部を有するハウジングと、前記開口部を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体と、前記ハウジングに取り付けられる取付部と、を有するカバーと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記カバーに向けて光を出射する光源ユニットと、を備え、前記カバー本体は、可視光を拡散させる拡散剤を含み、可視光透過性を有する内側部と、前記内側部の外面に設けられる外側部と、を有し、前記外側部は、可視光を遮る遮光部と、前記遮光部により囲まれるとともに可視光透過性を有する透光部と、を有する、車両用外装部品。
【0006】
同構成によれば、光源ユニットの点灯時には、光源ユニットから出射される光が内側部と、外側部の透光部とを通じて外部に透過することで、透光部が発光して見えるようになる。ここで、透光部の大きさ及び形状を適宜設定することにより、発光して見える部分の大きさ及び形状を容易に設定することができる。また、内側部には拡散剤が含まれているので、光源ユニットから出射される光が内側部内に拡散される。これにより、光源ユニットの数を低減できる。また、上記構成によれば、内側部には拡散剤が含まれているので、内側部の可視光透過率が低められる。これにより、光源ユニットの消灯時において、透光部と内側部とを通じて光源ユニットが外部から視認されにくくなる。したがって、発光して見える部分の意匠変更を容易に行うことができるとともに、見栄えの向上を図ることができる。
【0007】
[態様2]
前記内側部及び前記外側部は、熱可塑性樹脂製であり、前記透光部は、前記外側部の内外を連通する連通孔であり、前記内側部及び前記外側部は、二色成形により形成されている、態様1に記載の車両用外装部品。
【0008】
同構成によれば、透光部が外側部の内外を連通する連通孔であるので、透光部の構成を簡単にすることができる。このため、二色成形によってカバーを容易に形成することができる。
【0009】
[態様3]
前記外側部は、可視光透過性を有するフィルム基材を有し、前記遮光部は、前記フィルム基材の内面に印刷により形成されている、態様1に記載の車両用外装部品。
【0010】
同構成によれば、可視光透過性のフィルム基材の内面に印刷することによって遮光部が形成される。これにより、遮光部の意匠の自由度、すなわち透光部の意匠の自由度を容易に向上できる。また、上記構成によれば、フィルム基材を内側部の外面に貼着することにより、カバーを容易に形成することができる。
【0011】
[態様4]
前記外側部は、塗膜により形成されている、態様1に記載の車両用外装部品。
同構成によれば、内側部の外面に塗膜を形成することにより、カバーを容易に形成することができる。
【0012】
[態様5]
車両の外方に向かって開口する開口部を有するハウジングと、前記開口部を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体と、前記ハウジングに取り付けられる取付部と、を有するアウタカバーと、可視光を遮る材料により形成され、前記ハウジングの内部において前記アウタカバーと対向する対向部を有するインナカバーと、前記ハウジングの内部において前記対向部の内側に設けられ、前記対向部に向けて光を出射する光源ユニットと、を備え、前記カバー本体は、可視光透過性を有する内側部と、前記内側部の外面に設けられ、可視光透過性を有する外側部と、を有し、前記外側部は、前記内側部よりも低い可視光透過率を有し、前記対向部は、前記対向部の内外を連通する連通孔を有する、車両用外装部品。
【0013】
同構成によれば、光源ユニットの点灯時には、光源ユニットから出射される光がインナカバーの連通孔、内側部、及び外側部を通じて外部に透過することで、アウタカバーのうち連通孔と重なり合う部分が発光して見えるようになる。ここで、連通孔の大きさ及び形状を適宜設定することにより、発光して見える部分の大きさ及び形状を容易に設定することができる。また、上記構成によれば、内側部の外面が、内側部よりも可視光透過率の低い外側部により覆われているので、光源ユニットの消灯時において、アウタカバーとインナカバーの連通孔とを通じて光源ユニットが外部から視認されにくくなる。したがって、発光して見える部分の意匠変更を容易に行うことができるとともに、見栄えの向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る車両用外装部品によれば、発光して見える部分の意匠変更を容易に行うことができるとともに、見栄えの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、車両用外装部品の第1実施形態について、外装部品を中心とした車両の正面図である。
【
図2】
図2は、
図1の外装部品を中心とした車両の拡大正面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態の外装部品を中心とした車両の拡大正面図である。
【
図7】
図7は、
図4に対応する図であって、消灯時における車両の拡大正面図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態の外装部品の断面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の変更例の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
図1~
図3を参照して、車両用外装部品(以下、外装部品10と称する。)の第1実施形態について説明する。
【0017】
なお、以降において、外装部品10が設けられる車両の前後方向Lの前側及び後側をそれぞれ単に前側及び後側と称する。また、車両の上下方向Zの上側及び下側をそれぞれ単に上側及び下側と称する。
【0018】
図1~
図3に示すように、車両の前部には、車両の外殻を形成するバンパカバー90が設けられている。
バンパカバー90には、バンパカバー90を前後に貫通する貫通孔91が設けられている。本実施形態の貫通孔91は、ヘッドライト92の下方に位置している。
【0019】
バンパカバー90には、図示しない取付部を介して外装部品10が取り付けられている。外装部品10は、貫通孔91を後側から覆っている。
外装部品10は、ハウジング20と、カバー30と、光源ユニット40とを備えている。
【0020】
<ハウジング20>
図3に示すように、ハウジング20は、車両の前方、すなわち外方に向かって開口する開口部25を有している。
【0021】
ハウジング20は、上下方向Z及び車幅方向Wに延在する底壁21と、底壁21の周縁から前方に延在する周壁22とを有している。周壁22により、開口部25が形成されている。
【0022】
周壁22には、外周側に突出する取付部23が設けられている。取付部23には、前後方向Lに貫通する取付孔23aが設けられている。
ハウジング20は、熱可塑性樹脂製であることが好ましい。本実施形態のハウジング20は、例えばポリプロピレン製である。
【0023】
<カバー30>
図3に示すように、カバー30は、開口部25を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体30Aと、ハウジング20に取り付けられる取付部33とを有している。
【0024】
カバー本体30Aは、可視光を拡散させる拡散剤を含み、可視光透過性を有する内側部36と、内側部36の外面に設けられる外側部31とを有している。本実施形態の外側部31は、カバー30の意匠面を形成している。
【0025】
取付部33は、カバー本体30Aの周縁部に設けられている。取付部33は、カバー本体30Aから後方に突出している。取付部33は、後方に向かって開口するねじ孔33aを有している。
【0026】
ハウジング20の周壁22の先端縁と、カバー本体30Aの後面との間には、隙間が設けられている。
ねじ81を後方から取付孔23aに挿通するとともに、ねじ孔33aにねじ込むことにより、ハウジング20に対してカバー30が取り付けられている。
【0027】
外側部31は、可視光を遮る遮光部32と、遮光部32により囲まれるとともに可視光透過性を有する透光部35とを有している。透光部35は、外側部31の内外を連通する連通孔であることが好ましい。
【0028】
本実施形態では、外側部31のうち透光部35以外の部分が、遮光部32により構成されている。
取付部33は、外側部31の遮光部32と一体に形成されており、可視光を遮るように構成されている。
【0029】
外側部31には、いずれも後方に突出する内側突出部34aと、外側突出部34bとが一体に形成されている。内側突出部34a及び外側突出部34bは、外側部31の全周にわたって設けられている。内側突出部34aは、ハウジング20の周壁22の内周側に位置している。外側突出部34bは、ハウジング20の周壁22の外周側に位置している。
【0030】
内側突出部34aと、外側突出部34bと、周壁22とにより区画される空間には、接着剤60が設けられている。
外側部31のうちバンパカバー90の貫通孔91と前後方向Lに重なり合う部分を含む部分(以下、薄肉部31aと称する。)は、外側部31の周縁部よりも小さな厚みを有している。外側部31の後面における薄肉部31aの周縁部には、段差が形成されている。
【0031】
内側部36は、薄肉部31aの後面に設けられている。内側部36は、透光部35の内部空間に充填されている。
外側部31、取付部33、内側突出部34a、外側突出部34b、及び内側部36は、熱可塑性樹脂製であることが好ましい。こうした熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレンが好ましい。
【0032】
外側部31、取付部33、内側突出部34a、及び外側突出部34bを形成する熱可塑性樹脂には、周知の黒色顔料が添加されている。
内側部36を形成する熱可塑性樹脂には、周知の拡散剤が添加されている。
【0033】
内側部36及び外側部31は、二色成形により形成されていることが好ましい。詳しくは、外側部31、取付部33、内側突出部34a、及び外側突出部34bが一次材として成形された後、内側部36が二次材として成形されている。
【0034】
複数の透光部35は、車幅方向Wに延在するとともに、上下方向Zにおいて互いに間隔をあけて設けられている。
遮光部32のうち透光部35の周縁部分が、前方に向かって突出している(
図3参照)。
【0035】
<光源ユニット40>
図3に示すように、光源ユニット40は、ハウジング20の内部に設けられ、カバー30に向けて光を出射するように構成されている。
【0036】
光源ユニット40は、光源42を有する基板41と、リフレクタ43とを備えている。
基板41は、底壁21の前面に固定されている。基板41は、前後方向Lにおいてバンパカバー90と重なり合う位置に設けられていることが好ましい。本実施形態では、基板41は、底壁21の上端部に設けられている。
【0037】
光源42は、基板41の前面に設けられ、前方に向かって可視光(以下、単に光と称する。)を出射するように構成されている。光源42は、例えばLEDである。
リフレクタ43は、光源42の前方に設けられ、光源42から出射される光を反射するように構成されている。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図3に示すように、光源ユニット40の点灯時には、光源ユニット40から出射される光が、リフレクタ43により反射された後、内側部36と、外側部31の透光部35とを通じて外部に透過することで、透光部35が発光して見えるようになる。ここで、透光部35の大きさ及び形状を適宜設定することにより、発光して見える部分の大きさ及び形状を容易に設定することができる。また、内側部36には拡散剤が含まれているので、光源ユニット40から出射される光が内側部36内に拡散される。これにより、光源ユニット40の数を低減できる。また、内側部36には拡散剤が含まれているので、内側部36の可視光透過率が低められる。これにより、光源ユニット40の消灯時において、透光部35と内側部36とを通じて光源ユニット40が外部から視認されにくくなる。また、カバー30がハウジング20に取り付けられる取付部33を有しているので、見切り隙間が発生しない。
【0039】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1-1)カバー30は、カバー本体30Aと取付部33とを有する。カバー本体30Aは、内側部36と外側部31とを有する。外側部31は、可視光を遮る遮光部32と、遮光部32により囲まれるとともに可視光透過性を有する透光部35とを有する。
【0040】
こうした構成によれば、上述した作用を奏するため、発光して見える部分の意匠変更を容易に行うことができるとともに、見栄えの向上を図ることができる。
(1-2)内側部36及び外側部31は、熱可塑性樹脂製である。透光部35は、外側部31の内外を連通する連通孔である。内側部36及び外側部31は、二色成形により形成されている。
【0041】
こうした構成によれば、透光部35が外側部31の内外を連通する連通孔であるので、透光部35の構成を簡単にすることができる。これにより、二色成形によってカバー30を容易に形成することができる。
【0042】
(1-3)取付部33は、外側部31の遮光部32と一体に形成されており、可視光を遮るように構成されている。このため、光源ユニット40から出射される光が取付部33を通じて外部に漏れることを容易に抑制することができる。
【0043】
<第2実施形態>
次に、
図4~
図7を参照して、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の外装部品110では、カバー130の構成が第1実施形態と相違している。
【0044】
以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
なお、本実施形態において第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付すとともに、対応する構成については、第1実施形態の符号「**」に「100」を加算した符号「1**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0045】
図4及び
図5に示すように、外装部品110は、ハウジング20と、カバー130と、光源ユニット40とを備えている。ハウジング20及び光源ユニット40は、第1実施形態の構成と同一である。
【0046】
<カバー130>
図5に示すように、カバー130は、開口部25を覆うとともに車両の外殻を形成するカバー本体130Aと、ハウジング20に取り付けられる取付部133とを有している。
【0047】
カバー本体130Aは、可視光を拡散させる拡散剤を含み、可視光透過性を有する内側部136と、内側部136の外面に設けられる外側部131とを有している。
内側部136は、熱可塑性樹脂製であることが好ましい。内側部136は、例えばポリプロピレン製である。内側部136を形成する熱可塑性樹脂には、周知の拡散剤が添加されている。本実施形態の内側部136は、平板状である。
【0048】
取付部133は、内側部136と一体に形成されている。取付部133は、内側部136と同一の材料により一体成形されている。
取付部133は、第1実施形態と同様にして、カバー本体130Aの周縁部に設けられている。取付部133は、ねじ孔133aを有している。
【0049】
内側部136には、いずれも後方に突出する内側突出部134aと、外側突出部134bとが一体に形成されている。内側突出部134a及び外側突出部134bは、内側部136の全周にわたって設けられている。内側突出部134aは、ハウジング20の周壁22の内周側に位置している。外側突出部134bは、ハウジング20の周壁22の外周側に位置している。
【0050】
内側突出部134aと、外側突出部134bと、周壁22とにより区画される空間には、接着剤60が設けられている。
外側部131は、可視光透過性を有するフィルム基材138を有している。外側部131は、カバー130の意匠面を形成している。
【0051】
フィルム基材138は、スモーク色の熱可塑性樹脂製であることが好ましい。フィルム基材138は、例えばポリプロピレン製である。
図6に示すように、フィルム基材138の後面、すなわち内面には、遮光部132及び透光部135が印刷により形成されている。
【0052】
遮光部132は、例えば黒色インクにより印刷されている。透光部135は、例えば透明インクにより印刷されている。
本実施形態では、フィルム基材138の後面のうち透光部135以外の部分が、遮光部132により構成されている。
【0053】
図5に示すように、外側部131は、図示しない接着剤を介して、内側部136の前面全体に接着されている。
本実施形態では、フィルム基材138の前面、すなわちカバー130の意匠面が、平面状である。
【0054】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4~
図6に示すように、光源ユニット40の点灯時には、光源ユニット40から出射される光が、リフレクタ43により反射された後、内側部136と、外側部131の透光部135とを通じて外部に透過することで、透光部135が発光して見えるようになる。ここで、透光部135の大きさ及び形状を適宜設定することにより、発光して見える部分の大きさ及び形状を容易に設定することができる。
【0055】
また、内側部136には拡散剤が含まれているので、光源ユニット40から出射される光が内側部136内に拡散される。これにより、光源ユニット40の数を低減できる。
また、内側部136には拡散剤が含まれているので、内側部136の可視光透過率が低められる。これにより、光源ユニット40の消灯時において、
図7に示すように、カバー130の意匠面全体が黒色を呈するため、透光部135と内側部136とを通じて光源ユニット40が外部から視認されにくくなる。
【0056】
また、カバー130がハウジング20に取り付けられる取付部133を有しているので、見切り隙間が発生しない。
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0057】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1-1)に加えて、新たに以下の効果を奏することができる。
(2-1)外側部131は、可視光透過性を有するフィルム基材138を有する。遮光部132は、フィルム基材138の内面に印刷により形成されている。
【0058】
こうした構成によれば、可視光透過性のフィルム基材138の内面に印刷することによって遮光部132が形成される。このため、遮光部132の意匠の自由度、すなわち透光部135の意匠の自由度を容易に向上できる。また、上記構成によれば、フィルム基材138を内側部136の外面に貼着することにより、カバー130を容易に形成することができる。
【0059】
<第3実施形態>
次に、
図8を参照して、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の外装部品210では、カバー130に代えて、アウタカバー230及びインナカバー250を備えている点が第2実施形態と相違している。
【0060】
以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
なお、本実施形態において第2実施形態と同一の構成については、第2実施形態と同一の符号を付すとともに、対応する構成については、第2実施形態の符号「**」に「100」を加算した符号「2**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0061】
図8に示すように、外装部品210は、ハウジング20と、アウタカバー230と、インナカバー250と、光源ユニット40とを備えている。ハウジング20及び光源ユニット40は、第1実施形態の構成と同一である。
【0062】
<アウタカバー230>
アウタカバー230は、開口部25を覆うカバー本体230Aと、ハウジング20に取り付けられる取付部133とを有している。
【0063】
カバー本体230Aは、可視光透過性を有する内側部136と、内側部136の外面に設けられ、可視光透過性を有する外側部231とを有している。
内側部136は、第2実施形態の構成と同一である。
【0064】
外側部231は、フィルム基材138により形成されている。フィルム基材138は、第2実施形態の構成と同一である。ただし、フィルム基材138の後面には、印刷が施されていない。
【0065】
フィルム基材138は、スモーク色の熱可塑性樹脂製である。外側部231は、内側部136よりも低い可視光透過率を有している。
<インナカバー250>
インナカバー250は、対向部251と、周壁部253と、フランジ部254とを有している。
【0066】
インナカバー250は、可視光を遮る材料により形成されている。こうした材料としては、黒色の顔料が添加された熱可塑性樹脂が好ましい。
対向部251は、ハウジング20の内部においてアウタカバー230と前後方向Lにおいて対向している。
【0067】
対向部251には、対向部251の内外を連通する連通孔252が設けられている。本実施形態では、複数の連通孔252が設けられている。複数の連通孔252は、例えば第1実施形態において例示した複数の透光部35、あるいは第2実施形態において例示した透光部135と同様なパターンにて設けられている。
【0068】
周壁部253は、対向部251の周縁から後方に延在している。
フランジ部254は、周壁部253の後端縁から外周側に突出している。
<光源ユニット40>
光源ユニット40は、ハウジング20の内部において対向部251の内側に設けられ、対向部251に向けて光を出射するように構成されている。
【0069】
本実施形態では、光源ユニット40は、周壁部253の内周側に設けられている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図8に示すように、光源ユニット40の点灯時には、光源ユニット40から出射される光が、リフレクタ43により反射された後、インナカバー250の連通孔252、内側部136、及び外側部231を通じて外部に透過する。これにより、アウタカバー230のうち連通孔252と重なり合う部分が発光して見えるようになる。ここで、連通孔252の大きさ及び形状を適宜設定することにより、発光して見える部分の大きさ及び形状を容易に設定することができる。また、内側部136の外面が、内側部136よりも可視光透過率の低い外側部231により覆われている。このため、光源ユニット40の消灯時において、アウタカバー230とインナカバー250の連通孔252とを通じて光源ユニット40が外部から視認されにくくなる。また、アウタカバー230がハウジング20に取り付けられる取付部133を有しているので、見切り隙間が発生しない。
【0070】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(3-1)アウタカバー230は、カバー本体230Aと取付部133とを有する。インナカバー250は、対向部251を有する。光源ユニット40は、ハウジング20の内部において対向部251の内側に設けられ、対向部251に向けて光を出射する。カバー本体230Aは、内側部136と外側部231とを有する。外側部231は、内側部136よりも低い可視光透過率を有する。対向部251は、対向部251の内外を連通する連通孔252を有する。
【0071】
こうした構成によれば、上記作用を奏するため、発光して見える部分の意匠変更を容易に行うことができるとともに、見栄えの向上を図ることができる。
<変形例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0072】
・例えば第1実施形態において、カバー30のうち透光部35よりも車幅方向Wの外側の部分に、車両の走行風を逃がすための空気孔を設けることもできる。
・第1実施形態では、ねじ81をハウジング20の後方から取付孔23aに挿通するとともに、カバー30のねじ孔33aにねじ込むことにより、ハウジング20に対してカバー30を取り付けるようにした。これに代えて、
図9に示すように、ねじ81をカバー330の前方からカバー本体330Aの取付孔330aに挿通するとともに、ハウジング320の取付部323から前方に突出する突出部324のねじ孔324aにねじ込むようにしてもよい。なお、第2,3実施形態においても上記変更と同様な変更を行うことができる。
【0073】
・
図9に示すように、ハウジング320の周壁322の外周側において取付部323から前方に突出する環状壁326を設けるようにしてもよい。また、カバー330の突出部324を、周壁322と環状壁326との間に向けて突出させるとともに、周壁322と、環状壁326と、突出部324との間に、接着剤60を設けるようにしてもよい。なお、第2,3実施形態においても上記変更と同様な変更を行うことができる。
【0074】
・ハウジング20の内部に光源42を複数設けるようにしてもよい。この場合、リフレクタ43を省略することもできる。
・第3実施形態において、カバー本体230Aを構成する内側部136と外側部231とを二色成形により形成するようにしてもよい。
【0075】
・第2実施形態では、カバー130の外側部131が、フィルム基材138と、フィルム基材138の内面に対し印刷により形成された遮光部132とを有する構成について例示した。これに代えて、外側部131を塗膜により形成するようにしてもよい。この場合、内側部136の外面に塗膜を形成することにより、カバーを容易に形成することができる。
【0076】
・第1実施形態では、外側部31及び内側部36をいずれもポリプロピレン製としたが、ポリカーボネートなどの他の熱可塑性樹脂により形成することもできる。この場合であっても、外側部31及び内側部36を二色成形により形成することができる。
【0077】
・第2,3実施形態では、外側部131及び内側部136をいずれもポリプロピレン製としたが、ポリカーボネートなどの他の熱可塑性樹脂により形成することもできる。
【符号の説明】
【0078】
10,110,210…外装部品
20,320…ハウジング
21…底壁
22,322…周壁
23,323…取付部
23a…取付孔
25…開口部
30,130,330…カバー
30A,130A,230A,330A…カバー本体
31,131,231…外側部
32,132…遮光部
33,133…取付部
33a,133a…ねじ孔
34a,134a…内側突出部
34b,134b…外側突出部
35,135…透光部
36,136,236…内側部
40…光源ユニット
41…基板
42…光源
43…リフレクタ
60…接着剤
81…ねじ
90…バンパカバー
91…貫通孔
92…ヘッドライト
138…フィルム基材
230…アウタカバー
250…インナカバー
251…対向部
252…連通孔
253…周壁部
254…フランジ部
330a…取付孔
324…突出部
324a…ねじ孔
325…開口部
326…環状壁
334a…突出部